06/12/08 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 平成18年12月8日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 議事次第 【日時】平成18年12月8日(金) 10:00〜11:48 【場所】航空会館 B101会議室 東京都港区新橋1丁目18番1号 【出席委員】(五十音順)       石田委員、小沢委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、       堀江委員、山川委員、山添委員、吉池委員 【事務局】 中林参事官、松田基準審査課長、加藤補佐、内山専門官 ○事務局 おはようございます。定刻となりましたので、始めさせていただきたいと思 います。 「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきます。 本日は御多忙のところ、御参集いただき、誠にありがとうございます。 本日は、工藤委員、中澤委員、西島委員、米谷委員より、御欠席と連絡を事前に受け ております。現在、添加物部会の委員13名中、9名の御出席をいただいておりますので、 本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。 それでは、開会に先立ちまして、中林参事官からごあいさつ申し上げます。 ○中林参事官 皆さん、おはようございます。食品安全を担当しております、中林でご ざいます。この「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」の開催に当たりま して、一言ごあいさつ申し上げます。 まず、先生方におかれましては、平素よりこの食品衛生の領域におきまして、大変御 尽力をいただいております。そのことにつきまして、この場を借りて、厚く御礼申し上 げます。 現在、私どもでは指定添加物、既存添加物の安全性の見直し、あるいは国際的に汎用 されている添加物の指定といった作業を進めております。先生方におかれましては、大 変お忙しいところ恐縮でございますが、引き続き、高い専門性から御指摘、御指導、御 鞭撻を賜りますよう、この場を借りてお願い申し上げる次第でございます。 さて、本日は議事次第にもございますように、イソブタナール、2−メチルブタノー ル、ネオテームの3品目につきまして、食品添加物としての新規指定の可否につきまし て、食品安全委員会の方から食品健康影響評価の評価結果が出てございますので、これ らも踏まえた上で御審議していただきたいと考えているわけでございます。 どうか、先生方の活発な御議論を賜りますよう、お願い申し上げまして、簡単ではご ざいますけれども、あいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお 願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○事務局 本日、配付いたしました資料の確認でございます。 まず一番上に、厚い一塊の資料がございます。それをめくっていただきますと「資料 一覧」がございますので、そちらを御覧いただきながら確認をさせていただきます。 資料1−1〜3−3まで、イソブタナール、2−メチルブタノール、ネオテームのそ れぞれ資料がひとかたまりになっております。 それとは別刷りで「ネオテームのL−フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起に ついて」というタイトルで、資料3−4がございます。 その次に、右肩に「報告資料1」と書いてありますが「食品添加物公定書改正に伴う、 『食品、添加物等の規格基準』の改正についての食品安全委員会における食品健康影響 評価について」というタイトルで、1冊資料がございます。 続いて、横長のA4の2枚で、左肩に「報告資料2」と書いてございます。「食品安 全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果について」ということで、12月現在の 表をお付けしております。 最後に1枚紙ですが、本日の座席表をお配りしております。 もう一枚「添加物評価書『イソブタナール』の変更点」ということで、A4縦の1枚 紙も配付をしております。 配付資料は以上でございます。不足等ありましたら、お申し出ください。 ○長尾部会長 資料はよろしいですか。 それでは、最初に議題(1)のイソブタナールの新規指定の可否について審議を行い たいと思います。事務局、資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 厚い資料の1ページ、資料1−1をお開きいただけますでしょうか。 まず、背景から御説明いたします。 