07/06/25 第29回社会保障審議会年金数理部会議事録 社会保障審議会 年金数理部会(第29回)議事録 日  時:平成19年6月25日(月)15:00〜18:00 場  所:全国都市会館3階第2会議室 出席委員:山崎部会長、都村部会長代理、牛丸委員、熊沢委員、栗林委員、近藤委員 林委員、宮武委員 議  事     平成17年度財政状況について      −厚生年金保険・国民年金 (基礎年金)・国家公務員共済組合            ・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度− ○田村首席年金数理官  定刻になりましたので、ただいまより第29回社会保障審議会年金数理部会を開催さ せていただきます。  審議に入ります前に、公的年金各制度の平成17年度財政状況の報告聴取につきまし て一言お断りいたします。当初、本日25日と28日の2回に分けて行う予定でござい ましたけれども、諸般の事情によりまして本日、共済も含めまして一括して御審議を いただきたいと考えております。委員を始め、御出席いただいている方々には長時間 の御審議をお願いし、申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。  また、共済各省の皆様には急な日程変更で多大な迷惑をおかけし、また御配慮いた だきましてありがとうございます。  それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。  座席図、議事次第のほか、次のとおりでございます。  資料1は、「平成17年度財政状況−厚生年金保険−」でございます。  資料2は、「平成17年度財政状況−国民年金(基礎年金)−」でございます。  資料3は、「平成17年度財政状況−国家公務員共済組合−」でございます。  資料4は、「平成17年度財政状況−地方公務員共済組合−」でございます。  資料5は、「平成17年度財政状況−私立学校教職員共済制度−」でございます。  このほか、参考資料1として平成17年度の「公的年金各制度の財政収支状況」をお 配りしてございます。これは、本日各制度に御報告いただく財政状況を一覧表に取り まとめたものです。なお、これについての御説明は省略いたします。  また、もう1枚、参考資料2として「年金数理部会セミナー2007の開催について」 をお配りしております。当部会で毎年行っております年金数理部会セミナーについて ですが、今年は7月24日に東京厚生年金会館で開催することといたしております。今 回のテーマは、「被用者年金一元化を考える −法案から見る制度、運営及び財政−」 です。  配布資料は以上でございます。資料はおそろいでしょうか。  では、次に本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、宮武委員が 遅れるという御連絡がございましたけれども、全委員が出席でございます。  なお、牛丸委員と栗林委員におかれましては、御都合により途中で御退席されると お聞きをしております。  それでは、以後の進行につきましては山崎部会長にお願いいたします。   ○山崎部会長  委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。 本日の議題は、厚生年金保険、国民年金、国家公務員共済組合、地方公共団体共済組 合、私立学校教職員共済制度の平成17年度財政状況についてであります。そのため、 本日は財務省、総務省、文部科学省の方々にも御出席をお願いいたしております。あ りがとうございます。  本日は内容が盛りだくさんですので、なるべく手際よくやりたいと考えております ので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。  初めに、厚生年金保険の平成17年度の財政状況について報告を聴取いたします。そ れでは、説明をお願いいたします。   ○山崎数理課長  厚生労働省年金局数理課長でございます。お手元の資料1に沿いまして、平成17年 度の厚生年金保険の財政状況につきまして御説明させていただきます。  1ページでございますが、5年間の収支の状況ということで、平成17年度が一番右 の欄にございます。まず平成17年度につきましては従来、入っていなかった項目とい たしまして収入のところ、上から5行目ほどでございますが、年金資金運用基金納付 金の方が新たに入っているものでございまして、こちらは平成16年度の運用状況に基 づきまして平成17年度において納付された納付金が17年度から計上されているとこ ろでございます。  それからもう一点、収入のところの一番下のその他の1つ上に、積立金より受入と いう項目が17年度から新たに付け加わっておりまして、こちらの方は既に予算の段階 で積立金を受け入れるということで当初から収入に立てるということを17年度から 行っているということでございます。  17年度でございますが、まず収入のところで、収入総額は積立金より受入というも のも入ってございますので、金額としてはかなりふくらんでいるところでございます。 個別に見てまいりますと保険料でございます。こちらの方は17年度20兆584億円と いうことで、右側に前年度との比較がございますが、6,047億円の増、3.1%増となっ ております。こちらは保険料率が平成17年度に引き上げられているということと、も う一点は被保険者が増加傾向にある。この2点によりまして、保険料収入が増加した ところでございます。  それから、国庫負担が4兆5,394億円ということで2,602億円、6.1%の増となって ございますが、運用収入のところを見ていただきますと時価ベースでかぎ括弧になっ ております。これが8兆4,371億円ということでかなり大幅な増となっておりますが、 こちらの方は下の特記事項の上から2行目辺りを見ていただきますと、「平成17年度 の運用収入は、年金資金運用基金納付金相当額を控除したものである」ということで ございます。ただ、こちらの年金資金運用基金の納付金も運用収入に類似したものと いうことになるわけでございまして、この8兆4,371億円とこの納付金7,522億円を 合計いたしました9兆1,893億円、これが実質的な意味での時価ベースでの運用収益 ということになりますので、一番下の欄の、積立金運用利回り[時価ベース]という ことで、6.82%という表示がございますが、こちらの運用利回りはこの両者を合わせ ました9兆1,893億円に対応して算定された運用利回りということになっているとこ ろでございます。  それから、収入のところで積立金より受入の1つ上でございますが、解散厚年基金 等徴収金、これはいわゆる代行返上に伴う収入でございますが、こちらの方は3兆 4,568億円ということで、16年度に比べますと1兆9,287億円減となっているところ でございます。 それから、支出でございます。給付費に関しましては21兆9,863億 円ということで、対前年2.1%の増となっているところでございますが、これと基礎 年金拠出金、こちらは4.6%増でございますが、両者を合わせたものが基本的な給付 に対する支出ということになりますが、その他のところで4兆3,374億円と、かなり 前年度までに比べて額が大きくなっております。こちらの大きな部分は、年金住宅等 融資に係る借入金の繰上償還のための費用ということで、ここに数字の記載はござい ませんが、4兆841億円というものがこの中の大部分を占めているということでござ います。  以上、総合しました収支残ということで申しますと、時価ベースで8兆3,267億円 となっているところでございますが、これは積立金からの受入れということを行って おりますので、そのまま積立金が増えているということではないということで、一番 下の年度末積立金の140兆3,465億円、これが時価ベースの17年度末の積立金という ことになっておりますが、これは前年度に比べまして2兆997億円の増ということに なっているところでございます。  ただし、厚生年金の財政ということで考えます際には、いわゆる基金代行の分が戻 ってきた分と申しますのはそちらの給付責任も入ってくるわけでございますので、そ のまま保険料や国庫負担のような収入と同列に考えることはできないということがご ざいますし、一方で先ほど申し上げました年金住宅等融資に係るいわゆる繰上償還分 は支出と申しましても、それに対応するものが将来、住宅融資の貸付金が戻ってくる ことによって収入にいたしますので、給付費の支出と同列に見ることはできないとい うことがございますので、実質的な財政の状況を見ます上では、基金の分を合わせて みて、かつこのような年金住宅融資の繰上償還の分を調整して見る必要がございます。 その辺に関しましては、後ほど財政再計算との比較のところでそちらを調整した数字 で比較させていただくということで御説明したいと存じます。  続きまして、2ページは今、申し上げたような数字を表にしたものでございますの で省略いたしまして、3ページから給付状況ということで各種の統計関係の数字が並 んでいるところでございます。  まず受給権者数でございますが、18年3月末で2,511万人ということで、前年に比 べまして87万7,000人、3.6%の増、年金総額につきましては25兆3,435億円というこ とで4,331億円、1.7%の増という状況になっているところでございます。  次に、4ページでございます。こちらは平均年金額の状況でございますが、中段辺 りの「繰上・繰下支給を選択した者、定額部分の支給開始年齢に到達していない者を 除外した平均年金月額」、この辺りがいわゆる基本的な年金額を示す指標ということに なろうかと思いますが、18年3月末で16万8,507円ということで、17年度におきまして はその年金水準は16年の物価上昇率が0%だったということで、基本的に年金額の水 準は変わっていないわけでございますが、現在受給者になっておられる方は、これは 個人ごとの年金額の平均でございますが、昭和60年の改正でいわゆる第3号制度とい うものができて、年金の給付水準が世帯から個人ごとに分化が働いたという事情がご ざいますので、0.5%減ということで若干減るというような状況になっているところ でございます。  続きまして、5ページはこれを男性と女性に分けてみたものでございますので省略 いたします。  6ページは、加入期間20年以上の新規裁定の方に関する老齢年金の平均年金月額の 統計ということでございまして、男性の数字が10万4,468円、女性の数字が11万35 円ということで女性の方が若干多いような数値になってございますが、これは支給開 始年齢が今は定額部分のところが男性について引上げ途上にあるということで、男性 の新規裁定の年金額というのはいわゆる厚生年金の2階部分のみで、女性につきまし ては支給開始年齢の引上げは18年度からということでございますので、17年度につ きましては1階プラス2階の数値になっている。そういうふうに性格の違うものであ るというところでございます。  以下、細かい統計資料は省きまして、10ページでございます。「老齢年金受給権者(老 齢相当)の年齢構成」ということでございます。こちらにつきましては、平均年齢が 男女計で70.9歳ということでございまして、これは昨年に比べますと0.2歳上がって いるということで、やはり受給者の方も長寿化が進みまして平均年齢が上がってきて いるという状況にあるところでございます。  続きまして、11ページでございます。ここからは、被保険者の状況ということでご ざいます。まず被保険者数でございますが、18年3月末で3,302万2,000人というこ とで、前年と比較して53万1,000人、1.6%の増となっているところでございます。 これは、16年度からそれまで減少傾向だったものが増加に転じたということで、17年 度に引き続き増加が続いている状況でございます。被保険者の平均年齢につきまして は41.6歳ということで、0.1歳と若干上がっているところでございます。  あとは、標準報酬月額の総額、標準賞与の総額、両方合わせました総報酬ベースで の標準報酬総額の年度間累計、下の段の真ん中辺りの数値でございますが、148兆 7,083億円ということで、前年と比べて1.3%の伸びという状況になってございます。  被保険者数を男女ごとで見ますと、男性が0.9%増に対して女性が2.4%増というこ とで、女性の方の伸びが大きいという状況にあるところでございます。標準報酬総額 の年度間平均につきましては、男女平均で37万4,238円ということで0.2%減少とい う状況にあるところでございます。  続きまして、12ページでございます。「被保険者の分布」ということで男女合計でご ざいまして、一番右側の欄が年齢分布のパーセンテージを示しているところでござい ますが、ここで見ていただきますと30から35歳のところに14.8%ということで1つ の山がございます。これはいわゆる団塊ジュニアの世代ということになるわけでござ いまして、55から60のところがいわゆる団塊の世代で、ここに12.1%ということで 2つ山があります。一般制度でございますので、国民全体の人口構成を反映して団塊 の世代のところ、団塊ジュニア世代のところにそれぞれ山があるような年齢分布を取 っているというところでございます。  13ページは、男性でございます。これは今、申し上げました全体の状況とほぼ同じ ということでございます。  続きまして、14ページが女性の状況ということでございます。女性の場合は、基礎 になる人口の動向以外に労働力率、あるいは被用者になる割合というものが効いてま いりますので、いわゆるM字カーブの影響があるということで、25から30歳のとこ ろが16.5%ということで一番高くなっておりまして、その次に30から35歳のところ が14.6%となっております。ただ、これは昨年と比較いたしますと、25から30のと ころは昨年は17.1%だったのでそこは少し下がって、30から35のところが14.4から 14.6とちょっと上がっているということで、M字カーブの影響とその団塊ジュニア世 代への人口シフトというものが両方反映している状況にあるところでございます。  続きまして、15ページでございます。こちらは標準報酬の分布ということでござい まして、これは例年御説明しておりますように、男性に関しましては上限の62万円の ところに9.5%ということでかなりたまっているということがございまして、平均は 35万8,000円ほどでございますが、分布を見ますと一番ピークになっておりますのが 30万円のところ、6.41%という姿になっております。  一方、女性につきましては平均が22万6,000円でございますが、一番ピークとなっ ておりますのは22万円ということで、平均とピークがほぼ近いような分布になってい るという状況でございます。  