07/06/13 平成19年6月13日慢性期入院評価分科会議事録 07/06/13 診療報酬調査専門組織        平成19年度第2回慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 (1)日時:平成19年6月13日(水)15:30〜17:30 (2)場所:厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 池上直己池上分科会長 高木安雄分科会長代理 天本宏委員        泉キヨ子委員 猪口雄二委員 大塚宣夫委員 木下毅委員         椎名正樹委員        <事務局> 医療課長 保険医療企画調査室長 企画官  他 (4)議題  平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について (5)議事内容 ○池上分科会長  ただいまより、平成19年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価 調査分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出席状況につきましては、近藤委員より御欠席との連絡を受けております。 また、高木委員より少しおくれる旨の連絡を受けております。  早速、資料の確認を事務局よりお願いします。 ○森光補佐  資料の確認をさせていただきます。資料、大変多いので恐縮でございますが、出してい ただきまして、まず資料ということで1から5までございます。  議事次第、委員名簿の下に資料1〜5ということで、まず資料1。前回分科会資料の訂 正項目について、が資料1でございます。  資料2が、前回分科会での集計に関する要望事項について、というものになっておりま す。  資料3が、先生方から意見をいただきましたものをまとめました、「医療療養病棟の役割 等」についての意見取りまとめ、というものでございます。  資料4が、QIによる質の評価、という資料でございます。  資料5が、平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査報告書(案)になっ ております。  それから下にまた資料が続いておりますが、それぞれの資料番号が右肩についてお ります。その右肩の上に、差しかえであれば、前回資料の差しかえということで「差替え  19.6.13版」というような形で札を打っております。また、追加でありましたら、「追加」とい うような形で打っております。  それを1つ説明しておきますと、別紙2が次に続いておりまして、「差替え 19.6.13版」 でございます。  続きまして、「追加」で別紙3参考資料1、また別紙3参考資料2というのが追加でござ います。  それから「差替え」で、別紙6−1(全病院)というのがあるかと思います。  それから「差替え」でございますが、19.6.13版、別紙6−2(共通病院)というのがある かと思います。  それから「差替え」で19.6.13版、別紙6参考資料1があるかと思います。  それから「追加」で別紙6参考資料2、続いて別紙6参考資料2というのがあるかと思い ます。  それから「差替え」で別紙7でございます。  続きましてまた「差替え」で別紙11でございます。  それから「追加」で別紙11参考資料1、別紙11参考資料2ということで、資料の全体で ございます。何か足りないものがございましたら。よろしいでしょうか。資料の確認は以上 でございます。 ○池上分科会長  では、お手元の資料は非常に錯綜しておりますけれども、これは適宜御参照いただく としまして、資料については、ございますでしょうか。  早速、かいつまんで御説明をお願いいたします。 ○森光補佐  そうしましたら、きょう、特に議論の題材になります資料につきまして御説明をさせて いただきます。資料の1から5、それから参考資料を一部使いまして御説明をさせてい ただきたいと思います。  まず、最初でございますが、資料5の報告書(案)というものを見ていただければと思 います。  済みません、先に訂正をさせていただきます。資料1でございますが、前回、5月30 日資料の訂正項目についてということで、いろいろ御指摘のあったものを直しておるの ですが、1点、1ページ目に「別紙6−1:タイムスタディ調査集計結果(全病院比較)」 というところで、訂正内容のところがございますが、ここに平成16年度の職種別人件費 及び相対値の数値訂正というのがあるかと思います。これ、16年度だけが変わってい るかのように矢印がついておりますが、18年度も数字が修正されております。下に書 いてありますように、※が打ってありますように、職種別人件費の算定に関しては、一 般病院を有していない病院、平成18年度は25病院、平成16年度は35病院のデータ をもとに、この数値を出しております。ですので、ここについて、これは全体にかかわる 部分でございますね、おわびをしまして訂正させていただきたいと思います。  同じように、3ページ目のところに「別紙6−2:タイムスタディ調査」というところ でございますけれども、これも同様の修正でございます。  それから6ページ目にも同じ表がついております。これも、コスト調査の方にもこの図 表が使われておりますので、これも16年、18年ともに職種別人件費の数字が変わって おりますので、見ていただければというふうに思っております。資料1については以上 でございます。よろしいでしょうか。  そうしましたら、全体の方の説明ということでございまして、資料5の報告書(案)に基 づいて説明させていただきます。1ページ目をめくっていただきまして、目次を見てい ただければと思います。目次。「1.調査の目的」、「2.調査の対象・調査方法」、それ から「3.調査結果」、そして「4.調査結果に基づく検討」、「5.今後の課題」というふう に目次がついております。そのうち、1、2、3の部分につきましては、基本的に中間報 告をベースに記載を入れてございます。変わったところは少し簡単に御説明させてい ただきますが、基本的には中間報告と最終報告との間で変わりました表の差しかえを 入れたというのが大きな修正でございます。  それでは、中身について簡単に説明をさせていただきます。「調査の目的」、それか ら「調査対象・調査方法」につきましては、中間報告と同一でございます。2ページ目 から、下の2と書いてあるところでございますが、「3.調査結果」というところでございま す。 これは図表を差しかえてございます。さらに図表3、それから図表5ということで、これ は中間報告では同じ、平成17年度と比較可能な病院のみのデータでしたが、今回、 全病院のデータを挿入させていただいております。これが変わったところでございます。  次に4ページ目でございますが、「患者1人1日当たりのケア時間の状況」というもの でございます。これも、図表を中間報告と最終報告で差しかえをさせていただいてお ります。加えまして、5ページ目の上の方になりますが、医療療養病棟における患者 分類別医療処置時間、これを新しく挿入させていただいております。それに当たって、 その図表の上に3行ほど、医療処置にかかる時間についても、医療区分、ADL区分 とも、1、2、3の区分の順にケア時間が長くなっていたという文章の記載を入れさせて いただいております。  それから(3)でございます。「患者1人1日当たり費用、収入の状況」ということでござ いまして、これは費用の内容が中間報告と変わっておりますので、それを挿入しまし て、あわせて文章中の数値につきましても差しかえをさせていただいております。次 のページでございますが、bですが、患者1人1日当たり収入でございます。これは、 最終報告の方で新たに出てきました図表でございますので、その表を挿入すると同 時に4行ほど、69病院における患者1人1日当たり収入はレセプト請求金額から算 定すると1万8,453円ということで、文章を記載をさせていただいております。  それから7ページでございます。これは、患者分類ごとの患者1人1日当たりの費 用の状況ということでございます。これは前回、費用差最大の場合ということと費用 差最小の場合ということで、少し形の違う図表で資料11に記載をさせていただきま したが、それを医療区分ごと、それからADL区分ごとに数値を入れ直した形の表 をそこに、図表12−1、図表12−2という形で挿入をさせていただいております。こ れに伴いまして上の費用の文章の方も、費用差の最小の場合で4,842円、費用差 最大の場合で8,310円の差があるというような記載を入れさせていただいております。  次のページは、8ページの方は再掲ですが、その上の図表12−1と2のそれぞれ の数値の間がいわゆる本来の費用の値だろうということで、図表12−3に費用差最 小と最大というのをあわせた数値が入っておる表を掲載させていただいております。  続きまして9ページ、職員配置の状況でございます。9ページは図表の差しかえの みです。10ページには、図表14ということで職種別のケア時間の表を挿入させてい ただいております。  それから10ページの下、「(6)患者及び施設の介護への移行の状況」。入退院患 者の状況でございますが、これは図表の差しかえのみでございます。11ページも同 じです。図表の差しかえと、図表に基づく%、数字の差しかえをさせていただいて おります。それから13ページ、「療養病床の転換意向」という部分でございますが、 これは中間報告のときにはなかった項目でございますが、今回、図表19ということで、 最終報告の中から抜粋して表を入れさせていただいております。上に3行ほど、そ の図表の説明を入れさせていただいております。  それから14ページには、「患者分類に対する病院長の評価」ということでございま す。これは図表の差しかえのみをさせていただいておりまして、文章的には全く変わ ってございません。  ページをめくっていただきまして17ページ、「医療の質の変化の状況」ということで ございます。これはQIについての内容でございます。これについては、お手元にあ ります資料4、「医療療養病棟におけるケアの質の評価」という資料を見ていただけ ればと思います。これを簡潔にまとめて、記載と図表を入れさせていただいておりま す。前回、医療の質について、できるだけのところを出して御議論をいただきたいと いうことでございましたので、資料4ということでまとめさせていただいております。QI について、17年度と18年度で共通の病院、41病院を対象といたしまして、そのQIを はかっております。  そもそもQI自体は、同じ病院、同じ患者さんで比較をする。またそういう指標でご ざいますが、今回、患者さんが同じ患者さんというのはちょっと取れないということで、 同じ病院で全体として包括評価導入前後の質の変化を見ることが目的であるので、 全体の平均という形で提示をさせていただいております。今回、患者特性調査では、 1回のアセスメントデータしか存在しませんので、アウトカム評価についてはADLの 変化のみのQIに限られております。実際、また提示してありますプロセスの評価に つきましては、患者特性による補正が不十分で、またデータ数が限られているという 条件でございます。