07/02/20 第9回政策評価に関する有識者会議議事録 第9回 政策評価に関する有識者会議            開催日:平成19年2月20日(火)            場 所:厚生労働省専用21会議室(17F) ○座長  定刻でございますので、ただいまから第9回の政策評価に関する有識者会議を開催さ せていただきます。2月3月というのは大変御多忙の時期でございますが、御参集いた だきましてありがとうございます。きょうは稲葉、梅田、堀田の3委員が御欠席のよう でございます。それでは事務局の方から今日の議事についての説明をよろしくお願いい たします。 ○事務局(室長補佐)  それでは本日の議事につきまして簡単に御説明をさせていただきます。なお、薄井政 策統括官、金子政策統括官は国会業務のため、少し遅れておりますが、5分後10分後に は到着する見込みとなっております。また金子政策統括官につきましては、その後また 国会業務がございまして、途中で退席させていただきます。  厚生労働省が行う政策評価の基本的事項を定めた「厚生労働省における政策評価に関 する基本計画」の計画期間が今年度をもって終了することとなっております。前回の11 月の会議におきましては、平成19年度からの第2期「厚生労働省における政策評価に関 する基本計画」の策定に当たっての基本的考え方について委員の皆様に御説明申し上げ、 有意義な御意見をいただいたところですが、そうした御意見を踏まえまして、今般第2 期「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」(案)につきまして策定いたしまし たので、改めて御意見等を頂戴したいと考えております。  続きましてお手元に配布させていただきました資料を確認させていただきます。まず、 一番上に議事次第がございまして、その次に資料の1、策定のポイントの1枚紙がござ います。それから資料2として、B4の横の紙で基本計画・実施計画・実施要領の整理 表というカラーのものがございます。それから資料3は政策体系(基本目標から施策目 標まで)の新旧対照表がございます。それから資料4として、基本計画、この見出し版 の新旧対照表がございます。この下に本文の新旧対照の表がございます。そして資料5 として、A4縦版で基本計画の別紙で、政策体系の基本計画及び施策目標というものが ございます。  資料6として、B4版の横表ですが、実施計画と呼んでおりますが、事後評価の実施 に関する計画の新旧対照表がございます。それから資料7として、実施計画の別紙の案、 これは政策体系と評価予定表ということで、政策体系の詳細版を掲載してございます。 続きまして資料8として、厚生労働省における政策評価実施要領と呼んでおりますが、 結構厚さのあるものがございます。資料9として、実施要領の別紙、こちらは実績評価 書等の様式となっております。そして最後に参考となっておりますが、11月7日、前回 の有識者会議で御説明に使いました資料をお付けしております。資料につきましては以 上でございます。 ○座長  それでは今の御説明にございましたように、この間、この会議でもいろいろ御意見を 頂戴をして、第1期がいよいよ第2期にバージョンアップするという、そういうことで すので、基本的な第2期の計画の原案がまとまりましたので、これについての御審議を 今日お願いするわけでございます。審議に入る前に先立ちまして、事務局からこの御説 明をよろしくお願いをいたします。 ○政策評価官  おはようございます。政策評価官の中島でございます。私の方から新年度からの5カ 年にわたる政策評価基本計画等につきまして、その概要について御説明を申し上げます。 説明につきましては、最初にお配りしております資料の一番最後に参考という形で、前 回の11月に本会議において御議論いただきました資料に即しまして、現行計画と新計画 の違いについてポイントをまず御説明致します。  資料1から資料9までございますが、資料を飛び越しながら御説明致します。そのあ と、改めて資料1から資料9まで、さっと御説明をするという形で、御説明致します。 内容は若干重複が出るかもしれませんが、御了承いただければと思ってございます。復 習の意味も含めまして、参考という資料でございます。先般11月に御審議いただいた際 の資料でございますが、この新年度からの政策評価に関する基本計画を作るに当たりま して、留意すべき点、さらにはこういう方向で作っていきたいという点についてまとめ させていただいたペーパーでございます。  まず、1ページでございますが、まず2の(1)のところにございますけれども、平 成13年に政策評価に関する基本方針というものが決められておりますし、平成17年に は政策評価の実施に関するガイドラインというものが設けられております。それにつき まして今度の新計画と整合性をとるということが必要かということがまず一つでござい ます。  次は2ページでございます。2ページの一番上(2)でありますが、平成18年に総務 省行政評価局が各省庁が行っております政策評価を横断的に点検を致したわけでござい ます。その時に我が省に対してこういう点、より改善すればよいのではないかというこ とを御指摘いただいておりますので、そういう点について、その指摘事項を踏まえて新 計画も作成していきたい。  それから(3)でございますが、これまでの本会議等におけます様々な御意見を頂い たことといったものを反映させていきたいということでございます。  それから(4)でございますが、平成20年度の予算から、この政策評価というものと 予算・決算との連携強化をしていくということで、具体的に本年の夏の予算概算要求に 向けて既に作業が始まっているわけでございますが、そうした予算・決算との連携を踏 まえた形での新計画を作っていく必要があるということでございます。  それから3ページでございますが、政策体系等においては、これまで5年間の主な制 度改正の内容といったものを当然踏まえたものにする必要があるということ。それから (2)でございますが、厚生労働省の行政においても、政策手法が変化してございます。 具体的な目標値を掲げた計画に基づいた行政を展開していくということで、今度の医療 構造改革等ではそういう形でPDCAのサイクルを政策そのものにインボルブしており ますので、そうしたものとの整合性をしっかりとっていくということで、こうしたこと を踏まえて新しい計画を作っていくということでございます。  具体的には4ページでございます。まず、以下のような方向で見直していくというこ とで、一つ目が政策体系を見直す、具体的には制度改正等を反映させていくということ でございます。それから二つ目には実績目標の重点化とアウトカム指標の設定というと ころでございますが、まず実績目標を重点化していくということでございます。  資料3をご覧いただけますでしょうか。いわゆる政策体系の現行計画と新しい計画と の新旧対照表という形で作らせていただいたものでございます。政策体系については、 一番上の段ですが,基本目標というものと、施策目標の大きなもの、これを幹と呼んで おります。そしてそれを細分化したものとして施策目標の小さなもの、これを枝と呼ん でおりますが、こうしたもので構成しておりますけれども、今回は基本的には基本目標、 これは12にございますが、これについては変えない。  一方で、こうした施策目標を重点化していくという点では、この幹番に当たる施策目 標といったものを、従来57あったものというのを47といった形で重点化、スリム化を していく。そしてその下の枝番、小さなレベルでの施策目標といったもの、これまで143 ございましたが、これについて96という形で重点化をするということでございます。  それとともに、これまでは実はこの施策目標の枝ごとに、それを総合的に評価するよ うな指標といったものが必ずしも設定されていなかったという感じが致しますので、こ の施策目標の枝ごとに、この枝番を総合的に評価できるような指標というものを可能な 限り設定できないかという形で工夫をさせていただいたというところでございます。そ ういう意味で、もとの参考のA4縦のペーパーに戻らせていただきますと、実績目標を 重点化するということでございます。  それとともに、かつ可能な限りアウトカム指標を設定するということでございまして、 実は厚生労働行政というものを評価するに当たって、数量化するということが公共事業 等と比べましてなかなか困難なところでございます。特に総務省の行政評価局の方から はどうしても数値目標の割合が低いという御指摘もいただいたものですから、可能な限 り数値化をしていきたい、そしてそれもアウトプットではなくて、アウトカムといった 形での指標で展開できないかという形で設定をさせていただいたということでございま す。  これはカウントの仕方にもよるわけでございますが、これまでの具体的な目標につい て、数値化されていたものが現行計画では約42%でございましたが、新計画においては 83%ほどが何らかの形で数値化できるという形の目標に設定致したということでござい ます。また、アウトカムとしての数値化が出来ているものについては、従来は32.3%で ありましたが、49%という形で設定をさせていただいているということで、可能な限り 数値化かつアウトカム指標化ということに心懸けたところでございます。  また後ほど御説明いたしますが、二つ目の○でございます。アウトカム指標を達成す るために必要な事務事業を体系的に整理をして、一覧的に見られるようにしたというと ころでございます。  それから(3)のところでございます。