06/12/21 次期治験活性化計画策定に係る検討会第7回議事録           第7回次期治験活性化計画策定に係る検討会                   日時 平成18年12月21日(木)                       16:00〜                   場所 厚生労働省17階専用第18・19・20会議室 ○楠岡座長 定刻になりましたので、第7回次期治験活性化計画策定に係る検討会を始 めます。今年もあと10日となり、師走の押し迫った中、ご多忙のところお集まりいただ きまして、ありがとうございます。事務局より本日の出席の確認をお願いします。 ○佐藤課長補佐 資料2「次期治験活性化計画策定に係る検討会構成員名簿」の構成員 をご覧ください。本日は年末のお忙しい時期にもかかわらず、全構成員のご出席という ことで予定していますが、荒川構成員より遅刻の連絡を受けています。17時ごろ到着の 予定とのことです。その他、事務局としては厚生労働省、文部科学省の関係課より出席 しています。あと本日、会議の後段になりますが、医政局長も出席させていただきたい と思っていますので、よろしくお願いします。都合により研究会振興課長は途中で退席 させていただきますので、ご容赦いただきたいと思います。楠岡先生、以降の議事進行 をお願いします。 ○楠岡座長 事務局より配布資料の確認をお願いします。 ○佐藤課長補佐 本日の配布資料につきご説明させていただきます。議事次第、座席表、 資料1から資料4、参考資料として計画(案)の概要をお配りしています。以上が本日 の配布資料です。なお、構成員の皆様方の机上にのみ、前回(第6回)の議事録(案) をお配りしています。第1回〜5回までの議事録案は参考資料7として配布しています 紙ファイルに綴じています。前回の繰り返しで大変恐縮ですが、このファイルは各回共 通の資料ですので、お持ち帰りいただかないようにお願いします。また、この参考資料 集は傍聴の方にはお配りしていませんが、厚生労働省の当検討会Websiteでご覧いただ けますので、よろしくお願いいたします。以上、資料等に過不足がございますか。ご確 認いただきまして何かございましたら事務局までお知らせいただきたいと思います。 ○楠岡座長 早速、議題に入りたいと思います。本日は、新たな治験活性化5カ年計画 (案)に関する討議を議題として予定しています。まず前回出された案からの修正加筆 された部分、今回の検討事項について、事務局からご説明いただきたいと思います。 ○佐藤課長補佐 資料3の「新たな治験活性化5カ年計画(案)」をご覧ください。本計 画案の概要については参考資料という形で配布しています。前回までの当検討会での構 成員の先生方からのご指摘、またはそれ以外のご意見等に基づき、主な改訂部分をご紹 介させていただきます。誤字や表現ぶりなどを変えているところがありますが、内容に 関する部分のみを事務局から簡単に紹介します。その後、本日、主にご審議いただきた い部分の5カ年計画の実施についてご紹介します。  資料3ですが、9頁をご覧ください。表1に中核病院に期待される体制・機能という のがあります。この部分の患者対応というところで、「連携する医療機関において、重篤 な有害事象が発生した被験者の診療を受け入れることが出来る」という部分を、内容的 には追加しています。これは拠点医療機関のほうの機能との並びで、この部分が中核の ほうには抜けていたということで訂正しているものです。  12頁の治験・臨床研究を実施する人材の育成と確保で、(1)の卒後研修の記載の部分で す。治験・臨床研究、生物統計及び研究倫理に係る内容や、治験・臨床研究の結果を批 判的に評価できる技能を獲得するための内容を含めるという形で、前回は臨床研究の実 施に関する理解を促すということだけでしたが、そこの内容を少し具体的に書いていま す。  17頁の(3)で、患者が治験・臨床研究に参加するインセンティブの向上という項目 があります。この部分については、これは当検討会でご議論いただいた事項では必ずし もないですが、本年12月18日(月)に総合科学技術会議において、科学技術の振興及 び成果の社会への還元に向けた制度改革について、総合科学技術会の基本政策推進専門 調査会が、治験を含む臨床研究の総合的な推進ということで、その報告書の中に1つ設 けています。その中で触れられている事項として、治験参加者の負担軽減費に関する記 載があります。その内容をこちらに反映させていただいた形で記載を追加しています。 「治験参加者には負担軽減費が外来通院等の交通費や時間による負担を補填するという 考え方で支払われているが、更なるインセンティブの付与のために、入院や外来等の形 態を問わず、治験への参加の度合いや負担に配慮した支払いを行うこと等について検討 すべきである」という点が追加になっています。  19頁で(4)の症例の集積性を高める等によるモニタリング効率の向上の部分で、電 子カルテ等のシステムの記載があります。ここが少しわかりにくいというご指摘があり、 ここの記載を少し具体的に書き直しています。  19頁から20頁にかけて5のその他の課題の(2)で、臨床研究開始の際の届出の導 入の検討「倫理指針」の見直し等のところですが、20頁の真ん中あたりです。「厚生労 働科学研究費においても、交付割合を基礎研究から臨床研究へシフトし、臨床研究を実 施する上で研究者や医療機関が活用しやすい運用を検討する」という記載を追加してい ます。  20頁の(3)のGCP省令の見直し等の部分ですが、前回の新井構成員からのご指摘な ども含め、赤字の部分ですが、「より良い医療に貢献する医療機器の開発のためには、開 発の極く早期の段階からの臨床的な試用や承認後の臨床の場での改良が必要である。し たがって、医療機器の治験について、国際的な基準の策定に向けた動きも注視しつつ、 医療機器の適切な開発のため、医療機器の特性を踏まえた規制等について検討し、改善 していく必要がある」という文章を追加しています。  (4)の臨床研究の取扱のところで、前回の当構成員会でご指摘があった部分です。 治験以外の臨床研究について、保険給付相当部分に係る保険外併用療養費制度という部 分ですが、これについても今後の議論が必要であるという形で、文章としてここに残し たということです。ここまでが前回までのテキストに対する修正です。  21頁以降が今回、事務局から案をお出しするということで、前回はご議論いただいて いない部分です。5カ年計画の実施についてということで、その計画の具体的なアクシ ョンプランなどを含んだ部分になってきます。IIIの5カ年計画の実施という部分につい て、1.は治験活性化が目指すものということで、目的の部分と、5カ年計画の実施によ り期待される治験・臨床研究の姿を(1)〜(3)まで掲げています。こういった部分を5カ年 計画の途中、または最終時点で、例えば中核・拠点医療機関での改善指標の例として、 ここに挙げているような指標を見ながら、こういった期待される姿になっているかとい う部分をモニターしていくイメージで、こうした改善指標例というものを挙げています。 そういう目指すものという部分が1.にあります。  2.はアクションプランですが、国の取組ということで整理して書いています。また関 係者においてアクションプランとして実施主体がどなたで、何を押さえるという部分の 詳細については24頁以降にありますが、21頁からは国の取組という部分で書いていま す。  ここでは大きく中核病院・拠点医療機関の体制整備、治験・臨床研究の人材養成、国 民への普及啓発、治験の効率化、その他課題ということで、数値目標や、時期的にいつ までに何をするということが比較的記載しやすいものについて、このアクションプラン の中でまとめて書いています。基本的には平成19年度にすぐ開始してやるものと、5カ 年の終了時である平成23年度までに達成してほしい目標と、2通りの書き方で書いてい ます。  アクションプランの(1)の中核病院・拠点医療機関の体制整備ですが、残念ながら 今日のこの資料において、中核病院・拠点医療機関の箇所数は○という形で書いていま す。既にいろいろな情報をご存じの先生方もおられると思いますが、厚生労働省から来 年度(平成19年度)の予算要求ということで、治験拠点医療機関の整備事業というもの を現在、財務省に予算要求しているところですが、今の時点でいただいている政府原案 の内示には、この厚生労働省部分についてはゼロということです。これから予算の復活 折衝をさせていただくということで、この検討会を開催する時点において、本来、ここ に数字が入っていることを期待して我々は調整してきた部分ですが、ここについては今 日の時点で○カ所ということで書いています。  この拠点整備の関係で、厚生労働省予算についてはそういう状況ですが、文部科学省 のほうで要求している、いわゆるTR拠点関係の予算については15億円という数字が内 示されています。一応、8カ所、それによって拠点の整備をするという連絡もいただい ていますので、あとは厚労省のほうの数字として40カ所で要求はしていますが、それが 復活折衝でどこまでいくかという部分については、また状況に応じて各構成員の先生方 にもご紹介させていただきつつ、ご検討いただく事項かと思っています。  (2)が治験・臨床研究を実施する人材の養成と確保です。これは平成19年度より開 始という部分で、CRCの上級研修、データマネージャー等を対象とした新規研修を実施 する。これは厚生労働省で平成19年度の予算事業で実施する部分を含めて書いています。 中核病院・拠点医療機関での教育プログラム、医師等の業績の評価、国における臨床研 究に関する研究費の増額等々の部分が、平成19年度より開始ということです。  平成23年度までに達成されている部分としては、CRCの養成の数とか、中核・拠点医 療機関におけるCRCの配置、データマネージャーの配置、CRCの質的な問題という部分 で、認定と連携した目標などが、この平成23年度までの目標になっています。  (3)は国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加の促進ですが、平成19年度より 臨床研究登録データベースのポータルサイトを提供するとか、治験後のフォローアップ の関係、インセンティブ向上のための先ほども申し上げた負担軽減費のあり方、情報の 公開、「患者向け相談窓口機能」等が記載されています。  (4)は治験の効率化及び企業負担の軽減ですが、従来より議論していますように平 成19年度から治験に用いる書類のモデル様式、役割分担のチェックシートの関係等、平 成23年度までのところでは、このモデルチェックシートの着実な実施という部分と、中 核病院・拠点医療機関における電子的なEDCの標準化、窓口の一元化、出来高払い・返 金等契約の改善という部分を完了することが目標として挙がっています。  (5)のその他の課題ですが、これは医薬食品局のほうでご対応いただく事項ですけ れども、ICH-GCPと現行のGCP症例との対比、見直しという部分とか、医政局のほうで 対応する事項としては、臨床研究倫理指針の運用実態の課題と調査、それを踏まえた見 直しの実施ということで、こちらのほうは来年度から新たに検討会を開催する等の対応 をしていこうということで、こういったものを書いています。  24頁以降は、数値目標や工程表的な部分に必ずしもならない部分です。また各関係者 がこういったものを受けて、具体的に実施する事項の部分でアクションプランとしての 実施課題を書いています。(1)は中核・拠点の部分で、連携の推進、IRB機能、スタッ フの計画的な確保などは当然やっていただくことです。(2)の人材の育成と確保では、 例えば業績の人事考課の問題、CRCの定員化、キャリアパスの改善、審査当局における 審査業務、産業界における医薬品開発を行った医師等の業務経験の評価、円滑な人材交 流、生物統計家の交流・連携という部分を、ここでは少し具体的に書いています。  25頁は国民への普及啓発と治験・臨床研究参画の促進です。具体的には(3)(4)(5)の情報 提供、イメージアップキャンペーン、学校教育の場への教材の提供、先ほどの負担軽減 費の支払いについての検討といった部分があると思われます。(4)はオーバークオリテ ィーに対する対策の問題、(5)は臨床研究の推進ということで、倫理指針の適合性の調 査の問題や、公的な研究費の採択に当たっての生物統計家の参画を促す。あとは臨床研 究に対する公的資金の確保において、国際的に評価されるようなものについて、よりし っかりと臨床研究の資金を付けていく。(6)のその他の課題では、医療機器の治験制度 について引き続き検討を行う。研究費の使い道に関してもう少し使いやすいように、特 に厚生労働科学研究費の細則を見直す。このような中身について書いています。  あと用語集等も一部改正していますが、今回、前回までのご議論を受けて少し具体的 な計画の実施、アクションプランについて事務局でまとめて提示させていただきますの で、是非ともご議論のほどよろしくお願いします。 ○楠岡座長 議論に移っていきたいと思います。まず流れとして計画案の本体部分につ いてご意見をいただき、それに引き続き、アクションプラン並びに数値目標について議 論していきたいと思います。本体部分に関しては前回かなりご議論いただき、先ほど事 務局から何カ所か追加がありました。これに関して何かご意見がございましたらお願い したいと思います。 ○一木構成員 確認させていただきたいのですが、17頁の患者さんへのインセンティブ の向上という箇所です。これはタイトルと前段の部分はすべて「治験・臨床研究」にな っていますが、下の○印のところはすべて「治験」という言葉だけなのです。これは要 するに読み込みとしては、例えば2番目は今回追記された部分ですが、「治験参加者には」 というところを「治験及び臨床研究」というふうに読んでもいいのか、ここは明らかに 分かれているのか、上のところは全部「治験・臨床研究」ですが、下は全部「治験」だ けなので、その辺は読み手によって変わってくると思いますから、ご確認をいただけれ ばと思います。というのは、実際に臨床をやっていて、「治験の場合には負担軽減費があ るけれども、臨床研究だからない」というのが現実のケースとしていっぱいあるもので すから、今後、それをどうするのかということも当然含まれてきます。用語として全部 が「治験・臨床研究」になるのかどうかという点です。 ○楠岡座長 その点に関して事務局からお答えください。 ○佐藤課長補佐 先ほど事務局から追加させていただいた参加の負担軽減費については、 内閣府からいただいている総合科学技術会議の報告書においては、これは明らかに「治 験」とだけ書いていますので、ここは治験だろうということではあるのですが、全体的 に見た場合に、例えば章立てが別になってしまって分かりにくい部分もありますけれど も、例えば20頁の(4)の臨床研究の取扱のところに、「治験以外の臨床研究について の保険給付相当部分がある場合には」という部分の保険外併用療法のところです。こう いった部分が、内閣府の報告書では患者のインセンティブのところに書かれていて、こ こでは章立てが別になっていて非常に分かりにくい部分があります。こういうところも 全部総合して、治験・臨床研究に関する参加のインセンティブの向上という形で、読ん でいただければと思っています。ご指摘のように確かに離れていて見えにくい部分もあ りますので、少しその辺の書きぶりは検討させていただければと思います。 ○楠岡座長 この3つ挙げている中で、1番目の待ち時間解消というのは医療機関側の 努力で臨床試験でも可能な部分です。2番目は、いま事務局から答えがあったように20 頁と関連していて、いまの臨床試験の中でも協力者に現金ということはあまりないです が図書カードを渡すといった形の謝礼的なものを出すものもあります。しかし、保険診 療のところで減免措置的なことをすると混合診療に觝触するなどの問題があり、これは 臨床試験との兼合いで先ほどのご議論のとおりかと思います。3番目に関しては、いま の臨床研究に関する倫理指針の中にも公表の義務のようなものが一応は謳われていて、 結果がどうなったか分かるようにしないといけないのですが、それもまだ指針の段階で す。また、それに関しての検証というのがまだ十分できていないので、これは後にある 倫理指針の見直し等にかかってくる部分かもしれません。  臨床試験を行い、その治療法がいいので継続してほしいという患者の要望があった場 合、これは治験とは違いますので、患者さんと実施者との間の合意で継続できる部分も あり、またできない部分もあると思います。そこは治験と違うところがあると思います ので、その辺はわかるような形でしておいたほうがいいでしょう。全体の流れとして治 験と臨床研究を特に区別しないということできていますから、治験に特に関わった事項 ということが分かるようにしていただければいいと思います。よろしいですか。 ○一木構成員 結構です。 ○楠岡座長 ほかにございますか。 ○中島構成員 いまのところで3番目の○ですが、治験終了後でも治験薬の継続投与が 行われるよう対応を図る、ということでいいと思いますが、大事なことはGCPの被適用 下での提供といったところを、きちんとしていただくことが円滑な提供につながり、関 係者の負担の軽減につながるということで大事だと思います。 ○楠岡座長 ほかにございますか。前回の全体の流れの中では各項目でいろいろご意見 をいただきましたが、唯一、16頁の3の国民への普及啓発、治験・臨床研究への参加の 促進という部分が、ディスカッションがあまりなかったところです。本日、辻本構成員、 塚本構成員がお見えになっていますから、この部分に関してもし何かご意見があれば、 お願いしたいと思います。 ○辻本構成員 前回、欠席し申し訳ございませんでした。計画案を読ませていただきま した。実は調査班でアンケートをとった時に患者さん、いわゆる国民の側は誰に期待し ているかというと、CRCへの期待が非常に大きいことが明らかに数値としても示されま した。そういう意味で、インフォームドコンセントの重要性や、具体的に患者さんとの コミュニケーションを喚起するような、1文が残念ながらどこにもないのです。やはり 1文、CRCの方の能力向上の課題の中に、そういったことを明記していただくことが時 代の要請でもあろうかと思います。 ○楠岡座長 それはどちらかというと、人材育成のところのゴールの1つの形として入 れる方がいいのでしょうか、それとも(3)のところに入れる形がいいのか。12頁から の人材の育成と確保という中で、13頁の(3)のCRC等の課題という中の項目ですね。 ○辻本構成員 今日の資料で言うと14頁にCRC養成の課題とありますね。こういったと ころにコミュニケーション能力とか、インフォームドコンセントへの理解といったもの があってほしいと拝見していました。 ○楠岡座長 事務局から何かこの点に関してありますか。 ○佐藤課長補佐 私どもは関係者とも協議していますが、追加する方向で検討させてい ただきます。 ○楠岡座長 塚本構成員、何かご意見はございますか。 ○塚本構成員 16頁のいちばん下に出ていますが、学生がボランティアとして治験に参 加したいという相談が、この間来たので、私もどういうふうになっているのかインター ネットで初めて見たのです。いろいろ誘うようなサイトはいっぱいありましたけれども、 ある程度公的なサイトをもう少し充実していただきたいと思いました。その程度です。 ○楠岡座長 情報提供のところで、アクションプランの中にポータルサイトの話が少し 出てきますが、ここに関わってくるかと思います。ほかにございますか。山本構成員、 機器のほうはいかがですか。 ○山本(晴)構成員 機器のところは前回も書き込んでいただいていますので、そのほ かに、この全体にいろいろ書き込むことは非常に難しいと思いますから、検討を続ける という形で前向きな形で書き込んでいただければ結構かと思います。 ○楠岡座長 新井構成員からご意見をいただき、かなり改まったところですが、この点 はいかがですか。よろしいですか。 ○新井構成員 はい。 ○楠岡座長 20頁までのところは概ねこのままということで、もし何かお気づきの点が あればご指摘いただくことにします。21頁以降の「5カ年計画の実施について」に移り たいと思います。この点について、前回は基本のところで挙げられたものを担当部門別 というか担当者ごとに整理した形でしたが、今回はもともとの形で項目ごとにアクショ ンプランを挙げていただく形になっています。1つずつ順番に検討していきたいと思い ますが、まず21頁の1の治験等の活性化が目指すものについて、まとめというところで すけれども、何か特にご指摘はございますか。座長からですが、(2)の治験・臨床研究 の姿のところに、患者さんの立場から見てどうかというのが(4)としてあるほうがいいよ うに思います。これだと実施者側ばかりの話になってしまっているので、もう1つ患者 さん側からの期待というか、それを1つ入れておくほうがいいのではないかと思います。 具体的には先ほどの(3)に出てきたような部分が入ってくるかと思います。もともと 6頁の目標の中に、国民が安心して治験・臨床研究に参加できる体制というところが大 きく挙げられていますので、これに対応するものがあったほうがいいのではないかと思 います。これはご検討いただきたいと思います。ほかに何かございますか。 ○山本(精)構成員 いまの点で私も賛成なのですが、目的のところに「質の高い最先 端の医療が提供される」ということになっていて、この記述しか仕方ないのかもしれま せんが、医薬品・医療機器だけなので、もっと医療全般の開発というほうがいいと思い ます。