07/05/15 官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム プログラム推進委員会第4回議事録 平成19年5月15日 官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム            第4回プログラム推進委員会 議事録        官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム            第4回プログラム推進委員会 議事次第 1.日時 平成19年5月15日(火)10:00〜12:00 2.場所 環境省第1会議室(中央合同庁舎第5号館22階) 3.出席者 (委員)池田正之委員長、有田芳子委員、池邨善満委員、小倉正敏委員、     首藤紘一委員、中下裕子委員、中杉修身委員、中村雅美委員、     橋本昌憲委員、林公隆委員、安井至委員 (事務局)厚生労働省 佐々木化学物質安全対策室長、山本衛生専門官      経済産業省 森田化学物質安全室長、田中室長補佐      環 境 省 森下化学物質審査室長、大井室長補佐 4.議題 (1)プログラムの進捗状況について (2)海外における取組の動向について (3)中間評価に向けた対応について (4)その他 5.配付資料 資料1 第3回委員会以降の活動状況 資料2 優先情報収集対策物質リストの修正について 資料3 海外における既存化学物質への対応等の動向 資料4 Japanチャレンジプログラム中間評価に向けたスケジュールについて     (案) 参考資料1 委員名簿 参考資料2 Japanチャレンジプログラムスポンサー登録状況について 参考資料3 国による既存化学物質点検状況一覧 参考資料4 国の既存化学物質安全性点検により得られた情報の利用に係る考え方につ       いて 参考資料5 優先情報収集対策物質リスト 6.議事 開会 ○環境省大井補佐 それでは定刻まであと1〜2分ございますけれども、委員の先生方 おそろいですので、ただいまから官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラ ム第4回プログラム推進委員会を開催させていただきます。  本日はご多忙のところ、委員の皆様方におかれましてはお集まりをいただきまして、 ありがとうございます。本日全11名の委員の皆様からご出席いただいております。どう もありがとうございます。なお、前回の推進委員会から2名の委員の変更がございまし たので、ご紹介をさせていただきます。  まず電機・電子4団体事業所関連化学物質対策専門委員会委員長の池邨委員でござい ます。 ○池邨委員 池邨です。よろしくお願いいたします。 ○環境省大井補佐 それからもうお一方、社団法人自動車工業会環境委員会工場環境部 会長の橋本委員でございます。 ○橋本委員 橋本でございます。よろしくお願いします。 ○環境省大井補佐 本日の委員会でございますけれども、これまでと同様に公開という ことで、あらかじめご連絡をいただきました傍聴者が傍聴参加されております。  では、本日の全体の議事進行につきましては池田委員長にお願いをしたいと思ってお りますので、池田先生、どうぞよろしくお願いいたします。 ○池田委員長 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。 早速でございます。議事次第に従いまして、本委員会を進めさせていただきたいと存じ ます。  最初にまず事務局から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。どうぞ。 ○環境省大井補佐 それでは資料の確認をさせていただきます。まずお手元、表紙に議 事次第がございまして、そこに配付資料が書いてございますので、それを見ながらご説 明させていただきます。  まず資料1といたしまして、第3回委員会以降の活動状況、それから資料2といたし まして優先情報収集対象物質リストの修正についてという1枚紙でございます。資料3 といたしまして、海外における既存化学物質への対応等の動向、それから資料4といた しまして、Japanチャレンジプログラム中間評価に向けたスケジュールについて (案)、これも1枚紙でございます。  それ以降は参考資料となります。参考資料1として委員名簿、参考資料2といたし ましてJapanチャレンジプログラムスポンサー登録状況について、本年5月時点の 状況という資料でございます。それから若干厚目になっておりますけれども、国が実施 した国による既存化学安全性点検状況一覧というものが参考資料3でございます。それ から参考資料4といたしまして、国の既存化学物質安全性点検により得られた情報の利 用に係る考え方についてという資料でございます。それから最後になりますけれども、 参考資料5といたしまして、優先情報収集対象物質リスト(平成19年5月15日現在)と いう資料、以上がこの議事次第に載っております配付資料でございますけれども、それ に加えまして委員からの配付資料ということで、小倉委員の提出資料が1枚、席上に置 いてあるかと思いますので、ご確認いただければと思います。  以上でございますけれども、何か資料の過不足等ございますでしょうか、よろしい でしょうか。 ○池田委員長 いかがでしょうか、お手元に全部そろっておりますでしょうか。 (は い) 議題1 第3回委員会以降の活動状況 ○池田委員長 ありがとうございます。それでは議題に入りたいと存じます。  まず議題1でございます。プログラムの進捗状況について、事務局から資料に基づき ましてご説明をお願いいたします。 ○環境省大井補佐 それではご説明させていただきます。お手元の資料は、幾つかの資 料をまとめてご説明をさせていただきたいと思います。資料1それから資料2、あとは 参考資料2〜5までです。そのあたりが若干今回のご説明の中に出てくるかと思います ので、よろしくお願いいたします。主には資料1でご説明をさせていただきます。  資料1をごらんいただけますでしょうか。この資料は、昨年の5月に開催されました 第3回の委員会以降、この1年間における活動の状況についてまとめてございます。ま ず資料1の1.でございますけれども、スポンサー登録状況でございます。現在の時点 におきまして74社及び3団体から計80の物質についてスポンサー登録がなされている状 況でございます。そのスポンサー登録の状況については、参考資料2に登録状況につい てという資料をまとめてございます。  まず参考資料2の方を簡単にちょっとごらんいただけますでしょうか。少し詳し目に スポンサーの登録状況について説明をした資料になっております。この計80の物質につ いてスポンサー登録されている状況ということでありまして、これは本プログラムにお いてスポンサーを募り、情報収集を行うこととしている物質の約5割に相当していると いう状況であります。実際に手を挙げていただいているスポンサー企業の具体的なお名 前が参考資料2の下の方に書いてございます。8物質について登録いただいている花王、 それから6物質について昭和電工さん、5物質について日本油脂、三菱商事等々という ことで、これだけの企業の皆様方からスポンサーとして手を挙げていただいているとい うところでございます。  ページをおめくりいただきまして2ページにまいりますと、団体として登録いただい ている団体が農薬工業会様から5物質について、それからシリコーン工業会、日本科学 飼料協会からそれぞれ1物質について登録をいただいているという状況であります。ま た2ページの下の方に書いてございますけれども、コンソーシアムと申しまして、複数 の企業が参画をして一緒に共同して情報収集するというような活動も進んでおりまして、 ここに挙げておりますようなコンソーシアムが実際16件形成されているという状況でご ざいます。  資料1に戻っていただきまして、資料1の1.でございますけれども、3省としまし てはまだ半分ということでございまして、引き続きこの産業界と連携を図りながら本プ ログラムへの協力につきまして各社に呼びかけていくということとしております。  また2.以降、3省による対応でございます。このJapanチャレンジプログラ ムの推進に関しまして、3省がこの1年間何をしてきたかというところでございます。  まず(1)事業者への協力依頼ということに関しましては、3省それぞれが実施ある いは参加しました事業者の皆様方を対象としたようないろいろな説明会等の場におきま して、このJapanチャレンジプログラムの概要、それから進捗状況等について紹介 をするとともに、プログラムへの参加協力をお願いしているところでございます。具体 的にはここに挙げているようないろいろなセミナーでありますとか講習会、シンポジウ ムの場でJapanチャレンジプログラムについて、情報の提供をしているところでご ざいます。また3省のウェブサイトを通じましても本プログラムに関する情報を発信し ているところでございます。  ページおめくりいただきまして、2ページにまいります。3省の活動としましては実 際にそのスポンサーになっていただく企業を募るということで、電話等によりまして各 事業者にプログラムの紹介、それからプログラムのご協力の依頼ということを続けてい るところでございます。また、社団法人日本化学工業協会さん等からの依頼を受けまし て、事業者団体が主催する説明会にその3省の担当官が出向いて説明をするというよう なこともやってございます。  それから既にスポンサー登録された事業者への対応ということでございますけれども、 スポンサー登録された事業者さんから個別具体的な安全性情報の収集に関する相談とい うものを受けておりまして、それに対応しているところでございます。特にカテゴリー アプローチによる情報収集につきましても、相談を随時受け付けておりまして、この点 に関しましては厚生労働省の方でカテゴリーアプローチ研究班という研究者、専門家の 集まりをつくっておりまして、そこの検討の中で実際に専門家と、そういう意向のある 事業者との意見交換などもやっているところでございます。  それから2ページの(2)にまいりまして、報告の様式の作成等の支援でございます。 この様式、テンプレートというふうに我々呼んでおりますけれども、テンプレートに関 しましては平成17年12月にそのテンプレートを公表したところでございます。その作成 したテンプレートの項目の内容が適切か、あるいは記載の容易化というようなことを図 るために、事業者を募りましてトライアルと、試しにテンプレートに記入をしていただ くと。それでテンプレートの使い勝手のよさ等についてコメントをいただくというよう なこともさせていただいております。このテンプレートに関する説明会を18年3月、そ れから7月の2回にわたって開催したところでございます。それから3省の方では、テ ンプレートへのデータ記載を容易にするために、記載例を記したモデルテンプレートと いうようなものも作成し、公表しているところでございます。  また、カテゴリーアプローチで情報収集する場合のテンプレートにつきましても、こ れは最近になりますけれども、原案を作成して公表したところでございます。それから 情報収集の必須項目であります「光分解」とか、「環境区分間の移動」それから「分 配」に関しましては、これデータを国の方で一括して計算算出いたしまして公表してい るところでございます。  あと続きまして2ページの(3)でございます。関係省庁間の連携推進ということで ありまして、このJapanチャレンジプログラムの中では関係部署連絡会といいまし て、政府の中での組織ですけれども、そういったものをつくるということになっており まして、それを開催しまして、本プログラムの推進に向けた関係省庁間の連携を推進し ているところでございます。具体的には毎月1回の場を設けまして、関係省庁が集まっ て議論しているというところでございます。3省としましては今後とも本連絡会議を活 用しながら、このJapanチャレンジプログラム推進に関する政府内での連携強化と いうことでやっていきたいと思っております。  また3省共同の化学物質利用データベースに関するお話でございますけれども、国が 有する既存点検結果も含めまして、化審法関係の化学物質情報を一元的に発信するデー タベースということで、厚生労働省、経済産業省、環境省の3省共同の化学物質利用デ ータベースというものを公開しているところでございます。まだ公開を始めたところで ありまして、情報をさらに充実していかないといけないということでありまして、この Japanチャレンジプログラムによって収集された情報につきましても、このデータ ベースを通じて発信していくこととしたいと思っております。  それから3ページにまいりまして、海外に対する日本の取組の紹介というところでご ざいます。この点につきましては各種の国際シンポジウム等に参加をいたしまして、そ の場で本プログラムの内容、日本の取組状況について説明をしているところでございま す。またこれも最近になりますけれども、このJapanチャレンジプログラムについ て英語で説明するような概要資料を作成しまして、ホームページ上で公開をしていると ころでございます。