07/05/10 第3回薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会議事録 第3回 薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会 日時 平成19年5月10日(木) 10:00〜 場所 厚生労働省2階専用第10会議室 ○事務局 ただいまから、第3回「薬剤師の行政処分の在り方等に関する検討会」を開催 いたします。本日は、お忙しい中、すべての先生にご出席いただきまして誠にありがとう ございます。  配付資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、資料1「検討項目ごとの議 論の整理と考え方(案)について」です。参考資料は1から13まであります。これから議 事に入りますので、傍聴されている方々にお願いですが、カメラ撮りに関してはここまで とさせていただきます。以後の議事進行は望月座長にお願いいたします。 ○望月座長 本日は、お忙しいところありがとうございます。今回は第3回ですが、前回 は9月半ばでしたので既に8カ月経っております。その間、医師のほうの委員会、検討会 のほうが進んでいますので、本日はそれを大いに参考にすることができますので、活発に 議論していただければと思います。  議事次第に従って議事に入ります。今回は、事務局より前回までの検討会において、各 論点ごとに論議された内容とともに、考え方の(案)が示されていますので、各論点ごと に、これらの議論をさらに深めてまいりたいと思います。まず、事務局より資料の説明を お願いいたします。 ○事務局 資料1を中心に、いま座長が言われましたとおり、少し間隔もあいております ので、その辺りを振り返るといった部分も含めて説明をさせていただきます。  資料1を1枚めくりますと、項目ごと、論点ごとに掲げております。資料全体の構成と しては、まず制度的なところで、昨年法改正を行い、既に法律が変わっている部分をご紹 介するとともに、改めてこれまで2回にわたってご議論いただいた論点を四角く枠囲みに した形でお示ししております。ちょっと間隔があいたこともありますので、これまでにい ただいた意見をその下に整理させていただき、その下の括弧書きのところで考え方という ことで、これまでの議論を踏まえた部分と、座長が言われましたとおり、医師あるいは歯 科医師のほうでまとめた内容、考え方等を参考にしながら、エッセンスにとどまっており ますが少し考え方を書いております。  その下に「医師の場合」、そのほか既にまとめられたものを書いております。ある意味論 点ごとに医師の場合を参考にしながら、それぞれ考え方を今回議論を深めていっていただ ければと思っておりますので、こういう資料の構成の仕方をさせていただいております。 資料1を説明する中で、参考資料を適宜使わせていただきますので、その際にはそちらも 併せてご覧いただければと思います。  かい摘まんでご説明いたしますが、1頁は1-1ということで「再教育の内容について」 です。これに関しては論点がいくつか分かれています。1頁にあるのが論点1ということ で、再教育の内容については、当然いろいろなケースが考えられるという中で、その辺り をどこまできめ細かく考えていくかということでの論点です。これに関しては考え方のと ころに書いてありますように、倫理または知識・技能といった2パターンの研修が考えら れるところですが、処分の理由、処分の内容といったものに沿って異なってくるというこ とはあり得るのではないかと思っております。一方で、実際に働いている職域の違いまで 考慮する必要はないのではないかと、とりあえずは書いております。この辺りに関して、 本日いろいろなご意見をいただければと思います。  ここに書いてありますのはすべてではありませんで、再教育の形態というものも後ほど ご紹介いたしますが、医師のほうを参考にいたしますと、いくつかのパターンに分かれて おります。その辺の場合分けも含め、もう少し受講の内容を充実させていくことも必要だ と思っておりますので、後ほどご意見をいただければと思います。  冒頭の説明ですので、概略をさっと流し、この後、各論点ごとを少しずつ時間を区切り ながら、そのパート、パートで意見交換をさせていただきたいと思いますので、次に進ま せていただきます。  3頁は論点の2つ目で、再教育の内容に関して少し細目に入っています。研修の形態の1 つとして考えられる、倫理の保持に関する研修といったものの内容をどう考えるかという ことで、考え方のところでは医師のほうを参考にしております。教育的講座の受講、社会 奉仕活動、その他4頁に医師のケースが書いてあります。4頁の上から3行目辺りから始 まりますが、いま申し上げた教育的講座の受講、社会奉仕活動、その他心身の鍛錬、読書、 執筆等といったものを医師の場合は例示しておりますが、薬剤師の場合この辺をどう考え るかというところでいろいろなご意見をいただければと思います。  5頁は先ほど申し上げた倫理に関する研修と、もう一つの大きな柱になります知識及び 技能に関する研修、その内容をどう考えるかという論点です。当然この場合は、いろいろ な処分を受ける背景に理由がありますので、それに応じてどの辺に知識あるいは技能の面 で問題があるか、といったところも関連してくるわけです。技術的なあるいは知識に関す る研修ですので、当然業務上の知識の欠如とか技術上の問題といったことに起因する場合 に行うのが適当であろう、ということを考え方のところに書いております。後ほど詳しく 説明させていただきます。  6頁は、倫理あるいは知識・技能に関する研修の実際の方法論の1つとして考えられま す教育的講座、というやり方があるのではないかと思います。そういうものを受講すると いった場合に、その内容をどう考えるかといった論点です。これに関しては、点線で囲ん であるところを見ますとわかりますが、これまで議論があまりなされておりませんので、 医師のほうを参考にしながら、少し書ける範囲のことを考え方のところに書いております。  8頁は研修の期間ということで、どのぐらいの期間を設定すべきかというところで、倫 理に関する研修の場合と、知識・技能に関する研修の場合と2つに分けて後ほどご議論い ただければと思います。9頁で考え方のところは簡単に書いてあります。当然のことであ るかもしれませんが、処分の類型、具体的に言いますと戒告、業務停止、免許取消といっ た3類型がありますが、その類型、実際の処分の期間といったものにある程度連動させて 決める必要があるのではないか、ということで書いております。後ほど、その下に書いて ある医師のほうを参考にしながら、少し細かい議論をしていただければと思います。  11頁は大きな論点の4ということで、実際に処分を受けた薬剤師が、場合によって転職 を含めて再就業する、そこがいろいろ変わる可能性もあるということをどこまで考えるか という論点です。これに関してその辺をいろいろ考えると切りがない部分もあり、どうい う内容の再教育を行うかなかなか定まらないところもありますので、とりあえず処分を受 けた時点、あるいは処分を受ける前の就業状況を踏まえてはどうかという考え方で書いて おります。  12頁は再教育の対象者です。当然処分を受けた薬剤師であることには変わりないのです が、もう少しそこを細かく議論しようというものです。論点1が倫理の保持に関する研修 の対象者をどう考えるかということです。考え方のところに書いておりますが、どういう 処分を受ける場合であっても、処分を受けた人全員を対象にしてはどうかということを書 いております。戒告などいろいろ類型の違いもあり、また技術的な部分、知識に伴う部分、 そのほか倫理・品位にかかわる部分と、いろいろな要因で処分が決まってくると思います が、そういうものにかかわらず全てを対象にしてはどうかという考え方です。  14頁は、知識・技能に関する研修の対象者をどう考えるかということです。一応最低限 入れることになりますが、考え方のところに書いてありますとおり、医療事故を理由とし た処分の場合は、当然知識の欠如あるいは技術的なミスがあっての話だと思いますので、 こういう場合が1つ考えられるのではないかということが書いてあります。それ以外に知 識・技能に関する研修をより広く適用していくのかどうか、あるいはこの程度で十分なの かという辺りを、医師のほうを参考にしながらご議論いただければと思います。  15頁から始まりますのが、大きな1-3になります。「再教育の修了評価について」です。 論点1にありますとおり、何をもって再教育を修了したこととするかについて、医師のほ うを参考にしながらご議論いただければと思います。考え方のところには、簡単に一定の 基準は必要だろうということだけを書いております。  17頁は、再教育の修了に当たって一定の基準を達成していることを求める場合、何らか の確認行為が要るかどうかということに関してです。倫理に関する研修の場合と、知識・ 技能に関する研修の場合を分けてご議論いただければと思います。考え方といいましょう か、今後の検討方針になりますが、基準は必要だろうということ、処分事由に直接かかわ る事項、そのほか業務停止期間が長期に及ぶような場合の場合分けをした上で具体化して いったらどうかという、今後の方向性を書いております。  19頁には、再教育を修了したことを、行政としてどのように確認していくかということ に関しての論点です。制度的な手順を考え方のところに書いてあります。再教育に関する 命令をかける形になりますが、それに対して修了した段階で、修了者に申請してもらう。 そのほかいろいろな様式を定めることにより、ここには再教育、研修、修了、登録証とい うものを書いておりますが、そういう文書のやり取りが発生するのではないかと思ってお ります。この辺りも医師のほうを参考にしながら、薬剤師もそれと同じでいいか、何か特 徴的なものはあるかといったところを見ていただければと思います。  20頁で1-4として「再教育の提供者等について」です。