06/12/15 保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会 第3回議事録 第3回 保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会議事録 日時:平成18年12月15日(金)14:00〜 場所:厚生労働省専用第18〜20会議室 照会先:保険局総務課医療費適正化対策推進室(内線3181)    ○ 出席委員(敬称略・五十音順)  赤星慶一郎、内田健夫、押野榮司、小島茂、草間朋子、小池啓三郎、河内山哲朗、櫻 井正人、白川修二、田中一哉、田村政紀、辻一郎、津下一代、対馬忠明、中村嘉昭、奈 良昌治、松岡正樹、水口忠男、峯村栄司 ○厚生労働省出席者  水田保険局長、白石大臣官房審議官、唐澤保険局総務課長、岩渕保険局保険課長、神 田保険局国民健康保険課長、深田保険局総務課医療費適正化対策推進室長、山本保険局 総務課老人医療企画室長、大島保険局総務課医療費適正化対策推進室企画官、梶尾保険 局総務課医療費適正化対策推進室企画官、矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、勝又 健康局総務課保健指導室長、金井労働基準局安全衛生部労働衛生課長 ○次第 1.開会 2.議題  (1)決済及びデータ送受信に関するワーキンググループにおける検討状況   (1)被扶養者の特定健診の実施形態   (2)代行機関について   (3)特定健診・特定保健指導の受診券・利用券の様式   (4)事務フローの中で決済に失敗した場合の取り扱いルール   (5)加入する医療保険者が変わった場合の健診データの保険者間移動   (6)健診機関等から保険者へ送付され、保険者で保存されるデータの形態   (7)特定保健指導の実施者の供給見通し(報告事項)   (8)健診結果の説明等の法律上の位置付け(報告事項)   (9)特定健診・特定保健指導の内容に関し残された論点(報告事項)  (2)その他    ・保健指導の事例(効果等)について    ・個人情報保護対策について 3.閉会 ○梶尾企画官 ただいまより、第3回「保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策 に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、ご多忙の折お集 まりいただきましてありがとうございます。本日は、山本委員が欠席です。以後の進行 につきましては、辻座長にお願いいたします。 ○辻座長 最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○梶尾企画官 式次第、座席表、名簿の後に配付資料一覧ということで資料が4種類、 参考資料が3つ、合計7つの資料です。 ○辻座長 議題(1)「決済及びデータ送受信に関するWGにおける検討状況」について 事務局から説明をお願いいたします。 ○梶尾企画官 資料1と資料2を使って、検討状況等についてご報告いたします。資料 1は1枚紙で、「開催状況」ということで、第6回から第10回まで書いてあります。前 回10月11日に行われた第2回検討会にご報告して以降、その後、資料集めなど、詰め るための準備作業を1カ月ほどやった後、11月8日から再開し、5回にわたってこうい う議題について順次議論・検討を進めてまいりました。その検討状況を資料2に整理し てありますので、それを使ってご報告いたします。  表紙にありますように、(1)から(9)まで9つのことについて本日はご報告いたします。 まずひとかたまりということで(1)から(4)の部分についてご説明いたします。資料は上下 見開きという形になります。(1)は、「被扶養者の特定健診の実施形態」です。1行目にあ るように被用者保険の被扶養者が地元で利便よく受診できるようにということで前回も ご議論いただいたわけです。前回ご覧いたただいた図は、複雑でわかりにくい、あるい は委託、再委託という関係がよくわからないというご意見をいただきました。今回の健 診・保健指導については、契約をベースにするという仕組みの下で、利便よくかついろ いろな事務はできるだけ簡素化を図りたいということで、今回、より整理した案を見て いただきたいと思っております。  (A)(B)と書いてある表がありますが、この表に書いたような形で可能なのではな かろうかということです。どういうことを書いてあるかというと、(A)に書いてあるの は、健診機関の全国組織と保険者が契約をする。例えば、健保連等が、全衛連あるいは 人間ドック学会といった全国組織と契約をして、それぞれの会員が会員の所で利用する。 これは、現在も行われているようなやり方です。  (B)ということで、被扶養者が居住する市町村の国保が、当該国保の被保険者に対 して用意する特定健診の枠組み、すなわち市町村国保が、自分の所の被保険者の健診を やるという枠組みがその地域、地域で在る。その枠組みを、被用者保険も使わせてもら おう、ということが可能なのではなかろうかということです。  それを、2頁以降の図でご覧いただきます。参考ということで、左側に市町村国保に おける健診体制ということで、パターン(1)、パターン(2)があります。パターン(1)は、例 えば黄色い卵形の絵がありますけれども、市町村国保が直診施設、あるいは保健センタ ーなどで健診を実施する、市町村直営という形で実施するやり方です。あとは、市町村 が現在老人保健事業を行っているような形で、市町村国保の被保険者についての健診を、 地区医師会に委託をして、地区医師会会員の健診機関で受ける。あるいは、この地区医 師会のところに健診機関が入ることもあろうかと思います。そういう形で、市町村国保 はそれぞれ自分の所の被保険者向けの健診の体制をつくるであろうというわけです。  その枠組みをということで、パターン(1)を採っている市町村の場合、パターン(2)の枠 組みを使う市町村の場合があるわけですが、それぞれについて3頁をご覧ください。3 頁で、パターン(1)の、市町村国保が直診施設でやっている場合であれば、被用者保険は 直診施設と契約をして、被用者保険の被扶養者が市町村国保の直診施設で健診を受ける 形です。  パターン(2)は、前の図では市町村国保が地区医師会と契約をするという形にしており ましたけれども、市町村国保というのが記載されていた場所に被用者保険の保険者が入 るということによって、被用者保険の加入している被扶養者が、市町村国保の人たちと 同じような形で、医師会員の健診機関等で健診を受けられる。第2回検討会の際には、 この間に市町村国保が入っていて、被用者保険が市町村国保に委託をして、市町村国保 が再委託をするというような形で、契約の中に市町村国保が一旦入る形になっていたわ けですけれども、そういうことではなくて、直接被用者保険の保険者と、地区医師会、 あるいは健診機関とが契約をする。そういう契約ができるように、市町村は医師会と契 約する枠組みができるわけですから、それをこういう形で被用者保険も使ってください という形で、その枠組みが使えるような仲立ちをするという形で実現をしようというこ とです。  ただ、その際に健保組合、共済組合がそれぞれバラバラに地区医師会と契約するとい うのも大変ですから、契約事務を委任する形で、代表医療保険者をその地域、地域で決 めて、代表医療保険者とその地域の医師会、あるいは直診施設とが契約する。そこは、 契約事務の簡素化という形でやるような形にしてはどうか。委託・再委託という形で、 その契約の中に当事者として市町村国保が入るという形ではなくて、仲立ちをして、契 約自体は被用者保険と健診機関とで直接的な契約になるということにしてはどうかとい うことです。  1頁に戻りまして、表の中にはそのようなことが書いてあるわけです。(B)の箱の中 にありますけれども、当該市町村国保がパターン(1)で、直診施設等で直接特定健診を行 う場合であれば、被用者保険は直診施設等に委託契約を申し込む。市町村国保が、地区 医師会等に委託して特定健診を実施するという場合であれば、市町村国保への委託、そ して再委託というのは前回お示ししたようなやり方ではなくて、市町村国保と医師会の 契約と同じ条件、この条件というのは単価や内容ですが、それで被用者保険と医師会が 契約できるように、市町村が必要な支援を行う。情報提供を行う。  それはどういう仕組みになるのかということで、下のほうにポツが2つあります。ま ず、代表保険者はどうやって決めるかということです。これは、保険者間での互選にな るわけですが、どこで互選するかは、都道府県ごとの保険者協議会で、誰が代表でやり ましょうということで決めればいいのではないか。自分の市町村は、どういうやり方で 国保の被保険者向けの特定健診をやるのですよ、ということを保険者協議会に情報提供 して、それに乗ろう、乗らないという判断を被用者保険ができるようにする。その情報 提供をすることが考えられるのではないか。  そういう情報を基に契約を結びたいという医療保険者は、例えば4月当初で契約をし て健診業務を開始するというのであれば、2月末までに市町村あてに手を挙げて、それ で代表保険者を窓口とした契約書に名を連ねて、そして年度当初に契約を結ぶというよ うなことが考えられるのではなかろうか。こういう場合でやるとすれば、その契約書の 雛型は私どものほうで整理したいと思っております。  なお、こういたしますと、県内の市町村ごとに代表保険者が契約してもらうという話 になりますけれども、もし都道府県単位で全体をまとめるという形になるのであれば、 より簡素化して都道府県医師会が県全体をやりますよ、というような地域もあろうかと 思います。そういうことになれば、より事務の簡素化もできるのだろうと考えておりま す。必ず市町村ごとでやらなければならないという話でもないと思っております。  いちばん下のポツは、こういう集合契約の枠組みを使う場合は、どの人がどの契約に のっているか等がわかりませんし、どこに請求するかということがありますので、受診 券を使うということ、また代行機関を使うということを原則とするということになるの だろうと思います。もちろん、保険者と健診機関の直接契約をするという道は別途あり、 そういう場合は別に代行機関とか受診券というのが必ずなければならないという話でも ないのですが、こういう集合契約形態の話でやる場合には、そういう形が必要になって くるのではなかろうかと考えております。  4頁は、いまの図を、(A)のパターンと、(B)−(1)のパターン、(B)−(2)のパター ンをフロー図にしたものです。  代行機関の話、あるいは受診券・利用券の話を申しましたが、続いて代行機関という のは何をするのかということで、5頁と6頁は見開きになっています。