イソブタナールにつきましては、平成14年7月に食品衛生分科会で了承されました、 国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物としての香料の取扱いに 従いまして、厚生労働省において資料をとりまとめ、食品安全委員会へ食品健康影響評 価の依頼を行ったものです。 食品安全委員会では、平成18年6月〜10月にかけて審議が行われ、その結果を基に 報告書がまとめられております。これに関しては、昨日、食品安全委員会で報告書がと りまとめられて、同日付で厚生労働省の方に通知をされております。 本日の資料につきましては、事務的な手続の関係上、まだ「案」が付いた状態で資料 を作成しておりますけれども、お配りをいたしましたA41枚紙の「添加物評価書『イ ソブタナール』の変更点」で示しております、4点の表現上の変更に過ぎませんので、 そこのところをお含み置きいただいて、検討をお願いしたいと思っております。 資料の3ページをお願いいたします。資料1−2「イソブタナールの食品添加物の指 定に関する部会報告書(案)」でございます。 品目名はイソブタナール。英名として、Isobutanal, 2-Methylpropanal, Isobutyral dehyde。 構造式、分子式及び分子量については、2番にお示しをしています。 用途としましては、香料でございます。 諸外国での使用状況ですが、4番にお示ししてあります。 イソブタナールは、強い刺激臭を有し、欧米では焼き菓子、清涼飲料等に香りを再現 するために添加をされております。 続いて、安全性について御説明いたします。資料の16ページです。厚い資料の方はペ ージが2段になります。健康影響評価書のページが2ページになっておりますけれども、 説明の中では、下の段のページ数の16ページを使わせていただきますので、よろしくお 願いします。 16ページの4番からになります。イソブタナールの食品健康影響評価書の中における 安全性に関して、御報告をいたします。 まず、遺伝毒性に関しましては、Ames試験が陰性と報告されておりまして、マウ スリンパ腫培養細胞を用いましたTK突然変異試験で陽性の報告がございます。 そのほか、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞を用いました染色体異常試験が陽性と 報告されていますが、代謝活性化系を導入することで活性が低下し、疑陽性または陰性 という報告になっております。 そのほか、染色体異常試験で陽性という報告がございますが、毒性が強く出る最高用 量のみでの反応であったとしております。 小核試験の結果は陰性と報告されております。 17ページの中ほどになりますけれども、まとめといたしまして、上記のように、多く の試験がなされておりますけれども、明確な変異原性はマウスリンフォーマTK試験とほ 乳類培養細胞を用いる染色体異常試験でのみ認められているとまとめられております。 更に、その他の試験結果を基に総合的に判断をしたところが、そこのパラグラフの最 後になります。イソブタナールには生体にとって問題となる遺伝毒性はないものと考え られる。特に香料として用いられるような低用量域においては問題ないと考えると報告 書ではまとめられております。 続いて、反復毒性投与です。 ラットを用いた90日間の反復投与毒性試験の結果で、本試験におけるNOAELは6 0mg/kg 体重/ 日と評価をされています。 発がん性に関するデータは見当たらないとされています。 その他、内分泌かく乱性を疑わせる報告も見当たらないと報告書では書かれておりま す。 18ページ「5.摂取量の推定」でございます。 米国及び欧州、ヨーロッパにおける推定摂取量、1人1日当たりの量で66μg 及び1 13 μg という推計がございます。 なお、食品中にもともと存在する成分としての本物質の摂取量は、意図的に添加され た本物質の98倍であるとの報告があると記載されています。 安全マージンの算出についてですが、90日間反復投与毒性試験のNOAEL60mg/kg 体重/ 日と、想定される推定摂取量66〜113 μg/ヒト/ 日を日本人の平均体重で割るこ とで算出された安全マージンですけれども、26,500〜45,500ということで得られており ます。 構造クラスに基づく評価では、本物質は構造クラスIに分類されております。 JECFAにおける評価につきましては、1997年に飽和脂肪族非環式分岐鎖状一級ア ルコール類、アルデヒド類、酸類のグループとして評価をされ、クラスIに分類されて います。 「9.『国際的に汎用されている香料の我が国における安全性評価法』に基づく評価」 では、本物質は生体内において遺伝毒性はないと考えられ、クラスIに分類され、安全 マージンは90日間の反復毒性投与試験の適切な安全マージンとされる1,000 を大幅に 上回っているとされています。 