政策評価と予算・決算との連携強化への対応とい うところでございますが、実は本日お諮りをしております、特に政策体系の部分につき ましては、後ほどいくつかの例で御説明を致しますが、我が省内における調整と、それ から財務省との調整がまだ残っている部分がありますので、若干変わり得るということ でございます。実はこの施策目標の枝番、それを重点化をして143を96にしたというこ とですが、実はこれにつきましては、財務省における予算・決算との連携を念頭におい てこういう形にした結論もございます。  すなわち予算編成におきましては、項という形で一つの単位がございます。これはそ の項の中であれば予算が流用できるということであります。そして決算につきましては 事項という単位で決算を行っていくという形になっていくわけでございますが、今後は この予算における項というものと決算における事項というもの、そしてそれが基本的に この施策目標の枝に対応するものという形で、すなわち予算における項、決算における 事項、政策体系における施策目標の枝といったものがイコールでつながれるという形で やっていくということで、この枝というものを整理させていただいている、重点化する ということとともに、そういうことも念頭において96という形で整理をさせていただい たということでございます。  それから※のところでございます。基本目標の10、11、12、これは国際化、科学技術、 IT化というところでございますが、今お手元においていただいております資料の5ペ ージをご覧いただければと思いますが、これまでの国際化、科学技術、IT化につきま しては、左の方にございますが、国際化につきましては国際課が行っている業務、科学 技術については厚生科学課が行っている業務、IT化については基本的に統計情報部が 行っている業務という形で整理をしておりましたが、今後新しい計画ではそうしたこと に加えて各局が行っている行政施策の中で、国際化の側面が強いもの、科学技術の側面 が強いもの、ITの側面が強いものといったものも再掲といった形で整理をさせていた だいて、厚生労働行政における国際化、科学技術、IT化といったものの概ねの全体像 がわかるという形で整理をさせていただいたということでございます。  それから参考というA4縦長の資料に戻っていただきまして、こうした形で政策体系 を見直したということとともに、もう一つの見直しの大枠であります評価書そのものの 見直しというものがございます。これにつきまして資料の一番最後につけさせていただ いておりますが、資料9というものがございます。厚生労働省における政策評価の実施 要領、別紙(案)というものでございます。これを参照にしながら説明を申し上げます。  まず施策目標と各種指標の関係を明確にするということでございまして、評価書の冒 頭において各目標と指標の関係を体系的に一覧できるように整理するということで、こ の資料9の1ページの1、政策体系上の位置付け等というところで、基本目標、施策目 標の幹、枝、それから個別目標ごと、そしてそれにぶら下がる個別目標の達成に向けて 遂行される事務事業といった形について一目で見てわかるようにさせていただいたとい うのが一つでございます。  それから(2)評価結果分類の精緻化でございます。資料9の6ページに評価結果の分類 というのが上のところにございます。これまで現行計画においては、評価結果というも のの分類のやり方として3分類でございました。「目標達成した、進展があった、進展が 見られない」これにつきまして新計画におきましては、「目標を達成した、進展している、 そして施策目標の達成に向けて充実強化の方向で見直しを検討する、具体的には組織や 人事等の見直しを検討する、予算の見直しを検討する、新たな事務事業といったものを 考えることを検討する」という形、そして施策目標、個別目標そのものをある意味では 下方修正せざるを得ない、さらにはすでに達成したことを踏まえて、より高い目標を設 定しなければいけないということも含めて、その数値目標等の見直しそのものという形 で評価結果の分類といったものを再整理をさせていただいたということでございます。  それから(3)でございますが、関連する施策に係る評価書の明示ということで、同じペ ージの一番下の7のところに、本評価書に関連する他の実績評価書ということで、他の 政策体系で関連する施策についてここで紹介をすることにより、一覧性を高めることに 寄与するということでございます。  それとともに(4)施策の実施主体の明確化というところでございますが、これについて は資料9の3ページでございます。ここに事務事業名というのがありまして、そこに実 施主体という欄を設けております。三位一体改革等で、特に厚生行政の分野においては 都道府県なり市町村といったところに施策の実施責任主体が移っているということもご ざいますので、そうしたことを明確にするという意味で、この施策といったものは主と して誰によって担われる施策なのかということが明らかになるようにしたということで ございます。  このような形で今度の見直しをさせていただいたということで、資料1に進ませてい ただきます。以上、駆け足で申し上げたわけでございますが、現行計画と比較致しまし て、新計画におきましては、具体的に改めてポイントを整理させていただくと、まず政 策体系を再整理させていただいた、一つ目が近年の制度改正等を反映した、そして二つ 目に数値化を可能な限り行い、また可能な限りアウトカム指標というものを設定させて いただいた、そして施策目標の枝番でそれを代表するような指標が設定できないかとい うことを模索してみた、そして三つ目、政策評価と予算・決算との連携、整合性といっ たものに留意をした、そして国際化、科学技術、IT化において一覧性を高めたという ことでございます。それとともに評価書様式そのものの見直しという点では、各種目標、 施策間の関係といったものを整理をして、それをわかりやすい形で整理をした、それか ら評価結果分類のあり方を見直したということでございます。  そして現在検討中でございますが、アカウンタビリティの向上という点では、現在政 策評価の体系なり結果といったものは厚生労働省のホームページ等で公表しているわけ ですが、そのレイアウト等を改良することによって、より国民の方々にとって見やすい、 わかりやすい、検索しやすいという形のものを現在検討させていただいているというと ころでございます。   以上、ポイントだけをさっと申し上げましたが、改めてもう一度資料の順番に即して ご説明を致したいと思います。まず資料2でございます。カラーコピーになってござい ますが、新計画の基本計画・実施計画・実施要領の整理表ということで、極めて役人っ ぽいペーパーになっていて恐縮でございますが、左から基本計画、そして一番右が実施 計画、そして真ん中に実施要領といった形で整理をさせていただいております。  お手元にお配りしております政策評価関係資料集の35ページをお開きいただければ と思います。35ページに現行計画におけます、実は政策体系図といったものがございま す。ここではまず施策目標の1ということで掲示をしておりますが、具体的にはこの政 策体系図というのが基本計画の一部をなしているわけでございます。  しかしその中には具体的に個別の評価手法といったものが書かれているとともに、毎 年度の評価予定もここに書かれているということになっているわけでございまして、い わゆる現在の基本計画というのは、渾然といろんなものをとにかく書き込んでいたとい うところでございます。  したがって評価の実施予定を変える、さらには事務事業の内容を変えたことによって 若干評価指標のあり方を見直すという際には、常に基本計画そのものの一部を直さなけ ればいけないという形になっておりましたが、今度基本計画と一番右の実施計画といっ たものをすみ分けるということで、基本計画においては根幹的な部分だけを書いて、一 番右の実施計画の下のところに黄色で枠を書いてございますが、具体的な指標、そして 具体的な評価予定といったものを実施計画において書いていくという形に整理をさせて いただくという形にしたわけでございます。  従いまして一番下の段ですが、基本計画においては、別紙として、施策目標レベルま でのものの政策体系といったものを書き、そしてずっと右に行きまして、実施計画の別 紙においては、具体的な評価指標が入り、かつ具体的な評価スケジュールといったもの が入っているという形ですみ分けをきれいにさせていただくということでございます。  それから真ん中の欄、評価実施要領というものでございますが、これはこれまでは厚 生労働省内部の資料ということでございましたが、この度、基本計画、実施計画、実施 要領という3点セットといった形で、ホームページ等にも掲載をすることにいたします とともに、これまでは内部資料でございましたが、実施要領につきましては赤で書かれ た水道施設、研究開発、それからモデル事業が発展した成果重視事業評価といったもの についての実施要領が、これまでバラバラにありましたので、これについて一本化をさ せていただいたということでございまして、この実施要領で厚生労働省が行う具体的な 政策評価のあり方について束ねたということでございます。  今後は一番下でございます。RIAの実施要領、規制の実施要領、規制影響分析とい うことでございまして、これについても現在総務省の方で関係政令を作成中だと聞いて おりまして、本年の10月から施行だと聞いておりますが、この規制影響分析の実施要領 といったものもまとまれば、この実施要領の一部として組み込むという形で考えている ところでございます。  次は資料3でございます。先ほど御説明いたしましたけれども、政策体系の新旧対照 表ということでございます。