資料4

ICDのこれまでの経緯について


1.WHOによるICD−10一部改正の勧告

国際疾病分類(ICD)は、死因に関する国際的な標準分類として100年以上の歴史を有し、疾病の分類にも用いられ、我が国も適用してきた。概ね10年のサイクルで改訂が行われきており、1990年の第43回世界保健総会でICD−10(1990年版)が採択、勧告され、我が国でも1995年1月から適用された。

その後WHOは、ICD−10のままで行われた2003年までの改正を集積し、2004年10月に、ICD−10の一部改正(ICD−10(2003年版))の勧告を行った。わが国においてもWHOの最新の勧告の適用のため、社会保障審議会統計分科会のもとに疾病、傷害及び死因分類部会を設置し検討が行われ、ICD−10(2003年版)準拠として本年1月より適用されている。

2.国際疾病分類(ICD)を巡る状況の変化

ICDの利活用の推進について、WHOは「分類に関するビジネスプラン(2005年第1.1版)」(資料3−3)をまとめ、その目標や方向性を定めている。当該ビジネスプランにおいて、ICDの適切な改正(アップデート)を行いつつ、2015年の施行を目途とするICD−11への改訂(リビジョン)の計画が盛り込まれている。

ICDの改訂プロセスについては、新しい科学知識の維持に努めながら、構造的な変化や新しい疾病項目を取り入れた、エビデンスに基づいた大規模なレビュープロセスをたどることとなっている。

一方、現行のWHO−FICネットワークの中に新たに疾病に関する専門的な委員会(疾病分類グループ(MbRG))を設置する方向でも検討が進められており、本年10月の年次会議(WHO−FICチュニジア会議)で正式に発足する予定である。

3.社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会の設置

ICDに係るこのような国際的情勢の変化を踏まえつつ、わが国としても、時代の趨勢に対応したICDの適用が求められていることから、統計の基本事項として社会保障審議会統計分科会において審議し、WHOから発信される最新のICDに関する情報を検討し、積極的にICD−10のままの改正(アップデート)、ICD−11への改訂(リビジョン)に関与していく必要があること及びICDの正しい普及・啓発を図る必要があるとされた。

ICDは、広範囲に渡る専門的知識を必要とすることから社会保障審議会統計分科会において承認されている「疾病、傷害及び死因分類」に係る委員会の設置の規定(平成13年7月30日)に基づき、統計分科会長の了解を得て、常設の疾病、傷害及び死因分類専門委員会が設置された。


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