07/03/12 第4回疾病・障害認定審査会議事録 第4回疾病・障害認定審査会                    日時 平成19年3月12日(月)11:00〜12:00                    場所 厚生労働省・省議室 岡部総務|それでは、定刻になりましたので、ただいまから第4回疾病・障害認定審査を 課長  |開催いたします。 |私は健康局の総務課長で岡部と申します。しばらくの間、会議の進行の方を担 |当させていただきます。 |先生方には、大変お忙しい中、お集まりをいただきまして、ありがとうござい |ます。 |まず最初に、お手元にお配りしております資料等の確認をさせていただきたい |と思います。 |資料の方でございますが、一番上の資料といたしまして、本日の座席表。それ |から、続きまして、議事次第。それから、資料1といたしまして、疾病・障害 |認定審査会委員名簿。資料2といたしまして、厚生労働省組織令。疾病・障害 |認定審査会令。資料3といたしまして、疾病・障害認定審査会運営規程。資料 |4といたしまして、疾病・障害認定審査会について。資料5といたしまして、 |感染症・予防接種審査分科会について。資料6といたしまして、原子爆弾被爆 |者医療分科会について。資料7といたしまして、身体障害認定分科会について。 |以上が、本日お配りさせていただいております資料でございます。不備等がご |ざいましたら、事務局の方までお申しつけをいただければと思っております。 |本日のこの審査会には、委員27名中17名の委員の方々に御出席をいただいて |おります。したがいまして、過半数を超えておりますので、会議が成立いたし |ますことを、まず御報告させていただきます。 |それでは、続きまして、当疾病・障害認定審査会の委員への御就任をお願いし |ておりました先生方につきましては、去る2月16日に任期が満了を迎えたとこ |ろでございます。このたび、改めて先生方に委員の御就任をお願いいたしまし |たので、ここで御紹介を申し上げさせていただきます。 |お手元の資料1を御参照いただきたいと思います。 |まず、感染症・予防接種審査分科会の委員の先生方を、御出席の先生方の方を、 |御紹介させていただきたいと思います。 |東京都老人医療センター感染症科部長の稲松委員でございます。 稲松委員|よろしくお願いします。 岡部総務|それから、東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野教授の岩本 課長  |委員でございます。 岩本委員|岩本です。よろしくお願いいたします。 岡部総務|東京女子医科大学小児科主任教授の大澤委員でございます。 課長  | 大澤委員|大澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 岡部総務|それから、横浜市青葉区福祉保健センター長の古賀委員でございます。 課長 | 古賀委員|古賀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 岡部総務|国立感染症研究所感染病理部長の佐多委員でございます。 課長 | 佐多委員|佐多です。よろしくお願いいたします。 岡部総務|それから、引き続きまして、原子爆弾被爆者医療分科会の先生方を御紹介させ 課長  |ていただきます。 |グランドタワーメディカルコートライフケアクリニック所長の伊藤委員でござ |います。 伊藤委員|伊藤でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|国際医療福祉大学副学長の佐々木委員でございます。 課長 | 佐々木委|佐々木でございます。よろしくお願いいたします。 員 | 岡部総務|日本赤十字社長崎原爆病院第2外科部長の谷口委員でございます。 課長 | 谷口委員|谷口でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|社団法人広島市医師会長の平松委員でございます。 課長 | 平松委員|平松です。よろしくお願いいたします。 岡部総務|東京医科大学病院副院長の山科委員でございます。 課長 | 山科委員|山科でございます。よろしくお願いします。 岡部総務|独立行政法人放射線医学総合研究所理事長、米倉委員でございます。 