続きまして16ページでございますが、「積立金の運用状況について」でございます。 資産構成でございますが、預託金が全体の38.2%、市場運用分が41.8%、財投債が 20%という状況でございまして、運用利回り、承継資産の損益を含む場合、含まない 場合、両方掲げてございますが、財政状況のところにはこの損益を含む場合の方で掲 示させていただいておりまして、6.82%の方を使っているということでございます。  あとは、下の特記事項のところで資産構成でございますが、国内債券が48.36%、国 内株式26.28%、外国債券10.46%、外国株式14.90%ということで市場運用を行って いるところでございます。  続きまして17ページでございますが、「財政再計算における将来見通しとの比較」 ということでございます。こちらは先ほど申し上げましたように、実績につきまして は基金代行部分が入っていないというようなこと、あるいは年金住宅融資の繰上償還 分というようなものがそのまま支出に入っているということで、その辺りを財政再計 算の見通しと合うように、いわば実質ベースということで整理し直しました実績推計 というものが上から2段目にございますので、こちらと将来見通しとの比較というこ とで御説明させていただきます。  保険料につきましては、16年再計算では20.8兆円と見込んでおりましたものが21 兆円ということで、見込みよりも若干多いということでございます。差の主な要因と いたしましては、被保険者数は増加しており、一方で、賃金上昇率は見通しよりも若 干低下している。両方の要素がある程度打ち消し合って、若干被保険者の増が勝って いるという状況にあるところでございます。  運用収益に関しましては、将来見通しにおきましては1.81%と見込んでおりました 運用利回りが6.82%ということで、3兆円と見込んでいた運用収益が10.4兆円とい うことでかなり上をいっているということでございます。  支出の方の給付費でございますが、こちらにつきましては将来見通しで20.6兆円と 見込んでいたのでございますが、御案内のように平均余命がかなり見通しよりも伸び ているという要素がございまして、実績推計ベースで基金分も加えました給付費が 21.1兆円となっております。この給付費のところは、基礎年金交付金の方は除いてい るということに御注意いただきたいと思います。  全体を総合いたしまして右から2欄目の収支残のところでございますが、将来見通 しでは△3.6兆円と見込んでおりましたのが、運用が好調だったことによりましてプ ラス3.4兆円と、実績推計ではそういう数字になっておりまして、差し引きちょうど 7兆円、財政再計算の見込みよりも17年度単年度で収支状況はよくなっているという 状況でございます。  ちなみに、財政再計算は平成14年度末の財政状況、積立金の状況をスタートとして 15年度、16年度も推計の世界で動いているわけでございまして、17年度は予定より も7兆円プラスだったわけでございますが、16年度、昨年参考として御紹介いたしま したものによりますと、これが0.3兆円、見込みよりも実績推計の方がプラスだった という状況でございました。15年度は、やはり運用が好調だったということがござい まして3.4兆円プラスということでございまして、この3年間を足しますと厚生年金 の3年間の収支は財政再計算の見通しに比べまして10.7兆円プラスという状況にな っているところでございます。そのうち17年度は7兆円ということになっているとこ ろでございます。  続きまして18ページでございますが、「被保険者数及び受給者数」というところで ございます。被保険者数の実績でございますが、平成17年度末は3,302万2,000人と いうことでございまして、将来見通しの方、これは年度間平均の数字で3,230万人と いう見込みでございますが、この月々ごとの年度間平均というものが実は別途数字が ございまして、17年度の年度間平均の実績は3,311万人ということです。年度末には 退職される方がいて一時的に被保険者が減るという状況がございますので、年度間平 均の3,311万人と実質的にはこの3,230万人が比較されるということでございまして、 それと比較いたしますと将来見通しに比べまして実績の被保険者は約80万人多いと いうことで、近年の景気の影響によります被保険者数の増加ということがあるわけで ございます。  受給者数につきましては、将来見通しの見込みが2,330万人に対しまして、実績の 方が17年度末2,315万6,000人という状況になっているところでございます。  時間の関係もございますので、次に19ページの「財政指標の比較」の方に移らせて いただきます。  まず「年金扶養比率」は、被保険者何人で老齢年金受給者1人を支えているかとい うような人数ベースの指標ということでございます。実績の方でございますけれども、 平成17年度年金扶養比率でございますが、この括弧内の方の受給者の方を使った数字、 こちらの方が財政再計算と比較するには適切かということでございまして、これが 3.04という数字になっているところでございます。16年再計算では17年度3.0と見 ていたのですが、年度間平均値と年度末値は若干時点の違いはあるのでございますが、 ほぼ再計算と同じような実績結果になっていると見ることができるかと思います。  続きまして、20ページでございます。こちらは、年金扶養比率は老齢だけでござい ますので、障害や遺族が付け加わるとどういう状況かというものを見るということで、 年金扶養比率を補完する指標ということで年金種別費用率というものをお求めいただ いて出しているところでございます。17年度、厚生年金基金の代行部分を補正したと いうことで星印が付いているところで、老齢の費用率が11.2%となっているところで ございますが、障害の費用率が0.2、遺族の費用率が2.5という状況になってござい ます。  今年から新たに年金種別費用率の総合費用率に対する構成割合というものをその右 側の欄に記入することになったところでございますが、老齢の費用率が全体の総合費 用率に占める割合が59.5%、障害については0.8%、遺族については13.5%となって おります。足して100%にはなりませんが、総合費用率は1階も込めた全体の費用率 でございますので、これを全部足したものはいわゆる2階の独自部分のシェアと、 100%からこれを引いたものが1階部分のシェアと、こういうふうな形になっていると ころでございます。  続きまして、21ページは「総合費用率」でございます。こちらも厚生年金基金の代 行部分を補正いたしました星印の付いたところ、17*を見ていただきますと、平成17 年度総合費用率は18.8%となっているところでございます。財政再計算の見込みでは 17年度は18.5という見込みでございましたので、それよりは若干高くなっていると いう状況にあるところでございます。  続きまして、22ページでございます。こらちが「独自給付費用率」ということでご ざいまして、こちらもやはり厚生年金基金の代行部分を補正いたしました17*を見て いただきますと、独自給付費用率は13.9という数字でございます。それに対しまして、 16年の財政再計算結果の方は17年度の数字は13.5ということでございまして、こち らも若干財政再計算の数値よりも実績の方が上回っているという状況にあるところで ございます。続きまして、23ページは「収支比率」でございます。こちらにつきまし ても上の段の17*を見ていただきますと88.9ということでございまして、平成17年 度につきましては非常に運用が好調だったということで積立金が実質積み増しができ る状況ということでございますので、収支比率も100を切っているというのが実績で ございます。それに対しまして財政再計算では積立金の取崩しを予定していたという ことで、収支比率は114.3と見込んでいたということで、非常に好調な運用収益によ りまして17年度、単年度で見てかなり財政は見込みよりいいということを数値で示し ているところでございます。  最後に24ページでございますが、こちらにつきましては積立金が保険料で見る支出 の何年分に当たるかという「積立比率」の数値でございますが、17年度のやはり基金 代行を補正しました*印のところで6.1年分というのが実績推計でございまして、16 年財政再計算では17年度6.2年分と見ていたところでございます。ただし、こちらは 定義といたしまして、前年度末の積立金を当年度の支出で割るということでございま すので、17年度に非常に好調だった運用結果というのは17年度末の積立金に反映い たしますので、こちらは16年度末の積立金を割り返すということになっておりまして、 その辺は数値を見るときに御注意が必要かと存じます。  御説明は以上でございます。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して、何か御質問等はございますで しょうか。随分簡潔に説明していただきましてありがとうございました。いかがでし ょうか。     ○近藤委員  1ページの収支状況表で今回のヒアリングから入った項目で確認したいのですが、 1つは「積立金より受入」です。これは、収入ですからこの金額が大きいことは年金 財政上、プラスということなのでしょうか。  もう一つは、「年金資金運用基金納付金」です。収入項目として計上されていますが、 この金額が大きいということは厚生年金や国民年金財政から見てプラスということで 理解してよいですか。 ○山崎数理課長  お答え申し上げます。  まず「積立金より受入」の方でございますが、これはある意味で今回、平成16年の 財政再計算におきまして、積立金というものは将来的には2100年において1年分の数 値ということで、利息を使うだけではなくて元本も収入として位置付けているという ことでございます。そういう意味では、予算で見込みましたときに当年度、もともと 積立金を取り崩すということでないと収支均衡しないということであれば、その見込 みに沿って取崩しを行うということでこういうふうに項目が立っているわけでござい ます。  ただ、財政再計算におきましては今後、毎年保険料率0.354%ずつの引上げを行うこ とによりまして単年度の収支、これは運用収入も込めてでございますが、こちらは均 衡していくような形に一たん持っていって、本格的に積立金を取り崩すのは2050年以 降というような財政計画になっております。そういう意味では、今回も一たん「積立 金より受入」ということで受け入れたわけでございますが、実際には時価ベースで見 ますと運用収益はかなり大きかったということで、実際上はその積立金は増加になっ ているということでございます。そういう意味では、最終的に時価ベースで見た積立 金の動きというものを見ていくのが、現在の年金財政の状況がどうなっているかを見 る上ではよろしいのではないかと思っております。  それから、「年金資金運用基金納付金」でございますが、これももちろん運用が好調 であればこそ納付金も入ってくるということで、納付金が多く入ってくるというのは そのまま運用が好調ということで年金財政にとってもいいわけでございますが、額の 評価といたしましては先ほど申し上げましたように、時価ベースと書いてある数値と 納付金の数値と両方足したものが時価ベースで見たときのネットの運用収入というこ とでございます。この運用利回りもそちらで表示してございますので、これは年金資 金運用基金から特別会計へ幾ら納付されるかということそのものよりは、むしろ両者 を足したものとしてどれだけの運用収益が得られているかが重要ではないかと思って いるところでございます。 ○山崎部会長  よろしいでしょうか。ほかにございますか。  では、栗林委員どうぞ。 ○栗林委員  今の関連質問になるのですけれども、確認と、どう解釈するのかということを含め てお聞きしたいと思います。1ページの積立金運用利回り6.82%というのは、時価ベ ースの運用収入にその下の納付金を足したものを、前年のいわゆるストック(年度末 積立金)で割ったものと思うのです。それで、16ページに運用利回り6.11%というの がありますね。これは、上の方の運用収入[時価ベース]の 8兆4,371を前年のストック、16年度末の積立金で割ったものだという理解でよろし いのですか。 ○山崎数理課長  恐縮ですがそうではございませんで、16ページで見ていただきますと、今、御参照 いただきました6.11%の下に6.82%と同じ数字が書いてございますが、これは承継資 産の損益を含む場合ということでございまして、これは特記事項のところにございま すように、年金資金運用基金におきましては厚生年金分、国民年金分に合わせまして、 旧年金福祉事業団から承継した資産を合わせて一体として運用を行っているという事 情がございます。  これは旧年金福祉事業団のころにいわゆる財政投融資資金から借入れを行いまして、 その借入金を原資といたしまして市場運用を行っていた分につきましてまだ累積の差 損が残っておりまして、この分に対応する損益を含む場合と含まない場合で2通り運 用利回りというものを年金の運用報告上、表示しております。一応情報開示という意 味でこれは両方数字を挙げさせていただいておりますが、広い意味で申しまして承継 資産の損益というものは厚生年金、国民年金が最終的に負担するということがござい ますので、承継資産の損益を含む運用利回りの方でこちらの収支状況の方には表示を させていただいているという事情でございます。 ○栗林委員  そうすると、私が個人的に計算したものでは、時価ベースの8兆4,371億円を、い わゆる納付金を足さないものを前年の年度末積立金138兆2,468億円で割るとちょう ど同じような数字が出てくるんです。6.1%くらいのものが出てくる。それは全く関係 なくて、たまたま数字がよく似ているということでよろしいのですね。そこを確認し ておきたかったのです。 ○山崎数理課長 それは、たまたまということでございます。 ○栗林委員  そうすると、ここで言っている一番上にある運用収入の1兆776億円というのはど ういうふうに解釈すればよろしいですか。 ○山崎数理課長  これは、特別会計におきましてまだいわゆる預託金ということで運用している部分 がございまして、そちらに対しましては特別会計に現金で入ってまいりますので、特 別会計の運用収入というのはそちらの方の数字だけが帳簿上、立ってくるということ で、そちらの数字を記入しているということでございます。  実質的な意味では、年金資金運用基金の方に寄託したお金の方の時価ベースの運用 収益と合わせたものが年金積立金全体の運用収益となるわけでございますが、特別会 計の会計上は特別会計に直接収入される運用収入が帳簿上、立つということでござい ますので、こちらの数字を挙げさせていただいております。   ○栗林委員  わかりました。