07/06/18 第1回 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録(第1回)       1.日時及び場所   平成19年6月18日(木) 13:00〜   厚生労働省5階共用第7会議室 2.出席委員(21名)五十音順   赤 池 昭 紀   市 川   厚   井 上 圭 三  大 野   勲   大和田 榮 治   加賀谷   肇   木 津 純 子  工 藤 一 郎   柴 崎 正 勝   白 神   誠   須 田 晃 治  永 井 博 弌   林   正 弘   樋 口   駿   平 井 みどり  望 月 眞 弓   森   昌 平   山 岡 由美子   山 本 惠 司  山 元   弘   吉 富 博 則     3.行政機関出席者   高 橋 直 人(医薬品局長)、    黒 川 達 夫(大臣官房審議官)    中 澤 一 隆(総務課長) 三 浦 公 嗣(文部科学省高等教育局医学教育課長) 関 野 秀 人(薬事企画官) 4.備考   本検討会は、公開で開催された。 ○薬事企画官 定刻となりましたので、ただいまから、薬剤師国家試験出題制度検討会 を開催します。  まず本検討会の構成員の先生方におかれましては、ご多忙の中、しかも暑い中お集ま りいただきましてありがとうございます。本検討会の座長が選出されるまでの間、事務 局のほうで進行役を務めさせていただきます。まず、本日の委員の出欠状況です。本日 の検討会は、委員21名全員の先生方に出席していただいています。ありがとうございま す。  本日は第1回目の検討会ですので、事務局から構成員をご紹介します。お手元の資料 1の名簿の順番に沿いまして、五十音順でご紹介をさせていただきます。京都大学の赤 池委員、武庫川女子大学の市川委員、帝京大学の井上委員、東北薬科大学の大野委員、 北海道薬科大学の大和田委員、社団法人日本病院薬剤師会の加賀谷委員、共立薬科大学 の木津委員、昭和大学の工藤委員、東京大学の柴崎委員、日本大学の白神委員、明治薬 科大学の須田委員、岐阜薬科大学の永井委員、東京薬科大学の林委員、九州大学の樋口 委員、神戸大学医学部附属病院の平井委員、共立薬科大学の望月委員、社団法人日本薬 剤師会の森委員、神戸学院大学の山岡委員、千葉大学の山本委員、大阪大学の山元委員、 福山大学の吉富委員です。私の隣の文部科学省医学教育課長はスケジュールの都合で遅 れてまいりますが、オブザーバーで参加されます。よろしくお願いします。  続きまして、検討会の開会に当たりまして、高橋医薬食品局長からご挨拶を申し上げ ます。 ○医薬食品局長 開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。先生方におかれまし ては、ご多忙の中、本検討会の委員就任をご承諾いただきましてありがとうございます。 また日頃より薬学教育を通じ、質の高い薬剤師の養成にご尽力いただくとともに、薬局 および病院等といった医療の現場におきまして、国民の健康に貢献いただいております ことを、改めて御礼申し上げます。  ご承知のとおり、平成16年に医療の高度化などに伴いまして、医療の担い手としての 薬剤師の役割が一層高まってきたことから、臨床にかかる実践的な能力を有する薬剤師 を輩出するべく、薬剤師法、学校教育法が改正されたところでございます。新たな6年 制課程は、平成18年から既にスタートしておりますけれども、新試験制度の実施は平成 24年からの運びということになります。今後国家試験を通じまして、新たな6年制課程 において習得した知識・技能・態度を的確に確認し、これからの医療の担い手として相 応しい薬剤師を医療の場に送り出していかなければなりません。  このため今般、本検討会を設置し、6年制の薬学教育に対応した出題基準を策定する とともに、国民の期待に応え得る薬剤師を輩出するという観点に立ち、薬剤師国家試験 のあり方などを検討することといたしました。委員の皆さんにおかれましても、それぞ れの専門分野における高いご見識に基づき精力的にご検討いただきますよう、よろしく お願い申し上げます。簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。 ○薬事企画官 続きまして配付資料の確認をします。お手元の資料をご覧ください。座 席表、議事次第、資料1から8まであります。まず資料1は、先ほどご紹介しましたが、 本検討会の名簿です。資料2は、6月12日の日付が入った本検討会について、という資 料です。資料3は、薬剤師国家試験出題基準の変遷。資料4は、薬剤師国家試験の実施 状況。資料5は、薬剤師国家試験出題基準の現行のものです。資料6は、「薬学教育制 度及び薬剤師国家試験制度の見直しについて」というタイトルが付いた資料です。資料 7は「薬学教育モデル・コアカリキュラム」という表紙が最初についたもので、その後 ろの実務実習モデル・コアカリキュラムも含めています。また説明の際に紹介させてい ただきます。資料8は今後検討する項目(案)です。以上ですが、不足などございまし たらお申し出ください。  それでは、これより議事に入ります。まず議題1は、議事次第にもありますように、 座長の選出です。資料2の本検討会の設置要綱において、検討会が座長を選出すること となっておりますので、どなたかご推薦いただけますでしょうか。 ○林委員 私も国家試験には少し絡んだことがございますが、これだけのメンバーをま とめるのは非常に大変だろうと思います。年齢的なもの、経験の深さ、造詣の深さを考 えますと、やはり薬学部長としてのご経験も長い帝京大学の井上先生がよろしいのでは ないかと思いますので、ご提案したいと思いますが、いかがでしょうか。 ○薬事企画官 ご提案をいただきましたが、いかがでしょうか。                   (拍手) ○薬事企画官 それでは井上先生、恐縮ですが、座長席にお移りいただければと思いま す。それではあとの進行を座長にお願いします。 ○井上座長 ただいま林先生からの過分なお話がありましたけれども、たしかにこれだ けのメンバーの方々のご意見をまとめていくのは非常に大変だと思いますが、6年制に 相応しい国家試験を考えなければいけないということで、微力ですが、どうぞよろしく お願いいたします。  それでは議事を進行させていただきます。その前に事務局から連絡事項をお願いしま す。 ○薬事企画官 傍聴されている方にお伝えします。カメラ撮りはここまでとさせていた だきます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ○井上座長 それでは、議題2としまして、薬剤師国家試験の現在の実施状況について 本検討会の趣旨も含めて、事務局から説明していただきます。 ○薬事企画官 それではお手元の資料の2から5までを使いまして、薬剤師国家試験の 現状と本検討会の趣旨について簡単に説明します。まず資料2は本検討会の目的、検討 項目を書いた資料です。目的のところにございますように、新たな教育制度に対応した 出題基準の策定とともに、6年制教育を通じて習得した知識・技能・態度について、医 療人として求められる資質を的確に確認するに相応しい国家試験というものを考えてい こうということで、後ほど出てまいりますさまざまな検討項目、あるいは先生方から追 加いただくような検討項目も含め、制度的な観点で国家試験というものを考えていこう と思っています。主立った検討項目は2の(1)出題基準と、(2)問題形式・出題方針 ですが、そのほかに関しては、後ほど資料8で、改めてご紹介します。これまでの国家 試験について、どのような制度改正があり、出題基準が変わってきたかということで、 資料3をご覧ください。  資料3は、まず出題基準が最初にできた昭和60年から書き記しています。最初の見出 しの部分ですが、問題の水準を一定に保つ方策として国家試験出題基準(ガイドライン) を作成した。試験項目、分類はここに示したとおりで、この頃から現在に至るまで出題 基準は、概ね5年程度の範囲内でその都度見直されてきているという経緯がございます。 その関連もあり、平成2年5月に改定がなされ、さらに、平成6年、平成10年、平成 16年に出題基準は改定されてきております。  順序は逆になりますが、資料中ほど、平成6年6月に出題基準の改定を行っておりま す。これに加え[1][2]のとおり、試験科目を4分野に変更しました。さらに問題数も従来 の200問から240問に変え、この表にありますような区分、問題数で試験が行われてき ているという状況です。欄外の「参考」ですが、出題基準の見直しの時期と実施時期と いうことで、概ね実施の前年に当たる年にまとめ、実施しています。簡単ですが、以上 が出題基準の変遷です。  資料4は国家試験の実施状況です。この表のいちばん左に書いてあるのは試験の回数 です。年度あるいは西暦と間違いやすいかもしれません。92といいますのは第92回の 試験ということで、括弧の中の19年が実施年です。最近では、このような合格率と合格 者数の推移の推移になっておりますが、2、3枚目に書いてありますような問題の形式 をひとつの参考にしながら、それぞれの年の問題が作られています。パターンとしまし ては、2頁のようなものや、3頁にあるような正答の組合せを求める、正誤の組合せと いうような出し方が最近みられるのではないかと思います。実施方法等の現状について は以上です。  資料5に現行の出題基準を付けていますので、後ほど今後の国家試験をどうしていく かということを考える場合、あるいは出題基準を検討する場合に参考にしてください。 内容に関しては、1頁には出題分野、出題項目が書かれております。その下にある[1]か ら始まります4分野ですが、2頁までどういった考え方で問題を出すかということが簡 単に触れられており、主立った改定の要点が、それぞれの分野ごとに示されています。 3頁の(3)留意事項には試験分野、横断的に留意する事項が書かれております。そのう ちいくつか、今後の国家試験を考えるうえで参考になる部分、あるいは変えていく部分 があると思いますので、後ほど部分部分を参考にしながら議論していきたいと思ってお ります。5頁以降は各分野ごとにそれぞれの考え方、留意事項と、「大項目」「中項目」 「小項目」「小項目の内容の例示」という形で、表にまとめてあります。