06/12/27 第1回病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会議事録 第1回病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会 日時 平成18年12月27日(水) 13:00〜 場所 厚生労働省専用第15会議室(7階) ○企画官(中村)  定刻になりましたので、第1回「病院における薬剤師の業務及び人員配置に 関する検討会」を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、 年末の大変お忙しいところご出席いただき、ありがとうございます。議事に入 る前に、私から本検討会の委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと思いま す。  社団法人日本病院薬剤師会会長、伊賀立二委員。  社団法人日本歯科医師会専務理事、内山文博委員。  東京都福祉保健局医療政策部医療安全課長、大井洋委員。  納得して医療を選ぶ会、倉田雅子委員。  千葉大学大学院医学研究院教授、附属病院院長、齋藤康委員。  社団法人日本医師会常任理事、鈴木満委員。  社団法人全日本病院協会副会長、手束昭胤委員。  社団法人日本医療法人協会会長、豊田堯委員。  社団法人日本看護協会常任理事、廣瀬千也子委員。  群馬大学大学院医学系研究科教授、附属病院薬剤部長、堀内龍也委員。  社団法人日本病院会副会長、村上信乃委員。  社団法人日本精神科病院協会副会長、山崎學委員。  社団法人日本薬剤師会副会長、山本信夫委員。  青山学院大学経営学部教授の三村優美子委員ですが、本日は所用によりご欠 席と伺っています。  続きまして、事務局を紹介させていただきます。医政局長の松谷、医政・医 療保険担当審議官の白石、医政局総務課長の二川、医政局総務課医薬安全推進 室長の佐原は少し遅れております。医薬食品局総務課薬事企画官の関野、私は 医政局企画官の中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。議事次第と座席表のほか にお手元の資料をご確認いただければと思います。資料は1から3までありま して、資料1「当検討会の概要及び委員名簿」、資料2「病院薬剤師の人員配 置基準に関するこれまでの議論等」、資料3「日本病院薬剤師会における調査 実施(案)」。参考資料が1から3までありまして、参考資料1「病院における 薬剤師の人員配置の状況について」、参考資料2「病院における薬剤に関連し た医療事故の事例について」、参考資料3「プレアボイド報告の事例について」 の資料をお付けしていますので、もし足りないようであれば事務局にお知らせ 願いします。 続きまして、事務局を代表して医政局長の松谷からご挨拶を申 し上げます。 ○医政局長  医政局長の松谷でございます。委員の皆様方には大変お忙しい中、当検討委 員をお引き受けいただきまして、感謝申し上げる次第でございます。またこの ように、第1回の検討会を年の瀬の押し迫ったところで開くことになったわけ ですが、お忙しい中お集まりいただきまして、改めて御礼を申し上げたいと思 います。  病院における薬剤師の人員配置につきましては、ご承知のことと存じますが、 長い間調剤数を基準として定められていたわけですが、平成8年の医療審議会 におきまして入院患者数などを考慮した考え方に改めるという方向が出され、 平成10年12月から入院患者数と外来患者にかかる取扱処方せん数を基準とす る考え方に変わったところです。  当時の見直しに当たりましては、3年後を目処に見直すということで、平成 13年に「病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会」が開催されたわ けですが、ここの結果では、平成10年に定められた基準を、直ちに変更する 必要性は認められないということとされたところで、今後の薬剤師の需給、業 務内容や配置状況、薬剤師養成における臨床教育の充実等の進展を踏まえまし て、更に3年後を目処に人員配置基準の検討を開始すべきだとされていたわけ です。こうした経緯を受けて、平成17年12月、ちょうど1年前に取りまとめ られました社会保障審議会医療部会の「医療提供体制に関する意見」において、 病院薬剤師の人員配置基準については、検討会を設置してこれまでの経緯等を 踏まえた具体的な検討を行うよう指摘され、これを受けまして本検討会を開催 することになった次第です。  病院の薬剤師の業務は、患者さんに対して適切かつ安全な薬物療法が行える よう、調剤行為はもちろんのことですが、それのみならずチーム医療に積極的 に参画をして、病棟における服薬指導等を行うことなどが求められてくるわけ です。それらの業務は医療技術の進展等により、高度化・多様化をしてきてい るところはご承知のとおりだと思います。病院における薬剤師の人員配置のあ り方を考える上では、まず、病院薬剤師が何をすべきなのか、その業務と役割 について、ご議論をいただき整理をすることが重要であると考えています。  そのため、本検討会においては、病院における薬剤師の業務と人員配置状況 について、その実態を調査した上で、病院における薬剤師のあるべき業務と役 割を中心としまして、ご議論、整理をしていただき、あるべき業務と役割を踏 まえて、人員配置のあり方についてもご検討いただきたいと考えています。  こうした本検討会の開催の趣旨につきまして、ご理解をいただき、各委員の 皆様におかれましては、それぞれの幅広い視点からご意見を賜りますよう、お 願いを申し上げまして、私の冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろ しくお願いを申し上げます。 ○企画官  医政局総務課医薬安全推進室長の佐原が遅れてまいりましたのでご紹介さ せていただきます。  続きまして、本検討会座長についてお諮りします。事前に委員の皆様にご相 談をさせていただいておりますが、座長には千葉大学医学部附属病院の院長で いらっしゃいます齊藤委員にお願いをしたいと存じますが、いかがでしょうか。          (異議なし) ○企画官  ありがとうございました。また、座長がご不在の場合に議事の進行をお願い する座長代理につきましては、本日ご欠席ですけれども、青山学院大学経営学 部教授の三村委員にお願いをしたいと存じますが、いかがでしょうか。          (異議なし) ○企画官  ありがとうございます。それでは委員の皆様方のご賛同を得ましたので、齋 藤委員に座長を、三村委員に座長代理をお願いいたしたいと存じます。齋藤委 員は、恐れいりますが、座長席にお移りください。  それでは座長から一言ご挨拶いただきましたあと、議事の運営をよろしくお 願い申し上げます。 ○座長(齋藤委員)  ただいま局長からお話がありましたように、今回は薬剤師の業務及び人員配 置に関する検討会ということですが、業務と申しましても、大変専門性が高く なってきている業務の1つではないかと理解しています。そのような専門性あ るいは大変重要な技術、技能を持った人たちを、病院の中でどのように活躍を していただくかということも、大変重要な視点ではないかと思います。そのよ うなことも含めまして、活発な議論をしていただきまして、優れた適切な業務 内容を明らかにしていきたいと思いますし、それに基づいた人員配置について も議論を深めていきたいと思います。このようなご議論の進行役を勤めさせて いただきます。よろしくお願いいたします。  議事に入らせていただく前に、委員の方がご欠席の際に代りに出席される方 の扱いについてお諮りしたいと思います。本検討会は、委員欠席の際に代りに 出席される方に関しては、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること及び当 日の検討会において承認を得ることにより、参考人として参加し発言をいただ くことを認めることにしたいと存じます。以上のような取扱いでよろしいでし ょうか。                  (異議なし) ○座長  ではそのようにさせていただきたいと思います。次に当検討会の進め方につ いて確認をしたいと思います。当検討会については公開で行い、議事録につき ましても、事務局でまとめたものを各委員にお目通しをいただいた後に、厚生 労働省のホームページで公表したいと思いますので、この点についてもご了解 をお願いいたします。  それでは議事に入ります。まず事務局から本検討会の趣旨やスケジュールに ついてご説明をお願いいたします。 ○専門官(飯村)  資料の1をご覧ください。本検討会の開催趣旨ですが、大枠としましては、 先ほどの医政局長の挨拶にあったとおりです。昨年の12月の社会保障審議会 医療部会の意見におきましては、病院薬剤師の人員配置の標準について、これ までの経緯等を踏まえた具体的な検討を行うように指摘されております。一方 で、病院における薬剤師の業務が、調剤や病棟における服薬指導等に加えて、 医薬品管理の事故防止など、医療技術の進展等に伴い高度化・多様化している 中で、その行うべき業務と役割を整理することは、人員配置を検討するうえで 重要であると考えております。このため本検討会におきましては、病院におけ る薬剤師の業務と人員配置状況についてその実態を調査したうえで、病院にお ける薬剤師の業務と役割を中心にご議論をいただきまして、あるべき業務と役 割を踏まえた人員配置のあり方についてもご議論いただきたいと思います。  スケジュールですが、本日はこれまでの経緯等に関する概要をご説明申し上 げた後に、病院における薬剤師の業務と人員配置のあり方を検討するうえで、 議論すべき点等のご意見を賜りまして、業務と人員配置に関する実態調査の実 施についてご検討いただく予定になっております。次回はその実態調査の結果 報告を行いまして、病院薬剤師の業務のあり方を中心にご議論いただきまして、 来年の夏を目途に報告書を取りまとめていただければと考えております。 ○座長  どうもありがとうございました。ではそのような手順でまいりたいと思いま す。では、これまでの経緯などについて事務局よりご説明をいただき、病院薬 剤師の業務と人員配置のあり方を検討していくうえで議論すべき点などにつ いて、ご意見を賜りたいと思います。では、資料についてのご説明をお願いし ます。 ○専門官   資料2をご覧ください。「病院薬剤師の人員配置基準に関するこれまでの経 緯等」という資料です。1は、現在の病院、診療所における薬剤師の人員配置 基準についてまとめております。今回ご議論いただきますのは、病院における 薬剤師ですが、参考に診療所等に関しても記載してあります。現状は、医療法 の施行規則におきまして、病院における薬剤師の人員配置標準が規定されてお ります。外来患者に関して、処方せん75枚に1人。入院患者に関しまして、 原則としては70人に対して1人が基準となっております。大学附属病院、内 科、産婦人科、外科等を有する100床以上の病院は、70人に1人という細かな 規定があり、精神病床と療養病床は150人に対して1人といった基準になって おります。  参考までに、診療所に関しては特段の規定はありませんので、実態に応じた 配置をいただくということになっています。また、病院または医師が常時3人 以上いる診療所に関しては、専属の薬剤師を置くということが医療法第18条 に規定されております。これに関しましては、都道府県知事の許可を受けた場 合には、その限りではないということになっています。  一方で高度な医療を提供する特定機能病院に関しては、医療法施行規則にお いて法定の人員数が規定されております。こちらは、入院患者30人に対して 1人ということになっておりまして、調剤数80に対して1人というのも標準 とされております。これが現状の配置基準でございまして、入院患者70人に 1人が原則となっているという状況です。  続きまして2頁目をご覧ください。これまでの病院の薬剤師の配置基準の変 遷についてです。医療法の施行規則で、昭和23年の制定当初ですが、調剤数 を80またはその端数を増すごとに1人という規定が長らく続いておりました。 平成10年12月30日の医療法施行規則の一部改正等において、それ以前の審 議会における議論等を踏まえまして、入院患者に関する規定も設けることとな っております。  「改正理由」のところに書いてありますとおりに、調剤技術の進歩により調 剤に係る業務が減少する一方で、服薬指導や薬歴管理等の病棟における業務が 増大するなど、大きく業務の内容が変化してきているということから、昭和23 年に定められた病院薬剤師の人員配置基準が実態に合わなくなったとして、入 院患者を規定とするような基準になっています。この内容が、処方せんが75 枚に1人、入院患者は70名に1人を原則とするという現状に近い規定でござ います。  また、平成13年3月1日に病床区分の見直しに伴う医療法施行規則の一部 改正が行われております。このときは、基本的には平成10年のときの経過措 置を撤廃したということがあっただけで、原則としては入院患者70名に1人 を配置するということに変更はございません。また、2頁の下のほうに記載し てありますが、特定機能病院におきましては、平成5年4月から入院患者30 名に1人というような基準を設定しております。  3頁目をご覧ください。これまでの病院薬剤師の人員配置の検討の経緯です。 先ほどご説明しましたように、昭和23年の医療法制定当時から調剤数に基づ いて規定されていたのですが、平成8年4月25日の医療審議会における「今 後の医療体制のあり方について(意見具申)」におきまして、病棟単位に薬剤 師を1名配置するなど、入院患者数等を考慮した基準に見直すことが適当であ るという旨の提言をいただきました。