07/02/14 平成19年2月14日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日 時:平成19年2月14日(水)10:00 〜11:45 ○場 所:ホテルフロラシオン青山 ○出席者: 委 員  青木委員、大野委員(部会長)、尾崎委員、加藤委員、斉藤委員、      佐々木委員、志賀委員、豊田委員、米谷委員、山内委員、吉池委員      鰐渕委員 事務局  中林大臣官房参事官、松田基準審査課長、加藤課長補佐、  河村課長補佐、近藤専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課 小畠課長補佐      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 石原課長補佐  1.開  会 2.議  題  (1)食品中の残留農薬に係る残留基準設定について    ・カズサホス(農薬)    ・鶏マレック病(マレック病ウイルス1型・七面鳥ヘルペスウイルス)凍結生ワ     クチン(動物用医薬品)    ・鶏マレック病(マレック病ウイルス2型・七面鳥ヘルペスウイルス)凍結生ワ     クチン(動物用医薬品)    ・豚伝染性胃腸炎・豚流行性下痢混合生ワクチン(動物用医薬品)    ・豚オーエスキー病不活化ワクチン(動物用医薬品)  (2)その他 3.閉  会 ○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品 衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろし くお願い申し上げます。  部会の開会に当たりまして、まず、中林参事官よりごあいさつを申し上げます。よろ しくお願いいたします。 ○大臣官房参事官 食品安全を担当しております参事官の中林でございます。  まず、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会の開催に当たり まして、一言ごあいさつ申し上げます。  皆様方におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進につきまして大変御尽力を いただいているわけでございまして、この場を借りて、まず厚く御礼申し上げます。  さて、去る1月24日に開催されました薬事・食品衛生審議会の総会の場におきまして、 審議会委員の改選等がございました。当部会では、委員の互選によりまして、大野委員 に部会長をお願いすることといたしたわけでございます。大野部会長におかれましては、 本部会の運営につきまして、よろしくお願い申し上げます。  また、後ほど事務局から御紹介させていただきますが、今回の改選によりまして新た に5人の先生方が部会委員として就任されたわけでございます。新たに就任いただきま した各部会委員におかれましても、ひとつよろしくお願い申し上げます。  さて、本部会は御案内のとおり、食品中に残留いたします農薬あるいは動物用医薬品 等の基準設定につきまして御審議いただく部会でございます。食品中に残留する農薬等 の規制につきましては、昨年5月末でございますけれども、ポジティブリスト制度が導 入されましたが、その際に、新たに基準を設定いたしました約760農薬等につきまして、 計画的に食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼いたしまして、その結果を踏まえて 基準の見直しについて本部会で御審議いただくこととしておるわけでございます。大変 膨大な作業になるわけでございますけれども、部会長初め委員の皆様方におかれまして は、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。  さて、本日は議事次第にもございますけれども、食品中の残留農薬等の基準設定につ きまして、農薬といたしましては殺虫剤が1剤、動物用医薬品としてワクチン剤が4剤 の計5剤につきまして、食品中の残留基準について御審議いただくわけでございます。 これらの農薬等につきましては、今般、食品安全委員会の方におきましてADIの評価等 がなされたわけでございまして、これを受けまして御審議いただくものでございます。  委員の方々におかれましては、忌憚のない御意見等をちょうだいできればと考えてお りますので、よろしくお願い申し上げます。  以上、大変簡単ではございますけれども、開会に当たりましてのごあいさつとさせて いただきます。よろしくお願い申し上げます。 ○事務局 ありがとうございました。  なお、本日、中林参事官は所用がございまして、ここで中座をさせていただきたいと 思います。 ○事務局 本日は、井上委員、山添委員より欠席の御連絡をいただいております。農薬・ 動物用医薬品部会の委員14名中12名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半 数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  なお、先ほど参事官のごあいさつにもございましたが、本部会においては大野部会長 と5名の委員が新たに就任されましたので、部会の開催に当たりまして、まず御紹介を させていただきたいと思います。  農薬・動物用医薬品部会の部会長になられました、国立医薬品食品衛生研究所副所長 の大野委員です。  次に、新たに就任された委員を御紹介いたします。  東京大学大学院農学生命科学研究科教授の尾崎委員です。  星薬科大学薬品分析化学教室助教授の斎藤委員です。  国立医薬品食品衛生研究所食品部第一室長の佐々木委員です。  日本生活協同組合連合会組織推進本部長の山内委員です。  大阪市立大学大学院医学研究科都市環境病理学教授の鰐渕委員です。  ありがとうございました。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議につき まして、よろしくお願い申し上げます。 ○大野部会長 それでは、開会に先立って、皆さんに一言ごあいさつさせていただきた いと思います。  先ほど中林参事官からありましたように、私は24日の薬事・食品衛生審議会で部会長 に指名されまして、承認されました。どうぞよろしくお願いいたします。  この部会は、先ほどお話がありましたように、食品安全委員会で定められました一日 許容摂取量(ADI)に基づいて、食物中に含まれる農薬等の残留基準を決めるということ が一番大きな使命であります。それに付随するものの問題について審議していただくと いうことでございます。場合によっては、国際的な問題も起こしかねないような大きな 問題を抱えますし、何よりも、それを通して国民の食を通しての安全を守るという大き な義務を持っていますので、非常に重要なことですので、私は安全性評価という面で経 験を積んできましたけれども、マネジメントの面だと経験が浅いとちょっと心配をして いるところもあるんですが、この会には豊田委員初め皆さん長く委員を務められて、ま た、研究面なりの実績を踏まえている方も多くいらっしゃいますし、また、新たな委員 の方々に入っていただいて、新たな面からの視点も踏まえて運営が間違いなくできるの ではないかということで安心しているところでございます。  この会はすごく重要な会議ですので、発言すべきことを発言し忘れたとか、機会を失 ったということになると、後々いろいろ大きな問題も残すような、そういう間違いを起 こす可能性もありますので、是非皆さんの忌憚のない意見をいただいて、その上で結論 を出していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、議事に入らせていただきたいと思います。  初めに、事務局から配付資料の確認をしていただきたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  まず、お手元の資料ですが、一番冒頭に置いてございますのが議事次第でございます。 2枚目に配付資料の一覧、そして、3枚目には委員名簿が添付されております。  次に、資料1−1が、農薬カズサホスの関係資料でございます。41ページ目以降が、 本部会の報告案が添付されております。総ページ数で51ページの資料でございます。  資料2−1が、動物用医薬品の鶏マレック病凍結生ワクチンに関する資料でございま す。7ページ目以降が資料2−2となっておりまして、総ページ数では8ページの資料 でございます。  資料3−1、こちらも鶏マレック病の凍結生ワクチンの資料でございます。資料3− 2が7ページ目以降となっておりまして、総ページ数では8ページというものでござい ます。  資料4−1が、豚伝染性胃腸炎・豚流行性下痢混合生ワクチンの資料でございます。 資料4−2が9ページ目以降、総ページ数で11ページという資料でございます。  資料5−1が、豚オーエスキー病不活化ワクチンに関する資料でございます。資料5 −2が7ページ目以降、総ページ数で8ページの資料となっております。  次に、報告資料でございます。こちらは「平成19年度食品健康影響評価依頼予定物質 について」というものでございまして、総ページ数で6ページの資料となっております。  最後になりますが、参考資料1、参考資料2がございます。参考資料2は5ページ目 以降、総ページ数で18ページの資料となっております。  不足等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。 ○大野部会長 皆さん、資料は間違いないでしょうか。  それでは、審議に入りたいと思います。本日は、議事次第にありますように、農薬1 品目と動物用医薬品の4品目について審議をいただくことになります。  まず、農薬のカズサホスについて、事務局から資料の説明をお願いいたします。