07/02/26 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成19年2月26日議事録 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会議事録 日 時:平成19年2月26日(月) 9:58〜12:16 場 所:厚生労働省 6階 共用第8会議室 1.開 会 2.挨 拶 3.審 議    議 事:1議題         (1)食品添加物の指定及び規格基準の改正について         (2)食品中の農薬の残留基準設定について         (3)食品中の動物用医薬品の残留基準設定について        2報告事項         (1)食品添加物公定書の改正に伴う「食品、添加物等の規格基準」            (昭和34年厚生省告示第370号)の改正について         (2)特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果について         (3)平成19年度 輸入食品監視指導計画(案)について 4.閉 会 ○事務局 おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事 ・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ、 御参集いただきまして誠にありがとうございます。 まず、本日の出欠状況について御報告させていただきます。 本日は、内田委員、児玉委員、田中委員、宮村委員、山内委員から欠席との御連絡を事 前に受けております。 また、岸委員が少し遅れられるとの連絡が先ほどございました。現在、分科会委員総数 19名のうち13名の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しておりますので、 本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。 本日の議事次第につきましては、お手元の資料を御参照していただければと存じますが、 3題を予定しております。 具体的には、食品添加物の指定及び規格基準の改正については、d−α−トコフェロー ル酢酸エステル及びトコフェロール酢酸エステルの指定について。 また、食用赤色104 号及び105 号の規格基準の改正についてであります。 2つ目の議題といたしまして、食品中の農薬の残留基準の設定についてでございますが、 4つございます。 ベンチアバリカルブイソプロピル、ビフェナゼート、ノバルロン、クロチアニジンでご ざいます。 3題目の食品中の動物医薬品の残留基準の設定につきましては、マレック病凍結生ワク チンのウイルス1型、2型のものが2つ。 豚伝染性胃腸炎・豚流行性下痢混合生ワクチン、豚オーエスキー病不活化ワクチンの4 剤でございます。 また、報告事項といたしましては、食品添加物公定書の改正に伴う食品添加物等の規格 基準の改正について。 2つ目といたしましては、特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果につい て。 3点目といたしましては、平成19年度輸入食品監視指導計画(案)につきましての3点 を御報告させていただきたいと考えております。 配付資料につきましては、分科会資料一覧がございますので、そちらの方で御確認をい ただきまして、もし、不足や落丁等ございましたら、事務局の方までお申し付けいただけ ればと存じますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。 それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。 ○吉倉分科会長 それでは、早速始めたいと思います。議事に沿っていきますと、第1番 目「食品添加物の指定及び規格基準の改正について」。一番最初がd−α−トコフェロー ル酢酸エステル及びトコフェロール酢酸エステルの指定の可否について、事務局から説明 をお願いいたします。 ○松田課長 基準審査課長の松田でございます。 それでは、資料1−1に基づきまして、d−α−トコフェロール酢酸エステル及びトコ フェロール酢酸エステルの食品添加物の指定の可否についての資料を御説明申し上げます。 まず、資料の5ページ目でございますけれども、添加物部会の報告書に沿って、簡単に 概略を御説明申し上げます。 「1.品目名」は、今、申し上げましたd−α−トコフェロール酢酸エステルとトコフ ェロール酢酸エステルでございます。 トコフェロール酢酸エステルの方がすべてのラセミ体を含みます。なお、この2剤につ いての名称につきましては、当初は酢酸αトコフェロールというふうになっていたわけで すけれども、部会において、日本薬局方との整合性を図るということから、d−α−トコ フェロール酢酸エステル及びトコフェロール酢酸エステルとしたところでございます。 d−α−トコフェロール酢酸エステルにつきましては、天然由来のα−トコフェロールの 酢酸のエステルでございます。 「2.構造式、分子式及び分子量」は図のとおりでございます。 6ページ目「3.用途」でございますけれども、栄養強化剤として用いられるというも のでございます。 一方、トコフェロール酢酸エステルは、化学的合成法に基づいて合成されたものでござ いまして、それの酢酸のエステルというものでございます。 諸外国での使用状況ですけれども、米国を始め、多くの国で栄養補助食品の素材として 使用されているというものでございます。 また、米国やEU諸国では、食品成分扱いというふうにされているところでございます。 5の「食品添加物としての有効性」でございます。 本剤につきましては、酸化防止剤としての用途はございませんで、栄養強化ビタミンE の目的で使用されるというものでございます。 また、消化管内で加水分解されてα−トコフェロールとなり、小腸から吸収されるとい うものでございます。 7ページでございます。6の食品安全委員会における評価結果でございますけれども、 2つ目の段落にありますとおり、食品安全委員会におきましては、酢酸α−トコフェロー ル(d体及びdl体に限る)が、保健機能食品に限って使用され、かつ当該食品の1日当 たりの摂取目安量に含まれるα−トコフェロールの量が150mg を超えない場合、安全性に 懸念がないと考えられ、ADIを特定する必要はないというように評価していただいてい るところでございます。 8ページでございます。「7.摂取量の推計」でございますけれども、まず「(1)ビ タミンEの許容上限摂取量(UL)」でございます。 食品安全委員会の評価によりまして、まず、我が国では日本人の食事摂取基準2005年に よればULというものは800mg/日ということで設定されているところでございます。 米国のCouncil for Responsible Nutrition では、ULを1,000mg/日としているところ です。 また、米国のInstitute of Medicinでは、1,000mg/日としているところでございます。 EUのScientific Committee on Foodでは、dl−α−トコフェロールのULを300mg/ 日としています。 英国のExpert Group on Vitamins and Minerals でもdl−α−トコフェロールのUL を540mg/日というように、それぞれ各国でいろいろな許容上限摂取量を設定されていると いうところでございます。 「(2)わが国における摂取量の推計」でございます。これも食品安全委員会の評価結 果からの引用でございますけれども、平成15年の国民健康・栄養調査結果の概要によりま すと、9ページの2つ目の段落の「また」以下に書いてありますけれども、補助食品等を 摂取している者と摂取していない者を別に見ますと、ビタミンEの摂取量は、それぞれ10 5.1mg α−TE、α−トコフェロール当量という単位でございますけれども、もしくは8. 3mg α−TEということだそうでございます。 補助食品等を摂取しているもののビタミンEの摂取というのは、補助食品からの摂取が 大部分を占めており、大体9割ぐらいが補助食品からの摂取だというようなことが調査さ れているところでございます。 10ページでございます。部会の検討の結果、新規指定の可否につきまして、d−α−ト コフェロール酢酸エステル及びトコフェロール酢酸エステルを食品衛生法第10条に基づ く添加物として指定することは差し支えないと御意見をいただいたところでございます。 また、使用基準の(案)でございますけれども、食品安全委員会における評価結果を踏 まえまして、それぞれ保健機能食品以外の食品に使用してはならない。また、当該食品の 一日当たりの摂取目安量に含まれるα−トコフェロールの量が150mg を超える量を含有 しないようにしなければならないというような使用基準を設定するのが適当であるとの御 意見をいただいております。 また、成分規格でございますけれども、17ページを見ていただきますと、別紙3という ことで、比較表が載っておりますけれども、今回の基準の策定に当たりましては、JPC、 日本薬局外医薬品規格とEUの薬局方、米国薬局方、米国の食品添加物の規格のFCC、 これらを参考にさせていただいて、基準を設定させていただいたところでございます。 このうち、性状のところにつきましては、本日の資料の一番最後に、1枚紙でパブリッ ク・コメントに基づいたコメントが最後に付けてございます。 この資料なんですが、食品添加物公定書改正に伴うコメントについてという表題になっ ておりますが、食品添加物公定書改正というのは誤りでございまして、酢酸−d−α−ト コフェロールと酢酸dl−α−トコフェロールの食品添加物としての指定に伴う云々とい う形のコメントということで、訂正させていただきます。この意見2にありますとおり、 今回、性状の中に冷却すると固化することがあるということを局外規も参考にして入れて ほしいという話がございまして、これについては、今回、この意見を採用させていただい て、冷却すると固化することがあるというのを性状のところに追加したいと思っておりま す。 17ページに戻っていただきますと、基本的にはほかの規格をいろいろ踏まえて規格を作 成させていただきましたけれども、16ページにありますとおり、酸性度と有機揮発性不純 物及び残留溶媒につきましては、ここに書いてある理由に基づいて、この規格では採用し ていないというところでございます。 続いて24ページには、同じように、トコフェロール酢酸エステルの規格が他の規格と比 較で紹介しているところでございます。 これも戻っていただきますが、22ページのところに日本薬局方とかFCC等で採用され ているけれども、本規格では採用しなかった項目ということで、溶状、酸性度、有機揮発 性不純物及び残留溶媒、この点につきましては、こういった理由で採用しなかったという ようなものでございます。 最後になりますが、先ほど一度見ていただきましたけれども、パブリック・コメントの 結果でございますけれども、今月の2月14日まで、パブリック・コメントを受け付けたと ころでございます。 その結果、意見を3つほどいただいております。1つ目でございますけれども、意見の 1ということで、英名の名称についてのコメントでございますけれども、これにつきまし ては、米国の食品添加物規格のFCCなりEPとの整合性を図ったということで、あとUS P もトコフェロール酢酸エステルを用いられているということで、原案どおりさせていた だきたいという案でございます。 意見の2ですけれども、これは先ほど御紹介したとおりのところでございまして、採用 さていただきたいと思っております。 もう一つは、意見の3でございますけれども、純度試験のところの変更面のところの誤 記でございますけれども、これも修正させていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。そうすると、今のパブリック・コメン トを入れて訂正したのは、本文でいうと、何ページと何ページなんですか。 ○松田課長 現在の1−1の資料の中には、まだ反映されておりませんので、例えば先ほ どの性状のところであれば、11ページの真ん中ぐらいに性状という項がありますけれども、 ここのところに冷却すると固化することがありという内容の趣旨のことを追加させていた だきたいと思います。 ○吉倉分科会長 それから、後は意見2はそれですね。3はどこかの表ですか。 ○松田課長 これも12ページの真ん中ぐらいのところに「ただし」というのがあります けれども「α:偏向面」の「向」の字が「光」の間違いでございます。 ○吉倉分科会長 今のような訂正ですが、10ページのところの使用基準、それから成分規 格というのは、先ほどの17ページと24ページの表という具合に考えればいいわけですね。 これについて、いかがでしょうか。 10ページの「(2)使用基準(案)」で、(1)d−α−トコフェロール酢酸エステル、そ れから(2)トコフェロール酢酸エステルとなっているんですが、製品によってどうなってい るのかよくわからないんだけれども、これは両方一遍に使うことはあるんですか。d−α とd−αと分けていないのとね。 ○松田課長 これは、一緒に使うことはないと思います。 ○吉倉分科会長 どちらかなわけですね。ですから、足し算して、そういうことは想定し ていない。いかがでしょうか。 よろしいですか。それでは、次へ行きましょう。これはパブリック・コメントも済んで いるんですか。 ○松田課長 済んでおりますので、今日の審議を踏まえまして答申いただいて、指定等の 手続を取らさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長 では、よろしくお願いします。次をお願いします。 ○松田課長 次は、資料1−2−1でございます。赤色104 号と105 号の成分規格の改正 についてということでございます。 5ページ目から部会の報告書ということで、まとめてありますので、ここから説明させ ていただきます。 104 号、105 号に不純物として含まれるヘキサクロロベンゼンの規格の設定につきまし ては、昨年12月の分科会で、概略御説明申し上げて作業を進めるということで御報告申し 上げたところでございますけれども、今回、部会での審議も終わりましたので、紹介させ ていただくものでございます。 104 号と105 号でございますけれども、これは原料にテトラクロロ無水フタル酸(TC PA)というものが使われておりますけれども、このTCPAの不純物に、化審法でいう、 第1種特定化学物質のヘキサクロロベンゼン(HCB)が含んでいるということです。 それで、厚生労働省におきましては、平成10年からいろいろ実態調査も行い、また、混 入率低減に向けて、各種の指導を行ってきたところでございます。業界においても自主基 準ということで、20ppm の基準値を設け、低減化を図ってきたということでございます。 今回、HCBの基準設定に向けた、いろいろな検討がまとまりましたので、成分規格の改 正を行いたいというものでございます。 6ページを見ていただきたいと思います。2番目の104 号、105 号からのHCBの推定 の摂取量の計算でございます。 まず、ヘキサクロロベンゼンHCBにつきましては、国際化学物質安全性計画、IPC Sと言われておりますけれども、これにおきまして、悪性新生物以外を指標としたTDI につきましては、0.17μg/体重/ 日ということで設定されているところでございます。 また、悪性新生物を指標とする場合の発がん性投与量TD5 に基づいて健康についての 指針値につきましては、0.16μg/kg体重/ 日と設定されているところでございます。 また、赤色104 号、105 号の摂取量でございますけれども、マーケットバスケット方式 によりまして、調査されておりますが、平成15年度では、104 号の一日摂取量というのが 0.015mg/ 人/ 日、105 号については検出されていないという状況です。 また、生産量統計に基づきました摂取量の推計でございますけれども、これによります と、平成14年、15年度の推計値では、それぞれ0.036mg/人/ 日、0.004mg/人/ 日という ふうになっております。 ヘキサクロロベンゼンが104 、105 号に仮に1g当たり10μg 混入すると仮定して、生 産流通調査方式による摂取量に基づいて、ヘキサクロロベンゼンの摂取量を求めますと、 ちょうど真ん中に書いてありますとおり、大体0.0004μg/人/ 日というふうになります。 ヘキサクロロベンゼンの混入を、先ほど申し上げたように、g当たり10μg 、そして平 均体重を50kgといたしますと、IPCSの指針値との比でございますけれども、およそ0. 005 %ということでございまして、直ちに問題となる量ではないと考えられたところでご ざいます。 続いて7ページ目でございます。「3.成分規格案」でございますけれども、ヘキサク ロロベンゼンのHCBの規格の設定に当たりましては、1つは、先ほど申し上げましたと おり、仮にg当たり10μg という量であった場合に、IPCSの基準値の0.005 %という ことで非常に低いということ、その一方でヘキサクロロベンゼンというのは、POPSという ことで、化審法でも第1種特定化学物質と指定されているということもありまして、でき るだけ抑えるということが必要であろうということで、実際の測定値を踏まえて定めよう ということでございます。 平成11年以降の分析結果に基づきまして、また、基準の設定 の考え方でございますけれども、医薬品の原薬の純度試験における不純物の規格限度値の ガイドライン、ICHのQ6Aと言われているものでございますけれども、そういったもの を参考にヘキサクロロベンゼンの規格限度値を、不純物含有量の平均値プラス信頼区間の 上限ということで、ロット分析データの標準偏差の3倍ということで試算を行ったところ でございます。 具体的には21ページを見ていただきますと、Table3というものがございまして、これ が11年度以降の104 号、105 号中のヘキサクロロベンゼンの含有量でございます。 このデータを用いまして、先ほどのICHのガイドラインを参考に規格値を設けますと、 105 号については、5.0 μg/g 、105 号につきましては、6.5 μg/g というのが適当であ るということで結論をいただいたところでございます。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問がありますか。これは、成分規格の改正、それで、今までの 成分規格はどうだったんですか。 ○松田課長 今までは、設定されておりませんでした。 ○吉倉分科会長 今回、ヘキサクロロベンゼンの混入について、さっきおっしゃった第一 種化学物質というのは何なんですか。 ○松田課長 化審法と言われております、難分解性で高濃縮で、かつ毒性のある化学物質 については、原則製造輸入等を禁止するという法律がございまして、その中でヘキサクロ ロベンゼンは、第一種指定化学物質に指定され、先ほど申し上げたように製造、輸入等は 原則禁止ということで、環境中に排出されないような措置が取られる対象になっている物 質だということでございます。 ○吉倉分科会長 それが、この中に入るわけですね。 ○松田課長 入っているので、できるだけ上限値を設けてコントロールしたいということ です。 ○吉倉分科会長 それで、先ほどの計算なんですが、21ページの一番下のところを見るわ けですね。5と6.5 というのはね。3σを足したのが4に0.97で5、それでR104、それ から105 は5プラス1.45で6.5 という計算だということです。この成分規格について何 か御質問はありますでしょうか。決めなければいけないのは、7ページの成分規格案でよ ろしいかということです。よろしいですか。規格案というのは、やはりパブリック・コメ ントその他をやるんですか。 ○松田課長 これも実はパブリック・コメントを終了いたしておりますので、後でまた御 紹介いたしますけれども、昨年末に御審議いただいた添加物の公定書と、多分同時期に告 示ができるよう手続を進めたいと思っております。 ○吉倉分科会長 この前にやったものですね。 ○松田課長 そうです。 ○吉倉分科会長 それでは、これが成分規格表に入るということです。 その次をお願いします。 ○松田課長 それでは、2−1−1に基づきまして、今度は残留農薬基準の改定でござい ます。 1品目目が、ベンチアバリカルブイソプロピルでございますけれども、資料の5ページ 目から部会での審議結果でございます。 このベンチアバリカルブイソプロピルでございますけれども、これは今回初めて御審議 いただくものでございます。また、ポジティブリスト制度の導入に当たって、新たな基準 を設定しておりますけれども、今回のこの物質については、ポジティブリスト制度でも基 準は設定していないということで、今回、初めて基準を設定していただくという物質でご ざいます。 まず、品目名は、先ほど申しましたとおりベンチアバリカルブイソプロピル。 用途でございますけれども、アミノ酸アミド誘導体の殺菌剤というものでございます。 化学名、構造式、物性は、ここに書いてあるとおりでございます。 6ページ目でございますけれども、本剤の適用の範囲でございます。本剤は、表にまと まっておりますけれども、キュウリのべと病とか、トマトの疫病というものに対して使わ れるというものでございます。 「6.作物残留試験結果」でございますけれども、まず、今回の作物残留試験でござい ますが、分析の対象といたしましては、まず、本体と混合物で、括弧書きでS−Lと書い ておりますけれども、S−Lと言われるものと、代謝物のM−3と言われる3物質につい て分析がされております。 7ページ目以降に作物残留試験成績の結果が書いてありますが、これがまとめてあるの が10ページにありますけれども、別紙の1というものにまとめて記載がございます。 見ていただきますと、本剤のベンチアバリカルブイソプロピルについては、ハクサイ、 ブドウ等で検出されておりますけれども、混在物S−Lとか代謝物M−3については、検 出されない。もしくは検出されても非常に低い値というふうなことになっております。 続いて8ページ目に戻っていただきまして、ADIの評価ということでございます。 本剤につきましては、食品安全委員会におきまして、評価をいただいて、ADIについ て報告をいただいているところでございます。 今回、この剤は初めての剤でございますので、評価の概要を簡単に御説明申し上げます。 資料49ページ目が食品安全委員会における本剤の健康影響評価の総合評価でございます。 50ページの3行目以降でございますけれども、本剤のラットの慢性毒性発がん性の併合 試験で、雄で肝細胞腺腫とか雌で子宮腺がん、またはマウスの発がん性試験では雌雄で肝 細胞腺腫、雄で甲状腺濾胞細胞腺腫、肝芽細胞種、肝細胞がんがそれぞれ認められている というものでございます。 しかしながら、例えば肝腫瘍については、種々のメカニズム試験が実施されておりまし て、本剤の肝発がんのメカニズムとしては、薬物代謝酵素誘導と肝細胞の障害作用による プロモーション作用ということで、考えられているところでございます。 甲状腺腫瘍につきましても、肝臓のUDP−GTを誘導することで、血清中のT4が減 少され、そのフィードバック機構によって、甲状腺機能が向上し、非遺伝的なメカニズム によって、マウスの甲状腺腫瘍とか、ラットの甲状腺濾胞の過形成が誘発されたと考えら れているところでございます。 子宮腫瘍のメカニズムについては、委員会でも発がんのメカニズムは不明であるという 結論でございますが、別途行われているいろいろな遺伝毒性試験において、生体にとって 問題となる遺伝毒性はないので、これらの腫瘍については、非遺伝的なメカニズムであっ て閾値が存在するのではないかという評価もされているところでございます。 52ページに各試験のまとめが書いてありますけれども、今回のADIにつきましては、 ちょうど真ん中ぐらいにありますラットの2世代繁殖試験の親動物の雄の無毒性量6.9 というのが一番低うございますので、この6.9mg/kg体重/ 日というものに安全係数100 をかけて0.069mg/kg体重/ 日というようにADIが設定されているというところでござ います。 