06/12/27 社会保障審議会年金部会第1回議事録 社会保障審議会年金部会(第1回)議事録 日  時:平成18年12月27日(水)15:00〜16:30 場  所:富国生命ビル28階会議室 出席委員:稲上部会長、渡辺部会長代理、稲垣委員、今井委員、江口委員、岡本委員、      小島委員、権丈委員、杉山委員、都村委員、中名生委員、西沢委員、林委員、      樋口委員、宮武委員、山口委員、山崎委員、米澤委員 ○岡田総務課長 それでは、定刻となりましたので、これより「社会保障審議会年金部 会」を開催いたします。 委員の皆さん方には、本日御多用のところお集まりいただきまして、誠にありがとう ございます。私は年金局総務課長の岡田でございます。部会長選任まで、暫時、議事進 行をさせていただきます。 それでは、第1回目でございますので、渡邉年金局長より、一言ごあいさつを申し上 げます。 ○渡邉年金局長 年金局長の渡邉でございます。よろしくお願いいたします。 本日は、平成16年の制度改正以後、改めて、この年金部会を開催する運びとなりまし て、その第1回の会合でございます。本日、御参集の委員の先生方におかれましては、 年の瀬の慌しい中、こうした時期にお集まりいただき、厚く御礼申し上げたいと思いま す。 この年金部会、当面、その中心的な任務を見てみますと、平成16年の制度改正におい て制度化された初めての財政検証というものを実施し、給付と負担の枠組みを点検して いただくことが中心の任務となっております。それと同時に、安倍総理の指示、与党年 金制度改革協議会の要請、あるいは16年改正法附則の規定に基づく検討の要請というも のを踏まえまして、短時間労働者の厚生年金適用をめぐるさまざまな御議論・御意見を 整理していただくことをお願いしたいと思っております。 公的年金制度をめぐりましては、御承知のように、社会保険庁の解体的かつ根本的な 出直しの作業、それから、政府・与党一体で進めております厚生年金と共済年金の一元 化、更には基礎年金国庫負担2分の1への引き上げと、これに至る道筋という現下の大 きな課題がございます。 また、先般公表されました、新たな将来推計人口によります年金財政への影響という 御議論もありますが、厚生労働省としての暫定的な試算を来年1月末を目途に行うこと としております。その御報告も後日させていただきたいと思います。 更に、施行後5年を迎えております企業年金制度についても検証作業を進めておりま して、別途、研究会を設けて御審議をいただいておるところでございます。これらにつ きましても、節目節目で当部会に御報告させていただきたいと考えております。 次に、議論の進め方に関してでございますが、一言、私の方から、まず基本的な図柄 ということで申し上げさせていただきたいと思います。 公的年金制度は、16年改正で構築された新しい制度環境の下に新しい時代を迎えてい るのではないかというふうに考えていることを申し上げなければなりません。すなわち、 16年改正に伴いまして、最終的な保険料水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を 行うということを基本に、給付水準を自動的に調整する仕組みが導入されております。 少なくとも、5年に1度、財政状況を検証する仕組み、すなわち財政検証というものが それに附帯しておるわけでございます。 これに伴いまして、これまで5年に1度の給付の見直しと保険料引き上げを繰り返し てまいりました、いわゆる財政再計算と言われる作業は行われないこととなりました。 したがって、給付と負担の見直しというのは法律上、今後、5年以内に所得代替率がモ デルケースで50%を割り込むと想定された際に、もう少し具体的に申しますと、2020 年ごろに国民的な議論を経て実施するというふうに定めているのが現行法でございます。 こうした負担と給付の長期的な安定の枠組みの中で、これまで、ともすれば積み残し がちでありました制度的な諸課題にも目を向けることができる時代に入ったというふう に認識しております。 こうした課題を論ずるに当たりましては、ある意味で、これまで以上に公平性の観点 というものが強く求められてくると思います。また、場合によっては、年金制度では余 り言われていないんですが、他の制度では当然に課題となります給付と負担の重点化と いう視点が、この年金制度でも求められる。こういうケースも出てこようと思います。 今般、被用者年金一元化の中で、さまざまな制度的な差異の公平化というものを行う こととしておりますけれども、こうした文脈の中でとらえていくことで、その意味がわ かってくるものもあろうかと思います。適切な比喩かどうかわかりませんが、あえて申 し上げれば、平成16年改正で構築された制度は、言わば鉄骨・鉄筋コンクリートの巨大 建築物でございまして、日ごろのメンテナンスを充実させ、5年ごとに計画的な総合診 断を行い、将来的な建替えの必要性を見極めるという姿ではないかと思っております。 なお、法律の規定は、今、言ったようなことなわけでございますけれども、現実問題 といたしまして、これから財政検証作業等を進めていく中で、こうした給付と負担の基 本について改めて御議論をいただくというのは当然のことでございます。折々にさまざ まな御議論を重ねていっていただくということが一番大切なことではないかと思います ので、議論の幅に別に限界があるわけではございません。 終わりに、更に付言させていただきたいと思いますが、この3年ぐらいのさまざまな 経緯・議論を踏まえまして、改めて私として思う点について、この機会に若干述べさせ ていただきたいと思います。2点でございます。 第1は、我が国が世界に誇ってよい、言わば社会の質を規定している国民皆年金の意 義についてであります。また第2に、歴史的に積み上げられてきた制度と財政の仕組み を直視した議論の重要性ということであろうかと思っております。 前者につきましては、国民皆年金は、釈迦に説法でございますけれども、拠出制の年 金として大議論の末に導入されたものですが、その本質につきまして、当時の責任者は、 その著した本の中で、政治の断固たる決断により、行政官の小ざかしい思慮や分別を乗 り越えて生まれた制度だと言い切っておられます。こうした当時の責任者の率直な思い は、今、私ども現役の行政官の心を打つものであります。 今年は、この拠出制の国民年金発足から45年、すなわち、昭和36年に二十になった 方が65歳に到達、そして、基礎年金施行20年目の節目の年に当たります。こうした国 民皆年金は、字義どおり、国民一人ひとりの人というものに着目した、言わば包摂の論 理・精神に基づく社会保険制度であります。所得に着目し、所得がないとされる人を大 量に制度の外に置く結果となる、欧米の一部に見られる、一見、合理的であっても、言 わば排除型の社会保険制度とは異なる、我が国の独自のものであるというふうに考えて おります。 公的年金は、半世紀といってもいいでしょう。その歴史と1億2,000 万人の人生設計 がかかっております、社会保障の中核をなす制度であります。さまざまな知恵と理論が 長期にわたって重なり合って、現在の姿を形成しております。そのときどきの時代の精 神すら超えて、長期にわたって堅持されて、初めて制度の機能と目的が実現されるとい う、長期の時間軸というものが年金制度の本質であり、特性であると思います。 本日お集まりの委員の皆様方におかれましては、是非とも、こうした年金制度の特性 というものに思いを寄せていただいて、制度全体を見据えた、自由で活発な御議論をい ただくことをお願い申し上げまして、私からのごあいさつとさせていただきます。よろ しくお願いいたします。 ○岡田総務課長 それでは、事務局より委員の皆様の御紹介をさせていただきます。「あ いうえお」順で御紹介をさせていただきたいと思います。 稲垣眸委員、日本労働組合総連合会中央執行委員でございます。 稲上毅委員、法政大学経営学部教授でいらっしゃいます。 今井延子委員、農業者(全国女性農業経営者会議会員)でいらっしゃいます。 江口隆裕委員、筑波大学ビジネス科学研究科長でいらっしゃいます。 岡本康男委員、大日本住友製薬株式会社代表取締役会長でいらっしゃいます。 小島茂委員、日本労働組合総連合会生活福祉局長でいらっしゃいます。 権丈善一委員、慶應義塾大学商学部教授でいらっしゃいます。 杉山千佳委員、有限会社セレーノ代表取締役でいらっしゃいます。 都村敦子委員、日本放送協会学園非常勤講師でいらっしゃいます。 中名生隆委員、財団法人関西社会経済研究所研究顧問でいらっしゃいます。 西沢和彦委員、株式会社日本総合研究所調査部主任研究員でいらっしゃいます。 林真奈美委員、読売新聞東京本社編集局社会保障部記者でいらっしゃいます。 樋口美雄委員、慶應義塾大学商学部教授でいらっしゃいます。 宮武剛委員、埼玉県立大学保健医療福祉学部教授でいらっしゃいます。 山口修委員、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授でいらっしゃいます。 山崎雅男委員、東京電力株式会社常務取締役でいらっしゃいます。 米澤康博委員、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授でいらっしゃいます。 渡辺俊介委員、日本経済新聞社論説委員でいらっしゃいます。 続きまして、厚生労働省の出席者を御紹介させていただきます。 先ほどあいさついたしましたが、年金局長の渡邉でございます。 大臣官房審議官の間杉でございます。 社会保険庁運営部長の青柳でございます。 年金局の総務課長の岡田でございます。 首席年金数理官の田村でございます。 大臣官房参事官(資金運用担当)の宮本でございます。 年金課長の高倉でございます。 国際年金課長の小鹿でございます。 企業年金国民年金基金課長の濱谷でございます。 数理課長の山崎でございます。 社会保険庁運営部企画課長の今別府でございます。 同じく運営部医療保険課長の松岡でございます。 運営部年金保険課長の鈴木でございます。 運営部年金保険課国民年金事業室長の那須でございます。 以上でございます。 続きまして、部会長の選任についてでございます。 その前に、お手元の資料を御確認いただきたいと思いますが、資料の一番最初に議事 次第を置いております。 それから、座席表、委員の名簿とございまして、資料が資料1。 その次に「◎国民年金特別会計基礎年金勘定の積立金について」という1枚の資料を 入れております。 資料2、資料3、資料4−1、資料4−2、資料4−3、資料5。 資料6と資料7は、1枚の資料になっております。 それから、参考資料となっておりまして、それ以降「公的年金制度の体系」「被用者 年金一元化関係資料」「パート労働者への厚生年金適用」「企業年金制度について」「参 考資料」ということで、お手元に配付しているものでございます。 