ただ、17年度調査と平成18年度の共通病院における病院単位 でのQIを比較することで、大まかなケアの質の変化というのをとらえることができたの ではないかというふうに考えております。  次に、めくっていただきまして3ページ目でございますけれども、母数の、QIの算 出結果というところで、2段落目を見ていただきますと、分母の患者数については、 年度間で大きな差が見られましたのは、「褥瘡のローリスク」と「ADLの低下(1)」及 び「ADLの低下(2)」でございます。これらの分母の患者数が減少しているということ は、除外されます褥瘡ハイリスク、昏睡、末期、緩和ケアの患者数が、平成17年度 に比べて18年度では増加しているということを意味しております。これは医療療養 病床に以前よりも重たい患者さんが入院されているということの傍証になるのでは ないかというふうに考えてございます。  次のページでございますが、これでQIの変化を、図表4でまとめてございますが、 17年と18年のQIの平均値を比較いたしますと、図表4で示しておりますとおり、痛み、 それから身体拘束の値についてはやや低下をしておりますが、その他の項目につ いてはすべて高くなっております。高い方がよくないということですが、ただ、高くは なっておるのですが、アセスメントのデータのリスク調整、補正が不十分であるために、 これらのQIの値が高くなったのは必ずしもケアの質の低下によるものであるというふ うに即断はできないというふうに考えております。今後、安定したQIの指標を算出す るためには、入院時から継続的にアセスメントを行ってデータベースを構築していく というようなことで、QIをしっかりはかっていく必要があるだろうということで、資料4、 できる限りの質の評価についてのデータをお出しさせていただきました。これを報告 書の17ページの方に簡潔にまとめて入れさせていただいております。ここについて は以上です。  次、報告書の方に戻りまして18ページ、19ページにつきましては、表の差しかえを させていただいております。中間報告と違うところは、表の差しかえと、それに伴う数 値の差しかえだけでございます。  4でございますが、「調査結果に基づく検討」というところでございます。これにつき ましては前回、分科会として医療区分、ADL区分の妥当性の検証を行うに当たって は、そもそも医療療養病棟の役割についてまず明確にする必要があるだろうと御意 見がありました。それについて、まず記載をさせていただきます。また(1)、「医療療 養病棟の役割(すみません、「医」が抜けております。「医」を足していただければと 思います)」については、まず介護施設における医療のあり方について明確になって いる必要があると。ただ、これが検討中でありますので、現時点での介護施設に関 する検討状況を踏まえた上での考察となっているという前提を少し書かせていただ いております。  「(1)病院長の意見」でございますが、病院長のアンケート調査結果からは、(1)急性 期一般病棟での治療後の受け皿、(2)経口摂取が困難な患者、(3)在宅や介護保険 施設の利用が一時的に困難になった際の受け皿、(4)終末期のケア、(5)意識障害を 有する患者の受け皿を挙げる意見が多数であったということで、これはアンケート調 査の中から多いものをここに記載をさせていただいています。  「分科会としての意見」ということで、本日、この内容について議論をいただきたい というふうに思っております。議論の題材といたしまして、先生方から意見をいただ いたものが、資料3の方を見ていただきたいと思いますが……。 ○池上分科会長  慢−3という。 ○森光補佐  慢−3です。診調組 慢−3と書いてある資料でございます。「医療療養病床の役 割等」についての意見取りまとめ、という資料でございます。病院長の意見とほぼ類 似するところもございますが、特にそれぞれの、No.1、2、3、4、5、6と6人の方から いただいておりますが、勝手ではございますが、ここが特に主旨ではないかと思われ るところに下線を引かせていただいております。二重線を引いておるところがあるかと 思います。これは特に急性期病院の後方支援ですとか、急性期後の患者の受け入 れといったところの文章については、これはもうどの先生方も恐らくほぼ同じことを記 載をされておりますので、そこについては異議ないだろうということもありまして、二重 線で書かせていただいております。  No.1の御意見からいただきますと、医療処置を行うから医療度が高いというよりも、 状態像から医療度の高さを判断することが適切だろうということで、対象患者として、 例えば急性期の治療後、神経難病、終末期の患者、経口摂取が困難な者、重度の 認知症障害、それから継続的なリハビリテーション、在宅療養支援機能といったもの が挙げられております。また、最後のところに線を引いてありますが、認知症患者を 診る役割ということで記載があります。  それから2番目の御意見ですが、経管栄養の状態は現行の介護施設の人員配置 からして受け入れ困難であり医療療養病床で対応すべきというような御意見。それ から2番目に、高齢者の状態像に視点を置いた医療区分を検討すべきであるという 御意見をいただいております。  それから3番目に、療養病床にいる医療区分の高い患者に対して、生活主体とし た安全・安心の医療提供体制を備えることが求められるのではないかということで、 その例示といたしまして、疾患の悪化、合併症や廃用症候群の予防、次のページ へ行っていただいてターミナルケアといった視点から、人間らしい尊厳を重視し、あ くまでケアを主体とした生活に主眼を置くべきであるという意見をいただいております。 例示として、下に下線を引いた部分があるかと思います。  それから4番でございます。4番の御意見としまして、役割としては、入院を要する 個々の高齢者の状態にふさわしい医療の提供を導き出す方向が望まれるということ で、(1)高齢者の終末期医療、(2)神経難病、それから(3)感染症について、それ から(4)経管栄養の状態といったことについて例示が挙がっております。  5番目の御意見ですが、これには急性期治療後の患者の受け入れということが期 待をされているということでございます。この御意見についても、医療療養病床と介 護施設の機能分化が必要であろうということ、また次に一般病棟においてもよく検討 していく必要があるという御意見をいただいております。  6番目でございますが、医療療養病床の役割について、下線を引いておりますと おり、誤嚥性肺炎の要介護者はどうするのか。それから、急性期病床を経て在宅へ 戻るのかといったこと。それから、脳卒中は回復期リハを経て戻るのか、療養病床を 経るのか、といった御意見をいただいてございます。  これらを議論いただいて、ここの分科会としての意見というところに意見をいただけ ればというふうに思っております。  続いて、報告書の方に戻りまして21ページでございます。医療区分、ADL区分、 認知機能障害加算の妥当性ということでございます。(1)概括的評価というところでご ざいますが、これは中間報告でまとめられた文章をそのままここに記載をさせていた だいております。本日、これから議論の中身に入っていくものについては、(2)医療 区分に関する個別項目の検討ということで、ずらっとそこに検討の項目を挙げさせ ていただいております。  そして、23ページのところですが、分科会としての検討ということで、ここはちょっと 訂正させていただきますが、cではなくてこれはbになりますが、医療区分の検討の 例示案ということで、経管栄養、胃瘻についてということで、前回検討しました内容 をそこに記載をさせていただいております。これと似たような形で、きょうの検討結果 を受けて、そこの括弧の中に記載をしていく。スペースは小さいのですが、当然これ、 埋めていくということでイメージを取っていただければと思います。  これの検討に当たりましては、資料11、一番下についております別紙11参考資料 2をもとに御検討いただければと思っております。これは、見ていただきますと、資料 の見方ということで、まず2ページ目を開いて見ていただきますと、医療区分の評価 項目として検討すべき項目、それが1、2、3、4、5、6ということで、それぞれ欄に記 載があるかと思います。これは、前回の資料11で示しましたとおり、ケア時間もしくは 費用といった視点で平均のものよりも非常に長くかかっているとか、非常に費用がか かっているといった項目につきまして、ピックアップをしております。それが、それぞ れ記載になっております。  ですから、1は医療区分3に相当するのではないかと、それぐらい時間と費用がか かっているということで前回挙げられたものが、1−1から1−12まで挙がっております。  また、2の方は医療区分2に値するのではないかと。これは今、評価されていなくて、 という前提です。今、評価される項目ではなくて、新たに医療区分2の評価項目とし て検討すべきではないかというのが、2−1から2−22まで挙がっております。  それから3ですが、これは医療区分2から3に変更するぐらい重たい、長くかかって いるとか費用がかかっているのではないかということで、3−1から3−2と挙がってお ります。  一方、4、5、6は、これは逆に現在、評価項目でありますが、なくす、もしくは評価 項目の区分を落とすという必要があるのではないかということで挙がっているもので ございます。4は、医療区分3から医療区分2の評価項目に変更する必要があるの ではないか。5は、医療区分2の評価項目から除くべきではないか。また6は、医療 区分3の評価項目から除くべきものではないかということで挙がっている項目でござ います。  これらを検討していただくことになります。  もう1枚めくっていただきますと、表の見方を簡単に御説明をさせていただきます。 4ページ目でございますが、そこに一覧表がございます。新たに医療区分3の評価 項目とするものということで出されておりますが、左から番号1−1ということで、これ は前のそれぞれの一覧表に1−1から1−12というふうに整理されておりましたが、 それに該当する調査項目がその2つ目の欄に入っております。  そして、現在、評価項目としては評価されておりませんので、ここは空欄になって おります。それぞれのその項目がチェックされた患者数というのが、その次の欄に 入っております。そして、そのチェックされた患者さんに対するケア時間がそこに記 載をされておりますし、その次の欄、平均ケア時間比というのは、全体の平均を1と したときにどれぐらい長くかかっているか、もしくはどれぐらい短くなっているかという のが、その欄に書いてあります。そして、ケア時間評価ということで書いてありまして、 (2)とか(3)と書いてありますのは、時間数では113.1分より長いものは(2)、153.2分より 長いのは(3)というふうに記載されております。これはそれぞれ、例えば評価項目2に 該当するのではないかという長さ、それから評価項目3に該当するのではないかとい う長さが、(3)、(2)というふうに記載をしております。  その次が、1日の費用でございます。それも、それぞれのグループごとに平均値が 出されています。これが全体平均に対してどれぐらいの比率になるのかというのが、 平均費用比ということで出ております。またその隣、1日費用評価というのはそれぞれ、 先ほど言いましたように費用の面から見たときに(2)、評価項目2に該当するのではな いかという値、それから(3)というのは、(3)という項目に値するのではないかということで (3)の記載が入っております。  