続きまして、また、資料を戻っていただきまして、8ページ目でございます。 下から3分の1ぐらいのところからでございます。 諸外国における状況でございますけれども、本剤につきましては、米国におきまして、 ブドウ、トマトに残留基準値が設定されているということでございます。 9番目でございます。基準値案でございますけれども、まず、規制対象物質としては、 本剤のベンチアバリカルブイソプロピルを規制の対象にしたいと思っております。 9ページに移っていただいて「(2)基準値案」でございますけれども、11ページのと ころに別紙の2ということでまとめられております。 今回のバレイショ等の基準値案につきましては、一番右にありますけれども、国内の作 物残留試験の成績を踏まえて、バレイショに0.02、ハクサイに2等々の基準を設定させて いただいたところでございます。 9ページに戻っていただいて、暴露評価でございますけれども、今回のこの基準と国民 栄養調査に基づいた暴露評価につきましては、今回はこの剤につきましては、理論最大摂 取量TMDIでの暴露評価を行っております。その概要は、12ページに細かい値が出てお りますけれども、いずれも国民平均、幼小児、妊婦、高齢者ともADIから見ますと、2 %から4.7 %ということでございますので、十分基準としては適当ではないかと考えてお ります。 最後になりますけれども、13ページに答申案ということで載せさせていただきます。 15ページに、本剤のパブリック・コメントの結果でございます。パブリック・コメント の結果は、意見はございませんでした。また、WTOは、今、通報中でございますけれど も、今のところは意見は出てきていないという状況でございます。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問、御意見はありますか。 これは、物質としては細菌ではなくてカビですね。 ○松田課長 カビです。 ○吉倉分科会長 これは安全委員会の話なのでいいんですけれども、52ページの雄の6.9 の2世代繁殖試験、これは一体何なんですかね。2世代繁殖試験というので雄の6.9 と書 いてあるんですが、6.9 という値は、さっきの説明ではちょっとよくわからない。2世代 繁殖試験で何を見るんですか。繁殖に対する影響は認められないというのに、そこから6. 9 という値が出てくるのがよくわからない。 ○松田課長 42ページを見ていただきたいと思うんですが。生殖発生毒性試験のところで、 親動物の1,000ppm投与群の雄で肝細胞肥大が認められたので、100ppmの6.9 というのを 無毒性量に設定したということでございます。 ○吉倉分科会長 要するに、いわゆる繁殖試験というのをやっていたら肝肥大が見られた という話ですね。別に繁殖がという話ではなくて、動物の肝臓がおかしくなったのでやっ たということです。そういう数値だということです。 何か御質問、その他はございますか。 どうぞ。 ○渡邊委員 10ページの表ですけれども、経過日数というのが、1日〜30日と随分ばらつ きがあるんですけれども、これは出荷の日程がこういうふうになることが多いということ ですか。つまり、農家は出荷する前に、この期間をきちんと置いて出荷しているというこ となんでしょうか。 ○松田課長 資料の6ページを見ていただきたいと思いますが、先ほど申しましたとおり、 この表でございますけれども、例えばキュウリであれば、べと病というものに使いますけ れども、これは使用時期は収穫前日まで使用することが、この基準でいいということにな れば、農薬取締法で、こういう形で使用基準が決められます。 また、バレイショとかハクサイは7日前まで、ブドウは30日前までということでござい まして、そういった形で使用されるぎりぎりのところでのデータを取るというのが基本的 な作物残留データの取り方でございまして、したがいまして、10ページに戻っていただき ますと、キュウリとトマトは収穫前日まで使用を認められてございますので、経過日数が 1、1のところまでのデータが取ってあって、実際は1、3、7でデータを取っているん ですけれども、一番高いのが、前日のデータが高いもので右のところに前日のデータを記 載させていただいているということで、同じように、7日、30日のデータが、それぞれ記 載されているということでございます。 ○吉倉分科会長 ほかによろしいですか。そうすると、要するにこれはポジティブリスト に入るわけですね。 ○松田課長 これは、全く新規でございますので、本基準というか、ポジティブリストで はなくて、残留農薬の基準に入ります。 ○吉倉分科会長 失礼しました。残留農薬の基準に新たに入れるということですね。 それで、その内容としては13ページですね。バレイショ、ハクサイ、タマネギ、トマト、 キュウリ、ブドウについて、こういう残留基準を決める。ほかの作物については、これは 使わないわけですね。 ○松田課長 使わないです。それで一律基準0.01が適用されるということでございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 それでは、WTOがまだ終わっていないということですね。 ○松田課長 経過中でございますので、万が一何かあれば、また分科会長にも相談させて いただきますけれども、何もなければ、これに基づいて告示の改正等の手続を進めたいと 思っております。 ○吉倉分科会長 その次をお願いします。 ○松田課長 次は2−2−1、ビフェナゼートというものでございます。 本剤は、平成17年に一度当分科会で御審議をいただいております。また、それに基づき まして、17年9月16日に残留農薬基準の告示をしているところでございます。 また、17年11月29日には、ポジティブリストの関係の告示で、また基準を設定してい るというものでございます。 今回は、サトイモ等に適用拡大したいということでございまして、それの基準と併せて ポジティブリスト制度でつくりました基準の見直しというものをお願いしたいと思ってお ります。 まず、資料の5ページ目から順に説明させていただきます。 まず、品目名でございますが、ビフェナゼートでございます。 2番目として用途でございますが、殺虫剤でハダニとかサビダニに対して効果があると いうものでございます。 化学名、構造式、物性は、ここの記載のとおりでございます。 5番目の適用病害虫の範囲、使用方法でございますけれども、これにつきましては、今 回、ここにあるとおりでございますが、サトイモ、ヤマイモ、それからトマト、ミニトマ トということで、こういった形で設定されております。 また、次のページ以降にも、ほかの農作物に対して、それぞれ基準が設定されておりま す。 7ページ目でございますが、15%のくん煙剤は、イチゴに使われるというようなもので ございます。 作物残留試験の結果でございますけれども、今回は、まず、作物残留試験の分析の対象 物質でございますが、ビフェナゼート本体と、残留物として多い代謝物のBと言われてい るものについて、今回試験がやられております。 それで、試験結果でございますけれども、16ページのところに別紙1ということで、作 物残留試験の結果が出ております。 今回、適用を拡大したいと言われていますのが、サトイモとヤマイモでございますけれ ども、これらについては、最大残留量は0.01ppm 以下だったというふうなことでございま す。 また、17ページの下から3つ目に、ウメというのがありますけれども、これは小粒核果 類というものの代表としてウメの試験がやられておりますけれども、これにつきましても、 1.04、0.40という作物残留データが出ております。 18ページでございますが、今回の新しいデータとして、マンゴーのデータがありまして、 これにつきましては、0.05以下だったというような残留データでございます。 次に12ページに移っていただきたいと思いますが、それ以外の残留データとして、その 他ということで、ワタの副産物等を飼料として用いた場合の検討が、米国で行われており ます。 その結果でございますけれども、ここにありますが、ウシに飼料に対して1、3、10pp m を28日間経口投与したデータがございます。 その結果でございますけれども、いろいろ肝臓、筋肉や乳中にそれぞれビフェナゼート やその代謝物等が残留するというような結果が出ております。 続いて13ページでございます。ADIの評価でございますけれども、これにつきまして は、食品安全委員会でも御評価いただいております。 ADIにつきましては、0.01mg/kg 体重/ 日という形で設定されているところでござい ます。 諸外国の状況でございますけれども、これはまず、コーデックス基準が野菜と果物、畜 産物等に設定されております。 また、米国、オーストラリアにおいて、野菜、果物、畜産物等に残留基準が設定されて いるということでございます。 14ページ目でございます。「9.基準値案」でございます。まず「(1)残留の規制対 象」でございますけれども、農産物と畜産物(脂肪)におきましては、これは残留試験の 成績に基づいて、規制対象としては、本剤及び代謝物Bと言われているものを総量でビフ ェナゼートとして規制したいと思っております。 脂肪を除く畜産物については、本剤及び代謝物B、代謝物E、代謝物Uの総和をビフェ ナゼートとして規制するということで考えているところでございます。 基準値の案でございますが、別紙の2ということで、19ページにそれぞれの基準値案が ございます。ちょうど上から4分の1ぐらいのところにサトイモ類、その2つ下にヤマイ モがありますけれども、これにつきましては、作物残留試験の成績を踏まえて0.05という 基準を設定したいと考えております。 今回、見直しを図ったものでございますが、下から9つ目のところに、トマトというの がございますけれども、これにつきましては、従来はアメリカの2.0 という基準を参考に、 現行の基準2ppm を置かせていただいておりますけれども、今回は、日本の作物残留試験 の結果及びコーデックスの国際基準が1ということでございますので、1ppm に変更した いというふうに思っております。 また、その下のキュウリでございますけれども、これにつきましては、現行が2ですけ れども、これはアメリカの作物残留データ等を踏まえて0.75という基準を設定したいと思 っております。 また、カボチャですが、これも現行が2ですけれども、これは国際基準が0.7 というの がございますので、これを採用させていただきたいと思っております。 あと、下から2つ目のスイカですけれども、現行基準が0.2 ですが、国際基準、スイカ、 メロンについては、国際基準や日本の作物残留データ等も踏まえて、0.3 ということにし たいと思っております。 次の20ページ目でございますが、まず、上から2つ目、その他のウリ科野菜のところで すけれども、これにつきましては、現行基準が2ppm でございましたけれども、これにつ いては、作物残留試験の成績等がないものですから、基準を削除したいというふうに思っ ております。 それ以外は、ちょうど、上から3分の1ぐらいのところに、マルメロというのがありま すけれども、マルメロにつきましては、現行基準は2ですけれども、その下のビワもそう ですが、これらにつきましては、国際基準の1を採用させていただいて、1に変更したい と思っております。 あと、モモにつきましては、現行が0.2 ですが、国際基準が2ということでございまし て、これも2に変更したいと思っております。 あとは、アンズとウメでございますが、これは今回国内で申請があったものでございま すけれども、これにつきましては、ウメのデータを踏まえて、アンズとウメに、それぞれ 0.5 と0.02という基準がありますけれども、それぞれ3という基準を設定したいと考えて おります。 次のカキでございますけれども、ちょうど下から3分の2ぐらいのところにカキという のがありますけれども、現行が2ですが、作物残留データを踏まえて1という基準に変更 したいと思っております。 