これでも「最先端の医療」と書いてあるのでいいとは思いますが、その最先端の 医療が提供されるのに対応するような(4)というか、治験や臨床試験が活性化されると質 の高い医療が提供されることになるという記述も、患者側からとしてあったほうがいい のではないかと思います。 ○楠岡座長 いまのようなご意見を踏まえて、少し考えていただくところがあるかと思 います。ほかにございますか。それでは21頁の2のアクションプランに移りたいと思い ます。(1)の中核病院・拠点医療機関の体制整備ですが、この点に関しては何かござい ますか。予算の問題があって何カ所かというのはまだ決まっていませんけれども。 ○塚本構成員 原案としては、要求は中核病院が40カ所ということですか、それとも拠 点医療機関が40カ所ということですか。 ○佐藤課長補佐 厚生労働省の要求事項としては、拠点が40カ所です。中核につきまし ては文部科学省の分が8、厚生労働省の分が10です。これは予算的には原案の中に含ま れているということです。 ○塚本構成員 わかりました。 ○山本(精)構成員 予算が付いていないこともあって、書きようがないのかもしれま せんが、本文のほうにも専門とする領域ということがありましたし、採択していく上で 疾病ごとに取っていくのか十分にここでも議論できていないので、それを書くことは難 しいかもしれませんけれども、どういうふうに中核や拠点を配置するのかに関して何か あれば、採択する人もしやすいのではないかと思いますが、いかがですか。 ○楠岡座長 事務局として考えていることがありますか。 ○佐藤課長補佐 本文中にも書いていますが、いわゆる疾患領域的な考え方と地域性と いう2つの観点から、例えば9頁、10頁にあるように期待される機能を持ち得る所を先 行していくというところでは、この本文中に記載しているとおりかと思っています。 ○楠岡座長 中核・拠点構想の1つのポイントというのが、前回のときのネットワーク 構築が上から作っていくような構築だったのに対し、今回は既にある程度実際に行われ ている所に手を挙げて参加していただく。その中で機能として、中核的な機能を持って いただくか、拠点的な機能を持っていただくかという形になっていくので、作っていく というよりも、今あるものをつなげていくという考え方になってくるかと思います。し たがって、そういう意味では即戦力になり得る所に、中核・拠点になっていただこうと いう考え方だと思います。  ただ、特定分野でまだなかなか治験が進んでいない所は中核とか拠点と言っても、ま だそれに達する医療機関が現実にはないという可能性も十分あります。そういうところ はむしろ行政側から働きかけていって、そういうものを作っていくことになるかと思い ます。逆に、ある程度成熟している分野に関しては、今あるものをつないでいくような 形でやっていけるのではないか、そういう考え方だと思います。そういうことでよろし いですか。 ○中島構成員 先ほどの事務局のご説明で、拠点は40カ所ということで要求していると いうことなのですが、その数字の根拠というのは大体どんなイメージなのでしょうか。 私が考えると都道府県が大体そのくらいの数になるなと思いますが、その辺はどうなの でしょうか。 ○佐藤課長補佐 40の根拠というのは、以前にもこの検討会でご紹介申し上げたかもし れませんが、アメリカのジェネラル・クリニカル・リサーチセンターが80カ所です。ち ょうど日本の人口の2倍のアメリカが80カ所ということですので、日本は人口ベースで 言うと半分ですから、約40カ所だろうというのが1つの目安になっていたかと思います。 あと総合科学技術会議等でも、あまりこういった予算をばらまくのはいかがなものかと いうご指摘もあり、そのアメリカの例からとってみると、このぐらいの数が適切なので はないかというところで、40という数を設定している次第です。 ○楠岡座長 よろしいですか。この件に関しては今まで何回か、既に中核・拠点構想が 出た時点から議論いただいていますので、よろしいかと思います。次の人材育成の点に 関して、いかがですか。 ○榎本構成員 今までの調査班の報告書などでも、治験を実施する側の医師、IRB委員、 コーディネーター、関連する事務職員等の育成、教育、確保が必要だということが示さ れています。この計画案を拝見すると21頁の2のアクションプランで、「国は以下の取 組を行う」と赤字で今日の計画案に追加されていますが、22頁のいちばん上の平成19 年度より開始のところで、経験を積んだCRCの上級研修、データマネージャー、IRB委 員を対象とした新規研修を実施するとあり、これを誰が実施するかというところで、国 がという主語になりますがよろしいでしょうか。  これの前に遡って、中核病院・拠点医療機関の期待される体制・機能の「人材」のと ころで、やはりCRC等の職員、IRB委員や医師等の教育研修をやっていくことが求めら れているというところがあって、主語に食い違いがあります。  そして24頁で、これから検討するアクションプランの(2)の治験・臨床研究を実施 する人材の育成と確保の中には、医師、IRB委員、CRC、関連職員への教育のことが全く 入っていないのです。そうすると誰が教育や育成をやっていくのかというのが不明確な ので、この時点でそれぞれの箇所の統一が必要なのではないかと思いまして、確認をさ せていただきたいと思います。 ○楠岡座長 事務局、いかがですか。 ○佐藤課長補佐 ご指摘の部分ですが、先ほどの私の説明が少し分かりにくかったかも しれません。22頁の上の平成19年度より開始の経験を積んだCRC云々というところは、 榎本構成員ご指摘のように主語は国です。実はこれも平成19年度からの予算要求の中に 入っていて、これは一応内示をいただいているもので、ここは国のほうで新規の研修事 業を実施させていただきたいということです。  一方、24頁のこういった中核・拠点の部分で要求される部分というのは、どちらかと いうと薬剤師、看護師、臨床検査技師等の部分など、かなり専門的な技能を要求される 部分について、中核・拠点でのいろいろな研修体制を作っていくことが主に書かれてい る部分です。例えばIRBの構成員などは、どちらかというと、科学的な試験を作る意味 での専門性という部分とは少し違うだろうということで、むしろ22頁の一般的な研修事 業のほうに書いています。そういう整理ですが、確かにご指摘いただいて改めて読み直 してみると分かりにくい部分がありますので、少し主文を含めて最終版まで整理させて いただこうと思います。 ○楠岡座長 ほかにございますか。 ○山本(晴)構成員 平成23年度までに実施の2つ目の○ですが、「中核病院に生物統 計家が医療機関あたり1名以上、拠点医療機関にデータマネージャーが1名以上となる 配置を促す」と書いてあり、これだと中核病院には生物統計家だけがいて、データマネ ージャーがいないという読み方もできます。生物統計家とデータマネージャーはセット で置かないと、実際の現実的な実務に入れないと思いますから、ここは誤解のないよう にしていただきたいのと、もう1つ、読んでいて何となく気になっているのですが、中 核は病院で拠点は医療機関なのですかね。中核病院・拠点医療機関とわざわざ書き分け ているのは、何か意味があるのでしょうか。 ○佐藤課長補佐 データマネージャーも中核に必要なのではないかという部分は、おそ らくご指摘のとおりです。実は27頁のデータマネージャーの定義の部分で、作成途中で セントラルのデータマネージャーと、セントラルでないローカルの部分でのデータマネ ージャーと、2つ、データマネージャーの定義を書き分けています。こういうデータマ ネージャーの中身の整理をしている途上で作った部分があり、むしろ中核のほうでもセ ントラルのデータマネージャーというのは、中核病院になるような所ですから、我々も 持っていて当然だろうという感じはしていたのですが、入念に書いておく必要があると いうことであれば、ここはご提案をいただきまして、1名以上がいいのかというところ もありますけれども、事務局のほうで対応させていただこうと思います。  病院と医療機関の関係は、もともと10月、11月の検討会資料では中核病院・拠点病 院と書いていたのですが、必ずしも拠点になる所は病院だけではないのではないか。診 療所なども候補にはなり得るというご指摘をいただき、ここは医療機関というふうに以 降は書き改めているということです。 ○山本(晴)構成員 私が気になったのは、医療機関がクリニックというか、そっちの レベルにいくほうを気にしたのではなく、病院の中で生物統計家、データマネージャー を常勤化することが現実的には非常に難しいという問題があります。医療職では絶対に ない方たちですから、医療職でない方を特に公的病院に置くというのは制度上難しい問 題があるし、「病院」というふうに書いているところは少し気になるなと思ったのです。 現実的に今、病院で生物統計家、データマネージャーを置いている所というのは病院と は別組織に置いていますし、それは現実的な問題なので、制度上、そちらも工夫される のであればいいのですが、現実の制度で無理に統計家やデータマネージャーを置くとな ると、たとえ中核病院に手を挙げてなった所でも、現実的には非常に難しい問題が発生 するだろうということが予測されましたので、そういうことを言いました。 ○楠岡座長 いまの問題は、前半部分のところでの指摘に入っていませんでしたか。15 頁の(4)の生物統計家の課題の3つ目の○に、「研究機関等から医療機関等への雇用を 促進するため、産官学が連携し」とあり、こういうことを頭に置いてのアクションプラ ンということです。ここは重要な点であって、中核病院・拠点医療機関を選定する、あ るいは3年とか5年の間に経過を見て、要件を満たさないと剥奪するとかいうことがあ り得るわけですが、その時に、あまりガチガチに病院での正職員として雇用されていな いから駄目だとなると、いま山本晴子構成員が指摘されたような問題が出てきます。あ る程度機能的にきっちりそれが担保されていればいいというか、当面はそれでないと実 際に動かないところがあるので、その辺は運用面でかなり考慮することになってくると 思います。  同じようなことで、その次に治験責任医師1名当たり0.5名以上のCRCとか、30%以 上がCRCの関連学会の認定ということに関してですが、CRCと言っても100人規模であ れば1人辞めても大丈夫なのですが、5人しかいない所で1人辞めると20%の変化にな ります。CRC5人のうち認定CRCが2人がいて40%でクリアしていたのが、1人辞める と20%に落ちてしまい、30%切ったから要件を満たしていないという話になってしまう と、また大変なことになりますので、この辺は十分、現状を踏まえた上での運用という ことになってくるかと思います。そういうことでよろしいですか。 ○佐藤課長補佐 楠岡座長のご指摘のとおりで結構かと思います。