07/06/07 第4回薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会議事録 第4回薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会          日時 平成19年6月7日(火)          10:00〜          場所 厚生労働省6階共用第8会議室 ○事務局 おはようございます。定刻よりも少し早い時間ですが、委員の先生方がお揃い ですので、ただいまから第4回薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会を開会いたし ます。先生方におかれましては、大変お忙しい中をいつもありがとうございます。本日は、 委員11名のうち宇賀委員がご欠席ですので、10名の先生方に出席していただいていると いう状況でございます。早速ですが、まず配付資料の確認を、事務局よりさせていただき ます。  お手元の資料は、まず「座席表」があり、その下に「議事次第」があります。そして資 料番号1-1が「薬剤師の再教育・行政処分について(意見の整理案)」、資料1-2が「薬剤 師の行政処分に関する考え方(案)」、資料2が薬剤師法を今回、平成18年に法改正した内 容にアンダーラインを引いたもので、以前にもお配りした資料ですが、本日改めて、参考 としてお配りさせていただきました。資料3は横長の資料です。これも毎回お配りしてお りますが、「薬剤師の行政処分事例について(過去10年間)」という資料です。その下に参 考資料として「委員名簿」以下4つ付いております。参考資料2と3が医師における検討 を行った報告書、参考資料4が、平成14年に医道審議会でまとめられている「医師及び歯 科医師に対する行政処分の考え方について」というもので、本日の資料1-2と対比するも のです。資料1-2が薬剤師に関して、医師の場合を参考にしながら書き起こしてみたもの ですので、後ほど比べて見ていただければと思います。配付資料は以上ですが、不足等あ りませんでしょうか。  よろしければこれより議事に入ります。マスコミの方、あるいは傍聴の方、カメラ撮り はここまでとさせていただきますので、ご了解いただきたいと思います。座長、お願いい たします。 ○座長(望月) それでは議事次第に従い議事に入らせていただきます。検討会も本日で 第4回となりまして、そろそろ意見を集約していく必要があるかと考えております。そこ で今回は事務局に、医師などにおける取扱いを参考にしつつ、これまで議論されてきた内 容を項目ごとに整理していただきました。本日は再教育及び行政処分の取扱いについて、 資料に記されている内容、これをたたき台として、1つ1つ確認しながら議論を深めたい と思います。進め方としては、項目ごとに区切って事務局に説明していただきながら進め ていきたいと思っております。そのような形でよろしいでしょうか。  ありがとうございます。では事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 お手元の資料1-1を中心にお話させていただきたいと思います。資料1-2に関 しましては、先ほども申し上げましたとおり「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え 方について」を参考に作っておりまして、本体である資料1-1の後半部分の行政処分に関 する記述の所に少し出てきますので、そのときに説明させていただきます。資料2は参考 として、制度上どうなっているかというところを、適宜使うということでお配りしており ます。また、再教育あるいは行政処分に関するさまざまな議論をする中で、これまで、数 はかなり限られているのですが、過去10年間に遡った処分の事例を参考にお付けしており ますので、どの程度の処分に対して、どういう再教育が適用されるかという際に、限られ た情報ではありますが、何かの参考になればということで用意しておりますので、使い方 としては、説明はしませんが、議論の中で使っていきたいと思っております。  それでは資料1-1を中心に、項目ごとに区切って説明いたします。最初に大きな1が「再 教育のあり方について」という項目です。この資料は2部構成、最初が「再教育のあり方 について」、後半10頁からが「行政処分のあり方について」ということになっておりまし て、本検討会の2つの大きなテーマである再教育と行政処分、それぞれのあり方について 考え方をまとめております。2頁から項目ごとに説明させていただきます。まず1の再教 育の目的の所は4つに分けて書いております。まず最初は、これは法律上決まったもので、 行政処分を受けた薬剤師又は再免許を受けようとする者に対しては、大きく分けて2つの 内容がある。1つが倫理の保持、もう1つが必要な知識・技能に関する研修。その目的は 原因となった行為に関する反省を促すということ。そして2つ目の○の3行目からは、「被 処分者に対する再教育は、結果として、国民に対して安心・安全な医療の提供等、薬剤師 が果たすべき任務の適正な実行に導くことを目的としている」という言い方をしておりま す。また捉え方としましては、被処分者にとってという捉え方をしますと、自らを見つめ 直す機会として捉えることができますし、また、社会的責任を果たすことができる水準ま で、自らが到達したことを示すものにもなろうかということです。さらに、国民から見た 場合には、必要な職業倫理又は知識・技能といったものを備えていること、また習得した ことを確認する手段として、再教育というものがあろうかということで考え方をまとめて おります。以上です。 ○座長 ありがとうございました。この1番の再教育の目的についてご意見はございます でしょうか。これは全体の大きい目的ですので、一応、この段階では特に問題はないとい うことで、先へいって、必要があれば戻りたいと思います。  それでは2番の再教育の内容についてご説明をお願いします。 ○事務局 2の再教育の内容は少し頁が長いので、申し訳ありませんが少し時間がかかる かと思います。  最初の○には、繰り返しになりますが、法律で定められた2種類の研修があるというこ とが書いてあります。2つ目の○は、その内容は再教育を受講することとなった原因であ る行政処分の内容や、その理由によって異なるということで考え方を示しております。行 政処分に関しては3つの類型があるということで、すでにご案内のところだと思いますの で、その3つの行政処分の内容の軽重を勘案して、プログラムが構成される必要があろう という基本的な考え方です。そしてその行政処分に至った理由は、その内容や類型にかか わらず、その背景にあるのは職業倫理の欠如か、あるいは知識・技能の水準の低さに伴っ て何らかの行為があり、それが処分につながったということで分類ができるのではないか ということです。その内容としては、職業倫理の欠如の場合や薬剤師に限らず一般に犯し 得る行為もあれば、一方で薬剤師としての資格を利用する、悪用と言いましょうか、そう いったことによって犯した倫理の欠如、こういった2つに分かれるだろう、一方、知識・ 技能の水準の低さに関しては、本来任務を果たすのに有すべき知識や技能が欠けていたた めに、何らかの事故やミスが発生し、それによって誤った行為を行い、それが処分につな がったというケース、そのような内容になってくるのではないかということです。  こういうことからすると、処分の類型が3種類あって、その背景にある理由が、倫理の 欠如と、知識・技能の水準の低さということですので、単純に考えれば3×2で6通りの分 類になるということですが、処分の類型のうち3年以内の業務停止の場合には、それを同 じ範囲のものとして捉えて、再教育を単一のものとしていいかと言われれば、そこはやは り中身を2つに分けたらどうかということでして、1年未満の業務停止の場合とそれを超 える場合、言い方を変えますと、1年以上3年以内の業務停止、この2つに分けて考えて、 それぞれに対して適切な再教育を当てはめていくということでどうか、ということがここ に書いてあります。  その考え方がよければその下に書きましたような分類、再教育という観点で捉えればア イウエという4つに分かれる形になりまして、その内容はそれぞれ倫理と知識・技能とい う2種類がありますので、計8通りということになるかということをここに書いておりま す。そして、この8通りに対してどういう研修をするかということで、法律上定められた 倫理の保持に関する研修と、技術・知識に関する研修の2つに分けて、その下の○から中 身に触れております。  まず倫理の保持に関する研修につきましては集団研修の受講、教育的講座という言い方 もありますが、それを中心として必要に応じて社会奉仕活動などを実施することを通じて 自省と自己洞察を行うことでどうかということです。この集団研修のプログラムに関しま しては、職業倫理にかかる再教育として、想定し得る主だった内容を、包括的に網羅した 形で構成してはどうかということで書いてあります。これは、一口に職業倫理と言っても さまざまな事案があるわけですが、それぞれに対して個別のプログラムを作っていくと何 種類も出てくる。かと言ってそれぞれの事案に対して適用される方、教育を受ける方は、 必ずしも多くないということを考えますと、全体を網羅した形でプログラムを構成し、そ れに対して受講を求めることによって、直接的な倫理の欠如の部分を補うとともに、また、 全体に対して反省、自省を促すという目的を果たすという考え方もできるのではないかと いうことで、ここの内容に関しましては、包括的に網羅した形でいいのではないかという 考え方でこういった書き方をしております。  次の4頁目は、より重い行政処分を受けた場合には、集団研修のみならず小人数で、課 題を提供してその課題に関して議論をするという、スモール・グループ・ディスカッショ ン形式の課題研修を適用する場合もあるのではないか。さらには、特定の指導者の下で行 う個別研修を適用していくというように、その処分の重い軽いによって、その中身にめり はりをつけていくことでどうかということです、その具体的な内容はそこに書いてあると おりです。