資料 の作成に当たっては、関係委員に既に資料について検討していただいているところでご ざいますが、一応、事務局から説明をいただきます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、カズサホスにつきまして説明させていただきます。  資料1−1、1−2に従いまして御説明申し上げます。今、資料確認がございました が、資料1−1の1ページから40ページまで、これは食品安全委員会の方で評価いただ いた際の評価書でございます。資料41ページから部会の報告書案ということで、資料1 −2でございます。  資料の4ページをごらんいただければと思います。この物質は、平成12年に初回の農 薬登録がございました。平成16年9月に農林水産省より厚生労働省に適用拡大というこ とで、申請に係る連絡、また、基準の設定依頼がございました。そのときはキャベツ、 レタス、ほうれんそう、いちごということでございましたが、それに基づきまして、厚 生労働大臣から食品安全委員会の方に食品健康影響評価を依頼しまして、平成17年に一 度本部会で御審議いただいて、平成18年4月にこの関係につきまして一度基準設定の告 示をしているものでございます。  今回、昨年7月に再度適用拡大の申請ということで連絡をいただきまして、基準設定 の依頼ということで、今回は大豆、えだまめ、しそ、ねぎ、ばれいしょにつきまして適 用の拡大ということでございますが、この部分につきまして、再度食品安全委員会の方 に食品健康影響評価を依頼しました。今般、その結果の通知がございましたので、それ に基づきまして御審議いただくというものでございます。ですので、一度毒性評価の部 分を御審議いただいているものでございます。  資料の6ページでございます。評価書の要約といたしまして、この物資について評価 の結果が出てございます。この物質につきましては、毒性試験、また、それぞれ試験が ございまして最終的にADIといたしまして0.00025mg/kg体重/dayということで設定さ れてございます。この健康影響評価につきましては、前回の評価と変わってございませ ん。ADIも変わってございませんし、その根拠となる資料についても変更はないという ことでございます。  この評価につきましては、食品安全委員会でパブコメをとってございまして、先週2 月9日までの募集期間でございました。昨日確認したところ、パブリックコメントに対 する意見は全くなかったということでございます。評価書が変わってございませんので、 詳しい説明は今回は省略させていただきます。  41ページからの部会の報告書に従いまして、御説明申し上げたいと思います。  この物質は品名カズサホス。用途は殺虫剤でございます。線虫に効くということでご ざいます。有機リン系の殺虫剤でございまして、作用機序はアセチルコリンエステラー ゼ活性を阻害するということで、殺虫効果を示すということでございます。  化学名は、そこに記載のとおりでございます。構造式もこのとおりでございます。  使用方法と範囲ということで、5番目から書いてございますが、これは土壌に混和し て使用するということでございます。これまでの適用の作物、大根、きゅうり、すいか 等々が書いてございまして、次ページの下線を引かせていただいておりますが、えだま め、大豆、しそ、ねぎ、ばれいしょの部分が今回適用拡大ということで新たに申請があ ったところでございまして、この部分について御審議いただくということでございます。  いずれにしましても、使用量は20kg/10aでございます。全面処理の土壌混和で使う ということでございます。  6、作物残留試験結果ということで、対象物質はカズサホス本体ということです。分 析法はここに書いてあるとおりでございます。ガスクロで定量するということでござい ます。  作物残留試験の結果が、これまで適用があるものも含めて記載させていただいており ます。44ページ(15)以降が今回申請のあった作物に関する分でございます。  これらをまとめましたのが47ページ、作残試験成績ということで一覧表に示させてい ただいてございます。今回の部分につきましては、48ページに二重線で引かせていただ いている大豆、えだまめ、しそ、ねぎ、ばれいしょの部分でございます。これらの作残 試験に基づきまして、基準値案を設定したわけでございます。  45ページに戻っていただきまして、ADIの評価でございますが、これは先ほどの食品 安全委員会の評価結果のとおりでございます。ラットの繁殖試験、2世代のものを参考 にして、安全係数100ということでADI0.00025mg/kg体重/dayと評価されてございます。  この物質につきまして、諸外国の状況でございますけれども、国際基準のコーデック ス、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて確認しましたと ころ、コーデックスの基準としましてバナナとばれいしょ、米国でバナナ、また、オー ストラリアでしょうが、かんきつ類、さとうきび等に基準が設定されているということ でございます。  9番、基準値案でございます。(1)残留の規制対象はカズサホス本体ということで、 前回からの評価と変えてございません。  (2)基準値案でございますが、別紙2ということで49ページをごらんいただければと 思います。この部分で今回御審議いただくのは、基準値案のところに下線を引かせてい ただいている部分でございます。大豆、ばれいしょ、ねぎ(リーキを含む)、えだまめ、 一番下はしそでございますが、その他のハーブということで分類してございます。  大豆につきましては作残試験の結果から0.01、また、ばれいしょにつきましては、基 準値の現行といたしましてコーデックスの基準を採用して0.02ppmという数字がござい ましたけれども、今回国内の作物残留試験の成績を参考にいたしまして、0.03 ppmとい う上方修正をさせていただいてございます。次に、ねぎが0.01ppm、えだまめも作残試 験の結果から0.01ppm、また、その他のハーブ、これはしその作物残留試験成績を参考 にいたしまして0.5ppmという値を案として設定させていただきました。  真ん中辺りにかぼちゃというのがございます。これは基準値の現行で、農薬登録上の 経過措置で設定さえていた登録保留基準、0.05ppmを参考に基準として置いてございま したけれども、今回登録はしないということでございます。作残試験もないということ でございますので、今回基準を設定しないという案を出させていただきました。これは 一律基準、0.01ppmで管理されるということでございます。  これが作残試験等々から見ました基準値案でございます。これに基づきまして、次に 暴露評価ということでございます。50ページをごらんいただければと思います。それぞ れの摂取量に基準値案、また、作残試験の結果等を踏まえて、どれだけ摂取しているか という推定摂取量を計算したものでございます。食品群、それから、基準値案で暴露評 価に用いた数字、国民平均、TMDI、またEDI、また高齢者の方のTMDI、EDI、妊婦の方の TMDI、EDI、幼小児の方のTMDI、EDIということでございます。  TMDIというのは御承知のとおり、基準値案に単純に食物摂取量を掛けたものを農薬の 摂取量として推定したものでございます。EDIというのは、作残試験の成績から出てお ります数字の平均値に摂取量を掛け合わせて農薬の推定摂取量を計算したものでござい まして、それにEDIの評価に用いた数字が基準値案の隣に出ているものでございます。 例えば、大豆であれば0.001ppmをEDIの試算に用いたということでございます。  ただ、グルーピングで基準を設定したもので、個々に作残成績がないものにつきまし ては、基準値案そのものを用いるというように試算をしてございます。それは数字の横 に「・」をつけているものでございます。これについては、基準値をそのままEDI試算 にも使用したというものでございます。  これで計算いたしますと、TMDIで国民平均でいきますと、ADI比67.5%、高齢者の方 で73.5%、妊婦の方で53.6%、幼小児ですと125.5%ということで、ADI比80%を超え るということでございました。  そこで、EDIの試算を行ったわけでございますが、国民平均でEDIが17.2%、高齢者 の方で18.9%、妊婦の方で14.3%、幼小児で35.5%ということで、EDI試算で80%を 超えないということが確認されましたので、この基準値案で妥当なものと事務局として は考えてございます。  資料の46ページに戻ります。暴露評価ということで、それを一覧表に示したものでご ざいます。先ほどの繰り返しになりますが、EDI試算でいきますと国民平均17.2%、幼 小児で35.5%、妊婦の方で14.3%、高齢者の方で18.9%ということで、この基準値案 で設定いたしたいと考えてございます。  最後の51ページに答申案ということで示させていただきましたが、これは従来どおり、 今回は変更のあるところのみを答申案ということで一覧表にさせていただいてございま す。大豆0.01ppm、ばれいしょ0.03ppm、ねぎは0.01ppm、かぼちゃにつきましては先ほ どの理由から基準値を削除するということで空欄にするということでございます。えだ まめにつきましては0.01ppm、その他ハーブ、これは代表としてしそを参考にしました けれども、0.5ppmということでまとめさせていただいてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ただいまの説明に御質問・御意見はございますでしょうか。 ○吉池委員 ただ今、御説明をいただいたところですが、ばれいしょで国際基準0.02 ppm に対して作残データから0.03 ppmにしたといったところについて、もう少し詳しく、0.02 ppmではなくて0.03 ppmでなければいけない理由について伺いたいと思います。 ○事務局 ばれいしょにつきましては、4か所の圃場で作残試験の成績が出てございま す。今回48ページの表が一番わかりやすいかと思いますが、一番下に「ばれいしょ(露 地)」とございますが、今回成績としまして各圃場の最大値がA圃場で0.008、B圃場で 0.005、C、Dは0.001以下ということで値が出てございます。今回どれを採用するかと いうことでいろいろ検討したところでございますけれども、ジャガイモの形状、また、 そのばらつき等々を見まして、今回A圃場の0.008で最大値を残留基準の設定の根拠に してございます。これでいきますと、値としましては0.03ppmを置くということになり ますので、今回コーデックスよりも若干多くなりますけれども、こういったデータに基 づいて設定させていただいたということでございます。 ○大野部会長 いかがですか。2倍ぐらいあればいいんじゃないかなという気もしたん ですけれども、何で3倍にしたんだろうということですが。 ○事務局 いつも作残データから出るときの値をどの辺に持ってくるかというときに、 これまでのばらつきなどを考慮した統計学的なもので当てはめて数字を置いてございま す。今回もそれに倣って置いてございまして、特別ばれいしょについて配慮したという ことではございません。 ○大野部会長 今までも大体3倍ぐらいの余裕を持っていたということですか。 ○事務局 圃場でのデータの数と残留値から基準値案をおいてございまして、今回4か 所と0.008 ppmという値から0.03 ppmと設定してございます。 ○大野部会長 ほかにございますでしょうか。 ○佐々木委員 ハーブの値なんですけれども、このカズサホスの使用状況から言って、 ばらつきというよりも異常値じゃないかと思うんですが、それを採用された理由は何で しょうか。 ○事務局 ハーブの部分でございますけれども、これは2か所の圃場でやってございま して、A圃場では0.001 ppmより少ない、またB圃場では0.108 ppmということで、こ れはちょっと差があり過ぎるではないかということで、実際に試験した詳細を確認をし ました。本剤は土壌混和するということでございます。A圃場でございますけれども、 その使用状況を聞きますと、かなり土を掘って、普通10〜20cm掘り返して混和するらし いんですが、40cmぐらい掘り返してやったということで、通常より少なく値が出るよう な設定になってしまったと。B圃場の方は、通常どおりの10〜20cmの掘り返しで混和し たということでございますので、より実態に近いのはB圃場のやり方なのだろうという ことで、今回これを採用しました。  これにつきましては、加藤委員にも事前に御確認いただきまして、使用方法としては 実態に合っているのはB圃場の方だろうということで、今回はこの値を採用させていた だきました。 ○佐々木委員 この0.5 ppmというのは、その他のハーブに設定されますと、しそ以外 のその他のハーブもこれで残留基準が当てはめられるということでしょうか。 ○事務局 ハーブにつきましては非常に種類が多いものですから、今回シソについて代 表値にいたしまして設定させていただくような案にしてございます。 ○佐々木委員 このTMDI、EDI試算に使われた摂取量は、ハーブ全体の値ということで しょうか。 ○事務局 そうでございます。 ○山内委員 私もハーブのところがちょっと気になったんですけれども、1つは、ほか の野菜が0.01〜0.5 ppmまでございますが、その10倍の基準値である0.5 ppmに設定さ れているというところは、使用の状況から言っても違うのだと思いますけれども、普通 に使っている感覚からいってわかるように御説明いただけるとうれしいなと思います。  今、佐々木委員からもございましたように、しそということで適用拡大申請が出てい るんですが、そのことがトータルハーブということで、51ページの表を見ますと「その 他のハーブのうちクレソン、にら、パセリの茎、パセリの葉、セロリの茎、セロリの葉 以外のものをいう」と書いてありますが、ここにしそも入ると考えるんですか。普通に 見て、しそがどこに行ってしまったのだろうと思ってしまいましたので、この世界では そのように表現されて、見られる方が見たらわかるということなのかなと思ったんです けれども、純粋にわかりにくかったので、そのところも教えていただきたいと思います。 ○大野部会長 定義の問題ですね。通常の使用状況ということですけれども、いかがで しょうか。 ○事務局 使用状況と言いますと、農薬の使用状況ということでしょうか。 ○山内委員 単純にほかのと比べて非常に大きな値になっている、それを基準値に設定 されている理由はどういうところにあるのかを教えていただきたいと思います。 ○事務局 これは作物残留試験の結果に基づいた値を置いているということでございま す。残りやすさというのは作物によってそれぞれでございますので。 ○山内委員 では、しそとかこういうたぐいのものは、ほかのものと比べると残りやす いという状況なんですね。 ○事務局 残りやすいというのは。 ○山内委員 傾向として。残留が多い傾向があると。 ○事務局 この剤ではそういうことが言えるのかもしれません。 ○大野部会長 より実態に近い状態での結果だということになるわけですね。 ○事務局 そうです。後段のハーブの分類のところでございますけれども、ハーブ自体 はポジティブリスト制度の導入の際に新たにつくったカテゴリーでございます。その他 のハーブは、51ページの答申案に書いてございます、「その他ハーブとは、ハーブのう ちクレソン、にら、パセリの茎、パセリの葉、セロリの茎、セロリの葉以外のものをい う」ということで、このクレソン、にら、パセリ、セロリにつきましても、ハーブに分 類するようにしているんですが、これらについては独立した分類で基準値を設定してご ざいますので、その他のハーブというのは、これらのものを除くという整理をしてござ います。独立した分類というのはそれぞれ摂取量が多いものということで、それぞれ独 立して、例えば、ばれいしょとかねぎとかそういう並びで基準値を置くというような設 定にしてございます。 ○吉池委員 確認すべきこととしては、分類整理上のその他のハーブというグループの 話ではなくて、「適用されるのはしそだけなのか」ということだと思うのですが。 ○事務局 それにつきましては、先ほどの佐々木委員への回答にさせていただきました けれども、クレソンやにら以外のハーブについて0.5 ppmが適用されるということでご ざいます。 ○吉池委員 そうしますと、しその作残データだけで、そのグループが全部担保される という仮定のもとでの話になるということですね。 ○事務局 一応、摂取量につきましては、しそ以外のハーブについても掛け合わせてご ざいますので、その中で範囲に収まっていると考えられますので、適用としてはしそ以 外のハーブについても適用するということです。 ○吉池委員 摂取量はカウントしているわけですが、作残データでしそだけ見てもばら つきがあるのに、ほかのハーブについて作物残留試験を行ったら、もっとばらつくかも しれない。それらについて、しそのデータで代表し得るという仮定に基づくということ になるわけですか。 ○事務局 今回、事務局案としてはそういう形で出させていただきます。また、別途違 うハーブが出たときに作残値が変わるようであれば、また独立させてやるとか、そうい う審議は必要だと思うんですけれども。  国内の農薬取締法上は作物限定になりますので、今、基準値はその他ハーブという設 定にしてございますけれども、農薬取締法上はしそにしか使えないということになりま す。実際に国内ではそういうことになります。 ○大野部会長 少しは安心したかなというところではないかと思いますけれども。 ○吉池委員 それなら、すっきりとここで「しそ」とできないのでしょうか。現実的に そうであれば、ここで「しそ」ということで摂取量もそこだけ取り出してもできなくは ないと思います。逆に言うと、今の値は、他のものも含めて摂取量を掛け合わせていま すから、過大に評価されていますから、そういう意味でしそだけに限定して摂取量を掛 け合わせて暴露評価すれば、これよりは低いということは十分担保されているので、そ ういうことが可能かどうかということなのですが。 ○事務局 これまでのところでも代表値でくるんでいたところもございましたけれども、 もしこれをしそだけ抜き出すとなると、そこに何らかの理由をつけてということになる かと思うんですが。  ハーブのたぐいになると非常に種類も多うございますし、それぞれについて作残をと らないと個々のハーブについて基準が置けないというのは非常に難しゅうございます。 ある程度代表のものでカウントして基準をつくっていかないと、一律基準の0.01ppmと いう非常に厳しい基準ですべてくくられてしまうということがございますので、できれ ばここは代表値で今回は設定させていただいて、もし、今後支障があるようであれば、 その都度考えていくというような形にしたいと思いますが、いかがなものでしょうか。 ○大野部会長 その前に、1つ気になったことがあるんですけれども、今回しそのデー タで大きな差があったわけですね。1つは0.001 ppm、1つは0.108 ppm。EDIを決める ときに平均値をとっているわけですが、その平均値というのは0.001 ppmと0.108 ppm の平均値をとっているということですね。ところが、実態の使用方法に近いのは0.108 ppmだということになったときに、では、実態に近いところで計算した場合に、幼小児 でのEDIの値はどうなんだろうということなんですけれども。 ○事務局 この部分でございますけれども、これは平成10年に一度暴露評価の精密化と いう議論をいただいたときに、指針を意見具申で当時の食品衛生調査会からいただきま して、そのときの暴露評価の方法といたしましては、基準値のときに最大値を使用した としても、EDI計算のときには平均値でやるというようなルールになっています。