論点1のとおり、個々のケース に指導者を選任し、助言・指導を行っていくことについて、そのようなやり方をとるのか とらないのか、とるとすればその細かい内容を、選任の方法も含めてどう考えていくかと いうことになるかと思います。  その(1)として指導者の要件をどう考えるか。そのほか知識あるいは技能に関する研修 の場合の指導者はどういう方がふさわしいか、ということも議論していただければと思い ます。要請の方法、選任の方法、その他というところで項目ごとに議論を深めていきたい と思っています。これに関しては考え方のところで、倫理研修の指導者は、医療にかかわ った関係者であることは望ましいという言い方をしておりますが、それに限った話ではな いというような言い方もできるかと思います。技術研修のほうは、薬剤師としての専門的 な知識・技能を持っている薬剤師であることが必要ではないかということでの考え方です。 これについては、それ以外もあり得るかといったことをご議論いただければと思います。 養成、選任については書いてあるとおりですので、後ほど説明させていただきます。  23頁は、研修プログラムに関して提供者をどのように考えていくかということで、これ も倫理に関する研修と、知識・技能に関する研修の2つに分けて議論していきたいと思っ ております。これも、医師の場合を参考にして考え方を書いておりますが、医療関係団体 に限定することなく、社会奉仕団体、公益法人、学校法人、その他研修の内容にもよると 思いますが、いろいろなケースが想定できるのではないかと考え方のところに書いており ます。23頁が倫理研修に関する考え方で、24頁は、知識・技能に関する研修プログラムの 提供者についてです。  25頁からは、大きな項目の2つ目の行政処分に移ります。それまでは再教育の関係でし たが、25頁以降は処分の在り方に関するものです。25頁からは、戒告処分についてどう考 えるかという内容です。30頁からは業務停止処分の在り方に関する論点です。32頁からは、 免許取消処分の在り方に関する論点です。この辺りは、全体の論点の構成上後ろのほうに 回ったこともあり、また、既にある程度類型化がされている中で、どういう場合に適用し ていくかという点は当然課題として残りますが、それ以外は制度的に決まったところの範 囲にとどまるということもありましたので、ここはこれまであまり意見が出されておりま せん。必要に応じて、その辺りも肉付けしていければと思います。  34頁からの2頁は「その他」で、再教育の具体的手続きについてということです。この 辺りもある程度事務的な話ですので、今後早い時期に、こちらからもう少し具体的な手続 きを示させていただいて、それを見ていただいてもいいかもしれないと思っております。  35頁は行政処分回避目的による免許の自主返上の対応です。この辺りは前回もご議論い ただいた部分ですが、少し明確化を図っていければと思っております。これも、医師のケ ースがある程度参考になると考えております。  後ほど、項目ごとに区切って説明をして議論を深めていきたいと思いますが、参考資料 のほうで主立ったものをご紹介させていただきます。参考資料2は、薬剤師法改正の内容 ですので、制度的にどうなっているかということを確認するときに使わせていただきたい と思います。既に改正されておりますので、これは必要に応じて後ほど使わせていただき ます。  参考資料3は「行政処分と再教育について(イメージ)」というものです。ここは前回も ご指摘いただきましたとおり、どういう処分の類型があって、どのタイミングで再教育が かかってくるかというところをビジュアルに示さないと、少し混乱があるかということも ありましたので、とりあえずイメージとして書き起こさせていただきました。  左側を縦に見ていただきますと、免許取消処分から始まり、業務停止処分、戒告処分の 3類型があります。「免許取消処分」の場合には、免許が取り消された後は当然免許がない 状態になります。免許が取り消された時点、行政処分が下された時点では再教育という命 令はかけず、薬剤師としての免許を使っていろいろなことをしていくことが本人にあるな らば、それが免許の再交付申請という行為をもって現れてきますので、その段階から実際 にもう一度薬剤師としてやっていくことに当たり、再教育の命令をかけるというタイミン グで、この場合は再教育というものが当人にかかってくるというイメージです。  そして、免許のない状態でも受けられる研修はあらかじめ受けていただき、仮に免許を 受けてからでないとなかなかでき得ない研修・再教育の内容があるのであるならば、それ は免許が再交付された後に受けていただくことになると思います。ここの部分に関しては、 再交付申請した場合に、どういうケースで再免許を与えるかというところの議論も当然あ りますので、一応制度的に再免許を交付した場合という仮定の下に、その前後で受講でき る研修内容というものと両パターンあり得るのではないか、ということでこういう絵にさ せていただきました。  中ほどの「業務停止処分」に関しては、業務停止がかかった時点で再教育の命令をかけ、 再教育を受講し、それが修了したことの確認をもって業務に復帰することが原則だろうと 考えております。ただ、これも業務に復帰した後でないと仮にできない研修の内容がある のであるならば、復帰した後に受けていただくものもあるだろうということで場合分けを させていただきました。  「戒告処分」というのは、業務自体は続けておりますので、再教育の命令は戒告処分が 下された時点で発動いたしますが、業務を続けながらある時期に再教育の研修を受けても らうことになると思います。この場合であっても、処分を受けた者に対しては、薬剤師名 簿にその処分を受けたということが載り、それが公表される形になります。再教育を受け て、それが修了しない限り公表されている状態は変わらないということで、再教育を受け た後に公開されている部分が解除されるという考え方になるかと思います。この絵では、 再教育のタイミングがどのタイミングかということで、処分の3類型に沿って整理させて いただきました。  参考資料4は、処分の類型という切り口ではありません。再教育の内容を大きく倫理的 な研修と技術・知識に関する研修ということで2つに分けてあります。下のほうに書いて あるのが、戒告、業務停止、免許取消といった処分の類型です。倫理にしても技術研修に しても、処分の類型のどの場合に当てはまるかによって、その内容がそれぞれ変わってく ると思います。また、技術研修はどういうケースに適用するか、倫理研修はどういう場合 に適用するかという辺りも含め、最終的にはマトリックスのような形になっていくと思い ますが、とりあえず何かの参考になればということで用意させていただきました。  参考資料5は過去の処分事例です。アップデートした部分がありますので、適宜ご利用 いただければと思います。  参考資料6は、どういう職域に薬剤師が就業しているかというところを、統計的に調べ ているものです。これも、必要に応じてご利用いただければと思います。薬局、病院以外 に大学、医薬品関係企業、その中でも製造業、販売業に分かれるかと思います。あとは、 行政に従事する場合と、その他という形でそれぞれの構成割合もご覧になりながら参考に していただければと思います。  参考資料7は、薬剤師会でまとめている、薬剤師の綱領と倫理規定です。これも必要に 応じてご利用いただければと思います。  次は、医師に関する行政処分、あるいは再教育に関してまとめたものです。これまでも お配りしておりますが、参考資料8は再教育に関する検討会の報告書です。参考資料9は、 行政処分のあり方に関する医師の場合の検討会の報告書です。基本的に、医師のほうのい まの制度の整備の状況は、この両方の検討会報告に沿ってなされております。それを具体 的に各制度的な形に置き換えたものが、その次にある参考資料10から始まるものです。こ れも、この後の議論の中で参考になる部分が多いわけです。  参考資料10を1枚めくりまして、下の段で枠囲みをして該当部分を示しております。こ れは、政令という形で示しているものです。登録抹消の制限に関してもここで触れており ます。あとは、登録に関する手数料の関係などが示されています。後ほど参考にしていた だきたいと思います。  参考資料11は、厚生労働省令で整理された医師の場合のケースです。1枚めくりますと、 これも枠で囲ってありますが、申請の手続き、研修に当たっての手数料の部分、さらには 手続き的な部分。下段の中ほどに、再教育・研修を修了した旨の登録の申請の仕方。次の 頁は、その様式を定めております。5頁にあるのは、医師の場合の再教育の研修の類型と その内容で、とりあえず省令ベースに書いてあるものが第7条から始まっています。これ も、後ほど参考になるのではないかと思います。  さらに参考資料12、参考資料13ということで、これらの政令、省令に基づいて細目を 整理したものが通知という形で出されております。具体的な内容、再教育の内容でとりあ えずいま公布になっている医師のケースについて、後ほどこういうものを見ながら、薬剤 師の場合はどうするかというところを考えていければと思っております。概略は以上です。 ○望月座長 ただいまから意見交換に入ります。先ほど説明がありましたように、項目ご とに区切り、改めて事務局から説明していただきながら進めていきます。 ○事務局 資料1の1頁に目次が書いてあります。区切り方としては、ここに書いてあり ます項目ごとに行っていきたいと思います。1-1の再教育の内容に関しては、それだけで 11頁にわたっておりますし、論点もほかに比べて多いですので、ここは2つに分けて最初 は1頁から7頁までを1つのパートにしていきます。その後は1-2の再教育の対象者と1-3 の修了評価についてをまとめて説明させていただきます。  1頁からです。「再教育の内容について」は、いろいろなケースをどの程度きめ細かく考 えるかということです。考え方にありますのは、「必要とされる再教育の内容については、 倫理または知識・技能に関する研修にかかわらず、処分理由及び処分内容に基づき、異な るものと考えられる。