06/12/11 平成18年12月11日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬 品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日 時:平成18年12月11日(月)13:58 〜15:40 ○場 所:厚生労働省共用第8会議室 ○出席者: 委 員  青木委員、井上(達)委員(部会長)、小澤委員、加藤委員      志賀委員、豊田委員、米谷委員、山添委員、吉池委員 事務局  松田基準審査課長、加藤課長補佐、河村課長補佐、吉田課長補佐、      近藤専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 石原課長補佐  1.開 会 2.議 題   (1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について       ・ノバルロン(農薬)       ・クロチアニジン(農薬)       ・ケラチナーゼを主成分とする洗浄剤(動物用医薬品)   (2)その他 3.閉 会 ○井上(達)部会長 吉池先生の御到着まで少し時間があるようですので、早目に始め させていただきます。 事務局よろしくお願いします。 ○事務局 それでは、定刻より若干早いわけでございますが、ただいまから「薬事・食 品衛生審議会食品衛生分科会 農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。 本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申 し上げます。 本日は井上松久委員、大野委員、下田委員、中澤委員より欠席の御連絡をいただいて おります。また、冒頭部会長からお話がございましたとおり、吉池先生が若干遅れてい るようでございます。農薬・動物用医薬品部会の委員13名中9名の御出席をいただいて おり、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますこ とを御報告いたします。 それでは、井上部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議よろし くお願い申し上げます。 ○井上(達)部会長 皆さん年末のお忙しいところお集まりいただきまして、ありがと うございます。 資料確認をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。 まずお手元に議事次第がございます。議事次第は3枚つづりとなっておりまして、一 部修正をお願いしたいと思います。3枚目でございます。配付資料の一覧が列記されて おりますが、この配付資料のうちノバルロン、資料1−1の食品健康影響評価の後ろに 「(案)」とございますが、この案はございませんので、削除の方をお願いいたします。 続きまして、資料1−1は総ページで39ページの資料となっているもので、ノバルロ ンの農薬の評価書及び部会の報告書となっております。部会の報告書は29ページ以降、 資料1−2として掲載しております。 続きまして、資料2−1はトータルで78ページの資料となっております。内容としま しては、クロチアニジンの評価書、また部会の報告書となっております。41ページ以降 が資料2−2として、部会の報告書となっているものでございます。 資料3−1は動物用医薬品の評価書、ケラチナーゼを有効成分とする洗浄剤の食品健 康影響評価及び部会の報告書の一覧となっております。総ページで11ページ、資料3− 2、部会の報告書が9ページ以降となっているものでございます。 続きまして、報告資料1は「加工食品の法第11条第3項への基準適合性に係る告示改 正について」という内容でございます。総ページで3ページの資料となっております。 最後でございますが、参考資料1「国民平均、幼小児、妊婦、高齢者別の農産物・畜 産物摂取量」でございます。 また、参考資料2といたしまして「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評 価結果について」というものが5ページ以降に添付してございます。こちらは、総ペー ジで13ページとなっている資料でございます。 落丁等ございましたら、御連絡のほどよろしくお願いいたします。 ○井上(達)部会長 それでは、お手元の資料を御確認の上、過不足がありましたら、 事務局の方にお申し越しください。 本日は「(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について」ということで、農 薬が2品目、動物用医薬品1品目を御審議いただくことになります。 お手元の資料では、ノバルロン、クロチアニジンの順で資料を確認していただきまし たが、クロチアニジンの方の御審議から先に進めていただくことにさせていただきます。 では、事務局、御説明お願いいたします。 ○事務局 それでは、農薬クロチアニジンの方から御説明申し上げたいと思います。資 料2−1、2−2に沿って御説明申し上げます。 資料の4ページをごらんください。クロチアニジンでございますが、この物質につき ましては、以前に一度当部会でも御審議いただきまして第1版関係の下から2行目、昨 年10月25日に一度残留基準値の告示をしている物質でございます。今回新たに適用拡 大等がございましたので、それに基づいて、再び食品健康影響評価を依頼し、今回その 結果が通知されましたので、それを踏まえた基準の設定について御審議いただくもので ございます。 資料の6ページでございます。食品健康影響評価の要約が記載されてございます。試 験成績につきましては、動物の代謝試験、植物の代謝試験、またそれぞれの毒性試験等 の結果を踏まえた結果が記載されてございます。神経毒性、発がん性、繁殖能、催奇形 性、遺伝毒性は認められなかったという結果でございまして、ADIといたしまして、0. 097mg/kg体重/dayということで設定していただいてございます。これにつきましては、 前回の評価と変わってございません。ですので、毒性評価のところにつきましては、説 明を省略させていただきたいと思います。 資料の41ページからでございますが、これが本部会の部会報告の案でございます。 1.品目名はクロチアニジンで、殺虫剤でございます。 3.化学名及び4.構造式及び物性は資料のとおりでございます。 42ページからが5.適用病害虫の範囲及び使用方法の部分でございますが作物名のと ころで、四角囲みになっているところがございます。これが今回適用拡大ということで、 新たに登録申請のあった作物、また適用害虫名につきましても、新たな部分に四角囲み で、表示させていただいてございます。 れんこん、アスパラガス、43ページにいきまして、にら、ブロッコリー、非結球レタ ス、これは前回までは通常のレタスでございましたが、今回はリーフレタス等につきま して、登録の拡大があったということでございます。 44ページにまいりまして、えだ まめ。 45ページは果実類でございますが、ネクタリン、マンゴー、いちじく、すもも、 あんず、豆類でございます。46ページは、ウリ類。47ページはオクラ、チンゲンサイ、 みずなでございます。 非常に作物が多くございます。51ページまで適用する作物またはその使用方法でござ います。 52ページからは作物残留試験の結果が記載されてございます。 これにつきましては、資料の66ページでございますがクロチアニジン作物残留試験一 覧表ということで、記載させていただいてございます。これは今回の新たなものと、こ れまでもあったものを含めて記載させていただいてございます。 7.乳汁への移行試験結果ということで、乳牛2頭につきまして、クロチアニジンを 連続7日間経口投与いたしまして、投与開始後1、3、7日、最終投与後1、3、5日、 搾乳機を用いて搾乳した試料につきまして、クロチアニジンの含有量が測定されてござ います。いずれの試料についても、残留はなかったという結果が出てございます。 8.ADIの評価でございますが、これは先ほどの食品安全委員会の評価にございま すが、0.097mg/kg体重/日ということで、前回の評価と変わってございません。 9.諸外国における状況でございますけれども、コーデックス、諸外国の米国、カナ ダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査したところ、カナダと米国 でトウモロコシ、なたね、乳等に基準値が設定されている状況でございました。 64ページは10.基準値案でございます。 (1)残留の規制対象はクロチアニジンでございますが、これは前回も御審議いただ きましたが、クロチアニジン自体は殺虫剤であり、農薬として登録・使用されるもので ございますが、チアメトキサムという別の農薬として登録・使用がなされているものの 代謝物でもあるということでございますので、クロチアニジンをそのまま使った場合の 残留と、チアメトキサムを使用して代謝物としてクロチアニジンが残留する場合をそれ ぞれ評価して、本体とチアメトキサム由来のものとを勘案して基準を定めてございます。 