次に、部会長の選任についてお願いをしたいと思いますが、先ほどの参考資料をごら んいただきたいと思います。「社会保障審議会関係法令・規則」をとりまとめて抜粋し たものでございます。 2ページ以降「○社会保障審議会令(平成十二年政令第二百八十二号)」とございま して、4ページをごらんいただきたいと思います。社会保障審議会令第6条第3項で、 下線が引いてあるところにありますように「3 部会に部会長を置き、当該部会に属す る委員の互選により選任する」という形にされております。 本部会には、社会保障審議会の委員でございます委員が稲上委員と渡辺委員、2人の 委員がいらっしゃいます。この委員の互選により選任するということでございますので、 あらかじめ、お二人に御相談いただきまして、稲上委員に部会長をお願いすることとな りました。これによって、互選によって稲上委員が部会長に選出されたということとさ せていただきます。 それでは、これからの議事運営につきましては、稲上部会長によろしくお願いをいた します。 (稲上委員、部会長席に移動) ○稲上部会長 一言ごあいさつを申し上げたいと思います。 部会長を務めさせていただきます、稲上と申します。皆様の活発な御議論と御協力を いただきまして、本部会として幾つか懸案事項を抱えておりますけれども、社会的に有 意義な結論が導き出されますように、私も微力ながら努力をしたいと思っております。 どうぞよろしくお願いします。 それでは、議事に入ります前に、部会長代理の指名をさせていただきたいと思います。  社会保障審議会令の第6条第5項によりますと「5 部会長に事故があるときは、当 該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職 務を代理する」というふうに定められております。そこで、部会長代理に渡辺委員をお 願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○稲上部会長 それでは、よろしくお願いいたします。 (渡辺委員、部会長代理席に移動) ○渡辺部会長代理 一言ごあいさつを申し上げます。 私、ただいま部会長より部会長代理を指名された渡辺と申します。私は新聞社として 厚生行政といいましょうか、年金医療を中心として、たまたまでございますが、今、34 年、ずっと担当をしておるところでございます。 前回も、先ほど局長からのお話にあった2004年度改革、その前に年金部会が2002年 から2003年までの間に30回近く開かれまして、この中にもそのときのメンバーが何人 かいらっしゃいますが、その結果として、2004年度改革が行われたわけでありまして、 それから3年経って、また、こういう年金部会で財政検証を基にいろんな議論が成ると いうことで、活発な議論をしたいと思いますし、微力ながら部会長を手助けしながら尽 力したいと思います。どうかよろしくお願いします。 ○稲上部会長 それでは、議事に入りたいと思いますが、本日は第1回の会合でござい ますので、前回の制度改正がありました、平成16年の年金制度改正以後の年金関係の動 き等につきまして、事務局から簡単に御説明をいただきたいと思います。 ○高倉年金課長 私、年金課長でございます。まず、資料1から資料3まで、内容とし ては被用者年金の一元化、パート労働者への厚生年金の適用拡大、そして、基礎年金の 国庫負担引き上げの3点につきまして、まず順次、要点を御説明させていただきます。 資料をめくる関係で、座って御説明させていただきます。 まず、資料1をごらんいただきたいと存じます。これは先週火曜日の朝でございます が、被用者年金一元化等に関する政府・与党協議会という場におきまして、まず案が与 党側から示されました上で、ここに書かれた内容に基づきまして、次期通常国会の法案 提出に向けた法案作成作業を行うということにつきまして、政府・与党として了承され たものでございます。 ここに至るまでの経緯などにつきましては、参考資料中の一元化関係の資料集の中に 掲げさせていただいておりますけれども、本日は時間の関係で、そちらの経緯は説明を 省かせていただきまして、直近の整理でございます、この資料1を御説明申し上げます。 まず、冒頭のところで趣旨が述べられております。被用者年金の一元化については、 本年4月の閣議決定に基づき、制度の安定性・公平性を確保し、公的年金全体に対する 国民の信頼を高めるため、共済年金制度を厚生年金保険制度に合わせる方向を基本とし て行う。この考え方が明記されておるところでございます。 具体的には4点掲げてございまして、(1)共済年金の1・2階部分の保険料率を引 き上げ、厚生年金のそれに統一をする。 (2)、制度的な差異につきましては、基本的に厚生年金にそろえて解消する。 (3)、共済年金にございます公的年金としての3階部分は廃止をする。そして、新 たな公務員制度としての仕組みなどを設けるということでございます。 (4)、追加費用。これは若干説明をしますが、恩給期間を共済年金が引き継いで支 給している部分の税財源による費用のことでございますけれども、この追加費用につき ましては、これを削減するため、恩給期間に係る給付について、27%引き下げる。ただ し、一定の配慮措置を講じる。こういうものでございます。 この1ページの、ここから下の続く部分が、今回改めて整理された事項でございます。 まず、1.の(1)で、老齢年金の在職支給停止についてでありますけれども、要は 厚生年金の方法に統一して、官民格差を解消するということを確認してございます。 また(2)は、従来は、そのような内容的に厳しくする改正を行うという際には、既 に年金受給権を有している方々には適用しないという経過措置を設けることが通例でご ざいましたけれども、今回は、ここにございますように、一定の配慮措置は設けつつと いうことでございますが、既裁定者、既に受給権者である方についても厚生年金と同様 の措置を講ずることとするという新たな方針が示されております。 続く(3)は、(2)の措置との均衡などからでございますけれども、実は平成16 年改正で導入されたものでございまして、来年19年4月から施行されることとなってお ります仕組みとして、70歳以上の在職者に対する老齢年金の在職支給停止措置について でございます。 16年改正におきましては、この施行日の、平成19年4月の時点で既に70歳以上にな っておられる方々については、新しいルールは適用しないとする経過措置が設けられて おります。この経過措置を見直しまして、一定の配慮措置を設けた上でございますけれ ども、その方々にも新しいルールを適用していくという方針でございます。 2ページの2.でございますけれども、これは障害年金の在職支給停止の方でござい ます。これは、現在、それを行っていない現行の厚生年金の取扱いの方に統一するとい う方針でございます。 3.は、老齢年金の加給年金額についてでございます。加給年金額は、現在は各制度 ごとに20年以上の期間がなければならないとされておりますけれども、これは制度を一 元化いたしますので、これらの期間は合わせて20年以上であればよいとするということ でございます。 4.は、国会議員や地方議会議員の支給停止についてでございますけれども、現在は 共済年金制度におきましては、歳費等を給与所得と考えて支給停止を行うという措置が ございまして、厚生年金にはそれがないという差異がございますが、これは支給停止を 行う共済年金の仕組みの方にそろえるという方針でございます。 5.は、現在、地方公共団体の長を12年以上なさっておられた場合に、共済年金額に つきまして加算特例がございますが、これはこの際、廃止するというものでございます。 6.及び7.は、文官恩給、あるいは郵政公社、旧三公社等における追加費用という 問題でございますけれども、基本的には税財源による、1ページ目にございました追加 費用と同じ性質のものであることから、その税負担による追加費用と同様の減額を行う という方針として整理されてございます。 最後の3ページ目でございます。制度体系などについて、8.で書かれてございます。 まず(1)で、現在は厚生年金保険法におきましては、公務員及び私学教職員は適用 除外とされてございまして、その上でそれぞれの方々については、それぞれの共済組合 法で共済年金制度が設けられている。これが現状でございますけれども、そういう現状 を改めまして、これらの方々もみんな厚生年金に加入することとして、厚生年金制度に 統一する。これによって、ここにございますような同一保険料、同一給付を制度的にも 実現するというものでございます。 (2)は、財政のことでございます。まず、1・2階部分の保険料収入及び積立金は 被用者全体の共通財源とする。これとともに、制度全体の給付と負担の状況を国の会計 にとりまとめまして、国民に開示する。 また、これはある意味当然でございますが、財政検証も制度全体を通じて定期的に実 施するという方針でございます。 (3)は、事務組織についてでございますけれども、これにつきましては、効率的な 事務処理を行う観点から、共済組合や私学事業団を活用いたしまして、これらの組織が、 今も行っております保険料徴収、あるいは積立金の管理・運用、そして年金給付に至る 一貫した事務処理を引き続き分担いただく。ただ、今後は制度体系を変更いたしまして、 すべて厚生年金制度の事務でございますので、その統一された厚生年金制度の事務処理 を分担するという形で行うことが効率的であるという方針でございます。 なお、今後、情報処理技術の進歩等に合わせて、より効率的な事務処理が行われるよ うにすることを検討するということとなっております。 (4)は、積立金の管理・運用でございますけれども、これにつきましては(3)の 整理に伴いまして分散で行われるわけでございますけれども、方針につきましては、厚 生労働大臣が関係大臣の協力を得て、基本的な方向性等を定める。また、運用状況等の 評価を行い、国民に開示する。このルールの下で、それぞれの運用管理主体が、具体の 運用ルール等を定めていくということでございます。 9.は、共済年金の職域年金を廃止した後の公務員制度としての新たな仕組みなどで ございますけれども、そこにつきましては、年明けに引き続き議論をしていくというこ とでございます。 最後の10.で、実施時期でありますけれども、これは平成22年度を原則とするとい うことであります。 そして、追加費用及び文官恩給の減額の部分は、平成20年度から実施するということ でございます。9.の部分については、廃止の後の話でございますから、22年度から実 施するということでございます。 政府といたしましては、以上、御説明申し上げました方針に基づいて法案作成作業を 進めていくこととしており、また、当部会へも御報告させていただきたいと考えており ます。 なお、1枚ビラがもう一つ入ってございます。これが被用者年金一元化に関連 する事項として、もう一点御報告させていただきたいと存じます。 