07/06/20 第5回介護施設等の在り方に関する委員会平成19年6月20日議事録 社会保障審議会介護保険給付費分科会      第5回介護施設等の在り方に関する委員会議事録 1日時及び場所:平成19年6月20日(水)午後1時30分〜3時44分         灘尾ホール(新霞が関ビル1階) 2出席委員:天本、池田、井上、井部、沖藤、川合、神田(牧野参考人)、石川、木下、 木村(小島参考人)、高橋、田中(滋)、田中(雅)対馬、中田、前田、村本、山本の各 委員 新田委員は欠席 3議題  (1)療養病床から転換した老人保健施設における医療サービスの提供について  (2)療養病床転換促進のための追加支援措置について  (3)その他 ○川尻計画課長より、初出席委員の紹介、本日の出欠状況の報告が行われた。 ○大森委員長より挨拶。 ○榎本地域ケア・療養病床転換推進室より、配布資料の確認。 ○鈴木老人保健課長より資料1を資料に沿って説明。 (大森委員長) 今読み上げていただいた内容で、本日意見を伺って、大筋これで認めていただけ れば、これで取りまとめたものを分科会の方に出すという運びになるものと思っているので、皆さん 方の意見を伺いたい。 最終的に言うと文章問題になるし、疑問や意見があれば少し議論をしたい。 (川合委員) 実は私、前々から話をしようと思っていたが、傍聴人として参加していた3月29日に 山本文男委員の方から、情報のリーケージというか、前もっての報道ことについて話があった。その 後いろいろ調べてみたが、3月12日以降メディファクス、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新 聞。今朝ほど某国営放送が厚生労働省は決めたということを放映した。 日経の報道の文章だが、一番始めに、「厚生労働省が取りまとめたので報告する」というのが 「はじめに」の最後の行にある。最後に具体的な議論が行われるように期待するものであるというま とめがあるが、私は一連の報道の流れは我々のこの部会に何かが期待されているとは思えない。 表現がまずかったら訂正する。どうもマスコミでカルテルを引いているのか。全部、社が違う。私のと ころにも、早々にある新聞社が情報を前もってくださいという取材があったが、私はお断りした。もし も、我々の部会員仲間が出しているのであれば、それは非常に問題である。その点の事務局の情 報管理をまず伺いたい。 (大森委員長) 前にも同じようなことが起こって、批判、指摘を受けたが、今回も同じような状況 なので、何か答えしていただきたい。 (鈴木老人保健課長) 前回も山本委員から情報の管理について指摘があった。今回、私どもが これを取りまとめる際に、我々としては厳密に情報の管理をしたつもりである。ただ、これをまとめて いく段階でさまざまな方にも相談をしてきたし、我々としては、取材があった場合にも、こういうことは 議論はされますということは話すことはあっても、こういうふうにまとまりますとか、決めましたというこ とは一切話すことはないし、詳しい中身についても、我々の方としては話せる立場にないということ で統一をしているので、誠に申し訳ないことだと思う。 今後も一層こういう情報の管理については、意を尽くしていきたい。 (川合委員) 委員長もおっしゃったように、今日決まることは給付費部会で話をされて、そこで決 まるというのがルートである。国営放送か何放送か知らないが、朝のニュースは、あれは間違いだっ たのか。その確認をする。 (鈴木老人保健課長) 朝の国営放送を聞いていなかったが、あくまでもこの在り方委員会は給 付費分科会の下にあり、ここでとりまとまったものを、給付費分科会の方で検討していただいて、具 体的な介護報酬改定の議論をしていただくということ。 (大森委員長) よろしいか。 (川合委員) わかりました。 (大森委員長) それでは、この内容について意見を伺います。 (天本委員) まず2の医療機能強化型老人保健施設ということは、既存の老人保健施設とすれ ば強化なんだろうが、療養病床転換となると、医師数は減る。看護師数は減る。そうすると、介護 療養病床より医療の提供や機能を強化するとは思えないので、余りにも期待をふくらませるような 表現はいかがなものか。 確認をしたいが、現在の介護療養型の従来型療養病床で実施されている医療行為について、 引き続き対応が確保されると、この文章で解釈していいのかどうか確認したい。 (大森委員長) 大事な点だ。どうぞ。 (鈴木老人保健課長) 今回、この取りまとめをしていく際の議論として、療養病床から転換をし た老人保健施設では、どういう方が入所されることになるのか議論いただいた。その際に、医療区 分、今は慢性期の医療病床については医療区分があるが、それについて医療療養で見ていただく 以外のもの、具体的には医療療養1、それから2の一部のもの(30%)を想定しているが、それにつ いてはしっかりとここで受け止めて、それにふさわしい医療はきっちり提供するということで、今回こ のようなまとめをさせていただいた。 (天本委員) 前回も区分2の30%とかいうことは、まだ中医協においても、慢性期分科会の最終 報告もなく、検証がなされていない。そういう意味においてその検証がなされていない区分について の30%も可能ということには問題があるのではないか。 それから、答えていないが、医療提供の機能の強化というのは、現在の介護療養型よりもはる かにフレキシブルに対応できる医療機能を強化するのか。あるいは従来型の老健から比べて医療 機能が強化されるのか。これからの介護施設の在り方とすれば、現介護療養型よりももっと個別ケ アという意味で医療が必要なときは医療保険で入るということを意味しているのか。どっちなのか、 これでは非常にわかりにくい。 (鈴木老人保健課長) 2点目の方だが、現在の老人保健施設よりも医療機能が強化をされて いるという意味で、現在の介護療養施設よりも強いという意味ではない。 (天本委員) 現在の介護療養型の医療機能は担保するのか。 (鈴木老人保健課長) 医療機能という言葉にもよるかもしれないが、現在、介護療養型医療施 設では医師3名、看護職については、6対1ということで配置をされている。老人保健施設について は医師1名、看護職については3対1の中の7分の2ということになっているが、その間で、先ほど言 ったような医療区分に適するような配置をしていただくということ。 (天本委員) もう一度確認するが、利用者側にとって、今まで介護療養型で受けていた程度の 医療機能というのは、地域内完結という形での新たな介護施設での医療機能を担保できると考え ていいのか。 (鈴木老人保健課長) 今の介護療養型医療施設よりは医療必要度が低くなるとは思うが、そ の方たちに適した医療サービスというのは当然提供されるということでデザインをしている。 (大森委員長) よろしいか。 (川合委員) 今の議論でまさしくそうなのだが、医療強化型と言っているのは、医療行為なのか 人員配置のことを言っているのか、もしも医療行為と言っているのであれば、前回の私の発言をト レースしていただきたい。あの資料で心マッサージ、これは井部委員も資料を持って説明になったよ うに、慢性期の分野ではああいう医療行為というのは、余り重要視していない。急性期では重要視 すべきことだと思うが。 もしも医療機能強化型老健というのが正式なテクニカルタームであるならば、私は断固反対する。 我々は先ほどから言っているように、医療個々の行為については、そういうことは必要ないと理解し ていて、前回の資料に基づいてやっており、人員配置に関して強化するのならば、82%の施設は 既に持ち出しで人員配置している。そこに制度上でこういうものが仲間として来る。これは法律で決 まったことだから、私は強硬に反対するつもりはないが、名称に関しては、医療機能強化型は納得 しかねる。私は前回文書提示をしたが、昭和60年の文章に基づいて多様性ということをやって、多 様性のサービスの中で、82%の施設が持ち出しで人員配置している。その上になおかつ医療機能 強化型という表現をされるのならば、ユーザーは当然のこととして迷う。我々の20年間の努力はゼ ロというふうに評価されるのか。そこを聞きたい。 (鈴木老人保健課長) 前回、井部委員からも議論があったが、特に看取り等について、確かに 今の介護療養病床ではかなり今、川合委員がおっしゃったような重度な医療行為がされているわ けだが、看取りを御本人なり御家族の納得の上でしていく上では、むしろ疼痛の管理とか水分の 管理とか、呼吸の管理という方が大事になるだろうということはこの間の議論であったと思う。 だから、医療機能といっても、心臓マッサージ等の非常に限定された、医師が行うような重度の 医療行為というわけではなくて、職員配置も含めた幅広い意味での医療行為と御理解いただきた い。 2点目の、既存の老人保健施設が果たしてきていただいた役割ということだが、それはこの中の 資料1の2の一番最初の○にも書いているが、当然今まで老人保健施設が果たしてきたいただい た役割、リハビリテーションなり在宅療養の支援なり、中間施設としての役割を我々としては大きく 評価をしており、今後ともそういう機能がより発揮していただけるように我々としても真摯に受け止 めたい。 (川合委員) 先ほど委員長の方からお話があったように、この文言についてということで、限定さ せていただくならば、今、担当課長がおっしゃった医療行為ということと、医療機能強化老人保険 施設ということでは非常にユーザーに誤解を与えるようなことがあるので、私は医療機能強化型老 健と文言を固守されるならば反対する。機能と行為をユーザーがわかるとは思えない。 (大森委員長) 行為ならばいいのか。 (川合委員) 行為も機能も一緒である。法律で決まったことだから強硬には反対しづらいが、見 渡してみたら急性期から慢性期、在宅を見たらしっかりしているのは老健しかなかった。