この出題基準 を今後どうするかが、本検討会の検討事項になるのではないかと考えています。現状に つきましては以上です。 ○井上座長 ありがとうございました。これまで実施してまいりました薬剤師国家試験 に関する説明でしたので、特段のご質問などないかと思います。これから検討していく 今後の薬剤師国家試験のあり方に関連して現時点で確認しておいたほうがいいという点 がもしございましたらご発言願いたいと思いますが、いかがでしょうか。  ないようでしたら、次の議題に進みます。  議題3は薬学教育6年制についてです。議題4の今後の検討の進め方を見ますと、6 年制の薬学教育となったことを踏まえ、今後の国家試験について具体的に議論していく ことになっています。この両方の議題に関係する資料をまとめて説明していただいたほ うがいいかと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 それでは引き続き、資料の6、7、8を中心に説明をします。まず資料 6は薬学教育制度及び国家試験制度の見直しということですが、本日の先生方には改め てご紹介する部分はないと思いますので、資料の6はどういうものが資料としてあるか ということを中心にご紹介します。  まず1、2頁は、6年制を制度的に導入する際に、各方面で私どもが使った資料です。 冒頭にありますように、医療の担い手として、質の高い薬剤師が求められているといっ たことを背景として、中程にある、学校教育法の改正や薬剤師法の改正によりまして6 年制教育が制度化され、その薬剤師法の改正の中で、国家試験の受験資格が示されてい る状況です。2頁は薬学教育6年制の必要性について、3頁は、6年制課程における大 まかなスケジュールということで、先生方をはじめ、いろいろなところで紹介されてい る資料です。  4頁以降は、具体的な制度改正の中身です。まず、学校教育法の一部を改正する法律 案の段階での提案理由説明の資料が2枚付いています。6頁からが、具体的な学校教育 法の改正条文です。上段が改正後の条文で、その下が改正前の条文ということで、対比 して見ていただければと思います。そのうち薬学教育に関する部分は7頁です。7頁の 左側ですが、第55条、大学における修業年限のアンダーラインを引いたところが改正さ れた部分で、ここに6年と明記されています。9頁に移ります。こちらが薬剤師法の一 部を改正する法律案を国会に提出した際の提案理由の説明資料です。中程にありますと おり、「医療の担い手としての役割を果たすことが求められている」「基礎的な知識・ 技術はもとより、高い倫理観、医療人としての教養、医療現場で通用する実践力など薬 剤師の資質の一層の向上を図る必要がある」といったことが具体的に触れられておりま す。  11頁には、具体的な薬剤師法の改正の条文が出てまいります。同じように上段が改正 後の条文で、下の部分が改正前の条文です。次の12頁からが大学設置基準です。学校教 育法を受ける形で、具体的に設置基準の中でどのように触れられているか、ご紹介をし ています。薬学に関係するいちばん大きな部分、卒業の要件が17頁にあります。2段組 の上段のいちばん最後の行から始まっています。第32条、卒業の要件の第3項で、薬学 に関する学科のうち臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とするものに係る卒 業の要件は、6年以上の在学と単位数で186以上、さらには186の中で病院・薬局で行 う実習に関するところが20単位以上とされています。これらが制度改正の概要です。  次に資料7です。こちらは薬学教育のモデル・コアカリキュラムです。これも今この 場で各論を説明する必要はないかと思います。1頁から目次が始まっていまして、いく つか項目立てがされております。この辺りが今後の薬学教育の中で取り込まれるだろう ということを考えますと、最低限、モデル・コアカリキュラムに登場する領域は、何ら かの形で出題基準にすべて反映されることが必要ではないかと思います。また、それ以 外に薬剤師がどうあるべきかということを含めて、国家試験を考えていく必要があるか と思います。まずは教育がこの内容を参考にしながら組まれていくならば、目次に出く る内容は全体的に網羅する内容と考え、参考として用意しています。最初は薬学教育モ デル・コアカリキュラムです。通し頁で62頁からが実務実習モデル・コアカリキュラム です。また後ほど説明いたしますけれども、国家試験を通じて知識のみならず技能・態 度を合わせた中で資質を確認していくならば、実務実習の部分をどのように国家試験に 取り入れていくかも大きな課題になりますので、ご検討いただければと思っております。  資料8は、私どもで考え得る範囲で、今後検討する項目を書いたものです。これに限 るものではなく、いろいろな検討すべき項目があるならば、先生方からご提案をいただ ければと思います。まず、最初の頁から順を追って内容を説明させていただきます。ま ず1、試験区分と問題数についてです。現行区分を参考にしながら、6年制の教育課程 における各分野を振り分けることができるかどうか。「対応できるのではないか」とい う言い方をしていますが、それについて先生方がどう考えておられるかということを、 後ほど意見交換の中で述べていただければと思います。新たな試験区分にした場合に、 どのようなことが考えられるかということです。なお、試験区分と問題数の議論に当た っては、現状は240問を土日を使って2日間で行っておりまして、午前午後2時間半ず つを要しておりますので、問題数に関しましては、試験時間の影響も考慮しつつ検討す る必要があるのではないかということです。  2、出題基準に関する事項です。まず薬学教育が6年制になったことを踏まえて、改 正の必要があるのではないかという入口のところから始まりまして、改定に当たっては、 カリキュラムの、ここでは基本という言い方をしておりちょっと誤解を与えるかもしれ ませんので、先ほど説明したようなところで、補っていきます。すなわち少なくともモ デル・コアカリキュラムで示された領域はすべてカバーするような形がいいのではない か、それに加えて何かほかの部分を盛り込んで、最終的にはあるべき国家試験を実施す るに相応しい出題基準にしていくということではないかと思っています。  出題基準の体系は先ほど資料5で説明しましたが、「大項目」「中項目」「小項目」 「小項目の内容の例示」という構成でいいかどうか。別のやり方もあるかもしれません ので、その辺りのご意見をいただければと思います。そして、現行の体制ということで あった場合、そこに記されている事項、分野、内容をどういうものにしていくことが適 当かを踏み込んで議論し、最終的には出題基準を作っていくわけですから、その辺りも 十分検討が必要ではないかと思っています。  最後に実務的な部分になりますが、改定作業に関しましては、本検討会の委員の先生 方はそれぞれの分野のご専門をお持ちですので、それぞれがそれぞれの領域をカバーす ると、お一人ではなかなか難しいところもあるかもしれません。各分野ごとに作業チー ムを構成する方法はどうかという提案で、その辺りも後ほどご意見をいただければと思 います。  3の試験実施方法ですが、出題形式とか解答形式を含めて議論していきたいと思って います。実施方法は現行と同様、筆記試験でどうかという書き方をしていますが、2つ 目の○にありますとおり、実地試験を導入することについても併せていろいろないろい ろな意見をいただきながら、考えていきます。  3つ目の○は、知識・技能・態度を確認するための出題方式としてどういうものが考 えられるか。冒頭、本検討会の主な検討事項をご紹介しましたが、そういった出題形式、 問題の出し方、特に技能・態度を確認するためにはどのような出題方式が適当かという ところで、いろいろなご意見をいただければと思います。  それとオーバーラップをする部分もございますが、4つ目の○は、医療人として必要 な問題解決能力を確認するための出題形式としてはどのようなものが考えられるか。さ らに、試験区分が仮に出来上がったあとの問題の出し方として、基礎領域と医療の実践 領域に関連する複合的な出題を行うことについてどう考えるかも、合わせて議論してい きたいと考えております。  その下以降は解答形式で、多肢選択方式、現行と同じようなやり方ですが、そういっ たものを基本とすることについてどう考えるかご意見をいただきたいと考えますし、現 行の設問肢の立て方に対する評価も参考にしながら、どのようにしていくかということ を議論していきます。  最後の○は、出版物を持ち込む形で解答するという意味合いで書いています。この部 分に関しては、先ほど資料3で説明しました、前回の制度改正を行った際、平成6年の 報告書の中に、今後も検討するという件がございました。ある意味結論が出ていない部 分に当たると思いますので、今回の制度改正を検討するタイミングに、この点をもう一 度ご議論いただければということで書いています。  4は合格基準です。現行の合格基準は、全体の問題数に対し正答率65%で合否を決め ておりますが、これについてどう考えるかという点です。さらに全体の正答率だけでは なくて、現行は4区分それぞれに対して一定割合以上、35%を求めておりますが、いわ ゆる各区分ごとの足切りについても項目として挙げております。さらに正答率とは別に、 正答しなければ不合格とする問題を出題することについてどう考えるか。これは全体の 正答率にかかわらず、ある問題について間違った場合は不合格とするといったやり方で すが、これを導入することについて議論するということであります。思いつく検討項目 は以上ですが、そのほか、先生方からありましたら、ご提示をしていただければと思い ます。説明は以上です。 ○井上座長 ありがとうございました。それでは、ただいまから意見交換に移ります。 本日は第1回目の検討会ですので、まずは新たな薬剤師国家試験をどのようなものにし ていくか、その検討方法を含めて、先ほど事務局から説明いただいた資料8「今後検討 する項目(案)」を活用しながら、フリーディスカッションということで、議論を進め ていきたいと思います。ただいまの事務局の説明に対しての質問でも構いませんので、 何か疑問な点がありましたら発言いただければと思います。