上に「◎国民年金特別会計基礎年金勘定の積立金について」というものでございます けれども、これは昨年12月7日に関係省庁連絡会議で整理しておる資料でございます。 国民年金を基礎年金制度に切り替えました際に、それ以前において国民年金に任意加入 していた方に係る積立金の取扱いでございます。 時間の関係で、技術的な内容の詳細は省かせていただきますけれども、要は被用者年 金の各制度間で、それぞれの分担は、持分割合などについて、これまで合意形成に至っ ていなかった、言わば宿題になっております。したがいまして、この問題も、今回の被 用者年金一元化に際して整理をすることとしたいと考えておるということで、御報告で ございます。 一元化関係は以上とさせていただきまして、次に資料2、パート労働者関係の方の説 明に移らせていただきたいと存じます。 資料2の前半が現状編でございますけれども、実態面で、まず1枚目にございますよ うに、パート労働者が近年急増しております。 また、特に女性雇用者中に占める割合が高いということ。これは御承知のとおりでご ざいます。 そして、2ページ目でございますが、正社員は近年減少傾向である一方で、パートの 数は増加傾向であるということが見て取れるわけでございます。 この背景といたしましては、ここの上の枠の中に記載してございますが、労働需要側、 雇用する側から見た場合には、コスト意識の高まりが主因ではないかと考えられており ます。一方、働く側、労働供給側から見れば、労働力を供給しやすい、働きやすい柔軟 な形態として広がっている側面も強い。このように分析をされております。 3ページ目は、産業別の状況などでございます。これを見ていただきますと、特に卸 売・小売業、あるいは飲食店及びサービス業等での上昇幅が大きくなっておるという状 況が見て取れるわけでございます。 そういった現状を背景としまして、年金の問題に移らせていただきますが、4ページ 目は、まず現行のルールの取扱いの説明の資料でございます。現在は、ここにございま すように、労働時間、あるいは労働日数で見まして、通常の就労者のおおむね4分の3 以上であるかどうか。これで厚生年金適用か否かが分かれるということになってござい ます。 その上で、右側の「4分の3未満である」という場合におきましては、更に被用者年 金制度の配偶者であるのかどうかということで分かれてまいりまして、配偶者でないと いう場合は、国民年金の第1号被保険者となります。 そして、配偶者である場合につきましては、更に、いわゆる非扶養かどうかというこ とで分かれまして、現行の基準は、今、年間収入が130 万円以上と見込まれるかどうか ということで分けておりまして、以上である場合は第1号被保険者、未満であるという 場合には被用者年金の被扶養の配偶者、国民年金の第3号被保険者に分かれる。このよ うな取扱いになってございます。 5ページでございますけれども、これはそれぞれの人数の分布でございます。件数の 読み上げ等は省略をさせていただきたいと存じます。 次6ページでございます。これは16年改正のときの、この問題に関する議論の経緯の 要点を抜き書きさせていただいてございます。 当社会保障審議会年金部会からは、上に書いてございますように、労働時間20時間以 上の労働者まで適用を拡大する案というものが中心的な意見として出されておりました。 そして、その方向で厚労省案も提示させていただいたところでございますけれども、 最終的には、ここの2月4日の欄にございますが、与党の年金制度改革協議会におきま して、関係団体等からのヒアリングを経た判断として、法案の中に検討規定を置くとい う結論となりまして、一番下にございますような、施行後5年を目途としての検討規定 が置かれたという経緯でございます。 7ページ目は、今年に入ってからの本件に関する政府報告等の抜粋でございます。そ れぞれ、一つひとつの読み上げは省略いたしますが、上の方に下線を引いてございます ように、検討を急ぐべき、あるいは取組みを進めるといった指摘がなされているところ でございます。 こういった背景の下で、8ページ目は現内閣発足後の最近の動きでございます。冒頭 にございますように、まず総理大臣の所信表明演説におきまして「進めます」というふ うにされております。 そして、国会審議の中でも、幾つか主要な答弁を掲げさせていただいておりますけれ ども、ごらんのような答弁が行われております。 また、11月14日、この8ページの一番下の○でございますけれども、与党年金制度 改革協議会においても御議論がございまして、そのときの合意文書といたしましては、 (1)にございますように「早期に具体的な方向付けを行う必要がある」という御認識 が示されております。 その上で(2)(3)にございますような、いろいろ踏まえるべき点、あるいは配慮 すべき点の指摘があった上で(4)にございますけれども、それを踏まえて、政府にお いて各方面の意見の聴取と整理に努めるべしという指摘をいただいておるところでござ います。 9ページでございますけれども、その何日か後になりますけれども、流通・ サービス業界の17団体におかれまして、この適用拡大に断固反対するという旨の決議を 公表しておられるところでございます。 一方で、その翌日に当たりましたけれども、経済財政諮問会議におきましては総理大 臣から厚生労働大臣に対する指示がございまして「精力的に関係者からの意見聴取を行 った上で、来年の通常国会への被用者年金一元化法案の提出と併せ、実現できるように 調整して頂きたい」という指示がございまして、厚生労働大臣の方からも、ごらんのよ うな答弁もなされておる。こういう経緯であるということでございます。 このつづりの最後の10ページ目でございますけれども、これは「パート労働者への厚 生年金の適用拡大に関し想定される主な論点」といたしまして、従来のいろんな議論等 を踏まえて私どもなりに整理をしたものでございます。 個別の御説明は、時間の関係で省略させていただきますけれども、まず、上にある適 用対象となる方の範囲をどのような切り口からどうとらえるのかについても、幾つかの 論点があろうということで考えております。 また、雇用への影響、企業への影響、更にはその他のさまざまな側面の論点もあろう ということで、このような論点をきちっと実態を踏まえて検討を進めていく必要がある。 このように考えているということでございます。 私からの説明の最後は、資料3、国庫負担の引き上げの関係についてでございます。 まず、このページは19年度の取扱いの御報告を主眼とした資料でございますけれども、 結論としましては、夏の段階で予算編成過程で検討するというふうにされておりました が、先般の予算編成過程における最終的な結論といたしまして、現行の国庫負担割合が 3分の1プラス1,000 分の25まで来ておりますけれども、19年度は更にその上に、そ れを1,000 分の7引き上げる。金額で申しますと、1,124 億円を加えるという結論とな りまして予算編成されたところでございまして、予算が国会に提出されるということで ございます。 この条文構造につきましては、ここには掲げてございませんが、本則上は2分の1に するということが決められておりまして、附則の中で経過措置、この表の資料の左上に ございますが、15条、17年度及び18年度において、これこれこういうことで引き上げ るものとすると定められておった。これに基づいて、昨年度、一昨年度、それぞれ引き 上げてきたところでございます。 そして、19年度以降の取扱いにつきましては、条文で言うと、右上の16条の世界の 方に移ってまいりまして、2分の1に引き上げる年度を条文上、特定年度と読んでおり ますが、特定年度については、19年度を目途に、いろいろと税制の抜本的な改革を行っ た上で、21年度までのいずれかの年度を、2分の1にする年度として定めるということ が規定されておりまして、19年度自体の取扱いについては、必ずしも明確な規定はない という形になっておりましたが、全体の経緯、15条の考え方から見て、19年度において も、これは引き上げることが必要であるという政府・与党としての判断に至って、冒頭、 申し上げた結論に至ったということでございます。 2枚目の資料は、御参考までに、与党の税制改正大綱の逐年の経緯、関連部分の抜粋 を付けさせていただいております。 3ページ目は条文で、ただいま1枚目の表の中で申し上げましたので省略させていた だきます。 最後の4ページ目は、所要額、今後の2分の1に最後に引き上げる上で、あと幾ら必 要であるかという見通しの数でございまして、21年度までにということでございます。 この最後の年度で見た場合について申し上げますと、一番右下の欄になりますが、こ の1,000 分の7に引き上げた後の段階から2分の1までに、名目価格でございますけれ ども、あと2.5 兆円必要という見通しとなっているということでございます。 駆け足で恐縮でございますが、私の方からの説明は以上とさせていただきます。 ○山崎数理課長 数理課長でございます。引き続きまして、お手元の資料4−1、資料 4−2、資料4−3に沿いまして、年金財政に関連いたしました事項につきまして、か いつまんで御説明させていただきます。 まず、資料4−1「財政検証について」でございます。 先ほど、局長からのごあいさつにもありましたとおり、従来の厚生年金制度及び国民 年金制度におきましては、まず給付水準が先に決まっておりまして、それを賄うための 保険料の水準というものを、少なくとも5年に1度計算をし直す財政再計算と呼ばれる ものが行われていたわけでございます。 その際には、将来の保険料率、最終的な保険料の水準につきましては見通しを示すに とどまりまして、法律上は当面の負担水準を定めるのみということでございます。した がいまして、5年に1度、法律を改正して、保険料を計算し直して引き上げるというこ とは不可欠なものになっていたところでございます。 平成16年の改正におきましては、少子高齢化が急速に進展する中、将来の現役世代の 負担を過重なものとしないという考え方に沿いまして、最終的な保険料水準まで法律で 定めまして、その負担の範囲内で給付を行うということを基本として、給付水準を自動 的に調整する仕組み、いわゆる保険料水準固定方式が導入されたところでございます。 このように、保険料水準を固定いたしましたので、それまでのような保険料の引き上 げ計画を策定するという財政再計算は行われないことになるわけでございますが、一方 で、年金の財政状況というものを検証していくことが必要ということで、従来、5年ご との財政再計算に代わるものといたしまして、少なくとも5年に1度、政府は「財政の 現況及び見通し」というものを作成し、公表することとされたところでございます。 2ページ、初回の「財政の現況及び見通し」を発表する時期は、平成16年の財政再計 算の5年後に当たる平成21年までということになるわけでございます。 