07/01/16 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 平成19年1月16日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 議事次第        【日時】  平成19年1月16日(火) 9:54〜10:51 【場所】  中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(6F) 【出席委員】(五十音順)       石田委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、中澤委員、       堀江委員、米谷委員、山添委員、吉池委員 【事務局】 松田基準審査課長 加藤補佐、内山専門官 ○事務局 おはようございます。定刻にはまだ少し時間がございますけれども、先生方お そろいになっておりますので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催さ せていただきます。  本日は、御多忙のところ先生方におかれましては、御参集いただき誠にありがとうござ います。  本日は、小沢委員、工藤委員、西島委員、山川委員よりあらかじめ欠席との連絡を受け ております。現在、添加物部会の委員13名中9名の委員の先生方に御出席をいただいてお りますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。  それでは、開会に先立ちまして、松田基準審査課長からごあいさつ申し上げます。 ○松田基準審査課長 おはようございます。基準審査課長の松田でございます。本日は、 朝早くから御参集いただきまして、誠にありがとうございます。  今日は、前回の部会でペンディングになりましたイソブタナールと2−メチルブタノー ルの食品添加物の特に名称の部分について御審議いただきますのと、あとは、前回の部会 以降、経緯等は後ほど御説明申し上げますが、赤色104号と105号の成分規格のうち、ヘ キサクロロベンゼンの規格について基準を設定したいということで今回御審議いただくも のでございます。  先生方におかれましては、本日も高い専門性から、御議論賜りますようよろしくお願い 申し上げまして、簡単でございますが、あいさつとさせていただきます。よろしくお願い いたします。 ○事務局 それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願 いいたします。 ○長尾部会長 それでは、早速ですが、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○事務局 本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料の確認をさせていただき ます。  まず、一番上に1束になりました添加物部会の議事次第と書かれた資料がございます。  めくっていただきますと、資料一覧になっております。資料1〜4−3まで1束になっ ております。まず、資料一覧をめくっていただいて、1ページ目に資料1「食品用香料の 名称について」でございます。  3ページに資料2−1がございます。5ページ目に資料2−2、イソブタナールの部会 報告書案がございます。15ページに資料2−3、イソブタナールの食品健康影響評価の通 知についてということでございます。  続いて、25ページが資料3−1、2−メチルブタノールの諮問についてでございます。 27ページに資料3−2、2−メチルブタノールの部会報告書案でございます。37ページに 資料3−3、2−メチルブタノールの食品健康影響評価の通知になっております。  次に、47ページに資料4−1、赤色104号と105号の諮問について。49ページに資料 4−2、赤色104号と105号の部会報告書案でございます。55ページに資料4−3、平成 18年度食品・添加物等規格基準に関する試験検査報告書となっております。  以上、1束になっている資料の確認です。  次に、別刷りになっております参考資料1「平成13年度の食品等試験検査費食品添加物 規格基準及び試験法の設定、食用赤色104号及び105号中の不純物ヘキサクロロベンゼン 含有量実態調査」となっております。  参考資料2、IPCSの資料がございます。  続いて、報告資料1「食品健康影響評価の結果の通知について」ということで、公定書 についての食品安全委員会からの通知です。  報告資料2、横の2枚両面印刷になっております。