そうしますと、あまり内容がよくわからない人にも、積立金全体か らどれだけの収益が上がったかがはっきりわかるような形で、どこかに注意書きでも いいんですが、そういうものがあった方が非常にわかりやすいのではないかという気 がするのですが、どんなものなのでしょうか。 ○山崎数理課長  昨年の8月に厚生年金の特別会計の決算を発表いたしますときに、やはりここのと ころを時価ベースも合わせて発表しないとその実態がわからないのではないかという ことで、その段階でも従来はこの数理部会の席で最終的に時価ベースのものを取りま とめて特別会計の決算と合わせたものをお出ししていたのをかなり時期を早めまして、 特別会計の決算を発表するときに合わせてここで申します8兆4,371億円の方を発表 させていただきました。  そのときに、表のつくり方からしまして、どうしても社会保険庁の特別会計そのも のの収支決算、これは現金主義でお金が動いておりますので、そちらをベースとして そこに付加する形になってしまいますので、こういう形で分かれた格好になってちょ っと見にくくて恐縮なのでございますが、時価ベースの数字も決算を発表するときに は合わせて出させていただいているのでございますのが、これをもう少しわかりやす く、見やすくという点に関しましては、また研究させていただきたいと存じます。 ○栗林委員  それともう一つ、積立金の期首と期末を比較したときに、注のところに書いてある のでそれを追っていけば期首の積立金から期末の積立金がちゃんと出るようにはなっ ているのですが、その計算をするときに、「積立金より受入」というものを計算に入れ た感じになっているにもかかわらず、一方では収支状況の上の方の収入のところに同 じ「積立金より受入」の数字が入ってくるとなると非常にわかりにくい気がするので、 その辺の工夫も是非……。  というのは、今度の改正でそこは非常に皆が注目して見る点になります。先ほどの 近藤委員の質問とも関連するのですけれども、積立金の取崩しとか、そういうものを どういうふうに年金計算で取り扱うかというのはものすごく注目されています。です から、その辺を少し工夫してわかりやすくしていただくと非常にいいのではないかと いう感じがしますので、よろしくお願いします。 ○山崎部会長 ほかにございますか。どうぞ。 ○都村部会長代理  平成17年度といいますと、10月に国勢調査が行われています。その結果がわかって いるということと、それから前回の年金改正が実施されてきているということで、年 金改正及びその人口の変化が年金財政に及ぼす影響についてお尋ねしたいと思います。  まず年金改正ですけれども、17年度の所得代替率がどのくらいになっているのか。 13年度から17年度の5か年間の所得代替率の推移がどうなるのかということ。それ から、4月から育児休業中の保険料の免除制度が拡大されていますけれども、その免 除措置を受けたものの男女の数、あるいはその労使の免除された保険料の規模、これ は両方とも次回以降で結構でございますけれども、もしおわかりになりましたら教え ていただきたいと思います。  それからもう一つの人口変化の方ですけれども、国勢調査が出て、新人口推計も出 て、17年度の決算の結果が出たし、あるいは被保険者数の動向もわかっているという ことで、人口変化等が年金財政にどういう影響を及ぼすかを、一番新しいデータを使 って計算されるのかどうか。そのことをお尋ねしたいと思います。それから、年金改 正の影響が収支計算結果に出ているところがあるとお考えなのかどうか。もしそうい うものがありましたら教えていただきたいと思います。 ○山崎数理課長  一部、次回までに数字を準備してという御要望として承ったことはございますが、 まず所得代替率の関係でございます。こちらにつきまして、私ども2月に人口の変化 等を踏まえた年金財政の影響暫定試算というものをお出ししまして、その中で一番足 下のところ、平成18年度の所得代替率ということで59.7%という数字を発表させて いただいているところでございます。  毎年度、毎年度の所得代替率の数字ということでございますが、この所得代替率そ のものがモデル的な賃金の方を取りまして、その方について40年加入という前提を置 いて、あとは無業の奥様がいらっしゃるといういわばモデル世帯についての計算とい うことでございますので、賃金をセットして、あとは基礎年金の額等をセットされた ところで率が出てくるということでございまして、そういう意味では足下で59.7とい うことで16年改正のときの数値はほとんど変わっていない状況というところでござ います。  それから、人口の変化の影響がどのように年金財政に効いてくるかということ、あ とは17年度で既にどういうふうに効いてきているかというお尋ねという理解かと思 います。まず長期的な目で見ました人口の変化というものがどう年金財政に影響して くるかという点に関しましては、昨年の12月に新しい人口推計が出まして、かなり少 子化と寿命が延びるという両面で高齢化が進むという見通しが出ました。それをベー スにいたしまして、本格的には平成21年までに法律に基づく財政検証を行うことにな るわけでございますが、とりあえずその影響を試算するということで、先ほど申し上 げましたが、2月6日に暫定試算というものを出させていただいたということでござ います。その際には年金、人口の変化と合わせまして、最近の経済状況を踏まえて経 済前提の方も基本ケース、参考ケースというようなことで出させていただいて、何通 りかの試算をお示ししたということでございます。 年金財政というのは非常に長期 にわたるものでございますので、単年度、単年度で必ずしも影響がこうだという形で なかなか申し上げられないところでございますが、今回の17年度について申し上げま すと、人口のいわゆる支え手の変化というのは出生率が変化いたしましても、現実の 支え手が変わってまいりますのはおおむね20年後から先ということでございますの で、こういう形で毎年度見ているものにはなかなかすぐは反映してこない。むしろ長 期の見通しが必要ということでございます。  一方で、寿命の伸びというような要素は、一年一年ある種の跛行性はあるわけでご ざいますが、先ほどの御説明の中でも申し上げましたように、足下で平均余命が前回 の見込みより伸びているということで、給付費の方が若干見込みより増になっている というところには既に影響が現れているということは言えようかと存じます。 ○山崎部会長 牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  3つ質問させていただきます。  まず1点目ですが、1ページの説明の中で、支出の「その他」で先ほど年金住宅融 資の繰上償還について若干御説明いただきましたが、もう少し詳しくお話いただきた い。将来との関係を説明していただきたい。  2点目は、1ページの御説明においてもお話がありましたが、被保険者が増加傾向 にある。それから、更に後の17ページの「財政再計算における将来見通しとの比較」 の中でも被保険者が見通しよりも3%増加した。更には、右の方で拠出金の算定対象 者が見通しより1%程度増加した。いずれも被保険者が伸びているということですが、 その背景といいますか、原因がどこにあるのか。経済の改善という一言で片付けられ るのかどうか。その辺を御説明いただけますでしょうか。  3点目は直接今回の17年度の財政状況に関することではないし、これを御報告いた だくのは確定した収入及び支出の内容がまとまった後と思いますが、教えていただき たいのは現在いろいろ世間で騒がれている問題です。あれは個人の記録の問題で、個 人の段階で記録がないという話ですから、結局納付記録がなくとも実際に保険料が支 払われているのであれば入ってきているわけですね。それで、この財政に関しては、 17年度だけではないですけれども、本人の記録がなくても保険料が支払われていれば 入ってここにカウントされているのかどうか。それから、保険料の納付に対応する記 録に関しては本来本人に帰属させるべきで帰属していなかったものに関していわゆる 浮いているわけですね。支払われていないのでその記録分の給付は実績として給付に なっていない。将来的にそれはどうなるかわかりません。今後の対応次第ですね。こ の記録の今回の問題というのは財政に関して現在及び将来どういう形で関わっていく のか。それについておわかりのことがあったら教えていただきたいと思います。以上、 3点です。 ○山崎数理課長  まず第1点でございますが、1ページのところで御説明申し上げました支出のその 他のところに年金住宅等融資に係る借入金の繰上償還4兆円余りが入っているという ことでございますが、これは被保険者に対する住宅融資を行っておりましたものをや めるということになりました。それは、そもそも財政投融資資金からの借入れを元に して行っていたわけでございますが、その借入れを一括して返済いたしました。そう しますと、いわゆる住宅ローンに当たるものを借りている方の返済先が債務を肩代わ りしたような形なわけですから、そちらの方に返ってくる。それで、返ってきたもの はそのまま年金の特別会計の方に戻していくということになりますので、いわば借換 えというか、肩代わりというような形になっておりますので、形式的には支出でござ いますけれども、出したものは給付のように出ていったきりのものではなくて、当然 それは返ってくる性格のものでございます。そういう意味では、普通の支出というこ とではなくてむしろ積立金を現実に運用独法で持っていく代わりにそういう形で運用 しているのに類するような形だと、そういうことになっているところでございます。 ○牛丸委員  つまり、特会から借りてきて、それを原資として被保険者に貸しているということ ですか。 ○宮本参事官  資金運用担当参事官でございます。  今、御指摘のありましたところでございますけれども、かつて資金運用部から借入 資金を旧年金福祉事業団、それからもう撤退することにしておりましたが、承継的に 行っておりました年金資金運用基金が原資を元にしまして個々の被保険者の方にお貸 ししていた。これは住宅ローンですので非常に長期にわたるものですが、諸般の事情 によりましてそれを17年度に全部終わりにする。きれいにするということにいたしま した。  そうなりますと返済が必要になりますので、先ほど数理課長から御説明しましたよ うに、立替え的に年金財政から一たん出すという形になっておりますけれども、これ を継承している業務は別の法人が行っておりますが、そこにおきまして政府の出資金 という形で一つの権利を持っていることになっておりまして、被保険者の方々には 個々に毎年、毎年お金を返していただきますので、返していただきますとそのお金を そのまま年金特会にお返しする。それに応じて出資金として、かつて一たん立替え払 いをしている分を減らしていくという形で、最終的に基本的にはきれいにするという 仕組みで行っているところでございます。   ○山崎数理課長  それでは、2点目の被保険者の増加の要因ということでございます。これは、基本 的に景気回復が続いてきているということで、それが雇用の確保につながっていると いうことで被保険者は増えてきていると見ているところでございます。  3点目でございますが、いわゆる年金記録問題の年金財政の影響はどうかというお 尋ねかと存じます。まず厚生年金の財政計算におきましては、社会保険庁で把握して おります納付記録全体から統計的な抽出を行って基礎統計をつくるということをやっ ております。その際には、基礎年金番号に統合されているデータだけではなくて、統 合されていないデータもすべて納付記録でございますので、それも対象とした抽出を 行って、その統計を基礎として財政計算を行っている。基本的には、年金に加入した 期間はすべて給付に反映するという考え方に沿って給付費等の推計等を行っていると いうところでございます。  推計上、どうしても将来の見込みの場合は制約がございますので、財政再計算のデ ータは平成13年度末のものを使っているのでございますが、その時点で70歳、現在 でいいますと75歳以上に当たるような年齢層の方につきましては受給中の年金額に 変更がないものとみなすというような経過的な扱いを行います一方で、それより若い 年齢層の方の納付記録につきましては、生存している限りすべてが25年の資格要件を クリアして受給権に結び付くものとみなすという技術的な取扱いを行いまして給付費 を見積もっているところでございます。  したがいまして、今後未統合の年金記録が照合の結果、給付に順次反映されてくる ということでございますが、年金の収支計算そのものは100年の長期にわたって収支 均衡を図っていくものでございますが、基本的には加入した期間がすべて給付に反映 するという考え方で財政計算を行っておりますので、年金財政の枠組みが揺らぐよう なことはないと考えているところでございます。 ○牛丸委員  今は財政再計算のお話ですが、財政再計算の方に関してはほとんど影響はないと解 釈してよろしいでしょうか。 ○山崎数理課長  大きな影響はないだろうと思います。 ○牛丸委員  毎年度の財政報告は実績としての収入と支出ですから、ここに関しては個人の記録 とは別個に、とにかく入ってきたものが把握されるということでしょうから、収入は 変わらないですね。要するに、個人の記録があろうがなかろうが、とにかく何年にど れだけ収入が入ってきたということは変わらない。  ただ、支出に関しては実際はもっと大きかったということはあったかもしれないで すね。そう考えると、将来的にもそういうことがあるのかなと推測したのですが、財 政再計算ではその問題はないという話になるのでしょうか。私の理解がちょっとおか しいのでしょうか。 ○山崎数理課長  実際に毎年の保険料はそのまま収入としてカウントされておりますし、一方で裁定 前の若い年齢の方ですとこれから裁定までの間に統合されて、それで給付が出るわけ ですから、そういう意味では給付費にも何も影響は出ていないわけでございますが、 既に受給者になっておられる年齢の方で今後、統合の結果、給付がまた出るというこ とであれば、それは従来のいわば支出を幾らしましたという中にはもちろん入ってい ないわけですから、そこの部分がプラスになることはあり得るということでございま す。  ただ、年金財政上は、過去の納付記録というのは基本的に計算基礎に入っているの で、超長期で見た年金財政が揺らぐということではない。ただ、単年度ごとで見れば 確かに新たに照合されて給付が増えるということであれば、その年度の給付費が増え るというようなことは当然生じるということでございます。 ○山崎部会長  申し訳ございませんが、時間の制約がございますので次に進ませていただきます。 以上で、厚生年金保険の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。  引き続き、国民年金の平成17年度の財政状況につきまして報告を聴取いたします。 それでは、よろしくお願いします。 ○山崎数理課長  数理課長でございます。それでは、引き続きましてお手元の資料2に沿いまして平 成17年度の国民年金、基礎年金の財政状況につきまして御説明申し上げます。  1ページでございますが、こちらは基礎年金勘定の収支状況ということでございま して、平成17年度でまず中段の支出総額という辺りを見ていただきますと、17兆160 億円ということで前年に比べて6.3%の伸びという状況になっているところでござい ます。収入はそれよりかなり多い18兆4,000億円くらいでございますが、16年度の収 支残というところを見ていただきますと1兆5,489億円の収支残となっております。  こちらの方は昨年も御説明申し上げたところでございますが、60年改正のときのい わゆる任意加入の妻分の積立金というもので、これは年度末積立金で7,246億円とい うことで固定されているものでございますが、こちらからの運用収益がこちらの収支 残にたまっていっているという面と、それから拠出金が2年ごとで概算清算を行って いるわけでございますが、それの経過的な未清算額、あるいはその運用利息といった ものがこちらの方にたまっているということで、これがキャリーオーバーされている ような状況で収支がつくられているということでございます。  それから拠出金算定対象者数でございますが、こちらが5,960万6,000人というこ とで、前年度と比べて179万1,000人増えているということでございますが、下の注 2を見ていただきますと、17年度から第3号被保険者の特例届出の措置が講じられた ということで、2年を超えてさかのぼって昔の第3号だった期間も届け出ていただく。 届け出ていただきますと、その期間はそれぞれの制度において、17年度において第3 号の月数としてカウントされることになります。  これは、実際の届出をされた方が41万人いらっしゃいまして、1人当たり平均43 か月届出がされているところでございまして、拠出金算定対象者数は2となっており ますが、これは総月数を12で割って換算する形になっておりますので、147万2,000 人としますのは41万人が平均43か月を12か月で割ったらどうなるのかというような 数字で、換算しまして147万2,000人ということになっております。それで拠出金算 定対象数者の増、179万1,000人のうち相当大きな部分はこの3号被保険者の特例届 出に係る分という状況になっているところでございます。  このような形で拠出金算定対象者数がかなり増えているということはございまして、 基礎年金の支出総額はかなり増えているにもかかわらず拠出金単価、これは国庫負担 込みの分でございますが、2万2,986円ということで、前年に比べてプラス62円とほ とんど横ばいぐらいで進んでいる。そのうち保険料相当額が1万4,905円ということ で、対前年335円の減となっております。こちらにつきましては平成16年度の国庫負 担は3分の1プラス272億円という年金課税の見直しの分の初年度分の引上げだけだ ったのでございますが、17年度はそれが満年度化しました3分の1プラス1,000分の 11、更に定率減税の一部が回ってきた分で1,101億円がプラスになっているというこ とで、国庫負担割合が上がっているということを反映いたしまして保険料相当額は下 がっているという事情にあるということでございます。  続きまして、2ページは「基礎年金の制度別給付状況及び負担状況」ということで ございまして、17年度の基礎年金給付費の本来分、それから旧法分の基礎年金交付金 がそれぞれの制度からどのように支払われているかというのが上の段でございまして、 それに対応する負担の状況ということで、まず特別国庫負担、免除の分とか20歳前障 害の分、この4,830億円を除いた残り16兆4,416億円を1号、2号、3号の拠出金算 定対象者の頭数で割り返すということで、下の段にございます基礎年金の拠出金単価 が決まってくる。この辺の計算基礎をこちらに示しているところでございます。  基礎年金は以上でございまして、次は3ページの「国民年金勘定の収支状況」でご ざいます。平成17年度のところを見ていただきますと、保険料が1兆9,480億円の収 入ということで、前年度に比べて126億円、0.6%の増、平成17年度から保険料が1 万3,300円から1万3,580円に引上げになったということで、これを反映して保険料 収入が増えているという状況でございます。  あとは、厚生年金と同じように年金資金運用基金納付金の600億円と積立金より受 入の4,539億円というものが今回、新たな項目として加わっておりまして、時価ベー スの運用収益5,851億円と、年金資金運用基金の納付金600億円、この両方を加えま した6,451億円に対応いたします積立金の運用利回りが下の段にございます6.88%と いう数値になるところでございます。  積立金の時価ベースでの平成16年度と17年度の比較を見ていただきますと、前年 に比べて△384億円となっているところでございますが、国民年金の場合も支出のそ の他、3,743億円の中に年金住宅等融資に係る借入金の繰上償還の資金の2,632億円が 含まれているということでございます。こちらはそう実質的に積立金と変わるもので はないということでございますので、これを控除いたしますと実質的には17年度の収 支は0.2兆円ほどのプラスであっただろうということで、これは後ほど財政再計算と の比較のところで触れさせていただきたいと存じます。  続きまして、4ページは数表を絵にしただけですので省略いたします。  5ページは「給付状況」で、受給権者数、年金総額と、受給権者数は対前年4.1%の 伸び、年金総額は5.2%の伸び、ただしこちらの方は一番上にございますように被用 者年金のみなし基礎年金分は含まれていない数値ということでございます。  次におめくりいただきまして、6ページでございます。老齢年金の平均年金額が中 段辺りにございますが、18年3月末で5万2,963円ということで、対前年0.9%の伸 びという状況になっております。  7ページは、新規裁定の年金額ということでございます。こちらは一番上の欄は 1.9%の伸びで5万4,103円となっておりますが、これは新規裁定、繰上減額支給の請 求割合が減少していっておりますので、それの影響もあると考えられているところで ございます。  続きまして、8ページは「老齢年金受給権者の年齢構成」ということです。平均年 齢が73.5歳ということで、これは前年より0.1歳上がっているということで若干高齢 化が進んできている状況ということでございます。  続いて、9ページは「被保険者状況」ということで、第1号被保険者と第3号被保 険者別に表示してございますが、第1号被保険者に関しましては平成16年度から減少 に転じたということで、平成17年度につきましても対前年度末で1.2%の減少という 状況になってございます。第3号被保険者に関しましては、趨勢的にはずっと減少傾 向にあるということでございます。  ただ、先ほど御説明申し上げましたように、拠出金算定対象者をカウントするとき には過去の特例届出分が出ておりますので3号が一時的にふくらんでおりますが、今、 現に3号という方の頭数は減少傾向にあるところでございます。被保険者の平均年齢 は、今年は1号も3号も0.3歳上がっているという状況でございます。  続きまして、10ページは第1号被保険者の年齢分布でございます。国民年金の1号 被保険者の場合は学生の方が基本的に1号として適用になるということで、20から25 歳のところに20%ということで大きな山がある。一方で年齢の高いところ、55から 60のところに19.3%ということで山がございまして、二極化したような傾向にあると いうことでございます。  少し飛ばしまして、13ページが第3号被保険者の分布でございます。これは、男女 合計しますよりも男女ごとに見た方がわかりやすいので14ページまでいきます。  14ページは男性の3号被保険者の分布で、55から60歳のところにかなり多い分布 になっているところでございます。  15ページは女性の年齢分布ですが、右端を見ていただきますと35から40歳のとこ ろに一番ピークがあるということで、ある意味でM字カーブの逆の傾向を描いている 姿になっているところでございます。  次に、16ページは「積立金の運用状況について」でございます。こちらに関しまし ては預託金が39.7%、市場運用分が38.7%、財投債は21.6%という状況でございま して、運用利回り、これは承継資産の損益を含む場合の方を一般に使わせていただい ておりますが、6.88%という数字になっています。それで、資産は厚生年金と合同運 用しておりますので、この構成割合は厚生年金と同じでございます。  17ページ以降、「財政再計算における将来見通しとの比較」ということでございます。 まず保険料収入でございますが、将来見通しでは2.1兆円を見込んでおりましたのが、 実績推計の方では1.9兆円ということです。これは、納付率が見通しで71.4%と見て おりましたのが67.1%ということで、こちらを反映しているところでございます。一 方で、運用収入の方は0.2兆円と見ていたのが0.6兆円という姿になっているところ でございます。 全体を総合した収支残でございますが、将来見通しでは0.2兆円の マイナスと見ていたものが実績推計で先ほど御説明申し上げましたように年金住宅融 資の繰上償還分というものを調整いたしまして、実質で考えますとプラス0.2兆円と いうことで、差引き財政再計算よりも0.4兆円プラスになっている。これが、17年度 の状況でございます。  ちなみに、16年度はこれが再計算と比べてプラス0.3兆円、15年度がプラス 0.4 兆円ということで、3か年合わせまして国民年金では15年度から17年度までの3年 間で、収支が再計算より1.1兆円よくなっている、改善されているという状況でござ いまして、先ほど厚生年金につきまして15から17の3年間で10.7兆円再計算よりも 実績の方が上回っていると申し上げたものと合わせますと1.1兆と10.7兆で、計11.8 兆、厚生年金プラス国民年金で財政再計算よりも実質的な収支は上回っているという 状況にあるということでございます。  続きまして、18ページは「基礎年金の被保険者数及び受給者数」ということで、み なし基礎年金の受給者数を含む、こちらは推計の数字になりますが、これについて見 ていただきますと、将来見通しで被保険者数が基礎年金全体で6,940万という見通し でございましたが、実績で申しますと6,970万ないし80万ということで、被保険者数 は実績の方がやや多いというような状況になっているところでございます。  老齢年金の受給者数を見ていただきますと、将来見通しで2,390万人と見ておりま したが、16年度末と17年度末と平均を取りますとちょうど2,390万ほどということ で、ほぼ見通しどおりの数字になっているということでございます。  なお、差の主な要因のところに書いてございますように、障害や遺族に関しまして は実績は全額支給停止を含んだ数字で載っておりますが、財政再計算では受給者とい うことで全額支給停止を含んでいない数字でございますので、直接比較できない状況 にあるところでございます。  続いて19ページでございますが、「財政指標の比較」ということで年金扶養比率で ございます。こちらにつきましては、17年度の受給者ベースの括弧内の数値が2.88 という実績でございますが、16年の再計算結果では2.9ということで、ほぼ再計算ど おりの数値になっているところでございます。  次に20ページでございますが、「収支比率」につきましては実績が87.6に対しまし て再計算では106.4ということです。これは、17年度は非常に運用が好調だったとい うことで、積立金を取り崩す再計算上の予定だったものが、逆に実質積み増すような 姿になっているということを反映しているところでございます。  最後に「積立比率」でございます。こちらにつきましては、再計算上は平成17年度 4.6ということで見込んでいたところでございますが、17*の財政再計算ベースに前 年度末積立金を補正して比べますと5.2ということで、実績の方が上回っているよう な状況にあるところでございます。  御説明は以上でございます。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、何か御質問等はあります でしょうか。  特にないようでございますから、次に進みたいと思います。報告者の方には、本当 にお忙しい中ありがとうございました。     (国民年金(基礎年金)報告者退席・国家公務員共済組合報告者着席) ○山崎部会長  次に、国家公務員共済組合の平成17年度の財政状況につき、報告を聴取いたします。 それでは、説明をお願いいたします。 ○下島共済計理官  財務省共済計理官でございます。本日は、都合によりまして共済担当参事官が出ら れなくなりましたので、大変恐縮でございますけれども、私から御説明させていただ きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは、資料3に沿いまして御説明をさせていただきます。平成17年度の国家公 務員共済組合の資料でございます。  1ページ目をお開けいただきたいと思います。1ページ目は、国共済の収支状況に ついて直近5年間の推移を記載しております。国共済では従来から簿価ベースでの会 計処理が行われているところでございますけれども、本部会からのお求めによりまし て、幾つかの項目につきましては参考値として時価ベースの数字も掲載しております。  平成17年度につきましては、1ページの右から2番目の欄でございます。まず収入 でございますが、収入総額は2兆1,845億円となっておりまして、前年度に比べます と611億円、2.9%の増加となっております。時価ベースの収入というものが括弧書き でございます。ここで言う時価ベースの収入総額といいますのは、従来の簿価ベース の収入総額に当年度末の積立金の評価損益を加え、前年度末の積立金の評価損益を除 いたものでございますが、こちらが2兆4,424億円となってございます。  収入内訳ごとに見ていきますと、保険料収入は1兆290億円となっておりまして、 前年度に比べますと71億円、0.7%の増加となっております。国庫・公経済負担につ きましては1,589億円、前年度に比べますと63億円、4.1%の増加でございます。追 加費用は4,702億円となってございまして、前年度に比べますと216億円、4.4%の減 少となっております。それから、運用収入は2,423億円となっておりまして、対前年 度313億円、14.9%の増加でございます。  なお、国共済の場合には運用収入に係る諸費用である有価証券売却損等は支出のそ の他に含まれております。したがいまして、運用収入からこれらを相殺して除きまし て、正味の運用収入というものをお示ししております。