その次のところでございますが、これは現行医療区分との関係ということで見ており ます。それぞれ、調査項目にチェックがありますが、これは重複しておる患者さんも含 まれております。ですので、この表で見ていただきますと、まず全くほかの評価項目で 該当しない患者さんでこの項目がつけられている。要するに医療区分1に該当してい る患者さんで、この調査項目にチェックのある人だけを抜き出したものがそこに、まず その欄に入っております。その患者さんの数がその欄に入っておりまして、割合がど れぐらいなのか。また、ケア時間、その方々だけでの平均のケア時間は何分なのかと。 それが全体の平均に対して、まさにその医療区分1に該当する人の平均で見たとき に、医療区分2に値する時間になっている場合は上向きの矢印が1つ、医療区分3 に値する時間、長くなっているのは矢印が2つ、上向きについております。  費用も同様でございます。  そして、その次の欄からは、重複チェックされている患者さんで、もうすでに医療区 分2とか3に該当されていて、そちらで救われているというのは変ですけれども、され ている患者さんだけを抜き出して集計したものでございまして、患者数、患者数の割 合、ケア時間、1日費用というのが記載をされております。  ということで、基本的にここで議論になった調査項目で、これは医療区分2に入れ るべきではないかという議論は、その項目で評価することにより、基本的には今現在、 医療区分1にある方を医療区分2に上げるべきでないかという議論になりますので、 ですので、その真ん中の欄にありますとおり、他の医療区分1だけに該当する人を 抜き出して、全体との比率を見たということで、そこでさらに矢印が上向きについて いるか、ついていないか、ということで御議論をいただくことになるかと思います。  そうしますと、例えば医療区分3の評価項目としてどうかということで挙がった項目 でございますが、その他の評価項目でも該当しない患者さんの欄のところを見てい ただきますと、今、医療区分1に該当していて、さらに矢印が上向きについていると いうものは、「医師の提供頻度」の部分でのところですとか、「医師毎日以上、看護 24時間観察」といったところ、そして下の方を見ていただきますと、「個室管理」、「 余命6カ月以下」、そして下の方は「注射・点滴が7日以上」、「抗生剤の注射」とい ったところが、矢印が上がついておるというところでございます。  そして次に、下の5ページ目でございますが、これは同様に見ていただければと 思いますが、新たに医療区分2の評価項目として候補に挙がってきておるものです が、同様に見ていただきますと、矢印が真ん中の中段の欄のところについておりま すのは「末梢静脈栄養」のみということになっております。よろしいでしょうか。  その次を見ていただきますと、医療区分2から医療区分3に変更をするものという ことで見ていただきますと、これは引き上げる項目でございますが、これの真ん中の ところの欄を見ていただきますと、他の評価項目に該当しない患者、評価項目間の 重複がないという患者だけを見ましたところ、これについては矢印が上についてい ないということでございます。  その下の方を見ていただきますと、今度は評価項目、医療区分3から2の評価項 目に変更するといったことですが、これはまた、真ん中の欄は他の評価項目に該当 しない患者さんですが、その端の欄は、今度は他の医療区分3の評価項目に該当 する患者が記載されております。それを見ていただきますと、今度は下向きに矢印 がついております。 今、医療区分3なのですが、医療区分2の程度の評価項目でないかというのが、こ の矢印になっておるところでございます。  同じように7ページ目を見ていただきますと、今度は医療区分2の評価項目から除 く候補として挙がっているものでございます。「うつ」ですとか、パーキンソン等の「難 病」、そして「脱水」、「嘔吐」というところでございますが、現行医療区分との関係と いうことで見ていただきますと、中ほどの欄のところでございますが、全部に下向きの 矢印がついております。それから一番下の欄ですが、医療区分3の評価項目から 除くものということで「ドレーン法」が挙げられております。これにつきましては、真ん 中の欄を見ていただきますと、他の項目に該当しない患者の数が1名で、ケア時間 としては177分ということでございまして、下向きの矢印がついておりません。1名だ けが重複項目がない方ですが、この方は非常に長い時間、ケアにかかっていると いうことでございます。  一応、そういうデータから見た評価項目の検討という意味では、この参考資料2を 使って議論していただければというふうに思っております。  あと、認知機能障害ですとか、患者分類と費用、そして、報告書の方に戻っていた だきますと、24ページに「患者分類と費用」、そして「包括評価導入前後の医療の質 の変化」、そして「患者及び施設の介護への移行の状態」というところに、それぞれ今 までわかっている部分についての記載を入れさせていただいております。また、御意 見があればそこに入れるようにということで、欄をあけております。  そして、5番目が「今後の課題」ということで、医療の質の評価につきましては、なか なか限定されたデータしかないということですので、やはりここについては今後、課題 として残るだろうということで、欄を置いております。内容についてはまた、先生方の意 見を聞いて入れていければというふうに思っております。資料について説明は以上で す。 ○池上分科会長  ありがとうございました。時間の関係でかいつまんで御説明いただいたので、御理解 が必ずしも十分でなかったかもしれませんので、まず全体的な御質問を受けたいと思 いますけれど、いかがでしょうか。どうぞ、木下委員。 ○木下委員  慢−5の報告書案、これの6ページ、「患者1人1日当たり収入」というところで、前回 も聞いたのですけれど、これに税金分は入っていないということは、どうなったのかとい うこと。それと、上の表との関係ですけれど。 ○森光補佐  費用の方には入っております。公租公課ということでとっているというふうに聞いてお りますが。 ○木下委員  いや。前回、それは入っていないという返答だったんですけれど。 ○森光補佐  すみません。租税公課ということで欄をとって集計をしているということでございます。 ああ、費用の方です。費用の方には入っております。収入の方には入っていないです。 当然ですけれど、入っていない。 ○池上分科会長  まあ、それはそうですけれど。ですからこの、租税公課という欄はないけれども、費用 として租税公課は計上されているという理解だと思います。 ○森光補佐  その他に入っています。 ○木下委員  いや。前回、入っていないと言われたので。そこは変わったんですね。 ○森光補佐  済みません。はい。 ○木下委員  それで、この6ページの上の表と下の表を見ると、18年度の合計費用が1万7,351円。 一番下のレセプトから見ると、収入が1万7,851円ということですね。 ○池上分科会長  先生、済みません。それ、上の方を見いただかないと。これは69病院について、18年 度が1万7,351円で、図表1の69病院の方が1万8,453円というのが。 ○木下委員  ああ、そうすると全体のはないんですね。 ○池上分科会長  全体のは、これは費用はわかりませんので。これはレセプト調査で、わかりませんので。 ○木下委員  はい、わかりました。 ○池上分科会長  では、よろしいですか。 ○木下委員  はい。 ○池上分科会長  ほかにはいかがですか。まず大枠から御確認いただきたいんですけれど、診調組 慢 −5にある報告書(案)の目次、構成については基本的にこういうことで、中間報告で差 しかえした部分、それはまだすべての病院から回収できなかったので、数字を差しかえ た部分、そしてQIなど、質の評価など新たに加えた部分などがありまして、そのほか変 わりましたのは、11ページについても、これは新たに、中間報告に全くなかったところで、 そして17年度においても御報告できなかったところですけれども、新規入院患者につい ての新たにどういう区分の患者が入ってきたかという、その変化を見たのが11ページ。こ こで見ておわかりのように、比較可能な49病院では、医療区分1の割合が4%ほど少な くなっているということがおわかりになると思います。これは、前回、集計がなかったという ことでございます。  その他の医療の質の変化などが、先ほど木下委員から御指摘のあったこの収入の部 分と費用の部分との対比などが新たに加わった報告書(案)となっております。ですから、 まず19ページまでの、この事実について述べてあるところに関しまして、疑問点などござ いましたら伺わせていただければと思いますけれども。  17ページにあります「医療の質の変化の状況」についての説明が、私も開発に加わっ た関係で座長としてではなく申し上げますと、これについて、診調組 慢−4に「医療療 養病棟におけるケアの質の評価」というのがございまして、ちょっと先ほどの説明ではし ょられたところで少しわかりにくくなったかと存じますので、その2ページをごらんになっ ていただければと思います。  診調組 慢−4、「医療療養病棟におけるケアの質の評価」の2ページの図表1、「QI の定義」とありますが、その中でQIというのはその病院あるいは病棟としての質を評価 するものであって、その病棟の中に分子にあるのが、質の上で好ましくない状態である と。痛みについては、「中程度の痛みが毎日ある」か、あるいは「耐えがたい痛みがある」 患者さんが何人いらっしゃるかと。そして、その分母というのは、その病院、あるいは医 療療養病棟の患者数全数と。当然、その痛みのある患者さんが少なければ少ないほど いいので、ゼロに近い方がいい値となっております。3つ目の欄に、「分母」のところに 「記載のない場合は、入院14日以内の患者を除く全患者」と。入院14日以内の患者に ついては、急性期病院に、あるいは在宅におけるケアをむしろ反映していて、必ずしも その当該病院におけるケアの質を反映していないので、それが除外されているわけで ございます。  続きまして、「褥瘡ハイリスク」というのは褥瘡になるリスクの高い患者であって、褥瘡ス クグループにおける褥瘡の発生を見たわけでございます。この分子の問題状況のとらえ 方、あるいは分母から除外するべきものなどについて、まだ検討の余地がありますし、ま た一番右端の欄に患者特性というのがございまして、これは患者の特性によって、本来 はさらに補正する必要があるのですけれども、この患者の特性というのは入院時におけ る状況から見て補正する必要があるのですが、この入院時の状態が今回ではこの患者 については把握されていないので、こうした補正がなされていないわけでございます。  例えば「留置カテーテル」については、便失禁や褥瘡が入院時にあれば留置カテー テルを置くという好ましくない状態について考慮する必要があるのですけれど、そういっ た考慮は今回はできなかったということでございます。その結果が、そういう条件つきで はありますけれど、この同じように評価できた41病院について、この慢性期包括評価の 導入前後でこの資料、診調組 慢−5の報告書(案)に出ております図表26の「QIの変 化」というのがここに提示してあるとおりでございます。 ○椎名委員  今の部分について質問と意見、関連してよろしいですか。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○椎名委員  まず質問で、教えていただきたいことですが、診調組 慢−4の3ページの図表2と3で すけれども、そこで例えば尿路感染という項目を見ていきますと、上の表ですと平均値 が8.0。それで最大値が80.9。これは18年度。下の17年度で見ていきますと、平均値が 3.5%、最大値が16.7。平均値というのは大体わかりますけれども、最大値というのはど ういう意味ですか。こういう数値をあらわす病院があったという意味ですか。 ○森光補佐  そういうことです。 ○椎名委員  そうすると、分母の患者さんはいろいろ異なっていますけれども、ある病院では8割を 超える尿路感染の患者さんがいたという話ですか。 ○森光補佐  はい。そういうふうに伺っています。 ○椎名委員  わかりました。もう1つ教えてください。同じ資料の4ページの文章の記載の部分です けれども、上から5行目の後ろの方、「QIの値が75%分位点を越えている場合」、これは 具体的に何を指すのでしょうか。これは何を意味するのでしょうか。 ○池上分科会長  では、私から。75%分位というのは、分布から見て、QIの範囲は病院としてこの範囲 に収まると、その75%の範囲よりも外れている病院というのは非常に際立ってそういう状 態……。 ○椎名委員  では、例えば先ほどの80何%とか、そういう話ですか。 ○池上分科会長  そういうことです。 ○椎名委員  わかりました。それで、あと報告書。報告書(案)の17ページですけれども、ある程度、 17年度、18年度比較で、痛みとか身体抑制以外の項目はすべて高くなっていたと、事 実関係が書かれているわけです。以下、「ただし、今回は云々」と、必ずしもケアの質の 低下によるものとは即断できないと。ここで終わってしまっていると、何が言いたいのだ かわからないと思うんです。これは意見です。  翻って、先ほどの4ページを見ますと、「しかしながら」以下で、今回の病院ごとのQI、 こういう形で出さざるを得なかったのでしょうけれども、それの意味合いが、例えば先ほ どの75%分位点を越えている場合とか、この辺で少しわかりやすく書いてあると思うん です。私がここで、それ以下の表現でやはり重要だと思われるところは、「QIを算定す るために用いた患者データの質、及び病院のケアの質と、この2つの質をここで取り上 げている」、「この両面から検討する必要がある」という部分です。今後の課題とつなが ってくる部分でしょうけれども。ぜひ、こういう部分を加えてほしいんです。即断できない でぶっきらぼうで終わってしまって何が言いたいのだか、データを投げてしまうような話 ですから。  ですから、要望として「しかしながら」以降、あと、その後の「なお」書きも入れていただ ければ。その辺は課題で整理するのか、若干整理の話になろうかと思いますけれども、 こちらの部分を加えていただきたい。あと、的確な図表も加えてほしいと思います。 ○森光補佐  はい。できましたら、24ページと25ページに、「今後の課題」とそれから「質の変化」 というところで欄を設けておりますので、先生の御意見についてはここにできれば反映 をさせていただきたいなと思っておるのですけれど、よろしいですか。 ○椎名委員  ええ。ですから、そちらで文言的に整理していただいても構わないですけれども。 ○森光補佐  はい。ありがとうございます。 ○椎名委員  しかし、そのエビデンスとなるような……。 ○森光補佐  データですね。 ○椎名委員  必要な図表は、図表26以外に適切なものがあれば加えておいてほしいんです。 ○森光補佐  はい、わかりました。 ○椎名委員  17ページの段階で。 ○森光補佐  はい。 ○椎名委員  というのを、要望です。 ○森光補佐  はい、わかりました。 ○大塚委員  いいですか。 ○池上分科会長  どうぞ。では、大塚先生。 ○大塚委員  今のに関連してですけれども、ここの図表26から見る限りは、この上のコメントの5行 目まで、「その他の項目はすべて高くなっていた」とここまで、言わんとしていることは、 要するに質の低下が見られたという理解でよろしいんですね。ですよね。 ○森光補佐  いいえ。ここは、値は低下していると。ただ、それについての判断は、ケアの質の低 下によるものとは即断できない、というのが判断です。 ○大塚委員  だけれどもこれは、QIというのは質を見る指標としてここで掲げられていて、しかもそ こにあらわれたデータがこのようになったわけですから、要するに質が低下していたと いうのがここでの結論ではないですか。これに対する信頼性がどうかという問題はまた 別で、挙げるとしてですが・・・。 ○池上分科会長  私から答えさせていただきますと、リスク調整に必要なデータが今回の調査では十 分得られなかったので、それで、ただし書きになっている次第であります。ですから、 この方法論としては確立されていたとしても、その確立された方法論に沿って、本来、 QIを算出するための必要なデータが今回の調査では不十分でしか集計されなかっ たために、先ほど表現に問題があるという話はございましたけれど、即断できないとい うことになっているわけでございます。天本先生、同じことで? ○天本委員  ええ。今の関連の質問としまして、4ページに「患者データの質、およびケアの質」と。 ケアの質というのはまだわかりやすいんですけれど、患者データの質というのは? ちょ っと私、不勉強で申しわけないんですけれど、どういうことを? ここに、報告書の方に つないでいるケアの質の低下との関係。どうなっているのでしょうか。「患者データの 質」とは。 ○森光補佐  はい。これは先ほどの、例えば尿路感染の80%といったところだと思いますが、ちゃん とそこの部分について職員がしっかり理解して、「尿路感染とは何ぞや」という部分につ いてちゃんと理解してきちっとデータを、要するに表を作成されているかどうかというと ころだと思いますが。それがある意味、データの質。 ○天本委員  データの信憑性。 ○森光補佐  信憑性と言えばそうですけれど、きちっと理解されて正しくつけられているかどうかと いうことだと思います。 ○天本委員  ということは、そこのデータと比較しないと、このケアの実態の、その質の云々という ことまでは結論が出せないということですね。 ○森光補佐  出せない。はい。 ○池上分科会長  いずれかに問題があるというところであって、データの質、つまり尿路感染について正 しくチェックしているか、あるいは尿路感染に対するケアの質が問題があるか、それが今 の段階ではわからないということでございます。 ○高木分科会長代理  要するに75%の外にあるのは疑ってかからないと、これを一緒に入れてしまうと、アウ トライアーなんですよ。きちっとアセスメントしているかというのと、本当にケアがまずいの か、アセスメントの質なのか、注意しないとだめだよという意味でこの文章が入っている わけで、疑ってかかりましょうという話ですよね、はっきり言うと。アウトライアーの話です よ。さっき分科会長が言ったのは、リスク調整をしないとやはり、前の病院から引きずっ ているものをちゃんと調整してあげないと、当該施設の責任ではない部分というのも結 構あるので、入院時のアセスメントのリスク調整のデータをきちっと取れないがゆえに、 今回のは「即断できない」という言葉でまとめているんですね。  大塚先生の、QIというのはそもそも質の議論ではないかというのはおっしゃるとおりで、 ただ、全面的に報告書に出すときに、まだ後ろの完全な方法でやっていないので、低 下したというはっきりした結論まではこちらも言えないというか、弱いので、方法的には できているけれども不十分な面があるということで、こういう書き方になったのだと私は 理解しました。 ○池上分科会長  ありがとうございました。リスク調整というのは、いろいろな程度があって、どこまで追求 するかが課題であって、全くリスク調整をしていないわけではなくて、少なくとも新入院 患者については除外しています。それは、新入院患者というのは当該病院のケアの質 を反映していないから除外していますので、そういう意味では調整は行われています。 ただし、十分な調整が行われているかどうか、それから例えば褥瘡というのはめったに 起きない現象ですので、たまたま1人ふえたためにその値が非常に悪くなっている可能 性もあるから、もっとこれはデータを蓄積した上で、その病院として安定した値にもって いく異動平均などで見ていかないと、正しい値を、実態を反映していない可能性がある という意味でございます。 ○大塚委員  おっしゃることはよくわかるのですが、ただ、先回の分類によって医療の質の変化があ ったのではないかというのは、一番皆さんが関心のあるところだろうと思うんです。この文 章全体から見ると、最後の部分3行前の「その他の項目はすべて高くなっていた」で終 われば、質の変化があったというふうに一応とらえる文章になるのですが、その先、だけ れどこれは全く信用できないのだということを言っているわけですよ。  ですから、これは流れを決定的に印象づけるものだと私は思いますので、もしここで最 後にただし書きが入るとしても、「その他の項目はすべて高くなっていて、医療の質の低 下が推測された」と、「ただし、これはリスク調整をしていないので、そのように断定するこ とはできない」という表現に変えるべきではないかいうふうに思いますけれど、いかがで しょうか。 ○池上分科会長  それでは、そういう文章の修正、大塚委員から御提案がありましたけれど。 ○森光補佐  はい。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。どうぞ。 ○天本委員  定額制ということから、やはりこの医療の質をチェックするということの重要性は、何も みんな反対するものではないし、何か物差しが欲しいというところですけれど、今回の ことで結論づけることはできないということだけ、何かはっきり文章でしておいていただ きたいというのが現場の。 ○森光委員  はい。 ○池上分科会長  今の大塚委員からの御提案の修正で、天本委員もよろしいでしょうか。木下委員、ど うぞ。 ○木下委員  そういう文章を入れることは、医療区分が入ったことで医療の質が低下したというふう にとるんですか、これは。そうすると、医療区分が入ったことは慢性期医療に対してよく ないことだという解釈になるんですか。 ○池上分科会長  いや。どうぞ。そうではないというふうに。 ○森光補佐  そうでないというふうに。大塚先生の御意見を入れて、そういう誤解がないように。そ ういう断定はできないと、今回はそういう結論ではないよと。こういう数値が出ているけ れど、そういうふうに断定はできないというふうに記載をさせていただきます。 ○大塚委員  何か私が非常に大きな誤解をしているのではないかと思うんですが。これ、全体の 流れから見ると、前と同じ箱物で、なおかつ同じ人員配置の中で、言ってみれば医 療区分2、3の比率が高くなったわけですね。そうしたら、そこで起きることは、要する に人手がふえないで手のかかる人がふえたわけですから、結果として質の低下が起 きるのではないかというのは、世間は懸念しているわけです。