07/04/10 第27回地域保健健康増進栄養部会議事録 第27回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 【日 時】:平成19年4月10日(火) 10:00〜11:55 【場 所】:東京厚生年金会館「葵」(3F) 【議 題】 1.健康増進法に基づく基本方針の改正及び都道府県健康増進計画の改定に   ついて 2.健康日本21中間評価について 3.標準的な健診・保健指導プログラムについて 4.市町村の新たな健康増進事業について 5.健やか生活習慣国民運動について 6.その他 【議事録】 ○矢島生活習慣病対策室長 定刻となりましたので、ただいまから第27回厚生科学審議 会地域保健健康増進栄養部会を開催させていただきます。  まず、前回の部会の開催後に事務局に異動がございましたので、紹介をさせていただ きます。  大臣官房参事官の岡本でございます。 ○岡本参事官 岡本です、よろしくお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 続きまして、委員の改選に伴い、新たに当部会に御就任を いただきました委員の御紹介をいたします。  静岡県裾野市長の大橋俊二委員です。  東芝健康保健組合理事長代理の白川修二委員です。  女子栄養大学教授の武見ゆかり委員です。  国民健康保険中央会理事の田中一哉委員です。  そのほかに、本日は御欠席でございますが、全国保健師長会会長の大場エミ委員と久 里浜アルコール症センター副院長・樋口進委員がいらっしゃいます。  続いて、本日の出欠状況について御報告させていただきます。  次に、配布資料の確認をいたします。お手元に議事次第、座席表、委員名簿のほかに、 資料1−1といたしまして「健康増進法に基づく基本方針の改正案(概要)」、資料1 −2といたしまして「健康増進法に基づく基本方針の改正案」、資料1−3といたしま して「都道府県健康増進計画改定ガイドライン(確定版)(案)<概要>」、資料1− 4といたしまして「都道府県健康増進計画改定ガイドライン(確定版)(案)」、資料 2−1といたしまして「健康日本21中間評価報告書(概要)」、資料2−2といたしま して「『健康日本21』中間評価報告書」、資料2−3といたしまして「健康日本21の 改正案(概要)」、資料2−4といたしまして「『21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21)』の改正案」、資料3−1といたしまして「標準的な健診・保健指導プ ログラム(確定版)(案)(概要)」、資料3−2といたしまして「標準的な健診・保 健指導プログラム(確定版)(案)」でございますが、そこに保健指導事例集と学習教 材を含む3分冊になっております。これは標準的な健診・保健指導プログラム確定版で ございますが、別冊といたしまして保健指導事例集と学習教材が分冊で、合わせて3冊 になっております。資料4といたしまして「市町村の新たな健康増進事業について」、 資料5といたしまして「健やか生活習慣国民運動 (仮称) について」。  もし、不足・落丁等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願 いいたします。  それでは議事に入りたいと思いますが、厚生科学審議会令第6条5項において「部会 長に事故があるときは、当該部会に属する委員または臨時委員のうちから、部会長があ らかじめ指名する者がその職務を代理する」とされております。久道部会長と事前に御 相談をいたしましたところ、今回の改選以前には久道部会長から多田羅委員に部会長代 理をお願いしておりましたので、このたびにおきましても引き続き多田羅委員に部会長 代理をお願いしたいとのことでございますが、御了承いただけますでしょうか。  それでは多田羅委員、恐縮でございますが、引き続き部会長代理をお願いしたいと思 います。よろしくお願いいたします。  それでは、以後の部会運営につきましては、久道部会長にお願いいたします。よろし くお願いいたします。 ○久道部会長 それでは議事を進めたいと思います。まず最初の議題ですが、「健康増 進法に基づく基本方針の改定及び都道府県健康増進計画の改定について」であります。 矢島室長より議題1についての御説明をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 資料1−1「健康増進法に基づく基本方針の改正案(概要)」、 横長の簡単な紙がございます。それから1つ飛びまして、資料1−3でございますが、 「都道府県健康増進計画改定ガイドライン(確定版)」がございます。これにつきまし て御説明をさせていただきます。  まず資料1−1でございます。健康増進法に基づく基本方針の改正案でございますが、 これは健康増進法第77条第1項に基づきまして、厚生労働大臣は「国民の健康の増進の 総合的な推進を図るための基本的な方針」――これを「基本方針」といいますが、これ を定めております。また、同法第8条第1項及び第2項に基づきまして、都道府県及び 市町村は、基本方針を勘案して、都道府県健康増進計画又は市町村健康増進計画を策定 することとされております。  今回の改正の趣旨ですが、平成17年9月15日にこの部会で取りまとめをいただきま した中間取りまとめがございます。これに基づきまして、昨年いろいろな医療制度構造 改革が行われたわけでございまして、今般の医療構造改革において生活習慣改善に向け た普及啓発を積極的に進めることなどの疾病予防の重視が柱の1つとされております。 そのことを踏まえまして、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方 針」を改正することとしたものでございます。  次の2ページでございますが、主な内容といたしまして、まず目標の設定でございま す。地域の実情を踏まえた運動、食生活、喫煙等に関する目標につきましては、メタボ リックシンドロームの該当者・予備群の減少率ですとか、健康審査・保健指導の実施率 等を設定することをここに記載しております。  関係者の役割分担でございますが、都道府県の総合調整の下、地域・職域連携推進協 議会等を活用いたしまして、健診・保健指導や普及啓発等の取組における市町村、医療 保険者等の具体的な役割分担を明確化いたしまして、取組の進捗状況の評価等を行うこ とについて記載しております。  (3)でございますが、市町村健康増進計画策定時の留意事項の追加でございます。市町 村健康増進計画を策定する際には、市町村の場合には市町村国保がございますので、市 町村が医療保険者として実施する保健事業と連携を図ることですとか、健康増進法に基 づき市町村が実施する健康増進事業を同計画に位置づけることなどの留意事項をここに 記載しております。  3ページ、(4)でございますが、健康増進を担う人材の確保・資質向上のための研修の 充実でございます。国におきましては総合的な企画及び調整能力等の資質の向上のため の研修を実施しております。また、都道府県では市町村、医療保険者、地域の関係団体 と連携した健康増進に関する専門職等への研修の充実を図っていただくことについて記 載をしております。  例示の追加でございますが、多様な分野との連携事例といたしまして、これは文部科 学省の関係でございますが、総合型地域スポーツクラブの活用がございまして、これに つきましてもぜひ連携を図るという観点がございまして、これは文部科学省の管轄のも のでございますが、総合型地域スポーツクラブの活用ですとか、健康関連産業の育成を 追加することなどをここに記載しています。  施行日は、平成20年4月1日を予定しております。  時間の関係もありますが、お手元の資料1−2を簡単に、今のところについて大きな ところだけを説明させていただきます。  お手元の資料1−2でございますが、私が今御説明させていただきましたものを、こ の基本指針の改正の中に入れております。  1ページの最初のところは、メタボリックシンドロームが入ったということで、疾病 だけではなく予備軍も入っているということでございますので、言葉の整理をさせてい ただきました。  次の2ページが、今回の制度改正に伴いまして、「老人保健」は「介護予防」になっ ております。それと食育が新たに入っていますので、「食育」という言葉が入っていま す。それと、先ほどの総合型地域スポーツクラブの活用ですとか、健康関連産業の育成 は2ページの3に入っております。  次の3ページを御覧いただきたいと思うのですが、「第三」のアンダーラインが引い てあるところでございます。ここにつきましては、後ほど御説明させていただきます健 康日本21の中間評価において代表的な目標項目になったものを入れております。具体的 には、糖尿病と有病者予備軍の増加という課題に対して、メタボリックシンドローム(内 臓脂肪症候群)の該当者・予備軍の減少率や、健診・保健指導の実施率並びに食生活、 運動及び喫煙等に関する目標を設定するということでございます。  3ページの下のところですが、目標達成状況ですとか分析の評価、計画の見直しに反 映させるために、地域・職域連携推進協議会等を設置し活用する。ここには都道府県の 労働局に参加を要請するなど連携を図るというようなことを具体的に書かせていただい ております。  4ページでございますが、これも今回の法律改正に伴いまして、文言の修正が行われ ております。  市町村の国保との関係でございますが、市町村国保が策定いたします特定健診等実施 計画と市町村の健康増進計画を一体的に策定するなど、事業の連携についてのところを 記載させていただきます。市町村の国保と市町村の連携、健康増進計画の中で市町村と しても連携をして行うということをこの中に書いてございます。  4ページの下のアンダーラインでございますが、評価に当たりましては、都道府県及 び市町村における取組だけでなく、管内の医療保険者、学校保健関係者、産業保健関係 者等における取組の進捗状況や、目標の達成状況について評価し、その後の取組に反映 させること。それと、住民が主体的に参加し、その意見を積極的に反映していただくこ とが記載されています。  5ページですが、新たに収集すべき情報といたしまして、診療報酬明細書の情報、個 人情報保護に関する法律をここに記載させていただいております。  5ページの真ん中でございますが、ここも地域・職域連携推進協議会が中心となりと いうことが入っております。  下の方でございますが、産業界と連携した健康サービス提供の際の情報提供等を、こ このところの連携について追加させていただいています。  6ページでございますが、真ん中の「第七」でございます。分析の手法の提示につき ましては、レセプトについては今後分析手法について具体的に提示する予定であるとい うことが書かれてございます。  健康増進を担う人材という形で、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健 康づくり、喫煙、飲酒、歯の健康等の生活習慣全般にわたって保健指導をやることの内 容を明確にさせていただいております。  最後の7ページの上ですが、ここも関係する団体ということで具体的に都道府県、市 町村、医療保険者、地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会等の関 係団体と連携し、地方公共団体の職員だけでなく、地域・職域における健康増進に関す る施策に携わる専門職等に対し、最新の科学的知見に基づく内容の研修の充実を図るこ とが必要であるという形で、ここも人材の確保・資質の向上について関係団体との連携 を明確化させていただいております。  引き続きまして、資料1−3でございます。  都道府県健康増進計画でございますが、1ページをお開きいただきたいと思います。 「地域の実情を踏まえた具体的な目標値の設定」という形で、例えば具体的には糖尿病 等の有病者予備軍の減少率ですとか健診・保健指導の実施率の目標、その他、運動、食 生活、喫煙等に関するものを設定していただきたい。  