なかなかフリーディスカッ ションといってもスタートは切りにくいと思いますので、例えば資料8の1の試験区分 及び試験問題数について辺りから始めてみて、途中でほかの所に飛んでも構いません。 とりあえずここから検討してみたらと思いますが、よろしいでしょうか。  最初に、「試験区分については現行区分を参考にしつつ」、これは微妙な発言だった とは思います。資料3を見ていただきますと、現在は基礎薬学が60、医療薬学が120、 衛生薬学が40、薬事関係法規・制度が20、総計240です。この区分は、現行区分を大幅 に変えなくてもいいのではないかというようなニュアンスを少し感じたのですが、新し い区分を加えるべきだとか、あるいはこの区分の問題数の割合などに関して発言をいた だければ幸いですが、いかがでしょうか。議論をしないと、そのままということにもな りかねませんが。 ○樋口委員 いま座長から、現行区分を参考にしながら、6年制薬学教育課程の分野を 振り分けるということですが、やはり薬学の教育制度が変わったわけですから、それな りに分野を考えたほうがいいのではないかという気がします。というのは、過去にも平 成6年に薬事関係法規、薬剤学から基礎薬学、医療薬学という分野に変えて、その後の 世の中の流れを見ていますと、そのようなものが何かベクトルをつくっているような気 がします。ですから、現在の新しい6年制教育に至ったものを結実させるためには、何 か名前を変えるなりの仕掛けがいるのではないかという気がします。 ○井上座長 いかがでしょうか。 ○森委員 私もそのとおりで、折角なので今回の薬学教育改革の趣旨を踏まえて、新た な国家試験を検討すべきだと思います。例えば、問題数にしても、いまの240問ありき ではなくて、6年制の教育がそれで確認できるのかという視点で、是非検討していただ きたいと思います。 ○市川委員 少し関連することで話題を広げてしまうかもしれませんが、この区分の問 題は6年制の基本的な教え方、モデル・コアカリキュラムの問題、そこに含まれている 分類の仕方を考えなければいけないと思います。それとは別の観点というのは、教養試 験との関係をどう捉えるかが、分類にも少し絡んでくるのではないかということです。 それは、試験の様式にも絡むかもしれませんが、実際問題として教養試験があって、そ れと同じ試験が本試験にあるというのは、何かおかしいような感じがします。あるいは、 それを再確認する意味での何かの様式がある、そうするとそこにおいて今おっしゃるよ うな新しい分類方法があってもいいという意見は成り立つかもしれません。全体の流れ のキーワードとしてはあまり違う言葉がそこに存在するのは、学生にも混乱が起きるの ではないかと考えます。 ○井上座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 ○赤池委員 少し細かい議論になってしまうのかもしれませんが。知識・技能・態度と いった試験の形式については、これからの議論になるのかもしれませんが、やはり、筆 記試験が主であるとすると、それも選択肢、いわゆる客観試験にならざるを得ないと思 いますので、なかなか評価は難しいと思います。ただ、医療従事者である薬剤師となる 方たちの資格試験になりますので、そういう意味では知識になってしまうのかもしれま せんが、やはり医療従事者となるべき心構えや態度を知っているぐらいのことは、評価 しないといけないと思います。そういう意味で、例えば一般教養でいいますと、モデル ・コアカリキュラムにあるヒューマニズムなどの内容を基礎の前段に、ある程度設問が 入ってくることが望ましいのではないかと思います。  もう1つは、折角6年制になって事前実習も含めると6カ月の病院・薬局実習が入っ たわけですから、そういったものに関わる試験問題、これは医療薬学などに入るのかも しれませんが、そういうものがカテゴリーとしてしっかりと出てくることが望ましいの ではないかと思います。そういった意味でもいろいろと意見が出ていましたが、全体と して基本は大きく変わらないとしても、やはりカテゴリーを1回見直して、しっかり考 える必要があるのではないかと思います。 ○井上座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。 ○白神委員 3の基礎領域と医療の実践領域に関する複合的な出題を行うことについて ですが、もしかすると試験科目を新たに設けなければいけないなという印象をもちまし た。 ○井上座長 いまの発言は、複合領域をジャンルとして、分野としてはまた別個に設け てはいかがかということですか。 ○白神委員 設けることも考慮しないといけないのかもしれないということです。 ○井上座長 現行の分野のままでは問題だという発言は多いかとは思うのですが、では どのように新しい分野を設定して、全体としてどのようにしていくかというのは、そう 簡単な話ではないような気がします。具体的には、白神委員は例えば複合問題の分野を 別にしてというようなことも考えられるのではないかという発言でした。そのほかに、 赤池委員は一般教養もありということでしょうか。 ○赤池委員 いわゆる一般問題といいますか、これは医師の国家試験にありますが、そ ういったような内容をどのぐらい入れるかは別にして、それも独立するのか、例えば基 礎薬学の一部に入れるのかという議論はあるかと思います。そういう問題がある程度あ ったほうがいいのではないかと思います。 ○井上座長 それと、実務実習を医療薬学の中に包含するのではなくて、切り離すこと もあり得るという発言だったと思います。その辺りも含めて、いかがでしょうか。 ○永井委員 私も、医療薬学を2つに分けたほうがいいのではないかと考えています。 1つは、必須問題と一般問題のような医師の国家試験で分けられているやり方が、ここ にも当てはまるのではないかと思います。医療薬学の中で、実際にここにあります保険 薬局・病院での実務実習の成果が問われるような問題には、先ほど白神委員がおっしゃ ったような複合的なものも入ってもいいという形と、もう1つは、必須の知識を問うこ とです。この2つに分けて、実地の問題と基礎の問題を別々に分けたほうがいいのでは ないかと思います。  それから、問題の数なのですが、2日間で240ということで、これはかなり多いよう な気もします。ただ、医師のほうを見ますと、確か3日間で500問だったと思うのです ね。ですから、受験生には少しかわいそうかもしれませんが、もう10題ぐらい増やして もいいのかなという気はしています。ただ、もし分野を増やすとすると、6年制になっ ていままで4年間でやってきたことと同じだけできるのかというと、期間が長くなった から試験の問題も多くなるということはないと思います。ただ、3日間にするのは、あ まり賛成ではありません。 ○井上座長 人数的に考えても、3日間というのはかなり現実的には難しいような気も しなくはないですが、いかがでしょうか。 ○薬事企画官 確かに、試験を実施するうえで、3日より2日のほうがいいということ になります。問題は国家試験ですので、その中で必ず全体を出さなければいけないかど うかは別だと思います。抑えておくべきポイントがどこかというところを出していくこ とからすると、必ずしも問題数とか3日やることが最優先されるのではなくて、現行で いう240問をどうするかという議論と相まって、その中でどういう問題で何を問うてい くかという中身をいろいろ議論してみたいと考えています。 ○井上座長 結果的に、それが2日間でどうしても収まらないということであれば、そ れは2日でなければならないということは、必ずしもないのではないでしょうか。それ とも、できることなら2日で抑える方向で、まずは考えたほうがいいとおっしゃってい るのでしょうか。 ○薬事企画官 まだ今日は1回目ですので、いろいろな意見を聞きたいと思います。問 題数が増えることというよりは、むしろ検討項目の2つ目の大きな柱で掲げたような問 題の出し方、あるいは技能や態度といったものを、どういう問題形式であれば問うてい けるのかを議論していきたいと思います。 ○平井委員 私が誤解しているのかよくわからないのですが、6年制が決まるか決まら ないかの頃に、共用試験の話も当然出ていました。基礎的なところは共用試験で評価し て、臨床に関わる能力を薬剤師の国家試験で評価するというような議論がどこかであっ たと思いますが、そういう話は決まったわけではないのですね。 ○井上座長 決まったわけではないと思います。私も聞いたことがあるような気がしま すが、誰かがそのようにするのだとおっしゃったわけではなくて、何となく半分噂のよ うな感じではなかったのかなと思います。 ○平井委員 何か書いてあるのを見たことがあるような気がするのですが、別にそうい う意見があってもいいのかなとは思います。 ○井上座長 それは、もちろんです。平井委員は、そういうことを考えてみてはとおっ しゃっているのですか。 ○平井委員 そう言い切ってしまっていいのかどうかわからないのですが、例えば複合 的な問題ということになりますと、やみくもに問題数を増やすわけにもいかないですし、 解答にも時間がかかるとなると、やはり問題数を絞らざるを得ないのかなと思います。 そうすると、いまのような比率で出していくことは、少し難しいかなと思います。 ○林委員 いまの話ですが、あれは確か薬剤師問題検討会で内山先生が言って、平井委 員はそれをお聞きになった印象だと思います。確かにあのときは、いわゆるCBT関係で、 やった問題とはダブらないほうがいいだろうという話合いは出てきたと思います。そう はいっても、そこで決まったわけではなくて、そこの1つの報告書に出ていたものを読 まれたのではないかと思います。  やはり、5年生、6年生の過ごし方は非常に大事で、医学部はかなり国家試験のこと を考えて縛られているという噂を聞きます。薬学の場合は、5年生のときに半年ぐらい 実務において拘束されて、帰ってきてまたすぐに国家試験では、卒論もできませんし、 いろいろなトラブルというか、6年制教育の狙いが満足できないだろうということを考 えると、国家試験をあまりに難しくするのは少し難点かとは思います。ただ、実務実習 でやったことは、そこで出題するのがいちばんいいだろうと思いますし、法令関係もCBT でやるとは思いますが、それ以上の問題は要求しなければいけないだろうということも、 そのときの話合いには出たと思います。