だから、それを検証す るデータとしてこれが出されたのかなというふうにも思いますけれども、いかがなので しょうか。 ○池上分科会長  その一面も、確かにあると思います。 ○大塚委員  何もその医療機関の側の責任において医療の質の低下が起きたわけではなくて、 そのような制度設計をしたことによって医療の質の低下が起きているのではないか、 ということであります。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○医療課長  この医療の質のところは、実ははっきり言ってこれを明確な目標にした調査をやって いなかったわけです。何回前になるかわかりませんが、椎名委員の方からQIなどで 出るものがないかという、その中で、ではこれを試しに、幾つか出る項目があるので QIを一応計算してみましょうということで、この表をつくったのだと思います。  そういう意味で、数字は少し、形上出てきますけれども、QIを使って質の変化があ るかどうかを比較するためには、当然、入院時の状況であるとか、それから同質の患 者がどうかというのをしっかり見ていかないといけないと。そこは全然担保されないわ けです。そういう意味では、入院後14日以内の患者さんは除いて、とりあえず比較的 この病棟にいる人たちを対象にしているけれども、もともとやはり比較するのが無理な わけなので。  とりあえず計算上で出したらこうなりましたと。だから、数値上は高くなっていますと、 これは事実なので。高いというのは事実だけれども、それが医療の質が低くなった、 高くなったというのは言えない話だと思います。だから、もう少し文章的に言うなら、 初めのこの3行でさらっと、試行的に出しましたというところをもう少し、「無理があるけ れどもやりました」とかそういうような表現で、やったというぐらいにとどめざるを得ない のではないかと。あと、ただ重要な項目なので今後やっていくために、先ほどの椎名 委員の御指摘もあったように、「今後の課題としてこういうようなものを、データの蓄積 等をやっていく」というような方向でまとめるのはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  それでは、この表現については何か。 ○椎名委員  基本的に今の医療課長さんのでいいと思うんです。ですから、要は質に関してようや く病院全体のQIというのが一応こういう形で出たということで、誤解のないような表現の 形にする。あと今後、課題としては、同一の患者さんを期間をおいてアセスメントをして、 それで個々の患者さんのQIを見ていく、そういう形で評価していかないと、実際、ケア の質を評価することにはならないのではないかと思うのです。今後の課題としてそういっ た方向性を出していただければ、私は構わないと思います。 ○木下委員  質の評価を見ることは大事な部分ですけれど、それがえらく複雑になって現場に多大 な負担がかかることだけは避けてもらいたいと思います。今、データがそろわないという ようなことであったのですけれど、そこのところは考えていただきたいと思います。 ○池上分科会長  では、この文章については事務局に案をつくっていただいて、また次回、議論してい ただくということで、QIのところはよろしいでしょうか。どうぞ。 ○天本委員  それでは質問変わりまして、慢−5の報告書の11ページで、新規入院患者のところで、 医療区分1が28.5%あったということで、15ページ、在宅での療養が一時的に困難にな った際の受け皿として必要だと、あるいは介護療養で急性増悪して必要だと。この数値、 医療区分1の点数が低いのは、これはとっているんですから。どういう状態なのかとか、 そういうものというのはわからないでしょうか。この医療区分1の具体的な、ここに入院す る理由というかね。要するに急性増悪して入院されて、でも医療区分1で対応している のかと。 ○森光補佐  済みません、新規入院患者で医療区分1の人の調査項目を、どういうふうなものを打た れたかというのはわかるのですが、この病院長の意見の中に出ているように、例えば在 宅で療養が一時的に困難になったからとか、そういうふうなものを患者さんごとにはとって おりませんので、そこはわかりません。 ○天本委員  それと、医療区分3はふえていますよね。 ○森光補佐  はい。 ○天本委員  それで、この区分3というのが、要するに急性期一般病棟からの流れなのか。この入院 経路と。 ○森光補佐  入院経路については、それぞれどこから来たかのだけはわかります。 ○天本委員  ちょっとその辺がわかればなと。要するに、状態像から見てほとんどが高齢者だろうと 思いますけれど、この区分3というものが今後、療養病棟に入って、できれば区分2に移 行した方が、患者の状態像としてはふさわしいのでしょうけれど。余り安易に医療区分3 の方に、医療全体の流れとしてそういう傾向がふえるというのも、また医療の流れからし て、高齢者のQOLからして、ちょっと疑問があるかなと思ってそういう質問をしました。 ○森光補佐  そうしましたら、データにつきましてはできるだけ早く集計して、またお手元にお配り したいと思います。 ○池上分科会長  この基本情報のところに、入院する前の状況というのは把握されていますので、新入院 患者の入院前を医療区分ごとにデータを提出することは、できるはずですから。 ○天本委員  それは、この経口摂取が困難な患者など、療養病棟の役割として認識してほしいという ような意見があって、そういう患者さんがこの医療区分の1の中にあって。 ○森光補佐  済みません、既にこちらの前回資料の中に、医療区分ごとの入院患者の前の状況とい うのはございましたので。済みません、既に出ておりました。 ○池上分科会長  新入院ではないんです、それは。それは違う。 ○天本委員  要するに新入院。 ○森光補佐  済みません。新入院に限ってではなくて、今の。ですから新入院のときに、入院時に 医療区分1か3かということですね。 ○天本委員  医療区分1で、例えばこの経口摂取が困難なということで、これは介護施設では難し いよということで、非常に点数は低いにもかかわらず受けざるを得ないというようなことと か、 何かその、余り経営的に受けたくないその点数の配分、でも、状態像としてやはり医療 療養病床の役割としか考えられないわけですね。これを受けているので。 ○森光補佐  わかりました。それは新入院患者だけを母数にして、医療区分1、2、3ごとで入院前 の状態がどうだったかという表はつくれますので、それはお出しできます。 ○天本委員  そうですか。 ○森光補佐  はい。 ○池上分科会長  では、それは新たな集計を次回までにお願いするということでよろしいですか。  それでは、ちょっと時間の関係で、19ページまでのところは、まださらに御質問あるい は追加の集計がありましたら、また後ほど確認することとしまして、20ページ以降、調査 結果に基づく検討というのは、この分科会として検討した意見を、必ずしもこれは一致す るということではなく、こういう意見をこの分科会の各委員からいただいたという観点から、 この20ページのそれぞれ箱で示してございます。  この箱の大きさ等は関係なく、たくさん御意見があればこれはそれだけございますけれ ど、まず20ページの医療療養病棟の役割についてということで、病院長の意見としては こういうのが、(1)から(5)がございまして。これについて、分科会としての御意見を。すでに 診調組 慢−3で委員の先生から出していただいた意見を箇条書きにして、また事務局 の方で線を引いていただいたところもあります。これをさらに整理して、この分科会として の意見ということで列挙することも1つの方法だと思いますけれど、それ以外に御意見が ございましたら、現時点であれば伺いたいと存じます。どうぞ、天本委員。 ○天本委員  医療療養病棟の役割ということで、在宅への退院の方たちも20何%か確かいらっしゃ ったと思います。そういう意味において、医療依存度の強い方で、老健のような中間施 設的な機能、これは重要な役割だと思いますので、在宅を支援するという意味で、急性 増悪で受けるだけではなしに、在宅に帰してやると。そこを6として、あるいは順番はどち らでもいいですけれど、ぜひ入れるべきではないかという意見を述べさせていただきます。 ○池上分科会長  済みません、ちょっと事務局に確認いたしますけれど、ここにある病院長の意見は意見 として、この(1)から(5)としてまとめていただいたのは、これはこれであって、病院長の意見 でさらに抽出するところがあるとしたら、(6)でやるのですけれど、先ほど天本委員がおっ しゃった在宅に帰すことの重要性というのは、分科会の委員としての意見として、(2)のと ころに加えるという。(2)の最初になるかどうか知りませんけれど、そこに分科会委員として の意見ということで。また、以下そういう形式で御意見をいただければと存じます。  済みません、ちょっと時間の関係で、これはきょう、この会議だけで終わるのではなく、 後ほど事務局に御提出いただくということも考えておりますので、とりあえず、どういうこと についてどういう形式で提出するかということだけの確認を先にさせていただければと思 いまして。医療療養病棟の役割については、この分科会としての意見というのは、1つは 今、天本委員から提示された新たな意見と。そのほか、この診調組 慢−3にあったこの 意見の取りまとめで線を引いたところを、この分科会の意見として整理して書いたものを 次回までにつくってみる。そのほかにさらに追加の御意見があったら、事務局に御連絡 いただくということでよろしいでしょうか。 ○木下委員  はい。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○木下委員  この役割がはっきり決まらないと、この次に出てきた医療区分の内容については話が 進まないような気がするんですけれど。前回、確か療養病床の役割を決めて、それで 医療区分の中身を見ていこうというような話だったと思いますけれど、今後のスケジュー ルについては、次回、この機能がはっきりするのなら、その後にまた区分内容について 話すのかどうか、というようなことをお聞きしたいんですけれど。 ○池上分科会長  私の考えを申し上げるべきかどうかわかりませんけれど、私は意見の、医療療養病棟 としてこれが役割だということについて、なかなか確固たる合意ができるというのは難し いのではないかという気がいたしますので、ここで全員一致の意見が分科会としてのコ ンセンサスの意見まで出すことが可能であれば、木下先生がおっしゃるとおりだと思い ますけれど、私は100%コンセンサスが得られるかどうかは、これはむしろ鶏が先か卵 が先かというところもございますので、ここが100%確定しないと区分の議論は全くでき ないとなると、これはなかなか厳しいところがあるのではないかという気がいたします。 椎名委員。 ○椎名委員  基本的に、この診調組 慢−3で事前に委員からの意見が出されているわけですね。 それで、事務局が一本線とか二重線である程度共通項目的な整理をしてくれた。です から、基本的にこの辺がある程度、分科会の意見としてまず集約される部分の可能性 が高いのではないかと私は思います。そういう意味で、一方この報告書(案)を見ます と、病院長の意見で急性期治療後の受け皿、(1)から始まって(5)、意識障害、患者さん の受け皿。