今回 もそのルールを基に試算したものでございます。もし、最大値でもう一度試算する必要 があるということでございましたら、その部分は試算させていただきますが、多分そん なには変わらないと思います。 ○大野部会長 この数値だと、幼小児のEDIの一番下で、その他のハーブのところが0.01 μg/人/dayとなっていますね。それが倍になったときに0.02μg/人/day、全体で 1.5μg/人/dayに増えるわけですか。ADI比でもそれほど大きな影響はないということ ですね。 ○佐々木委員 しそにやはり引っ掛かるんですけれども、作残のデータは妥当な値だと いう御説明だったんですが、しその葉っぱと考えると、どうして根菜類の直接土に接し ているものよりも高い値が出るのかというのが、ちょっと納得がいかないところがある んですが、それは事実として受け入れるということでしょうか。ジャガイモや大根はも っと低いですよね。直接土壌に接しているにもかかわらず。その辺は何か、吸収という 意味でいくのでしたら、そういうばらつきが出るのもおかしいかなという気はちょっと するんですけれども。 ○加藤委員 代わりに私の考えていることをお話ししますと、まず、根菜類、土の中に 入っているものの方がなぜ低いか。これは根菜類を分析する前に、根菜類については土 が当然ついていますので、それは軽く水ですすいで洗うという処理を施して、それから 分析しているわけです。勿論、たわしでゴシゴシこするような、完全に土壌粒子の細か いものを全部は除去することはできませんけれども、かなりの部分は除去するというこ とでやっておりますので、今の点が一つあるだろうと思います。  それから、もう一つ、なぜ0.001 ppm未満と0.1 ppmという大きな差が出たのか、0.1 ppmというのは本当に正しいのかどうか、少なくとも分析の方から見た部分では問題は ありません。それから、サンプルについての調整、それから、試料の土壌処理、採場の 条件についても、特に怪しい点はありませんでした。  考えられることの1つは、しそは葉っぱが小さいものと大きいものと地域によってか なりいろいろあるそうなんです。しそは各地域で特産になっているようでして、2か所 のしそ、大分と高知でやられたものなんですが、重量比で濃度の低い方が濃度の高い方 の約2.5倍ぐらいの重量です。2.5gぐらいと0.6〜0.7gというそれぐらいの差があっ て、それも一つきいているのかもしれないというところです。  それから、もう一つ、土壌に混和した場合、土壌中で完全にきれいに混和しているか どうか、表面にまいて、トラクターのようなもので耕起して混ぜて、そこに植えていく わけですけれども、それが完全にきれいに混和していれば問題ないと思うんですが、た またま土壌中でばらつきがあった場合、ばらつきをもろに反映した格好で作物中の濃度 にも影響してくるということもあると思います。  もう一つ、非常にマイナーだと思うんですけれども、抄録を読んでいますと、農薬を 土壌混和してまいたときに、温室の中の大気中にカズサホスが検出されるかどうか、気 中の濃度も測っているものがあるんです。非常に微量なんですけれども、大気中にもガ ス化して出ているというデータがありますので、しそのように葉の表面積が重量に関し て広いものは、レベルはわかりませんけれども、気孔から吸収して入っているけれども、 根から入る経路と同時に入っているので、そういうものと総合して差が出ているのかも しれないという気はしています。ただ、0.108 ppmが本当に正しい値かどうかというの は、わかりません。残留の分布の端っこにあるのか、どの辺りなのか、そこはちょっと わかりませんので、0.108 ppmを使った場合にこういう数字も出てくるんだと。それを 含んで0.108 ppmをベースにして0.5 ppmという基準値案ということになったと思いま す。  以上です。 ○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。 ○豊田委員 今のしその件につきましては、私もこれを見させていただいたときに皆さ んと同じような印象を受けたわけでございますけれども、今、加藤委員から御説明がご ざいましたように、農薬の場合には非常にばらつきが多いということで、自然の現象と いうのは均一に工場でつくるのとは違いまして非常にばらつきがあるので、設定する場 合にはその辺のところをどうしても考慮せざるを得ないという面があるということだと 思います。  今ちょっと問題になっているのが、基準値を設定する場合にどういうふうに設定した らいいかという方法論なんですけれども、それについては事務局の方から先ほど御説明 のありましたように、基準値を設定するための精密化ということを、一応どういう方法 にのっとって基準値を決めたらいいのかということで、先ほど大野部会長からも平均値 という御説明がありましたが、そういったような取り決めを一応決めたということで、 そうしないと先へ進みませんので、ある程度その辺のところは決めてやらざるを得ない ということで、この辺の新しい基準値の設定方法が進んできたと考えております。  ただし、この部会におきまして以前にもあったと思うんですけれども、作残データが 非常にばらついたということもございます。そういったときにどうしましょうかという 話はそのたびに実は出ておりまして、議論をかなりするんですが、やはり規則どおりに 行わないと、いろいろなところで支障が生じるということがございますので、今回も私 もいろいろ御説明を聞きまして、そのぐらいで収めるしか手がないのかなと思っている 次第で、また、こういった基準値の決め方についての問題点等もあると思いますので、 是非、行政側でそういった問題点を直して、精密化の具申からもちょっと時間が経って おりますので、その辺も今後見直しをするという方向で是非やっていただきたいと思い ます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  今までのそういう取り組みのメモみたいなものはあるんですか。事務局でまとめてあ るんでしょうか。こういう場合にはこういうふうにやるとか。そういう方法論ですね。 ○事務局 事務局の方で別に内部資料というのはございませんで、意見具申としていた だいているものが一つのルールということでいただいております。 ○大野部会長 会議の議事録に基づいて、それが積み重なっているということですね。 ○事務局 いえ、食品衛生調査会から暴露評価の精密化に対する意見具申ということで 平成10年にいただいてございます。それに基づいてやってございます。 ○豊田委員 ですから、今お話しになりました精密化の意見具申というものをよく読ん でいただければ、おわかりいただけるのではないかと思います。是非委員の方には読ん でいただきたいと思います。新しい方に配っておられますか。 ○事務局 対応したいと思います。 ○豊田委員 是非、配っていただきたいと思います。 ○大野部会長 そうですね。豊田委員から御意見がありましたように、意見具申の内容 を皆さんにお配りして、確認していただきたいと思います。問題点があれば、また議論 していただくということでよろしくお願いします。  この件について、従来の方法に従って計算して、一応幼小児においても80%という基 準を超えない。もし、高い方をとったとしても、EDIの値にはそれほど大きな差はない ということだと思います。そういうことで皆さんの御了解がいただければ、この基準案 に沿って決定させていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいで すか。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。そのようにさせていただきます。  それでは、次に、動物用医薬品の鶏マレック病の凍結生ワクチンの審議に入りたいと 思います。引き続き、事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、資料2−1に基づきまして御説明申し上げます。  資料2−1が、動物用医薬品鶏マレック病(マレック病ウイルス1型・七面鳥ヘルペ スウイルス)凍結生ワクチンについての評価でございます。  1ページ目にございますのが、食品安全委員会からの食品健康影響評価の結果の通知 というものでございます。こちらに書いてございますとおり、本剤につきましては、適 切に使用される限りにおきまして、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無 視できるものと考えられるということが、1月18日付で厚生労働大臣あてに通知されて いるものでございます。  4ページ目をごらんいただければと思います。審議の経緯という部分がございます。 本剤につきましては、平成18年11月6日に厚生労働大臣及び農林水産大臣から食品健 康影響評価の依頼を行っております。平成19年1月18日に、食品安全委員会での確認 を経まして、同日付で当大臣または農林水産大臣あてに通知がなされているというもの でございます。  これ以降、更に3剤、鶏のワクチンまたは豚のワクチン2剤について御説明申し上げ ますが、各剤につきましては、いずれも11月6日の健康影響評価の依頼、1月18日の 結果の通知という形になっておりますので、以降の剤につきましては、この部分の説明 は割愛させていただきたいと考えております。  次に、評価の内容でございます。5ページ目をごらんいただければと思います。こち らが鶏マレック病(マレック病ウイルス1型・七面鳥ヘルペスウイルス)凍結生ワクチ ン、商品名がクリオマレック(RISPENS+HVT)の再審査に係る食品健康影響評価の結果 でございます。  