07/06/26 第1回議事録          第1回健やか生活習慣国民運動(仮称)準備会議                日時:平成19年6月26日(火)14:00〜16:00       場所:法曹会館2階「高砂の間」 ○次第 1.開会、挨拶 2.議題  (1)健やか生活習慣国民運動(仮称)について  (2)健やか生活習慣国民運動(仮称)準備会議の設置について  (3)効果的な運動展開へ向けて  (4)その他 3.閉会 ○議事録 【矢島生活習慣病対策室長】  定刻となりましたので、ただいまから、第1回健やか 生活習慣国民運動準備会議を開催させていただきます。  皆様方には、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。 私は、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長の矢島でございます。  開会に先立ちまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。会議次第、構成 員名簿、座席表のほかに、資料1といたしまして「健やか生活習慣国民運動(仮称)に ついて」、それから資料2といたしまして「健やか生活習慣国民運動(仮称)準備会議設 置要綱(案)」、資料3といたしまして「健やか生活習慣国民運動(仮称)の効果的な運 動の展開について」、資料4−1といたしまして「新健康フロンティア戦略(絵)」、資料 4−2といたしまして「新健康フロンティア戦略(本文)」、資料4−3といたしまして 「新健康フロンティア戦略(参考資料)」、以上でございますが、不足、落丁等ございま したら、お申しつけいただきますようお願いを申し上げます。  それでは、初めに、厚生労働省の辻事務次官からごあいさつをさせていただきます。 【辻厚生労働事務次官】  ほんとうに、本日はお忙しいところを、多数こうしてお集 まりくださいまして、心から御礼を申し上げます。また、厚生労働行政につきまして、 平素から大変なお力を皆様にいただいておりますことを、心から御礼申し上げます。  また、ごあいさつの冒頭に当たりまして、年金の記録の問題が大変大きな問題となり、 皆様方に大変なご心配、ご不安をおかけしている、このことにつきまして、まずおわび を申し上げたいと思います。  私ども、この記録の問題につきまして、年金記録についての信頼を失えば、年金その ものについての信頼を失うという大変な事態だと受け止め、今ありとあらゆる、とれる 措置を講ずるという決意のもとで対処いたしております。何とぞご理解を賜りたいと思 います。  本日の議題に関してでございますが、この健やか生活習慣国民運動というものについ てお願いする背景を、ごあいさつにかえて若干申し上げたいと思います。  医療制度改革は、率直に言って、医療費の伸びをどのように適正化するかということ が大変大きな入り口でございました。何も手を加えず、改革をしなければ、年間で大体 三、四%の伸び率で医療費は伸びていく。したがいまして、何もしなければ年間1兆円 ぐらいの医療費が伸び続けております。そういう中で、一部負担の引き上げといった大 変厳しい改革を今までやらせていただいたわけですが、これもおのずから限度がある、 どのように考えるのかということが今回の改革の入り口でございました。  これにつきまして、なぜ医療費が伸びるのかという、医療の中身に立ち戻って検討い たしました。結論から申しますと、40代ぐらいを境に、急速に生活習慣病の罹患率、 外来受診率というのが上がっていく。そして、それがより悪くなって脳血管、心臓血管、 あるいは腎臓、目といった血管の障害を通して大変重篤な病気になっていく。そして、 長期の寝たきりといった要介護状態にも至っていく。このプロセスを経て医療費が伸び ているということで、もととなる生活習慣病が、いわば医療費の伸びの構造的な主因で あるということが明確になったわけでございます。  もととなるこの生活習慣病というものを予防できないのか。患者さんの一部負担を上 げるといったこともさることながら、予防ができて、その結果医療費の伸びが下がれば、 最も正しい医療費の適正化であり、そのことは国民の幸せである。したがって、予防と いうものを徹底しなければならない。そして、生活習慣病については予防ができるとい う、いわば確信に至ったわけでございます。  メタボリックシンドロームという概念が大変有名になりましたが、これは代謝異常、 あるいは内臓脂肪症候群と言われますように、内臓脂肪が分泌するさまざまなものが原 因となって生活習慣病――高血圧も糖尿病も、高脂血も皆同根であるということがわか ったわけでございます。そして、内臓脂肪を減らすということと同時に、運動すること によって代謝が促進されるということもわかったということで、そうなりますと、運動 するということは、内臓脂肪をカロリーとして減らす方向につながりますし、また運動 することによって代謝が促進される。したがって、それによって生活習慣病がもとから、 いわば発症ないしは増悪を防ぐことができる、こういう明快な論理が明らかになりまし た。  そういうことで、私ども、1に運動、2に食事、一般的にはダイエットということで ございますけれども、しっかり禁煙、最後に薬という、いわば運動論で予防できるとい うことが極めて明確になったというのが、今回お願いする原点でございます。  まず運動するということですが、これは一言で言えばただ歩けばよいと。そして、適 正なダイエット、すなわち食習慣を身につけていく。これをどう進めるかにつきまして は、ポピュレーションアプローチと言うそうでございますけれども、社会全体がこのこ とを理解し、進めようとする雰囲気が行き届いてきているということが大切である。そ して一定年齢以上については検診を網羅的に行いまして、ハイリスクグループと言われ ております一定の兆候のある方について、今度は個別的、集中的に事後指導──指導と いう言葉がいいかどうかは別にして、いろいろと、このままいけば病気になりますよと いうお話をしたり、あるいは生活習慣の変容を求める。こういうのをポピュレーション アプローチとハイリスクグループアプローチと言うそうですけれども、これを組み合わ せるという形で、いわば国家的事業として行っていこうというのが、今回の医療制度改 革の大きな柱でございます。  そのときに、このポピュレーションアプローチ、社会の啓発というのはものすごく重 要だと。社会全体が理解している中で、例えば、検診で見つかった方に気をつけましょ うねと言えば、それは全体が理解する中ですから、ご本人に対するさまざまなアドバイ スの効果は格段高いものになります。しかし、社会が理解していない、そういうことは あまり大した話じゃないんじゃないかという雰囲気の中では、なかなかハイリスクグル ープアプローチの威力も低いと思います。