6頁に代行機関 における事務点検の全体イメージということで、標準的な一例としていろいろ書き込ん でありますけれども、5頁の四角の中にあるように、代行機関ですから、契約している 健診機関・保健指導機関の住所や電話番号等の情報、保険者の情報を持っている必要が ありますし、それぞれがどういう契約をやっているかというような情報を持っていて、 データが送られてきたらそこを確認して送る、あるいは決済といった機能です。図にす ると複雑ですけれども、そういう機能を持ってもらう必要があるのだろう。  箱の下の、「そして」のポツですけれども、代行機関ではそういったことをやるための システムの開発や、毎月毎月の連絡、振込みの手数料といった必要な費用はどれだけか というのを算定します。一方、取扱い件数は診療報酬に比べるとだいぶ件数が少ないこ とが見込まれるわけですけれども、件数がどのぐらいかということを見込むごとに、1 件当たりの事務手数料が出てくる形になると考えられます。  保険者としても、代行機関を使わずに自ら各健診機関に費用を送ったり、健診機関側 もデータを送るとなると、それなりの振込手数料なりがかかるわけですから、そういう ものと比較して、代行機関を使うとか使わないとか、あるいは代行機関の手数料はどう かということになってくるのだろうと思います。ここは、まだどの程度の数字になるか は現在作業中というところです。  3つ目の、「代行機関は」というポツですけれども、各健診機関・保健指導機関及び各 保険者を電子的なネットワークで結ぶという位置づけです。データ送信と書いてありま すけれども、必ずしもオンラインというわけではなくて、媒体での送付も可です。電子 化はされていなければいけないのですが、そういうこともありますし、もちろんオンラ インでも可能です。厳格な取扱いを求められます個人情報である健診データを取り扱う わけですので、「レセプトのオンライン請求に係るセキュリティに関するガイドライン」 を私どもは作っておりますので、どのような機関であっても代行機関としての業務をや るということであれば、それに沿った安全対策はやっていただく必要があるだろうと思 っています。  なお、代行機関は1つに限るという話ではなくて、ここは新規参入可能の仕組みとす る。また、保険者が選べるという仕組みにすることで、事務の点検機能の高度化や、手 数料の適正化といったことも期待できるのではなかろうかと考えています。  代行機関の機能についてはこういう機能であろうということと、手数料は今後検討中 ということを報告いたしました。  7頁からは受診券の話です。特定健診の場合は受診券、特定保健指導の場合は利用券 ということにしております。前回、事務フローの図でお示ししたかと思いますが、こう いう集団契約をする際には、受診をしに行く際、あるいは保健指導を受けに行く際には、 被保険者証と受診券の両方を持っていって、それで健診機関はこの人にやっていいかど うかを確認するようなことを考えています。健診機関は、その両方が来ることを基に、 その方が契約している保険者の加入員であるかどうか、資格を失っているわけではない のか、あるいはその方から自己負担をいくらいただけばいいのかというのは保険者によ って違ってきますので、そのようなことを確認した上で健診・保健指導を行う。その上 で健診等を行いましたら、代行機関にデータ及び請求という形でデータ送信をする。先 ほどの図で言いますと、代行機関はそこで持っている契約情報と合っていればそこを確 認して進めますし、合っていなければ返戻するという形になってこようかと思います。  その際の受診券にはどういうことが記載してある必要があるのかということで、一応 標準様式をガイドライン的に厚労省のほうで定めたいと思っております。  その標準様式ですが、受診券については8頁で、保健指導についての利用券が9頁で す。8頁の受診券のほうでご説明いたしますと、受診券の整理番号を順番に発番してい くのと、被保険者証の番号と名前を入れて、有効期限を記載しておきます。健診内容は、 特定健診の受診券であればそう書きますし、もしそれに加えて何とかもということであ ればそれも書いておく。それは必要なものだけ書いておいて、関係ないのを線で消すよ うな形ではなくて、必要なことだけここに書いておくという形になろうかと思います。 窓口の自己負担も、実際必要なことだけを記載しておく。  ここには例示をいくつか書いてありますけれども、この例示の中のどれかというより は、1つだけ書いておくという形になろうかと思います。その上で、実際に契約をして いる所かどうかがわかるように、契約のとりまとめ機関はどこだとか、支払代行機関が 複数ある場合はどこに請求すればいいのかということがわかるようなことを記載してお こうということになります。  裏面には注意事項がいくつか書いてあります。5番にあるように、被保険者証の返還 と一体的な運用ができるように、資格を失ったらこの受診券も保険証と一緒に返してく ださい、というようなことも記載しておこうということです。寸法はハガキの大きさを 標準様式として考えたいと思っております。保健指導も、構造としては同じようなこと で9頁に付けてあります。保健指導の場合は今のに加えて、健診のほうの受診番号は何 番だったか、ということも記載するようにしております。以上が、受診券・利用券の標 準様式はこういうので考えたいということです。これは、備考6にあるように、必要な 事項は保険者によって工夫することは可能ですということです。  10頁で、このような被用者健診の契約形態及び事務形態というのを想定して、その各 関係者の理解と協力をいただいて、各保険者が必ず使える共通基盤となる仕組みを作っ ていく。もちろん、この仕組みとは別に直接契約をして、そういう場合には代行機関は 使わないとか、受診券は使わないとかいろいろあろうと思います。それは、それぞれの 当事者間でやることは可能ですけれども、必ず使える共通基盤としては、こういう形で、 さらに具体的な検討を進めるということでよろしいかどうかということを本日はご確認 いただきたいと思っております。  11頁、12頁で(4)です。今のような事務フローでいった場合に、1つ目のポツで、多く の保険者、健診・保健指導機関が契約に関与して、代行機関を利用するということです けれども、もし資格のない人、契約対象外の人が受けた場合に、それはどのような費用 負担の仕方にするかといったことを事前にルール決めをしておく必要がある。代行機関 のところでトラブルにならないようにルールを決めて、これは全体が契約をベースにし た枠組みですので、契約書に付属する協定書か何かに基本的なルールを決めておく必要 があるだろう。  そのルールとしては、具体的には受診あるいは保健指導の利用のときの基本的なルー ルとして、保険者が受診券・利用券を発行します。受診者・利用者は、「これを揃えて」 と書いてありますけれども、「保険証と受診券とを揃えて」です。受診者は、保険証と受 診券とを揃えて持参し、その上で健診機関、保健指導機関は被保険者証と合わせて受診 券・利用券を確認する。それで、実際の健診・保健指導を行うことを基本とするという ことです。  例えば、どちらかを忘れてきました、だけれどもやってしまいましょう、という形で 健診・保健指導が行われた場合に、それで実際に資格のある人だったらそれで代行機関 に請求が行きますと、代行機関には契約情報として、その人にやってもいいということ を持っていますからそれで通るわけです。実は資格を失っている人でしたということで あれば、そこは当該機関の責任負担ということで、保険者から支払われない。したがっ て、自己負担として書いてあった額だけを健診機関がいただいたのであれば、あとの残 りの部分を請求するのであれば本人に請求してくださいという話になろうかと思います。  2つ目の箱は、確認をして、資格を喪失していたのだけれども、本来それは保険者が 保険証と受診券を回収していなければならなかったのに回収していなくて、資格喪失し たものを持っていっても健診機関側はわからなかったということであれば、それは保険 者が払うという形なのだろうと思います。それは、精巧に偽造されたような場合もそう いう決めにしてはどうかということです。  3つ目は、記載されていない上乗せ健診をやったような場合、その上乗せ分は健診機 関の負担ということで、そこは保険者からは支払われないということだろうということ で考えております。なお、健診や保健指導でも動機付け支援の場合には、実際に行われ る行為は1回なので、その1回の時にどうだったかということの確認になります。12頁 のように、保健指導の積極的支援の場合は、3カ月ないし6カ月の期間がかかる。そう しますと、過誤という話ではなくて、その期間の間に資格を失ってしまうとか、あるい は途中で来なくなってしまったようなケースの取扱いというのが「なお」と書いてある ポツです。まず、複数回にわたる保健指導の費用の払い方については、初回面接をやっ た段階で1度初回登録料的な費用を払って、最後に全体が終わったところで、残額を払 うというように2回払うというイメージになるのではなかろうかということで事務フロ ーは考えています。資格を喪失したということであれば、資格喪失情報を保健指導機関 に送る。  そうしますと、1回目を払って、2回目までの間に、何度か電話での連絡を取ったり、 途中での中間評価をしたり、それをどこまでやったかということがありますので、そこ の決めもあります。途中で抜けた場合は、最後まで終わったという支払いの仕方にはな らないのですけれども、そこまでに行われた実施実績に応じた費用の支払いをその段階 でやるということにしてはどうかということが「なお」のところに書いてあります。  後半のほうは決済に失敗したということではないのかもしれませんけれども、取扱い ルールとしては、こういうような形での基本的な考え方としてはどうかということで考 えております。(1)から(4)までは以上です。 ○辻座長 (1)から(4)までについてご意見をいただきたいと思うのですが、それに先立っ て、WGの委員の方々は前回も同様ですけれども、週1回のペースでご議論いただき、 大変短時間のうちに多くの論点についておまとめいただいたことを、この場を借りて改 めて御礼申し上げます。今後、さらに具体的な検討を進めていくということで、その方 向性が今回提案されております。ただいまの説明について、委員の方々からご質問、あ るいはご意見をいただきたいと思います。 ○対馬委員 いまのお話のとおり、大変短い期間でWGにまとめていただきましてあり がとうございます。まずは御礼申し上げます。まだ、ざっと見ている段階ですので、必 ずしもよく理解できていない面もあるかもしれませんが、2つほど質問というか意見を 申し上げます。  1つは、1頁の特定健診の実施の形態です。