そして(2)都道府県の総合調整機能の強化、(3)目標達成度の評価の徹底が重要 であると考えております。  2ページでございますが、都道府県健康増進計画改定の流れでございますは、基本的 な方向性を踏まえて次の手続を経るという形で、(1)から(6)までの手順を示させていただ いています。  (2)といたしまして、目標項目の設定という形で、国とて示す目標項目に加え、地 域の実情に応じ、独自の目標項目を追加していただく。医療費適正化計画と調和を保つ こととされた目標項目については、これは大変大事なのですが、例えば県において計画 の改定は平成20年度を予定する等、平成19年度中の改定が困難な場合には、少なくと も医療費適正化計画と調和を保つこととされた目標項目はかなり数が少なくなっており ますので、せめてそれだけは必ず対応できるようにするということを記載させていただ いています。  次の3ページでございます。「地域の実態の把握」につきましては、「都道府県健康・ 栄養調査マニュアル」を出しておりますので、これに基づきまして、国民健康・栄養調 査の上乗せ調査等を踏まえ、地域の実態を把握していただくことと、「地域の実情を踏 まえた目標値の設定」は、国が示しました参酌標準を勘案して目標を設定していただく。 それと都道府県の人口構成は変わっていきます。特に高齢化の影響が出てきますので、 そういう意味で将来推計人口をもとに、性・年齢調整を行う必要があると考えておりま す。  「目標値を達成するために必要な取組の検討」につきましては、ポピュレーションア プローチ、ハイリスクアプローチを効果的・効率的に組み合わせて実施することが必要 と考えています。  (6)は「関係者の役割分担と連携促進に向けた協議」でございますが、各都道府県 ごとに設定した目標値の達成に向け、管内の医療保険者、事業者、市町村その他の関係 者が、どのような役割分担で、どのような取組をそれぞれが行い、どのような連携方策 を講じていくか等につきまして、都道府県が総合調整機能を発揮し、関係者間で協議す ることが重要だと思っています。これらの役割分担、連携方策につきましては、都道府 県健康増進計画に具体的に明記していただくことになっております。  (7)として「実績の評価」という形で、実際に各実施主体は毎年度、前年度の普及 啓発や健診・保健指導の事業の実施状況について把握し、経年的な傾向など、分析評価 を行う。その際、目標値の設定と同様に、必要な項目については、性・年齢調整を行う 必要があるというものでございます。  5ページでございますが、「計画の見直し(次期計画の策定)」でございます。これ は後ほど具体的に御説明させていただきたいと思いますが、次期計画の策定は、現行の 都道府県健康増進計画の多くは、国の「健康日本21」と合わせる形で、平成22年度を 終期としている場合が多いという問題があります。一方、今回の改革において、国及び 都道府県は、全国医療費適正化計画及び都道府県医療費適正化計画を平成20年度から5 年ごとに5年計画として策定することとして、定期的な評価を行っていくこととされて います。国におきましても、「健康日本21」の取組と全国医療費適正化計画の取組との 整合性を図る必要がありまして、運動期間(終期)について整合性を図る予定でござい ます。各都道府県でも健康増進計画、医療経営、介護保険事業支援計画、医療費適正化 計画、がん対策推進計画の整合性を図りつつ、定期的な評価も総合的に進めていくこと が望まれているということでございます。  お手元の資料1−4のガイドラインでございますが、今御説明させていただきました ものについて、簡単に御説明だけさせていただきます。  まず、お開きいただきまして3ページですが、過去のいろいろな経緯に関する動きを 取りまとめています。今までの流れということで、平成17年9月の中間取りまとめ、平 成17年10月の厚生労働省試案という形で、ここに糖尿病等の患者予備軍の減少率を平 成20年度と比べ25%減少させることが盛り込まれてございます。平成17年12月の医 療制度改革大綱で、重点の医療から疾病予防を重視した保健医療体系へと転換を図るこ とが記載されていますし、次の4ページでございますが、国民の安心の基盤である皆保 険制度を維持し、将来にわたり持続可能なものとするためにということで流れが書いて ございます。  それを踏まえまして、(4)で医療制度改革関連法案が昨年6月に通過いたしまして、健 康日本21中間評価報告書は平成19年4月と書いています。この4行目に「4月○日」 と書いていますが、実はこれは本日でございまして、この後、健康日本21の中間評価報 告を公表する予定にしておりますので、ここは「4月10日」に公表したという形で後で 記載させていただく予定になっております。これはまだ本日が終わっていないので、ま だ「○日」になっていますが、そのような形になっております。  11ページをお開きいただきたいと思います。先ほど御説明させていただきました目標 項目で、医療費適正化計画と整合性を保たなければいけないものが11ページのアンダー ラインでございます。メタボリックシンドローム予備軍の推定数、該当者の推定数、特 定健診の実施率、特定保健指導の実施率が医療費適正化計画と整合性を保たなければい けないところでございますので、ここは最低限、少なくとも平成19年度中に見直しをし ていただくことが必要な部分でございます。  以上でございます。 ○久道部会長 どうもありがとうございます。ただいまの説明について皆さんから御質 問、あるいは御意見、ございませんでしょうか。 ○高橋(清)委員 資料1−3の6ページの最後の図がありますが、「不適切な生活習 慣」の中に、睡眠不足を入れてはいかがかと思います。最近いろいろな研究の結果、血 圧の上昇とか耐糖性の低下が不眠から生じるということがかなり報告されていますので。 健診の中でも後で出てくると思いますが、睡眠によって休養が十分とれているかどうか という質問も出ておりますので、ここに1つ加えることは可能でしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 今御説明させていただきました資料1−4「都道府県健康 増進計画改定ガイドライン(確定版)」の目標、10ページでございますが、休養のと ころに「睡眠による休養が不足している者の割合」という項目も入っておりますので、 これを補完する形で、この図の中に、先生に御指摘をいただきました「不適切な食生活、 運動不足、ストレス過剰、飲酒、喫煙」のほかに、ストレスの次ぐらいでしょうか、「睡 眠不足」ということでしょうか。そういうキーワードも入れることは可能だと思います ので、もしよろしければそのように今後訂正させていただきたいと思います。 ○久道部会長 それはよろしいですね。そのようにさせていただきます。  ほかに御意見ございませんか。 ○坂本委員 お尋ねですが、運動期間の終期について整合性を図る予定であるというの は、県市町村においては……。 ○久道部会長 どの資料ですか。 ○坂本委員 ガイドライン確定版の資料1−3ですね。自治体においてはこの計画を、 他のいろいろな計画が出ているのと、どんなに整合性を合わせるのかは非常に困難を来 している――混乱と言うべきでしょうか、来しているのじゃないかと思うのですが、終 期について整合性をという考え方としては、予定という考え方が少しわかるようでした ら教えていただきたい。 ○矢島生活習慣病対策室長 言葉足らずで申しわけございません。後ほどの健康日本21 の資料2−3のときに、これについて御説明させていただく予定になっていますので、 そのときに期間を合わせることについて御説明させていただきます。 ○久道部会長 それはそのときでよろしいですね。  ほかにございませんか。 ○白川委員 資料1−2の健康増進法に基づく基本方針の改正でございますが、その5 ページで、「レセプトデータを収集する」と記載を追加されておりまして、その分析手 法については提示したいという御説明がございまして、レセプトデータを収集して分析 することが有益なことはよく理解はしているのですけれど、実際にはレセプトは紙の状 態が8割ぐらい、まあ2割ぐらいしか電子化されていないという現状では、保険者側と しては集計・分析等ができない現状でございますので、この指針を具体化する際には、 その辺の状況も踏まえて、いろいろな分析手法を提示いただければというお願いでござ います。以上でございます。 ○矢島生活習慣病対策室長 もちろんここは特に個人情報保護との関係もございます。 ここは慎重に対応しなければいけないということと、今御指摘がありましたように、今 はまだかなり紙の状態でありますので、そこも踏まえて今後、関係の部局ともよく調整 させていただきたいと思っております。 ○久道部会長 ほかにはございませんか。よろしいでしょうか。  それでは、きょうは議題がいっぱいありますので次に参りますが、何か思い出したら、 また後で時間をとれたときにお願いしたいと思います。  2番目の議題ですが、「健康日本21中間評価について」であります。事務局からお願 いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 では、資料2−1と資料2−3に基づきまして御説明させ ていただきます。  この健康日本21の中間評価におきましては、既にこの委員会で御審議を行っていただ きまして終了したものでございます。この委員会で健康日本21の中間評価報告について は既に昨年度12月までに、この中身については御審議を終わっていただいたもので、本 日はその最終的な印刷物という形で報告書としてまとめたものでございますので、その 御報告をさせていただくものでございます。  まず、資料2−1で概要について簡単に御説明させていただきたいと思います。  健康日本21でございますが、健康づくりにつきましてか各種指標について数値目標を 設定し、国民が一体となった健康づくり運動を推進するための手法を導入したというこ とでございまして、一番左に課題がございます。この課題は、特に今回の健康日本21 は課題の項目数が多い総花主義的でターゲットで不明確だったという御指摘がございま した。目標達成に向けた効果的なプログラムやツールの展開が不十分だったという御指 摘、政府全体や産業界を含めた社会全体との取組が不十分だったという御指摘、医療保 険者、市町村等の関係者の役割分担が不明確であった、保健師、管理栄養士等医療関係 者の資質の向上に関する取組が不十分であった、現状把握、施策評価のためのデータの 収集、整備が不十分であったという課題がございました。  これにつきまして検討させていただいた結果が「今後の方向性」という形で、まずポ ピュレーションアプローチ、健康づくりの国民運動化ということで、これはまた後で御 説明させていただきますが、国民運動についてのいろいろな取組をするとともに、代表 目標項目を設定し、取り組みやすいものにしていく。都道府県健康増進改定ガイドライ ンですとか、都道府県健康・栄養調査マニュアルに沿った計画の内容を充実していくこ とですとか、先ほど御説明させていただきましたが、いろいろな新規目標の設定ですと か、効果的なプログラムやツールを用意する。メタボリックシンドロームに着目した運 動習慣の定着とか食生活の改善に向けた普及啓発を図る。  ハイリスクアプローチといたしまして、今回医療保険者による40歳以上の被保険者・ 被扶養者に対するメタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導の着実な実施を する。これは2008年度からでございます。生活習慣病予防のための標準的な健診・保健 指導プログラムを提示し、定期的に見直しを行う。  産業界との連携、人材の育成、エビデンスに基づいた施策の展開という方向性を示し て、これに基づきまして、各分野ごとにいろいろな取組を示しました。