「食品安全委員会への意見聴取及び食 品健康影響評価結果について」ということでございます。  最後に、本日の座席表をお配りしておりますが、事務局の手違いで中澤の先生のお名前 がございません。申し訳ありませんでした。  資料の説明は以上でございます。もし、不足・乱丁等がありましたらお申し出ください。 ○長尾部会長 資料はそろっていますでしょうか。よろしければ、審議に入りたいと思い ます。  まず、議題1、イソブタナールの新規指定の可否についてと、議題2の2−メチルブタ ノールの新規指定の可否については、前回の審議の際に名称の問題が指摘されましたので、 これらの名称について審議を行いたいと思います。事務局より資料について説明をお願い いたします。 ○事務局 それでは、資料1をごらんください。「食品用香料の名称について」という資料 でございます。関連した資料として、資料2−1から資料3−3までお願いいたします。  前回の部会でイソブタナール、2−メチルブタノールの2品目の香料につきまして、名 称の検討を行うよう御指摘をいただいていたところでございます。この2品目につきまし て名称についての検討を行いましたので、資料1に対応の案をお配りさせていただいてお ります。  まず、名称案から申し上げますが、イソブタナールの品目名につきましては、イソブチ ルアルデヒドと名称を変更する案を提出させていただきます。また、別名としてイソブタ ナールを挙げさせていただいています。  続いて、2−メチルブタノールにつきましては、品目名は変わらず2−メチルブタノー ルのまま提案をさせていただきます。  2ページ目をごらんいただきたいと思います。この名称につきまして、国衛研の先生方 に御相談をして、業界の方からも意見を聴取いたしました結果として、こちらに原則を書 かせていただいております。  まず、1の品目名につきましては、2)になりますが、原則としてIUPACの命名法に基 づく化学名であることということを原則として挙げました。1)には、汎用されている名称 を品目名とすると記載しています。これらのことを原則としまして、名称についてこれか らつけていきたいと考えております。  この案に従って、名称を変更させていただいた資料が資料2−1以降です。5ページの 資料2−2をごらんいただきたいのですが、イソブタナールをイソブチルアルデヒドと名 称の部分について修正をした見え消しの資料をお配りしております。  27ページ以降は、2−メチルブタノールの報告書案ですが、こちらは名称はそのままで 御提案をいたしますので、変更されておりません。ただ、構造式について両品目とも変更 を加えていて、見え消しでお示ししておりますけれども、この理由については後ほど佐藤 委員の方から御説明をお願いしたいと思っております。  資料の修正で幾つが訂正があります。まず5ページですが、「5.食品安全委員会におけ る評価結果」のところで品目名の修正をしておりますけれども、これは食品安全委員会の 評価書に係る部分ですので、修正はいたしません。  続いて10ページは、前回の部会の検討の中で沸点の3行目ですが、「その品質管理は官 能検査や」の「官能検査」を削除するよう御指示いただいていたのですが、修正漏れがあ りますので、こらちを修正の上、再度確認をいただいて資料をつくりたいと思います。  32ページの沸点も同じように官能検査が残っておりますので、この部分を削除させてい ただきます。  香料の名称については以上でございます。  構造式について、佐藤先生、お願いします。 ○佐藤委員 構造式につきましては、間違いではないのですが、今検討しております第8 班食品添加物公定書のほかの香料の構造式に従うと、上下逆さまになった形になりますの で、この段階で皆様に御審議をいただいた方がいいかと思いまして、このたび修正を出さ せていただきました。  以上です。 ○長尾部会長 それでは、名称に関しまして御審議をお願いいたします。 ○米谷委員 2点ばかりお伺いしたいんですが、前回出席できなかったものですから。2 ページに、IUPACの命名法に基づくというのが食品用香料の品目名等の原則ということで ございますが、これは前からこういうものがあったのかということと、今回変えられて IUPACの方式でいくということですけれども、別表第1の品目名までは戻れないですよね。 告示の方で、今までの別表第1がこういうふうにやってこられたということは多分ないん じゃないかと思うんですが、その辺は将来的には変えていかれるのでしょうか。 ○事務局 原則は御提案をしたとおりでございますけれども、やはり汎用状況みたいなも のも勘案した上で、個別の名称については検討していきたいというのが今回御提案したも ので、既に指定している品目につきましては、現時点では変更を考えてはおりません。 ○事務局 補足いたしますと、過去に指定された香料についても、衛研の添加物部と協議 させていただいて、この見直しに照らしてみて修正が必要だというものはないと考えてお ります。 ○米谷委員 蒸し返してまではされないということですね。 ○事務局 はい。ただ、香料につきましては、国際汎用の形で今後も安全委員会の評価依 頼あるいはこちらでの審議等が続きますので、名称についてはこの時点で整理させていた だくのがいいということで、資料の通り整理させていただいております。 ○長尾部会長 そうしますと、今後もこういう原則に従って、合っていないものは名前を 変えていくことになるということですね。この原則に関して何か御意見ありますでしょう か。  特にないようですので、この原則に従ってということでよろしいですね。  それでは、イソブタナールと2−メチルブタノールに関しては、何か御質問はございま すか。 ○米谷委員 先ほど佐藤委員から御説明がありました構造式につきましても、これは局方 の名称委員会の方法と同じと考えていいんでしょうか、それとも公定書の方で独自にこう いうスタイルでいくというふうに、今までの例と比較してこういう形でいくと決められた のでしょうか。厚労省の方で局方と一緒にするか、あるいは公定書の中で統一されるかの、 どちらの方針なんでしょうか。 ○棚元委員 基本的には、今回の場合、公定書第8版の構造式に整合をとったということ なのですが、これは確認しないとわからないところですけれども、そもそも公定書の構造 式は局方に整合させていますので、それに合わせた形で動いていたのだと思います。ここ は確認させてください。多分そうなっていると思いますが。 ○長尾部会長 1ページに、品目名とか別名とかいろいろ書いてあるんですが、これと部 会報告書案のところは違いますよね。化学名とかそういうものが入っていない、英名とい うサブタイトルもありませんし、化学名というものもないので、これはどうなんでしょう。 品目名等の原則というところも化学名の記載というのはちゃんと書いてあるんですが。 ○佐藤委員 成分規格案にあります。 ○事務局 イソブタナール、イソブチルアルデヒドにつきましては、7ページに成分規格 案をお示ししていますので、部会報告書の最初のページには全部書かれていないようです。 7ページに書かれてございます。 ○長尾部会長 わかりました。  ほかにはいかがでしょう。御意見はありますか。 ○山添委員 そうしますと、名前がイソブチルアルデヒドについてはイソブタナールから 変わるわけですよね。そうすると、流通の実態としては両方が当分の間はミックスした形 で、別名がある限り問題はないと、いつまでもずっと問題がないのか、あるいはいつかの 期間においてどちらかで統一を図るようなことを考えるのか、その辺はいかがなんでしょ うか。 ○事務局 イソブタナールをイソブチルアルデヒドにという名称の変更を提案しておりま すけれども、香料としての指定はまだしていないものですから、香料としてはこれから流 通していくことになります。 ○長尾部会長 何か御意見ありますか。 ○棚元委員 先ほど御説明がなかったのですが、2ページ目の別名のところにも書いてご ざいますように、使われなくなってきた場合には別名としても扱わないという形にしてい くことになると思います。別名の基本的な原則もここにまとめてありますので、そこを御 参照いただければと思います。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。それでは、特にほかには御意見がないようですので、 この名称につきましては、了承されたということにいたします。  それでは、今後のスケジュールについて御説明をお願いします。 ○事務局 今回の審議結果に基づきまして、今後、食品衛生分科会での審議をお願いして、 その後パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続を開始したいと思っておりま す。 ○長尾部会長 それでは、次に、議題3の食用赤色104号及び食用赤色105号の成分規格 改正の可否について審議を行います。  まず、事務局より資料の説明をお願いします。 ○事務局 47ページの資料4−1から御説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料4−1は諮問書ということで飛ばさせていただきまして、49ページの資料4 −2に沿って説明させていただきたいと思います。  