この「財政の現況及び見通し」の作成及び公表のことを、通常、財政検証というふう に呼びならわしているところでございます。 具体的に、この財政検証において行うべきことでございますが、法律の規定をかみ砕 いて申しますと「(1)保険料、国庫負担、給付に要する費用など年金事業の収支について、 今後おおむね100 年間における見通しを作成すること」。 更に「(2)今後おおむね100 年間において財政の均衡を保つことができないと見込まれ る場合には、政令でマクロ経済スライドの開始年度を定めること」。これは、マクロ経 済スライドが行われていない状態の下で、そのときの給付水準そのままでいくと、100 年間の財政の均衡が保てないというときには、マクロ経済スライドの仕組みを発動する ということでございます。 現在、この開始年度は、既に政令で平成17年度と定められておりまして、マクロ経済 スライドは仕組みとしては発動し得る状態になっているわけでございますが、実際のと ころ、平成12年度から14年度までの間に物価がマイナスになりましたときに、特例と して物価スライドを行わず、給付水準を下げないということを行っておりまして、先に 物価が上がりましたときに、この積み残し分といいますか、特例分、物価で1.7 %分あ るわけでございますが、こちらを解消した後で、初めて実際にマクロ経済スライドによ る給付費の調整が始まるということで、まだ、この特例が解消されていない状態になっ ているというのが現状でございます。 「(3)マクロ経済スライドを行う必要がなくなったと認められる場合には、マクロ経済 スライドの終了年度を定めること」。これも財政検証において行うべきことと規定され ております。 更に「(4)マクロ経済スライドによる調整期間中に財政検証を行う場合」、今回の21 年の財政検証は、既に仕組みの上では17年度にマクロ経済スライドが入っているという 状態ですので、こちらに相当するわけでございますが「マクロ経済スライドの終了年度 の見通しを作成すること」ということで、平成16年の財政再計算におきましては、いわ ゆる基準ケースの下で2023年度にマクロ経済スライドを終了する。それで50.2%とい う所得代替率の見込みが出ているわけでございますが、新たな人口経済の見通しの下で、 これがどのような見通しに変わるかという見通しを作成する。 更に、これらの見通しを遅滞なく公表する。これが財政検証において行うべきことと 規定されているところでございます。 3ページ以下は、参考としての過去の経緯や法律の条文でございますので省略させて いただきまして、続きまして資料4−2を説明させていただきます。 これは、去る12月20日に発表になりました新しい将来人口推計の概要でございまし て、社会保障・人口問題研究所が、国勢調査等のデータに基づいて、おおむね5年ごと に将来の人口を推計しているものの新しい版でございまして、今回は2055年までの日本 の人口を推計いたしますとともに、参考推計として、更に50年推計しておるということ でございます。 結果に関しましては、まず、合計特殊出生率の仮定。今、足元2005年で1.26という 数字でございますが、これが中位推計で、2055年におきましては、やはり1.26という 数字で、これが前回の推計では1.39という数字であったものからかなりの下方修正にな っているというところでございます。 更に、下にございますように、平均寿命に関しましても、2005年の数値、男で78歳 余り、女で85歳余りという状態から、2055年には男で83歳余り、女で90歳を超える というような、かなりの長寿化が見込まれている。 こういう仮定の下で将来の人口の姿を推計したということで、右側にございますのが、 その結果の概要でございますが、日本の総人口、2055年には8,993 万人、老年人口が足 元2005年で2,500 万人余りでありますものが、3,600 万人余り。人口に占めます割合 が足元20.2%が、ちょうど倍の40.5%まで上がっていくという見通しになっているとこ ろでございます。 時間の都合がございますので、少し飛ばしまして、この資料4−2の5ページ「新人 口推計を受けた取組」でございます。 まず、一番上の「『潜在出生率を前提とする仮定人口試算』の実施」でございますが、 近年の少子化傾向は、結婚や出生等に係る意識調査を見る限り、必ずしも国民が望んだ 結果ではないということでございますので、仮に各種の障壁が取り除かれまして、国民 の希望が一定程度かなった場合に将来の人口の姿はどうなるかというものを、仮定的に 試算するということを厚生労働省として行いたいということでございまして、こちらに 関しては1月下旬目途で公表ということで作業が進められているという状況でございま す。 更に、労働力人口に関してでございますが、人口推計が変わったと申しましても、今、 足元で生まれる人数が変わったということは、生産年齢人口になりますのは、おおむね 15歳、今は実質的には20歳ということでございますので、2030年ぐらいまでの生産年 齢人口は、人口推計の見通しでそう動くわけではないということで、現状のままでは労 働力人口は減少していくということで、人口減少の影響を技術革新等でカバーする一方 で、高齢者や女性等の就労支援によって労働力率を向上させるということが重要である。 更に、高齢化が進む2030年以降に関しては、これから生まれる世代が社会経済の支え 手となるということで、今から効果的な少子化対策に取り組んで、支え手減少を緩和す ることが急務である。 こういう考え方を発表したところでございまして、少子化対策を19年度予算案でも最 大限効果的な対応を図っていくということ。 更に、仮定人口試算などを踏まえて、効果的な施策の展開を図っていくことが必要で あるということでございます。 併せまして、年金の財政影響試算でございますが、ただいま御説明申し上げましたよ うに、この厚生年金保険法等の規定に基づく財政検証の方は平成21年までに検証結果を とりまとめるということでございます。 その議論の際の資料の一つとしていただくということで、今回の新人口推計に表れま した人口の見通しの変化でございますとか、あるいは近年の経済動向などを踏まえまし て、財政影響に関する暫定的な試算、これはある意味で経済等についても複数の幅のあ る前提を置いた試算になろうかと考えておりますが、そういうものを速やかに実施いた しまして、1月末を目途として公表させていただくということで、現在、準備を進めて いるところでございます。 続きまして、資料4−3でございますが「年金財政の基本構造と将来の給付水準につ いて」ということで、若干、御説明をさせていただきたいと存じます。 御案内のように、年金財政は、単年度ごとで見ていくわけではなくて、おおむね100 年間にわたって、給付と負担の均衡を図るという仕組みでございます。 その際、年金の財政に影響を与える主な要素といたしましては、下の方の箱にござい ますように「人口に関連する要素」と「経済等に関連する要素」に大きく2つ分かれる。 人口に関しましては、今、新人口推計でございましたように、出生、寿命とともに年 金財政に対してはかなり厳しい数字となっているわけでございますが、一方で経済に関 しましては、足元、かなり景気も上向いてまいりまして、積立金の運用利回りもかなり のものを足元では得られているという状況ということでございまして、これがどのよう な形で年金の財政に影響を与えるかということでございますが、2ページ目のところに は、それが文字で定性的に書いてあるわけでございます。 むしろ、絵を見ながら御説明申し上げた方がよろしいかと思いまして、3ページの図 でございますが、これは厚生年金を例に取りまして収入と支出のバランスを絵にしたも のでございます。 上の波を打っている実線でございますが、これは給付費等の支出を16年度価格表示と いうことで、将来ふくらみます額を賃金で割り引いて16年度の実質価値に直して表示し たものでございまして、16年度価格で見ますと、当面、少し持ち上がった給付費が下が ってまいりまして、波を打ちながら、ある程度下がっていくという状況になるところで ございます。 これを賄うための財源といたしましては、一番下にあります国庫負担、保険料、更に、 この足らざるところを補うという意味で、積立金及び運用収入からの補足。この三者を もって、この給付を賄っていくという構造になっているわけでございます。 例えば、少子化が進みますと、将来、支え手となる方が減るということで、こちらの 保険料収入が減っていくというようなことになるわけでございまして、その際、例えば 積立金の運用利回りが予定よりも高く回るということでございますと、この保険料が減 った分をある程度埋めていくという力があるということになるわけでございまして、経 済と人口、両方が将来どうなっていくか。これを100 年ベースで見ていくことによりま して、初めて年金の財政がどうなっていくかが見えてくるということになるわけでござ います。 両者が、100 年タームで見て収支が相釣り合わないとなったときに、どういう形で財 政の収支均衡が図られるかということでございますが、4ページを開けていただきます と、これはマクロ経済スライドという仕組みによりまして、将来の給付水準を調整して いくことによりまして、年金財政の均衡を図る仕組みが導入されているわけでございま す。 一番上に点線で書いてございますのが、マクロスライドを全く行わなかったとした場 合、スライド調整前の給付費の支出でございまして、これがマクロ経済スライドを行う ことによりまして、現在の基準ケースの見込みですと、この太い実線のような給付のカ ーブになっている。こういう形で給付水準が調整されているわけでございます。 これを、更に給付を調整する必要があるということになりますと、マクロ経済スライ ドの期間が延長される。下にございますように、これは16年改正のときの少子化進行ケ ースの場合でございますが、マクロ経済スライドの期間を延長することによりまして、 下の細い点線にございますような形の給付のカーブになりまして、延長した期間以後の 給付水準がずっと全部下がっていくことによりまして給付費が調整される。 逆に、少子化改善ケースの場合のように、もう少し財源があるということであれば、 もう少し手前でマクロ経済スライドを止めるということによりまして、若干でも、その 給付水準を積み増すことができる。こういうような形で調整される仕組みになるという ところでございます。 続きまして、時間の関係がございますので、次の5ページでございますが、これは16 年の再計算の下での少子化進行ケース、少子化改善ケース、基準ケース、それぞれでど のような形で給付水準が調整されていくかということの見通しでございます。 