例えば栄養・食 生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、 糖尿病、循環器病、がんという形で分野別の取組をまとめたものでございます。  次に、資料2−3で健康日本21の改正案を御説明させていただきます。  健康日本21につきましては、国民が一体となった健康づくり運動を進めていく、総合 的・効果的に推進していくということでございまして、この計画は健康増進法第7条第 1項の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な指針」に基づいて策定 するということが決められているわけでございます。  平成19年4月に取りまとめました健康日本21中間評価報告書は後ほどまた御説明し ますが、これを踏まえて健康日本21もあわせて改正するというものでございます。  先ほど御質問のあった中身でございますが、新たな目標の設定の追加のほかに、2番 目といたしまして、運動期間の変更がございます。医療費適正化計画など関連する他の 計画との整合性を図るため、2010年度から最終評価を行い、その評価を2013年度以降 の運動の推進に反映させることとしたいと考えております。ですので、ほかの医療費適 正化計画ですとか医療計画ですとか、そういうところとの整合性を2年間、今の健康日 本21は2010年までになっておりますが、それを2年延ばし、2012年まで延ばして2013 年以降の計画にするというものでございます。  御質問がありましたので、先にそちらだけ御説明させていただきますが、資料2−4 を引き続き御覧いただきたいと思います。これは「21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21)」の改正案でございますが、第一の趣旨、第二の基本的な方針の2の期 間が、右が改正前で左が改正後であります。右の改正前は、「運動の期間は、2010年度 までとする」となっています。これを「運動の期間は、2012年度までとする」という考 え方ですそして運動の評価期間は、「2010年度から最終評価を行い、その評価を2013 年度以降の運動の推進に反映させる」という形で、この健康日本21の次の目標は2013 年度からという形にすることによりまして、現在これから進められます医療費適正化計 画ですとか、そういうところとの終わりの期間を合わせ、医療費適正化計画の第二期か ら、要するに健康増進計画についても、そこと整合性を合わせることが可能になると考 えています。それをすることによって、厚生労働省関係のほかの施策と整合性をとって 一緒にスタートすることができる。ですから、2年間延ばすことによって調整をとると いう考え方でございます。  また、その期間、2010年度までの目標から新たに設定される2013年度までの間が、 目標はどうなのだということになるわけでございますが、それにつきましては、2010年 度以降の最終評価期間においても、本通知に掲げる目標をずっと続けて、運動期間を 2012年度まで続けていくという考え方でございます。  また資料に戻らせていただきます。  先ほどの「健康日本21中間評価報告書」、これも時間の関係がありますので簡単に御 説明させていただきます。  本日4月10日ということで、12月までの議論を踏まえまして本日ここに評価報告書 という形でまとめさせていただいたものでございます。内容につきましては、先ほど簡 単に御説明させていただきましたので省かせていただきたいと思います。このような形 でまとめをさせていただきました。中身については省かせていただきます。  次の健康日本21の資料2−4で大体同じような項目が抜粋されておりますので、そこ で具体的な中身について御説明させていただきます。  それでは資料2−4で具体的にその中身について御説明させていただきます。  まず、期間については今御説明させていただきました。次の2ページ、横長の対照表 を見ていただきますと、これも先ほど御説明させていただきましたが、法律の改正に伴 いまして、「介護予防」「食育」「総合型地域スポーツクラブの活用」「健康関連産業 の育成」という言葉が入っております。そういう形で整合性をとっております。  めくっていただきまして、4ページを御覧いただきたいと思いますが、これにつきま しても、「計画の策定」では、先ほど御説明させていただきました糖尿病等の有病者予 備軍の増加という課題に対して、メタボリックシンドロームの該当者予備軍の減少率や、 健診・保健指導の実施率並びに食生活・運動・喫煙に関する目標の設定が必要であると いうことです。地域・職域連携推進協議会を設置し活用するということがここにありま す。  5ページの左上でございますか、これも関係する法律との調和、いろいろな計画と調 和に配慮し、都道府県が中心となって策定するということ。市町村の計画におきまして も、いろいろな計画と調和を図るように留意するということが書かれております。  6ページまで飛んでいただきたいと思いますが、先ほど白川委員からの御指摘もあり ましたが、「調査研究の推進」で、診療報酬、レセプトの情報その他につきましては、 先ほどの御指摘も踏まえまして、関係機関と調整をさせていただきたいと思います。  個人情報の保護は大変大事な話ですので、これをしっかりやっていくことが大事だと 思っています。  下の「人材の活用等」でございますが、これにつきましても、栄養・食生活、身体活 動・運動、休養・こころの健康づくり、喫煙、飲酒、歯の健康等の生活習慣全般にわた ってということですとか、禁煙推進員ですとか、健康づくりのための自助グループの支 援を記載させていただきました。  7ページの上でございますが、「各種保健事業の連携の推進」で、地域・職域連携推 進協議会が中心となってこのような連携を図っていくということが記載されております。  健康日本21の目標でございますが、ここは今回の改正で変わったところだけ御説明さ せていただきます。  9ページでございますが、変わったところはアンダーラインを付けてございます。「外 食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする人の増加」が、前回入っていなかっ たものが入っております。同じく9ページの下ですが、「1.12」という形で「ヘルシー メニューの提供の増加と利用の促進」についても、このような形で追加させていただい ています。  10ページも同じ形で、「学習の場の増加」ですとか「学習や活動の自主グループの増 加」、「メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加」は今回新たに設 定されたものでございます。  飛びまして、12ページでございますが、「2.7」も新しい項目でございます。これ は「安全に歩行可能な高齢者の増加」という形で、これについては片足の起立時間、20 秒以上に該当する人の増加というものも新しく入っております。  14ページでございますが、たばこの関係で「4.5喫煙をやめたい人がやめる」とい う目標を設定させていただいています。  19ページでございますが、ここはメタボリックシンドロームの該当者予備軍の減少と いう形で具体的な目標を書かせていただいています。それから、「メタボリックシンド ロームの概念を導入した健診・保健指導の受診者数の向上」が入っております。  22ページからは、これだけたくさんの項目があるものですから、その中で特に代表項 目として一覧にしたものが入っております。  以上でございます。 ○久道部会長 坂本委員、先ほどのはよろしいですね。  ほかに御質問ございますか。 ○加賀谷委員 資料2−4の6ページ、ほかにも出てきますけれども、6ページの左側 の(2)の「人材の活用等」で、これは直しということではないのですが、人材の活用の中 に、例えば地域の医師会とか歯科医師会とか並んでいまして、運動のことについては今 回、健康・運動指導士の養成ということで大変力を入れて、それを活用するということ があるのですが、現在は例えばNPO法人で健康・運動指導士会というのがあるだけで、 こういうきちんとした団体はないんですね。どのような形になれば、ここにそういうも のの活用が取り上げられるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 ここに書いてありますのは、いずれも国家資格ということ で何らかの資格、法律で担保されているものが入っているのですが、まことに申しわけ ないのですけれども、いろいろな資格が世の中にたくさんあるものですから、例示とし てはここに書くのは、現段階では難しいんですけれども、おっしゃっているご趣旨は私 どもも認識はしておりまして、健康づくりに関する方々については、我々ができるのは、 例えば今度の標準的なプログラムだとかそういうところで、例えば具体的な例示をして 運動については健康・運動指導士という方を、後で出てきますが、標準的な健診・保健 指導プログラムの中で運動を担っていただく方という形で、まずそういうところから書 かせていただけるということで示させていただいております。 ○加賀谷委員 国家資格でなければ出てこないという――承知しておりますけれども。 ○矢島生活習慣病対策室長 何らかの形で法律で規定されているという形でございます。 ○加賀谷委員 はい、ありがとうございます。 ○久道部会長 ほかにございますか。 ○富永委員 健康日本21、今回大変重要な変更点は、最終評価を2010年から始めて2012 年に終わって2013年に、平成20年に始まる医療費適正化計画の諸事業との期間的な整 合性を保つ、当初の計画より少しおくれますが、けがの功名でこれは結果的にはいいと 思います。といいますのは、この中間評価自身は平成17年度に終了しているはずなので すが、平成18年度、もう19年度にさしかかっていますね。ですから、実態として少し おくれていますので、かえっていいのじゃないか。  それから、国が健康日本21の国の計画を定めて、それを府県が地域の実情を考慮して 都道府県計画を定めて、最終的にはフロントで頑張っている市町村が推進計画を策定す るのですが、市町村計画の策定が非常におくれておりまして、昨年あるいは今年に策定 するところもありますから、最終評価をおくらせた方が、実行期間の短いところは10 年間にこだわらないで5年間ぐらいで評価してしまって、すべて平成25年ぐらいに集ま るようにしたらいいのじゃないかと思います。  くどい言い方をしましたけれど、期間を守るよりも効果、アウトカムがきちんと評価 できるようにアクションプランを立てた方がいいと思います。今回、健康日本21の重要 な項目が医療費適正化計画の健診のときの自覚症状、生活習慣のチェックに入っており ますし、医療費適正化計画の保健指導の中に健康日本21のチェックリストが重要なもの が入っておりますので、いわば相互乗り入れみたいで、それできちんと調整もできるの ではないかと思っておりまして、私は賛成です。 ○久道部会長 今の市町村計画はどんな具合になっていますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 市町村計画は、たしか60%台だったと記憶していますので、 今回実は、先ほど最初の資料で御説明させていただきましたが、来年度から医療保険者 自身が、要するに国保が特定健康審査の実施計画を策定します。そのときに、保険局の 国保サイドとも連携しているのですが、そのときに一緒に、ただ単に市町村として国保 だけで計画をつくるのではなく、市町村の健康増進計画として、「健康○○21」という 形で一体となって、連携を図るためにやっていただくということをお互いに、保険局、 私どもも一緒に呼びかけて、市町村でもちゃんとやっていただこうと考えております。  私ども、平成18年7月1日現在では、市町村の数が合併で少し変わっている可能性も あるのですが、策定済みが都道府県と合わせて1,000ぐらいですので、平成18年度中に 180、19年度中に予定が184、20年度以降策定予定が494という形のものになっており ます。 ○久道部会長 ほかに。 ○田中委員 素人ですので見当違いの質問かもしれませんが、どこで書かれるのかとい うことがよくわからないのですが、例えば資料2−1で課題が出され、今後の方向性が 出されて、分野別の取組があります。要するに私が申し上げたいのは、健康増進計画に しろ、健康日本21にしろ、医療費適正化計画にしろ、保健指導員の絶対数が足りない。 ですから、課題を掲げられ、今後の方向性が掲げられているのですが、例えば資料2− 1の今後の方向性の中で人材の育成がありますが、これはちょっと拡大して書かれてい るところを読みましても、いわゆる人材養成の研修等は書いてありますけれど、絶対数 の確保というところが見えない。その問題をここで書くのか、どこで表現されるのか。  絶対数の確保ということになりますと、当然裏づけが必要でございまして、財源の確 保――この問題はどこで、どう整理されるのかということについて教えていただきたい のですが。 ○勝又保健指導室長 保健師の人材確保等については、健康日本21の中間評価報告書の 中にも、確保等について書いてあるところでございますが、今後、特定健診・特定保健 指導をやっていく上におきましても、保健指導の人材の確保が必要であると考えており ます。平成19年度におきましては、地財計画等で市町村の保健師あるいは都道府県の保 健師等についても要求をしていきたいと考えておりますし、それぞれ民間におきまして も、保健師の養成数については今年も1万1,000人の保健師が新卒で出ておりますので、 できるだけ民間の方でも活用していただくように働きかけをしていきたいと考えており ます。 ○久道部会長 よろしいですか。 ○田中委員 まあ……、はい。 ○久道部会長 それでは、次の方。 ○池主委員 市町村計画等に関連することですが、この健康日本21そのものは大きなベ ースラインデータ、我々歯科医において6年ごとに行われる歯科疾患実態調査というデ ータで動いているわけですけれども、今後地域の特性が中心になるとか、いろいろな意 味で本当に住民のためになる方向としては間違いないと思いますが、そのベースライン データみたいなものが地域でどのぐらい整理されているかということが非常に大きな問 題になるのではないかという感じがします。  例えば各都道府県レベルでどの程度のデータ整理ができているかということが、これ からの実質的な評価という意味では非常に大きな意味を持つと思うのですが、その辺の 記載が余り見受けられないけれど、その辺はどのようにお考えでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 都道府県、市町村でも、先ほども御説明させていただいた 資料でも若干触れさせていただいているのですが、計画を立てるときには、国の方では 健康・栄養調査ガイドラインを用意しまして、それに基づいていろいろな調査の仕方に ついてお示しして、それをもとに計画をつくってくださいと示します。あと、地域の実 情に合わせてということをつけ加えていますので、今後すべての市町村でそういう調査 ができるかどうかということはあるのですが、少なくとも県のレベルでは、なるべく実 態を踏まえた調査をしていただいた上で計画をつくっていただくということで、これは 都道府県には働きかけはしているのですが、市町村までいきますと、できる市町村から 規模の小さいところもありますので、すべての市町村までは難しいかとは思いますが、 そういう方向性を示させていただいております。 ○池主委員 今回の保健計画そのもので、例えば長野県はよく言われますね。沖縄との 差でどういうふうになっているかとか、今後そういうふうに健康長寿を目指す上で、都 道府県の実情が、そういう大きな夢といいますか、流れの中にどういう位置づけにある かというのはポピュレーションアプローチの中では大きなファクターになるように感じ ますので、その辺のデータ整理というか、多少興味を引くような問題の分析が必要なの ではないかと思うので、その上でも各地域の実態のより精度の高い調査が不可欠である と思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○久道部会長 要望・意見ということで、ほかにございませんか。 ○武見委員 資料2−4の2ページの左側、改正案の(4)の(3)「多様な分野における 連携」で、当然健康増進対策の中に食育の推進が入ってきています。一方で、先ほどい ろいろな計画との整合性を問うというところでは、今、都道府県中心で食育推進計画も 進んできていると思いますので、できればそことの整合性を図るということも、具体的 に言葉として明確に出していただけるとありがたいと思ったことが1つです。  それと、先ほど話題になりました都道府県、市町村等での人材確保のところで、今度 の特定健診・保健指導の中でも医師、保健師、管理栄養士等と並んでおりますので、こ の人材確保に当たってはぜひ管理栄養士のこともよろしくお願い申し上げたいと思いま す。 ○矢島生活習慣病対策室長 今回、食育のことも初めて記載させていただきますので、 そことの連携もこれから呼びかけいきたいと思いますけれども。 ○澁谷委員 資料2−4の7ページ、地域・職域連携推進協議会という記載があるとこ ろですが、今、都道府県でどのぐらいできているのでしょうかということと、これは1 00%を目指して設置していただく、できればそれぞれの、例えば二次医療圏ごととか そういう形でも推進をしていく、基盤整備をしていかないといけないと思うのですが、 ここについてお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。 ○勝又保健指導室長 地域・職域連携推進協議会の都道府県協議会につきましては、あ と3カ所だったと思いますが、残すだけになりまして、平成19年度中にすべての都道府 県で地域・職域連携推進協議会が発足する予定になっております。さらに、二次医療圏 協議会につきましては、現在190カ所ぐらいの二次医療圏で推進協議会が進められてい るというデータもございまして、今後すべての都道府県、二次医療圏につきましても推 進協議会を開催し、地域と職域が共同で事業ができるように、さらにポピュレーション アプローチが活発にできるように進めていきたいと考えております。 ○久道部会長 これは設置されていていても、実際に動かないことが多いんですね。こ れはちょっと後押ししてもらいたいですね。かなり前からこの協議会と同じようなこと があったけれど、動いていないのが多いですね。ぜひそれも考えていただきたいと思い ます。  それでは進めます。3番目「標準的な健診・保健指導プログラムについて」でありま す。説明をお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 お手元の資料は3分冊で分厚くなっておりますが、1冊目 の「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」について、まず最初に概要版で御 説明させていただきまして、その後、中身について重要なところだけを御説明させてい ただきます。  健診関係を私が御説明させていただきまして、保健指導の関係は勝又室長で説明させ ていただきます。まず私の分を先に説明させていただいてから、残りを勝又室長という 形でさせていただきたいと思います。  まず、資料3−1の概要版で簡単に全体を御説明させていただきます。  特定健康診査でございますが、健診項目については必須項目と詳細な健診項目という 形で健診項目の整理がされております。質問票ですとか身体計測、理学的検査、血圧測 定、血液検査、検尿、詳細な健診項目は心電図検査、眼底検査、貧血検査という形にな っています。この中で、実は今回の制度改正につきましては関係部局にも同様の検討会 があわせて検討されておりまして、特に健診項目につきましては、労働安全衛生法との 整合性を保つよう、整合性をとっていただきたいという御意見がございまして、これに つきましては現在、労働安全衛生部局で議論を進めており、昨日、労働政策審議会の分 科会で諮問がありました。予定では今月内に答申に向けて関係機関との調整を図ると聞 いておりますので、ほぼ整合性がとれるレベルになっていると思います。残っている部 分は、身体計測の腹囲の測定でございます。腹囲の測定が議論として残っていますが、 それ以外はほぼ議論が出尽くして終わっている段階でございますので、そのような状況 になっております。  次のページを開いていただきまして、4ページでございますが、階層化が大変大事に なります。保健指導の対象者を明確にしていくことが大事でございまして、この基準と いたしまして腹囲を使うわけでございます。この腹囲につきましては、いろいろな測定 方法についての運用の仕方なども議論されております。これはまたこれから関係のとこ ろとも調整しなければいけないのですが、例えば自己測定ですとか、場合によっては自 己申告ですとか、そういうものもいろいろな条件を定めて運用上の規定を設けることが 必要ではないかということが議論されておりますが、少なくとも腹囲を使って、まず内 臓脂肪に着目したリスクを評価するという考え方でございます。男性の場合には腹囲が 85以上、女性の場合が90以上、これを満たしていなくても、従来から肥満と言われて おりましたBMI25以上の方々が特定保健指導の対象になります。要するに内臓脂肪を 減らす保健指導の対象者という考え方でございます。これ以外の方々は、従来の保健指 導という考え方になります。これ以外の方々で保健指導が必要な方々は従来の仕組みの 中でやっていくという考え方でございます。  ステップ2でございますが、メタボリックシンドロームの概念に基づきまして、血糖、 脂質、血圧に基づいてリスクを判定します。このリスクに基づいて、リスクが1つ以上 あれば、さらに喫煙歴についてリスクをカウントするという考え方でございます。これ に基づきまして、リスクの数に応じて積極的支援レベル、動機づけ支援レベル、情報提 供レベルの保健指導をするという考え方でございます。  階層化の考え方でございますが、ステップ4といたしまして、服薬中の方については 特定保健指導の対象とはしないという考え方でございます。前期高齢者の方々は介護保 険事業の予防事業が始まっておりますので、65歳以上70歳未満の人たちはQOLの低 下に配慮した形でそちらを重視すべきであるということで、積極的支援の対象となった 場合でも動機づけ支援とするという流れでございます。  保健指導は飛ばさせていただきます。  最後でございますが、10ページで後期高齢者、75歳以上の方に関する健診・保健指 導でございますが、基本的には、75歳以上の方々は疾病予防というよりもQOLの確保、 介護予防が重要ということだと思っています。ただし、糖尿病等の生活習慣病の早期発 見は大事であるという形で、後期高齢者医療法に基づきまして、広域連合においては実 施することになっております。これは努力義務でございます。  健診項目については、75歳未満と同じでありますが、例えば腹囲等につきましては、 医師が必要と判断したときにやるということでいいのではないかという考え方でござい ます。  保健指導につきましても、市町村において本人の求めに応じて健康相談等の機会が提 供できる体制を確保するという考え方でございます。これが大きな流れでございます。  それでは、お手元の「標準的な健診・保健指導プログラム」の中で主なところにつき まして、簡単に御説明させていただきたいと思います。  おめくりいただきまして、最初の章でございますが、お手元の資料3−2の3ページ につきましては、前回の暫定版から変わったところは、法律が定まりましたので「高齢 者の医療の確保に関する法律」という名称が入っております。  5ページになりますが、今御説明させていただきましたが、75歳以上の方が介護保険 との関係で、地域支援事業との関係について検討したということを記載させていただい ているところでございます。  概念は以上でございます。  