「1.経緯」にございますように、食用赤色104号と赤色105号は、昭和23年に添加物 として指定されております。これらは図1、図2にありますように、有機塩素系化合物と なっております。これらは50ページの図4の塩素系化合物であるテトラクロロ無水フタル 酸(TCPA)とレゾルシンから合成されております。このTCPAは不純物として第一種特定 化学物質及び残留性有機汚染物質、POPsとして指定されているヘキサクロロベンゼンを含 んでおります。このため、原料に混入しているということから、赤色104号、105号にヘ キサクロロベンゼンが混入される可能性があると以前指摘されたところでございます。厚 生労働省としましては、平成10〜13年度にかけて赤色104号、105号中のヘキサクロロベ ンゼン含有量の実態調査を行いまして、平成13年度に報告をしております。この報告書が 今日配らせていただいております参考資料1となっております。  この報告書の要点としまして(1)として、平成10〜13年度、つまりタール系色素として製 品の検査が義務付けられていた頃に、その製品検査合格検体についてヘキサクロロベンゼ ンの検査をしたものでございます。32検体すべてからヘキサクロロベンゼンが検出されて おりますが、参考資料1の85ページをごらんいただけますでしょうか。ここに32検体の 実測値が載っておりますが、平成13年度に1検体、これは25前後見つかったものを除き まして、ヘキサクロロベンゼンは平成10年度の時点から比べますと減少しているものであ り、かつ、(2)として、色素由来のヘキサクロロベンゼン一日摂取量を、この時点では水質 基準等に基づいて算出した飲料水由来のヘキサクロロベンゼンの摂取量と比較したところ、 非常に少ない量であったと報告されております。  また、この報告を受けまして、当時の食品保健部基準課より平成14年4月に、事業者に 対して不純物としてのヘキサクロロベンゼンについて、直ちに健康被害の発現の懸念はな いものと考えているが、製品への混入率低下へ向けて対策に留意するよう指導を行ってお ります。この指導を踏まえまして、製造事業者は自主基準として当時20ppmという限度値 を設けてヘキサクロロベンゼンの低減化を図ってきております。  現在に至るまで20ppmの自主管理というもので来たところでございますけれども、今般、 資料4−3という形で報告書がまとめられております。この報告書を踏まえまして、成分 規格の中に不純物の規格を設ける改正を行うことを提案させていただくものでございます。  50ページをごらんいただけますでしょうか。この報告書をまとめてさせていただく際に、 まず、赤色104号、105号からの推定摂取量を検討しております。国際化学物質安全性計 画、IPCSの評価書を踏まえますと、悪性新生物以外の影響を指標とした場合のTDIは 0.17μg、一方、悪性新生物を指標とする場合は、発がん性投与量TD5に基づき、0.16μ g/kg体重/日と評価されております。この評価書は参考資料2として、今日配らせていただ いております。  一方、これら当該添加物の一日摂取量は、マーケットバスケット方式により平成15年度 のデータを踏まえて推定しますと、赤色104号は0.015 mg/日/人及び赤色105号は0mg / 日/人となっておりますが、生産量統計を基にした摂取量の推定では、赤色104号について は0.036 mg/日/人、赤色105号については0.004mg/日/人となっております。  この摂取量を基に、仮にヘキサクロロベンゼンが色素中に10μg/g混入すると仮定した 場合、生産流通調査方式による摂取量を求めたところ、下の式にありますように0.0004μ g/日/人というような形となります。この推定摂取量は、平均体重を50kgとしてIPCSの指 針値との比を計算しますと、0.005%となっております。これらの推定から、仮にヘキサク ロロベンゼンが10μg/g混入すると仮定した場合でも、これらの着色料からヘキサクロロ ベンゼンの摂取量は直ちに問題となる量ではないと考えております。  これらをまず安全性上、直ちに問題になると考えないという形で整理した上で、成分規 格としまして51ページにございますけれども、検討を加えさせていただいております。  まず、成分規格として分析法につきましては52ページ、53ページに基づいて分析をさせ ていただいております。この分析法の詳細は資料4−3の報告書にまとめております。  