07/03/08 第17回先進医療専門家会議(平成19年3月8日)議事録について 07/03/08 第17回先進医療専門家会議 議事録 (1)日時  平成19年3月8日(木)13:00〜 (2)場所  厚生労働省共用第8会議室 (3)出席者 猿田享男座長 赤川安正構成員 飯島正文構成員 岩砂和雄構成員        越智隆弘構成員 加藤達夫構成員 北村惣一郎構成員 笹子三津留構成員        竹中洋構成員 田中憲一構成員 田中良明構成員 谷川原祐介構成員        永井良三構成員 渡邊清明構成員       <事務局>        審議官 医療課長 企画官 歯科医療管理官 薬剤管理官  他 (4)議題 ○先進医療の届出(12月受付分)について       ○先進医療の科学的評価(1月受付分)について       ○先進医療の届出状況(2月受付分)について       ○先進医療の実績報告(修正版)について       ○先進医療の副作用・合併症の報告等について (5)議事内容 ○猿田座長  時間がまいりましたので、第17回の先進医療専門家会議を始めさせていただきます。 本日の構成員の出席状況ですけれども、辻構成員、坪田構成員、樋口構成員、福井構 成員からは欠席の届けが来ています。あと、ちょっとおくれている方がいらっしゃいますけ れども、人数は足りておりますので成立しておりますので、早速、議事に入らせていただ きたいと思います。  最初に、12月に届け出のあった新規技術に関しまして、事務局の方から御説明をお願 いしたいと思います。 ○中野補佐  それでは早速、資料先−1の一枚紙でございます。こちらの方をごらんいただければと 思います。前回、12月受付分で届け出いただきました技術でございますけれども、1件の 届け出がございました。54番でございますけれども、先進医療名「胃癌・食道癌における センチネルリンパ節の同定と転移の検索」についてですけれども、この技術に関しまして、 その他(事務的対応等)をごらんいただければと思いますが、当外技術に係る医薬品が 薬事法の適応外使用に該当しているということで、事務局より返戻となっております。こう した経緯もございまして、前回、一度会議の日が飛んでおります。以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。ただいまのようなことでございます。よろしいでしょ うか。  それでは、続きまして1月の方に移らせていただきたいと思います。1月の届け出があ りました新しい技術に関しまして、これはもうすでに先生方から事前に評価をいただいて おりますけれど、全体として御説明をお願いしたいと思います。 ○中野補佐  それでは、まず全体の概要と1件目の技術に関しまして事務局から簡単に御説明を申 し上げまして、その後担当の先生から御説明をいただきたいと思っております。19年1月 受付分でございますけれども、先−2の資料をごらんください。こちらの方、6件が届けら れてございます。  1件目。1枚目には先進医療名、適応症、先進医療費用の自己負担分と保険外併用療 養費の保険給付分、あと技術の概要と受付日が書いております。また2枚目に関しまして は、その事前評価担当構成員の名前と、あと総評、そして適応症、その他が記載をされて おります。本日は、2枚目のその総評等のところの内容につきまして、先進医療専門家会 議として御議論をいただきまして結論をいただきたいと考えております。また、各評価の詳 細に関しまして、3ページ目以降から別紙ということでつづっておりますので、そちらも事前 評価担当委員の説明の際、ごらんいただきながらお聞きいただきたいと思っております。 なお今回は件数が多いため、事務局からは簡略に説明をさせていただき、評価委員の先 生から詳しく御説明をいただきたいと思っております。  まず1件目でございますけれども、整理番号55番の先進医療名「CYP2C19遺伝子多型 検査に基づくテーラーメードのヘリコバクターピロリ除菌療法を含む消化性潰瘍治療」とい うことで、適応症に関しましてはヘリコバクターピロリを感染したものに伴う胃潰瘍、十二指 腸潰瘍とされております。先進医療費用と保険外併用療養費は、それぞれ記載されており ますのでごらんいただきたいと思っております。  技術の概要に関しましては別紙1で、3ページ目から5ページ目までございます。3ペー ジ目に関しましては、適応症についての先進性、概要、効果、そしてその費用が載ってご ざいます。また4ページ目に関しましては、それぞれの技術の適格性ということで、適応症、 有効性、安全性、技術的成熟度、社会的妥当性、現時点での普及性、効率性、そして保 険収載の必要性、そして総評となっております。5ページ目には、それが適であった場合に その適となる技術の医療機関の要件ということで、それらの施設基準のような要件をこの中 に案として出させていただいております。一応ざっとではございますけれども、事務局から の説明は以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今日は、ちょっと案件が多いですから、それでは早速、まず 55の「CYP2C19遺伝子多型検査に基づくテーラーメードのH.pylori除菌療法を含む消 化性潰瘍治療」という案件から入らせていただきたい。これは、私が担当させていただきま した。  実はこれは平成17年12月15日に1回出てきたものでございまして、先生方御存じのとお り、今、ピロリ菌は非常に重要な問題ですけれども、耐性菌がだんだんふえてきてしまって いるということで、いわゆる保険の範囲での薬剤使用ではどうしても耐性菌に対する対応 ができにくいということで、少しでも除菌の方法をよくしたらいいだろうということで出てきま したのが、このCYP11のこの多型を調べることによって薬の代謝が早いか遅いかとか、そ ういったことを見ることによって少しでも薬の使い方、そういったものを要領よくやっていくと 除菌が非常にいいということで考えられたものです。  一昨年出てきたときには、実はそこまでの遺伝子多型で特にプロトン阻害薬の代謝に対 するところまでの検査はよかったのですけれど、その速いか遅いか、あるいは中間にある かということで、使う薬の量をかなり変えました。そのために保険で許可されている以上に 過剰な量を使ったり、未だ保険適用されていない薬を使ったことの問題がありました。 そういったところを全部検討し直していただき、保険で認められている薬と使用量を考え ていただき再提出していただきました。  今申し上げましたように、先進性に関しましては、このピロリ菌の除菌をできるだけうまく やろうということで、薬物代謝に関する遺伝子検査を乗せて治療していくというものですか ら、先進性はあると思います。概要ですけれども、ピロリ菌の標準的な除菌治療にはプロ トン阻害剤PPIと、抗生剤ではamoxicillinとclarithromycinを併用した3剤併用療法が行 われているが、このうち特にPPIの代謝酵素であるCYP2C19には遺伝的に決定された 活性の個人差があると。このPPIの薬物動態、それから薬効に関してピロリ菌の除菌に 影響するためで、ここのところをうまく検討して治療法を考えてもいいだろうということでご ざいます。  具体的には、このCYP2C19で代謝酵素によってPPIが速やかに代謝されてしまうタイ プでは、PPIによる胃酸分泌抑制が不十分となって、抗生剤が胃内で失活しやすく、除 菌が失敗してしまう。一方、そういった場合にH2受容体拮抗薬をうまくあわせて使ってい くと、非常に効果を上げることができるということでございます。PPIを含む3剤併用で除菌 する際に、CYP2C19の遺伝子多型に応じて消化性潰瘍に対するH2受容体拮抗薬の 併用の仕方を上手に調整し確実な酸分泌抑制を行って、除菌率の全体の向上を図って 消化性潰瘍の治癒をよくしようということでございます。  それで、この技術に関しましては、胃粘膜組織または血液から抽出したDNAよりCYP 2C19の遺伝子多型を検査して、代謝の速い群、それから遅い群、両者の中間、にまず 分類して、ピロリ菌の除菌が治療上有効な消化性潰瘍患者に対して、現在の標準治療 に加えて遺伝子検査で代謝の速い群に分類された場合にはH2受容体の拮抗薬である ハモチジンを20ミリグラム加えることによって消化性潰瘍の治療をよくしようということで、実 際にかなりの効果がこれで上がるということで、一応先進性と、それから今まで保険上で ひっかかっているところもうまくこれで解消できたということで、技術としてはいいのではな いだろうかということでございます。  次のページを見ていただきますと、先進技術としての適格性でございますけれども、先 進医療の名称は今申し上げたとおりでございまして、SYP2C19遺伝子多型検査に基づ くテーラーメードのピロリ除菌療法を含む消化性潰瘍の治療ということで、適応は妥当と 思っています。それから有効性は、従来の技術を用いるよりもやや有効である。これは各 施設でのやはり検討を聞きましたところ、かなりこういったことをやることによって除菌率を 上げることができるということでございますので、こういった形で有効性もいいと思います。  それから安全性はもちろん、組織をとってこういう形の検査で、そんな大きな問題はな いと思います。  技術的には、この領域で専門とした経験を積んであれば問題ないだろうと。それから倫 理的にも問題がないということと、現時点での普及率はかなりいろいろな施設で、こういっ たことをやっているところでは普及してきているということで、特にピロリ菌が問題になって おりますので、そういった点でも非常に重要なところかと思います。効率性は、こういった ことによって確かにかなり効果が上がるということと、もう1つは、もうかなりの施設で行われ ているということで、将来は保険にもっていくことが妥当ではないかということで、総合的に は一応、前と随分変わりまして保険のそのほかの問題がなくなったということで、適という ことにさせていただきましたが。まずこの技術のところまでで、先生方の御意見がいただ ければと思います。  前に谷川原先生もに随分意見をいただきまして、大分これで保険が通るような形になっ たものと思いますが。 ○谷川原構成員  はい。前回と比べまして随分整理されていると思いますので、私も異存ございません。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。どうぞ、渡邊先生。 ○渡邊構成員  ちょっと確認ですが、これはこれでよろしいと思いますけれども、このCYPの遺伝子多型 は薬事法未承認ですよね。というのは、先日のニーズの高い医療機器等の早期導入の検 討会にこれ、出たのではないかと思います。未承認でもこういうものはよろしいかということ をお聞きしたいんです。 ○中野補佐  これは一応施設内に限定しておりまして、医薬局に確認をいたしましたが、薬事法上の 承認の範囲内とのことでした。委員ご指摘の検査キットは想定されておりません。 ○渡邊構成員  キットは使えないけれども、普通の要するにそれ以外の方法で院内でやる検査はいいと 言うことですか。キットはこれ、使えないのですね、そうすると。ちょっと混乱するのではない でしょうか。キットがありますから、普通の人はキットを使ってしまいます。キットは薬事法未 承認なので、要するにそれを使ってはいけないということがないと、ちょっと現場が混乱し てしまうかもしれません。 ○猿田座長  わかりました。ほかに御意見ございませんでしょうか。いろいろな大学に当たってみました が、まあまあ今、こういった方向で動いているものですから、承認する方向でいけばと思い ます。 ○笹子構成員  今の議論ですと、はかり方を何か規定する必要があるということですか。キットを使ってし まっていいのかなと。 ○猿田座長  そのあたり、条件をつけた方がよいでしょうか。 ○中野補佐  そういったことで、通知等の方でどういう制限をかけていくかということを、渡邊先生や笹 子先生に御相談をさせていただきたいと思います。 ○医療課長  ちょっと逆に教えていただきたいのですけれど、これを使って何も検査をしないで3剤併 用でこうやると、必ずしも除菌できるかどうかも含めてですけれども、潰瘍としても治癒する かどうかが分かれてくると。それで、その要素を見るとどうやらこのPPIの効果が十分でな いかどうかと、速く代謝されてすぐなくなってしまうと効果がなくなるではないかと。  それをだから一般の、もしこれから保険適用する場合に、潰瘍の方が来られましたとき。 ピロリの検査をしましたと。陽性でしたと。その場合に、もしこれが通常の保険診療だった ら、全員にこの検査をやるのでしょうか。 ○猿田座長  いや。今の時点では、ある施設においてやっているのみです。御存知のとおり、除菌率 が落ちてきています。それはなぜかというと、clarithromycinの耐性の問題が出てきて、そ の薬をどのくらいの濃度で使ったらいいかということで、大量に使えば当然いいのですけ れど、それは保険にひっかかってしまいます。その量をいかに少ない量で効率的に治療 していくかということで、効果を上げるためにはこういった形をとればということで、各施設 で、特に専門的にやっているところがこういった形の対策をとっていくことが効果的という ことです。 ○医療課長  もしこれが将来、このキットも薬事法の承認を取って普及してきた場合に、要するに全員 に初めにこの検査をしてから治療法を選択していくのか、あるいは例えばやってみて治り が悪い人についてこれを調べてもう一回除菌にいくのか。そのあたり、どういうふうに? ○猿田座長  そのあたりは非常にまだ難しいところですが、これから普及させていくことだと思います。 ○医療課長  まだわからない? ○猿田座長  各施設で、どのくらいやられているかというと、私が調べたところでは、この施設から出て きましたけれども、消化器内科を専門にやっている先生方のところで効率よく治療しようと いうことで実施する施設が少しずつでてきています。もう少し技術として普及した場合に、 さらに実施されてくると思います。効率的に治療できることが利点です。一応私 としては。 ○谷川原構成員  よろしいですか。今の点に関しましてですけれど、その遺伝子型によって有効率が違う ということで、原則的にはそういう反応性に影響するような因子を調べて適切な治療を最 初からやった方が、全体の医療効率は高くなるはずなんですね。何もやらないで、失敗し てから再除菌にいくと、また余計に薬剤もかかりますし、さらに最初の薬が効かなくなっ ている可能性もありますから、やはり将来的にはそういう方向にいく方が、全体の医療効 率は上がるとは思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。もしよろしければ、この技術の医療 機関の要件ですけれども、消化器を専門としているところで、消化器科ということで、資格 は日本消化器病学会の専門医ということで。それから診療の経験年数ですけれども、診 療科の経験年数は1年、この技術の経験年数が1年。それから症例は1例以上あればと いうことでございます。  実施診療科の医師数は、これは消化器病の専門医が1名以上いればいいと。それから ほかの科の医者の数は特に必要ないということ。看護体制も必要ないと。それから検査に 関しましては、臨床検査技師の方が1名以上いるということが必要と思います。それから病 床ももちろん不要です。診療科は消化器内科、それから当直体制も不要です。緊急手術 もこの状態での技術であれば問題ないだろということで不要とさせていただいた。それから 院内検査の24時間の実施体制も不要。医療機器の保守管理体制は必要です。倫理委員 会も、問題が起きるような可能性がある場合には適宜開催していただくということです。そ れから医療安全委員会の設置は必要。医療機関としてのこの技術の実施症例数は10例 以上という形で、あと頻回の報告はそんなに必要ないだろうという形です。 ○中野補佐  事務局でございます。修正を1点だけお願いします。真ん中のところの2の医療機関の要 件の診療科のところでございますけれども、要というのは消化器科であって、消化器内科と いうことではございません。訂正をお願いいたします。 ○猿田座長  消化器科ですね。ほかに何かございますでしょうか。もしございませんようでしたら、それ ではこの技術は1年がかりのものだったんですけれど、修正していただいて、認めたという ことにさせていただきたいと思います。  それでは続きまして56番の「生体膵・腎臓同時移植」です。生体部分膵臓移植術の問題。  これは笹子先生の担当ですね。では、事務局から説明をお願いします。 ○中野補佐  事務局からまず御説明をさせていただきます。最初の1枚目に戻っていただきまして、2 件目の整理番号56番でございます。先進医療名「生体膵・腎臓同時移植(生体部分膵臓 移植術を含む)」でございまして、適応症はインスリン依存型の糖尿病の場合で、なおかつ 腎不全の疾患を持っていらっしゃる方の場合は、生体膵・腎の同時移植を行う。インスリン 依存型の糖尿病のみの場合は、生体膵増単独の移植術を行うというように記載されており ます。費用については各欄をご覧下さい。  あと、技術の要件については6ページ、7ページ目にございますが、2ページ目をお開き ください。後ほど事前評価担当構成員の笹子先生から御説明をいただきたいと思ってお りますが、担当は笹子先生で総評は否ということです。社会的妥当性については、ドナー の死亡リスクが他の移植よりも高いというようなことで否になっているとのコメントをいただい ております。事務局からは以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは笹子先生の方から。 ○笹子構成員  これは膵臓の尾部という部分をドナーから取りまして、レシピエントに移植するという技術 ですけれども、移植する方の技術も少し違いますので、レシピエント側の手術も特殊な手 術という位置づけになっております。  この技術の一番大きな問題は、膵臓を切り取られる方のドナーが、膵臓の切り口から膵 液が漏れる膵液漏という合併症が2割から3割は起こること。そのうちの推定2〜3%ぐらい は死亡する可能性があること。したがって、都合0.4〜0.9%ぐらいの死亡のリスクがあるこ とになります。今までの生体移植として、生体腎移植、生体肝移植等は、ドナーにそのよう な大きなリスクというのは一切かかっておりません。それと、もう1つ問題があるのは、ドナー の膵臓が膵尾部を取ってしまった後、長期的に見たときに糖尿病が発生する可能性という のがあることです。現在、このようにドナーサイドのリスクが高い移植というのがどこまで容認 されるかという議論がまだ全然、尽くされていないということと、もう1つは生体移植そのもの にまつわる社会的要件、つまり血族と親族の問題があります、 今、肝臓とかは奥さんからもらったりとか、いろいろな場合があります。そのときの婚姻関係 そのものがあやしいとか、いろいろな事例がちらほら出てきているという社会的背景もあり まして、現時点でこれを先進技術として容認をしてしまうということは、この技術そのものが 将来進むべき道等を容認しているような感じがありますので、これは難しい、やめた方が いいというのが私の判断です。以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。ただいまのような、特にドナー側の問題、危険性もかなりあ るということと、それからこの技術自体でのいろんなドナー、レシピエントの関係ということの 問題。どうでしょうか。何か御意見ございますでしょうか。全体的にはそういったことからみ て、今の時点では否であろうという御意見でございます。  北村先生、何か御意見ございますか。 ○北村構成員  我が国独特の臓提供・移植の体制化での問題も含まれているので、今、笹子構成員が 述べられたとおりだと思いますが、我が国でもまだ何例ぐらい……。こういう生体膵移植と いうのは、実績はどのようになっていますか。 ○笹子構成員  全体の集計は知りませんけれども、10例とか20例レベルの報告があるのですけれども、 多分それは1施設か2施設だと思います。ですから、その中では亡くなった方はなかった と思いますけれども、さっきの推定でいくと、やはり100人ぐらい集まったときには1人ぐら い死にそうだなという計算です。胃がんなどに対して行われる膵臓のしっぽを切るほかの 手術からの類推ですと、そういうふうに大体推定できるということで、全く健康な人から取 って移植するというコンセプトからいきますと、やはりちょっと問題です。腎臓は2つのうち 1個は残ります。肝臓は再生しますし、今のところ、幸い肝移植はものすごい数やられて いますけれども、亡くなられた方は1例か2例ぐらいだと思うんです。ということで、ちょっ とまずいというふうに思います。 ○猿田座長  ほかに御意見ございませんか。確かにうまくいっているところではいい成績が出ている んですけれどね。どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  この申請された医療そのもののメリットはどうでしょうか。あるいは、医療における重み、 位置づけは、どのようなものでしょうか。 ○笹子構成員  インスリンを使い続けて透析をし続ければ、生命は維持できるわけです。ただ、それは 非常に大変なことですから、本当にあげたいという人がいる状況の中では成り立つコンセ プトではあると思います。ただ、ドナーのリスクが大きいことが問題です。それから最近は 殊に、血族関係のない婚姻関係等のお金が絡んでいるとか、いろんな変な話が少しず つ発生してきているということも考えますと、ちょっとまずいと考えます。 ○田中(憲)構成員  そうしますとドナーにおけるリスクの方が高いと、理解すればよろしいですか。 ○猿田座長  そう。それが高い。 ○笹子構成員  生命リスクの高さはほかの移植と、図抜けて高いと思います。 ○田中(憲)構成員  わかりました。 ○猿田座長  どうぞ、加藤先生。 ○加藤構成員  今、ドナーの方のお話だけでしたけれども、これをやらないことによって、レシピエント側 が非常に困るという状況には絶対ならないというふうに考えてよろしいでしょうか。 ○笹子構成員  したがって、肝臓移植のような場合は生命の危機を回避する方法がほとんどない状態の 方もいらっしゃいますが、糖尿病の場合は、腎不全を伴っていれば透析をする。それから 糖尿に関してはインスリン等で何とかしのぐことはできると思います。だからそういう意味で、 もうレシピエントサイドがすぐ死んでしまうという事態にはならないです。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。今の時点ではやはりちょっと問題がある。ある施設では非常にいい 成績が出ているのですけれども、今の状態では否とさせていただくということで御了承い ただけますでしょうか。それではこの案件はそういう形にさせていただきます。  それでは続きまして、次の技術について、事務局からご説明下さい。 ○中野補佐  先ほどの先−2の資料の1枚目に戻っていただきまして、3件目、57番でございます。 「非生体ドナーによる凍結保存同種骨・靭帯組織」という先進医療名でございまして、適 応症は以下の疾患の病態による骨及び靭帯の再建ということで、1つが人工関節置換時 の広範囲骨欠損。2つ目が骨腫瘍切除後の広範囲骨欠損。3つ目が間接固定術時の広 範囲骨欠損。4つ目が脊椎固定術時の骨融合促進。5つ目が先天性疾患における広範 囲骨欠損。6番目が外傷性の広範囲骨欠損。そして7番目が靭帯断裂による関節不安 定性というものに適応症があるというふうに申請書に記載されております。費用について は以下のとおりでございます。  2枚目でございますが、こちらの事前評価担当構成員、越智構成員にお願いをしており まして、総評は適というような形で出ております。別紙3に関しましては、8ページ目から10 ページ目まで、それぞれございますので、後ほど御説明の際ごらんください。以上でござ います。 ○猿田座長  どうもありがとうございます。それでは越智先生の方からよろしくお願いいたします。 ○越智構成員  簡単に御説明させていただきます。ここの今御説明がありました適応症の中に挙げられ ておりますように、いろんな病的な状態で、大きな骨欠損ができると。いわゆる機能を保つ ために、この大きな骨欠損に対しまして、移植あるいは人工骨の移植も含めましての移植 が必要であるわけでございますが、非常に大きな欠損の場合に、人工骨を入れるにしまし ても非常に高価であるし、また骨誘導のがないと。同種骨をとるにしましても、とてもこれだ けの量はとれないというような状態に対しまして、非生体ドナーによる骨を採取いたしまし て凍結保存し、そしてそのような状態の場合の症例に対しまして使うというような移植、 「非生体ドナーによる凍結保存同種骨・靭帯組織の移植」ということでございます。  基本的にはこの9ページの下の総評のところに書かせていただいておりますけれども、 技術としては日常診療で行われている手術であって、先進医療としては組織採取、保存 に的を絞って評価したいというふうに表現させていただいておりますが、基本的にはその ようなものであり、この組織の安全に採取、保存をして次の移植に備えるという、そのこと に関しましては先進性があると考えております。特に、以前に認められました心臓弁の凍 結保存移植と全く同列に考えていいものだと思っております。具体的には、この前の心臓 弁のときにもディスカッションになりましたけれども、日本組織移植学会の厳正な審査を受 けたバンクと、これが備えられている施設ということが基本になると考えております。  実際、そこでドナーに対しましてのインフォームド・コンセントであるとか、患者側あるいは 医師側、そして社会に対してということで、移植コーディネーターが必要であろうというふう に考えております。  その中でここに、9ページにありますように、適応性に関しましては妥当、有効性は従来 の技術を用いるよりも大幅に有効と。安全性も問題はなしと。技術的な成熟度に関しまして は、当該分野を専門として経験を積んだ医師、あるいは医師の指導下であれば行えると。 技術的にはそんなに難しいものではないと。倫理的な問題に関しましても、コーディネータ ーを入れましてきちっとインフォームド・コンセントなどをとりますと、倫理的問題はないと。現 在の普及度でございますが、技術的あるいは臨床的な要求度がございまして、罹患率、有 病率から勘案してある程度普及していると、これができる技術を持っている施設は非常に多 いわけでございますが、やはりきちっと日本組織移植学会の認定を受けた施設というのがそ れほどないわけでございます。技術的にはかなり普及していると。効率的には大幅に有効 であり、将来的には保険収載を行うことが妥当であろうと考えております。  その次のページ、10ページでございますが、骨を扱う科でございますので整形外科で、 専門医であれば十分でき、経験年数は5年、当該技術の経験年数も約5年と。当該技術 の経験症例数は、術者としては3例以上、助手または術者として5例というところかと考え ております。医療機関といたしましては、医師数、これは専門医2名以上というふうに書か せていただいております。診療科の医師数としては、必要なものとして、特に手術を伴い ますので麻酔科医、これが非常勤でも可というように考えております。看護配置は特に必 要でないと。それから医療従事者としまして、専任の組織移植コーディネーター1名以上 となっておりますが、実際これが発生しますのがそれほど頻回でないということを考えまし て、「専任の」とつけるのは少し厳しいのではないかと考えております。麻酔科が常勤とい うのではなくて非常勤でも可というように、組織移植コーディネーターも専任でなくてもい いのではないかというように、少しそのあたりはちょっとディスカッションが必要なところでは ないかと考えております。  手術しますし、ただ、大きな施設が要るような手術でもないので、有床であればよい。 1床以上と。診療科は整形外科で、当直体制必要、緊急手術体制も必要と。他の医療機 関との連携は特に必要ではなく、院内検査、または機器の保守管理、これは必要であり、 倫理委員会に対しての審査体制も必要であると。安全管理委員会の設置必要。医療機 関としての当該技術の実施症例数は5例ということで、やはりこれは実績報告、特に移植 に対してのものでございますので、6例まで、または6カ月までは実績報告が必要と考えて おります。以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明にどなたか御質問ございますでしょうか。 どうぞ、笹子先生。 ○笹子構成員  ちょっとこれはどちらかといえば事務局の方に質問ですが、8ページの概要の5行目とい うのは「切除大腿骨頭」でいいんですか。「頭」でいいんですか、これ。「等」という意味で はないかと思いますが。如何ですか。 ○中野補佐  はい。すみません。それは事務的な間違いかもしれません。確認します。 ○笹子構成員  それから10ページ目のことで、広範に骨の欠損等が起こった症例とかが対象のようです が、設備要件、あるいは他医療機関との連携のところに何も出てこなかったですけれど、リ ハビリというのは入れなくてもよろしいのですか、とちょっと思ったんですが。 ○越智構成員  他の医療機関との連携ということですね。 ○笹子構成員  自分のところにあれば要らない。だけれどないところはリハビリの連携を持つというような 要件が要らないかどうかということですね。 ○越智構成員  それはあった方がよいかと思います。 ○猿田座長  どうでしょうか。 ○北村構成員  別の意見でよろしいですか。今の? ○猿田座長  ちょっと待ってください。今の御意見どうでしょうか。その後、済みません。これは題目は 一応靭帯組織ですので、組織のところなんですが、リハビリをそこまで考えたりするかとい う。ですね。 ○笹子構成員  実際にやっている施設だと、多分ないと困る。 ○越智構成員  当該技術を施行するのは、大規模なかなり限定された施設になりますので、その施設そ のものは当然持っていますけれども。 ○猿田座長  事務局はどうですか。その今の施設の問題。これは一応組織ですよね。組織をとってく る。問題は、今お話があったようにリハビリのそういう人が必要ということになれば、問題は 10ページ目のところですね。その他の医療従事者の配置というところです。要するにリハ ビリの先生方が必要かどうかということです。 ○越智構成員  よろしいですか。実際このような手術の対象の患者さんというのは、必ずリハビリが必要 になりますけれども、特に骨関節……、従来整形外科の中でリハビリをやっています。  施設にリハビリの先生がおられた方がいいのですけれども、おられなくても通常のこの 機能回復のリハビリができています。リハビリと連携があった方がいいのですけれども、な くてもやっている施設は多々ございます。現在申請されている当該技術とリハビリ治療は 直接関係するものではないので、本件に関しては、特別の制約は要らないのではないか と思っていますが。 ○猿田座長  ありがとうございます。いいですか、一応そういうことで。 ○笹子構成員  はい。 ○猿田座長  北村先生、どうぞ。 ○北村構成員  心臓弁と血管の場合と同じように、日本組織移植バンクの認定を受けている骨バンク施 設が日本に2つある。恐らくそのうちの1つではないかと思いますが、心臓血管のときには その組織バンクを日本組織移植学会が認定、これは実地検証を6人ぐらいの委員でやり まして、かなり膨大なプロトコールのチェックを行って認定しているのですが、そのときでも 自施設内にバンクを持っているところが自施設でこの医療を行うに際してのみ先進医療を 認めるという制限がついていたわけです。  今回、ちょっとそれが見えないところがありますが。というのは、我々の学会が認定してい るのは凍結保存を中心とした組織のバンクですが、保存組織を他の病院に送りましてそこ の患者さんから同等の金額を保存施設に持ってくるという形になりますと、これはなりわい、 商法と言いますか、それがかかってくるわけですね。そうしますと、これは薬事法がかけら れてきますので、薬事法承認が取れないといけないということになるのですが、学会が認 定している組織バンクが果たして生物素材を使う薬事法の中でGNP対応になっているか ということは、大変難しい問題が現状ではあるんです。  