07/01/31 中央社会保険医療協議会総会平成19年1月31日議事録


07/01/31 中央社会保険医療協議会
         第98回総会議事録 	
(1)日時  平成19年1月31日(水)10:31~10:52
(2)場所  厚生労働省専用第18~20会議室
(3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 小林麻理委員 青柳親房委員
       対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員(代 飯倉) 丸山誠委員 
          大内教正委員  鏡敏弘委員 松浦稔明委員 竹嶋康弘委員 鈴木満委員 
          飯沼雅朗委員  石井暎禧委員 邉見公雄委員 黒崎紀正委員 渡辺三雄委員 
          山本信夫委員  古橋美智子専門委員 坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員
          白石小百合専門委員
     <事務局>
     水田保険局長 白石審議官 原医療課長 唐澤総務課長 石原調査課長
         八神保険医療企画調査室長 他
(4)議題  ○医療費の動向について
     ○その他
(5)議事内容
○土田会長 ただいまより、第98回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、勝村委員の代理で日本労働
組合総連合会生活福祉部長の飯倉さんがお見えになっております。
 最初に、「医療費の動向」について議題としたいと思います。
 「平成18年4~9月の医療費の動向」について事務局より資料が提出されております。
説明をお願いいたします。
○事務局(石原調査課長) 調査課長でございます。私から、総-1の資料について説明
させていただきます。
 まず、資料の構成でございますが、最初のページが「医療費の動向のポイント」という
ことでまとめた紙をつけております。2ページ目以降が、以前からお示ししているような
形ですが、ちょっと細かめの資料を、年次推移を具体的に詳細に出したものをつけており
ますが、9枚物でございまして、9ページの1ページ目が全体の状況、2ページ目が病院
の状況、3ページ目が診療所の状況という形になってございます。4ページ目以降、この
3枚組みセットを、高齢者のものとそれから7ページ以降が3歳未満の資料という形の資
料の構成にしてございます。
 1ページ目に戻っていただきまして、ポイントから説明させていただきます。まず、4
~9月の医療費の動向でございますが、結果といたしまして、医療費の伸び率、ちょうど
0.0%ということで横ばいでございます。内訳ですが、1日当たり医療費が0.9%の
増、受診延日数、患者数でございますが、0.8%の減ということでございます。
 18年ですので、診療報酬改定が4月から実施されていることで、それによって医療費
の動向がどう変化したかということを見ていくということでございまして、次の丸ですが、
17年度、制度改正や診療報酬改定のない年でございますので、これの伸び率と比較して
どう変化したかというものを記載してございます。見ていただきますと、1日当たり医療
費、17年度が3.4%の増でございましたが、18年度、今申し上げましたように0.
9%の増でございますので、差っ引きますと2.5%の減という形でございます。ただ、
医療費全体につきましては、17年度3.1%の伸びが4~9月0.0%ということでご
ざいますので、3.1%の減、診療報酬改定がマイナス3.16%でございますので、ほ
ぼ想定されたとおりの動きという形になっているかと思います。
 最後の丸ですが、医療費の動向、全体では3.1%の減ということでございますが、そ
れを医科入院、入院外、歯科、調剤別に見たものでございます。1日当たり医療費で見ま
すと、医科入院が1.5%の減、入院外が2.7%の減、それから歯科が2.4%の減、
調剤が6.6%の減でございます。医療費の伸びで見てみましても、医科入院が2.1%
の減、入院外が3.0%の減、歯科が3.7%の減、調剤が5.9%の減ということで、
薬価改定がございましたので、薬価が6.7%減ということもありますので、調剤医療費
の伸びがかなり落ちているということが見ていただけると思います。
 次のページに行っていただきますと、次からは3枚物ですが、1ページ目はとりあえず
今申し上げたことがポイントでございますので、2/9ページ、病院のところで見ていた
だきますと、表側をまず見ていただきますと、医科計から、大学、公的、民間という順序、
トータルと、それから真ん中が入院、下が入院外という形で出してございます。表頭は、
15年度、16年度、17年度、18年度、4~9月のそれぞれの伸び率という形で出て
ございます。17年度の医科計でごらんいただきますと、医療費の伸びが2.2%でござ
います。それが4~9月、横の欄をごらんいただきますと、0.3%の減という形でござ
いまして、右の方に具体的な数字を出してございますが、変化としましては2.6%の減
という形になってございます。
 それから、とりあえず大学病院、公的病院、民間病院とそれぞれ変化のところだけごら
んいただきますと、一番右の欄ですが、大学病院が医療費で0.3%の減、公的病院が3.
1%の減、民間病院が2.7%の減ということで、どちらかといいますと、大学病院の減
の幅が小さいというところが特徴かと思います。
 それから3ページ目へ行っていただきます。診療所の入院外の医療費でございますが、
今と同じような形で、医療費の欄で17年度と18年度の4~9月を比較していただきま
すと、17年度が2.7%の増でございますが、18年4~9月は0.2%の増でござい
ます。ですから、差し引きが一番右側に出てございまして、医療費の伸び率で2.5%の
減ということでございます。病院が先ほど申し上げましたが2.6%の減ですので、ほぼ
病院と診療所は同じような変化が出ているということになってございます。診療所の場合
ですと、患者の入り繰りが、小児科で患者が伸びるとか若干そういう現象がございました
ので、1日当たりで各科を比較していただきたいと思います。一番右の欄、1日当たりの
伸びの変化ですが、内科が2.8%の減、小児科が1.3%の減、外科が1.4%の減、
整形外科が1.4%の減、皮膚科が3.1%の減、産婦人科が3.6%の減、眼科が4.