基本目標、幹、枝ということでございまして、今回はこの 枝ごとに代表するような指標の設定に努力をしたということ、それから一番右の欄でご ざいます。参考として関連する計画等というのがございます。  厚生労働行政、これまで補助金を中心として都道府県、市町村というものをやってき た、また事業主等に対してやってきたわけですが、今後はある程度計画に則ってPDC Aサイクルでやっていくという方向で政策を進めたいと思っておりまして、そうしたも のとの整合性をとっていきたいということでございます。  従いまして具体的には一番右に書いてございますような、医療でございましたら医療 計画とか全国医療費適正化計画、医療費適正化基本方針等々と整合性をとる形で作ると いう形でございまして、参考までにこうした諸々の計画と整合性をとって政策体系なり 目標といったものを設定したということがわかるように書かせていただいたところでご ざいます。  資料4については、基本計画につきましての目次と本文の新旧対照表でございますが、 これについては飛ばさせていただきます。  資料5についても飛ばさせていただきます。  資料6については、これは実施計画の目次と本文の新旧対照表ということでございま すので、これも飛ばさせていただきます。  資料7でございます。これはいわゆる実施計画におきます別紙ということで、具体的 に施策目標と評価実施予定といったものを書いてございます。3ページ以下最後のペー ジまで、いわゆる政策体系、そしてそこで掲げる目標数値、それから評価予定表といっ たものを折り込んでいるということでございます。これにつきまして2〜3具体的な例 を御紹介しながらご説明致します。  例えば14ページでございます。14ページの施策目標の11でございます。全国民に必 要な医療を保障できる安定的・効率的な医療保険制度を構築するということでございま す。その施策目標(2)ということで、生活習慣病対策や長期入院の是正等により中長 期的な医療費の適正化を図るということでございます。そしてこれについての総合的な 目標としてということで、実は具体的な目標数値なり達成水準というものは、この3月 以内に案を決定をして、基本計画なり方針、指針といったものに盛り込むことを考えて おります。  今の段階では現在検討中という意味で(−)とさせていだたいておりますが、まずこ ういう観点から、いわゆる枝レベルの目標として、全国医療費適正化計画における国民 の健康の保持の推進に関して定める目標というものと、医療の効率的な提供の推進に関 して定める目標というものを設定するということでございます。これについては現在検 討中のものとして、国民の健康の保持の推進に関して定める目標というのは、糖尿病等 の有病者予備群を25%減らすという形の目標を現在考えているところでございます。  それから医療の効率的な提供の推進に関して定める目標というものは、平均在院日数 の短縮という形の目標を現在検討中でございます。そういう意味でアウトカム指標とし て設定をさせていただくということでございます。  そしてそうしたものを実現していくために、具体的には、この大目標とでも呼びまし ょうか、そうしたものの下に中目標というのがございまして、一つは今度の制度改革で 行った医療保険者に糖尿病等に着目した健診保健指導を義務づけるということになって おりますので、それを着実にやっていくということ。  それからもう一つの目標については、平均在院日数の短縮については、まずは従来の 老人病院といったものをなくしていくという方向を出しておりますので、いわゆる療養 病床といわれる分でございますが、それをその病床転換を図っていくということが大き な政策の柱となっております。それについて掲げ、それについては健診の実施率、特定 保健指導の実施率といったものを目標値として掲げる、それから療養病床の転換助成事 業といったものがどの程度進んでいるのかということを書いていくという形で整理をさ せていただいているということでございます。  すなわち枝レベルでアウトカムの目標値を設定し、それを実行するための施策を整理 し、それぞれの施策ごとに、その施策の進捗等を図る指標といったものを設定するとい うことでございます。その意味では、いわゆる大目標と中目標といったものがそれぞれ 設定し得るということでございまして、実は少し飛ばせていただきますと27ページでご ざいます。このような形で設定できているものというのが27ページにございます。  労働力の需給ミスマッチの解消のための需給調整機能を強化するという観点から、施 策目標1として、公共職業安定機関における需給調整機能の強化ということで、いわゆ る親目標、大きな目標として求職者の就職率、それから早期再就職割合といったものを 掲げております。そしてそれを達成するために具体的に三つの施策を講じていくという ことで、ニーズに応じた求人の確保、早期再就職に向けた個別支援の推進、それから未 充足求人へのフォローアップの徹底等、求人者サービスの充実といったものを掲げてお ります。そしてそれぞれの施策ごとに具体的なその進捗状況を図れるための指標をこう いう形で設定しているという形で、これについてもいわゆる大きな目標、そしてそれを 実現するための施策、そしてその施策の進捗を見る、いわゆる小さな目標という形で設 定をさせていただいているというところでございます。  しかし実はこういう形だけで設定できているわけではないわけでして、24ページでご ざいます。労働基準関係の部分でございますが、施策目標4の施策目標(1)でござい ます。勤労者生活の充実を図るということで、労働時間等の設定改善の促進、そのこと によって仕事生活を調和させていくということでございます。  これにつきましては週労働時間60時間以上の雇用者の割合を減らしていくという形 での大きな目標を設定しています。そしてそれを実現するために、労働時間の設定改善 に向けた取組、社会的機運の醸成、多様な働き方に対応した労働環境という方向で政策 をやっていくわけですが、これについてはいわゆる大目標といったものと小さな目標と いったものが同じものを掲げざるを得ないという形の一つの類型でございます。すなわ ち大目標イコール中目標、それも大目標といったものが小目標の形で再掲されるという 形で設定したものだということでございます。  一方でそれとは逆に、47ページでございます。47ページでは障害者施策のことでござ います。施策目標の1、障害者に対して必要な保健福祉サービスが的確に提供される体 制を整備し、障害者の方々の地域における自立を支援するということであります。そし てそのための支援体制を整備するということでございますが、実はこの地域支援体制の 整備ということを、ある意味代表できるような指標といったものはなかなか見い出し難 いということでございまして、ここについてはこれを実現するための個別目標の1〜4、 すなわち支援の充実、それから一般就労や工賃水準の問題、それからサービス利用や社 会参加の支援、それから医療体制の整備といった形の施策ごとの目標といったものを、 いわゆる小さな目標といったものを大きな目標の上のところで列記をさせていただいて、 大目標という形にしたということでございまして、トータルとして総合的な指標が設定 できない場合にはこのような形で施策の遂行、達成状況を踏まえるものを上の方に再掲 させていただく、下から上に再掲するという形で整理をするという形に整理をする、い わゆる指標の設定の仕方は3パターンみたいにあるのかなと思っているところでござい ます。  それから評価予定のところでございます。評価予定表というところで、47ページの左 下に19年度から23年度までのものが入ってございますが、基本的には評価予定につい ては、いわゆる実績評価といったものを原則として2年に一度の頻度で行いたいと、こ う思っているところでございます。そして実績評価をしない年度につきましては、評価 指標の経年変化をフォローするという意味でのモニタリングという形での評価に止める という形で、現在のところは考えております。  ただ、資料の4、基本計画の新旧対照表ということで、B4の横長のところの9ペー ジでございます。左のところのロの(2)のところにございます。ここに重点評価課題に選 定された場合ということを書いてございまして、これについては例えば施政方針演説等 で示された内閣としての重要施策、それからいわゆる骨太の方針に基づき定められる政 策群に位置づけられた政策、それから我が省としての主要な制度の新設・改定等という、 こういうものというのを重点評価課題として選定していくということを考えております が、こうしたものについて選定されたものについては、毎年度実績評価を実施していき たいと、こう思っているわけでございます。  それとともに評価方式として総合評価方式というものがございますが、これについて は制度改正なり、大きな計画が終了しようとする年度等に即して総合評価というものを 実施していくということで、具体的な評価予定といったものは考えているところでござ います。  資料7は以上でございまして、資料8は飛ばしまして、資料9でございます。いわゆ る評価書の様式を見直すということで、若干重複がありますが、まず1ページの政策体 系上の位置づけ等ということで、このような形で目標、事務事業等までが一覧できるよ うに様式を整えたということでございます。  それから下のところ、3の施策目標に関する評価というのがございますが、この施策 目標というものについて、いわゆる枝レベルにおいて総合的に評価できる指標といった ものを可能な限り新たに設定することにしたというのがここでございます。  それから3ページでございます。