そうすると、ますます難しくなってしまうかも しれません。少なくとも予備校漬けになることのないような国家試験を作ってほしいと いうことは、非常に印象に残っていますので、是非その辺りは検討いただきたいと思い ます。 ○山元委員 やはりCBT、いわゆるコンピュータ試験と国家試験は、きちんと棲み分け て議論することをベースに、私たちは試験の問題を作ったと思います。いまそういう議 論を持ち出されて、基礎領域はCBTで済んでいるからいいではないかということにする と、あの問題とは決して基礎を十分マスターできているとは、とても思えません。です から、CBTとはきちんと棲み分けていただきたいと思います。  それから複合問題ですが、具体的に例題を挙げろと言われると困るのですが、例えば 基礎をベースにして基礎薬学がきちんとわかっていないと、医療薬学的な解答ができな いような問題の作り方、あるいは患者なり病気を前提に例えば薬の構造式を推定する、 どのような薬物代謝を前提にどのような構造の薬物が創薬できるかという問題は、作れ ると思います。すごく難しいのはよくわかりますが。新しい複合領域を作るよりも、い まがいいかは別にして、いまのやり方の中でも問題の作り方だけでかなりいい複合的な 問題ができるかなと思います。 ○吉富委員 6カ月間実習に行くと、学生はいままでと違って患者や病気をメインに考 える方法を身につけてきてくれるはずなのです。ですから、やはりその段階での評価を することと、これが5年生の前半ぐらいで終わってそれからはまた別のことばかりする というのも少し変な話ですから、卒業するまでに各大学がどのような教育をするのかと いうことにも関与してくると思います。やはり、病気や患者を一定程度忘れずに継続的 に研鑽を積んだことが、国家試験に少し出てくるようになってほしいというのは、願望 として私たちの中にあります。  それから、コアカリキュラムは代表的な、ということの例示がありませんので、それ に対しての深い勉強は実習から帰ってきても、アドバンスでいろいろできると思います ので、ある程度目標として国家試験で提示されると、学生たちはよく勉強するのではな いかと思います。 ○樋口委員 確認なのですが、問題の解答時間は、いまは大体1問平均2分で解くよう になっていますよね。 ○総務課長 2分半です。 ○樋口委員 その辺りに、少しバリエーションをつけることはできないのでしょうか。 例えば、分野によっていま言ったような複合問題や一般教養を問うようなものです。CBT とはスタンスを置きますが、少し大変でもできるのでしょうか。 ○薬事企画官 全くできないとは思いません。あとは、区分を分けたうえで、それぞれ 時間配分も含めて、1問当たり何解答入れるかを固めて、区分として分けて独立してや るのか、あるいはいまの区分の中に何問入れるといった混ぜ合わせた形で、一定割合導 入するか、両方のやり方があると思います。 ○赤池委員 私も樋口委員と同じようなことだったのですが、やはり薬学で薬剤師を育 てる、特に6年制になってから4年制とは違ってこれだけ出たということが、最終的に 出てこないといけないと思います。そのためには、やはり薬剤師国家試験が非常に重要 な役割を果たしてくると思います。そうすると、現行と比べてある程度いろいろな意味 で、学生に負担をお願いしないといけないのではないかと思います。負担を増やすため にやるのではなくて、結果的にそうなっても仕方がないという意味です。やはり、そこ のところの基本はどうしても曲げられないのではないかと思います。  もう1つは、薬学という領域は、基礎といっても物理、化学、生物といったように非 常に広い範囲ですが、サイエンスを基にした医療薬学といった、ある意味では臨床応用 面を学んでくるわけです。ですから、そういった全体的なものを評価できるようなもの にする必要があると思います。それは、もちろんCBTで基礎を中心にかなり評価はされ ますが、比率をどのぐらいにするかはまた別問題だと思います。少なくとも、ベーシッ クな科学の部分を完全に切り離してしまって、臨床的なところだけを問う形は、もちろ ん問題のかなりの部分がそうなると思いますが、そういうところだけにいってしまうと 少し偏るのではないかと思います。そういう意味で、全体としては複合的な、総合的な 問題になるべきではないかと思います。  そういった場合に、いままでと同じような問題形式で同じ問題数では完全にパンクし ますし、1つはまさにいま樋口委員がおっしゃっていたことに繋がると思います。例え ば、基本的な知識を問うような問題については、解答に関わる時間数が少なくても解け るような形のものにして、更に複合的なものや臨床など、問題解決能力もしっかりと見 る必要がありますので、例えば長文問題がいくつか入るような形式のもので、少し時間 をかけて解いていただく、そこに計算も入ってくるのかもしれません。そういう意味で は、少しカテゴリーを分けて、本当に基本的な知識を問う問題から、問題解決能力まで 見るようなものまで、いくつかのカテゴリーでそれぞれ問題があって領域もそれに入っ てくることを考えると、いままでのカテゴリーをそのままというわけにはいきませんが、 延長的な形でよりよいものが作られていくのではないかと思います。 ○加賀谷委員 私は医療現場にいますが、今度6年制になって薬学のどこが変わったの かを、一般の人がもっと目に見えてわからないといけないと思います。いままでは、や はり授業も国家試験も薬学ありきでしたが、人間ありきが先に出ていないと、一般の人 には受け入れられない問題だと思います。まずは、生命倫理や死生観を問題の中に織り 込んで、しかもそれが目に見えるような形を標榜していただきたいと思います。是非検 討いただければと思います。 ○井上座長 いま加賀谷委員がおっしゃったようなことを、倫理やヒューマニズムにつ いてCBTの問題として出そうとすると、実に難しいと思います。つまり、正解が必ずし も明快ではないような気がします。その辺りを、具体的に問題として取り上げていくか は、よく考えていかなければいけないと思います。おっしゃることは、もっともだと思 います。 ○工藤委員 私は、CBTとも棲み分けていきたいとつくづく思います。違いは深さの問 題で、知っているか知らないかを聞くのが最初のほうで、最終的に実習が終わって帰っ てきて解釈問題解決のところをうまく聞いていくことだと思います。領域も、そもそも CBT試験は薬剤師国家試験とは何ら関係ないわけですので、そちらでやっているからと いう判断はいけないと思います。コアカリキュラムの領域は、すべてカバーしてほしい と思います。  問題についていま話題になっているのは、医学のほうで、要するにこの小説の中で尊 厳死ですか、高瀬舟を選ぶものですよね。あれを知っていても知らなくても関係ないで すよねと言いながら、医学部のほうはやはりそういう問題を出して、生命倫理について 教養のレベルについて問うもの、ですが、ここはいまの範疇では我々は出しようがない。 何か1つ作っていかなければ出せないという気は是非ほしいと思います。それが基礎薬 学の最後の云々なのか、あるいはもう1つ別個に医療薬学のところに押し込むのかわか らないのですが、そこについては必要ではないかという気がします。  残りのほかの部分について、いまの間口をあえて使おうと思うと、出そうと思って出 せない間口ではないという気はするのですが、見てくれをちょっと変えるという意味で、 名前を変えるのは必要かもしれない。加賀谷委員がおっしゃったように、こういうとこ ろも薬剤師国家試験には明らかに通っていますというのは、わかるようにしたほうがい い気がします。 ○須田委員 やはり6年制の教育は、5年・6年で現場で一生懸命実習してくるわけで すから、その実習に対して、いままでのCBTという、要するに準備段階とは違った確認 の試験という分野を作っていかなければいけないのではないか。それが社会に対して明 確に答える1つの道筋だと思います。ですから、分野としては分けていかなければなら ない。ただ、問題は作成する中で、いままでは正答を選ぶ形になっていましたが、先ほ ど座長がおっしゃったように、必ずしも正答が1つに絞れないような問題があってもい いのではないか。いろいろな解釈があって判定できる。ただし、こういうことは間違っ てはいけないという、絶対選んではいけないという部分も確認するような問題も必要で はないか。  それから、国家試験を我々が既に実践的な能力を持った薬剤師を出すのだという視点 で捉えるか、まだ実践的に活躍ができないけれども、基本的にこのレベルを超えればい いという形で社会に出すか。そこのところは社会がどう認めるか、ニーズがどのように なっているかということをきちんと評価しなければいけない。それで問題を作っていか なければいけないと思います。 ○井上座長 すぐ実践できるような薬剤師を大学がいきなり出さなけばいけないかどう かという辺りは、皆さんで当然議論があると思います。私は大学の使命としては準備の 段階とお考えの先生のほうが多いような気がしますが、1つの考え方として、いま先生 がおっしゃったようなこともちょっと考えていく必要はあるだろうとは思いますね。 ○望月委員 言葉が交錯してきて何だかわからなくなってきたのですが、区分という言 葉、領域という言葉、カテゴリーという言葉、それから分野という言葉で、今いろいろ な言い方が出てきているのです。最初に質問すればよかったのですが、質問する機会を 逸してしまったのですが、資料8の1の1つ目の○の「現行区分を参考にしつつ、6年 制薬学教育課程における各分野を振り分けること」、この「区分」と「分野」というの が何を指しているのか、もう1回確認をさせていただきたいと思うのですけれども。 ○薬事企画官 本来ご指摘いただく前に直さなければいけないと思いつつ、今の段階で 説明させていただきます。最初に、ここで使っている「試験区分」は、本来、出題基準 と突合させてみると適切でない表現かもしれません。むしろ出題基準で言うと「出題分 野」という言い方をしていますので、ここは「試験区分」というよりは「出題分野」と いうことで、現行で言うと4分野という意味で使うようにしたいと思います。