「参考」としまして実際に3省の関係者が参加して、Japanチ ャレンジプログラムについてプレゼンテーション等を行ったようなシンポジウムを挙げ てございます。  それから3ページの下に行きまして、3.国による既存化学物質安全性情報の収集と いうことでございます。この国による既存化学物質安全性情報収集に関しましては、J apanチャレンジプログラムが開始される前から化審法に基づき国が進めておる話で ございますけれども、参考までにご紹介させていただきます。昨年度1年間におきまし ては、既存化学物質の安全性点検としまして、分解性・蓄積性に関する試験を40物質に ついて、また人への健康影響に関する試験を23物質について、さらに生態影響に関する 試験を22物質について実施しているところでございます。  なお平成17年度末までの点検済み物質が、その下の参考に書いてあるとおりでござ いまして、それぞれ加えますと分解・蓄積性については1,500物質程度、それから人健 康につきましては300を少し上回る程度、生態影響については500弱という数の物質につ いて、これまで点検が進められてきたということでございます。この、国が実施しまし た点検のリストにつきましては、参考資料の3ということでつけさせていただいており ますので、参考までにごらんいただければと思います。今回の説明からちょっと割愛さ せていただきます。  それから参考資料4になりますが、国が収集しました既存化学物質の安全性点検の情 報の利用に係る考え方についてということで、もうつい先日でございますけれども、3 省の方でこういうことで情報の利用に係る考え方をまとめましたということで発表させ ていただいております。ちょっと参考資料4をごらんいただきたいのですが、何が書い てあるかと申しますと、国がこれまで既存化学物質安全性点検によっていろんな情報を 集めてきましたと。その情報を基本的には原則公開ということで、すべての方に利用い ただけるようにしたいという、そういうことでございます。  基本的な考え方としましては、例えば今年の2月産業構造審議会の化学バイオ部会、 化学物質政策基本問題小委員会において中間取りまとめというものがまとめられており まして、そこの中にも記載されておるんですけれども、化学物質の安全性に関する情報 は、その化学物質やそれを含有する製品を適切に使用・管理するために必要となる基本 的な情報でありますということでありまして、その化学物質を取り扱う事業者のみなら ず、最終使用者である一般消費者にとっても必要不可欠な公共的な要素が強い情報であ ると。そういう理解に基づきまして、国がこれまで実施してきた安全性情報に関しまし ても、できる限り広く公表していくことが原則であるということであります。3省が財 産権を有するということになるんですけれども、幅広くさまざまな関係者に利用してい ただくということが望ましいんではないかというふうに考えております。  このJapanチャレンジプログラムも、若干この点関係してございまして、Jap anチャレンジプログラムの対象物質の中で、たまたまある試験については国が既存点 検で情報を集めていたというようなことがあった場合に、その国が集めた情報を各スポ ンサー、企業がJapanチャレンジプログラムの中で使っていただくということは、 基本的に問題ないというふうに考えています。この点を明らかにしたということでござ います。ただし若干留意点がございまして、当然ながら、利用する際には国の既存点検 の結果を使っているんですよということを明記いただくとか、あるいは利用により万一 何らかの障害等が起きた場合には、それはその利用者が責任を持って対応していただく ということになります。その点だけ留意いただければ、基本的にもうご自由に使ってい ただいて構わないというふうに考えております。  3省としましては、先ほども若干申し上げましたが、共同の化学物質に関する情報デ ータベースというものを構築いたしまして、一元的な管理、情報発信を進めているとこ ろでございます。そのデータベースにつきましては、国の既存点検結果の的確かつ円滑 な利用を支援するという目的で、掲載内容を可能な限り充実させていくということで考 えております。具体的には試験報告書の概要レベルのものは、ウェブサイトからどなた もご自由に見られるようになるということを目指して、今後情報の掲載を進めていくと いうふうに考えております。  以上、こういうふうなことを最近に発表したところでございますので、紹介をさせて いただきました。  一応資料1につきましては、以上でございますが、あと資料2ですけれども、優先情 報収集対象物質リストの修正についてという、非常に軽微な話でございますので、ごく 簡単に申し上げますけれども、このJapanチャレンジプログラムに関しましては、 その対象物質をリスト化して公表しているところでございますけれども、そのリストの 中にCAS番号の間違いがあったということを事業者の方から情報が寄せられましたの で、その点の修正を行うこととしたいということでございます。それが資料2の内容で ございます。  以上、事務局の方で用意した資料に関しましては以上ですけれども、これに加えまし て小倉委員の方から、日本化学工業協会における取組ということで資料が出されており ますので、その点についてもご紹介をいただければと思っております。よろしくお願い します。 ○池田委員長 ありがとうございました。小倉委員よろしゅうございますか。お願いし ます。 ○小倉委員 それではお手元の方に今日お配りしています資料で、若干産業界側といい ますか、日化協サイドの取組についてご紹介いたします。  まず最初でございますが、平成17年6月にこのリストが公表されました段階で、日化 協会長名で会員企業それから団体への積極的参加を要請しております。17年7月から具 体的な調査を開始しまして、現在も未登録な物質で製造あるいは輸入者の判明した企業 に対しまして、継続的に参加を要請してきております。ほぼ2名が専属で現在この関係 に従事しておりまして、現在まで98社5団体、165名というところが直接コンタクトし てきた結果でございます。  これが参加の数字に反映されておるわけでございますけども、具体的なプログラムの 推進という観点からは、参加表明をいただきました後、具体的に進めるところが非常に 重要でございます。それが2.以下になるのですが、一つは、同じ物質でもいろんな企 業がおつくりになっていますので、そのコンソーシアムを形成するというのが一つのキ ーになります。そのためにはまず製造輸入者の特定から始まりまして、個別企業への参 加要請、「まず1回集まってください」と、そういう格好でキックオフをやりまして、 それからコンソーシアムの幹事会社の選定、それから皆さんが持っていらっしゃるデー タとか、予備的な文献調査でデータギャップをここで見つける必要がございます。  その後は、今後、どのぐらいの費用がかかるか、あるいは費用負担の方式といいます か、費用負担にどんな考え方がありますかとか、ご紹介等をする必要もございます。そ れからコンソーシアムでございますので、覚書など、ある程度の契約的なものが必要に なります。それから追加試験の要否、それから最終的にはその試験計画書、報告書の作 成と、そういう一連の手順が必要でございます。これが結構大変な作業になっておりま す。この過程はやはり物質によりまして、その対象となる企業の数が違いますし、それ から既存データの量的あるいは質的な違いもございます。それからまた各企業によりま して、それぞれ同じ物質でも事業的な位置づけも異なります。ということで、ケース・ バイ・ケースの対応が、このコンソーシアムでは求められるということになります。  日化協といたしまして、このコンソーシアムの初期の立ち上げから、最終的な試験計 画書、報告書の提出まで、すべての過程に関与してまいりました。タイトルに「伴走 者」と書いてございますけれども、各企業のコンソーシアムの方々と一緒に作業を進め ているというのが実情でございます。現在コンソーシアム16でございました。今後さら に現在話をしておりますコンソーシアムで15程度コンソーシアムの追加が予測されてお ります。  次に3.でございますが、今度はデータギャップの調査、あるいはその試験計画書、 報告書作成となりますが、これには物質の情報収集、それからデータの信頼性の評価と いうのが非常に重要になります。ガイドラインでは信頼性評価4段階に規定されており まして、そのどの信頼性に該当するか判断が求められますが、これにはある意味で若干 専門性も要求されます。そういう初期評価、あるいは試験計画書作成についての企業へ のご相談と、それからそれらをまとめまして最終的に政府の専門家のご判断をいただく と、そういうステップを踏んでおります。  それから4.でございますが、これも先ほど事務局の方からもご紹介ございました。 カテゴリーというのが非常に重要になります。これは例えば同じ類といいますか、同じ ファミリーの化学物質を集めまして、一つの物質でデータギャップがありましても、ほ かの物質からそのデータが推定できるという考え方でカテゴリーを組むというのがこの 手法でございますが、この手法は例えば新しい試験をしないという意味で、動物愛護、 それから費用削減、また非常に効率化が可能という意味で、非常に重要な手法となって おります。  政府の方でつくっていただきましたカテゴリー研究班にいろいろご相談をさせていた だいております。ここでも16カテゴリーが現在進んでおりまして、上の先ほどのコンソ ーシアムの16というのと丁度数字が一緒でございますが、これは別の意味でございます。 そのカテゴリーとして16ほど動いておりまして、さらに幾つかのカテゴリーの追加を現 在検討中でございます。ここでもいわゆる各企業の方々と日化協と一緒になりまして、 どういうカテゴリーが組めるかという、その原案づくりを行っております。関連文献の 収集、それからデータを縦横に並べるといいますか、マトリクスを組んでどこがデータ ギャップになっているか見極め、それを埋めるのに例えばQSARと書いてございます が、これは構造活性相関、コンピュータの手法でございます。あるいはRead ac rossと申しまして、ほかのデータからの類推等を用いてどういうカテゴリーが組め るか検討をするという、これら一連の過程を個別に支援しておるところでございます。  5.今後の課題でございますが、現在この本プログラム推進しておりますが、一方で ご存じのようにことしの6月に発効いたします欧州のREACH、それからバイオサイ ドの登録、これは既に欧州でもう既存の法律でございます。そういう登録とダブるもの もございまして、そういう意味ではそういう海外の法規制の対応が、国内と時期がずれ るというふうな問題もございます。あるいは個別の物質の事情になりますが、生産量が 当初1,000トン以上ございましたのがどんどん落ちてきて、事業自体の判断を求められ ておるというふうな物質もございます。そういうことで、今後とも個別の物質について の事情等を勘案しながら、適切な取り扱いを政府の方にもお願いしていきたいと思って おりますし、引き続き新規登録の推進というところに力を入れていこうというふうに考 えております。  以上でございます。 ○池田委員長 ありがとうございました。今までのところでまず資料1、それから資料 2を使って、環境省からご説明をいただきました。それから今お聞き及びのように追加 資料で小倉委員からもお話を承りました。この3点につきまして質問あるいはご意見な どございますか。まずクラリフィケーションのためのご質問がありましたら、頂戴をし たいと思います。どうぞ。 ○中村委員 確認させてください。資料1の2ページ目の上の方にスポンサー未登録物 質のことについてお話がありまして、電話等々で要請されていると伺ったんですが、こ れはこういうことをやられて、実際問題、では登録事業者になりましょうかと、スポン サーになりましょうかということはあったのでしょうか、それと、こういうスポンサー 未登録の物質というのは結構1,000トンをわずか超える程度で小さな規模の会社が多い という理解でよろしいんでしょうか。 ○経済産業省田中補佐 基本的にはケース・バイ・ケースでして、必ず生産規模が少な い会社ではスポンサー未登録が多いということではございません。未登録物質について は、基本的にこちらからまずアプローチをかけています。これは何の目的でやるかとい いますと、このプログラム知らない方もいらっしゃいますので、そういう方も含めて、 まずはこちらがこういうのをやっていますというお知らせをするということです。それ を受けて事業者さんの方でわかりました、どうするか検討させていただきたいというよ うな形で終わることが多いです。もちろんその後当然会社としてやっていきたいとか、 コンソーシアムを組みたいとか、そういう形で登録に発展していくものもございます。 それはケース・バイ・ケースだと思います。 ○中村委員 一つよろしゅうございますか。参考資料2と1も絡まるのですけれども、 それから小倉委員のご説明もかかわるのですが、コンソーシアムとカテゴリー評価との 関係がやや不明ですが、カテゴリー評価にかかわる物質を幾つかご指摘があると思うの ですが、それにもコンソーシアムを組んでやるという理解でよろしいんでしょうか、あ るいは必ずしもそうではなくてということでしょうか。 ○環境省大井補佐 コンソーシアム、それからカテゴリー、全く別物というふうにお考 えいただいた方がよろしいかと思います。コンソーシアムといいますのは、ある物質が あってその物質の情報を集めようというときに一人でやるのか、それともみんなで共同 してやるのか、そのみんなで共同してやるというのをコンソーシアムというふうに我々 呼んでいるところでございます。一方カテゴリーアプローチとは何かといいますと、あ る物質の情報を集めようとしたときに、その物質そのものの例えば試験を実施するので はなくて、例えばある物質Aというのがあったときに、それに似たような構造を持った 物質類といいますか、群といいますか、あったときに、ほかの物質についていろんな情 報が既にあるといったときに、例えばそのほかの物質の情報を使って類推というような 格好で求めたい物質の情報を集めるとか、いろんなアプローチがありまして、カテゴリ ーにもいろんなカテゴリーがあると思うんですけれども、そういうことで情報収集のや り方、まさに科学的なやり方がカテゴリーアプローチということでございます。ですか ら今ある話で、例えば1社がカテゴリーアプローチで情報収集しようという場合ももち ろんあるでしょうし、場合によってはコンソーシアムでやる方々がカテゴリーアプロー チでやろうという場合もあるかもしれませんが、そこはもう全く別のものだというふう にご理解をいただいた方がよろしいかと思います。 ○中村委員 わかりました、結構です。 ○池田委員長 よろしいですか、どうぞ。 ○中杉委員 ちょっと確認ですけども、参考資料2の方で登録物質数がスポンサー企業 別に出ていますけれども、この数例えば花王さんが8物質と言われているのは、単独で 出されたものですか、そうではない。 ○経済産業省田中補佐 これは単独の場合もありますし、コンソーシアムに参加してい るという場合もあります。そこはケース・バイ・ケースです。 ○中杉委員 それを含めて全体の量ですか。 ○経済産業省田中補佐 はい、含めております。 ○中下委員 未登録の物質のことに関してなんですが、先ほどの中村委員の質問にちょ っと関連するのですけれども、前回の去年の段階では70何物質だったと思うのですけれ ども、そうするとほとんど1年間たって登録がふえていないという状況で、多分残物質 が86物質でいいですか。166対象でしたか、全体が。うちの80がスポンサーが挙がって いるとすれば、86でしょうか、あと残りが。それがほとんどふえていないというのは、 どういう状況なのかということと、未登録をつくっておられる企業というのは数がどの くらいあるかということ、ちょっと教えていただけますか。 ○池田委員長 よろしいですか。 ○経済産業省田中補佐 まず事実関係としてこのJapanチャレンジプログラムの対 象物質の数ですけども、そこは650ぐらいあります。それは、日本で平成13年度の製造 輸入量調査の段階でトータル1,000トン以上製造輸入されていたものということで650ぐ らいあります。その中で海外の例えばOECDのHPVプログラムやUSチャレンジプ ログラムで既に情報をとることが予定されている、またはもうとられているものという のを除いて、その残りが、我々が特にスポンサーを募って優先的に情報を集めていく物 質という、そういう整理になっております。  その物質数は若干の変更、例えばもともと予定されていなかったが新しくOECD でやる予定になった等、そういう若干のリバイスありまして、今現在でこのJapan チャレンジプログラムでスポンサーを募って集めている、情報収集を予定している物質 というのは140です。ですから、今の段階でスポンサーが80ぐらいついていますが、残 りという意味では単純に考えると60物質ぐらいあるという、そういう整理でございます。  後で説明しようと思っていたのですが、このJapanチャレンジプログラムは、ご 存じのとおり平成17年6月1日に始まったという形になっておりまして、今のところ2 年たったという形です。ただこれで終わりというわけではなく、平成20年度までスポン サー募集は続いていくものですので、まだ終わりではありません。確かにまだスポンサ ー未登録のものがあるというのは理解しておりますけれども、そこについては政府とし ても積極的な働きかけを引き続き行っていきたいと考えています。なぜスポンサー登録 を行っていない会社があるのかとか、それが一体何社あるのかということに関しまして は、そこは当然一つの物質を一つの事業者さんがつくられている場合もありますし、複 数の事業者さんがつくられている場合もありますので、あと同じ事業者さんが複数のも のをつくっている場合とか、いろんなケースがありますので、一概に何社というのはな かなか申し上げにくいです。けれども、我々としてはまだそのスポンサーを募集する期 間が終わったと思っていませんので、またこれからもスポンサーの登録に向けていろい ろ働きかけをしていきたいというふうに考えています。  なぜスポンサー登録されていないのかという理由はいろいろあると思いますが、そこ につきましてはこのプログラムの中間評価が来年の4月以降予定されておりますので、 その段階で分析したいと考えておりますので、まず我々は、今の段階では例えば本プロ グラムの認知度を高めるとか、それで企業への働きかけを個別に行うとか、できる範囲 のことでなるべく登録が進むように進めていきたいと、そういうふうに考えております。 ○中下委員 電話をかけられた企業は何社ぐらいおありだったのですか。先ほど電話に よってプログラム参画の検討を依頼されたということなのですが。 ○経済産業省田中補佐 20〜30くらいはあります。 ○首藤委員 中下委員のご質問は、電話等により検討を依頼というような、そういう手 段は、余り意味がないのではないですかということだと私は思うのですが、日化協にお んぶしているだけじゃなくて、こちらももうちょっと積極的にやられたらいいのではな いか、というふうに私は聞いたのですけど。 ○経済産業省田中補佐 若干誤解があるかもしれませんが、働きかけをしているのは 我々もやっております。日化協さんも日化協さんの会員企業に働きかけをやっておりま すし、この資料での電話というのは政府がやったことですので、我々が電話をしたとい う意味です。日化協さんだけしか働きかけをやっていないというのは誤解かなと思いま す。 ○首藤委員 そういう難しい話を、普通電話でやってくれませんかという、そういうこ とがそもそも問題かなと思ったのです。 ○経済産業省田中補佐 すみません。説明不足でしたが、電話もやっておりますし、直 接訪問するパターンもあります。 ○首藤委員 直接訪問すべきではないでしょうか。 ○経済産業省田中補佐 そこは明示的に書いておりませんでしたけれども、訪問もかな りやっております。 ○首藤委員 「電話等」と書いてありましたので。 ○経済産業省田中補佐 直接訪問の重要性についてはおっしゃるとおりでして、我々も 重要だと考えています。当然全部の会社に行っているわけでもありませんので、今後は、 ご指摘を踏まえ、訪問の数も是非増やしていきたいと、そういうふうに考えております。 ○池田委員長 ありがとうございました。どうぞ。 ○中杉委員 今のお答えの中で答えが出ているのかもしれませんけれども、まだ登録さ れていない物質について何か特徴的なことがあるのかどうか、今後さらに進めたときに はどういう物質が登録されていないのかということを見ていくことが必要だと思うので す。どこに焦点を絞っていくのか。ちょっとこれは意見になってしまうかもしれません けど。 ○池田委員長 議題をごらんいただきましょうか。それで今かなり一気に議論が高まっ た部分は議題(3)中間評価に向けた対応というところであらためて承りたいと思いま す。当面はまず事実関係というと大げさですけれども、どんなぐあいに進んだのかとい うあたりをお聞きいただいて、これを確認いただいて、その先であと幾ら残るかという のもあるでしょうけども、今後中間報告、あるいは中間評価に向けてどういうチェック をしていくべきかというあたりをご議論頂きたいと思います。  1点小倉委員にお伺いしたいのですが、Japanチャレンジプログラムのスポンサ ー募集の対象になる物質というのは、その後海外での情報収集だとかの進行状況によっ て140ぐらいだったと。現在80ぐらい手を挙げていただいた。簡単に引き算しますと60 ぐらいということになりますが、そのほかに小倉委員からのご説明でコンソーシアムが 15ぐらいできそうだ。そうしますと小学校の算術みたいですけど、かなり数は小さくな る。 ○小倉委員 すみません。ちょっとコンソーシアムの形成というのと新しい登録とは分 けて考えていただきたいのですが、コンソーシアムの形成の方は、あくまで同じ物質に ついて複数の企業が、じゃあまとまってやりましょうということでございますので、既 に登録されている物質に対してコンソーシアムというのが新しく形成されるというケー スが多うございます。 ○池田委員長 そうですか。 ○小倉委員 はい。ですからもう一つ、じゃああとどれぐらいといいますか、新規登録 の可能性があるのかというふうな、多分ご質問だろうと思うのですが、まずまだ確定し た登録に至っておりませんが、現在日化協でいろいろ企業とお話ししている中では、現 在15〜20弱のところのお話をしております。もちろんこの中にはいわゆるこのJapa nチャレンジの対象でございますけども、どうせやるならOECDの枠組みの方へ持っ ていこうとか、そういうふうなものもございますし、そういう意味ではJapanチャ レンジでは登録に上っていないけども、既に作業は進んでいるというふうなものもござ います。そこら辺は改めまして先ほど政府もおっしゃっていました中間評価の段階で、 きっちり整理できればというふうに思っております。 ○池田委員長 ありがとうございました。かなり数をベースにしたバックグラウンドは 明らかになってきたと思います。ほかにもどうぞご質問、あるいは今後のまとめ方につ いては、先送りさせていただきます。次の議題(3)に譲らせていただきまして、議題 1で資料1、2、あるいは小倉委員からの資料についてのご意見その他ございましたら。 よろしゅうございますか。 (な し) 議題2 海外における取組の動向について ○池田委員長 はい。それでは、議題(2)で、海外における取組の動向についてに移 らせていただきたいと思います。もう一度事務局から資料に基づいてご説明をいただき ます。 ○厚生労働省山本専門官 それでは資料3に基づきまして、海外における既存化学物質 への対応等の動向について説明させていただきます。  既にもうOECDの話であるとか、アメリカのHPVチャレンジプログラムの話が出 ておりますけれども、その内容を改めて簡単にご紹介させていただければというふうに 思います。  まず1.OECD/HPV安全性点検プログラムでございますが、先生方もうよくご 存じかと思いますけれども、簡単に申し上げますとOECD加盟国の少なくとも1カ国 で、年間1,000トン以上生産されている化学物質を対象といたしまして、加盟国が協力 して安全性情報を収集し、各物質について各国がスポンサーになりまして、その国が責 任を持って情報を収集し、そしてSIAMという初期評価会議におきましてエキスパー トがそれをレビューし、そしてそのレビューされた結果を対外的に公表していくと、そ ういう取り組みのプログラムでございます。  日本は当初から一貫して協力してきているところでございまして、2010年までに 1,000物質についてデータを収集することを目標とした新たな計画におきましては、日 本の担当物質は96物質ということになっております。これは日本でどれぐらいこの高生 産量の物質が生産されているかという比重に基づいて決められた物質数でございます。  (2)進捗状況でございますが、これまで24回の初期評価会議、SIAMと呼んでい ますけれども、が開催されてきたところでございます。2007年3月19日現在の進捗状況 をまとめますと、そこにお示ししているような表に示したとおりの状況となっておりま す。一部表に誤りがございまして、修正させていただければと思います。公表済SIA Rというのが左下にあるかと思いますが、そこにある※を二つにしていただきまして、 合計のところに書いてある二つの※を三つにしていただきまして、その下、一番下に書 いてある説明文書ですけれども、その一番下が※二つになっておりますが、これを三つ に修正していただければと思います。大変申しわけございません。内訳について細かい 説明は申し上げませんけれども、トータルで1,228物質が対象となっておりまして、そ のうち既に公表されているもの、一部重複ありますけれども、トータルで400程度とい うような状況になってございます。  続きまして2ページ目、お願いいたします。2.いわゆる米国HPVチャレンジプロ グラムでございます。これも先生方よくご存じかと思いますけれども、そもそも目的と いたしましては、化学物質の情報について知る権利に係るプログラムの一環として高生 産量化学物質の安全性情報を収集するために開始されたプログラムになっております。  (2)対象物質でございますけれども、少しずつ出入りがあるところではありますけ れども、年間生産量、輸入量の合計が450トン以上の化学物質が対象物質というふうに 決められております。  (3)プログラムの概要ですけれども、米国HPVチャレンジプログラムを随分参考 にして日本のプログラムをつくっている関係で、逆に内容的には似ているところもある のですけれども、基本的には製造者または輸入者が自主的に単独またはコンソーシアム を結成してスポンサーとなって、今説明いたしましたOECDでのSIAMで要求され ている必須項目といいますけれども、そういった項目に関する情報を収集して、米国環 境庁EPAに提出することが要請されているというところでございます。同じようにカ テゴリー評価というものを認められております。  イの情報の発信でございますが、スポンサーから提出された試験計画につきましては、 EPAのホームページ上で公開され、コメントを受け付けるというような形になってお ります。またEPAが情報を簡易に検索できることが可能な情報システムというものも 構築されているところでございます。  収集した情報の評価、ウでございますけれども、スポンサーが安全性評価を希望する 場合は、OECD/HPVプログラムにおいて評価を受けることが可能であるというふ うにされております。  次のページにまいりまして、(3)進捗状況でございますが、2006年9月時点におい て約400社及び約100のコンソーシアムにより約2,200物質についてデータ収集が進めら れているところでございます。未スポンサー登録物質対策として、積極的にEPAがお 願している、もしくは最後の行にありますように、TSCA第4条に基づく試験の実施 を要請したというような状況もございます。  最後(4)HPV延長プログラムでございますけれども、これは産業界の自主的なイ ニシアティブでございまして、2002年の製造量あるいは輸入量データに基づいて、新た にHPVとなった574物質について2010年末までに情報を収集するという取り組みもな されております。  続きまして3.カナダの新たな化学物質管理計画に移らせていただきます。経緯でご ざいますが、首相のイニシアティブ、リーダーシップがありまして、カナダにある約2 万3,000の既存化学物質の優先順位づけといいますか、カテゴライゼーションを行って おられます。今後4年間にわたって3億ドルを投じて化学物質管理計画を推進するとい う予定となっているようでございます。  (2)そのカテゴライゼーションの簡単な概要でございますが、二つ目の「・」にあ りますように、ばく露の懸念が高い物質であるとか、難分解性あるいは高蓄積性、人ま たは人以外の生物に対して有害であることが試験そのほかの研究により示される物質、 そういったクライテリアを利用しながらカテゴライゼーションが行われております。  その次の次の「・」に行きまして、その結果2万3,000物質のうち4,300物質について さらなるアクションが必要と結論されており、その次の「・」でございますが、4,300 物質のうち約500物質が優先度が特に高い、2,600物質が中程度、残る1,200物質は優先 度が低いというような評価がなされております。  続きまして最後4ページ目をごらんください。これも既に議論の中で出てきたところ ではございますが、欧州におきましては新たな化学物質管理制度、REACHが昨年12 月に成立いたしまして、来月6月から段階的に施行されるというふうな状況になってお ります。本推進委員会との関連ということで申し上げますと、(2)のイの一つ目の 「・」に記載してありますとおり、既存化学物質と新規化学物質の扱いをほぼ同等に変 更するといった点が挙げられようかと思います。すなわち既存化学物質につきましても、 ある期限までに必要な情報を提出しないとその生産、使用が認められていかないという 形になるということでございます。そのほか非常にいろいろな変更があるようでござい ますけれども、幾つか代表的な例をそこに示しておりまして、例えばリスク評価につい ては事業者の義務に変更されるであるとか、サプライチェーン、流通経路でございます が、を通じた化学物質の安全性や取り扱いに関する情報の共有であるとか、成形品に含 まれる化学物質の有無、用途についても情報の把握を要求するといった改革がなされる ということになっております。  (3)REACHにおける安全性情報の扱いでございますけれども、1事業者当たり 年間1トン以上製造または輸入される化学物質について、新しくできる欧州化学品庁へ の登録が必要となります。その必要とされる安全性情報でございますけれども、その下 の表に示してありますとおり、製造・輸入量に応じて求めるデータも増えていくという ような状況になっております。  以上簡単ですけれども、海外の動向について説明申し上げました。 ○池田委員長 ありがとうございました。今のご説明につきましてご意見、あるいはご 質問等ございましたらどうぞ。 ○池邨委員 すみません。1点確認をさせていただきたいのですけれども、今回のこの Japanプログラムから発信される情報と、今4ページ目で言われたREACHで求 めている情報との関係なんですけれども、今回このプログラムから出てくるような情報 というのは、これREACHで求められている情報というのは入っているというふうに 考えてよろしいのでしょうか。 ○池田委員長 どなたからお答えいただけますか。どうぞ。 ○経済産業省田中補佐 そこは厳密に言いますと、REACHに必要な安全性の情報と いうのは、ここに4ページ目に書いておりますように、製造量に応じて変わっていきま すので、例えば1,000トン以上に要求されるようなものまで全部今回のJapanチャ レンジプログラムの対象の情報収集に入っているかというと、全部入っているわけでは ないです。それはなぜかといいますと、JapanチャレンジプログラムはまずHPV のプログラムということで、OECDのHPVプログラムとか、USチャレンジプログ ラムの情報収集というものをかなり参考にしてつくっておりますので、OECDのHP Vプログラムや、アメリカのUSチャレンジプログラムとは情報収集内容という意味で は同じです。ただREACHは特にこのHPVのためにやっているというわけではござ いませんので、そこは若干のずれがあると、そういうふうにご理解いただければと思い ます。 ○池田委員長 よろしゅうございますか。どうぞ。 ○小倉委員 今ご説明がございましたように、HPV、Japanチャレンジあるいは USチャレンジ、そこはOECDのHPVプログラムにSIDS、スクリーニング・イ ンフォメーション・データ・セットと言うものがございまして、そのデータリクワイア メントに準拠しております。REACHの場合はちょっと詳細は私もうろ覚えでござい ますけれども、100トン以上、あるいは若干もう少し10トンのところまで含んでおるの かもしれませんが、それが大体SIDSに相当するというふうにお考えください。 ○池田委員長 ほかにもどうぞ、ご質問ございましたら。よろしいでしょうか。 (な し) 議題3 中間評価に向けた対応について ○池田委員長 そうしますと、議題(3)に進ませていただきます。実は先ほどの議題 (1)の終わりの部分はほとんど議題(3)につながっていく部分でございました。中 杉先生のご意見を途中で中断させてしまって恐縮です。もう一度恐れ入ります、お始め いただけますか。今から議題(3)に移り、中間評価に向けた対応についての部分に入 りたいと存じます。 ○中杉委員 資料の説明がありますね。 ○池田委員長 そうですね。それでは資料4をご説明ください。 ○経済産業省田中補佐 それでは最初に資料4、1枚紙の簡単なものでございますけど も、こちらを最初に簡単に説明させていただきまして、その後議論の方に入らせていた だければと思います。  資料4でございますけれども、Japanチャレンジプログラム中間評価に向けたス ケジュールということで、このJapanチャレンジプログラムの今後のスケジュール について簡単にまとめさせていただきました。Japanチャレンジプログラムはプロ グラム開始から3年を経過した平成20年4月以降に中間評価を実施するということにな っております。中間評価の際には当然プログラムの進捗状況及び成果と、そういうもの を取りまとめて分析をし、評価をするということになっております。  それに関連するスケジュールでございますけれども、現時点ではここに書いてある表 のイメージを我々は持っております。まず平成17年の6月に本プログラムは開始いたし ました。平成19年5月に第4回のプログラム推進委員会を開催しております。これが本 日でございます。これから1年間の間に事務局の方で中間評価に向けた準備作業という ものを行っていきたいというふうに考えております。また当然先ほど少し議論がありま したけども、事務局の政府サイドとしても未登録物質の新たな登録に向けて、積極的に 働きかけを行っていきたいと、そういうふうに考えております。  来年ですけども、大体今から1年ぐらいたった平成20年の4月以降、4月、5月あた りをイメージしていますが、我々の方で中間評価を実施いたしまして、次回の第5回プ ログラム推進委員会において、その評価について助言をいただきたいというふうに考え ております。※と書いておりますけども、検討状況に応じてこのプログラム推進委員会 を複数回開催するという可能性もあるというふうに考えております。その後平成21年の 3月が一応Japanチャレンジプログラムのスポンサーの登録の一つの目安という形 になっており、中間評価の実施は来年です。プログラムのスポンサー登録の期限はその さらに後という形になっておりますので、繰り返しになりますけれども、我々の方も積 極的に働きかけを進めていきたいというふうに考えております。  また資料1でいろいろ政府の取り組み等もご紹介させていただきましたけども、この プログラムは単純にスポンサーを頑張って集めて、それで終わりというわけではありま せん。そこからがむしろ始まりという形で、しっかり情報を収集してそれを公表すると いうことが、このプログラムの目的ですので、それに向けて政府サイドとしても、例え ばカテゴリーの評価を進めていくとか、テンプレートの作成に向けた支援を行っていく とか、またデータベースをもっと充実していくとか、さまざまな取り組みを今後とも充 実させて、このプログラムを推進していきたいと、そういうふうに考えております。  簡単ではございますけども、今後のスケジュールのイメージについてご紹介させてい ただきました。 ○池田委員長 ありがとうございました。それでは、どうぞ中杉先生。 ○中杉委員 それでは先ほどの質問の繰り返しになるか、別な意見ということになるか わかりませんけれども、今回登録があった物質となかった物質というのは、それぞれど ういう特徴を持っているか、これはいろんな意味での特徴があると思うのです。生産使 用の状況で、先ほど小倉委員の方から話があったように、生産量が減ってきているもの だとか、ふえているものだとか、そういうふうなところも一つありまして、化学物質の 物性もあるかもしれませんし、もう一つはリスク評価の観点から行くと、この物質が生 産量は同じでもどういう用途に使われているかということが、非常に重要なポイントに なるだろう。  このプログラムは大体環境経由のということですから、開放系なところもあります し、あるいはもう少し広げれば、開放系でなくても製品からのばく露みたいなものも考 えたらどうなのか。中間体とか合成原料であれば、余り環境というのは考えなくてもい いかもしれないけれども、そういうふうなこともありますので、どのぐらいそこら辺は やられているのでしょうかということを先ほどは質問させていただいたのですけども、 もしまだだということであれば今後そういうことをやっていくことが必要じゃないかと いうふうに思います。 ○池田委員長 ありがとうございました。これからご意見をちょうだいしたい部分は、 資料4、中間評価に向けての対応ということで、第3の議題に移っておりますが、資料 4でどんなぐあいに進むかというのをご了解いただきたいと思います。  今、中杉先生から、まずそれに向けてのチェックポイントの具体的な例としてご紹介 いただいたと思います。ほかにもどうぞ、ご質問あるいはご意見ございましたらお願い します。 ○中下委員 よろしいですか。 ○池田委員長 どうぞ。 ○中下委員 これはちょっと質問も兼ねてなんですけれども、まず第1点がこの評価の 問題とは別に、情報の公表というのはどの段階からどういう形で、集まった情報のです ね、というふうに進められるのかということをちょっとご説明がなかったので、その辺 をまずお聞きした上で、ちょっと意見を述べたいと思うのですが。 ○池田委員長 わかりました。それでは、まず、集まった情報はどのように公開される か。 ○経済産業省田中補佐 集まった情報は、基本的に集まった段階で随時公表していく形 を考えております。ただ政府の方で信頼性のチェックとか若干の作業がありますので、 その辺が終わった後に、例えば5物質ぐらいまとめて公表するとか、そういったイメー ジを考えております。