課長 | 米倉委員|米倉でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|それから、続きまして、身体障害認定分科会の先生方を御紹介させていただき 課長  |ます。 |慶應義塾大学名誉教授の小口委員でございます。 小口委員|小口でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|虎の門病院健康管理センター部長、原委員でございます。 課長 | 原委員 |原でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科医長、町田委員でございます。 課長 | 町田委員|町田でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科教授、松島委員でございます。 課長 | 松島委員|松島でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院長、柳澤委員でございます。 課長 | 柳澤委員|柳澤でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|藤田保健衛生大学医学部形成外科学教授、吉村委員でございます。 課長 | 吉村委員|吉村でございます。よろしくお願いいたします。 岡部総務|なお、本日、御出席いただいております先生方以外で、感染症・予防接種審査 課長  |分科会の飯沼委員、岡部委員、永井委員、桃井委員に、委員の御就任をお願い |しております。また、原子爆弾被爆者医療分科会の藤原委員、泉二委員にも御 |就任をお願いしております。身体障害認定分科会につきましては、赤川委員、 |飯野委員、佐藤委員、原田委員に、委員の御就任をお願いしておるところでご |ざいます。 |なお、委員の先生方のお手元に、厚生労働大臣から2月19日付の辞令をお配り |させていただいております。御確認の上、お受け取りをいただければというふ |うに思っております。 |続きまして、当審査会の事務局を御紹介申し上げます。 |私、健康局の総務課の岡部でございますが、疾病・障害認定審査会及び原子爆 |弾被爆者医療分科会の事務局を担当させていただいております。なお、本日は |先生方に改めて委員の御就任をお願いした最初の総会となりますので、会長の |選出をお願いしたいと思いますが、それまでの間、私が議事進行をさせていた |だきます。 |続きまして、感染症・予防接種審査分科会の事務局は、健康局結核感染症課長 |の三宅が担当いたします。 三宅結核|三宅でございます。よろしくお願いいたします。 感染症課| 長 | 岡部総務|引き続きまして、身体障害認定分科会の事務局は、障害保健福祉部企画課長の 課長  |藤木が担当いたします。 藤木企画|よろしくお願いします。 課長 | 岡部総務|続きまして、関係部局長から御挨拶を申し上げます。 課長  |まず、原子爆弾被爆者医療分科会及び感染症・予防接種審査分科会を担当いた |します、健康局長の外口から御挨拶を申し上げます。 外口健康|健康局長の外口でございます。第4回疾病・障害認定審査会の開催に当たりま 局長  |して、御挨拶を申し上げます。 |本日は大変お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 |また、常日頃より厚生労働行政の推進に格別の御協力、御尽力を賜りまして、 |この場をおかりいたしまして、改めて厚く御礼申し上げる次第でございます。 |また、このたび、当審査会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがと |うございます。重ねて御礼申し上げます。 |この疾病・障害認定審査会は、それぞれの法令に基づきまして、予防接種によ |る健康被害の認定、原爆に起因する負傷や疾病の認定、及び身体障害認定に係 |る都道府県等からの疑義照会に対する判定を行うものでありまして、この審議 |内容は極めて専門的、かつ、個別的なものとなっております。このため、審査 |会の下に、感染症・予防接種審査分科会、原子爆弾被爆者医療分科会、身体障 |害認定分科会という3つの分科会を設けまして、それぞれの分野を代表する先 |生方に御参加いただいております。今後、開かれます各分科会におきましても、 |その専門的見地から忌憚のない御意見を頂戴できれば、大変ありがたいと考え |ております。 |私どもといたしましても、事務局として会議の円滑な運営に努力してまいりま |すので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 岡部総務|続きまして、身体障害認定分科会を担当いたします障害保健福祉部長の中村よ 課長  |り御挨拶を申し上げます。 中村障害|障害保健福祉部長の中村でございます。 保健福祉|この審議会の全体の趣旨、あるいは各分科会の役割については、健康局長の方 部長  |からお話がございましたけれども、私どもの方としては身体障害認定分科会を |担当させていただいております。どうかよろしくお願いいたします。 岡部総務|なお、障害保健福祉部長の中村は、国会の用務のため、ここで退席させていた 課長  |だきます。 |それから、先ほど申し上げましたけれども、当審査会の会長の御選任を引き続 |きましてお願いいたします。 |疾病・障害認定審査会令第四条には、「審査会に会長を置き、委員の互選によ |り選任する」とあります。事務局といたしましては、これまで会長をお願いし |ておりました柳澤委員に引き続き会長をお願いしたいと考えておりますが、い |かがでございましょうか。 |〔拍手多数〕 岡部総務|それでは、御賛同いただけましたようでございますので、柳澤委員に当審査会 課長  |会長をお引き受け願いたいと思います。よろしくお願いいたします。 |それでは、以降の議事の運営につきましては、柳澤会長にお願いいたします。 柳澤会長|ただいま会長を仰せつかりました柳澤でございます。 |委員の皆様方におかれましては、この3つの障害に関する会議がございますけ |れども、恐らく昨年施行されました障害者自立支援法などとの関係で、これか |らもいろいろな機会に審議いただくことがあると思いますが、ぜひ御協力いた |だきまして、この審査会の進行を円滑に進めてまいりたいと思います。どうぞ |よろしくお願いいたします。 |それでは、これからの議事を、私の方で司会をさせていただきます。 |まず、会長代理の指名ということでございますが、会長に事故があるときに、 |あらかじめ指名する委員が職務を代行するという審査会令第四条第三項に従い |まして、会長代理を指名させていただきたいと思います。前回の会長代理をお |願いいたしました小口芳久委員に引き続き会長代理をお願いしたいと思います |が、よろしゅうございますでしょうか。 |〔拍手多数〕 柳澤会長|どうぞよろしくお願いいたします。 |それでは、議事次第4のところまで終わりましたが、議事次第5の疾病・障害 |認定審査会の運営につきまして、事務局から了承を得たいという件がございま |すようですので、事務局の方から説明していただきたいと思います。 |どうぞ。 岡部総務|それでは、事務局から分科会の議決等についてお諮り申し上げます。 課長  |審査会令の第五条第六項には、「審査会は、その定めるところにより、分科会 |の議決をもって審査会の議決とすることができる」とございます。これを受け |て定められております運営規程では、第四条で、「分科会の議決は、会長の同 |意を得て、審査会の議決とすることができる」ことになっております。当審査 |会では、これまでも各分科会のそれぞれの分野で鋭意御審査いただいており、 |大変円滑に、かつ、滞りなく議事を進行していただいておりますので、分科会 |の議決をもって審査会の議決とさせていただくことについて、会長から包括的 |に御承認をいただけましたら、引き続きそのような取り扱いをさせていただき |たいと存じます。 |また、運営規程の第二条には、「会長は、厚生労働大臣の諮問を受けたときは、 |当該諮問を分科会に付議することができる」とございますが、諮問の内容が、 |例えば、予防接種に関する健康被害の認定に関することでございますれば、感 |染症・予防接種審査分科会に付議するというように、これまでと同様に、諮問 |のそれぞれの内容に応じて、会長にその都度お諮りをせず、包括的に適宜、適 |切な分科会へ付議するということでよろしゅうございましょうか。 柳澤会長|ただいまの説明にございますように、従来からの運営のしきたりといたしまし |て、分科会の議決をもって審査会の議決とするということで、会長の了承の下 |にということがついておりますが、本審査会におきましてもそのような運営を |したいということでございます。