次に、ヘキサクロロベンゼンの規格限度値につきましては、今説明申し上げましたとお り、IPCSの指針値の0.005%の摂取量に相当する10μg/gよりも、先ほど申し上げました 過去の製品検査の実測値が低いこと、あと、この実測値は先ほど申し上げました平成10〜 13年度までの実測値に加えまして、資料の65ページでは過去のこれら着色料の分析値を一 覧としてまとめたものです。事業者から自主検査でやっております検査値のデータを提供 いただきまして、この一覧表にありますように、平成13年度に検査した1検体が24.92μ g/gという以外につきましては、すべて10μg以下であるということでございます。このよ うなことから、51ページに戻らせていただきますが、製品検査の実測値は10μgよりも低 いということ、また、POPs条約等でできるだけ含有量は低く抑える必要があるということ から、流通実態、これは検査の実測値等のデータを踏まえて規格値を徹底するという方向 が妥当であると考えました。  では、具体的な実測値を踏まえて限度値をどうするかということでございますが、ヘキ サクロロベンゼンの含有量につきましては、これは66ページに載せております平成10年 のデータにつきましては、低減化を図るプロセスの途中段階ということで高い値もありま すので、この平成10年度のデータにつきましては、今回の限度値の考慮には入れておりま せんが、平成11年度以降はおおむね1μg以下で、時々それを超えるものが出ております けれども、そういう形になっておりますので、平成10年のデータは除きまして、平成11 年度以降から平成18年度までいただいたデータを使用すること、添加物では不純物の限度 値を設定する決まった考え方がございませんでしたので、医薬品の原薬の純度試験におけ る不純物の規格限度値、いわゆるICHQ6Aのガイドラインを参考に計算をしております。  具体的には、これら実測値の平均と信頼区間の上限、この上限というのは標準偏差の3 倍ということでガイドラインでは設定されておりますので、これらを基に試算を行いまし た。この試算の結果は65ページの表の下に示させていただいておりますように、赤色104 号につきましては平均値が0.97、信頼区間の上限3σは4.03、このため上限としましては 5。赤色105号につきましては、同じく平均値が1.45、信頼区間の上限は5となりました ので6.45という数字となっております。これらの数字を基にしまして、赤色104号につき ましては規格限度値としては5.0μg/g、赤色105号につきましては6.5μg/gとすること が適当ではないかと考えたものでございます。  以上が、規格設定の考え方でございます。 ○長尾部会長 どうもありがとうございます。  それでは、御審議をお願いいたします。 ○佐藤委員 報告書の方について簡単に補足させていただきますと、61ページを見ていた だきますと、平成13年に報告されました大阪支所の試験法というのがもともとありまして、 この方法で今回規格をつくるかどうかということで検討しましたところ、大阪支所のころ には、まず試料を水とヘキサンに液液分配した後、ヘキサン層を減圧濃縮するという操作 が入っております。ヘキサクロロベンゼンはPOPsのため半揮発性物質で、濃縮までならい いんですが、操作中に乾固してしますとかなり飛んでしまうという現象が見られますので、 濃縮操作は省いた方がいいのではないかという考えのもとで、また、最近は気化装置の感 度がよくなっておりますので、特に濃縮操作は必要ないのではないかということで、今回 の操作法としましては、単にヘキサンで抽出してそのままガスクロマトグラフィーに掛け るという方法にしました。  また、濃縮する必要もないので、もともと100mgとっていましたけれども、操作上20mg にスケールダウンした方が簡便だということで、採取量を5分の1にしまして、水、ヘキ サンの量もすべて5分の1で操作するようにいたしました。  あと、装置なんですが、大阪支所の方ではGC−MSとGC−ECDの両方で分析されてい るんですが、公定書の方ではGC−MSが試験法に入っておりませんが、GC−ECDは登録 検査機関には大体あるということでしたので、また、GC−ECDは選択性もヘキサクロロベ ンゼンの場合はすぐれておりますので、こちらの装置を使って試験法を開発いたしました。  あと、試験法に関しましては、一応共同試験ということで各分析機関、うちを入れまし て5試験機関で同様に添加回収試験をしていただきまして、その結果はTable5に示してお りますように、2μg/gと5μg/gの添加回収を行いました。