あとは、マンゴーがありますけれども、マンゴーも今が2ですけれども、これも作物残 留データを踏まえて、0.2 という形に変更したいと思っております。 あとは、綿実というのが、下からちょうど5分の1ぐらいのところにありますけれども、 これは今、0.75でございますが、これにつきましては、国際基準を踏まえて1というふう にしたいと思っております。 下から2番目、ミカンの果皮ですけれども、現行は25でございますが、作物残留データ のデータを踏まえて10というふうに変更したいと思っております。 あとは、21ページ目でございますけれども、ウシの筋肉等々の基準が、今、0.02で決ま っておりますけれども、国際基準が0.01ということでございますので、それに変更したい と思っております。 下にありますウシの肝臓とか、腎臓、あとはウシの可食部分等々も現行は0.02でござい ますが、国際基準を踏まえて、0.01というふうにしたいと思います。 それ以外なんですが、ちょっと戻っていただいて申し訳ございませんが、19ページのと ころに、例えば玄米、一番最初米は0.02、例えば小麦もメッシュになっているところに0. 02という基準がございますが、これにつきましては、ポジティブリストの制度の導入に当 たりまして、その当時の分析法の定量下限が0.02であったことから、0.02という基準値 を置かさせていただいたところでございますけれども、今回、一律基準の0.01まで分析可 能だということになりましたので、基準値としては、一律基準を適用したいということで、 個別に置いていた0.02は、すべて削除させていただきたいというように考えております。 戻っていただいて、14ページ目でございます。 「(3)暴露評価」でございますけれども、これにつきましては、今回、推定一日摂取 量(EDI)ということで、基準値を設定させていただいております。個別の作物残留試 験がある場合については、EDIで試算をさせていただいています。それ以外については、 TMDIでの試算ということで、トータルではEDIの試算をやらさせていただいており ます。 細かくは、22ページのところに、各食品ごとの暴露量の推計をさせていただいたところ でございます。 結果的には、国民平均でも20.4%、一番多い幼小児でADI比で52.6%ということでご ざいますので、基準は妥当ではないかと考えております。 最終的なビフェナゼートの答申案でございますけれども、24ページということで、バレ イショ等々について、こういう形で基準を設定させていただきたいというものでございま す。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 御質問はありますか。長尾委員、お願いします。 ○長尾委員 19ページのキュウリなんですが、これは国際基準が0.5 になっているんです が、アメリカの基準に合わせた理由はどういうことなんですか。ほかのものは、みんなな るべく国際基準に合わせているんですね。 ○松田課長 済みません、私は、先ほどアメリカの基準に合わせると申し上げましたけれ ども、これは訂正させていただきます。これは日本の作物残留データがありますので、こ こにありますけれども、0.12とか0.14というデータがあるものですから、それを踏まえ て0.75にさせていただいたということです。たまたまアメリカと基準値は一緒でございま すけれども、日本のデータがあるので、それに基づいて0.75にさせていただいたというも のでございます。 ○長尾委員 日本の残留試験の成績だと、0.1 とか0.14で、それに基づくと0.75になる んですか。 ○松田課長 およそ、何倍かの安全係数ということで、大体このぐらいのところです。 ○吉倉分科会長 要するに、この案ではコーデックス基準より高くなるわけですか。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 ほかに、何かありますか。いずれにせよ、14ページの暴露評価だと思い ます。 これは、暴露評価でEDI、それからTMDIというのは、どういうものなのか、ちょ っと説明してもらえますか。 ○松田課長 TMDIというのは、それぞれの農作物の基準値に、それぞれの農作物の国 民の平均的な一日当たりの摂取量をかけて、それで農作物ごとの農薬の摂取量が出てまい りますので、それをすべて足し合わせたものがTMDIと言われているものです。 基準値×摂取量でございますけれども、EDIの場合は、基準値ではなくて、実際の残 留実態に基づいた形で残留実態のデータをかけて計算して、すべて足し合わせるのが、E DIでございます。 したがいまして、EDIの計算をするときは、通常は作物残留データに基づいてやりま すけれども、ほかに、例えば可食部分だけのデータがもしもあれば、それを使うとか、あ とは加工とかによって減るようなデータがもしもあれば、そういったこともファクターに 入れて、実際の作物残留の値として使うということがございます。 ○吉倉分科会長 どうぞ。 ○犬伏委員 これだけいろんな農作物があって、その上1日30品目という言葉があったり して、私たちはいろんなものをたくさん食べています。ヤマイモだの、果物だの、その人 によっていろんな食べ方がありますので、子どもに随分残るのかなという感じもあったり しますけれども、そういうことを考えた上でのADIと思ってよろしいのですよね。 ○松田課長 22ページの別紙3というところで、ビフェナゼートの推定摂取量の細かい計 算の結果を紹介させていただいておりますけれども、結局、今回のEDIの試算のときは、 例えばバレイショであれば基準値案は、一番上の0.05ppmでございますけれども、EDI の計算上は、残留の試験データに基づいて0.01ppmという値を使わせていただいておりま す。 それに、国民平均、もしくは子ども、高齢者等の一日当たりのバレイショの摂取量をか けて、それで実際の農薬のバレイショ由来の摂取量、例えば国民平均であれば、TMDI だと1.8μg/人/dayになりますけれども、作物残留データに基づいた摂取量でいきますと、 国民平均のEDIは0.4 となりますけれども、とりあえず、そういうことで、使うことが 認められる農作物ごとに、すべて基準値もしくは残留実態値に、食品の摂取量をかけ、こ れを全部足していって、それがADIの範囲に収まるのであれば、基準値として妥当であ ろうということで、基準値を採用するという形にしております。 ○犬伏委員 お話しはわかるのですけれども、例えばここの表で、22、23のところで、上 から下まで足して、幼児にしても妊婦にしても、もし1日の間に全部を食べましたという ときの数値を考えてADIというのはつくられてくると考えていいんでしょうか。 一つひとつのことだけ、バレイショだったらこれだけよ、トマトだったらこれだけよと いう、そこまではわかるのですが、現実に私たちが食べるとき、30品目を食べてきたとき に、あるいは好き好きがあって、牛乳に出てくるようなことがあったとしたとき、乳を一 生懸命飲ますような時期の子どもたちがあって、そこにたくさん出てきた。 それで、そのほかにもいろんな形で食べさせている。そういう先の形というのが、一日 摂取量というところに、どんなふうに反映され考えられているのかなと、単に100 倍、10 0 倍という形で、1つずつはわかるんですけれども、そうではなくて、全体的にどういう ふうに考えられておられるのかお尋ねしたかったんです。 ○吉倉分科会長 井上先生は、今日はいらっしゃらないですか。要するに、今の話はそん な面倒な話ではない。 それでは、課長さんからお願いします。 ○松田課長 基本的には、まず、ADIは先ほどもありましたけれども、動物試験のデー タから、動物試験の中で、無毒性量が一番低いデータに通常は安全係数の100 倍でわって 設定するというのが通常のやり方でございます。 あとは、摂取量ですけれども、確かに当然人によって、たまたまバレイショを多く採っ た日とか、いろんなものを、というのは多分ばらつきが当然あって、摂取量自体も本当は ばらつくんでしょうけれども、一方で、いろんな農作物に使用できるものでございますの で、トータルすれば、それ以下になるだろうということで、こういう形で設定させていた だいております。 特に子どもについては、先生が今おっしゃったように、ミルクとか、そういったところ の暴露が当然普通の大人に比べては多いはずでございますので、それで子どもは別途の摂 取量等のデータを踏まえて暴露評価をしているというところでございます。 ○吉倉分科会長 国民栄養調査でやるという場合に、14ページに書いてあるのは、それで やるわけですね。だから、今、先生がおっしゃったようなことを十分考慮して計算されて いるわけです。 それでは、さっき気がついたんですが、20ページのその他のウリ科は、2から一律基準 に変わったわけですか。 ○松田課長 そのとおりでございます。 ○吉倉分科会長 マクワウリだけ0.75というのがあって、ほかのは一律基準ということで すね。 そうすると、ここで合意すべきことは、24ページから25ページの残留基準ですが、基 本的にはADIは食品安全委員会で決めて出てきて、今度は、こちらで残留基準その他で 残留基準を決める、そういうマネージメントをやるリスク管理。 それでは、24ページ、25ページの答申案で合意されますか。 そうすると、これはWTO通報その他はどうなっていますか。 ○松田課長 これはWTOは通報中でございますので、また、問題なければ、この形で告 示等の手続を取らさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長 わかりました。これは、代謝産物があったんだけれども、これは足し算 してやるということですね。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 それでは、その次をお願いします。 ○松田課長 その次が資料2−3−1のノバルロンでございます。 本剤は、これも16年6月に一度基準の告示をしております。また、17年11月にポジテ ィブリスト制度の関係の告示をしているということでございまして、今回は、てんさいに 関する適用の拡大と、輸入食品の関係でインポートトレランスということで、リンゴ、ナ シの基準の設定がございます。あとは、ポジティブリスト制度に基づいて設定した基準の 見直しというのを併せてやらせていただくものでございます。 資料の5ページ目でございますが、品目名がノバルロン、用途は殺虫剤。化学名、構造 式及び物性は記載のとおりであります。 適用の病害虫の範囲、使用方法でございますけれども、これにつきましては、今回、6 ページにありますように、例えばてんさいにつきましては、ヨトウムシに対して使われる というものでございます。 米国で、リンゴ、ナシ等に使われるということで、今回基準の設定をしたいと思ってお ります。 7ページ目でございますが、作物残留試験の結果でございますけれども、試験対象物質 はノバルロンでやられております。作物残留試験の結果でございますが、一番下にありま して、てんさいにつきましては、いずれも0.01ppm 以下であったということでございます。 また、8ページ目の上から4分の1ぐらいのところからの「また」以降ですけれども、 米国において、ここには書いてありませんが、リンゴに対して作物残留試験が4か所で実 施されておりますけれども、それぞれの値もこういった形で出ております。 ADIの評価ですが、8ページ目でございますけれども、ADIは0.011mg/kg体重/ 日ということで決まっております。 諸外国の状況ですけれども、米国でバレイショ、リンゴ等の基準が設定され、オースト ラリアでは、綿実等の基準が設定されております。 また、今年になりまして、国際基準のリンゴ、ナシ等で決まっているということでござ います。 基準値案でございますが、ノバルロン本体で基準値案を考えております。基準値案につ ときましては、11ページをごらんいただきたいと思いますが、まず、この剤につきまして も、先ほどの剤と同じように、ポジティブリスト制度の導入に当たりまして、当時の定量 限界の下限が0.02ppm でしたものですから、今回、分析法の改良等によりまして、0.01 まで可能になったということで、0.02の基準をすべて削除させていただいているところで ございます。 