3ページの個別目標に関する評価のところにおいて は、アウトカム指標とアウトプット指標それぞれ分けて記載するという形で、込み込み でどういうものをどう評価しているのかわからなくならないようにするために、このよ うな形でアウトカム、アウトプットに分けて欄を作った。それから下のところに、実施 主体を明記をさせていただいたということでございます。  それから6ページでございますが、6ページの一番上、評価結果の分類というところ では、このような形で分類の類型といったものを見直させていただいたということでご ざいます。それから7のところで、関連する他の施策体系についても明示する形にした ということでございます。それとともに次のページで、これまで評価書様式というのが 一つでございましたが、今後は事前評価と事後評価という形で評価書の書式といったも のも特色に応じて変えたということ等も評価書様式の類型化といったものも図ったとい うことでございます。  以上、駆け足でございましたが、前回11月に御審議いただきました見直しの方向性に そって、具体的にはこういう形で現在案を考えさせていただいているというところでご ざいます。幅広い御意見御指導をいただければと思っております。よろしくお願いいた します。 ○座長  大変膨大で複雑怪奇に近いんですが、それを非常にわかりやすく御説明をいただいた ような気が致します。本当にありがとうございました。ある意味では第1期は制度導入 の時ですから、いろんな意味で力業で何とかした、これを実績を踏まえて、これまでも 何回にもわたる御議論をいただいたものを受け止めながら、本格的バージョンアップと いう感じがいたしましたが、していただいたという、そういうことかなというふうに思 っております。  なお、これから年度末にかけて最終確定するまで、いろんなプロセスがあるかと思い ますが、それの中でまた委員の皆様の御意見をいただいて、よりよいものにしていきた いというお考えのようでございますので、忌憚のないところを、いろいろな御意見を頂 戴できればというふうに思っております。複雑ですので、いろんなことがあるかと思い ますが、どうぞお気づきのところから御指摘、御質問等もあろうかと思いますが、あわ せてどうぞよろしくお願い致します。 ○紀陸委員  資料9でございますが、評価の実施要領ということでもって、実績評価書というのが 最初の1ページ目から6ページ目までございまして、1ページ目ですと14年度から18 年度でございますね。それから事前評価のところの別紙2、これは16年度以降のモデル になっていますね。  ちょっとよくわからないのですが、この実績評価の別紙1の資料と、事業評価事前の もの別紙の2、それからやはりこの別紙の3、これも14年度から18年度になっていて、 別紙の5、これはまた14年度からなっている、これは資料の中身がどういうふうに違う のか。 ○政策評価官  いわゆるここで掲げている評価書の案は、19年度に実施する18年度の評価を念頭に おいて書式になっているわけです。そして実績評価書というのが14年から書いていると いうのは、すなわちこの18年度の部分を入れるという形になっている。ただ、評価書の 書式に18年度だけの欄があると、過去との経年変化がわからないので、遡って作らせて いただいているということで、過去について評価するものについては、過去5年間分の 欄を設けているということで、ズレが生じているということでございます。 ○紀陸委員  それから事前の評価と事後の評価というのがありますね。この事前の評価というのは どういうことなんですか。 ○政策評価官  事前評価につきましては、法令上義務づけられているものとして二つの類型があって、 一定規模以上の公共事業の実施、これは我が省におきましては水道事業でございます。 それからもう一つが一定規模以上の研究開発事業というものがございます。そうしたも のについては、事前評価をきっちりした上で着手しなさいということでございます。一 方で各省庁に任せられている部分として、ある程度規模が大きいような事業については、 事前評価をすることが望ましいのではないかといわれておりまして、それについては私 どもの省、一定規模の予算を確保しなければいけない事業については、事前評価という 形で実施をさせていただいているという、そういうことでございます。 ○座長  よろしゅうございましょうか。 ○紀陸委員  それに関連して、同じ資料の9でございますが、6ページに評価結果の分類を見直す というものがございますね。ここの部分は従来と違ってよりきめ細かいというか、意味 のある評価をしたいというようなことでもって、これは大きな改定になるわけですね。 ○政策評価官  これまでは3段階でございまして、達成した、進展している、進展が見られないでご ざいましたから、進展しているのところばかりに○がついてしまうわけです。ですから 今回は具体的に、施策をさらに充実させるのかどうか、さらには施策目標そのものの見 直しを行うのかどうかということを、その都度私どもと各部局において判断をしていく というために、こういうような形の類型を設けさせていただいたということでございま す。 ○紀陸委員  特に進展しているというのと、それから達成に向けて見直しを検討する、これは進展 しているけれども、同時に先行きは何らかの形で見直しもしたいよとかというような評 価ってあり得ますよね。そういうような場合には、これはどういうふうになるんですか ね。ダブルでつけるとか、そういうものってあり得るわけですか。 ○政策評価官  ここは確かに御指摘のようなところがありますが、実施要領等のところで、もうちょ っと詳しく書かなければいけないかなと思っておりますが、この2の施策目標の達成に 向け進展しているについて○をつけていただくのは、現行の組織・人員、及び現行の予 算、現行の事務事業といったものを維持していくということ、そしてその中で今後達成 できるであろうという形で考えているのであれば2につける。しかし3については、や はり達成するためにはそれなりの充実強化が必要であろうという形で、従来の延長線上 ではない取組みがいるというものについては3につけてもらうという形で考えておりま すが、その辺は改めて今日の御指摘も踏まえて書きぶり等を検討したいと思います。 ○紀陸委員  特にPDCAで、いわゆるDOの部分とCHECKの部分ですね、そういうものをこ の評価の中に表現するというか、示すというか、そういうものがあるといいのかなとい う感じもしますけどね。 ○座長  よろしゅうございましょうか。お気がつきの時にまた御発言ください。篠原委員から もお手が挙がっております。 ○篠原委員  大分いろいろと皆さんの意見とかを導入して、非常により実効性のあるものになった という感じがしますが、そうなると非常に担当部門に負荷がかかる、評価は重要なもの ですから、負荷がかかるというのは、やっぱり必要かなという気はするんですが、地方 公共団体なんかでも政策論議をやると、みんな悲鳴をあげているという話は聞いていま す。  それでいわゆる政策評価そのもののIT化というか、より合理化するということと、 さまざまな関連データを組み込んでくださいと入っていますから、それが非常に簡単に 入ってくるように、その辺の考慮というんですか、いわゆるそっちに対する投資も僕は 必要かなという気がするんですが、その辺はどういうふうに考慮されているんですか。 ○政策評価官  一つはかなり政策評価のウエイトが増してきているということで、実は先ほどは御説 明しなかったんですが、実績評価については、新計画においては2年に一度という形で させていただき、ある意味で負担の軽減を図りたいと思っております。しかし一方で毎 年度各局にしてもらっている評価よりも、今度の2年に一度の方がかなり指標等のチェ ックが大変になりますので、しかしそういう点では2年に一度という形で業務量の軽減 を図っている、ただし、政策評価の内容が薄くならないようにはしていかなければなら ないと思っております。   もう一つは総合評価等をやっていく際には、各局が制度改正の前提にこれまでの施策 を審議会等で議論していただいて評価をしてもらう、それから何とか5カ年計画とか、 何とかプランといったものをつくって、新たなプランをつくっていこうという時に、ま たそれまでの5カ年なり3カ年なりの取組みを評価をした上で新たな計画を作るという 作業というものと軌を一にする形で、この政策評価における総合評価のようなものもや っていく、すなわち全く政策評価というものと各局の行っている通常の政策の見直しと いったものの作業が別々にならないようにしていくという点で、その意味では二重の手 間をとらせないという形の配慮といったものもしていく必要があるのかな、特に後者に つきましては、そのような観点で各局が行ういろいろな見直しといったものと整合性を とる政策評価にしていくんだということは基本計画の文言としても書かせていただいた ということで、工夫をさせていただいたところでございます。 ○座長  よろしゅうございましょうか。やっぱりかなり膨大な事務作業を伴う、バックヤード とかサポートとをどうするかというのは、やっぱりおそらくすぐに出てくるんでしょう ね。これはそれこそIT化の話とも、政策情報のIT化みたいな話とも多分絡むのかな と思いながら、ちょっと伺っておりましたが、これは感想でございます。いかがでござ いましょうか。 ○渡辺委員  今の評価に対する体系というものは随分工夫されて、複雑だけれども、言われている 意図というのは大体わかりました。こういう方向で詰めていけば、第2期目はこれを実 施した上で、今のこの事務の膨大さとかなんかは、また改めてわかりますけれど、例え ば具体的にいうと日銀の要するに短観なんてというのは、ある意味でインプットすれば 翌朝パッと集めて出る、こういうような体系も工夫していくということは、これから必 要なんだろう、今の手間をかけないという意味で、基礎データにですね。  