健保組合、健保連的な所は(A)のケー スも(B)のケースも両方あるのだろうと思うのです。その中で、特に(B)−(2)のと ころの、市町村国保と医師会との契約と同じ条件でというのは、こういう仕掛けを借り るということではよくわかるのですが、特に単価でありますとか内容については、従来 ということではなくて、やはり新たな特定健診・特定保健指導ということを踏まえて、 また、さらに被用者保険も入ってくるということで、当然ながら規模の利益というのは 出てくるわけですので、その辺りを踏まえてよろしくお願いしたいというのが1点目で す。  2点目は、決済に失敗した場合の取扱いルールということで、11頁に記載されている わけです。特に想定されるケースの2番目の四角で囲っているところですが、保険者の 責任負担と書いてありますけれども、この辺りはちょっと理解しかねるところがありま す。例えば、勝手に偽造されて、ここに書いてありますように精巧な偽造であったとき に、通常の商行為であれば、本人対実際の事業者との相対でもって、そこで結果的に騙 されたというときには、実際の業をしている本人、対面でやっているわけですから、そ こが負担を負うわけです。  誰かの名前を騙られたとき、その騙られた人が支払わなくてはいけないというのは、 一般的に民法のルールからしてもそれはないだろうと思います。また、関連することで 言いますと、医療保険なり介護保険等との仕掛けもあるわけですが、おそらくそういう ことにはなっていないだろうということですので、ここはちょっと再検討していただけ ればと思います。 ○大島企画官 1点目のご指摘ですが、3頁の図で出ていますパターン(B)−(2)の契 約の内容は、特定健診をベースにすることになります。各市町村では、現行の老人健診 事業に基づく健診の内容を、平成20年度に向けて見直しを行うことが想定されており ますので、その見直し後の特定健診の内容について委託契約を活用するという形で考え ております。  2点目のご指摘は、11頁の関連です。資格喪失していたのに、保険者が回収していな かった、これは、保険者の責任ということで問題なかろうかと思います。精巧に偽造さ れた等の部分につきましては、WGでも一応こういう議論をしておりますが、再度民法 上の整理なども踏まえて、こういう整理が一般的に適切といえるかどうかを確認してい きたいと思います。 ○津下委員 (1)の特定健診の実施形態というのは、保健指導もこれと同じ考え方で行う ということでよろしいのでしょうか。その場合に、先ほどありました同じ条件というこ とが出ておりますけれども、健診というのは標準化された項目が決まっておりますけれ ども、保健指導には対象者など様々な要件があると思います。この辺りは、必ずしも同 じ条件で実施できるものだろうかと考えていることが1点です。  5頁に代行機関がありますが、この機能のところで、健診機関、保健指導機関及び保 険者の情報を管理する機能とあります。この中には、例えば健診機関が標準的なプログ ラムに定める精度管理だとか、保健指導の要件などに合致しているかとか、そういうこ とを審査する機能まで含んでいるものと考えてよろしいのでしょうか。もしそうでない とすれば、それは、どこで行うのかということがあれば教えてください。 ○梶尾企画官 1点目のほうですが、実施形態については、保健指導も基本的にはこう いう形でとは思っております。健診の場合と違って、保健指導のほうで代表となって契 約をする機関というのはどういうのができるかということもあります。ただ、そういう ことができるような形での仕組みを考えていきたいと思っております。  その上で、主催者の市町村国保が保健指導をどうやるのかというところは悩みのとこ ろがあろうかと思います。その枠組みを実際にうまく使えるかどうかという現実問題と しての話もあるという前提で、ただ、そこの集合契約としてやる場合に、あまりきめ細 かく違うパターンができるかというと、そこは現実に何ができるかという中で考えてい く必要があるのではなかろうかと思っております。ご指摘の、保健指導の場合はそうい う必要はないのではないか、という話はそうだと思いますけれども、実際どういう形で できるかというところは考えていく必要があろうかと思います。  2点目の、代行機関の(1)の情報の管理というのは、まさに振込先、住所、電話番号と いった形での情報ということで、実際の健診なり保健指導の内容の制度管理がどうなっ ているかといったところまでのここでのチェックということは想定していません。健診 のデータが異常値で入っているかぐらいのチェックはできるかもしれませんけれども、 それ以上細かいことまでを想定しているというわけではありません。まさに(1)について 言えば、連絡先みたいな話で受け止めていただければと思います。 ○小島委員 3頁の健診体制のパターン(B)−(1)と(2)がありますけれども、(2)のほう は各地区、あるいは都道府県の医師会でまとめて一括ということが想定されています。 (1)のほうで、これは各市町村国保の直診施設との個別契約というふうになるか、それも 各都道府県内に市町村で直診をやっている所が複数ある所については都道府県でまとめ るというようなことは想定されているのかどうかというのが1つ質問です。  もう1つは、11頁の決済に失敗した場合のということで、下の表のいちばん上のとこ ろで、健診を受けるときに受診券を忘れた場合において、取扱いとしては保険者からは 支払わないで、とりあえず利用者に請求するということになっています。これは、当然 利用者は保険者にその費用については償還払いというか、そういうことはあるという話 なのでしょうね。 ○大島企画官 1点目のパターン(B)−(1)の直診の施設との契約ですが、私どもが今 考えていますのは、市町村の中で複数の直診がある場合には一本にまとめていただくよ う市町村にお願いしたいと思っております。都道府県に、各市町村をまとめていただく と効率的ではあるのですけれども、単価とか条件がいろいろあろうかと思います。市町 村の数が1,800ぐらいありますので、そこと代表医療保険者との契約というのはこなせ ない数ではないと考えておりますので、都道府県までおまとめいただくというのは、今 のところそこまではお願いしないつもりにしております。 ○梶尾企画官 2点目ですが、このパターンは窓口に来て、仮に1割なら1割の負担を して帰られましたと。残りの9割を請求しました。受診券を保険者が忘れていたけれど も、代行機関でその人はOKだという情報を持っていれば、それで9割の請求は保険者 へ行くわけです。そこで請求をしたら、この人はやってはいけない人でしたというのが わかって、データが健診機関に戻ってくるという状況が起きたときには、その9割分は 健診機関が本人を探して請求してくださいという話で、窓口の場面で10割という話では ないということです。 ○櫻井委員 ここに書かれているような考え方で、いろいろな仕組みを構築すると書い てあります。これは、最終的に厚生労働省なり国のほうでこの仕組みについて何か制度 を、これは法律という意味では必ずしもありませんけれども、制度というのを考えてお られるのかどうか。  要するに医療保険でいえば、診療報酬も、自己負担割合も、保健医療機関も、診査支 払機関もそれぞれ制度が決まった上で、個々の診療とか診査支払いというのは契約ベー スでやられているわけです。基本的に制度という枠組みがある中で、現実に大きな保険 経済というのは回っていると思うのです。  ここで書いてあることは、考え方としては基本的にすべてこういう考え方には立つけ れども、マーケットに任せるという考え方なのでしょうか。仮にその場合にも、ポイン トとなる点については、基準なり規制というものを国として考えているのか。例えば、 保健指導機関などというのは、少なくとも我が国の衛生行政の中では、いままできちん とした定義づけがされていないと思います。そのようなことも含めてマーケットに任せ る中でも何か規制的なものを考えるのかどうか。それとも一切含めて、ここで議論した ことを踏まえて、それぞれ民民でやってくださいという話になるのか、その辺はいかが でしょうか。  特に、7頁の受診券に、突然厚生労働省が定めるというのが出てくるわけです。ここ だけ定めても、これを使う枠組みが定まっていないと一体何なのかなという感じもする ものですから。 ○大島企画官 7頁の厚生労働省において定めるというのは、省令で定めるという意味 ではなくて、ガイドライン的なものを作るということを意味しています。基本的に今回 の仕組みは、まさに民民の契約が基本になります。各健診なり保健指導を提供する方と、 それを利用する保険者の両者の合意になりますので、そこがよほど極端に公序良俗に反 しない限りは、両者の契約でいいわけです。  ただ、被扶養者の利便性ということを考えて、全国津々浦々でサービスを提供できる ようにするためには、一対一の契約ではなく、なるべく多くの関係者の合意の下で、共 通基盤があったほうが便利ではなかろうか。特に、小さな保険者でも、全国に散らばっ ている可能性のある被扶養者について、津々浦々で健診・保健指導をカバーできるよう にするため、みんなの合意の下でのネットワークは組めないだろうかという発想で、パ ターン(B)−(2)といったものも検討しているということであります。そういう意味で は、厚生労働省の法令という位置づけの中には出てきませんけれども、こういう合意が 関係者でできれば、行政としても制度の枠組みを周知するなどの応援をしていきたいと 考えております。  もう1つの論点として、保健指導、あるいは健診のサービス水準が適切なものかどう かという議論があろうかと思います。その質の問題については、保険者が健診・保健指 導を外に委託する場合の委託基準としてお示しし、その基準を守ったところに外注をし ていただくという取扱いを示したいと考えております。  その外注する先が、その質を保っているかどうかの確認というのは、基本的には保険 者にお願いするわけですけれども、個々の保険者がやることは、一面非効率でもありま す。これは、今後の運用の課題になりますけれども、各県の保険者協議会で、保険者が 集まり、そこに都道府県も支援機関として入っていただき、健診や保健指導として提供 されているサービスが適切なものなのかどうなのか、それぞれのデータを持ち寄るなり して、外注機関の質の確保を効率的に検証するための枠組みを今後検討しなければなら ないと思っております。 ○中村委員 この仕組みは、被扶養者を対象ということですけれども、被保険者本人の 取扱いはどうしていくのか。部分的には被保険者もこの対象に入れるような道が残って いるのかどうか、その辺の考えはどうか。 ○大島企画官 これは、仕組みとしては被扶養者を念頭に作っておりますけれども、本 人につきましても、活用することは可能であると考えております。  