あとは、申請のありました、てんさいにつきましては、ちょうど上から3分の1ぐらい のところにありますけれども、作物残留データに基づいて0.05という基準を置かさせてい ただいております。 続いて、12ページ目でございますが、今回、インポートトレランスということで、リン ゴ、ナシ等について、アメリカのデータに基づいて基準をつくるということでございます けれども、併せて、これにつきましては、先ほどお話ししたように、国際基準が設定され ておりまして、それを参考にして現行の1を3ppm ということで考えたいと思っておりま す。 続いて、13ページ目のところに、畜産物関係の基準がございますけれども、これにつき ましても、基本的にはコーデックスの基準を採用させていただいて、現行の基準の見直し をさせていただいたというところでございます。 戻っていただいて、9ページ目の暴露評価でございますけれども、これにつきましては、 EDIに基づいた暴露評価を実施したところでございます。 その結果でございますが、国民平均でいうと、ADIの21.6%、一番高い幼小児でも6 1.8%ということでございまして、基準としては問題ないと思っているところでございます。 それで、答申案でございますけれども、15ページにございますような形で、バレイショ に0.05ppm 等々という形で決めさせていただいております。 あとは、パブリック・コメントとか、WTOの状況ですけれども、今までのところ、現 在、パブリック・コメントとか、WTOは通報中でございますが、現在のところは、意見 等は来ていないという状況でございます。 以上です。 ○吉倉分科会長 これは、いかがですか。15ページの答申案でよろしいかということです。 今のような説明の残留量でやると、9ページの暴露評価のパーセントになるということ ですね。いろいろやってみて、こういう具合に一応決めてみて、一応チェックすると、9 ページの暴露評価でADIの60%以下ぐらいだろうという話です。よろしいですか。 (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、この案で答申したいと思います。ちょっと待て、WTOは終 わっているんですか。 ○松田課長 いえ、途中でございます。ですので、先ほどと同じように何かあれば御連絡 します。 ○松田課長 2−4−1でございますが、クロチアニジンでございます。 本剤につきましては、平成17年の当分科会で一度御審議をいただき、17年10月に一度 基準の告示をさせていただいております。 また、17年11月にポジティブリスト制度に基づいた基準の告示というのをさせていた だいております。今回は、ブロッコリー等に適用拡大申請がありましたので、併せてポジ ティブリスト制度で設定した基準も見直すというものでございます。 5ページ目からでございますが、品目名はクロチアニジン。用途でございますけれども、 殺虫剤というものでございます。化学名、構造式、物性は以下のとおりでございます。 適用害虫と使用方法でございますが、これは非常に範囲が広うございますが、6ページ 目以降に適用がありますけれども、今回の適用の拡大の範囲というのが、四角で囲ったと ころが、今回の適用の改正内容でございます。 続いて、16ページ目以降に、作物残留試験の結果が出ておりまして、これは分析対象と してはクロチアニジン本体を対象としてやられております。 実際の作物残留データの結果ですが、これも大変大部ですけれども、30ページ目に別紙 1ということで、クロチアニジンの作物残留データがいろいろ載っております。 今回の作物最大残留量のデータなんですけれども、一部、(#)が出ておりますけれど も、これは作物残留試験が申請の適用内で行われていないデータが使われております。 しかし、これにつきましては、このデータが適用の範囲に外挿できるということを個別 に部会の委員に確認をいただいておりますので、それでこれを使い、今回見直しをさせて いただいたというところでございます。 それでは、27ページに戻っていただきたいと思います。 乳汁への移行試験というのが別途やられております。これも乳牛にクロチアニジンを一 日当たり14mg、7日間投与した実験がされておりますけれども、乳汁からの検出はなかっ たということでございます。 ADIの評価ですが、ADIにつきましては、食品安全委員会の方で0.097mg/kg体重と いうことで決められております。 諸外国の状況でございますが、これにつきましては、米国、カナダでトウモロコシ、菜 種、乳等に基準が設定されているというものでございます。 28ページ目でございます。基準値案でございますけれども、残留の規制対象はクロチア ニジンということで考えております。 ただし、ここにもありますが、クロチアニジンにつきましては、同じ殺虫剤であります チアメトキサムが代謝されますと、一部クロチアニジンになって残留することがわかって おります。 したがいまして、今回の基準値案は、本剤が使用によってクロチアニジンが残留したも のに、チアメトキサム由来のクロチアニジンの残留も併せて基準値を設定したいと考えて おります。 そういう形にすると、どういうふうになるかということなんですが、34ページ目から実 際の基準値案が出ておりますけれども、ここも非常に混み入っていますが、クロチアニジ ンの今回のものと、チアメトキサムの前回のデータ等を踏まえて、これを合わせた形で基 準値案というのをつくりたいと思っております。 具体的に申しますと、まず、一番最初に米でございますけれども、米につきましては、 前回はクロチアニジンとチアメトキサムの作物残留試験の成績に基づいて0.5 というの をつくっておりますけれども、今回はクロチアニジンについては追加のデータがございま したので、それを踏まえてクロチアニジンとチアメトキサムのデータを足した形で0.7 と いう基準にしたいと思っております。 その次にトウモロコシでございますが、これは、前回は米国のクロチアニジンの0.01 という基準を採用させていただきましたけれども、今回はチアメトキサムの作物残留デー タがございますので、それに基づいて0.02という基準を設定させていただきたいと思って おります。 次ですが、エンドウ、ソラマメ、その他のマメ類でございますけれども、ここら辺につ きましては、これは前回は米国のチアメトキサムの基準の0.02というものに基づいて基準 を設定したところでございますけれども、今回はクロチアニジンの作物残留試験の結果と、 チアメトキサムの結果を踏まえて、0.02から0.3 ということで基準を変えたいと思ってお ります。 次に、このページの一番下のブロッコリーにつきましても、前回はチアメトキサムのデ ータに基づいて0.3 ということで決めておりましたけれども、今回はクロチアニジンとチ アメトキサムのそれぞれのデータを踏まえて1という基準を設定したいと思っております。 次は35ページ目の上から8番目のレタスにつきましても、これは前回がクロチアニジン のデータでつくったわけでございますけれども、これにつきましても、今回はチアメトキ サムのデータ等も踏まえて、3を20という形で基準を改正したいと思っております。 あと、ニラにつきましては、ちょうどレタスの5つ下にありますけれども、これにつき ましては、今回、その他のユリ科野菜から独立をさせております。今回は、クロチアニジ ンの作物残留試験のデータに基づいて、15という基準を設定させていただいております。 アスパラガスでございますが、これにつきましては、前回はカナダのチアメトキサムの 基準を参考に、0.02の基準を設定しておりますけれども、今回はクロチアニジンの追加の 作物残留データを踏まえて、0.7 という基準を設定させていただいております。 10個下にトマトというのがあります。トマトも前回はクロチアニジンの登録保留基準に 基づいてつくりましたけれども、今回は、それぞれの作物残留データを踏まえて2から3 というふうに変更させていただいております。 一番下のエダマメも、チアメトキサムの作物残留データに基づいて、前回0.2 というの をつくっておりますけれども、今回は両剤のデータを踏まえて、2という基準を置かさせ ていただいております。 その次ですが、36ページ目でございますけれども、ここにちょうどネクタリンとか、ア ンズ等がありますけれども、まず、ネクタリンとアンズですけれども、この0.2 という基 準は、以前は米国のモモのチアメトキサムのデータに基づいて0.2 という基準をつくって おりますけれども、今回はクロチアニジンのデータも踏まえて、ネクタリンには2、アン ズには3という基準を設定したいと思っております。 次のスモモについては、クロチアニジンの登録保留基準がありまして、それに基づいて 5という基準が設定されておりましたが、今回は、追加の作物残留試験の結果に基づいて、 今度は0.3 という基準にしたいと思っております。 その2つ下にイチゴがありますけれども、これもチアメトキサムのデータで、これも0. 05という基準ができておりましたけれども、今回は両剤のデータを踏まえて、0.7 という 基準にしたいと思っております。 次のページですけれども、37ページ目の上から3分の1ぐらいのところにミカンの果皮 というのがあります。これにつきましては、今回は両剤のデータに基づいて4から10とい う基準にしたいと思っております。 ちょうど真ん中ぐらいに、肉等の基準がありますけれども、ちょうど真ん中にその他の 陸棲哺乳類に属する動物の筋肉(羊、馬及び山羊を除く)というのがありますが、これに つきましては、現在は0.01という基準でございますが、オーストラリアの基準の0.02を 参考にさせていただいて、ほかのと併せて全部0.02という基準を設定したいというところ でございます。 それで、戻っていただいて、28ページの暴露評価でございます。これにつきましては、 TMDIでの暴露評価がやられておりますけれども、ADIの国民平均で16.5%、一番多 い幼小児で31.7%ということでございますので、基準については適切ではないかというふ うに考えている次第でございます。 したがいまして、答申案でございますが、42ページ目が答申案でございます。今回、見 直しをさせていただくところでございますけれども、米に0.7 以下、こういう形で基準を お願いしたいと思っております。 そして、45ページ目でございます。 現在、これにつきましては、パブリック・コメント、WTO通報中でございますが、今 のところ意見は寄せられていないという状況です。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。これは面倒くさいですか。 どうぞ。 ○犬伏委員 今の御説明で、2種類の新しい今度のクロチアニジン、そちらの今まであっ た分の場合も残留することがあるから、両方足すというお話、足すと簡単に言っていいの のかどうかわかりませんが、加えてという話なんですが、現実的には両剤を使うことがあ るんでしょうか。 ○松田課長 あり得るそうです。 ○犬伏委員 余りにも大きいような気がします。 ○吉倉分科会長 垣添先生、どうぞ。 ○垣添委員 ちょっと確認をさせていただきます。ずっと今、審議をいただいたもののう ち、まず、作物残留試験の結果と、特定国の基準と国際基準と3つの中から、これを取る というと、松田課長から御説明をいただいて、それぞれ決まってきたんですが、それを決 められるときの一番優先は、これというのはあるんですか。 ○松田課長 基本的には、国際基準があるものは、やはりSPS協定に基づけば、やはり 国際基準があるものは、国際基準を優先的に採用したいと思っております。 ただし、どうしても国内の使用状況とかで、国内の基準を優先しなければならないとい うものが、もしもあれば、そこは国内の登録保留基準に基づいたデータの基準ということ もありますけれども、基本的には、まず、国際基準を優先したいと思います。 ○垣添委員 ありがとうございます。今、松田課長に答えていただいたのが、この会議に 出させていただいている、私の認識だったので、全くそのとおりかなと思います。 