それで私の問題意識は、これはこれでいいと思うんですが、今世間でいろいろ起きて いることは、ここでも何度も申しましたけれども、具体的に言うと、例えば格差という 問題がありますね。それでこれが今回の国会でも最大の問題は結局格差じゃないか、で すからそれにまつわる、例えば厚生労働省の政策というのは、例えば医療にしても労働 にしても、あるいは年金等の社会保障にしても障害者にしても、端的に言えばワーキン グプアとか、こういう言葉によって毎日マスコミは取り上げながら、国会の場でも政策 論争がなされている。  しかしこれに対しておそらく政策評価をすれば、厚生労働省の評価というのはそんな に悪い評価にはおそらくならないだろうと思うんですね。今まででも概ね進んでいると いうことで、進んでないというのはほとんどゼロですから、達成しているのは少なくと も、要するに大体日本人の評価は概ね進んでいるというところへ集中致しますから、で すからそういう時にどれだけのアカウンタビリティを持ち得るかということが非常に重 要で、それがきちっとある程度関連性がないと、評価する方はもうやる気がなくなっち ゃうわけですね。結局やっぱり評価自身も多少国民の単純な目から見ると疑われるよう になる。  ここら辺が非常に悩ましい問題で、今厚生労働省がやっているのは、例えば給付と負 担の問題とか、あるいは所得移転をどれだけかませるか、その時に財政的な制約が一方 において、やりたい方向から比べればやっぱり後退をせざるを得ない、こういういろん な面をもっていますし、それでますます今度は、中央と地方とのこれから分権化によっ て、中央における政策意図の影響度は逆に言うと薄まる方向にあるから、これはそうい うことを意識しよう、誰がやるのかという、そういう点でも配慮はされるようになる。  だから評価についても、原則は2年だけれども、いわば内閣が持っている一つの政策、 あるいは骨太の方針による政策、厚生労働省が今の現状を配慮した場合の重要なところ は1年でやろう。1年でやろうということは、逆に言うとやっぱり世間に合わなくなっ たらば変えていくという、そういう心構えがそこに出ているんだと思いますけど。  従って一番のいい評価を担保するのには、やっぱり事前評価はさっき技術系とか何か ありましたが、政策というものをどういうふうに遅れないで維持するか、ですから全部 後追いの一つの政策と評価になると、評価の体系の中で評価しても、やっぱり実質的に 実施されていても、国民の結果期待の世論という点からいくと合わなくなっていくと、 ここいら辺をやっぱり政策運営上評価と運営とをさらにP・D・Cで跳ね返すものがや っぱり、むしろ前向きに回転するかということが重要で、私も例えば今は文部科学省の 独立行政法人の評価委員会の会長をやらされているんですが、それはPLAN・DO・ SEEをやりまして、翌年の予算に反映するためには、少なくとも概算要求まで評価が 出なければいけない、しかし大学の先生方は夏休みしかそんな時間は維持できないから、 どうしても時間的に間に合わなくなって、予算が終わった時に評価が出てくるという悪 循環を今どう直すかという具体的な問題にも取り組んでおりますが、やっぱりその時期 なんかもきちっとしていく必要があるかもしれません。  そのためにはやっぱり評価する体系がIT化その他も含めて、やっぱり負担のできな い重要なところだけ最終的にきちっと議論する、こういう方向にもっていくべきなんじ ゃないか。ただ、ちょっと悩ましい問題がいつもここで議論になる点でして、私なんか 実業界にいた人間からすると、やっぱりこういう政策評価というものが世間にきちっと 結果が理解されて初めて政治的にも意味をもってくるし、官と政とをどう役割分担する かということはありますが、ちょっとそういう感じです。ですから体系整備は着々と努 力されていい方向で改善はされているかと感じております。 ○座長  ありがとうございました。前から出ている大文字の政策評価と小文字の政策評価の話 と絡むかと思いますが、ここで政策評価法に基づく政策評価ができるだけ大ぶりなとい うか、大文字の政策評価とあえて言えば、そこにどれだけ有益な形で反映できるような、 これも大事な目標なので、そこら辺をよく考えるようにという、そういう御発言かとい うふうに思いましたが。 ○篠原委員  もう一つ、この間も学位学術授与機構の木村先生が,例えば再生会議で今議論されて いる、それから中央審議会でゆとり教育の結果、学力が低下したかどうかというのも、 ほとんど基礎データが余り議論されないまま、いわばあれが世間になっちゃいますよね。 そこいら辺が……。 ○座長  そういう意味で私は多少介護保険にずっと関わっておりますと、介護保険というのは 相当リアルタイムにそこら辺は縮めてきて情報が出てくるようになった、今まで大体厚 生省の統計というと1年か2年後の古い数字ですから、大体3カ月経てばもうわかっち ゃうという、今度の介護保険でももう既に制度改正後で費用がどういうふうになったか と、もうわかっているというような、これはある意味では先ほどのIT化の議論ともの すごく関係があって、やっぱりリアルタイムに情報がとれるような、インフラが整備さ れるとそういうことがわかる。医療なんかもかなり今度の改正でそれが進むだろうと思 っているんですが、そうするとやっぱり大文字の政策評価にこの政策評価が割と連動す る条件は出てくるという、そんな感じも私なりにしました。感想を申し上げました。今 の議論も大変大事な御議論でございますが、それも含めまして他に何かございませんか。 ○野川委員  資料1の1枚ペーパーが基本計画の一番凝縮されたものだと思いますが、したがって ここに出ていることが最も内容的には大事なことだと思うのですが、その1の(3)、先 ほど御説明いただきましたが、この政策評価と予算・決算との連携の強化、先ほどの御 説明では、予算の項ですか、決算の事項ですか、これと枝がイコールの関係になるよう にというふうにおっしゃいましたが、その趣旨がちょっと抽象的で、もう少しそのつな がりの体系性みたいなものか具体的にわかるような何か御説明をいただければというふ うに思うんですが、いかがでしょうか。 ○政策評価官  実はこの予算における項と決算における事項と政策体系における枝というところにつ いては、ここは実は今のところそういう方向で財務省とやっておりますが、実は財務省 はできれば1項、1事項、1幹ぐらいのイメージということを言っているんですが、厚 生労働省の行政は余りにも多岐にわたるので、なかなかそれは無理だろうということで、 今調整をしているわけですが、今先生の御指摘を踏まえて、もし言うのだとすると、こ の資料集の227ページのところから財務省の考え方を示しているわけでございますが、 その237ページでございます。  237ページに予算書、決算書のイメージということになっていて、実は予算の整理と してここにあるような形で整理をされている、すなわち例えば施策として医療提供体制 の整備というものの予算といったものが、今の予算の予算書の中では本省経費という項 の中で、一般行政経費とか情報化推進経費のところで整理をされて、そこに溶け込んで しまう形になっていく。それから決算書においても、ここに書いているような歳出決算 というのは、保健衛生諸費というような形でくるまれて出てきている、そして具体的に 事項別の内訳を示すことにはなっていないということになっていくわけです。  すなわち医療提供体制の整備ということについて、果たして予算書を一目見て、いく ら使われているのかということが、今の予算書においては、いろんなところに溶け込ん でいるが故に見えなくなっているし、決算書においても、保健衛生諸費というのは、実 はこれは医療提供体制だけではなくて、いわゆる疾病予防等々の経費も入っているわけ で、ここに溶け込んでいる形になっている。  そういうことを防いで、まさに医療提供体制の整備にいくら予算がいるのかというこ とで予算として要求をし、そして決算ベースでもそれがどのような形で予算執行ができ ているのかということを確認する、そしてそうした予算・決算の際に政策評価という点 を参考にしていくという意味で、政策評価においても、じゃあ医療提供体制の整備とい ったものの施策がどれだけ進んでいるのかということがわかるようにする、そういう形 でこうやっていこうという一つの改革でございます。 ○渡辺委員  それはやっぱりプロジェクトごとのバジェットをなるだけつくろう、こういう意図だ からそれは非常にいいですよね。ですからフォローアップの決算もそういう方向で当然 科目化されていくといいますか。 ○野川委員  わかりました。ありがとうございました。ただ、その点でこれはやってみて、またい ろいろ出てきたところでの議論になるかもしれませんが、財務省の予算や決算の体系制 と体系制の中でどのように項や事項をたてるかということと、厚生労働省のさまざまな 政策体系の中での位置づけとの結びつけ方というのが非常に難しいと思うんですね。そ の時にこちらが必要な政策の中身が、予算や決算との関係である制約を受けてくるとい うことが出てくるような気がするんですけれども、そういった想定される問題について は何かございますでしょうか。 ○政策評価官  今先生の御指摘された、そういう御懸念というのは考えていかなければならないだろ うと思っております。ある意味、財務省と厚生労働省、立場が違う部分がございます。 