米国等におきましては、チアメトキサムの基準対象として、チアメトキサム本体とチ アメトキサム由来のクロチアニジンとしているところでございますけれども、我が国の 整理としては、チアメトキサム自体はチアメトキサム本体のみを対象とするということ で、クロチアニジンの基準値の対象としては、クロチアニジンそのものとチアメトキサ ム由来のクロチアニジンの和という形で基準として設定することとしてございます。 (2)基準値案ということで、別紙2でございます。横表で非常に長い表でございま す。資料の70ページからの表でございます。今回適用拡大の部分と、新たに作残データ が提出され、上方修正等が行われている部分がございますので、それぞれ順番に御説明 申し上げたいと思います。 米(玄米をいう)でございます。これは基準値現行では0.5ppmという残留基準が設定 されてございますが、今回新たにクロチアニジン本体について作物残留試験の追加がご ざいまして、これを勘案しまして0.7ppmという形で上方修正してございます。 「とうもろこし」でございます。これは0.01ppm と設定してございましたが、今回チ アメトキサムの作物残留データについて、新たなものが提出されたということでござい まして、それに基づいて0.02ppmと設定してございます。 豆類でございますが「大豆」「えんどう」「そらまめ」「その他の豆類」ということ で、小豆のところは変わってございませんが「えんどう」「そらまめ」「その他の豆類」 は、現行では0.02ppmでございますが、小豆等のデータを参考にして0.3ppmに基準値を 設定し直してございます。 下から3番目の「ブロッコリー」でございますが、これも今回適用拡大の申請がある ものでございます。これにつきましても、クロチアニジンに新たな作物残留データが提 出されたということでございます。それを参考にいたしまして、0.3ppmという現行基準 から1ppm という基準に設定し直してございます。 71ページにまいりまして「レタス(サラダ菜及びちしゃを含む)」でございます。レ タスにつきましては、非結球レタスについて新たに作物残留データが提出されまして、 これはクロチアニジンそのものでございますけれども、現行では3ppmでございました が20ppmに変更してございます。 「にら」でございますが、これは当初「その他のゆり科野菜」という中で整理されて おりましたが、今回ポジティブリスト制度を導入するに当たって、摂取量の兼ね合いか ら独立した食品分類として挙げたものでございます。「その他のゆり科野菜」から独立 させたということで、「その他のゆり科野菜」の2ppmを基準として設定してございま したけれども、今回独立した分類で、作物残留試験が行われて、登録申請が行われまし たので、その結果に基づきまして15ppmと設定してございます。  「アスパラガス」でございますが、これにつきましても、今回適用拡大で新たな申請 があったものでございます。作物残留試験が新たに提出されましたので、その試験結果 に基づいて0.7ppmとしてございます。 「トマト」でございます。トマトにつきましては、今回ミニトマトの作物残留データ が提出されたということで、2ppmから3ppmに基準値を上げてございます。 「えだまめ」でございます。これも今回適用拡大の申請があったものでございます。 これについても、新たな作残試験に基づきまして0.2 から2という数字に置き直してご ざいます。 「もも」の下に「ネクタリン」「あんず(アプリコットを含む)」「すもも(プルー ンを含む)」がございますが、これも今回適用拡大の申請があったものでございます。 それぞれ作残試験のデータが提出されてございまして「ネクタリン」「あんず(アプリ コットを含む)」につきまして、それぞれ0.2ppmでございましたが、「ネクタリン」は 2ppm「あんず(アプリコットを含む)」については3ppmということでございます。 「すもも(プルーンを含む)」につきましては、5ppm が現行の基準でございました けれども、今回の作残試験に基づきまして、少ない値0.3ppmの方に下方修正されてござ います。 「いちご」でございますが、これも適用拡大でございます。新しい作残データに基づ きまして、0.05ppmから0.7ppmに変更してございます。 73ページの「みかんの果皮」も4ppm でございましたが、みかんの新たな作物残留試 験データに基づきまして、10ppmに上方修正ということでございます。 畜産物がありますけれども、これらにつきましては、海外のオーストラリア、アメリ カ等の基準を参考に0.02ppm という基準を置いてございます。 これに基づきまして、75ページでございますが「クロチアニジン推定摂取量(単位: μg/人/day)」ということで、暴露評価を行ったところでございます。 最初に結果を申しますと、77ページでございますが、それぞれのTMDIの計算にお きましても、国民平均で16.5%、高齢者の方でも16.7%、妊婦の方で14%、幼小児の 方でも31.7%で、ADI比が非常に低いということでございますので、この基準値案でも 問題はなかろうと事務局の側では考えているところでございます。 65ページに戻っていただきまして、本剤につきましては、ポジティブリスト制度の導 入に伴いまして、コーデックス、また、海外の基準を参考に置いたものがございました けれども、今回これらを見直し、いわゆる本基準ということで設定するということにし ます。 (5)に書いてございますけれども、本来であればクロチアニジンというのは、チア メトキサムの代謝物ということで、チアメトキサムと同時に審議をしたかったところな んですけれども、食品安全委員会でチアメトキサムの食品健康影響評価を、現在審議い ただいているところでございまして、こちらを先行して、基準の審議を行っていただい たところです。今後また食品安全委員会の方でのチアメトキサムの食品健康影響評価結 果が出てくるわけでございますけれども、その結果を踏まえたチアメトキサムの基準設 定の際に、今回設定したクロチアニジンの基準についても、必要に応じて、見直しを行 いたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○井上(達)部会長 どうもありがとうございました。 ただいま事務局の方からクロチアニジンについての御説明がありましたけれども、繰 り返しても蛇足にはなりますが、評価書の内容については変更がない。したがって、毒 性評価については変更がないということが、第1点。 あと、チアメトキサムの代謝物であるということから、クロチアニジンの作残等につ きましては、チアメトキサムのデータがまた出てくると、見直しということにならざる を得ないわけですけれども、差し当たって、御説明にありましたように、たくさんの基 準値変更案が、米始めブロッコリー、レタス、にら等で出ておりまして、これについて 御審議いただくということでございます。 申し遅れましたけれども、関係の委員の先生方にはあらかじめお配りして、御意見を 承っているところでもございますので、早速御審議いただきたいと思います。いかがで しょうか。 ○事務局 1点済みません。補足させていただきます。 作残試験のところでございますけれども、一部のところにつきましては、適用範囲外 の使用がございました。その点につきましては、加藤委員の方に事前にごらんいただい て、そのデータを用いて基準を設定することが可能ということで、御意見をいただいて ございます。 ○井上(達)部会長 ありがとうございます。 今の御説明のように、適用範囲外使用ということが念頭に置かれておりますので、そ の対象になっているものと考え方について、加藤先生お願いいたします。 ○加藤委員 ここの66ページから68ページをごらんいただくと、右の「最大残留量(p pm )」のところに#がいっぱい付いているんですが、これらの適用基準範囲を厳密に解 釈した場合に、それからずれるという意味で付いているマークです。 ごらんのように、半分以上にこのマークが付いている。これでどうやって基準値を適 用と考えるかという点でございますが、幾つか例を御説明しますと、米をごらんいただ きたいんですが、まず米については、代謝試験の方で、主体として、まき方としては表 面散布ですが、表面散布の代謝試験のほかに、土壌に混ぜて、土壌混和で、玄米の方に どういうものが、どの程度移行するか。そういう試験が両方やられております。 実際の適用としては、そこに書いてございますように、箱粒剤で苗箱に処理する方法 と散布する方法、散布剤としてはいろいろなタイプがございますが、そういう2種類の やり方をさせているわけです。 その中で、例えば2.5 %箱粒剤というのは、適用の中にはなくて、たしか2.5 %の箱 粒剤は適用の対象にはなっていないものですが、それだけを見ますと、適用外というこ とになってしまうんですが、それとほかの組み合わせで全部やられているものがたくさ んございまして、66ページの上から4分の1ぐらいのところを見ていただくと、2.5 % の箱粒剤と16%の水溶剤を土壌処理しまして、その後0.5 %の粒剤を散布する。