それを受けまして、平成10年10月7日 の医療審議会において、薬剤師の人員配置の標準の見直しについての諮問をさ せていただきまして、答申をいただいております。  その内容が、上記提言を受けて医療審議会で検討した結果、これまでの調剤 数による基準から、入院患者・外来患者を考慮した基準に改正することを了承 するという内容です。審議会の意見としては、「3年後を目途に、病院薬剤師 の業務の実態及び薬剤師の需給の状況を踏まえて、人員配置基準の見直しを行 うこと」とされております。これを受けまして先ほど説明したように、平成10 年12月から入院患者70名に1人という基準も設定しております。  また、この10年の3年後の見直しという指摘を踏まえまして、平成13年3 月に「病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会」を設置しまして、 検討をいただきました。その報告を平成13年10月26日にまとめていただい ております。内容は、議論いただいた結果ですけれども、現時点では、平成10 年に定めた基準を直ちに変更する必然性は認められなかったが、今後薬剤師の 需給、業務内容や配置の実態、薬剤師養成における臨床教育の充実等の進展を 踏まえ、3年後を目途に人員配置基準の検討を開始すべきとされております。 この平成13年当時の報告書に関しましては、後ろの4頁に添付してあります のでご参考にしてください。  3頁目の下のところですが、13年の「3年後を目途に」ということを受けま して、昨年12月にまとめていただきました社会保障審議会医療部会における 「医療提供体制に関する意見」の中で、病院薬剤師の人員配置標準について検 討会を設置し、これまでの経緯等を踏まえた具体的な検討を行うという意見を いただきました。これを踏まえまして、今般この検討会を立ち上げた経緯です。 以上が資料の2番です。  続いて本日参考資料としてお配りしております資料3つについて、説明を簡 単にさせていただきます。まず参考資料の1をご覧ください。「病院における 薬剤師の人員配置の状況について」の数字です。1頁目が病院における薬剤師 数及び100床当たりの薬剤師数の推移です。横表になっておりますが、隔年10 月1日時点の現在の数字を病院報告よりまとめた数字です。昭和62年当時は 薬剤師数は約3万人おりまして、100床当たりが2.0人という状況でした。こ れが年々増えてきておりまして、平成2、5、8年と3年ごとに3,000人ぐら いずつ増えている状況が続いておりました。平成8年以降は4万人程度という ことで推移しているという状況です。平成17年の数字ですが、常勤換算で4 万119.6人、100床当たりでは2.5人、実人員数ですと4万2,618人。100床 当たりですと2.6人といった現状の数値です。  2頁目。こちらは病院における薬剤師の人員配置基準の適合率に関する資料 でございます。これは医療法25条に基づく立入検査結果に基づいて集計した もので、数値は平成16年度の調査のものです。(1)に薬剤師の適合率の推移 がありますが、平成12年からの当時の適合率は84.9%だったものが、年々改 善が見られておりまして、平成16年では89.6%と、約90%の適合率となって おります。参考としましては、医師の適合率が83.5%、看護師の適合率が99.1% となっておりまして、薬剤師は医師と看護師の中間の適合率となっているとい う状況です。  2頁目の(2)ですが、これは、それを地域別の適合率に集計したものです。 (1)は西日本と東日本に分けたブロック別のものです。こちらに関しましては平 成16年の数字ですと、全国89.6%に対して東日本が89.6、西日本は89.7と いうことで、適合率は東日本と西日本での差は見られないといった傾向です。 さらに細かくそれを地域別に分けたものが2頁目の2の表です。これを見てい ただきますと、地域の偏在が多少見られてくるという状況です。低い傾向にあ るのが、北海道・東北地方、中国地方が平均より下回るという傾向がありまし て、関東地方や近畿地方が平均を上回るといったような傾向が見られます。  3頁目です。こちらは病床規模別の適合率の数字です。一般病床をご覧いた だきたいのですが、おおむね病床数が増加するほど薬剤師の配置状況も改善し ているという傾向がありまして、いちばん苦労されているのが20床から49床 という小規模の病院で、薬剤師の適合率が低いといった傾向が見られます。以 上が参考資料1の説明です。  続いて参考資料2をご覧ください。こちらは「病院における薬剤に関連した 医療事故の事例について」ということでお配りしたものです。昨日報告書とし て発表されました、医療事故情報収集等事業の第7回報告書から、薬剤に関す る部分を抜粋した資料です。  3頁目をご覧ください。昨日発表された報告書は、平成18年7月1日から 平成18年9月30日の間に報告された医療事故のうち、薬剤に関連した事例16 について記載されているものです。この制度ですが、財団法人日本医療機能評 価機構に業務を委託しているもので、特定機能病院等の273病院に報告義務を 医療法施行規則でかけておりまして、そのほか任意で298の病院にご協力をい ただきまして、報告をいただいている制度でございます。  4頁目の(3)にありますが、ヒヤリ・ハットの事例に関しましても、参加 登録をいただいた約1,300の医療機関にヒヤリ・ハット事例の報告をいただい ております。こういったものを取りまとめまして、病院で起きました医療事故 やヒヤリ・ハット事例の情報を共有し、同様の事例の防止に役立てるといった ような制度です。  5頁目です。昨日の報告書に抜粋されているのは薬剤に関連した医療事故16 例です。5から6頁にまたがって16例が記載されています。こういった薬剤 に関する医療事故を防止するために、薬剤師がどういった業務を行っていくの か、この辺が今回ご議論いただく点の主要な課題かと思っています。例えば説 明させていただきますと8番の事例ですが、こちらは週2日(計3回)内服し ていた入院時の持参薬、こちらの抗リウマチ薬・葉酸代謝替抗剤を病状の変化 により病院管理としたところ、誤まって連日与薬し、過剰投与となった事例で す。この点は、持参薬の管理をきちんと病院内で薬剤師や医師、看護師が連携 して管理することによって防げる事例ではないか、ということが報告されてい ます。  ヒヤリ・ハットの事例に関しては、12頁から具体的な事例が紹介されており ます。調剤に関するヒヤリ・ハット事例が50何件か報告されておりますが、 いちばん目立つのは、薬剤師の調剤時の単純ミスのようなものが目立っており ます。こういったものもどのように防止していくのかというのが薬剤師の業務 として重要な部分になると思います。こちらが昨日公表されました、医療事故 の収集事業の第7回報告書の抜粋でございます。  続いて参考資料3をご覧ください。「プレアボイド報告の事例について」と いう資料です。