基本的に病院の定数 から考えると、医療職でない方はすぐには置きにくいという状況もありますし、実質的 にそういう方が活動できるというか、実質的な意味で関与していることが担保できる仕 組ということを、ここでは意図しているということかと思います。  あとCRCの30%以上の部分ですが、ここは「促す」という書き方をしていて、「でな ければならない」というふうには書いていません。これはご指摘のようにいろいろな人 事異動などを考慮した上で、誰か抜けたときには必ず次にそういう方を育てていただい て、認定を受けていただくようなことで繋げていただくときに、当然、いろいろなギャ ップが生じますので、そこも考慮した形での目標ということかと思います。 ○楠岡座長 よろしいですか。 ○榎本構成員 いま楠岡座長が言われた、責任医師1人当たり、コーディネーターが0.5 人以上という表現ですが、通常、コーディネーターの数はプロトコール数とか症例数で 語られることが多いのですけれども、責任医師1人ですと責任医師がプロトコールを5 本持っている場合や、1つしかない場合などがあり、患者さんの数が多いとコーディネ ーターは走り回らなければいけないですから、この責任医師1人当たり0.5という根拠 というか、元出がわからないので教えていただければと思います。 ○佐藤課長補佐 責任医師1人当たりの根拠というのは、大体、いま、厚生労働省の研 究事業である臨床研究基盤の整備事業で、助成を受けている施設が5施設あります。そ この施設の実態の数字を私どもで調査し、それを平均化したところ、こういう数字であ ったというところが根拠です。確かに榎本構成員が言われるように、プロトコール数ご とでの数ではありません。プロトコール数ごとの数というのも考慮に挙がったのですが、 施設の大小ごとに変動が大きくなってくる部分もありますので、とりあえず今回の案と しては、この形のものを提示させていただいたということです。 ○山本(晴)構成員 現実的に考えると、例えば40プロトコールあり、責任医師が20 人とか30人いるとすると、15人ぐらいはいなければいけないとなり、現実的にこれを クリアするのは難しいのではないか。特に中核とか拠点になる施設は構成員方の数が多 いので、結構、これをクリアするのは難しいのかなと思います。 ○楠岡座長 いろいろな考え方があって、いま事務局から指摘されたような考え方もあ り、逆にプロトコールとして継続試験などになってくると、実際上は1つの治験だけれ ども、形の上では複数に分割されている場合もあります。ですから、これも先ほど挙が った認定CRCの数と同じように、1つの目安というところで考えていかざるを得ない。 カウントの仕方によって変わることがないように、1つの基準をはっきりさせておくと いうことで、一応、こういう記載と考えていただきたいと思います。 ○中島構成員 先ほどの議論の中で、中核病院と拠点医療機関でそれぞれ求められる体 制、機能、こちらにあるけど、こちらにないという話があったと思います。前に戻って 恐縮ですが、9頁から11頁にかけてそれぞれに求められる体制・機能というのがありま す。私の理解ですと、拠点医療機関に求められる基本的に重要な機能というのは、中核 病院も当然持っているべきだと思いますが、細かく対比してみると、拠点医療機関のほ うに記載されていて、中核病院のテーブルの中で抜けているものがあるように思います。 例えば患者対応については先ほど、このように付け加えましたよというご説明がありま したが、これは基本的なテーブルになると思いますので、その辺、拠点医療機関にある 分で重要なものについては、きちっと中核病院のほうに反映するような整理が必要では ないかと思いました。 ○楠岡座長 この点に関しては、いかがですか。 ○佐藤課長補佐 例えば患者対応のところをとった場合に、中島構成員がご指摘のよう に、11頁の拠点のほうの表では1番目と2番目が書いてあって、3番目の拠点医療機関 間のネットワークを核として、地域に存在する患者紹介システム等を活用することによ り云々というのが拠点のほうにはあって、9頁の中核のほうの患者対応には、この部分 は確かにないというところも、1つ例として挙げています。  実際、プロトコールを作り、中核・拠点というのは必ずしも上下関係ではなくて、横 の並行したネットワークの中での関係ということかと思いますが、その中核において、 例えばがんセンターみたいなものを1つ例にとってみた場合に、国全体の医療に対する 目的で造ったようなセンターに対して、その地域に密着した形で、こういうものが出来 るかどうかという部分が出てくるケースもあるのではないか。むしろ、そういった機能 は拠点として動いていただく所に考えていただいたほうが、すっきりする場合もあるだ ろうということで、あえて中核のほうにそれを押し付けない形で書いています。  それは、実際にどういう所が中核になるかというところにもよりますが、それができ る所は当然、やっていただいたほうがいいだろうと思います。ここに書くとそれがマス トになってしまう読み方をされる恐れもありますし、いまのは1つの例ですが、他の項 目についても多少書き分けをしているところがあります。そこはまた少し精査が必要と いうことであれば、またパブリックコメント期間中に検討してみる価値はあるだろうと 思っています。 ○中島構成員 例えば拠点医療機関に期待される体制・機能というところの人材のとこ ろで、常勤のCRCが配置されていることというのがありますが、これは中核のほうには ない。当然、先ほどの議論の中で、それは考慮されているわけですけれども、結構重要 な機能というか、求められる項目だということがありますから、そういったものは入れ ていただいたらいいと思います。 ○山本(精)構成員 いまのに関連するところで、生物統計家に関しては、まさに山本 晴子構成員が言ったとおりだと私も思っています。ここの記述で、初めのCRCが責任医 師1人当たりというのは治験のことですよね。その後の生物統計家というのは治験のこ とではなくて臨床研究のことだと思います。  臨床研究の例えばプロトコールコーディネーターではなくて、プロトコールの研究代 表者なり責任者と考えると、おそらく全然CRCの数は足りなくなってしまうのです。記 述が混ざってしまっていることもあるのですが、それよりも科研費を使いやすくすると か、CRCというネーミングを臨床研究も含めたものにするなど、全体的に臨床研究を促 すような形にしていただいているのがあります。もしお金がついたら、それは国からの お金で出るので、臨床研究に対するCRCも、できれば中核には1人つけることが望まし いぐらいのことが書ければ、我々としてはありがたいというか、施設としては難しいか もしれませんが、ここの書き方をもうちょっとそのようなことも含めて整理していただ ければと思います。 ○楠岡座長 9頁の表1の人材の最後の所に、「中核病院としての臨床研究を計画し実施 する生物統計家やデータマネージャー、経験を積み教育的役割を担うCRC等」、このCRC が単なる教育的役割を担うのか、臨床研究にかかわるのかというところが、はっきりし ないところがあるのです。それから、先ほどの治験責任医師、ここは治験責任医師とし て書いてしまったほうがはっきりするかもしれないというところで、カウントの仕方、 ベースをどうするかもあるかと思います。その辺りを検討するというところがあると思 います。ここで数値目標といいますか、新規CRC 3000名とか、先ほどから議論がある責 任医師1名当たり0.5名のCRC等がありますが、この点辺りに関してはいかがでしょう か。あまり低い値では意味がないですし、かといって達成できない、高すぎる値も意味 がありませんので。検討会として、5年後は達成できる目標としては。 ○山本(晴)構成員 CRCの数については、本当はCRC1人当たりが何件ぐらい持つこと が適正ということを書くほうがわかりやすいのではないかと思うのです。件数当たり何 人などとすると固定化してしまうと思うのですが、当然、治験の件数というのは年ごと にすごく動きますし、軽いものと重いものがありますから、ある程度幅を持たせて「CRC 1人当たり治験で例えば何件から何件程度の業務分担になっていることが望ましい」と いう書き方が現実的なのではないかと思います。 ○楠岡座長 ただ、また先ほどの議論の蒸し返しで、診療所レベルだったら30プロトコ ールこなせるけれども、大きなプロトコールだと1つか2つが限度などというところも ある。 ○山本(晴)構成員 ですから、あまり強く書かないことが大事だと思うのです。ただ、 医療機関の特性によってものすごく変わると思うのです。たぶん大学病院であれば、件 数よりも責任医師の数のほうが非常に多く、やたら多くなる。つまり、1プロトコール 当たり責任医師が何人もいるというプロトコールがたくさんあるはずなので、過大にな ってしまって、普通の病院だと1プロトコール当たり1人しか責任医師を採らないのだ けれども、逆に1人の人にわりと集中して何件も来るので、責任医師よりも件数のほう が多くなってしまう。そういう意味で、病院の性格によって過小から過剰に振れるので す。ですから、こう書いたとしても目標というか、目安程度にしかならないと思うので す。どこかにそういうことを含ませるかですけれどもね。 ○佐藤課長補佐 ご指摘はもっともだと思うのです。確かに医療機関の規模や形態によ って、プロトコール当たりで見たほうがいいところもあるかもしれませんし、逆に体制 の基盤整備という観点からすれば、基盤ということは人材の数ですので、人がどのぐら いの数、定数としていたほうがいいという議論をしたほうがわかりやすい部分もありま す。そういったことを考えていくと、責任医師1名当たり0.5ということだけの指標で 判断するということではなくて、いま山本(晴)構成員からご指摘いただいたような、 これと計画数におけるCRCの割合のようなものを加味して評価をする、という形にした ほうがよいのではないかという感じはします。残念ながら、計画数当たり何人ぐらいの CRCが適当かという数字が現状ではありません。数字の目標を立てにくいという部分も ありますので、これまでの専門調査班等の数字なども、またパブリックコメント中にひ っくり返してみようと思います。その辺りの数的なもので、このぐらいの数が計画数当 たり適当なのではないかというご意見やデータなどがありましたら、事務局にご提供い ただいて、パブリックコメント明けの案に、その辺りがきれいに反映できているような 形にさせていただければと思っております。 ○伊藤構成員 国立病院機構ですが、臨床研究も含めたCRCの配置を考えております。 現在国立病院機構本部から紹介している治験のCRC経費は、1症例当たり10万〜15万 円ぐらいで設定しています。スタッフのCRCですので、1人のCRC当たり50件ぐらいを 扱えることを前提に、社会保険料も含めて計算しています。