本剤につきましては、当初の承認が平成8年8月30日に行われておりまして、一定の 期間、これは6年間でございますが、この期間が経過したことによる薬事法に基づく再 審査が行われたものでございます。  主剤につきましては(1)にございますとおり、鶏胚初代細胞培養弱毒マレック病ウイル スCVI988 MC3 608-08株と鶏胚初代細胞培養七面鳥ヘルペスウイルスFC126 19  910826株というものでございます。  (2)効能・効果につきましては、鶏のマレック病の予防でございます。  (3)用法・用量につきましては、一定量を初生ひなの頸部皮下に接種するというもので ございます。  (4)その他、本ワクチンの補剤といたしましては、凍結生ワクチンでございますので、 凍害防止剤といたしましてジメチルスルホキシドという物質が使われているものでござ います。  2に、再審査における安全性に関する知見等がまとめられております。  (1)といたしましては、ヒトに対する安全性についてというものでございます。そも そもマレック病ウイルスというものにつきましては、血清型につきまして腫瘍原生を持 ちます血清型1というものと、腫瘍原生を持たない血清型2というものの2種類がござ います。更に、抗原的に類似した非病原性の七面鳥ヘルペスウイルスが血清型3という ことで分類されております。  本ウイルスにつきましては、鶏の羽包上皮細胞で増殖いたしまして、羽毛やフケに付 着して排出されまして、経気道感染によって感染・伝播するという伝染様式を持ってお ります。このウイルスに感染いたしますと、ウイルス株により病原性が異なり、主に末 梢神経病変を形成いたしまして、死亡率10%のものから神経病変の他内臓に腫瘍を形成 し、死亡率が高いものまでさまざまなものが知られております。  国内での流行は1960年代半ばからとなっておりまして、家畜伝染病予防法に基づく届 出伝染病に指定されております。  なお、本ワクチンに使用されておりますマレック病ウイルス株、これは弱毒株であり まして、鶏に対しても病原性が減弱されております。  先ほど説明しましたが、血清型1、血清型2がMDV1、MDV2と称されておりまして、 血清型3がHVTと分類されております。この3種類のウイルスにつきましては、発生農 場における従事者にヒトに対するリスクはないと考えられております。また、人畜共通 感染症とはみなされておりません。  (2)に、承認後の安全性に関する研究報告等についての知見がまとめられております。 調査期間中のMedlineを含むデータベース検索の結果につきましては、安全性を懸念す る研究報告は得られなかったとされております。  (3)承認後の副作用報告でございます。この副作用報告につきましては、承認から約 10万羽というひなに対して調査が行われておりますが、承認時には把握されていなかっ た新たな副作用は確認されなかったということが報告されております。  3、再審査に係る食品健康影響評価についてでございます。先ほど御説明しました内 容から提出された資料の範囲におきまして、当製剤に関する安全性を懸念させる新たな 知見の報告は認められないと考えられ、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおき まして、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられる と報告されております。  次に、7ページ目以降が、本部会の報告書案でございます。  1に概要が書いてございますが、こちらは既に御説明申し上げておりますので、割愛 させていただきます。  2といたしまして残留試験の結果でございます。こちらにつきまして、主剤等の残留 試験は実施されておりません。  3につきましては、許容一日摂取量(ADI)の評価結果でございます。こちらは先ほど 御説明いたしました食品健康影響評価の評価と同一でございますので、説明は割愛させ ていただきます。  4といたしまして、残留基準の設定でございます。こちらにおきまして、食品安全委 員会における評価結果を踏まえまして、残留基準を設定しないこととするというものを 部会の報告案として考えているところでございます。  説明については、以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ただいまの御説明に対する御質問・御意見はございましょうか。 ○米谷委員 この部会の役割なんですが、食品安全委員会が安全性の評価をしてADIを 設定された場合に、それに基づいて作残試験の結果等から基準を作成するというのが、 農薬ではそういう役割なんですけれども、今後もこういうものがいろいろ出てくるかと 思いますが、こういうワクチン関係で食品安全委員会の方で、例えばADIは設定する必 要はないというような評価が出た場合、当然ながら基準も設定する必要はないといった 場合で、かつ、添加剤は安全性が前から認められている、不活化剤は前から使われてO Kですというときに、この部会も新しい委員の方がかなり入られましたので、その辺を きちんとしておかないと、何をディスカッションしたらいいのかというのがよくわから ない部分があるのではないかと思います。  以前は、添加剤は大丈夫ですかとか、あるいは不活化剤は大丈夫ですかという議論で いったんですけれども、今回の資料のように、前に使われているからOKですというよ うなことになってきますと、何をディスカッションするかということもわからなくなっ てきますので、もし時間があればですけれども、一度皆さんの御意見を聞かれたらいか がですか。 ○大野部会長 そうですね。その他のところは、何か予定があるんですか。 ○事務局 その他の部分につきましては、平成19年度の食品健康影響評価依頼の中身に つきまして、簡単に御説明を申し上げようと思っております。 ○大野部会長 どのくらい時間をとっておけばよろしいですか。 ○事務局 10分程度あれば大丈夫だと思います。 ○大野部会長 では、まだ十分に時間はありますので。今の米谷委員のお話で、ここで 何を審議するかということですけれども。今までは、そのものについて確認していただ いて、添加物がある場合には添加物について確認していただくと。それは、ADIを決め る必要があるかどうかということも含めて確認ということになると思いますけれども。 ○米谷委員 食品安全委員会の安全性の評価に対しましても、こちらからコメントは出 せるようなので、安全性のディスカッションも勿論していいと思いますし、安全性の専 門の委員の方々もいらっしゃいますので、それはいいと思いますけれども。 ○大野部会長 この場の委員の方々で、食品安全委員会の評価結果について何か意見が あればそれもお話しいただくと、そういう意見も出しましたね。そういうことも含める ということですかね。今までそういうふうにやってきたと。これからそれでよろしいの かどうかということだと思います。いかがでしょうか。  今までのやり方で、まず食品安全委員会の意見に対する確認と、安全性についても確 認ということで、今までの形をそのまま継続して、御意見がなければそうしたいと思い ますけれども、よろしいでしょうか。今までの経験を踏まえて御意見をいただければと 思いますが、豊田委員、何かございますか。 ○豊田委員 こういう動物用の医薬品につきましては、今、事務局から御説明がござい ました。例えば7ページの2、残留試験結果、残留試験は実施されていない。これだけ で簡単に済まされてしまっていて、でも、実際にこの投与をした場合にどうなっている のかという話が全然ないわけですよね。こういった動物用医薬品を許可される方のシス テムを御存じの方は多分理解されていると思うんですが、これを初めて見た方は恐らく 何だかわからないで、いつの間にか承認されていないで終わりということになっている ので、例えばそういったところは、こういったワクチン系統の場合にはこれこれしかじ かの、ほかの剤で当然結構だと思うんですけれども、ワクチンとしてはこういった感じ で安全性は確保されている、動物実験でも確保されているんだというようなお話が一言 あれば、ディスカッションのネタにはなるのではないかと思いますけれども。 ○大野部会長 場合によって、残留試験をやっている場合もありますよね。牛とか豚と かそういう動物に注射するときに周辺にどれくらい残っているとか、そういうことを食 品安全委員会が確認しているということもありますね。この場合には、特にそういうデ ータはなかったということだと思いますけれども。 ○事務局 今、米谷委員からもいろいろ御意見を伺っておりますが、私ども行政側の立 場といたしましては、基準値をつくるつくらないという御議論を審議会の場でいただか ないと、私どもの作業が前に進んでいかないという点もございまして、そこは御理解を いただければと考えているところでございます。 ○大野部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。今までのやり方に従って、食品安 全委員会の報告書を確認させていただいて、それから、事務局の案を確認させていただ いて、食品安全委員会の方で問題点があれば指摘して、向こうの御意見を伺うと。それ を踏まえて最終的な結論をここで出すと。結果として、残留基準を設定しないというこ とになる可能性が高いわけですけれども、そういう結論をこの委員会として出さないと、 事務局としても非常に困るということですので、そういった形でやりたいと思いますが、 よろしいでしょうか。 ○大野部会長 それでは、そういうことでいきたいと思います。  では、この品目についての御質問・御意見をお願いいたします。御意見ございません か。  それでは、事務局案で残留基準を設定しないという結論にしたいと思います。どうも ありがとうございました。  次の品目、資料3−1、鶏マレック病凍結生ワクチン(2価MD生ワクチン(HVT+SB −1)について、説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、資料3−1に基づいて、鶏マレック病(マレック病ウイルス2 型・七面鳥ヘルペスウイルス)凍結生ワクチンにつきまして、御説明申し上げます。  