そういうことから、社会全体の啓発というの はものすごく重要だという位置づけをしております。そして、特に、生活習慣――食習 慣、運動習慣は子供のときから形成されますので、子供のときからの食生活、食育とい う問題が基本的に重要だと。したがって、幅広い教育、地域、いろいろな関係者のお力 が要るということでございます。  そして、この「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」という運動論の 基本も、太ってはならないとか何々してはならないということでは、病気になってはな らない、病気になる人はよくないというようなことになるわけで、そのような考え方は あってはならないと思います。したがって、それは、「よく運動することは快適だ、楽し い」、あるいは「適正な食習慣というのは快適だ、楽しい」という訴えかけとして、さま ざまな地域や食育の文化として定着させていくということだと思います。そのような運 動は、皆様方のお力なくしてはできないというのが私どもの考えでございまして、特に、 それは口で言えば簡単でございますけれども、さまざまな職場や地域、食育の中で積み 上げて、こういうやり方、運動でやったら大変みんなが喜んだ、動いたという実践例を 積み重ねて、それが国の隅々まで広がっていくという文化運動こそが、私は基本戦略で はないかと思っております。  そのような観点から、構造は非常にシンプルでございますので、この構造のもとで、 それぞれの皆様のお立場からアプローチできる方法論で、一つ一つ積み重ね、そしてお 互いに広め合っていくということを心から期待しておるわけでございます。  ほんとうに、厚生労働省も、医療費の適正化という大変な重しの中で苦しんでおりま す。必要な医療は必ずやらなければならない。しかし、そうでなく済むようにするには 予防が一番であります。したがって、これは21世紀の国づくりである、そしてこのよ うな生活習慣を身につけた国民の国であれば、それはほんとうに心豊かな国だと私は思 います。そういう国づくりをしようという勢いで、一方においてハイリスクグループア プローチも行いますけれども、この国民運動が大基本であるという考え方でございます。 そのような観点から、いわば浮ついた運動論ではなくて、きっちりした積み上げから広 がっていくような運動論にするために、あえて準備会議から発足させていただくと。そ して、この準備会議での実践や話し合い、積み重ねを経て大きな運動論にしていただき たいということで私どもはおります。  そのように、大変大切なこととして、皆様が我々の気持ちを受け止めていただき、何 とぞお力を賜りますよう、ちょっと長々としたごあいさつになりましたけれども、ほん とうに今問題になっている医療費の問題の大根本であるということを訴えさせていただ きまして、ごあいさつにかえさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍 手) 【矢島生活習慣病対策室長】  ここで、事務次官と健康局長でございますが、次の用 務がございますので、退席をさせていただきます。  続きまして、会議の議事に入らせていただきたいと思いますが、この会議の議長とい たしまして、健康日本21推進国民会議の議長を務めていただいております高久史麿様 にお願いをしたいと思います。  高久先生、よろしくお願いいたします。 【高久議長】  ご指名ですので、議長を務めさせていただきます。よろしくお願いい たします。  本日は、幾つかの議事がありますので、この順番に進めさせていただきますけれども、 最初の議題1「健やか生活習慣国民運動(仮称)について」、これは矢島室長のほうから、 よろしく。 【矢島生活習慣病対策室長】  それでは、お手元の資料1「健やか生活習慣国民運動 (仮称)について」に基づきまして、ご説明をさせていただきます。  まず、1枚おめくりをいただきたいと思います。  健やか生活習慣国民運動の趣旨でございます。ただいま事務次官からご説明をさせて いただきましたように、生活習慣病がいろいろな意味で医療費の伸びに大きく影響を与 えているという背景がございます。従来のやり方は早期発見、早期治療だったのですが、 予防が可能な生活習慣病については予防することができるわけでございますので、そう いう意味では一次予防、要するに発症を予防するということが大事な観点になってくる かと思います。現在、毎年亡くなる方の約6割が生活習慣病だと言われております。今 回は、医療費に大きな影響を与えております生活習慣病の中で、特にメタボリックシン ドロームの概念に着目するとともに、日常生活の中での適度な運動、健全な食生活、禁 煙を生活習慣病予防の柱といたしまして、こうした健やかな生活習慣、爽快感ですとか 気持ちよさを国民が実感することで行動変容をしていく新たな国民運動を展開する、こ れが目的でございます。  そして、健やかな生活習慣がそれぞれの地域及び職域に浸透し、国民の生活文化とし て定着していくことを目指しまして、国民運動の趣旨に共感し、具体的に行動する団体 の参画を得て、健やか生活習慣国民運動全国協議会を、できれば来年設置することに向 けて、この準備会議をお願いしたわけでございます。それを設置いたしまして、食育を はじめとする他の国民運動とも連携をしながら、家庭、地域社会、保育所、学校、職場 などさまざまな場において、子供のころからの正しい食習慣の育成をはじめとし、生涯 にわたる生活習慣病予防のための多彩な普及啓発及び実践活動を促進するということが、 この運動の趣旨でございます。  次のページをお開きいただきたいと思います。  今までのポピュレーションアプローチをやってきました課題でございます。健康日本 21というものがございます。目標項目9分野70項目ございます。これにつきまして は、いろいろな意味で広く大きくという観点もございましたので、分野が広くなり、項 目も大きくなっていますが、逆に、実践するには数が多過ぎるというふうなご指摘も受 けておりました。それから、健康日本21の目標達成に向けた効果的なプログラムやツ ールというものが、まだ不十分な点があったのではないだろうかというご指摘。それか ら、普及啓発が行政や外郭団体中心であったということで、産業界を含む社会全体の活 動に必ずしも至っていなかったというご指摘もいただいておりました。  こういった点を含めまして、今回は、健康日本21がベースになっておりますが、そ の中で特に重点分野を設定させていただきまして、ここにございますように、健康日本 21のうち、運動と食事と禁煙に焦点を当てるという形でございます。ターゲットを明 確にした戦略的で効果的な運動の推進ということで、国民運動のまず最初の着火点、始 まりといたしまして、子供の食育に着目するということが大事ではないか。