こちらが、2,067億円となっ てございます。それから、更に評価損益を加味した時価ベースの運用収入が4,647億 円となってございます。  そのほかの収入といたしましては、基礎年金交付金1,640億円、それから地共済と の一元化が図られたことによります財政調整拠出金収入1,172億円、その他29億円と なっております。  次に支出でございますが、支出総額は2兆1,299億円となっておりまして、前年度 に比べますと161億円、0.8%の増加となってございます。支出の内訳について見てい きますと、給付費は1兆6,693億円となってございます。前年度に比べますと86億円、 0.5%の減少でございます。基礎年金拠出金は4,201億円となっております。前年度に 比べて9億円、0.2%の増加でございます。それから、旧JR、JT両共済に対して の支援金でございます年金保険者拠出金でございますが、31億円となっております。 前年度に比べて3億円、10.4%の増加となってございます。  それから、その他でございますが、374億円となっております。前年度よりも大分増 えておりますけれども、このうちの337億円は信託の運用損ということでございまし て、これは運用銘柄等の入替えに伴って生じたものでございますが、いずれにしまし ても先ほどの正味運用収入において御説明したとおり、運用に係る諸費用ということ で、本来ですと運用収入と相殺されるものということでございます。  したがいまして、収支残が546億円となりまして、その結果、年度末積立金は8兆 7,580億円となってございます。また、時価ベースの収支残は3,126億円、時価ベー スの年度末積立金は9兆1,690億円となってございます。  2ページ目は、ただいま御説明いたしました17年度の収支状況を図でお示ししたも のでございますので、説明は省略させていただきたいと存じます。  続きまして3ページ目以降でございますが、「給付状況」でございます。3ページ目 から6ページ目につきましては「年金受給者数、年金総額、退職年金受給権者平均年 金額及び平均加入期間」の直近の5年分の表でございます。  17年度末の国共済の受給権者数は3ページの右側から2つ目の列にございますが、 一番上の欄の合計で受給権者数が98万4,000人となってございます。前年度に比べま すと2万2,000人、2.3%の増加でございます。受給権者数の内訳でございますが、退 年相当63万3,000人、通退相当8万人、障害年金1万4,000人、遺族年金25万7,000人と なってございます。  年金総額につきましてはすぐ下の欄になりますけれども、合計で1兆7,621億円と なっておりまして、前年度に比べて32億円、0.2%の増加となっております。その内 訳は、退年相当1兆3,433億円などとなってございます。  4ページ目にまいります。上の表は、退職給付について減額、増額支給別に表わし たものです。共済年金には増額支給がございませんので、増額支給の欄はすべて空欄 とさせていただいております。減額支給となっているものは12万3,000人で、この年 金総額は2,216億円となってございます。  下の表は、退職年金受給権者に係る平均年金月額及び平均加入期間でございます。 17年度末現在の平均年金月額は男女合計で17万6,827円となっております。前年度 に比べ、2,240円、1.3%の減少となっております。  ところで、ただいま申し上げた年金額でございますが、新共済法による退職共済年 金につきましては65歳に達していわゆる本来支給の受給権者となりますと、社保庁か ら老齢基礎年金が支給されるということでございますけれども、今、申し上げた平均 年金額にはこの基礎年金は含まれておりません。そこで、厚労省からいただいたデー タを用いて、基礎年金額を含めた平均年金月額の推計値を作成してみますと、その3 つ下の欄にございますが、基礎年金を含めると20万9,025円という数字になっており ます。前年度に比べますと263円、0.1%の微減となってございます。平均加入期間は 420か月、35年となっております。  5ページ目は、ただいま申し上げました数字について男女別にお示ししたものでご ざいまして、説明は省略させていただきます。  6ページ目でございますが、組合員期間が20年以上の新規裁定者につきまして平均 年金月額等を表したものでございます。17年度の男女合計の平均年金月額は12万 9,379円、前年度に比べますと1,087円、0.8%の減少となってございます。平均加入 期間は436か月、36年4か月となってございます。  2段目、3段目は男女別でございますが、こちらも省略させていただきます。  7ページ目は、退年相当受給権者の給付状況を年齢別にお示ししたものです。13年 度以降60歳の者は原則的に定額部分がないので他の年齢の特別支給の受給権者と比 べますと低い年金額になってございます。また、16年度には定額部分の支給開始年齢 が更に62歳に引き上げられたということで、16年度以降につきましては61歳の者に つきましても平均年金月額が少し低い数字になっております。  ちなみに、この支給開始年齢の引上げは国共済、共済組合につきましては厚年と違 いまして女性も男性と同じスケジュールで引き上がっておりますのでその点、御注意 いただきたいと思います。  8ページ、9ページ目は男女別に見たものでございますけれども、そういう状況に なっております。  10ページ目は、退年相当の受給権者数につきまして年齢階級別の分布状況を示した ものでございます。構成割合の方で見ていただきたいと思います。男性、女性、計と 並んでおりますけれども、男女計及び男性で見ますと70歳以上75歳未満のところで 最も多くなっております。また、女性につきましては75歳以上80歳未満で最も多く なってございます。男女計及び男性につきましては、次いで75歳以上80歳未満、65 歳以上70歳未満の順で多くなっております。女性につきましては、70歳以上75歳未 満、65歳以上70歳未満が次いで多くなっております。平均年齢は、男性が72.3歳、 女性が73.1歳、男女計が72.4歳となっております。  11ページ目から15ページ目までは、組合員の状況についてまとめたものでございま す。  まず11ページ目でございます。平成18年3月末の組合員数につきましては、やは り右から2番目の欄でございますけれども、108万2,000人となってございまして、 前年度に比べますと4,000人、0.4%の減少となってございます。男女別では男性87 万8,000人、女性20万4,000人となっておりまして、全体の8割以上を男性が占めて ございますが、最近の傾向としまして年々男性組合員の割合が、徐々ではございます けれども、低下してきております。  組合員の平均年齢は下の統計調査の方法にございますように、これまでは動態統計 調査という2割の抽出調査によっていたのですけれども、その下に書いてございます ように一部の組合を除いて全数調査をしてもらうようにいたしました。この辺は徐々 に、統計ができるだけ全数で取れるものは全数でということで努力してきている部分 でございますけれども、今回から左様にさせていただいております。  平成18年3月末は平均年齢39.8歳となっておりまして、ここ数年はほとんど変動 していないと見るべきではないかと思っております。男女別では、男性40.5歳、女性 36.7歳となってございます。平成18年3月末の標準報酬月額の平均は40万8,832円 となっておりまして、前年度に比べますと2,289円、0.6%の増加となってございます。 また、男女別に見ますと男性42万2,162円、女性35万1,414円となっておりまして、 前年度と比較しますとそれぞれ0.6%、0.5%の増加となってございます。  標準報酬月額総額は5兆2,733億円となっておりまして、前年度に比べて151億円、 0.3%の増加でございます。一方、標準賞与総額は1兆7,921億円となっておりまして、 前年度に比べますと214億円、1.2%の減少となってございます。  このように、標準報酬月額と標準賞与の動向に食い違いが生じておりますけれども、 これは平成17年度から寒冷地手当の標準報酬、及び標準賞与における扱いが変更され たということが主な理由と考えております。  それから、標準報酬月額総額と標準賞与総額を合算した標準報酬総額は7兆654億 円、標準報酬総額の組合員1人当たり月額は男女計で54万5,501円となってございま す。  12ページ目は年齢階級別、加入期間階級別のクロスで見た組合員数の分布でござい ます。続く13ページ、14ページ目はそれらを男女別に分けたものでございます。  統計調査の方法を12ページの下に記載させていただきましたけれども、動態統計調 査を基礎としてございますが、前述のとおり、今回から年齢分布が全数で把握できる 組合が生じたということですので、それらの組合については年齢分布が全数と合致す るように補正をかけてございます。  まず年齢階級別の分布状況でございます。12ページの一番右側の構成割合をごらん いただきたいと思います。男女計では30歳以上35歳未満が16.2%と、最も高くなっ てございます。  男女別に見てみますと、13ページと14ページでございますけれども、ともに30歳 以上35歳未満の割合が最も高くなっておりまして、特に女性は非常に高くなっている という状況でございます。  なお、女性では25歳以上から40歳未満までの3階級だけで5割を超えるというよ うな状況でございます。  次に、加入期間階級別の分布状況でございますが、ただいまの各ページの下から2 行目の構成割合、横の方の構成割合をごらんいただきたいと思います。13ページでご ざいますけれども、男性においては35年未満までの各階級に比較的一様に分布してご ざいますが、一方、女性は14ページでございます。あちこちいって申し訳ございませ んが、20年未満までの階級に女性の場合には集中しているというような状況が見てと れるわけでございます。これらの階級だけで70%以上を占めているという状況でござ います。  急ぎ足で恐縮ですが、15ページをごらんいただくようお願いいたします。15ページ は標準報酬月額による分布でございます。男性では標準報酬月額等級の最高の等級で ございます62万円に11.2%と最も多く分布しておりますけれども、次いで47万円の 等級に8.1%となっております。実質、こちらが報酬の分布のピークになっていると いうことでございます。  一方、女性でございますけれども、こちらは標準報酬月額28万円で8.1%、それか ら41万円で8.0%と、2つのピークがあるという分布でございます。  続きまして、16ページ目は「積立金の運用状況について」ということで、17年度末 現在の年金資産の構成について示したものでございます。すべての区分項目につきま して、時価による評価変えをしているわけではございませんけれども、そのような項 目については時価ベースの金額は簿価と同額ということで提示してございます。以下、 簿価ベースで御説明申し上げます。  まず現金・預金等の流動資産につきましては3,013億円、固定資産は8兆4,908億 円となってございます。  固定資産の内訳でございますが、預託金が4兆7,004億円、有価証券等が2兆9,472 億円、不動産1,997億円、それから組合などへの貸付金が6,435億円となってござい ます。有価証券等は平成15年度よりすべて包括信託という契約形態がとられておりま して、委託運用と自家運用に分かれるということでございます。委託運用は1兆1,285 億円、自家運用は1兆8,187億円となってございます。委託運用は主に国内株式及び 外国株式による運用となっておりまして、自家運用はすべて国内債券による運用とな ってございます。  構成割合で申し上げますと、固定資産の中の預託金が53.7%、有価証券等が33.7%、 貸付金が7.3%となってございます。  17ページ以降は、「財政再計算による将来見通しとの比較」の表でございます。  まず17ページは、収支状況についての比較表ということでございます。17年度の実 績の額につきましては、1ページ目の収支状況に計上したものと同額でございます。  まず保険料についてですけれども、将来見通しが1兆249億円となっているのに対 しまして、実績が1兆290億円と、若干ですけれども実績が将来見通しを上回ってい る状況でございます。それから運用収益でございますが、将来見通しが1,372億円と なっているのに対しまして、実績は2,423億円となっております。運用利回りの差が 主な要因であろうと。つまり、再計算の前提は17年度は1.6%で置いていますけれど も、実績は先ほど1ページ目で御説明しましたとおり2.4%ということでございます。 それから、給付費は将来見通し1兆6,670億円に対しまして実績は1兆6,693億円と、 ほぼ同額ということになっております。  それから、組合員数、受給者数の比較が18ページにございます。まず脱退者数につ いては下の統計調査の方法に記載しておりますように、抽出調査によって算出したも のでございます。また、新規加入者数は組合員数及び脱退者数から算出しております。  平成17年度末の組合員数は、将来見通しが107万3,000人となっているのに対しま して実績は108万2,000人でございます。受給者数につきましては、将来見通しが99万 8,000人となっているのに対しまして実績は95万6,000人です。新規加入者数につきま しては、将来見通し4万2,000人で実績は5万4,000人となってございます。  新規裁定者数につきましては、実は11年再計算のシステムでは対応できなかったと いうことで、今回16年再計算のシステムで初めて対応させていただいておりますが、 ただ、当システムの新規裁定者数には在職停止者から受給者になった場合が含まれて しまっているということがわかりまして、ここは要するに対象者がちょっと違ってい るということでございます。大変申し訳ございません。  それから、脱退者数につきましては将来見通し5万2,000人となっておりますが、 実績は5万8,000人となってございます。  失権者数につきましても、今回16年再計算のシステムで初めて対応できるようにい たしました。将来見通しでは2万6,000人、実績は2万8,000人となっております。 年金種別の年金受給者等につきましては、それぞれ記載してあるとおりでございます。  19ページ目以降、「財政指標の比較」でございます。  まず「年金扶養比率」でございますけれども、平成17年度の年金扶養比率は上の表 の一番左下の欄にございますが、1.71となっておりまして、前年度に比べて0.02低 下しております。それから、追加費用を考慮した保険に係る年金扶養比率は2.26とな っております。前年度に比べて0.06低下してございます。  括弧内には受給者による年金扶養比率を計算しておりまして、こちらが再計算と比 較する意味ではベースが合うということでございます。