ちょっと補足しておきますと、被用者保険の場合の本人は事業主健診が優先しますが、 この事業主による健診は、すでに実体ができていますので、本人については、このネッ トワークの出番はあまりなく、現行をベースにして引き続き行われることになると思い ます。ただし、本人についても、このネットワークから排除してはおりませんので、活 用される場合があるかもしれません。 ○辻座長 まだあろうかと思いますけれども、本日は議題が盛りだくさんですので次に 移らせていただきます。それで、最終的に時間が余りましたらまた戻る、ということも 考えたいと思います。次に、検討状況の(5)(6)についてお願いいたします。 ○梶尾企画官 先ほど参考資料1には触れませんでしたけれども、先ほどまでの事務フ ローの関係については参考資料1に細かいのを付けております。この会議終了後にでも ご参照いただければと思います。  (5)(6)は見開きで13頁と14頁になりますが、ここは健診データの取扱いに関する部分 です。(5)は保険者が変わった場合の健診データの保険者間移動についてです。新しくで きました高齢者の医療の確保に関する法律第27条に、新しい保険者は、加入者が入って きたら、前の保険者に保存している記録の写しを求めることができて、それを求められ たら提供しなければならないという条文があります。こういう保険者間移動をどのよう に考えるかということです。  保険者間移動というのは何が起きるかといいますと、例えば国保の被保険者であれば、 国保の被保険者の健診データが転居の都度市町村間を動くということにするのかどうか。 また、健保であれば転職したら、昔の健診データが新しい所の健保に自動的に移るとい うことにするのかどうかということです。これは、健診データというセンシティブ情報 だということを考えると、個人情報の取扱いという観点からも、あるいはそういうのを 動かすためのセキュリティなどの費用面からも、この取扱いをどうするかというのは慎 重な検討が要るのではないかと考えております。  毎年の健診結果というのは本人に渡されますので、そういう健診データを生涯にわた り継続して管理を行っていくことは望ましいことですし、また本人の同意の下で、保険 者が昔の部分も含めてデータ管理していくということも否定されるという話ではないの ですが、一律にそのような話が起きるというわけではなくて、3つ目のポツにあるよう に、新しい保険者が、昔のデータも含めて全体的にデータ管理を行って、より保険者機 能を発揮していこうと。その上で本人もそれに同意した上で同意する。昔の保険者も、 非常に長い期間のを持っているというような場合でないと、昔の保険者に対してデータ の提供を求めて、それに応じるということはないのだろうということで、そういうこと が行われる場合の根拠規定になる、という位置づけで、高齢者の医療の確保に関する法 律第27条の条文は解釈するということにしたいということです。  一律に必ず保険者間の移動に伴ってデータが動く、という仕組みでやるのではなくて、 そういうことをやりたいという場合について、その根拠規定になるという条文であると いう理解です。そういうデータ提供等を行う場合には、抽出をしたり、送ったりする費 用というのは、一義的には新しい保険者が負担することになるのだろうということで、 保険者間移動については、こういう取扱いで整理をしたいと考えております。  14頁は、健診機関等から保険者に送付されて、保険者に保存されるデータの形態です。 健診・保健指導のデータについては、基本的には国において電子的な標準様式を設定し、 それで対応できるフリーソフトを開発して配付するということで、そういう準備を進め ているということです。このソフトをどのような形にするかについても、WGでは意見 を申し上げ、議論をしたところであります。  様々な報告にするにしても、階層化の作業をするにしても電子化というのは必要であ るということです。平成20年度の制度のスタート時点から、電子データのみでの送信及 び保険者での保存ということで、紙の流通ではなく、すべて電子でやることにしたいと 考えております。  次は移動ではなくて、保険者におけるデータの保存期間についてです。40歳以上の期 間の全データを保有するほうが望ましいのではないかということで、加入者である間は、 保険者は全期間持っている。ほかの保険者に移動する、あるいは加入者が亡くなった後 は、例えば翌年度末までの1年間程度保存するという案もあり得るのですけれども、健 診データというのは厳格な管理が必要なものですから、これを大量に保存しているには それなりのコストがかかるということになります。  実際に、特定保健指導を行う場合に、10年とか20年、あるいは30年前のデータを使 ってやるというのは非現実的だと。必要な場合は、本人から貰うということはあるかも しれませんが、一般的には古いのを使ってというのはない。ただ、いろいろな分析等を する場合に、40歳ぐらいのときにどうだった人が、今はどうなっているのかということ はあり得るのだろうと思いますけれども、保健指導を行うということでは一般的には考 えにくいのではないかということが考えられます。  ほかの例に倣い、保険者に義務づける期間としては5年分、加入者が亡くなった場合 は翌年度末までとするのが妥当ではないか。もちろん、長期保有し、分析・検討も行っ て、より保険者機能を発揮しようということで保険者が長年の分を保存することを否定 するわけではないのですが、義務づけとしては5年でいいのではないかということです。  15頁は、(5)(6)の考え方でよろしいでしょうか、ということを書いてあります。以上で す。 ○辻座長 ただいまの説明に対し、ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。 ○津下委員 2点質問させていただきます。1点は、保険者間の移動です。例えば、こ れは非常に小さい話かもしれませんが、当該年度に健診を行って、後のところを見ると そういうのは評価から外すことになっています。健診と保健指導の間で移動が起こった 場合には、保健指導の実施はどうなるのかという疑問があります。  それから、これは意見なのですけれども、先ほど分析という話がありましたが、今回 の医療費適正化も1つ視野に入れての特定健診・保健指導の効果を分析するためには長 期データが必要で、医療費分析というのは5年ではなかなかしっかりとした効果が見ら れないと思います。保険者機能としては、長期に持っていたほうが確実にその評価がで きます、ということを念頭に置いた上で考えていただければと、これは意見として言わ せていただきます。 ○大島企画官 年度途中で移動された場合の取扱いは、後で出てまいりますけれども、 基本的には保険者としての加算・減算という費用的に評価される部分の対象からは外す ことが適切ではないかと考えております。ただし、そういう方々に対しても、健診・保 健指導を提供していただくような取扱いは是非お願いしたいと思っております。  例えば、健診を受けて、その後、別の職場に変わってしまったとか、市町村を越して 転居して国保を変わってしまったという場合があります。こうした場合でも、本人に健 診の結果は行くようになります。本人がその健診の結果を、新しい保険者に提出してい ただくと、そこで保険者が階層化基準に当てはめて保健指導を提供することが可能にな ります。新しい保険者の年間のスケジュールの中で、提供できる時期にあるかどうかと いう課題はありますけれども、加算・減算という金銭的な取扱いとは別の視点で、必要 な加入者に対しては、基本的に極力広く保健指導を提供するようなことを我々のほうか らもお願いしていきたいと思っております。  保存の年限は、あくまで最低の年限を定めるものです。保険者によっては、より長く 持っていただきたいとは考えております。 ○河内山委員 市町村の国保でやる場合は、個人情報について非常にセンシティブにな っていますので、5年が義務化されることになると、ほとんどの自治体は5年以上のも のは廃棄する可能性が高いです。余計なものは持ちたくない。そうすると、いま先生が ご指摘になりましたように、学問も日進月歩ですから、もう少し長期間保管しておけば いろいろなことがわかったのにとか、分析が可能だったのにということを考えると、ど のようにするか留意してガイドラインを決めないと、実務的に言うとなくなってしまう 可能性のほうが高いのではないかと思います。 ○田中委員 保管の問題ですけれども、学術的に使う資料を、医療保険者が持つかどう かというところの問題もあります。要するに、こういう情報をどこが保管するかという ところについては、たまたま40歳以上の特定健診・保健指導が医療保険者に義務化され ますけれども、いずれにしろ住民の健康に関するポピュレーションアプローチというの は、一般衛生の責任下にあるわけです。医療保険者が得ているこういう情報を、必要が あれば何十年でも構いませんけれども、一般衛生のほうに情報をベース化する、といっ たことがあってもいいのではないか。必ずしも、医療保険者間だけで、これを共有し合 うという性質のものでもないのではないかという感じがするわけです。 ○辻座長 この問題というのは、健診データを誰が所有するかということと、どのよう に活用するかということに分けて考えるべきです。後段でいうと目的性によってかなり 変わってくると思います。いま田中委員がおっしゃったように、市町村として健康づく りについて考えるときには市町村が活用すべきだし、研究者として使う場合もある。非 常に貴重なデータでありますし、今後の医療費分析、あるいは保健事業の評価という点、 今後の立案という点でも非常に重要なことでありますので、これは後日また議論してい ただいて、いろいろな考え方があると思いますので、その辺を出し合っていただければ と思います。次に、(7)から(9)について説明をお願いいたします。 ○梶尾企画官 16頁の(7)からご説明いたします。(7)は、特定保健指導の実施者はどのぐ らい供給見通しがあるかということです。特定保健指導の実施者・指導者は、医師・保 健師・管理栄養士が中心ですけれども、これらの職にある者が、平成20年度以降、全国 各地で対象者数に見合う数が確保される必要があるだろうということです。どのぐらい の数であるのかを計算したものです。  この表は前回もお示しいたしましたが、40〜74歳が平成20年度には約5,744万6,000 人ということです。平成20年度においては、その6割の方が健診を受診すると。これに ついては平成27年には80%ぐらいを考えるにしても、初年度は60%であると。その方々 が健診を受けて、その表の※2にありますけれども、健診を受けると平均して17.8%の 方が動機付け支援になる、16.5%の方が積極的支援という形で階層化されるのではなか ろうかという前提です。  