非常にあり がたい評価だと私は前向きにとらえている。果たしてそれが前回、沖藤委員からもあったが、ダブル スタンダードで行くのか行かないのか。我々が従来努力してきたこと、82%の施設が努力してきたこ とを否定されるのか。私どもはナイチンゲール精神、あるいはヒポクラテスの誓いに従ってサービスを 提供してきた。ここの議事録にも残っているらしいが、まず量を増やすんだという前提の下でいろん な業態が参入してきた。それがこういう結果で、今、本省が上へ下への大騒ぎになっているコムスン 事件となった。我々の20年間、ヒポクラテスの誓い、ナイチンゲールの精神等いろんなものを基にし て我々は今まで頑張ってきた。その行為をこの表現で私は象徴的に攻撃するつもりはないが、従 来型に対して、今、噂として耳に入ってくることについて、従来型はここには参入できないことは、私 はちょっと肯首しかねる。 (大森委員長) 参入できないと言っているわけではないと思うが。 (川合委員) 噂だと私は評価している。 (鈴木老人保健課長) 論点が幾つかあると思うが、まず1つは、繰り返しになるが、従来老人保 健施設が果たしてきていただいた役割について我々としては高く評価をしている。そのことについて 今後も是非強化をしていただくようにお知恵を拝借しながら我々としても努力をさせていただきた い。 もう一つ、今回創設をするような医療機能、言葉がいいのか指摘があったが、我々としては医療 機能強化をしたと考えているが、医療機能強化型の老健については、資料1の2ページ目の4の2 つ目の○にあるが、療養病床から転換する施設を対象として創設をしたい。今、川合委員がおっし ゃったような最後の方の指摘について、我々としては老人保健施設の従来からの役割を強化する ためにどうしたらいいかということについては、通常の改定のプロセスの中ではきちっと相談をさせて いただいて考えたい。今回、療養病床の再編という時限的な枠組みの中で考えるという中で、今 回の類型については、療養病床から転換をした施設を対象に考えることを提案させていただいてい る。 (川合委員) 1つの案として、この4番の○の1つ目のところに、我々のこれまで果たしてきた、当 然のこととして介護保険ができるまで我々は診療報酬でやってきたわけだから、4番の○のところに リハビリテーションとか入所者の居宅復帰機能などとあるが、1文章「果たしてきた医療的役割」と いうのを入れていただきたい。 (大森委員長) 今の老人保健施設の次のところに一言入れることを考えるか。入れたとしても何 ら差し支えないし、今、御主張のように今までも相当程度努力されている。それは我々も認識して いるから、そのことが明示的ではなくて、直ちにリヒバリテーションをするような議論になってしまって いるので、これまでの前に今のようなことを簡潔に述べることによって、一方ということが正確に理解 できるような文章の運びにする方がよいのではないか。 (川合委員) 2つ目については留保するが、1つ目は今、委員長がおっしゃったような収束で結構 だ。 (大森委員長) それでは、そちらでアイデアを考えてください。 (鈴木老人保健課長) 医療法上、老人保健施設は医療提供施設ということになっているので、 もし、案を今提案するならば、一番最初の○のところは、「これまで入所者の在宅復帰を支援する 医療提供施設として」ということでよろしいか。 (大森委員長) そういう趣旨の文章を考えよう。最終的にもう一度確認する。 次の方にいって いいか。山本さん、どうぞ。 (山本委員) 私はしばらく欠席したのでわからないのだが、この問題は一番最初に起こったのは、 介護と医療を一緒にやるのはやめようかということが始まりである。これは一緒ではないか。こんな ことをするんだったら、何も介護と医療を別々に分けましょうと言わなくてもよかった。なぜこうなった のか。 それから、中身をざっと見たが、療養病床と同じことではないのか。何ら変化はない。言葉が違う だけであって、中身はほとんど一緒ではないか。だから、何でこんなことをやらなければならないのか。 新たな療養病床を新しい角度からつくり上げていくんだという考え方なのか。こうすることの方がか えってうまく行くと思って、こういうことをやると言っているのかよくわからないが、そこら辺りのいきさつ を、もう一度説明を。最初の話とは違った方向に来てしまっている。最初は介護と医療が一緒にな ってやることは適当ではない。ただ、その場合に医療のものは医療で残す。介護のものは介護だけ に残す。そのセレクションは、担当の診ている医師が判断をすることになっていた。それでいきましょ うとなったのだが、ところが中には介護も医療も必要な人が出てくるだろう。あるいはまた、起きるだ ろうと。そういうのについてはもう少し深く検討する必要がある。それはどうするのかということ。 今の2点が、そういうことを言いながらやろうということで来たのに、こんなに変わるならば、全く一 緒ではないのか。療養病床とこれでは同じである。どこが変わったのか。変わってないじゃないのか。 それなら療養病床をそのまま続けた方が何も起こらないで済むし、お金も要らない。何か無駄使い をさせるようなことばかりやるが、その根拠は何なのか。 もう一つは、分離すると決めたときに、もし、療養病床から出ていかなければならない人がいる場 合は、家に帰るか、あるいは他の施設に入るかだが、当時、中間施設、いわゆるどこに入れていい のかわからなかった。仕方がないから、あなた方の方で老健施設と言った。あれは根拠なしに言っ たと思うが。 あの当時の老健施設は、入るところはなかった。ゆとりなどはありはしない。みんないっぱいいっ ぱいで入っている。療養病棟も一杯。老健施設も一杯だった。あれから2年くらい経っている。2年 間の間、この検討ばかりしていたのか。私が今、言った、なぜそうなったのかを教えてほしい。 もう一つ大事なことは、ここで決めて、法制化すると、やれる地域とやれない地域がある。今、地 域間格差と言って、よく言われるが、看護師はいない、医師はいないというところが非常にたくさん ある。そういう人を見つけるだけで大変である。 だから、新たな制度をつくって、これやれ、あれやれと言っても、それは文章の上では書けるかもし れないが、実態はそれに合っていない。そこら辺りを調べて、そしてそう言っているならば、それのデ ータがあるはずだから、データを見せてください。 その3つを先に答えてほしい。今から2年前に戻って検討して。 (鈴木老人保健課長) 介護保険制度を始めるときに、言わば介護と医療両方必要な方々につ いてどうするかという議論があった。そのときに、医療の側で言う療養病床、これを医療保険で見る のか、介護保険で見るのか、いろいろ議論があったが、当時の結論としては、医療保険でも、介護 保険でもそれぞれ違うものとして見ましょうということに7年前はなったわけである。 2番目の論点とも関係するが、その2つの違う保険の種類、しかし、病床種別は一緒であるとい うものについて分析をすると、中に入っておられる方について、特に医師の指示の変更の頻度につ いて、大きな差がないこともあったし、全体としては病床の平均在院期間というのを短くすべきという こともあったので、2年前、療養病床については再編をすることになったのだが、2点目の山本委員 の御指摘の、これは療養病床と変わらないではないか、老健施設と言いながらも変わらないではな いかということだが、我々としては、3点ほどメリットがあるだろうと思っている。 1つは、利用者の方のメリットだが、療養環境について面積が6.4 平方メートルから8平方メートル に広がるということだけではなくて、老人保健施設であるので、理学療法士、作業療法士は必ずいること になり、それから退院、退所に向けての支援相談員という方も必ずいる。 そういう療養環境、人の面で、より地域全体のケアに向けて、利用者についてもメリットがあると いうのが1つ。 3番目の観点とも関係するが、おられる医師、看護職、これは確かに療養病床から老人保健施 設に行っていただくと、今の人数よりは少なくて済むので、新しく老人保健施設をつくるので医師と か看護職を集めなくてはいけないのではなくて、今、療養病床でおられるところが、一定程度医師 や看護職の方をほかのところにも回していただけるし、それを転換していただいて、今、療養病床に 入っている方が老人保健施設に移行していただけるということで2点目。  実際に療養病床から転換をしても行くところはないということについては、看板を変えていただい て、環境をよくしていただいて、医療職については効率化をしていただくということ。 3点目のメリットについては、これはお金の話だが、何も国の財政だけではなくて、税金や保険料 にも関係するが、介護療養病床でも1月の平均的な要介護5の例が41万。老人保健施設は31 万であるので、今回医療機能を強化させていただくと、その分31万というわけにはいかないと思う が、いずれにしろ、それによって保険料の伸びについても一定程度抑制をすることができるので、我 々の観点から見て大きく3つのメリットがあるのではないか。 (山本委員) 言葉の上ではそういうことは言えるかもしれないが、実質が伴わない。だから、もう少 し実態をよく見た上で、そういうのを考えるべきであり、ただペーパーの上でいろんなことを考えて、こ れでいいだろうと言ったって、それはやれるところとやれない地域がある。そういうことを考えていくと、 今は介護と医療が一緒になっている時代から転換をする、あるいは改革をするものの中身ではな いのか。 もう一つ尋ねるが、あなた方が決めたことは、実践するときには、県に移ってしまう。国は何もしな い。県は協議をやって決めていないから、よくわからない。だから、県と市町村で意見が合わないと いうことはたびたびある。 