当然、財務省としては財政再建の折り、やはり可能な限り一見無駄だと思われる予算と いうのは切っていきたいということですし、私どもとしても必要な予算はきちっと確保 したいということ、それからもう一つの思いとしては、やはり柔軟に、当然国会で御承 認いただく予算でございますけれども、余りにガチガチな形での予算執行といったもの は事業を行っている官庁としてはなかなか難しい点がございますので、そういう点で柔 軟な予算執行ができるようにという観点からも考えていかなければならない。  そういう意味では、この具体的に枝の設定の仕方について、今先生がおっしゃられた 点も踏まえて、決して必要な予算が削られることのないような形でどう立てていくのか、 さらには柔軟に予算が使えるという点ではどのようにすればいいのかということも含め て、私どもで案を作って、現在財務省との間で調整をさせていただいてるという状況で ございます。 ○渡辺委員  民間はなるたけ柔軟、要するに我々顔でやってきた時は、毎日予算なんか変わってい いんだという、要するに毎日予算を変えていくことが仕事だと、こういうものの考え方 ですね。しかし官庁はそういうわけではない。ただ、やはり柔軟を確保すればするほど、 逆に言うと自己規律が要求されるわけですね。ですから私なんかはやっぱり自己規律と いうのは省の中でどう確立するか、つまりお金の使い方に常にアカウンタビリティをも っていくという、そういうことにずっと官がなっていけば、これは一つ改革につながる んじゃないかな。  ですからなるだけソフトに使えた方がプロジェクトの達成には効果的であるのに違い ないわけで、これは単年度か単年度じゃないかという問題も含めて、そういうことにな るのかなと思いますね。ですから方向としてはなるだけそういう方向でいきながら、自 己規律をどう担保するか。自己規律というのは要するに不正に使ったとか何とかという ことじゃなくて、やっぱり政策実施に最適なお金の使い方をしているという、そういう ことでの規律ということが必要かな。それを評価委員会が逆に言うと評価するという関 係になれば、もっと進むんじゃないでしょうかね。 ○座長  ありがとうございます。先ほど評価官の方で最後の説明にあった、やっぱり国民に対 するアカウンタビリティの問題も少しずつこの整理が出てくると、また今までの見方よ りももう少しいい見方が、読みやすくはなりつつあるなという、そんな感じもいたしま した。 ○渡辺委員  したがってこの成果は誰のためにやっているのかという問題があるわけですね。だか ら誰のためにやって、誰が使うのか、そうすると要するに国会審議で一体それじゃあこ の政策評価が一度だって持ち出されて、大臣から説明されたことがあるかという問題も 含めて、要するに評価というものが、それではマスメディアで評価なんて書かれたこと はほとんどないですよね。  要するに今の格差問題とか、厚生労働省はこういうものに対してこういう取り組みを やってきた、だから政策面ではそれは政治の制約の中でという議論はほとんどなくて、 いやホームページに公表してあるから我々はそれで責任を果たしているんだ、これだと やっぱりまたそういうものの形骸化が起きるので、本当はせっかく評価したものが当然 予算に反映される、つまりいいから予算がいっぱいつくという具体的にそうなっている のか、それから今やっぱりそういう政策というものについてもっと大臣とか、そういう ものが外に対して有効に使う、悪いものは悪いと反省も含めて、そこいら辺がちょっと アレかなという、以上です。 ○座長  ありがとうございました。 ○森田委員  今までかなりの委員の方から既に御発言があったかと思いますので、それは繰り返さ ないことにいたしますが、最初に印象を述べさせていただきます。この厚生労働省の評 価に関しましては、最初からお手伝いをさせていただきましたが、当初に比べますとか なりスッキリとした制度になってましたし、随分とその点で御努力されたと思っており ます。ただ、ここから先は少し次なる課題ということにもかかわってくるかと思います が、やはりこの評価という仕組みをきちっと生かしていくためには、もう少し考えてお かなければならない点もあると思います。  1点目は、今渡辺委員がおっしゃったことと重なりますが、評価自体を、評価結果を 何に使って、何を改善をしていくための、あるいはそれによってどういうフィードバッ クを得て、政策の改善ないし業務の改善に結びつけていくのか、そこのメカニズムとい うのはやはり次なる課題ではないかと思っております。  これは評価結果についての国民に対するアカウンタビリティの問題でありますから、 公表して、それによって何らかのレスポンスを得るということもあろうかと思いますが、 その得たものによって何を今後どう変えていくのか。今までなかったといいましょうか、 かなり大きな進展が見られたと思いますのは、予算とリンクさせることで、これは財務 省の方も随分そちらの方向で努力をされていると聞いておりますけれども、通常の場合、 この評価制度そのものは予算とリンクさせる場合には、予算によって本当に政策の効果 があがっているのかどうかということが問題になるわけでして、多分その前提としては むだがあるのであろう、それをきちっと評価にすることによって、その部分を削減する という、そのための仕組みとして入るわけですから、予算を要求する側からしますと、 積極的に成果があがっていないということを示すインセンティブというのはなかなかわ いて来ないわけですね。  そういう意味で言いますと、この制度というのは一体どういう情報を何のために発信 するのかということと、それとそれをどうフィードバックさせていくのかということが 重要であろうかと思います。私自身は現在のこの評価法の制度のもとでは、むしろ予算 とリンクさせるということもありますけれども、内部における業務であるとか、政策の クオリティをどう改善していくか、そこに反映をさせていくという仕組みが主眼になっ ていると思います。  単に国民に公表して、それによっていわゆるベンチマークのように成果は達成したか どうかというだけではなくて、むしろ第三者評価に若干かかわっておりますけれども、 基本的に内部の自己評価を行って、それは自己の政策改善に結びつけていくということ ですけれども、この改善の後者の方のフィードバックのメカニズムというのが見えてお りませんと、何となく評価自体が自己目的になってしまっています。そうしますと事務 負担が多くなると、評価をされるそれぞれの事業部局の方もだんだんインセンティブが 下がってくると思いまして、その点について次なる課題といいましょうか、御検討をい ただきたいと思いますし、その仕組みを入れることが本当の評価制度を生かす道につな がってくると思っております。これが1点目でございます。  2点目は先ほど座長の方からもお話がございましたが、いわゆる大文字の政策評価と 小文字の政策評価ですね、基本的なその制度そのものの質の善し悪しというものと、そ の制度のもとでの運用といいましょうか、実際の行政、厚生労働省のお仕事の仕方、あ るいは地方公共団体に事務委任している場合には、そちらの仕事の仕方というのは、こ れは少し違う話でして、先ほどの場合両者確か一体として評価するところのメリットも あるという趣旨の御発言もあったという気がするんですが、ここのところは大変悩まし い問題であろうかと思います。  私自身の印象としましては、現在の評価法そのものがその辺必ずしもきちっと分けて ないわけでして、評価法に基づく評価の制度そのものを評価すると、かなり大文字の政 策の方は厳しい結果が出てくるんじゃないかなという気がしております。そこのところ は意識されませんと、もともと余り出来の良くない政策とか制度を一生懸命された場合 も、アウトカム指標において余りいい成果が出て来ない、その場合にはやはりもとの制 度そのものをどうすべきかということ、それについてどういうふうに発信をしていくか ということもかなり重要であると思っております。  特に先ほどもお話がございましたが、いわゆるレギュラトリーインパクトアナリシス が入りますと、これの場合には制度の設計の仕方と結果について事前の場合には予測が 非常に、事後もそうですが、評価の対象をどこまで広げるかということにおいて非常に 難しい問題があるかと思いますので、そもそも執行が難しい制度をつくって、最終的に 評価をどうするかという点、一緒に評価しますとやはり問題点の指摘はできるかもしれ ませんが、必ずしもいい評価システムとしていい効果を生むとは思えないわけでして、 その辺についてもこの評価制度そのものについてはきちっとした分析をして発信をして いくということが重要ではないかなと思います。以上でございます。 ○座長  ありがとうございます。展望にかかわる非常に示唆に富む御発言をいただきました。 他にいかがでしょうか。 ○篠原委員  今の森田先生と関係があると思うんですが、最近のマスコミの報道を見ていますと、 我々いろいろと制度を作ってきたんですが、その制度そのもの自体がきちっと実施され てない、政策評価は有効性とか何かやっているけど、制度そのものの、結局中央官庁と いうか、ここは企画で、先ほど言ったように執行は分離して、地方公共団体、そうする と執行状況というのはやっぱり企画の面でも評価するには関連してくると思うんですが、 その辺の考慮はされているんでしょうか。 ○政策評価官  先生が今おっしゃられた、その企画は中央省庁で、執行が地方自治体だというのも大 きく変わってきていて、まさにトータルとしての政策のグランドデザインは国であって、 個別具体的な政策の組合せなり量的確保といったものは地方公共団体という形になって いってるので、そこの部分というのは、そううまい具合には切り分けられないかなとい う感じはしますけれども、お答えになっているのかどうかわかりませんが。 ○篠原委員  結局問題意識は、いろんな問題が起きていて、僕も直接いろいろと聞いていると、や っぱり実態的には予定したものをきちっと実行されてないというんでしょうか、これは 明らかにええ加減になってきているなという部分で、評価もそういうものもよりいい方 にもってきているんですが、やっぱりきちっとやられてないんじゃないか、その部分も 評価すべきじゃないかという、僕自身問題意識があって、そうすると厚生労働省でそう いうものの範囲になるのかなという疑問もあるんです。 ○政策評価官  そこはなかなか難しいわけですが、いわゆる先生のおっしゃられた正確かつ効率的に、 定型的にせよ、業務が行われているのかということについては、やはり当然のことなが ら広い意味での政策評価の対象になるんだろうという形です。それはまさに今度の中央 省庁等改革で義務づけられたものが一つあって、実施庁評価というものをやらなければ いけないという形になって、私どもは社会保険庁の評価ということをやっていくという ことになっていますし、それから一応企画立案と実施の分離ということで、独立行政法 人制度についても、与えられた業務というものを的確効率的にやっているかという点か らの評価というものの仕組みになっている。私どものピュアな行政でいくと、まさに社 会保険庁あたりの、いわゆる実施庁評価については、今先生がおっしゃられたような観 点からきちっと給付事務等が標準処理期間等の中で行われているのかどうかとか、そう いうような観点からも当然評価をされている部分がございます。  ただ、それ以外の社会福祉の給付が果たして市町村において的確に行われているかと いうと、障害者生活保護等々ということについては、またそれはそれでおそらく実施を していただいている地方自治体における政策評価等でもこれはまた考えていただくこと になるのかなと、こういうふうに思っております。 ○渡辺委員  これはさっきから言っている、幸か不幸か今格差が最大の問題になっちゃっている。 それでこれは一般論なんですが、やっぱりこういう政策というのは、ある意味で要する にマーケットと格闘しているわけですよね。それは医療もマーケットですし、要するに 医療保険と言いながら、お医者さんがやっぱりどこへ自分の業務を止めるかという、そ ういうところまでは規制できない、ですから政策というのは一つはやっぱりそういうマ ーケットを誘導するという目的で行われているというのと、それから社会的規制を行う、 この二つが政策でできる能力ですよね。  それに対してマーケットの方は、当然グローバルで、それでより自由でわがまま勝手 になってきているわけですね。要するに市場原理って金だ金だというだけではないと思 うんですけれど、マーケットの方はより一つのエネルギーがそういう方向で強くて早い わけですね。それをどう誘導するか。要するに市場を使って誘導するか、あるいは規制 を使って強権でやるか、この二つで格闘しているわけですが、私はやっぱりマーケット の逃げ足とか、そういうものの方がやっぱり早くなっちゃった、これに政策がどう立ち 向かうかということの根本性がないと、その結果はちょっとやってみるといいんだけど、 実際はマーケットの実態はそれと相反した方向へ行っている。しかもお金がなくなって きているわけですから、一番最大の強みである金の力で何かを聞いてもらうという力は なくなってきていますから、ますます政策の質の知恵というか、それが重要視しないと 本当のいい結果が出ない。  ところが今おっしゃられたように、それを実施する社会保険庁とか地方の福祉の市役 所、そういうところはやっぱりずっと官が培ってきた、全く体質が古いわけですね。だ から決められたことしかやらないということになっちゃう。それが大勢力だと、また実 施するところで速やかな一つの市場対応というのができているか、ここいら辺の相対メ カニズムを考えながら、やっぱり政策実施のスピードとか質の高さとか、本当に市場を 知ってこういうことがなされているのかなという、立案というものが評価を上げるとい うか、私なんかはそういう、だからこれは実業界で、だから評価の体系というのはある 意味でいい政策をどうつくるかというところが最大のスタートで、そのいい政策であれ ば評価委員はすごく楽なんですね。悪い政策だと結果よりも評価委員は義理をもって何 とかいい点数を、やっぱりつけようとはしないもので、そういう一つのあつれきの中に 入るわけなんで、ちょっと余計なことだけれど、ぜひそういう環境変化の大きな変化と いうのを乗り越えないと、やっぱり官は辛くなるんじゃないかということを申し上げま す。 ○篠原委員  政策においては、基本目標、実施目標、個別目標と、かなり関係づけられたんですが、 ちょっとこれも評価に関係するのか、そこから出てくるものをちょっと質問させていた だきたいのですが、私はロータリークラブに入っていて、つい最近オオヤスノシスの老 人ホームという身寄りのない施設に寄附したものですから見学に行ったんですね。そう すると広大な施設に40人の定員ですから、7人ぐらいの職員が面倒を見ているわけです。 そうすると行った人みんな、ちょっと変だよな、過剰サービスじゃないかという印象を 受けたんですね。  それで疑問は、やっぱりいろんな社会福祉をやっていますが、トータルでちゃんとバ ランスしているという視点があるのか、政策評価でそれを求めるのはちょっと無理かな という気もするんですが、やっぱりどこから問題が出てくるのかな。やっぱり老人ホー ムを見ると、今の状況を見ると過剰だなという判断は我々はするんですね。それがやっ ぱり見ているというのか、そういうところがどこなのかなという気がするんです。 ○政策評価官  それも座長の方が御専門なのでアレなんですが、基本的にはいわゆる高齢者福祉につ いては、介護保険制度の枠の中で制度が組み立てられていますので、そしてそこでの特 別養護老人ホーム等の施設の運営費というのは、介護保険からの給付と所得に応じた形 でのお年寄りからの自己負担によって成り立っているわけで、その介護報酬等を決める 時に一定の入所者に対する、どういう形で人員を配置するのがいいのか、そしてそのこ とによって経営がどう成り立つのかなということを念頭に設定させていただいていると いうことでございます。ただ、先生が行かれたのはもし有料老人ホームとか、介護保険 の枠外ではないでしょうか。 ○篠原委員  枠内です。 ○政策評価官  枠内ですか。枠外であれば、それはまさに介護保険の給付の対象外ですから、原則全 額自己負担で……。ではないんですか? ○篠原委員  公費です。 ○政策評価官  公費も入っているんですか。個人負担は? ○篠原委員  個人負担なしです。というのは身寄りのない人です。養護老人ホームです。大体70 以上の人かな、一番最高は80何歳で、だから全部公でみる。 ○政策評価官  ただ、先生から見ると人が余っているのではないかということですが、なかなか福祉 の現場はきつくて、福祉の方々から聞くと、少ない人手で低い給料で頑張っているんだ と言われている部分もあるので、そこは総合的に判断しなくてはならないのかと、こう 思っていますが、少なくとも介護保険における報酬を決める時にはまさに制度設計の段 階で今先生がおっしゃられたような議論というのはさせていただいているということで ございます。 ○座長  もう時間ですので、私からのコメントは差し控えますが、僕は施設は非常に非効率だ と思います。要するに非常に効率的な側面と非常に非効率な側面があって、これは普遍 的制度になったら明らかに非効率、要するに一昔前の概念だと、あれは効率的な制度だ けれども、ザ・プアーのためのプアサービスと僕はよく言うんですが、それを介護保険 はもっと純市場で普遍化しちゃいましたが、そうすると混合給付で自助と共助、それと それを細くする公助という、そういう構造になりましたから、そこのバランス問題です から、これは先ほどの大文字以上に日本人のケア観とか、そういうものとの折り合いで つく話なので、ややここの議論としては考え方が難しい議論だなということだけちょっ と申し述べておきます。  いかがでしょうか。予定は12時なんですが、大体出尽くしたということで、そろそろ という感じでおりますが、よろしゅうございましょうか。 ○阿部委員  皆さんのお話を聞いて私も同感なんですが、政策という言葉を聞いて、それぞれ政策 という言葉を評価するのが個々人によって違うんですね。私は政策と聞くと、どうして も渡辺さんがおっしゃるようなイメージ、つまり国民の厚生をどのように政府が図って いくのか、そういった意味では大目標であったりというところが非常に焦点を当てたい なという気がします。  しかしそうは言っても森田先生や他の先生がおっしゃるようなところも重要なポイン トですから、そこのところを、今回まだお時間があるのであれば、この報告書の中に書 き分けるような仕組みを入れる、例えばこれは行政を評価したんだとか、実施している 業務、これについて評価しているんだ、あるいはエージェントを評価しているんだとい うことを書き加えるとか、あるいはもう少し枝葉の上の方の、あるいは大きな政策とい ってるんでしょうか、こういったところを評価したんだとか、そういったところを少し 目印でもつけておいていただければ議論がスムーズにいくのかなという気はします。  それから小さい話ですが、紀陸さんが言ったことはやっぱり私もひっかかっていまし て、この評価結果の分類のところの2番、進展している、ここをもう少し工夫をしない と、これでもかなり工夫されたなという気はするんですが、結果としては2番におつけ になる方が非常に多いだろうというふうに予測できます。  私は紀陸さんは言わなかったですが、言おうかと思うのは、2番を削除したらどうで しょうかという提案です。