そのように階層化されて連絡が行った方のうち、2割が初年度です。だんだんとこの 2割も高めていかなければいけないのですけれども、その2割の方が受けるとすれば、 動機付け支援を122万7,000人、積極的支援を113万7,000人が受けて、合計で236万 4,000人が初年度に保健指導を受けることになるだろうということです。  17頁のいちばん上の表のいちばん上の行の平成20年度というところが、いま申し上 げたことが書いてあります。5,744万6,000人の60%、3,446万8,000人が受けて、保 健指導は17.8%、16.5%を掛けると1,182万人が保健指導対象ですが、そのうちの2割 の方が受けに来るので236万4,000人だというのがいちばん上の行です。  これが平成27年度には、8割が健診を受けて、保健指導を6割が受けるとすると、保 健指導を受けるのが974万9,000人という計算をしております。  初年度の236万人に保健指導を行うにはどれだけの人数が必要かということで、下2 段にわたっていますが、その方々に集団面接方式でやる場合と、個別面接方式でやる場 合と2通りやっていますけれども、いずれの方式も積算上は、1人の保健指導実施者が、 1日に18人の対応をするという計算になっております。  18人に個別面接をするか、6人当たり1人の配置で1日3グループやるかということ ですので、1日に18人をやるとすると、平成20年度でいうと動機付け支援を122万7,000 人にやる。ただ準備時間もあるので少し割増しをして、1年間に221日働くとすれば355 人が必要だということです。  積極的支援のほうも同様の計算ですけれども、3回面接をしたらということで頻度が 3となっていて986人ということです。平成20年度には、236万4,000人に保健指導を やるには1,341人の保健指導実施者が必要だという計算になっています。平成27年度に は、5,530人が要るだろうという計算です。  医師・保健師・管理栄養士がどれだけいるのかということで、18頁には細かく分けた ものが書いてあります。16頁に戻っていただきまして、真ん中の表の右のところまで申 し上げました。初年度だと1,341人の特定保健指導実施者が要るということですが、そ れでは、いま実施者はどうなっているかということです。医師が、それぞれ病院や診療 所の事業所等にいる。保健師についても、市町村に約2万2,000人と、病院等に9,800 人、産業保健師等で2,400人、潜在が1万9,000人余と、毎年の新規登録が7,000人余 です。管理栄養士も、それぞれこういう形で現在働いています。  このような状況を考えると、初年度は1,341人が特定保健指導で必要だということで すが、潜在の方、あるいは毎年の新規登録がこれだけのオーダーでいるということ。現 在、市町村において老健事業に従事している保健師の一部は、老人保健事業から特定保 健指導に乗り換わる部分があるだろうということがありますので、実施者の確保は可能 なのではないかという計算です。  19頁と20頁は報告事項的なものです。健診・保健指導のプログラム上は、健診をや って、階層化をして、階層化の結果、情報提供という保健指導(情報提供・動機付け支 援・積極的支援)に階層化してということで、情報提供というのが保健指導の一部のよ うに取られるようになっています。高齢者医療確保法上、情報提供は全員に必ず行われ るものというのは「特定健診」の一部であって、特定保健指導の実施状況が保健指導の 評価になるその部分というのは、動機付け支援と積極的支援の部分のことを「特定保健 指導」というのですよ、ということで頭の整理をしていますということをここでは報告 しているものです。情報提供という部分までは、特定健診の一部で、あなたの健診結果 はどうでしたよということと、一般的な情報をお知らせするまでは健診の一部だという 整理だということです。  21頁と22頁は、残された論点ということです。上からポツ3つ分は、「標準的な健診・ 保健指導プログラム(暫定版)」が夏に出ましたけれども、これについては現在3県で行 われているモデル事業の実施結果を踏まえて確定させるという作業です。保険者による 特定保健指導は、原則としてそのプログラムを使うということです。  その階層化の結果、どの程度の方が動機付け支援、積極的支援に該当するかなど、モ デル事業をやっていく中でわかってくるわけですけれども、これについては、このプロ グラムについて審議をしています健康局の検討会がありますので、そこで検討されて結 論が出るということです。それは、またその段階でご報告させていただきます。  前回のこの検討会でも出ました、医療を受けている方を特定健診・特定保健指導の対 象とするかどうか、どのような整理にしていくのかということも、健康局の検討会の検 討課題ということです。  また、別の検討会の話になりますけれども、事業主健診項目と、保険者の特定健診の 項目との調整という課題があります。これは、前回若干ご報告いたしました。これにつ いては、できるだけ受診をする労働者の負担を減らす方向で検討・調整しております。 一方、労働安全衛生法に基づく健康診断はどうあるべきかという議論、あるいは保健指 導はどうあるべきかという議論も当然必要です。現在、労働基準局においても検討会を 設け、並行した議論が進められております。  次のポツからは違う論点になりますが、各保険者は、国が基本指針を定め、それに即 して実施計画を策定・公表し、その計画には、特定健康診査の実施率などの目標を定め るとなっています。この実施率の際に、年度途中に移動した人も数に入れるのか入れな いのかという議論も実はあるのですが、これについては先ほどの話で、保険者間のデー タ移動は必ずしも行われないということなので、例えば年度末にいた人、あるいは年度 途中にいた人を分母にすると、その人がやったのかやっていないのか、あるいはやった けどいなくなったのかということで、数字が安定しないということもあります。この実 施率の算定に当たっては、年度途中移動者は分母にも分子にも入れない形での算定とい うことに、これは決め事ですが、そういうことにしてはどうか。そこはそういうような 議論も今後特に高齢者医療支援金の加算減算のルールの考え方の議論をお願いする形に なりますが、そういったところでの議論もいるのだろうと考えています。  22頁の1つ目のポツですが、各保険者が支払基金にその事業実績を報告するとなって いますが、これの様式が標準的なプログラムでかなり細かく定められていましたが、こ れは事業実績というのがその根拠とともに報告をされるようにする。これだけやりまし たという報告をするそのバックデータは必要です。そういった支払基金における高齢者 医療支援金関係の事務ができるための必要最小限のものということでの情報内容とする。 夏のプログラムにはそれに加えていくつかありましたが、そういう整理をしたらどうか と考えています。これはWGの検討課題、夏にお示しした中で「支払基金への報告様式」 という議題がありましたが、本日の段階でその様式はお示ししていませんが、そういう 頭の整理でやりたいと考えています。  次のポツはさらにその支援金の関係にも関わってきますが、各保険者が定める実施計 画の目標値があります。これについては被用者保険と地域保険とでは、加入者が現在ど ういう健診実態であるか、あるいは関係制度、事業主健診等による健診のカバー状況も 異なるということを踏まえた設定をすることが必要ではないかと思っています。この辺 りは第4回以降での課題ですが、こういった辺りの論点があろうかと思っています。  一方でその目標値の基準値が、こういう保険者はこう、こういう保険者はこうと、あ まり過度に細かくなるというのもどうかということもあるので、その辺り今後の検討課 題とさせていただきたいと思っています。  いちばん最後のポツは紹介的な話になりますが、75歳以上の方の保健事業をどうする か。これについては実は介護保険制度の地域支援事業、65歳以上の方に介護予防事業と してございます。こういったものと同じ方を対象にしていく形になるので、この辺りは 連携をとりつつ行う形でやっていきたいと考えているということの紹介です。以上です。 ○勝又健康局保健指導室長 (7)に関連します事項を報告させていただきます。保健指導 のアウトソーシング先の動向把握については、総務省との一応の協議がほぼ終わりまし たので、1月ぐらいからアウトソーシング先の動向把握調査を開始したいということで 準備をしています。その前段階として老人保健事業の基本健康診査の委託先についての 現状調査をしましたので、その資料を準備させていただきました。  終わりのほうに付いている参考資料2です。11月6日から11月30日までですが、都 道府県の方々にお願いして、各市町村での老人健康診査の委託先を報告していただきま した、47都道府県すべて回収済みです。委託先別の受診者の割合ですが、医師会委託タ イプで65.1%、健診機関タイプで27.4%になっています。これを委託先別の市区町村数 の割合で見ますと、いちばん多いのが健診機関タイプの45.1%ということになっていま して、医師会委託タイプは29.6%、病院委託は18.3%になっています。個別と集団の割 合ですが、個別が63.4%、集団が36.6%になっています。  2頁です。基本健康診査の委託を受けている病院の数です。全体の総病院数を8,002 ということで置きますと、委託病院は644ということで8.0%の割合です。各都道府県 内の健診機関の数ですが、全体で245カ所に委託をされている状況です。いちばん多い のが2カ所で12都道府県ということになっています。その245の健診機関の法人別の健 診機関の状況で見てまいりますと、財団法人が124で50.6%、社団法人、医師会が28 で11.4%、医師会以外の社団法人で28の11.4%、医療法人で27で11%という状況に なっています。  健診機関の特定保健指導の実施状況で、現在実施予定があるかないかということでお 尋ねしました。実施予定ありと答えていただいているのが97健診機関で39.6%、検討 はしているが未定が69で28.2%ということで、この2つを足しますと67.8%という状 況です。実施予定なしが7で2.9%、事業者の意向はわからないというのが72で29.4% という状況になっています。  先ほどの説明の中で平成20年度の保健指導対象者の数を236万5,000人で試算をしま すと、実施予定あり、検討をしているが未定の所が保健指導をやっていただけると考え れば、240万3,000人の方々に対して保健指導が実施できるといった結果でした。今後 また詳細の資料を集めていって報告をさせていただきたいと思います。以上です。 ○辻座長 ただいまの説明につきまして、ご質問ご意見はいかがですか。 ○白川委員 2点ご質問をしたいと思います。まず特定保健指導に当たる保健師の人員 についていま説明がありましたが、数字の立て方だとは思うのですが、千数百名の方が いれば平成20年度は足りるというのは、直感的に見てもどうしても信じられないと思っ ています。以前この席でも是非看護師を活用していただきたいというお願いをさせてい ただいたのですが、特に事業主が行う被保険者の保健指導については、事業主が雇用し ている看護師等の方々を活用しない限りは、ほぼ不可能と判断をしていますので、是非 そういうご検討をいただきたいと思います。  それから、保健師のいま現在の人員がここの表にありますが、ほとんどの方は前回の 検討会でもお話があったとおり、いま現在別の仕事をされているからこういう人員がい るわけでして、新しく始まる特定保健指導にこの中から何名の方が割けるのかといって も、よく読めないところもありますので、保健師の体制の強化についても、是非とも前 向きにご検討をいただきたいというのが1点目です。  2つ目は、今後の検討課題は22頁の下から2番目に、実施計画の目標値という項目が ありまして、これについては今後検討をするし、少し簡略化した形の目標値に設定した いというお考えのようです。私も基本的にはそのとおりだと思うのです。スケジュール によれば、平成20年の4月には、あるいは3月には各保険者が実施計画を立てることに なっていますが、そのスタートになる、ベースになる数字、これが正直申し上げると、 保険者ごとに把握するのが不可能と思っています。例えばメタボリックシンドロームの 対象者の数は、簡単な話、腹囲の数字はどの保険者も持っていないので掴めないという ことになるので、目標値の前に、まずその基礎数値をどうするかということを、是非検 討のアイテムに加えていただきたいというお願いです。以上です。 ○勝又健康局保健指導室長 1点目の保健指導の実施者の数のところですが、これは最 低の基準で、粗い最低の基準を出しているということでご理解をいただきたいと考えて います。それから2点目の看護師の件ですが、暫定版のところでは保健指導は医師・保 健師・管理栄養士が中心となって担うこととするということになっています。特に生活 習慣病の方ですと、自覚症状がないままに進行していったりとか、あるいは長い生活習 慣に起因するような病気であるということからも、健診結果をきちんと理解をして体の 変化に気づいて、それから自らの生活習慣を振り返って、行動変容を起こしていくとい った、なかなか高度な技術なりが必要なものと考えています。これに関しては様々な関 係者の方々のご意見とか、それから対象者の数等の関係もありますので、今後、健康局 で実施している「標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」の中でも議論をさ せていただいて、結論を得ていきたいと考えています。  3つ目にお話がありました医師・保健師・管理栄養士の数ですが、特に期待している のが新規の登録者です。保健師ですと7,500人程度、管理栄養士ですと7,637人、新規 の登録者の方々がおられるということから、今後できるだけ新規の方々が特定保健指導 の分野に入っていただけることを期待をし、その方たちが入っていただけるように努力 をしていきたいと考えています。以上です。 ○草間委員 最初に、平成20年に1,300人で足りるかどうかというのは、私も意外と数 字が少ないと思いましたが、先ほどの前提でやると、このような数字になります。  看護師が保健指導をさせてほしいということですが、現在の保助看法上、保健師助産 師看護師法上は、保健指導は保健師の名を用いて保健指導を行う形になっています。今 年の保助看法の改正で、看護師の資格を取った上でないと保健師は取れないことになっ ています。私はやはり保健指導というのは、看護師の持っている資格にさらに上乗せし て、高度で総合的に判断することが必要ではないかと思います。私も産業現場の健康管 理等をやっており、看護師がたくさんいることはわかっております。暫定的にどうする かというのは別として、保健指導は看護職に関しては保健師が行う形で是非ご検討をい ただきたいと思います。  人数の確保については、毎年8,000人近い保健師の合格者が出ています。保健師にな りたいという新卒者はたくさんおりますが、現在保健師の職場が行政等で限られており、 職場が確保できないことで保健師になれないだけなのです。そういう意味では、特定健 診・特定保健指導ができることによって、保健師の職場が確保できれば十分保健師が供 給できると考えております。 ○内田委員 16頁の表については、前回のモデル事業の報告があった中では、保健指導 の対象者が75%ぐらいあって、そのうち実施体制が整わず、実際には半分ぐらいしか保 健指導が受けられなかったという報告があったように思いますが、この数があまりにも 少ないということです。これはどういう操作がされたのか教えていただきたいと思いま す。  2点目は、対象者の20%が利用するという、この仮定の妥当性ですが、こういう数字 はどこから出てきているのか。それから対象者の選定をどのように行うのか。  3点目は、これは今後検討課題で出ていますので、検討会の中で発言してもよいので すが、医師法の第1条には「医師は医療及び保健指導を掌ることによって、公衆衛生の 向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」という1項が あります。多くの医師は地域の現場において、学校保健や産業保健または日常の診療に おいてこのことを実践していると考えています。ですから、今回の特定健診・保健指導 において、「疾病の発症予防や重症化予防の重要性」を謳っていますが、その関わりとい うのは、やはり医療機関、かかりつけの医師でないとできないのではないか。十分な対 応ができないのではないかと考えています。  そういう点で、医師のスキルアップも当然必要になってくると思います。その点は特 に現在受療中の患者さんに関する健診・保健指導という点については、やはりしっかり 検討する必要があるのではないかと考えています。 ○勝又健康局保健指導室長 1点目の1,341人の数字をはじいたのは、モデル事業の結 果ではなく、16頁の表の真ん中に書いてあるように、「平成16年度の国民健康栄養調査」 から、健診受診者の17.8%が動機付け支援、16.5%が積極的支援の対象になるというこ とで、それを仮定してはじいている数字です。 ○矢島健康局生活習慣病対策室長 それから対象者の選定の考え方については、健康局 の検討会で標準的な健診・保健指導プログラムの中で階層化の基準を作っております。 これについては準備事業の中でいろいろとご指摘があります。それを踏まえて、いま見 直しの作業をまさにしているところです。そこで対象者をどのように抽出していくのか、 いろいろな議論を踏まえて見直しの作業をしているところです。  受療中の方についてどのように関わっていくのかについては、基本的には受療中、医 療機関受診中の方でも健診は受けていただきますが、医療機関を受診していたときはど のように保健指導が関わるのかについては検討しているところです。 ○大島企画官 先程の白川委員ご質問の2点目については、足元のスタート時点の数字 がない場合があるという、保険者の実情を踏まえたお尋ねです。厚生労働省からは、各 保険者にそれぞれの加入者の数や年代別の分布について把握するようお願いしておりま す。また、被扶養者を含めて、健診の受診率の実績がどの程度なのかということも把握 をお願いしております。  一方、例えば内臓脂肪症候群の発生割合がわからない、ということについては確かに これまで腹囲は測っていませんのでそうだろうと思います。ですから、足元においては 年代ごとの男女の構成から、大体このように推計できるとか、こちらのほうで準備した いと思います。健診の実施率についても、5年後の目標値までどのように伸ばして行く のかを検討するために、足元の数字はあった方が望ましいと考えます。  また、内臓脂肪症候群の減少率の評価をする際に、どの時点とどの時点で比較するの かということも重要なポイントになると思います。現時点で把握されていない、という ことはまさにそのとおりですので、来年以降、この目標値を検討する際に1つの論点と して考えています。平成25年度以降にこういった数値の評価を加算減算上行うことにな っていますが、その際には例えば、平成25年度と前年の平成24年度との比較を1年ご とに行っていくなどの取扱いを検討していくことになるのではないか考えます。 ○水口委員 いまのお話で、保険者ごとの対象者の数や受診者の状況を調査されるとい うのは、いつ頃されるのですか。そういう調査の通知は各保険者にいただけることにな っているのですか。 ○大島企画官 8月の段階でお願いしております。今年度中に可能であれば被扶養者を 含めて、加入者の数や健診の実施状況を把握してくださいということをお願いしていま す。 ○梶尾企画官 これまでの経過で申しますと、第1回の検討会で今年度はこういう作業 をしてほしいと説明いたしました。その後、各保険者向けの説明会などもさせていただ くということで、その中で各団体で保険者さんを集めて、今年度はこういったことをや っていただきたいとお伝えしています。 ○水口委員 私は地方公務員共済組合の水口ですが、断片的にある特定の県で、保険者 協議会の名のもとに、そういう調査を行っているという話は聞いております。全部では なく、いくつかの県でそういうことをやっているよという話は聞いています。  先般、通知は出していただいたのですが、共済組合は各県の保険者協議会には入って いないのです。各県の共済組合が保険者協議会にお話を伺っても、「いや、そんな話は聞 いていない」とか、「そんな通知は見たことがない」とか、そういう話が返ってくる状況 ですので、通知だけではなく、是非都道府県ごとの保険者協議会がすべての保険者を網 羅できるようなご指導をお願いしたいと思います。 ○大島企画官 失礼しました。もう一度きちんとしたご説明や意見交換をさせていただ く場を考えたいと思います。最初の準備の段階も含めて、ご説明する機会を考えたいと 思います。 ○奈良委員 保健指導をする立場で考えてみますと、日本医師会の先生方で、診療所を やっている方は毎日患者さんを診ていますので、それに対応できると思います。しかし、 病院や健診センターにおられる先生は、それぞれ専門が違うこともあり、人間ドックや 健診のアドバイスをするドクターについては特別な講習会をやって、いま一生懸命教育 しています。保健師にしても、管理栄養士にしても、資格と実務力の違いはいろいろあ ると思います。これは初めからピシッと決めないで、ある程度弾力的に運営していかな いと、いろいろ故障が起こってくるのではないかと思います。