ですので、 試験区分ではなくて出題分野と言った場合には、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学、法規 ・制度といった4つの分野を指すことになると思います。2行目にある「各分野」とい う言い方が、ここでは「教育課程における各分野」という言い方ですので、「分野」と いう言い方ではなくて、先ほど出た言葉で申し上げれば、「教育課程における領域」の ほうがいいのでしょうかね。教育の内容というか、まさにカリキュラムに出てくる各項 目という意味合いで、ここでは「各分野」と言ってしまっていますので、分野ではない 言葉という意味では、領域か、あるいは項目ということで言い換えたほうがいいと思い ました。 ○望月委員 その上で、先ほどからの議論の中で、いまおっしゃっていた現行の出題分 野が4分野にわたっているということで、基本的には大体各領域に収まっていくだろう というご意見が多かったように思うのです。いくつかのご意見では、統合型の部分です ね。基礎から臨床までの領域を合体させた領域については、先ほども出ていたように、 おそらく時間をかけてじっくり解くような問題が多くなるだろうと。そうすると、出題 領域によって1問当たりを解く時間を変えるのであれば、総合問題みたいなところは分 けた領域にしたほうがいいのかという感じが、先ほどからのご議論でしていました。  もう1点は、出題数の問題があります。出題数の問題は、各出題分野によってかなり バラエティが出てくるようなら、その必要な分野であまりにも分野の幅が広いために、 その中でのバランスが崩れてしまうような形だったら、先ほどから非常に重要だと出て きている倫理の部分、あるいはヒューマニズムの部分などは、別の形で取り分けて、き ちんと問題数が確保できるような形で整理をしたほうがいいのかもしれない、という感 じがしました。 ○白神委員 少し根本的な問題になって恐縮なのですが、薬剤師の国家試験は、受験資 格は薬学部卒業生に限定されていますね。そうすると、大学はこの人間は薬学の教育を 一応満たしたという人間を送り出して、それに対して行う国家試験と、例えばそうでは なくて、自由な受験資格があって行われる国家試験とは、おのずと違うのではないかと いう気がずっとしていたのです。いま先生方のご議論をお聞きしていると、大学での教 育はともかくとして、いわゆる普通の国家試験のご議論のような感じがしたのですが、 その辺りはどのようにお考えなのか、是非ほかの先生方のご意見をお伺いしたいと思っ たのですけれども。 ○井上座長 白神委員が薬学を、一般的な国家試験でないように位置づけるべきだとお っしゃっている内容ですが、例えば一般的なものは、どこがどう違うとおっしゃりたい のでしょうか。 ○白神委員 例えば一般的なものですと、最近は司法試験はちょっと変わってきたかも しれませんが、以前ですと司法試験、あるいは弁理士の試験にしてもそうだと思います。 要するに、自分で勉強される方も受験できるような試験と、薬学部が卒業させて大丈夫 だと言っている学生に対する試験は、違ってもいいのではないかという気がしています。 ○井上座長 それが具体的に例えば。 ○白神委員 ですから、基礎的なことを聞くような、基本的な知識を聞くのを、この段 階で求めるのが適当なのかという疑問なのです。むしろ複合的なとか、応用的な問題に 限定すべきなのではないかという。 ○井上座長 白神委員は大学を信ずると。 ○白神委員 そのつもりで送り出しております。今度第三者評価も始まります。そうす ると、その中でそういう評価も行われるわけですので、という感じがしております。で すから、司法試験が変わったのと同じように、やはり変わっていってもよろしいのかと いう気がするのです。 ○大野委員 基本的な考え方に戻りますと、質の高い医療人を目指している訳ですから、 医学部、歯学部の場合と同様に、医療の大学の卒業者に対する国家試験と考えるべきで す。ただ、薬学、薬剤師でありますから、医療の中で薬のプロであることを担保しなけ ればならない。そうなると、試験区分としての問題の形式ですが、今までのような基礎 薬学と医療薬学ではなく、国家試験そのものが医療の試験となるわけです。ですから、 具体的にいますと、くすりと体を合体させた国家試験と言うことを強く出すべきだと思 います。そうすると、分け方として、創薬も含めてくすりの分野と体の分野、それらが 最終的に合体した薬物治療ということになるのかな、と思います。それから、問題の出 し方として、最終的に患者を診ることを考えたときに、基礎的な問題も必要だと思うの ですが、プラスアルファで統合的な問題。その統合的な問題の中で、ヒューマニズムと か、健康な人の心情ではなくて不健康な患者の心情、最終的に服薬したあとのトラブル から含めて、患者1人を扱えるような、それこそ解決能力を問う問題も、時間がかかっ たとしてもやはり必要なのではないかと思います。  例えば医学部でやる順次連番のような、1つ問題を間違ったらもう全部アウトという のではなくて、一つひとつ独立した問題なのですが、必ずどこか1つ症例の問題がある。 質の高い医療人を出すことは不可能だと思うのです。やはり出たあとにその人が質の高 い医療人になれるような国家試験が理想ですが、そう思います。 ○森委員 ちょっと教えていただきたいのですが、いまだいぶ医学部の国家試験が変わ ったと聞いています。教養が出たり、CBと連携をとったりということなのですが、医師 の国家試験の中で、医師の適性を問うような問題は出されているのですか。 ○大野委員 私は最近はもう。 ○森委員 あとは例えば薬剤師の国家試験は薬剤師の適性を問う、もしかしたらヒュー マニズムのところで問うのかもしれないですが、その辺も考えていったほうがいいので はないかと思います。 ○井上座長 先ほどちらっと、医師の国家試験にはこの問題を間違えたらもうアウトと いう問題が出ると。そこはたぶん非常に倫理的な、こんな答えを間違えたら医師として 絶対的にどうだという感じで通っていると私は聞いておりますが、答えとしてそれでよ ろしいでしょうか。 ○薬事企画官 三浦課長も詳しいかもしれないのですが、私も改めて調べてみたいと思 います。いまわかる範囲で申し上げると、問題の出し方という意味で、ちょっと適切な 答えになっているかどうかわからないのですが、出題分野で言うと、薬剤師のように基 礎薬学とか医療薬学といった区分ではなくて、一般問題と臨床実地問題という言い方と、 必修問題と医学総論・各論、その4種類を組み合わせて出しているという切り口で整理 されているみたいでして、その中に禁忌肢選択問題、これはこの問題を間違えたら駄目 という問題が含まれています。そこはちょっと薬剤師とは違うのかと思います。今のと ころそのぐらいしかわからないのですが、また勉強しておきます。 ○望月委員 先ほどの基礎的な部分をどうするかのご議論の中で、ちょっと頭に入れて おいたほうがいいかと思ったのは、薬剤師という資格を持っていないとできない仕事の 中に、製薬企業でのいくつかの仕事があったように思うのですが、製造のところの責任 者ですね。あと、市販後のところのPMS的な部分の責任者、そういう部分もある程度は 意識した上で、国家試験の中で問題を問うていくという、その視点も残しておいたほう がいいのではないかと私は思います。 ○大野委員 望月委員のお話で、いま薬剤師と薬物治療という話で主に進んでいるので しょうけれども、どこの資料か忘れてしまいましたがチーム医療とか、これから治験の 問題、医薬安全の問題というところに関連する問題をどのように入れていくのかという ことも、やはり必要ではないのかと思います。 ○井上座長 それはどこに入れるのですか。分野として、別に作れとおっしゃっている わけではなくて。 ○大野委員 医療薬学とか臨床薬学関係に入るのではないかと思いますけれども。 ○大和田委員 確認しておきたいことが1つあるのですが、これは免許ですから、資格 試験ですよね。一応、薬剤師法で、調剤ですよね。自動車の運転免許を持っていると公 道を走れるのと同じように、この免許を持っていると専権的にできる。ですから、たぶ ん薬剤師としての必要な知識・技術などは、調剤あるいはその延長としての服薬指導な どを、きちんと遂行できる程度を問うという試験だと思います。例えば、いま大学が勝 手に基礎薬学、臨床薬学などということでカテゴリー分けしていますが、それは大学側 の教える都合で、これを試験する職能団体や厚労省のスタンスはすごく違うのだと思う のです。従来の4年制のときにはこの辺が非常に曖昧で、薬剤師のカテゴリーそのもの も結構曖昧だったのですが、今回6年制になったので、その点は非常に明確になって、 明らかに職能として認められている技能を発揮するための免許ということです。いろい ろお話を聞いていると、大学の都合によるカテゴリー分け、例えば前の国家試験のとき の日本薬局方などは分野から落ちましたが、それでどこへ行ったかと思ったら、基礎に 入っていると。どうしてあれが基礎薬学なのだということは非常に疑問で、それと同じ ような轍を今回繰り返さないほうがいいのではないかと思います。いまいろいろな話を 進めていますが、何か大学側の都合が優先しているような気がするのです。6年制にな ったのだから、そのこととリンクしてというような意見もありますが、やはり基本的に は職能団体とか管轄団体の厚労省の考え方が、いちばん大きなものだと思うのです。で すから、我々も議論するときには少しそういうスタンスで、たまたま私などは大学の関 係者として来ておりますが、例えば基礎の領域を出すとか、分野分けするなどといった ときの基礎は、薬剤師が調剤をしたり服薬指導をしたりするときに必要な基礎で、もっ と遡れば化学や物理や倫理もみんなそうですが、そういうスタンスがちょっと。言わず もがなのことで議論されているのかもしれませんが、出来上がったときにはやはりいま と同じように分野ごとにここの知識を問うという形になるのではないかということは、 ちょっと危惧していますけれども。 ○白神委員 厚労省のほうからお答えいただいたほうがよろしいかもしれないのです が、私に関連している分野なので申し上げます。薬剤師法の第1条で、「薬剤師の任務」 を規定しており、そこでは「調剤と医薬品販売、それを例示として薬事衛生に従事する」 と書いてありますので、いまの先生のご発言の調剤だけでいいというのは若干法律の求 めているところと違っているように思いますので、そこは念のため申し上げておきたい と思います。 ○井上座長 6年もかけて、問題解決能力のある薬剤師を養成するという観点からする と、これさえ知っていれば薬剤師として十分だろうというのも、ちょっと乱暴かと私は 思うのですけれども。 ○赤池委員 細かいことは別にして、私は大和田委員のおっしゃったことはやはりその とおりだろうと思います。ただ、6年制自体は社会の付託を受けて行って、別に大学が 勝手に行ったわけではないので、まさに薬剤師の職能をしっかりと教育して、世の中に 出すために6年制が始まったわけです。6年制が始まって、しっかりとした国家試験も 出口として作りましょうというのは、別に薬剤師の職能なり現場を無視して作ったわけ ではなくて、むしろそちらのニーズに応えるために出てきたものです。そういう意味で は、かけ声として、やはり6年制になったのだから、薬剤師国家試験もそれに見合った ものにしましょうというのは、別に大学の勝手で言っているものではないと。だから、 そういう意味で私たちは大和田委員が言おうとしていることと、たぶん同じようなこと を言っているのだろうと思いますが、ちょっとその見方が違うのかと思いましたので、 付け加えさせていただきます。 ○大野委員 結局、国が、大学がではなくて、臨床の現場で患者がいちばん欲している のは安全で有効な薬物治療であることは確かだと思うのです。そのときに臨床の現場で、 ちょっと言い過ぎかもしれませんが、あれだけの知識を持っている薬剤師の人が使われ ていないというか、活躍していないというか、活躍できていないというか、医療の世界 で有効に使わせてもらっていないところがある、そこが医療人として薬剤師にとってい ちばんの問題だと思うのです。患者が見たときに、薬剤師の人がなかなか見えてこない。 それはなぜかというと、我々の薬学の歴史なり教育の歴史なのかもしれませんが、患者 のところに出ていく、かつ医療の中でほかの医療人と一緒にやっていくときに、足りな いものを考えたときに、病気のこともありましょうし、患者の心理ということはあると 思うのです。健康人の心理と患者の心理は違うと思うので、それを実習でカバーすると いうことで、それは国民や患者が求めることに合致したことではないかと思います。 ○大和田委員 誤解を招いているようですので、ちょっと釈明させていただきます。別 に薬剤師が病気のことを知らなくていいとか、倫理がいけないなどと言っているのでは ない、それは絶対必要なことだと思うのですが、何に対して免許を出しているのだと聞 いているわけです。ですから、その出している免許、これをやっていいよと言っている ことに関して、そこをメインにしてきちんとした内容とか出題形式などを決めたほうが いいのではないかということ。例えば医師は、最近は予防のことも入っていますが、何 だかんだ言ったって、診断と治療のことをやっています。ですから、薬剤師も必ずしも 調剤と服薬指導だけとは思いませんで、当然、地域医療における予防などの問題も入っ てきます。ただ、免許はあくまでも調剤に対して与えていることは、やはり忘れてはい けない。だから、その周辺のことがいちばん重要になるのだと思うのです。薬剤師法を 改正しない限り、あるいは医療法を改正しない限りはですね。  先ほど座長がおっしゃったとおり、そんなに違ったことを言っているとは思っていな いのですが、知らない人が聞いていると、やはり大学の都合という感じに聞こえてしま うのです。ですから、私は医療薬学と予防、地域薬学か何か知りませんが、そのぐらい のことを問えばいいと思っているのです。その中にすべて必要な基礎的な知識とか倫理 感などを網羅すればいい、という発想です。 ○井上座長 それは皆さん、たぶんどなたもそうおっしゃっているのだと思うのです。 うまい具合に基礎的な科学もしっかり入っているしということであればいいのだと思う のですが、実際問題として、そういう問題を240題作れるかというと、現実的にはなか なか難しいので、やはりある分野のようなものをある程度は作っていかざるを得ないの ではないかとは思うのです。 ○市川委員 同じようなことになるかもしれませんが、やはりこれは基本的には薬剤師 の資質に対する試験ですね。そのときの基礎と応用という分類で、それを確かめると。 いま大和田委員がおっしゃったところとほぼ同じことになるのですが、基礎は何だろう ということになるかと思うのです。薬剤師の資質は何だろうということは、私の考えは 一貫したものであります。でも、非常に簡単な言い方をすれば、例えばそこで教科書な り辞典なりを調べなくても、その人がエビデンスベースで何か言えるという部分が基礎 であろうと。逆に言うと、応用はそこでさらに自分で調べて何かお答えをしてもいいし、 何かできるというところが応用的になると。非常に漠とした言い方なのですが、その基 礎になるものは、いわゆる基礎と医療という分類ではなくしてという表現のほうがむし ろ近いのかと。だから、言い方を換えると、基本的になるものというのか、そのような ものと、それを実際に薬剤師として統合的にものごとを判断していくときの見方という か学問体系と大きく2つに分けて、片方は基本的にはサイエンティフィックベースで、 ものはこれだけは知っていなければいけないと。それは絶えず生涯学習的に入れなけれ ばいけないのだろうけれども、そういう問題は当然いろいろな分野から出てくることだ と思うし、もちろんその中に法律も入るでしょう。いちばん最初に言葉がどうだという 表現がありましたが、いろいろなものが入っていくというような、ちょっといままでの 基礎と医療という大きな分類とはまた違う意味でのものがあってもいいのかと、いま議 論を聞きながら思っています。 ○工藤委員 ちょっと話題を変えて2つ申し上げます。1つは先ほどの白神委員のポイ ントなのですが、知識と技能と態度を確かめるということで、3の所にもあるのですが、 実地試験導入とか、技能・態度をどのように確認しようかということを考えたときに、 しっかりコアカリキュラムに沿った実務実習をやるわけですが、いかんせんいろいろな 施設でやる、いろいろな指導者がいるということで、実務実習の総括評価をどのように するかというところを、かなりしっかりみんなで議論をして統一するというか、あるレ ベルを確保する。これが非常に大切で、そうすると技能のある部分と態度のある部分は、 第三者評価を掛けて、一応それを通っていればいいではないかということで、お任せが できるのかという気がちょっとします。それは是非そのようにもっていかないと、実際 には無理だろうという気がします。そもそもこのペーパーテストで技能・態度のところ を問うと言って、態度については、先ほどから言っている教養科目みたいな形で取って いくしかないのか。技能は、昔の実地試験ができるかもしれない、あるいは連問式でい けるかもしれないけれども、いずれにしてもそうやってカバーしなければいけないかと いう気がする。  もう1点、また別の観点で、いまある我々がなじんできた出題基準というのは、大項 目、中項目、小項目、小項目の内容の例示という4層になっているのですが、キーワー ドが並んでいるこのやり方は、知識で、しかもかなり浅いところをいかにも連想させる 書き方になっていて、この中のどのようなところを問いたいとか、どういうところをわ かっているかを確認するのには、こういう書き方は限界があるのかという気がつくづく するのです。前文でそれを説くのか、あるいはそれぞれの小項目の内容の例示のところ にかなり具体的に書くのか知らないのですが、今回の作業ではそこまで配慮しないと、 結局、叢記を羅列して覚える試験になりかねないのではないかという気がつくづくしま す。この2点です。 ○井上座長 なかなか難しい。言うのは簡単ですが、実際にはなかなかというところを 感じるのですがいかがでしょうか。 ○山岡委員 先ほど言いかけたのは、ちょっと話を戻してしまうようなので申し訳ない のですが、いままでの国家試験をつらつら考えるに、国家試験が大学教育そのものを縛 ってきたような側面がすごくあるのです。医療人としての薬剤師を育てて、そのための 6年制教育で、その集大成としての薬剤師国家試験だと言われたときに、知識の部分を 重く問われてしまうと、教育がまた逆戻りするのではないか。折角実務実習をやったの にという、そこの部分が、学生としてはすごくやりきれない気がするのではないか。大 和田委員がおっしゃったそこの部分は、たぶん縦割にしてしまって、この科目を教えま すよというやり方にもっていってしまうと、何のための国家試験だったのかと考え直さ ないといけない。それは世間の人たちが、あるいは薬学部に入ってくる学生たちが求め ている薬剤師像とはすごくかけ離れたものなのではないか。もちろん、倫理の問題だと か、ヒューマニズムは大事で、それを試験することも大事なのですが、何を求められて いるかというところで、人のために役に立ちたいとか、あるいは医療の現場でうまく自 分を活かしたいという思いと、すごく離れたところにいってしまっているのではないか という気がするので、いまのままの区分だと何も変わらないのかという感じをすごく受 けたので、先ほどちょっと言いかけたのです。すみません。話を戻してしまいました。 ○赤池委員 山岡委員のご意見に反対するというわけではないのですが、いまのような 医療従事者としてのいろいろな動機とか心構えというところを国家試験で評価するの は、極めて難しいように思います。逆に言うと、先ほどどなたのご意見だったか忘れま したが、薬剤師国家試験は、薬学の出身者、卒業見込者しか受けることができないとい うのは、まさにそういったところを薬学の教育が保証しているから、薬剤師国家試験が 薬学の出身者のみに与えられているのではないでしょうか。  そうでなければ、逆に言うと、どこの大学の方でも学部の方でも、知識さえあれば受 けられることになりますので、むしろそこは大学教育でしっかり保証して、もちろん私 は知識だけの問題でいいとは言いません。ただ、逆に言うと、国家試験はもちろん実地 も全く不可能ではないのかもしれませんが、基本的にはペーパー試験で行わなければい けない。私も4年間出題委員をしてまいりましたが、出題基準ですから、いろいろなも のを見ながらでないと作れないところもあります。