基本的には随時と考えていただいて結構です。 ○中下委員 今、集まっているのはないですか。 ○経済産業省田中補佐 今、集まっているものもあります。ただ我々の方で今チェック をしている段階でして、まだ公表までは至っておりませんが、なるべく早く公表したい と考えております。 ○中下委員 それから、これはちょっと意見にかかわる部分なのですけれども、確かに USチャレンジの方でも未登録物質が243物質かなんかあったというふうなご報告だっ たのですけれども、これについては一応TSCAで一定程度の情報の開示を求めるとい うふうな規定がきっとあるのですよね、全く自主的プログラムというのではなくて、と いうふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○経済産業省田中補佐 TSCAにつきましては、資料3の3ページの(3)の進捗情 報のところに書いておりますけれども、TSCAの8条に基づいて、例えば未公開の安 全情報やばく露情報を出しなさいという仕組みがありますし、その下にありますように 第4条に基づく試験の実施という、もうちょっとさらに進んだ要請もTSCAではでき るようになっております。 ○中下委員 なるほど。そういうような枠組みを、日本のJapanチャレンジにおい てもやっぱり準備する必要があるのではないかと。もちろん全物質行けばいいんでしょ うけれども、なかなか今の状況だと全物質で行くのは難しいのかなと。USチャレンジ でも残っている物質があるようですので、登録に手が挙がらない物質があるようですか ら、やはりそういう枠組みを日本の中でも考えていく必要があるのではないかなという ふうに思いました。  それからTSCAの未登録物質は、何かそういう先ほど中杉先生がおっしゃったよう な特性で、何でこんな未登録になっちゃったかというのはわかっておられるのでしたら 教えていただけますか。 ○経済産業省田中補佐 申し訳ございません。正直なところ、USチャレンジでの未登 録の理由までは把握はしておりません ○池田委員長 どうぞ。 ○環境省森下室長 すみません、今のUSチャレンジの件で、未登録物質にどういうも のがあったかというようなことも含めまして、USチャレンジの状況、これは開始され てからそして1回レビューがあって、そしてExtendという時代に入ってきており ますけれども、その一連のプロセスを少し勉強に、情報収集にアメリカに調査団という とちょっと大げさですけれども、調査に行ってはどうかなというふうに思っております。 かなり仕組みも似たプログラムということでございますので、どういった観点から例え ばレビューが行われているのか、状況はどうだったのか、そしてまた国・企業の役割が どういうふうに当初の目的どおりに進んだのか、あるいは進まなかったとすればそれは どういうところに原因あるのか、そういった先行の経験を少しまとめて調査をしてはと いうふうに思っております。  できますれば夏前ぐらいに、これは私ども環境省の方で考えておることですけれど も、いろんな専門家の方々などにもご参画をいただきまして、ミッションを送ってはど うかなと思っております。ぜひこの推進委員会の委員の方々ももしご興味がありました ら、ご参加をいただければというふうに思っております。そういった情報は公表もいた しまして、このJapanチャレンジの中間評価にも役立つと思いますし、それからま た別途現在審議会レベルでこれから環境省の場合ですと中央環境審議会に今後の化学物 質環境対策の在り方について諮問をさせていただいていますけれども、化学物質排出把 握管理促進法とともに、化学物質審査規制法につきましても平成21年に法定見直しとい うこともございまして、その審議もおいおいやってくるということでございます。そう いうところに活用をしていきたいというふうに考えております。 ○池田委員長 小倉委員どうぞ。 ○小倉委員 今の中下先生のご質問の関連でございますけれども、私の理解では当初の USチャレンジはEPAとそれから産業界の共同のプロジェクトということでございま して、背景にはTSCAが控えておりますので、いわゆるTSCAのテストルールとい うやつですね。ですから、だれも手を挙げなかったら最終的にはテストの指示もあり得 るという仕組みになっております。一方でExtendの方は、こちらは産業界の自主 的な取り組みでございまして、そのテストルールのところまでは入っていないというふ うに思っています。  それから中杉先生がちょっとおっしゃっていました、どういう物質が未登録になって いるかと言う点ですが、この部分ではやはり中間体、実はこれ経産省には登録したけど も中間体であったとか、そういうものもございますし、それから先ほど申し上げました ようにどんどん量が減って、経営判断を求められているというふうなものもございます。 それからほかの法律である程度規制を受けている例もあり、その中で先ほど先生もおっ しゃっていました様にリスクの観点からどこまでのデータが必要か、、全部本当にデー タが要るのかなと言うところもございます。これはケース・バイ・ケースで今いろいろ 政府とお話をさせていただいておりますので、そういうところの整理も含めて中間評価 の段階で出てくるようにしたいと、私どもも思っております。それからこれは政府への お願いでございますけれども、産業界が既に提出したテンプレートについて、やはり政 府の専門家にいろいろチェックをしていただかないといけないので、ぜひそこのところ でよろしくお願いしたいというふうに思っております。 ○中村委員 先ほど経済産業省の方がおっしゃったデータの公表について今チェックを されているというお話なのですが、これは参考資料4にありますデータベースでもって 公表するということと理解してよろしいわけですね。データベースの形でもって公表す ると。公表する手段ですけども。 ○経済産業省田中補佐 データベースでの公表を考えております。 ○中村委員 これアクセスは自由なわけですよね。 ○経済産業省田中補佐 もちろんそうです。 ○中村委員 かねてから出てますように。 ○経済産業省田中補佐 そうですね。一方でデータベースの開発も並行してやっており ますので、最終的にどういう形で出るのかというのは、まだ今検討をしているところで すけれども、少なくともデータベースから見られるようにする方向です。 ○中村委員 どの省のデータベースかというのは、これは3省がそれぞれ有しているデ ータベースがあるのですか。 ○経済産業省田中補佐 3省で運営している3省共同利用データベースというのがあり まして、そこに載せていきたいというふうに考えておりますので、例えば経産省のデー タベースというわけではなくて、3省のデータベースと、そういう形になっております。 ○中村委員 資料1でいろいろ未登録物質、スポンサーがまだ名乗りを上げていないと いう物質があると伺ったんですか、そのデータの公表等々に絡んで、例えばその物質は あるメーカーしか扱っていなくて秘密事項が多い。だからデータが公表されることは非 常に経営判断上難しいので、スポンサーといいますか、データを安全情報を公開するの は避けるというようなことはなかったですね、今までは。  それとかあるいは中杉委員も先ほどおっしゃったように、物質本来の特徴なのか、 あるいはデータというか公表されるということでもってスポンサーって名乗りを上げな いということがないのかどうかということですけど。要するに経営判断として例えば物 質が非常に難しい、中間体であるとか先ほどおっしゃったように。それからだんだん生 産量も輸入量も減っているということは、もちろん経営判断としてあると思うのですが、 データ安全性情報も含めて公表されるから嫌だと、スポンサーになるのは嫌だと、安全 情報をやるというのはサーチするのは嫌だということは今まではなかったのですか。そ れからこれから考えられることはないのでしょうか。 ○経済産業省田中補佐 今私が経験している限りにおいては、それを理由に登録できな いとおっしゃった企業はないと思います。ただ、我々には言っていないという可能性も ありますし、細かいところはよくわからないですけれども、そこも含めて中間評価の段 階では当然評価したいと思っています。やはり私の今の感じでは先ほどの小倉委員の方 からもご説明ありましたけれども、例えば中間体であるとか、ばく露の量が少ないとか、 あと近年生産量が減っているとか、そういうものがかなり理由としては多いと、あとほ かの法律で例えばもう既に見ているとか、そういうところは理由になっているものが多 いというふうに考えておりまして、公表すること自体が嫌だから登録しないと、そうい う感じではないという印象を受けています。  また、例えばOECDのHPVプログラムでは、かなりの海外のメーカーが、日本の メーカーも含めて積極的に参加しておりますので、データを公表することが嫌だという 形で皆さんがしり込みしているわけではないと、そういうふうに理解をしております。 ○有田委員 1年前のこの委員会で、企業秘密のことが出されて、それでなかなか進ま ないというようなご回答もいただきました。きょう小倉委員から、このような資料が出 されたことで、私はそれについてもある程度解消をしたというふうに思いました。非常 にこの1年間で進んだような受け取り方をして、いろいろ資料を拝見していたのです。 最終的に残るのは企業秘密のところをどうするのかということなのだろうなと思ってい ます。昨年、会議終了後こういう状況で企業秘密でなかなか出せないものもありますと いうふうに、小倉委員にご説明を伺いました。その後の状況を聞かせていただきたい。 ○小倉委員 まず一般的な考え方でございますけども、これは前回の基本問題小委員会 でもちょっと議論になっていたと思うのですが、いわゆるデータの数字自身、これはあ くまでその物質の固有のものでございますから、これ自身が企業秘密に相当するという ことにはならないと思います。ただ一方で、例えば何社がつくっているとか、1社だけ の場合に、本来例えば生産委託でどこかにつくってもらっているとか、いわゆる事業の 面では例えばA社が行っていますけども、実際にはB社がつくってA社で販売している 例とか、それからどういう用途に実際にそれが使われているか、特にそれが非常にスペ シャリティの高い特徴的なものが絡む場合には、その用途はちょっと言いたくないと言 うようないわゆる事業秘密にかかわるところが出てくる可能性ございますけども、デー タベースで公共で使っていただくといいますか、そういうところにはそういうものは出 てこないという仕組みをつくれば、それで解決できるのではないかと思います。  OECD等で現在議論されています、あるいはREACHでも今後とられるデータを どういうふうに公表するかと言う議論の最中だと聞いておりますけども、いわゆる本当 に公表といいますか、パブリックドメインといいますか、皆が使えるデータの部分、そ れからその次の企業のいわゆる許可がないとだめだと言う部分、それからこれは表には 出ないというその3っつの層に展開して整理するというような議論が現在されておると 思います。  そういう意味ではもう一つ産業界として、注意しておかないといけませんのは、RE ACHの場合にはいわゆるローバストサマリーと言うデータを取りまとめた概要があり ますが、これはREACHの登録にそのまま使えます。この場合、ですから例えばOE CDで公表されているサマリーを持ってくればREACHに登録ができるわけですけど も、そうなるとコンソーシアムに参加していなかった人でも使おうと思えば使えるわけ ですね。  これはちょっといろいろ問題だということで、REACHでは所有者の許可がない と使えないというふうなことになっております。現在、きょうもお話ございましたけど も、日本の場合、政府の今回既存点検で出していただいたデータというのは、そういう 縛りもなくて皆さんが使えるという位置づけになるんだと私は理解しております。一方 で企業が出したデータについては企業の所有権というのがございますから、そこのとこ ろは今後のご配慮といいますか、何かの仕組みをつくっていくということが必要になる というふうに思っております。 ○小倉委員 まず一般的な考え方でございますけども、これは前回の基本問題小委員会 でもちょっと議論になっていたと思うのですが、いわゆるデータの数字自身、これはあ くまでその物質の固有のものでございますから、これ自身が企業秘密に相当するという ことにはならないと思います。ただ一方で、例えば何社がつくっているとか、1社だけ の場合に、本来例えば生産委託でどこかにつくってもらっているとか、いわゆる事業の 面では例えばA社が行っていますけども、実際にはB社がつくってA社で販売している 例とか、それからどういう用途に実際にそれが使われているか、特にそれが非常にスペ シャリティの高い特徴的なものが絡む場合には、その用途はちょっと言いたくないと言 うようないわゆる事業秘密にかかわるところが出てくる可能性ございますけども、デー タベースで公共で使っていただくといいますか、そういうところにはそういうものは出 てこないという仕組みをつくれば、それで解決できるのではないかと思います。  