ただ、国際基準をかなり超えて、日本の残留試験の結果から設定されているものがあり ますね。 それで、日本の政策として、総理が2013年までに1兆円、農産物を輸出するんだという 国としての方針を出していらっしゃるんですが、外国の基準を超えて設定してしまうと、 輸出できないという問題が、生まれてしまうんではないかということを、私は若干心配し ています。その辺は厚生労働省の範囲ではないということになりますか。 ○松田課長 そうですね。輸出のものについては、基本的に輸出者が輸出される先の基準 を勉強していただいて、それに合うようにつくっていただくということです。 ○垣添委員 それは、今の基準よりも内輪になるんだから、問題がないという理解をされ るということですね。 ○松田課長 はい。 ○垣添委員 わかりました。 ○吉倉分科会長 いかがですか。今はチアメトキサムは使用されているんですか。 ○松田課長 使用されております。 ○吉倉分科会長 そうすると、チアメトキサムと、さっき犬伏先生がさっきおっしゃった、 両方使う場合の計算なんだけれども、チアメトキサムを使った場合、チアメトキサムで代 謝されないチアメトキサムとクロチアニジンがあるわけですね。同時にクロチアニジンを 使ったとします。そうすると、この前のものだったか、要するに代謝産物と代謝されてい ないものと一緒くたに計算したのがあったと思うんですが、これはどうなんですか。 要するに、2種類のものとして、別々に使っていて、片方の代謝産物が別の製品として 出てくる場合の残留基準の計算の仕方というのは、クロメトキサムでしたか、それで決め た場合にチアメトキサムの部分は除外しているというか、考慮していないような感じなん ですが、その辺はどうなんですか。 ○松田課長 チアメトキサムについては、チアメトキサムとして残留したものについては 別途チアメトキサムの基準として、チアメトキサムを対象とした基準値を設定しておりま す。 ですので、チアメトキサムについては、チアメトキサム本体の部分とクロチアニジンに 残留したものについては、先ほどいったように、クロチアニジンと合算して基準を設定し ますし、分解していない部分については、本体で別途基準をつくっているということです。 ○吉倉分科会長 暴露量の場合は、チアメトキサムだけ使って、分解されたチアメトキサ ムとクロチアニジンがある場合と、チアメトキサムを使って、チアメトキサムとクロチア ニジンがあるという状況は違いますね。 要するに、農薬を複数、しかも同じような代謝産物が、これはまだ2つだから簡単なん ですが、3つ、4つこうなると、その辺の考え方というのは、どういう具合になっている んですかね。 ○松田課長 基本的には、個別に農薬が評価されていますので、剤の基準も個別につくる のが原則ですが、残留するものが毒性的に見て、一番キーになるようなもので共通のもの だというのであれば、それはトータルで基準をつくることになるかと思います。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。結構計算すると、ややこしくなる。 どうぞ。 ○品川(森)委員 今のことに関して、ずっと疑問に思っていたんですけれども、例えば 似たようなベンゼン核を持ったような形のものが、農薬は結構ありますね。こういうよう な個別のものはいいとしても、残留をしているものの相乗作用だとか、相加作用というも のに関しての成績というのは、あるんでしょうか。個別ではそれぞれOKなんですけれど もね。 ○松田課長 相乗作用については、農薬の申請に当たってのいろんな資料の中には出てま いりませんが、これまでも研究レベルでは幾つかの試験をやられています。これは農薬に 限らず、食品添加物などは昔から言われていますので、やられておりますけれども、今の ところ、私どもとしては、データから見て、相乗作用などは出ていないと認識しておりま す。 あと、現実的には、実際のマーケットバスケット方式による接種量の暴露調査などを見 ますと、多くの場合が、実際ADIの数%とか、それ以下での暴露しかないというのが実 際でございますので、そこら辺は問題ないのではないかということで考えております。 ○吉倉分科会長 暴露量が多くとってあって、なおかつ、ADIの何%ということなので、 いいんだろうと思うんですが、今のようなケースについて、どういう具合に考えるのか、 もうちょっとはっきり、すきっとした説明をもらえるとありがたいです。今日でなくても いいんですが、お願いしたいと思います。結構、消費者の方は心配しているんだと思いま す。 それでは、この件に関しては、今の42ページの答申案でよろしいでしょうか。よろしく お願いします。 これはWTO通報、その他はどうなっていますか。 ○松田課長 今ちょうど途中でございます。 ○吉倉分科会長 どうも御苦労様です。その次をお願いします。 ○松田課長 続きましては、動物用医薬品のワクチンが4剤ほどありますので、御説明申 し上げます。 資料3−1−1でございますが、鶏マレック病のワクチンでございます。 5ページ目を開いていただきますと、本剤は鶏マレック病のマレックウイルス1型と七 面鳥ヘルペスウイルスを使った凍結の生ワクチンと言われるものでございます。 「(2)用途」としはて、鶏のマレック病の予防に使われるものでございます。本剤に つきましては、医薬品としての承認が経て6年を経ちまして、再審査申請がなされたこと によりまして「食品安全委員会」で食品健康影響評価をなされたということでございます。 「(3)有効成分」につきましては、ここに書いてある2つの株でございます。 「(4)適用方法及び用量」ですけれども、これは頸部皮下に1羽当たり0.2mL を1回 接種するということでございます。 「(5)諸外国における使用状況」ですが、フランスを始め、いろいろな諸外国で使用 されているということでございます。 「2.残留試験結果」ですけれども、これについては、実施されておりません。 「3.許容一日摂取量(ADI)評価」でございますが「食品安全委員会」での評価が 6ページ目以降にございます。それにつきましては、まずマレック病のウイルスについて は、血清型で腫瘍原性を持つ血清1型と、腫瘍原性を持たない2型がありまして、更に抗 原的に類似した非病原性の七面鳥ヘルペスウイルスが3型としてあって、分類されている ところでございます。本ワクチンに使用されているマレック病ウイルスというのは、非常 に弱毒株で、鶏に対して病原性が減弱化されているということでございます。 先ほど申した3種のウイルスとも、人畜共通感染症とはみなされていないということ。 あとは、凍結防止剤として今回使用されていますジメチルスルホキシドにつきましては、 EUでMRLの設定は不要である物質でございます。 調査期間中に、安全性を懸念させるような研究報告はなかったということ。 また、承認時及び調査期間中の9万9,180 羽のふ化後の飼育例において、新たな副作用 は認められなかったということで、本剤につきましては、食品を通じてヒトの健康に影響 を与える可能性は無視できるのではないかと考えられるというのが評価でございます。 その結果を踏まえて「4.残留基準の設定」につきましては、設定しないということで 評価いただいております。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。残留基準を設定しないということで、よろしいですか。 それでは、次お願いします。 ○松田課長 また鶏マレック病のワクチンでございますが、こちらはマレック病ウイルス の2型を使ったものでございます。これにつきましては、5ページ目でございます。 「(3)有効成分」はここに書いてある株でございます。 「(4)適用方法及び用量」でございますけれども、これは18〜19日齢の卵に1個あた り0.05mL接種するものでございます。 諸外国では、米国において使われているということでございます。 「2.残留試験結果」ですが、実施されていないということでございます。 「3.許容一日摂取量(ADI)評価」でございますが、これにつきましては、先ほど とほぼ同じでございます。6ページ目でございますけれども、ウイルスについての評価は 前と同じでございます。 また、安定剤として使われているL−グルタミンにつきましては、既存添加物であると いうこと、ベンジルペニシリンカルシウム及び硫酸ストレプトマイシンは、過去のワクチ ンの添加剤として評価されて、食品を通じての影響は無視できると評価されてございます。 研究報告につきましては、調査期間中に安全性を懸念させるものはなかったということ。 承認時及び調査期間中の約2,000 万個以上の受精卵と200 万羽以上のふ化後の飼育例 で、新たな副作用は認めなかったということで、食品を通じてヒトの健康に与える影響は 無視できるのではないかという評価でございます。 それを踏まえて、基準値は設定しないという評価でございます。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 諮問書の「食品衛生法(昭和22年法律第233 号)第11条第1項に基づき」というのは 何ですか。 ○松田課長 食品衛生法の一番最初が昭和22年です。 ○吉倉分科会長 第11条第1項というのは、何ですか。 ○松田課長 規格基準の設定の条項でございまして、規格基準については「薬事・食品衛 生審議会」の意見を決めるということです。 ○吉倉分科会長 それがこれですね。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 わかりました。 これは新規ですか。 ○松田課長 新規というか、これも先ほどと同じように、医薬品としての再審査に伴って 「食品安全委員会」で安全性を評価したので、それに併せて基準の必要性について御審議 いただくという部分でございます。 ○吉倉分科会長 これを「食品安全委員会」が評価したのは、今回が初めてですか。 ○松田課長 今回が初めてです。 ○吉倉分科会長 では、次お願いします。 ○松田課長 次は資料3−3−1でございます。これは豚伝染性の胃腸炎・豚流行性下痢 混合生ワクチンでして、5ページ目以降にございます。 これにつきましては、商品名として、日生研から出ているものとスイムジェンから出て いるものとの2つがございます。微妙にウイルスのも違いますが、一応同一性を有すると いうことで、今回日生研の品目が承認後6年ということで再審査申請されたことに伴って、 併せてスイムジェンのものも再審査申請されまして「食品安全委員会」で食品健康影響評 価がなされたというものでございます。 「(4)適用方法及び用量」につきましては、両者で若干違いますけれども、いずれも 妊娠している豚の筋肉内に間隔をおいて2回接種する。2回目の接種は、分娩予定後の2 週間前というものでございます。 6ページ目の「(5)諸外国における使用状況」ですけれども、日生研の方の生ワクチ ンは、韓国において承認されております。スイムジェンの方は、諸外国では使われていな いということでございます。 「2.残留試験結果」ですが、主剤等の残留試験は実施されていないということでござ います。 「3.許容一日摂取量(ADI)評価」ですが「食品安全委員会」での評価につきまし ては、まず豚伝染性胃腸炎のウイルスが使われているわけでございますけれども、この株 は弱毒株で豚に対しても病原性を示さないということでございます。また、ヒトに対する 感染の報告例もないとされておりまして、人畜共通感染症とはみなされていないというこ とでございます。 また、豚流行性下痢ウイルスの方ですけれども、これも弱毒株でございまして、豚に対 しては病原性を示さない、ヒトに対する感染の報告例がないので、人畜共通感染症とはみ なされていないというものでございます。 7ページ目ですけれども、安定剤として使用されているD−ソルビトールは、食品添加 物として使用されているものでございます。L−アルギニンも既存添加物にされているも のでございます。 両製剤につきます研究報告でございますけれども、安全性を懸念させるものはなかった ということでございます。 承認時まで及び調査期間中の日生研の方のワクチンの調査の結果ですけれども、新たな 副作用は認められなかった。