なお、薬剤師の職域の違いを考慮する必要はない」ということで書 いております。下に書いてあるように、ここは医師のケースでも参考になる情報があまり ないので、考え方に書いてあることが妥当かどうかという点についてご議論いただきます。  これ以外に、参考資料3、参考資料4で説明させていただいた処分の類型に基づいて、 どういう研修をそこに当てはめていくか。具体的には参考資料12、再教育研修の実施につ いての1頁の2.の「再教育の内容等」のところで、医師の場合は(1)倫理研修と技術研 修と大きく2つに分けています。それに対し、処分に応じて(1)(2)(3)、取消の場合は(3)です。 それぞれ処分の類型に沿って、倫理または技術の研修の形態を類型化しております。戒告 の場合は団体研修という形でいいだろうということ。業務停止の場合で、1年未満の場合 は団体研修と、さらに課題学習という言い方をしておりますが、その内容は2頁以降に書 いてありますが、そういうものの組合せでどうかということです。1年以上と比較的長い 業務停止がかかった場合と、再免許を受けようとする場合は、団体研修と個別研修という 組合せを医師の場合は当てはめています。  それぞれ団体研修、課題学習、個別研修がどういうものかが2頁に書いてあります。2 頁の3にあるのが「団体研修」の期間と内容です。ここでの論点は別のところで出てきま すが、研修期間はどうするかということで、戒告の場合は1日以上、それ以外の場合は2 日以上という形で細分化しております。4は「課題学習」になります。この課題学習の内 容に関しては(1)(2)と書いてあり、成果物として論文を求めているようなことが1つ特徴か と思います。処分の重さによって、論文の数が(1)(2)にあるとおり違っているのが特徴かと 思います。  5は「個別研修」で、研修時間も処分の重さによって分けて、80時間以上というものと、 120時間以上という形で分けています。個別研修ですので、3頁にある助言指導者といった 存在も登場しておりまして、その選任の仕方、あるいは助言指導者の要件といったものが ここに出てまいります。この辺は、後ほどの論点に直接関係する部分になります。  参考資料を横に置きながら資料1に戻ってください。いま申し上げたような処分の理由、 あるいは処分の内容に応じ、いくつかきめ細かいパターンが分かれてくると思います。こ れも、なかなかイメージがつかみにくいところがあるかもしれませんが、どういう場合に どういう再教育を求めていくかというところで、少し細かいご意見をいただければありが たいと思います。  繰り返しになるようなところは省略させていただきたいと思います。3頁は倫理に関す る研修の内容をどう考えるかということです。ここの考え方についていろいろご意見をい ただければと思います。4頁に書かれているとおり、医師の場合の例があります。医師の ケースが薬剤師に当てはめられるかといったところで、その妥当性についてご意見をいた だければありがたいと思います。  5頁は、技術あるいは知識に関する研修です。これも同様に、医師と並べてみて同じで いいか、何か違いがあるかといったところで意見交換をしていきたいと思います。6頁の (3)教育的講座の場合については、先ほども少し触れさせていただきましたので、それ以 上追加する部分はありません。とりあえずこの7頁までで切らせていただきまして、ご意 見をいただければと思います。 ○望月座長 それでは、先生方から活発なご意見をいただければと思います。今回の論点 ということで、ここの下にいままで2回の検討会での意見がまとめてあります。それに基 づいて、考え方の(案)を作っていただいております。その下には医師の場合がありまし て、ただいま説明がありましたような参考資料12も含め、医師で動いている形で、薬剤師 に適用できるものはそれを積極的に取り入れていきたいと思います。そういうこともあり、 論点1について先生方のご意見をいただきたいと思います。 ○堀内委員 考え方のところですけれども、「再教育の内容については、倫理または知識・ 技能に関する研修にかかわらず、処分理由及び処分内容に基づき」となっています。倫理 に関してはこれまでに出された意見にありますし、12頁に、倫理の保持に関する研修につ いては、処分を受けたことに対する自省の機会と捉えて、全てを対象とするとなっており ます。医師の場合もそうなっていると思います。ここのところは、少々矛盾するのではな いかと思いますので、統一したほうがよろしいのではないかと思います。これですと、倫 理以外のもの、技術だけのものについては倫理が入らないようなニュアンスに取られかね ないと思いますがいかがでしょうか。 ○事務局 ここは表現があまりふさわしくないということで、考えているところは先生が 言われたことと同じです。また後ほども出てまいりますが、倫理研修は全ての場合に適用 すると。 ○堀内委員 全てに適用するという考え方でよろしいわけですね。 ○事務局 ここは、処分の理由とか、処分の内容によって再教育の内容がかなりいろいろ なケースが出てくるということに力点を置いています。倫理に関する研修か、知識・技能 に関する研修かの違いにかかわらず、処分の理由とか内容のほうにある程度左右されて、 再教育の内容にいろいろなパターンが出てくるのではないかというところです。あまり細 かいことが書かれているわけではなくて、文章の出来があまり良くなくて申し訳ありませ ん。 ○堀内委員 一応確認だけです。 ○望月座長 大まかな内容について、倫理については堀内委員が指摘されましたように、 全ての処分について適用するということだと思います。 ○七海委員 3頁の、考え方の2行目から、「医師などと同様、教育的講座の受講、社会奉 仕活動などが考えられる」ということで、それはよく理解できるのですけれども、教育講 座、社会奉仕などを提供する責任は一定の基準を設けるのか、それは医道審議会でやるの か、国の関与がどこまでなのかが見えてこないのです。それを医師のほうで見ると、地方 厚生局発になっていますから、厚生局が決めるのかなとは推測するのです。医療従事者と 一緒にするということも賛成だし、意見交換するのも重要だと思いますけれども、あちこ ちで勝手にやるよ、というようなことだと混乱するおそれがあるのではないかということ で心配があります。 ○事務局 具体的な再教育に関する研修の提供者は、大きな枝番でいうと1-4のところで 出てまいります。いずれにしても、行政処分というのは国が行うものですので、それに対 する再教育ということを考えた場合には、国が主体となるというのが基本的な考え方にな るかと思います。その際どこがやるかというところはこれから議論になると思います。先 生が言われた地方厚生局に関しては、まだいまのところ医師も、先ほどご紹介した参考資 料12の2頁にも出てまいりますが、課題論文の提出先として地方厚生局を書かせていただ いておりますが、具体的な再教育を提供するのがどこかというところは、まだこれからの 議論になっています。 ○望月座長 いずれにせよ、中心になるのは国が指定し、国が主体的に対応するというこ とですよね。 ○事務局 はい。 ○武政委員 再教育の内容は、原則「薬剤師の職域の違いを考慮する必要はない」という ことになっていますけれども、1点だけ。開局薬剤師の見方からしますと、開局薬局の場 合は大きな薬局組織、薬剤師をいっぱい抱えている薬局の場合でも、管理薬剤師の監督下 にあるわけです。ある意味で一本の線に指揮命令系統があって、そこに何か問題があって、 さまざまな事故が発生したということがあれば、そこだけ突けばいいのです。  例えば病院薬剤師の場合、直接の監督者としては薬剤部長、薬局長がおられますけれど も、病院管理者としての院長、あるいは病院という大きな組織の中での一部局としての中 で起きた問題が、そういうさまざまな事案に結び付いた場合に、そこの違いを何らかの形 で区別して、再教育の内容に盛り込む必要はないのかというのが1つ気になっています。 管理者が別にいるということですが、それについてどうしようという具体的なアイディア はないのですけれども、その辺が気になりました。 ○事務局 その辺りがいろいろなケースがあるということで、とりあえず現状で書けるの は、考え方の2行目にある処分の理由、処分の内容に基づいて、いろいろさまざまなケー スがあるのではないかということだと思います。実際に処分を受ける背景にあるいろいろ な法違反、その他の行為がどの程度のものであって、そこに病院の場合であれば、誰がど の程度責任を問われてしかるべきかというところがある程度整理されて、それを踏まえて の行政処分の考え方になってくるのだと思いますので、応分のかかわった薬剤師に対して 下された、刑事も含めたそういう考え方を基に、その応分の行政処分がどの程度かという ところを捉えていけば、薬剤師に関してはその範囲内である程度議論ができるのではない かと思っております。  そのときに、どのぐらいの再教育を求めるかといった場合には、薬局との違いは確かに あろうとは思いますけれども、果たしてそれが実効面も含めて違いを持たせるだけきめ細 かい研修プログラムを用意するか、といったところにもなってくるかと思います。その辺 りは実効性も含めてこれから精査する必要があると思います。 ○武政委員 処分の段階で、ある程度区別がされ得るだろうということですね。 ○事務局 その辺は、ほかの先生方からもご意見をいただければと思います。 ○望月座長 再教育の内容も、そういうふうに細かく指定するのかということだと思うの です。それから、最後に「考慮する必要はない」と言い切ってしまうのはやや強く出てい るのかという気がするのです。 ○平林座長代理 いまの問題なのですが、おそらく武政先生がおっしゃられたことは、病 院内の医療提供体制に原因があって、その中で事故が起きたような場合に、もちろん薬剤 師にも責任がある場合があるとしても、薬剤師だけを責めても、それだけでは問題は解決 しないという場合があるのではないか。