このプレアボイド報告といいますのは、日本病院薬剤師会が薬 剤に関し薬剤師が未然に被害を防止した事例あるいは重篤化を回避した事例 に関して、プレアボイドというこの言葉は造語ですが、プレアボイド報告とし て日本病院薬剤師会で集計しているものです。こちらも同様の事例の情報を共 有し、医療事故の防止に役立てるという取組みです。その事例をいくつか付け させていただいたものが参考資料3です。  3頁目をご覧いただきたいと思います。プレアボイド報告の図が上にありま すが、薬剤師が服薬指導あるいは医師、看護師との日々の情報交換、意見交換 の中で、病棟業務等で発見した薬に関すると疑われるような副作用事例などが あった場合に、報告いただくという状況になっています。表2はこの数の推移 です。平成16年では7,543件ということになっていまして、病院薬剤師がき ちんと職能を機能し未然に副作用のリスク、重篤化を回避したということが報 告されています。これが参考資料3です。以上でございます。 ○座長  ありがとうございました。ただいま現在までの歴史的な経過、最近、明らか に薬剤師の業務が病院の機能の変化に伴なって変化を余儀なくされている面 がありそうであるということ、資料として提示された医療事故の事例のこと、 プレアボイドという造語だそうでございますが、その報告についてお話されま した。やはり、薬剤師がこういった医療の安全性を保つ上で大変重要な役割を している、というような報告の結論ではなかったかと思います。そんなことも 含めまして、ただいまご説明いただきました内容についてのご質問でも結構で すし、またご意見でも結構ですが、どうぞお願いいたします。  やはり以前にはなかった処方せん数から割り出していくということの業務 に加えて、最近の安全性を保つということの上で、薬剤師による服薬指導が非 常に大きな比重を病院の中では占めてきているような気がします。そのような ことは安全性を保つ上でも、あるいは正しく医療が行われていくためにも大変 重要な役割をしているのではないかと思います。その辺について何かご意見ご ざいますか。 ○山崎委員 基礎的な資料なのですが、薬剤師の現在の総数はどれぐらいいる か。それから性別、年齢、勤務先別といった属性の分類というのはあるのです か。もう1つは今日の時点で、薬剤師の養成学校の数といった数字が欲しいの ですが。 ○薬事企画官(関野) 薬剤師の数ですが、基データといいますのは、薬剤師 の免許を持たれている方の届出で行うという集計の仕方になりますが、平成16 年の数字が一番新しい数字になります。その数字で申し上げますと、薬剤師は 24万人という統計になっています。そして男女比ですが、24万に対して男性 が9万4,000人、女性が14万6,000人。概数ですのでトータルがずれますが、 そういった数字になっています。就業先ですが、まず薬局、これは病院の中で はございませんで、街中の薬局ということになりますが、こちらへ従事してい る方が11万6,000人。そして病院・診療所に従事されている方が4万8,000 人。そのほか大学あるいは医薬品関係の企業、行政関係が24万の残りの部分 になります。  それと大学数に関するご質問ですが、平成18年度で申し上げますと、大学 数は66大学。学部で申し上げますと67であり、通常は67という数え方をし ております。 ○山崎委員   次回の検討会まででいいのですけれども、それをまとめて資料を出していた だきたいと思います。 ○座長  いまのご依頼は可能ですか。 ○薬事企画官  はい。 ○座長  では、よろしくお願いいたします。 ○廣瀬委員  参考資料2の薬剤に関連した医療事故事例で、収集等事業からの昨日の報告 書ですが、先ほどのご報告にありました5頁の8番の薬剤量間違いで、全部で 16ですよね。この薬剤に関連した医療事故事例の概要で、16に関してはヒヤ リ・ハットと同じように、いわゆる具体的な背景・要因、改善策などは分析さ れたものはあるのでしょうか。例えば12頁からですと、図表のIII−8で「ヒ ヤリ・ハット事例の記述情報」が書いてあるのですけれども、扱いがただの事 例概要だけになっているので、その辺はもう少し背景・要因、改善策はまとめ られていないのでしょうか。 ○医療安全推進室長(佐原)  5頁の医療事故事例の概要につきましては、これ以上詳しいことについては 公表していないという状況です。これは各医療機関から第三者機関である医療 機能評価機構のほうにご報告いただいて、評価機構のほうで必要な情報を要約 して公表しているというものです。 ○座長  よろしいでしょうか。ご趣旨はおそらくそういうことを通じて、薬剤師の業 務がどうあるべきかということを模索するのにその審議過程があるといい、と いうご趣旨ではないかと推測するのですが、そういうことはなかなかこの調査 には載ってきていないということなのですね。 ○医療安全推進室長  そういうことになると思います。 ○座長  そのほかございますでしょうか。 ○豊田委員  ここに医療事故の報告がありますけれども、医療事故といいますのは、薬剤 師に限らずその業務に従事した個人の資質あるいは注意、そういった個人に起 因する事故と、業務に対して数が足りない、今回そういう問題にいくと思いま すが、そういった業務の内容に対して人員が足りないために、もしあれば防げ たといったグループ、もう1つはこの報告の中にもありますが、看護師のほう でその誤りを見つけたというような他の職種との連携において防ぎ得る、ある いはそれがなかったために防げなかったという分類ができてくると思うので すけれども、そのようなデータがあれば、あるいはここに出されているものが そういった整理がされているのであれば、出していただきたいと思います。 ○座長  この点についてはいかがでしょうか。 ○医療安全推進室長  すぐにはわかりませんので確認して、あれば次回お出ししたいと思います。 ○座長  大変重要なご指摘だと思います。個人の資質となりますと、教育的な要素が 非常に多く含まれることだろうと思われますし、また、病棟自体がチーム医療、 他職種との連携ということが叫ばれておりますし、そのことによって安全性が 確保をされているということは、大きな要点にもなっていると思います。そう いう意味でのシステム、連携システムの資料があれば、ディスカッションを深 めることができるかもしれないという気がいたします。もし可能でしたら何と ぞよろしくお願いいたします。そのほかございませんでしょうか。よろしいで しょうか。まだご意見があるかとは思いますが、とりあえず先に進ませていた だき、またご意見をいただきたいと思います。  次に、病院における薬剤師の業務と人員配置状況について実態調査をしてい ただき、本日の検討結果も踏まえて次回の議論につなげていきたいと考えてお ります。本検討会の開催に当たりまして、日本病院薬剤師会において、実態調 査を実施するために調査事項について事前にご検討いただいております。