さらにきめ細かく議論をしますと受講期間とかその受講回数、再教育の期間や 回数の問題にも当然議論が及ぶわけですが、それに関しましては●で、具体的な日数ある いは回数等は現時点ではまだ入っていなくて、本日ご議論いただきたいと思いますが、内 容としましては教育的講座と、あと、1年未満の業務停止の場合と1年から3年以内の業 務停止の場合、あるいは免許取消しの場合、それぞれに対してどのくらいの期間、どのく らいの回数が必要かといったところで、とりあえず形の上ではこういう文章として起こし て、論点とさせていただいているということです。  一方、知識・技能に関する研修はその下にありますとおり、教育的講座の受講と実習あ るいは演習を通じて行うことでどうかということで考えております。その内容に関しまし ては、特定の行為に対して行政処分が行われている場合と、処分の理由にかかわらず長期 間実務から遠ざかっている場合、やはり業務を再開するに当たっては、何らかの知識ある いは技能に関する研修が必要ではないかという、2つの目的があるのではないかと思いま す。その内容として、教育的講座においては事故防止あるいは安全管理といった観点で、 プログラムが構成されていることが適当だということで、回数と日数はまだ書いてありま せんが、戒告の場合にはそういった教育的講座を受講するということで考えております。 事故にかかわるようなものではない場合には、いま生涯学習の一環として、いろいろ行わ れているプログラムの活用もあるのではないかということで、いちばん下に書いておりま す。  そして5頁目のいちばん上、教育的講座に加えて行う実習・演習、そういったプログラ ムに関しましては、戒告に対しては適用しないという考え方です。一方で、適用する場合 には指導者による指導・監督の下で行うということですが、その期間に関しては一応●と いうことで、まだ具体的にはしておりません。指導者の下で個別に実務実習を行う場合に は、薬局あるいは病院という現場で行いますので、その総括的な指導・監督をする立場の 方とは違う方が、現場で直接的に指導することもあり得るということで、指導薬剤師の下 で指導・監督を行うことでも、差し支えないのではないかということで書いております。 このあたりはまた後ろのほうで具体的な記述があります。さらにこの部分は、いまご説明 した内容だけにとどまらず、再教育の対象者というところと組み合わせて議論したほうが わかりやすいのではないかと思いますので、申し訳ありませんが次の3の所まで、頁で言 うと、6頁の上段にある表の所まで説明を続けさせていただきたいと思います。  対象者としては、5頁目の大きな3の最初の○に書いてありますが、行政処分が終了し た後に、改めて薬剤師として働くことを前提とする必要があろうということで、取消しの 場合には、取消しをした時点で再教育を求めるのではなくて、改めて免許の再交付申請を 行う前、それに先立って行うことが適当ではないかということです。そのほか戒告、ある いは業務停止の場合ですと、特に戒告の場合は仕事をしながら再教育を受けるということ になりますので、その部分を一応考慮した上での議論が必要かと思っております。職業倫 理に関する研修につきましては、処分を受けた薬剤師全員に対して行うことが適当という 考え方で、ここは前回もご議論いただいたところだと思います。一方、知識・技能に関す る研修につきましてはその必要に応じて、処分の内容あるいはその背景になる原因、そう いったものによって当てはめていくと考えてはどうかということです。  いま、再教育の内容の所から続けて説明してきましたことをマトリックスにすると、6 頁目の表になるのではないかということで整理しております。縦軸がアイウエという類型。 類型で言いますと3分類ですが、再教育を適用するという観点でイとウの2つに分けてお ります。それぞれ(1)(2)ということで処分の背景になるその原因が、倫理と知識・技能の2 つに分けて書いてあります。横軸が再教育の内容、種類ですが、集合研修、課題研修、個 別研修で、戒告なら、その戒告の理由になった部分が倫理に関わる部分であれば、倫理に かかる集合研修を受けることでいいのではないか、一方、知識・技能の水準が低いという ことを理由に戒告処分を受けた場合には、集合研修という形で倫理に関わる研修と技術・ 知識にかかる研修、両方受けていただくという考え方です。そのほか○の付け方によって、 1年以上3年以内の業務停止の場合あるいは免許取消しの場合ですと、個別研修というと ころで倫理に関する個別研修あるいは技術に関する個別研修、実務実習のような内容だと 思いますが、そういったものを再教育の中で受けていただくということで、○印がこの部 分ではフルに付いているという状況です。この辺のマトリックスも参考にしていただきな がら、どういう処分に対してどういう再教育を当てはめていくのが適当かということでご 議論いただければと思います。  少し長くなりましたが以上です。 ○座長 ありがとうございました。それではただいまのご説明に基づいて、2頁の2番、 再教育の内容について、皆様からご意見をいただきたいと思います。2頁から3頁の真ん 中よりちょっと下ぐらいまでですね。これについていかがでしょうか。  内容について、戒告と3年以内の業務停止、免許取消しという3つがあるのですが、今 回はその3年以内というのを、1年未満の場合と、1年以上3年以内の2つに分けるのが適 切ではないかというような形でまとめていただいております。これについてはいかがでし ょうか。もっと別の括り方のほうがいいというようなお考えがあれば、出していただけれ ばと思います。  この括り方については、よろしいということでいいですね。アイウエの4つに分けてそ れぞれ、その行政処分に至った理由として(1)職業倫理、(2)知識・技能、そういう2つずつ に分けて、合計8通りが考えられるということに基づいて、そのあとの研修の計画ができ ているということですが、これらについてはよろしいでしょうか。  それでは3頁の下のほうの薬剤師としての倫理の保持に関する研修は、この研修のプロ グラムについて3頁と4頁の真ん中ぐらいまでに記されているのですが、これについての ご意見をいただきたいと思います。 ○武政委員 意見と言いますか質問です。4頁の特定の課題に関する課題研修は、スモー ル・グループで行う方式、少人数でということになっていますが、これは、再教育の対象 者を集めた少人数と理解していいのですか。そうではなくて、一般の方も入ってというこ とですか。 ○事務局 とりあえずは処分を受けて再教育を受ける方が集まって、お互いに話し合うと いう意味で少人数と書いておりますが、実効性がどのくらいあるかはちょっと考えなけれ ばいけないかとは思います。その辺もご意見をいただければと思っております。 ○武政委員 ある程度人数が、どのくらい出るかという想定もいまはちょっと不可能な状 態ですが、処分を受けた者同士のほうが、実効性は上がるような気がしますが、その人数 確保の問題が出てくるのではないですか。 ○座長 これまでの事例を見てみると、そんなに人数は揃わないのではないかという心配 があります。 ○倉田委員 確保というのも面白いですね。何か変ですね。 ○武政委員 方式としては、かなり教育効果は上がると思います。一般の教育でも少人数 で行ったほうが非常に実効性は上がります。 ○事務局 課題研修に先立って集合研修は適用されていると思いますので、そこで集まっ た方のうち、重い処分を受けた方が何人かピックアップされるということが想定されるの ですが、確かに単数の場合もあるので、実際に行うとなるとどうか、難しいことがあると は認識しています。一方で、処分を受けた方ではない方が入っていると、逆に再教育を受 けなければならない方と、そうでない任意の方が混ざっているということになると、それ ぞれが同じ立場の受講者ではないようなことにもなってきますので、むしろ再教育を受け なければならない方でない方は、そのスモール・グループ・ディスカッションをある程度 リードしていくような役回りとして入るということはあるのかもしれませんが、あくまで その少人数という対象者は、処分を受けた方ではないかなとは思っております。 ○七海委員 スモール・グループ・ディスカッションと言うと人数が限られると思うので すが、大体何人ぐらいと想定していらっしゃいますか。 ○事務局 そこはいろいろ考え方があると思うのですが、いろいろな研修あるいは生涯学 習におけるワークショップで言いますと、大体一桁の人数がいいという話があるかと思い ますので、多くても9名というのが1つの目安かとは思っておりました。 ○倉田委員 この資料3の表を見ながらの想像ですが、調剤報酬の不正請求という業務停 止処分が多く見られます。そういう方たちがこのスモール・グループ・ディスカッション のワークショップをするわけですが、そのときに、我々はなぜこういうことをしてしまっ たのだろうという話をするわけですね。それは非常に良いことだと思うのです。望んでい るわけではないのですが、リピーターというのがもし出てきてしまった場合、またやって しまったという中に、なぜまたやってしまったのか、どこかにシステム上の不備があるの ではないか、やりやすい(陥りやすい)状況というのがあるよねということが出てくれば、 それはそれで非常に良い所を突いているということになると思うのです。同じ調剤報酬の 不正請求の人たちがグループになるというのも良いのではないかなと思いました。 ○座長 ありがとうございました。いまのをまとめますと、そのスモール・グループには、 同じようなことをやってしまった人たちが集まる。同じようなというのはいろいろな意味 を含みますが、それはいいということで、ほかの人はチューターとして加わるというよう な形ですね。人数としては最大限9人でしょうが、大体5、6人というのが適当かなという ところです。ただ、5、6人が揃わなかったらどうするか。本来この行政処分は、それに対 応する人が出ないことを祈るというのがいちばんの目的で、そういう人が毎月5、6人出て しまったら大変なことになる。そのあたりは何かうまく考えないといけないかなという気 がしました。