今、図で申し上げたものを模式図のようにしている形でございますが、少子化進行ケ ースの場合、計算上は2031年度までマクロ経済スライドを継続していきまして、46.4 %という所得代替率に至るまで継続してまいりますと、計算上は2100年までの財政出資 が均衡するということでございます。 ただし、下の枠囲いにございますように、改正法則第2条の規定によりまして、その 次の財政検証までの間に、この所得代替率が50%を下回るということが見込まれます場 合、現在の見込みでございますと、2019年の財政検証の時期以降になるわけでございま すが、そのときには50%の給付水準を将来にわたり確保するという趣旨にのっとって、 マクロ経済スライドによる調整の終了その他の措置を講ずるということとされていると ころでございますが、この場合、単に給付水準の調整を止めただけでは収支の均衡が保 てないということになるわけでございますので、改めて給付及び負担の在り方について 検討を行って、所要の措置を講ずる。これについては、法律の改正が必要になる。こう いう仕組みになっているところでございます。 続きまして、お時間の関係がございますので、かなり飛びまして、12ページを御説明 させていただきたいと存じます。 人口に関しましては、今回、新たな人口推計が出まして、あと、仮定出生推計、少子 化がある程度、改善した場合どうなるかというような見通しも出てくるわけでございま すが、経済の前提をどうしていくかに関しましては、前回の16年の財政再計算のときに どうしたかを御説明申し上げますのが一つ参考になろうかと思うということで、こちら の12ページでございます。 まず、前回は、物価上昇率に関しましては、過去20年間の平均値、更には内閣府で用 意しております「改革と展望−2003年度改定」の試算の5年間の平均というようなもの を参考にして1%と設定いたしたところでございますが、賃金上昇率、それから、運用 利回りにつきましては短期の前提、2004〜2008年度の間に関しましては「改革と展望− 2003年度改定」に準拠したところでございますが、それ以後の中長期の前提に関しまし ては、社会保障審議会の年金資金運用分科会で御検討いただきまして、基本的には日本 経済の将来の生産性上昇の見込み、これは内閣府の年次経済財政報告におきまして、構 造改革の実行を前提といたしまして、中長期的には全要素生産性というものの上昇率が 年率で0.5 ないし1%に高まるということが見込まれていた。 これをベースといたしまして、3つのケース、基準ケース、経済好転ケース、経済悪 化ケースというものを設けまして、この0.5 〜1%という幅を参考に、この基準ケース では全要素生産性の上昇率を0.7 %、好転の方では1%、悪化の方では0.4 %というこ とをベースといたしまして、実質総賃金上昇率でございますとか、実質の運用利回りと いうものを推計した。これを基礎といたしまして、16年の財政再計算は行われたという ところでございます。 お時間の関係がございますので、以下、こちらの資料4−3におきまして前回の16 年の財政再計算の基本的な係数等が載っておりますが、説明の方は省略させていただき たいと存じます。 以上で、資料4−3までの御説明を終わらせていただきます。 ○稲上部会長 どうもありがとうございました。 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問あるいは御意見がございましたら、 御発言をお願いいたします。 どうぞ。 ○岡本委員 岡本でございます。被用者年金一元化の基本的な方針と進め方につきまし て、高倉課長から御丁寧な、よくわかる御説明をいただいたわけでございます。 被用者年金一元化のいろんな、これまでの論点なり議論がここで整理をされていると いうふうに私も理解はしておりますが、この部会におきまして、これが最終の御報告を いただくという理解をしておけばいいんでしょうか。あるいは何か今後、更に議論が深 まって、考え方が整理されて、また何か法をつくるまでの段階で御報告があると考えて おけばいいのか。その辺り、今後の進め方、スケジュール等がございましたら御説明を お願いしたいと思います。 ○稲上部会長 年金課長、お願いいたします。 ○高倉年金課長 この被用者年金一元化につきましては、本日御説明させていただきま したものは基本的な方針と進め方についてということでございまして、まだすべてが完 結しているわけではございません。年明けも、いわゆる新3階の部分をどうするかとい ったような調整も残されてございます。 また、ここに書いた主要な事項以外のいろいろな細かな制度的差異の整理等もござい ます。そういったものを合わせまして、また年明け、今度は全体の法案の大綱のような ものにつくり上げていくという作業を予定しておりまして、また、そのような、更にこ れを全体像として、法案的なものとしての整理を進めてまいります段階で、また当部会 の方にも御報告をさせていただきながら進めてまいりたい。このように考えております。 法案提出につきましては、総理の方からの、先ほどのパート労働者の問題に関する資 料の中に関連して出てきておったところでございますけれども、この被用者年金一元化 のための法案につきましては、次期通常国会に提出するようにという基本的な御指示を 受けておりますので、それに沿って実現すべく作業をしてまいりたい。こういうふうに 考えております。 ○岡本委員 わかりました。ありがとうございました。 ○稲上部会長 よろしゅうございますか。 どうぞ。 ○小島委員 今の一元化とも関連するんですが、3点ほど確認というか、これはどうい うふうにこれからこの年金部会として議論していくのかということなんです。 1点目は、一元化の話ですけれども、これはかつて、これまでの厚生年金に、一番直 近ではJA共済が統合されたというときも、厚年・共済関係者の一元化懇談会といった ようなものをつくってきたんですけれども、今回はそういうものは特段つくらないとい うことで、既にそこは政府の方針が決まっていると、基本的な考えとして示されている ということなので、それに基づいて関係省庁での具体的な法案化作業を進めるという話 だと思います。 そうはいっても、やはり共済グループは各関係審議会を恒常的に持っているんですけ れども、厚生年金については特段なくて、この年金部会が一元化について議論できる唯 一の場だと思いますので、是非、法案化作業の中で厚年のグループといいますか、特に 保険料を拠出している労使の意見が十分反映されるような運営の仕方を是非お願いをし たいというのが1点です。 2つ目なんですけれども、それとの関係で言えば、社保庁改革に関わるところで、新 たな年金運営組織をどうするか。これもまた、今、政府・与党の方で検討するというこ とで、まさに政治マターの話になってしまっているので、しかし、やはり一元化とも同 じように、保険料を拠出している労使の年金をどう運営するかという運営組織の在り方 なんですから、そこは保険料を出している労使の意見が十分反映できるような仕組みを 検討すべきではないか。あるいは、この年金部会でもそういう意見を通じて、新たな年 金運営組織へ反映するという仕組みを是非考えていただきたいというのが2つ目です。 3つ目は、パートの厚生年金の適用拡大の問題についてですけれども、今後の運営の 在り方にも関わることなんですけれども、確かに短時間労働者に対する適用については、 この間、政府の方もそういう方向を「骨太方針」にも出しておりますけれども、たしか 前回の2004年度の年金改革に向けての年金部会の議論の中で、私も当時、何度か主張を したんですけれども、短時間労働者だけでなくて、フルタイムで働いている5人未満の 事業所で働いている雇用労働者も、今、厚生年金が実質的には適用になっていないとい うことがあります。そういうフルタイムで働いているような5人未満の事業所、今、強 制適用以外の業種というのがありますので、そういう人たちも含めてここは検討すべき ではないかと思いますので、短時間労働者というふうに限定されずに、そこはもう少し、 そういう面も含めた検討が必要ではないかと思っております。 最後に、これは財政検証のところをさっき説明されましたので、5年ごとの財政検証 は必要だと思いますけれども、その際に、被用者年金の一元化を進めるということにな りますので、そうすると、そういうものを展望した場合に、厚年・共済の一元化された 場合の財政検証というものも必要になってくるのではないかと思います。その辺はどう 考えるのか。最後のところは質問です。 以上です。 ○稲上部会長 お願いいたします。 ○岡田総務課長 私の方から、社会保険庁以外の部分につきまして、ごく簡単にコメン トと御回答を試みたいと思います。 1点目の御指摘につきましては、そのようなことを受け止めさせていただいて、この 年金部会に、また法案に持っていく途中で、そこまでの段階で御報告をさせていただい て、御意見も伺いたいと考えております。これまでのプロセスの中でも、公式・非公式 ないろんな団体・関係者等のヒアリングも重ねさせてきてはいただいているということ は申し添えさせていただきます。 あと、パートの問題に関連しまして、非適用業種、5人未満といったことを含めての 議論ということでございました。今、また改めておめくりいただく必要はないんですけ れども、先ほどのパートに関する資料の中で、最後に主な論点ということで掲げました 中で、下から2番目の辺りで、そういった非適用業種、その他をどうするか。そういっ た議論も関わってくる論点であるというふうに、私どもも認識しておりまして、主な論 点の中には含めさせていただいておるところでございます。 最後の財政検証との関係につきましては、数字の問題というよりも前後関係等の問題 ですので、私の方から申しますと、被用者年金の一元化の施行時期につきましては、先 ほどの資料の中にございましたように、基本的には22年度を原則とすることになってお ります。 財政検証自体の方は、21年までにということで、ちょっと手前になっており ますので、21年の財政検証におきましては、法的には現行の制度体系の下における財政 検証、それぞれのものをということになろうかと考えております。ただ、おのずからす ぐ後に見えておることになっておるであろう、被用者年金一元化した場合、全体はどう かといったようなことも、おのずから参考数値と申しましょうか、いろいろと検証して いくことになるのではないかと考えておりますが、この辺りにつきましては、被用者年 金一元化法案を今後とりまとめて整理していきます中で、またどういう手順で、どんな ふうに、いつ、計算をどうしていくかということは、各省庁ともよく相談しながら進め てまいりたいと考えております。 ○稲上部会長 どうぞ。 ○青柳庁・運営部長 社会保険庁の話は、私の方から御説明させていただくのが適当か と思いますので、御報告をさせていただきます。 社会保険庁の在り方については、御存じのように、当初官邸に有識者会議という形で 広く、実質的に労使の御意見を代表される方も参画いただいて、まず組織の在り方とい うのを議論したという経緯がございます。 