さらに、先ほど天本委員からの在宅支援機能とか、その辺は分科会として 基本的な、合意されるであろう機能だと思います。  あとは、やはり個別の意見、あるいはそれが全体的に集約されるかどうかは別にして、 最終的な整理で集約されなければ、こういった意見があったとかそんな報告書の形態 になろうかと思うんです。そういう中で、一応私としての意見は、この診調組 慢−3の2 ページの5番目として意見を出させていただいています。要するに、今回の患者分類の 導入によって、介護療養と医療療養の機能分化が始まっていると、そういう調査結果が 出ている。方向性としては、その辺の分化が行われる。  一方、その医療療養の隣り合わせと言いますか、いわゆる急性期以外の一般病棟に は かなり長期入院の患者さんが入っている。一体どういう特性の患者さんが入っているの だろう。ですから、その辺を今回の患者分類で調べる必要があると。次のステップの話 になろうかと思いますけれど。その辺も見ていかないといけない。医療療養だけを緻密 に議論してその機能を詰めていっても、ちょっと片手落ちにならないかと、そういう問題 提起なんですね。  実は平成15年に、健保連で、急性期以外の一般病棟の調査をやっています。そうす ると、その医療の必要度から見て、医療療養と余り変わらない。若干の差があるけれど も、それは程度の差に過ぎないという調査結果が出ていますので、これはやはり全国レ ベルできちっと分科会で調査をしてはっきりさせて、そういったものの診療報酬上の取り 扱いですね。これは中医協で議論されるマターになろうかと思いますけれども、その辺 の中医協の議論に供するような資料を分科会として提出することが、この分科会の次の ステップの役割ではないかと思っています。  これが私の個人的な一部の意見で終わるか、あるいは分科会としてそういう次のステッ プの調査をやる必要があると合意されるかどうか、その辺、御議論いただければと思いま す。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○天本委員  椎名委員のおっしゃることはごもっともで、やはり一般病床における高齢者というのは、 むしろふえている傾向が私はあると思いますし、医療療養病床は逆に今、15万床に減ら そうというような動きもございます。そこなどは、やはり全体像を見た中で、医療介護提供 体制の中から見て、その辺のケア体制整備、療養病床の再編などについても、重要な 御指摘だろうと私も思います。 ○猪口委員  この後、議論されるのかもしれませんけれども、胃瘻とか経管栄養というのは多分、ど この委員からも指摘がある部分で、その辺は今のように一般病床の中にも実は療養でい いのではないかという患者さんも結構いたりするのも事実であって、次にシームレスな医 療提供、介護提供ということから考えると、老健施設のあり方というのは今論じられている と思いますが、そこでの医療がはっきりしてこないと、なかなかはっきりと言えないところが あると思います。現時点で言えば、経管栄養の方はやはり医療療養でないと難しいだろ うという結論になると思いますが、仮に老健施設の医療の部分が看護師、もしくは医師 のかかわりの部分が多くなって、24時間体制がひけるようになると、そうすると胃瘻とか 経管栄養は、では老健施設でもいいよねという話にもなるかもしれないので。  それから、一般病床の方も最近、DPCがどんどんふえそうな勢いだとかということにな ると、どんどん今、むしろそこにたまっているというよりは、どんどん出していこうという方に 今、力は働いていると思いますので、そこはかなり大きい。両方を見ないと、医療療養だ けではもうちょっと結論は出せないようなところまで来ているように思います。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○木下委員  いや、まさにそうだと思うので。この慢性期入院医療の包括評価というところは、療養 病床に限った分科会ではないという理解でよろしいんですか。 ○高木分科会長代理  確かにそうですけれども、やはり要するにもうかっていれば自分のところで抱えている と僕は思っているんですよ。ですから、もうからないから外に出そうとしているのであっ て、やはりもうかる客は絶対、うまい客であればね。だから、連携の話をきっちり進めて、 やるんですよというのを確認しないと。何かもうからない患者を出すと言って、DPCもそ ういう議論になりつつあって、僕は非常に不幸だと思うんです。  ですから、確かに両側をにらんで議論するのは必要ですけれども、でもその区分のと きに、もうからないから出してしまうという、そこはやめましょうというのをちゃんと確認して おかないと、ではもうかっていれば文句を言わなくて、じっと黙っているというね。 それでゆがんできたのが、僕は高齢者の医療ではないかと思っているので。  だから、その辺はちゃんと反省して議論をスタートしましょうというね。ちょっと生意気で すけれども。ですから、今回の9区分、まあ5区分ですけれども、1つの問題提起を現場 にしたと僕は思っていますので。この延長でよりいいものをつくっていきましょうということ を、僕は強調したいですね。 ○椎名委員  ちょっとよろしいでしょうか。先ほどの木下委員の御質問ですけれども、別に療養病床 に特化して云々という話では決してないと思います。 ○木下委員  その辺が……。 ○椎名委員  実は、この分科会がスタートした平成15年7月でしたか、どういう対象の施設や病棟を 調査していくか、調査の入り口で、対象施設とか対象病棟について、大変議論があった んですよ。基本的に私なんかは幅広に、急性期以外の一般病棟から、老健施設、ある いは特養まで、介護保険のテリトリーの施設ですけれども、その辺まで幅広にやれたら と、そういう提案をしたんですけれども。この分科会でその範囲を議論した結果、診療サ イドからの意見もあって、最終的に医療療養を中心とした部分で最初の調査をやると。 そういう議論の結果に基づいて16年度調査を実際の調査は大分おくれて、年度末のぎ りぎりだったと思いますけれども、そういう形でやった。そういう経緯から見たら、私はさら に対象を広げても何ら差し支えないと思うんです。 ○森光補佐  よろしいでしょうか。御意見ごもっともなところがあると思いますが、ただ、この報告書の 最初を見ていただきますと調査の目的というのがありまして、一応今の分科会の検討事 項ということで、基本問題小委の方から要請を受けた事項というのがありまして、それに 対する返事を返さなければいけないというのが、済みません、まず第1にこの分科会と して担っておるところです。当然、今の御意見、いただいた御意見については、こういう ことが必要であると、次のステップとして考えなくてはいけないということではあると思いま すし、それは今後の課題というところに入ってくるのだと思いますが、申しわけないので すけれど、できればその課題、要請を受けた事項についてまずまとめていただければと いうのが、切なる事務局の要望でございます。 ○池上分科会長  はい。どうも済みません。 ○天本委員  ですから、現時点での医療療養病棟の役割ということですので、介護保険の施設は 現老人保健施設の基準しかないということですので、受け皿としては最初の想定、介 護療養型もありきと想定してこういう区分ができたこと、これも前提条件がこれから変わ ってきている。現時点においては、老人保健施設というのは現時点の老人保健施設に ついてしか考えられませんから、その中で医療療養病棟の役割ということをやはり考え ていくべきだろうと思うんです。今後も介護施設の医療のあり方がどんなに議論されて 進んだとしても、この例えば経管栄養などにおいても……。これ、経管栄養というのは 留置カテーテルという概念もあり得る。これは議論しなければいけないところですけれ どね。これは訪問看護なんかにおいても重症度加算がつくぐらいの、医療的処置とし て看護しかできないということからして、この医療療養病棟の役割の中に7番として、経 口摂取が困難な患者ということよりも、具体的な形での。胃瘻なども非常に急速にふえ てきておりますので、そのような経管栄養などがずっと留置されている対象群に対して の療養病棟の役割は大きいという意見を述べさせていただきます。 ○泉委員  いいでしょうか。看護の立場からですけれど、やはり経管栄養とか胃瘻は、現在も介 護施設で行われている事実もこの間ございましたし、さっきの老健施設等の看護体制 の整備というのをやはり並行して考えていただけると、そういう中でもっと胃瘻の人たち、 経管栄養の人たちが見つめていけるのではないかと思いますけれど。このまま行くと、 何か管理上の簡便さで、簡単に管が入っているとこの医療区分2になる可能性という のを大変危惧しますけれど。その辺、いかがでしょうか。 ○天本委員  それについては、この後のところでまた議論になるのだろうと思うんです。 ○泉委員  ええ。そうなんですけれど、何か今、旧体制はそのままということを言われると大変、 何かそれでいいのかなというのはとても危惧しましたので。 ○天本委員  よろしいですか。先日、看護協会でも介護療養型が廃止すると言うことについて、1 つの提言をされたと思うんです。その中に明確に、それは看護師が行うべき業務であ るということからして、やはり看護師の、今の介護療養型施設ぐらいのものが最低とし て必要だというぐらいの意見書が出ているぐらいですので。現時点において、そこが 明確になるまでは、私は。将来までずっとということでなしに、全体像が、いろんな大き な医療介護の提供体制というものが明確に、あるいは発展した段階においてはまた 考えると思いますけれど、現時点においてはやはりそこの業務、胃瘻などについては 医療療養病棟の役割として重要な位置づけにあると思われます。 ○木下委員 ある程度の合意できる範囲は決めておかないといけないと思いますけれ ど、そこで決めた項目に対して、それが医療区分2、3にないということはおかしいとい うことになるので。その辺のやはり調整が必要かなというふうに。機能であって、療養病 床の働きというふうに挙がっている項目が医療区分の2、3に入っていないということが ないようにはしなければいけないと思います。 ○池上分科会長  医療課長から。 ○医療課長  ほかの施設の体系がどうかということとか、それを余り意識し過ぎると、話はいつまで たっても終わらないので。簡単に言うと、ここでは医療療養病棟として面積的にも比較 的一般病棟よりも広いと。それから、医者が常勤換算で100床当たり大体3人以上いる と。そこで看護が、今は5対1でしたか、あるいはもう少し重症者がふえると4対1だから、 いずれ4対1になるかもわかりませんけれども、そういうような体制で見るべき、ふさわし い患者さんたちというのはどういうものが想定されるかということを考えていただければ いいので。  そうではなくて、それからもれるかもしれない、そういうところでなくてもいいかもしれな いけれど、今、ほかで見ていないからここで見るのだという議論はまた別途してもらった らいい。こことはまた別の話としてやっていただいたらどうかと思います。  だから今、医療療養病棟として求められているそういう人材資源、それが有効に機 能するような、そういう患者像というものはどういうものかということを中心に考えていた だいたらどうかと。