ただ現段階ではそういうような考えで、処分された方々を対象としたSGDで あって、ほかの方々はチューターとして加えるというように考えます。  この中身としては、「医療関連法規、薬事関連法規、医療保険制度(診療報酬制度)、医 療倫理学、行政処分を受けた事例の提示、患者団体・医療事故の被害者からの経験談など で構成することが効果的である」ということですが、これについてはいかがでしょうか。 これ以外にも加えるほうがいいというようなものはありますか。 ○座長代理(平林) 先ほどの倉田委員のお話を伺っていて思ったのですが、例えば平成 19年は、一般的な犯罪が4名で麻薬関係が3名。仮にこの7名を1つのグループにしてい まうと、その反省すべきことがかなり違うような気がします。そのときにどのようなこと が起きてくるのでしょうか。要するに、スモール・グループ・ディスカッションはいいと 思うのですが、どういうグルーピングをするのかを少し考えないといけないのかもしれな い、ということを申し上げたいと思います。 ○事務局 そこでご助言いただきたいのは、同じ内容で処分を受けた方だけが集まれば、 それをテーマにかなり、お互いが反省しあうという効果はあると思っておりますので、そ ういうケースは、人数が集まればそれでできるかと思うのですが。 ○座長代理 あまり好ましくはないですけどね。 ○事務局 そうですね。集まることは決していいことではないと思いますが、一方で、そ の処分の内容が違っている方々が集まるだけでも、反省を促す、お互いがそれぞれ、どう いうことをしてしまったのかということも、お互いが自ら発言することによって自省、そ れぞれが反省することは可能かとは思いますので、そういう構成の仕方も一応視野に入れ ておかないと、おそらく実行ができないというか、回らなくなってくるのではないかなと 思っております。 ○座長 今回の場合に、薬剤師の行政処分以外に例えばそういう戒告というような、小さ いというかいちばん軽い場合には、医師とか看護師とか、ほかの医療関係者で同じような 処分を受けた人と、一緒のグルーピングをするということは考えられないですか。 ○事務局 それもあるのではないかといま思いました。 ○座長 ほかには何かこの点についてありますでしょうか。あと、もしよろしかったらこ の●の所に、例えばどのようなものがよろしいのか。戒告の場合の教育的講座は何日間程 度のプログラムを何回受講するというような形、あるいは1年未満、1年以上の場合はと いうことです。いずれもその倫理の保持に関する研修としては、どのくらいの量が適切か というようなことですが、これについてのご意見もありましたらいただきたいと思います。 ○事務局 参考までに申し上げると、前回の資料で配ってはいますが、医師の場合では一 応検討会で検討した後に行政側が示した内容としては、我々の資料のいちばん上の戒告の 場合の教育的講座は、示し方は「1日以上」という言い方で2日か3日などまだはっきり しない、それはおそらく処分により個別に変えていくという余地として残している言い方 だと思います。「1日以上」という言い方ですので、最低1日はやっていただく内容でいま は公文書の形でまとめられています。それに対して例えば再教育の場に足を運んで、それ ですべての反省なり自省が促せるかということで考えた場合に、場合によっては複数回通 うというか、受講することによってかなり自らの生活ないしは、戒告の場合では仕事をし ながらですので、そういう負荷がある程度かかることにより、反省がより促されるという 考え方もあります。その辺りはどのくらいの回数がいいかは、いま申し上げたような観点 で、大まかなところで絶対的に何日、あるいは何回とは言いにくい部分があります。なる べく繰り返し繰り返し負荷をかけるのがいいのか。そうは言っても戒告であればある程度 限られた回数でいいのか。そういう切り口ででもご助言いただければと思っております。 ○座長 いかがでしょうか。懲罰的な意味で何回も来いというのも、また別の問題が出て くるかとは思います。戒告を受けた人が行って、非常に自分にとってよかったと思えるよ うな内容のプログラムを何回受講したらいいかということなのですか。いかがでしょうか。 医師の場合では1日以上ということですから、例えば1日間程度のプログラムを3回程度 受けるというような形にすればよいのではないでしょうか。 ○武政委員 一般的な話として、最初の教育講座、1回目はなぜ自分がやったことが問題 なのかを知るチャンスです。2回目はその中で本当に自分が犯した行動を振り返る、気づ きの機会です。そして3回目は、その気づいたことを反省してどのように自分を変えてい けばいいかという、次の方向に向かっての回として考えれば、一般論としては3回ぐらい というのが妥当なような気がします。 ○座長代理 教育内容についてはほとんどアイディアがないのですが、カリキュラムを考 えるときは時間数で考えることが多いと思います。そうすると、何日ということにプラス して、何時間という時間数を入れる必要がないのかということを疑問に思うのですが、。 ○座長 どうでしょうか、その点は何かご意見はありますか。 ○事務局 そこも1日当たり何時間の受講が適切かについて、ほかの研修などの例を参考 に何かご助言いただければ、こちらでも考えてみたいと思います。半日あるいは丸一日ぐ らいの感覚でもいいと思います。 ○座長 これも全般的に医療人全体のプログラムと薬剤師に限ったプログラムと両方あり 得るので、それをうまく組み合わせると半日・半日で合計1日ということも可能かと思う のです。 ○七海委員 先ほどの資料3、戒告の所を見ると、ほとんどが保険薬剤師の登録取消しと いう処分が戒告になっているのですが、薬剤師の不正請求というのは国民を裏切ることで あって、戒告とは言えど非常に重いと思います。したがってある程度1日以上、時間数に してもやはり運転免許のようにちょっと受ければ済むという問題ではなくて、武政委員が おっしゃったように、ある程度の時間を課して何日間か続けてもらう。基礎からやってい ただくことが必要ではないかと感じます。 ○座長 そうすると先ほど武政委員がおっしゃったように、最低3日間というのは必要で あろうし、1日の内容も半日ということではなくて、丸々1日かけるようなプログラムが必 要であるというような考え方だと思います。 ○堀内委員 この処分というのは大体1年に何回かなど、時期が決まっていればプログラ ムを組むことはできると思うのですが、ばらばらですと実施する側は大変だろうと思われ ます。その辺は具体的にはどのようになるのでしょうか。 ○事務局 いままでやっておりますやり方と、今後は医道審議会を介してということにな るので、少しペース配分は違ってくると思います。少なくとも定期的にまとまった形で事 務的な手続を踏んでいくのかなと思っております。現時点で処分日で見ていただくと、大 体1年に1回ないしは2回ぐらいのクールで回っているかに見えるかと思いますが、それ では今後は少し戒告などの場合では業務が続いているので、もう少し間隔は縮めるという ことはあり得ると思っております。いずれにしても、そうは言っても、おそらくいろいろ 情報集めもしなければならない時期もありますので、1つの事案を処理するには数カ月は かかるのではないかなと思っております。そうすると年間では現状では1回か2回ですの で、その実績を踏まえればさらに増やしてもう1回、3回ぐらいが1つのクールとして考 えられるのではないかなと思います。あとは医道審議会がどのような形で開催するかにも よるので、そこはいまの段階ではわからないところです。 ○堀内委員 医師、看護師等の処分と連携した形でやれば、3回くらいはできると思いま すので、そのような形で連携しながら、医療倫理の問題などをやれば、複数回やるのは妥 当かと思います。 ○座長 そうですね。戒告の期間というのは講座が終わるまでは名前がどこかに残ってい るのですね。それを受講して報告をきちんとすると、その名前は消えていくので、受けた 人にとってはなるべく早く、なるべく早くというのは語弊がありますが、反省しないで早 く終わってくれというのではなくても早い段階でそういう倫理講習を受けられるといいと 思います。そういう意味でもいまの1年1、2回というのはやや少ないので、3回程度、3 回以上が望ましいかという気がします。それでは1年未満の業務停止の場合は、教育的講 座に加えて、課題研修、これはどのように考えたらいいでしょうか。スモール・グループ・ ディスカッションという形式が取れればいちばんいいのですが、1、2日程度の数回行う形 になるかと思いますが。このスモール・グループ・ディスカッション方式というのは、医 師と看護師のほうでも同じようにできているのですか。 ○事務局 ここは具体的にスモール・グループ・ディスカッションという言い方をしてい る所はありません。課題を提供した研修をやるというのは医師もありますが、形式として スモール・グループ・ディスカッションとまで書いてあるのは、今回は我々が初めてです。 ○座長 いかがでしょうか。スモール・グループ・ディスカッションについては薬剤師で 初めて出てきたということです。これも先ほど申し上げましたが、医療関係者すべてに共 通するような問題というのは倫理では多いかと思いますので、必要に応じて医師にも加わ っていただく形がよいかと思います。 ○事務局 先ほど平林座長代理から時間という捉え方があるということでしたが、回数と 日数として捉えるか、時間として捉えるかで見た場合に、戒告の場合では業務をしながら の受講になりますから、ある程度時間的な制約があると思うので、細かい時間に分けて、 何日かにわたって、トータルで何時間という捉え方をするのがいいのか、内容によっては 集中的に1日で数時間まとめてしまうというやり方、時間的という意味で捉えればあると 思います。その辺りはメリット、デメリット含めて、何か気になる点があれば教えておい ていただければと思います。 ○武立委員 先ほどから話題になっているスモール・グループ・ディスカッションですが、 いま6年制の教育が始まって、1年生、2年生は盛んにこのグループ・ディスカッションを しています。ほかの方のご意見を聞くということで、とても視野が広まったり、気づきが あったりということで、効果が出ているのではないかと思っております。