その後、基本的なお考えをおまとめていただいたことを踏まえまして、具体的な組織 をどうするかということについては、引き続き厚生労働大臣の諮問機関であるところの、 新組織実現会議で御議論をいただいたと。今日、御出席いただいている杉山委員にも、 実はそのメンバーにお加わりいただいて御議論をいただいたわけでございます。 ところが、そうやってせっかくつくりました新組織の姿について、私どもは今年の5 月に国民年金の不適性免除という、はなはだ恥かしい事態を生じさせてしまいましたこ とを踏まえて、これでも組織の在り方については、まだまだ不十分なところがあるでは ないかということが、与党を中心に御意見がわき上がった。 これを踏まえて、先日新しい組織はかくあるべしという考え方を、与党の方でおまと めをいただいて、私どもに御提示をいただいたという経緯がございます。 したがいまして、組織の議論そのものについては、既にそういった過去の官邸の有識 者会議、あるいは新組織実現会議でさまざまな御意見をいただいて、これが言わば根底 には生きている。しかし、それを実施する具体的な在り方については、与党の方で御議 論いただいたことを踏まえて、私どもとしても対応しなければならないだろうと思って おります。 したがいまして、改めて労使から御意見を伺うという形については、特段 私ども考えておりませんが、御承知のように社会保険庁の事業の進め方については、別 に事業運営懇談会というのを、これも今日御出席いただいている宮武委員に委員長をや っていただいているわけですが、設けさせていただいておりまして、事業の具体的な進 め方については、そこで御意見をいただきながら、広く御意見を拝聴するという形で進 めさせていただいておりますので、私どもとしては、例えば事業運営評議会にそういう 御報告をする中で、その場にいただきました意見を可能な限り反映していくという形で この問題は受け止めさせていただきたいと考えております。 ○稲上部会長 ほかに、どうぞ。 ○山崎委員 一元化の関係でございますけれども、この中で新しい公務員制度のところ で新3階建ての問題ということで語られています。これをどういう制度の内容にしてい くかとか、あるいは積立金運用問題など、いろいろと課題があろうかと思うんですが、 それはここの部会の中で議論すると考えてよいのでしょうか。 ○稲上部会長 お願いいたします。 ○高倉年金課長 お答え申し上げます。基本的には、そういった新3階と言われており ます部分の制度設計等については、当年金部会で細かく御議論をいただくことではない と考えております。 ただ、当然被用者年金一元化法案全体のパッケージの中で、大きな1つの項目でござ いますので、先ほどの方で申し上げました全体の今後の大綱的なものを御報告していく 中には、おのずから入ってくる可能性は多いにあると思ってございますけれども、基本 的には、それは向こうの御議論になろうかと思っております。 ○稲上部会長 どうぞ。 ○西沢委員 西沢です。1点、07年1月に出される年金財政影響試算については、お願 いと意見と申しますか。 1つは、新しい新人口推計で出生率の低下とともに、平均寿命の伸長が出て、特に男 性は長くなっていると思います。ですから、将来の所得代替率が50.2から新人口推計で 変わってくると思いますけれども、どれぐらいが出生率の低下の影響であって、どれぐ らいが平均寿命の伸長の影響なのかという内訳が目の子でもいいのでわかったらと思い ます。 と申しますのも、この出生率の低下は、子どもがたくさん生まれればという期待が込 められますけれども、平均寿命の伸長に関しましては、喜ばしいことであって、どうす ることもできないわけですから、対応可能な部分、対応できない部分というのは、仕分 けていただけるとありがたいのが1点です。 2点目が、これに関しまして経済前提を変えられるかもしれませんけれども、希望と しましては、できれば運用利回り3.2 、賃金上昇率2.1 という、平成16年財政再計算 を前提にしていただいた方が、50.2との新人口推計による差異がクリアーになっていい のかなと思います。 3点目が、潜在出生率に関してですけれども、これは私の意見ですけれども、潜在出 生率を用いて新しい計算をされるかどうかはわかりませんが、私はすることに関してや や懸念を持っておりまして、と申しますのも、やはり給付と負担というのは、先ほど年 金局長がおっしゃられた、マクロ経済スライドという保険料水準固定方式という巨大建 物がせっかくでき上がったわけですが、それでも給付と負担というのは見直さなければ いけないわけで、そこに向かうのが本筋だとは思うんですけれども、そうではなくて子 どもを生めばいいだろうといったように、どんどん話がそれていきかねない心配が少し あります。 潜在出生率で計算し直すといったことは、よりそういった方向にそれかねない心配も 若干持っておりまして、ですから、されるかどうかは知りませんけれども、潜在出生率 を用いて計算することについては若干懸念を持っているような次第です。 以上です。 ○稲上部会長 お願いいたします。 ○山崎数理課長 ただいまの御要望及び御質問にお答えいたします。 まず、1月末を目途として行います、暫定的な試算におきまして、出生の影響と寿命 の伸長の影響、これをある程度仕分けして影響がわかるようにという御要望でございま すが、こちらに関しまして、できる限りそういう方向で工夫をさせていただくというこ とで取り組みたいと思っております。 2点目でございますが、経済前提につきまして、まず16年の前提でございます、物価 が1で、賃金が2.1 で、運用利回りが3.2 という長期の前提でございますが、これがそ のままだったらどうなるかというものは、当然やることになろうかと思いますが、経済 前提について一通りだけではなくて、ある程度いい場合、悪い場合のような、幅を持っ たものをお示しすることが今後の議論の参考になるのではないかと考えておりまして、 経済前提は複数で考えていくのではないかと考えているところでございます。 併せまして、出生率に関しましても、今回の新人口推計の中位だけではなくて、高位 でございますとか、低位でございますとか、ある程度幅のあるもので、決め打ちすると いうことではなくて、幅のあるものをお示しして議論の参考にするということを考えて おりまして、その際に、いわゆる仮定人口試算に関しましても、出生率が国民の希望が ある程度かなえば、このぐらいの出生率になるというポジションが示されれば、年金財 政の影響というのは、例えば人口推計の中位の場合と高位の場合の影響がわかれば、潜 在出生率、仮定人口試算で、どのぐらいであれば大体どのぐらいの財政影響かというの は、見て取れるようになると思いますので、それをもって年金財政を安泰だということ ではなくて、あくまで、そのぐらいまで希望がかなえば、どんな姿になるかということ を試算としてお示しする。これは、仮定人口試算そのものを使ってやるということでは 必ずしもないかもしれませんが、将来の人口の姿が変われば年金財政がどのぐらい違っ てくるのかということをお示しすることは必要ではないかと思っておりまして、そちら も幅広い形で試算をお出しする方向で取り組みたいと考えております。 ○稲上部会長 ほかにございますか。 どうぞ。 ○江口委員 江口です。2、3点御質問があるのですが、まず、一元化の資料1の3ペ ージ目の、一元化の基本的な考え方についてです。8の(1)で、厚生年金に共済も加 入するということですが、そうすると一元化というのは、基本的には厚生年金に制度を 一本化するというのが、その基本的な考え方でいいのかどうかということが1点目でご ざいます。 2点目は、それと絡んで(2)に、保険料収入及び積立金を被用者全体の共通財源と するとあり、仮に一本化ということになれば、当然そういう帰結になるわけですが、た だ制度によって、成熟度を調整したとしても、積立金の過不足があるのではないか。そ ういう場合に、積立金の過不足等の取扱いというのは、細かい話ですけれども、どうな るのかが2点目です。 3番目は、資料1の1ページ目で、これは厚生年金の話ではないのですが、4月の閣 議決定の(4)で「追加費用の削減のため、税財源である恩給期間に係る給付について、 本人の負担の差に着目して27%引き下げる」とあります。これについて詳細は存じ上げ ないのですが、当然既裁定年金も含めて下げるということになると思うのです。そのと きの受給権保護なり、年金を引き下げる考え方というのがどういうものか。これは共済 の話で、厚生年金直接の話ではないのですが、おわかりになればお教えいただければと 思います。 以上3点です。 ○稲上部会長 お願いいたます。 ○高倉年金課長 それでは、ただいまの3点につきましてお答え申し上げます。 まず1点目の今回の資料1の全体の整理は、要は制度を一本化という理解でいいかと いう点については、そのとおりでございます。厚生年金保険制度に2階部分はすべて一 本化するという整理で臨んでいこうということでございます。 2点目の1・2階部分の保険料収入及び積立金を共通財源とするというときに、その 積立金につきまして、どのような形で切り分けることが過不足がないということになの かということでございますけれども、その点につきましては、厚い資料で大変恐縮です が、積立金の年金一元化の関係資料の38ページ目に、4月の閣議決定の際に決めたもの でございまして、この整理でやっておりますけれども、それを御説明させていただきた いと思います。 「積立金の仕分け」でございます。現在の共済年金は、1・2階部分も3階部分も当 然一体の年金財政になっておりますため、明確な区分がございません。一元化に際しま して、厚生年金の方は、1・2階部分の給付だけを行っておりますので、どういう形で 共済の積立金というものを仕分ければ、おっしゃったような意味で過不足のない、見合 った水準と言えるのかということにつきまして議論があって、その結果としまして、バ ランスを確保するため、保険料で賄われる1・2階部分の年間支出に対比して、何年分 を保有しているか。いわゆる積立比率がそろうように1・2階部分の積立金を仕分ける という整理を基本として分けるということが、全体として公平であろうという考え方に 立っているということでございます。 3点目、最後の追加費用の給付の減額の考え方。また、それが財産権との関係で、ど のような整理になったのかということでございますけれども、同じ資料の束の4月28 日の閣議決定自体に中身がございまして、29ページでございます。言葉の部分で恐縮で すが、今回の12月19日の資料では、結論として27%減額するというところだけ要約し て書いてございますが、この29ページにございます。4月28日の閣議決定の真ん中ほ どにある、3の(2)の(1)で詳細は示してございます。