それから社 会全体を巻き込んだ運動の展開という形で、産業界によります取り組みの促進、社員・ 家族への普及啓発ですとか、社会貢献活動、経済活動の一環としての国民運動、そうい うものが推進できないか。それから、地域、職域の特色を生かしたさまざまな実践活動 の推進というものをこれから展開できないだろうかということで、具体的には、国民運 動推進の中核機関といたしまして、まさに今準備会議をさせていただいているわけです が、健やか生活習慣国民運動全国協議会というものを来年立ち上げたいということで、 準備という形で皆様方にお集まりをいただきまして、いろいろな意味でご意見等をいた だければありがたいと思っているところでございます。  これは、国だけではなく、各団体、学校、産業界、地方公共団体、マスコミも含め、 いろいろな方々にいろいろなご意見をいただきながら、具体的に会議を進めていきたい と考えております。特に、すぐれた事例について情報収集や評価をしたり、啓発をした りという形で、そういう事例を収集していくためには、実践団体、企業の方々がたくさ ん参加していただくことがすごく大事だというふうに思っています。いろいろな産業界 の方、地域社会の方々から、すぐれた事例というものをぜひ出していただきながら、普 及啓発をしていく。その中で、特に食育の国民運動ですとか、「早寝早起き朝ごはん」の 国民運動等とも連携を密にしながら、この国民運動が進んでいければと考えているとこ ろでございます。  次をお開きいただきたいと思います。健やか生活習慣国民運動の進め方でございます が、このページの一番下のところにあります国民運動準備会議の設置、これが本日お集 まりいただいていますこの会議になるわけでございますが、実は左の18年度におきま して、この準備会議のための準備をさせていただきました。関係省庁や関係団体の方々 の意見等をいただいたり、各省との協議や各団体の方々への参加の要請をさせていただ きながら、本日を迎えたわけでございます。まず、本日、準備会議を設置させていただ きまして、ここにありますように国民運動の推進方策ですとか、いろいろな運動の重点 課題、推進体制のあり方、試行的取り組みというものにつきましてご議論をいただけれ ばと思っております。運動の財源確保の問題もございますが、これはなかなか、今日す ぐこの場でということにはならないわけでございますけれども、将来的には財源確保を どうしたらいいだろうかということも必要になってくるのではないだろうかというふう に考えております。本日のところは、このところを具体的にどうするかということをお 決めいただくということではなくて、いろいろなご意見がありましたら、いただければ ありがたいと思っております。今日、ここでお金のことについて決めるということでは ございません。  それから、次のところでございますが、業務委託という形で、企画提案のコンペの予 算を私どもで用意させていただいておりますので、年度末にプレイベントを予定してお ります。いろいろな企画提案のコンペを、できれば7月にさせていただきまして、各団 体の試行的な取り組みと連携しながら、年度末には国民運動のプレイベントを開催した いと思っております。例えば、具体的には、マスコミの関係ではメタボリックシンドロ ームの撲滅キャンペーンをやっていただくとか、俳優座では、伊能忠敬が歩いて実測を しながら日本地図をつくったという映画の上映運動をしていただいております。9月に は、福井県で、健康日本21推進全国大会が予定をされております。ここでも、いろい ろな先駆的な取り組みを発表できればと思っております。  それから、20年度からの新しい国民運動の協議会の発足前に、プレイベントという 形で、ここにありますように普及啓発のいろいろなすぐれた事例集の紹介などをさせて いただければと思っておりますが、実は、20年4月から、医療制度改革に基づきまし て、メタボリックシンドロームの概念を導入した特定健診、特定保健指導というものが 新しく実施されることになりますので、その普及啓発という目的も含めまして、国民運 動のプレイベントを、3月に、都内で実施をできればと考えております。  20年度になりまして、年度初めの4月から始まりますが、メタボリックシンドロー ムの概念を導入した新しい特定健診、特定保健指導の動きを踏まえながら、時期的に大 丈夫かということはいろいろと調整をしなければいけないところですが、5月下旬ぐら いに国民運動の全国協議会を発足をしたい、そういう運動に合わせて一緒に展開してい きたいと考えています。記念行事を行ったり、シンボルマークなどを発表することがで きればというふうに考えております。  それから、国民運動の展開という形で、6月には食育月間がございます。食生活の改 善普及月間も10月にございますし、そういう各種キャンペーンとも連携させていただ きながら、具体的な普及啓発に努めたい。そして、21年度以降は、さらに参画してい ただきます団体、企業を拡大していきながら、生活習慣病を予防するための国民生活へ の浸透と定着を広めていきたいという流れを考えているところでございます。  まだ、あくまでも準備段階でございますので、なるべく多くの関係の方々のご協力を いただきませんと、この運動がうまくいかないと思っていますので、ぜひいろいろな意 味で忌憚のないご意見をいただければありがたいと思っております。  以上でございます。 【高久議長】  どうもありがとうございました。ただいまの、室長からの説明につき まして、どなたかご意見、ご質問はおありでしょうか。  特にないですか。  また最後にまとめて質疑をする時間をとっていますので、それでは、次の議題2「健 やか生活習慣国民運動(仮称)準備会議の設置について」、これも矢島室長から、よろし くお願いします。 【矢島生活習慣病対策室長】  それでは、お手元の資料2に基づきまして、説明をさ せていただきます。  健やか生活習慣国民運動(仮称)の準備会議設置要綱の案でございます。1番の趣旨 につきましては、先ほどの繰り返しになってしまいますが、「今日、死亡原因の約6割を 占めるとともに国民医療費に大きな影響を与えている生活習慣病の予防に向けて、日常 生活の中での適度な運動、健全な食生活、禁煙を柱とする健やかな生活習慣の爽快感や 気持ちの良さを実感することで、自ら行動変容をしていく新たな国民運動を展開するこ ととし、その推進体制を整備するため、国民運動の趣旨に共感し具体的に行動する団体 の参画を得て『健やか生活習慣国民運動準備会議』(以下「準備会議」という。)を設置 する」という趣旨でございます。  役割といたしまして、平成20年4月からの「健やか生活習慣国民運動」、これは仮称 でございますが、以下「国民運動」の推進の中核機関の母体となる。2番目といたしま して、国民運動のプレイベントの企画及び運営への協力をお願いをする。それから3番 目といたしまして、国民運動を地域及び職域に広げていくための推進方策について、厚 生労働省に意見・提案を行うという役割でございます。  