スイムジェンにつきましては、承認後、供給されていないと いうことでございますので、承認時までの84頭のデータしかありませんけれども、副作用 は認められていないというものでございます。 以上のことから、食品を通じてヒトの健康に与える影響は無視できると考えられ、基準 は必要ないという評価でございます。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。よろしいですか。 これは再審査ですか。 ○松田課長 これも同じです。 ○吉倉分科会長 この前と同じですか。 ○松田課長 これもすべて再審査です。 ○吉倉分科会長 全部再審査ですか。先ほどのマレック病も再審査ですか。 ○松田課長 全部再審査です。 ○吉倉分科会長 その次をお願いします。 ○松田課長 続きまして、資料3−4−1でございます。豚オーエスキー病不活化ワクチ ンでございます。 5ページ目以降に概要がございますが、これにつきましても、オーエスキーウイルス感 染による妊娠豚の死流産防止及び乳汁免疫による産子の豚オーエスキー病の発症予防が用 途でございます。 「(3)有効成分」としては、オーエスキー病ウイルスの岩手株感染PK−15細胞可溶 化抗原というものが使われております。 「(4)適用方法及び用量」につきましては、ここに記載のとおりでございます。 「(5)諸外国における使用状況」ですが、外国では使用されていない。 「2.残留試験結果」でございますけれども、主剤等の試験は実施されておりません。 「3.許容一日摂取量(ADI)評価」ですが、本ワクチンに含有されている主剤は、不 活化されておりまして、感染力及び毒性は有していないということでございます。 6ページ目でございますけれども、アジュバントとして使用されているAMOE、流動 パラフィン、不活化剤として使用されておりますホルマリンにつきましては、過去に検討 がされておりまして、ヒトに与える影響は無視できると評価されているところでございま す。 調査期間中に、安全性を懸念させるような研究報告は得られなかったということでござ います。 また、承認時まで及び調査期間中の275 頭の調査の結果でございますけれども、不受胎 が7例、流産が5例、あとは副作用として使用上の注意に記載されている注射部位の腫脹 ・硬結が10例に認められていますけれども、まず不受胎及び流産の発生率というのは、通 常の発現率であり、また注射部位の腫脹・硬結は承認時と大差がなかったということで、 新たな副作用は認められなかったとされております。 したがいまして、これも食品を通じてヒトの健康に与える影響は無視できるということ で、評価されておりまして、部会におきましても、残留基準は不要であるとの評価でござ います。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。よろしいですか。では、残留基準は設定しないとい うことです。 これで審議は全部終わりですね。長い間どうも御苦労様でした。 それでは、報告事項に移りたいと思います。お願いします。 ○松田課長 報告資料1−1でございます。これは昨年12月の当分科会で御審議いただい た、食品添加物公定書の件でございますけれども、その際は、まだパブリック・コメント の実施前でございました。今回パブリック・コメントの結果が出てまいりましたので、そ の結果を簡単に御説明申し上げます。 資料でいうと、23ページ目以降に報告資料1−2ということで、パブコメの内容が出て おります。 「意見1」でございますが、ステアロイル乳酸カルシウムの純度試験の(3)の総乳酸 のところの単位について、整合性が見られないということで、修正案の提案をいただいて おります。これにつきましては、より適切な方法と認められますので、告示改正の際に修 正させていただきたいと思っております。 「意見2」ですけれども、これも単位の問題でして、ml、μl の表記のリットルのとこ ろを大文字にすべきではないか。もしくはcmの全角を半角にすべきではないかというとこ ろでございます。これにつきましては、mlの記載につきましては、今後見直しをさせてい ただきたいと思っておりますが、cmのところは今回併せて改正をさせていただきたいと思 っております。 24ページ目の「意見3」は、DL−リンゴ酸ナトリウムでございますけれども、この乾 燥条件が130 度4時間になっております。これにつきまして、今回、製造工程が変わるこ とによって、この条件では規格に合わないものがあるということで、測定条件の変更が要 望されております。基準値につきましては、今回の第8版の検討に当たっては検討されて いませんので、見送りをさせていただきたいと思っております。次回の改正に当たっては、 この基になったデータもちゃんと出していただいて、それに基づいて、必要があれば見直 しも検討したいと思っております。 「意見4」ですけれども、μg/g の基準について、ppm が使えないのかということでご ざいます。ppm につきましては、質量百万分率だけではなくて、体積百万分率とか質量対 体積百万分率として使われる例もありますし、誤解を招くおそれがあるということと、S I単位ではないということで、添加物の規格基準の中では採用しないことにしておるとこ ろでございます。 「意見5」でございますが、微小繊維状セルロールの関係で、表示等について御要望が 出ておりますけれども、これは添加物製剤の表示の仕方の問題でございまして、ここの規 格とは直接関係ないのではないかということで、個別の問題については、保健所等に御相 談いただくのがいいのではないかと思っております。 「意見6」でございますが、一般試験法の赤外吸収スペクトル測定法につきまして、今 回の第8版では、第14改正の内容の記載になっておりますけれども、第15改正の内容に 変更すべきではないかということでございまして、これにつきましては、御指摘のとおり 修正をさせていただきたいと思います。 「意見7」ですけれども、添加物公定書の内容について、厚生労働省のホームページに 掲載すべきではないかということでございますけれども、これについては、既に閲覧でき るようになっておりますので、見ていただければと思っております。 26ページ目でございます。 「意見8−1」は、学名を記載している添加物があるわけですけれども、この作業方針 について開示いただきたいということでございます。これにつきまして、今回の改正では、 特に必要でない限り種までとして、種以下の変種、亜種、栽培種については示さないとい うことでの基本的な考え方でまとめたということで回答させていただいたところでござい ます。 「意見8−2」でございますけれども、冷所の定義について、これも局方との関係で見 直すべきではないかということでございます。これにつきましても、冷所と冷水の定義を 局方に合わせる修正を行いたいと思います。 「意見8−3」でございますが、シリコーン樹脂の純度意見で、試薬に四塩化炭素が使 われております。また、有害試薬であるベンゼンも使われているので代替ができないかと いうことでございますが、今回の改正におきましても、多くの試験でこういう有害試薬の 見直しをさせていただきましたけれども、今後も引き続き、これはやらさせていただきた いと思っております。 「意見8−4」でございますが、でん粉試薬の記載の中で、その量が記載されていない ものがあるが、どういうことなんだということでございますけれども、まず基本的にでん 粉試薬の量については、特に必要な場合にのみ記載したということで、記載がない場合は 滴定の終点の判定に適切な量を試験者が判断するということでお願いしたいと思っており ます。 「意見8−5」ですけれども、局方のように追補は出ないかのということでございます が、食品添加物の公定書につきましては、以降、基準が見直されているものについては、 随時告示として官報に掲載し、またホームページでもごらんいただけるようになっており ますので、追補という形ではなくて、そういう形で情報を得ていただければと思っており ます。 「意見9−1」でございますが、Eの製造基準の添加物一般の3の組換えDNA技術の 部分とBSEの関連部分については、新たな部分であるので、下線が必要ではないかとい う御指摘ございますので、これにつきましては、修正をさせていただきたいと思っており ます。 「意見9−2」でございますけれども、Eの製造基準の中に、いわゆる残留溶媒という ことで、ジクロロメタンとかトリクロロエチレンの残存限度が示されておるということで、 両剤については、特に環境汚染の面からもいろいろ問題となるようなものであり、見直す べきではないかということでございます。これにつきましては、成分規格の策定の品質確 保、安全性確認というのは随時やっているところでございますので、今後の課題というこ とで取り組みたい、今後検討していきたいと思っております。 28ページ目でございます。 「意見9−3」でございますけれども、DL−メチオニンの確認試験は、今回赤外吸収 スペクトルが採用されたけれども、L−メチオニンの確認試験は従来どおりなので、これ も赤外吸収スペクトル法に直すべきではないかということでございます。これにつきまし ては、次回見直しを検討したいと思っております。 「意見9−4」でございますけれども、コエンザイムQ10のように、一般飲食添加物に ついても公定書に収載する必要があるのではないかということでございますけれども、こ れについても、必要に応じて基準を設定していきたいと思っております。 「意見9−5」ですけれども、既存添加物は450 品目あるわけですけれども、今回まで に125 品目の規格が収載されたのみということで、品質確保のために、厚生労働省として も予算措置を講じて、いろいろ基準設定を進めてほしいということでございます。これに つきましては、厚生労働省としても、調査研究を行っておりますので、今後も品質確保対 策を推進したいということで回答させていただきたいと思っております。 「意見9−6」でございますが、食品については、加工食品が多く輸入されているわけ でございますので、輸出国に対しても、積極的に我が国の食品添加物の規格を広報すべき ではないかということでございます。これにつきましては、英文版を策定するなどして、 諸外国にも積極的に広報したいということで回答させていただいております。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 御苦労様でした。 いかがですか。一応報告ということです。 その次の報告へいきましょう。 ○増田推進官 報告資料2になりますが「特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審 議結果について」御報告を申し上げます。 平成18年12月20日に開催されました「新開発食品調査部会」において審議を行った結 果、特定保健用食品として認めることとして差し支えないと判断されております。 2ページの表の右側の数字が、3ページの「参考」に掲げています「○食品衛生分科会 における確認事項」の数字になります。 2ページの1のオリゴのおかげダブルサポート及び2のオリゴのおかげダブルサポート 顆粒タイプですが、乳果オリゴ糖を特定の保健の目的に資する栄養成分とし、お腹の調子 を良好に保つとともに、カルシウムの吸収を促進する旨の表示を行うものです。1と2の 違いは、1がシロップ状のもので、2が顆粒状のものでございます。 次に3のキューピーカルK2ですが、特定の保健の目的に資する栄養成分は、ビタミン K2で、カルシウムが骨になるのを助ける骨タンパク質(オステオカルシン)の働きを高 める旨の表示を行うものでございます。なお、ビタミンK2は骨粗しょう症の治療薬とし ても承認されていますが、当該食品の1日摂取目安量当たりの関与成分量は、約30分の1 程度でございます。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 新しい委員の方は、次のページに参考があって、この分科会における確 認事項のやり方が書いてありますが、そこに1〜5までありますが、前のページで4、5 というのは、最後のページの4と5に当たるという意味です。