資料1

第298回ILO理事会の概要

【会期・場所】   平成19年3月8日(木)〜3月30日(金)ILO本部(ジュネーブ)
【主な出席者】 政府側   :松井厚生労働省総括審議官 ほか
労働側   :中嶋連合国際代表(ILO理事)ほか
使用者側:鈴木日本経団連国際協力センター参与(ILO理事)ほか

【主な結果】

1.理事会本会議

・  2009年ILO総会(第98回総会)の議題について検討が行われ、事務局が提示した複数の議題案のうち、[1]「新しい人口動態における雇用及び社会保護」(高齢化問題)、[2]「ディーセント・ワークの核心におけるジェンダー平等」が国際労働基準策定を前提としない一般討議の対象として選ばれるとともに、[3]「仕事の世界におけるHIV/AIDSへの国家的対応の強化」について同年を含め2回の討議を経て勧告が策定されることとなった。

・  ILOとISO(国際標準化機構)の労働安全衛生マネジメントシステムに係る分野の協働に関して議論が行われ、同分野がILOの中核的な任務であること等の意見により、ISOに対して、右システムに関する国際規格作成を差し控えることを要求する等の結論が採択された。 (なお、ILOとISOの間での協力については、企業の社会的責任(CSR)分野で進捗があることについて、多国籍企業小委員会(MNE)で報告された。)

・  理事会前に、ILO事務局とミャンマー政府が強制労働申し立てメカニズムについて合意文書を結んだことを踏まえた議論が行われ、同メカニズムの試行を見守ると共に、国際司法裁判所(ICJ)に参考意見を求めることを延期すること等を内容とする結論が採択された。

・  ベラルーシにおける労働組合権の侵害について議論が行われ、全ての労働者組織・使用者組織が自由に活動・登録できるよう同国政府に求めること等を内容とする結論が採択された。

2.結社の自由委員会(CFA)

・  標記委員会の報告書が本会議において採択された。報告書中、我が国関連では、公立学校教員の団体交渉権等に係る件等について言及があった。

3.計画・財政・管理委員会(PFA)

・  2008-09年計画・予算案が審議された。当初7.4%増としていた事務局提案について、これを6.9%増へと変更する修正提案が事務局より出され、数カ国の反対はあったものの、理事会として、この修正提案の額(635百万米ドル/2ヶ年)で本年総会に諮ることとされた。

・  地域機構(本部以外の各地域のILO事務局組織)のレビューに関してのTOR(権限範囲)について議論が行われ、理事国等からの指摘を踏まえた事務局による再提出を経て決定された。

・  監査活動(外部監査含む)に関して提言を行う独立監査諮問委員会(IOAC)設置について、今後引き続き議論されることとなった。

・  標記委員会付属の建物小委員会(PFA/BS)では、前回に引き続き、老朽化が進むILOの本部ビルの修繕の費用の一部に充てるための不動産売却等について議論が行われ、事務局は売却交渉を行ってよいが、売却決定に先立ち、改修の修繕費用の全体の捻出方法を理事会に示すこととされた。

4.法令問題及び国際労働基準委員会(LILS)

・  既批准条約の国内適用状況報告サイクル見直し(具体的には、条約数・加盟国数増大に伴う加盟国・事務局双方の負担減のためのサイクル延長)等について議論が行われ、11月以降も引き続き議論されることとなった。

5.部門別技術委員会(STM)

・  今後の部門別活動のあり方について議論が行われ、現在22ある部門が8つのグループに再編成されると共に、グループ毎の活動に係る協議体を設けることとなった。

6.グローバリゼーションの社会的側面に係る作業部会(WP/SDG)

・  ラミーWTO事務局長、チリ、インドの労働大臣等による「貿易と雇用」に係るILO/WTO事務局共同研究に関するパネルディスカッションが行われた。


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