回収率のばらつきが大きいよ うに見えるんですけれども、実際のところ併行再現性と室間再現性などを計算いたします と、精度としては妥当なところであるということを確認しております。  以上です。 ○長尾部会長 御質問・御意見はありますでしょうか。  この方法の検出限界については、特に述べられていないんですが。 ○佐藤委員 検出限界は、59ページの上から5行目のように決めましたけれども、標準液 のクロマトグラムからS/N比3を示す量ということで、使う装置によって検出下限値は 多少変わると思いますが、今回うちで用いた装置に関しては0.05μg/gとなっております。 ○米谷委員 よろしいでしょうか。R104とR105からのHCBの推定摂取量という計算が ございますけれども、それに対して片一方はIPCSの指針値と比較されているということな んですが、日本人が食品中からどれくらいこういう汚染物を摂取しているかというのは、 監視安全課担当の厚生科学研究で、我々のところで1970年代から現在もずっとやっており ますが、その数値と比べてもはるかに少ない量なんですけれども、それも1行書いておい ていただきますと、我々も非常にありがたいのでございますが。日本人がこれだけHCB をとっているとか、そういうデータはきちんとございますので、評価の50ページ辺りに、 後で文章は御相談させていただければと思いますが、入れていただければ幸いでございま す。 ○長尾部会長 それから、50ページの2番目のパラグラフのR104及びR105のマーケッ トバスケット法の2行目に105は0mg/日/人となっていますが、これは検出限界以下なん だと思うんですね。0という数字がいきなり出てくるので0.00にするのか、あるいは検出 限界以下にするか、細かいことですが。  ほかにはいかがでしょう。この測定法に当たりまして。それから、量の規定に関しまし て。 ○米谷委員 非常に一般的な話なんですが、食品色素としての規格というのは、医薬品添 加物の規格にそのまま準用されているんでしょうか。医薬品の方で、例えば私が今担当し ている動物用医薬品ですと、医薬品のを準用してこういうものを使うということになって いるんですが、食品添加物の規格のものがそのまま医薬品添加剤の方に、タール色素はい っていますでしょうか。その辺御存じであれば。この場で御質問するのはおかしいかもし れませんが。 ○事務局 一応、事業者に確認したところでは、食品添加物とそれ以外のものも製造方法 は基本的には同じであり、同じ管理をしているという形で説明は受けております。薬事法 等でも着色料を成分規格として引用して使っているところはございますので、実際の製造 という意味ではこの食品添加物の規格が適用されれば、これが基本的な管理の目標になる とは考えております。  あと、今回、化審法で規制されるものにつきましても、フロキシンという形でなってお りますが、それらについては低減化措置ということで、化審法の方でも昨年以来、検討が 進められてきた状況もあります。  今回のこの件につきましては、先ほど説明を1点していないところがございますので説 明させていただきます。通常ですと御審議いただいた上で今後の予定を説明させていただ くのですが、本件につきましては、54ページに参考として今後の対応を書かせていただい ておりますけれども、WTO通報とかパブリックコメントの所定の手続は実施しますが、 食品安全委員会での評価の時期について、本件につきましては、化審法等でも軽減化措置 等が動いているとかいろいろな動きがございます。また、安全委員会での評価を受ける際 には、ヘキサクロロベンゼン等いろいろな安全性情報の整理等が必要になり、そのデータ の整理等につきまして時間がかかるということもあって食品安全基本法第11条第1項第3 号のいとまがない規定に該当するため、成分規格、限度値の規格改正を先行して実施する 対応を考えさせていただいております。そのため、成分規格をつけさせていただいた後に、 この改正をしたという旨を安全委員会に報告して、かつ、評価のデータがそろった段階に おきまして安全委員会に評価を依頼するということを予定しております。 ○長尾部会長 そういうことで、安全委員会にもう一度掛けられるということですが、今 回はこの計算基準に従ってこういうふうに決めたいということでよろしいでしょうか。特 に、国際化学安全性計画のデータなどから言って問題はないと思われますが、いかがでし ょうか。  発がん性については、TD5から計算したADIが0.16μg/kg体重/日であるというのは、 発がん性が動物と同じであるとして計算して10万人に1人に相当する量になっています。  