将来は治験だけではなくて、 臨床研究に関してもCRCの人たちが関与でき、かつ公的な研究費も含めたいろいろいろ な形の研究費で対価を払えるように設定しているところです。正直言って、常勤の方の CRCの人件費が多少高いものですから、この方式では相当シビアで、特に専門性の高い ある程度の方の人件費では苦慮しているところです。一応、国立病院機構の取組という 意味ではご紹介させていただきます。 ○楠岡座長 この辺りはいろいろな考え方があると思いますし、先ほどからの議論は換 算表と言うとおかしいのですが、こういう見方からするとこういう数字、こういう見方 からするとこういう数字という形になってくるので、それを1つでは表現できないかも しれないことを含んで、従来のこういうものの書き方とは少し違う形になるかもしれな い。一度、事務局で検討し、またパブリックコメントでそれに関して良いアイディアが あれば、是非採用していくというところです。検討会としてはやや無責任ですが、パブ リックコメントで良い意見が出されるのを期待してというところにさせていただきたい と思います。 ○中島構成員 少し戻るのですが、「平成19年度より開始」の4つ目の○の後段の所で、 「治験の受託研究費の適正な院内配分を促す」とあります。これは大変良いことだと思 うのですが、院内配分について適正なものはこうだというモデル的なものを検討するぐ らいの踏み込みがあってもいいのかなと。併せて、受託研究費の適正なモデルといいま すか、項目と単価を含めて検討されるといいのではないかと思います。 ○楠岡座長 いまの後半の費用負担の部分は、(4)の企業負担の軽減という所にもかか わってくるかと思います。それから、適正というのもなかなか難しくて、病院の性格に よって、現に民間病院では契約して入ってきたお金を直接、担当医師等の給与として出 している所もあれば、制度上それが難しいので、研究費としているところもある。院内 配分も、いまの国立病院機構のように、ある程度、病院長の采配で、院内の自由に使え るという所もありますし、施設によってはまだそれができていない所もあるので、適正 というか、モデル的なもの、事例的なものを提供していって、その中でいろいろ考えて いただくという形になるかと思います。何をもって適正かというのも、それもまた難し い議論になってしまうので、いろいろな事例を提供することで改善していっていただく という形ですね。 ○尾芝構成員 「19年度より開始」のいまと同じ所なのですが、2つ目に「医師、IRB 委員」という所があって、これは流れからすると、中核病院、拠点医療機関のIRB委員 に対してプログラムを実施するという読み方でよろしいのでしょうか。ということは、 それ以外にも世の中にはIRBは存在しているわけで、そこをどうしていくのか。あるい は、新しいGCP下で中核・拠点のIRBに収束するという方向性を出していこうとして、 そこに教育を集中しようということなのか、ここはどのように考えればよいでしょうか。 ○佐藤課長補佐 いまの2点、「19年度より開始」の○の2つ目の「中核病院・拠点医 療機関の医師、IRB委員、事務職員に対する教育プログラムの実施を促す」というのは、 読んで字のごとく以上のことは何も意図していないわけです。中核・拠点を整備すると いうものは、既存のGCPなり既存の治験をやっておられる施設に対して、そこを否定し ているのではない。上乗せ的に今回いろいろなリソースなり技能なりを集約できる部分 をつくる、ということでやっている部分です。ここで書いてあるのは、中核・拠点にい らっしゃる方は、まず中核・拠点の中でしっかりと協力できるプログラムを実施してく ださい、ということを言っているにすぎません。ここで書いてあるIRB委員というのは、 中核・拠点に共同IRBなり中央IRBみたいなものを集約させて、そこを中心として何か やろうという意図のことでは全くなくて、単に全体の教育プログラムを考えていく中で、 当然国もお金を入れて投資するわけですから、そういう所にしっかりやっていただこう というところです。 ○尾芝構成員 そうすると、確認なのですが、16頁に「IRB委員を対象にしたモデル的 な研修の実施を国が検討すべきである」という件があるわけです。そうすると、国が検 討すべき研修の第1段階として、このようなことを促していくという理解でよろしいの でしょうか。16頁の(6)の「その他治験・臨床研究支援スタッフの養成の課題」の1 番目の○の最後の所ですが、「IRB委員を対象にしたモデル的な研修等」です。 ○佐藤課長補佐 これは先ほどの榎本構成員からの質問にも戻るところがあるのですが、 16頁の(6)の1番目の○のIRBの中には云々「モデル的な研修を実施することも国が 検討すべきである」と、22頁でいうところの「19年度より開始」のいちばん上にある○ の「新規研修を実施する」という所は、まさしくこの内容に対応したアクションプラン で国がやる中身として書かれております。一方で、中核・拠点としてやっていただく部 分もあって、国がやる新規の研修と中核・拠点をどうやって連携させるかというのがも う1つ課題になってくると思いますが、ここはそういった趣旨で書いているところです。 ○楠岡座長 次に進むことにして、3番目の啓発・参画への促進の部分に関して、ご意 見はありますか。ここはゴールがなかなか見えないので、スタートのことしか書かれて いないという形になっていますけれども。 ○山本(晴)構成員 基本的に現実的なところだと思いますので、いまの案で大体いい と思います。個人的な経験から言いますと、うまくいっているときは、患者さんも入っ てみて普通にやって普通に終わったというところであれば、あまり問題はなく、次にま た声をかけられたら入ろうかなというので済みますが、例えば有害事象が起きたときと か、それを補償する、しないという問題が出てきたときに、いま書いていただいている 患者向け相談窓口というのがあることがいいのではないかと。実際、どうしても治験に 入ることを進めた担当医が説明するよりは、ある程度中立的なと言ったらおかしいので すが、客観的なところで話をしていただけるということが当事者たちにとってもいいこ とだと思います。この窓口機能というところは、たぶん単に治験の紹介をするだけでは なくて、治験で起こってくる不信感や問題の対処などを引き受ける機能がある程度期待 されるかと思いました。 ○辻本構成員 「患者向け相談窓口機能」と書いてあるのですが、いま医療安全でも患 者相談窓口機能がありますね。これは治験に関してだけの相談窓口という意味ですか。 それとも、いまのご発言の中で第三者的なということだと、医療安全でつくっている窓 口が相談に乗るという、そちらを考えてのことでしょうか。 ○佐藤課長補佐 ここの「患者向け相談窓口機能」は、もともとこの検討会で議論して いる中では、最初は「患者向け相談室」みたいなことが書いてあったと思うのです。こ れがいま「機能」という形になっているのは、医療機関ごとにいろいろな形態があり得 ると。必ずしも固定的に治験だけのための室ということだけでもないでしょうし、その 他の患者対応窓口のようなところが、こういった治験臨床研究に対してもいろいろな機 能を提供することもあるでしょう。そういう機能がきちんとあるというところが重要で あって、形態についてはどんな室であろうと問わない、というのがここでのかぎ括弧の 中での趣旨ということで、当初の議論からここは「機能」という形に変えさせていただ いた趣旨です。 ○辻本構成員 これは例えば患者が治験の医師、それからCRCの方とのコミュニケーシ ョンをとれない悩みを持ったときにこちらに行く、という位置づけなのでしょうか。 ○佐藤課長補佐 そこは必ずしも悩みがあったときでないと来てはいけないということ ではないわけで、この検討会でもご議論いただいたように、実際に治験に入る、治験に エンロールされるというところでの積極的な情報提供だけの部分ではなくて、治験とは どういうものかなどという一般情報についても、関心を持った患者の方がそういう場を 訪れたり、情報入手できるようなものも考えつつ、この「機能」という部分は書いてお ります。そこは9頁、11頁の拠点・中核のところの「機能」にも書いてはいるのですが、 それが両方の目的だというのがやや見にくい部分があります。ただ、趣旨としては、そ ういったものを全部包括しているつもりで書いてあります。 ○楠岡座長 治験の入口の例えば自分はこういう病気にかかっているのだけれども、新 薬の治験、これに関してどこかでやっていないかという問合せ、自分の病院だけではな くて、他の医療機関に関する問合せのような入口の部分から、自分はかつてこういう治 験に加わっていたのだけれども、そのあとそれがどうなっているかということまでを含 むことになります。それを知るために、1つはポータルサイトのようなもので、自分で もアクセスできるような体制をつくろうとしているわけですが、皆さん方全部がそれを 使いこなせるわけではないので、そのようなところがまず必要だろうということです。  それから、いま事務局が答えられたように、最初から最後まで、別に治験の実施期間 中だけのことでなくて、治験にかかるすべてのことに対応ができないといけないという のが1つの考え方です。もう1点は、いまおっしゃったように、例えば医療安全に関す る窓口がありますし、がんの拠点病院などだとがんの窓口がありますし、今度治験の窓 口がある。そうすると、窓口がいっぱいあって、極端な場合、たらい回しになってしま う。ここに行ったら「それはがんだから、向こうへ行きなさい」、「いや、あれはがんの 治験だから、治験に行きなさい」などということになっては意味がありませんので、本 来はどこか1つの所へまず患者が行けば、そこで内容を聞いた上で、これはこちらが対 応しますということで、CRCが出てくる場合もあれば、そうでない場合もあるだろう。 その意味で、「機能」を重視する、何か看板をかけて、人がいればそれで終わりという話 ではないということの意思で、こういう「機能」という書き方になっているとご理解い ただいたらいいと思います。 ○辻本構成員 各病院がそこまで深読みできる状況でしょうか。 ○楠岡座長 それがわかるように記載する必要があります。 ○塚本構成員 「国民の普及・啓発と治験」というタイトルになっていますから、私は 患者さんだけではなくて第I相を担う人なども含んでいるのかと思っていたのですが、 いまのお話だと第II相以降のことに積極的に参加するということで、アクションプラン なども実施主体が病院などになっているわけですね。下のほうでは、学校教育現場で提 供するなどという意味での啓蒙ということだとすると、病院と製薬会社などというとこ ろだけでもいいのかという気がするのですが、そこまでは含めないで考えておられるの でしょうか。それにしては、国民への普及啓発というところがちょっと大きく出すぎて いるのか。