現に、今はそこまで必要ない人も確かに入っているわけなので、そ ういう人たちはこの医療療養病棟からは別のところで見てもらいましょう、という話をして いるわけですね。だからそういう意味では、こういう機能を持っているところでどういう人 がふさわしいかというのを中心に考えていただきたい。その「外していいよ」という中に、 今、数的には医療区分1とそれから医療区分2の3割ぐらいはそうでないのではないか と、厚生労働省は言っているわけです。  その部分はここの議論とはまた別に、そうでなくて、その人たちを見るべき必要な機能 はどれだけあるのかというのは、これは今、まさしく新しい老人保健施設等の機能のとこ ろで考えてもらっているわけで、そこはそこでまた議論していただいたらいいと思うんで す。  医療区分1とか2とかという話はまた別にして、本来、今言ったような医者が3人もいな ければいけない施設、あるいは看護師が100床当たり20人あるいは25人いるような、そ ういうところで診るにふさわしい患者像というのはどういうものかと。それが多分、医療療 養病棟の役割に本来はあるべきだと思います。だから、今現在ほかで見られないから、 そうでない人も診なければいけないという話は、当然あるとは思いますけれども、ほかで 見られるようにすればそれは要らないわけですから。そういう意味で今、この医療療養 病棟に必要とされる人材や、その施設の中でふさわしい患者像というものを考えていた だけたらどうかというふうに思いますけれど。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○天本委員  原課長のおっしゃるとおりの考え方で、常時、24時間、365日医師がいるもとで、看護 婦さんも24時間、365日いるもとで、このような経管栄養というものが必要で、医療区分 1というのは前回の中間報告でも明確になったのは、入院医療が必要性がある、なしで はないということは、原課長、よく理解しておいていただきたいと思います。  ですから、医療区分1の中でも、これから議論になると思いますけれど、我々はそう思 うと。経管栄養とかそういうのは現時点の介護施設では、入ってはいけないということで はなしに、スポットでやれる、これはどこでも、在宅でもやれると思いますけれど、ある群、 要するに数が多くなればこれは非常に大きな問題になりますし、結果的にいろんなデ ータとして出ておりますけれど、資格のない方に業務が行って悲鳴を上げているという 事実がもう出ていますから。そういうような現状というものは、きちっと認識しなければい けない。それは看護婦さんのやる業務として、法的な整備もまだできていないわけです から。という時点で、私は先ほどのような意見を出しました。 ○猪口委員  胃瘻の議論はともかく、尽きないような気もするので。僕としては、各委員が皆さん異 口同音に言われているのが実はターミナルケアのあり方でありまして、そこで、どうして も今のような医療処置というので区分が分かれ過ぎていると。ターミナルケア、特にそ の終末期医療という言葉と、ここに出ているような、例えば医師が1日数回行くとか、看 護は24時間体制というのと、それはどういうときかなと思うと、やはりターミナルケアのと きが一番多いのだろうと思うんです。だから、そのターミナルケアのあり方が、現状のよ うに点滴とか酸素とかIVHとかというような言われ方、それで医療区分になると、どうし ても検査、もしくは投薬というのが重くなってしまうので、そうではなくて、やはり医師、 看護師がきちっと足を運んで状態を家族に説明し、きちっとみとってあげるという要素 はすごく、医療療養の場合には多くなってくると思うので。そこのところは、余り投薬と かそういうものに限らず、処置に限らず、医師、看護師がきちっと仕事をしたというとこ ろを、やはりきちっと区分3で見てあげるというところが、医療療養ではかなり必要かな という点が1つあります。  それからもう1つは、この何か外されそうな項目の中にドドッと入っているのを見て、 あれっと思ったのですが、難病とかパーキンソンとかそういうのが、はたして介護施設 と医療施設で比べた場合にどちらが適当かなと思うと、僕は難病は、確かにケア時間 も費用も少ないのですけれども、そこはやはり難病というのは医療であり、病気の進行 度とか、特にパーキンソンは薬の使い方で全く状態が変わりますので、落ち着いた方 ばかり見ているのかなという気がしないでもないのですが、やはりそういう難病の類と いうのは医療なのではないかと、医療療養病床の仕事なのではないかというような気 がして。ここで何か「除くもの」とかと書かれているので、それはちょっと違うのではない かというような気がいたしました。以上です。 ○池上分科会長  よろしいですか。今、猪口委員から、具体的なこの項目の入れかえについての……。 ○猪口委員  入れかえというか、残してほしいんです。 ○池上分科会長  入れかえというのは、入れかえをするかどうかについての議論に既に触れていただい たので、それについて、まずデータ的にどうかということは、別紙11の参考資料2ですか、 これが妥当かどうかということですね。どうぞ。 ○木下委員  最終ゴールとしては原課長の言われるようなスタンスでいいと思いますけれど、そこに 行くまでの経過措置的なことは考えておかなければいけないかという気がするのが1つ あります。それと、今、猪口委員が言われたターミナルとか余命6カ月以下というのは、 非常に判断が難しいというか、そこをどう判断するかというのが一番大事なところだと思 いますけれど。医師、看護師が行っているということにもよるのですけれど、ほかにも何 か要素がないと、ただ行けばいいかというようなことにもなるので。状態像とそういう回数 というか、その辺の何かコンビネーションが要るかなという気がしております。 ○猪口委員  これは介護の方でやっていることなので、医療の方に適用するかどうかわかりません けれど、今、特養は去年の4月からみとり加算というのがついて、きちっとインフォームド コンセントができ上がって、なおかつその療養計画ができた場合に、みとったときからさ かのぼって加算がされるという制度があるんですね。だからそれは、でき上がったときに もう翌日みとってしまうこともあるし、3カ月、4カ月延びてしまうこともあるけれど、これは 医療区分3が3カ月、4カ月という意味ではなくて、やはり最後のその1カ月にちゃんと 加算をするという制度が結構、特養の方では生きているような気もするから、ああいうも のは参考になるのではないかという気はしております。 ○天本委員  よろしいですか。今の件は在宅医療でも同じようなことがありますね、みとりの。それは 別としまして、分科会の意見としましては、要するに定量的なことだけで入院の医療区 分の問題を結論づけるのは非常に危険があると。例えば、うつ状態というのは、これは 決して生理的な状態ではないわけですので、やはり医療としてかかわると。ただし、医 療処置とかそういう物差しではかるとこれは低い位置づけになりますけれど、やはりこれ だけ自殺がふえて、しかもその4割が高齢者ということなども考えて、その状態像、ある いは先ほど言った疾患ですか、難病とかそういうようなものなどにおいて、十分な議論 はこれは中医協でされると思いますけれど、この慢性期分科会とすれば、やはり状態像、 疾患によってその医療療養病床においての療養の必要性というものもきちっと位置づけ るべきではないか、という意見を述べさせていただきます。 ○池上分科会長  そういった形で、この報告書案の21ページ以下、ここにリストアップされていますね。 それぞれの項目について、データ上は挙がってきた項目、それについてどう対応する かという1つの例としては、23ページのたびたび話題になっている経管栄養、胃瘻につ いて、こういうこれまでの検討結果及びデータを集約したものが書いてございます。これ について追加的な検討は、この例について行うと同時に、これは実は経管栄養と胃瘻 についてだけ書いてありますので、ほかの新たに医療区分の評価項目にするべきもの について、それぞれ概括的に、全体としてこれはデータ的にも基準を満たしていないし、 人数的にも少ないので、対応する必要がないと。しかし、その中でこの項目だけは取り 上げた方がいいという意見の出し方もできますし、各リストアップされた項目ごとにそれ ぞれ御意見をいただくということもできます。どうぞ。 ○天本委員  時間も余りないので、患者分類と費用について、(3)のところについて、分科会での 追加的検討として、中間報告ではケア時間ということでやりましたけれど、コストが入っ ていなかったんですけれど、今回、コストで出ましたけれど、7ページですか、患者1人 当たり費用というところを見てみますと、医療区分1・ADL区分3=1万6,875円、医療 区分2・ADL区分1=1万4,824円、医療区分3・ADL区分1=1万6,494円というよう なことで、この医療区分1・ADL区分3が実質的には診療報酬では885点ということで、 余りにもコストに見合っていないと、余りにも大きく乖離しているということは、これで明 確になりましたので、政策的に先ほどからも議論がありますような受け皿の状況からし て、やはりこの医療区分1、ADL区分3まで政策的に半分の点数づけと、値づけとい うのは非常に大きな疑問があるということを、ぜひ分科会で追加的検討として、私は入 れるべきではないかという意見を述べさせていただきます。 ○池上分科会長  木下委員、どうぞ。 ○木下委員  あと、区分の内容についてですけれど……。 ○池上分科会長  済みません、その前に、今、天本委員から御提案のあった報告書(案)の24ページの (3)について。「患者分類と費用について」ということでただいまの御意見があったので すけれど、これについては何か、今の段階でございますでしょうか。どうぞ。 ○椎名委員  今回、きちんとコストが出たわけなので、やはりコストに見合っていない、理屈のつか ないような値づけ、今、具体的に医療区分1のADL3でしたか、それも含めておかしな ところがあると、それはきちっと指摘した方がいいんじゃないですか。事実、値づけを決 めるときに、16年度調査のコスト結果は中医協基本問題小委員会には出されていなか った。それは事実関係で確認されていますから。はっきり言えば今回、2回分のコストの 結果が出たわけですね。我々が提案した3×3のマトリックスは、やはりケースミックス分 類としては順序性がきちっと保たれて、なおかつコストもきちっとした順序性が得られた。 それは厳然の事実ですから、それから余りにも外れた理屈のない値づけはやはりおか しい。それはやはり言うべきではないですかね。エビデンスに基づいてこうだと。 ○池上分科会長  そういった御意見、天本委員と椎名委員から出ましたので、それをとりあえず案として 書き込んでいただいて、また次回、御検討ということで。済みません、木下委員。ほかの ことで。 ○木下委員  いや。個々の項目についてですけれど、余命6カ月以下というようなことの判断が難し いということで、その辺は緩和ケアとか酸素療法、その辺がそういうものに該当するかと いう気もするので、その辺との関連も検討すべきではないかと思います。