それで今のようなことでご ざいます。 さて、時間もないので、今の報告を受けた上で、まだありますかね。その次をお願いし ます。 ○道野室長 それでは、報告事項3番目「平成19年度輸入食品監視指導計画(案)」につ いて、御説明いたします。報告資料3−1と3−2を御参照願います。 報告資料3−2の方は、非常に記述が細かいものですので、報告資料3−1に基づいて 説明をさせていただきます。 輸入食品の監視指導につきましては、基本的に厚生労働省が検疫所で輸入時の対策とい うのを行っているわけでございますけれども、そのほかにも、例えば輸出国との協議であ るとか現地の調査であるとか、都道府県が国内流通時に監視指導を行う。そういったこと で対応しているわけでございます。 いずれにいたしましても、食品衛生法の遵守という観点で言いますならば、一義的には 輸入者に責任ということが安全確保上、重要なわけでございますけれども、行政側の監視 指導についてどうやっていくかということについて、毎年度、監視指導計画というものを つくって対応しておるところでございます。 3−1の2ページをごらんください。「輸入食品監視指導計画」につきましては、平成 15年に食品衛生法が改正されたわけでございますけれども、その中で監視指導指針と言い まして、実際にこういった指導取締り、監視指導を行うのは都道府県と、厚生労働省の場 合は検疫所ということになるわけですけれども、それぞれが計画をつくるということにな っております。 輸入食品の監視指導計画につきましては、内容としては「重点的に監視指導を実施すべ き項目」であるとか「輸入を行う営業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関 する事項」等々を記載するということが定められておるわけでございます。 実際に輸入時対策と一般に言われております内容については、2ページの下側に書いて おるわけでございます。輸入時における審査であるとか検査、勿論、モニタリング検査と いうのをやっておるわけでございますけれども、そういった中で違反が発見された場合に は、その検査を強化していく。更に輸入者に対して検査等の指導を行っていくというよう な対応になってございます。 検査の強化についてでございます。3ページ目にございますとおり「厚生労働大臣によ る検査命令」でございまして、モニタリング検査。それから後ほど出てきますけれども、 海外からの情報等に基づきまして、健康被害の発生に直結するようなものについては、モ ニタリング検査の場合には抽出検査でございますけれども、検査命令の場合は全ロット検 査ということになるわけで、こういった問題があった場合には、直ちに検査命令を行う。 残留農薬、動物用医薬品等、継続摂取ということが健康上問題になってくるものにつきま しては、モニタリング検査を強化しながら、違反の蓋然性が高いと判断された時点で検査 命令を行うようなことにしております。 3ページ目の下側に、これは強化のプロセスの逆に、検査命令の解除の考え方について も記載しておるわけでございます。特に検査命令の解除でございますけれども、輸出国に おいて諸般の再発防止対策が確立され、その有効性が確認された場合。 それから、一定期間ですね。ここでは2年間と明示しておりますけれども、300 件以上 検査をして違反がないというものについては、その後、一応モニタリング検査の検査率を 上げてということで、全ロット検査はしませんけれども、若干検査率を上げて確認をして いくというようなプロセスでございます。 4ページ「海外情報に基づく緊急対応」でございます。現在、国立医薬品食品衛生研究 所の安全情報部、食品安全委員会事務局から、海外における食品安全情報が収集されてお りまして、それが定期的に提供されております。 そういったものにつきまして、特に我が国に輸入されている。またはそのおそれがある ものというものについての対応を順次行っていくという状況にございます。 4ページの下「輸出国における衛生対策の推進」ということでございます。勿論、我が 国の規制を周知するということで、こういった監視指導計画、あるいは食品衛生法の関係 基準等について、英文版でホームページに掲載をしたり、個別問題についても在京大使館 等に提供しております。 主に実際の二国間での問題ということになりますのは、検査強化を行った食品について の解除だとか、そういう緩和の問題が具体的な二国間の議論になるというような状況でご ざいます。 5ページ「輸入者への自主的な衛生管理の実施に係る指導」でございます。先ほど申し 上げたとおり、食品安全基本法においても食品衛生法においても、一義的に輸入食品の安 全確保ということにつきましては、輸入者は責任を持つということでありまして、そうい ったことで関係事業者に対する情報の提供であるとか、問題がある食品を輸入しようとし ていないかどうかというような事前の指導等が重要かと考えております。 違反が判明した場合ということで、違反原因は勿論、違反した食品についての措置とい うものと同時に、違反のあった食品についての原因であるとか、そういったことについて もフォローしていくというような仕組みにしております。 6ページ「平成19年度輸入食品監視指導計画の主な改正(強化)点」でございます。 モニタリング検査計画について、7万9,000 件ということでございます。 あとはBSE問題にかかる対日輸出牛肉の安全確保ということで、輸入時検査であると か、現地調査の実施ということでございます。 更にポジティブリスト制度を着実に実施するということで、モニタリング検査項目の拡 充を挙げてございます。 7ページ以降、簡単に現在の輸入食品の監視の概要がありますので、簡単に御説明いた します。輸入件数は年々増えていまして、186 万件。重量は若干伸びていて3,300 万トン ということでございます。 8ページでございます。従来より、検疫所の輸入食品の監視する監視員の数が非常に少 ないと言われておりますけれども、現在、国会の方で審議されております来年度の予算で 20名増員ということで、334 名と計画してございます。 18年度にも同じように、監視指導計画を沿った監視というのをやっておりまして、4 月 から9 月までの半年間のデータについて、11月に既に公表しております。 特にその5月に施行されたポジティブリスト制度の施行後における輸入食品の違反実績 ということでございますけれども、9ページの下にございます。 残留農薬につきましては、新基準といいますか暫定基準で、違反件数は134 あります。 暫定基準のほかに不検出基準も入っておるとものだと思います。 一律基準については118 、従来基準が12、合計264 件の違反ということになっていま す。残留動物用医薬品につきましては、合計で119 件。検出基準違反が97件となって多 くなっております。 ポジティブリスト制度施行後の違反実績の前年比較ということでございまして、これは 1か月当たりの平均で取っておりますけれども、残留農薬は9.3 倍、残留動物用医薬品に ついては4.4 倍となってございます。 10ページに、特に残留農薬で問題になっている食品が並べてあります。いずれにしても、 輸出国政府と私どもの方で問題解決のための協議というのをやっておりまして、各国でそ の残留防止対策であるとか、今後、新たな生産物がどんどん生産されてくるわけでござい ますけれども、そういったプロセスの中で各国とも対策を取ってきているというのが現状 でございまして、今後は違反も少なくなってくるのではないかと考えておりますし、そう いった状況について、モニタリング検査等で検証していきたいと考えております。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 時間が余りないんですが、何か御質問はありますでしょうか。どうぞ。 ○垣添委員 産業側の委員としてお願いをしたいと思うんですが、今、道野室長が、これ から減っていくだろうとおっしゃいましたけれども、私どもの認識から言うと、なかなか 減らないと実感をいたしております。 私は今、日本輸入食品安全推進協会の会長をさせていただいております。熱心に活動を されている会員は、現地の生産のところまで入り込んで、発生させない仕組みをつくりつ つあるんですが、食品の輸入の実態というのは御承知のとおりでありまして、大小だれで も輸入できる。 これを法律で縛るわけにはいかないとは思いますが、民と民の間の仕組みだけではなく て、是非この中にも書いてありました様に、国と国とで、シップバック等詰まらない経済 的なロスを生まないスキームを、つくっていただきたいということが1つであります。 もう一点、これは現状では公開されていないはずですが、検疫所に違反のときの調査結 果あるいは対策が膨大な資料として蓄積されていると思います。これを差し支えない範囲 でオープンにしていただくと、いわゆる業界で共有できる。失敗例を共有し、それがよく なったことも共有できると思いますので、このことをお願いしたいと思います。 ○吉倉分科会長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。先生、どうぞ。 ○渡邊委員 1点だけお聞きしたいのですが、8ページに届出検査が92万件とありますが、 前のページの輸入件数は186 万件となっていまして。50%ぐらいが届けられているという ことなんでしょうか。 ○吉倉分科会長 ほかにあれば、先に聞きますが、いいですか。 では、お願いします。 ○道野室長 それでは、簡単にお答え申し上げます。 改善傾向と申し上げたのは、実は特定の国の特定の食品にかなり違反が偏っている面が ございまして、そういったところに関しては、輸出国政府もかなり真剣に取り組んでいる ということもあって、改善が見込まれるのではないか。 ただ、割と違反数の少ないものに関しては、それが今後、全体として減っていくかとい うことについては、これからの状況を見ながらということになるんだと思います。 開示できる情報ということで、特に最近、私どもの方で始めておりますのは、こういっ た残留問題等で、輸出国政府が私どもの方にこういう対策を講じた、こういうふうに実施 しているという情報提供なり説明なりを我々は受けるわけですけれども、そういった内容 について、できるだけ輸入者の方にも情報提供をして、輸入者サイドから現地の製造者な り政府なりに、こういった対策はきちんとなされているかということについて確認をして いただくことも有効ではないかと思っていまして、その辺について、また情報提供を継続 していきたいと思いますので、また御協力をよろしくお願いいたします。 数字の件でございますけれども、8ページの数字は中間報告ということでございまして、 平成18年4〜9月までの数字でございます。ですから、これは年間、大体倍ぐらいになる ということになりまして、186 万件というのは17年度の通年での数値ということになりま す。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいでしょうか。 では、どうもありがとうございました。これで全部終わりましたかね。 最初に、児玉先生が欠席ということだったんですが、いらしています。 あとは、事務局からお願いします。 ○事務局 それでは、事務局の方からですが、改めまして、今回の食品衛生分科会から新 たに参加いただいている委員について、御紹介申し上げたいと存じます。 岸玲子委員でございます。 廣橋説雄委員でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。 なお、廣橋説雄は委員長代理として指名されておりますので、併せてどうぞよろしくお 願いいたします。 また、次回の分科会でございますが、3月26日月曜日、16〜18時の開催を予定してお ります。議題等につきましては、後日、確定次第お知らせいたしますので、よろしくお願 いいたします。 以上でございます。 ○吉倉分科会長 それでは、どうも御苦労様でした。ちょっと遅くなってしまいました。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)