そういうことはあまり考えておられないなら、これでいいかと思いますけれ ども。 ○楠岡座長 実際に治験管理センター等に、第I相に関する問合せも結構あります。「治 験に参加すると、かなりお金をもらえるという話を聞いたのだけれども、おたくではそ ういうのをやっているのでしょうか」などという問合わせもあります。ただ、第I相な どに関しては少し意味合いが違うところがあるので、もしそういうことがあれば、窓口 としては第I相は第I相で、ある意味募集等をやっておられるサイト等もあるので、そ ういう所を見ていただくなどということを紹介するにとどまるのではないかと思います。 がんの場合は第I相も入ってきますが、通常の場合第II相、第III相、それ以降の臨床試 験も含めて第IV相のようなものがいまいちばんの問題点になってきますので、通常の第 I相試験はここから除外する話ではないのですが、たぶん拠点、中核病院などでも第I 相を扱う所はあまりないかもしれません。 ○塚本構成員 「国民への」というと、「患者さんへの」というような。 ○楠岡座長 ただ、これもいままでの議論や今回のアンケートなどで、ご本人がその気 になっても、ご家族の理解が得られなくて断るなどということもあるので、やはり患者 だけを対象にしていては駄目です。患者が中心になりますが、それ以外の方にもある程 度知っていただかないと治験がなかなか進まないということもありますので、ここは「国 民への」と。それから、病気になってから治験の話をするのではなくて、健康のうちか ら治験のことは知っておいていただくほうがいいだろうということで、広く「国民への」 という形になっていると思います。ほかにありますか。  (4)の「治験の効率化及び企業負担の軽減」に関して、いかがでしょうか。 ○一木構成員 1点お聞きしたいのですが、ここの中で「アクションプランは平成19 年度より」というのと、「23年度まで」というのと、「20年度まで」というように、難易 度によって分けたのだと思うのです。(4)の「医療機関の治験受託に関する窓口の一元 化」、「出来高払い」、「契約症例の返金」に関してが、なぜ「23年度までに」という非常 に長いタームになっているのか、ちょっとお聞きしたいのです。というのは、何かを調 査して、何か制度を変えて、何かを実施するのにある程度年数が必要だというのはよく わかるのですが、3番目がなぜ23年という、かなり先のデッドラインに含まれているの か、ちょっとお聞きしたいのですけれども。 ○佐藤課長補佐 まず19年度より開始のモデル書式とか、こういうルールでやりましょ うというところを19年度につくるという格好になっています。ただ、こういう会計上の お話や出来高払いというのは、現状をご覧いただいた場合に必ずしもすべての医療機関 が対応できる状況ではなくて、いろいろな組織ごとの会計上のルールなどによって、や りたくてもなかなかできない所もあると。それをいきなり19年度から全部できていなけ ればいけないという目標設定は、当然我々は無理だと思っております。したがって、19 年度にはまず共通のモデル書式やルールの部分をしっかり作って、23年度までにはみん ながそれに従って達成しているようにしましょう、というロジックで作られているとい うことかと思います。その23年までの間に、現状ある医療機関の体制なども親元が変わ るとか、いろいろな体制の変更があることもあるかもしれませんし、これはそういう少 し長いスパンで考えてみるほうが政策的にもいいのではないか、というところまでお答 えできるのかというところです。 ○一木構成員 それであれば、何となく「改善を促す」というのは、促すのはもっと早 くてもいいのではないか。もしも23年にするのであれば、改善を実施するとか、アクシ ョンプランですから、促して何か結果が出ないとこれはアクションプランでなくなって しまうので、もしも促すという表現であれば、23年度までに促すが、でも、23年度まで になるかどうかわからないというような形になってしまうので、促すのであればもっと 頭に持ってきて、23年に持ってくるのであれば、もっと具体的にというのが本来のアク ションプランの書き方ではないかと私は思うのです。 ○山本(晴)構成員 おそらくナショセンへのご配慮かなと私どもは思っておりますの で、ありがたい書き方だなと思っていたのです。 ○楠岡座長 これは前半と後半を切り分けて、前半部分の窓口の一元化というのは、別 に会計などの関係ではないので、19年から考えていただいていいところで、後半の部分 はナショセンが独法化する22年までは手がつけられないところがあります。ご指摘のと おりですから、ここを分けたほうがいいかもしれないですね。 ○中島構成員 いま座長のほうから「切り分けて」というお話がありました。「促す」と いう言葉の解釈にもよりますが、一木構成員がおっしゃったように促すというスタート は19年度であっていいのではないか。ゴールとしての23年度は、やはりその辺の可能 性を踏まえたゴール設定ということをする必要があるのかと思います。 ○佐藤課長補佐 確かに表現ぶりが、ゴールかスタートかというのがわかりにくくなっ ている部分があります。23年度に書いているのはあくまでゴールの目標を書いているも のですので、確かに促すと書いてある部分で誤解を生じる部分があるのです。ここの表 現ぶりは、例えば出来高払い、契約未了症例の返金等、契約の改善がなされているなど という書き方にできるところはできるだけ直して、パブリックコメントまでに少し構成 員の方と調整をさせていただければと思っております。 ○楠岡座長 スタートとゴールがわかるようにするということですね。ほかにあります か。(5)の「その他」も含めて、これまでのところで何かありましたらどうぞ。 ○荒川構成員 IRBで遅れて来ました。(5)の「治験・臨床研究の規制の適正化及び被 験者保護の向上」を図るということで、具体的に19年度から改正する項目が2項目挙げ てあるのです。前からちょっと申し上げているように、臨床研究の規制に関しては、具 体的に少し問題点を挙げておいて、今後解決の方向に向かっていただきたいと思います ので、薬事法上の未承認薬、未承認機器の扱いなどは、ここの中でも議論されていたと 思います。それから、保険上の扱いも少し明確になるように、具体的にやりやすい環境 をつくっていただくことを是非お願いしたいと思っております。 ○楠岡座長 薬事法関連のことは動きとしては何かありますか。 ○医療機器審査管理室長 未承認の医療機器の提供の問題かと思います。実態も含めて 情報を集めて、検討をしたいと思います。 ○佐藤課長補佐 臨床研究、治験の制度的な部分を含めて、この辺りはこの検討会が3 月までに出さなければならないこのレポートの範囲以上の部分で調査をするのは、時間 的にもなかなか難しい部分があります。当然、事務局としてはそういったご指摘を踏ま えたいろいろな準備はさせていただきますが、これが出たと頃の年度を改めたところで、 そういった問題、特に臨床研究についてはいろいろなご指摘をいただいている部分です ので、また改めて場を設けさせていただければということは考えております。 ○楠岡座長 20頁の「臨床研究の取扱」も、保険給付に関係して踏み込んで書いていた だきましたが、保険局のほうも一応この立場でよろしいということですか。 ○医療課課長補佐 前回の会議でも申しましたが、引き続き議論するというのは問題あ りません。やはり臨床研究自体が幅広く、質が本当にどこまで担保できるのか。そもそ もの問題がまずクリアされないと、あと研究費で補助できるところと保険でできるとこ ろはきちんと分けた形でやっていかないといけない等という議論は基本的に必要だと思 います。 ○楠岡座長 19年度以降で、実態調査されると困るというところもあるかもしれないの ですが、その辺に関して何か調査されるなどという予定は、いまのところはあるのです か。 ○佐藤課長補佐 実態調査について、特に倫理指針に対する運用実態のことですので、 特段保険の部分についてどうこうということでは考えておりません。 ○一木構成員 この中の次の24頁にも書いてある「共同IRB」という言葉が何カ所かに 出てくるのですが、IRBに関しては前回、治験のあり方検討会の中でも、一部セントラ ルIRBに関して検討されて通知が出ていたと思うのです。それから、その前のもともと のGCP上のIRB、共同IRBのあり方、あの通知の中では、もとのGCPの共同IRBのあり 方を少し拡大解釈するという形でやってきたと思うのです。ここで共同IRBという言葉 が何カ所か出てくると、これを例えばパブリックコメントで読んだ場合に、拠点医療機 関の下にぶら下がる施設のIRBをまとめてやってもらえるようなイメージを受けるので すが、なぜ共同IRBという言葉が何カ所かに出てきているのかという意図をお聞きした いのですけれども。 ○佐藤課長補佐 10頁の表の下に注釈があり、「共同IRBとは次のIRB等をいう。治験 実施医療機関が小規模であること等の理由により、当該実施医療機関にIRBが設置でき ない場合において、当該実施医療機関の長が他の医療機関の長と共同で設置するもの。 また、学術団体等、外部の主体が設置する医療機関外IRB(いわゆる「中央IRB」を含む) であって、専門意見を提供する、又は、ある計画のIRBが行う審議の全部又は一部を受 託するもの」ということで、この文書の中で使っている共同IRBというのは、10頁の定 義に書いてあるもの。ここは薬事法の下で行っているGCPの通知のものと齟齬がないよ うに、私どもも記載をさせていただいたものです。 ○楠岡座長 「共同IRB」という言葉は、比較的、概念として共通して認識があったと 思うのですが、中央IRBという言葉になってくると、人によって捉え方がいろいろある という問題があるので、一応ここでは共同IRBという形になっています。ここから先は 次の検討課題になってくると思うのですが、1つの医療機関の中で、これは自身の医療 機関のIRBで審議する、これは外のIRBへ出すという形が混在してくる可能性は十分あ って、今回、課長通知でもそのようなものを多少意識したような書きぶりがあります。 GCPでは医療機関ごとにIRBを設置しなければならないと書いてあるのですが、課長通 知では治験ごとにIRBを考えて構わないというか、それを認めるような書き方になって います。この辺がいまの中核拠点の構想とどう組み合わさっていくかは、実際スタート してみないとわからない部分もあると思います。いまの書きぶりの中では、必ずしも拠 点医療機関の共同IRBに全部かけないといけないという話ではなくて、例えば診療所な どを組織した形でやるような治験がある場合は、当然、拠点医療機関が共同IRB機能を 果たさないと、診療所ごとではとてもIRBを持てないところがありますから、そのよう な形を想定していることになるかと思います。 ○榎本構成員 いまのお話にも関連するのですが、23頁の平成23年度までに実施すべ き、共通化された治験関連書式の件ですが、治験関連書式が各医療機関で統一されてい ないので、治験依頼者の負担になっているというお話で、その上の「平成19年度より開 始」の所に「治験に用いる書式、企業と医療機関の適切な役割分担、モデルチェックシ ートの作成」というのがあります。いま楠岡座長がおっしゃったように、9月21日に「運 用について」という通知が出されて、それには「外部IRBに審査を依頼することができ る」という記載があります。そうなると、外部IRBへの審査依頼書の書式、契約書式な どを作成したり、院内のSOPを変えなければいけないということで、各医療機関の事務 局担当者が、GCPが改定になったり通知が出されるたびに書類を作成しなければなりま せん。それに対してモデル書式が一緒に出されていないにも拘わらず、治験依頼者から はSOPや書式をできるだけ早く作ってほしいという要望が出され、施設ごとに独自の書 類ができている現状があります。ですから、ここにありますように、関連医療機関団体、 製薬企業団体に促すということで、GCPや通知が出されるときには、ある程度それに関 連する書式やSOPの雛形が一緒に出されるような体制にしないと、製薬企業も負担です し、医療機関の事務局担当者にとってもすごく負担で、それに翻弄されているという現 状があります。その辺の作業班などといったものの検討を、是非ここでしていただけれ ばと思いますが、いかがでしょうか。 ○佐藤課長補佐 1つの考え方として、確かに共通に使うような契約を含む書類のモデ ル書式みたいなものは、以前からご指摘があるように国立大学病院書式、国立病院書式、 私立病院書式みたいなものがあって、そういうコアな部分をまずある程度共通化すると いうのは、最初にやらなければならない仕事だろうと思っております。特に中核・拠点 においては、こういう中核・拠点のネットワークなり協議会的なものを1つの例として 申し上げると、作っていって、そういう中でもあらかじめ、いま榎本構成員がご指摘い ただいたようなものをクリアして、まずは中核・拠点のグループの中で同じものをすぐ に使えるような体制をつくっていくというやり方も、1つ例としてはあるのではないか と事務局は考えております。 ○荒川構成員 書式のことはそういうことで、是非具体的にやっていきたいと思います。 もう既に議論されているかもしれませんが、申し訳ございません。前回から言っている ように、ネットワークをどうやって形成していくかをアクションプランの中である程度 明らかにしておかないと、また前回と同じことを繰り返してしまうリスクがあるのでは ないかと、正直言って感じている次第です。その辺のところは、ある程度は明らかにし ておいたほうがいいような気がします。  私が感じておりますのは、研究費は教員などの人たちにはある程度魅力なのですが、 実際コメディカルには研究費と言われてもピンとこないですね。ですから、研究費だけ ではなかなかそれはいかないのですが、ネットワークなどが目指すのは人材育成だけで はちょっと寂しいので、本来は症例集積性ということをこの会でも謳ってきたわけです から、症例集積性をどうやって上げるメカニズムを作っていくかということで、そこに もフォーカスを当てなければいけない。それであってこそ、ネットワークが生きてくる のではないかと思いますので、ネットワーク化ということを本当に真剣にお考えだった ら、症例集積性をどうやって上げるかというメカニズムをもう少しアクションを作って いかないといけない。だから、各中核機能に備える機能として、推進室などといったス タッフをちゃんと置いて、その辺のところを強力に推進できる症例集積にかかわるスタ ッフを専任に置くと。そこがある程度中央事務局的な位置づけもちゃんとやる。そうい う組織づくりをやっていかないと、実際には機能しないだろうと思います。 ○佐藤課長補佐 ネットワークの形成については、専門調査班でもいろいろな調査をし ていただき、またご議論をいただいた上で、現在この案を検討している格好になってい るのですが、ネットワークの組み方、目標の設定の仕方、やり方というのは、必ずしも 一様ではないわけです。どれが本当に良いのかという部分で、固定的にこういう事務局 を置きなさいということは専門調査班の報告を見る限りにおいては、必ずしもここで固 定的な結論なり方向性を出すのが適切かどうかというところには、事務局としては疑問 を持っている部分ではあります。一方、この体制整備において、中核・拠点の役割や機 能という部分で期待されているのは、まさしく荒川構成員がおっしゃるような中核的な 事務局を作ったり、そういう体制を整備することが、この人材機能という表1と表2と いう9頁、11頁に書いてある中で書かれている部分です。まず、入口での体制について はこれをお読みいただいて、またその目標の中で、「5カ年でコスト、スピード、質を米 国等諸外国並みに」という中で、当然それは症例集積性のことなのだということは、実 際に治験を実施されている医療機関においては、目標としては十分に理解されているも のと思っております。特段何か固定的なネットワーキングの形について、ここではあえ て言及しないほうがよいのではないかという形で、この案は作られております。 ○楠岡座長 先ほどもちょっとその議論はあったのですが、今回のネットワークは中核 や拠点というのはあくまで機能であって、ヒエラルキーではない。したがって、中核が 何か推進室のようなものを持って、拠点を指揮してという考え方ではなくて、それぞれ の分野ごとで中核になる所が拠点間で連携をとり、今度は拠点が地域の中で症例集積性 を高めるような努力をしていくと。そこにおいても、ない所に新たに作るのではなくて、 現に拠点並みのこと、あるいは中核並みのことをやっている所に拠点・中核になってい ただいて、それをつないでいこうという考え方ですので、従来のネットワークの組み方 とは、いま出発点を変えているという考え方です。  従来ですと、中核・拠点という考え方になると、どうしてもヒエラルキーになって、 上がとにかく発破を掛けて何とか下を動かしていこうという考え方になってしまうので すが、今回はそういうのではなくて、本当にフラットな中で蜂の巣状のネットワークが あって、中核・拠点がそれぞれの機能の中で、治験や臨床試験の内容によって、組替え を自由にやっていきながら進めていこうということです。だから、その辺をもうちょっ とわかりやすくどこかに示していく必要はあるかと思うのです。一応、拠点の中にも、 そういう意味での症例集積の1つのセンター的機能を持つということは書かれているの で、その辺から読んでいっていただくような形になるかと思います。 ○山本(晴)構成員 これは用語集のところなのですが、IRBの話が出ておりましたの で少し。ずっとIRBできているのですが、用語集にいくと、そこに「治験審査委員会の こと」と書かれております。本文中のIRBというのは、当然、臨床研究の倫理審査をす るIRBを含んでいるということでよろしいですか。確認させていただきたいのですが。 ○佐藤課長補佐 これは、あらゆる形のIRBを含む形の経緯ということで書かせていた だいているつもりです。 ○山本(晴)構成員 用語集のほうは少し、こちらだけ見ると今度は治験のことかとな ってしまうかもしれませんので、またご検討ください。 ○楠岡座長 治験と臨床試験の審査を分けておられる機関もあれば、1つでやっておら れる所もある。これはいろいろな事情があって、ある程度その施設の選択の余地はある と思うのです。それを例えば一元化せよなどというのは、まだ無理だと思います。ただ、 IRBに治験審査委員会と書いてしまうと、あと全部そのように読んでしまわれるので、 少しそこだけは注意していただく必要があるかもしれないので、お願いいたします。24 頁の「実施主体別のアクションプランの実施課題」も含めて、それ以外全体を含めて、 まとめてご討議いただきたいと思います。 ○中島構成員 25頁の(4)で「治験の効率的実施」云々とありますが、ここのオーバ ークオリティーへの取組ということで、実施主体が製薬企業、医療機器企業となってい るわけです。これは前のほうの文章も含めて、企業が努力すべきということだけになっ ておりますが、これはむしろ地震で家が揺れたり壊れたりするのは震源があるからです ので、震源への取組ですね。やはりその辺を書いておくべきだと思います。 ○審査管理課長補佐 治験業務のオーバークオリティーについては、こちらとしても被 験者の安全という観点からは非常に大切なことと考えております。ただ、それが本当に 無駄なものであるというのであれば、それは見直していかないといけないとは考えてお りますので、そこら辺りはまた製薬企業のほうとお話したいと思っております。 ○楠岡座長 これはいまの実施体制全般にかかわるところですので、1つのことではな かなか解決しないところです。いまPMDAに関する議論が出ている中で、少しずつまた変 わっていくところを期待することになるかと思います。 ○中島構成員 企業側も免震装置を取り付けるとか、筋交いなどはやはりやらなければ ならないものだろうと思います。 ○楠岡座長 あとは地震の予知のようなことも必要です。ほかにありますか。 ○山本(晴)構成員 また用語集の所で恐縮なのですが、データマネージメント、デー タマネージャーという所に、今回本文中も通して「品質管理」という言葉が完全に抜け ております。このデータマネージャー、データマネージメントの定義は、いままではっ きりした書きぶりをしたものが世の中にないので、今後データマネージメント、データ マネージャーを指すときに、この報告書での書きぶりが参考にされることが多いと思う のです。これの本質的な業務は、集めてくる情報の品質管理をすることがいちばんの目 的で、そこのところがどうしても抜け落ちてしまうというか、特にデータマネージャー の実質業務を書くと、SE+キーパンチャーのような感じの書きぶりになっているのです。 そうではなくて、もう少し高度な内容の仕事を本当は含んでいるのですが、そこの概念 のようなところがなかなか書けないのかと思っております。ただ、ここは本当にSE+キ ーパンチャーのような形で世間に受け止められてしまうことになると、データマネージ メントという仕事が十分認知されないことになると思うので、山本精一郎構成員や竹内 構成員等のご意見も入れて、もう少し考えていただきたいと思います。 ○佐藤課長補佐 データマネージメントの定義ですが、おっしゃるように品質管理、品 質保証というものがデータマネージャーの役割で、それをデータマネージメントの定義 の中で書こうとしているのですが、品質管理、品質保証という言葉がわかりにくいので はないかと。そういった議論もあって、それを平易に書き下したのが、ここで言う「書 き間違いや不整合などのデータの間違いの予防」、そういうデータの支援という書き方に、 平たく書き下している部分があります。