資料2 |
建築物における維持管理マニュアル(仮)(案)
平成19年 月
建築物環境衛生維持管理要領等検討委員会
【目次】
1.はじめに
2.空気環境の調整
2−1 個別空調方式の維持管理方法
2−2 冷却塔及び冷却水の維持管理方法
3.飲料水の管理
3−1 給湯設備の維持管理方法
4.雑用水の管理
4−1 雑用水設備の維持管理方法
5.ねずみ等の防除
5−1 総合防除(IPM)の施行方法
1.はじめに
平成13年10月に厚生労働省健康局に「建築物衛生管理検討会」が設置され、建築物環境衛生管理基準等の見直しに向けた検討が行われた。平成15年7月にとりまとめられた検討会報告書による具体的な提言を踏まえ、平成15年4月1日に建築物における衛生的環境の確保に関する法律政省令改正が施行された。
本マニュアルは、建築物環境衛生管理技術者等の実務者を対象として、政省令改正の際に新たに導入された事項を中心に、維持管理の具体的方法を提示したものである。
2.空気環境の調整
2−1 個別空調方式の維持管理方法
<基本的な考え方>
個別方式の空気調和設備とは、中央熱源を持たずに、熱源と空気調和機とが一体となっているか、室内ユニットと熱源ユニット(室外機や室外ユニットと呼ぶこともある。)を冷媒配管で接続して、各々の機器単体で運転制御が可能な空気調和設備を言い、パッケージ方式と呼ぶこともある。
<維持管理方法>
○ エアコン本体:ロングライフフィルタ
○ エアコン本体:高性能フィルタ
○ 空気洗浄ユニット:集塵エレメント
○ エアコン本体 ベーンルーバー
○ エアコン本体 ドレンパン
○ 外調機 中性能フィルタ
○ 自然蒸発式加湿器−流下式 加湿エレメント
○ 自然蒸発式加湿器−膜式 加湿エレメント
○ 自然蒸発式加湿器−ドレンパン
○ 蒸発式加湿器 蒸発槽
○ 超音波式加湿器
○ 加湿器 ストレーナ
○ 全熱交換器 ロングライフフィルタ
○ 全熱交換器 全熱交エレメント
2−2 冷却塔及び冷却水の維持管理方法
<基本的な考え方>
<維持管理方法>
(1)冷却塔の維持管理に関する防止策
(2)冷却水系の維持管理に関する防止策
(3)使用休止後再開時の対応
3.飲料水の管理
3−1 給湯設備の維持管理方法
<基本的な考え方>
<維持管理方法>
(1)給湯設備の維持管理
(2)給湯設備の清掃
(3)水質検査
(4)水質検査結果に対する対策
4.雑用水の管理
4−1 雑用水設備の維持管理方法
<基本的な考え方>
雑用水供給設備の維持管理を行う際には、以下の点に注意する。
(1) 日常点検と定期点検
(2) 清掃
(3) 部品交換・補修
<維持管理方法>
(1)設備系統
(2)水槽類
(3)ポンプ類
(4)配管設備
5.ねずみ等の防除等
5.1 総合防除(IPM)の施行方法
(1)総合防除(IPM)の施行について
<基本的な考え方>
特定建築物におけるねずみ・害虫等の対策のためのIPMを以下のように定義する。 「建築物において考えられる有効・適切な技術を組み合わせて利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめるような方法で、環境基準を目標に有害生物を制御し、そのレベルを維持する有害生物の管理対策である。」
<維持管理方法>
[1]IPMの要素
[2]IPM施行の手順
(2)IPMにおける目標(維持管理基準)
<基本的な考え方>
ねずみ・害虫対策で生息密度が0になることを目指すのは、僅かな発生場所や潜伏場所の見落とし、対策後の防除対象区域外からの侵入等、防除を請け負う側にとっては継続した防除活動が必要になるなど、経済的、精神的な負担が大きい。一方、建築物の利用者にとっては、害虫等が僅かに生息したとしても、それほど大きな障害となることはなく、逆に0を求めるあまり、徒に過度の薬剤使用を招き、その弊害を受けてきた過去の例が多い。このようなことから快適環境の確保という法の趣旨を踏まえれば、許容基準ともいうべき目標を設定し、それを目標に管理することが妥当である。
(3)生息密度(発生量)調査法
<基本的な考え方>
ねずみ・害虫は種によって発生源や行動する場所が異なり、また、時期や場所によって発生密度が異なることから、状況に応じた対策を実施する必要がある。このためにはあらかじめ発生場所や密度を調査によって把握することが重要である。
【調査法】
●定期調査(施行規則に基づく6月以内または2月以内ごとの調査)
●不定期調査
(4)IPM施工ガイドライン実施モデル
1.生息調査
2.環境調査
3.維持管理基準
4.事前調査記録書の作成
5.作業計画
6.防除作業
7.事後処理
8.効果判定
9.再作業
10.緊急対応