ですからこの前の心臓弁、血管の場合にも、バンクを自己施設内で持っているところが その医療を行うにおいては先進医療としての承認の形態をとらせますが、その凍結した骨 を他施設へ送ったとき、同等の金額を徴収はできない形になっているんですね。それは現 在、薬事法というものの承認を得ておりませんから、そこは今回もやはりせざるを得ないの ではないかというふうに思うわけです。 ○猿田座長  ありがとうございます。なかなかこれは難しい問題。どうですか、そのあたり。 ○中野補佐  事務局でございます。そういった御趣旨、ごもっともでございますので、少しこの中の要件 を見直しさせていただいて、また座長と北村先生と御相談をさせていただきたいと思います。 ○猿田座長  越智先生、ご意見がございますか。 ○越智構成員  現段階では、今、北村先生がおっしゃったような形で、日本組織移植学会の認定施設の 縛りの中で、採取した施設で手術して、事実上金銭の動きはないというふうな形で申請さ せていただいていると理解しております。 ○猿田座長  ありがとうございました。 ○中野補佐  申しわけありません、少し言葉が足りなかったと思いますけれども、一応「その他」のところ にその「バンクを有していること」というところで、ある程度含めたつもりでございますけれども。 今の御指摘を踏まえまして、少し「その他」のところについて、修正をさせていただくような形 で考えて、座長ともご相談申し上げたいと思っています。 ○猿田座長  非常に重要な問題だと思いますものですから、はっきりさせておいた方がいいですね。 ○中野補佐  あわせまして先ほどの越智先生の御説明の中でご指摘がございました、その他の医療従 事者の配置のところの、専任の組織移植コーディネーター1名以上というところの「専任」の 考え方でございますけれども、先ほどのご発言での越智先生の御理解は専従ではないか と考えますが、ここで言う専任というのは実際にコーディネートを必要とした際にそこにいれ ばいいということで、その他の時間はほかの業務に当たっていても構いません。 ○北村構成員  ちょっとよろしいですか。その点ですけれど、この組織移植コーディネーターというものも、 臓器移植のコーディネーターのように国が責任を持って育成しているというものではありま せんで、日本組織移植学会がセミナーをして、教育して、認定している。いわば国から見 れば私的な学会の存在になっているわけですが、これは恐らく、今現在は東日本ネットワ ークと西日本ネットワークと2つありまして、東日本ネットワークに属している施設からの申 請であれば、その中のコーディネーターが一括して動く場合もあります。この専任というの が自己施設に持っている必要があるのか他の業務を兼任してはいけないという意味か。あ るいは東日本組織移植ネットワークの中での活動としてやるのかということですね。専従の 方がレベルが低いのであれば、専従の方がいいかなとは思いますけれども。 ○中野補佐  よろしいでしょうか。実はこの専任という言葉が出てきた背景は、その日本組織移植学会 の規程の中に専任という言葉がございまして、それにならって記載しているということでござ います。 ○猿田座長  おっしゃるとおりで、現在、バンク組織の認定に、コーディネーターを有していることという のが入っていますので、必然的にこの「その他」の項目に書いてあれば存在しているという 形になると思いますけれども。  越智先生、よろしいですね。 ○越智構成員  すみません、専任というときに、それだけ専属、併任でなく専任で各施設にその人を置く としましたら、そんなに頻回にあるものではございませんので、何か別の仕事も併任しなが らという形でしたら現実的ですけれども、頻度は少ないものに対しましての専任というのは かなり厳しいかなというのをちょっと思いましたので。専従であれば専従の方がありがたいと いう感じで思っております。基本的には東日本ネットワークの場合、それほど公的なもので ない場合に、日本組織移植学会という規定の中で動いておればいいという縛りであって、 東日本で専任ということがありましても、少しゆるめに専従ぐらいにしていただければありが たいなというふうな意味です。 ○中野補佐  多分言葉が逆のような気がしておるのですけれど。専従の方が厳しい要件になっており ますので。 ○越智構成員  ああ、そうですか。 ○医療課長  保険の言葉というのは一般に馴染みのないときもあるのですけれど、その仕事しかやら ない人ですね。例えばこの組織移植コーディネートしかしない人の場合をあらわすときは、 専従の何々を置けという言い方をします。 ○越智構成員  ああ、言葉が逆でした。失礼いたしました。 ○医療課長  あるときに一般の看護業務をやり、あるときこの組織移植のコーディネートをするときに、 そのコーディネーターとして仕事をする場合に、この専任の何々を置きなさいと、そういう 言い方をしていますので。ここでは、簡単に言うと、仕事がないときはほかの仕事を当然や っていいという、そういう理解をしていただいております。 ○越智構成員  意味を取り違えていました。失礼いたしました。 ○猿田座長  ほかに? どうぞ、竹中先生。 ○竹中構成員  この技術そのものには関係しないのかもしれませんけれども、8ページの概要の2段落目 に、感染症伝播のリスクを低下させるというのがございますけれども、これに関連して、例え ば現在ですと生体由来物質の取り扱いについてはかなり厳しい使用後の検査基準等々が ありますけれども、こういったものは当該の倫理委員会で規定させるのでしょうか。それとも 技術の中に包含されたものとするのか。 ○猿田座長  そこはどうでしょうかね。どうですか、北村先生。 ○北村構成員  ちょっと竹中構成員の趣旨を正しく理解しているかどうかわかりませんが、学会の方のバ ンク認定には、提供者のすべての資料ですね。それはもちろんチェック項目が全部、感染 症についてはウイルスの検査も含めて全部入っているんです。その中で、資料の保存は国 の生物由来製剤の医薬食品局からの必要項目になりまして、20年間保存しています。これ も問題が起これば、先進医療として認められたら、届出義務が生じているわけので、対応 出来ます。 ○竹中構成員  この後、レシピエント側にも同じように検査をされるということになりますよね。例えば輸血 をした後は今、定期的に、輸血後3カ月以内に検査をしましょうとか、そういうふうなこともご ざいますね。そこら辺は、この技術だけなのか、こういったもの、先ほどの酵素診断、遺伝 子多型を調べる等々に含めてもですね。そういった方法論についての縛りというのはかけ ないのか、かけるのか。 ○北村構成員  それが、我が国では公的なものが存在しておりませんので、今申しましたように医薬食品 局から出ております生物製剤の取り扱いの基準に乗って、もちろん最近ではBSEの問題 とか、海外渡航の問題とか、臓器移植とも非常にオーバーラップするところがありますので、 そういう基準を一番厳しいレベルまであげているつもりです。代替するものがございます。 例えば骨でも人工物を詰めるという代替方法がありますので、組織移植というのは最もハイ レベルにもっていかないと難しいところがありますね。現存している臓器移植関係、並びに 生物製剤関係に関する安全のものを全部含めた形で組織移植学会のガイドラインがつく っていると思っているんですが。 ○竹中構成員  わかりました。そうすると、それを遵守されるという。 ○北村構成員  そう。それを遵守してもらわないといけないです。 ○竹中構成員  それと、この本文中に、その下の行ですけれども、「当該医療技術では非生体ドナーから も」となっていますけれど、これは「非生体ドナーから」でしょうか。 ○北村構成員  非生体ドナーというのは、心臓停止をしてお亡くなりになった方という意味だと思いますけ れど。例えば骨の場合は、アンプテーションとして血管系の病気で足を切断する方がおら れるんですね。そうしますと、その切断肢の中の骨は利用できるわけなんですね。その場 合、実際、現在医療として行われているようですが、その場合は患者さんは生きておられ ますから、生体ドナーの骨となるわけですが、この場合はお亡くなりになられた方からの骨 提供を受けるという形だと思います。 ○越智構成員  今回の申請に関しましては、非生体だけに絞られたものだと理解していますので、今、竹 中構成員が御指摘いただきました、「非生体ドナーからも」という「も」が不適切ではないか という御指摘だと思いますけれども、御指摘のとおりだと思っております。 ○猿田座長  ありがとうございました。ほかに? 永井先生。 ○永井構成員  このコーディネーターには組織の管理、いわゆる保存とか無菌操作とか、そういう専任の 技術者は入るのでしょうか。それとも、それは既に施設認定の中に入っているのでしょうか。 ○越智構成員  保存と言いますか無菌操作に関しましては、施設認定の方に入っていると思っています。 ○永井構成員  そういう専任の人を置くということで。 ○越智構成員  はい。 ○北村構成員  御遺体からいただいたものですので、医療関係以外の者は触れません。例えばコーディ ネーターは看護師さんから来られる方が多いですけれども、そういう国が認めている医療 従事者以外の場合もあり得るかもしれませんですが、しかし御遺体から提供した組織を扱 うに当たっては、やはり医師を中心とした者が扱い、それから検査等々は臨床検査技師を 含めて組織づくりをしたものに対してのみバンクとして存在し得るという形で認定しています。 ○猿田座長  どうですか。ほかにございますか。 ○新井構成員  確認させていただいてよろしいですか。先ほどの専任の組織コーディネーターという話 のところ、確認ですけれど、これは専任という意味は、その組織の職員であって、もっぱら 別の業務にいるかもしれないけれど、このときは組織移植コーディネーターをする者を専 任という定義でいいわけですね。その施設に所属している者ということですね。そういう理 解でいいですか。 ○中野補佐  一般的にはそのとおりでございます。 ○新井構成員  はい。わかりました。 ○猿田座長  どうぞ、医療課長。 ○医療課長  この技術を、また先ほどと同じで保険適用に向けてもっていくに際して、骨の場合は再生 医療という形で今、大分進んでいると思いますけれども、その骨の再生医療の保険適用の 実現の近さというのはどのくらいか、もしわかれば教えてください。どのくらいたったら実現 するかもということでも結構です。 ○越智構成員  特に今回問題にしておりますのは、大きな欠損部です。小さい部分でしたらそれほど困 難でなくて再生というのは可能ですけれど、大きい体積を持ったものは未だ困難です。再 生させたい部分の中に人工骨を入れながら、そこに再生組織を入れてということになるわ けです。