OECD等で現在議論されています、あるいはREACHでも今後とられるデータ をどういうふうに公表するかと言う議論の最中だと聞いておりますけども、いわゆる本 当に公表といいますか、パブリックドメインといいますか、皆が使えるデータの部分、 それからその次の企業のいわゆる許可がないとだめだと言う部分、それからこれは表に は出ないというその3っつの層に展開して整理するというような議論が現在されておる と思います。  そういう意味ではもう一つ産業界として、注意しておかないといけませんのは、RE ACHの場合にはいわゆるローバストサマリーと言うデータを取りまとめた概要があり ますが、これはREACHの登録にそのまま使えます。この場合、ですから例えばOE CDで公表されているサマリーを持ってくればREACHに登録ができるわけですけど も、そうなるとコンソーシアムに参加していなかった人でも使おうと思えば使えるわけ ですね。  これはちょっといろいろ問題だということで、REACHでは所有者の許可がない と使えないというふうなことになっております。現在、きょうもお話ございましたけど も、日本の場合、政府の今回既存点検で出していただいたデータというのは、そういう 縛りもなくて皆さんが使えるという位置づけになるんだと私は理解しております。一方 で企業が出したデータについては企業の所有権というのがございますから、そこのとこ ろは今後のご配慮といいますか、何かの仕組みをつくっていくということが必要になる というふうに思っております。 ○池田委員長 どうぞ。 ○中下委員 公表の点ですけれども、たしかこのJapanプログラムの最初のときに、 公表の仕方についても少し議論があり、私ども消費者としては、やはり用途だとかそう いったものがわからないと毒性のデータだけわあっと出されても、やっぱりもう非常に 理解しにくいんです。だからある意味でリスクコミュニケーションとかそれぞれのリス ク評価に末端消費者の役に立つような形での情報発信をしていただきたいというふうに 希望を述べた記憶があるのですけれども、そのときのお話では、この情報の公開の仕方 についても今後議論していくと、随時この推進委員会とも協議をしながらというふうな ご回答だったように記憶しているのですが、今のお話だと3省共同でデータベースをも うおつくりになって、今フォームを決めておられるようですけれども、必ずしも推進委 員会の議論がなく公表されてしまいそうなので、とてもちょっと気になったので、その 辺はやはり議論していただきたいなと。  もしここに書いていただいているように、最終使用者である一般消費者にとっても 必要不可欠な公共的要素の強い情報であるから公表するのだと、こういうようなお考え だとすれば、最終使用者である一般消費者にとって使えるような形で、やはり公表して いただきたいというふうに思うんです。それが営業秘密だというふうにおっしゃるなら、 片一方で製品に含まれる化学物質については、全成分についてやっぱり表示を義務づけ るとか、片一方そういうことがなければ、我々にとってはどれが何に使われているもの かというのが判断はつかないわけですから、そういう枠組みを考えていただきたいと思 います。 ○池田委員長 ありがとうございます。何かお答えになりますか。 ○経済産業省森田室長 今のご指摘でございますけれども、恐らくそれはJapanチ ャレンジに対応する部分と、それから今後3省含めまして化学物質の管理のあり方につ いてどうやるかという、もう少し大きな枠組み、こういったものがうまく組み合わさる 形で恐らく検討をしていくべき問題だと考えております。現在のJapanチャレンジ の公表の仕方という意味におきましては、まずはハザードデータをきっちりとそろえる と。それをそろえた上で次にどう使うかというフェーズについて当然ご指摘あると思い ます。これまでも繰り返しそういう形で公表のあり方についても検討すべきということ に関しては、多分ご回答申し上げてきたと思うのでございますけれども、どういうリス ク評価をやるかというところまでは、今のこのフェーズではまだちょっとそこまで想定 が及んでいない部分もございますので、そういう意味では十分に今の段階でお答えでき ないことは、おわび申し上げたいと思います。ただ、全体的な議論が必要だという意味 では、先ほど環境省の室長からもご説明ございましたけれども、もう少し大きな枠組み での化学物質管理のあり方についての議論は当然ございますので、そういったところに こういう話も組み込んでまいりたいと考えております。 ○経済産業省田中補佐 1点補足させていただきたいのですけども、この情報発信の仕 方ですね、そこは確かにいろいろまだ検討の余地があると考えております。あとこのデ ータを集めるときのフォーマットですけども、それは先ほどから話に出ているOECD というSIDSというフォーマットが、基本的には国際的に共通のもので、それがもう スタンダードになっています。このJapanチャレンジプログラムで埋めなければい けない情報も、そのフォーマットに従っているという形になっておりますので、必要な 情報は国際的なスタンダードという意味で大体入っているということで進めさせていた だいております。  また、当然その入力項目の中に用途情報というのもありますので、ハザード情報だ け例えば数字だけ並んでいて、何に使うのかわからないということにはならないと考え ております。それをどういうデータベースで見せていくかとか、そこはいろいろ工夫の 余地があると思いますので、なるべく使いやすいようにはしたいと思っておりますけど も、現状はそういうなっているということで補足させていただきました。 ○池田委員長 ありがとうございました。どうぞ。 ○中杉委員 先ほどからの一連の議論のお話にちょっと絡むのですけども、基本的には データが全くないものを想定して今このJapanチャレンジが始まっているわけです けども、どこかで入手してくるという情報の、今の情報については化審法の見直しの中 で提出を義務づけたり、入手した有害性情報についての、だからそこら辺のところは具 体的にどこからかもともと持っていたりすれば出さなきゃいけない形になるわけですよ ね。実態的にそこら辺のところはどのぐらい例としてあるのかというのを教えていただ けると。 ○経済産業省田中補佐 Japanチャレンジの話とは少し違って、化審法のお話をさ せていただきますと、確かに有害性報告規定というのがあります。ただあれは、改正化 審法が施行された後入手した情報の話です。昔とったデータを出せという話にはなって おりませんので、最近新しく有害性の情報を入手した場合は政府に届け出ることになっ ております。 ○経済産業省森田室長 1点補足させていただきたいのですけども、私の手元には今ち ょっと情報がないので、記憶が確かならばという話ですけれども、有害性情報報告を義 務づけておりますのは、例えばOECEのHPVプログラムで公表されているような情 報ではなくて、だれでもアクセスできるようなオープンなものでなくて、そういうとこ ろで知り得ないような情報であれば出してくださいということですので、そういったO ECDとかもしくはUSチャレンジとか、そういうところ公表された情報については、 企業の方に積極的に出してもらうという形にはなっていないというふうに思います。 ○中杉委員 化審法が改正されてから入手した情報ということになると、例えば一つの 例として化審法と農薬の扱いというのは非常に難しいですけども、農薬は登録のたびに 新しい情報といいますか、過去に得た情報を登録するわけですよね。それも過去に入手 した情報ということになります。何回も登録更新をするので最初に入手したのは化審法 の改正の前だ。登録申請するときは化審法の改正した後だという話になると、それはど っちになるんだろうか。 ○有田委員 このJapanチャレンジが始まったときに、今、中杉先生おっしゃった ようなことで集められていない情報もあるので、それを含めて全体で新しく化学物質の 有害性の情報を集めていくのだというのが何か表になっていたと思います。最近の状況 は、そのときの方針が生かされていないのではないかというような疑問を持っていたの です。たしかJapanチャレンジの全体図の中で。違いましたか。それをまた再度確 認していただけるといいと思ったのです。この会議が始まったときに、今後の化学物質 の全体をどういうふうな形で見直していくかというのがあったのですよね。 ○池田委員長 おっしゃる意味はどういうことでしょうか。 ○有田委員 全体像と過去の出ていない情報がありますよね。有害性情報、改正する前 のものも含めて情報がないので、それも含めてというような提案が、どこかでされたよ うに私は記憶しているというだけなので、違うかもしれません。 ○池田委員長 中杉先生のおっしゃっているのは情報の新しさ、古さの話ですね。化審 法改正以前に入手された情報を、例えば農薬の場合に登録するとき、改めて情報として 提出した。それは新しい情報なのか、古い情報なのか。これはちょっと農水の方がいら っしゃらないとわかりにくいかもしれませんね。 ○経済産業省田中補佐 そうですね。化審法上の解釈という意味では登録したタイミン グというよりも、その試験を実施したのがいつなのかというところがポイントになりま すので、昔試験を実施したデータであれば、それを今登録しようが何しようが古いデー タということになってしまうと、そういうことだと思います。  あと有田委員のご指摘は、どの資料のことなのか分からなかったのですが、一つ言 えるのは今回のJapanチャレンジプログラムの対象の物質というのは、化審法の改 正の前にとったデータとか後にとったデータとか、そういうことは全く関係なく、国際 的にスタンダードになっているSIDSの項目を埋めていこうと、特に製造輸入量が多 い1,000トン以上の物質を埋めていこうと、そういうものでございますので、化審法上 云々ということには余り縛られなくて、基本的にはデータをどんどん集めていって、そ れを発信していこうと、そういうプログラムでございますので、基本的にHPVのデー タはどんどん集まっていって出ていくと、そういうご理解で結構かと思います。 ○池田委員長 あといただいている時間が40分ばかりになりました。それで議題(3) のコアの部分はこれから中間報告に向けての作業ということになりますけども、その場 合にどういう内容の作業をしていただきたいか、そのあたりで具体的には例えば未登録 物質は、これどんどん減っていくかもしれませんけども、まず第一にどういう物質なの か、まず物質そのもののリストが要るでしょうし、それから中杉先生からご指摘があり ました、それはなぜ手を挙げる人がないのか、これらの物質の生産量だとか用途だとか、 あるいは輸入の場合の輸入業者の代表だとか、いろんな特性があるでしょうけど、その あたりの事情がわかるようなデータが欲しいというのがありましたね。  それから手を挙げていただいたかどうかとは若干異なりますけれども、公表の方法に ついては一般市民がよく使えるような格好で、かつ理解できるような格好で出してほし いというご議論がありました。ほかにもどうぞこれは何かどんどん注文を出していくみ たいな格好になりますけども、とりわけ全くまだ今までご発言のない委員の方で、今ま で機会を逸していたという方がございましたらご遠慮なくおっしゃってください。お手 元にどの委員がご発言になって、どの委員がまだかというリストがありませんので、ど うぞ。 ○安井委員 先ほどの中杉先生のおっしゃったこととも絡む話ですけれども、やはり未 登録物質のキャラクタリスティックというか、解析をしていただくのは非常に重要だと 思うんですが、そのときに一番本当言いますと重要なのはやはり、どなたかからざっく りとした感触でもって、やはりその中でも優先順位が何らかの基準であるのではないか ということを、やはり何か欲しいです。それは非常に難しい作業だと思うので、要する に暴露のポテンシャルを考えたときに、やはりこの物質はどうしても欠かせないという ような評価をやっていただいて出していただかないと、こちら側に座っている人間はわ からないという部分があると思うのです。ですから、そのあたりを何らかの格好で工夫 をしていただけないだろうかということをちょっとお願いしたいと。 ○池田委員長 未登録物質のプライオリティ。 ○安井委員 そうですね。 ○池田委員長 ほかにもどうぞ、ご意見がございましたら。 ○林委員 私も同じような意見ですけれども、資料の3のところのカナダのアプローチ ですね。Japanチャレンジ、USチャレンジに比べまして、よりリスクベースのア プローチのように理解するのですが、先ほど化審法の改正とかそういった法律的な枠組 みというものが今後議論される余地があると思うのですけども、そういう中でもちろん その以前の問題としてこのJapanチャレンジの中のボランタリーなプログラムの中 ではどういうふうに優先づけをしていくのかというようなことも考える必要があるので すが、いずれにしてもそういう次のステップにおいてはよりリスクベースの優先順位づ けを考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。  