そういうときに、全体として医療安全のために問 題を解決するためにはどう考えていけばいいか、という問題提起だろうと私は理解しまし た。  我々の検討会は、あくまでも薬剤師を対象としていますので、そのような問題を議論す ることは少し範囲が広くなってしまいますので、別途それをどうするかということを検討 していかなければならないと思いますが、我々の扱う範囲を超えているかなとも思います。 この問題は、しかるべき所でさらにまた検討していく必要がある、と言ってしまうと身も 蓋もないのですけれども、ただ、とても重要な問題ですので、そのことをかなり強くこの 検討会としては主張していきたいと私は思っております。 ○橋田委員 いまの問題との関係で申しますが、処分理由及び処分内容に基づき考えると いうことで、これで基本的に言い尽くされているかと思います。これまでに出された意見 に関連して、私はいままで企業に属する薬剤師の活動に関する取り扱いについて何度か申 し上げておりましたけれども、それは、いまの処分理由及び処分内容のほうで対応すると いうことで、そういう職域についても制度的に区別したりはしないという意味だと理解し ております。それでよろしいですか。 ○事務局 はい、同じです。 ○望月座長 1-1、論点1は全体の大まかな括りですので、先に進んでいって、また問題点 があったらここに戻りたいと思います。論点2の「研修の内容についてどう考えるか」で (1)(2)(3)ということで、次の頁に薬剤師としての倫理の保持に関する研修の内容につ いてということで3頁に書かれております。これについてどのように考えるか、という考 え方の(案)として、医師などと同様に教育的講座の受講、社会奉仕活動などが考えられ るということ。これは前回の議論の中にも出てきたかと思います。これについて何かご意 見はございますか。  先ほどと同じように、教育的講座を提供するのはどこであるかということ、あるいは社 会奉仕活動はどういうことを指定するかというのも、国が考えて適切なものを指定して、 後で出ますけれども、それを評価するということになるかと思います。  5頁にいきますと、今度は必要な知識及び技能に関する研修についてどうするか。これ に関しても、前回、前々回の委員会で非常にたくさんの意見が出されております。考え方 として、この(案)という形で5頁のいちばん下にまとめられております。  それに沿って、6頁の(3)教育的講座の受講を考える場合の講義内容をどう考えるか。 特に、倫理の保持に関する研修であるとか、法令遵守の徹底を図るにはどう考えるか。そ れから、薬剤師としての知識・技能に関するものを、教育的講座でどのように補っていく かということが出ております。この(1)(2)(3)についてご意見をいただけたらと思いま す。 ○事務局 参考になるものとしては、参考資料4を見ていただくといいかと思います。倫 理と技術を縦に分けてあります。処分の程度によってどこまでのものを再教育として求め ていくか、というところのイメージ図です。ここでの教育的講座の内容で、倫理のほうは 法令遵守と倫理と書いてあります。技術のほうは、法令遵守と医療安全ということでちょ っと違いを持たせてあります。その辺はいろいろご意見をいただいて補強していきたいと 思います。 ○望月座長 倫理研修の実地研修というのは、先ほどありました社会奉仕活動、その他を 体験していただいてレポートを出していただくというものですか。 ○事務局 やるとすれば、実地研修を求めるということであるならば、具体的なやり方と しては奉仕活動も含まれると思います。その辺の仕方も含め、薬剤師には具体的にどうい うのができるかということから、実効性の面から必要な議論だと思います。 ○堀江委員 倫理研修のところでは、医療を行う側として事故を起こしたという立場から だけの研修ではなくて、被害を受けた人の側からみて、その問題に対応する必要があると いう観点から、倫理研修の中には両方の面の考え方が必要だという意味で社会的な奉仕と いうことも盛り込まれたと思います。  教育的講座については、各事例によって学習しなければいけない内容には差があるだろ う。ただ、法令遵守や倫理ということについてはすべてに共通します。もし、知識や技術 が乏しくて、そのために何かを起こしてしまったという場合には、技術研修の中における 教育的講座として不足している領域について学習をしてもらう、問題となった技術を研修 してもらう必要があるという観点で、これは分けられていると思います。薬剤師において も同じような取組み方が必要なのだろうと思います。 ○望月座長 医師の場合とほぼ同じような考え方でいく必要があるというご意見だと思い ます。 ○堀内委員 基本的には医師の場合と全く同じだと思います。特に、チーム医療とか、薬 局も医療機関として位置づけられているわけですから、全く同じ考え方をするべきだと思 います。ただし、薬剤師の場合に医師と少し違うのは、法令遵守の観点で、さらに医師の 場合よりも、例えば薬事法とか薬剤師法、それから麻薬及び向精神薬取締法の遵守を求め られるのではないかという気がいたします。その点について、ここでは法令遵守というこ とで1つにまとまっておりますけれども、もう少しその辺は強調されてもいいという気が いたします。 ○望月座長 薬剤師に特有な法令についての遵守項目を強調すべきであろうということで すね。 ○堀内委員 医療も含めてです。 ○事務局 その場合は、処分の理由背景になった法違反があったといった場合に、それを 補う再教育は、違反した法だけでいいか、広く全般的に求めるべきなのか。 ○堀内委員 広く求めるべきだと考えます。要するにリピーターをつくらないことが基本 です。その場合に法令だったら関連する法令全体についてさらに熟知する、それを遵守す ることの重要性を認識させるというのが大事かと思います。 ○平林座長代理 教えていただきたいことがあります。いつも、私は倫理教育というのは 難しいと思っています。倫理というのはどうやったら教育できるのだろうか、という抜本 的な疑問をいつも持っていますが、それはともかくとして、ここで、いま我々が問題とし ている倫理というのは、一般的な倫理というよりも、いわゆる職業倫理(プロフェッショ ナルエシックスの問題だと思うのです。もしそうだとすると、これは本当にわからないの で教えていただきたいのですが、社会奉仕活動というものと、プロフェッショナルエシッ クスというものがどういうふうにかかわっていくのか。  先ほど堀江委員から、患者側の立場に立ってものを考えるのだということになると、社 会奉仕の内容が限定されてこざるを得ないわけでして、何でもかんでも社会奉仕をすれば いいという問題でもないだろうと思います。もし、私の考え方が抜本的に違っていればそ のことをご指摘いただきたいのですが、常々これはどういうふうにすれば実効性が上がる のか、ということを考えている者として教えていただければありがたいと思います。 ○望月座長 社会奉仕として、倫理研修の実地研修はどうあるべきか、というのは具体的 な内容まで含めていかがでしょうか。 ○堀江委員 医師として、行政処分を受ける人の行った行為にはいろいろなものがあるわ けです。何も医行為だけではない問題で行政処分を受けた人が多いわけです。そういう人 たちに、ただ医にかかわる倫理教育だけでいいのですか、ということがあります。  したがって、法令遵守が、倫理研修と技術研修で分かれています。これの意味は、すべ て共通する部分は、何も医にかかわる法令遵守のことだけではなくて、一般的な法令にか かわること、そして、特にある人については医にかかわる法令遵守について強化して教育 する必要があるということだと思います。  そこで、倫理教育をどのようにするのかというと、これはかなり幅の広い議論になって くると思います。社会奉仕が適切でないのか適切なのかは別にして、社会に対して目を向 ける姿勢を新たに確認するということが行政処分を受ける人には必要なのではないかとい うことだと思います。 ○倉田委員 社会奉仕の具体的な施設なのですが、こここそ行ってほしいと思うような所 では、あまり来てほしくないと思われるかもしれないのです。病院ボランティアなどもあ りますが、まさに何週間か後にはこの方は亡くなられるだろうと思うような方たちの足を 洗わせてもらったりするボランティアもありますが、そこはそういう意識の高い方たちの 集まりだったりもするので、中途半端な気持で来てもらっては困るというのがありますか ら、こういう場所を選ぶのもなかなか大変ではないかと思います。  また、アルコール依存症や薬物依存症の方たちの施設、ダルクなどは3、4カ所ぐらいあ ると思うのですが、自分はそこの患者だという方から話を聞いたことがあるのですが、自 分たちがこんなになってしまったことを分かってほしいとおっしゃられていました。ご協 力がどのぐらい得られるかわかりませんが、そういう施設の方たちに話を聞いたり、実際 にどういうふうになってしまわれたかというのも、見せていただけたら見るといいのでは ないかと思います。いいかどうかわかりませんが、どうぞご検討をいただければと思って お話しました。 ○望月座長 それも、1番の「処分理由及び処分内容に基づき」という点にもからむかと 思うのですが、実効のある施設に行って学ぶべき実地研修をやらないと有効ではないだろ うというご意見かと思います。確かに、その点は適切な施設を選ぶということが非常に大 きい問題になってくると思うのですが、その点についてはまた後ほど。 ○事務局 そうですね、まだこの辺りは医師のほうも具体的に決まっていないところもあ ります。 ○望月座長 先ほどの一般的な倫理についてということは、結局、医療人である、医師、 歯科医師、薬剤師、看護師というのは、普通の人の倫理の上にさらに高い倫理を持つべき だというのが背景にあると思うのです。ですから、そういうことで期待されている医療人 全体の信頼を損なうようなことは絶対に許し得ないということで、高い倫理を求められる 再教育、実地研修になると思うのです。 ○武政委員 倫理の問題は難しいといいますが、1つの方向としては、処分を受けた者と 処分を受けていない普通の薬剤師に関して共通する部分が1つあると思うのです。