人工骨を入れながら再生というのは可能ですし、実際、いわゆるパイロットスタディ ーのような研究的なレベルで行われておりますけれども、大きな組織に対して使えるところ までは至っていない。研究途中でございます。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。はい、どうぞ。 ○中野補佐  先ほど御指摘いただいた8ページ目の概要の「大腿骨頭」のところですけれども、概要の ところの5行目の真ん中のところで、「生体ドナーから採取した切除大腿骨頭を使用してい るのが現状である」というところですが、トウという言葉について先ほどちょっと「等」の方で はないかということでお答えはさせていただいたのですが、一応もとの申請書類をチェック させていただいたところ、「頭」の方でございましたので。一度、越智構成員にこれが「頭」 でいいかどうかということについて確認をさせていただきたく思います。申請書が間違って いるのか、それともそのまま「骨頭」を使っているのかということだけ確認をお願いいたしま す。 ○越智構成員  それは「頭」の方です。 ○笹子構成員  「頭」でいいんですね。 ○越智構成員  「頭」です。高齢者を含めまして、大腿骨、足のつけ根が骨折しましたときに、それを切 除して人工骨頭に入れかえますけれども、そこで取り出しましたものを廃棄せずに、御本 人または御家族の了承を得てそれを保存して使うということで。「頭」です。失礼しました。 ○猿田座長  あとまだいろいろあるかもしれませんけれど、一応今日問題になったところをもう一回整 理させていただきます。特に組織バンクの問題とか、あるいは言葉上の使い方の問題、 これはちゃんと相談させていただいて、きっちりさせていただきます。一応全体としてはお 認めいただくということでよろしいでしょうか。  それでは、そういうことで次に移らせていただきたいと思います。次は58ですね。よろし くお願いいたします。 ○田口補佐  58番に関しましては、歯科の診療分野から挙がってまいりました先進医療の新規技術 でございます。先−2の1ページ目をごらんいただきまして、整理番号58番のところです が、先進医療名としましては「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」とい うことで、適応症に関しましては歯周炎による重度垂直性の骨欠損というふうになってお ります。先進医療の費用、それから保険外併用療養費にかかる費用につきましては、そ こに書かれているとおりでございます。  1枚おめくりいただきまして2ページ目のところで、今回は事前評価といたしまして、赤 川構成員にお願いをいたしました。総評といたしましては、適というふうな回答をいただ いております。また、別紙4につきましては、本資料の11ページ目から13ページ目まで に書かれておりますので、御参照いただければというふうに思います。以上でございま す。 ○猿田座長  どうもありがとうございます。それでは赤川先生の方から、よろしくお願いいたします。 ○赤川構成員  では、別紙4を見てください。先進医療の名称は「歯周外科治療におけるバイオ・リジ ェネレーション法」、適応症は歯周炎における重度垂直性骨欠損ということで。歯周病に は、歯肉に限定する歯肉炎と、線維性付着が壊れてずっとポケットが進んで歯槽骨まで 壊れる歯周炎がありますが、その歯周炎における重度の垂直性の骨欠損に適用すると いうことです。  先進性でございますが、こういう重度の垂直性の骨欠損に対しては、従来は歯肉剥離 掻爬手術、俗にフラップと言いますが、フラップ手術を行っていたのですけれども、それ ではなかなか歯周組織全体の再生はできません。そこで、最近では遮断膜を用いた歯 周組織再生誘導法(GTR法)が発展してきて、これはもう既に前の高度先進、現在の先 進医療に入っています。今回のこのバイオ・リジェネレーション法はGTR法と比べて同程 度の歯周組織の再生ができる上に、操作が簡単です。そしてまた、もしGTR法で膜を使 う場合に2種類、吸収性の膜と非吸収性の膜がありますが、非吸収性膜を使った場合に は、もう一度この膜を取る手術をしないといけません。しかし、今回の申請技術ではそうい うことは不要ということで、より低侵襲な歯周外科治療ということで先進性を認めたいと思い ます。  この概要ですが、先ほどのように重度の場合は歯肉剥離掻爬手術(フラップ)をやって きているわけでありますが、この治癒形態が長い接合上皮が形成される付着性上皮の治 癒でり、歯周組織本来の再生ではなく、歯槽骨の再生もほとんど期待できません。そこで、 先ほどのGTR法が生まれたわけですが、これは大変有効な方法でありますけれども、な かなかテクニックセンシティブということで、難しいことがございます。それに代わりまして、 今回の先進医療の申請のバイオ・リジェネレーション法は、セメント質の形成に関与する たんぱく質を主成分とします新しい歯周組織再生誘導材料、エムドゲインゲルというのを 用います。エムドゲインゲルというのは幼弱な豚の歯胚から抽出しましたエナメルマトリッ クスたんぱくですが、これにプロビレングリコールアルジネートを加えた粘凋性の高いゲ ルという製品になっています。これを用いてフラップ手術を行い、その欠損部にこの歯周 組織再生誘導材料を填入するというわけです。  先−2の参考資料として2枚ほど図がございますので、これで見ていただくとよくおわか りになると思います。先−2参考資料19.3.8の別添資料1ということで、バイオ・リジェネレ ーション法の概略というのあります。この下の方を見ていただきますと、こういう形で非常 に深い歯周ポケット、垂直性の骨欠損がある状態でございますが、それを上の方に見て いただくと、一番左ですが、麻酔をして切開をして、粘膜骨膜弁を剥離して、非常に深い 骨欠損のところをきれいにいたします。そして歯根面のルートプ−レニングを行い、壊死 したセメント質をきれいに取り除いて、欠損部をきれいに掻爬します。そしてそこに、歯周 組織再生誘導材料を填入・塗布いたしまして、そして縫ってしまうと、こういう形でござい ます。そうしますと、その下にあるように、うまくいきますとそういう形できれいにセメント質、 そして歯槽骨、そしてその真ん中に歯根膜、歯周靭帯が再生してくるという形でございま す。  その次のページを見てください。今のその参考資料の方ですけれども、この図はバイオ・ リジェネレーション法と、先ほどの旧高度先進医療、現在の先進医療のGTR法とを比較 したものです。下の方からまず申しますと、GTR法では、ここでは吸収性の膜を使うとい うことですが、ああいう形で膜をその場所に合うようにきれいに切って、膜を置いて、そし て粘膜骨膜弁を戻す。そうしますと、一番右のカラーの図のように、そこに膜を置くことに よりまして、上からの上皮の進入、それから歯肉結合組織が入ってくるのを防ぎまして、 そして再生のスペースを作った上で歯周靭帯細胞を選択的に誘導する。歯根表面にセ メント質、歯周靭帯、そして歯槽骨を創っていくという形がGTR法でございます。これに 比べて、上のバイオ・リジェネレーション法の方は、同じように患部をきれいに露出して、 そこへ誘導材料、先ほどのエムドゲインゲルを置きますと、そこに不溶性のマトリックスが 形成されて、そこに歯根膜由来の未分化間葉系細胞が出てきまして、それをうまく分化 させることによって、そこにセメント質、歯根靭帯、歯槽骨を創っていくという形です。この ことによりまして、非常に低侵襲で従来のGTR法に比べて簡単に歯周組織の再生が期 待できるという効果があります。ということで、先進医療にかかる費用は4万1,000円という ことです。  では、別紙4のその次のページを見てください。先進医療としての適格性ですけれども、 先進医療の名称は先ほども申し上げたように、歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレ ーション法ということです。適応症は重度の垂直性骨欠損ということで、妥当と判断いたし ました。有効性ですが、Bの従来の技術を用いるよりもやや有効ということで、GTR法と比 較して同等の再生ができる。そして、手術が短時間で低侵襲ということ、また複数の垂直 性の骨欠損が同じ歯にあった場合、両隣在歯にあった場合でも一度にできるということで あり、やや有効といたしました。安全性は問題がないということであります。技術的成熟度 は、当該分野を専門として経験を積んだ医師または歯科医師の指導であればよいという ことでございます。倫理的な問題はありません。  現時点での普及率ですが、ある程度普及しているということで、出荷の件数を見ますと 約1割ぐらい、全歯科の病院の1割ぐらいが使っている現状がございます。効率性は、既 に保険導入されている医療技術、すなわち先ほどの歯肉剥離掻爬手術、フラップ手術に 比べましては大幅に効率的と考えます。そして、将来的には保険収載を行うことが妥当と いうふうに考え、総評を適といたしました。  その次のページの医療機関の要件です。まず実施責任医師の要件では、診療科は歯 科または歯科口腔外科、資格としては日本歯周病学会または日本口腔外科学会の専門 医ということです。当該診療科の経験年数5年、当該技術は3年、経験症例数としては、 実施者として5例、助手として1例。医療機関の要件としては、実施診療科の医師数は、 当該技術の経験を3年以上有する常勤の歯周病学会かあるいは口腔外科学会の専門医 1名以上。ほかの診療科の医師数は不要。看護配置は不要。その他医療従事者の配置 は必要で、看護師または歯科衛生士が1名以上。そして病床は要らない。診療科は、歯 科または歯科口腔外科。当直体制は要りません。緊急手術の実施体制も不要。そして他 の医療機関との連携も不要。院内検査不要。医療機器の保守管理体制は必要です。倫 理委員会は不要。医療安全管理委員会は必要と思います。そして、当該技術の実施症 例数としては10症例以上やっていただきたいと思いまして、また頻回の実績報告は必要 で、20例まであるいは6カ月間までは毎月に報告をしていただきたいと思います。  ということで、今回申請のこの医療技術に対しましては、先進医療が適当と判断いたしま した。しかし、1つコメントがあります。この申請書類の審査をしておりまして、その結果を事 務局に報告した後ですが、実はこの技術で用います再生誘導材料に関して自主回収と いう報告を受けました。この自主回収につきましては、実は先ほどの図を見ていただくとお わかりのように、ゲルを注入するのですが、その注入するカニューレという針のところが、あ る医療機関から目詰まりがするということで原因特定に向けて調査を開始するとともに、製 品を自主的に回収されています。また、現在のところ、特に健康被害等の報告はないと聞 いています。