これは 2.5 %の箱粒剤が適用外の処理になるんですが、その状態で見ましても、玄米に残るの は0.01ppm なり0.02ppm で、そのほかの下の2段なり、3段と比べていただきますと、 ここの箱粒剤での苗箱処理は、残留にはほとんど影響していないことがわかりますので、 そのほかのデータから0.16ppm を最大残留量としてとれば問題なかろうということで す。特に過剰な評価をしたことにもならないであろうと判断したわけであります。 それから、散布回数が細かな数字で3回とか4回になっているものが、1回よけいに まかれていてという例もございます。そういうものにつきましては、同じように最初の 土壌混和の影響が実際の収穫期の作物内可食部にどれぐらい残留するのか。それを複数 の例から判断しまして、そちらはほとんど影響していないことがデータとして読み取ら れるということが1つ。 それから、実際に同じ作物の残留試験の中で、同じほ場で並行して土壌処理だけした もので、どれぐらい残留しているか。それもやられたデータがございますので、そうい ったものを総合的に見まして、形式上は適用範囲外のデータになっているわけですけれ ども、実態として、適用範囲のデータと読むことはできるという判断をしまして、先ほ ど御紹介がありましたような最大残留量を評価して、基準値案にいったというような次 第でございます。 ○井上(達)部会長 どうもありがとうございます。 ただいまの御説明で、そのままわかっていただけたかどうかあれですけれども、実質 的に暴露される量としては、適用範囲内にとどまっていたんだということでもって、御 説明いただいたわけですけれども、本日は農林水産省の方からもお出でいただいており ますので、何か追加で御説明いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○農林水産省 今、加藤先生がおっしゃられたことで、特にこちらから追加することは ないです。 ○井上(達)部会長 ありがとうございます。 皆さんほかにはいかがですか。豊田先生どうぞ。 ○豊田委員 済みません。今のところ、私としては理解足りなかったかもしれませんけ れども、例えばこの範囲外のデータといいましたけれども、範囲内でやりますと、作物 残留試験の成績のところの数値が少し下がることになるのでしょうか。下がると、例え ば基準値の現行と基準案のところを変えてございますけれども、そこら辺のところが変 わってくるような影響があるのかないかということを教えてほしいです。 ○井上(達)部会長 事務局にまず交通整理していただきます。 ○事務局 今回の検討に当たりましては、そもそも適用外で使用されたデータが使える かどうかから出発して検討しましたので、それを見ない場合にどうかということは、検 討していません。あくまで、それが使えるという前提でこの基準を見てございます。 ○井上(達)部会長 加藤先生、補足ございますか。 ○加藤委員 今、御質問がありました点は一番重要な問題というか、基準値を決めてい くときに、どういうデータをベースにしていくかという非常に重要なところだと思うん ですが、この剤につきましては、先ほどの私の説明が悪かったのかもしれませんけれど も、玄米について申し上げますと、1回よけいにまいてしまったものが0.16ppm 。1回 よけいにまいたというところが、どの程度寄与しているかということは、0.01ppm なり 0.02ppmですから、10分の1なり、それ以下というところになりますので、それぐらい であれば、基本的には基準適用範囲内でやった場合の分析の誤差範囲内であろうと見た わけです。 一方、2例でしかやっていないところで、こういうのを当てはめるのはどうかという 議論があるということは十分に承知していますが、JMPR等で国際基準をつくるとき に、そういうアローアンスをとっているか。その点でいきますと、JMPRでは実際の 残留量として、GAP、適用範囲内の最大残留量を与える要件での残留レベルが±30% 以内のずれであれば、GAPに従った試験として、コーデックスの基準をつくるときの 最大残留量を評価するデータとして認めているというのがあります。 EUではどうかといいますと、EUは実際の残留量に関してどうかというところはた しか規定していないんですが、GAPの条件の±25%以内ぐらいのずれであれば、認め るという基準になっています。 これは先ほど申し上げたように、2例のデータと多数の国のいろんなJMPRが混じ った中でのJMPRのばらつきをどう読むか。それから、16例もやるような試験でのば らつきとは、必ずしも一致しませんが、どこもGAPどおりでなければ絶対だめだとい うことではなくて、そこに少しのアローアンスを持たせているという点がございます。 ○井上(達)部会長 米谷先生どうぞ。 ○米谷委員 最近、適用拡大の場合の作物残留試験結果で、今日のように後に#が付い てきたり、いろんな記号が付いて、注にいろいろ書いてございます。 今回も最初に私の方から質問させていただいて、加藤先生にお答えいただくというこ とになれば、いつものパターンでしたけれども、今回の資料はどなたがごらんになって も、変な印ばかりが付いているので、あらかじめ事務局の方から理由をお聞きになった のだと思います。 先ほど来のお話を聞いておりますと、アローアンスを少々外れても認めているという ようなことでございますけれども、逆にどうして適用範囲内でされなかったのか。ある いはやる場合にも、最初からやる人、やる機関は、これが適用範囲外だということをわ かってやっておられます。そういう結果をまず出さすというか、やられるのが問題で、 その結果を基に、農林水産省がここへ堂々とデータを出してこられるみたいな感じを私 どもは受けるのですけれども、最初から適用範囲内でやっていただいて、いつもどおり 変なマークが付かないような数値で出してきていただければ、特にこういう無駄なディ スカッションはないように思うんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。 ○農林水産省 農薬登録の申請に当たりまして、申請者側はいろんな試験、農薬の適用 内容等を考えます。その中で、例えば使用方法の製剤の希釈倍数に幅を持たせて、薄い 濃度でも使えるようなことも考えます。申請では希釈1,000 倍から2,000 倍とか、使用 回数を病害虫の発生に応じて増やせるようにしたり、抵抗性がつくようなこともあるの で、当初は1回で、多発時に備えて2回とか、ある程度幅を持って、農薬を販売する上 での戦略を立てます。 それを基に作物残留試験をやっていくんですけれども、たくさんやると費用もかかる ことですので、希釈倍数は例えば先ほどの1,000 倍から2,000 倍の場合、濃いところで やっておけば、どちらに転んでも使えることになりますし、使用回数も最初の予定は1 回でしていたんですけれども、緊急的に2回に増やさなければならないとか、そういう ときに2回の作物残留試験を計画して実施することがあります。 今回の場合もそのようなケースで、実際にされているわけなんですが、不幸にも例え ば1,000 倍から2,000 倍の1,000 倍の方で薬害が出てしまって登録が認めらないとき に、試験は1,000倍であっても登録の方が2,000 倍ということで、過剰データになるこ とがありますので、そういう結果、過去のデータにつきましては、一部のものについて、 過剰データというのが存在しておりました。 昨年、農林水産省としても、そういうことは、基準値が大きくなってしまうとかいろ いろありますので、農薬工業会に対して、去年8月に申請方法に合わせて作物残留試験 をやるようにということで、農薬の業界に対して指導いたしまして、去年8月以降は、 基本的にはその方針に沿ってやる。例えば1,000 倍から2,000 倍というように幅があっ た申請を考えているんでしたらば、1,000 倍の試験、2,000 倍の試験というように幅を 持たせてやるようにということで、昨年の8月から業界指導をしております。 ○井上(達)部会長 クロチアニジンについては、外れた状態の結果だったということ ですか。 ○農林水産省 クロチアニジンも去年8月以降に試験をしていれば、そういうことはな いんでしょうけれども、それ以前ということなので、試験が実施されているわけです。 ○井上(達)部会長 そういう御説明ですが、いかがですか。 ○米谷委員 先ほど豊田委員からも御質問がございましたように、今回、注の付いた作 物残留試験の結果、基準値が高く提示されているような、そういうことが特になければ よろしいんですけれども、そういうことがないかどうかを御確認していただきたいです。 ○井上(達)部会長 それは確認されているわけですね。 ○事務局 先ほどちょっとあいまいな御回答をしましたけれども、個別の剤ごとに、加 藤委員等にお聞きして、問題ないということを伺ってございますので、大きくMRLが 高くなってしまうようなことはないと考えてございます。 ○米谷委員 前回はハクサイが問題になりましたけれども、今回ですとレタスの値が非 常に大きくなっておりまして、いろんな印の付いた試験結果から、こういうふうな結果 になっております。最終的にはTMDI試算でこういう低い値なんでOKでしょうとい うことになるかもしれませんけれども、個別の作物の基準値で、レタスなどではもろに 今回の大きな値が効いてきておりますので、その辺は特に問題はないんでしょうか。 ○井上(達)部会長 葉物ですね。レタスに特定した御質問ですけれども、いかがです か。では、農水の方からよろしくお願いします。 ○農林水産省 お手元の資料の43ページをごらんになっていただきたいと思います。こ この一番下のところに「レタス」「非結球レタス」とあります。レタスというのは普通 の結球したレタスで、レタスへの総使用回数というのは、一番右の欄です。育苗期の処 理が1回、散布が2回ということで、合計3回使えることになっています。一方、非結 球レタスは、生育期の散布で2回ということになっています。 作残試験の方は、リーフレタスについては、定植時の1回と散布が2回ということに なっていて、定植時の1回分はレタスと同じ試験計画の下にやったということで、将来 的に定植時への散布、育苗期の株元処理です。そういうような育苗段階での使用回数を 1回追加できるような形の作残となっているわけなので、このような作残試験が実施さ れたと考えられます。 ○井上(達)部会長 意図としては、いずれそういう方向に持っていく計画だというこ とですか。 ○農林水産省 申請者に直接の確認はとってないんですけれども、そうだと思います。 ○井上(達)部会長 さて、委員の先生方は、ただいま御説明でいかがでしょうか。豊 田先生どうぞ。 ○豊田委員 まだちょっと納得していないんです。済みません。 今、考えて、お米の方は摂取量の全体に占める割合がかなり高くなっているんですけ れども、これは実際に玄米をいうということなので、白米にしたら大分違うのではない かというような気もしないでもないので、こういうところで理解はできるんですけれど も、レタスの方は、やはり先ほど米谷委員からもお話がございましたように、占める割 合がちょっと高いということで、しかも、基となるデータがいつものとは多少違うとい うことなので、結局のところ、本来のやり方のデータではないということです。 そうすると、私が思ったのは、例えば同じようなネオニコチノイド系の剤で、こうい ったリーフ系統のものを処理した場合にどうなるか。そういった類似のもののデータと いうものを見てみて、似たように非常に少なく、例えば3回のところを2回やれば本来 はこのぐらいであるとか、当然科学的に類推はできると思います。そこら辺のところを ちゃんと考えなければいけないのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○井上(達)部会長 加藤先生どうぞ。 ○加藤委員 ただいまのリーフレタスとサラダ菜の件は、1つ申し忘れていました。 このデータの中に直接入っていないので、具体的な数字は忘れたんですけれども、リ ーフレタスとサラダ菜は平成16年度にやられた試験でありまして、今、農水の方から話 がありましたように、土壌処理がよけいにやられている。そういうデータです。これは 土壌処理のみのデータも同じ年に、同じほ場でやられていまして、レベルは正確に覚え ておりませんが、リーフレタス、サラダ菜の土壌処理プラス散布で出ている9ppm なり 10ppm なり、7ppm というものに比べて10分の1程度であったと記憶しておりまして、 これについては1回よけいにやったデータを認めてもよろしいのではないかという判断 を私はしたわけです。 それから、今、豊田先生がおっしゃった、ほかの作物での薬剤、そういった例から判 断することも考えろということについては、今後参考にしていくことが非常に重要だろ うと思ってはおります。 ○井上(達)部会長 どうもありがとうございます。 事務局からもございますか。 ○事務局 土壌処理の部分でコントロール的なものがとられてございまして、0.6ppmと か0.01ppm、あとは検出しないという非常に少ない数字でございますので、それらを合 わせてあと2回やって、3回というデータでございますので、影響がないものと判断さ れると思います。 ○井上(達)部会長 その話は私も聞いていたんですが、追加を忘れておりました。 豊田先生いかがでしょうか。もし問題点があれば、遠慮なく御指摘ください。 ○豊田委員 私が思ったのは、原則上からは外れてしまっているんでしょうけれども、 例えば20ppmではなくて、この場合、特例として、もうちょっと低目に設定するような ことはできないのかというような、ちょっと甘い考えを持ったんですけれども、いかが でしょうか。 ○井上(達)部会長 むしろそちらの方が難しい。今回の方が将来的なこ とも見据えた、それは製造者の方の意図かもしれませんけれども、そういったことも含 めて、先々の整合性を考えると、今回のことで御理解いただく方が、すっきりはしない かもしれないけれども、問題点の整理はその方がつくだろうと事務局はお考えになった と思いますが、よろしゅうございますか。豊田先生には一応御理解いただいたようでご ざいますので、ほかの先生も御遠慮なくどうぞ。よろしゅうございますか。 それでは、クロチアニジンについては、先ほど申しましたように、チアメトキサムの 評価が進んで作残が出てくると、また見直しということになるかと思いますが、この段 階でのクロチアニジンの基準値の変更について、御意見を承った、御審議いただいたと いうことで終了しようと思います。 そうしますと、事務局この後はどういうふうになりますですか。 ○事務局 あとは通常の手続どおりでございますが、WTOの手続、パブリック・コメン ト等を行います。また、分科会の方に上げて、審議をいただくことにしたいと思います。 部会報告案につきましては、もう一度チェックいたしまして、再度先生の方に御供覧 させていただきまして、修正するところは修正したいと考えてございます。 ○井上(達)部会長 どうもありがとうございます。 それでは、本案をもちまして、当部会の報告にさせていただきます。 続きまして、先ほど逆に入れ替えていただきましたノバルロンの審議をお願いしたい と思います。 事務局、資料の御説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、農薬ノバルロンにつきまして、御説明申し上げます。資料1− 1、1−2に従いまして、御説明します。 資料1−1の4ページに審議の経緯がございますが、この剤につきましても、一度当 部会で御審議いただいたものでございます。2004年6月に基準値を告示をしてございま す。 今回「てんさい」という農作物に適用拡大の申請があったこと、また「りんご」、「な し」につきまして、海外の方からインポートトレランス制度に基づいた要請があったも のでございます。また、コーデックスの方でも、今年新たに基準が設定されたというこ とがございますので、その辺も併せて基準の見直しを今回行ったところでございます。 毒性評価等につきましては、6ページの要約というところで、食品安全委員会の食品 健康影響評価の結果が出てございます。それぞれ毒性試験等の試験結果からは発がん、 繁殖の影響、催奇形性、神経毒性、遺伝毒性はなかったということでございます。 これらを総合してADIとしまして、0.011mg/kg体重/ 日と設定したという報告をい ただいているところでございます。 この内容につきましては、前回の食品健康影響評価と変わってございませんので、評 価自体につきましては、省略させていただきたいと思います。 部会報告案は資料の29ページからでございます。 ジフルベンゾイルウレア系の殺虫剤ということで、蛾とかそういったものに効くとい うことでございます。脱皮の阻害に、作用するということでございます。 29ページの 下から30ページにつきまして、使用の適用とそれぞれの使用方法が出てございます。 (1)国内における使用方法ということで「キャベツ」「なす」「トマト」については、 既存でございます。下に「てんさい」というのがございます。これが今回新たに適用拡 大の申請があったものでございます。 (2)でございますが、りんご、なしということで、米国で登録されて基準値がありま して、これをインポートトレランスという制度で今回要請があったものでございまして、 米国での使用方法が記載されてございます。 31ページでございますが6.作物残留試験結果が出ております。 (2)の「(4)てんさい」について記載してございます。 32ページにまいりまして7.ADIの評価につきましては、0.011mg/kg体重/dayと いうことでございます。 8.諸外国における状況につきまして、コーデックスまたは米国等について調べたと ころ、米国において、「ばれいしょ」、「りんご」等に基準が設定されています。