共済年金制度発足時には、対俸 給で労使折半8.8 %の保険料で発足しておりますので、本人負担が4.4 %ということで ございます。 それに先行しておりました恩給期間、これは社会保険方式では全くないわけでござい ますが、一定の謝意を表するため、詳細な制度説明は確認できておりませんで恐縮です が、現実問題としては恩給納金という名称で、対俸給2.0 %は御本人が納めていたとい うことがございます。 したがいまして、ここの4.4 と2.0 の差の2.4 を全体の8.8 で割りまして、27%相 当ということで、こういった本人負担の差異に着目して、その分が、言わば負担が少な かった割に給付は全部付いていた分だろうと考えて、そこの部分を減額することにした ものでございます。 今のを絵で描いているのは11ページでございました、大変失礼いたしました。全体の パッケージの中の11ページに、今、申しましたことを図示させていただいてございます。 恩給納金と本人負担との差を、全体の共済が発足したときの8.8 %に占める比で見た場 合に、27%減額ということでございます。 そういたしますと、恩給期間の長短によりまして、どれだけ減額するかが変わってま いりまして、それこそ共済期間がほんの1年ぐらいしかなくて、全部前の恩給期間だっ たという場合には、年金額の減額がほとんど27%そのものになってしまうということに なりますが、これは11ページの「2 配慮措置」の方に書いてございますけれども、や はり憲法上の財産権であるということから、先行する類似の判例等でつくり上げられて おります理論に即して、政府内で検討いたしまして、また与党とも御相談して、最終的 には全体として恩給部分と共済期間を合わせた合計の共済年金額で見て、10%を上回る 削減はしないと。この事後法による財産権の制約につきましては、10%以内、1割以内 にとどめるという配慮を設ければ、1つには財産権に対する配慮としていいのではない か。 また、2つ目で、もう一つ低額の年金の方についてまで、そのような減額をすること は、生活保障という観点からどうかということで、年額250 万円以下にはしないと。そ れ以下の方は、全く減額しないということを含めて、このような配慮措置を設けること によりまして、一方での財産権保証の要請、そして他方ではそもそも全体の今回の財源 の節約、あるいは公平感の確保、こういった公共の福祉の観点から減額すると、両者の 調和が取れるのではないかと考えたというのが議論の経緯でございます。 以上でございます。 ○稲上部会長 どうぞ。 ○山口委員 1つだけ、今の関連で教えていただきたいんですが、積立金共済と厚生年 金の積立金の仕分けで、さっき資料の38ページの比率でもって、1・2階部分の仕分け をするという御説明をいただいたんですが、厚生年金の場合には、厚生年金基金とかい う形で企業年金をやっておりますけれども、その部分の積立金とか、厚生年金基金に関 わる給付といったような部分の取扱いというのは、どんなふうになっているんでしょう か。 ○稲上部会長 お願いいたします。 ○高倉年金課長 そこは、厚生年金基金の代行部分についても、これは厚生年金保険法 で公的年金として保証している水準ということに係る積立金でございますので、その部 分も含めまして、厚生年金の持っている年数、積立金の比率の中には入れて、それに見 合うものは共済さんからも仕分けしていただくという考え方を基本に詰めていこうと考 えております。 ○稲上部会長 どうぞ。 ○杉山委員 杉山です。私は、少子化であるとか子育て支援といった分野で仕事をして いる人間として、ここに参加させていただいているわけなんですが、前回に引き続き議 論させてもらって、資料4−2の将来推計人口のところで、前回の議論のときも1.39 というのは、ちょっと甘い中位推計ではないかという話が出たんですが、やはり今回1. 26になったというところで、ずっと少子化の問題をやりながらも、まだ十分改善されて いない現状があるということと、それから若い方たちに対して相当厳しい負担が強いら れているという現状の中の年金制度であるというところを踏まえながら、この議論を進 めていきたいと思っています。 今すぐどうというわけではないんですけれども、今後の議論としてお願いしたいのは、 やはりこういった少子化で、国としてどういう取組みをしているのかということを、随 時情報提供という形で資料を出していただきたいということと。 あと若者に対して、どういう負担になっているのか、現状はどうなのかというところ、 特に働き方の部分なども、なかなかこういう議論の中で具体的なイメージはつかみずら いかと思うんですが、そういったものが見えるような形で資料の方をおつくりいただけ たらと思っております。 よろしくお願いいたします。 ○稲上部会長 お願いいたします。 ○高倉年金課長 今後の年金部会の議論の中で、今、御指摘いただいたような点につい ても、参考情報をできるだけ工夫をさせていただきたいと存じます。 ○稲上部会長 よろしゅうございますでしょうか。 もう一つ議題がございますので、進まさせていただきたいと思います。 次に、今後の部会の進め方についての説明と、それに関連して、当部会の下に「パー ト労働者の厚生年金適用に関するワーキンググループ」と「経済前提専門委員会」を設 置することにつきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。 ○岡田総務課長 資料5、6、7に基づいて御説明させていただきますが、最初に資料 6をごらんいただきたいと思います。 先ほど数理課長からも説明いたしましたように、財政検証に当たりましては、人口要 因だけではなくて、経済的な要因も多く関わっているということで、この部会の下に財 政検証に当たっての経済前提について、専門的・技術的な検討を行います、経済前提専 門委員会を設置することとさせていただいたらどうかと考えております。部会の委員の 一部の方と、経済などの専門家の方に御参加いただくような形で設置したらどうかと思 っております。 検討のスケジュールでございますが、御了承いただけましたら、来年1月に第1回を 開催して、随時開催したいと思っております。 その中で、備考のところにありますが、職業安定局で作業が行われます、労働力人口 の見直しなど、これは前回14年7月に発表されていますが、そういうものを踏まえて検 討を進めていくということを考えておりまして、19年の11月か12月ごろに検討結果を とりまとめていただきまして、部会に御報告いただくということにしてはどうかと考え ております。 資料7でございますが「パート労働者の厚生年金適用に関するワーキン ググループ」の設置についてでございますが、先ほど年金課長の方から説明いたしまし たように、被用者年金一元化法案に合わせて、パートについても検討してくれという総 理からの御指示がございますので、そういうことを踏まえまして、関係者からのヒアリ ング、資料の収集などを行って、パート労働者の就業実態を踏まえた適用の在り方を検 討するために、部会にパート労働者の厚生年金適用に関するワーキンググループを設置 したらどうかと考えております。 ワーキンググループにおきましては、パート労働者を多く雇用する業界の団体、経営 者・労働者の代表などのほか、例えば個別の企業であるとか有識者から幅広くヒアリン グを行った上で、適用拡大の在り方について検討をし、その結果については、年金部会 に御報告をいただくということを考えてはどうかと思っております。 このワーキンググループにつきましては、部会の委員の一部の方から構成する形にし たらどうかと思っております。 「3.その他」のところにありますが、議事は公開として、企業の正当な利益を害す るおそれがある場合には、非公開とすることができる。 更に、ワーキンググループに指名された委員以外の委員についても、座長の許可を得 てワーキンググループに出席することができるという形にさせていただいたらどうかと 思っております。 それを併せまして、資料5で全体のイメージを御説明させていただきたいと思います。 今後の進め方でございますが、18年12月、本日の第1回を行いまして、最初に財政検 証の大きな流れについて御説明いたしますが、1月末に先ほど数理課長から御説明しま した暫定的な試算を公表いたしますので、それを2月、3月に行われます部会に御報告 をさせていただきたいと思っております。 別途専門委員会の方で、経済前提について検討を進めておりますので、その結論が得 られました11月、12月ごろに、その検討結果を御報告いただきまして、部会でそれに ついて御議論していただいた上で経済前提を決めていただく。それを基に財政検証の作 業を、部会での議論を行いながら進めていったらどうかと思っております。 また、これを踏まえまして、給付と負担の基本についての御議論もこの時点でされる ことになるのではないかと考えております。 それで、最終的には20年の冬に、財政検証の結果案を部会としておまとめいただけれ ばと思っております。 そのまとめていただきましたものを踏まえて、政府として21年2月ごろまでに検証結 果をとりまとめ・公表するような形にさせていただければと思っております。 パートの問題につきましては、年明けから、先ほどのワーキンググループで精力的に ヒアリングなどを行っていただいて、来年の2月、3月に2回程度部会を開催していた だきまして、そこの場で適用に関する議論と整理、ワーキンググループからの報告など も受けまして、部会でも議論と整理をさせていただきたいと思っております。 2月、3月の部会におきましては、企業年金研究会を別途開催しておりますが、その 状況の報告。それから、先ほど御指摘ありました被用者年金一元化の法案作業などに関 する御報告なども、この場でさせていただいたらどうかと思っております。 それから、その2月、3月の下にありますが「状況に応じて数回程度開催、今後の検 討課題について議論」ということですが、これについて次の資料5の2枚目を基にして 御説明をさせていただきたいと思っております。 冒頭の局長からのあいさつでも申し上げましたとおり、平成16年の改正におきまして、 給付と負担の長期的・安定的な枠組みを構築した中で、今回はそれ以外の制度的諸課題 にも目を向けることができる時代に入ったのではないかと考えておりまして、こういっ た課題の例として、これまで審議会、国会などにおける議論や指摘を踏まえて、今後の 検討課題として年金部会において議論を要する可能性があるものということで整理させ ていただいたものでございます。すべて網羅するということではなくて、あくまでも例 示としてお示しすると、次のようなものがあるのではないかということで、5つの項目 を並べさせていただいております。 最初の「パート労働者への厚生年金適用」の問題につきましては、もう既に御議論が ございましたので、御省略をさせていただきます。 