それは今回どういうものを作ったと しても、実際に作る現場ではそのようになりますので、そういう意味では基本的には知 識を聞いていくことに、どうしても落ちてしまうのです。逆に言うと、それはそれで仕 方がないし、ともかくそこは薬学部の教育が保証しないといけない。先生がおっしゃっ たようなところは問題かと思うのです。 ○山岡委員 すみません。ちょっと言葉が足りなかったかもしれないのですが、知識と 国家試験のあり方そのものがおかしいというのではなくて、例えば基礎ですよ、有機化 学ですよという縦割の科目で規定していくことに対して、また同じことを繰り返すので はないか。だから、皆さん方がおっしゃっているように、総合的にものを見る。特にこ れは言っていいかどうかわからないのですが、基礎分野をお持ちの方は、薬剤師に対し てあまり興味がなかったりすることもあるのですが、そうではなくて、やはり自分たち が育てているものは薬剤師につながるのだということを考えると、薬剤師業務なり、そ この部分につながるような出題というのか、関連させて出題することがすごく大事なの ではないかと思うのですけれどもね。 ○赤池委員 それは全くそのとおりだとは思います。ただ、あまりこういう席でプラク ティカルなことを言うのは良くないのかもしれませんが、複合問題は作るのが難しくて、 特にいちばん問題になるのは出題の内容、項目で、例えば薬物名とかいろいろな物質名 の重複が絶えず問題になってまいります。そうすると、例えば基礎にかかわるものを複 合問題でなるべく多く出すことは、おそらく理想だろうと思いますが、もしそれだけで 形成しようとした場合に、出題が非常に難しくなる、あるいは問題数が制限されてくる、 私はいろいろなことが出てくるとは思います。だからということで議論を進めるのは良 くないのかもしれませんが、もしそうなったら大変だろうという印象は持っていること だけ申し上げておきます。 ○井上座長 いかがでしょうか。大体、総合問題は大変良いというご意見は、もう皆さ ん異論はないのですが、現実論として、そういう問題だけで構成できるかという辺りは なかなか難しいということだとは思うのです。 ○吉富委員 いまの問題を言うのは変なのですが、いま4年生などは、大学の1年生に 学んだ教科書などを当然勉強しているのです。あれはあれで復習としていいのかもしれ ませんが、あれが6年生のときに同じようなことがまた起こって、それが本当に薬剤師 に必要かどうかではなくて、当然きれいごとなしに学生は国家試験に通らなければいけ ないから、それを勉強するときに学生にモチベーションを持たせるような、有意義だと いう感覚を持たせるような基礎の問題の出し方をしないと、6年前のことを覚えておき なさいというのは無理ですから、何かその辺の出し方は工夫していただかないと、折角 6年制になった意味がないだろうと思うのです。 ○井上座長 1年生のところの勉強をもう1回しろと言っているわけではなくて、1年生 のときの勉強が基になって、それがというはずなのだとは思うのですが、現実的にはな かなかそれがそうはいかないということだと思います。 ○平井委員 それに関して、例えば臨床の知識を問うときでも、生化学でβ-酸化という のを覚えるではないですか。そのときは試験に通ろうと思って、β-酸化のところを覚え ますよね。だけど、実際に臨床に行って、糖尿病の患者が糖尿病性昏睡になっているの は何でだと言ったら、β-酸化がそこへ出てくるわけですよ。そういう問い方でやるのが すごく大事だと思うので、β-酸化だけ国家試験に出すのは、あまりよろしくないのでは ないかと思うのです。 ○井上座長 赤池委員がおっしゃるように、実際にそういう問題を本当に作れる、我々 がそれだけ成熟して、総合問題に関してよほど。 ○平井委員 それは出題する大学の教員が勉強しなければいけないと思うのです。だか ら、その勉強を結局、学生にあれもこれもと要求してはいけないので、それは出す側が 十分にトレーニングを受けて、それに合致するものを出せるように、こちらが成熟して いくことが必要なのではないかと思います。 ○赤池委員 そういう意味では、極端なことを言うと、先ほどちょっと議論に出た基礎 とか臨床というカテゴリーが、もしかしたらおかしくて、いずれにしても薬剤師として 働く上で必要な知識として、当然そこには基礎的な知識も入ってくるわけですから、こ れだけ知っておいてくれというものについては、比較的短時間で解ける選択肢問題でも、 どれが正しいかなどという形の、いわゆるA問題とかK問題と言うのですか、医学部の 医師国家試験でも、そういった組合せではなくて、見て簡単に解けるような、解けると いうのはあまりいろいろ全体を見なくても、知識があればすぐに解けるような問題をあ る程度作って、それと当然ですが、いろいろと考えて解かなければいけない複合問題で すね。いろいろなレベルというか、範囲の知識を総合して解かないといけないもの。あ まりどちらかに偏るよりは、そういう長文形式の複合問題と、その両方が出されないと いけないのかと思います。どのぐらいの比率にするかなどいろいろ議論があるのかもし れませんが、少なくともその2つをうまく配分して国家試験問題を作れば、それを通っ た方は比較的役に立つ方が出ていくと思います。 ○望月委員 本当にお二人のおっしゃっていることはどちらももっともだと思って聞い ていました。先ほどの工藤委員の意見に戻るのですが、何をどこまで問うかというのが、 いまの出題基準だとよくわからないのです。ただ糖尿病と書かれていても、どこまでか も、どの範囲かもわからない。出題基準を作成するときに、CBTとの棲み分けも含めて、 きちんと深さ加減もある程度は推定ができるような出題基準を作ることが1つの方法と してはあるかと思いました。  もう1点は、統合型の問題というか、複合問題は、確かに私ももし作れと言われたら、 何問も作るのはとても難しいと思うのです。いまは一人ひとりの出題委員がそれぞれ別 々に作られていると思うのですが、そこを基礎の先生と医療系の先生が一緒に組んで作 るということも、作り方の上でのテクニックとしてはあってもいいのかとは思います。 試験問題ですので、秘密漏洩などいろいろ難しいところはあるかもしれないのですが、 工夫はできるのかと思いました。 ○林委員 平成16年ぐらいに改定されたときから、統合問題を実は出しておりますよ ね。先生方はあれを見てどう思われているのかも感想を言っていただければいいと思う のですが、私などはちょっと難しいかとはいつも思っています。予備校の解説書などを 読んでも非常に難しいと。しかし、6年制の時代になれば、あれが常識的に出るのだろ うと書いてあるのです。私はいま出題委員にいませんからよくわかりませんが、あれは 薬物治療の分野の先生方が中心になっていらっしゃるのでしょうか。 ○赤池委員 どこまでお話してよいのか。 ○林委員 差し障りのない範囲で。 ○薬事企画官 一応、分野で言うと医療薬学の範疇で出ているということで、そこまで でご勘弁ください。 ○林委員 わかりました。ただ、やはり想像するに一部分の先生方が集まっていらっし ゃるような気がして、いまの望月委員のお話のように、基礎と何とかの交流というのは ありませんので、これからはそういうのが必要かとは思いますね。もっと難しくなって しまうし、出題委員は相当勉強しないと堪えられないというか、誰もやりたがらなくな ってしまうとは思います。難しいところだと思います。 ○赤池委員 少なくとも複合問題は、いま非常に数が少ないですが、もしこれから多く するとすれば、変な言い方ですが、やはり複合問題係の方が当然出てきて、そこはチー ムとして基礎から臨床まで含めたいろいろな領域の先生で問題を作っていくということ をしないと、おそらく従来の対応では不可能だろうと思います。もしそういうのが採用 されれば、是非そういうことをお考えいただきたいと思います。 ○樋口委員 いまの複合問題等ですが、私自身の経験でいいですか。病院に行って実際 にやり始めると、無菌製剤とか製剤とかやり始めると、大学時代の有機の本やら物理化 学の本を読んでいましたので、作るのは難しくはないと思います。だから、医療現場の 人たちのところから出てきた疑義照会等を大学のほうに持ってきて、ちょっと頭の中の トレーニングをやるようなことをしたら、いろいろなヒントが出てくるのではないかと 思っています。だから、先ほどちょっとお話がありましたように、分かれて別々にやっ ていると駄目なので、何にしても医療現場ではいろいろありますね、それを大学の基礎 の先生のところに持っていくというか、無理矢理。そうしたら、あまり変なことで悩む よりは、答えはすぐ出てくるような気がします。これは私の印象です。 ○須田委員 従来の国家試験の出題問題は基礎が大事ということで、基礎系の先生を中 心にして、基礎の出題がされてきましたが、今度の6年制は、医療の現場でどのように 基礎が活かされているかを使いこなすトレーニングだと思うのです。問題を出す側がそ ういう立場から、基礎に向かって出題するパターンの問題を作っていけば、社会はだん だんそのように動いていくだろうと思うのです。実際にそれをどうやって作っていくか は非常に問題だと思うのですが、まず私も考えてみても1人では作れないと。2人なり3 人なりのチームで、いま赤池委員が言った総合問題を作るようなものを考えていかない と、いわゆる求められている薬剤師像には近付かないのではないかと。こんな形式も考 えていく必要があるのではないかと思いました。 ○木津委員 先ほど樋口委員と同じようなことを申し上げようと思ったのですが、実際 に私も医療現場にいて、本当に安全・安心な医療を薬剤師が提供するには、まだまだ知 識が足りないということを、つくづく医療現場にいる人間で思っていて、大学に移った ときに、やはりそれを教えていかなければいけないし、学ばせなければいけない中で、 あまり長い複合問題ではなくて、もう少し端的にピッとくっついたような形のもののイ メージなのです。いまは先ほど平井委員がおっしゃったように独立して出ているのでは なくて、こういうところで使われるこれはという、いまのいくつも聞くのではなくてと いうイメージで、現場に実習に行っていた学生は、「あっ、そういえば糖尿病の患者の ところではそういうことが大事だと教わったな」というぐらい。