オー ストラリアについては、「綿実」について基準が設定されているということでございま す。また、今年7月のコーデックスの総会で、コーデックス基準が「りんご」、「なし」、 また畜産物について設定されてございます。 9.基準値案は、資料の35ページからでございます。 この剤につきましては、そもそもポジティブリスト制度導入時に、当時の検討では一 律基準0.01ppm までの分析が不可能ということで、一律基準に係る部分は0.02ppm で管 理しようと整理されたものでございます。 例えば、」「米」「小麦」「大麦」のように、「基準値現行」の欄に0.02ppmと置い てあるものにつきましては、本来、一律基準0.01ppm で規制するところ、試験分析方法 の兼ね合いから基準値を0.02ppmとしたところでございます。 今回、分析法の検討をされている米谷委員にも御意見を伺ったところ、新たな試験方 法で0.01ppm まで分析が確保できることがわかりましたので、この部分については、0. 01ppm で管理するとしましたので、基準案のところは、空欄にしてございます。 真ん中辺に「てんさい」とございます。0.02ppmと基準値を置いているところでござ いますが、今回、新たな作物残留試験データの提出がありまして、0.05ppm としてござ います。 36ページの真ん中辺りに「りんご」「日本なし」「西洋なし」「マルメロ」「びわ」 というものがございます。このうち、「りんご」、「なし」等につきまして、インポー トトレランス制度による要請がありました。 作物残留データも提出されたわけでございますが、これらにつきましては、コーデッ クス基準が今年7月に設定されました。左から5番目の欄にあるように、「りんご」3p pm、「日本なし」3ppm、「西洋なし」3ppm、「マルメロ」3ppm、「びわ」3ppmと設 定されました。これらに準拠した形で、今回、現行では1ppmという基準を置いている ところ、それぞれ3ppmという数字に設定し直してございます。 37ページは「牛の筋肉」から始まりまして、畜産物の基準でございます。現行の基準 では、アメリカの基準を準用した形で、例えば「牛の筋肉」であれば0.6ppm、「豚の筋 肉」であれば0.01ppmというような形で、基準を設定してございます。 今回コーデックスで、哺乳類の肉と脂肪という形で、肉類については0.7ppm、脂肪に ついては10ppm という基準が設定されました。それを準用するという形で、網かけにな ってございますが、基準を変更してございます。 乳につきましても、現行は1ppmという値を置いてございましたが、コーデックスで0. 4ppmという数字になりましたので、0.4ppmに変えてございます。 鶏肉関係につきましても、0.01ppm とコーデックスで設定されましたので、それを準 拠した形に修正したということでございます。 33ページは(3)暴露評価でございます。今回TMDIは80%を超すということがご ざいましたので、推定摂取量評価、EDI評価で求めることとしました。 注のところに書いてございますが、今回、牛の筋肉等畜産物につきましては、JMP Rの方で評価がなされているということがございましたので、そこでの暴露評価に用い ます残留データ、STMRという数字を用いて計算しました。 更に、通常、肉類につきまして、参考資料1の3ページの下の方に、畜産物関係の摂 取量が書いてございます。哺乳類の「牛・豚・羊・馬・山羊の筋肉及び脂肪」というこ とで、筋肉と脂肪をまるめた形で摂取量を出してございまして、それにTMDIの場合 は基準値をかけ合わせて、理論上の摂取量というふうに求めておりますが、今回、この 物質自体が脂肪によく残留するということで、コーデックスでは脂肪中の基準値を10pp mというふうに、非常に高い値にしてございます。また筋肉については、0.7ppmで、非 常に差があるということでございまして、摂取量に関してもう少しこの部分は詳細に分 別できないかというような検討をしました。 そこで、脂質量を国民の摂取量から割り出しまして、あと筋肉の中にも脂肪が入って いたりするものですから、その辺も加味した形で補正をさせていただいたところ、肉と して摂取する割合は80%、脂肪として摂取しているのは大体20%だろうということにな りました。その割合で例えば国民平均56.2gというのを筋肉と脂肪に分けて、それぞれ の摂取量を検討させていただきました。筋肉部分を80%、脂肪部分を20%にするのは、 JMPRの方でもそういった割合比になって、暴露評価をしてございますので、国際的 にも整合性がとれているのではないかと考えてございます。 このような形で試算をしたところ、国民平均では21.9%、幼少児で61.6%、妊婦で2 1.9%、高齢者の方で21.1%という形で、ADI比が80%以内に入っているということ で、この基準値案で問題ないのではないかと考えてございます。この物質につきまして も、これまで暫定基準で置いてある部分につきましては、本基準に移行するという形で 今回整理させていただきたいと思ってございます。 以上でございます。 ○井上(達)部会長 どうもありがとうございます。 ただいまの御説明に対して、事前に御相談申し上げていた先生方から、追加等の御説 明がありましたら、お願いいたします。また、御質問などございましたら、お願いいた します。吉池先生どうぞ。 ○吉池委員 今回適用の追加申請がなされたりんごその他ということではなく、バック グラウンド的に考えなければいけない肉、特に脂肪からの摂取というのは、むしろ数字 的にかなり大きくなります。 先ほど事務局から御説明があったような脂肪として何%というのは、直接的に栄養調 査で細かく調べているわけではありませんが、食品成分表上の脂質の割合、その他の数 字等を考え、やや過大に推定するような形で試算すると、約20%ということになります。 事務局にこれに関して伺いたいことがあるのですが、肉の脂肪に多く溶け込む可能性 があるということで、10ppmが設定されているわけですが、どのようなプロセスで10pp mという値がコーデックス等で置かれているのかということ。更には、単純に考えても、 肉の摂取量というのは、欧米では日本よりかなり多いと思うのですが、その辺を考慮に 入れて暴露評価を行ったときに、アメリカ、ヨーロッパ等でこの点が検討の対象となっ たような、そんな議論はあるのでしょうか。そこを教えていただきたいと思います。 ○井上(達)部会長 いかかですか。 ○事務局 実際のところ、JMPRなりコーデックスで、脂肪について10という残留基 準が設定されてございますけれども、その評価の基になっているのは、実際の4.1ppm という残留データから持ってきています。筋肉については0.7ppmですが、0.19ppmとい う作物残留データから設定してきますので、幅が置いてあると思います。 あと、今回20%と80%ということで、この剤に限って新しい試みで、吉池委員からも いろいろデータをいただきながら設定したところなんですけれども、先ほど委員からも お話があったように、栄養調査の結果の脂質の摂取量という部分と、実際に筋肉、脂肪 に含まれる脂肪の量を勘案して、過大に見積もっても20%、80%だろうと考えておりま して、それは今回JMPRで欧米人を中心に検討した結果も、たまたま同じだったとい うことだと思います。 ○吉池委員 割合というよりは絶対量としては、向こうは肉の摂取量が多いと思うので、 同じ20%、80%をかけると、そこでの暴露量試算の数値というのが大きくなるように予 想されるのですが、その辺に関しては、何か議論があるんですか。 ○井上(達)部会長 事務局、日本の値は安全側に過大になっていると考えるんですか。 そういう傾向はあるんですよね。それならそれでもいいんでしょうけれどもね。 ○事務局 実際のところ、過大な評価になっているとは思います。 ○吉池委員 アメリカ、ヨーロッパでこれと同じような形で積み上げると、向こうは肉 をたくさん食べるので、それだけでも数値は大きくなると思います。それが対ADI比 との関係について、検討の対象や議論の事項になっているかどうか。向こうで結果とし て問題ないということであれば、日本は20%、80%ということの他に、絶対量がやはり 少ないと思うので、より安全側に考えていいと思うんですが、その辺のアメリカ、ヨー ロッパでの議論がもしわかったらということです。 ○事務局 どこまで向こうでその辺の議論がなされているかは、今はわからないです。 ○井上(達)部会長 わかるようでしたら、後ほど事務局からの情報でお願いします。 加藤委員どうぞ。 ○加藤委員 今の点についていいますと、この剤とは必ずしも限りませんけれども、E UなりアメリカでのEDI試算のときに、日本に比べて、圧倒的に簡単といいますか、 大きな係数がかかる項目が1つあるんです。それはある特定の薬剤が対象となっている 作物に対して、全米で何%ぐらい使われているか。処理率があるんです。これは13%と か11%とか、そういう細かい数字で出ています。