4%の減、耳鼻科が0.3%の増ということでございます。どちらかというと、眼科の減
少幅が大きくなっているという結果でございます。
 それから4ページ目へ行っていただきます。高齢者のところでございますが、高齢者の
伸び率を一番下の欄でごらんいただきますと、17年度の伸びが5.7%でございます。
18年4~9月の伸びが2.1%になってございます。ですから、差し引きが一番右側に
出てございまして、3.6%の減。全体が3.1%ですので、どちらかというと、高齢者
の方が伸び率の減少幅が大きくなっているという形になってございます。
 それから、高齢者の方は細かい話ですので飛ばしていただきまして、7ページの3歳未
満でごらんいただきますと、今と同じ欄、医療費の計の欄、17年度をごらんいただきま
すと、0.1%の増、それが18年4~9月で3.5%の増ということで、マイナス改定
にもかかわらず伸び率が上がっているということがごらんいただけると思います。上がり
幅としまして3.4%の増でございます。特に入院の1日当たり医療費の欄をごらんいた
だきますと、17年度2.7%の増ですが、18年4~9月で8.1%の増ということで、
5.4%も上がっているということでございます。最近ですと、9月の欄では、1日当た
りの医療費の伸びは10.4%を記録してございまして、そういった意味では、3歳未満
の入院を中心に改定の効果があらわれているものと考えてございます。
 私からは、以上です。
○土田会長 どうもありがとうございました。
 ただいまの報告について何か御質問等ございましたら、どうぞ。
○渡辺委員 こうして半年間の影響率が出てくると、これが一つの改定の検証の数値的な
結果だと思うのです。当初、歯科に関して申し上げましたのは、大変4月、5月のマイナ
スが大きかったのです。半年、しばらく経緯を見ていきたいという発言をいたしました。
先ほど、予定したマイナス3.16%にほぼ等しいという、全体としては確かにそうなの
でございますが、歯科の場合は、歯科単科という意味合いでとらえておりますと、薬価等
の影響が歯科の場合にほとんどございません。ほとんどが技術料的なものなのです。そし
て、歯科の当初公約がマイナス1.5%ということからしますと、歯科のマイナス3.
7%というのは倍以上になっているというのは、どうしてそうなっているのかということ
の検討が必要と感じております。
 なお、先ほど高齢者のところを拝見いたしました。ここは簡単に御説明されましたが、
歯科の1日医療費のところを見ていますと、過年度においても非常に大きく下がった形が
ずっと続いている。高齢者の歯科の診療体系に何らかの問題があるのではない。システム
の検討が必要ではないかということを、この表を見ながら感じたところでございます。
 今後とも私たちもいろいろと調査をしてまいりたいと思っておりますが、6月に行われ
ます診療行為の頻度別調査、これも非常に大きな検証の値になると思いますので、それを
できるだけ早い時期での報告をお願いしておきたいと思います。
 以上です。
○土田会長 ほかにございますでしょうか。
○竹嶋委員 お示しいただいた資料の中身については、もう御質問ではございませんが、
以前にもそういうことをお願いというか、こういう席で主張してまいりましたけれども、
医療の実態調査、いわゆる病院等々につきましても、ここでは大学病院、公的病院、民間
病院というふうなことで大まかにくくって出していただいておりますけれども、それこそ
20床から1,000床とか、そういうさまざまな規模のところもあるわけでして、その
間のところを何とかもう少し細かに出していただくということはできないでしょうか。要
望でございますが。
○事務局(石原調査課長) 前回の中医協で規模別ということで要求いただきまして提出
させていただきました経緯もございますし、今回、規模別は細かいということで、定例報
告には入れてございませんが、今御要請ございましたので、以後は、どういう形か、ちょ
っと定例的にできるかどうかという問題もございますが、まとまった段階で資料をつくっ
て報告させていただければと思います。
 以上です。
○土田会長 よろしいでしょうか。ほかにございますか。
 ほかに御質問がないようでしたら、次の議題に移りたいと思います。
 次は、「7対1入院基本料の問題」について建議を行いたいと思います。最初に、先ほ
ど基本問題小委員会で決めていただきました建議書(案)について朗読してもらいまして、
その後御意見を伺いたいと思います。
 それでは、朗読をお願いいたします。
○事務局(八神保険医療企画調査室長) 朗読いたします。
                            平成19年    月    日
厚生労働大臣 柳澤伯夫殿
                      中央社会保険医療協議会
                             会  長    土田  武史
                建  議  書(案)
 当協議会においては、昨年4月の平成18年度診療報酬改定実施以後、看護の問題に関
して、経過措置の在り方などを慎重に検討してきた。特に同改定において導入した「7対
1入院基本料」については、急性期入院医療の実態に即した看護配置を適切に評価する目
的で導入したものであるが、制度導入後、短期間に数多くの届出が行われるとともに、一
部の大病院が平成19年度新卒者を大量に採用しようとしたことにより、地域医療に深刻
な影響を与える懸念が示されてきた。このような状況を踏まえ、当協議会においては、昨
年11月29日の第95回総会以降、この問題について取り上げ、実情の把握に努めると
ともに、対応について審議を重ねてきたところである。