したがいまして、先ほど申し上げたとおり、この技術に関しましては先進医療 として適当と自分は判断いたしましたが、現状、この材料の自主回収という状況を考えま すと、まずこの申請を先進医療として適当と判断する、次いで使用するこの材料の自主回 収で原因が特定され、製品が流通した段階になるまで保留とする、そして再度この本会 議で了承していただいた後に最終的な手続きに入るということにしたらどうかというふうに 考えています。以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。まず最初に、今の準備材料のところのこの注射器のところの 自主回収は別として、この技術を一応お認めいただくかどうかということで、御議論をまず いただきたいと思います。今お話がありましたように、非常に効率的な、しかも安全性の高 い技術であるということで、技術としては認めてよろしいのではないかというのが赤川先生 の御意見です。どなたか御質問ございますでしょうか。どうぞ、北村先生。 ○北村構成員  先ほどの御説明の中で、古い方の方法が高度先進医療で承認されていたとか何かおっ しゃいましたけれど、これを承認した場合は、そちらの方はどうなさるおつもりなのか。これ が、同じようなものがいっぱいたまってきているのが、現状いくつかあるわけですよね。 それを整理しろというのが事務局からも、この間書類も来ておりましたけれども、古い方を どうされるのか。それからもちろん、豚のたんぱくを使うとおっしゃっていましたけれども、 それはもう薬品となっているのだと思いますけれども、そのあたり、ちょっと。古いのを消し て新しくするのか。両方置けというのか。 ○赤川構成員  現在のところ、自分としては両方置いておいていただいて、少しその状況を見て判断を させていただければというふうに思っているところです。というのは、この材料を使う方が、 同等の成績でなおかつ非常に低侵襲でございますので、それがいいかなというふうに今 は考えています。  それから、豚のものということで非常に心配でございますが、実はこれは最初にスウェー デンで開発されましたが、1995年にEU、96年にアメリカのFDAで承認されておりまして、 日本では1998年から承認されております。最初はこの1つ前の世代のエムドゲインという ものでしたが、それでもやはり少し心配であるということで、これを少し加熱をして、今回の このエムドゲインゲルという新しいこの歯周組織再生誘導材料になっています。この形に なって、現在のところ世界中、あるいは日本でももう相当数用いられていますが、現在の ところ副作用は報告されておりません。それで、現在のところは世界中で安全であると理 解されています。 ○猿田座長  ありがとうございました。ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。ただ、今の自主 回収の問題がございますから、もうちょっとそれがどういう形になってくるかということで、 再度かけさせていただくことになると思います。古いものをどうするかということはござい ましたけれども、この技術を一応お認めいただくということでよろしいでしょうか。そうした ら、その形で認めさせていただいて。 ○赤川構成員  ありがとうございました。  ○猿田座長  もう一回、必ずこれはかけさせていただくということで、御了承いただきたい。ありがとう ございました。  それでは、時間のこともありますから、次の59、60に関しましてよろしくお願いいたしま す。 ○田口補佐  それでは先−2の資料の1ページ目へまたお戻りください。整理番号の59、それから 60につきましてですが、中身を事務局の方で確認をさせていただいた結果、2つの申請 が上がってきておりましたが、内容的には適応症も含めて同じような機器、それから顕微 鏡等を使った技術ということで、最終的には1つの形で、今回は構成員の先生から御説 明をいただこうというふうに思っています。  まず59番の方は、「コーンビームCTと歯科用顕微鏡の併用による歯根端切除手術」。 適応症につきましては、難治性の根尖性歯周疾患、通常の根管治療を行ってもその効 果が得られない症例ということになっております。先進医療費用、それから保険外併用 療養費につきましては、そこに示されたとおりでございます。  また60番に関しましても、先進医療名といたしましては「歯科用CT及び歯科用実体顕 微鏡を用いた根尖性歯周外科手術」ということで、適応症に関しましては難治性の慢性 根尖性歯周炎ということで、通常の根管治療により炎症症状が消退しない症例、歯根や 骨の解剖学的構造が原因となっている症例、穿孔、器具破折などの理由により再根管 治療ができない症例等ということで、適応症が示されてございます。先進医療にかかる 費用、それから保険外療養費用につきましては。そこに示されたとおりでございます。  1枚めくっていただきまして2枚目でございますが、今回、また赤川構成員の方に事前 審査をお願いいたしております。59、60ともに総評といたしましては適というふうな形での 講評をいただいているところでございます。評価の詳細につきましては、別紙5、それか ら別紙6について示していただいているというところでございます。以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。それでは赤川先生、お願いいたします。 ○赤川構成員  先ほどのお話しのように一緒ということですので、59と60の60の方がこの別添資料の方 でまた図をつけさせていただきましたので、それを見ていただきながら60で説明いたしま す。  別紙6をごらんください。先進医療の名称は「歯科用CT及び歯科用実体顕微鏡を用い た歯根端切除手術」ということであります。適応症は、難治性の慢性根尖性歯周炎という ことでございますが、根尖性歯周炎というのは先ほどの歯周炎と全く違いまして、同じよう な名前ですが全然違います。これは歯の中にある歯髄、俗に神経と言いますが、歯髄が 入っている部位を根管と言いますが、その根管内にある病原性の物質、例えば細菌だと か産生物、あるいは壊死をした歯髄とか、そういうものによる根尖孔、すなわち歯根の一 番先の穴から、細菌性の刺激とかいろんな刺激が根尖周囲に長時間にわたって続くこと から起こります。したがって、それを治すためにはこの原因物質、原因刺激を除去するこ とが必要で、これを感染根管治療と言うわけですが、これがなかなか治らないケースがた くさんあるということでございます。  適応症というのはそこに書いてございますように、通常の感染根管治療によりなかなか 症状が消退しない例、あるいは歯根や骨の解剖的構造が非常に難しい状態で、なかな か通常の方法ではできない症例、あるいは治療をやっている間に穴があいたり、あるいは 器具が折れたりし根管の中に入ってしまって、なかなか再び治療ができないという、そうい う難治性の慢性根尖性歯周炎に対してということでございます。内容に移りますが、まずは 先進性でございますが、こういう難治性の慢性根尖性歯周炎に対する治療は、従来は歯 根端切除と言って歯の根っこを少し切り取る方法であります。これは患者さんへの侵襲も 大きく、治療成績の向上も求められているところで、最近では歯科用のCTという非常に小 さなCTができまして、そのCTでまず病巣の3次元的な把握、あるいは根管の非常に複 雑な構造、あるいは小さな側枝と言われる横に伸びたような部分まで微細に見つけて、そ れらに対して実体顕微鏡下で細かいマイクロの処置を行うということで、低侵襲ですぐれ た治療成績を得ることができるという意味で、先進性があると判断いたしました。  この概要ですが、まず先−2の参考資料の先ほどの次のものを見ていただけませんでし ょうか。別添資料1ということで、従来の歯根端切除術というのがございますが、これはまず デンタルエックス線という、歯医者さんに行くと小さなレントゲンを撮りますが、普通はそれ を撮るのですが、これではなかなか3次元的な形態は把握できない。この患歯は上顎の 左の真ん中の歯、すなわち中切歯ですが、この歯の根尖がああいう状態になって難治性 なので、これに歯根端切除をやろうということになります。その場合には非常に大きな切 開をしないといけません。なぜなら、まずその3次元的把握をしておりませんので、どのく らい病巣が大きいかわからない。あるいは、アクセスしやすいように、あるいはいろんな器 具が普通の歯科用の大きなものですから、それを入れてよく見えるようにというので、大き く切らないといけません。  そこで大きく切開をして、そして術野を広げて見るわけでありますが、参考資料の下の 図にありますように従来の歯根端切除手術を行う場合には、直視するために、あるいは器 具が届くために、斜めに切らないといけない。すなわち、たくさん周囲の骨をとって、そし て歯根も大きく切り取るということで、もったいないということであります。それから今度はそ の切った根管の中へ逆に先の方から充填をするわけでありますが、そこで形成をしている うちに時々横に孔があくということがあり、穿孔しやすい。それから、そこを充填するわけで ありますが、この器具も少し大きいので、なかなかきちっと充填ができないという欠点がご ざいまして、そして歯根端切除を従来どおり行いまして、一番右の上の絵ですけれども、 大きく切ると術後にあのような瘢痕ができたり、なかなか治癒がうまくいかず遅いということ がございます。  その次を見てください。ところが、歯科用CTと歯科用実体顕微鏡を併用する方式、この 先進医療の方式ですと、この一番左の上を見ていただきますと、これが上顎の右側の第 1小臼歯ということで、この写真で見える右から2番目の歯の根の先が黒くなっております が、こういうエックス線的にびまん性の透過像が出ている症例です。こういう難治性の場 合に、まずデンタルという通常どおりのエックス線写真を撮るのと同時に、今回は歯科用 CTを撮ります。この歯科用CTを撮ることによって、その隣の写真を見ていただきますよう に、これは近心側の方から、頬舌的(ほっぺたとべろ側)、口蓋側の方の断面を見れるわ けでありまして、これで病巣の三次元的把握ができる。それから、それをスライスしていき ますと、この3枚連続してスライスが出ていますが、だんだんと右にいくに従いまして、この 線の方へ切っておりますが、だんだんと病巣が大きくなっているのがわかります。こんなふ うな状態で、その病巣をよく把握して、そしてまた根管のいろんな形態がもしわかれば、 そこもよく把握をしておくということで、今度は切開をしていくわけであります。そこでもその 病巣のところの3次元形態を理解しているがゆえに、できるだけ小さく切ることができる。 歯肉溝切開、あるいはLuebke-Ochsenbein切開という歯肉縁を2mmほど残して切る。ど ちらかの切開法を用いましても、できるだけ小さく切る。そして術野を確認するということで、 下の図へ行きますが、そしてそこを出します。