それから、諮問される内容につきましては、 |それぞれの分科会に諮問を諮るわけでありますが、それを事務的に進めるとい |うことでいかがであろうかということで、運営の方式といたしまして、そのよ |うな2点についての提案でございますが、いかがでございましょうか。よろし |ゅうございますか。 |〔異議なし〕 |それでは、そのような形で運営を進めていただくということにいたしたいと思 |います。 |それから、もう1つ、事務局の方からお諮りしていただきたい点がございます |が、それは、私どもは2月19日付で辞令をいただいているのでありますが、原 |子爆弾被爆者医療分科会が大変日程が立て込んでおりまして、大変御苦労して |作業を進めていただいておるわけでありますけれども、ほぼ毎月数十件の件数 |について審議をしていただいております。それにつきまして、2月19日から現 |在までの間に行われましたことにつきまして、事務局の方で報告をしていただ |きたいと思います。 |どうぞよろしくお願いします。 事務局(|2月26日に原子爆弾被爆者医療分科会が開催されておりまして、そのときに 野上) |89件、御審議していただいておりますので、その旨についても当分科会の議決 |という形でさせていただければというふうに考えております。 柳澤会長|ありがとうございました。 |ただいまのような次第で、既に行われております原子爆弾被爆者医療分科会の |審議につきまして、当審査会の議決とするということでございますけれども、 |よろしゅうございますでしょうか。 |〔異議なし〕 |では、そのように取り計らわせていただきます。 |それでは、続きまして、議事次第の6でございます、「各分科会の概要等につ |いて」ということで、順次各分科会の事務局から説明をしていただきたいと思 |います。 |まず最初に、感染症・予防接種審査分科会からお願いいたします。 事務局(|感染症・予防接種審査分科会の概要等につきまして、説明させていただきます。 皆尾) |お手元の資料5を御覧ください。 |感染症・予防接種審査分科会は、その審議の内容から大きく2つの部分に分か |れております。感染症法関係といたしまして、感染症の予防及び感染症の患者 |に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法で規定される任意命令や、検疫 |法に規定される隔離に対する処置の妥当性について、その審査請求に係る審査、 |また予防接種関係といたしまして、予防接種法によります予防接種健康被害の |認定に係る審査、及び同健康被害に係る給付の支給決定に関する審査請求の再 |審査を行うものでございます。 |感染症法関係につきましては、当分科会発足以来、審査対象となる案件はなく、 |主に予防接種後の疾病や障害などの予防接種健康被害の認定に関する審議を定 |期的に行っていただいているところでございます。 |また、予防接種関係につきましては、分科会の下に、医学的な見地から予防接 |種と発生した健康被害の因果関係について審議する予防接種健康被害認定部会 |と、行政不服審査法に基づきます審査請求に関する審議を行う予防接種健康被 |害再審査部会の2つの部会が設置されてございます。 |予防接種について簡単に説明いたしますと、次のページを御覧ください。予防 |接種法に規定されている対象疾病の一覧表でございます。BCGは、結核予防 |法の廃止に伴いまして、平成19年4月から予防接種法に組み入れられるのでご |ざいますが、現在でも健康被害の救済につきましては、予防接種法に基づく救 |済措置が行われているところでございます。 |これら定期または臨時の予防接種を受け、疾病、障害の状態になり、あるいは |死亡した場合、その状態に応じて救済措置が採られることとなっております。 |次のページを御覧ください。 |具体的な救済措置の概要を一覧表にしてございます。例えば、医療費・医療手 |当につきましては、認定された疾病に基づいた医療を受けた場合に支給される |給付等となります。また、障害児療育年金や障害年金は、次のページにござい |ますように、等級に応じて支給される年金となっております。 |当分科会はこれらの予防接種健康被害の救済申請がなされた際に、申請者の受 |けた予防接種と発生した健康被害の因果関係の有無を審査し、あるいは、障害 |の程度について検討を行うものとして設置されてございます。 |平成17年度と平成18年度の2年間で98件の申請について審議いただきました。 |審議結果といたしましては、認定が65件、否認が33件となっております。認 |定件数の内訳は、疾病について58件、障害について7件、死亡については該当 |がございません。 |なお、次のページでございますが、平成17年、18年度の認定につきまして、 |給付区分別、ワクチン別の認定状況が資料として配付されておりますので、御 |参考にしていただけたらと思います。 |また、関連法規等の抜粋を資料として付けさせていただいておりますので、後 |ほどお目通しをいただけたらというふうに思っております。 |簡単ではございますが、感染症・予防接種審査分科会の概要等につきましての |説明を申し上げました。 |以上でございます。 柳澤会長|ありがとうございました。 |それでは、続きまして、原子爆弾被爆者医療分科会の概要についての御説明を |お願いします。 事務局(|それでは、原子爆弾被爆者医療分科会の概要について説明させていただきたい 野上) |と思います。 |資料は、資料ナンバー6番を御覧いただければと思います。 |そちらにございますように、1の疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分 |科会では、広島・長崎の医療の現場で活躍をしていらっしゃいます医師を含む |専門家からなる委員により、原爆症の認定審査について個別に科学的・客観的 |な判断が行われており、平成13年2月21日の第1回分科会から現在まで、ほぼ |毎月にわたって計73回開催されています。 |原爆症の認定審査においては、個々人の被爆状況及び申請に係る疾病の状況に |ついて詳細に検討し、当該負傷または疾病が、原子爆弾の放射線に起因したも |のであり、かつ、現に医療を要する状態であるかについての判断を行い、また |当該負傷または疾病が原子爆弾の放射線に起因するものでないときは、その治 |癒能力が原子爆弾の放射線の影響を受けているため現に医療を要する状態にあ |るかについての判断を行っております。 |平成13年5月25日に原因確率に基づく認定の考え方を「審査の方針」と申して |おりますが、定め、これを公表し、認定審査の適正化を図っております。 |「審査の方針」は、原子爆弾被爆者に対する放射線の影響の科学的な推計方法 |として、原因確率という概念を新たに導入したものです。これは放射線影響研 |究所における12万人を対象とした疫学研究をはじめとした最新の知見を基に、 |個々人の被曝線量、被爆時の年齢、性別、疾病の情報から、その疾病が原子爆 |弾の放射線にどれだけ影響を受けているかを推定算出するものです。 |なお、個々の審査に当たっては原因確率を機械的に適用するものではなく、個 |々人の既往歴、環境因子、生活歴等も総合的に勘案して、個々の疾病の状況に |照らした判断を行っているものでございます。 |めくっていただきまして、2枚目以降、2枚目、3枚目が、原子爆弾被爆者医 |療分科会の活動実績でございまして、第1回から第73回まで示してございます。 |開催日時と答申の件数、また、その時に行いました議論の内容などを示してい |るものでございます。例えば、第4回の平成13年5月25日のときには、先ほど |申しましたが、「原爆症認定に係る審査の方針」について公開で議論して、 |「審査の方針」をいただいたところでございます。このような形で、直近、平 |成19年2月26日、第73回まで行っておりまして、4千件強の答申をいただいて |いるところでございます。 |もう1枚めくっていただきまして、4ページでございますが、原爆症認定の概 |要でございます。左側のところにございますが、被爆者(被爆者健康手帳保持 |者)、約26万人の方々から、都道府県を介しまして申請がございましたものに |対しまして、原爆症認定の審査をするものでございます。これを、右側にござ |います疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会に対して諮問、答申と |いう形になっているところでございます。先ほども申し上げました審査の方針 |に基づきまして、その申請された負傷または疾病について、Iの原爆放射線に |起因するものかというものを御議論いただいております。放射線起因性という |ものでございます。もう1つ、大きく2番目、現に医療を要する状態にあるか、 |要医療性というものでございます。この2つについて大きく議論していただい |ているところでございます。 |放射線起因性につきましては、(1)原爆投下時の状況から、申請者の放射線量を |推定。(2)原因確率(申請病名の発生が原爆放射線によるものであると考えられ |る確率)を算出し、(3)申請者の既往歴、生活歴等を総合的に判断するものでご |ざいます。IIの現に医療を要する状態にあるか、要医療性につきましては、放 |射線起因性がある場合のみ判断をしていくというような形で審査をしていただ |いております。 |もう1枚めくっていただきまして、5枚目でございますが、さらに、先ほど申 |しましたものを詳しく説明させていただいているところでございます。左側の |流れでございますが、Iの原爆放射線に起因するかというところでございます |が、(1)被爆の状況から、初期放射線量を推定し、(2)原因確率及び閾値を目安と |して、「高度の蓋然性」の有無を判断しているところでございます。この原因 |確率が概ね50%以上の場合には、一定の健康影響があると推定し、概ね10%未 |満である場合には、当該可能性は低いものと推定。さらに、原因確率等を機械 |的に適用するものではなく、当該申請者の既往歴、環境因子、生活歴等も総合 |的に勘案して、個別に判断をしておるところでございます。 |具体例といたしましては、右側の下にございますが、原因確率算出の例でござ |います。例えば、14歳のとき、広島で爆心地から1.5キロの地点で被曝し、そ |の後、「大腸がん」に罹患した男性の場合、1.5キロ地点で被曝したことから、 |初期放射線量が50センチグレイと推定され、この50センチグレイを男性の大腸 |がんに関する原因確率の表に当てはめますと、被爆時年齢14歳の場合は30.3% |と算出し、さらにその他の既往歴等も踏まえまして、総合的に検討し、蓋然性 |があるというふうに判断されるものでございます。このような形でさらに要医 |療性も御判断いただいた上で認定していく流れになっております。 |以上でございます。 柳澤会長|ありがとうございました。 |それでは、続きまして、身体障害認定分科会につきましての説明をお願いいた |します。 事務局(|それでは、身体障害認定分科会の概要につきまして、お手元の資料7でござい 藤木) |ますが、御説明をさせていただきます。 |身体障害認定分科会でございますけれども、これは都道府県、指定都市、それ |から中核市が、身体障害者手帳の交付事務を自治事務として行っておりますが、 |その身体障害者手帳の交付を行うに当たりまして、法の別表で定めております |障害に該当するか否か、最終的には都道府県、指定都市、中核市が判定するも |のでございますけれども、それに疑いがある場合、身体障害者福祉法施行令の |規定に基づきまして、各都道府県知事より厚生労働大臣あてに認定を求めるこ |とができることとされております。この認定の求めを厚生労働大臣が受けた場 |合に、厚生労働大臣は疾病・障害認定審査会に諮問を行うこととされていると |いうことでございます。 |今、この身体障害者手帳の交付事務は平成12年から自治事務になっているとい |うふうに申し上げましたが、したがいまして、この施行令に基づく都道府県知 |事からの認定を求める事例は極めて少なくなっておりまして、平成13年度に3 |件、平成15年度には1件の審議をいただいたということになっております。 |また、あわせまして、地方自治体が手帳交付事務を行う際のガイドラインであ |る身体障害認定基準等の改正におきましても、必要に応じて医学的・専門的見 |地から審議を行っていただいているところでございます。 |今の概要を少し模式図にいたしましたのが2ページ目でございます。「身体障 |害認定分科会の役割と活動について」というところでございます。 |自治事務として手帳の交付事務を行う都道府県・指定都市・中核市から、(1)厚 |生労働大臣への認定の求め、判断に疑いがある場合の認定の求めでございます。 |それを受けた厚生労働大臣といたしましては、この当審査会・分科会の方に諮 |問を行い、その答申を受けて、その答申に基づく結果を都道府県・指定都市・ |中核市にお返しするというフローになっております。また、(5)にありますよう |に、必要に応じまして、全国に向け技術的助言というものを発出するというこ |とも行います。都道府県の自治事務になっている関係上、下にありますように、 |審議を行い、答申を行った件数は極めて少なくなっているということでござい |ます。 |3ページ目に、身体障害者手帳の概要を載せさせていただいております。これ |は都道府県知事・指定都市市長・中核市市長が身体障害者手帳の交付を受けた |ものというものでありまして、その手帳は、身体障害者福祉法、あるいは今般 |の障害者自立支援法のサービスのもとになるというものでございます。 |この対象者は、身体障害者福祉法別表に定めますところの「永続する」機能障 |害があるものというふうになっております。 |申請手続は、居住地の福祉事務所を経由いたしまして、都道府県知事等に提出 |するということになっております。その場合には、都道府県知事の指定する医 |師が作成した「診断書・意見書」を添付していただくことになっております。 |手帳の交付となります障害の種類及び程度については、4の(1)、(2)に書いてご |ざいますとおりでありますが、視覚障害、聴覚または平衡機能の障害等々でご |ざいます。障害の程度につきましては、身体障害者福祉法施行規則別表第5号 |の等級表に基づきまして、障害の種別ごとに、重度の方から1級から6級の等 |級に区分されるということでございます。 |具体的には、少し細かくなりますが、4ページ目以降にその等級表を資料とし |て載せさせていただいております。かなり細かい内容になっておりますが、例 |えば、一番左側にございます視覚障害の例をとってみますと、両眼の視力の和 |が0.01以下の者が1級、両眼の視力の和が0.02以上0.04以下の者が2級という |ふうなたぐいで障害等級が決まっていっている。それぞれ視覚障害、聴覚ま |たは平衡機能の障害、音声機能、言語機能またはそしゃくの障害、肢体不自由、 |心臓、腎臓もしくは呼吸器、または膀胱もしくは直腸もしくは小腸、もしくヒ |ト免疫不全ウイルスによる──いわゆるエイズでありますけれども、免疫の機 |能の障害というふうなものについて、それぞれ等級が定められているというこ |とでございます。 |概要は以上でございます。 柳澤会長|ありがとうございました。 |以上で、3つの分科会について説明をいただきましたけれども、委員の皆様方 |の方で何か御質問はございますでしょうか。 |予定されている時間を大分残しておりますので、どうぞ御自由に御発言いただ |ければと思いますが。 稲松委員|稲松でございます。 |感染症法が4月から変わることについて、ここの作業にどういう形で影響して |くるか、ちょっと整理しておいてほしいんですけど。BCGが何例になってど |うのこうのとか、いろんなところで抵触してくるような感じがしているんです |けど。 事務局(|BCGは予防接種法の第1種のところに入れられます。また、感染症法で入院 皆尾) |処置ということで結核も加わってくるわけですけれども、入院処置をとり執り |ました感染症につきましては、対人処置につきまして人権を直接制約するもの |でございまして、当該処置を行うに当たりましては、その対象となる者の任意 |の協力を求め、それがだめな場合に限って強制処置を行うべきというふうな観 |点から、入院処置に関しますことにつきましては、最小限度の処置の規定を今 |度設けたところでございまして、結核が感染症法に取り入れられたからといっ |て、急に入院処置の方のものが増えることではないというふうに思っておりま |す。 柳澤会長|よろしゅうございますか。 |他にいかがでしょうか。 |それでは、1つ、私からお伺いしたいんですが、原子爆弾被爆者医療分科会に |ついてですけれども、先ほどの御説明にもありましたし、新聞などに時折出ま |すけれども、おそらく分科会の方は医学的な見地から認定を進めるわけであり |ますけれども、時折、裁判所がそういった審査分科会あるいは審査会の判断と |は異なるような判決を出すということがあり得るんだろうと思いますし、先ほ |どの御説明でも、平成17年でしょうか、東京高裁の判決について報告があった |ということですが、こういった認定のあり方と、裁判所の判断との間で、食い |違いが出たときなどの取り扱いについて、基本的にはどういうふうなプロセス |で処理していくのか、事務局、あるいはまた委員の方の御意見をお伺いしたい |んですが、いかがですか。事務局の方は。 事務局(|この分科会におきましては、科学的に審査を行っていただいておりまして、平 野上) |成13年にその「審査の方針」を定めたところでございます。