それは、 倫理観というのは、こうなりたいという目標となる人を選んで、それに近づこうという思 いをどんどん高めていくしかなかなか難しいと思うのです。そういう意味では、今回の再 教育の中に、個別の問題になったときに助言指導者を選定する原案がありますが、その助 言者的な方が常にどの段階でもいることによって、そしてその方が自分を指導してくれる 立場である場合に、あの人に近づきたいと思うような部分を持たせることができれば、教 育としての倫理教育が可能ではないか、より実態が見えてくるのではないかという気がし ます。それはどんな方をどのように選ぶのかというのは難しいのですが、そういう気がし ます。 ○望月座長 助言指導者の点についてはこれから後のほうで大きい議論が出るかと思いま すので、そのときに詳しくご意見をいただきたいと思います。それでは、7頁までの間に ついては、現段階ではこの程度でよろしいでしょうか。では、8頁からご説明をお願いし ます。 ○事務局 それでは、8頁から11頁を一括りにしたいと思います。8頁が研修の期間につ いてです。繰り返しはいたしませんが、9頁に医師の場合のケースを団体研修、課題学習、 個別研修、いくつかの処分類型に応じて当てはめる研修の内容ごとに、その期間も定めた 資料が10頁にわたって書いてありますので、この辺りを参考にご議論いただければと思い ます。何日というのは、根拠をもって示すのが難しいかもしれませんが、長短それぞれい ろいろな処分類型によって分かれてくると思いますので、その辺の相対的なご議論でも結 構だと思います。  11頁は再就業先をどう考えるかということですので、11頁に示しました処分前の就業状 況を踏まえた研修でいいのではないかということに対して、それの賛否いろいろなご意見 があればいただければと思います。 ○望月座長 それでは、論点3「研修の期間」と論点4「再就業先の環境を考慮する」、こ の2点についてはいかがでしょうか。 ○堀内委員 医師の場合に団体研修と個別研修があると思います。個別研修は停止1年以 上の場合に義務づけられているということですが、個別研修はある面では大変重要だとい う気がいたします。医師の場合は戒告とか、短い場合にそれを求めていないというのはど ういう理由によるのでしょうか。堀江委員はそれを担当されて、ご存じでしたら教えてい ただきたいのです。 ○望月座長 堀江委員、よろしかったらお答えいただきたいと思います。 ○事務局 この辺りは検討会の後で整理されている部分でもあります。 ○堀江委員 2点あると思うのです。1つは、何か技術的なこと、あるいは知識が欠けてい たために事故を起こしてしまった、そういう例については、その技術や知識をきちっと修 得するという意味で個別研修があったと思います。もう1つは、非常に期間が長びいてし まったために、その間の医学・医療の発展に追いついていけなくなっている部分があって、 そういうところの補いをつけてもらう必要があるという意味での研修ということもあった と思うのです。  ですから、期間によってだけではなく、行った行為、その結果としての事故、それに対 しての教育の在り方ということがあります。 ○望月座長 そうですか。もしそうですと大変結構だと思います。ありがとうございまし た。この書き方について事務局はいかがでしょうか。 ○事務局 団体研修、まとまってやるのか個別なのかというところもいろいろな効果の面 で違いがあるかもしれませんが、個別研修というと、かなりハードというか濃厚なという か、そういうものだと思いますので、処分の程度によって、団体研修で足りるのであれば それでいく。どうしても個別研修が必要な場合がどういう処分のケースかというところを 捉えて、当然のことながら、必要最小限に適用していくということだと思いますので、す べてに適用するのか、医師と同じような形で細分化して部分的に適用するか、その辺りの ご意見をいただければ、また引き続き議論できるかと思います。 ○望月座長 医師のほうも原則としてということですので、1年以上1年未満でこれでは っきり変えるということではないと思うのです。その内容に応じて考えるということが出 てくると思います。 ○事務局 個別研修ということになると、当然、医師の場合でいうところの助言指導者の ようなものをどうやってプールしておくかという問題とか、その養成も含めて実際にどの 程度関与するかということです。医師の場合は原則月1回ぐらい確認みたいなものをやる ということも、どこかに書いてあったと思うのですが、そういうやり方も含めて、実効性 の面もかなり念頭に置いて整理していかなければいけないと思います。この辺りは本質的 にどういう方法で再教育をやらなければ、処分に対して再生しないことになるのかという ところとともに、その実効性の面もある程度考えていく必要があるのではないかと思って おります。 ○七海委員 団体研修なのですが、省令の参考資料11の第8条では「倫理研修又は技術研 修で厚生労働大臣が行うもの(以下「団体研修」)という」となっているのですが、この団 体研修の位置づけは薬剤師の場合もそのように考えてよろしいのでしょうか。 ○事務局 その辺を同じでいいということでご意見をいただければ、そういうことかと思 います。いまのところ特に違いがあるというところまでの気づいた部分はありませんので、 同じ捉え方でいいのではないかと思います。 ○七海委員 団体研修といって、いろいろな団体があって、団体研修ということではなし に、法文には指定をするとなっていますよね。だから、そういう観点で進めていくという ことで理解してよろしいでしょうか。 ○事務局 先生の最初のご意見もそうだったと思いますが、処分に対する再教育は国がや っていくということからすると、どこでもいいということではないのかと思います。自ず と指定なり何なりというところでの、質の面からの確保ということがかかわってきますの で、おそらく同じようになるのではないかと思っておりますが、その辺でいろいろなご意 見をいただければと思います。 ○望月座長 ほかの点についてはいかがでしょうか。 ○平林座長代理 どのぐらいの日にちをかけるかということですが、医師の場合、例えば 戒告処分を受けた医師等については1日以上とありますので、読み方によっては何日でも いいといえばいいのかもしれません。薬剤師の事例を見ると、現在、行政指導で行ってい る戒告を受けているのは調剤報酬の不正請求がほとんどです。その上の業務停止1年未満 のものを見ますと、麻薬及び向精神薬取締法違反がありますが、同じ法律違反でも業務停 止の期間は、1年、4月、10月といろいろばらつきがあります。これは犯罪の悪質性によ って年限が違ってきているのだろうと思うのですが、ただ、中身として法律違反であるこ とには変わりないわけですし、これらの問題について、堀内先生がおっしゃったように、 悉皆的に法令についての教育をすることになるとどのくらい時間が必要なのだろうかと思 うわけです。1日以上と書いてあれば、場合によっては1日でもいいわけですから、それ で本当にいいのだろうかという疑問を、先ほどのお話を伺いながら感じてしまったのです が、それはいかがなのでしょうか。 ○事務局 期間の議論というのは期間だけを捉えて議論するのは難しいと思っていまして、 その内容といいますか、その辺りを捉えると、実質どのぐらいの時間的なものが必要にな ってくるかというところとかかわってくるかと思います。 ○望月座長 確かになかなか難しいですね。それでは、論点4です。「再就業先の環境を考 慮するということをどう考えるか」です。特に薬剤師の場合には再就業先がいろいろな所 があって広くなるということと、元に戻ることは必ずしも決まっていないということがあ るということで、考え方としては「処分前の就業状況を踏まえた研修を受講することとす る」ということで括ってあるのですが、これについてはいかがでしょうか。では、現段階 ではこの形で進めさせていただきたいと思います。12頁から1-2について、事務局からご 説明いただきたいと思います。 ○事務局 12頁から19頁まで通していきたいと思います。対象者について、12頁にある のが倫理の保持に関する研修の場合ということで、処分を受けた方全てを対象にしてはど うかということですので、これについてのご議論をいただければと思います。14頁が知 識・技能に関する研修になります。これは改めて参考資料4なども少しご覧いただきなが ら、処分の類型、重さ、その辺りによってある程度違いが出てくるのか。その処分の背景 にあるような、例えば技術的なミスによる場合とか、先ほど堀江先生からお話があったよ うなブランクが少しあった場合とか、業務停止期間が長期に及んだ場合にリカバリーとい うか、そういう意味でやる場合というようないろいろなパターンがあると思いますので、 そういう面でどういう人たちを対象にするかというところで少し細分化していけたらと思 っております。  15頁が修了評価の部分になります。ここは少し漠然としていて難しいところですが、手 続きとしてどういうところで評価、確認行為を行っていくかということで、いろいろな見 地から率直なご意見をいただければと思っております。17頁も含めて考え方のところに書 いてあるのは、今後具体化するという、どちらかというと方向性しか示しておりませんで、 考え方に及んでいない部分もありますが、いろいろな率直なご意見をいただいて、これか ら少し整理をしていくところかと思っております。19頁の論点3ですが、これも確認する 仕組みですので、医師の場合と比べながら、どういう確認方法があるかというところで率 直なご意見をいただければと思います。 ○望月座長 それでは、1-2「再教育の対象者について」、この論点1は倫理の保持、論点 2は技術の対象者ですが、これについてはいかがでしょうか。 ○堀江委員 確認です。医師の場合には新たに戒告処分が加わってきて、戒告処分につい ても医籍に登録されるのですよね。医籍に登録されて、処分は受けたけれども再教育をき ちんと受けたということも登録されることになっていましたよね。