それから、看護師さんとか医師たちが、そういう人たちがたくさんいない。だから、よくこの委員会 でも言う。足らない看護師はどうするのだと言ったら、フィリピンから連れてくるとすぐ言う。フィリピン から連れてくれば看護技術は取得をすることはできるかもしれない。あるいは習得できるかもしれな い。フィリピン人は幾らやったって日本人にはならない。だから、そんな単純なことで、地方が非常に 困っていることを、さあやれというやり方をするのは決していいことではない。これなどは完全に最初 のときと1つも変わらない。画期的なことをやるというがこの中のどこにあるのか。 私どもは最初から医療と介護は一緒にやるべきではないと。介護は介護、医療は医療でちゃん と分類してやったらどうかと随分言ったが、一緒にしてしまったのではないか。一緒にやってしまって、 結果としてこういうことをやらなければいけなくなった。医療と介護の議論のときと、全くこういうもの ではなくて、新しいものを見つけ出して、こういうふうに文章化しているならばいい。なぜこういう考え になるのかがわからない。 (鈴木老人保健課長) 2点論点がある。1つは、まさに山本委員御指摘のとおり、地域間のさま ざまな状況の違いというのがあるので、我々としても、勿論、これがすべてが片づくと思っているわけ では決してない。さまざまなルートを通じて県とも一緒にやっていかなければいけないと思うし、市町 村とも同様である。そのために我々としても支援できるさまざまな報酬の考え方とかは一緒にやって いきたい。 2点目だが、今回なぜこの医療機能強化をした老人保健施設を提案したかと言うと、法律上、2 3年までの間に、介護保健による療養病床というのはなくなるので、今、ある意味で中間で支える 施設類型というものをつくらないということになると、今、介護療養をやっておられる、もしくは入って おられる方の選択肢としては、医療保険、もしくは一般病床に行くか、そうでなければ、今の老人保 健施設になるという2つしかおそらくない。勿論、在宅になるとかはあるが、大きく分ければ2つだと 思う。 前者であれば、それはまさに今回の療養病床の再編をした、先ほど申し上げた3つのメリットとい うのは、きちっと享受をすることはできないことになるし、後者になると、前回も議論させていただいた が、今、療養病床に入っておられる方なので、安定はしておられるが、一定の医療ニーズはあると いう方なので、その方が今の老人保健施設そのままではなかなか処遇できない面もある。今回その 強化の部分を少し上乗したところを提案している。確かに100 %きれいに医療と介護を分けて、医 療的なものは医療保険でというふうにはなっていないが、少なくとも現場での転換の円滑化と、それ から入っておられる方、運営しておられる方の安心を目指したときに、最善ではないかもしれないが、 次善の策としては、こういうことを提案させていただければと思う。 (山本委員) もう議論をするのはやめるが、賛成はしない。 もし、こういう人たちが、患者さんや入所者の人たちが75歳以上になったらどうなるのか。御承 知のように、75歳以上の人たちは高齢者医療保険になる。だから、今、自分が加入している保険 から全部脱退というか、抜けてしまう。 例えば国民健康保険に75歳以上の人たちは85%くらい入っている。これが全部国保から抜け て、高齢者医療保険になる。この対象者の方は多いと思う。そういう人たちが今度は高齢者医療 保険でやるのか。それをちょっと教えてください。 (鈴木老人保健課長) 私の理解では、後期高齢者に対する医療制度というのはあくまで医療保 険の1つの保険でして、こちらは介護保険の制度なので、原則的には65歳以上の方、75歳以上 も含めて、介護保険の中に入っているので、この施設に対する報酬というのは介護保険で見るとい うこと。 (山本委員) 普通の医療保険の方には一切関係ない。今後とも関係はしないということなのか。 (鈴木老人保健課長) この中に入っておられる限り、施設の基本的な給付というのは介護保険 で給付をされる。この中にも出ているが、往診というものを一部この中に提案している。その往診に ついては当然医療保険で、今でも見ているので、その部分は医療保険との関係は出てくるが、基 本的には介護保険で給付するということ。 (大森委員長) 木下さん、どうぞ。 (木下委員) まず名称についてだが、医療機能強化型老人保健施設。この中身を見ていると、 果たして老人保健施設という名前が適切かどうか。法律用語だからそれしか使えないということだ が、この辺も考えてみてもいいのかなという気がしている。 介護療養型医療施設から転換する場合のメリットとして、今、鈴木課長が、一番目のメリットと して、人員の配置が変わることを言われた。増えるような印象の話だったが、現実的には医師は減 る、看護師は減る。リハスタッフも前のこの会議に出ていたように、介護療養型医療施設では100 人当たり3人、老人保健施設では2人という数字が出ていたので、リハスタッフも減るということ。 それから、介護療養型医療施設も、医療相談員がいるから、それが名称上は変わるかもしれな いが増えるということで、人的サービスが増えるということはないと考える。 転換するのは介護療養型施設。それから医療療養からも移ることなので、今の介護療養型医 療施設よりも医療の必要の高い人が移る可能性が大きいということで、そこで人員配置の少ない ところで、しかも費用が安いところでサービスを行うということは、絶対的サービス量は減るということ を利用する方々にも認識してもらわないと、看板を掛け替えるだけという話だと、今いる人が移らな いで、そこにいるという状態だと、サービス量は明らかに減ることになるので、その辺をどう解決して いくかが必要だ。 外からのサービスを入れるからいいというが、今、外のサービスがほとんど使えない状態というか、 在宅療養支援診療所にしても、数はあるが、実際にはそれほど動いていない。訪問看護ステーショ ンはむしろ今減ってきている状況の中で、在宅サービスかどの程度提供されるかということで、これ 2本立てでいくのは構わないが、外からのサービスが使えるから、中のサービスの量は少なくていい ということは、今、それを行うと非常に危険である。 「3 医療機能強化型老人保険の施設において強化すべき医療サービスについて」の3つ目の ○で、看護職員、夜間や早出・遅出と書いてあるが、日勤帯のことは何も言っていない。日勤帯に 集中的ないろんなサービスが必要だということも、夜だけやればいいということではないので、そこも 考えてもらいたい。 次のページのリハビリテーション、理学療法士、作業療法士と書いているが、言語聴覚士につい ては、どう考えるかということも議論していただきたい。経管栄養、嚥下障害等々の方々がたくさん いらっしゃる場合に、この言語聴覚士の働きも重要になってくる。 この3番の転換する老人保健施設のリハビリテーションと、次の4の2行目「老人保健施設は今 後ともリハビリテーションを始め」云々と書いているが、転換する老健のリハビリテーションと今まで ある老健のリハビリテーションは違うのか、同じことをやると想定しているのか。その辺も明らかにし ていく必要がある。 「実施時期等について」だが、医療と介護で改定の時期が違うので差が出てくるということで、今 年4月以降、診療報酬の改定があって、介護報酬もそのときに考えるということだが、転換する老 健、特に医療から移る老健はそれから更に1年遅れないとできないので、その間に利用者が入れ ないということが起きないかということ。年度の差というものをどう考えていくかが必要だ。 「5 実施時期等について」の一番最後の○だが、「さらに、療養病床の再編成に当たっては、各 地域において高齢者を支える医療・介護の体制が確保され」で、安定的に確保されることが必要 だ。介護療養型医療施設、介護保険が始まって早い時期にやめようということで、また、この転換 する老人保健施設もいつかなくなるのではという不安を持っているところもあるので、安定的に確保 されるという意味合いが必要。 最後に「介護給付費分科会」に云々と書かれているが、ここにも介護サービスの質の維持・向 上が図れ、職員が安定して継続的に働ける。要は配慮する必要があると思っているので、そういう 意味を含めて介護給付費分科会で検討されることを期待する。 (大森委員長) 注意と、いろいろ考えたことだけに留意しなければいけない事項と、若干質問に 近いものと、提案に近いものがあるが、事務方の方で答えられることはあるか。 (鈴木老人保健課長) 名称については、我々もない知恵を絞ってこういうことを今提案したが、も し、いい名称があればお教えいただきたい。 サービス量については、確かに絶対量としては減る可能性はあるが、我々としては、入っておら れる医療必要度に適切なレベルのサービスを提供するということをきちっと考えたいと思っているの で、それに見合った人員配置であるとか、報酬のレベルというのを給付費分科会の中で議論させ ていただきたい。 それから、外部サービス、確かに訪問看護ステーションの数が伸び悩んでるということがあるので、 この問題に限らず、在宅療養を支援していくという観点でどういう手立てをきちっと考えれば、安定 的に地域のリソースが出ていくかというのを考えていきたい。日勤帯については、それも含めて給付 費分科会で検討させていただきたい。 あとリハビリテーションだが、PT、OT以外にもSTと呼ばれる言語療法の方について、これは今回 の療養病床から転ずる老人保健施設だけではなくて、老人保健施設全般にも関わる問題だと思 うが、特に嚥下、摂食、脳卒中の場合の言語療法というところでSTの役割というのは大きくなって きているので、その部分どう考えるかというのは少し幅広く検討させていただきたい。 