それから3番目、組織といたしましては、「準備会議は、国民運動の趣旨に賛同する団 体及び個人をもって構成する。ただし団体にあっては、国民運動に関する具体的な取組 を先行して実施することを参加の条件とする」ということでございますが、特にこれで ご質問がありましたのは、例えば全国組織の場合に、直接やっていなくて、どこどこの 都道府県でやっている、どこどこの市町村でやっているとか、どこどこの地域でやって いるとかいうふうなこともございますので、全国団体としてやっているのではなく、参 画している地域の団体がそういうものをやっているということでも、もちろん結構でご ざいますというご説明をさせていただいております。  議長につきましては、「準備会議の構成員のうちから、議長を選出する。議長は、会務 を総括し、会議を招集する。議長に事故あるとき又は議長が欠けたときは、予め議長が 指定する者が議長の職務を代行する」という考え方でございます。  5番目といたしまして、事務局。「準備会議の事務局を、財団法人健康・体力づくり事 業財団に置く」ということ。「その他」といたしまして、「この要綱に定めるもののほか、 準備会議の運営に必要な事項は、議長が別に定める」という形です。  このような形で準備をさせていただきまして、いろいろとまだご意見もあるかと思い ますが、現段階では、皆様方にご意見をいただきながら、このような形で設置要綱をつ くらせていただければありがたいと思っているところでございます。  以上でございます。 【高久議長】  どうもありがとうございました。国民運動の準備会議の設置要綱とい うことで、資料2の案が出ていますが、どなたかご質問、ご意見はおありでしょうか。  国民運動がスタートしたら、この準備会議というのは発展的に会議に……。 【矢島生活習慣病対策室長】  そのまま発展した会議になるということを、一応想定 しております。 【高久議長】  そういうことですね。それから、資料の1には、「国民運動」という言 葉と「国民運動全国協議会」と両方の名前が出てくるのですが、正式にはどっちになる のですか。 【矢島生活習慣病対策室長】  今のところ、最終的には、ここにありますような形で、 2ページの「国民運動全国協議会」ということを一応考えております。 【高久議長】  わかりました。ほかに、どなたかご質問おありでしょうか。  もう既にこの準備会議がスタートしていますので、しばらくこの会議を続けさせてい ただければと思います。  それでは、議題の3「効果的な運動展開へ向けて」でありますけれども、これにつき ましても、矢島室長から、よろしくお願いします。 【矢島生活習慣病対策室長】  それでは、お手元の資料3でございますが、横長の1 枚紙でございます。「健やか生活習慣国民運動(仮称)の効果的な運動の展開について (案)」という形でございまして、これもいろいろとご質問がございまして、どういうふ うな運動のイメージを描けばいいのかということで、事務局でつくらせていただいたも のでございます。「地域・職域での取組の推進」という形で、例えば、地域・職域で運動、 食事、禁煙、特に、先ほど述べましたけれども着火点、始めのところとして子供の食育 というものがすごく大事だと思っています。そういう取り組みを実施しているというこ とについて、例えばホームページ、全国大会、事例集等でその取り組みをご紹介させて いただく。その中で、効果的・先駆的な取り組みについては、例えば年度末の3月に予 定をしていますプレイベント等で表彰する、発表をしていただくとか、そういうふうな ものもあるんではないだろうかという形。  国民への普及啓発としては、これらで集めましたいろいろな事例集や取り組みを、都 道府県や医療保険者等の説明会の中でも紹介をさせていただくという形で、健やか生活 習慣国民運動のホームページをインターネットに開設したり、シンボルキャラクターで すとかキャッチコピーを作成したりというものをやりながら、国民の理解・関心を高め、 また正確な情報を提供する。  それから、今、新健康フロンティア戦略というものが進められております。新健康フ ロンティア戦略は後ほど、お手元の資料にありますけれども、その中の広報とも連携を しながら、国民の中に普及啓発をしていくというイメージでございます。結果的に、効 果的、継続的な国民運動を展開していくという形です。  これはお願いなのですけれども、一番下に書いてございますが、準備会議の構成団体 の皆さん方には、会員ですとか支部組織、関係・関連の団体などへの積極的な取り組み の呼びかけをぜひお願いできればと思っております。必要があれば、私どもはご説明に 上がりたいと考えておりますので、ぜひ準備会議の構成団体の皆様方には、いろいろな 意味で積極的な呼びかけをお願いできればありがたいと考えているものでございます。  以上でございます。 【高久議長】  どうもありがとうございました。資料の3に、運動の展開ということ で、いろいろ事務局のほうで考えたことが紹介されています。この点につきまして、ど なたかご意見、ご質問はおありでしょうか。よろしいでしょうか。  この「新健康フロンティア戦略」というのは、後で説明があるのですか。 【矢島生活習慣病対策室長】  はい。次に説明をさせていただきます。 【高久議長】  はい。どうぞ。 【社団法人日本栄養士会】  日本栄養士会でございます。資料1と資料2に関連して、 細かなことのようですけれども、例えば資料1の2枚目でございますが、産業界も巻き 込み運動を展開するんだという記述の中の(1)に、「運動・食事・禁煙」とあって、「食事」 と書いてあります。1枚目を見てみますと、日常生活の中での「健全な食生活」とうた ってあります。何か「食生活」のほうが、概念的には随分広がりがあるような気がいた します。もし差し支えなければ、今後「運動・食生活・禁煙」にしていただくと、私た ちの取り組みは、より一層深められる気がいたします。いかがでしょうか。 【高久議長】  どうぞ。 【矢島生活習慣病対策室長】  すみません。せっかくのご提案ですので、検討させて いただきたいと思います。今までは食事という形で言ってきたものですから、またその 辺のところは関係の方々の意見を調整させていただいて、ご提案を踏まえて検討させて いただければと思います。 【高久議長】  ほかにどなたか、どうぞ。 【全国知事会】  今、都道府県や市町村においては、健康日本21ということで、そ れぞれ計画を立てて、全力を挙げて取り組んでいるところです。先ほどそれを3つの項 目に特化してという説明があったんですが、もう少しわかりやすく、健康日本21との 整合性についてちょっとお示しいただければありがたいと思っております。 