だから、処分を受けた ことが薬剤師の場合にも同じように登録されるのであれば、再教育を受けたという事実も きちっと記載される必要があるのではないですかね。全ての人が対象になっていくのでは ないかと思うのですが、どうでしょうか。 ○望月座長 処分を受けた人は全てが対象であるということだと思います。 ○堀江委員 何らかの再教育を受けて、修了が証明されたことが記録されることになれば、 社会的にも明らかになるのではないかと思うのです。 ○望月座長 それについては考え方に入っているとおり、処分を受けた者は全てが対象で あるということかと思います。 ○事務局 補足というか、整理をすると、処分を受けた人に対する再教育は、多かれ少な かれ、あるいはどういう研修かは別にして必ず受けることになります、それが処分を受け たこととともに何らかの再教育を受けたということが、修了した段階で薬剤師名簿に記録 されます。その際、ここで論点1に書いてあるのは、何らかの再教育は必ず受けるのです が、倫理に関する研修をどういう処分を受けた人に適用するかというところで少し細分化 してみた場合に、その処分の理由が技術的なミスで処分を受けた場合か、品位を損なうよ うな行為で処分を受けた場合か、そのほかにそういったものにかかわらず倫理研修は全て に対して適用したらどうか、という考え方になりますので、そういう意味での全員を対象 にするかということだと思います。 ○望月座長 倫理の保持に関する研修は全て全員を対象とする。これは先ほども出ました が、これでよろしいかと思うのです。あとは、技術に関する研修については、ここに書い てあるような、技術的な事由によらない処分の場合には原則として技術研修を要しない。 この場合は倫理だけということになると思うのです。この2つの点についてはよろしいで しょうか。  それでは、15頁の1-3にまいりますが、再教育の修了評価です。これは何をもって再教 育を修了したことにするかということで、これまでの意見では薬剤師研修センターを頼り にしようとかいう話がボンボン出て、国は直接かかわらずに研修センターを代理としてや るようなことが出たのですが、それよりも国がきちんとかかわるべきであろうというのが 今回の考え方に入っているかと思います。これについてはいかがでしょうか。もちろん、 教育の一部は研修センターに期待することは大であっていいと思うのですが、評価につい ては国がきちんとかかわるということです。  それから、17頁の論点2ですが、一定の基準ということ。その基準については倫理の保 持に関する研修の修了の基準とは何か。技術に関する研修の修了の基準とは何か。これは これまで意見があまり出されていないのですが、これについての考え方も、今後具体化す るということで大まかな点にしか書いておりません。医師の場合も、ここに書いてあるよ うな基準は出されていますが、これについても今後具体化されるべきものであるかと思い ます。これについては何かご意見ございますか。 ○堀内委員 基準というのは、特に医師の場合の17頁の下から4つ目の●にありますが、 「再び同様の問題を起こさない決意が確認できる」。要するに、リピーターにならないこと が確認できるというのが基本ではないかと思います。これは薬剤師も同じではないかと思 います。それを誰が評価するかということが問題になるだろうと思います。 ○望月座長 いちばん難しい問題ですが、平林先生はいかがですか。 ○平林座長代理 わからないのですが、どうやってそれを確認できるのだろうかというこ とを、厳密に考えると、難しいですよね。 ○七海委員 先ほどの戒告にしても、戒告処分が1回解けたと。もう1回また戒告になっ たと。同じ人が2回目だと教育も変わってくるのではないのかなと思うのですが、その辺 の想定は。 ○事務局 いま言われたケースが出てきたときに、再教育の内容に行く手前に行政処分の 類型が変わるか同じかというワンクッションがあって、それに応じて再教育がつながって くると思います。大きな2の処分の在り方のほうで、例えば業務停止のところでの考え方 としては、戒告を複数回受けているとか、そういうところが考え方として出てくれば、そ の段階でグレードが上がってくれば、再教育の範囲も自ずと変わってくるのではないかと いうところにつながっていくと思います。 ○武政委員 医師の場合の(1)倫理研修の●の2番に、求められる職業倫理の話が一般的事 項として考えられて載せられています。これは薬剤師にとっても同じことなのでしょうが、 一方で資料の26頁の行政処分の考え方の(4)「さらに」のところですが、「我が国におい て医業、歯科医業が非営利の事業と位置付けられていることにかんがみ」とあります。こ れとイコールにできるかといった場合に、もちろん、医療法が改正になりまして、薬局が 医療提供施設になったことはありますけれども、一方で薬局の場合は営利部分もまだ残し ているのです。  その場合に、何らかの営利性、いわゆる私腹を肥やすためにさまざまな犯罪を起こして 処分された場合に、単純に薬局の仕事も非営利の事業ではないかと言い切れない部分も残 っているのです。医師と薬剤師の置かれている環境の違いというものを考慮して、非営利 性に近づいて、犯罪を起こした人の心理を医療倫理に近づくような方策、あるいは確認項 目を設けておかないと、また罪を犯してしまうのかなという気がするのです。この部分が まだ未解決だと思います。 ○望月座長 それは非営利原則に薬剤師業務はどのぐらい基づくかということなのですか ね。 ○武政委員 ちょっと大きな問題なのですけど。 ○事務局 いまご指摘いただいた26頁の(4)は、おそらく最初の4行は、薬局あるいは 薬剤師の場合は事情が多少違ってくると思っております。ただ、その後に続く「経済的利 益を求めて不正行為が行われた」ということに関しては、営利か非営利かということにか かわらず相当の利益を得ることが前提で考えた場合には、それ以上のものを不正にという ところが共通だと思っております。例えば、実際にどの程度の処分になるかわかりません が、調剤報酬の不正請求も含めてあるとすれば、当然、営利性はあった上でそれが相当か どうかというところでの処分にいく部分があるかと思いますので、最初の4行の書きぶり は変わってくると思いますが、「経済的利益を求めて不正行為が行われた」というケースは 薬剤師にもあり得るのではないかと思っております。 ○望月座長 よろしいでしょうか。不正行為はしないのが薬剤師の原則ですから。 ○武政委員 実際に過去の処分例を見ても、戒告に関しては全部が調剤報酬の不正請求だ し、それ以外の処分、業務停止に関しても、半分ぐらいは経済的な問題にかかわる処分な のです。薬事法違反の販売とか、いろいろありますね。いままでの時点では医師等におか れる医療技術の未熟さとか、純粋にそういうものに関するよりも経済がらみの事案が多い ので、そこは薬剤師ならではの研修の確認なりを詰めておいたほうがいいような気がしま す。 ○望月座長 それも広い意味では倫理に含まれるのですかね。 ○事務局 倫理のところでの話が活発になっていますので、正しい理解をするための確認 のなのですが、倫理に関する研修の場合は先ほどの職業倫理の話の議論にもありましたが、 7頁のいちばん上の行に「自省と自己洞察を行う」とあるので、おそらく、評価のところ での第二者あるいは第三者的な評価とともに、ご自身がどのぐらい反省するかという部分 も必ず付いて回るのではないかと思っていますので、修了評価に関してその辺も少し加味 して考える必要があるかなと感じています。 ○望月座長 自己評価といいますか、そういうことも含んでいるべきであるということに なります。あと、論点3で再教育修了を行政が確認する仕組みについてどう考えるかとい うことです。考え方としましては、修了者から申請して厚生労働大臣が修了した旨を確認 した上で薬剤師名簿に登録するということです。これについても国が直接実施するという ことをここではっきり出したいということですが、いかがでしょうか。 ○倉田委員 国が最終的に決断していただかないと、たぶん国民は認めないと思います。 ○望月座長 ごもっともなご意見だと思います。それでは、19頁まで終わって、1-4から 説明をお願いします。 ○事務局 20頁から24頁までまいります。20頁の論点1は提供者に関してですが、(1) が倫理の保持に関する研修、(2)が知識・技能に関する研修、それぞれの指導者はどうい う人であるべきかというところの論点になります。(3)(4)(5)は、その養成をどう考え ていくか。その他が続いています。考え方としましては、指導者の要件に関しては先ほど 説明したとおり、最初の3行程度に書いてあります。これが妥当かどうかでご議論いただ ければと思います。  養成に関しましては、必ずしもすべてのところを網羅して書いていませんが、技術研修 の場合であって、何らかのその辺を補っていくということであるならば、実際の薬学教育 の中で行っている実務実習のようなところとリンクして考えることができるのではないか ということです。その際、指導者を養成しておりますので、そういう人の活用もあり得る のではないかということで、断片的ではありますが、最小限このぐらいは言えるのではな いかと思ってとりあえず書いております。そのほか、まだ書き足りないところがあります ので、その辺りは補強していただければと思います。  選任については、再教育の提供者が選任することが適当ということで書いておりますが、 この辺りは検討する必要があるということにとどまっておりまして、まだ具体化していな いところですので、率直なご意見をいただければと思います。それと、医師の場合に設け ている助言指導者に関しまして、個別研修を設けるか否か。個別研修を設けるということ であれば、当然、それに対するマンツーマンというイメージかと思いますので、助言指導 者という立場の人が必要になってくるかもしれません。その辺り、個別研修の必要性の議 論とともに、何らかのコメント、ご意見をいただけたらと思います。  21頁の医師の場合の助言指導者の考え方が書いてあります。