年金扶養比率1.75、それから 保険に係る年金扶養率2.32ということでございます。  下の表ですけれども、こちらは再計算の17年度の数字でございまして、年金扶養比 率1.74、保険に係る扶養比率2.31となってございまして、いずれも0.01と、わずか に実績が高くなっているということでございます。  20ページ目の表は、ただいまの扶養比率を補完する参考指標と言われております年 金種別費用率でございます。老齢10.5、障害0.1、遺族2.2となっておりまして、構 成割合はそれぞれ62.6%、0.6%、13.4%となってございます。  「総合費用率」は次の21ページ目でございます。実績値でございますけれども、上 の表でございます。総報酬ベースで16.7となってございます。  一方、再計算による17年度の費用率は16.5となっておりまして、実績の方が0.2 高くなっております。  22ページ目は厚年相当部分に係る総合費用率でございますけれども、同じように実 績の方が0.2高くなってございます。  23ページ目は「独自給付費用率」でございます。実績は12.9となっております。一 方、再計算は12.6となっておりまして、0.3ほど実績の方が高くなっております。  24ページ目が厚年相当部分に係る独自給付費用率でございます。実績が11.6、推計 が11.4となっておりまして、実績の方が0.2ほど高くなっております。  25ページ目が「収支比率」でございまして、実績が簿価ベースで93.0となってござ います一方、再計算では100ちょうどとなっておりまして、実績の方が7.0低くなっ てございます。  26ページ目が、「積立比率」でございます。実績が7.4となっております一方、再計 算では7.5ということで、ほんのわずか、0.1実績の方が低くなっているという状況 でございます。  急ぎましたけれども、御説明は以上でございます。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して、何か御質問等はありますでし ょうか。  では、熊沢委員どうぞ。 ○熊沢委員  1ページの「収支状況」の表なんですけれども、支出のその他のところで平成17年 度で374億円、これは主に信託の運用損というような御説明がありましたが、一番下 に時価ベースの運用利回り5.36%というものがありますね。仮に信託の運用損も運用 の結果、損が出たということを加味して、それも織り込んで考えると5.36%よりは低 いと考えていいのですか。 ○下島共済計理官  これは、織り込んだ後の数字になってございます。つまり、その他の支出の中に運 用に係る費用が幾つか入っているわけでございますけれども、これをまず運用収入と 相殺しまして、上にあります正味運用収入というものを出します。ですから、この時 点でただいまの信託の損につきましては相殺されている。更に、その評価損益を乗せ ているということなので、この時価ベースの利回りには既にその辺は加味されている ということでございます。 ○山崎部会長  ほかにいかがでしょうか。  では、牛丸委員どうぞ。 ○牛丸委員  今のことですが、経済環境として資産運用は非常にいい状況だったのですね。実態 はよくわからないのですが、信託は何か特別な処理をしたのでしょうか。信託だけが ここで損失して、ほかは非常にいいというのは何か理由があるのでしょうか。 ○押田資金運用部長  連合会の資金運用部長でございます。  おっしゃるとおりなのでございますが、我々は簿価を基準にして決算をしておりま して、実は全体としては含み損の状態であった株がございます。それで、株も全体で はプラスだというようなことで申し上げているのですが、1銘柄1銘柄、それからフ ァンドごとに見ますと、その含み益がプラスのものとマイナスのものといろいろと分 かれるわけです。  我々はこの表は決算から取っておりますので、本来ですと正味で考えていただいた 方がわかりはいいのですが、決算から持ってきたということで両立てに出ているとい うだけでございまして、特段に何か失敗したということでは実はなくて、我々は正味 の運用収入のところで考えているということです。  この決算の両立てはネット決算はできませんので、我々は簿価を持っていて、簿価 が基準で含み益、含み損が出たりということで実現損益は出るのですが、そこのとこ ろは会計上そのまま両立てになっているというふうな御理解をいただけるとありがた いのですけれども。   ○牛丸委員  信託以外もあるわけですね。 ○押田資金運用部長  信託以外はございません。 ○牛丸委員  運用は全部信託ですか。わかりました。 ○山崎部会長  よろしいでしょうか。  では、栗林委員どうぞ。 ○栗林委員  ちょっとうまく理解できなくて、私の知識不足で恐縮なのですが、例えば積立金の 運用状況というのが16ページに出ているのですが、これは厚生年金などの場合は同じ だと思うのですが、簿価ベースで考えて全体の運用収入というのが1ページに出てい る時価でないところの運用収入というふうに考えればいいのでしょうか。 ○押田資金運用部長  さようでございます。正味で2,067億円というのがその数字でございます。 ○栗林委員  それで、先ほどのような信託運用損とか、そういうものを除いたものですか。 ○押田資金運用部長  それを除いて正味ということでございます。 ○栗林委員  そこに時価ベースの場合には、いわゆる評価益とか評価損をプラスしたものである と考えてよろしいんですね。そうすると、細かくなって恐縮ですが、5.36%というの はここで言うと何を何で割れば出てくるんですか。 ○押田資金運用部長  時価ベースの4,647億円を平残で割ったものでございます。平残というのは、時価 平残でございます。   ○栗林委員  期首ではなくて平残でやっているということですか。  それからもう一つ、これまた私は知識がなくて恐縮なんですが、厚生年金の場合に は新しく年金資金運用基金納付金みたいなものが出てきているわけですね。これは共 済の場合にはどういうことになるんですか。   ○北原年金企画部長  我々は総額主義でやっていますので、厚生年金のように運用機関が外にあるという 状況ではございません。ですから、ほかの共済も似たような感じかもしれませんが、 厚生年金は保険主体である部分と運用主体が必ずしも一緒ではないという状況があっ て、特別会計法の会計処理上の収支が出てくるのですが、我々のKKRの方はすべて 一体として資金を持って運用し、年金給付をやるということですから、自己収れんし ていると見ていただければ結構かと思います。 ○栗林委員  そうすると、その運用収益に相当するものはここに出てきている運用収入がそこで 総額で出てきているというふうに理解するということですね。わかりました。 ○山崎部会長  よろしいでしょうか。  それでは、以上で国家公務員共済組合の財政状況についての報告聴取を終了します。 報告者の方々にはお忙しい中ありがとうございました。御退席していただいて結構で ございます。     (国家公務員共済組合報告者退席・地方公共団体共済組合報告者着席) ○山崎部会長  次に、地方公務員共済組合の平成17年度の財政状況について報告を聴取いたします。 それでは、説明をお願いいたします。 ○佐々木福利課長  地方公務員共済年金を担当しております総務省福利課長の佐々木でございます。よ ろしくお願いいたします。本日は、合わせて地方公務員共済組合連合会の担当者も同 席をいたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、お手元の地方公務員共済組合の平成17年度財政状況につきまして資料に 沿って、順次御説明を申し上げます。  まず1ページの収支状況でございます。地共済の収支状況の過去5年間の推移でご ざいますが、一番右の平成17年度、まず一番上から収入でございます。収入総額の下 の保険料のところからまいりますと、保険料は3兆99億円、前年度に比べて364億円、 1.2%の増加でございます。その下の公的負担は3,828億円、前年度に比べて33億円、 0.9%の増加でございます。その下の追加費用でございますが、1兆1,896億円、前年 度比569億円、4.6%の減少となっております。その下の運用収入は1兆3,604億円で、 前年度に比べて6,070億円、80.6%の大幅な増加となってございます。  それから、その下の基礎年金交付金でございますが、3,718億円、前年度に比べて 192億円、4.9%の減少になっております。財政調整拠出金収入は先ほどもございまし た地共済と国共済の財政調整の拠出金でございますが、平成17年度は昨年と同様、地 共済の方から国共済への拠出でございますので収入の方はゼロになってございます。  その下の35億円を合わせまして、収入総額が一番上にございますが、6兆3,180億 円、前年度比5,701億円、9.9%の増額でございます。時価ベースで言いますと、収入 総額は8兆4,207億円となってございます。  支出の方にまいります。まず給付費が4兆2,915億円、前年度に比べて132億円、 0.3%の増加でございます。基礎年金拠出金が1兆1,226億円で、前年度に比べて9億 円、0.1%の減少でございます。年金保険者拠出金が275億円で前年度比12億円、4.1% の減少でございます。それから、先ほど申し上げました地共済と国共済との財政調整 の拠出金の支出として、地共済から国共済に1,172億円を拠出しておりまして、前年 度に比べまして464億円、65.5%の増加となってございます。  その他128億円、前年度に比べて17億円、11.4%の減少、これらを加えまして支出 総額は5兆5,716億円、前年度比559億円、1.0%の増加となってございます。  その結果、収支残のところでございますが、7,464億円、前年度比5,142億円と大幅 な増加になってございます。また、時価ベースでの収支残が2兆8,491億円と、これ も大幅な増加ということになってございます。  それから、その下の年度末積立金38兆8,082億円、積立金運用利回りが3.59%、前 年度を1.61ポイント上回っております。時価ベースで見ますと、年度末積立金が41 兆5,154億円、積立金の運用利回りが9.01%となっているところでございます。  次の2ページは省略をさせていただきまして、3ページの給付状況でございます。 右から2番目の平成18年3月末の欄から御説明いたしますが、一番上にございます受 給権者数、退年相当が157万8,000人、通退相当が13万5,000人、障害年金が3万 8,000人、遺族年金が53万8,000人ということで、合計で228万9,000人、前年度に 比べまして5万人、2.2%の増加でございます。  年金総額の欄でございますが、退年相当給付が3兆6,052億円、以下ここにござい ますような額となっておりまして、合計は4兆5,471億円、前年度比465億円、1.0% の増加でございます。  めくっていただきまして、4ページの上の表が退職給付につきまして減額、増額別 に表したものでございますが、国共済同様、共済年金には増額支給はございませんの で増額の部分は空欄でございます。減額となっております受給者は平成17年度で7万 人、その年金総額は退年相当給付の1,177億円となってございます。  下の表でございますが、退職年金平均年金月額が18年3月末で19万441円、前年 度比2,265円、1.18%の減少となってございます。その3段下でございますけれども、 基礎年金を含めました平均年金月額は22万2,659円、前年度比404円、0.18%の減少 となっております。また1つ下に飛んでいただいて退職年金の平均加入期間でござい ますが、415月となってございます。それから、通年相当では老齢基礎年金を含めず に計算した平均年金月額がその下でございますが、4万3,493円となっておりまして、 一番下の平均加入期間は125月となっております。  おめくりいただきまして、5ページは今、申し上げましたものの男女別の表でござ いますので省略をさせていただきます。  6ページをお願い申し上げます。加入期間20年以上の新規裁定に係ります退職年金 平均年金月額でございますが、平成17年度の欄で14万6,977円、前年度比174円、 0.12%の増加になってございます。3つほど下の退職年金平均加入期間が431月とな っております。  以下は、男性、女性に分けた表でございますので、説明を省略させていただきます。  次に7ページでございますが、退年相当につきまして支給区分別、年齢別に表した ものでございます。少し細かい表でございますが、右から2番目の18年3月末の欄を 少し下にいっていただきまして、61歳の平均年金月額14万9,205円となってござい ます。これに対しまして幾つか下の62歳の欄、これは定額部分が支給をされますので 21万1,685円となっているところでございます。  8ページ、9ページはそれぞれこれを男性、女性に分けた資料でございますので説 明は省略をさせていただきます。  10ページが、退年相当の受給権者につきまして年齢階級別にお示しをしたものでご ざいます。男性、女性ともに60から64歳の階級が一番多く、男性では次いで70から 74、65から69歳の順でございます。女性では75歳から79歳、70歳から74歳の順と なっております。男女合計で見ますと、60から74歳の3つの階級で合計62.5%を占 めてございます。平均年齢は一番下にございますが、男性は71.9、女性は72.2、男女 合計で72歳となってございます。  次に、組合員の状況でございます。11ページでございまして、まず組合員数が一番 上でございますが、右から2番目の17年度末は306万9,000人で前年度に比べまして 4万2,000人、1.3%の減少でございます。地共済の場合は、男性と女性がおおむね2 対1程度の割合になってございます。その下の平均年齢は、男性が44.2歳、女性が 41.8歳、合わせて43.3歳ということで、前年度に比べて男女合計で0.1歳下がって いるということでございます。その下の平均給料月額は、36万3,644円となってござ います。男性、女性の平均はそれほど大きくは変わりませんが、女性の方が若干低く なってございます。平均年齢は女性の方が41.8歳ということで、2歳強低くなってい るということが原因と考えられるところでございます。  標準報酬月額総額は標準報酬ベースに換算いたしました金額で16兆7,237億円、前 年比1,794億円の減、標準賞与総額が5兆5,380億円で前年度比1,569億円の減。総 報酬ベースの標準報酬総額が22兆2,616億円、前年度比3,363億円の減。組合員数の 年度間平均は男性が194万5,000人、女性が113万3,000人、合わせて307万8,000 人となってございます。