もちろん現在1,000トン以上についてJapanチャレンジプログラムもやっておる わけですから、ある種のリスクといったものに基づいてやっておるわけですけれども、 次のステップに移る上においては、安井委員がおっしゃったように簡単ではないと思う のですけれども、よりリスクベースの優先順位をつけたものを考えていく必要があるの ではないかなというふうに考えます。これは将来的に化審法等の法律的な枠組みといっ たものが、このHPVのプログラムに関連してできていくということも含めて、よりリ スクベースのアプローチするものが大事ではないかなというふうに考えております。  あともう1点すみません。これは確認で教えていただきたいのですが、カナダのこの アプローチというのは、法律的な枠組みで進めるのでしょうか、EPAやJapanチ ャレンジプログラムと同じように、化学業界の自主的なプログラムになるのでしょうか。 ○池田委員長 どうですか。 ○環境省大井補佐 ご質問いただきましたカナダの件でございますけれども、この資料 3の3ページにそのカナダの情報が書いてございますけれども、そこの(2)のカテゴ ライゼーションの概要の一番上の「・」に書いてございますとおり、そもそもこのカテ ゴライゼーションを2006年、2007年、これぐらいの期限までにやりなさいということは カナダ環境保護法、1999年に改正された環境保護法だと思いますけれども、これの中で 実際に規定をされているというふうに聞いております。ですからカナダの発表はカナダ 環境保護法の規定に基づいて、こういう計画をつくりましたという、そういう発表にな ってございます。この計画に基づいてとっていく措置のすべてが法律に基づくものかど うかというのは、これはこれからの議論なのでよくわかりませんが、そういうことで基 本的には法律に基づく対応であるというふうに考えられるのではないかと思っておりま す。 ○林委員 今のお話で、例えば今後4年間にわたり3億ドルを投じてというふうに書い てあるのですが、この費用というのはどちらが、国でしょうか、それとも業界でしょう か。 ○環境省大井補佐 この情報も12月にカナダの首相が発表したというプレスリリース資 料から我々も引っ張ってきた話でございます。基本的には「政府は」という言い方を、 首相がしておりますので、国家予算としてこういう費用を投じてやっていくのだという ふうには理解できるのですが、そこは詳細な説明が特にあったわけではございませんの で、申しわけございません。そこはちょっと責任持った回答はできませんけれども、そ ういうことでございます。 ○池田委員長 ありがとうございました。先ほどの林委員からご指摘のありました優先 順位云々、あるいはリスク・エバリュエーションに必要なデータ、これはそのタイプの 作業はたしかPRTR法をつくるときにかなり精力的にやった記憶がありますね。一つ は生産量がもちろんそうですが、用途情報とそれから環境省が環境調査をされた検出頻 度、もちろん検出下限の問題だとか、ややこしい議論があることはありますけども、ど れぐらいの頻度で検出されたからPRTRに取り上げようという議論をやりましたから、 その部分のデータをもし未登録物質についてリストアップしたのがあると、安井委員あ るいは林委員のご指摘や、ひょっとしたら中杉委員のご指摘にもかなり対応できたデー タベースになるのではないか。ただPRTR法のときの作業ですから、データベース自 体が古くなっていると言えばそうですけど。どうぞ。 ○中杉委員 いや、PRTR法、見直しをしていますから、まさに今その……、 ○池田委員長 データベース部分の見直しをしている。 ○中杉委員 その見直しをやることになるだろうと思いますから、そういう意味では連 携を図っていけば、細かい情報までなかなか手に入りませんけど、うまく運用していけ ばいいだろうと思います。 ○池田委員長 ありがとうございました。ほかにもどうぞご意見ございましたら。 ○池邨委員 二つお願いといいますか、なんですが、一つこのプログラムの基本的な考 え方というのは、化学物質の安全性の情報を発信するといったところにあるというふう に言われています。そうした中でこの発信される情報というのは、当然物をつくる企業 側というものもREACH対応ですとかいろんな化学物質規制に対応するために有効と なる情報だというふうに思いますので、ぜひ活用をしていきたいというふうな基本的に 考えております。そうした視点で一つ今回この中間評価を行われるときに、いつまでに どういう情報がどのタイミングで出るかというところのスケジュール的なものを、ぜひ ご提示いただきたいなというのが一つです。  それからもう一つは、このJapanチャレンジプログラムの方のあるべき姿といい ますか、最終のこういう形にしたいなというのが、もしご提示いただければ、今後議論 をする中で目指すところがはっきりとできていけば、また違った議論ができるかなとい うふうに思いますんで、できればその二つですね、ちょっとご検討いただければなとい う感じがします。よろしくお願いします。 ○池田委員長 さっきの方の議論は資料4で若干お触れになったことだと思いますが、 もう少し具体的にお話しいただければ。例えばでき上がった物質が幾つぐらいあって、 それはいつごろ公表すると、これをいわば公表に関してのパイロットスタディみたいに なると思うのですけども、そのあたりをご紹介いただけると、このプログラム自体のポ テンシャルスポンサーも元気づけられるでしょうし、あるいは今日ご質疑いただいてい る委員の先生方にも、そういうものができるのかと、具体的に目に見えるかたちで、分 かって頂けると思いますが。 ○経済産業省田中補佐 今の段階でいつまでにどこまで何物質とか、そこまではなかな か申し上げにくいですけども、最終的な姿としては繰り返しになりますけども、データ ベースを我々がつくって、我々がつくっているデータベースの中からこのJapanチ ャレンジの対象物質、この140について、まずスポンサーを募集していますけども、そ れだけではなくてHPV物質、高生産量の物質が対象になっていますので、対象物質は 650ぐらいあります。それの650物質の情報が、全部入っているデータベースをつくって 発信していくと。それが多分最終的な姿かなと思います。 ○池田委員長 そうですか。 ○経済産業省田中補佐 ただ、例えば海外の取り組みでデータをとる予定になっている ものについては、今回のJapanチャレンジの優先対象物質にはなっていないですけ ども、海外の状況がどの程度進むかというのはスポンサー登録はされているけど、まだ データが出てきていないものとか様々なものがありますので、それがどのタイミングで そういうものが完成するのかというのは、なかなか申し上げにくいなとは思いますけど も、完成形のイメージとしては、私が今申し上げた形が理想形かなというふうに思って おります。 ○池田委員長 海外の情報をベースにしたものは国内での登録を待たなくても、情報と しては既に存在しているもの、あるいは収集中のもの、あるいは国際的に手だけ挙げて まだ作業進んでいない、いろいろな段階があるでしょうけどね。 ○経済産業省田中補佐 そうですね、そういういろいろなものがあって、例えばもうO ECDで公開されている、データがもう出ているものは当然我々のデータベースにも入 れていけると思います。そこは順次やっていきたいというふうに考えております。 ○池田委員長 そうするとそれで中下先生のご質問と関連するわけですね。いつごろど うやって出てくるかというのが。 ○中下委員 ですから参考資料5のこれについて、公表時期について、公表に関する項 目を一つ設けていただいて、現在データが出ているけれども精査中だとか、あるいはい つごろ公表予定とか、というような書き込みをしていただければいいと思うのです。 ○環境省大井補佐 そうですね、まさに今ご紹介ありました参考資料5を見ていただけ れば、例えば海外で情報収集予定のところで幾つかOECD評価済みとなっているもの がございます。これについてはまさにその情報を国の方で今集めてきて、それを日本国 内に発信するための和訳作業というか、そういう作業を今後、ちょっとまだこちらの作 業がなかなか進んでいないという状況がありますが、急ぎそこはやっていって情報発信 していくということでございます。 ○中杉委員 それからこれはどこまでやるかというのは結構難しいですけども、これデ ータは利用してもらうことになりますよね。どういうふうに利用されたかということが じゃあこの最終的なJapanチャレンジプログラムの成果、うまく行ったかどうかと いうことに決まってくるので、少なくともどういう人がアクセスしたかというのはわか るような質問をその中に設けてはどうか。  場合によってはそこにアクセスした人にアンケートをして意見を聞くというのも一 つの方法ではないか。だからそこら辺のところをはっきりしないと、全体のアクセス数 がどうだという話になってしまうとやはり問題があるので、例えば企業の人か一般住民 の人かというぐらいのことがわかるぐらいのことをできればいいな。これ少し検討をい ただければというふうに思いますけど。 ○池田委員長 ちょっと難しい部分は、アクセスした人の特性を質問することになりま すよね。それはアクセスしにくくなるかもしれませんね。プライバシーの問題とひっか かってきます。 ○経済産業省森田室長 そういったご要望みたいなものは、実は経済産業省関係のNI TEという組織が、NITE CHRIPという情報データベースをつくっておりまし て、あれではアクセスログというのはある程度とれたりします。ただあれも実際どれぐ らいどういう類型でというのはなかなか分析が難しいというふうにも聞いておりますの で、可能な限りやれるところはトライしたいと思いますけれども、そこは余り確たるお 約束はちょっとこの場ではご容赦をいただきたいと思います。  それからちょっとおくれましたけども、先ほどJapanチャレンジのあるべき姿 をというご議論があったと思います。そこで私どももそういう視点を持ちたいと思いま すが、このプログラムは基本的に官民連携してやっていくというプログラムでございま すので、その視点がいわゆる行政側からの一方的な視点ということにとどまらず、まさ にボランタリーでご協力をいただいている産業界のご視点も含めて考えるべきではない かと思いますので、そのあたりご留意をいただきたいと思います。 ○池田委員長 ありがとうございます。ほかにもどうぞ。 ○林委員 中間評価のスコープですけども、今のお話ですと現状がどうでこのJapa nチャレンジプログラムの中でどうしていこうかという話になるかと思うのですけども、 例えば先ほどの化審法のお話とか、今後どうしていくかということも恐らくスコープに 入ってくるのかなというふうに思うのですが、その辺も明確にした方がいいのかなとい うふうには思うのですが。余り私が化審法、化審法というと、少し誤解を招くかもしれ ませんけど。 ○池田委員長 プログラムの全体像を、目標というか、もう少し明確にしてほしいとい う。 ○林委員 中間評価のスコープです。 ○池田委員長 どういったところまで。 ○林委員 内容評価まで。 ○池田委員長 わかりました。先ほどの有田委員のご意見とかなり近いですね。 ○環境省大井補佐 お答えを申し上げます。このJapanチャレンジプログラムの中 間評価、あるいは推進委員会がその中間評価のどこまで関わるのかという、そういうこ とだと思うんですけれども、基本的には来年の4月以降行います中間評価というのは、 あくまでもJapanチャレンジプログラム、このプログラムに関する中間評価という ことでございますので、このプログラムがどこまで進んだかということについてかなり 詳細に分析をしていただいて、評価をしていただくということだと思います。  当然ながらそれによって出てきた課題といいますか、将来の向けての課題、このJa panチャレンジのスポンサー募集が終了します21年3月、それ以降の話どうしていく のかという、そういう議論が恐らくあると思うのですけれども、そういう議論に関しま しては恐らく、私の個人的なイメージなのかもしれませんが、このJapanチャレン ジプログラムの中間評価の結果も踏まえながら、また別の場といいますか、特に平成21 年には化審法そのものの見直しということもあるということで、それに向けた審議も関 係審議会の方で行われるということでございますので、そういうところの場でこのJa panチャレンジの中間評価も踏まえながらご議論いただくという、そういう流れにな っていくのではないかなというふうに思ってございます。 ○池田委員長 ありがとうございます。どうぞ。 ○小倉委員 今話題になっております件でございますけれども、前回の推進委員会だっ たと思いますが、中間評価というのはあくまでこの今回のJapanチャレンジプログ ラムの進捗評価ということで整理するということで、たしか議事録にも残していただい ていたというふうに理解します。いろいろご意見が出ております今後の例えばデータの 公表、もちろんこのJapanチャレンジも絡みますけども、もっと大きな枠組みのと ころは、これは私自身の考えではやはり今後化審法の改正議論も始まりますし、そうい う中で本当にあるべき姿が議論されていくのではないかなというふうに私は理解してお りますけども。 ○池田委員長 先ほど来からの公開に関する議論は、Japanチャレンジプログラム で得られた情報をどのように公開するか、その部分に限定された議論と理解しておりま す。ほかにもどうぞ。  そうしますと、直の議論、中間評価に向けての議論は大体承り終わったのではない かと思います。今度は進行全体について、先ほどの中間報告のスコープを明らかになさ いというご意見がございましたけれども、その部分についてのご意見がございましたら。 どうぞ。 ○中下委員 たしかこのプログラムをスタートするときには、化審法の改正を受けて官 民連携で既存物質の安全性点検を進めるというような附帯決議に基づいて、多分これが 設けられたと思うんです。そのときには1,000トン以上ということではなく、当面1,000 トン以上というふうなことで、1,000トンが終わった段階でそれ以下の生産量の物質に ついても議論をするというようなお話だったのではないかなと思います。だから、もち ろん化審法の改正は改正で検討していただく必要があると思いますが、ここの場ではや はり既存物質の安全性点検をどう進めていくのかという議論も、この推進委員会で中間 評価、1,000トン段階で中間評価した上で、その後のこともやはり議論すべきではない かなというふうに思います。 ○池田委員長 ありがとうございました。ほかにもご意見ございますか。よろしいでし ょうか。どうぞ。 ○橋本委員 私どもユーザーの立場から言わせていただきますと、先ほどデータベース の評価の話がございましたけども、このデータを公開されて、例えば私ども自動車業界 だと製品の設計だとかあるいは生産のプロセスに、こういう物質を使っていいものかど うかという判断材料に一つ使うということがあると思うのですけど、そういうふうにき ちんと使えるものかどうかという評価を、中間評価のときにやっていただけるといいの かなと。  一つよくわからないのが、このデータベースのメインユーザーというのがどういっ たところ想定されているのかというのが、ちょっと私初めて参加させていただいたもの ですから、余りよく理解できていないです。先ほどもお話あったように、それが一般消 費者だとすると、きっとその物質というのは物質名だけ挙げられてもわからなくて、ユ ーザーの方は製品で身近に接しているものですから、やっぱり用途というものが絶対必 要かなというふうに思います。以上です。 ○池田委員長 ありがとうございます。ほかにもご意見ございますか。どうぞ。 ○林委員 その他でもいいですか。 ○池田委員長 はい、結構です、どうぞ。 ○林委員 このいただいた資料の中で、Japanチャレンジのプログラムをいろんな ところで紹介していただいているということで、非常にいいことだというふうに感じて おるんですが、私が感じますのは、一つは化学品を扱っている事業者に対するコミュニ ケーションといいますか、このプログラムの紹介ということが中心といいますか、ほと んどそうだと思うのですね。これが私はいいのかどうかわかりませんが、有田委員なん かのご意見お聞きできればと思うのですけども、もう少し一般の消費者に対するコミュ ニケーション、もちろんホームページのところにアクセスすれば情報はあるわけですけ ども、もう少し違う形の、こちらサイドからの発信ということがあってもいいのかなと いう、このHPVのプログラムに参加するスポンサーとなる会社に対する一つのインセ ンティブみたいなものにもなり得るかなというふうにも思いますし、また化学品という ものが少し消費者の方から抵抗を持って見られている中で、やはり大事なことはいかに うまく化学品を管理していくかということが私自身は非常にキーではないかなというふ うに思っておるものですから、そういったことの理解も深める意味でも、消費者に対す るコミュニケーションというものも意味が非常にあるのではないのかなというふうに考 えております。 ○池田委員長 先ほどの橋本委員からのご意見と連続したものだと思いますが、つまり この情報はだれに向けて発信するのか、だれにわかるように発信するのかですけど、3 省合同のデータベースを公表される段階で、データベースはありますよというだけだと、 あること自体も本当はなかなかわからないわけですよね。あるということを知っていな ければ、アクセスできないから。 ○経済産業省田中補佐 そうですね。だからそういう意味ではこのデータベースができ たら、当然それを正確にPRしていくというのは、もちろんおっしゃるとおりだと思い ます。 ○池田委員長 そうですね。 ○経済産業省田中補佐 データベースというか、情報発信をするというのがまず第1段 階であって、その次にそれを受けとめる人が多分いろんな人が、もちろん消費者もいる でしょうし、事業者もいると思いますし、いろんな方がいると思います。このため、そ れをどういう人に向けてつくっていくのかというのは、また次のステップかなという気 もしています。まず例えば今現状ではデータがないわけです。それをデータがある状態 に持っていくというのだけでも、実は結構大変だと思います。 ○池田委員長 そうですね。 ○経済産業省田中補佐 ですのでこのプログラムではまずデータを集めて、それを発信 していくというところを念頭に置いていますので、まず集めていき、それを発信してい く。さらにそれがどの程度ユーザーにフレンドリーになっているのかというところは、 当然あるとは思いますけれども、まずはデータを集めて公開していく状態をつくること、 そこがまず第1の目的かなと思っております。  それをどう使うかというのは、使う人によっては、使いやすさが異なるわけですか ら、そこは多分やろうと思えばどこまででもやらないといけなくなります。だれをター ゲットにして分かりやすくするのかというのもなかなか難しい問題ですので、そこは一 概にここまでできますという姿をなかなか見せるのは難しいと思いますけども、少なく ともデータを集めて見せるというところまでは絶対やりたいと思いますし、それがなる べく使いやすいようにしたいと、そこはもちろんおっしゃるとおりです。できる範囲で やりたいと思いますけども、やはり目的は情報を広く発信し、消費者向けとか、何々向 けとかに限定するのでなくて、もうだれでも見られるようにしていくことだと思います。 要は発信していくとが重要で、それをホームページで発信すれば基本的にだれでも見ら れますので、それをまずは目的にしたいなというふうに私は考えております。 ○池田委員長 ありがとうございます。多分その辺のパブリック・コミュニケーション については、アメリカの人たちは非常にうまいですよね。だから今度調査に行かれたと きにもし時間に余裕があれば、おたくはどういうふうにみんなにアピールしていますか というのを確かめていただけるとありがたいと思います。  大体これで議論は出尽くした、時間もやや詰まってきました。どうぞ。 ○厚生労働省山本専門官 すみません。今説明のつけ足しですけども、今橋本先生の方 から情報の評価といいますか、使える情報かどうかということでご発言があったかと思 うんですけれども、Japanチャレンジの情報を収集しているテンプレートは、基本 的に一義的には企業の方の責任で集めていただいているという位置づけにはなりますけ れども、OECDに倣いまして信頼度を1から4に分けてつけておりまして、それもま ずは企業の方に判断していただいているのですけれども、中にはなかなか判断が難しい 場合がありまして、そういうときには個別に相談を受けさせていただいております。  その上で、必須項目については信頼度1、あるいは2以上を必ず使ってくださいと いうことにしておりますので、そういう意味においては基本的には企業の責任でありま すけれども、行政としてもいろいろと相談を受け付けながら、最低限といいますか、使 っていただけるような情報を必須項目については提供させていただいているのかな、そ ういう形になるのかなというふうに思っておりまして、その集まった情報をその後どう 使うかというのはちょっとまた次の議論になるのかなというふうに思っています。 ○池田委員長 今おっしゃったのは、集められた情報の信頼度についての評価つきです、 あるいは1、2だけを集めています、コアの情報については1、2だけを収録すること にしています。どうぞ。 ○有田委員 例えば日本語の名称で製品名を入れ、それがどういうものに使われている かなど、環境省も、NITEの方のホームページにもありますので、これらのホームペ ージに入っていくと評価もわかって、どういう製品に使われているかというようなこと も分かる。今後、ジャパンチャレンジの情報とリンクを張っていただけるということと 勝手に理解していたのです。既に使い方もそういう情報の出し方もしているのではない かなというふうに思っています。 ○池田委員長 ほかにもご意見ございますか。 (な し) 議題4 その他 ○池田委員長 そうしますと、最後の段階に入ったと思いますが、今度は事務局の方か ら、今後の予定だとか何かもし承るべきことがありましたら。先ほど夏前にはTSCA、 あるいはUSチャレンジプログラムについての調査に行くというお話がありました。ほ かにも何かございましたらお教えください。 ○環境省大井補佐 では、今後の進め方につきましては、もう資料4にまとめさせてい ただいたとおりでございまして、中間評価に向けた準備作業を事務局の方では進めさせ ていただきたいというふうに思っております。これまでさまざまなご意見をいただいて おりますので、そういういただいたご意見を踏まえながら、中間評価に向けた準備作業 を進めさせていただきたいと思っております。またさらにお気づきの点等がございまし たら、特に中間評価に関して、こういうことが重要なのではないかというようなご意見 等ございましたら、随時事務局の方にお寄せいただければ、できる限り対応させていた だきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。  またそれと並行しまして、当然ながらこのJapanチャレンジプログラムのさらな る推進というところでは、事務局としても産業界とも連携をしながらやっていくと。特 に国の方の仕事としまして、情報発信というところはまだちょっと十分じゃないところ もございますので、一生懸命進めてまいりたいというふうに思っているところでござい ます。  あとこの委員会に関する今後の予定ということで行きますと、資料4に書いてござ いますとおり、約1年ぐらい間を置きまして、次回は来年の4月以降、4月または5月、 来年度の早いうちというふうに考えてございますけれども、このまさに中間評価につい て事務局の方でさまざまな準備作業をした結果をまずご報告させていただいて、ご議論 いただくと。そのご議論の状況によっては資料4の中に書いてございますとおり、来年 度においては複数回開催することも場合によってはあり得るかなというふうに考えてい るところでございます。いずれにしましても、また約1年後にこの中間評価についてご 議論をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  あとそれからすみません、もう1点、本日の資料の扱い等でございますけれども、 本日お配りしました資料につきましては、この委員会終了後、速やかに公開させていた だくということでございますし、また議事録、この議事の記録に関しましてもまず案を つくりまして、委員の先生方にご確認をいただいた後、できる限り速やかにこれもホー ムページの上で掲載し公開していくというふうにさせていただきたいと思いますので、 よろしくお願いいたします。  以上、事務的な連絡も含めまして、事務局の方からでございます。 ○池田委員長 ありがとうございます。委員の先生方から最後になにかお話しになるこ とがもしありましたら。どうぞ。 ○首藤委員 参考資料でお配りいただいている表ですけど、名前ですね、ちょっとぐじ ゃぐじゃなので、どっちか。これちょっと整理して。 ○池田委員長 名前といいますと化学物質の名前ですか。 ○首藤委員 化学物質名ですね。例えばアミノグリシンと書いてあったり、アミノ酢酸 って書いてあったり、グリースって書いてあったり、その辺。 ○池田委員長 これは一つ一つIUPAC名に戻ってやりますか。実は化審法名とIU PAC名とが若干ずれているのですね。 ○首藤委員 CASならCASで決めてきれいに書いたらどうですか。 ○池田委員長 CASは固定できますね。 ○首藤委員 それで2タイプもありますし、 ○池田委員長 それはありますね。 ○首藤委員 それでだんだんふえていっちゃうんじゃないという気がする。 ○池田委員長 はい、はい。 ○首藤委員 それで名称というのは。合っていません。例えば酢酸というの、片方じゃ 10%酢酸とかですね、この辺は統一しないとちょっと後で何か。 ○池田委員長 はい、わかりました。ありがとうございます。  そうしましたら何か雷様も鳴っているようでございますので、このあたりで本日の 会、あと5分ばかり残っていますけども、終わらせていただきたいと思います。長時間 にわたってご討議いただきまして、ありがとうございました。   (照会先) 厚生労働省 医薬食品局審査管理課 化学物質安全対策室 担当:山本 TEL :03−5253−1111(2423)