時間差の問題だが、これはちょっと鶏と卵のようなことになってしまうかもしれないが、先にある程 度の人員の配置、それから介護報酬の点数というのが出てこないと、先生方がそれを見て経営の 将来推計をされて、実際に移っていただくという決断をしていただくに至らないということで、今回少 しこの部分だけ1年間早目に介護報酬の改定をさせていただきたい。確かに来年4月に改定しても、 4月1日、2日からその施設ができるかというと、必ずしもそうではないので、そういう意味では点数 を少し先に示して、それに基づいて先生方に選択をしていただくということになる。 最後のところで指摘いただいた職員の方に安定的な雇用については、質の高いサービスを提供 していただくために、安定的な雇用が必要だというのはおっしゃるとおりだ。その面でも適切な裏打 ちとなる介護報酬ということでも中で言っている。 (大森委員長) 木下さん、どうぞ。 (木下委員) 今お答のあったことが確実に実行されるように期待する。深田参事官も出席してい るので、保険局との時間差の連携がうまくいくようにお願いしたい。 (大森委員長) では、川合さん、天本さんで、関連したことで発言ください。 (川合委員) 今の関連のことだが、先ほど私が言ったことと似通っているが、ここの往診ということ は何人医師を減らされるのか知らないが、今、木下委員の方から訪問看護という言語も出てきた ので、ちょっとこれは問題かなと。訪問看護もこの転換老健問題の議論に入れこんでしまうことに 関しては、私は大嫌いな言葉だが、医療機能重視型か何か知らないが、老健にサービスとして付 与されるのか。 もう一つ往診ということは従来型のところでも協力医療機関というのがあって、それは往診とは 表現していない。それをあえて往診と言うのは、開業医と特養の関係と同じような形態を想定して いるのか。これはゆゆしき問題だと。従来型には当直の必置義務はないが、協力病院から来てもら う。それは往診とは称しない。 (鈴木老人保健課長) 1点目は言葉が足らなかったが、訪問看護ステーション、一般論として伸 び悩みの話をした。勿論、この療養病床から転換した老人保健施設に訪問看護ステーションから の看護の内側への組入れを考えているというわけではないので、そこはもし誤解がありましたら、申 し訳ない。 (川合委員) 想定していましたと言われると、ええっとなる。 (鈴木老人保健課長) それから、往診については、指摘のとおりで、他の独立した医療機関から の往診をこの場合は想定している。 (川合委員) 協力医療機関というような我々に課せられていることとは違うのか。 (鈴木老人保健課長) 協力医療機関ということになるかどうかは議論しなければいけないところ だが、今回の場合には、療養病床から転換をした老人保健施設なので、母体に医療機関かある 場合がある。現在の場合は、併設の医療機関からの往診というのは、往診料のみならず基本的な 医療行為については全く算定ができないということ。 (川合委員) その辺のテクニカルタームは考えられるべきだ。往診ということになると、一般医家と しては、ちょっと承服しかねる。 (鈴木老人保健課長) 常勤医の先生方がまずそれは第一でしょうと。常勤医の先生方にオンコ ールで対応していただいて、その上でどうしても対応できないということになった場合に、今までは歯 科医とか、一部の他科診療しか認めなかったが、今回は夜間、休日についてはそれを認めるように することを検討するということ。 (天本委員) 今は少し各論のような話になっているが、それは後ほどの話だろうと思う。医療の強 化についての具体的なことは。したがって、まず名称について、これは医療強化型になるかどうかは、 実際の人員配置基準が決まって、報酬体系が決まって、医療保険からどうなってということがあっ て、始めてわかることなので、現時点ではこれは転換型老人保健施設の創設について、中身として 医療の機能を強化しようというべきだろう。 それから、看護職員の問題だが、今日、参考資料で提出されている連合からと全国老人福祉 施設協議会提供の資料から、重大な視点が指摘されている。要するに介護職が医療行為を行う ことは禁止されているが、実際には経管栄養とか褥瘡の処置、インシュリン、いろんなことを介護職 員がせざるを得ない現実の看護職の実態配置になっている。これ特別養護老人ホームにおいても その点が主張されている。 したがって、現介護施設における看護職員の上に、ただ夜間だけという発想ではこれからは無 理だろう。 介護施設の今までの歴史を見ると、要介護度は上がってきている。したがって、医療必要度も 多くなっているだろう。そういうことからして、人員配置基準が今のまま、世界的に見ても、専門職の スタッフ数、介護職員も含めて非常に少ない位置づけになっている。しかも、報酬体系は上がって いないから、ということはバブルのはじけた経済水準が非常に低いところでの診療報酬体系になっ ているので、この職員の問題については、現状の介護施設すべての中での問題点をきちっと介護 給付費分科会できちっと吟味して対応していただきたい。 3つ目の実施時期についてだが、ケア整備構想が確か今年の秋くらいまでにということなってい る。そのときに療養病床転換の問題がある。そのときに我々何回も何回も医療機関に転換意向の アンケートが来るわけだが、ここに御指摘のとおり、配置基準、報酬体系、要するに事業計画が立 たない。ここで19年度中に明らかにするということはあるが、ケア整備構想計画との整合性におい てどのような形で実施時期を定めるのか、その点について教えてください。 (大森委員長) 最後の点、大丈夫か。 (鈴木老人保健課長) 最後の点、後でまた地域ケア整備構想で申し上げるが、一番最初の名 称の点だが、確かに転換型というと、機能ではなく療養病床から転換した予定を強調しているよう でもあり、もし、委員の先生方の御了承をいただけるようであれば、これは決め打ちではないというこ とで、医療機能強化型老人保健施設(仮称)ということで、名称については、最終的に給付費分 科会の中できちっと決めていく段階で決めさせていただくということで御了承いただければと思う。 (大森委員長) 私が今考えていたとおりのことである。 (川合委員) それは承服しかねる。譲れる範囲は、最低限括弧は前に付けてください。 (鈴木老人保健課長) 「(仮称)医療機能強化型老人保健施設」ということですか。 (川合委員) そうです。 (大森委員長) それでいきましょう。本当にいいものがあれば、名称を考えてもいい。 (川合委員) 昨日総会が終わったところだから、ちょっと気は楽だが、明日総会だったらば、会長 職くびだ。 (大森委員長) 転換する内容が全くわからないところもあるので、主としてここに重点があるから、 先に書けばいいか。 (川合委員) 譲れる最大限はそこである。 (榎本地域ケア・療養病床転換推進室長) 地域ケア体制整備構想との関係だが、今、天本委 員御指摘あったように、地域ケア体制整備構想は今年の秋を目途に各都道府県で策定をお願い しているところ。  確かに委員御指摘のとおり、実際の介護報酬の改定については、この場で御了解を得られれ ば、今後来年の年明けに具体的に見えてくるという形になるかと思う。 今回、構想を策定するに当たっては、とりあえずこれまで前々回の会議で報告した3月の講じた 支援措置。それから、本日これからご報告したい追加的な支援措置、そして本日ここで取りまとめ ていただければそのとりまとめの結果を改めて各都道府県を通じて各医療機関の方々にも情報提 供して、その上で各医療機関の意向を改めてお聞きできればと思っている。 そういったものを踏まえて、とりあえずこの秋を目途に構想の策定をしていただく。その上で更に、 今、天本委員がおっしゃるように、実際の配置がどうなるのかということを見た上で判断いただくと いうこともおそらくあろうかと思うが、来年の診療報酬改定などもあるので、そういった状況などをも う一度年明け、来年にフォローをさせていただいて、次は第四期の介護保険事業計画の中にそれ を反映できるように考えていきたい。 (大森委員長) 今の天本さんの質問の中には、ここは19年度中に明らかにしたいと書いてある。 県の方では既に検討を開始しているけれども、こちらの方がある程度目鼻が立たないと、転換の具 体的な姿が書きにくいじゃないかと。ここの平仄はどうなるのかということなので、19年度中というと、 来年の3月一杯までか。現在、構想をつくろうとして都道府県には、このメッセージは明確な形で伝 わらないのではないか。それでも今のような説明だと。全体として書き切れるものだろうかということ になる。できるだけこれは早い方がいいということになると、こちらの方、19年度中と書いてあるが、 できるだけ早い時期ということになる。 (天本委員) 要は今、進められている国の制度設計が余りにも財源的に転換促進ありきですべ て進んでいる。要するに、実際のニーズを把握してとか、現場というものを見据えた上での議論とい うもの、両方の視点が都道府県においては、国からの数字を当てはめたものをどんとん進めろと言 われている。しかしながら、後から人員配置基準とかそういうものになる。実態というものをもう少し 重視した形での制度設計を切にお願いしたい。 (大森委員長) ほかにどうぞ。 (沖藤委員) お医者様の発言が続いていて、私一般国民として考えたときに、今回の再編成に ついて、医療的な面が強調されるというのはとてもよくわかるが、私たちが日常的に老人保健施設 に抱いていた期待というのは、生活的な部分というものも従来あったわけで、当然再編成されるも のについても、生活的要素という部分の文言かほしい。 それで、適切な医療サービスという言葉が3か所出てくる。これは私の考えが浅いかもしれないが、 適切な医療サービスというのはよくわからない。また、医療サービスという言葉も2か所出てくる。