資料 3として配付されておりますが、これについて、病院薬剤師会の会長でいらっ しゃいます伊賀委員より、10分程度で主な調査項目の趣旨などをご説明してい ただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○伊賀委員  それでは指名でございますので、私からお手元の資料3をご覧いただいて、 これにつきまして調査項目等について簡単にご説明いたします。  この調査におきましては、病院における薬剤師の勤務状況と業務に関し、そ の現状を把握するための調査票の案を作成いたしました。まず調査客体は、日 本病院薬剤師会の会員が所属する診療所を除く医療機関6,703施設としたいと いうことで、1月に調査票を郵送する方式で調査をしたいとのことです。調査 データは平成18年6月を基にして行いたいということでございます。  まずお手元の票の1頁目、全体のIとIIですが、これは、経営主体、機能分 類は共にこの調査のベーシックな部分ということで、経営主体はどこか、その 病院の機能は何かを把握するためのものでございます。これが大きな項目のI とIIです。  次のIIIですが、これは「一般調査(基礎数値及び処方せん関連)」というこ とで、許可病床数、平均在院患者数、平均在院日数、病棟数、救急の有無、平 均外来患者数、薬剤部門の職員数、入院処方せん枚数、外来処方せん枚数、院 外処方せん発行率、注射薬処方せん枚数などの基礎データの調査項目でござい ます。この中で、特に小項目の28ですが、これは注射薬処方せんによる患者 毎取揃ということで、特に病棟業務の中心になっております注射薬に関わる事 故防止策としての注射薬処方せんによる一回の施用ごとの注射薬の払出しの 有用性が報告されていますので、その実施状況についての項目でございます。  29と30、薬歴に基づく処方せん鑑査のほうは、特にこれは医療事故、医療 過誤の防止、抗がん剤や糖尿病薬、ワルファリンなどのハイリスク薬による患 者被害回避のための薬歴に基づく鑑査を行っているかなど、その実態状況とそ れにともなう処方変更、件数等についての調査項目でございます。  次の頁ですが、IVの「一般調査(無菌調製、薬剤管理指導)」ということで す。特に33の注射剤の混合業務は中心静脈、抗悪性腫瘍剤、白血病、再生不 良性貧血等の厚生労働大臣が定める入院患者に対する注射薬の混合調製を、薬 剤師が行っているか否かを調査します。特に抗悪性腫瘍剤の無菌混合調製は薬 剤師が行う必要があり、設備と専任の薬剤師の配置が望ましいことがその実態 についての項目でございます。次の34は未実施施設に対するその理由の調査 です。  35と36は外来化学療法において、薬剤師や抗悪性腫瘍剤の無菌調製実施件 数についての調査及びその算定の件数の調査でございます。1つ飛んで、38 は抗悪性腫瘍剤のレジメンに基づく鑑査です。これはがん化学療法において、 細胞毒性の強い抗がん剤の特性から、レジメン、プロトコール管理及び患者プ ロフィールを加味した処方せん支援が必要であって、その実態についての項目 でございます。  1つ飛ばして、40から43については薬剤管理指導業務、服薬指導に関する 調査です。薬剤管理指導業務は、副作用の早期発見や重篤な副作用の回避を図 るなどの医療の安全、質の向上に大きく貢献しており、さらにこの業務の拡大 を図るのに必要なデータを得るための項目です。次の44は、薬剤管理指導業 務による処方支援と副作用回避については、薬剤管理指導業務を行うことで、 患者モニタリング等で得られた情報を基に、処方支援や副作用回避などにつな がった事例についての項目です。これはお手元の参考資料3のプレアボイドの ほうに実例等が出てきます。  Vの「一般調査(夜間休日体制・医薬品採用)」についての項目です。これ は45から52まで、夜間休日の体制についての調査でございます。夜間休日で 薬剤師が勤務していない時間帯に、特に医薬品に関する医療事故が増加する傾 向にあることから、宿直か、居残りか、あるいはオンコール体制か、交代制勤 務かなどの体制と、夜間休日処方せん枚数や業務内容などについての項目とな っております。夜間休日体制をとっていない施設にはその理由を聞いておりま す。  3頁目に入って、53は医薬品情報の収集・解析・評価提供についての調査で ございます。医薬品を安全かつ適正に使用するためには、医薬品に関するあら ゆる情報の収集が不可欠であり、多くの情報の解析と評価、伝達が重要です。 また、安全管理上の安全性情報の院内における伝達組織や伝達の工夫、それに 伴う具体的なアウトカムについての調査をしたいと思います。  54から56は、医薬品の採用への薬剤師の関与。特に新薬採用審査状況につ いては、安全管理上に十分配慮された医薬品の積極的な採用事例、あるいは使 用制限を付加する事例などの採用にどう関与してるかを問うものでございま す。また、後発医薬品は低価格で提供されるために医療費抑制や患者負担の軽 減に有効ですが、生物学的な同等性、情報提供、安定供給などの問題点もあり ます。こういった点で、先発品との比較に関する適切な情報を医師に提供して いるかなど、採用にあたっての状況についての調査です。  3頁の後半、VIの「一般調査(病棟、手術室、ICUでの業務関連)」でご ざいます。57から59は、手術室やICUでは麻薬・向精神薬・筋弛緩薬など の薬剤を大量に使用し、さらに緊急性を有する環境下で、薬事法や麻薬及び向 精神薬取締法など法規に準じた適正な管理が求められることから、手術室にお ける医薬品管理の状況、手術室に薬剤師が常駐しているか否か、その業務内容 についての調査です。60から61につきましては手術室と同様に、特にハイリ スクであるICUにおける薬剤師の常駐及びその業務内容に関する項目です。 4頁に続きますが、62から69は薬剤師が常駐している部署、常駐しているこ とでのメリット、その業務内容等に関する項目です。全病棟に常駐、一部病棟 に常駐、全病棟に一定時間訪問、一部病棟に一定時間訪問等に分けて、その業 務内容、常駐、一定時間訪問したことに対するアウトカムの事例と件数、メリ ット等について調査いたします。  4頁中ほどから、VIIの「一般調査(医療材料、血液、持参薬等管理)」の項 です。これは72から76にかけて、医療材料、特定生物由来製品、輸血用血液 製剤などについて、どこで管理しているのか、安全性情報の伝達はどこが行っ ているかなどに関する調査項目です。77は最近大きな事故もあった持参薬の管 理についての調査項目です。入院患者が持参する医薬品や大衆薬、健康食品等 に関する情報不足による死亡事故が起きたこともあります。このようなことを 回避するためにも、持参薬の適切な管理は、長期投与、過量投与、あるいは相 互作用等による有害作用を回避するために必要です。薬剤師がどのように関与 しているのか、情報提供がどのくらい行われているのか、それによるアウトカ ムは何件あったかなどについての調査項目でございます。  