1ページ目にございますのが、先ほども御説明いたしましたが、食品健康影響評価の 通知でございます。こちらにつきましても、結論としては適切に使用される限りにおき まして、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられて いるところでございます。  続きまして、食品健康影響評価の中身について御説明いたします。5ページ目をごら んください。1に書いてございますとおり、本ワクチンの主剤につきましては、鶏胚初 代細胞培養七面鳥ヘルペスウイルスFC−126株、鶏胚初代細胞培養非腫瘍原生マレック 病ウイルスSB−1株となっております。  (2)効能・効果は、マレック病の予防ございます。  (3)用法・用量につきましては、所定の溶解用液で溶解いたしまして、18〜19日齢卵に 接種するというものでございます。  (4)その他補剤といたしましては、安定剤としてL−グルタミン、ベンジルペニシリン カリウム、硫酸ストレプトマイシン、凍害防止剤としてジメチルスルホキシドが使用さ れているものでございます。  2、再審査における安全性に関する知見等についてでございます。  (1)ヒトに対する安全性についてございます。前段の部分は先ほどのマレック病ウイ ルス1型と同一でございますので、説明は割愛させていただきます。本剤につきまして は、人畜共通感染症とはみなされておりません。  補剤として使われている部分でございます。安定剤として使用されているL−グルタ ミンにつきましては、食品添加物の既存添加物に分類されているものでございます。  次に、ベンジルペニシリンカリウム及び硫酸ストレプトマイシンにつきましては、過 去にワクチンの添加剤としての観点から評価がなされておりまして、適切に使用される 限りにおいて、ヒトに健康影響を与える可能性は無視できると評価されているものでご ざいます。  最後に、ジメチルスルホキシドにつきましては、EUにおきまして残留基準の設定は 不要とする物質に分類されているものでございます。  (2)安全性に関する研究報告の内容でございます。Medlineを含むデータベース検索 の結果として、安全性を懸念させる研究報告は得られなかったとされております。  (3)が承認後の副作用の報告でございます。鶏に対する安全性につきまして、調査期 間中に約2,400万個の受精卵、そして、23万羽のふ化後飼育例について調査が実施され ておりますが、承認時には把握されていなかった新たな副作用は認められなかったとさ れております。  3、再審査に係る食品健康影響評価についてでございます。上記で御説明しました内 容に基づきまして、当製剤に関する安全性を懸念させる新たな知見の報告は認められな いと考えられ、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいて、食品を通じてヒトの 健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられると報告されております。  次に、7ページ以降が、本部会の報告案でございます。資料3−2でございます。  1につきましては、概要等が書かれております。  2につきましては、先ほど御説明いたしました安全性に関する懸念等の報告はないと いう部分も含めまして、対象動物における主剤等の残留試験は実施されておりません。  3につきましては、許容一日摂取量(ADI)の評価でございますが、これは先ほど御説 明しました内容と同一でございます。説明については割愛させていただきます。  4、残留基準の設定でございます。食品安全委員会における評価結果を踏まえまして、 残留基準を設定しないこととするというものを部会の報告案として考えているところで ございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  この件に関して、御意見・御質問ございましょうか。 ○山内委員 素人なものですから、御論議があった場合はお許しください。8ページの 評価のところに「ベンジルペニシリンカリウム及び硫酸ストレプトマイシンは過去にワ クチンの添加剤としての観点から評価され」と書いてございますが、これは一般的にワ クチン添加剤としての評価があって、そのときに問題はないというような結論が出たの で、今回のものも添加剤として使われている限りにおいては、過去の評価が適用できる ゆえに、今回は残留の評価などもする必要はないという御判断になったと理解してよろ しいでしょうか。 ○事務局 おっしゃるとおりでございます。 ○大野部会長 よろしいですか。ほかにございますか。  それでは、この件に関しては事務局案と同じで、評価結果を踏まえて残留基準を設定 しないということにさせていただきます。ありがとうございます。  次の資料4−1、豚伝染性胃腸炎・豚流行性下痢混合生ワクチンについて、御説明を お願いいたします。 ○事務局 続きまして、資料4−1でございます。こちらが豚伝染性胃腸炎・豚流行性 下痢混合生ワクチン(日生研TGE・PED混合生ワクチン、スイムジェンTGE/PED)の健 康影響評価の結果でございます。  結論といたしましては、記の下にございますとおり、食品を通じてヒトの健康に影響 を与える可能性は無視できるものと考えられるとされているものでございます。  食品健康影響評価の内容について御説明いたします。5ページ目以降をごらんくださ い。  1の(1)主剤につきましては、まず日生研TGE・PED混合生ワクチンというものとスイム ジェンTGE/PEDというものがございます。前者につきましては、MPK−IIIa細胞培養弱 毒豚伝染性胃腸炎ウイルスh−5株、Vero細胞培養弱毒豚流行性下痢ウイルスP−5V株 となっております。  スイムジェンにつきましては、主剤は豚腎細胞培養弱毒豚伝染性胃腸炎ウイルス浮羽 株、Vero細胞培養弱毒豚流行性下痢ウイルス96−P4C6株となっております。  (2)効能・効果でございます。日生研のワクチンにつきましては、豚伝染性胃腸炎の軽 減、豚流行性下痢の発症の阻止もしくは軽減となっております。  スイムジェンにつきましては、子豚の豚伝染性胃腸炎の予防及び豚流行性下痢の発症 軽減となっております。  (3)用法・用量でございます。日生研ワクチンにつきましては、筋肉内への接種という 形になっております。また、スイムジェンについても同様に、筋肉内に接種という形を とっております。  その他補剤といたしましては、スイムジェンTGE/PEDにつきましては、安定剤といた しましてD−ソルビトール、塩酸L−アルギニンが使用されております。  2、再審査における安全性に関する知見がまとめられております。  (1)ヒトに対する安全性についてでございます。まず、豚伝染性胃腸炎ウイルスはニ ドウイルス目、コロナウイルス科、コロナウイルス属I群に分類されるエンベロープを 有する直鎖状のプラス一本鎖RNAウイルスというものでございます。宿主は豚となって おりまして、ウイルスを含む糞便に直接あるいは間接的に接触して経口または経鼻感染 いたしまして、嘔吐や水溶性下痢及び脱水症状を主徴とする臨床症状を示します。  年間を通じて発生が見られるものでございますが、寒冷期や寒暖の差が激しい春先に 発生が多いとされているものでございます。発病率は年齢を問わず100%となっており ますが、幼齢豚ほど致死率が高く、7日齢以下では100%が死亡するという家畜生産上 の影響が非常に大きい病気となっているものでございます。  国内では1956年に初発が確認されておりまして、家畜伝染病予防法に基づく届出伝染 病に指定されております。なお、1990年以降本病の発生は激減しているというものでご ざいます。  本ワクチンに使用されているウイルス株は弱毒株でありまして、豚に対しても病原性 を示さないものとなっております。  TGEVのヒトに対する感染の報告事例はないとされておりまして、人畜共通感染症とは みなされておりません。  次に、豚流行性下痢ウイルスでございます。こちらはニドウイルス目、コロナウイル ス科、コロナウイルス属I群に分類される、こちらも一本鎖RNAウイルスとなっており ます。宿主は豚及びイノシシでございます。こちらも主にウイルスを含む糞便に直接あ るいは間接的に接触して、経口的に感染・伝播するという伝染様式を持っております。 10日齢以下の哺乳豚が最も感受性がありまして、致死率が高いというものでございます。 加齢とともに抵抗性となり致死率は低下しますが、体重や泌乳に悪影響があるというも のでございます。  主な病変は、小腸の粘膜上皮細胞でウイルスが増殖しますので、小腸腸壁の菲薄化や 主症状は食欲不振、元気消失、水溶性下痢というものでございます。1994年から国内で 大流行いたしまして、1996年に家畜伝染病予防法に基づく届出伝染病に指定されている ものでございます。その後、届出件数については減少しておりますが、最も被害の大き い哺乳豚に対しては、ワクチンによる予防が行われているものでございます。  本ワクチンに使用されているウイルス株は弱毒株でございまして、豚に対しても病原 性を示さないというものでございます。  このPEDVのヒトに対する感染の報告事例はないとされておりまして、こちらも人畜共 通感染症とはみなされておりません。  安定剤として使用されているD−ソルビトールにつきましては、ヒト用医薬品の添加 剤または食品添加物としても使用されております。更に、JECFAにおきましてソルビト ールはADIを特定しないとされております。  また、L−アルギニンにつきましては、既存添加物として使用が可能となっているも のでございます。  (2)安全性に関する研究報告でございます。両製剤ともMedlineを含むデータベース 検索の結果、安全性を懸念させる研究報告は得られなかったとされております。  (3)承認後の副作用報告でございます。豚に対する安全性につきましては、まず日生 研のワクチンにつきましては、約2,600頭の母豚について調査が実施されております。 新たな副作用が認められなかったとされております。  また、スイムジェンにつきましては、承認時に84頭の母豚について調査が実施され、 副作用は認められなかったとされております。承認後の副作用報告は、生産及び供給が 現在この剤についてなされていないため報告がございません。  3、再審査に係る食品健康影響評価の結果でございます。上記で説明しました内容を 踏まえまして、当製剤に関する安全性を懸念させる新たな知見の報告は認められないと 考えられまして、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいて、食品を通じてヒト の健康に影響を与える可能性は無視できるものと報告されているものでございます。  次に、本部会の報告案でございます。9ページ以降に資料4−2としてまとめており ます。  1につきましては概要でございます。既に御説明申し上げておりますので、説明は割 愛させていただきます。  2、残留試験の結果でございますが、先ほど申し上げましたとおりの安全性の確認等 が行われているものでございます。対象動物における主剤等の残留試験は実施されてお りません。  3、許容一日摂取量の評価でございます。こちらも先ほど御説明しましたので、説明 は割愛させていただきます。  4、残留基準の設定でございます。食品安全委員会における評価結果を踏まえまして、 残留基準を設定しないこととするというものを本部会の報告案として考えているところ でございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ただいまの御説明について、御質問・御意見をお願いいたします。 ○加藤委員 つまらないことで申し訳ないんですけれども、資料4−2の部会の案の用 途の表現と、食安委の5ページ目の効果・効能の記載の内容が微妙に違っているんです ね。豚流行性下痢の発症の阻止が日生研のワクチンとスイムジェン、軽減の方は日生研、 それが部会の案になっていまして、反対に食安委の評価書の方では、流行性下痢の発症 の阻止もしくは軽減というのは日生研のワクチンで、スイムジェンの方は阻止がなくて 軽減だけ、この違いがよくわからないんですけれども、確認された方がいいのではない かという気がします。 ○大野部会長 スイムジェンの方は予防が入っているということですか。食品安全委員 会の説明では、日生研の方の生ワクチンに関しては阻止もしくは軽減で。ちょっと違い ますか。 ○加藤委員 流行性下痢の発症の阻止となっているのが、食安委の評価書の方でいきま すと日生研のワクチンだけ。部会の案の方はスイムジェンと日生研の両方と。その違い が本当にどうなのかというのがわからないんですが。 ○大野部会長 そうですね。 ○事務局 御指摘のとおりでございまして、書き方が間違っておりますので、そこは訂 正をさせていただきます。ありがとうございました。 ○大野部会長 食品安全委員会の方が正しいということで、部会の案を修正するという ことですか。 ○事務局 そのとおりでございます。 ○大野部会長 では、そのように修正させていただきます。ありがとうございました。 ○佐々木委員 スイムジェンという剤の方はまだ6年経過していないのに、しかも、今 回の期間中に生産とか供給されていないと言いながら、副作用情報がないからといって まとめて今回ここで再審査されたのはなぜなのでしょうか。 ○農林水産省 農林水産省でございます。  動物用の医薬品の承認につきましては、基本的に先発品がある場合には、それと同等 とみなせる製剤については、それと併せて再審査期間を設定するという形をとっており ます。先発品が今回の場合は日生研の製剤が6年経過いたしましたので、それに併せて 後発品でありますスイムジェンの方も同時に再審査を行うという取扱いをさせていただ いております。 ○大野部会長 よろしいですか。ありがとうございます。  ほかにございますか。 ○佐々木委員 今までの3つのワクチン等を見ますと、結局ワクチン自体のヒトへの安 全性というのは、人畜共通感染症じゃない限りは特に何も言及せずに、要するに添加剤 が問題なければ、ここでは承認するという形でしか審議はできないということなのでし ょうか。報告の中では、ヒトへの安全性というのは結局、人畜共通感染症ではないとい うことだけで済んでいるように思うんですけれども、そういう形でやられるということ なんでしょうか。 ○大野部会長 それに関しては、この部会にも青木委員、尾崎委員もおられますし、ヒ トの病気と動物の病気の専門家がいますので、その委員の方々に見ていただいて、もし 間違いがあれば御意見をいただいて、安全委員会の方に意見を申し上げなければいけな いのではないかと思いますけれども、その委員の方々が見て特に問題なければよろしい のではないかと思いますが。そういう目で見られて、もし御意見があったら、是非指摘 をしていただきたいと思いますので、お願いします。  ほかに御意見ございますか。  では、若干部会の報告案に修正が必要となりましたけれども、そこは修正した上で、 最終的な評価結果として残留基準を設定しないという結論に対してはよろしいでしょう か。 ○大野部会長 では、そういうことで若干修正した上で結論を承認するということにさ せていただきます。ありがとうございます。  それでは、次に、資料5−1でございますけれども、豚オーエスキー病不活化ワクチ ンについて、御説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、資料5−1でございます。こちらが豚オーエスキー病不活化ワ クチン(“京都微研”豚オーエスキー病不活化ワクチン)についての食品健康影響評価の 結果でございます。  記の下にございますとおり、こちらのワクチンにつきましても、食品を通じてヒトの 健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられる旨報告されているものでござ います。  食品健康影響評価の中身につきましては、5ページ以降に記載されております。  1の(1)に主剤が記載されてございます。主剤はオーエスキー病ウイルス岩手株感染PK −15細胞可溶化抗原というものでございます。  (2)効能・効果につきましては、オーエスキー病ウイルス感染による妊娠豚の死流産の 予防及び乳汁免疫による産子の豚オーエスキー病の発症予防というものでございます。  (3)用法・用量につきましては、種付前約30日、種付前約2週、分娩前約30日にそれ ぞれ接種いたしまして、以後は各分娩前約30日に1回接種ということになっております。 各接種は1mlを耳根部後方の頚部筋肉内に行うものでございます。なお、休薬期間とし て5か月が設定されているものでございます。  (4)アジュバントですが、無水マンニトール・オレイン酸エステル、流動パラフィンが 使用されております。  (5)その他といたしまして、不活化剤としてホルマリンが使用されております。  2、再審査における安全性に関する知見等についてでございます。  (1)としてヒトに対する安全性でございますが、本ワクチンに含有されております主 剤、こちらはホルマリンで不活化されております。感染力及び毒性を有していないとい うものでございます。アジュバントとして使用されているAMOE、これは無水マンニトー ル・オレイン酸エステルでございます。更に、流動パラフィン、不活化剤で使用されて いるホルマリン、こちらにつきましては、過去に添加剤としての観点から検討されてお りまして、ワクチン等が適切に使用される限りにおいて、食品を通じてヒトの健康に影 響を与える可能性は無視できるものと考えられているところでございます。  (2)安全性に関する研究報告でございます。こちらにつきましては、調査期間中に Medlineを含むデータベース検索の結果では、安全性を懸念させる研究報告は得られな かったとされているものでございます。  (3)承認後の副作用の報告でございます。豚に対する安全性につきましては、調査期 間中に275頭について調査を実施されております。不受胎が7例、流産が5例、本剤の 副作用として使用上の注意に記載されている注射部位の腫脹・硬結が10例に認められま したが、不受胎及び流産の発現率は通常の発現率の範疇でございました。また、注射部 位の腫脹・硬結は、承認前と承認後の発現率に大差は見られなかったとされております。 このことから、承認時に把握されていなかった新たな副作用は認められなかったとされ ているものでございます。  3、再審査に係る食品健康影響評価の結果が記載されております。結論といたしまし ては、当製剤に関する安全性を懸念させる新たな知見の報告は認められないと考えられ、 当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいて、食品を通じてヒトの健康に影響を与 える可能性は無視できるものと考えられる旨報告されております。  次に、部会報告案でございます。7ページ目から資料5−2でございます。  1につきましては概要でございます。品目名、用途、有効成分等が記載されておりま す。  2に残留試験の結果がございますが、こちらについては先ほど御説明したとおり、ワ クチンとしての安全性が確認できているということも含めまして、対象動物における主 剤等の残留試験は実施されておりません。  3、許容一日摂取量(ADI)の評価につきましても、先ほど御説明申し上げたとおりで ございます。  4、残留基準の設定でございます。食品安全委員会における評価結果を踏まえまして、 残留基準を設定しないこととするというものを本部会の報告案としているところでござ います。