こ れもちょっとわかりにくいが、少なくとも医療などの適切なサービスというような言い方にしてもらうと、 少しわかるような思いがある。その点はお医者様の意見を聞きたいと思う。 もう1点、従来型と新しくできる転換型と一般の私たちなかなか区分けがつかないと思うが、それ でも看取り状態になったときに、従来の老健では適切ではないということで、転換型に移送されると か、そういうことか起こるのかどうか。老健から老健へということがあるのかどうか。その2点をお尋ね したい。 (川合委員) お医者様と言われたので、3人を代表しておりませんが、それはともかくとして、第1 点、生活機能を重要視しているようなところがあるのかないのか。私は従来型は重要視している。 その中で「等」という今の表現はありがたいし、これは根源的な議論に戻ってくる。 その点に関係して、先ほどの議論の名称問題、これは法律で決まっているから、仕方がないの かもわからないが、適切な一般の方の御意見だったと思う。 2点目は何でしたか。 (沖藤委員) 2点目は、従来型と転換型で移ってしまうのか。看取りの発生がすると。 (川合委員) 何度も私言っているように、制度は保証してくれないが、目の前にある多様なニーズ に対して、多様なサービスを提供してきた。看取りは私の個人的なことを言って恐縮だが、いつでも 私は行きますから、自宅で亡くなられる方も一つの方法ですよというサービスも私は個人的にはし ていて、そういうふうなことも含めて2%というのは、誇るべき2%だと私は思っている。制度に従順だ ったなと思っている。それをもっと頑張れよ。制度を付けるからと言っていただくなら私どもはウェルカ ムである。ただ、ちらちらと財源論があるから、やりたいけれども、まさしく41万が31万にどんと下げ たいけれども、それではつぶれるから、その間の療養費設定をしたいと言っていただければ、ああ、 そうですね。頑張ってくださいとなる。 だから、従来型もやっていたから、従来型も頑張れ。ただ国はお金が少なくなってきたから、療養 型を減らすと。私は木下委員は非常に包容力の豊富な方だと思う。団体が消滅するかもわからな い。全老健会長が全老健をつぶすとなってくると、それは切腹ものだと思う。 (沖藤委員) 国民にわかるように、医療などの適切なサービスという生活的な部分も含めた表現 になるかどうかということ。 (川合委員) 大賛成である。 (鈴木老人保健課長) 文章の中に医療サービスというのと、適切な医療サービスという書分けが あり、医療サービスというのをもう少し細かい具体的な名称を言っているので、今、沖藤委員が御 指摘になったのは、「適切な医療サービス」というところを「医療などの適切なサービス」ということで 置き換えたらどうかという御指摘だと思うが、それだと、おそらく3か所くらいに出てくるので、もし委 員の先生方がそういうことであれば、置き換えさせていただいて、「医療などの適切なサービス」とい う文言に変えさせていただきたい。 (川合委員) そうなってくると、ますます境目がわかりにくくなってくる。 (大森委員長) 医療のことを転換するときに大事だと考えているから、このままでいいのではない か。ただし、給付費分科会の方でいろいろ検討するときには、具体的にいろんなことを考えながら、 適切なときには全体として行われるサービスのことを考えるが、ここは主として転換のために医療機 能はどうするかということを重視しているから、ここは変えない方が、変えるとそれ自身がまた何が 入って、どうするかという検討になるから、変えない方がいい。話はよくわかるし、実際には施設はそ うせざるを得ないが、今回のこのまとめについては、変えない方がいいのではないか。変えない方が わかりやすいのとは違うだろうか。理解した上のことだが。 (石川委員) 初めて参加をしたが、まず、総論的な部分では、いずれにしても、今医療費にしても 介護費にしても、右肩上がりで、しかも、高齢化社会に入ったとは言っても、まだまだ入口であり、 これから本格的な高齢化社会を迎えるということで、それに対して医療等々の資源をどう再配分を するのかということが大変重要な課題であり、この療養型の病床から老健、あるいは老人ホーム等 に転換をするということは、必要なことだと私は考えている。 ただ、先ほど来の議論のように、特に医療から老健の転換で医療的な部分を若干強化をする、 あるいは残していく必要があるという指摘は当然のことだ。 特に患者さんの側から見たときに、変化の中で医療を受ける側の立場として、きちっとしたケア がされるかどうかということの視点からも、そういう必要はあるだろう。だから、医療機能強化型の老 人保健施設は必要だ。 しかし、介護保険は市町村の介護保険事業計画に基づいて実施をしているわけであり、平成2 6年度の目標値の、これは外の数値と言われているが、市町村の計画的な整備に非常に大きな 影響を与えることになるので、事前に転換計画を提出していただく等の配慮の必要がある。 また、川下である市町村がさまざまなことを結果としてすべて受けとめるので、当然そういうことに ついては許容の限界というものも当然あるわけで、特に短期集中的に介護財政に対する赤字にな る要因というものが当然起こり得る。そのための調整権限などをきちっと与えるということについて は、是非対応していただきたい。 最後は質問になるが、この医療機能強化型の老人保健施設を一体どのくらいの枠で、どのくら いの量的なものとして考えているのか。 当初の計画では、医療費として4,000 億削減し、それが介護の方で1,000 億かかるということ だが、3,000 億の医療費を吸収できるというマクロ的な計算式があったが、今回こういった医療機 能強化型の施設創設ということになると、マクロの計算というのはどうなっていくのか。その辺りの見 解をお願いしたい。 (大森委員長) 最後のことは大きい話である。 (鈴木老人保健課長) 今指摘があったように、2年前にこの療養病床の再編を検討させていた だく際に、医療の方では4,000 億の減、介護では1,000 億の増、差し引き3,000 億の減というこ とになったわけだが、当時38万療養病床があり、25万床が医療、13万床が介護ということだが、 介護の方が1万減ったので、今は12万床であるが、当時の考え方としては、老人保健施設に大 体15万〜17万床を転じていただく。他が居宅系なりその他の施設ということを考えていた。 その後、医療の療養病床の数について、足元の数が15万だが、高齢化、リハビリの進展具合 等について考慮した上で、都道府県で医療費適正化計画の中で考えてほしい、これは保険局の 担当だが、そういうことになっているので、それが見えてきた段階で、先ほどの4,000 億、1,000 億、 3,000 億という話についても、数を少し詰めてまた示したい。 (石川委員) そうすると、今回の医療機能強化型の老人保健施設の枠と言うか、スキームが、 全体の37万から15万ということになるが、どのくらいの枠になるのかということについては全くまだ 試算はしていないということか。 (鈴木老人保健課長) 現在具体的な数が幾らかというのは、なかなか難しい。いろんな前提条 件があるので。ただ、当時2年前に考えた療養病床から老人保健施設に転換をしていただく。この 強化型はそのときに考えていたわけではないが、老人保健施設に転換していただくのが大体15万 から17万床ということであるが、あくまで地域の実情とか入っておられる方の特性、経営しておられ る方の選択というのがいろいろ複雑に絡み合っている。その辺を含めて地域ケア整備構想の中で 出てきた数字も含めて、最終的に数を示したい。 (大森委員長) 井上さん、さっき手を挙げましたか。どうぞ。 (井上委員) 1点ほど聞きたいことがあったが、先ほどから医療機能強化型老人保健施設という 名前が出ているが、利用者の側から見ると、多分医療機能強化型という1点と、もう一つは、老人 保健施設で最後まで生活することができるということがある。今まで老人保健施設はずっと在宅支 援というのがうたわれていて、一部の施設は勿論、看取りをやっているわけだが、現実的にはなか なか難しいというのがあって、利用者側からすると、そういう形の理由ができないのが大半だったと 思っている。 それが今ここに書いてあることは、最後に入所者の看取りへの対応ということが書いてあるから、 そういうものを許容しているということだ。その部分を何か入れていただきたいというのが1点。 一方で現在の老人保健施設もそういうことをしている施設はたくさんあるから、その部分は今の 老人保健施設の中でもやっているときちんと表現を入れていただきたい。 (大森委員長) 今の提案にされているのは、大きな2の2番目の○のところ。どういうふうに表わ せばよいか。 (井上委員) 文言はお任せしたいが、3の(2)の「入所者の看取りへの対応」というところを読む と、最後まで暮らせるんだなということがわかるが、それを2のところで何か言葉を入れた方がよいの では。 (川合委員) 非常にありがたい応援の意見をいただいて感謝する。我々はしている。先ほど私の 例も言ったが、いろんなところで、多様なニーズに対して、家で看取られるか、または、ぎりぎりになっ たら入ってくださいねといういろんなサービスを提供している。そういうことを2でも従来型でもやって いると表現は入れてほしい。 (大森委員長) 一応井上さんの議論は、今の2のところで一応想定して言っている。だから、それ でお答えできるかわかれば、一応その議論は取り込まれている。 (鈴木老人保健課長) おそらく井上委員の議論は、「名称について、医療機能強化というのはこ こから読み取れ、文章には書いてあるが、看取りというところが読み取れないので、そこも含めて一 般の方にもわかるような形で考えたら」という提案だと思う。先ほど仮称という形にさせていただいた が、実際に最終的に名称を考える際に、その点も踏まえて考えさせていただきたい。 (大森委員長) 田中滋委員どうぞ。 (田中(滋)委員) 施設では医療も介護も何もかもパッケージになっている方向から、適切な外部 サービスをうまく使っていく方向に変えていくのは前から承知していた。また、施設も外部に適切な サービスを供給する方向も含めて、転換していく。それが転換老健であれ特定施設であれ同じこと である。その意味で、全体として外部のサービスをうまく使いこなしていく方向は結構だ。 その外部との関係について、ここはうまく節の立て方ができていない。皆様の意見を伺っていると、 外部の医療との関係が大きなテーマになっていた。全体のタイトルは老健施設における医療サービ スの提供についてである。老健施設における医療サービスの提供は2つあって、老健施設が自ら 提供する、自ら強化しなさいという部分と、外部のサービスをうまく使いなさいという2つある。ところ が、3のタイトルは老人保健施設において強化すべきと書いてあり、老健施設がしなさいということ は確かに書いてある。看護を増やしなさいとか、看取りをちゃんとしなさいと。 もう一つ、3の1の後に、3の2で、外部医療サービスとの適切な関係がはっきり節としてあってい い。今日出てきた議論で言うと、外部の医療機関との関係が往診なのか提携医療機関との関係 なのか別であるが、外部医療の利用の仕方、提供体制がきちんと整うように提供施設があるかわ からない場合もある。提供体制を整備するようにしてほしいとか。それから給付の調整をしろとか、2 つの保険の給付調整をしてほしいとか、両者の報酬の関係などである。ここでは往診したらどういう 報酬になるかとか、オンコールだったらどういう報酬になるかは、この委員会として答えを出す必要 はない。今後検討すべきであるとの意味で、今の提供体制、保険同士の関係、報酬論等について、 つまり外部の医療機関との関係を、1つまとめて、本当は3の2で節としてあって、それと3の1で書 かれている老健施設において強化すべき点とセットになっていると、方向としてはわかりやすいので はないか。 (大森委員長) それは章構成の変更になるので、「実施時期等について」の中に若干それが織り 込まれているような表現になっていて、給付費部会の方で検討するきには今のような話になるが、 それをここの章立てで変えるかどうかだが、ちょっと大きい話である。一応そのことは入っていると考 えていただけるか。その方がわかりやすいことは確かだが。事務方どうか。 (鈴木老人保健課長) 田中委員のおっしゃることはよくわかる。一応今の1ページ目においても、 3の(1)の2つ目の○で「他の保険医療機関の医師の往診」ということが明示をされていて、1には まとまっていないが、それから「5 実施時期等について」のところで、給付調整、一体的な運用と いうことが書いているので、委員長がおっしゃるように、一応全体としては入っている。給付費分科 会においては、そのことを含めてきちっと検討していく。 (大森委員長) これは私は先走るが、給付費分科会の方で、取りまとめる場合に、若干最初に いろいろなことを書く。その段階で少し整理することはあり得る。とりあえず今のようなことは入ってい るが、わかりやすくするために、その段階でもう一度書替えるということ不可能ではないが、今日とり あえず私としては、取りまとめてしまいたい。そうでないと間に合わないので、給付費分科会で全体 を意義づけるときに、わかりやすいような書き方があり得ると。 (田中(滋)委員) 給付費分科会の方で改めて内部の強化策と外部の強化策を整理してくれる ということで、余りあっさり引き下がってもいけないが、結構だ。 (大森委員長) 対馬委員どうぞ。 (対馬委員) 今日、とりまとめたいということで、文章等を今やっているが、前回の議論との関係 からすると、複数の方々から機能全体として、特に介護サービス全体の機能として、ないしは施設 のサービス体系として、この老健施設をどう位置づけるかという議論があった。 今日は全体の姿があって、差し当たり急いで答えを出さなければいけないものもあるという資料 が出るのかなと思ったが、そうではなくて、専ら老健施設におけるということなっている。どういった議 論でそういった答えになっているのか。 それから全体の方向性というのは一体どこで議論をするのか。例えば介護給付費分科会でやる のか。私自身もいろんなこういう会議に出ているが、全体の在り方、まさにここに書いてある検討会 というのは在り方の委員会である。その在り方に若干触れるが、現実的な解を求めてということに なると、また元に戻ってくるという感じが非常にするから、その点、質問と多少意見にもなるが、伺い たい。 (川尻計画課長) 今日お願いしているのは、療養病床から転換をする老人保健施設についての 医療を中心としたサービスの在り方ということで議論いただいているが、これをまとめていただけれ ば、まずその部分について給付費分科会で議論いただくということになる。 残る課題として、今、対馬委員から話のあったような施設の在り方全体の話もある。それについ てはまだこの委員会での議論をいただく事項が残っているので、今日の取りまとめがなされた後に は、その点について引き続きご議論いただきたい。 (高橋委員) 1つは、今、石川委員からも指摘のあった4,000 億円、1,000 億円、3,000 億円 の関係についての意見である。これはこの分科会では基本的な点だと思うので、そこのところは維 持していただく考え方において、今回の提案はよいのではないか。その数字ががらっと変わるのであ れば、これは全く違う提案になるので、そこは意見として申し上げておく。  もう一つは、医療強化型老健がいつまで続くのかが疑問で、療養病床から転換した場合にのみ 認めるということであれば、対象患者がいなくなったときには、この類型は必要なくなるのではないか。 あるいはそれがずっと続いて、新規に人をどんどん受け入れていると、既存の老健にとっては、非 常に差別的な取り扱いになるので、そこは何十年かとは言わないが、暫定的な形でこれを位置づ けないと、既存の老健との間が整理できない。患者からみればどっちに入ってよいかわからなくなる と思うがそこはどうか。 (鈴木老人保健課長) 2点目についてだが、私たちは今回この療養病床から転換をした老人保 健施設を考える際に、経過的な措置ではないと理解をしている。それはなぜかと言うと、確かに委 員指摘のように、今入っている人だけを考えれば、その方たちはいずれ在宅に帰られるか亡くなる かして、その中にはおらなくなるということは確かだと思うが、これから地域の中で高齢者は勿論増 えていく。高齢者の中でも急性期病院に入ってしかるべきの人もおられれば、医療療養に入ってお られるのがしかるべきの方もあれば、特養に入るのがしかるべきの方もおられるが、こういう形の施 設入られる方というのは当然おられるので、これを例えば2年だ3年だという議論は現段階ではした くないと思っている。 将来に向けて、先ほどの対馬委員の議論とも関係するが、24年以降だが、そもそも今老人保 健施設と特別養護老人ホームという法律的には2つの類型があるが、これをどう考えているのか。 この中で介護保険の給付なり医療の給付というのをどう考えるかというのは大きなテーマとしてある ので、その中で入っておられる方、運営をしておられる方、地域でケアを担当しておられる方の皆さ んの意見の中で、そういう方向性があれば、それはまた我々としても、全体像として整理をしたい。 (大森委員長) 最初の指摘のことはよいのか。 (高橋委員) 基本的には大きな数字のフレームワークというのは、微調整はあるにしても、変わら ないという考えでよいのか。 (鈴木老人保健課長) 4,000 億、3,000 億、1,000 億の話ですね。フレームワークは変わらない。 数が変わると若干変わることはあるが、大きなフレームは変わらない。 (木下委員) 4,000 億というのは、たまたまあの時の粗い計算だというので、余り根拠なく出され た数なので、それからぶれないというのはおかしい。お金が前提にあって、介護施設の在り方を考え るのはおかしいので、そこがぶれないという発言は非常に問題だ。 (鈴木老人保健課長) ぶれないと言ったのは、フレームが変わらないということで、勿論、全体の 数の38万床というのが今は37万床になったということもあり、数が変われば実際の金額も変わる ということだが、お金がまずありきで、こういう再編成を考えているというよりは、全体のフレームの中 で、こういう再編成をすべきで、その3つのメリットの中には当然お金の面もあって、そのお金の計算 は今はこうなっていて、勿論、最終的にある数字が動けば動くことはあるが、全体のフレームは変わ らないということ。 (井部委員) 話が戻るが、前回私が説明した資料のことを考えると、今回の医療機能強化型老 人保健施設という名称そのものに非常に意表を突かれたというか、予想外だったという印象を持っ た。これは何回も議論があったが、医療というのはどういうものかという根源的な議論が必要だとい うことを、医療の現場にいる者として感じた。 私の考えから言うと、ここに書いてある喀痰吸引とか経管栄養といったようなものは、つまり、呼 吸をするとか栄養を摂る、食べるといった日常の生活機能のバリエーションであると見ることができ る。これを医療と言うべきかどうか疑問である。そういう点から言うと、沖藤委員がおっしゃったよう に、医療という言葉を使わないでどうしたらいいかが課題である。例えば生活機能強化型の老健 施設とか、あるいは転換型と付けるかだが、今回は文言の修正は要請しないが、仮称と付けると、 仮称医療機能強化型と次は出る。この医療機能強化型という表現は、適切ではないことと、それ から「医療などの適切なサービス」という、先ほど沖藤委員がおっしゃったことを、私は支持したい。 (川合委員) 私、初めのときに言ったが、まさしくそこである。