【矢島生活習慣病対策室長】  この運動において一番ご質問があった点は、健康日本 21との関係をどういうふうにするのかということでございますが、基本的には、先ほ どご説明をさせていただいた資料1を2枚おめくりいただきますと、「健やか生活習慣 国民運動について」という紙がございます。その中の、「これまでのポピュレーションア プローチの課題」の次、「産業界も巻込み“健やかな生活習慣”の普及定着を目指す国民 運動の展開」というところで、一応健康日本21との関係を整理させていただいている わけでございますが、まずベースとしては健康日本21というものがございます。これ は9分野70項目にわたりまして、健康づくりに関係があるものを幅広く網羅しており ます。ただ、網羅をしているということのために、数が多過ぎてどこから手をつけたら いいのかという問題もございまして、今回は、医療費の伸びを抑えるというところに、 特にポイントを絞らせていただきました。重点分野という形で、健康日本21の中で、 将来の医療費の伸びを抑える、予防するという観点から、特に運動と食事と禁煙の3つ に焦点を絞った形にしております。  我々は、この国民運動が、健康日本21の推進方策の1つとして位置づけられている というふうに思っておりますが、将来的に、健康日本21の大きな流れと、これから進 めていただきます健やか生活習慣国民運動との関係をどうするのかというご議論はある かと思います。しかし、現段階では、特に重点的にこの3つの分野について、健やか生 活習慣国民運動としてやっていきたいと考えておるところでございます。その意味では、 決して従来の健康日本21をおろそかにしているというものではないということだけは、 重ねてお伝えをさせていただければと考えております。 【高久議長】  私もまだよく理解していないところがあるのですが、健康日本21の ときは、今ご質問があったように、各地方自治体が中心となって具体的な案を立ててや ってきたわけです。この国民運動はどこが中心になるのですか。今日集まっていただい たいろいろな団体の方が中心になると考えて良いのですか。 【矢島生活習慣病対策室長】  まさに今ご指摘にありましたように、この運動に参画 していただいている方々に、中心的にやっていただこうということでございまして、従 来と違って、特に産業界も巻き込んで、この運動に参画していただく方々には、ぜひい ろいろな取り組み、先駆的な事例を含めまして取り組んでいただければということを考 えております。 【高久議長】  ほかにどなたか、ご質問よろしいでしょうか。どうぞ。 【全国知事会】  もう1つだけお願いしたいと思います。運動、食事については理解 できたんですが、禁煙のほうですが、がん対策推進基本計画が6月15日に公式に発表 されたと思うんですけれども、その中で、やはり禁煙の分野について、具体的に運動に 取り組むためには目標値が盛り込まれないなど、少し後退したかなというような感じが 受けられるんですが、その点についてお願いしたいと思います。 【矢島生活習慣病対策室長】  がん対策推進基本計画の中では、確かにご指摘の数値 目標については書かれていないのですが、具体的な数値ではないのですけれども、やめ たい人がやめるという目標は新しく入っております。これは健康日本21のときにも議 論が行われまして、やはりたばこについての目標がないというのもまずいのではないだ ろうかということで、いろいろなご議論の中で数値目標という話もあったのですが、ま ずは、現在の喫煙率をもとにやめたい人はどれぐらいいるのかということを出して、や めたい人がやめられるという目標を、すべての健康増進計画の中につくっていただくよ うな方向で持っていくということも一つ重要な議論じゃないだろうかと。私ども、従来 は、たばこについてのそういう目標がなかったわけでございますので、そういう意味で、 数値ではございませんけれども、目標が設定されたというのはそれなりに前進なのかな というところもございます。ただし、ご指摘のように、不十分ではないだろうかという ご指摘もたくさんいただいているところでございますので、今後たばこについては、具 体的には、6月末から、WHOのたばこ規制枠組条約の第2回の国際会議がございまし て、その席でも、たばこの施策についてまた具体的な議論がある予定でございますので、 そういう議論を踏まえて、また各関係の方々に情報提供などをさせていただければとい うふうに考えております。 【全国知事会】  ありがとうございました。 【高久議長】  ほかにどなたか、おありでしょうか。 「運動・食事・禁煙」は、この順番ということではないのですね。世界的には、ウエー トが「禁煙・食事・運動」になっているのですが、同じと考えていいのでしょうな。 【矢島生活習慣病対策室長】  実は、1年半ほど前の平成17年9月に、厚生労働省 の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会で、生活習慣病対策の中間取りまとめをさ せていただいたときに、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」というキ ャッチフレーズをつくっていただきまして、それをもとにして、いろいろな普及啓発の ポスターも……、そういう意味で、事務次官のあいさつにもございましたが、まず「1 に運動」から。決してほかのところをおろそかにするというわけではないのですが、今 まで逆に運動の部分が弱かったということで、まず1に運動、2に食事、しっかり禁煙 をして、最後に薬というキャッチフレーズもつくらせていただきまして、一応それをも とに、今健康づくりをしているということがございますので、そういう意味では、ちょ っと重きを置いております。 【高久議長】  わかりました。ほかにどなたか、よろしいでしょうか。  それでは、議題4の「その他」について、これも事務局のほうから、矢島さん、よろ しくお願いします。 【矢島生活習慣病対策室長】  それでは、新健康フロンティア戦略の関係につきまし て、説明をさせていただきたいと思います。お手元に、資料4−1と4−2、4−3と いう形でございます。  まず、4−1でございますが、新健康フロンティア戦略は、1つの大きな「健康国家 への挑戦」という形で、いろいろな力をこの木の中に入れております。女性の健康力で すとか介護予防力、歯の健康力、スポーツ力、子供の健康力、メタボリックシンドロー ムの克服力、がんの克服力ですとか心の健康力、食の選択力という形で、これは、健康 国家へ向けて、こういうものを一つ具体的にやっていくことが必要だというもの。その 根っこのところなのですが、人間活動領域の拡張力というのでしょうか、それからいろ いろな新しい分野の研究開発、家庭ですとか地域、そういうものの力がすごく大事なの だというようなことを、1つの図にイメージさせていただいたものでございます。  