2番の代わりに3番をもう少し充実させて進展しているとい うことをもう少し、どのように進展しているのかを具体的に書き加えるということをし ないと、評価したことにはならないのではないかと思います。達成しているというのは わかります。進展しているって、どう進展しているのかをもう少し書き加えるというこ とをやっていただければと思います。私が皆さんの話を聞いたり、私自身思ったことは この2点です。 ○渡辺委員  今の3段階、前から3段階はみんな上か、大部分真ん中になります。日本人はまあま あというのが大好きですから。それでこれは文科省でも独立行政法人28か9あって、技 術系の、つまりいろんな技術開発とか宇宙開発、それは4段階なんですね。それで文科 系は大体3段階か4段階、つまり文科系の例えば質を評価するのに、本当にAとかとい うのはなかなか出ないから、大体みんな真ん中より上か、まあよくやっている、まあよ くやっていると、こうなっている。  それで結局今回基本的に4段階、マッキンゼーなんかの評価ですと、A・Bはよくや っている、それからC・Dはやっぱり努力が足りないと、こういうふうにしまして、そ の真ん中の要するにまあまあというのはなくして、今、独立行政法人は一応そういう方 向でいこうとしております。  だからここの何段階でも、要するに真ん中でまあまあで、そうすると私が言いました のは独立行政法人のみんなAになっちゃうんですね。そうすると国民の人がこれを見て、 みんなA、こんななの? ってこう書いて、評価委員会の評価の真剣さを、真剣にやっ ているんだけど、結果としてみんなよくやっているよ、それなのに社会とかマスコミは いろいろ騒いでいるよ、こういうギャップの方が評価委員会のせっかくの努力を無にす る。だからいいものはいい、やっぱりもっと努力しなさいというのは、そんなにダメだ というのではないんだけど、やっぱりもっと努力をしてほしいとか、そこら辺の書き方 は別ですが、ちょっとそういう議論があったということだけ御参考にして、今の皆さん の意見からいくと、余り甘くて評価委員会はこれは誰がやっているの? むしろつなが りがあるんじゃないの? なんて、こういう変な勘繰りをされないようにするというこ とも一つのアレかなというふうに思います。 ○森田委員  私もいくつか独立行政法人制度をつくる時とか、その評価の最初の時に若干係わって きた観点からいいますと、まさにおっしゃるとおりなんですが、最初の段階から余り精 密な評価をするということは非常に難しかったということがあると思います。  一つは、やはりそれぞれ評価の仕組みそのもので、先ほど申し上げましたように、も との政策がどうなっているかということと、それぞれの当事者の評価される対象の方が どの程度努力しているかというのと、これは少し別な話になるものですから、少なくと も努力されている方については、その努力を評価しなければいけないだろう。社会的に 見た場合には、元の政策が悪いものを一生懸命頑張ってらっしゃる場合もよくないとい うふうに評価が出る可能性がある。それはきちっと見ていかなければいけないというの と、こちらもそうですが、評価そのものが、3年目ですか、4年目ですか、もうちょっ と経ちますか、ようやくある意味で相場感が出てきたというところだと思いますが、そ うでない時にやはり余りいろいろな厳しい評価をしたりしますと、その評価の適切性そ のものが議論の対象になってくる。  これは余計なことですが、これから大学評価の場合にはそちらの話が出てくるかと思 いますが、そうなった場合にやはりかえって混乱を招くということで、少なくとも明ら かによくやっているところと、明らかに問題があるところは識別する必要があるかもし れませんが、それ以外のところは一応それなりに頑張ってらっしゃるという形で評価を していく。評価手法が確立してくるにつれて、その辺についてもう少し識別の度合いを 上げていく、そういうやり方を採用したらと思っておりますので、おっしゃることはそ のとおりですが、今までの仕組みと現在の仕組みが、だからといって非常に問題がある というのは、ちょっと私は評価として厳しすぎるんじゃないかなという気がいたします。 ○阿部委員  そうではなくて、評価をどう使うかということに関していけば、我々はこの評価を前 向きに使う必要があると思うんですよ。だからよくやっていることはよくやっているで いいんですが、じゃあどこが足りないのかとか、そこの評価をしないと、次の政策に生 かせないということですよね。この評価そのものは現場の人たちに×をつけるとか、○ をつけるという評価ではないわけでして、そのあたりの仕組みを入れるためには、今の ように2番だけ○がついて返ってくるということだとちょっと問題ではないかと思いま す。 ○森田委員  ちょっと今の点ですが、現場の人たちが自分たちで自分のことを評価するというのは 基本的に、今のところまだこの仕組みはそうだと思うんですね。外の政策そのもの、先 ほど言ったように、渾然一体として評価の対象になっていますが、基本的に御自分でや られていることが、その目標に対してどの程度上げているかということを自己評価する という仕組みですから、その意味で言えば悪かったところはよく御存知のはずですから、 自分で改善してくださいということで、そこの仕組みをもう少しはっきりさせるべきで はないかというのが、先ほど私が冒頭に申し上げた御意見です。 ○渡辺委員  もう一言。その自己評価というのもすごく難しくて、今、結果的に文部科学省に私は、 自己評価に引っ張られ過ぎるのはまずい、ですから評価の独立性を維持するためには、 自己評価をやるべきだけれど、その自己評価を事前にいわば委員の人が見せられて、そ れを参考にしてやるというのは、ごく限定的なところにすべきだ。  ある意味で政策評価というのは、国民の視点でやるとすれば、やっぱり最初から少し は厳しさという視点がスタンドポイントだというふうに考えるのか、もっと全くそれは 生物的にものを考えるのか、ここいら辺のスタンスも、何もみんなケチをつけろという、 こういう委員ではとても評価は務まるわけはないと思いますが、大体やっぱり国民の視 線というのは厳しいんだという、そういうもので、しかしそれに左右されたのでは評価 になりませんで、ここいら辺は今後運営の点においてどういう点をつけるかというのは、 今の何段階にするかというのと、大体A・B・Cと、どういう区分けで、何点という点 はなかなか境目はありませんけれども、そこいら辺は実施の時により議論されるべきな んじゃないかという気がいたしますね。 ○座長  政策評価法の評価は基本的にこれは自己評価ですから、そうすると自己評価が適切に 行われるような工夫として、どういうものがあり得るかということは、今日の御意見を 踏まえて少し御検討をしていただきたい。するとおのずからその問題と第三者評価的な ものとの関係はどうするかというのは次のステップの、これは政策評価法そのものも多 分そういう議論になっていくだろうと思いますので、そんな印象で伺わせていただきま した。 ○渡辺委員  ただやっぱり自己評価と言いながら、供給者原理でいくように響くわけですよね。そ このところをよく注意されないといけない。つまり省として評価されるんだと思うので。 ○座長 自己評価の自分の中にある他人という、その問題がやっぱり社会をどう意識しながら 評価することができるのかという、そこら辺の、これはかなり認識論の話にも及びます が、というような感じがいたしました。 ○篠原委員  独法の評価を僕も5年ぐらいやっているのですが、実は評価に関しては忸怩たる思い があるんですが、心懸けているのは、やっぱりそこで議論されることが、より独法の変 革にプラスになる、我々の部会はみんなそういう議論をしているんですね。ですから評 価も大事だし、今後そういうことも大事なので、見ていますとそれが結構政策に出て、 新聞なんかに報道されてくる。やっぱりより前向きのことをやろう。だから世間はAだ Cだという評価をしちゃうけど、その議論されているのが重要じゃないか、それが僕は 意外と影響があるので、その部分も考えてくださいというわけです。 ○渡辺委員  ですから独立行政法人をより持続的に発展させるためには、やっぱり評価委員会を味 方にしないといけないんですよね。だから要するにすごくやっぱり独立行政法人になっ たことによって変革が起きているというところには高い評価を受けて、資源をそっちへ 集中してやらないとよくない。しかし悪いところがいつまでもやっていたらそれはでき ませんので、ですから世間は何となく評価というといじめようというふうに理解されま すけど、そうじゃなくて、厳しいところがないといいところは生きないという、そうい う問題意識で解釈されればいいんじゃないかと思いますね。 ○座長  ありがとうございました。もうそろそろ時間かなと思っておりますので、今日の御意 見を踏まえながら、最終的な第2次の計画の作成に事務局として頑張っていただきたい というふうに思います。一応これでお開きということにさせていただきます。それでは 事務局の方にお返しいたします。 ○事務局(室長補佐)  ありがとうございました。今後の予定でございますが、本日お諮りしました第2期厚 生労働省における政策評価における基本計画の(案)につきましては、頂戴致しました 御意見を踏まえつつ策定作業を進め、パブリックコメントに付した上で、本年度内に策 定作業を終える予定でございます。また、委員の皆様方の任期につきましては、本年3 月31日をもって満了となっておりますので、改めて委員の皆様に個別に御相談をさせて いただきたいと考えております。以上です。  ○座長  どうもありがとうございました。これで終わります。 (終了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)