これは類似の化合物について、過去の データからUSDAが、統計をずっととっておりまして、新しい剤が出たときには、過 去の類似の剤のデータからの最大値をとって登録で使っている。そういうシステムでや っているんです。ですから、我々がEDI試算で加工を考慮するよりも、はるかに大き な、10分の1になるとか、それぐらいの係数がまず最初にかかってくる。つまり、その 点が大分違います。 ですから、この剤でも恐らく日本と同じやり方でやっていれば、アメリカは勿論AD Iを超えてしまうこともあります。それから、最初の筋肉なり肉の最大値が0.41だとい うお話があったんですけれども、これは作物残留分析のときのSTMRなり平均値の数 字とは全く違います。 まず肉の基準値がアメリカも含めて、世界的にどういうふうにつくられているかとい うことでいきますと、実際に餌なり飼料になるような作物部位なり作物に農薬が登録さ れている場合、その作物に散布されて、そこでの基準値をベースにして、日本で、今、 我々がやっています農産物からヒトへの摂取量、TMDIを推定するのと同じように、 家畜に対して餌から、農薬として飼料作物にまかれた餌からどれだけ摂取されているの か。それを推定しまして、そこの段階でTMDIでそれを評価していくのか、STMR、 平均値で評価するのか、まずここで1つ過大評価する部分があります。 それから、その後、濃度に応じて家畜に投与して、そこで肉なりミルク中の濃度を分 析する。そこで平均値か最大値をとって基準値にする。そこでももう一回過大評価する チャンスがあります。その2段階の過大評価をしたものが、通常肉の基準値という格好 で出ているものです。ここでのSTMR、JMPRも含めて、アメリカもそうですし、 ヨーロッパもそうですけれども、STMRということで暴露評価に使うのは、最初の段 階、餌中に入っている最大量が残留基準値まで全部の餌に残っているわけではなくて、 その中の平均値が残っているんだ。それが家畜に摂取されるんだということで、その段 階でまずSTMRをとって、STMRに基づいたレベルに換算し直して、家畜中の肉内 ミルクの残留レベルを割り戻す形でとったものが、ここに書いてございますEDI試算 のときのSTMR、そういう意味になります。ですから、ちょっと違うと思います。 ○井上(達)部会長 吉池委員どうぞ。 ○吉池委員 そうしますと、この肉の部分がかなり過大評価される。過大な条件下で肉 に飼料中の剤の移行ということを想定している。そもそも日本でこういう形がいいのか、 それとももうワンステップをおく、すなわち精密化をする必要があるのかどうかです。 というのは、過大に推定するのはいいとは思いますが、今回は「りんご」その他という ところを主に考えようとしているときに、このバックグラウンドのデータが余りにもリ アリティーのない数字だと、肝心なところが見えにくいような気がするのですが、その 辺はいかがなのでしょうか。 ○井上(達)部会長 事務局どうぞ。 ○事務局 今回はおっしゃるとおりで、実際に適用拡大があったところとは違うところ の農作物で、この数字が非常に議論になるところなんですが、今回コーデックスで置い たということがございましたので、なかなかそこをばっさりというわけにもいかないと いうことがございました。 では、実際にコーデックスで基準を決めたときの方法というものは、どういうものな んだろうかということで、本剤に限って、こういったものを準用させていただいてござ います。 いずれにしても、こういった飼料由来が動物に蓄積して、動物での基準を決めるとい うような農薬については、今後も出てくると思います。平成10年にいろいろ御審議いた だいて、一度農薬の暴露評価の精密化ということで、当時の食品衛生調査会から意見具 申をいただいたものがございまして、それに基づきまして、今TMDIまたはEDI試 算を出しているところなんですけれども、こういった問題もございますので、その辺の 部分は今後再検討が必要と考えているところです。 ただ、今回のやり方は、本剤に限った形でということで、御理解いただければと思い ます。 ○井上(達)部会長 その都度、お肉の方については、見直していくということなんで しょうかね。ほかにはいかがですか。米谷委員どうぞ。 ○米谷委員 先ほど事務局から御報告がありましたように、0.02ppmのことですけれど も、その後、告示後、LC/MSを使う方法等で0.01ppmはクリアーできていますし、 総則への追加もございましたので、ここにあります文言どおりで結構でございます。 ○井上(達)部会長 ありがとうございます。 ほかにはいかがですか。 ○志賀委員 また細かいことですけれども、表記上の問題、特に昆虫名の問題なんです が、31ページの上の方に、表の後ろのところが載っておりますけれども、この下につい ている2つのうち、もともとアメリカのものですから、翻訳というような格好になるの かと思いますけれども「メクラカメムシ」というのがございます。これは実は農林水産 省での扱いもそうだと思いますが、かなり前から「カスミカメムシ」という名前に変更 されているんです。一般的にこれが通っています。余分なことはいいんですけれども、 一部に差別用語的な名前はいかがなものかという議論もあったのを受けて決められたも のです。ただ、和名ですから、何を使ってもいいことはいいんですけれども、一般的に 恐らく農水省の予察関係なども含めて、最近カスミカメムシと言われているのではない かと思います。 その次は文字の問題ですが、これも、今、気がつきましたので、恐らくということで すが「リンゴシロヨコバエ」になっていますが、これはハエではなくて「ヨコバイ」と いう、稲のツマグロヨコバイなどと同じようなグループの虫だと思われます。できるだ け現在の状況に合わせられるなら、合わせた方がいいのではないかと思いました。 ○井上(達)部会長 ありがとうございます。 事務局よろしくお願いいたします。 ほかにはございませんか。小沢先生よろしいですか。 ○小沢委員 ございません。 ○井上(達)部会長 それでは、一通りの御審議をいただいたかと存じますので、よろ しいようでしたら、本報告案をもちまして、当部会の報告にさせていただきたいと思い ますが、よろしゅうございますか。ありがとうございます。 それでは、3つ目の案件で、動物用医薬品のケラチナーゼを有効成分とする洗浄剤の 審議に入らさせていただきます。事務局、御説明お願いいたします。 ○事務局 それでは、お手持ちの資料3−1に基づきまして「ケラチナーゼを有効成分 とする洗浄剤(プリオザイム)の食品健康影響評価について(案)」及び部会報告につ いての御説明を申し上げます。 資料3−1の2ページに審議の経緯という部分がございます。こちらの剤につきまし ては、平成18年7月18日に農林水産大臣及び厚生労働大臣から食品健康影響評価を求 めております。本件の評価の案につきましては、先月9日、第167 回の食品安全委員会 に報告がなされております。また、同日から先週の金曜日まででございますが、意見聴 取というものが行われております。今後、意見聴取の結果を踏まえまして、食品安全委 員会から評価結果が当方に通知されることになっております。ですので、現時点におき ましては、評価結果の案という形にさせていただいているものでございます。 3ページ以降が評価結果の本体でございます。 本剤は特定のBacillus licheniformis株が産生するケラチナーゼ、いわゆる酵素でご ざいます。これが主剤となっているものでございます。 本剤の使用の用途でございますが、中段以降にございますとおり、と畜場等で用いら れました解剖刀等、脊髄を吸い出すチューブ及び破壊するニードル、前掛け、長靴、ス パチュラ、メス、ハサミ等々の使用された器具の洗浄が目的となっております。 ですので、本剤の意見聴取の趣旨というものは、この器具等に使用された製剤名プリ オザイムというものでございますが、プリオザイム製剤に含有される成分が食品を介し てヒトの健康に与える影響の評価になっております。 なお以降に書いてございますとおり、と畜場における牛海綿状脳症スクリーニング検 査の時点で陽性の場合にありましては、伝達性海綿状脳症検査実施要領というものがご ざいますが、こちらに従いまして、と畜場の施設設備、器具等についての所定の消毒措 置がとられることに変わりはございません。 本剤につきましては、1に書いてございますとおり、主剤はマウススクレイピープリ オンのObihiro 株分解性を指標にスクリーニングをした酵素となっております。至適温 度につきましては、50℃〜70℃、pHが8〜10というものでございます。アルカリプロテ アーゼの一種になっております。 4ページ目の上段に書いてございますが、その構造を見た場合に、Bacillus株が産生 いたしますサチライシンCarlsberg と高い相同性を示しております。また、サチライシ ンDYと最も高い相同性を示すというものでございます。 製剤につきましては、緩衝剤と酵素剤の2つに分かれております。 用法・用量につきましては、緩衝剤をまず40℃〜60℃に加温した水道水に溶解いたし まして、その後に酵素剤を加えるというものでございます。