それと、酸素 療法は3から2になっていますけれど、その3番目の感染隔離室におけるケアについて、 これも時間的には短いということで2というふうになっていますけれど、個室管理との関 連もあって、感染隔離ということはやはり院内感染の問題もあって重要なことなので、個 室がいいのか。前の4章でも感染の部屋というのがありましたよね。完全にほかから分 かれているという、そういうものも評価する必要があるのではないかと思います。  あと難病に関しては、やはり療養病床の基本的な役割ではないかと思うので、これが 時間が短いからと外すのは根本的におかしいのではないかという気がします。  それから経管栄養の問題も出ていますけれど、経管栄養をすべて入れろということは 通らないと思うので、この辺にやはり何か、こういう場合は医療療養病棟で診て2,3に なるというような何か条件づけは考えていく必要があるかなというふうな気がします。  それから21ページのところで、感染症がたくさん挙がっていますけれど、これは何か1 つにまとめてもいいのかという気がします。  それと、先ほどの別紙11参考資料2の説明で、一番左に、2、3に該当するというよう なデータが出ていて、右の方でほかの項目で挙がっているからいいのではないかという ような話だったのですけれど、やはりこれはたまたまこのほかの項目で挙がった場合もあ ると思うので、やはり左の項目で2、3にあるのは、2、3として考えるのが適切ではないか と思います。 ○池上分科会長  どうぞ、事務局の方から。 ○森光補佐  ちょっとそれは、最後の木下先生がおっしゃったその、他の項目に該当しない患者だけ 見て評価するのはおかしいのではないかという御意見なのですが、基本的には、当然い ろんな視点での役割から見たいろいろ御意見はあるとしますが、データとしては基本的に この項目を入れる、入れないということで、一番影響を受けるというか、根拠になるのはこ の人たちを重く評価するかどうかということになりますので、当然、ほかの項目で拾われた 人ではなくて、拾われていない人たちが実際今、どういう状況であって、この人たちもケア 時間が長く、費用が高いというのであれば、やはり評価項目に入れようかということになる かと思いますので。基本的にはこの別紙11参考資料2のところの真ん中の値というのが 数値的には、データ的にはやはりここを見る必要があるのではないかと思います。ただ、 それにプラスいろんな視点での御意見、難病だとか何とかという御意見は当然あると思い ますけれども、データとしてはこれが中心になるかと思いますが。 ○木下委員  いや。ほかの項目で、この場合は挙がっているけれど、挙がらないで左のような、例え ば感染症の場合、ほかの項目で挙がらないで感染症だけあるというような場合もあると思 われるので、現在、ほかの項目で挙がっているからそれは要らないという議論にはならな いような気がするんですけれど。 ○池上分科会長  いや。それは可能性としてはもちろんありますけれど、もう1つ、この分類をつくるときの 基本的なコンセンサスとして、処置的なものはまた出来高に戻る危険性があるので、処置 を評価項目にすることは、ほかにかえることができるなら処置項目は評価項目に避けた方 がいいというコンセンサスが最初にあったのではないかと思いまして。それもあって、ここ でほかの患者の状態像で大部分は拾えるのなら、その項目は評価項目に加えなくても いいのではないかという意図もあって、この真ん中の欄がある次第でございますが。 ○木下委員  処置の項目を外そうという考え方は十分いいと思いますけれど、例えば5ページで見て もらうと、真ん中あたりに感染症がいろいろ挙がっていますけれど、これが左の医療区分 の評価項目では2というふうになっていますけれど、真ん中のところではマークがついて いないということで、この表から見ると、今の説明だとこれは医療区分2に入れる必要はな いというふうなことになると、それはおかしいのではないかという気がするんですけれど。 ○池上分科会長  ここは右の方の欄で、実質的に他の項目で医療区分2、3に該当していて、そして該 当しない患者というのはこの調査で見る限り非常に少なかったということを、ここでは提示 している。その中で、むしろ新たに出てくるのは、2−14にある末梢静脈栄養というのがた またま挙がっていますけれど、ほかでカバーされているということを確認するためにこの表 をつくったわけです。その表をつくって、このデータとは別に臨床的観点から御意見を御 指摘されるのは結構だと思いますけれど。 ○木下委員  ほかで挙がっているから要らないという理論がよくわからないのと、今、この末梢静脈 栄養が挙がっていると言いましたけれど、これがまさに処置に当たるところですよね。 ○池上分科会長  はい。 ○木下委員  だからちょっと考え方が、今、分科会長が説明されたこととは、ずれるかなという気が します。 ○池上分科会長  ですから、まずはこれが、真ん中が基準であって、しかしそれでも臨床的観点から選 ぶべきでないということの例が、末梢静脈栄養であるというつもりであって。ですから、逆 にこれを機械的に当てはめることは避けるべきであると。逆にこの中で、例えば1人とか、 痛みの頻度が問題状況の悪疫質が1人しかいないと。単独で挙がっているのは1人だ けであると。1人でも、やはりこれはまた時間や費用に閾値を超えていなくても臨床的観 点から拾うべきであるというのは、またそれはそういう考えもあっていいと思いますけれど。 まずは、データとしてここであるということを前提として議論をしないと、せっかくこれを調 査した意味がなくなってしまうのではないかという気がします。  済みません。ちょっと時間がもう既に定刻を過ぎておりますので。私の不手際もありま すが。 ○医療課長  先ほどのコストと収入、点数の話で確認をしたいのですが、これはトータルとして全体 の平均の費用と全体の平均の点数を比べると、食事の部分も含めると、それなりにロス の方が多いですねというのが結果だったわけですけれども。その中で、例えば医療区 分1についてコストと収入がきっと合っていないだろうと思います。だけれど、それをコス トに見合った分、点数を上げるということは、逆に言うと医療区分3なんかはコスト以上に つき過ぎているのだから、それは下げてもいいと、そういうことなんですか。だから、椎名 委員なんかはどちらかというと、経営者をもう少しまっとうな経営者にすべきではないか、 という御意見というふうに思ったんですけれども。そういう形でいいでしょうか。 ○天本委員  それは、ここで議論するんですか。 ○医療課長 いや。それを書いてくれと言われるから、書くならそういう形で、コストに見 合った点数に設定しろと分科会としては思うというなら、単純にそれを、あえて医療区分 1が低過ぎるというなら、医療区分3は高過ぎるのではないかというのを平等に入れない とおかしいのではないかと。先ほど、天本委員から、その1のところの話だけ出ましたけ れども。 ○天本委員  よろしいですか。全体で1万7,351円というのが、平均値が出ておりますので、その平 均値を、例えば区分3なんかが非常に高いというわけでもございませんので。そして、 椎名委員がおっしゃった9区分というか、大前提というものが5区分になったいろんな問 題、矛盾点、そういう点もきちっとやはり議論……。前提条件が覆されたわけですので、 その辺のことも議論した中でその問題も言わないと、ちょっとおかしくなるのではないか と思います。 ○椎名委員  よろしいですか。やはりどう見直すのかというのは、中医協の問題だと思います。分科 会でこういうふうな重みづけケア時間とか、あるいはコスト調査の結果こう出た。大変こ れ、実際の値づけとでこぼこがありますねと、理屈がつかない部分が結構ありますね、そ ういう形でいいんじゃないですか。あと、どう料理するのか。あるいは料理しないのか。 それはもう中医協、そのほか政策的なマターとかいろいろ入ってくるかもしれないけれ ども、やはり分科会は「こういうデータに基づいてこういうエビデンスが出ました」と、「実 際の値づけとは、幾つかの部分ででこぼこがありますね」と、そういう提示をすればいい のではないですか。 ○天本委員  私も全く同感。やはり事実を明確にきちっと示すということが、この分科会の重要な役 割だろうと思います。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○大塚委員  私も全く同感です。 ○池上分科会長  では、異論は特にないでしょうか。 ○池上分科会長  はい。では、まずそのことについては、きょう御欠席の近藤委員は別として意見の一致 を見たということでよろしいですか。そして、その結果の点数については、やはり中医協 マターとして対応していただくという。  では、申しわけありません。ちょっと時間がもう既に過ぎておりますので、最後に確認 しますが、本日の委員の意見を踏まえた資料を次回提出していただきたいと思いますが、 確認をお願いします。 ○森光補佐  はい。済みません、次回の分科会ですけれども、ちょっと今、日程調整、それから会場 調整中でございまして、未定となっております。日程が決まり次第、事務局から改めて御 連絡をさせていただきます。日程調整は6月の末、もしくは7月の初めで今、調整させて いただいております。  それから、その次回の分科会においては、本日の御議論も踏まえて修正した本報告 書案を事務局より提示をしたいというふうに考えております。そのために、申しわけない のですが、本日議論していただきましたことに加えて、どうしてもこの点については報告 書の方に加えていただきたいという点につきましては、18日(月曜)までにメールまたは ファクシミリで御意見をいただければというふうに思っております。  特に、医療区分の点につきましては、まだいろいろ御意見がある可能性があると思い ます。ただ、私の方でまとめさせていただくのは、この別紙11参考資料2のデータに基 づいてはこうであった、さらに加えて委員の方からいろいろ、「うつ」ですとか「難病」、そ れと医療処置ではなく、できれば状態像でといったような御意見が出たことについて、 今、今後報告書の方にまとめて整理をさせていただきます。それに加えて、さらにこの 点について、この点についてという御意見があれば、ぜひ18日までにお寄せをいただ きたいというふうに思います。それをいただきまして、次の報告書案を作成し、至急また 各委員のお手元に送らせていただきたいというふうに思います。できるだけ、また早く お手元に送らせていただき、最終報告書をまとめたいというふうに思っております。どう ぞ、御協力をお願いしたいというふうに思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。先ほど申しましたように、概括的にこの項目について御指摘い ただいてもよろしいし、個別に御指摘いただいても結構ですので、この期日までにぜひ お願いいたしたいと存じます。  時間が超過して大変申しわけありませんでした。それでは、平成19年度第2回診療報 酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会を終了させていただきます。 お忙しいところ、どうもありがとうございました。 ○森光補佐  ありがとうございました。 (了)        【照会先】         厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278) 9