資料4−5

リスク評価対象物質による災害事例
発生年 業種 被災状況 原因物質 発生状況
平成6年 その他の事業 中毒 1名 ホルムアルデヒド

検査室において、海水中に生息するオキアミを調査するため、サンプル瓶に収集した海水(オキアミの腐食防止のためホルマリンを混入したもの)をシャーレに移し、オキアミをピンセットで取り出す作業を行っていたところ、シャーレの海水中に含有していたホルムアルデヒドが気化し、それを吸引し被災した。

平成6年 輸送用機械器具製造業 中毒 2名 ホルムアルデヒド

工場内において、ポリアセタール樹脂製の部品を染色するため、鍋に当該部品と水、染料を入れ簡易ガスコンロで加熱していたところ、作業者が当該作業をしていることを忘れ作業場を離れてしまい、鍋の水が蒸発し空炊き状態となったため、ポリアセタール樹脂が熱により分解してホルムアルデヒドが発生し、それを吸った工場内の労働者が被災した。

平成9年 陸上貨物取扱業 中毒 1名 パラホルムアルデヒド

輸入したパラホルムアルデヒドのドラム缶を輸送するため、コンテナからトラックに積み替え作業を行った後、中毒症状を呈し被災した。

平成11年 化学工業 中毒 1名 ホルムアルデヒド

ホルマリンによる燻蒸消毒作業を行っていたところ、ホルムアルデヒドガスが漏れ労働者1名が中毒症状をおこした。

平成11年 畜産業 中毒 1名 ホルムアルデヒド

鶏舎に使用する敷紙の消毒処理のため、薫蒸室においてパラホルムアルデヒドを加熱したところ、発生したホルムアルデヒドを吸入し被災した。

平成13年 社会福祉施設 中毒 11名 ホルムアルデヒド等(シックハウス症候群)

保育園の園舎建て替えのため、仮設園舎に移った保育士等の職員及び園児に、シックハウス症候群と見られる症状を訴える者が続発した。

平成13年 木材・木製品製造業 中毒 1名 ホルムアルデヒド

集成材の製造工場内で、集成材製造ラインの点検中、ラインの接着剤吹き付け装置の清掃・点検を行ったところ、接着剤に含まれるホルムアルデヒドの蒸気を吸入し、被災した。

平成14年 航空等 中毒 2名 ホルムアルデヒド

航空機の後方貨物室において、荷のホルマリン標本からホルマリンが漏れたため、ガーゼマスクを着用しふき取り作業を行っていた際にホルマリンの蒸気を吸入し中毒となった。

平成15年 医療保健業 中毒 2名 ホルムアルデヒド、メタノール

病院の解剖室において、ホルマリン(ホルムアルデヒド、メタノール含有)に入れて保管してあった臓器を処分するため、ホルムアルデヒド用吸収缶(メタノールに対しては効果がない)を付けた防毒マスクを着用して臓器とホルマリンを分別する作業を行っていたところ、作業終了後、2名が頭痛等の症状を訴えた。

平成16年 その他の製造業 中毒 1名 ホルムアルデヒド

ホルマリン(ホルムアルデヒド38%含有)を使用して、試験室等の燻蒸(殺菌)作業を行っていた際、試験室等からホルムアルデヒドの蒸気が漏れ、隣接した部屋で作業をしていた労働者が吸入し、のどの痛みを訴えた。翌日、燻蒸が終了した試験室等からホルマリンの蒸気を屋外にダクトで排出していた際、ダクトの途中が外れ、漏洩したホルマリンの蒸気を昨日の被災者が吸入し、倒れたもの。

平成16年 金属製品製造業 中毒 6名 パラホルムアルデヒド

鉄スクラップとして持ち込まれた鉄製のタンク(廃棄前はパラホルムアルデヒドを入れていたもの)を切断したところ、異臭がたち、付近にいた労働者6名が目に痛みを感じたもの。


トップへ