この加えた溶液の中に、使 用しましたハサミ、試験管等の器具を1時間浸漬いたしまして、水温は40℃〜60℃を保 つというものでございます。 主要な緩衝剤及び酵素剤の成分でございますが、それ以降に書いてございますとおり、 酵素剤につきましては、ヒドロキシプロピルセルロース、白糖、または黄色4号という 着色料でございます。こちらが含まれております。また、緩衝剤につきましては、炭酸 ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸、二酸化ケイ素、青色1号というものが含有されて おります。こちらにつきましては、いずれも国内外で食品添加物や医薬品の添加成分と いうことで使用されているものでございます。また、食品そのものも含まれてございま す。 これらの組成を見た場合、器具を介して食品に残留しまして、ヒトの健康に悪影 響を及ぼす可能性はほとんどないと考えられているところでございます。また、使用上 の注意の中に、浸漬後の水洗という部分がございまして、水洗により、器具等から容易 に除去されると考えられているところでございます。後段で説明をいたしますが、水洗 による除去という部分につきましては、一定の試験系の中で検討が行われているところ でございます。 2は本剤と高い相同性を示しておりますサチライシンというものについて、記述がご ざいます。サチライシンにつきましては、古くから知られている酵素でございます。各 国においても、その用法等が承認されているところでございます。また、酵素というこ とであり、吸入系等を考慮した一定の基準値が設定されている場合もございます。 4ページ目の一番最後にございますが、サチライシンというものに分類される酵素に つきましては、家庭用洗剤という部分についても広く使用されているものでございます。 5ページ目の上段をごらんいただきますと、食品分野における利用につきましては、 ナットウキナーゼというところにも、サチライシンが含まれてございます。また、食品 添加物の範囲で申し上げれば、既存添加物のプロテアーゼというものの範囲にも本酵素 を産生いたしますBacillus licheniformis株の酵素が含まれているものでございます。 3.プリオザイムの安全性についてでございます。安全性につきましては「急性毒性 試験」「亜急性毒性試験」、6ページには「眼刺激性試験」等々が行われているところ でございます。 「亜急性毒性試験」につきましては、血液学的検査または血液生化学的検査、尿検等 で一定の反応が認められております。 6ページでございます。本剤は酵素製剤でございますので、眼に対する刺激性の検査 というものも行われております。日本白色種のウサギを用いた試験におきましては、あ くまで原体を用いた場合に、眼に強い刺激性を有するということが示唆されております が、緩衝液等で使用濃度に調製したものにつきましては、特に変化は認められていない という報告でございます。 また、以下「皮膚刺激性試験」「皮膚感作性試験」が行われておりますが、一定の反 応は認められておりません。 4.プリオザイムの残留性についてでございます。これは先ほどお話申し上げました 残留性に係る部分の報告というものでございます。本試験におきましては、一定の使用 条件を想定しましたメス等を作成いたしまして、こちらに対して、規定されている用法 ・用量で用いた場合の残留性が検討されております。 検討結果につきましては、7ページの一番最後でございますが、処理後の器具を水洗 した場合に、ケラチナーゼはメス等にほとんど残留していないことが報告されていると ころでございます。 5.食品健康影響評価についてでございますが、既に1の製剤に関する部分で御説明 したとおりでございまして、本剤につきましては、主剤と酵素剤で構成されています。 内容成分につきましては、食品添加物等で使用されているもの、また食品として、そも そも使用されているもの、このようなものから構成されてございまして、適正に使用さ れる限りにおきましては、これらの物質を摂取する可能性がほとんどないと考えられて いるところでございます。 中段以降は3.プリオザイムの安全性についてで既に御説明しておりますが、本剤の ケラチナーゼというものにつきましては、従前から用いられておりますサチライシンと 大きな差はないというものでございます。 また、一部の毒性試験、これは亜急性毒性試験でございますけれども、このようなも ので認められた影響につきましても、関連する臓器の剖検等では特段の影響は認められ ていないというものでございます。 結論といたしましては、用法・用量を遵守する限りにおきまして、ケラチナーゼが残 留しまして、食品を汚染することはほとんどないと考えられておりまして、以上のこと を総合的に勘案した場合には、製剤に含有される成分が食品を通じて、ヒトの健康に影 響を与えるおそれはないと考えられているところでございます。 9ページ以降が本部会の報告書、資料3−2でございます。 こちらには今まで御説明申し上げましたとおり1.概要の中には(1)品目名、商品 名、(2)用途、(3)有効成分、(4)適用方法及び用量、(5)諸外国における使 用状況というものがございます。 なお1の(5)諸外国における使用状況では、EUにおきまして、本製品と類似の製 品がCEマークというものを取得してございます。 2.残留試験結果は、先ほどの擬似的な試験を実施し、その結果を得たという部分で ございまして、通常用いられた場合、これにおきましては、ケラチナーゼはほとんど残 留しないことが、10ページの2行目以降から説明されているところでございます。 3.許容一日摂取量(ADI)評価につきましては、先ほど御説明したとおりでござ いますので、割愛をさせていただきます。 11ページの4.残留基準の設定でございますが、こちらにおきまして、食品安全委員 会における評価結果を踏まえまして、本部会といたしましては、残留基準を設定しない こととするというところを案としているものでございます。 説明については、以上でございます。 ○井上(達)部会長 御説明ありがとうございます。 御説明にありましたように、ケラチナーゼを有効成分とする洗浄剤(プリオザイム) の食品健康影響評価、残留性についての御審議をいただきます。 では、御意見、コメント等がありましたら、お願いいたします。小沢先生どうぞ。 ○小沢委員 1つは、今と場などでそういった器具を洗浄するのにお水だけなのでしょ うかという素朴な疑問があって、もしそれに変わる、こういうふうにきちんと除去でき るものがあれば、それはそれで大きな前進ではないかと思います。 ただ、残留基準を設定しないことはそれでよろしいんだと思うんですが、いずれにし ても、その根拠は用法・用量できちんと使われる限りということが、どこかに明記され る必要はあるのだと思います。 ○井上(達)部会長 2点ですね。お願いします。 ○事務局 御質問のありました1点目でございます。と場におきましては、現在も当然 ながら解剖等にメスやいろいろなものを使用しております。これにつきましては、当然 ながら、熱湯を用いましてしっかりと加熱をするとか、あとは十分に洗剤等を用いて洗 浄して、きれいなものを使うということでございます。また、使用に際しましては、使 用する器具を熱湯に漬けておきまして、十分な殺菌を求めた上でそれが使用されている ところでございます。 2番目の点は、御指摘にございましたとおり、本剤は酵素剤でございまして、確かに 使用を基準どおりに使えば残らないだろうということでございますので、それを条件と した評価でございますということを踏まえれば、当部会としても、やはりその点につい て十分な配慮を図って、使用基準を十分遵守していただくということにつきましては、 農林水産省とも十分な連携をとってまいりたいと思います。 ○井上(達)部会長 では、その辺の注意喚起をよろしくお願いいたします。 ヒトの解剖などでは、プリオンの除去は次亜塩素酸などを使うんですけれども、勿論 食品などでは使えないでしょうから、こういうものは大変大事なんだろうと思います。 ほかには御意見ないですか。いかがでしょうか。 御説明にもありましたように、プリオンそのものはないという前提での使用ですので、 プリオンそのものについては、また別問題ということです。よろしゅうございますか。 米谷先生どうぞ。 ○米谷委員 非常に細かなことで申し訳ございませんけれども、前回欠席いたしまして、 そのときに食品添加物等で使われている場合には、食品添加物の名前をお書きください というコメントを出させていただきまして、そのようにしていただいたと思いますけれ ども、今回ここに2つの着色料、黄色4号と青色1号がございます。食品添加物の正式 名称ですと、食用黄色4号とか食用何号とかというのが付くんですけれども、今回そう いうのを付けてしまいますと、食品添加物グレードのものしかここに使えないことにな りますので、もし食品添加物グレードをお使いだったら、ここは食用と付けていただい て結構なんですが、食品添加物グレードよりもグレードの低いものをお使いだと、この ままの一般名で仕方がないのかなと思っておりますけれども、実際にどういうものが使 われているかということに尽きるかと思います。 ○井上(達)部会長 考え方の問題ですね。ここでの考え方を御説明ください。 ○事務局 わかりました。 ○米谷委員 実際のものをお聞きになって、食品添加物グレードのものを使っていない のではないかと思うので、そのときはこのままで結構です。 ○井上(達)部会長 それはそれでよかろう。ただ、確認ということだそうですけれど も、いかがですか。よろしくお願いいたします。 ○農林水産省 承認申請に当たりまして、成分及び分量というのが定められております。 その中で着色剤、厚生省令で定められた医薬品等に使用することができるタール色素と いうことで、別表としてそこの中に記載されているものですので、内服の医薬品にも使 用されるものです。 ○井上(達)部会長 今の論理だと食添物質になるわけですね。そうすると、クオリテ ィーのきちっとしたものを使わなくてはならないということになりますが、お調べにな って、またお知らせください。 ほかにはございませんか。 それでは、ケラチナーゼを有効成分とする洗浄剤(プリオザイム)についての御審議 は、御了解いただいたものとして、終了いたしたいと思います。御審議ありがとうござ います。 これで一通り終了したわけですけれども、これ以後の扱いについての御説明をお願い いたします。 ○事務局 本日、御説明させていただいております農薬の2品目、また動物用医薬品の 1品目でございますが、こちらにつきましては、本部会報告をもって、今後、食品衛生 分科会等にお諮りをするとともに、WTO通報等所定の手続を進めることとしておりま す。 ○井上(達)部会長 ありがとうございます。 その他が議題の(2)にございますけれども、これについて、御説明お願いいたしま す。 ○事務局 その他につきまして、1点報告事項等がございますので、報告資料に沿 った形で御説明申し上げます。 ポジティブリスト制度を導入した際の加工食品の取扱いについて、明確に出ていない 部分がございましたので、それを明確にする形で告示の改正を予定しておりますという ことでございます。 資料の1 概要から御説明申し上げますと、現在、食品中に残留する農薬、飼料添加 物、動物用医薬品に関するポジティブリスト制度導入に伴いまして、告示を改正しまし た。その中で成分規格が定められている食品を原材料として製造して、また加工される 食品について、当該食品の原材料が成分規格に適合するものでなければならないという 規定をしてございます。 これはどういうことかということなんですが、その次のパラグラフでございますが、 通知で、加工食品の原材料が成分規格に適合していれば、当該加工食品についても、食 品の残留農薬等の残留値によらず、成分規格に適合するのと解されるとしてございます。 今回ポジティブリスト制度を導入した際、すべての食品が制度の網にかかるというこ とで、農作物とか畜産物の一次産品に限らず、加工食品も規制の対象となる。加工食品 の一部については、そのものについて、残留基準を設定しているんですが、多くのもの は、基準がないので原則法律上は一律基準で規定されることになっています。ただし、 加工食品のそもそもの原料が、基準に合っているものを使っているのであれば、たとえ その加工食品が一律基準を超えたことがあったとしても、規格基準に合っていると扱う ということにしてございます。 「しかしながら」の部分でございますが、成分規格があるものを原料として使ったも のの扱いについては、このように告示等で明記しているのですが、成分規格が定まって いない食品を原材料として使った場合、要は原材料も一律基準の適用になるものについ ては、告示等で明記していないことがございました。このため、今回その部分も告示に 追加して、明確にするということでございます。 2ページ目の図で説明させていただいた方がわかりやすいと思います。フロー図でご ざいますが、加工食品で残留基準が設定されているものについては、そのもので規制さ れるということがございます。加工食品に残留基準が設定されていない農薬等が検出さ れた場合、原則一律基準が適用されます。 左の方にいっていただいて、原料に基準がある場合で、その下にいきまして、適切な 原料を使用して製造したかというところで、適切な原料を使用している場合は、下の方 に下りまして、その加工食品については、規格基準に適合するという判断をしていると ころでございます。 ただ、原料の基準があって、その原料の基準を超えていた場合、そういったものを用 いた場合については、そもそも加工食品については、基準に不適合ですと規定してござ います。 今回、告示を明確にするというところで予定しているのは、点線で囲ってある部分で ございます。加工食品で、原料に農薬等の個別の基準がない場合、要は原料についても 一律基準が適用される場合も、やはり原料に基準がある場合と同じような形の考え方で、 原料が一律基準を超えていないか。超えていなかった場合については、基準に適合する と扱ってきました。しかし、従来の告示の中では、点線の部分は明確に記載されていな かったので、今回この部分を追加して、過不足ないように運用すると考えてございます。 今回ここで御了解いただければ、パブコメ等の手続を開始して、できれば来年2月末 に他の告示と併せて追加改正をしたいと考えてございます。 以上でございます。 ○井上(達)部会長 御説明ありがとうございます。 今のロジックは、よろしゅうございますか。考えるとそういうことになるわけですけ れども、よろしゅうございますね。 それでは、御了解いただいたものと考えます。これは御報告ですね。 ○事務局 はい。 ○井上(達)部会長 了解いたしました。ありがとうございます。 そのほかに何かございますか。 ○基準審査課長 それでは、閉会に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。 先生方には個々に電話等で連絡させていただいておりますけれども、来年1月に薬事 ・食品衛生審議会の委員の改選が予定されております。当部会におきましては、井上部 会長、小沢委員、本日御欠席の中澤委員、下田委員が通算の委員期間に係る審議会の規 則の関係で、大変残念なんでありますが、このたび御退任されることになりました。各 先生方におかれましては、長い間大変お忙しいところ御指導賜りまして、誠にありがと うございました。 また、残留農薬等の規制につきましては、今年5月から従来のネガティブリスト制度 からポジティブリスト制度に大きく変わりまして、御審議いただく品目も部会を毎月開 かないと追いつかないほど非常に多く、先生方には精力的に御評価いただいたことを、 心より感謝申し上げる次第でございます。 当面ポジティブリスト制度の円滑な施行のために、これからも規格基準の策定または 分析法の開発、リスクコミュニケーションといったさまざまなことが重要なことだと思 っておりますので、今回、御退任される先生方におかれましても、審議会以外の場で、 引き続き、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げるところでございます。 来年以降も委員をお願いしております先生方におかれましても、引き続き、御指導賜 りますようお願い申し上げまして、簡単ではありますけれども、お礼の言葉とさせてい ただきます。 大変ありがとうございました。 ○井上(達)部会長 松田課長から来年以降のお話がございましたが、私もただいま御 説明にありましたように、前任の豊田部会長を引き継いで、この部会長を務めさせてい ただいてまいりました。今のお話にもありましたように、この間ポジティブリスト制の 施行が行われまして、通常の動物用医薬品、農薬の残留基準設定にとどまらず、大変た くさんの案件が、まだ影響はそれほどないようですので、来年以降、一層本格的に増え てくるのではないかと思います。 この間、私はもともと毒性の専門家ですので、むしろ、こうしたリスクの評価以外の、 その後の管理とか、そういった方面については、素人でございまして、ここにお集まり の食品の先生方は、どなたも私よりも、そういったことについて御専門の先生方でいら っしゃいますので、ずっとそういった先生方に支えられて、部会の御審議を賜ってきた 次第でございます。 また、事務局は中垣課長以来、今日の松田課長まで、事務局の皆さんに本当にお世話 になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、これをもちまして、終了してよろしいんですか。何かありますか。 ○事務局 事務連絡が1点ございます。 来年1月の部会でございますが、1月は休会とする予定としております。2月以降の 開催日程につきましては、改めて調整をいたしまして、各先生方に御連絡を申し上げた いと思っております。 以上でございます。 ○井上(達)部会長 では、どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)