 その結果、今春に向け国立大学病院等を中心として積極的な採用活動が行われているこ
とが明らかとなった。しかし、一方で、今回の診療報酬改定の趣旨に必ずしも合致してい
るか疑問なしとしない病院においても7対1入院基本料の届出が行われているとの指摘が
なされているところである。看護職員という貴重な医療資源が限られていることを考慮す
ると、このような状況に対して、当協議会としては深い憂慮を示さざるを得ない。
 これを踏まえ、7対1入院基本料の取扱いについて今般結論を得るに至ったので、社会
保険医療協議会法(昭和25年法律第47号)第2条第1項の規定に基づき、下記の通り
建議する。
 なお、各保険医療機関におかれては、看護職員の募集・採用に当たって、地域医療の実
情に配意し、節度を持って行われるよう、強く期待したい。
                   記
1 看護職員の配置数等を満たした病院について届出を認めるという現行の7対1入院基
本料の基準を見直し、急性期等手厚い看護が必要な入院患者が多い病院等に限って届出
が可能となるようなものとすること。
2 手厚い看護を必要とする患者の判定方法等に関する基準の在り方について、必要な研
究に早急に着手し、その結果を踏まえて、平成20年度の診療報酬改定において対応す
ること。
3 看護職員確保に関する各般の施策について、積極的に取り組むこと。
○土田会長 どうもありがとうございました。
 ただいま朗読していただきました建議書(案)につきまして御意見等ございましたら、
お願いいたします。
○対馬委員 基本小委に出席しましたので、そのとき気がつけばよかったのですけれども、
内容を変えていただきたいということでは全くありませんが、これからこういう建議とい
うことも十分中医協の場であり得るのだろうというふうに思うのです。そのときに、表題
が「建議書」というだけで、一体何に対する建議書なのかという事がだんだんわからなく
なってくることがありますので、今回は別に表題を変えてくれということではないのです
けれども、例えば「建議書(7対1入院基本料届出について)」とか、ないしは「7対1
入院基本料届出についての建議書」とか、そういった一目見れば何について議論している
かというのがわかるということを次回以降また御検討いただければと思います。
○土田会長 そのことは十分可能ですよね。後で詳しく検討していただきますが。
○事務局(八神保険医療企画調査室長) 検討いたします。特に様式があるわけではない
ようなので、検討させていただきます。
○土田会長 はい、わかりました。どうもありがとうございます。
 ほかに御意見ございましたら、どうぞお願いします。
 よろしいですか。どうもありがとうございます。それでは、この文言で建議を行いたい
と思います。
 ちょっと手続がありますので、しばらく休憩にします。
                 〔暫時休憩〕
○土田会長 それでは、再開いたします。
 これから建議を行います。これは先ほど朗読いただきました内容と全く同じでございま
すので、この文言で建議書をお渡ししたいと思います。
            〔会長から保険局長へ建議書手交〕
○土田会長 どうもありがとうございました。
 それでは、保険局長から一言御挨拶をお願いいたします。
○水田保険局長 ただいま貴重な建議をいただきまして、まことにありがとうございまし
た。とりわけ土田会長はじめ委員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず丁寧
な御審議をいただきましたことを、厚く御礼を申し上げます。
 今回の建議におきましては、7対1入院基本料に関しまして、今後所要の研究結果を踏
まえて、急性期等手厚い看護が必要な入院患者が多い病院等に限って届出が可能となるよ
う、平成20年度の診療報酬改定において対応することをお示しいただけたものでござい
ます。
 また、7対1入院基本料の導入を契機といたしまして地域医療が大きな影響を受けてい
ると、こういった懸念が示されてきたところでございますけれども、先ほどいただきまし
た建議は、各医療機関に対しまして適切な対応を求められたものと認識をしてございます。
 厚生労働省といたしましては、建議の内容に沿うべく速やかに検討を進めるとともに、
看護職員の確保に関する各般の施策につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考え
ております。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも一層の御指導、御協力を賜りますようお願い
申し上げまして、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○土田会長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の総会はこれで閉会といたしたいと思います。
 次回の日程につきまして何かございましたら、お願いいたします。
○事務局(原医療課長) 次回の日程については未定でございますので、追って事務局か
ら連絡をさせていただきます。
○土田会長 どうもありがとうございます。
 それでは、閉会にいたします。
 この後引き続きまして検証部会がございます。準備が整うまでの間、しばらくお待ちく
ださい。


    【照会先】
        厚生労働省保険局医療課企画法令第1係
        代表 03-5253-1111(内線3288)



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