人員基準のものなのか、医療の内 容のなのかということは、前回、天本委員がおっしゃったように、医療度1、2、3の検証も済んでい ない時期で、こういう議論をするのは先走り過ぎではないか。最低限譲れて仮称が前に来るという ことを妥協の代わりとして言ったが、私は根本的にはやはり転換型ということで通していただきた い。 これは井部委員に申し訳ないが、生活機能重視型と言われると、今まで我々は何してきたのだ となるから、それにはちょっと肯首しかねる。だから、何か我々と違って、いい知恵を働かせて、何か いい医療重視というのは、医療人員重視型、それだったらそうだと言う。でも、医療内容を重視とい うのは、それはちょっと肯首しかねる。最大限譲れて仮称か前である。でも在り方委員会と違って、 給付費分科会でもう一度議論されるということだから、そのときには腹を締め直して発言する。 (池田委員) 今のこと全体に関連するが、結局はダブルスタンダードで行くのか、どうなのかいうこ と。例えばこれが療養病床が転換するから経過的に置いた措置だということであれば、ダブルスタ ンダードは経過的に認めることはできる。そうではないという話になっている。でも、将来的に施設全 体の問題を考えると、必ずしもそうではないかという、その辺がよくわからないところがある。実態とし ては、これは川合委員の方から怒られそうだが、実態は今やると制度的にダブルスタンダードにな る可能性があるが、実態はトリプルスタンダードだ。要するに、療養病床の転換型が今度新しく入 ってくる。それから、本来の川合委員がおっしゃっているような老健の機能を果たしているところがあ る。もう一つある。第二特養の機能を果たしている老健。いずれも私は存在根拠があるからそういう ことになっている。 そうすると、そういったものを制度上ダブルスタンダード、実質上トリプルスタンダードになっている ものを、やはりダブルスタンダードはおかしいわけだから、どこかきちんと整理しなければいけない。そ うすると、機能別分類という形で分けていくのか。それとも、露骨にサービスと人員みたいなもので 分けるのか。この辺が、多分これをまとめた後の大きな議論になるので、今日回答する必要はない と思うが、次の分科会へ持っていったとき、この議論をちゃんとしないと、先行きが見えない。同時に 転換する人も落ち着く先がどこなのかわからないと、なかなか判断しにくいこともあるので、そこの議 論は次の段階だと思うが、ある程度鮮明にしていただきたい。 (山本委員) 尋ねるが、この2の「医療機能強化型老人保健施設の創設について」、これは聞い たことがない言葉だが、専門家に聞いたのか。専門家の意見は聞いて集めたのか。 例えばドクターに意見を聞いたとか何とかしてまとめたのか。それがよくわからない。 それから、あなたの年が幾つか知らないが、高齢者になると、あなた方が考えているような体じゃ ない。具体的に言わないが、高齢者の体というのは、今は元気そうにしているけれども、晩になると 変わることがある。高齢者というのはそういう体である。 だから、ここら辺りをよく専門家の人たちに聞いて、こうすればいい、こうすればいいと。医療の機 能の強化型というから、よほど立派な医療をやるものをつくらなければいけないのかとこれを読んで 思った。これはおそらくその専門家の意見を聞いて、この程度はやっておかなければいけないとして いるかそれを聞きたい。私は賛成しない。私は今日言っておく。私一人で反対しても通らないから、 例えば町村会、市長会などと協議をして、私の方からお願いする。こんなことでいいのかと。こういう ところにこういう欠陥があると。私はわかっているから、それらをずっと自分で考えて、相談をして、ど うするかを決めたい。 だから、ここは専門家の意見を聞いた上であなた方が医療強化という言葉を使って、どの様にす るかを教えて欲しい。今日は聞いておけばいい。あと聞きたいことはあるが、これだけで今日は遠慮 をしておく。 (鈴木老人保健課長) 名称の話と中身の話と2つあると思うが、中身については、前回も議論を させていただいたし、入っておられる方に適切なこのくらいのレベルの医療サービスが必要だという ことで専門家の方に議論いただいている。 名称については、転換型がいいと言う方もおられるし、医療ということを重視すべきだという先生 もおられるし、生活を重視すべきだという先生もおられて、一言で言うとなかなかまとまっていない中 で、私たちとしても、少なくとも国民の目から見て、中身の機能がわかりやすい方がいいということで、 今回こういう名前を付けさせていただいたが、仮称ということを付けさせていただいて、実際の給付 費分科会においては、指摘の点を踏まえて、考えさせていただきたい。 (山本委員) こういうことではないということか。意見は聞いたのか。 (鈴木老人保健課長) 名称については、いろいろな意見があった。 (山本委員) 名称を聞いてもしようがない。名前なんてどうだっていい。中身の方が大事である。 (大森委員長) 小島さんどうぞ。 (小島参考人) 介護施設については、池田委員が先ほど指摘されたように、本来はどうするかと。 特養を含めてだが、介護療養施設については、23年度末になくすと法律で決まっているので、それ に対してどうするかということで、当面この検討会で検討されてきている。基本的に名称の問題は、 どうするかというのは、私もこれでいいのかというのがあるので、そこは別にして、基本的な方向とし ては、こういう方向だろう。 1ページの看取りへの対応についてだが、今日委員の皆さんに配られている連合の調査の中で 施設調査でも、看取りを希望した場合に、どこまで対応するか、その施設が看取りをするかどうか という設問に対しては、老健施設の方は希望があっても25%くらいしか看取りをしないと答えていて、 療養施設の方は7割くらい看取りをすると。それから、特養の方については、7割近くは看取りをす ると。これは施設の方の回答が出ている。その中で今回の転換型の老健施設への転換をする場 合に、看取りをどこまで含めるかということ。これは具体的には介護報酬分科会の方でどう決める かということは、看取りをどこまで考えるかとなるが、そうは言っても、現実的に療養施設の方では、 看取りに対応しているということがあるので、そういうことも含めて今回の転換型については、そこは 対応する必要があるので、今回の文章については、こういう表現は必要だ。 (大森委員長) いろいろ意見があって、一応給付費分科会の方で承らないと困るので、とりあえ ず今までの意見のうち、本日文章上、さっきの仮称も含めて、直すべきではないかという意見があ るので、事務方の方で相談して、その間、次の議題に入っているので、最後に、本日はこういう修 文で了解いただくという形にしますので、何人かで相談して、次の全体の追加措置の方の説明を 受けることにする。 ○榎本地域ケア・療養病床転換推進室長より資料2を資料に沿って説明。 (大森委員長) ということが追加的措置の案になっているが、何か質問等あるか。 (木下委員) 老人保健施設なり特別養護老人ホームに転換する場合の、新規では個室ユニット ケアというのが言われているが、その関係がどうなるのか。 それから、前回も話をしたが、個室ユニットケアが本当に機能しているかどうか。その辺の検証を するべきだと話をしたが、この委員会でも引き続き、どういう方が入っていて、どういう介護体制で、 効果が上がっているか検証は利用者、職員に対してすべきだ。そのことを検討していただきたいこ とが1つ。 最後の(7)の転換の時期だが、これを今年の秋までに計画をつくれということだが、今、話のあっ たようになかなか難しいことがあるので、来年度見直すという話もあるが、それが確実に来年度見 直しされるのかどうか。 もう一つ、平成19年4月1日現在の療養病床につき転換というふうに都道府県には通知してあ るということが1つ。その後の療養病床についてはどうするのか。 それと、医療費適正化計画に定める平成24年度末の療養病床数の目標の達成を図るとはっ きり書いてあるので、都道府県はこれを達成しなければいけないのか。しない場合どうなるのか、目 標数との関連がどうなのかというところで、その辺のことを教えて欲しい。 (中田委員) 先ほど対馬委員さんの方からもあったが、この介護施設等の在り方委員会につい ては、もう少し老健だけではなくて、特養等も含めた議論が進められるのかと、大変期待していたが、 どうも老健の転換型で今日は議論が終わるようで、是非これは特養も含めた介護施設の在り方に ついても早急に議論を再開してもらいたい。 今回の転換型が100 %老健に転換できるという前提でやっているわけではない。現実の問題と して、特養にも該当者がたくさんいる。この辺も含めて、是非議論を今後早めていただきたいことが 1点。 それから要望としては、今、木下委員から話があったように、老健もそうだが、全国一律の個室 ユニット、この辺をもう少し検証する必要がある。 最近介護施設の看護とか介護士さんの確保が大変難しいことは皆さん御存じだと思うが、その 理由は、1つ給与面での低賃金もさることながら、家族からの苦情だとか、誤嚥性肺炎だとか、転 倒だとかいった医療介護事故に対するプレッシャーで、結局職員が自信をなくして、退職するという ことが顕著に起こっている。 その結果、なかなか後釜が見つからないというのが現状で、たまたま先週北海道のあるテレビが 苦悩する介護施設という特集を組んだ。それは対象になったのは老健施設であったが、そこは80 名の定員で8名の医療行為が必要な方が、胃瘻だとか喀痰吸引とかいう方を入れていて、夜間1 人の介護士さんの対応で何が起きているかというと、要するに、1か所に8名のベッドごと夜間集め てくる。それで対応せざるを得ないという番組があったが、そういう状況の中で、個室ユニットという のは果たして本当にいいのかと感じた。 