4頁の一番下の「一般調査(療養病床関連)」ですが、79から83です。療養 病床に入院している患者に対する薬剤師の関与についての調査です。  5頁の上、IXの「一般調査(チーム医療関連)」でございます。ここの84に つきましては、院内感染防止についてのICT(感染制御チーム)としての活 動状況、院内感染対策委員会への参加状況、抗菌薬使用ガイドラインの有無、 抗菌薬の選定基準の有無、消毒薬情報の提供についての調査でございます。85 は褥瘡、86はNST、すなわち栄養サポートチームへの参画、それから、87 は緩和ケアに関する現状の調査です。  次の88は、特に今回も重視されている医療安全についての調査です。特に 医療安全については院内における総合的かつ適正な管理が求められており、医 療安全管理指針、医療安全管理委員会への関与、リスクマネージャーとしての 活動状況等についての調査です。89は治験関係。そして90は、抗不整脈薬や 免疫抑制剤あるいはバンコマイシンなどの抗菌剤の適正処理には不可欠の薬 物血中濃度モニタリング、すなわちTDMですが、それらへの関与及びその業 務内容に関する項でございます。  5頁の最後の後半、大項目の「その他」ですが、91から92はアイソトープ の調製への関与、94は薬剤師の採用状況の難易度、99は6年制での長期実務 実習受入体制についての項目です。  7頁に入って、これは100から107まで精神科病院に関する調査となります。 100から101は、特定入院料の算定病棟の現状、そこでの薬剤管理、指導業務 の実施状況の調査です。包括病棟でありますが、薬剤管理、指導業務をどのく らいの患者にどのくらいの件数を行っているかを調査いたします。102と103 は、オランザピン、フマル酸クエチアピン、塩酸ペロスロピン、リスペイドン などの非定型の向精神病薬を投与している統合失調症の患者さんに対して薬 剤師が関与しているかどうか、関与の内容と患者数についての調査です。104 と105は、患者・家族への情報提供の内容とその実施状況についての調査とそ の結果どのように成果が得られたかを調査いたします。106と107は、医療チ ームへの情報提供の実施状況とそれによって得られた成果に関する調査とな っております。  その後、8頁からは記入要綱となっており、ざっと今回の調査票の案につい てご説明をさせていただきました。以上でございます。 ○座長  どうもありがとうございました。大変詳しい調査で、非常に多くのことを網 羅して進められようとしているように理解しましたけれど、これについて何か ご意見なり、あるいはご質問はございませんでしょうか。 ○廣瀬委員  4頁の80番の「経管栄養患者への関与」です。(1)経管栄養チューブによ る与薬ありという調査です。このことに関しては、例えば看護職がいまどのよ うなことをやっているかということですが、看護職の場合は経管栄養チューブ からお薬を注入する場合は専用のシリンジで詰めて、それでチューブ内が詰ま ることがないか確認したり注意する。それでチューブの先端が胃の中に正しく あるかとか、きちっと固定されているかということも含めて、経管栄養患者へ の投与といって、注入する前、注入しているとき、注入し終わった後、患者に 変化がないかを観察して必要な情報を医師に報告したり、あとは変更が必要な らばどうするかと、そういうチーム医療の視点で仕事をしているのです。ここ の書きぶりだと、医療として適正かつ安全に薬剤師の病棟業務をどのようにし ていったらよいか、ある程度基になる調査データですね。だから、こういうこ とを聞いていかれることは、私は事実がたくさんつかめていいと思いますが、 どこら辺まで考えて書かれているのかと思いました。 ○伊賀委員  この調査項目の場合、いまおっしゃった看護師の方が投与される直前までの 薬剤師としての用意という段階までと、あとは経管投与に対しての適正かどう かや粉砕が可能かどうかとかいった点を含めての関与ですので、ただいまのチ ーム医療の中までは踏み込んだ調査にはなっておりません。 ○廣瀬委員  薬剤師の業務として調剤というのは、そのようになっていますが、ここの書 きぶりだと「経管用チューブによる与薬あり」ですから、医療行為としてのチ ュービングと私は理解しました。 ○伊賀委員  これにつきましては、先生のご意見を含めて、改めてもう一度この点につい て項目を起こし、そういった形で直させていただいてよろしいでしょうか。 ○座長  よろしいですか。 ○堀内委員  これは最近薬剤師が病棟へ行っておりまして、投与の仕方等について、薬剤 毎による粉砕法とかチューブによる投与の仕方の妥当性等を一緒に議論しな がら、実際どうやったらいいかについてもやっているということです。そうい う観点から入っているのかと私は思っていたのですが、もう少し適切な表現の 仕方はあるのかと思ったのです。 ○座長  どうぞ、村上先生。 ○村上委員  この質問の内容を現況といいますが、実際に本当の現況として、例えば薬剤 師数が足りているのか、そのような点の質問事項が入っていない気がするので すね。特にまた、採用状況のところだけはそれに近いようなことがありますが。 例えばやっているかやっていないか、やりたいけどできないかどうかとか、そ のようなことはお聞きにならないのでしょうか。そういう質問事項は関係ない のでしょうか。 ○伊賀委員  今回の検討は、まず現在の薬剤業務の質的、量的なことがあります。そうい ったものが現在どのように変わっているのかを、まずきちんと押さえたいとい うことが全体ですので、そういった点で、このような形の調査をさせていただ いているわけでございます。 ○手束委員  私も同じようなことなのですが、これからは病棟単位に1名の薬剤師を置い ていくほうがいいというところがありましたが、これで現状、果たして病棟単 位に薬剤師がほとんどいるのかとか、いや、病院全体の中に1人か2人で兼任 でやっているとか、大体そんなところは分かりますか。 ○伊賀委員  基本的な一般調査の項目の中に、薬剤師数等々、部門別等もありますので、 基本的な情報としてはそこからということと、あとは業務内容等が後ろのほう の調査ということで、それらを総合しての判断になるかと思います。 ○堀内委員  いまのご指摘は大変重要な点だろうと思います。前回の検討会でも、少なく とも病棟に1人配置するとの要望になっておりまして、それが実際にどうなっ ているか、病棟単位にどのくらい配置されていて、どれぐらいの業務をやられ ているかというのは基本になることだと思います。それから、村上先生の話に ありました薬剤師数について、自分たちがどう感じているのか、実際に足りて いるのか足りていないか、足りているという所は少ないのかもしれませんけど。 アンケートですから、その辺のことを入れて、後で評価をするときに対象にし たらいかがかと思います。 ○伊賀委員   改めて検討させていただきます。 ○村上委員  まだ外来の投薬をやっている病院もいくらでもあるわけです。そうすると、 その場合に、例えば実際に75枚に1人というのがあるわけですから、待ち時 間が大体平均どのぐらいとか。病院薬剤師の実態を知るために、外来で処方せ んが出るまでの待ち時間は各病院で調べ出していると思うので、その辺も入れ たほうがよろしいのではないかと思います。 ○伊賀委員  外来のほうの調査ですね。 ○座長  その他、何かございますでしょうか。  例えばミキシングをするためにも、薬剤師をある程度トレーニングしなけれ ばならないということについては、おそらく薬剤部の中で教育しておられるの ではないかと思います。それから、これからかと思いますが、6年生が実習に 入って来たときにも、薬剤部として知らぬ存ぜぬでは過ごせないのではないか と思いますが、そういったことをどうトレーニングし教育して行くか、あるい は、行こうとしているのかというあたりの実態調査はいらないのでしょうか。 ○伊賀委員   これは終わりのほうで少しだけ触れさせていただいておりますが、いまの先 生のご意見も、私どももそれは極めて重要な役割だと認識しておりますので、 そういった項目についての追加等は、入れさせていただければと思います。 ○座長  その他、何かございますでしょうか。 ○堀内委員  77番の「持参薬の管理」。これは医療安全の立場から薬剤師が関与する大変 重要な事項になっていると思いますが、持参薬という中には保健食品だとか、 いろいろな物が入ってくると思いますので、医薬品だけでなくてその辺も含め てわかるようにしていただければと思います。 ○伊賀委員  先ほどの説明のときにも触れましたように、健康食品等の服用状況といった ものも併せて考えております。 ○座長  その他、何かございますでしょうか。 ○山本委員  いま、調査項目についていくつかのご指摘があったようですが、医療部会で の議論の経過を見ると、人数ももちろん大事なことですが、全体の数の問題と の関連があることと、もう1点は、薬剤師が病院の中で具体的に何をしている のかという実態を正確に測った上で、かつそれにどれほどの人がいるのか、と いう議論をしたほうがよかろうといった結論になっていたと思います。最終的 にはそういったことがあるのかもしれませんが、まずこの調査では、薬剤師が 病院の中でいったいどのような業務をしていて、その実態はどうなっているの か、正確に把握することを目的の調査と設計していただければ、いくつかのご 指摘があった数の問題にしても、足りるか足りないかという短絡的なものでは なく、業務の面からもう一度精査ができると思いますので、是非この案に沿っ て、それぞれそうしたことが分かるような工夫をしていただきたいと思います。 ○座長  大変重要なご指摘だと思います。よろしくお願いいたします。その他、何か ございますでしょうか。 ○倉田委員  退院後の服薬指導についてはどこかで触れていたでしょうか。 ○伊賀委員  通常退院時には。退院後になりますと、これは外来に通われた場合のような お話ですか。 ○倉田委員  失礼、退院時です。 ○伊賀委員  退院時の服薬指導は、実際には服薬指導の一環の中には入っておりますが、 調査項目としては40のところです。その中の(1)実施の(D)に「退院時 服薬指導加算」という項があって、一応ここでどのぐらいの実施があるかを問 うております。 ○倉田委員  内容については。 ○伊賀委員  内容までは踏み込んでおりません。 ○倉田委員  わかりました。 ○大井委員  根本的なことになると思いますが、病院薬剤師の人員配置基準に関するこれ までの経緯等、資料2を見ますと、こういう議論が俎上に載ったという背景は、 医薬分業がかなり進展してきたのですね。平成16年度ですと全国平均で 48.8%ぐらい、東京都内だと61%を超えている背景があると私は思うわけです。 それで、かかりつけ薬局という概念がかなり国民に浸透してきているのではな いかと思います。適切な服薬指導と、他に医薬品情報等に代わった背景の中で、 かかりつけ薬局の整備が進められていると思います。  現状を把握するという意味から申しまして、医師たちがこれまで院内処方に 進めていくのか、あるいは医薬分業を進めているか、病院における医師の志向 がどういうものかということをご議論、調査の中に組み込んでいかないと、根 本的な人員配置には踏み込めないのではないかと認識しております。したがっ て、医師が処方せんに対してどう感じているのかということです。  それから、医薬分業の項目がありましたけれども、一般医療提供体制の中で 診診連携、病診連携が議論されていて、病院薬剤師の果たす役割は保険薬局と 表現されておりますが、かかりつけ薬局の機能を超える部分を担う背景もこれ からは必要かと認識しています。したがって、医師たちが処方というものに対 して今後どう取り組むのか、という調査もしておく必要があると考えておりま す。ご意見として申し上げさせていただきます。 ○座長  今回のこの調査とは別にということでございますか。 ○大井委員  入れてほしいとは思います。 ○座長  伊賀先生、いかがでしょうか。 ○伊賀委員  この対象は薬剤部門でして、これを記入するのはおそらく薬剤部長あるいは 課長でございます。いまのご意見ですと、施設長あるいは病院長等、病院全体 のコンセンサスというか、医師の領域がありますね。それは項目としてはなか なか起こしにくいというのが正直なところでして、別途の扱いにしていただか ないと、私の理解ではこの中では聞きにくいということでございます。そのよ うにご理解いただければと思います。そのことについては大変重要なご指摘だ と思いますので、もしあれば、別な形でそういったものを調査していただけれ ばと思います。 ○座長  おそらくこれをベースに、また調査が必要になってくるように感じられます。 それはチーム医療として薬剤師がどう機能すべきかということとか、その中に 先生がご指摘の点も含まれてくるかと思います。確かにおっしゃられましたよ うに、これには難しい点があるかと思いますが、ご理解いただけるでしょうか。 ○大井委員  結構でございます。 ○豊田委員  せっかくの調査ですので、ちょっと欲張った要望になりますけれども。先ほ ども出ていた今回の議論の中で、30人に1人であるとか、病棟に薬剤師配置を という問題が出てくるのだろうと思います。薬剤師はこれもやるべきだ、これ はやって当然という、我々が推測を押しつけ的にいろいろ薬剤師の業務をまと めるのではなくて、現実に各病棟に薬剤師が配置されている病院があると思い ますので、そういうこともこの中で調査していただく。そして現在、病棟別に 配置されている薬剤師がどういう仕事をしているのか、つまり、どういう業務 に対応しているのかがわかると、我々は議論するときに非常に助かるのではな いかと思いますが、できればそれも入れてください。 ○伊賀委員  先生のご意見を入れまして、さらにこの項目について見直させていただくこ とでよろしいですか。 ○豊田委員  はい。 ○座長  よろしくお願いいたします。その他、何かございますでしょうか。 ○鈴木委員  単なるコメントなのですけれども。29番や44番はとても興味があって見せ ていただいたのですが、この辺の情報の共有化というのはどこまでなされてい るか、こういう意味では大変だと思います。どこまで情報の共有化がされてい るか、バックにIT化があるのかないのかというところが気にかかりました。 ○伊賀委員  この辺についても項目の中で検討させていただきます。 ○座長  その他、何かございますでしょうか。  まだご意見やご議論をされることがあるかもしれませんが、会場の都合もあ りますので、本日はこのぐらいにしたいと思います。もし先生方の中で、追加 するべき調査項目などについてのご意見がおありの場合には、来年1月12日 (金)までに事務局宛にご提出していただいて、事務局、病院薬剤師会そして 私との間で調整をさせていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。  それでは、今いただきましたご意見を踏まえて、変更していただいた上で実 態調査を実施していき、次回にご報告をさせていただくことにしたいと思いま すが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○座長  では、そのようにさせていただきます。  以上で予定の議題は終わったわけですが、その他、何かございますでしょう か。よろしいでしょうか。全体を通じて何かご意見がございますでしょうか。 ○堀内委員  今回の議論は現状調査を基にして、ただ現状で把握するだけでなくて、いろ いろと、薬剤師の教育が6年制にもなりますし、業務がかなり大きく急激に変 化しておりますので、医療自体が変化しているその中で薬剤師の役割も変化し ておりますので、ある程度将来を見越して、どうあるべきかということを議論 していただくと考えてよろしいですね。その辺を確認しておきたいのです。 ○座長  是非そのような方向性を出せることをしていかないと先に進めないと、私は 理解しております。そのことについては委員の先生方もご異論はないと思いま す。単なる実態把握をしたというだけに終わっては何の意味もないとは申しま せんが、その現実をベースにどういうことをしていけばいいか、是非ご議論し ていただくという会の運営にしていきたいと思います。このことについても何 かご意見はございますでしょうか。 ○山崎委員  外国において、薬剤師が実際にどういう業務をしているか、整理した資料を 頂戴したいのです。 ○座長  それは事務局のほうで揃えることができるでしょうか。 ○企画官  ある程度揃えられるかどうか、その点は努力してみまして、揃えられれば次 回のときにお出しするようにしたいと思います。 ○座長  先生方、またいくつかこういうのがあるのであれば、ご専門の立場で事務局 のほうに教えてくだされば、それらも含めて次回に報告していただきたいと思 いますが、それでよろしいですか。では、そのように進めたいと思います。 ○倉田委員  ちょっと別な話になりますが、私は医療の受け手という立場で参加させてい ただいております。素人なのでとんでもないことを言い出すかもしれませんが、 よろしくお願いします。  私ども入院しますと、一番よく面倒を見ていただいていると思うのは看護師 さんです。朝、おはようございますと言いながら入って来て、検温から始まっ て1日に何回も来てくださいます。では、病院薬剤師さんたちは私たちにとっ てどうかといいますと、とても馴染みが薄いと、いまのところ思っています。 もし、1日1回でも、どうですかと言って現れて、薬のことだったらいつでも どうぞ、声をかけてくださいとか、看護婦さんに声をかけてもらって私を呼ん でくださいとか、というようなことを言っていただけますと。患者は薬につい て割と疑問を持っていたり、この薬を飲んだらどうなるのだろうとか。  あと、入院しているときは決められた食事が出てきますが、退院してしまう と、退院しておめでとうといって何かをいただいたり、栄養食品が追加になっ てみたり、ビタミン剤を余計に飲んでみたりと、入院時とは違って急に体調が 戻らなかったり、よくないような状況が起こったりすると思います。そういう ことも日頃、日に1回でも来て薬についての話をしていただいくと、副作用に ついての自覚も患者がいちばん分かるはずですから、早期発見につながるよう な、この薬どっか変わったけどどう、というようなことを言っていただけると いいかと思います。  それと、夜間に薬剤師を常駐させる病院といない病院がわかる掲示をしてい ただけるといいと思います。そうしますと、私どもが病院を選ぶときに、この 病院は夜間でも薬剤師さんがいる、いないというのがあると非常に便利だと思 います。  それから、災害時や緊急時に病院の薬剤師さんたちはどういう対応をしてく れるのかと。調査票にもなかったですし、何かマニュアルがあるのか、訓練は されているのかなと思います。以上です。 ○座長  最後の災害時のことは。 ○伊賀委員  災害時につきましては既に過去の災害時にも、病院のほうからも薬剤師を派 遣させていただいております。それでチームに入って、病院から出て行くとき にドクター、ナース、それから薬剤師という形です。過去に、私が東大病院に いたときにも神戸に出ておりますし、新潟のときも新潟県の病院薬剤師会を中 心に、群馬から来ましたね。そういった近県から病院薬剤師もかけつけており ます。今後ともそういうものの充実を図っていきたいと思います。  それから、前のほうの先生のご意見で、私どもがまさにいちばん願っている のが、そういった状況が作れるような形の環境整備でして、いまでは病棟業務 もかなりの病院で実現できている所もあります。少なくとも1日に1回は患者 さんの様子を見に行けるような、あるいは夜間休日体制、今回のご検討で是非 そういった環境の整備を実現できるように、というのが私どもの願いですので、 よろしくお願いします。 ○座長  大変貴重なご意見をありがとうございます。まだおありかと思いますが、時 間の都合もあってこのあたりで終えたいと思います。事務局から次回以降の進 め方についてご説明お願いいたします。 ○専門官  次回以降の日程については、今般かなりの量がある実態の調査を実施します し、それを集計していただく必要もあります。そのためしばらく時間をおきま して、年度をまたぎまして、来年の4月か5月に次回の開始になるかと思いま す。具体的な日程はその集計の状況等を踏まえた上で、各委員のご都合を伺っ た上で、調整後ご連絡するようにいたします。 ○座長  どうもありがとうございました。  それでは、本日はこれで閉会したいと存じます。年末のお忙しいところご出 席いただきありがとうございました。 照会先 医政局総務課 飯村 連絡先:03−5253−1111(内線2522)