次の4−2でございますが、「新健康フロンティア戦略〜健康国家への挑戦〜」という 形で、4月18日に、新健康フロンティア戦略賢人会議でまとめたものがございます。 内閣特別顧問の黒川清先生が座長でございまして、ここにありますような形で4つの分 科会から成り立っております。1つ目が「子どもを守り育てる分科会」、2番目が「女性 を応援する分科会」、それから3番目でございますが、「働き盛りと高齢者の健康安心分 科会」というもの、4番目といたしまして「人間活動領域の拡張分科会」という4つの 分科会から成っております。今回の私どもの生活習慣病のところは、3番目の「働き盛 りと高齢者の健康安心分科会」の中で、特にメタボリックシンドローム関係のものがこ こに入っておりまして、特に重点的に取り上げられております。  目次のところをごらんいただきたいと思いますが、戦略の趣旨がありまして、具体的 内容ということで、第1部が「国民自らがそれぞれの立場に応じて行う健康対策」。この 中に、先ほどの分科会に応じまして、子供の健康力ですとか女性の健康力、メタボリッ クシンドローム対策、がん対策、心の健康づくり、介護予防、歯の健康づくり、食育の 推進ですとか運動スポーツの振興、そういうものがございます。それから、第2部とい たしまして、「新健康フロンティア戦略を支援する家庭・地域・技術・産業」という形で、 家庭力・地域力、人間活動領域拡張力ですとか研究開発、そういうものを具体的にやっ ております。  「戦略の推進に向けた国民運動」、ここでもまた国民運動という形のものが提案をされ ております。こういうところとも連携をしていかなければいけないと考えています。あ と、「戦略の実施期間」ですとか「戦略の進め方」というものがまとめられております。  今回の新健康フロンティア戦略というものは、これも厚生労働省だけではなく、文部 科学省、経済産業省、農林水産省など関係省庁とも連携をとりながら、特にここのとこ ろは内閣府が中心になりまして、取りまとめをしていただいた部分もございます。この 中で特に関係をいたしますところだけご説明をさせていただきたいと思いますが、10 ページをお開きいただきたいと思います。  「メタボリックシンドローム対策の一層の推進」というところでございます。ここは、 今回の制度の一番大きなポイントになりますが、我が国は世界一の長寿国である一方で、 急速に人口の高齢化が進んでいるということで、先ほども出ましたが、メタボリックシ ンドロームが心筋梗塞、脳卒中を予防する上ですごく重要だということでございます。 まず1番目といたしまして「メタボリックシンドローム対策」、特にこの中で糖尿病とい う言葉が出ています。メタボリックシンドローム対策と糖尿病予防の重点的推進という 形でございまして、メタボリックシンドローム克服のための国民運動の展開をしていく。 ここも、特にこういうところとの連携がすごく大事になってくるところでございますが、 職域、企業、関係団体、薬局等も含めました関係機関、民間団体、NPOも含めまして、 各世代の者のほか、年齢を超えて社会全体を巻き込み、食育の推進とも連携した国民運 動を実施する。それから「食事バランスガイド」、これは農林水産省と厚生労働省で一緒 につくらせていただいたものでございます。そういう「食事バランスガイド」ですとか、 「エクササイズガイド」というものも普及啓発をしていく必要がある。それから、日本 糖尿病対策推進会議というのがございまして、日本医師会、日本糖尿病学会、それから 日本糖尿病協会は患者さんの団体でございますが、これらが糖尿病の発症予防等を目指 して共同で設立した会議でございます。こういうものの活用、それから産業医の活用と いうことがうたわれております。  次の11ページをごらんいただきたいと思いますが、「民間活力等を活用した国民の 継続的な取組みへの支援」という形で、動機づけのツールといたしまして「e-wellness」 「e-health」などがございますが、ITを活用したものです。それによる個人ごとのプ ログラムの提供ですとか、機会の確保、運動、食事等の生活習慣改善に関する支援。「一 生涯を通じた、内臓脂肪量や運動量の自己チェック・改善の支援」ですとか、「家庭用健 康測定機器等を活用しつつ、個人の健康状態を生涯を通じて把握・活用できる基盤の整 備」。それから、「科学的根拠に基づいて確実に効果を生み出す健康関連産業の育成、発 展の支援」「運動や食品の効果や機能の解明と適切な運動習慣、食生活の普及」「個人や 地域・企業の生活習慣改善への動機(インセンティブ)の付与等の環境の整備」ですと か、「地域や企業の取組みの普及、飲食店・社員食堂等での栄養表示の普及、運動等に親 しむ機会の確保」「身近にある大衆薬の適切な利用」というもの。  それから、3番目といたしまして、個人の特徴に応じた予防という形で、ここで「テ ーラーメイド予防」という言葉が出ております。個々人の特徴に応じた予防という形で、 テーラーメイド予防の研究開発と推進。「個人の特徴に応じた予防のための司令塔づく り」「発症リスク等に関する指標(遺伝子、生体指標(バイオマーカー)、ライフスタイ ル等)の研究開発と普及」「予防のための個別に適応できる運動・食事プログラムとその 提供システムの開発・普及」「適切な生活指導、運動療法、食事療法、歯周病対策、治療 等の実施」ですとか、「糖尿病から脳卒中、心筋梗塞、腎不全等の合併症への移行の阻止」。 どこでもだれでもスタンダード、標準的な治療が受けられるようなものの普及。それか ら「関係団体等の連携による標準的な治療の普及、協力体制の構築。特に、日本糖尿病 対策推進会議の活用」です。それから「個人の特徴に応じた治療」という形。先ほどは 予防でしたけれども、こちらは「テーラーメイド治療」という形で、個人に応じた治療 の研究開発・普及をする。「個人の特徴に応じた治療のための司令塔づくり」「患者の特 性(遺伝素因、重症度等)に応じた治療、重症化の防止方法の研究開発・普及」「適切な 運動療法、食事療法等の普及」。  (3)といたしまして、「脳卒中、心筋梗塞等の治療の推進」という形で、「発症後直 ちに専門的な治療が受けられる体制の整備」「発症時に患者が直ちに受診するための初 発症状等に関する知識の普及」「血管内治療、PTCA(冠動脈血管形成術)等の急性期 治療の提供体制の充実」ですとか、「搬送、医療機関の役割分担の明確化」。2番目とい たしまして「脳と心臓のダメージを最小限に抑えるための治療方法の開発」。具体的には 「血管内皮の保護に着目した薬物治療の研究開発の推進」「再生医療による治療法の研 究開発の推進」という形でございます。  特に、今回の生活習慣病対策に一番関係がございますのが、この3番目のところでご ざいまして、これにつきましては、今回予防という形でお集まりをいただいております ので、予防のところはかなり重なるところがございます。