平成19年4月4日



 
薬事・食品衛生審議会
医薬品等安全対策部会
安全対策調査会
 

リン酸オセルタミビル(タミフル)の副作用報告等
を踏まえた当面の対応に関する意見

タミフルについての当面の対応に関する意見は、次のとおりである。

第1 本日の検討

本日、当調査会は、平成19年3月20日までに企業から報告された1,079人、1,465件の副作用報告及び翌21日から同年4月3日までに企業から報告された185人分の副作用報告(未整理分のもの)等について検討を行った。

本日の検討では、タミフルの服用と転落・飛び降り又はこれらにつながるような異常な行動や突然死などの副作用との関係について、結論は得られていない。

今後、詳細な検討を行うなど、第3に示すような取組を行うことが必要である。

第2 現在講じられている措置

3月20日に緊急安全性情報を発出し、次のような措置が講じられている。当面の措置としては、現在講じられている措置を継続することは妥当と考えられるが、医療従事者に対する注意喚起の徹底に一層努力するとともに、患者・家族等へのインフルエンザ等の基礎知識の普及に努める。

ただし、現在講じられている措置については、新たに設置するワーキンググループにおいて更に検討を行う。






   




10歳以上の未成年の患者は、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
小児・未成年者は、本剤による治療が開始された後は、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて、患者・家族に対し、説明を行うこと。
インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。
   

タミフルを服用していない場合においても、インフルエンザの臨床経過中に転落・飛び降り又はこれらにつながるような異常な行動の発現がみられる。

この点について医療関係者は注意すべきであり、関係団体は、医療関係者に注意喚起すべきと考えられる。

第3 今後必要と考えられる取組

本問題の解明に資するよう、次のような基礎的研究を実施し、その結果を当調査会に報告することが適当である。

  • タミフルの神経生理学的な作用を更に明らかにするためのタミフルの脳内(中枢神経)への移行等

タミフルの安全性について、次のような臨床的な側面及び基礎的な側面から詳細な調査検討を行うため、当調査会の下に、(1)タミフルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ(仮称)(以下「臨床WG」という。)及び(2)タミフルの基礎的調査検討のためのワーキンググループ(仮称)(以下「基礎WG」という。)を設け、その結果を当調査会に報告させることが適当である。

(1) 臨床WG
  •  転落・飛び降り又はこれらにつながるような異常な行動、突然死等の副作用についての詳細な調査検討、またインフルエンザハイリスク患者に特有な問題の有無の検討
  •  今後の臨床研究の計画、結果等についての検討
  •  平成18年度厚生労働科学研究費補助金「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」の結果等についての検討
(2) 基礎WG
  • 今後の基礎的研究の計画、結果等についての検討

平成18年度厚生労働科学研究費補助金「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」の結果を臨床WG及び当調査会に報告する。

企業及び厚生労働省は、引き続き、タミフルに関する国内外の安全性情報の収集に努め、必要に応じ、迅速かつ適切な対応をとるべきである。

照会先:医薬食品局安全対策課
電 話:03−3595−2435


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