これは老健だけではなくて、これから議論される特養も含めて、この辺もこれからは医療行為が 必要で、しかも要介護度から言えば4、5という重度の人が入ってくるわけだから、そういう方が増え ると、当然看護、介護士さんの負担が大きくなる。そうなると、ますます職員確保が難しくなるという ことも是非勘案して、この全国一律の個室ユニットの在り方について、再考をしていただきたい。 (大森委員長) 私の手元のシナリオは、もし時間が余ったら、今のように介護施設全体にいての 議論を始めるので、お気づきの点があれば出していただきたいと書いてあるが、私の見積りは絶対 に時間の中でこれはできないと考えていたら、先ほどからいろいろ出ていて、非常にごもっともな意 見で、本来もし時間的な切迫がなければ、今のようなこともみんな考えてやらなければ、本当は全 体の位置づけがほしいが、当面ともかく転換せよということがかかっていて、給付費部会の方でとに かく動かないと、動けないから、今、指摘のようなこともある。事務方の方はわかっているので、でき るだけ早期にもう一度ちゃんと介護施設の在り方について、ここでも検討するということで、その点 についてはお約束して閉めさせていただくということでよいか。 (天本委員) 第4期介護事業計画は今までどおり平成21年からということになっている。その前 の説明では、実施時期ということでいろいろなものを早めようということになっている。20年のときに 1つの大きな改定があるのに、受け皿の3期をそのままにしておいていいのかどうか、これは連動す ることではないか。そこの点について伺いたい。 (大森委員長) 計画課長から。 (川尻計画課長) 第3期にどういう形で転換を進めるかについて、前回、3月の時点で今ある計 画の中でどれだけ弾力的な指定ができるかという工夫はさせていただいた。ただ、保険料が既に設 定されているので、第3期の計画を見直すということではなくて、第4期、21年度から転換が進めら れるように一層、加速して進められるようにということで、第4期の方はこういう形で定員枠がかから ないような形の工夫をしたい。 (天本委員) 第3期もそうだが、すべて今回の動きを想定していない。今回の実施時期について いろいろな形で早めていこうということだが、当然事業計画というものも連動しなければおかしな話 ではないか。 (川尻計画課長) 第3期にどう計画を立てていたかということについては、今のご意見のとおりで あるが、その範囲内でできることは示させていただいた。第3期についてどうするかについては、保 険者の立場を始め、いろいろな立場があるので、3月にまとめさせていただいたようなことで進めさ せていただき、そして、第4期については、今日提案していることを含めて、しっかりと計画の中に盛 り込んだ上で、本格的な転換というものが進むようにしていきたい。 (大森委員長) そうすると、実際の報酬を変えて人員配置基準を示したけれども、実際に移るの は、21年ということが起こり得るわけか。 (川尻計画課長) これから転換を具体的に進めていく場合にどういうことが起きるかだが、第3期 の計画の現状を言うと、例えば、介護療養施型医療施設についてはすき間があるという現状もあ る。第3期中の転換というのは、例えばそういう空きを老人施設に使う、あるいは場合によっては特 別擁護老人ホームに使うという形で進められる範囲内では進めさせていただきたい。 第4期については、さっき申し上げたとおりである。 (天本委員) 要は、最近の動きが、医療区分導入というのは、介護療養病床ありきということで 医療区分の導入があった。要するに、横断的な視点での整合性が取れていない形で、部分最適 だけで進んでいる。そのために全体での大きな現場で混乱が生じている。だから、こういうものも、し かも同じ局ではないか。同じ局でこのような形で介護報酬のものを特別に何か考えようとここに提 示していて、事業計画では、そこで一切そういう考慮をしていないという、ここが非常に整合性がな い。これから十分検討していただきたい。 (大森委員長) 今のようなことではないことが明確にわかるように、何かきちっとした書き物を書か ないか。今日でなくてよいが、今のことがわかるようにしようか。 (牧野参考人) 今の質問に関連して、第4期の介護保険事業計画における療養病床転換にお ける円滑化であるが、定員枠を設けずにすべてを受け入れるということだが、転換の支援としては、 大事なことかも知れないが、定員枠を設けずにすべてを受け入れるということになると、給付が見込 み以上になるという恐れもあるわけで、そうした場合は、さらなる保険料の高騰にもつながっていく 恐れもある。先ほどの資料1のところの中に介護保険を支える国民の負担を考慮するという1項目 も入っているところだが、こうした転換の影響により、保険料が高騰しないような措置についても併 せて検討いただきたい。 (大森委員長) 今の最後の点は、そういう理解だと思う。 (川合委員) 私、固有名詞に近いのが2つ出たので、要望等踏まえて最後に発言する。 まず、トリプルスタンダードということがあったので、それはともかく、ダブルスタンダードで出発する のであるならば私は大反対である。これはあらゆる機会で主張していきたい。高橋委員がおっしゃっ た年齢の問題とかそういうことではなくて、根源的にダブルスタンダードを考えているのであるならば、 今までの老健をどう考えるのかということで私は腹をくくる必要があるということが1つ。トリプルスタ ンダードについては、池田先生と個人的に話をさせていただきたい。 それと、北海道の件に関しては、私ちょっと今、情報つかんでいませんので、事務局の方できちっ と対応させていただきたい。 最後にいろいろ参考資料を出していただいたが、どの団体かどうかわからないが、お願いしたい ことが1点ある。 介護職員の給料が、厚生労働省の労働関係の方からもデータも出、我々の調査でも同様だが、 やはりこの5、6年で30万ぐらい年間所得が減っている。そういう議論が、今日はしないが、やはり 給付費部会で、根源的にいろいろ景気がよくなったのに、逆に離職者が増えてきたということに関 して、公的な数字ではなくて、やはり我々委員の中から、給料はこれだけ減っていることを専門職の 団体のところで出していただきたい。それがやはりいろいろな意味での信頼性のあるデータになるの ではないか。これは要望である。 (大森委員長) それでは、今の点答えを。 (榎本地域ケア・療養病床転換推進室長) まず、木下委員おたずねの構想について、今年の秋 までということになっているが、その後の見直しがなされるのかという点だが、先ほどご質問にお答え した際に申し上げたとおり、来年、また第4期の計画を策定するに当たって、事前に各療養病床を 有する医療機関の方々の意向を調査させていただく。その結果、また必要があれば、そういったも のの見直しをしていくことになると考えている。 それから、19年4月1日の後展開したものはどうなるのかというおたずねだが、それもまた構想の 段階ではとりあえずこういった形で整理をしているが、また第4期の計画を見直す中で、引き続きそ こは対応していくことになる。 それから、24年度末目標の達成を図るということで、達成できなかった場合の整合性ということ だが、平成24年度末の医療費適正化の目標をどう設定するのかということは、まさにこの構想を 策定する中で、同時に、議論を各地域でしていただくことになっているので、その整合性を図りなが ら、検討を進めていただければと考えている。 (大森委員長) 予定された時間を10分延長しているが、ゆっくり私から修正箇所について読み 上げるので、それで了解いただけるかどうか。 すべて強化型という前に括弧で(仮称)と付ける、そこに付いている文言には全部付ける。そして、 了解としては、改めてどういう名称がふさわしいかについてはもう一度検討する、検討する余地を残 して本日は(仮称)を付けるということにする、よろしいか。 それから、老人保健施設について意見があり、そこの2ページの大きな4の最初の○だが、次の ように修文したい。 「老人保健施設は、これまで医療提供施設としての機能を果たすとともに、」の文章を付け加え る。「入所者の居宅復帰を支援してきており、」というふうに修文させていただく。 「老人保健施設は、これまで医療提供施設としての機能を果たすとともに、入所者の居宅復帰 を支援してきており、今後とも」とつながっていくという形で意見を取り入れたい。そういう修文にした い。 それから、一番最後の○の締めのところの文章だが、先ほどの意見で、ここも入れおいた方がい いと思うのは、更に療養病床の際に当たっては、各地域における高齢者を支える医療、介護の体 制が、そこに「安定的に確保され」で、「安定的に」という文言を追加したい。 以上が修正点であるが、よろしいか。ここの中で修文しないが、介護保健給付費部会の方で検 討するときに、改めて留意しなければいけない事項についても意見が出ているので、それはテークノ ートして、そちらの方で、多分、ほとんどのメンバーの方々はそちらの方にまた出席なので、そちらで 十分議論させていただきたい。 いろいろ批判、注文等あって、私としても、やはり介護施設全体の在り方を、先ほどのダブルスタ ンダードの話を含めて本当に考えなければいけないのではないかと思っている。ただ、当面、対処し なければいけないことについても、給付費分科会の方で十分検討して、持続的にこの議論を進め ることで本日は了解いただきたいが、よろしいか。 (「異議なし」と声あり) (大森委員長) それでは、事務局に返すので、何かあれば。 (川尻計画課長) 次回の日程については、追って連絡をさせていただきたい。 照会先: 老健局 地域ケア・療養病床転換推進室           TEL 03(5253)1111(内2176、2177 26