ただ1回だけ1 日に集中するというのは、それも効果があるのかもしれませんが、その後、引き続き1カ 月に1回などという形で、さらに深めた議論していただく、短期間に集中してというより は、少し時間をあけて何回かにわたってしたほうが、効果的ではないかという印象は受け ております。 ○座長 ディスカッションの後、一定の冷却期間、整理する期間を置いてからやったほう がいいだろうということであります。 ○七海委員 先ほど武立委員がおっしゃったように、我々もワークショップなどをやって いますが、1泊2日という、夜の部分でお互いにフリーディスカッションする時間は非常 に重要に思いますので、これは業務停止中ですので少なくとも1泊2日、それを何回かに するかは私はよくわかりませんが、泊まっていただきというのが、非常に効果があるよう に感じます。 ○座長 いままでやっているワークショップの経験から言うと、1泊2日と集中すると、 非常に効果が上がるというご意見です。この場合は、業務停止の期間であるから、その程 度やってもいいであろうというご意見です。できればそういうものをある程度の期間を置 いて、2度ぐらいやるといちばん集中して有効性もあるのではないかということです。し かし、その間のチューターの仕事が重いし、どういうテーマを持ってくるかは結構大変な ことかなという気がします。ワークショップをやると、チューターのくたびれ方がとても 大きいのです。この点についてはいかがでしょうか。 ○事務局 課題研修を念頭に置いていただいてよろしいと思いますが、複数回やることを 考えた場合に、1回目の課題研修を受けた方は、すべて1回目の方ばかりで、2回目に行っ たときに初回の受講者というのは入ってきても大丈夫なのでしょうか。それともここはも う1回目に受けた方が次のテーマ、課題でやるということで、2回が1つのセットで、同 じ方が少人数を構成するのか。あるいはその中に初回の人が混ざってきても大丈夫なのか。 その辺りについて何か参考になれば。 ○座長 武立委員、ご経験でいかがでしょうか。ペースとして大体学生は一緒ですよね。 ○武立委員 1回目というのは、やはりかなり戸惑いはあるように思います。2回、3回に なればもう大体要領は掴めるのですが、どうでしょうか。 ○座長 途中から加わった場合にはなかなか溶け込めないのではないでしょうか。 ○武立委員 そうですね。 ○座長 皆さんはもうまとまって話をしているのだけれども、休んで初めて出た学生とい うのは何をしていいのかわからなくてと困るようです。 ○武立委員 はい、そうですね。少しご意見を出しにくいかもしれませんね。チューター の方がうまくされる、司会の方がうまくされるなどということがあればとは思います。 ○座長 ということで、できたら同じペースで一度経験した人が、みんな二度目をやると いうほうがいいと思います。ただでさえいい場所というか、いい立場にいないので、溶け 込むのが大変かなということで、特に第1回目が大変かと思います。  もう1つ、1年以上3年以内の業務停止の場合の社会奉仕活動などの実践を伴う課題か らの研修、これについてはどうですか。月何回程度という形で入っていますが。あるいは 免許取消しの場合も含まれますか。この間は非常に長い期間ですが、社会奉仕活動などの 実践というと、事務局では具体的にはどういうことを考えていただいているのでしょうか。 ○事務局 ここは特に薬剤師固有の何か課題がなければいけないというわけではなく、ほ かのいろいろな例を勉強しなければいけないとは思っておりますが、一応指導・監督をす る方にサポートしていただきながら、その都度、場合によっては後ほど出てきますが、個 別指導者という方が、ある程度指定する形で、限られた方になるので、その方がいろいろ な課題を独自にお持ちになり、その中でプログラム構成していってもいいのかなと思って おります。目的はしっかり守っていただいた上で、内容は委ねてもいいのかなという気も しております。 ○座長 ということですので、細かい内容よりも、指導者が考えた上で、個々の処分者に 合った方向で、社会奉仕活動を考えるということになるかと思います。次の知識及び技能 に関する研修についても、ほぼ同様な検討が行われるかと思います。この場合特に倫理と 違っているのは、3年以内の業務停止又は免許取消しの場合は、その期間実務から遠ざか っているので、その間の新しい知識及び新しい技能を習得することは必須となるというこ とです。これも教育的講座を何回受講する、あるいは定期的に行われているプログラム、 生涯学習の一環として行われているものを定期的に受講する、あるいは5頁の上、実務実 習あるいは演習形式のものに加わっていただき、特に薬学生が行う実務実習と同じような カリキュラムを指導薬剤師の下で行うことも差し支えないということです。要するにいち ばん最新の薬剤師としての知識及び技能を補っていけるようなことだったらいいだろうと いうことです。これについては何かご意見はございますか。 ○七海委員 まず先ほどから出ている個別指導者です。個別指導者を誰が決めるのかとい うのも問題ですが、先ほどの問題に返るかもしれませんが、文面によると社会奉仕活動等 の実践を伴う課題もやるということになると、個別指導者が付ききりではなくて、プログ ラムを作ってやっていくというような考え方でよろしいのでしょうか。したがって技術も 個別指導者が、ずっと付ききりではなくて、ある一定のプログラムを検証していくという ような役割を担うと考えたらいいのでしょうか。指導者の位置づけを明確にしていただき たいなという気がします。 ○座長 これはいかがでしょうか。4番目の所にその話が出てくるのですが。 ○事務局 座長がおっしゃるとおりで、具体的には7頁にその部分を少し書いております。 7頁の上から3つ目の○で、個別指導者は包括的な指導・監督を行うということで、七海 委員のご意見のとおり、ある程度再教育を受ける方が面倒を見てもらっていると言いまし ょうか、世話、ケアをする立場としての個別指導者かなと思っており、その中でプログラ ムなどをいろいろ考えてやっていただき、具体的な内容としてここの部分では実務実習あ るいは演習、そういった場合の研修をやる場合には、また別途直接的に指導をする別な薬 剤師がいる形を想定しているので、個別指導者とここで言っている内容は、再教育を受け る方を全体的に、再教育を受けている期間中ある程度ケアをする、面倒を見る立場での内 容かなと考えております。 ○座長 6頁の上はいままでの議論をまとめ、いろいろな類型内容と再教育の方法2種類 についてまとめたテーブルですが、これについてはこのとおりでよろしいでしょうか。一 応この段階ではこれで結構であろうということで、また後ほど必要があれば戻りますが、 いま七海委員から出されました再教育の提供者について事務局から説明していただき、ま た議論を進めたいと思います。 ○事務局 それでは6頁の4、再教育の提供者について説明します。再教育の提供者は研 修の内容に分けて少し書いており、まず、職業倫理に関する研修に関しては、医師におけ る取扱いなどと同様、ここに書いたような団体あるいは関係の機関において、プログラム が作成できるのではないかということです。研修の実施主体は前回もご議論いただいたよ うに、再教育ですので国が主体かと思いますが、プログラム作成はここに書いたような団 体・機関が可能ではないかということです。知識・技能に関する研修については、薬剤師 が提供することが適当であると書いております。そして、1年以上の業務停止あるいは免 許取消しの場合は個別研修を行います。ここは話が前後しますが、個別指導者は被処分者 を指導・監督する、全体的なケアをするという意味で個別指導者の配置が必要ということ で、ここでまず個別指導者の必要性を謳っております。個別指導者に関しては、薬剤師を はじめとする医療に関わった者であることが望ましいという記載です。  次頁、個別指導者の養成に関しては、何らかのカリキュラムあるいは基本方針、考え方 のようなものが必要ではないかということで、策定されることが望ましいという記述をし ております。次の○では養成カリキュラムを修了した場合以外にも、個別指導者としては、 医師の再教育の場合は助言指導者という言い方ですが、こういう方であっても薬剤師に対 しての個別指導者になり得るのではないかという考え方がここに書いております。また十 分な実務経験と指導実績、一言で言えばベテランですが、そういう薬剤師の方がなること もあり得るのではないかということで書いております。個別指導者の位置づけと、実務実 習を行う場合に直接的に現場で指導する指導薬剤師、それを一応別々の者だということが わかるような形で書いております。特定領域に着目した研修を行う場合には専門薬剤師、 これからいろいろな分野で出てくるかと思っておりますが、そういう専門薬剤師の活用も 可能と考えております。  総括的に最後の○は、個別指導者の要件を書いており、これも少し医師に倣って、こう いう要件が設けられるかどうかということでご議論いただければと思いますが、免許取得 後何年以上経過した者、あるいは生涯学習の一環として行われる実務実習において、継続 的に指導した経験をお持ちの方、あるいは学生の実習という面での指導者として経験を有 する方、そういった方でもなり得るのではないかということで、取りあえず要件になるか どうかで見ていただければと思います。以上です。 ○座長 前回の議論で、医師等の再教育の助言指導者に当たる方を薬剤師の場合にも、置 いたほうがいいということに一応結論がついたと思います。そこで今回の場合は、個別指 導者という名前を持ってきて、そのいろいろな要件としてここにまとめたということです が、これらについていかがでしょうか。 ○武政委員 4の最初の○、「社会のあらゆる組織・個人を想定して」と、これは書いてい ませんが当然合法的な組織ですよね。いまいろいろ世間を騒がせている団体があり、やは り適切な団体と不適切な団体というのが、世の中の組織には混在しているわけです。それ を文言にしないまでも、そういう共通認識の下にあらゆる組織・個人を想定しないとまず いような気がします。 ○座長 「あらゆる」というのは広すぎるということでしょうか。 ○武政委員 はい、細かすぎますが。 ○座長 確かにそうかもしれません。ほかにはいかがでしょうか。 ○七海委員 先ほどの武政委員の所は非常に重要で、やはり厚労省がやることなので、「厚 労省が認定した団体」と理解してもよろしいのでしょうか。 ○座長 「あらゆる」というのが入っているということですね。 ○七海委員 ええ、「社会のあらゆる組織」ということは、「あらゆる組織」はたくさんあ りますので、どこでもいいということではないと思います。医療関係団体に限ることなく、 社会奉仕団体でもいろいろありますね。ですからここはいいよというのは、誰が選んで責 任を持つのかを詰める必要はないのでしょうか。 ○事務局 そこは当然それを念頭に置いておりまして、プログラムの作成ですので、こち らからよかれと思っていろいろお願いするような所に対して、できるだけの可能性をとい うことで、こういう書き方をしております。再教育に見合う内容のものをきちんと作って いただけるのであれば、私どもとしては対象となる機関・組織は問わず、国としては当然 妥当、適切な所に対してお願いするという意味です。 ○七海委員 やはりこれについては、当然国が関与するという理解でよろしいですね。 ○事務局 そうです。 ○座長 国が主体となって適切な組織・個人という形に修正していただければと思います。 7頁の個別指導者の要件の辺りについてはいかがですか。 ○七海委員 4つ目の○に免許取得後何年とあり、例になるかどうかわかりませんが、普 通実務実習の場合は7年以上の実務経験となっております。免許取得後でいいのか、実務 経験がいいのか、その辺の議論は要らないのでしょうか。 ○座長 委員のご意見としては、むしろ実務経験のほうがいいということですね。 ○七海委員 そうです。そうでないと、免許を取ってもずっと眠らせているような人が、7 年経ったからというのは変ではないかと思うのです。 ○座長 個別指導者の要件としては実務をもって7年という意見ですが、いかがですか。 事務局のほうで特に実務ということにこだわらなかったのは、何か理由があるのですか。 ○事務局 個別研修で実際に実習を行う指導薬剤師であれば、当然現場でのさまざまな経 験が重要になってくると思いますが、先ほど述べたとおり、個別指導者というのは、むし ろ被処分者に対していろいろな世話なりアドバイスなりをする立場ですので、実務をどの ぐらい経験したかという物差しではなく、免許を持っている限りにおいてさまざまなノウ ハウなり、期待すべきところがあると捉え、必ずしも実務ということにとらわれなくても いいのではないかと考えたからです。 ○座長 個別指導者が実際の技術を指導するのでなければ、実務の経験は問わなくてもい いのではないかということですね。 ○事務局 例えば、大学の先生などは実務をずっとやらずに長年過ごしているわけですが、 一方で指導的にはかなり期待できる部分もありますので、実務経験だけに縛ってしまうと、 そのような方々が排除されてしまうのではないかと思った次第です。 ○座長 確かにそうです。 ○倉田委員 いま企画官が言われたように、被処分者を出した大学にも関与していただき、 その大学で再教育をしてもらうといったことも考えていただかないと、国民感情からする と、ちょっと責任を取ってほしいとも思うのです。大学の中でどのような方が個別指導者 の要件に当てはまるかよくわかりませんが、大学でも重々考えてほしいと思います。 ○座長 わかりました。確かに、そのような意味では大学の教員も個別指導者になり得る というか、むしろならなければいけない場合が出てくるということです。 ○事務局 いまのところ、処分を受けた場合、出身大学までは公にしていないので、どの ように大学に伝えるかということについては、もし大学に研修と言いますか、再教育を求 めるならば、その辺りの情報の受け渡しといったことも気になるところです。取りあえず、 いろいろと調べて考えていきたいと思います。 ○座長 処分の内容によっては、大学の教員が個別指導者としてふさわしい場合もあると いった想定だと思います。他にご意見があればお願いいたします。 ○堀江委員 前にも発言したと思いますが、今までに薬剤師が行政処分を受けたのは、資 料3に記されている内容から言うと、薬剤師として直接業務に関わることが理由ではあり ません。医師が患者に対して医療行為を行った結果、大きな事故が起こったために処分を 受けたのと、薬剤師が行政処分を受けた内容とはかなり違いがあります。そういった意味 で、そのような人たちに対する倫理的な教育は非常に重要だと思います。一方で、先ほど 話題になった技術研修ですが、薬剤師として患者に直接関わる現場で何かを起こしたとい う事例と、犯罪を犯したために行政処分を受けた場合との技術研修のあり方はどのように 区別するかというのは、非常に大切なポイントだと思います。医師に対する個別の技術研 修では、例えば未熟な技術で手術をしたことによって患者が亡くなるようなことが起こっ たときに、その医師に対してそれに特化した技術研修をさせる必要がある、そのための指 導医はどうするかといった議論があったと思います。  個別指導者の要件の部分でも、直接薬剤業務に関わらない大学の先生がという話もあり ましたが、個々の技術に関わる個別指導者なのか、そうではなく、倫理面に対する指導的 な役割を担うのか、個別指導者の要件も変わってくるという気がします。患者との接点の 中における薬剤業務に関わる事故に対しての技術指導担当者と、そうでない担当者では、 異なる資格というか、経験があってもいいのではないかと思います。 ○座長 確かに、過去の事例を見ると、倫理研修をしっかりやったほうがいいというのが 多いのです。技術研修をやらなければいけないのは、むしろ免許停止などで5年間は元に 戻れないときで、そのようなものについては、ここに書いてあるような「認定実務実習指 導薬剤師を含む」といった薬剤師にお願いすることが可能ですから、中心となって個別指 導者となるのは、あえてそこまで全部やらなくてもいいかもしれません。そのような意味 で、個別指導者の要件としてはここに書いてあるように、例えば免許取得後7年以上と言 いますか、10年以上と言いますか、そのような形で進めれば良いのではないかと考えます。 ○七海委員 否定するものではありませんが、事例を見ていても、調剤報酬の不正請求、 麻薬及び向精神薬の違反等があります。大学の先生で、なぜ調剤報酬が不正なのかという ことを理解している人がどれだけいるか、これは実務を経験した者でないとわからないと 思うのです。反対しているわけではありませんが、目的は違反をしたのだから反省よとい ったホワンとしたものになってしまい、具体的なことには突っ込めないことになります。 そうすると、それは別個として考えてもよろしいということですか。 ○座長 そうです。個別指導者が出てくるところとはどのようなところかと言うと、結構 重い行政処分を受けた場合です。重いというのがどのようなものかと考えると、技術以外 の面で非常に大きいものがある場合が多いので、そのときは薬剤師の業務として実務を何 年以上と縛らなくてもいいのではないかというのがここだと思います。もちろん、両方を 頭に入れておかなければいけないのですが、少なくとも薬剤師という資格は持っていてほ しい。その上で処分の原因が業務に関わるものであれば、当然実務の薬剤師にお願いした ほうがいいということです。 ○七海委員 そのように理解すればよろしいのですね。 ○座長 そのように考えます。 ○堀内委員 いまの2つの問題を1つで議論するのはなかなか難しいと思います。薬剤師 の行政処分と言っても、強制わいせつも含めて、いわゆる一般的なもので処分された場合 と、医療上の問題で処分された場合とは同じように議論できないと思いますので、分けて 考えることはできないのでしょうか。医師の行政処分を見ると、国民に対する医療の問題、 あるいは医療安全ということをかなり強く謳っているわけですが、薬剤師の場合を見ると、 薬剤師という職業として一括りの見方をしています。行政処分のあり方の検討を行ってい る中では、これからは医療の中で、特に薬物療法の安全を担保するといった役割に対して 行政処分が行われる、つまり責任を取るということですが、患者との接点で仕事をすると いったことも含めて今後は多くなるのではないかと思いますので、分けて議論したほうが すっきりするのではないかという気がします。 ○座長 6頁の表で、行政処分の類型・内容と再教育の方法について見ると、いちばん右 側が個別研修に当たるところです。ここが個別指導者の活躍するところですが、職業倫理 が問題となって処分を受けた場合と、知識・技能が問題となって処分を受けた場合と2つ に分類しており、それぞれに対応して個別指導者のやるべきことがここから出てくると思 います。知識・技能が問題で処分を受けた場合は、当然知識・技能がしっかりできる個別 指導者が必要ですし、倫理面で問題を起こした場合は、やはり職業倫理を中心とした個別 指導者が必要となるだろう。いま堀内委員が言われたことは、このテーブルでたぶんその ような区分をしていると理解していただければと思います。 ○事務局 いま議論していただいている個別指導者に関しては、当然個別研修を受けた人 が対象となっており、ご覧のとおり、それ以外に個別研修を受ける人というのは集合研修 と課題研修を受けることになります。それとの組合せで行いますので、直接的な処分の原 因となっているような要因に関しては、集合研修、課題研修でもある程度補うことができ るし、さらに個別研修で倫理面、技術面をより濃厚にやっていくことになりますから、全 体の再教育を受けている被処分者の世話をやくというか、全体の面倒を見る立場が個別指 導者で、個別指導者の下に、必要に応じて技術なり、倫理なり、それぞれに足りない部分、 補う必要がある部分が見えてくると思いますので、そういった場合は、まさに実務に精通 した指導薬剤師をスタッフとしてお願いする、つまりプログラムの中に組み込み、実務実 習を行っていくといった、それぞれのスタッフという形での構成の仕方はあると思います が、いずれにしても、全体を統括する立場として個別指導者を捉えていただければいいの ではないかと思います。その下にいろいろ必要な薬剤師なり、教育者というか再教育の提 供者を配置することは、プログラムによっては当然あり得ると思います。 ○座長 そのようなことで個別指導者についての考え方はまとめていただきたいと思いま す。むしろ、その先にある再教育の修了をどのように評価するかというのは非常に大きい 問題になると思いますので、5の再教育の修了評価について、事務局より説明をお願いい たします。 ○事務局 5と、再教育の関係が6に残っていますので、9頁まで説明したいと思います。 7頁の再教育の修了評価については基本的に非常に難しい部分であり、これからどのよう な評価をしていくかについては、取りあえず医師のケースを参考に書き起こしております。 集合研修と課題研修に関しては、研修リポートを提出することをもって修了と考えていい のではないか。その内容は当然見るということがあっての話です。一方、個別研修に関し ては、修了報告書といった研修リポートよりは少し詳しいものを書いてもらい、合わせて 個別指導者からの評価ももらうことを考えてはどうかということです。  8頁に入り、いずれにしても、修了に関しての一定の基準といったものが必要ではない かということですが、ここはこれ以上踏み込んだところを書くことができなかった部分で す。医師において検討された結果を参考に、これから具体化していきたいと思いますが、 下に書いてある3つ目の○から続いている文章は、いずれも医師の検討会において書かれ ている内容をそのまま使わせていただいているのに近いというか、ほとんどがそうであり まして、ここからどれだけ具体的にしていくかに関しては他の職種に関係する部局とも相 談しながら、内容を深めていきたいと考えております。  したがって(1)(2)は医師を倣い、いわばチェックリストあるいは到達目標と言ってい いのでしょうか、こういった所を目標に置き、修了したことの確認をしていくといった考 え方だと思います。倫理研修についての一般的事項として基本的に理解されているかどう かが中心となっていますし、行政処分を受けた部分に直接関わる事項については、反省し ていること、あるいは決意が確認できること、さらには本人の内的要因を洞察し、改善を 図る取組みができる、要因の改善に向けての働きかけができるなどといったところを確認 することにより、修了と評価してはどうかということです。知識・技能に関しては、知識 や技能の水準の低さに起因する場合と、長期間実務から離れている場合と2種類に分けて 書いてありますが、1つ目は知識・技能に関して問題がないことが確認できるということ が基本だと思っております。  9頁に入り、長期間実務から遠ざかっている場合は、業務再開後、現場において問題が ないことが確認できるかどうか。欠落している部分を客観的に認識しているかどうか。研 鑽を積んでいくことと薬剤師の職業倫理に従い、自分自身で業務の範囲を適切に選択でき ること、逆に言えば、これはある程度特定の業務に限ってということも含めて、こういっ た選択ができ得るといったところも評価の基準というか、考え方として入れてはどうかと いうことです。  6のその他で、費用の部分は再教育を受ける人に負担してもらうことが適当だろうとい うこと。再教育修了後の薬剤師名簿への登録については、後ほど出てきますが、行政処分 に関する事項は名簿に登録され、公表される期間は処分期間中ですが、いずれにしても名 簿には記録が残りますので、再教育の修了に関しても記録は残す形になると思いますから、 国への登録申請を行うことが必要になってきます。具体的な手続については、これから国 が整備していくことになります。 ○座長 評価というのはどの場所でもなかなか難しい問題ですが、ここでも再教育の評価 をどのようにするかということで、提案としてはリポートを提出すること、個別指導者は 修了評価を行うということです。これから医師のほうの様子も見た上で、さらに検討が必 要だということですが、これについて現段階でのご意見をお願いいたします。 ○武政委員 評価の方法ではないのですが、処分を受けて再教育を受けた者が、再就職す ることを想定した場合、雇う側からすれば、一般論として処分を受けたような者はあまり 雇いたくないわけで、これは第2の制裁です。ちょっと伺いたいのですが、社会復帰とい うことを考えれば、仮に雇うとしても評価結果を情報として雇用しようとする者に開示で きるかといった問題はどのように考えていますか。 ○事務局 シミュレートした場合に想定し得るのは、採用のために履歴書等を出して。 ○武政委員 履歴書の賞罰は自分で書きますね。 ○事務局 出てきた場合、私どもは雇う側から照会を受ける、あるいは直接本人に修了証 といったものを提示してもらうというやり方もあると思いますので、それで済めばいいの ですが、事実確認が私どものほうに照会という形で来た場合、どこまで示せるかというと ころはちょっと考えさせていただきたいと思います。 ○座長 難しい問題ですが、何かご意見があればお願いいたします。 ○事務局 言えることは資格者であるということと、当然国が薬剤師として免許を与え、 社会的に働くことが問題ないという意味です。資格があるかないかの確認は当然できると 思いますが、後ほど出てきますのでまた説明いたします。それ以上の細かいと言いますか、 過去の履歴といったところまで示せるかどうかはちょっと微妙かもしれませんので、考え てみたいと思います。 ○座長 再教育を修了したことはきちんと記録されるので、そのような処分を受けたこと はあるが、もう問題ない薬剤師となったことをある意味証明しているわけで、再就職のと きにさらに過去をほじってとなると、何ともしがたいですし、むしろしてはいけないこと かもしれません。 ○事務局 再教育を受けているかどうかの確認だけを求められ、それに対して過去に受け ていると回答したとしても、おそらくそれをもって過去に行政処分を受けたことが間接的 にわかってしまいますので、遡って示すことがいいかと言われれば、その期間中だけの問 題だという捉え方がありますから、それはよくないと思うのです。そのような意味で伝え ることは結構難しいのではないかという気がしておりますが、ちょっと考えさせていただ きたいと思います。 ○座長 評価について、他にご意見があればお願いいたします。 ○座長代理 集合研修と課題研修について、集合研修の場合は必ずどなたか講師がいるで しょうから問題ないと思いますが、課題研修のときも、やはり講師はいるのでしょうね。 要するに、「研修リポートを作成し提出する」とあるのですが、誰がこの課題を出すのかと いうことと、これについても一応の評価をすると言われたと思いますが、誰が評価するの か。つまり、課題を出した人が評価すると考えていいのかということです。 ○事務局 個別指導の場合と同じように、課題研修についても課題を出した人に何らかの 評価をしてもらうことを想定しております。先ほどの話題で言うと、チューターなどとい った立場の人がそれを見て、その立場からの評価を私どもがいただく。最終的には修了し た旨、あるいは最終的な判断は再教育を提供した私どものほうですることになると思いま す。 ○座長 ただ、難しいですね。大学でも生命倫理、医療倫理、ヒューマニズムなどの評価 といったものは非常に難しく、皆頭を悩ませていますが。それと同じ問題が出るのではな いかと思いますので、医のほうの結果をうまく利用するのがいちばんいいかなという気が します。 ○橋田委員 再教育の修了評価について、7頁の3つ目の○ですが、「修了報告書を作成し、 国又は再教育の提供者に提出する」とあります。この場合の提供者とはどのようなものか ということですが、次に個別指導者がありますから個別指導者のことを言っているのか、 そうではないのか。ただし、前の4のところの提供者の議論のときには、国が主体という 言葉と、内容については薬剤師が提供するという文言が入っていたと思いますので、そこ の整理はどこかでしておいたほうがいいのではないかと思います。 ○事務局 おっしゃるとおりです。提供するものと実施する場合と少し混同していたかと。 ○座長代理 先ほどの問題とも関わるのですが、チューターという言葉が何回か出てきて います。チューターというものがこの中のどこかに位置づけられているかというと、必ず しもきちんと位置づけられてはいないように思えるのです。もし、そのような人たちが必 要であるならば、やはりこの中にきちんと書き込んでおいたほうがいいと思います。 ○事務局 課題研修と絡めて少し入れておきたいと思います。 ○座長 これは今後さらに検討すべき事項であることを確認しまして、次に行政処分のあ り方に入りたいと思いますので、事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局 10頁から始まる行政処分のあり方についての内容を説明いたします。11頁をご 覧いただくと、最初が「行政処分の類型とその適用基準について」という項目となってお ります。最初の部分は法律の紹介ですので飛ばしまして、以下に書いてあるのは適用基準 と言っていいのか、あるいは戒告、業務停止といったものの考え方という言い方がいいの か、どちらかと言うと内容的には後者になっていると思いますが、どのような場合にそれ ぞれの処分が適用されるかという考え方が述べられております。  まず戒告についてですが、それぞれ再免許の交付、業務の再開に先立ち、再教育を課す ことが適当という、そもそも再教育制度の基本を前提として考えれば、戒告の対象となる 事例の範囲については、下の2つの場合が考えられるのではないかということです。1つ は反省を促すことが適当であると。業務をしながらですが、処分者に対して反省を促すこ とが適切と考えられるもの、業務停止を科するよりも再教育を課すことによって、反省を 促すことが適切と考えられるものということです。戒告を適用する基準、考え方ですが、 一概に基準として定量化することは容易ではないと考えており、今後具体的に検討し、具 体化できるかどうか努力してみたいというのが2つ目のポツです。基準を作成するに当た っては、薬剤師の業務に関連が深く、職業倫理が問われるべき行為と、薬剤師に限らず一 般に犯し得る行為の2つに分けてそれぞれ適用するかどうか、その基準、考え方を整理す る必要があることを留意点として書いております。  