そういう意味で、我々も できるだけ保健指導ができる人たちを養成するつもりで鋭意努力しておりますので、そ の辺りは是非頭に入れてやっていただきたいと思います。 ○辻座長 全くおっしゃるとおりだと思います。まず数を確保するという問題と、もう 1つは一定の質を確保する。そのための研修や様々なことは、これから健康局も一緒に 対応されると思います。どうぞよろしくお願いします。 ○対馬委員 特定保健指導の実施者の数をいろいろな方が言われたので、言いたくない ところもあります。ただ、数字の前提を見ても、相当無理がある数字ではないかという 感じがします。例えば1人で20分ずつ、18人と言いますと、20分に18人を掛けると 360分で6時間ということは、対象者が行列を作って初めてできるということですよね。 ですから、なぜこのようにリジットな格好で少なく見えるようにというか、よくわから ないところがあります。  それと要望が2つあり、1つは現実の足元の実態化の中では相当厳しい実態です。こ こには医療の関係者も多いですが、これは全体の頭数をやっていますが、地域ごとの偏 在といった問題ももちろんありますので、そういうことを考えますと、やはり移行措置 が必要だろうというのが1つです。  もう1つは、これだけの数で済むのだから、あとは保険者がやってよねといったこと がないように、よろしくお願いします。 ○辻座長 他にありますか。次に移りますが、(1)から(9)まで説明していただいて、皆様 からご意見をいただきました。基本的な方向性としては、これで進めてまとめてよろし いですか。 (承認) ○辻座長 ありがとうございました。それでは議題(2)に入ります。「保健指導の事例 (効果等)について」事務局からご説明をお願いします。 ○勝又健康局保健指導室長 資料3の「保健指導の事例(効果等)について」は、あく までもイメージを付けていただくために、いま現在保健指導をやっておられる所の事例 を集めてご紹介します。  株式会社3件と、財団法人4件です。1頁は積極的支援の例で、株式会社Mです。対 象者は基本健康診査の要指導者になっています。この特徴は、個別と集団を組み合わせ た保健指導を実施されています。個別面談の初回は60分で計画されて、その個人の対象 者の方に合わせて、保健指導実施者が個別面談を何回するのか、集団指導を何回するの か、お互いに話し合って決めた上で、個別面接を3〜6回、集団指導を1〜6回選ばれ て、保健指導を実施しています。期間は6カ月、実施者は保健指導の有資格者で、この 会社独自の教育カリキュラムを受けた方になっています。中身的には、生活習慣に関連 して食事、あるいは栄養等で指導しています。  2頁は動機付け支援と積極的支援で、株式会社Yです。動機付け支援と積極的支援の 中身は同じです。対象者は健診後の要注意者で、健保組合等でピックアップした方を対 象にして、個人ごとに記録表を作成し、健康維持のために経過を追って、生活、食事の 指導、あるいは運動指導等を20分〜30分間で動機付け支援を行っています。積極的に さらに継続的に支援を行うならば、これを追加的に1回、2回、3回、本人と指導者で 話し合いをして、回数を決めているという仕組みです。  3頁は積極的支援の例で、株式会社Kです。これはスポーツクラブによる生活習慣病 予防プログラムで、希望者の方を対象にしています。運動施設を利用して、個別指導と しては週に3回、1回約60分になっています。希望した方にはオリジナル健康食の朝食 と夕食等を紹介しています。それは6週間のプログラムで、当該企業の一定の研修を終 了した者が保健指導を行っています。  4頁は動機付け支援で、財団法人Aです。この対象者は希望者の方です。これは1日 実践型の保健指導で、1日に6時間〜7時間で保健指導を実施しています。午前中は健 康度の評価で、健診を中心に行ない、そのあとは講義、そして実技でバランス弁当を試 食したり、あるいは運動のプログラムを実際に体験しています。そのあとは健診のデー タが出ますので、健康度の評価をご説明して、さらに終了後は希望者のみに個別指導を 行っています。  5頁は、財団法人Hです。これは基本健康診査要指導者です。これについては個別面 接による保健指導が中心で、個別面接5回、初回を120分、2回目以降は30分〜60分 で、6カ月間のメニューを作って、特にヘルシーバイキングを導入したり、グループワ ークを入れたり、様々な工夫をして実施しています。  6、7頁は積極的支援で、財団法人S−1、S−2で、同じ財団法人がやっています。 これは基本健康診査の要指導者の方が何人か上がってきますと、本人の希望により、個 別健康支援プログラムの中で、特に電話訪問の支援を希望する方については、このコー スを選ぶということです。個別面接は2回行って、その間は電話相談を5回、1回20 分〜30分の時間を費やして保健指導をしている例です。2つ目は個別健康支援プログラ ムで、個別に5回面接を行っています。また、集団指導は3回、それぞれの対象者の状 況に合わせて様々な支援を工夫している事例です。  S−2は、特にグループワークを中心に5回行って、1回当たり60分の対応をして、 3カ月間で積極的支援をやろうという事例です。  次は、保健指導の効果と、途中脱落者に対する対応はどのようにされているのか。評 価については、ほとんどが体重や血液検査等で評価しています。株式会社Mの事例は、 I県の10年間の9万6,000人のデータベースを基にして、その会社で独自の分析ソフト を開発して、保健指導の定量効果を求めています。保健指導の開始時と終了時の検査デ ータを入力して、5年後の病態別発生率を見ますと、平均20%低下しています。  別紙2の財団法人Aについては、終了時に、関心度評価表でアンケートを実施します と、1日〜2日以内に行動変容しようと考えている者が90%程度出ていることと、3カ 月後の体重については、平均1.1%減少しているといった関心度で評価をしています。  別紙3の財団法人Hの保健指導の評価については、検定までやっており、個別の面接 が5回、高コレステロール者の総コレステロールとLDLコレステロールはそれぞれ 16.7、15.2低下しています。あるいは肥満者の体重が2.1キロ低下しています。さらに は脂肪摂取を減らすとか、あるいは野菜摂取を増やすなどの食習慣の改善、あるいは歩 行を増やすなどの運動習慣の改善が見られたという結果が出ています。  8頁の途中脱落者については、あまり脱落者がいない状況です。脱落した人がいたと しても、家族の介護や本人の病気、あるいは転居などです。途中脱落者はそんなに多く はなく、やむを得ない事情で脱落している状況を聴き取っています。途中で脱落した場 合の料金については、実績払いです。もう1つは契約時に一括支払いをしていますが、 脱落者が出たとしても、返金はなしという体制をとっています。 ○辻座長 ただいまの説明に対して、ご質問、ご意見はありますか。 ○草間委員 いまご説明いただいたところは、脱落者もなく素晴らしいフォローだと思 います。基本健診の対象者の平均年齢はどのくらいですか。40歳以上の方だと思います が、たぶん対象者の年齢によってもかなり異なると思います。 ○勝又健康局保健指導室長 財団法人でやっている所は、基本的には基本健康診査とか、 あるいは国保でやっているヘルスアップの事業の方々を対象にしていますので、多少年 齢が高いのではないかと思います。  株式会社等でやっている部分については、事業主健診を受けたあとの方や、本人が希 望しているということで、想像ですが比較的年齢は若いのではないかと思います。 ○草間委員 必ずしも老健法の基本健診ではなく、老健法の健診の対象者も入っている ということですか。 ○勝又健康局保健指導室長 はい。 ○草間委員 わかりました。ありがとうございました。 ○内田委員 津下先生にお伺いします。先生の所で持っているデータと比べて、この成 績の評価をどのようにお考えですか。 ○津下委員 対象者がどのような対象者を実施しているのか。例えば、今回は階層化で メタボリックシンドロームにかなり特化して行うとか、対象者の選定の仕方によって効 果はかなり違うのです。別紙1とこの効果がどのくらいどうだと言われても、ちょっと 比較が難しいので、もう少しデータを見せていただきたいと思います。今後はこのよう な評価の中で、メタボリックシンドロームのリスクの重なりがどうなっているとか、そ のようなことも含めてデータを出してより良いものを考えていく必要があると思います。  私どもがやっている所では、職域でかなり動機付けをしっかり行うと、回数は少なく ても効果が出やすい。その代わりセルフモニタリングや応援が必要な場合があったり、 職場でのポピュレーションアプローチと併用するとすごく効果が上がるので、その辺り を配慮すると、職域は非常に効果が出やすい。また、地域の運動施設やいろいろな地域 資源を活用したタイプが非常に実績が上がっています。それぞれ対象者をどう選んでい るのかによって、効果は違ってくるのではないかと思います。 ○辻座長 これは座長としてではなく、あくまで1人の委員としての発言です。この事 例はかなり理想的な状況なのではないかという気がして、それは指摘せざるを得ないと 思います。  というのは私も、ある市町村の人と一緒に、その地域の工場や会社に入って禁煙指導 や栄養指導をしたことがあります。まず言われるのは、「やるなら昼休みだけにしてくれ」 という話なのです。ですから、申し訳ないですが、1回60分、週3回のスポーツを実施 するのはどういう会社なのか。それはあるのだろうと思いますが、それが日本の会社の 大多数なのかと言いますと、ちょっと違う気がします。  もう1つは、動機付けの問題です。「積極的支援」と書いてありますが、これはおそら く対象者がもともと積極的な参加者だったと思います。平成20年度から起こってくる世 界は、今まで健診を受けなかった人たちが健診を受けるようになって、そして引っかか って、保健指導を受けるというわけです。そうしますと、ほとんど関心がなかった人も たくさんいらっしゃるわけです。  ですから、保健指導の効果は、本人の動機付けによる部分がかなり大きいですが、そ もそも動機付けの低かった人たちがこれからたくさん入ってきますので、おそらく効果 は薄まってくると思います。ですから、先ほどの人の配置も含めて、今回の資料は理想 的過ぎるのではないかという懸念を持っています。これは1委員としての発言です。  他にありますか。よろしいですか。それでは次の「個人情報保護対策」についてです。 ○大島企画官 次は、資料4の「特定健診・特定保健指導の実施に係る個人情報保護対 策について」です。医療保険者が平成20年4月から、健診・保健指導の実施を義務づけ られて、全医療保険者が個人データを取り扱うことになる。