2つ目の「国民年金・厚生年金の被保険者の対象年齢」でございますが、国民年金の 適用対象年齢につきましては、原則20歳以上60歳未満ということにされております。 厚生年金の適用年齢につきましては、70歳未満ということにされておりますが、制度発 足時と比べまして、一般的な終了時期が後ろにずれているとか、弱年層の意識の問題、 逆に平均寿命が伸びて厚生年金の支給開始年齢が引き上がっているという状況が大きく 変わってきているということがございます。そういうものを含めまして、この被保険者 の対象年齢をどう考えるかということについて御議論いただく必要があるということで 整理をさせていただいております。 制度的に見ましても、近年、国民年金の任意加入制度が70歳までに延長されるである とか。厚生年金の加入上限が70歳までに延長されるというような制度の見直しが行われ ているほか、学生に対する国民年金の適用との関係で、対象年齢の見直しというものの 必要性の指摘もあるところでございます。 3つ目の「厚生年金の標準報酬月額の上下限」の問題でございますが、この標準報酬 月額につきましては、厚生年金と一括適用しています健康保険制度との関係でございま すが、健康保険制度におきましては、さきの医療保険制度改革におきまして、標準報酬 の上限が121 万円に引き上げられて、最低等級が5万8,000 円、厚生年金が現状の上限 が62万で、下限が9万8,000 円でございますが、そういう形で健康保険と年金で大き く隔りができているという問題がございます。 更に低賃金の方が多いと見込まれます、パート労働者に対する適用の在り方を考える ときにも、こういった点についても配慮が必要ではないかということで、1つの議論が 必要な点ではないかということで考えております。 4つ目の「老齢年金の在職支給停止」でございますが、これについては、従来から働 いても不利にならないようにすべきだと。在職支給を拡大するという御意見がある一方 で、現役サイドのバランスから一定の賃金を有する方については、ある程度給付を抑制 すべきだというような、相反する議論が従来からずっと行われてきたわけでございます。 今後、労働力人口の減少が見込まれる中で、一層高齢者雇用の促進を図っていくこと が必要ではないかという御議論もございます。その中で、老齢年金の在職支給について、 どういうふうに考えていくのかというのは、1つ検討されるべき大きな課題なのかと考 えております。 最後の「加給年金等や各種経過措置」の問題でございますが、女性のライフスタイル が多様化する中で、加給年金といった扶養的な要素に着目した給付につきまして、どう いうような在り方が必要なのかということを議論していただくことが考えられると思っ ております。これにつきましては、女性と年金研究会、前回改正に際して行われました 研究会においても、さまざまな議論が行われましたし、国会においてもさまざまな議論 が行われているということでございます。 また、制度創設時や類似の改正のときに設けられました各種の経過措置についても、 全体もう少し見直しが必要ではないかということを検証していくのも、1つの議論すべ き課題だと考えております。 一応、我々としてとりあえずこういう形で整理させていただきましたが、委員の皆様 におかれましては、今後部会におきましての議論で、この項目にとらわれず、自由闊達 な御議論をお願いしたいと考えております。 以上でございます。 ○稲上部会長 どうもありがとうございました。 ただいま御説明がございました、資料5の2枚目の後段の(例)でございますが、こ れにつきましては、今日この場で御議論いただくということではございませんで、1つ の例としてお示しをいただいているというふうに御理解いただきたいと思います。 資料6と7につきまして、特に御異論がないようでございましたならば「経済前提専 門委員会」及び「パート労働者の厚生年金適用に関するワーキンググループ」の設置に つきまして、御賛同いただけたということにさせていただきたいと思いますが、何か御 異論がございますでしょうか。 どうぞ。 ○岡本委員 ワーキンググループの設置につきましては、大変いいことだと思いますの で、是非ここでよく検討をいただきたいと思いますが、1つだけお願いをさせていただ きたいと思います。 ここにありますように、業界の団体、経営者・労働者の代表等、幅広くヒアリングを ということで、これは大変結構だと思うんですが、前回の16年のときも議論がありまし たように、短時間労働者というのは就業・雇用形態の多様化というものの実態は、種々 さまざまでありまして、親に扶養されながらアルバイトしている学生もあれば、年金を 受給しながら、それでは生活できないから生活補助のために短時間労働で生活費を工面 している方であるとか。あるいは主婦でも、時間があるから仕事をしている方もあれば、 やはり生活に困って一生懸命働いている方とか、言ってみれば若い方から高齢者までの 就業形態、雇用形態ということではなくて、生活を踏まえた実態が必要に多様化してい るのは、この労働市場で働いている方々の実態だと思いますので、是非ともそういう短 時間労働をしておられる方々が不在になった議論にならないように、是非ともよくヒア リングの段階でもそういうものを踏まえて、地に着いた議論をしていただくということ を、是非ともワーキンググループの皆さん方にお願いしておきたいと思います。 ○稲上部会長 どうもありがとうございました。 ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○樋口委員 ワーキンググループと専門委員会をつくるのは結構ですし、是非やってい ただきたいと思いますが、今後の財政検証等々を考えたときに、この雇用形態の多様化 というのがほとんどその中に出てきてない感じがするんです。 例えば労働力率が何%になりますというふうに言っても、その中が実はパート労働者 が増える労働力率であるのか。それとも一般労働者、正社員が増える労働力率であるの か。これによって、恐らく財政的な負担が大きく違ってくるんだろうと思います。 例えば現役世代の50%と言ったときにも、どちらを考えていくのか。特に50年、100 年というスパンで考えたときに、大きくそこが違ってくるわけでありまして、労働力率、 例えば労働者が1人増えますといったときに、労働時間という概念を考えていかないと、 今後もう対応し切れないのではないかと思うんです。 例えば1人増えるというのが、週20時間労働者が増えるのか。それとも40時間、60 時間という人たちが増えるのか。これによって、その後の見直し、財政検証のところの 数値等々についても大きく違ってくる可能性があると思うんですが、今までここのとこ ろはどういう扱いになってきたのか。私の見る限り、そこのところは必ずしも十分検討 されてこなかったのかと思っているんですが、このパートの問題を考えるについては、 そこのところを検討課題として挙げていただきたいと思います。 以上です。 ○稲上部会長 どうぞ。 ○山崎数理課長 平成16年の財政再計算におきましては、将来の人口に対しまして、労 働力率が伸びていくということは、職業安定局の見直しの基におきまして、年齢ごとで ございますが、それで労働力人口に対しまして、その年齢ごと、あるいは性別ごとに、 今、厚生年金の被保険者、正確に言いますと共済も含めた被用者年金の被保険者が、ど れぐらいの割合を占めているかという足元の状況、こちらの比率を基本的に固定するよ うな形で将来の推計を行うということで、そういう意味では、足元の労働力人口に占め る、言わば正規労働者、あるいはそれに近いような方々の比率というものが足元の状況 で将来に投影されていく見込みとなっていたということでございまして、そういう意味 ではそこのところ、将来、労働力人口の内容の構成がどう変わるというところに関しま しては、なかなか確たる見込みもない中で、一応財政再計算の基本的な見込みは、現状 の状況を将来に投影するというものでございますので、その考え方に沿って行ってきた というのが、16年のときの考え方でございます。今後これをどのように改良していくや り方があるかということにつきましては、よく研究してまいりたいと存じております。 ○稲上部会長 よろしゅうございますか。どうぞ。 ○岡本委員 予定の時間を過ぎておりまして、失礼でございますが、1点だけお話をさ せていただきます。 今日、冒頭、渡邉局長の方からごあいさつの中で、公的年金の意義、特に国民皆保険 の意義についての御説明があり、また今後の議論については長期的な時間軸を意識して、 よりよい制度をつくるために議論をしていきたいということで、全く私も趣旨は賛成で ございまして、そういう立場で議論していくべきだと思っております。 同時に、この社会保障制度の、特に年金問題は、国民の皆さん方の制度に対する信頼 性、あるいは納得性というのが基本でございまして、今後短時間労働の議論をするにし ましても、国民のそうした信頼なり納得がございませんと、いい議論ができないわけで ございますので、是非とも国民の公的年金に対する不信が生じないように、信頼を高め るように、ひとつそういう意味で、政府あるいは行政の皆さん方の御努力を是非ともお 願いして、たま、今後いい議論ができるように是非ともお願いしたいと思っております。 ○稲上部会長 どうもありがとうございました。 それでは「経済前提専門委員会」及び「パートタイム労働者の厚生年金適用に関する ワーキンググループ」の設置につきましては、御賛同いただけたというふうにさせてい ただきたいと思います。 なお、この部会からメンバーとしてお入りいただきます方ですが「パートタイム労働 者の厚生年金適用に関するワーキンググループ」につきまして、江口委員、権丈委員、 杉山委員、林委員、樋口委員、宮武委員の6名の方々です。 また「経済前提専門委員会」につきましては、江口委員、権丈委員、樋口委員、山口 委員、米澤委員の5名の方にお願いしたいと考えております。 更に先ほど御説明もございましたけれども「経済前提専門委員会」につきましては、 これら5名の方々のほかに、御専門の立場から有識者の方にお加わりいただくことにつ きましても、御了解を得たいと考えております。 よろしゅうございますでしょうか。 (「はい」と声あり) ○稲上部会長 どうもありがとうございました。 主な議題はここまででございますが、何かこれ以外の点で御発言がございましたらお 伺いしたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。 それでは、予定の時間になっておりますので、本日の審議を終わらせていただきたい と思います。 次回の日程につきましては、追って事務局から御連絡するようにいたします。 本日は、どうもありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省年金局総務課企画係 03-5253-1111(内線3316)