先ほど申し上げた4行目か らですが、「倫理研修においては、助言指導者が1月に1回程度、定期的に被処分者と面会 し」ということの対応を求めております。なかなか大変なところだと思いますので、どう いったものが必要かどうか、実効性があるかどうかも含めていろいろご意見をいただけれ ばと思います。  技術研修の場合は、医師のほうは専門性を持つ医師である必要があるというまとめ方を しておりますが、これに対して薬剤師はどうかというところを見ていただければと思いま す。カリキュラムが21頁の中ほどから下のほうに書いてありますので、薬剤師の場合は薬 学教育の内容の使える部分があるかと思いますので、それとともに、それ以外の特別なプ ログラムとしてどういうテーマ、項目があるかというところをご意見いただければと思い ます。  22頁が医師の場合の選任の方法になります。(3)にあるように、厚生労働大臣が助言指 導者を指名する形になりまして、何人かリストアップされた中から実際に個別研修を行う 受講者が選任するというシステムかと思います。薬剤師の場合はどうかということで見て いただければと思います。23頁が論点2ということで、研修プログラムの提供者になりま す。これも倫理と知識・技能の2つに分けていますが、その提供者ということで医師の場 合を見ていただきながら、ご意見をいただければと思っております。 ○望月座長 1-4の再教育の提供者ということで、倫理研修の指導者については、特に薬 剤師ではなくてもよいのではないか。ただし、医療にかかわった者であることが望ましい。 技術の指導者については、薬剤師としての専門知識と技術を有する薬剤師である必要があ るということです。それから、養成、選任についてということ。もう1つ大きいのが、薬 剤師の場合にも助言指導者を医師と同じように設けるべきなのか、薬剤師には別の形があ るかということです。その考え方に書いてあるこの4点についてご意見をいただければと 思いますが、いかがでしょうか。 ○七海委員 お伺いしたいのですが、助言指導者という言葉と指導者という言葉と再教育 提供者という言葉があるのですが。いまのご説明では個別研修があるから助言指導者が必 要なのだと理解するのか、それとも、団体研修の中でも指導者が必要なのか。その辺りが わからないのですが。 ○事務局 説明が足りなくて申し訳なかったのですが、ここは助言指導者と指導者は使い 分けておりまして、医師でいうところの個別研修の場合には助言指導者ということで、ま さに密接に深くかかわる人として助言指導者という特有の言い方をしております。それ以 外の研修にかかわって指導者という呼び方をするケースは、まさに、教育的講座であるな らばその講師が指導者になるのではないかと思います。そこは個別での助言指導者とは使 い分けております。提供者に関しましては、実際にプログラムを提供する実施主体という 捉え方で見ていただければと思います。再教育全体は国がやることになりますが、実際の 実行機関としてはどういう所があるかという捉え方で解釈していただければいいと思いま す。 ○望月座長 そのような形で考えたときの助言指導者というものを薬剤師の場合にどう考 えるか、ということでご意見をいただけたらと思います。 ○堀内委員 先ほどから評価の問題が出ていますが、基本的には指導者が評価することに なるのではないかと思います。集合研修の場合だけで済む人は、試験をやればそれも入る かもしれませんが、出席したことだけで評価されることになるのですね。特に、処分内容 がこれからいろいろ変わってくるかもしれませんが、その場合にそれが妥当かどうかとい うことが問題になると思います。もう1つは、その評価というのは、基本的には複数でや るのが妥当ではないかと思います。私は指導者と助言指導者と混同していましたが、倫理 の面と技術の面があって、倫理だけで済む人は1人でいいのかもしれませんが、両方違う 指導者が考えられます。そうすると、複数で評価をするということになるのではないかと 思いますが、その辺はどうでしょうか。 ○望月座長 倫理は倫理、技術は技術という別個に評価するという考えでしょうか。 ○事務局 それぞれ身近な所にいる、助言指導者とまではいいませんが、指導者ないし実 施主体が評価にかかわるというのは、濃淡は別にして、あるのだと思います。それがリポ ートの提出をもってだけを捉えるのか、本当の意味の試験も含めて深くやるのか、いろい ろと理論上はあると思います。それをもって、再教育は行政処分との対になっているもの ですので、必ず国が手順を踏んで、書類なり何なりでステップを踏んでいけば、ある程度 修了したということにつながっていくということでの担保になるのではないかと思います。 この部分は提供者の議論というよりは、先ほどご議論いただいた評価の関連の事柄ではあ るかと思います。 ○七海委員 真ん中のパラグラフなのですが、「指導者の養成については」となっています ので、助言指導者でないということが理解できましたので、少しは理解したのですが、そ の2行目に「薬学生の実務実習を指導するが認定実務実習指導薬剤師が行うことが可能と 考えられる」と述べておられます。いまの実務実習の指導者のカリキュラムと、再教育の 場合の指導とはニュアンスが若干違うように思われるのです。 ○堀内委員 実務実習の場合とはだいぶ違うのではないですか。ですから、これはもう少 し重みがあっていいのではないかと思います。 ○七海委員 そうですね。一部であって全部ではないような気がいたします。 ○望月座長 最低限はこれですね。最低限、最小限はこれで、さらにその上にプラスアル ファとして何かを求めるかという、それについてはさらに検討する必要があるかと思いま す。そういうことでいいですね。 ○事務局 はい。まさに、技術研修で、なおかつ部分的に再教育を受ける人に求められる 研修のプログラムが、言い方は悪いのですが、たまたま、6年教育の中で行われた実務実 習にかかわる実習内容と同じだったといった場合には、それの活用もできるのではないか という意味合いです。 ○堀内委員 逆に、助言指導者の人数がかなりたくさんいるわけですから、助言指導者が これだったらよくわかるのですよね。認定実務実習指導者というのは、実務も含めて、経 験を持ち知識を持っている人ということだと思いますので、助言指導者というのはチュー タですが、それが担当するというのならばよくわかります。 ○望月座長 それが直接イコールでつながるかどうかというのも議論が必要ですね。助言 指導者というのは、医師のほうでは厚生労働大臣が指名するということで、22頁の(3) にあるように、その要件も相当教育経験があることを求められているので。 ○武立委員 倫理と技術という2つの研修が先ほどから出てきまして、おそらく、指導を される方は違う方になる可能性が強いのではないかと思いますが、その辺は今後の検討に なると思うのです。ただ、そのプログラムを作っていただくのは、例えば研修センターの ような所でプログラムの大枠を作っていただく。特に技術面ということになると、個別研 修の場合に助言指導者の方が付くのかわかりませんが、プログラムの大枠は研修センター などで作っていただき、個々にその方たちに対応したプログラムは個別研修の助言指導者 に少し変えて作っていただく。そのときにいちばんやっていただけそうな方として、先ほ どの実務実習指導薬剤師の方にも関与していただくという、そういうイメージで捉えるこ とができるのではないかと思っております。 ○望月座長 実務実習も研修センターが中心になってカリキュラムを作るということで、 全体のカリキュラムの大枠を提供するグループとしては適切かと思います。ただ、それだ けでいいのかというと、これも今後検討する必要があると思います。事務局のほうでも、 いまできているものをただ当てはめるのではなくて、これからさらに検討するということ になるかと思います。 ○事務局 共用というか、使えるものはいろいろ活用していくのはいいと思いますが、そ れで足りるかどうかというところの点検で、さらにプログラムを新たに用意しなければい けないということにもなってくるかと思います。 ○武立委員 実務研修になるとその方に付いて見て差し上げないといけないので、実務を やっている方がいちばん適任のように思うのですが、その上にどなたか責任のある方がも う1人付く必要もあるかもしれません。 ○七海委員 いまの学生実務実習は6年卒の人のワークショップ等の研修と3年以上の実 績でやっているのですが、相当違うように思うのです。研修センターでやっていますが、 認証機構が最近できまして、プロセスを認証しているということなのですが、そういう団 体がたくさん出てきた場合に混乱するのではないかと思うのです。だから、その辺は注意 してかからないと、研修センターを認めたらほかも全部認めるというようになりはしない のか。そうすると、国のほうがそれをきっちりと組めるのかというのが少し心配です。前 の会議のときは認証機構がなくてそうは動いていなかったのですが、認証機構ができてか ら東北大学からウエルシェアまですべてのプロセスを認証するようになっていきますと、 研修センターを認めるとそこも認めるということになりはしないのかなと。そうしたら、 明確に、国ならば国という押さえをしておいてほしい気がします。 ○望月座長 この点についてはどうでしょうか。 ○武立委員 その認証機構というのは、薬剤師認定制度のプロバイダーを認証する認証機 構ですね。 ○七海委員 いや、誤解があるのは、プロバイダーを認証するとおっしゃいましたが、厳 密に言えばプロバイダーを認証しているのではないのです。そのプロバイダーが仕組むプ ロセスを認証しているのです。ところが、独り歩きをすると、東北大学が認証されている のではないかという誤解が生じる。いままで通ったものでも東北大、東邦大、いろいろあ りますけれども、それが良い悪いではないのです。プロセスの認証とその母体とがゴッチ ャになってくる可能性があるのではないかということが心配なのです。 ○武立委員 私も委員をしているのですが、東北大学は特別な臨床試験関係の認定という ことで、それだけに特化した認証にはなっています。 ○七海委員 ですから、プロセスを認証しているわけで、それはそれでわかるのです。 ところが、一般から見た場合に、今度、ウエルシェアがその認定のプログラムなのだよと 言っても、第三者から見ればウエルシェアがやっているのではないのということで、その プログラムを実際に行われたかどうかという検証がされていないまま進んでいるという現 状はあります。それが少し危惧するところです。 ○望月座長 現状では認証機構が曖昧なのではないのですが、受けとめるほうが曖昧に認 めるところがあるので、その点は注意しないといけないというわけです。いずれにしまし ても、研修センターもこのような再教育のプログラムを作る一員ではあり得るけれども、 そこに全部お任せということはあり得ないですね。国が主体となってやって、必要な委員 会をつくるのであればそこを立ち上げる必要がある。 ○堀江委員 医師の再教育の助言指導者については、例えば技術的な研修を行って、それ に対して最終的に技術は十分に修得できたという判定もする責任のある人ということで議 論されたと思うのです。そのときに、医師会という言葉が出たのですが、委員の方たちの 多くは、否定的でここに書いてある大学とか、各科領域の専門医制度で、専門医の資格を 持っているような人たちが各都道府県にいるので、事故を起こした人がどこにいるとして も、そういう人たちに委ねて判定をしてもらうことになれば、ある程度の指導、そして責 任をもった判定をしてもらえるだろうということでした。従って、助言指導者の重みはか なり重要性があるという認識です。  ただ、それを行うに当たって指導者1人でできることではありませんので、例えば実際 に手術等の指導をするに当たって指導者1人がやるのではなくて、そこのグループの医師 たちが補助をしてその成果をこの助言指導者がまとめて、最終的に大丈夫だという御墨付 的なものを提出するようにしたと思います。  したがって、薬剤師の方々の研修では、何々専門薬剤師的な方々がいれば、そういう方 たちがこの役割を担う方なのではないかと思うのです。 ○望月座長 今回の助言指導者ということを考える場合に、専門薬剤師とのかかわりとい うことは事務局は考えておられましたか。 ○事務局 専門領域がそれぞれあると思うので、包括的な全体を取りまとめる助言指導者 になり得るか、それとも各パーツ、分野ごとの助言指導者を補佐するような、その領域に 関して補佐するような、そういう役回りをするのか。その辺りはいろいろなケースがある と思いますが、いまの段階では、その手前の段階にある助言指導者を設ける必要のある研 修、再教育のプログラムが薬剤師に必要かどうかというところを整理しようと思っていま したので、いま言われたところはまだそこまで考えが及んでいませんでした。 ○望月座長 そういう制度というか、厚生労働省が応援して日本病院薬剤師会を中心に動 いてはおりますが、それを通じてということまではつながっていない。 ○事務局 いまはまだ始めたばかりでして、しかも、領域ががんの領域だけではあるので すが。 ○堀内委員 いま専門薬剤師があるのはがんと感染症、それから、薬剤師がなっているの は栄養と糖尿病の療養士などです。そのようなものがいくつかありますが、まだ全分野に またがっているわけではありません。だんだん広がっていこうという段階です。 ○武立委員 例えば医療薬学会とか、学会で認定した指導薬剤師という方もいらっしゃい ますよね。そういう方たちはもう少し全般に実務をされて、なおかつ指導薬剤師の資格を 持っていらっしゃるような方もいますので、そういう方の活用ももう1つ考えられるかも しれません。 ○堀江委員 専門医は、厚生労働省が、これこれの学会で認定した専門医は正式に広告規 制の緩和に伴って広告していい、という御墨付を得た専門医なのです。 ○堀内委員 専門薬剤師も広告できるような形にしたいという段階ですね。 ○望月座長 話が専門医のほうに行ってしまいましたが、助言指導者を医師と同じように 薬剤師でもつくるかどうかです。この助言指導者の養成カリキュラムその他を見てみます と、21頁に書いてあるように、助言指導者になるのも相当大変なことです。それだけのも のをきっちり身につけていなければいけない。そういう人たちがいてはじめて被処分者が 助言指導者を選んで個別指導をしてもらうことになるのですが、そういうものをきっちり つくり上げる方向にするとすれば、指導者養成のカリキュラムも作らなければいけないと いうことにつながっていきます。  そのときに、先ほどおっしゃったような各学会でやっているものその他は、これに比べ ると弱いような気がするので、もし作るとしたら薬学関係者は覚悟してやらないといけな いのではないかという気がするのです。でも、それであっても作らないと、医師はこうな っていて薬剤師は軽いんだよ、ということになるとそれも問題になりますから、方向とし ては薬剤師の場合も助言指導者をつくるべきだという考えにまとめてよろしいでしょうか。 ○武政委員 医師の場合の助言指導者は厚生労働大臣が指名することになっていますが、 登録制にはしないのですか。つまり、第1回目でも申し上げたのですが、この再教育の分 野は、ほかの教育と同じで、経験を蓄積していってより良い教育方法が編み出されてくる と思うのです。その場合に、単なるその都度の指名ではなかなか技術が集積されないので すが、ある程度登録制にしておくと、過去の事例を評価しながらより良い教育プログラム の作成に向けて方向性が出来てくると思うのです。医師の場合はどうなっているのでしょ うか。 ○事務局 参考資料の13をご覧いただきたいと思います。通知のコピーですが、最後の頁 を見ていただくと、これは助言指導者になり得る方に対してあらかじめ厚生労働大臣がお 願いをしまして、それに対して承諾した場合に出していただく資料の様式なのです。こう いう形で何人かこちらから指名をして、それに対して承諾していただいた方が、登録とい う言い方が制度的に正しいかどうかは別にしまして、何人かリストアップされる状態には なるというのが医師のケースだと思います。 ○武政委員 繰り返し同じ方がなる確率が高くなるのですかね。そういうわけでもないの ですか。 ○事務局 何人かの処分の方に対する助言指導者を担う方が出てくる、それは当然あり得 ると思います。 ○堀江委員 医師の臨床研修制度に対応する指導医資格を持つようなというところが、22 頁に要件として書いてあります。従って、助言指導者として対応できるような医師はある 程度把握できると思います。ですから、人数的にはかなり多くの人が指導者の資格を持つ ことができるだろうと思うのです。 ○堀内委員 この助言指導者を選ぶのが、21頁の下から7行目に、医師の場合は「被処分 者が選ぶ」と書いてありますが、被処分者が自分の指導者を選ぶという考え方はなぜなの か、わかりましたら教えていただきたいのです。 ○堀江委員 事故を起こした人が例えば地方にいて、その人が都会の大学の出身者である ような場合もあって、そういう場合に研修を地方でやるか自分の母校に戻ってやるかとい う議論があったのです。そのときに、本人が相談をして、例えば東京に戻ってきて指導を 受けるというやり方も選択肢としてあるのではないか、という議論があったように記憶し ています。 ○堀内委員 誰を指導者とするかを決めるのは、国が決めるのですか。 ○事務局 指導者をプールすることになります。再教育を受ける本人が個別研修の計画書 を作るのですが、その中にプールされている人のうちのどなたかの助言指導者の名前を書 いて出していただく。それを見て妥当かどうかの判断があって、再教育の実施に行くこと になります。 ○堀内委員 最終的な指導者の判断は厚生労働省でやることになるのですね。 ○事務局 そういうことになります。 ○望月座長 司会不手際で時間が来てしまったのですが、ちょうど1の項が終わったとい うことで、本日の議論はここまでとしまして、次回も引き続き2以降について議論をした いと思いますが、よろしいでしょうか。 ○事務局 2のところは、先ほども説明しましたとおり3類型が法律上決まっております ので、あとは、どういう事案に対してどういう処分を適用していくかという辺りの考え方 だと思いますので、またあらかじめ可能な範囲でこちらが具体的に適用基準みたいなもの を示して、その段階でご議論いただければ十分ではないかと思います。ですので、次回は いまご議論いただいた再教育の部分について、コンセンサスが得られた部分をもう少しメ リハリをつけて書き起こしてみますので、それで議論を展開していただければいいと思い ます。ですので、骨格の部分がある程度見えてくるということにもなるかもしれません。 ○平林座長代理 いまの1-4で責任主体が国である、厚生労働省であるということをどこ かに明確に書いていただきたいと思います。それと、その実施主体としての再教育の提供 者があり、その下に指導者がいて、さらに場合によってはその下に助言指導者、個別指導 者がいるという、その全体の構造がわかるようにもう一度整理をしていただけるとありが たいと思います。 ○望月座長 この検討会としてはそういう方向でよろしいですね。国がはっきり主体をも ってやるということを明記してほしいということです。 ○事務局 いろいろな制度的に見て、また、医師との整合性を見ながらチェックをさせて もらって、次回の資料を作っていきたいと思います。 ○望月座長 事務局からの連絡事項としては何かありますか。 ○事務局 先生方はすべてご多忙の先生方ばかりなのですが、日程調整をさせていただい て留保していただいている委員もあるかと思いますが、正式なご案内につきましては、ま た再確認をして次回の日程のご案内をさせていただきたいと思います。できれば来月ぐら いにはと思っております。 ○望月座長 それでは、ありがとうございました。これで本日の検討会を閉会いたします。 (了) (連絡先)  厚生労働省医薬食品局総務課  代表   03(5253)1111                             直通   03(3595)2377  FAX  03(3591)9044  担当者:長谷川(内線2710)