それを電子的な方法によっ て保存しなければならない、ということも義務がかかることになります。したがって医 療保険者には個人情報保護の観点から、適切な配慮と対応をしていただく必要があると 考えます。  個人情報の保護に関連する法令やガイドラインを整理してみました。今後、私どもと しても保険者に対する連絡の中で、個人情報保護の観点についての確認を行っていきた いと思います。  個人情報保護に関しては、2つの大きな流れがあります。1つは個人情報保護法の流 れです。個人情報保護法に基づいて、厚生労働省がガイドラインを出しています。健康 保険組合等に対するガイドラインです。  具体的には、4頁の参考2の「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのた めのガイドライン」です。その抜粋を付けていますが、例えば、5頁の(2)(1)では、 個人情報保護に関する規程を、各保険者で作っていただくよう定めています。その規程 に基づいて取扱いをするということです。組織体制を整備したり、連絡報告体制を整備 したり、あるいは技術的安全管理措置ということで、個人データはコンピュータシステ ムで管理されることになりますので、IDやパスワードの管理、アクセス記録の保存等 をお願いしています。また、(3)の業務を委託する場合の取扱いというところでは、委 託先の監督や委託する場合の留意事項を定めています。それぞれ保険者で個人情報保護 に関する規程はすでに作っていただいているはずですので、もう一度規程の内容につい て役職員の方に再度周知していただきたいと考えます。  もう1つの流れとしては、今般、医療制度改革の中で改正された各医療保険各法や、 高齢者の医療の確保に関する法律の中に、1頁の「守秘義務規定」が入りました。  具体的には参考1の医療保険各法の法律がずらっと並んでいますが、ほぼどれも内容 は同じです。例えば健康保険法を見ますと、第199条の2で、「保険者の役員若しくは職 員又はこれら職にあった者は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を正当な理由 がなく漏らしてはならない」。これに関しては、第207条の2で「1年以下の懲役又は 100万円以下の罰金」という規定が書いてあります。  3頁の委託をした場合の規定は、高齢者の医療の確保に関する法律に定めてあり、第 30条に「保険者から特定健康診査等の実施の委託を受けた者」、つまり、健診機関や保 健指導の実施機関ですが、保険者から委託を受けた機関を先ほどの保険者と同様に、そ の実施に際して知り得た個人の秘密を漏らしてはならないという規定があります。これ に関しても「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という規定があります。守秘義 務に罰則がついていることについても周知していきたいと思います。 ○辻座長 ただいまのご説明に対してご質問、ご意見はありますか。  1つだけ、いま伺っていて思ったのですが、個人情報保護は非常に重要なことです。 もう1つは、今回の医療制度改革を含めて1つの問題意識というのは、きちんと評価で きる体制を作らなければいけないという話が出てきます。その評価を保険者の中だけで やれれば問題はないと思いますが、おそらく市町村とデータをリンクしなければいけな いことも生じるでしょう。あるいは分析もかなり専門的になってくるので大学や研究機 関と一緒にやらなければいけない。そういったところまで広がっていきますと、情報の 移転ということが起こらざるを得ないわけです。  ですから、個人情報保護と、その利活用。両者のバランスは非常に重要だと思います ので、今後考えていただきたいと思います。どういった状況ならば外部にデータを移転 して分析なり、何なりに使っていいのか。そのときはどういう条件が必要なのか。その 辺をきちんと出していただいた方が、今後よろしいと思いますのでお願いします。 ○大島企画官 外部の機関に委託して、データの分析等をする際には、委託先との契約 により監督の規定などをきちんと定めることが必要ですが、そうした上で、データの利 用を図っていくべき事を伝えていきたいと思います。 ○辻座長 他にありますか。議事としては以上です。全体を通して1人、2人言い残し たことがあればお受けいたします。 ○櫻井委員 資料2の22頁の下から3つ目のポツの、保険者が支払基金に報告する情報 については、3行目に「国が定める基本方針において定めた事項についての実績」、(支 援金の算定が影響)すると書いてありますが、若干わかりにくくなっています。これは 要するに法律の第142条に基づいて、保険者が基金に報告しなければならないというこ とですから、要は基金における高齢者関係業務ということで、この場合、支援金の算定 に必要な情報、特定健康診査等の実施状況という理解でよろしいですか。それはうなづ いておりますのでわかりました。  あと意見ですが、8頁の受診券のところで、いま保険証については、QRコードにつ いてパブリックコメントがされていると思いますので、受診券についてもそういうもの があれば非常に便利ではないかと思います。その辺はご検討をいただければと思います。 ○大島企画官 最初の点はそのとおりです。加算減算を計算するのに必要な範囲のデー タを報告していただくということです。 ○唐澤保険局総務課長 QRコードについては、QRコードを活用して資格の過誤を防 ぐ。資格の過誤がありますと、医療機関が請求したレセプトは戻ってきてお金が入って こない。別の所に請求しなければいけない。  間違ったほうで医療費を支払ったほうは、本人から取り返さなければいけないという 問題が出てきます。特に国民健康保険では、入るべき人が入っていなかったということ で、遡って保険料を請求しなければいけない。それは未納につながり、大変大きな影響 がありますので、QRコードを保険証に添付して、それをバーコードのように読み取っ て資格の過誤を防ごうということです。  それをできるだけ保険証の切り換え等の時期に添付して普及していきたいと考えてい ます。具体的な方法としては、例えば保険証まですぐに切り換わらないのであれば、受 診券にQRコードを貼り付けることもあるかもしれませんので、その辺はまたこの場で ご議論をいただければと思います。 ○櫻井委員 受診券は受診券で、受診券特有の情報も入っていますので、保険証のバー コードとは別に受診券特有の項目についてのバーコードも便利ではないかということで 申し上げました。 ○唐澤保険局総務課長 ご提案としてお聞きしておきます。 ○水口委員 冒頭の被扶養者の実施形態ですが、どなたか保険者の方からご意見なり、 質問があるのではないかと思っていたのですが、事業場の所在都道府県と、被扶養者が 住んでいる市町村が必ずしも一致しないのです。前々から疑問に思っていたのですが、 都道府県単位といいますか、あるいは都道府県の保険者協議会でそういう問題を協議し ていくことになりますと、都道府県を跨ぐ場合はどのように考えたらよろしいのですか。 つまり、該当する都道府県と全部契約しないといけないということですか。 ○大島企画官 4頁の(B)−(2)の絵をお開け下さい。代表医療保険者と都道府県医師 会又は市町村医師会とが合意しますと、被扶養者の方が一括して医師会の会員となって いる医療機関が使えるようになり、その費用請求は代行機関を通じて大元の健保組合な り、共済に行くことになります。  保険者は全国の区域をカバーするような代表保険者に委任することによって、保険者 の所在地がどこにあっても、このシステムは使えるようになります。 ○水口委員 例えば、東京都の中に事業場があり、被保険者はもちろん東京都の医療機 関を受けることになりますが、住所は埼玉県で、被扶養者はもちろん埼玉県に住んでい ると。そのときの代表医療機関は東京都の保険者協議会で選んだ人がなるわけでしょう。 そうしますと、埼玉県の医師会とも契約しなければいけないのではないですか。 ○大島企画官 代表医療保険者が都道府県ごとに47あり、その47の代表医療保険者は 県内をそれぞれカバーしますので、47とおりの委任を行うことで全国を網羅することに なります。 ○唐澤保険局総務課長 47の県があるので、1個ずつやったら47回契約しなければい けないではないか、ということをおっしゃっているわけですね。それはまとめてやれば 確かに便利だと思いますが、ただ、大都市と地方では単価、コストが違いますので、そ の辺をどう考えるかということです。まとめてやれば手間は簡単ですが、その辺はいろ いろ考える必要があるのではないかと思います。 ○水口委員 いくつかやらなければいけないときに、単価がそれぞれ違いますので、ま た悩ましい問題になるのではないかということで伺いたかったのです。 ○梶尾企画官 代表医療保険者と市町村医師会との契約の場合、その契約書にはその契 約に参加している方々の医療保険者のリストが付きます。代表医療保険者は1人だけで すが、「この契約に参加している医療保険者は誰です」と全部名前が挙げられて、それが 47県で行われます。全国を単位として全国1本の保険者であれば、47県すべてにその名 前を挙げていく必要があります。その上で各県での契約に参加する形になります。した がって、全国あまねくすべての市町村に加入者、被保険者、被扶養者が住んでいる保険 者であれば、すべての契約のリストの中にその保険者の名前を挙げる必要があります。 その上で地域ごとの単価を使っていくという想定をしております。 ○辻座長 本日の議題はひと通り終了いたしました。事務局から今後のスケジュール等 についてご説明をお願いします。 ○梶尾企画官 参考資料3は説明していませんでしたが、先ほどの枠組みに沿って、今 後はどのような保険者を準備していくのかということで、平成19年度の準備作業でどの ようなことがあるのか。その中でどこと契約をしていくのかという話になると思います。 平成19年度で平成20年度以降はどのような作業があるのか整理していますので、準備 の参考にしていただければと思います。  3頁の「市町村国保の契約スキームを使う場合はこんなことではないか」、4頁の「集 団契約だったらこんなことではないか」といろいろ作っておりますので、参考にしてい ただければと思います。  資料2の被扶養者をはじめとする特定健診・保健指導の実施体制については、本日ご 意見、宿題をいただいています。引き続き検討を進めていきたいと思います。ほかの論 点、あるいは検討事項についても、ワーキンググループや他の関係の検討会でも検討し て、この検討会に報告させていただきます。次回は1月17日(水)10時からの予定で す。詳細については、追ってご連絡いたします。 ○辻座長 それでは以上をもちまして、第3回の検討会を終了いたします。どうもあり がとうございました。   (了) 26