業務停止処分については、下から2行目に3年を上回る程度の業務停止が必要と判断さ れる事案に関しては、制度上これを業務停止と認めることなく、免許取消し処分にすると いうことになっておりますので、そのことをここで改めて紹介しております。その下も同 様です。非常に僭越ではあったのですが、既に制度改正が行われておりますので、最初の ○の後段、「したがって」の所で3年を超える業務停止に関しては取消し処分という形で切 り替える、扱うという行政側が取った措置に関しては適切であることを書かせていただい ております。また免許取消しに関して、従来、業務停止の取扱いに関連しては3年を上回 る業停が適用されていた事案も含めて、これらは免許取消しになるということです。類型 ごとにどのような適用の仕方をするかといった点に関しては、過去の事例をいろいろ勉強、 研究しながら、ある程度の明確化を図っていくことも1つのやり方ではないかということ で、その考え方としての部分を3つ目の○で書いております。  今後の行政処分に関しては、医道審議会の意見も聴いた上で行うことになります。審議 に当たっては、行政処分に対する考え方が必要になってきますから、その必要性をここで 述べるとともに、それらを整理していく必要性があるということで、このような記述をし ております。その内容は、最後に書いてあるとおり、平成14年に既にまとめられている医 師、歯科医師の場合がありますので、これを参考に考えてはどうかというのがこのペーパ ーの中での1つの提案です。具体的な内容は資料1-2として別に用意してあります。これ について説明すると時間を取ってしまいますので、お手数ですが、参考資料4の平成14 年の医師、歯科医師の場合をご覧いただければと思います。  この部分は前回も引用しておりますが、医師の場合の記述に関して薬剤師には馴染まな いものもあるという意見がありましたので、医師のケースを薬剤師にかなり機械的に置き 換えたものを資料1-2として用意いたしました。参考資料4と資料1-2を見比べて、違い の部分を中心に見ていただき、ご指摘なりご意見なりをいただければと思っております。 資料1-2の中で述べると、1頁の下から想定し得るさまざまな行為違反といったものを可 能性のあるものとして並べておりますが、時間の許す限り、内容をご覧いただければと思 います。本体の資料1-1の最初の項目の説明を含めて、以上です。 ○座長 行政処分のIの類型と適用基準、特に今回新たにできる戒告の目的として反省を 促すということと、再教育を課すことにより、さらに反省を促すということがあります。 また業務停止処分については、3年を上回る場合は免許取消しとするのが適切だとしてお ります。これらについて何かご意見があればお願いいたします。 ○座長代理 11頁の2つ目の○にポツが2つあって、ほとんど同じ内容なのですが、2つ に分けた意味を教えていただきたいと思います。 ○事務局 これまで戒告は行政指導として扱っていましたが、これが法律に位置づけられ たことに伴って、従来と同じ範囲のものが行政処分としての戒告となるので、その中で反 省を促すという、ごく自然のものが最初のポツです。2つ目は、具体的な例があるかどう かは別として、理論上はどうしても処分せざるを得ないものがあった場合、従来の類型で は業務停止か免許取消ししかなかったことから、戒告がなかったが故に業務停止という扱 いをしていたということが仮にあったとしたら、今度は業務停止をかけることなく、むし ろ再教育の中で反省を促したほうがいいという事例もあるのではないかと捉えて書きまし たが、具体的にどれだけヒットするか、該当するものがあるかどうかは別です。 ○座長代理 意図することはわかりましたが、上の文章の「再教育を課すことにより」と いうのは共通でも、意味は全然違うのですね。 ○事務局 そうです。 ○座長代理 なかなか難しいですね。 ○座長 私もわかっていなかったと思います。 ○事務局 結果的に業務停止に対しても再教育は課すので、2つ目の○が意味をなすかと 言われれば、これまでの運用が今回の制度改正に伴って変わるという考え方を書いたに過 ぎないという読み方もできると思います。 ○座長代理 前は事実的な処理として罰則がなかったが、罰則を科する必要がない程度の ものを戒告として行政指導していたと。ところが、後のほうは戒告というものの持つ意味 が処分としては出てきたが、処分の中で何をどうするかを言っているので、同じような文 章でも中身は全然違うことを言っており、それがなかなかうまく伝わらないということで すね。了解しましたが、ちょっと考えたほうがいいかもしれません。 ○座長 この部分について、他にご意見はありませんか。引き続き、2の行政処分回避の ための免許自主返納への対処について、事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局 12頁の2については処分を受けるおそれがある場合、処分を回避するため、こ こで言う処分とは薬剤師法に基づくものですので、薬剤師でない人に対しては適用できま せんから、処分を受けそうになった時点で免許を返納するといったケースが起こり得るこ とは問題だろうということで議論していただいた部分です。下から2つ目の○に書いてあ るとおり、免許を有さない者に対して適用することは法体系上困難ですので、自主返納し た場合、これまでの制度では行政処分が実施されないだけでなく、再免許交付を防止する 規定も存在しなかったことが12頁の最後に書いてあります。  13頁ですが、今回の法改正による再免許交付に当たっては、当然のことながら事前に再 教育というものがかかるので、2つ目の○の「具体的には」の所に書いてあるように、免 許を自主的に返納した者は、免許取消し処分を受けた者と見なすことにより、再免許交付 申請が行われた時点で再教育を命ずる形になります。したがって、行政処分を逃れるかど うかということとは別ですが、このような形で従来制度的に少し危うかった部分について は、再教育ということを1枚かますことにより、本人にとって免許を返納することの良し 悪しも含めて、少しは改善されたのではないかということを書いております。最後に、再 免許を与えることに対しては慎重な、あるいは適切な運用が望まれるということに触れて おります。  再免許の関係ですので、手続のところまで説明したいと思います。3の再免許に係る手 続の整備ですが、取消し処分を受けた場合、取消しの日から起算して5年を経過しない間 は再免許が付与されないことが今回の改正で決まっておりますので、今後はそのような運 用をしていきたいと思います。具体的な手続については、医道審議会を通じてこれから取 り扱っていくわけですが、手続をはじめとして、この点については行政のほうで今後整備 していきたいと考えております。 ○座長 2と3について、ご意見があればお願いいたします。免許を自主返納して行政処 分を回避したという例はいままでにあったのでしょうか。 ○事務局 ないと思います。 ○座長 自主返納した場合、誰がしたかということはどこかに残っているのですね。こっ そり国家試験を受け直して入ってきたなどといったことはないですよね。 ○事務局 それはないです。合格した事実はずっと有効ですので、再度国家試験を受ける ということはないです。 ○座長 手続の整備で、5年を経過しない間は再免許は付与されないということですが、 これについてもよろしいですか。例えば3年の免許停止だった場合、あとの2年間という のはその間に再教育を受けなさいということになるのでしょうか。3年を上回る業務停止 処分は免許取消しになるから、3年1カ月の業務停止処分というのはあり得ず、それは免 許取消しになるということで、そのときは5年経たないと再免許は付与されないというこ とですが、要するに5年間の免許停止と同じことになるわけですか。 ○事務局 そうです。3年を超える業務停止をかけることの意味は、3年間業務しないこと をもって、また再開させた場合の処分の意味合いを考えた場合、3年を超える場合であれ ば、一旦取消しという形に類型を変えたのが今回の制度改正です。3年間仕事をしないこ とだけでなく、3年を超えるような業務停止に見合うような事案に関しては、一旦取消し となりますので、その場合は3年という業務停止に関する概念はなくなっており、単に免 許の取消しをされた人ということで5年間は免許が与えられないということに過ぎないと 思います。 ○座長 再免許の申請をするのも5年経たないとできないということですか。それとも3 年経ったらできるのでしょうか。 ○事務局 申請はできますが、5年経たないと再免許は交付できません。 ○座長 再教育の期間というのは5年以後に考えるのか、5年以前に開始していいのか、 これについてはどうですか。 ○事務局 免許が取り消されたままの時点では、無理に再教育を命ずることはしませんの で、申請があってから再教育を命じ、必要な内容をこなして修了し、再交付する妥当性を 判断していくことになると思います。 ○座長 そうすると、最短では5年で再び業務に就くことが可能と考えていいですか。 ○事務局 実務の部分ですと、資格がないと実務ができない部分もありますが、再交付し てから実務の部分の研修を行う場合もあると思います。ですから、すべて修了して再免許 になるかというのはケースにもよると思います。 ○座長 わかりました。他に何かあればお願いいたします。 ○橋田委員 5年ということについて、先ほどの自主返納の場合もこの5年が適用される のでしょうか。それからちょっと前に戻りますが、自主的に返納した者を免許取消し処分 を受けた者として見なすことが技術的にできるのでしょうか。 ○事務局 行政側の実際の運用と言いますか、法的な根拠ではないです。 ○橋田委員 そのように見なした場合は、5年ということが同じように適用されると考え ていいのでしょうか。 ○事務局 そこも直接的な根拠というよりは、むしろ制度全体のバランスから見ると、そ のような扱いが適当ではないかと考えております。 ○座長 次に、行政処分に関する情報の提供及び国民による確認について、事務局より説 明をお願いいたします。 ○事務局 13頁の下からで、4の行政処分に関する情報の提供及び国民による確認です。 文章が少し長く読みにくくて申し訳ありません。