そして、また非常に小さなマイクロインストル メントを使いまして、鏡も非常に小さな直径3ミリを使います。  普通、歯科医院で私たちが使う、通常の外来で使う鏡は、直径が21.6ミリですが、この ような非常に小さなものを使って、小さな器具で小さな部分を実体顕微鏡でしっかり見な がらやる。その場合、小さな器具であるがゆえに、先ほどのように斜めに大きく切らなくて 済んで、まっすぐ水平に切ることができる。そして切った断面を、この真ん中の図ですが、 実体顕微鏡でしっかり観察し、メチレンブルーで染色をして、小さな根管がほかにないか どうか確かめます。もし、それを見つけると、そこまできれいに削って、そこにしっかり詰め ます。それが右の模式図で示されています。そして、ぴったりと、しっかり封鎖すれば、そ こから治癒していくわけです。逆根管充填の確認ということで、あのように形成をして充填 剤を詰めます。その後、縫っていくということになります。そうすると、また右の上の図に返 っていただきまして、術直後のレントゲンですけれども、そして1カ月後にあのようにきれ いに治るということで、非常に早く治癒をするということと、そして小さな切開ですから歯茎 のラインが下がったりすることはないので、見た目も大変によいという利点がございます。  こういうような状態ですので、低侵襲で精密な処置によって治療成績が向上するという 効果がございます。  別紙6の次を見ていただけますでしょうか。したがいまして、先進技術としての適格性と いたしましては、適応症というのはそういう形で難治性の慢性根尖性歯周炎ということで、 適応症は妥当と判断いたしました。有効性としては、従来の技術、すなわち通常の歯根 端切除に比べると大幅に有効であると。安全性も問題はない。技術的成熟度は、当該分 野を専門とし経験を積んだ医師または歯科医師の指導であれば行えると。社会的妥当性 も倫理的問題はない。現時点での普及性ですけれども、たくさん症例はあるのですが、実 はCTとこのマイクロサージェリーができるところが余りないので、十分普及はしておりませ ん。そして、効率性はやや効率的ということで、CTを撮ったりする時間とかの余分なところ もございますが、やや効率的かなと。将来は保険収載することが妥当というふうに考え、総 合判定としては適といたしました。  その次のページを見てください。当該技術の医療機関の要件でございますが、診療科は 歯科、資格といたしましては日本歯科保存学会という、こういう根管治療を専門に研究をし ている学会の専門医、それから当該診療科の経験年数は5年、当該技術は3年の経験年 数、そして経験症例数は実施者として5例、助手として1例ということでございます。医療機 関の要件といたしましては、実施診療科の医師数というのは必要でございまして、当該技 術の経験を3年以上有する日本歯科保存学会専門医を含む常勤歯科医師が2名以上、 他診療科は不要で看護配置も不要。そしてその他の医療従事者は看護師または歯科衛 生士、1名以上。病床は要りません。診療科は歯科。当直体制は要りません。緊急手術の 実施体制も不要。連携も不要。院内検査も不要ということですが、医療機器の保守管理体 制は必要です。倫理委員会は不要と思います。医療安全管理委員会は必要です。そして、 当該技術の実施症例数は10例を必要としてくださいと。そして、頻回の実績報告は必要で、 20例まで、あるいは半年までは1カ月ごとに報告をしていただきたいということでございます。 以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。詳細に御説明いただきましたけれども、先ほどお話がありま したように、59と60がほぼ内容は同じということで、統一した形で考えていただきたいと思い ます。どなたか御質問ございますでしょうか。写真をつけていただいたので、非常にわかり やすいかと思いますけれども。これはやはり専門としては歯科ということでよろしいんです ね。口腔外科ではなくて。 ○赤川構成員  はい。 ○猿田座長  はい。どなたか御意見ございますでしょうか。どうぞ、竹中先生。 ○竹中構成員  CTというと診断管理、技術のためにというこのCTというのは別段その日に撮らなくてもい いものなのでしょうか。 ○赤川構成員  CTを撮るのは、さきほど申し上げましたように、普通の歯科用レントゲンでは2次元にしか 撮れないので、3次元の病態構造がわからないので、切開線を決めたり、どこから切開して どこからどういうふうにとっていくかというのを決めるためにも、CTが必要なのです。 ○竹中構成員  いや、それは要るだろうと思いますが、この技術とCTというのが一体となっていなければ ならないのかと。 ○赤川構成員  そのCTからの情報がこの技術の低侵襲性に大きく役立っているということなのです。 すなわち、そうでなかったら大きく切って、大きく見て、大きなミラーでしっかりとる手術する ので、たくさんとらないといけない。 ○猿田座長  これ、両方とも名前が入っていす。59、60ともに。ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○田中(良)構成員  すみません、確認です。この歯科用小照射野エックス線CT撮影というのは、これは用語 としてはきちんとした装置名とか。これで認められているのでしょうか。ということなんです。 ○赤川構成員  そこのところは、最近歯科用CTというのもありますが、正式には歯科用小照射野エックス 線CTで正しいと思います。また、コーン状に照射して2次元データを取得して、それを1回 転させて3次元画像を得ます。もう1つに書いてあるようにコーンビームCTとも言います。 医科の先生方がもっぱらお使いになるのはファンビームCT、ヘリカルやマルチスライスで すが、それらと比較する意味ではコーンビームCTが一番正しい名称とかと思います。した がいまして、そのように変更した方がいいと考えます。 ○田中(良)構成員  その医療機器の方の名称からちょっと気になっていますけれど。それからもう1ついいで すか。別紙6の先進性の中で、本文の細かいことですけれども、2行目に「歯科用小照射 野エックス線CT撮影を」と書いてある。 ○赤川構成員  「を」は要りませんね。 ○田中(良)構成員  ですね。 ○赤川構成員  失礼しました。ご指摘、ありがとうございました。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。もしほかになければ、それではこの59、60は一括して認めていただい たということで。どうもありがとうございます。  そういったことで、1月受付分のきょうの審査の分をまとめさせていただきますと、55番は通 させていただいて、56番は否と。それから57番は通していただいて、それから58番の方は、 技術としては本日は通させていただいて、機器の回収のことがありますから、その問題がは っきりしたときにもう一回ここでかけさせていただいて決めさせていただくと。それで今、最後 の59、60は一括してお認めいただいたということで、1月分の評価に関しての結果はそうい う形にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。  それでは次の2月分の受付の方に関しまして。 ○中野補佐  事務局でございますが、2月分の受付、先−3の資料、一枚紙をごらんください。2月分、 現在届出状況で受け付けいたしましたのは、4技術でございます。  61番から64番ということで、「FDG−PETを用いたアルツハイマー病の鑑別診断」、適応 症は痴呆疾患におけるアルツハイマー病の鑑別診断でございます。費用はそれぞれ、そち らに書いております。  62番は「ポジトロン断層撮影画像による不安定プラークの検出」ということで、適応症は頚 動脈エコーにてプラークが検出された症例ということでございます。  63番は「リアルタイムPCRを用いたEBウイルス感染症の迅速診断」ということで、適応症 は臓器移植後の免疫抑制剤使用中に起こるEBウイルス感染症や、伝染性単核症などで 起こるEBウイルス感染症を適応としております。  64番が「難治性自己免疫疾患に対する自己抹消血幹細胞移植」ということで、適応症は 自己免疫疾患ということになっております。以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。どなたか、この4つに関しまして一応届け出があったというこ とで、今審査に入っています。よろしいでしょうか。ありがとうございました。  それでは、その次の問題へ移らせていただきます。その次は、この間の、前のときにちょ っと問題になりました、各先進医療技術に関する費用の点での、ちょっと訂正のことがござ います。これも事務局の方からお願いいたします。 ○中野補佐  それでは先−4の資料をごらんください。この資料4の2枚目でございますけれども、前回、 (2)年間実施件数、1件当たりの先進医療の費用、平均入院期間の数について、永井構成 員から数値の間違いについて御指摘をいただきました。これは転帰ミスということで、新た にこちら、1枚目でございますけれども、正しい数値を右の黄色の枠囲み、傍聴席の方は 灰色になっていると思いますけれども、そちらの方が正しい数値でございます。以上でござ います。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。この資料を見ていただくと、前のとは大分違ったかもしれませ ん。かなり大きな違いもありましたけれど、正式にこれを訂正させていただくということでよろ しいですか。 ○笹子構成員  ちょっと質問してよろしいですか。今までの先進医療技術の中で、保険収載を目指すとい うものが多々あるわけですが、例えばこの4番とされている直腸脱等のものは、319件やられ ていまして。どういう実績のときに保険の方へ。つまり、今の保険のシステムというのは、外保 連か内保連かを通らない限りはいかないみたいになっていること自体が変なのですけれど、 この先進医療というシステムを位置づけているものが、保険収載を目指す前のということでや っているのであれば、こういうのでどこかの時点でオーケーということであれば、実績を踏まえ てもう既存のシステム以外のルートでこう行くのだ、みたいなものをつくらないと、これもその うち何か形骸化しますよね。この制度そのものが。 ○猿田座長  一応事務局から返事があると思いますけれど、今まで高度先進の場合は大体1年ぐらい たったところで、どのくらい実際行われてどういう効果があったか全部評価して、保険を持っ ていくかどうか決定します。すでにこれまでに多くのものを保険採用していただいています。 ○中野補佐  基本的には年次報告等を踏まえまして、診療報酬改定時に、外保連、内保連という、学 会からの提案いただいた技術だけでなく、こういった高度先進、あるいは今回は先進医療 になりましたけれども、先進医療の技術の中で保険に収載すべきものがあれば、医療保険 としてこれまでも評価して参りましたし、今後も評価する予定でございます。 ○猿田座長  ここでかけさせてもらうんですよね。必ず先生方の。そういう形をとっていましたものです から、ここで慎重に検討しながらやっていこうと思っていますので。  よろしいでしょうか。  それでは時間のことがあるので、次に移らせていただきたいと思います。次はこの間もや はりお話がありました、先進医療の副作用、合併症の報告につきまして、もう一回事務局 の方から整理させていただいたものですから。よろしくお願いいたします。 ○中野補佐  それでは先−5の資料に基づきまして御説明をさせていただきますので、資料の方をご らんいただければと思います。右下のページ数の後ろの2枚、4ページ目、5ページ目を まずお開きください。実は前回、4ページ目と5ページ目に関しまして、先進医療におい ての重大な副作用、合併症が生じた際の対応についてということで、対応の案とそのフロ ーチャートにつきまして御審議をいただきまして、お認めいただいたところでございます。 ただ、その際の議論の中で、どのような事例が出た場合に報告をしなければならないかと いうことで、委員の中から御質問がございましたので、事務局にて案をつくらせていただき ましたので、本日、1枚目につきまして御審議をいただきたいと思っております。  2ページ目をお開きください。2ページ目に関しまして、前回、審議官の方から発言を申 しましたとおり、薬事法上承認された後、あるいは治験中における医薬品等の副作用が 発生した際の法律、あとその施行規則上の取り扱い、こちらの方を参考までに添付させて いただきました。こういった取扱規程がございましたので、これをベースにさせていただき まして、今回、1枚目の資料を作成させていただきました。  それでは1枚目にお戻りいただきまして、1枚目でございますけれども、今回の先進医 療技術における重大な副作用、合併症が生じた際の対応についての報告の範囲でござ いますけれども、こちら、読み上げさせていただきますと、「先進医療を申請した医療機関 は、当該技術の副作用、合併症によるものと疑われる疾病、障害もしくは死亡の発生に関 する事項を知った場合において、危害の拡大を防止するため必要があると認めるときは、 その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない」ということで、報告範囲を危害の拡大 防止にする必要があるということで、一定の報告の範囲を決めさせていただいております。  2番目の、その報告をするときの期日ということの関係でございますけれども、具体的な 発生から報告までの期日といたしましては、2通りに場合分けをしております。1つ目が、 次に掲げる症例ということで、イとロ、死亡あるいは死亡につながる恐れのある症例でござ いますけれども、そういった発生した場合に「当該技術による副作用等と疑われるもので あり、活そのような症例の発生または発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向がこれ までの治療成績から予測できないものについては、7日以内に届け出る」というような位置 づけで記載させていただいております。  2番目でございますけれども、次に掲げる症例ということで、上以外のものの中で1から 5の、治療のために病院または診療所への入院または入院期間の延長が必要とされる症 例、または障害、障害につながる恐れのある症例、そしてそれら3つ、(1)から(3)まで、並 びに前後のイ、ロということで、死亡、死亡につながる恐れのある症例でございますけれ ども、そこに掲げている症例に準じて重篤であるというような症例の場合。そして最後は、 後世代における先天性の疾病または異常があるもの、こうした症例の発生した場合に、当 該技術の副作用等によると疑われるものであって、かつそのような症例の発生または発生 数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が、これまでの治療成績から予測できないものと いったものに関しましては15日以内には届け出ていただきたいというようなことで、まとめさ せていただきました。簡単でございますけれども、以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。だんだん、いろんな技術が認められてきますと、緊急事態 が起こることがあると思います。そのときに死亡のような状況が起こったり、あるいはそうで なくても軽いものが起こったときに、やはり一定のこういった方針を決めておかなければい けないだろうということです。この間も少し説明していただきましたけれども、どなたか御意 見ございますでしょうか。こういう形である程度の方針をつくっておけば、もし何かあったと きに連絡いただけるということでございますけれども。7日と15日ということで、妥当なところ ではないかと思ったのですけれども。どなたか御意見がありますでしょうか。もしございませ んようならば、一応この委員会としてはこれをお認めいただいたということにさせていただ いてよろしいでしょうか。どうぞ、笹子先生。 ○笹子構成員  1番目の2行目からの「予測できないもの」までのあたりが、何かかなり実際には判断に 迷うので。かなりあいまいな書き方になっていて。どうなんですかね。これで現場は大丈夫 かなという気がちょっと。 ○中野補佐  事務局といたしましても、限定をし過ぎますと予測されないものについては報告されなく なってくるということもございますし、特に規定しない場合は前回のような資料になります。 従って、今回は薬事法上で規定されている内容を参考にしておりますので、医療関係者 の皆様方なら、十分ご理解いただけると思います。 ○笹子構成員  これ、薬事法での治験とかでは、ともかく起こったものは全部報告して、因果関係がある のかないのかみたいな評価をつけているというスタイルで、例えばこの死亡とかに関して は、「ともかく先進医療が絡んだ介入で患者さんが亡くなったときは、全部報告してくださ い」の方が、むしろ現場の人はわかりいいと思うんですけれど。それの解釈のところで、因 果関係ありとか、可能性ありとかと。これはもう治験のときに皆さんすごくなれているんです よ、パターンが。だからそれを適用して、選んでもらって報告してもらうという方が、何かす っきりするような気がします。 ○猿田座長  そのあたりはどうでしょうか。 ○中野補佐  ということで申しますと、その死亡が発生した事実を知った場合においては、ということで、 「その危害の拡大防止のために必要があると認めるとき」というところを削除してしまうとい うことでしょうか。 ○猿田座長  要するにこの先進医療が絡んで何か起こったかと、少しでもその疑いがあったときは全 部こちらへ上げてもらおうということです。それが本当に関連があるかどうかは、こちらで 判断したらどうかというのが、笹子先生の御意見なんですね。 ○中野補佐  それは死亡が発生したときだけということでしょうか。 ○猿田座長  いや。そうでなくてもですね、先生。それに準ずるような。 ○笹子構成員  1番目のようなときに。 ○猿田座長  その方がすっきりするのではと。 ○笹子構成員  わかりいい。 ○猿田座長  そう。わかりいい。たまたまこの間、東京大学の例が出てきましたけれど、あれも結局は っきりしなかったけれど出してくれということで、ここでかけさせていただいた。今、笹子先 生がおっしゃるのは、少しでもそういった形のはっきりしないような場合でも、全部こちら へ届けてもらうことが、しばらくは大切ではないだろうかという御意見なんですね。先進医 療としてはですね。そのあたり、どうですか。 ○中野補佐  そうすると、どういうふうに変えるとよろしいでしょうか。 ○笹子構成員  先進医療技術で規定されている先進医療を含んだ医療介入の結果、患者さんが死亡 または死亡に近い状態になったときは、全例報告すると。 ○中野補佐  そのときに、その障害とか次世代への影響というところは特に含めないということなので しょうか。 ○笹子構成員  それはその2番目の話ですけれども。 ○中野補佐  では、報告期日の(1)のところを修正するということでしょうか。 ○笹子構成員  (1)のような重大なものに関しては全例報告してもらって、先進医療との因果関係は当 事者の解釈としてつけてもらうということですね。 ○中野補佐  それでは、今お話をいただいたその2の(1)のところについては全例報告するような文 書に変更することを検討し、座長とご相談をしたいと思います。 ○笹子構成員  そう、そう。そのほうがよろしいのではないだろうかということですね。 ○猿田座長  どのくらいそういったことが起こるかどうかも、ちょっと予測できませんけれども、その方 がすっきりしているだろうということなんです。もし事務局でよろしければ、そういう形を取 らせていただければ。いいですね。  ほかに御意見ございますでしょうか。だんだん技術がふえてくると、確かにいろんなこ とが起こるかもしれないですね。ですからそれを予測して、もし何かあればということで す。ありがとうございます。 ○中野補佐  修正をさせていただいた上で、次回以降に御審議をいただきたいと思っております。初 めて作成するものですので、順次御意見をいただいて更新をさせていただきたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  それでは、今の副作用、合併症が生じた場合の対応ということは、その修正のことは検 討させていただくことで、一応お認めいただいたということにさせていただきたいと思いま す。そのほか、何か本日事務局の方からございますでしょうか。 ○中野補佐  次回の日程に関しましてはまだ現在調整中でございますけれども、有力な候補日といた しましては4月12日の14時からが今のところ有力でございますが、まだ会議の場所等、 準備できておりませんので、正式に確定し次第、また御連絡を申し上げたいと思います。 ○猿田座長  ありがとうございます。それからもう1つ、先生方に宿題で見直しを行っていただいてい ると思いますけれど、いろんな意見が出ていて、次のときからそろそろ検討していくこと になると思います。案件の整理を見ながらそういったこともやらせていただくことに成る と思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  もし御意見がなければ、それではこの第17回目の委員会を終わりたいと思います。御 協力どうもありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)