では、特に御意見がないようですので、先ほど米谷先生から御提案がありました件につ きましては、事務局と相談されまして、各委員にその了解を得ていただきたいと思います。  その後の手続について、御説明をお願いいたします。 ○事務局 パブリックコメント等は通常の手続で進めさせていただきますので、食品安全 委員会への意見の聴取はその後ということで、御提案したとおりに進めさせていただきた いと思います。 ○長尾部会長 それでは、そういうことでよろしくお願いいたします。  次に、報告事項をお願いします。 ○事務局 それでは、報告事項に入ります。報告資料1「食品健康影響評価の結果の通知 について」をごらんください。この公定書の改正に伴います食品添加物等の規格基準の改 正についての食品健康影響評価の結果につきましては、前回の部会で内容的には報告を行 ったものでございます。ただ、12月8日の添加物部会開催の時点では、まだ評価書の案と いうことで資料を配って御説明したもので、その時点では食品安全委員会が行っておりま すパブリックコメントの実施中でございました。  結果通知、報告資料の1枚目でございますが、平成18年12月21日付で正式に結果の通 知が厚生労働大臣あてに通知されたものです。  評価書の内容については、表現の変更等があっただけで内容的な変化はございません。  113ページ以降でございますが、パブリックコメントで寄せられた意見、それから、食品 安全委員会の回答が122ページまで添付されています。  以上でございます。 ○長尾部会長 何か御質問・御意見ありますでしょうか。  それでは、次の報告をお願いいたします。 ○事務局 報告資料の2、横印刷の2ページの資料をごらんください。毎回、部会のたび に御報告いたしておりますが、食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結果 についてということで、平成19年1月現在の時点でまとめた資料になっています。1〜3 ページまでございますが、前回の部会から加わった部分は2ページ目の下3行になります。 アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸塩類 の3品目の指定を平成18年12月26日付で行っております。その部分の追加をしておりま す。  報告資料2については、以上でございます。  付け加えさせていただきますが、3ページ目の下から6行目になりますが、トコフェロ ール酢酸エステルにつきまして、1月15日に厚生労働省が行いますパブリックコメントの 募集が始まっておりますので、付け加えさせていただきます。 ○長尾部会長 それでは、この報告資料に限らず、何か御発言等ございましたらお願いし ます。 ○米谷委員 報告資料2で、食品安全委員会へ依頼されている案件の中で、いろいろ化学 物質の名前を見ておりますと、先ほどの方針と違うといいますか、大分古いものですと変 えないといけないような名前がついているなということをちらっと思いました。今後、食 品安全委員会に出される前に名前を変えて出された方が、食品安全委員会で変えていただ く手間が省けるかと思いますので、それだけです。 ○長尾部会長 その辺は、事務局でよろしく御検討ください。  ほかには何か御意見ありますか。特にないようでしたら、本日の審議はこれで終了いた します。  次回につきまして、事務局からお願いします。 ○事務局 次回の添加物部会でございますが、2月の開催を予定しております。場所と議 題等につきましては、改めて御案内させていただきます。 ○松田基準審査課長 先生方にも御案内させていただいたところでございますが、薬事・ 食品衛生審議会の委員の改選時期が今月1月24日に迫っております。当添加物部会におき ましても、本日御出席の中澤委員、あと、御欠席の小沢委員、工藤委員、西島委員の4名 の先生方におかれましては、大変残念なのでございますが、任期が満了ということで今回 御退任ということになりました。御退任される先生におかれましては、本当に長い間多大 なる御協力を賜りまして、厚く御礼申し上げる次第でございます。引き続き委員を引き受 けていただける先生方におかれましては、2月以降もよろしくお願い申し上げる次第でご ざいます。 ○長尾部会長 それでは、どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品部食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)