13頁は最後の○にあるとおり、行政処分 に関する情報を国民に提供することと再教育の時効の有無といったものを、国民が知るこ とが適当だろうという考え方が書いてあります。14頁の上では、そうは言っても薬剤師に とっては個人情報ですので、この辺りはどちらがふさわしいかを比較衡量することが最初 に書いてあります。結果としては、国民に情報を提供することはメリットがある、利益が 大きいという捉え方で、行政処分に関する情報というものを提供していこうとしておりま す。3つ目の○ですが、具体的には処分を行った時点で薬剤師の氏名、年齢、所在地、あ るいは処分内容、処分の理由はこれまでも公表しているところですが、これらに関する情 報の提供と、再教育の修了時期とを連動させることにより、類型ごとに期間を定め、一定 期間の提供を考えております。  4つ目の○はこれを具体化したものですが、戒告の場合は再教育を修了した時点で提供 される情報がある意味消えることになります。業務停止の場合は、再教育を修了した時点 か、場合によっては再教育を修了しても業務停止期間がそれを上回る場合があるので、ど ちらか遅いほうというところまでの情報の提供となります。取消しの場合は再教育を受講 して免許の再交付を受けた時点、先ほど一部説明がありましたが、免許の再交付を受けな ければできない実習といったものもあるかもしれませんが、基本的には再教育を受講し、 免許の再交付を受けた時点までが提供される期間ということで考えております。ここまで が1つの行政処分に関する情報の提供ですが、下から3つ目の○の「また」からに関して は、それに加えて薬剤師としての資格を有する者であるかどうかを国民が確認するといっ た環境もつくっていこうという取組みに関する記述です。従来は氏名、生年月日、登録番 号に関して照会があった場合、薬剤師名簿に登録されている、されていないと回答してい たというのが状況です。  次頁の最初の○には「資格者であるか否かを国民が確認することは、無資格者からの医 療の提供を受けることを回避できる」とあります。これも最終的には薬剤師本人の問題と の比較衡量になるわけですが、結果として必要最小限の情報を提供する。資格者であるこ とを確認するために、必要最小限の情報提供をするといった方向で考えております。どの ような情報を基に確認するかという点に関しては、下から2つ目の○で、参考の所に書い てあるような情報が現時点では薬剤師名簿に書かれております。したがって、基本的には これらを組み合わせ、すべてではなくても個人が識別できるような形で資格者かどうかを 確認できればいいと思いますが、登録番号に関しては、上から3つ目の○にあるとおり、 知ろうとする人が登録番号自体を知っていることが少ない場合もあり、それ以上に、登録 番号を使い、氏名と組み合わせることにより、なりすましといったようなことが起こり得 るので、登録番号を使っての確認は避けたいと思っております。したがって、氏名を基本 としてその他の情報を組み合わせ、何らかの形で資格者であることが確認できるようなシ ステムを行政のほうで作っていくということです。 ○座長 4について、何かご意見があればお願いいたします。情報の提供ですが、戒告の 場合は再教育を修了した時点で、それまでの処分内容及び理由は完全に消えるのですね。 ○事務局 そうです。 ○座長 情報からは消えるが、厚生労働省の中には残っているのですね。 ○事務局 はい。名簿には残りますが、知ることはできなくなります。 ○座長 先ほどの再就職の件にも関係してくるかもしれませんが、再就職の際に、自分の 経歴にこれを書く義務は残るのでしょうか。 ○事務局 少し調べてみたいと思います。 ○座長 そのようなことは書かなければいけないことでしょうか。薬局経営の上から考え ていかがですか。 ○武政委員 ほしい情報ではあります。 ○座長 逆の立場になると、書きたくない情報ですね。 ○七海委員 15頁の下から2つ目の○について確認したいのですが、「薬剤師資格を有す ることを確認するためには、通常、薬剤師名簿に記載されている情報のうち、氏名、性別、 登録年月日が必要と考えられる」とあります。これは厚生労働省がこの項目を発表すると いうことなのか、それとも薬剤師側から届け出るのか。私の理解としては、国が薬剤師を 公表するに当たってこれだけは示すと読み取れたのですが、人によっては、こちらから申 告してこれだけのことを言ってもいいという意味だとも、これはどちらなのでしょうか。 ○事務局 これからどのような確認システムというものを作っていくかにもよるのですが、 前者であると、知ろうと思う人以外の情報も全部、それこそ掲示板のような形で見ること ができるようになるので、氏名、性別、登録年月日を一律に見ることができるのがいいか 悪いかを少し考えてみたいと思っております。何らかの形で資格者であることを確認した いという特定の人に対して、ある程度知りたいと思う人がここに書いてあるような情報の うちいくつかを持って、イメージとしては薬剤師名簿に検索をかけると浮かび上がってく る。その結果、特定された薬剤師のプロフィール全体が出るのではなく、あくまでも定性 的に資格者であることのメッセージが出てくれば足りるのではないかと思っておりますし、 必要最小限とは、むしろそのぐらいのことまで考えた上でやるべきではないかと思ってお ります。いずれにしてもこの辺は技術的な部分もあるので、どのようなものができ得るか は考えていきたいと思っております。ここに書いてあるような情報を、一律にすべての薬 剤師に関して見ることができるような形にはしないほうがいいのではないかと思っており ます。知りたいと思っている人だけに関して知るきっかけと言いますか、確認できる方法 というものにしていきたいと思います。 ○座長 これからさらに検討していただき、個人情報との絡みもあるので、どのような情 報を提供するかについて、最終的にはもっとクリアなものにしていただくことになります。 本日予定しておりました検討は、ざっとですが終了いたしました。途中、やや抜いたとい うか時間で先に進んだところもありますが、全体を見渡して問題点があればご指摘いただ きたいと思います。 ○武政委員 細かい言葉の問題ですが、3頁の2つ目のポツに「業務上発生した事故やミ ス」とあります。この「ミス」という表現はどうでしょうか。過失とか過誤に替えたほう がすっきりすると思います。 ○座長 修正いたします。 ○橋田委員 資料1-2について一言申し上げます。先ほど薬事企画官から説明があったよ うに、これは医師及び歯科医師に作られたもの(参考資料4)を基にして、薬剤師に少し 置き換えて作られたとのことでしたが、前から少し議論が出ているように、薬剤師の場合、 いわゆる職域の議論となったときに、企業における活動として医薬品の生産、流通、販売 といったことが一方にあり、それが薬剤師の資格において活動しているわけですから、当 然その職域というか、そのような活動の中で不適切なことが行われたり、あるいは何らか の義務違反があったりすれば対象になると思います。資料1-2の1頁の最初に、「業務を行 うに当たって当然負うべき義務を果たしていないことに起因する行為」とあるので、広い 意味ではまさにそれに相当すると思われます。また、次頁の(3)の薬事法違反、麻薬違反、 あるいは(10)の文書偽造といったところにも事案が出てくるのではないかと思います。  もちろん、この議論から職域の活動を外して考えるということであれば、それはまた別 の議論だと思いますが、もしそのようなものも対象になるとすると、例えば薬事法違反で は医薬品の無許可販売又はその共犯等となっていますから、いま言ったような事例が事案 の中に出てきていないように思います。その辺を少し検討していただき、次回以降よろし くお願いいたします。 ○座長 何かコメントがありますか。 ○事務局 薬局、病院に勤務する薬剤師だけを今回の処分なり、再教育の対象にしている わけではなく、資格者全体ですので、まだ少しそれに馴染まないところがあるかもしれま せんから考えてみたいと思います。 ○橋田委員 おそらく大きな形としてはカバーできていると思うのですが、挙げている事 例が医療現場での薬剤師の職能に関わる部分が中心になっているので、場合によると少し 広げられるのではないかと思います。 ○座長 それについては検討していただきたいと思います。他に何かあればお願いいたし ます。 ○堀江委員 資料1-1の4頁は、先ほど受講期間、回数のことで議論がありましたが、大 切なのは何を教育として行うのかだと思います。プログラムの内容によって、自ずとどの ぐらいの期間が必要か、あるいはどのぐらいの回数が必要かということが出てくるのでは ないでしょうか。医師の場合は1日以上といった表現になっていますが、「以上」という言 葉の中にはそのような含みもあってのことかなと思います。ここでは先に日数や回数を決 めること以上に、プログラムの内容を検討するといった方向が必要ではないかと思います。 ○座長 ごもっともだと思います。プログラムの内容の例として多少は書いてありますが、 もう少し具体的なものにして、プログラムから出てくる1日以上というか何日間、何時間 ということにしたほうがいいように思います。最初からいきなり時間と日にちと回数だけ 決めて、これで終わりというわけにはいかないと思います。このことも次回以降にさらに 検討していきたいと思います。  他に何かお気づきの点がなければ、本日の議論はここまでにしたいと思いますが、現時 点での整理すべき事項はおおむね議論できたと思っております。次回はさらにそれを発展 させて、取りまとめの議論へ結び付けていきたいと思います。事務局からの連絡事項があ ればお願いいたします。 ○事務局 委員の方々の予定を再確認させていただき、日程調整した上で正式な場所、日 時をご案内いたします。よろしくお願いいたします。 ○座長 本日の検討会は以上で閉会いたします。どうもありがとうございました。 (了) (連絡先)  厚生労働省医薬食品局総務課  代表   03(5253)1111                             直通   03(3595)2377  FAX  03(3591)9044  担当者:長谷川(内線2710)