次の健診について御説明させていただきますが、22ページになります。健診項目につ きましては、健診の精度を上げるための標準物質についての定義を明確にさせていただ いているところでございます。標準物質を使うこと、標準物質の定義を明確にさせてい ただいております。  25ページでございます。先ほど階層化の御説明をさせていただきました。25ページか ら階層化の話がありますが、25〜26ページはメタボリックシンドローム、空腹時血糖と HbA1cの両方を測定している場合には空腹時血糖を使うということでございます。 ここに記載させていただきます。この扱いの整理をさせていただいております。  第4章、29ページになりますが、同じく精度管理でございます。精度管理についての 考え方をつけ加えさせていただいています。基本的には、ここにありますような形で、 精度管理とはということを書かせていただきまして、内部精度管理と外部精度管理とい う形で、内部精度管理につきましては、トレーサビリティということがございます。健 診判定値に使う測定の基準となる標準物質、先ほど血液検査に使う標準物質の話をさせ ていただきましたが、その標準物質あるいは基準となる測定法の結果に合わせられると いう形で、このトレーサビリティを含めた内部精度管理をやっていくということを記載 させていただいているところでございます。  次に34ページになりますが、健診機関・保健指導機関コードの設定。これは保険局の 検討会も踏まえまして、保険者に健診機関から電子的にデータが提出されるときのいろ いろな設定方法について、ここで記載させていただいております。暫定版から変わりま したが、記載の方法につきましては、保険局の検討会と整合性をとっているということ でございます。  アウトソーシングのところでございますが、38ページになります。具体的な基準とい うことで、特にここでも禁煙についての考え方が示されています。アウトソーシングす るときに、健康増進法に定める規定が大事だということで、38ページの(2)(2)でござ います。施設又は設備等に関する基準のdでございますが、健康増進法第25条に定める 受動喫煙の防止措置が講じられていること。この中に特に患者さんの関係ですが、医療 機関においては患者さんの特性にも配慮してほしいということがございますので、ここ に明確に記載させていただいております。  40ページになりますが、先ほど御説明させていただきました75歳以上の方の規定に つきましては、これは暫定版にはありませんでしたが、75歳以上の方の考え方を記載さ せていただいています。  41ページは、40歳未満の方。これも努力規定でございますが、一応40歳未満の方に 関する健診・保健指導のあり方についても記載させていただいているところでございま す。  第8章でございますが、健診項目の見直しと保健指導対象者の選定の見直しも新たに 選定方法の見直し規定について新しくつけ加えさせていただいております。  データの関係で49ページからですが、特に市町村、一般衛生部門が特定健診の健診デ ータを用いて保健指導を行う場合における健診データの扱いという形で、先ほど個人情 報保護、レセプトの話が出ておりましたが、このような方で、これはレセプトではなく 特定健診の健診データの取扱いの仕方はこのような形で、個人情報保護に関する基本方 針を明示することによって個人情報保護に努める必要があるということを記載させてい ただいています。  53ページからは、保険局で検討しております特定健診・特定保健指導のデータのファ イルと整合性をとらせていただいているところでございます。  62ページでございますが、健診データの電子的フォーマットのサンプルでございます。 これにつきましては、聞き慣れない言葉ではありますが、XML形式に準拠するという 形でございまして、「エレメント名(タグ名)」という言葉がまた出てきますが、実は 医療関係の電子的な標準規定がございます。ヘルス・レベル・セブン(HL7)という 規定がございます。このCDAR2L3の規格に準拠する形で、これを使うことによっ てほかの電子カルテとかいろいろなところとの整合性が将来的に担保できる形をイメー ジして、XMLスキーマという形ですが、ここにありますような形で電子的フォーマッ トを定義する形によりまして、いろいろなデータの互換性を保つものを明示させていた だきました。詳しくは、インターネットのURLで情報を公開させていただいておりま す。  保健指導のところは後ほど勝又室長に説明いただく予定でございますので、第4編に 飛んでいただきたいと思います。131ページからになります。  特に、ここは体制整備、基盤整備、先ほどの人材確保、研修等がここに記載されてい るところでございます。  134ページをお開きいただきたいと思います。医療関係団体の役割という形で、ここ は日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会等と暫定版にありましたが、研修の実施に 際しましては、「複数の医療関係団体が協力し、共同で実施することや、日本歯科医師 会や日本薬剤師会等の医療関係団体及び当該団体の都道府県支部から講師を紹介しても らうことなど、複数の職種で構成されるチームまたは保健指導に繋がるような配慮も必 要である」を新たにつけ加えさせていただいております。  次に137ページでございますが、特に第三者評価の御議論がございました。先ほども 議論がございました「都道府県の地域・職域連携推進協議会の活用等を含め、第三者機 能評価の在り方について検討を進める必要がある」を記載させていただきます。質を担 保するということをどういうふうにするのかという御議論がございましたので、前回の 暫定版よりも一歩踏み込みまして、具体的に都道府県、地域・職域連携協議会の活用等 を含め、第三者機能評価の在り方について検討を進める必要があることを記載させてい ただいております。  医療保険者における健診・保健指導の実施・評価でございますが、具体的な評価の仕 方について例示を、評価例という形でお示しさせていただいています。  後ろの方の資料は、今回整理させていただいたものを資料としてつけさせていただき ます。特に173ページを御覧いただきたいと思います。173ページのフローチャートを 見ていただきますと、今回の健診の糖尿病と生活習慣病予防のための健診・保健指導の フローチャートという形で健診から保健指導対象者を明確にして、実際に保健指導する ところの流れがこのような形で整理できるのではないかということで、ここを見ていた だければと思っています。  175ページ以降が医療保険者における健診・保健指導の評価、具体的にどういう評価 方法があるかを具体的にお示しさせていただいているものでございます。  以上でございます。 ○勝又保健指導室長 それでは、3編の「保健指導」に関連いたしまして説明をします。  69ページを御覧いただきたいと思います。69ページから「第1章 保健指導の基本的 考え方」ということで記載しておりますが、第1章については暫定版から特に大きな変 化はございません。  次に、73ページから「第2章 保健事業(保健指導)計画の作成」でございまして、 81ページを御覧いただきたいと思います。図1でございますが、保健事業の計画作成の 進め方では、現状分析から、分析結果の整理、あるいは目標の設定をやって、計画の作 成をしていただくわけですが、目標の設定で保健指導対象者の概算を出していただくと きに、特に情報提供、動機づけ支援、積極的支援等についての優先して行うべき指導の 基本的な考え方ということで、78ページの3)ですが、保健指導の対象者の優先順位の 付け方の基本的な考え方について追加させていただいておりまして、特にメタボリック シンドロームの年齢が比較的若い対象者を優先するとか、あるいは健診結果の保健指導 レベルが情報提供レベルから動機づけ支援レベルとか、動機づけ支援レベルから積極的 支援レベルに移行するなど、健診結果が前年より悪くなった人たちを優先する、あるい は生活習慣改善の必要性が高い方、さらには前年度に積極的支援及び動機づけ支援の対 象者であったにもかかわらず健診・保健指導をお受けにならなかった方たちについては、 優先的に保健指導をやっていきましょうということを追加しているところでございます。  続きまして83ページからは、保健指導の実施でございますが、特に保健指導の実施の ところで御議論がありまして、最終的に保健指導の実施者では保健指導は医師、保健師、 管理栄養士が中心となって担うということ。動機づけ支援、積極的支援における初回の 面接、あるいは評価等につきましては、医師、保健師、管理栄養士。ただし、これまで 医療保険者や事業者において看護師による保健事業がされているという現状を踏まえま して、高齢者医療確保法の施行後5年間に限り一定の保健指導の実務経験のある看護師 についても行うことができることになりますのと、さらに、その他・食生活・運動指導 に関する専門的知識及び技術を有する者ということで、健康・運動指導師、あるいは栄 養士の方々につきましても、さらに産業保健分野で活躍されている看護師についても実 施をすることができるということで記載したところでございます。  さらに禁煙指導につきましても、薬剤師等と連携をとっていただくということで記載 しているところでございます。  続きまして、88ページからが保健指導の実施要件ということで、最低ここまでの保健 指導をやってくださいということで実施の要件を記載しているところでございます。  情報提供につきましては、健診受診者全員を対象として、年1回健診結果と同時に実 施する。これまでのように画一的な情報提供ではなくて、健診結果とか健診時の質問票 や個人の生活習慣に合わせて情報提供をしてくださいということでございます。  89ページが動機づけ支援で、これにつきましては、自らの生活習慣を振り返って行動 目標を立てて、保健指導後すぐに実践に移っていただけるように、原則1回面接による 支援を行っていただき、その後6カ月後の評価を提出していただくということで動機づ け支援になっております。  次に90ページが積極的支援でございまして、動機づけ支援に加えまして、定期的・継 続的に支援をするということで、3カ月以上の継続的な支援を行っていくということで ございます。これにつきましては、90ページの後半からも書いてありますように、初回 時の面接は必ず個別あるいはグループでの面接をお願いしたいことと、3カ月以上の継 続的な支援につきましては、ポイント制を導入いたしまして、支援Aで160ポイント以 上、支援Bで20ポイント以上で合計180ポイント以上で支援を実施する。その支援につ きましても、積極的な関与タイプと励ましてどうですかということで称賛したりという 支援Aと支援Bの組み合わせで、3〜6カ月の間支援をしていってください。その後6 カ月後に評価をしていきましょうという考え方で、積極的支援を実施していくことにな っております。  94ページからは、支援パターンの1から3で、個別の面接なりグループ支援を3回や るもの、2回やるもの、1回やるもの。1回のときには、基本的にはEメールあるいは 電話の双方向の支援のツールを使って実施していただく。そういう積極的支援の考え方 でございます。  101ページは望ましい保健指導でございまして、今まで御説明しました保健指導の要 件は、対象者の年齢あるいは働いているところの条件等によって保健指導の時間がとれ るかどうかが課題になってくると思いますが、今まで望ましい保健指導は特に市町村レ ベルにおいて、保健師や管理栄養士が実際に積極的支援を行って効果を上げているもの が望ましい保健指導ということで掲げているのですが、こういう個別の面接を30分以上 実施し、6カ月間の実施によって効果を上げているということがございますので、こう いうものを「望ましい」と規定させていただいて、これに近い保健指導をやっていただ くことが必要なのではないかということで、この確定版に記載させていただいたところ でございます。  