これに関しまして、 |現在、各自治体等で、その後、却下された方々が訴訟を起こしていらっしゃる |ところでございますが、現在、その地裁判決に対しましては、私たちとしては、 |分科会の御意見を踏まえまして、控訴しているところでございます。そういう |意味で、この分科会の御判断の基となっている「審査の方針」というのが、科 |学的に現時点で最も優れたものであるというふうに認識してございます。 |それから、個々の審査に当たりまして、例えば、肝炎などで訴訟において論点 |が分かれたところにおきましては、その後、また科学的な文献のレビューなど |を行いまして、分科会にお諮りをして、その後、分科会での御判断がよりスム |ーズに行くようにというようなことは、事務局としてもお助けするところでご |ざいます。 柳澤会長|ありがとうございました。 |ほかに。どうぞ、小口先生。 小口委員|私は身体障害者の認定の東京都の分科会の会長をやっておるんですが、この障 |害程度等級表、これが、最近、非常に合わなくなってきているんじゃないかと |いうふうな感じがいたしまして、こういうものを改正するに当たって、どこで |審議されて、どういうふうに改正になっていくのか、そこのところがわかった |ら教えていただきたい。 柳澤会長|事務局の方でお答えになりますか。どうぞ。 事務局(|障害者施策全般のあり方自身、今、大きな議論がありまして、新しい障害者自 藤木) |立支援法という法律ができております。今日話題になっております身体障害者 |の等級というのは、もともと各障害種別の縦割り制度の中での身体障害に関す |る等級の扱いの部分なんですが、実は障害者施策全般、今の大きな流れとして |は、いわゆる身体障害、それから知的障害、それから精神の障害を含めて、こ |れを3障害一元的に取り扱おうという大きな方向がありまして、障害者自立支 |援法という法律ができております。そこの中では、少し障害の程度を3障害で |共通に計る尺度として、障害程度区分という制度を導入するということもスタ |ートしております。そういう障害というものをどのようにとらえて、どのよう |なサービスに結び付けていくかということ自身は、これは大きな課題になって |おります。実は障害者自立支援法は昨年の4月から施行されておりますが、3 |年後に障害者施策全般を見直すということになっております。その具体的に検 |討項目はまだ定かにはなっておりませんけれども、そういう全体の障害を持っ |た方々──これは身体障害者に限らずでございますけれども、そのサービスに |積極的に結び付けていくために、その状況をどのように判断して、どういうサ |ービスを提供していくかということは、1つの大きな政策課題になってまいり |ますので、私どもとしては、その検討にも着手をするときに今来ているという |ふうに考えております。 柳澤会長|ありがとうございました。 |法的にはそういうふうなことでありますけど、実際に身体障害者福祉法の等級 |の認定の問題は、多分、先生方の方にも御意見を伺うようなことがあるかと思 |いますけれども、別に班研究という形で、身体障害者福祉法の援助の問題点と |か、認定の在り方、それから等級の問題なども含めた研究班が、3年終わって、 |おそらくまた続くだろうと思いますが、そういったところで、一応、全国での |障害認定の現場で出てきた疑義について全部整理をして、それをどうするかと |いうことを専門の先生に御意見を伺うというような、そういうふうな作業を進 |めております。眼科の領域では、視力の判定を、これは等級が全部、片眼で、 |片眼ずつやっていますけど、それは両眼視の方がいいだろうとか、それから、 |視力表はどういうものが適切であるかとか、そういったようなものが議論され |ています。私自身、その班員ですけれども、やっております。 小口委員|ありがとうございます。 柳澤会長|他にいかがでしょうか。 |特にございませんようでしたら、少し時間は早いんでありますが、本日の予定 |されました議題とディスカッションは以上で終わりにしたいと思います。 |その他につきまして、事務局の方から何かございますか。 岡部総務|特にございません。 課長 | 柳澤会長|そうですか。それでは、ないようでございますので、本日の疾病・障害認定審 |査会の総会は以上で終了させていただきます。 |どうもありがとうございました。 (了) (問い合わせ先:健康局総務課総務係 03−3595−2207)