そういった部分について、パブリックコメント 期間中も含めて、もう少し正確でかつこの業務が適切に把握できるような書き方にでき るように、また構成員方からもご意見をいただければと思っております。 ○山本(晴)構成員 お気持は非常にわかるのですね。ちょっと抽象的なことで、実際 データマネージャーがどういうことをしているか、当事者以外はよくわからないところ があると思うのですが、実際にはもう少し高度な、つまり論理的な不整合、あるいは状 況から見た不整合も含んで、ある程度高度な情報処理をされていると思います。かなり 経験に裏打ちされた専門職であるというところを、やはり今回打ち出していくべきでは ないかと思います。 ○楠岡座長 調査の中の人材班の報告書のデータマネージャーの所に、そういうことを 書かれていたと思うので、そういうのを参考にしていただければと思います。 ○荒川構成員 22頁の「23年度までに実施」の2つ目の○に「責任医師当たり0.5名以 上のCRC」とあります。これはありがたい話なのですが、私どもの実態からいくと、大 体60から80のプロトコールが走っていて、このままいくと30人、40人という体制に なると、当然コスト高に跳ね反ってくる状況になるのです。単純にプロトコールで責任 医師という。 ○楠岡座長 そこはかなりディスカッションがあり、今後検討することになっています。 ○荒川構成員 そうですか。わかりました。  もう1つ、時々議論が湧いてフッと消えてしまうのがポイント算定表です。前にも申 しましたように、ポイント算定表は治験の実態を反映していないので、これは是非見直 すべきであって、それに合うように、要するに治験によってはすごく割高になっている ものもありますし、逆に割安のものもある。いくら長期にやっても全然高くならないの が実態で、その辺はできるだけ実態を反映したものに改めるべきだと思いますので、こ れは研究班なりを作っていただいてやるのがいいかと思います。 ○楠岡座長 23頁のいちばん上の「モデル書式等」の中に、ポイント表のことも少し入 れますか。 ○佐藤課長補佐 ポイント表については、またいろいろな議論があるところで、固定的 にこういう部分で書かずに、こういったモデル書式や役割分担などを考える中で、併せ て問題になる部分をもう少し特定していったほうがいいのかという感じはしております。 ○楠岡座長 ポイント表に関しては、厚生科研の治験のコストの研究のほうで、ポイン ト表がコストの高止まりを促進している要因の1つであると指摘されています。極端な ことを言うと、各施設がすごくディスカウントしたポイント表を作っても別に構わない はずであって、そういうのが逆に統一していることが公定価格を形成してしまっている、 という指摘もあります。ポイント表に関しては、1つのモデル的なものはあっても、そ れをどう変えるかは各医療機関、実施施設の考え方によると思いますので、そこはまた 別に考えていく必要はあるかもしれません。これはそれこそ公定価格である必要がない ので、極端なことを言えば、ポイント表は自分の施設だけでも変えられることにはなる と思うのです。あまりにも懸け離れたものになってしまうと困るので、そこは代表的な 団体等が集まって、少し考えていく必要はあるかもしれないですね。 ○山本(精)構成員 25頁の(5)の「臨床研究の推進」の(3)の所の文章がちょっとわ かりにくいと思ったので、確認させていただきます。「公的資金の確保」というのは、研 究者が公的資金を確保するということだと思うのです。これは採択の話だと思うのです が、臨床研究の業績を評価指標に加えるのは、採択の際にそういう論文を書いていると、 ポイントを上げるなどということだと思うのです。実際に研究をやったあとに評価とい うのは大事だと思うのですが、研究を採択したあとの実際の評価にも基礎研究のように たくさん論文が出るわけではないので、評価の仕方もどのような評価がいいかは難しい 話なのです。というのは、臨床研究は時間がかかるので、研究費3年の間に結果が出る ことは臨床試験の場合はあり得ないので、書き方は難しいと思うのですが、採択だけで はなくて評価に関しても結果で評価するようなことがあってもいいのではないかと思い ます。1つは確認で1つはコメントです。 ○佐藤課長補佐 ご指摘のとおり、基礎研究も必ずしもすぐにできるわけでもないと思 うのですが、臨床研究は一定の時間がかかるのは当然のことです。ここでも、そういっ た臨床研究の業績を評価指標で必ずしなければいけないということを言っているわけで はなくて、これまでそういう視点で、いわゆる採択時等の評価をしていたわけではない 部分について、少しそういったものを加えてはどうかということを言っているのです。 そこは構成員のご心配のほどでもないのかと考えてはおります。 ○山本(精)構成員 採択の話ということですか。 ○佐藤課長補佐 はい。 ○楠岡座長 臨床研究にかかわる研究費の採択で、採択されてからプロトコールを作っ ていたら、それで1年経ってしまうという現実があるので、採択してプロトコールを作 るまでの研究と、そのプロトコールが出てきてから、それをゴーするかどうかをもう一 度見直す部分など、今後、そのような何段階かを考えていかないといけないかなと思い ます。それから、データ収集期間とデータ解析期間を考えると、やはり3年という枠で はなかなか難しいこともあると思います。  1つのモデルは、いま医師主導型で日本医師会の治験促進センターでやっているよう な、採択がまず第1段階。採択されたらプロトコールを作っていただいて、それを評価 して、それからスタートするという形。そういうのをもう少し臨床研究にかかわる他の 競争的研究資金の中に、システムとして取り入れていく必要はあるのではないかと思い ます。ただ、この検討会でそこまでは踏み込めないのですが、方向性としてはそういう ことを考えておく必要はあるかと思います。ほかにご意見はありますか。 ○小林構成員 言葉の修正をしてほしいのですが、21頁の1.の「治験等の」だけ、「臨 床研究」というのが併記されていないのです。決してこの検討会は臨床研究を無視して いるわけではないのです、という議論でずっときていて、ほかは全部併記されているの ですが、いちばん目立つ所なので。 ○楠岡座長 わかりました。前のときには、治験・臨床研究を治験等にするという定義 付けをどこかでしていたと思いますので、その辺が残っている可能性があると思います。 それは事務局のほうで確認、訂正をお願いしたいと思います。ほかにありますか。予定 の時間になりましたので、本日の討議は以上とさせていただきたいと思います。本日い ただいたご意見は事務局で取りまとめて、計画案に盛り込んでいきたいと思っておりま す。中核病院・拠点医療機関の数など、数値として盛り込めなかった部分、あるいは責 任医師当たりのCRCの数など、いくつか議論があった部分に関しては、座長預かりとい う形にして、今後検討していただきたいと思います。また、予算にかかわる部分は、予 算折衝の状況を見つつ、具体的な数値を入れていって、計画案の確定としていきたいと 思いますので、ご了承をお願いしたいと思います。最後に、事務局から何かありました ら、よろしくお願いいたします。 ○佐藤課長補佐 本日はご審議ありがとうございました。計画案のパブリックコメント 前の最終案の審議ということで、本日は松谷医政局長から一言ご挨拶を申し上げます。 ○松谷医政局長 構成員の皆様方には大変熱心なご討議をいただきまして、本当にあり がとうございます。私はたしか6月の最初のときしか出ておりませんで、失礼をしてお りました。本日も、本当は最初から聞くべきだったのですが、ご存じのとおり昨日、予 算の内示がありまして、今日はずっと各党説明をして回っており、これが終わったあと 復活折衝をするということで、大変失礼をいたしました。本年6月の第1回以来、今日 は第7回目で、大変内容の深いご審議をしていただきまして、感謝を申し上げる次第で ございます。この間、安倍新内閣が発足をいたしまして、「美しい国」ということだそう ですが、安倍総理の所信表明の中で、「イノベーション創造に向けた長期戦略」というこ とを打ち出されており、「経済成長」の面、それから国民の「健康長寿の延伸」という両 面から医薬分野について強い期待を持っているということであろうかと思います。  この検討会では、いままでの7回の検討を踏まえて、本日は計画案について大変精力 的なご議論をいただきました。この計画案については、年明けに公開をして、広く国民 の意見を聞くこととして、パブリックコメントをする予定にしております。この計画を 着実に実施して、治験や臨床研究の迅速化と質の向上を図って、国際的に魅力のある治 験の環境を実現するためには、文部科学省および厚生労働省と連携をして、引き続き進 めていきたいと思っています。3カ年計画に引き続き、今度は5カ年ということで、こ の計画はまとめられつつありますが、各構成員の皆様方の各専門分野における高いご見 識を踏まえた議論を踏まえて、いろいろな施策の実現に取り組んでいきたいと思ってお りますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。座長をはじめ、各構成員 の皆様方におかれましては、引き続きご指導、ご協力をいただきますようお願いを申し 上げまして、クロージングのご挨拶といたします。本当にありがとうございました。 ○楠岡座長 今後の予定について、事務局からお願いします。 ○佐藤課長補佐 今後の予定ですが、本日のご意見を踏まえて、事務局で計画案を修正 して、パブリックコメントリリース前に構成員の皆様にご確認をいただき、1月から2 月にかけてパブリックコメントの手続をいたします。次回第8回検討会は、2月20日 (火)17時からの開催としたいと思っております。(事務局注:日程再調整の末、次回 開催は2月23日(金)16:00〜18:00に変更)会場については、別途ご連絡をさせてい ただきます。本日の議事録については、作成次第、構成員方にご確認をお願いし、その 後公開をさせていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。前回第6回の議 事録については、各構成員にご修正いただいたものを机上にお配りしておりますので、 これでよろしければ公開させていただきたいと存じます。 ○楠岡座長 いま事務局からありましたように、パブリックコメントに出す案に関して はメールでやり取りをして、最終的なところは座長のほうで調整させていただくという ことで、ご了承いただきたいと思います。以上をもちまして、第7回「次期治験活性化 計画策定に係る検討会」を終了したいと思います。どうもありがとうございました。 (照会先)   厚生労働省医政局研究開発振興課    (03)5253−1111(内線 2545)