105ページからは、保健指導のプロセスと必要な保健指導技術で、どういう保健指導 の技術を用いるのかという記載を追加しています。  108ページが(7)ですが、保健指導の未実施者及び積極的支援の中断者への支援を 追加しておりまして、対象者が保健指導を受けなかった場合には、1週間以内に連絡を して、指導を受けるように促すとか、あるいは医療保険者も保健指導を受けるように促 していただくということで、中断者への支援について記載を追加したところでございま す。  117ページが地域・職域連携による効果で、特にこれまでも、矢島室長からもお話が ありましたように、地域・職域連携推進協議会と保険者の方々でおつくりになっておら れる保険者協議会との連携ということで、特に医療保険者におきましてはハイリスクア プローチと地域・職域連携推進協議会が地域・職域全体で取り組むポピュレーションア プローチと一体的に提供していくことによって、非常に効果が上がっていくだろうとい うことで、今後とも保険者協議会と地域・職域連携推進協議会とが連携をとって共同実 施をしていくことが重要なのではないかということで、追加させていただいているとこ ろでございます。  その他、アウトソーシングの基準等につきましても、実施者に合わせて人員基準等に ついて記載を追加したところでございます。  以上が保健指導第3編の追加事項でございます。  もう一つ、最後から3枚目を御覧いただきたいと思います。「メタボリックシンドロ ームに着目した健診・保健指導担当者の資質向上推進事業について」で、ここでは健診・ 保健指導の研修ガイドラインの策定を行ったところでございます。これにつきましても、 研修ガイドラインに沿って、都道府県等における研修担当者に対する研修の実施という ことで、都道府県等における研修の担当者に対し、国立保健医療科学院等において研修 を実施することと、研修ガイドラインに基づいた研修情報の提供ということで、研修ガ イドラインに沿った研修を実施している団体や当該研修の実施スケジュール、内容等を ホームページ等において情報提供し、医療保険者の方々に保健事業機関がどういう研修 を受けているかが、そのホームページにおいて見られる形にしていきたいと思っており ます。  研修ガイドラインの元に戻っていただきまして、前の方のページを見ていただきます と、健診・保健指導の研修ガイドラインの確定版が書かれていると思います。  わかりますでしょうか。ややこしくて申しわけないのですが、健診・保健指導の研修 ガイドラインの確定版でございます。これはプログラムにおいて一定の研修を受けるこ とが望ましいとなっているものでございまして、特に研修ガイドラインの2ページを御 覧いただきたいのですが、研修の対象者につきましては、医療保険者に所属する医師、 保健師、管理栄養士、事務職等。市町村衛生部門において生活習慣病予防対策を担当す る保健師、管理栄養士。民間事業等において健診・保健指導事業の委託を受け、当該事 業に従事する者。こういう方々に対して研修を行っていきましょうということになって おります。  9ページを御覧いただきたいのですが、これが医師、保健師、管理栄養士等に行う実 践者育成研修プログラムでございまして、全体で900分20単位の研修をお願いしようと 思っております。2.5日から3日間ぐらいの研修になります。基礎編、計画・評価編、 技術編になっておりまして、次の10ページを御覧いただきますと、研修内容につきまし ては、職種とかその役割が異なると考えられるために、それぞれの研修企画者が研修の 目的とか対象者から研修内容を設定することが望ましいということで、例えば医療保険 者の医師とか保健師、管理栄養士につきましては、すべて保健事業の計画等も立ててい ただかなければなりませんので、900分20単位をすべて受けていただかなければなりま せんが、例えば委託を受けた保健事業者では基礎編と技術編を受講するだけでいいとい うようなことで、研修の中身についても臨機応変に対応していただこうと考えていると ころでございます。  12ページがリーダーの育成プログラムで、今年5月に2回、国立保健医療科学院にお きましてリーダーの研修をこういうプログラムに基づきまして実施していこうというこ とで考えているところでございます。  以上が健診・保健指導のプログラムです。  あと別冊の方で標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)の保健指導事例集がつ いておりまして、これにつきましては、情報提供、動機づけ支援、積極的支援、ポピュ レーションアプローチの事例につきまして地域並びに職域から実践的にやられている事 例について集めて、ここに記載しておりますので、また御参照いただきたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 もう1冊、別冊の学習教材集でございますが、これは実際 に昨年も暫定版という形で出させていただきました。お手元にミスプリがございまして 1枚入っております。これはその検査値のところでございますが、間際らしいのは空腹 時血糖の考え方です。メタボリックシンドロームの対象者を先ほどの階層化基準で保健 指導の対象かどうか、まず内臓脂肪がたまっているかどうかを見た上で血糖を見るとき の基準ですが、この審議会でも御説明させていただきましたが、日本糖尿病学会からは 保健指導の対象者としての血糖は100ミリグラム以上、HbA1cは5.2以上というこ とが出ていますが、これは保健指導対象者の基準です。従来の糖尿病が強く疑われる予 備軍の考え方は従来と変わっておりませんので、そこが誤解を招くという御指摘がござ いましたので、従来の予備軍という考え方と今回の特定保健指導の判定基準があるとい うことを明確にさせていただいたものの修正を入れさせていただいています。このよう な形で実際の保健指導の場面においていろいろご活用いただければというものが入って おります。  最後の方でございますが、今回、準備事業をしていただきました千葉県、富山県、福 岡県の具体的な進め方についてご提供いただいた資料も、準備事業で御参加いただきま した県の資料もあわせて入れさせていただいております。  以上でございます。 ○久道部会長 いろいろ説明いただきました。何か御質問、御意見ございますか。 ○多田羅委員 資料3−1のプログラム確定版ですが、やや初歩的な質問で申しわけな い、10ページの例の75歳以上の人の健診・保健指導です。健康審査は「広域連合にお いて実施」と書かれているのですが、具体的にはその実施主体はどこになって、その財 源がどうなのかということと、その場合、保健指導は「市町村において」と言葉が使い 分けられているのですが、実施主体が違う。市町村という場合は市町村の単費で行われ るのかどうか。別の箇所でがん検診等は市町村が行うとなっておりましたが、ほかは訪 問指導とか項目が挙がっていましたけれど、その財源は今まで老健法ですと3分の1で したが、その辺の財源が保健指導及び他のがん検診等の財源を市町村がやる場合、どう いうふうにお考えになっているのか、2点お願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 今回の高齢者医療の確保に対する法律では、40歳から74 歳までが医療保険者に義務づけられております。75歳以上につきましては、後期高齢者 医療制度、75歳以上の方々の新たな医療制度ができます。その実施主体が広域連合とい う形になっておりますので、広域連合が75歳以上の方々の医療も見る形になっています。 実際の健診は市町村に委託されますから、実際にやるのは市町村の健診と一緒に、広域 連合からそれぞれの市町村に委託されることが多いと思っていますし、そのための財源 ……。 ○多田羅委員 広域連合というのは都道府県レベルですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。 ○多田羅委員 それは保険料が財源ですね、その場合。 ○矢島生活習慣病対策室長 ということです。保険料が財源になります都道府県単位で できます広域連合が75歳以上の方々の医療の責任を担うという形になっています。ただ、 健診の場合には、これは都道府県によっていろいろな考え方があると思いますが、具体 的には市町村で行っている健診と一緒にやることに、委託を受けることになるのではな いかと聞いております。 ○多田羅委員 市町村が行う健診は今後なくなるわけですよね。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこのところは、国保がやるところ、これまた市町村によ っていろいろなパターンがありまして、先ほどのがん検診、市町村によってはどういう 形でやるのかということを、例えば衛生部門と一緒に協力してやるのかとか、国保が主 体でやるのか、いろいろな場合が考えられると思います。そういうところを踏まえてど ういう形で受けるのかということを、パターンをお示ししていまして、それを市町村で 選んでいただきたいというふうに……。 ○多田羅委員 それは都道府県ではないのですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい、それは市町村です。 ○多田羅委員 都道府県が市町村に委託するということですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 ということではありません。 ○多田羅委員 健康診査の場合、75歳以上の場合。 ん12 広域連合は基本的には市町村の集まりでございますので、県ではございません。 ○多田羅委員 だけど、「広域連合において実施」となっていますよね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。具体的には市町村に委託する形になると想定してい ます。 ○多田羅委員 実際上は各市町村で考えるということ、現実になるということですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 市町村が委託を受けるという形が想定されます。 ○多田羅委員 それを受けて、それぞれ市町村が固有の、県一本で形が決まるというの ではない形ですか、その場合。 ○矢島生活習慣病対策室長 多分、市町村の形に合わせてやる、それは我々の方は幾つ かのパターンがあるので、それはそれぞれの県で、今言った形……。 ○多田羅委員 県一本で形で決まるのか、各市町村に委託して市町村が考えることがで きるのか。 ○矢島生活習慣病対策室長 それは幾つかのパターンがありまして、すべての市町村が 県一本でやろうとなれば一本になりますけれど、同じ県の中でも市町村によって形が違 えば一本にすることはできませんので、それは違う形になり得るということであります。 ○多田羅委員 そういうこともあり得るということで、わかりました。保健指導その他 の「市町村において」という場合、財源はどうなのですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 これは20年度からの事業ですので、これもほかのところと 同じなのですが、これから20年度に向けて予算要求の作業をしていく形になると考えて います。 ○多田羅委員 今までの老健法ですと3分の1負担、それはもう撤回、廃止ですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 基本的に老人保健法の法律は廃止されますので、同じよう な形で補助できるような規定をこれから詰めていく形になります。 ○多田羅委員 一応その見通しも、市町村単費ではないと思っていいんでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。国の方で補助金を出すということで今作業を進めさ せていただいています。 ○多田羅委員 わかりました。 ○久道部会長 ほかにございませんか。 ○内田委員 地域・職域連携推進協議会についてですが、まず言葉の問題で、先ほど「連 携協議会」となっている部分があったので調整してもらいたいということ。それから、 先ほど矢島さんが言ったところでは、「連携協議会」という文言になっていましたので、 その辺はきちんと整理して。 ○矢島生活習慣病対策室長 言葉があれですか。 ○内田委員 はい。それから、これは都道府県で、先ほどあと3つを除いて全部整理さ れたということですけれども、二次医療圏にも設置するということになっていますけれ ど、二次医療圏の場合には、幹事というか行政が幹事役をやるという規定になっていま すね。そうすると二次医療圏の場合には幾つかの市町村が関係してくる、また医師会も いろいろな単位があって、必ずしも二次医療圏と整合性を持たない場合もあるというこ と。東京とか神奈川とか大きいところでは、1つの政令市の中に幾つかの医療圏がある ような場合もあるから、その辺のモデルといいますか、どういう構成にして、どういう 調整をするのかをきちんと整理しておかないと、二次医療圏の1つというのは、恐らく ほとんど動かないことが考えられますので、その辺もきちんと整理してもらいたいとい うことがあります。  もう一つは、保健指導のガイドラインが出ていますが、事例集でぜひポイントを入れ て、どういう料金設定になるのかというところがある程度わかるようにしてもらった方 がいいのではないかと思います。これは、料金設定については個々の契約になるかと思 いますが、ポイントについては入れることができるかなと思います。 ○勝又保健指導室長 1点目の地域・職域連携推進協議会でございますが、国の方で支 援検討会をここ2年間やりまして、各都道府県にも協議会を立ち上げるときに支援に行 ったりということをやらせていただきまして、その後、帰ってこられた先生方にさまざ まな御意見を聞いてガイドラインを策定する作業を現在やっているのですが、内田委員 が御指摘のような、今の補助金の関係では都道府県と二次医療圏ごとに設置してという ことで補助制度が成り立っております。そこで今おっしゃったような整合性がとれない という御意見もございますので、これからもう少しうまく使えるような補助金のあり方、 あるいはどういう体制がいいのかということについて検討を進めていきたいと考えてお ります。  もう一つ、保健指導事例集ではポイントが今回は、今の特定保健指導の要件でやって いないということがありまして、今後それについても検討させていただきたいと考えて おります。 ○内田委員 地域・職域連携推進協議会ですが、今回のこの事業がうまくいくかどうか の要の存在になると思います。要するに、事業者なり保険者なり、実際に担当する部分 との連携がうまくいって信頼関係がつくれなければ、この事業は絶対うまくいきません ので、そういう点でこの推進協議会は非常に重要な位置を占めると思いますから、ぜひ よろしくお願いしたいと思います。 ○勝又保健指導室長 ありがとうございます。 ○久道部会長 ほかにはございませんか。 ○松田委員 3点教えていただきたいのですが、1つは保健指導のことです。支援Bと か支援Aといろいろあるのですけれど、既にいろいろな自治体とか事業者がそれなりの 保健指導をやっていると思うのですが、それが今回これで定める指導に相当するのかど うかをどこで判定していただけるのか。自分たちがやっている指導が支援B、支援Aに 相当するということに関して、必ずしもわからない場合があると思うんですね。その問 い合わせ先みたいなものがまず設定されるのかということですが。 ○勝又保健指導室長 基本的には医療保険者と保健事業者との契約によって決められて いきますので、それを実施したかどうかということについては支払基金の方で見ていた だく。それに合わなければ返していただく。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず、基本的には保健指導は医療保険者と契約になります。 ですから、これだけのポイントをこういう形でこれだけの金額でやりますという中に、 AとBを定義することになります。ですから、うちは支援Aと支援Bを全部、例えば3 0分、40分やるけれども、ここには20分と書いてあるけれど我々はこれをこれだけ のポイントでやりますという契約もあるようです。それは医療保険者との間でまず決め られる。そのときの最低基準、今回決めているのは保健指導と呼ぶ最低基準だけ決めて いるんです。ですから、それ以上やっていただくことも可能なんです。時間だとか中身 について増やすことも可能です。ただし最低基準だけは、例えば時間はこれだけやると いうこと、基本的に中身はこれだけということを医療保険者との間で決めてやっていた だければいいという形です。 ○松田委員 基本的には今年からモデル事業も少しやらないと間に合わないと思ってい るので、地域でそういうことをやろうとしているわけですが、そのときにそれが相当す るのかどうかを確認するのに、そこの保険者に聞くということになりますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 基本的には医療保険者との話の中で決められます。私ども は、その保険者が決めているものが最低基準に合っているかどうかを見ているだけです。 ○松田委員 その辺の連絡はお互いにできているという認識でよろしいでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 それはこれからこのガイドラインで明確に示すことになり ます。 ○松田委員 わかりました。2点目ですが、既に準備しなければいけないのは医療保険 者が受ける健診・保健指導の評価方法ということですが、いろいろな様式が示されてい ますが、例えばこの中でマストといいますか、必ずやらなければいけない様式案などは 決まっているのでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 マストは特にないです。マストは基本的に計画で、どこま でがマストかは難しいのですが、将来加算減算になるものをマストだと考えるのであれ ば、受診率とか健診・保健指導実施率、減少率という形になると思います。 ○松田委員 具体的にはシステムを組まなければいけないので、標準的なものを決めて いただいた方がよろしいかと思うんですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 最低限決めているのは、支払基金に毎年報告する報告書が ありますね。事業報告が法律に定められている報告書があります。それはマストです。 支払基金に毎年報告するものだけがマストです。 ○松田委員 例えばこの中で、様式7がマストということではないわけですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 様式7はマストではありません。 ○松田委員 ひな形を示していただかないと、多分システムがつくれないですよね。例 えば様式1から5まであるのですが、特に3もそうですが、この辺は基本的には特定健 診と余り関係ない部分だと思うんですね。既に医療に入っている人たちの分析になりま すので、ですからここをシステム化するということは余り考えていないのですが、特定 健診そのものの評価をするためのシステムも組んでいかなければいけないので、できれ ば標準的なものをお示しいただけるとありがたいです。 ○矢島生活習慣病対策室長 このガイドラインに示しているのは、一応標準的な物の考 え方だということでお示しさせていただきます。マストではありません、義務ではあり ません。 ○松田委員 ただ、保険者……、そういう形だとシステムがつくれないと思うんですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 保険局で示しているものもございますので、特定健診につ いてはそちらを見ていただければわかると思いますが。 ○松田委員 もう一つ、最後の3つ目です。今回は保健指導を5年間に限り看護師がで きるという形になっていますが、小さい事業者等で考えてみますと、その保健指導をず っとやってきた看護師が5年たったところで使えなくなってしまうのは、非常に苦しい 場面になってくると思うのですが、例えばその間、生活習慣病指導看護師のような専門 資格をつくっていただくようなことは想定されているのでしょうか。 ○勝又保健指導室長 初回面接で評価をすることができないということだけでありまし て、あとの実践については看護師さんで5年たってもやっていただけるわけですので、 そちらの方で活用していただくということで、産業分野の方、あるいは医療保険者の方 の御了解が得られてこういう形になっているということでございます。 ○松田委員 わかりました。 ○久道部会長 少し進みます、よろしいでしょうか。 ○多田羅委員 1つだけ。先ほど聞き落としたので、例の75歳以上の方のことですが、 75歳以上人口は現在でも1,000万人、将来は2,000万人と大変な人口になってくるわけ で、この人たちの健康管理は非常に重要なのは言うまでもないと思うのですが、この形 で見ると、例の健診・保健指導と違って健康診査と保健指導が別の実施主体となってい ますね。しかも保健指導の方は「本人の求めに応じて」となっていて、管理というか行 政から手を伸べる形になっていないのですが、健康診査の結果をもとにこうした保健指 導とか、あるいは介護予防ですね、そういう仕組みはここではどういうふうに位置づけ られるのでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 基本的には、介護保険の方がメインになっていくと考えて います。介護保険の予防事業がありますので、むしろ介護保険の方に引き継がれていく という考え方になっております。 ○多田羅委員 健康診査を受ける以上、そのことが介護予防なりの特定高齢者という形 に当然なっていかないといけないわけですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。 ○多田羅委員 だからそういう仕組みは、ここにちょっと示されていただいてもいいよ うに思うのですが。保健指導は本人の求めに応じてというのはちょっとわからないので、 制度として健康診査の後をフォローしていくというシステムが、75歳以上の場合特に必 要なのじゃないかと思うのですけれども。 ○矢島生活習慣病対策室長 これは資料3−2の5ページになりますが、先ほど簡単に しか御説明しなかったのですが、「本プログラムは、医療保険者が義務として実施する 特定健診及び特定保険者の対象者である40歳から74歳を主たる対象としてとりまとめ られたものである。このうち、65歳から74歳の高齢者については、地域支援事業(介 護予防)の対象ともなっていることから、その連携方策について示した」ということで、 基本的にはこのところについては地域支援事業を活用しましょうということが示されて います。ですから、基本的にはこの部分については……。 ○多田羅委員 これは示されていませんね。 ○矢島生活習慣病対策室長 ですから、それは介護予防の方に譲りますと書いてあるん です。ここは、地域支援事業は私たちの所管ではないので、そこで地域支援事業の方に ……。 ○多田羅委員 ちょっと触れていただくと……、そっちになっているのだったらなって いると触れていただかないと、制度として独立したものになってしまって。 ○矢島生活習慣病対策室長 なるほど。一応そういう検討を行ったということを明示さ せていただいていますので、それがわかりやすく、もう少しわかるような。 ○多田羅委員 70歳以上の人はどのように流れていくのかが、このページを見てややわ かるようにはしていただきたいと思うのですが。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい、わかりました。そこは工夫させていただきたいと思 います。 ○内田委員 今の健診の問題に関しましても、多田羅先生がおっしゃるように、まだ全 然決まっていないというか非常に不明確で、これを丸ごと市町村に投げてしまっても、 恐らく非常に混乱すると思うんですね。今後、行政の方でどこが責任を持ってやってい くのか。今は健康局でこの健診・保健指導はやって、一方で老健局でがん検診などをや っている。今後その辺の整合性をしっかりとらないと、健診を実施する市町村なり、あ るいは現場が非常に混乱すると思いますので、財源的な問題も含めてどこがイニシアチ ブをとってやっていくのかを整理しておいてもらった方がいい。あるいはそれを検討す る場をどこかでつくってもらいたいということです。 ○久道部会長 何かありますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 今の御指摘は大事なことだと認識はしております。 ○坂本委員 混乱するということだけは……。 ○久道部会長 大橋市長さん、どうですか。特にないですか。今、市町村のことがいっ ぱい出たのですが。 ○大橋委員 皆さんよく御存じで、内田委員が言ったとおりでありまして、混乱すると 言うかもしれないですが、私は混乱してもやらなければいけないと思うんですね。先ほ ど言ったように実施していないじゃないかと。いかに実施させるかということが我々の 務めであります。本当にこれはよくできているなと思って、基本ここまでやらなければ、 補助金のお話も出ましたよ。だから、ここまでやらなきゃ補助金を出さない、ペナルテ ィをくれるようなあれにしてほしいですね、そちらで。そうすればみんなやります。い かにやってもらうかが私たちの務めですから。 ○久道部会長 はい。それでは、残っている議題がありますのでそちらに進みます。議 題4の「市町村の新たな健康増進事業について」。 ○矢島生活習慣病対策室長 お手元の資料4に基づきまして御説明しますが、今もちょ っと御議論に出たところなので、今回、老人保健法の改正によってどう変わったのかと いうことがわかりづらいということですので、1枚紙にまとめさせていただいたもので す。  「市町村の新たな健康増進事業について」ということで、健康増進法第17条に位置づ けられる健康増進事業及び第19条の2の厚生労働省令で定める健康増進事業という形 です。この経緯は、先ほどから何度も議論がありましたように、老人保健法の改正によ りまして、これまで市町村がおやりになってきた老人保健事業のうち、医療保険者に義 務づけられない事業については市町村が健康増進法に基づき実施することとされており ます。ですから、医療保険者に義務づけられないものにつきましては、従来どおり市町 村は健康増進法に基づき実施することとなっております。  この辺が、注にありますように、「医療保険者には、糖尿表に着目した健診・保健指 導が義務づけられているという先ほどの話と、健康増進法等の『等』には介護保険法を 指し、具体的には地域支援事業における介護予防事業が含まれる」という考え方です。  具体的な事業として、健康増進法に位置づけられる市町村における新たな健康増進事 業ば、以下の8事業ということで、がん検診。これにつきましては、財源は一般財源化 されております。次の歯周疾患検診、3番目の骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、(5) は高齢者の医療の確保に関する法律の、要するに含まれない40歳以上の住民がいる、具 体的には生活保護の方で社会保険未加入の方がいらっしゃいますので、この方々は医療 保険者のところに入っていらっしゃいませんので、そういう方々については40歳以上で ございますので、健康増進法を根拠に同じ特定検診と同様の検査を実施していただくこ とになります。  40歳以上65歳未満の住民に対する健康手帳の交付、健康教育、健康相談、機能訓練 及び訪問指導。従来の老人保健法に規定されているものですが、これについても従来ど おり市町村でやっていただくという整理になっております。  以上でございます。 ○久道部会長 大分整理がついたような感じがしますが、何か御意見、御質問はありま すか。  よろしいでしょうか。  それでは、次の議題5です。「健やか生活習慣国民運動について」であります。お願 いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 お手元の資料5に基づきまして御説明させていただきます。 「健やか生活習慣国民運動(仮称)」でございます。今年度の予算が通りまして、具体的 に御説明させていただくものになります。今年度に予算が計上されておりまして、国民 運動をしていこうということでございます。  1ページでございますが、これまでのポピュレーションアプローチの課題ということ で、先ほども健康日本21の評価項目が多過ぎるという話をさせていただきました。9分 野70項目でありまして、余りにも数が多過ぎるという御指摘がございました。健康日本 21の目標達成に向けた効果的なプログラムです。今回標準的な健診・保健指導プログラ ムをつくらせていただきました。いろいろなツール、学習教材を含め、保健指導の実践 例とかツールも今回用意させていただきましたが、今まではそういうものが不十分であ った。普及啓発がどうも行政や外郭団体中心であった、特に都道府県・市町村を中心と いう形であったけれど、産業界を巻き込む社会全体となっていなかったのではないだろ うかという指摘がございます。  そういうことも含まれまして、産業界も巻き込んでやっていこうという形で、特に重 点分野、今回の健康日本21の中で「運動・食事・禁煙」にスポットを当てるという考え 方です。「運動・食事・禁煙」を重点分野として絞り、ターゲットを明確にして戦略的 で効果的な運動を推進していこうという形で着火点、まず初めといたしまして、子供の ときからの食育に着目した形でやっていく。子供のときからの、例えば「早寝朝起き朝 ごはん」という国民運動がございますが、そういうものも活用しながら、食育を1つの 着火点にして始めてはどうかという考え方です。社会全体を巻き込むという意味で、今 回も医療保険者に健診・保健指導を義務づけられますが、そういう意味で社員、家族へ の普及啓発など、医療保険者を通じてもっと積極的にやっていく仕組みもできるのでは ないか。社会貢献活動ですとか経済活動の一環としての国民運動をやっていくことがで きるのかということで、健やか生活習慣国民運動全国協議会を立ち上げたいと考えてお ります。ここは今までの地域社会だけではなく、産業界も巻き込んだ形で進めていきた いということでございます。  2ページですが、具体的には平成18年度は、まだ予算がとれていない段階では準備だ けはさせていただきまして、関係省庁への働きかけ等を準備しております。今年度平成 19年度でございますが、一番下のところです。年度当初に、まず5月を目標ですけれど も、連休明けの5月に国民運動の準備会議。これは関係のなるべく多くの方々と日程を 調整させていただきまして、できれば5月中に準備会議なるものをやりたい。ここでは 関係者の方々にまずお集まりをいただいて、合意形成というのでしょうか、そういうも のをさせていただく。徐々に各団体の試行的取組、いろいろな取組をしていただく。例 えばマスコミの関係ですと、経済新聞ではメタボ撲滅キャンペーンをやっていただいて いますし、最近もいろいろな方々がいろいろな事業をやっていただいています。それか ら、伊能忠敬の上映運動、これは俳優座でございますが、別添という形で2枚ほどめく っていただきますと、そのスライドを用意させていただいていますが、伊能忠敬が18 年間で4,000万歩歩きながら歩行実測で日本地図をつくったということで、できれば地 域を歩いて、自分の地域の地図をつくりましょう、自分でよく行くところの地図をつく りましょうという運動のような形です。伊能忠敬のような生き方、健康で異常なしとい うことでございますので、人生80年を超える社会でございますので、団塊の世代の方々 が定年退職された後も、第二の新しいこういうものも考えていただくということも1つ のきっかけになるのではないかということです。実は主演の加藤剛さんは、健康日本21 推進国民会議の委員を務めていただいておりまして、私どももこれを積極的にPRさせ ていただいているところでございます。こういう上映運動をしながらやっていく。  実は今年の健康日本21推進全国大会は、9月に福井県で開催されることが既に決まっ ております。9月における福井県での健康日本21推進全国大会を使いながら、よりプレ イベントという形で先駆的な取組を全国から募集するなど、いろいろなことをしながら 盛り上げていき、年明けでございますが、2月に国民運動のプレイベントを開催したい。 年度の終盤でございますが、そういう形でプレイベントを2月に都内で開催させていた だきまして、いろいろな団体への周知徹底を図りながら、平成20年度当初、今度の医療 制度構造改革があります、平成20年度4月でございますので、なるべくなら新しい制度 が始まりました4月下旬を目標にして、いろいろな記念行事をやりながら国民運動全国 協議会を発足したい、進めていきたいと思っています。将来的には、平成21年度以降は この国民運動参加団体、企業の拡大を図りながら、国民運動として広げていくことを進 めているところでございます。  次の3ページをお開きいただきたいと思います。具体的な体制でございますが、具体 的には事務局を健康体力づくり財団にお願いしようと考えております。そこにできれば 国民運動推進基金 (仮称) を設置いたしまして、産業界の方々からもいろいろな形で基 金を募って事業を継続的に展開していく。そういうものをこれからつくっていきたいと 考えておるものでございます。  4ページは、具体的にどういうものを考えているのか、これはまだ案でございます。 これから関係のところと準備会議等をしながら具体的に詰めていかなければいけません が、その議論のたたき台といたしまして、例えば生活習慣病予防全国キャンペーン、2 番目として国民運動連携事業の登録促進、3番目は「ヘルシーサポート企業」制度 (仮 称)、4番目といたしまして、国民運動のホームページをつくったり、子供のころからの 健やか食生活、要するに食育のキャンペーンを行うとか、こういうものを具体的に考え て1つの例示、これをたたき台に進めていきたいと思っています。  5ページでございますが、実践促進という形で、例えば保健医療・教育関係者等食育 講習事業の実施ですとか、食育支援者派遣事業はどうかという形で、平成19年度といた しましては、「メタボリックシンドローム予防戦略事業」という形で予算が用意されて おりまして、都道府県20カ所程度ですが、補助率2分の1ということで1,800万円程度 の事業規模、これは補助率2分の1ですので倍の規模の事業費になると思いますが、予 算がございますのでこういうものを活用しながら、具体的な実践を進めていきたいと考 えているところでございます。  以上でございます。 ○久道部会長 どうもありがとうございます。今の説明に何か御意見ございますか。  これからの運動のことでありますが、何かございますか。  なければ、まだ時間がありますが、ぜひとも聞いておきたいということ、聞き忘れた こと、何かあれば、前にさかのぼっても結構ですが、ないでしょうか。  ないようですので、議題「その他」は何かございますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 特にございません。 ○久道部会長 それでは、次回の日程等についての説明をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 次回の部会は、後日ですが日程を調整の上また御連絡させ ていただきたいと考えております。 ○久道部会長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとう ございました。(了) 【問い合わせ先】  健康局総務課生活習慣病対策室  調査総務係    電話 03−5253−1111(内線2346)