資料6

ICD改訂(リビジョン)に向けたWHOの取組状況

1.暫定スケジュール

  2006年:  3つの視点(科学、臨床、公衆衛生)から作業計画を作成

2008年:  ICD-11草案(α版(※))の公開
〜 2009年 ICD-11α版を基に協議







ICD-11に向けては、二つの草案が作成される予定
α版: WHO-FICネットワークメンバーや専門家向けの草案。
β版: データに基づく検証を行うためのフィールド・テスト用の草案。
科学的知見の収集に留まらず、試験的に改訂版を運用し、実際に 活用可能かどうか等についての検証もこの版を基に行う予定。








2010年:  ICD-11β版公開、フィールド・テストの開始
〜 2011年 フィールド・テストによるデータ収集

2012年:  一般レビュー用の最終版の公開
〜 2014年 調査の実施、レビューの公開

2014年:  世界保健総会への提出及び承認

2015年(以降) : ICD-11の勧告、各国が状況に応じて順次導入


2.改訂プロセス(改訂プロセス概念図参照)

   3つの視点(科学、臨床、公衆衛生)からのアプローチを行い、作業グループ(障害及び主題別グループ)において、とりまとめをおこなう。

 全体的な構造等については、改訂運営会議(仮称)(Revision Steering Group) において検討し、また、改訂運営会議(仮称)は、各作業グループに対して指導と監視を実施する。

 分類改正改訂委員会は、改正及び改訂プロセスが同時進行するように監督する。

 WHO本部は、WHO加盟国や専門機関との協議を行うこと等により、ICDの改訂を総合的に調整し、最終的に保健の様々な場面で対応可能な改訂版を実現する。

改訂プロセス概念図

3.改訂運営会議(仮称)について

(1) 経緯
 ICDの改訂は、2005年にWHOにおいて制定されたビジネスプランに基づき、2015年の施行を目処に進められることとなった。その改訂プロセスにおいては、新しい科学的知見の導入に努め、また、構造的な変化や新しい疾病概念への対応も念頭に、エビデンスに基づいた大規模なレビューを行うこととされた。

 2005年に開催されたWHO-FIC東京会議において、それらICD改訂に向けた計画が正式に承認されたことを受け、2006年のWHO-FICチュニス会議では、計画を実現するために、改訂運営会議(仮称)を設置すること及びその準備のための委員会が正式に発足した。

(2) 具体的な対応内容
[1]  改訂プロセスの監督、作業グループ間の連携の調整・助言
    -  内容 : 章やコードの移行や継続性に関すること等
  -  対象範囲 : 健康状態に関する章の設立に関すること等
  -  プロセスの決定 : 草案の取扱に関すること等
  -  参加 : 地域、国、NGOの参加に関すること等
  -  試行 : どのように試行を進めるか等

[2]  ICDの使用分野についての検証
 ・ 利用者のニーズに対応できる改訂版の実現
    -  死亡、疾病統計での使用
  -  初期治療、臨床診療での使用
  -  その他

[3]  分類学的・分類体系的な基本原則の検証
    -  主要定義 : 疾病、障害、症候群、徴候、症状、精神的外傷、外因等
  -  特質 : 病因、病態生理、医療行為によるもの、遺伝学的背景等
  -  モデル : 他の分類及び分類体系へのリンク等

[4]  問題解決のための提案、必要に応じて試験的施行をデザイン
    -  因果関係:一次的、二次的等の検証等
  -  複数傷病への対応等

[5]  その他
    -  コーディング規則、基準、表形式化、索引に関すること等
  -  臨床用語へのリンク及び対応づけに関すること等

(3) メンバー構成(案)
・  ワーキンググループ(各専門家):








精神
外因
稀な疾患
がん
感染性疾患
非感染性疾患
その他
・  分類改正改訂委員会(URC)委員長
・  国際分類ファミリー拡張委員会(FDC)委員長
・  企画実行委員会(PC)委員長
・  オントロジー/ターミノロジーの専門家
等で構成を予定している。

(4) 第1回会議について
2007年4月に日本において開催予定

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