そういう複合というか、 組合せがあると学生も解いていても非常にあれですし、やはり私たち大学人も、もっと もっと勉強しなければいけない部分もありますし、現場の先生からもいろいろなことを お教えいただくことが多くなってくると思うのです。6年制になったときに、やはり国 家試験問題も変わってほしいというのが、希望として多くの方々が思っていることだと いう気がしました。 ○井上座長 臨床の医療現場の先生と基礎の先生が一緒になって問題を作るのは、アイ ディアとしては大変良いアイディアで、それができるといちばんいいのではないかと思 うのですが、例えば調剤薬局の森委員などから、医療現場の先生と大学の基礎の先生と が一緒になって問題を作ることがうまく機能するといいますか、何かいきそうな気はい かがでしょうか。病院だと何となく、いまいろいろな問題点が出ている。 ○森委員 最近、大学の先生方は薬局にも遊びに来たり、実習のお礼に来ていただける ようになりましたが、そういう意味では、臨床系の先生だけではなくて、どういう形か は別にして、基礎の先生も是非、現場に来ていただくのがいちばん最初ではないかと。 現場を知ってもらって、それからコミュニケーションを図りつつ一緒にやっていくとい うことかと思います。全然現場を知らないでというのは、やはり厳しいのではないかと。  それと、私どものころも確かに基礎と臨床のつながりを教えていただいたと思うので すが、正直言ってもうすっかり抜けて、抜けたのだか教えてもらえなかったのかわから ないのですが、それは確かにあったと思います。ただ、先ほど言ったβ-酸化もそうです が、TC概論にしても、卒業してからやはり現場でつながるのですよね。ですから、今回 の改革を含めると、その辺をうまく基礎の中でつなげた問題を出していただけるのが、 どうしても問題数240問、これはありきではないのですが、厳しい中で今回の教育を考 えると、医療薬学と実務実習の部分が2年間充実されています。それだけの2年間では ないのですが、その部分を是非評価をした国家試験にしていただきたいということを考 えると、何らか問題の出題の中で考えていただくか、問題を増やしていただくかになる と思いますので、そこは是非お願いしたいのと、まず連携をとるべきではないかと思い ます。 ○井上座長 必ずしも問題を増やさなくても、いま基礎のものをいままでよりはもうち ょっと先生方がおっしゃっているような方向に向けていくということでも、ある程度は 対応はつくのかもしれないとは思います。 ○平井委員 複合問題を作る際についてですが、薬局が患者といちばん近く、病院以上 に患者に近いので、病態などになると薬局の先生と一緒にやるところがいちばん良いの ではないかと思います。言うことを聞いて判断する、あるいは相互作用のことなどは本 当にそこでいちばん問題になる点だと思いますので、良いのではないかと思います。あ と、このように国家試験が変わらなければいけないのであれば、いままでどおりの国家 試験の出題委員の取扱いではなくて、もっと国家試験の出題委員の方の待遇を手厚くし て、問題作りの勉強もしなければいけないからそういうところのトレーニングが必要で すから、言ってはいけないのかもしれないのですが、大学でのデューティをちょっと軽 減してもらうなどといったことをしないと、これを考えたら全身全霊を込めてやらない と、こんな要求に応えられるような問題は出ないと思うので、その辺を考えていただく 必要があるのではないかと思いました。 ○井上座長 少なくとも直前ではなくて、相当の準備は必要だということではあるだろ うと思いますので、いま出題委員の研修といいますか、出題委員を育てるということも しないと、とても対応がつかない感じはしますね。 ○大和田委員 それで、先ほど申し上げたことに通じるのですが、特に基礎系の先生、 要するに学校の先生が一生懸命現場に行ってトレーニングしたって、はっきり言って知 れていますよね。その程度のものを実務の資格試験として出しているところがいまの問 題点だと思うのです。ですから、これはあくまでも資格試験で職能団体がカバーしてい るわけですから、職能団体の人が主たる出題の全部を出せと言っているわけではないの ですが、基になって、たぶん大学の教員は、そういうものを補完するとか、補佐するな どというシステムにしないと、先ほどから見ていると大学の先生がやるから大変だ、大 変だ、だから、どうしても簡単な方向に向かって進んでしまうという感じがあるので、 資格試験という観点からすると、実際やっている人が出題のメインにならないと、私は おかしいと思います。それで、ちょっとそのことをお話したのです。いまだって、いろ いろ実務の関係の先生が出ておられますが、やはり圧倒的に大学の先生のほうが多いで すから、その件を考慮していただきたい。 ○望月委員 いまの大和田委員のお話を聞いて、先生方が実務の実習をしたという部分 を、うまくこの出題の中に取り込むというところがだんだん見えてきたのですが、先ほ ど座長が薬局の先生方にも作問のところでかかわっていただけないだろうかと言ってお られました。やはり国家試験は大学で行った薬学の薬剤師教育を最終的なところで問う て、資格を出していくところですから、もしかしたら従来は、大学の中での教育なので、 大学の教員だけでチームを組んでいたかもしれないのですが、実務実習が大学の教育の 中に取り入れられたという形になれば、薬局の方、病院の先生などといった方もかかわ るという形は、説明はできる範囲かと私は思います。そういうところで、先ほどから大 勢の先生方から出ているチームで作問していくというところは、うまく実務実習を反映 した問題を作っていくことはできるのかと思ったのです。  それで、今日お話することでもなく、また後ほどもお話させていただきたかったので すが、一般用医薬品の販売制度の改正で、いま登録販売者の方の認定の作問のことなど で議論がされているのですが、その辺りのことはまだ大学の教員がとても弱くて、これ は本当に薬局の先生方にかかわっていただくべき部分ではあるかと思っていますので、 そういう仕組みを今後是非、検討していただけたらと思います。 ○井上座長 これはいくらやっても議論が尽きないのですが、今日全部取りまとめる必 要はありませんし、つもりとしては、先ほどの分野というのが、事務局からちょっとお 話があったかと思うのですが、ここにおられる先生方が中心になって、分野別に何をど のようにしていくかを検討することで、先行きは進めていきたいと考えてはいるのです。 今日は、分野はこういう分野にしましょうという話にもなりませんでしたので、それは 次回以降でいいと思うのです。大体、厚生労働省は当初としては、どの辺までにどのぐ らいのつもりでまとめていくことをお考えなのでしょうか。 ○薬事企画官 本日は各先生方に、こちらが考えている今後の国家試験はどのようにし ていくかということに関して、いろいろご意見をお持ちかと思っていたので、まずは思 うところを語っていただいたということでいいのだと思います。作業的なスケジュール を実務的に申し上げると、この検討会は1年ぐらいかかるだろうとは思っております。 一方で、これまでの改定の際もそうですが、出題基準であれば、検討していくその場限 りではなくて、メンバーにはなられていないほかの先生方も当然いろいろなご意見があ ると思いますので、そちらは私どものほうでできるだけ十分説明をし、場合によっては 意見をお聞きする時間も必要かと思っております。したがって、検討会の進め方という 意味では、年内はきついかもしれませんが、年度内ぐらいまでにドラフトまで辿り着く。 そのあと、そのドラフトを基に、こちらのほうがいろいろな形で周知をし、意見を聞い ていく時間をとりたいと思いますので、それらを含めて1年間ぐらいで何とかなればと 考えております。その辺の作業を進める意味で、年内あるいは年度内ということであれ ばはあまり時間がありませんので、出題基準の策定に関する作業は、できるだけ早急に スタートさせたいとは思っております。併せて、問題の出し方についてもこちらは非常 に関心を持っておりますので、またいろいろアイディアをお持ち寄りいただいて、議論 を深めていきたいとも思っております。 ○井上座長 そうすると、ともかく先に進まないといけませんので、次回はいまの分野 に関してどうしていくかということについて、もし出せるものだったら、ある程度の線 を出してみたいと思います。それから、出題基準に関する具体的な作業方法に踏み込ん でいきたいということで、アドバンストスキームみたいなものもありかもしれないので すが、出題方法についても、できるだけこういう方法がいいのではないかと、新しい方 法も含めたアイディアを是非先生方からいただきたいと思います。その辺のところを各 自の委員でお考えいただいて、それを宿題にさせていただきたいと思います。是非ご発 言したいということがありましたらお願いします。事務局のほうから、何か連絡事項は ありますか。 ○薬事企画官 いま座長からも述べられましたが、重複しても構いませんので、結構難 しい注文かもしれませんが、知識のみならず、技能・態度をどうやって確認していくか という問題の出し方について、アイディアをお持ち寄りいただけると非常に助かると思 っております。その辺りを中心に議論をさせていただき、さらには出題基準に関して、 領域という言い方が良いのか、項目という言い方が良いのかわかりませんが、それぞれ カリキュラムも参考にしながら、割り振りといいますか、分担する部分は分担するとい う作業方針も、引き続き議論していけたらと思っています。その中で、最終的に問題数 や区分が現行のまま使えるのか、無理があるのかといったところも見えてくるのではな いかと思いますので、そういった作業も同時並行で進められたらと思っています。  次回の予定ですが、今日ご議論いただいたことについてどこまでまとめられるかわか りませんが、7月13日(金)1時からを予定しております。場所を含めて、あらためて 事務連絡でご案内いたします。 ○井上座長 大体2時間ですか。2時間では足りないから、もっと長くということはあ り得るのでしょうか。 ○薬事企画官 一応、会議であれば通常2時間ということで予定をしていますが、そこ も案内の中で、改めて最終的にご案内したいと思います。 ○井上座長 それでは、本日はこれで終わりにさせていただきます。どうもありがとう ございました。 連絡先: 医薬食品局 総務課 薬剤業務指導官 長谷川(内線2710)