治療につきましては、別途厚 生労働省に検討会を設けさせていただきまして、その中で、具体的に、ここにあります ように糖尿病ですとか脳卒中、心筋梗塞の治療についてどういうふうにやるかというこ とにつきまして、研究開発をするためのいろいろな体制づくりについて、議論を進めさ せていただいているところでございます。  それから、食育につきましては、厚生労働省だけではなく、内閣府を中心にいたしま して、関係団体や、農林水産省や文部科学省とも連携をさせていただきながら、進めさ せていただいているところでございます。  資料の24ページをお開きいただきたいと思います。新健康フロンティア戦略の中で も、国民運動というものの議論がございます。「戦略の推進に向けた国民運動」というの がございまして、「本戦略に基づく予防を重視した健康づくりを進めるにあたっては、現 在行われている様々な既存の施策の実施に加え、本戦略の内容を広く周知し、かつ、で きる限り多くの国民が、それぞれの立場等に応じて具体的に行動することを促すような、 官民あげての国民運動を展開することが重要である。このような観点から、政府におい ては、地方自治体等とも連携して、本戦略の趣旨や内容等についてインターネットその 他の媒体を活用した積極的な広報等に取り組むほか、運動のシンボルとなるような『健 康大使(仮称)』の任命などを行い、国民運動の中心的な役割を担っていく必要がある」 という記述がございます。ここのところにつきましても、今後、新健康フロンティア戦 略における国民運動とも連携をしなければいけないことがございますので、また今後い ろいろとご相談をさせていただきながら、どのような形でこの国民運動を盛り上げてい くのかということが、大事になってくるかというふうに思っております。  それから、お手元の資料4−3をごらんいただければと思います。これは参考資料と いう形で、今私がご説明をさせていただきましたものを、もう少しわかりやすく図式化 したものでございます。最初の1ページは子供の関係でございます。3ページは発達障 害の方の支援でございます。それから4ページが女性の健康力というところの関係の資 料でございまして、特に女性で問題になったのは、5ページの、メタボリックシンドロ ームの逆なのですけれども、逆にやせ過ぎている、ダイエットし過ぎているということ の問題点がございますので、過度なダイエット、メタボリックシンドロームのほうにば かり目が行っているのではなくて、やはり若い女性については、このようなやせ過ぎに ついても、しっかり普及啓発をしていく必要があるというふうに考えております。  6ページでございますが、メタボリックシンドローム克服力のところにつきましては、 メタボ退治のための国民運動を展開し、健康関連産業を育成するという形で、ここのと ころは、まさにいろいろな国民運動が重なってくるところでございますけれども、メタ ボ退治のためのいろいろな国民運動を展開していく。この中には、先ほどご説明をさせ ていただきましたテーラーメイド予防というものがすごく大事でございまして、研究開 発、普及を図っていく必要がある。また、メタボリックシンドロームの人口を減らして いくということが大事だと思っております。それをすることによって、糖尿病の発症率 を減らすということが大事になってくると思っております。それから、これを推進する ために、テーラーメイド予防・治療を進めるための司令塔づくりを進めるということが、 この中に書かれてございます。また、テーラーメイド治療のための司令塔づくりを進め るという形で、治療をすることによって合併症の発症を防止していくという考え方でご ざいます。  次の7ページでございますが、メタボ克服力のところでございまして、現在、特にメ タボリックシンドロームの中でかなり糖尿病がクローズアップされております。糖尿病 につきましては、現在、糖尿病戦略研究というものを実施しておりまして、DOIT1、 DOIT2、DOIT3という形で、3つの研究が進んでおります。ここにありますよ うに、特に糖尿病で問題になっていますのは、880万人の耐糖能異常、要するに糖尿 病予備軍の方々がこれだけいらっしゃる。実際に糖尿病だと言われる方が740万人お られるので、合わせて1,620万人の、糖尿病の方もしくは疑わしい方がいらっしゃる。 その中でも、糖尿病の半分の方、370万人が治療を受けていないという実態がござい ます。実際に治療を受けているのが370万人で、特にその中でコントロールが悪い人 たちがどんどん合併症に行っている、要するに将来重症化していくという問題が指摘さ れております。  そういう意味で、まず糖尿病の発症を予防することの研究、これがDOIT1でござ いますけれども、体重を減らすだとか食事、運動の指導をすることによって発症を予防 するという研究が1点目。それから、受診促進。実際に半分の方が受けておられないわ けですから、こういう方々に実際にどういうふうにうまく治療を継続していただくのか。 糖尿病の治療をどう継続していただくかをやっていくことが大事というのが1点。それ から、3点目のDOIT3は、治療を強化することによってきちんとコントロールする、 治療を受けている方の中でも、コントロールがうまくいっているかどうか。1つの指標 といたしまして、ヘモグロビンA1cが6.5未満ですとコントロールがよくいっている という指標になるわけですが、その方が約120万人で、むしろ370万人のうちの残 りの250万人は、どちらかというとコントロールが不良である。そういう方々は、治 療を受けていても、コントロールが不良ということで将来合併症になるリスクが高くな るわけでございますので、治療を強化して、いかにうまくコントロールができるように するかというような研究も、あわせてやっているわけでございます。  そういう意味で、糖尿病は、発症予防、それから治療を継続する、なおかつその治療 がうまくコントロールができているのかどうかという3つの観点で、戦略的な研究をさ せていただいているわけでございますけれども、これをこれからも推進していく必要が あるということでございます。  それから、脳卒中に関しましても、発症したら直ちに治療を開始することによって、 後遺症を残さないような新しい治療方法というものが開発されておりまして、現場で普 及しつつあります。ここにありますけれども、組織性のプラスミノーゲン活性化因子を 発症から3時間以内に投与することによって、劇的に重症化、後遺症を予防することが できるという治療法が開発されていますので、こういうものを普及していくことも今後 必要になってくると考えております。  8ページ以降が、がんの関係、それから、心の関係のところや介護予防関係、11ペ ージは歯の関係でございます。  12ページは食育でございまして、このところにつきましても、やはり食卓を通した 家族の触れ合い、そういうふうなものも問題になっています。