資料No.6−1

第5回振動障害等の防止に係る作業管理のあり方検討会

において一定の結論を得た事項整理表

(職域以外での使用が主用途なものの取扱い)

職域以外の使用が主な用途と思われるものであっても、労働者が使用する可能性があるものは、プロ仕様かどうかの区別をせず、表示の対象とする。

(海外からの輸入品、国内中小メーカー製品の取扱い)

輸入品、国内中小メーカー製品かかわりなく、表示の対象とする。

(表示事項)

(1)(一定の測定規格に基づき測定された)振動値及び騒音値

(2)重量

→振動、騒音両方を表示することが望ましいが、騒音値は直接的に作業管理の指標にしにくいものであるので、振動の表示を優先する。

(表示箇所)

(1)工具本体には、振動値及び騒音値を表示する。

(2)取扱説明書及びカタログに、振動値、騒音値及び重量を表示する。

(3)場合によってはホームページに振動値、騒音値及び重量を表示する。

(表示する振動値、騒音値の測定・評価方法)

JIS規格>ISO規格>EN規格の順で適用される測定規格に基づくこととする。

(チェーンソー構造規格の適用対象となるチェーンソーの取扱い)

現行の構造規格では、人体振動の周波数補正がされていないこと等国際整合性のないものになっていることから、測定方法を国際基準として広く使用されているISO22867に基づくものにあわせた方がよい。

(チェーンソー構造規格の適用対象外のチェーンソーの取扱い)

現在、排気量40立方センチメートル未満のチェーンソーが広く使用されていることから、チェーンソー構造規格の適用を受けないチェーンソーも表示の対象とする。

(すでに流通している工具の取扱い)

新しく流通させることとなる工具については、工具本体等へ表示することとする(1年程度の猶予期間があれば、対応可能)。

すでに流通している工具についてまで、メーカー等が表示を行うことは困難であり、ユーザーが独自にデータを求めることとなるが、可能な限り、メーカーが振動値、騒音値及び重量を測定し、その結果をデータベースとしてインターネット上に掲載し、ユーザーに公開する等情報提供していただくのが望ましい。また、各メーカーは、新しく流通させることとなる工具も含め、データを提供し、そこで一元的にデータを公開する場を設けることも望ましい。

(作業管理の対象となる業務)

一定の測定規格に基づき測定された振動値が2.5メートル毎秒毎秒以上の工具を使用する業務

(安全衛生教育項目)

振動値、使用時間、振動ばく露量と振動の身体的影響についての関係等を対象者に理解してもらうことが大切である。

(振動レベル表示値と作業時間規制の関連づけ)

作業時間2時間規制を、A(8)(日振動ばく露量)を基準とした作業時間規制とし、メーカー等から宣言された振動値(エミッション値)を作業者のエクスポージャー値の参考値として、作業可能時間を導き出す。

(チェーンソー取扱業務について2時間規制を取り払うことの妥当性)

チェーンソー取扱業務についても、他の業務同様、A(8)を基準とした作業時間規制とする。

(振動レベルが非常に大きい工具についても、A(8)(日振動ばく露量)を基準とした1日作業時間規制とするか)

イギリスがA(8)weekという概念を謳っており、特例として1週間単位の総ばく露量の考え方を取り入れる。

(振動レベル以外に作業時間に影響させるべき要因)

A(8)を基準として導き出された作業可能時間が4時間以上であっても、実際の作業時間は4時間以下とすることが望ましい。

(エクスポージャーをどう考えるか)

作業現場において実際に作業しているときの振動を測定した方が望ましいが、現実的には困難であることから、メーカーが宣言した振動値を基にA(8)を算出し、作業可能時間を算出し、管理する。

(小休止時間、連続作業時間について)

小休止時間、連続作業時間については、指針で示されている現状の対策を踏襲する。

(振動レベルの異なる2以上の工具を使用する場合の作業時間規制)

JIS7761−1,2で示されている計算式を用いてA(8)を算出する。

(作業時間管理方法)

(1) 使用する工具及び振動レベルに基づいた作業者の作業時間(1日及び1週間)の管理記録(又は管理計画表)を作成する。

(2) 作業者ごとに、対象工具の振動レベル、使用時間の把握をし、それに基づいてA(8)を算出し、評価する(又は既知の振動値から使用可能時間の算出)。その結果に基づいて作業時間の設定と作業管理を行う。

(騒音管理)

騒音は環境に左右され、工具一つ一つの騒音レベルを作業時のばく露管理に関連づけることは難しいことから、引き続き平成4年「騒音障害防止のためのガイドライン」に基づいて作業環境管理、作業管理等を行うものとする。

(防振手袋等保護具を着用している場合のA(8)の評価)

防振手袋をしたから作業時間規制をゆるめても良いということではない。保護具の着用は、より確実な安全対策と位置づける。

(作業時間規制を超えた場合に施すべき追加対策)

A(8)が5メートル毎秒毎秒を超える場合は、直ちに作業中止するものとする。


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