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ただいまの御説明に対して御質問・御意見ございましょうか。 ○山内委員 済みません、似たような質問になってしまいますが、添加剤のことを確認 だけさせていただきたいと思います。  私の知識では、ホルマリンにも発がん性があると記憶しておりますが、それでもこの 添加剤使用においては問題はないと食品安全委員会の方でも資料から判断されているの で、今回は残留基準設定のところでもお考えになるということでございますよね。確認 させてください。 ○事務局 委員のおっしゃるとおりでございます。 ○山内委員 ありがとうございます。 ○大野部会長 ほかに御意見ございますか。 ○加藤委員 似たようなアジュバントとかホルマリンの件なんですが、評価書の方で5 ページのヒトに対する安全性で、ワクチン等は適切に使用されている限り云々、無視で きると評価されているということで、参考文献に出されているのが(2)(3)(4)で、そ れを見ますと、鶏と牛とブリ、ここで使うのは豚なんですけれども、休薬期間が5か月 もあるので、まず問題はないと思うんですが、豚でのデータというのはなかったんです か。今まで見てきた中で、豚のホルマリンだとかこういう似たような例も幾つかあった ので、漏れているんじゃないかと思うんですが。 ○事務局 今、確認いたしました。御指摘のとおり(2)(3)(4)という参考文献が引用 されておりまして、ここで従来、不活化、ここに掲げられているものについてホルマリ ンを使った不活化というものが行われており、その部分を引用してきているというもの でございます。そこで(2)(3)(4)を引用したものだと思います。 ○加藤委員 豚の方は測ったんですかね。 ○大野部会長 確かに、そうなんですよね。適切に使用している限り、この場合は豚に 使用しても大丈夫だと言ってもらわないと、ちょっとまずいことはありますね。 ○農林水産省 農林水産省でございます。  当然、豚の不活化ワクチンもホルマリンを使っているものはございます。ここで挙げ られているものは、動物用のワクチンとしてのホルマリンの量として評価されたケース の一番最初のものが載せられている形になっていると思います。 ○大野部会長 もっともホルマリンだけではなくて、無水マンニトール・オレイン酸エ ステルと流動パラフィン、それとホルマリンの3つに関して適切に使用している限り問 題ないと。 ○農林水産省 ほかのワクチンで使用されておりますので、そのときの評価の結果が引 用されている形になっております。 ○大野部会長 それをこちらに引用していただいた方が、食品安全委員会の報告書とし てもきちんとしていいと。 ○事務局 いただいた御意見につきましては、食品安全委員会にも申し伝えたいと思い ます。 ○大野部会長 食品安全委員会に意見を申し上げるということでよろしいでしょうか。  ほかにございますか。それでは、この件に関しては事務局案に基づいて、食品安全委 員会における評価結果を踏まえて残留基準を設定しないということにさせていただきた いと思います。ありがとうございました。  予定の審議品目が終わりましたけれども、その他ということでございますが、事務局 からお願いします。 ○事務局 その前に、今後の手続について簡単に御説明申し上げたいと思います。  本日御審議いただきました農薬1品目につきましては、食品安全委員会からの通知を 待って部会報告書とさせていただくこととします。  また、動物用医薬品4品目につきましては、食品安全委員会からの通知を受けており ますので、本案をもって部会報告書とさせていただきます。  なお、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、農薬1品 目につきましてはパブリックコメント、WTO通報の手続を進める予定としております。  以上でございます。 ○大野部会長 今日指摘のあった若干の修正に関しては修正した上で、報告書とすると いうことですね。 ○事務局 はい、そのようにさせていただきます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  では、その他に進んでよろしいでしょうか。 ○事務局 その他で報告事項が1件ございますので、御説明申し上げます。  報告資料というものでございますが、平成19年度に食品安全委員会に評価依頼をする 物質ということでございます。ポジティブリスト制度導入に当たりまして、冒頭参事官 のあいさつにもございましたが、約760の物質について何らかの基準を新たに設定した ということでございます。これらにつきましては、食品安全委員会の評価が終って基準 を定めたわけではなくて、ポジティブリスト制度施行後に順次評価を依頼するという整 理のものでございまして、今年度から5か年の計画で順次資料がそろったものを安全委 員会に評価依頼をしていくという作業をしてございます。年度ごとに食品安全委員会に、 今年度はこういったものを評価依頼しますという計画を事前に提出して、それに基づい て順次評価をしていただくということとしてございます。  今年度分につきましては、平成18年3月31日付で安全委員会に報告してございます。 来年度分につきましても、これは大野委員、加藤委員、米谷委員、吉池委員の御協力を いただきまして、物質を選択いたしまして、食品安全委員会に提出いたしました。それ が報告資料でございます。来年度分につきましては、別紙の146物質というものを一応 当初の計画といたしまして、食品安全委員会に来年度1年掛けて評価依頼をしていくこ とにしてございます。  これらにつきましては、まず、資料が集まらないと何もなりませんので、平成19年度 中に資料が集まる見込みがあるものということで選択をしてございます。それは国内登 録であれば農林水産省の御協力もいただきまして、各メーカーからの農薬抄録等の資料 が集まるというようなもの、また、海外にしか基準がないものにつきましては、在京大 使館等を通じまして海外の評価書をいただくというような形で資料を集めまして、食品 安全委員会に評価依頼をしていくということにしてございます。  これらにつきましては、当初計画としましては146ということにしてございますけれ ども、年度途中で評価が必要となったものは随時付け加えて、食品安全委員会に評価依 頼を掛けていくということにしてございます。来年度分につきまして、今年1月18日付 で安全委員会に提出してございますので、御報告申し上げます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  今の報告に関して、御質問や御意見ございましょうか。 ○山内委員 情報として教えていただきたいのですが、平成18年にお願いされた件数と、 そのうち何件安全委員会から返ってきたのかというのを教えていただけますでしょうか。 ○事務局 物質数は当初約150物質ぐらいだったんですけれども、これまでに安全委員 会に評価していたものも再度評価依頼をするというもので、途中、適用拡大等の申請が あり、増えた分がございまして、全体として192物質依頼することになってございます。 これまでに95物質について評価依頼をしてございます。順次資料を取りそろえて評価を 依頼することになっています。  安全委員会からの戻りは、まだ数物質ということでございますので、戻った分につき ましては順次、部会で御審議いただいているというところでございます。 ○大野部会長 今日初めての委員もおられるので、優先物質の順番、どういう基準で順 番を決めているかも説明していただけるとよろしいのではないかと思いますけれども。 ○事務局 一応、食品安全委員会の方で評価手順というものを設定してございまして、 その中で優先物質と非優先というような形で分類分けがされてございます。優先物質に つきましては、例えば、国際機関でADIの設定ができないと評価されたものとか、新た に発がん性があるというような形で評価がされたものにつきまして、優先物質として、 これはフルペーパーで評価するというような整理が食品安全委員会でなされてございま す。これらにつきましては、別途約760の中からそれぞれこういったものについては優 先物質に指定して評価を依頼しようということで、先ほど申し上げました4名の委員の 方の御意見を聞きながら、年度ごとに選定するということをしてございます。  今年度につきましては、これに当たるものが5物資ございましたので、これは食品安 全委員会に優先物質として評価依頼をするということで評価計画に盛り込んでございま す。  今年度につきましては、残りのものにつきまして確認したところ、今のところ優先物 質としてフルペーパーで評価を依頼するものがなかったということで、通常の資料がそ ろう見込みのあるものを中心として評価を依頼するということで、今回146物質を計画 してございます。ただ、国際機関等で新しい評価がなされたりした場合につきましては、 随時優先物質も計画の中に加えていくということにしたいと思っております。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。  ほかに報告事項はございますか。 ○事務局 若干、事務的な御連絡をさせていただきます。来月の本部会の開催日程につ いてでございます。現時点では既に御連絡申し上げていると思いますが、3月12日の午 前を予定しておりますので、この場を借りて御連絡申し上げます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかに何かございますか。 ○事務局 こちらからは特にございません。 ○大野部会長 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。 どうも御協力ありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)