一番下の総報酬ベースの標準報酬総額の年度間平均ですが、 男性が62万2,025円、女性が56万9,777円、全体の平均が60万2,790円ということ になってございます。  次に、12ページが年齢階級別、加入期間別のクロス表で見た組合員数でございます。 まず年齢別で見ますと、右側の合計のところで45歳から50歳未満のところにおよそ 48万人、50歳から55歳未満のところに51万7,000人、55歳から60歳未満のところ に46万7,000人、45から60歳未満のところに組合員がかなり集中をしておりまして、 この3つの階級で全体の47.7%を占めてございます。あとは、もう少し若い世代にい きますと、20歳代の2つを合わせまして11.7%、30歳代の2つを合わせまして25.1% という分布になってございます。  それから、組合員期間別で見ますと下の方でございますけれども、25年から30年未 満のところに15.3%が集中しておりまして、次に多いのが30年から35年未満、その 次が10年から15年未満といった状況になってございます。  13ページと14ページは男性、女性別の表でございますので省略をさせていただきま す。 次に、15ページの給料月額の分布でございます。地方公務員共済組合の場合は 本俸制でございますので、従来から基本給の数字で掲出いたしてございます。平均給 料月額は一番下にございますが、男性が37万2,000円、女性が34万9,000円程度となっ てございまして、男女合わせて36万4,000円弱でございます。  分布といたしましては、男性では41万円以上42万円未満のところに6.8%というこ とで、これが一番比率の高いところでございます。女性も同じところが一番高い比率 になって、5.9%となってございます。全体的にはこの辺りから給料月額が下がるに従 いましてなだらかに減少するような形で分布をいたしているところでございます。  次に、16ページの「積立金の運用状況について」でございます。年金資産の「資産 構成」ですが、平成17年度の積立金の総額が簿価ベースで下の方にございますが、38 兆8,082億円、時価ベースでその隣の41兆5,154億円となってございます。  内訳でございますが、有価証券等が簿価ベースで31兆3,448億円、時価ベースで34 兆520億円となってございまして、これが資産全体の8割を占めてございます。更に、 この有価証券等のうち金銭信託が簿価ベースで20兆8,624億円、時価ベースで23兆 4,995億円、それからその一段下の有価証券が簿価ベースで9兆7,765億円、時価ベ ースで9兆8,465億円となってございまして、この金銭信託と有価証券で資産全体の 75%以上を占めているといった状況でございます。更に、有価証券の中に国内債券が 簿価ベースで5兆8,000億円、時価ベースで約6兆円、以下ごらんのとおりの状況に なっているところでございます。  次に17ページ以降でございますが、平成17年度決算実績と平成16年の財政再計算 の比較でございます。17ページの収支の状況の比較でございますが、収入の保険料は 将来見通しで3兆1,097億円でありましたところが、実績では3兆99億円となってご ざいます。これは組合員数の減少ですとか、賃金上昇率の影響が相まって発生したも のと考えられるところでございます。  それから、運用収益は将来見通し6,011億円に対しまして実績で1兆3,604億円、 これは運用利回りを将来見通しでは1.6%としているのに対しまして実績で3.59%に なりましたことが影響しているものでございます。  こういったことで、収入総額が将来見通しで5兆6,768億円に対し、実績で6兆 3,180億円となってございます。  次に右側の支出でございますが、給付費が将来見通しで4兆3,728億円に対して実 績で4兆2,915億円、これは主に受給者数が見通しに比べまして実績では減少したこ とによるものでございます。あとは、基礎年金拠出金が将来見通しで1兆1,162億円 に対しまして実績で1兆1,226億円となってございます。支出総額では、将来見通し で5兆6,603億円、実績で5兆5,716億円となってございます。  18ページは組合員数及び受給者数においての比較でございますが、組合員数が将来 見通しで309万2,000人でありましたが、実績で306万9,000人、これは新規採用者の抑 制などに伴うものでございます。それから、受給者数は将来見通しで226万1,000人で ありましたが、実績では220万6,000人となってございます。新規加入者数、脱退者数 でございますが、将来見通しで平成17年度新規加入8万2,000人、脱退11万5,000人と なってございましたが、実績で新規加入は8万6,000人、脱退者数は12万8,000人とな ってございます。新規裁定者数は、将来見通しで19万3,000人に対しまして実績では 19万5,000人、失権者数については、将来見通しで13万5,000人に対して実績が14万 1,000人となっているところでございます。  19ページ以降が、財政指標につきまして実績と再計算との比較でございます。  まず、19ページの「年金扶養比率」でございます。上の実績でございますけれども、 平成17年度は一番左の欄にございますように1.95となってございまして、前年度に 比べ0.05ポイント減少。それから、その隣の追加費用を考慮した保険に係る年金扶養 比率の欄でございますが、2.55ということで、前年に比べて0.12ポイントの減少で ございます。また、括弧内が受給者による年金扶養比率でございます。再計算では受 給者によります年金扶養比率を作成いたしておりますので、受給者ベースでの比較を いたしますと年金扶養比率は将来見通しで1.99でありましたところが実績の括弧内 も同様に1.99、保険に係る年金扶養比率におきましても将来見通し2.61に対し、実 績の括弧内は2.61と同様になってございます。  20ページは年金種別の費用率を参考までに掲げてございますので、説明は省略をさ せていただきます。  21ページが「総合費用率」でございまして、総報酬ベースで平成17年度の総合費用 率が16.2の実績でございます。標準報酬月額ベースにいたしますと21.6ということ で、対前年度比1.0ポイントの上昇となってございます。将来見通しとの比較でござ いますが、下の表の平成17年度は16.1ということで、これに対して実績は16.2とい うことでございます。  22ページが「厚生年金相当部分に係る総合費用率」でございまして、下の表の将来 見通しが14.8であったのに対しまして実績の方は14.9となってございます。  23ページが「独自給付費用率」でございまして、実績が上の表の一番左の欄の総報 酬ベースで13.0となってございます。標準報酬月額ベースでは17.3となっていまし て、対前年度比1.1ポイントの上昇でございます。将来見通しとの比較では、下の表 の将来見通しが12.9、の実績で13.0ということでございます。  24ページが「厚生年金相当部分に係る独自給付費用率」でございまして、将来見通 しの11.6に対し、実績推計も11.6と同率になってございます。  25ページが「収支比率」でございますが、実績82.7、対前年度比10.8ポイントの 減少でございます。括弧内の時価ベースでは55.9となってございます。  将来見通しの比較ですが、将来見通し99.6に対して実績が82.7とかなり低くなっ てございますが、これは運用収入の実績が将来見通しを大幅に上回ったことによる影 響であると考えられるところでございます。  最後に26ページの「積立比率」でございますが、平成17年度実績10.5、0.4ポイ ントの減少となってございます。時価ベースは10.7でございます。将来見通しの10.2 に対しまして実績が10.5で、0.3ポイント上回っているところでございます。  簡単でございますけれども、地方公務員共済組合の平成17年度財政状況の概要につ きましては以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○山崎部会長  ありがとうございました。  ただいまの説明に関して、何か御質問等はございますでしょうか。  熊沢委員、どうぞ。 ○熊沢委員  確認なのですが、1ページの表の収支の状況のところで、先ほどの国家公務員共済 と同じ質問なんですけれども、支出のその他のところや時価ベースの利回りも国共済 と同じようにできているという理解でよろしいのでしょうか。 ○佐々木福利課長  はい、全く同様のつくりになっております。 ○山崎部会長  そのほかにいかがでしょうか。  それでは、特にないようでございますから、以上で地方公務員共済組合の財政状況 についての報告聴取を終了します。報告者の方々には、お忙しい中をありがとうござ いました。御退席いただいて結構でございます。     (地方公務員共済組合報告者退席・私立学校教職員共済制度報告者着席) ○山崎部会長  最後に、私立学校教職員共済制度の平成17年度の財政状況について御報告を聴取い たします。それでは、説明をお願いします。 ○山下私学共済室長  それでは、資料5というものでございます。私学共済の平成17年度における財政状 況につきまして、概要の御説明を申し上げます。  まず1ページをお開きいただきたいと思います。上の方でございますが、収入総額 は前年度に比べて754億円、18%増加をいたしておりまして4,948億円となっており ます。主な収入源は、掛金と運用収入ということでございます。掛金は17年度の欄の 上から3つ目でございますが、2,789億円で全体の56.4%を占めております。運用収 入は簿価ベースで1,359億円となっておりますが、正味運用収入は1,329億円という ことになっておりまして、時価ベースでは1,903億円となってございます。  簿価ベースの運用収入が前年度に比べまして622億円、これは84.3%と大きく増加 しておりますのは、主に委託運用における信託収益が大幅に増加したためということ でございます。有価証券の利息は減少しておりますものの、委託運用における信託収 益が大幅に増加をした結果ということでございます。  一方、支出の方でございますけれども、支出総額は前年度に比べまして23億円減少 となってございます。3,871億円となってございます。支出の主なものといたしまし ては年金の給付費で2,310億円、基礎年金拠出金で1,452億円となっております。  この結果、収支残でございますけれども、下から3つ目の欄でございますが、簿価 ベースで前年度比777億円、258.3%増加をいたしまして1,078億円となっております。 また、時価ベースでは前年度比815億円、97.5%でございますけれども、増加して1,651 億円となってございます。これによりまして、平成17年度末積立金は簿価ベースで3 兆3,180億円、時価ベースで3兆4,730億円となってございます。  2ページは、1ページを図示したものでございますので省略させていただきます。  3ページから10ページにつきまして給付状況をまとめてございます。  3ページは、受給権者数と年金総額等について記載をしてございます。平成18年3 月末となってございますが、平成17年度末の受給権者は合計で前年度と比較をいたし まして9,800人増加で28万800人となってございます。また、平成17年度末の年金総額 でございますけれども、合計で前年度末と比較をいたしまして74億円増加して2,803 億円となってございます。  4ページをごらんいただきたいと思います。一番上の欄の減額支給の通退相当及び 増額支給のところは、ほかの共済と同様、支給の規定がないために数値を入れており ません。  下段の方の表をごらんいただきますと、私学共済から支給される加入者期間20年以 上の退年相当の平均年金月額でございますけれども、一番右のところでございますが、 前年度と比較して1,616円減少いたしまして17万2,474円となっております。また、 基礎年金を含めました平均年金月額はその3つほど下でございますけれども、398円 増加して20万7,494円となっております。  なお、平均加入期間は、私学の場合は比較的ほかの共済と比べて短うございますの で、378か月、31年6か月となってございます。  その3つほど下でございますけれども、通退年金平均年金月額につきましては799 円減少して3万3,633円、それから通退年金の平均加入期間は一番下の欄でございま すが、85か月となってございます。  次に、5ページは今ごらんいただきました4ページの下段を男女別に分けたもので ございます。一番上でございますけれども、男性の退年相当の平均年金月額は前年度 から1,708円減少いたしまして19万2,793円、平均加入期間はその3つくらい下でご ざいますが、391か月となってございます。  女性の方でございますけれども、退年相当の平均年金月額は前年度と比較をいたし まして1,501円減少いたしまして14万1,116円、平均加入期間はそのまた3つ下でご ざいますが、359か月となってございます。  6ページをごらんいただきたいと思いますが、新規裁定者に係る分でございまして、 加入期間20年以上の新規裁定の退年相当の平均年金月額は一番上の一番右でござい ますが、前年度と比べまして3,243円増加をしておりまして15万48円、平均加入期 間はまたその3つくらい下でございますが、396か月となってございます。  男女別で見ますと、男性の右の一番上のところでございますが、男性の新規裁定退 年相当の平均年金月額は前年度と比較いたしまして4,827円増加をして16万8,073円 となってございます。平均加入期間は405か月となってございます。  女性の新規裁定の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較いたしまして531円増 加をいたしまして11万6,401円、平均加入期間は379か月となってございます。  それから7ページでございますが、上3段、退年相当平均年金月額、それから基礎 年金額を加算した平均年金月額は4ページで説明したとおりでございます。ちょっと 細かくなってございますが、特別支給分と縦に書いてあるところの上から2つ目の60 歳の定額部分、それからその下の欄の加給年金部分は極めて少額になってございます。 これは、平成13年度が定額部分及び加給年金部分の支給開始年齢の引上げ、60歳か ら61歳の年度に当たるためということでございます。同様に、特別支給の61歳の定 額部分、加給年金部分が17年3月から少額になってございますけれども、これは16 年度がその支給開始年齢の引上げ、61歳から62歳の年度に当たるためでございます。  それから、65歳以上の本来支給分の定額部分でございますけれども、昭和61年の4 月に60歳以上であった基礎年金対象外の者等の定額部分ということになってござい ます。  8ページと9ページにつきましては今、御説明申し上げました7ページを男女別に したものですので省略をさせていただきます。  