それから子供のころから の肥満の問題、逆に不健康なやせの問題、健全な食生活ですとか食料の生産、流通等に かかわるところも含めてやっていくということで、食育につきましても、この国民運動 を展開させていただいています。食事バランスガイドを使いまして、生涯にわたって健 康な心と体を保ち、豊かな人間性をはぐくむというものもすごく重要であると考えてお ります。  13ページがスポーツの関係でございまして、「子供から高齢者まで国民の誰もが、一 生涯にわたって運動やスポーツに親しむ」という形で、メタボリックシンドロームです とか生活習慣病の予防、高齢者の介護予防のためには運動が不十分だということで、運 動を進めていくということをやっているところでございます。  14ページでございますけれども、家庭力・地域力という形で、今、核家族化ですと か都市化、少子化等の問題がございまして、近所のつき合いですとか世代間のつながり を通じた支え合いの減少、子育てにかかわる親の力ですとか家庭力というものが低下を しているということで、地域のコミュニティーにおける世代間のつながりの回復を通じ た健康・安心の確保をしていく必要があるというものでございます。  15ページは、新しい技術、イノベーションの部分でございますので、こういうよう なものを今後とも技術開発していく。特に、ロボットスーツというものについても普及 していくことが必要だろうという形でございます。  16ページのところは、研究開発の関係をまとめさせていただいたものでございます。  新健康フロンティア戦略はかなり幅が広い分野でございまして、厚生労働省だけでは なくて、いろいろな関係省庁がかかわっておりますので、すべてを私どものところだけ でお答えすることはできませんけれども、このような形で、新しい新健康フロンティア 戦略も推進していきたいと考えています。ここに書かれています中身についても、今そ れぞれの関係省庁で具体的にその施策について検討しているところでございますが、引 き続き、またいろいろな意味でご支援をいただけるとありがたいと思っております。  以上でございます。 【高久議長】  どうもありがとうございました。その他ということで、新健康フロン ティア戦略のこと、特に健やか生活習慣国民運動に関係のあるところをご説明いただき ましたが、どなたかご質問、あるいはご意見いかがでしょうか。  それでは、この「その他」ではなくて、今日話題になりました国民運動のこと、特に 効果的な運動展開などについて、どなたか忌憚のないご意見をと思います。時間が大分 ありますので教えていただきたいのですが、今日の準備会議で、いろいろな団体の方に ご出席いただいていますが、名前だけ見ますとよくわからない。各々ユニークな活動を しておられると思うのですけれども、参考のために一、二教えていただければと思いま す。例えば、2番目の健康の駅推進機構という、たしか会長の大倉先生もいらしていた と思うので、これはどういうことをやっておられるのか、突然で申しわけありませんが、 教えていただければと思います。 【健康の駅推進機構】  健康の駅推進機構の会長をしております大倉と申します。  健康の駅推進機構というのは、各地に健康に関する情報拠点の「健康の駅」をつくろ うという組織です。その拠点で同時に健康サービスの提供があってもいいという形です。 昨年度、機構が発足しまして、既に全国で10カ所ほどの駅を認証しています。例えば、 自治体が地域の健康センターをオープンして、地域の医療情報、健康情報を提供する。 ボランティアや情報提供と指導をする職員を置いて、中で筋トレをやるとか、健康指導、 栄養指導をする。運動、温泉とか、食などの健康に関する資源をその中で提供するとい うのが1つのモデルです。また、個人病院の一角を開放して、地域の医療情報と健康情 報を提供しながら、必要な方は医療につなげていくとか、ハンディキャップのある方た ちに園芸療法をするとか、広い意味での健康にかかわる多様な組織を駅として横につな いで、お互いに情報交換をし、健康にいいというエビデンスのあるプログラムを推奨し て、医者が少しひまになることをねらっている組織です。 【高久議長】  どうもありがとうございました。あともう1つ、私がよくわからなか ったのは、41番目にありますファイブ・ア・デイ協会、これも渉外局長の方がいらし ているので、ファイブ・ア・デイというのはどういうことをやっておられるのか、もし いらっしゃれば教えて……、どうもすみません、勝手に指名しまして。 【有限責任中間法人ファイブ・ア・デイ協会】  いえ、私、ファイブ・ア・デイ協会 の大滝と申します。よろしくお願いいたします。  ファイブ・ア・デイ運動というのは、実はアメリカで1991年に発足しました運動 です。アメリカでは、その当時、NCI(国立がん研究所)と、農産物健康推進基金と 日本語で訳したらいいんでしょうか、PBHというNPO団体とがコラボレートしまし て、科学的根拠に基づいて、野菜と果物を食べて健康になりましょうという運動でござ います。私ども有限責任中間法人ファイブ・ア・デイ協会は、2002年に発足いたし まして、アメリカの運動のいい部分を参考にいたしまして、日本における望ましい食生 活の推進と、野菜と果物の消費啓発ということで協会を発足いたしまして、今日まで運 動しております。 【高久議長】  アメリカを見ますと、ファイブ・ア・デイというのは、果物も5種類、 野菜も5種類なんですね。両方5種類ではないのですね。 【有限責任中間法人ファイブ・ア・デイ協会】  アメリカのフードガイドピラミッド というのがございます。こちらで、野菜を3サービング、果物を2サービング、これが 成人1人当たりが1日にとる最低限の量ですけれども、その3と2を足して5になりま すので、ファイブ・ア・デイということで、野菜3サービング、果物2サービングとい うことで、野菜・果物を食べましょうという運動でございます。 【高久議長】  どうもありがとうございました。何か、ほかの団体の方で、こういう 非常にユニークなことをやっておられるという方がいらっしゃれば、ご紹介いただけれ ばと思います。よろしいでしょうか。  それでは、特にご質問、ご意見がなければ、予定よりは大分早くなりましたけれども、 矢島さん、これでそろそろ終わってもいいですか。 【矢島生活習慣病対策室長】  はい、結構です。 【高久議長】  次回以降の開催につきましては、まだ未定ですが、日程が決まり次第、 事務局のほうから、皆さん方に連絡があると思います。そのときにはよろしくお願いし ます。  以上をもちまして、第1回健やか生活習慣国民運動準備会議を閉会いたします。ご多 忙のところご出席いただきまして、どうもありがとうございました。 【矢島生活習慣病対策室長】  どうもありがとうございました。(拍手) ―― 了 ―― ○照会先 厚生労働省 健康局総務課生活習慣病対策室 健康指導係 電話:03-5253-1111(内線:2338)