10ページでございます。「退職年金受給権者の年齢構成」でございますけれども、平 均年齢は男性で69.6歳、女性で71.2歳となっております。構成割合で見ますと、男 性は60歳代が30.1%で最も高く、次は65歳代で24.9%、女性も同じく60歳代が25%、 65歳代が23.6%となっており、男女とも60歳代が最も高い割合を占め、次に65歳代 が高い割合を占めているということでございます。  11ページを開けていただきたいと思います。11ページから15ページにかけまして は加入者の状況でございます。  11ページは加入者数、それから加入者平均年齢等を記載してございます。加入者数 は平成17年度におきましても増加傾向ということでございまして、前年の16年度末 と比較をいたしまして17年度末では6,500人増の44万8,100人となってございます。 男性で2,200人増の21万3,800人、女性で4,300人増の23万4,200人となってござ います。  参考までに、加入者の増減を学種別で申し上げますと、加入者数が増加している学 種は大学、専修学校、幼稚園、中学校、小学校でございます。逆に減少しているのが 短大、各種学校、高校等でございます。なお、盲・ろう・養は変わらずということに なってございます。  加入者数は平成19年3月末におきましても、この状況の報告の後1年でございます けれども、更に増加しているという傾向になってございます。  それから加入者の平均年齢でございますが、40.9歳ということになってございます。 男性で0.1歳下降、女性で0.1歳上昇しております。標準給与月額の平均は116円増 加しまして36万9,808円となっております。  下段の表の標準給与月額総額は273億円増加しまして1兆9,845億円となってござ いまして、その2段下の賞与を含めました給与総額は2兆6,495億円となってござい ます。  12ページでございますが、加入者の年齢別加入期間別の分布でございます。一番高 い割合が25歳から30歳、25歳代の15.5%でございますけれども、以降ごらんいただ きますと55歳代まで10%台で推移をしております。60歳代でも6.7%を占めており ます。  加入期間の分布でございますけれども、加入期間5年未満というところが一番割合 が高くて37.7%ということになってございます。加入期間が長くなるほど順次低くな っていくということでございます。  13ページの男性の加入者分布をごらんいただきますと、若年層の割合が低いという 傾向が見られるということでございます。  14ページをごらんいただきます。これは女性の加入者の分でございますけれども、 男性とは逆に若年層が占める割合が高くなっているということでございます。  また、加入期間の分布でも加入期間10年未満ということで、女性の場合、約3分の 2を占めているということでございまして、主に女性加入者の場合、幼稚園の先生が 多いということが大きな要因と考えているところでございます。  それから、15ページの「標準給与月額別分布」では男性の約25%が上限の62万に なっているということでございまして、男性の標準給与月額の平均は45万1,095円と なってございます。女性の場合は20万円台を中心に分布する結果となっておりまして、 標準給与月額の平均は29万5,608円ということになってございます。  それから16ページでございますが、「積立金の運用状況について」ということでご ざいます。17年度末の積立金は簿価ベースで3兆3,180億円、時価ベースで3兆4,730 億円でございまして、簿価ベースではその約74%を有価証券と包括信託で運用してお ります。資産構成のうち、国内債券は簿価ベースでちょうど真ん中辺りでございます けれども、8,969億円、時価ベースではその隣の8,803億円となってございまして、 166億円の含み損となっているということでございます。これは、長期金利が期初に 1.3%台でスタートいたしましたけれども、3月に日銀が量的緩和政策を解除したこと に伴いましてゼロ金利政策が維持されたにもかかわらず、3月末には1.7%台まで上 昇し、この金利上昇によりまして評価益から評価損に転じ、時価が簿価を下回ってい る状況となってございます。その他の運用資産では、時価が簿価と同額か、それを上 回るというふうなところで、数字の対比でごらんいただければと思います。そのよう になってございます。  それから、17ページは「財政再計算における将来見通しとの比較」で収支状況の比 較でございます。実績と将来見通しが大きく乖離した主な項目というものが運用収入 のところでございます。収入のところで運用収入の欄をごらんいただきますと、将来 見通しでは510億円でございますが、実績では1,359億円でございまして、510億円 の方は1.6%で見込んでおりましたが、実際には利回りが4.2%になったことによるも のでございます。  それから、18ページは「加入者数及び受給者数の比較」でございます。加入者数は 将来見通しでは平成16年度末実績見込み後、一定というふうに見込んでいるのに対し まして、実際には先ほども御説明しましたように毎年増加をしてきているというとこ ろから、その部分が実績の差として表れてきております。  また、受給者数でございますけれども、年金数理部会の御指摘を受けまして、平成 16年度の財政再計算では人員を改善いたしましたので、将来見通しとの差は小さくな っているとうことでございます。  それから、19ページでございますが、「年金扶養比率」です。17年度の実績の方で ございますが、5.02となってございます。退職年金受給権者総数によるもので、括弧 書きで表示してあります退職年金受給者数で見た場合には5.86となってございまし て、その下の16年度の将来見通しのところは5.70ということで、比較的差は小さく なっていると考えてございます。  20ページは年金種別の費用率でございますけれども、老齢費用率6.7、障害費用率 0.1、遺族費用率1.2となってございまして、当該費用率の総合費用率に対する構成割 合はそれぞれごらんのとおり56.8、0.6、10.0となってございます。  21ページの「総合費用率」でございますけれども、17年度の実績で11.8、将来見通 しによりますと11.6ということで若干高くなってございますが、これは賃金上昇率を 将来見通しでは16年度0.6%、17年度1.3%としておりまして、標準給与総額を見込 んでございましたけれども、それが実際には見込みに達していないということが主な 要因でございます。 22ページでございますけれども、「厚生年金相当部分に係る総 合費用率」でございます。平成17年度の実績は11.0でございまして、将来見通し17 年度の10.6よりも高くなってございます。これは、先ほど申しました総合費用率と同 様の理由によるというものでございます。  それから、23ページの「独自給付費用率」につきましても17年度の実績で8.2%、 将来見通しで8.1%と差が表れてございますが、これも総合費用率と同様の理由によ るものでございます。  24ページでございますけれども、17年度実績7.4、将来見通し7.1ということでご ざいますが、これも総合費用率の場合と同様の理由によるものでございます。  25ページは「収支比率」でございまして、17年度の実績は74.0、将来見通しが91.9 ということでございますが、ここでは運用収入が将来見通しより多かったということ がその最たる要因となって差として出てくるということでございます。  26ページは「積立比率」でございますけれども、17年度の実績で10.3というふう になってございます。  以上、簡単でございますが、御説明させていただきました。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して御質問等はございますでしょう か。  では、都村委員どうぞ。 ○都村部会長代理  20ページの年金種別費用率ですけれども、私学共済の場合には国共済とか厚生年金 に比べて遺族費用率が著しく低いのですけれども、それは第3号被保険者比率が低い から相対的に低いのか。あるいは、加入者の年齢分布も関係があるのでしょうか。そ れから、遺族費用率が低いということの年金財政への影響はどうなのでしょうか。 ○山下私学共済室長  ただいまの御指摘でございますけれども、私学の場合は先ほど年齢構成をごらんい ただきましたが、男性の場合は非常に年齢の高い方が多いということが1つと、それ から女性の場合は若い世代の方が大変多いということがございますので、若い世代の 方は短期で若年の間に在職をされる方々が多い。例えば、幼稚園の先生辺りが相当数 多いわけでございます。  したがって、こういった方々が将来年金の受給権をお持ちになるとしても、他制度 との組合せというものがまず第一に考えられるわけでございまして、主たる給付を私 学共済からお受けになるということが極めて率として低いということがあると思いま す。  それから、年金財政に与える影響を申し上げますと、遺族年金へのいわゆる請求と いうものと、それから実際に将来受給権につながってこの方が実際に給付をお受けに なることとの影響というものがございますので、これは一概には申せませんけれども、 遺族費用率そのものが全体に与える率というのはそれほど高くないのではないかと考 えておりますが、それはデータをいずれにしろ準備しないと確定的なことは申し上げ られないと思います。 ○山崎部会長  熊沢委員、どうぞ。 ○熊沢委員  18ページの新規裁定とか失権のところで括弧書きの注がございます。これは、国共 済などと再計算の仕方が違うのでこういった括弧書きで換算して比較すると実際の比 較になると考えていいんでしょうか。 ○山下私学共済室長  御指摘のとおりでございます。 ○山崎部会長  宮武委員、どうぞ。 ○宮武委員  とても基本的なことで恐縮なのですが、私学共済に対する国庫負担が537億円ござ いますね。これは、例のみなし基礎年金のことをいうんですか。それとも、違うんで しょうか。1ページ目にもございますし、2ページ目の図表でもございますが、国庫 から出ている国庫負担というところでございます。 ○山下私学共済室長  537億円でございますね。これは、基礎年金の拠出分が509億円のうち3分の1相当 の484億円、それから1,000分の18相当ということで、これが25億円ということで ございます。それから、給付分は昭和35年度以前の期間分が28億円ございます。 ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。  それでは、特にないようですから、以上で私立学校教職員共済制度の財政状況につ いての報告聴取を終了します。報告者の方々にはお忙しい中、本当にありがとうござ いました。御退席いただいて結構でございます。            (私立学校教職員共済制度報告者退席) ○山崎部会長  これで、平成17年度の財政状況についての報告聴取はすべて終了しました。 今後 の取扱いですけれども、昨年11月に平成16年度までの聴取を取りまとめた公的年金 財政状況報告を作成、公表いたしました。今年も同様に公的年金の財政報告を作成し てはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。               (「異議なし」と声あり) ○山崎部会長  それでは、今年も財政状況報告を作成することといたします。  そのほかに、何か委員の方から御意見等がございますでしょうか。  近藤委員、どうぞ。 ○近藤委員 先ほど住宅融資の繰上返済でその他の支出に4兆円以上の金額がありましたが、これ は来年以降、返済があり平均残債期間によりますが数千億円単位の金額が予想されま す。これはその他でくくるような金額ではないと考えます。これについては、私ども も考えてみますが不良債権なども含め明確にする必要があると思います。  今ひとつは、先ほど発言したことに関連して、厚生年金・国民年金についての決算 上の仕組みは法律で決まっていることでこの形で正しいのだと思います。しかし、年 金財政を見る上で積立金の取り崩しが収入項目となっているのは違和感があります。 これまで収支バランスで財政を考えていたことからしますと、今回報告されたままで は、実態を誤解されることがあると考えます。 今回の取り崩しは、推計では2009年まで発生しまして、その後2047年まで、 国・地共済は2050年代までは出てこないのですが、これの取扱いを工夫して頂き たいと思います。 ○田村首席年金数理官 今のお話はわかりました。先ほど報告書をつくるということで御賛同いただきまし たので、その際に考えたいと思います。 ○熊沢委員  それに関連するんですが、収支残がマイナスで積立金を取り崩すというものが財政 上どういう位置付けになるのか。そういうことをわかりやすくしていく必要があると いうことは近藤委員のおっしゃるとおりで、私も同じ考えです。  ただ、収支残が赤字になることが即財政が悪いとか、そういうことではなくて、長 期的には積立金は取り崩していくわけで、ある意味では予定どおりに推移している場 合は将来積立金の持つ額が減ることになっていますから、積立金の取崩し即赤字だと いうような感じにならないように、そこら辺がよくわかるようにしておくことも必要 ではないかという感じがいたします。 ○山崎部会長  そのほかにございますか。追加意見はよろしいでしょうか。  それでは、公的年金の財政状況報告につきまして、平成17年度から従来、各制度の 財政状況と平成11年財政再計算との比較を行っていたものが、平成16年財政再計算 との比較に変わったことがあります。また、報告書の内容をわかりやすくし、より一 層有意義なものにしたいと考えております。  そこで、そのための検討小委員会を設置したいと考えております。委員は、都村部 会長代理、牛丸委員、宮武委員と私の4人で考えておりますか、いかがでしょうか。               (「異議なし」と声あり) ○山崎部会長  それでは、都村部会長代理、牛丸委員、宮武委員と私の4人で構成する検討小委員 会を設置し、報告書の内容を検討することといたします。  本日は、これで終了したいと思います。事務局から何かございますでしょうか。 ○田村首席年金数理官  長時間の御審議ありがとうございました。  今日の冒頭にも申し上げましたけれども、本日、共済各制度を含めまして公的年金 制度の財政状況をすべて聴取していただきました。したがって、28日に予定しており ました年金数理部会は必要ないと思いますので開催いたしません。よろしくお願いい たします。以上でございます。 ○山崎部会長 それでは、本日はこれで終了します。どうもありがとうございました。 以上 −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)