安全委員会の評価結果といたしまして「イソブタナールを食品の着香の目的で使用す る場合、安全性に懸念がないと考えられると評価した」、これが評価結果でございます。 資料の4 ページ「7.新規指定について」でございます。 イソブタナールを食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差 し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定に基づき、次のとおり使用基準と成分規 格を定めることが適当であるとする報告書の案をまとめさせていただいております。 使用基準案につきましては、これまで認めてきました香料と同じく、使用基準として 着香の目的以外に使用してはならないとすることが適当であると考えております。 成分規格案につきましては、成分規格を6ページにお示しをしております。 イソブタナールとして、含量、性状、確認試験、純度試験、定量法をお示ししていま す。 8ページは、それらの設定根拠となったものを別紙2としてお示しをしています。 JECFA等の規格との比較、対比表ですが、資料10ページの別紙3で御説明をいた します。 基本的に、JECFA、FCCの規格を参考にして本規格案を作成しております。採 用しなかったものとしては、溶解性と沸点が挙げられておりまして、その理由につきま しては、9ページに記載をしております。 議題1については、以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、このイソブタナールの新規指定の可否について御審議お願い いたします。 どうぞ。 ○佐藤委員 安全性のところですが、イソブタナールの変更点という1枚紙には「P 2 (L↑4)」の「L5178Yマウスリンパ腫培養細胞を用いたTK突然変異試験」が、変更 後は「マウスリンフォーマTK試験(MLA )」となっていますが、2ページ目の下から4 行目ではなく、3行目のこの部分が変更になるということでしょうか。 ○事務局 そのとおりです。 ○佐藤委員 JECFA、FCCでは、Isobutyraldehydeを品名としております。一方、 EUの方は2-Methylpropanalを品名としています。結局、日本の規格としましても、国 際整合を考えると、IsobutanalよりはIsobutyraldehydeあるいは2-Methylpropanalが 適当ではないかと思います。 Isobutanalは、Isobutanolとの関連でIsobutanalという名称になったと聞いており ますが、IsobutanalとIsobutanolは非常に混同を生じやすいと思います。できればIs obutyraldehydeを品名にした方がよいとのではないかと思いますので、皆様の御意見を お伺いしたいと思います。 ○長尾部会長 いかがでしょうか。棚元先生も同じ御意見でいらっしゃいますか。 ○棚元委員 はい。 ○堀江委員 私も同じ意見です。 ○長尾部会長 このIUPAC名の2-Methylpropanal を品名にしないで、Isobutyraldehyd eにした方がいいというのは、そちらの方が汎用性が高いということですか。 ○佐藤委員 Isobutyraldehydeというのが一般的に市場で流通している名称であると いうことと、IsobutylというのもIUPAC で慣用名としては付けることが認められており ますので、これを正名にしても問題ないと考えています。 2-Methylpropanalも、やはりnal なので、Aldehydeの方がわかりやすい名称ではな いかと考えております。 ○長尾部会長 いかがでしょうか。ほかに何か御意見ありますでしょうか。 山添先生、 何かありますか。 ○山添委員 今回については、私も賛成なんですが、香料で類似のアルキル側鎖のもの が結構出てきますね。それを統一的に変えるなら、それはそれで論理性があると思うん ですが、この化合物だけを変えましょうというのでいいのか、あるいはそこのところを 全体としてAldehydeという形で最後に末尾で終わる形のものに統一的に変えるかして おかないと、また混同してしまうんではないかという気がします。 ○棚元委員 おっしゃるとおりだと思います。  今までの名称の付け方については、基本原則というのが余りはっきりしていなかった と思います。この際、こういった形で原則を通すということになれば、過去にさかのぼ って修正しなければならないといったことになるのですが、その辺はどうしていくかと いう基本的な考え方を確立していただいた方がいいのかなと思います。 ○事務局 部会の検討結果を受けて、ほかの品目につきましても、検討が必要というこ とであれば、整理をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○堀江委員 今の名称の件なんですが、これからやるネオテームも、IUPAC の名称は我 々にとっては非常にわかりづらいんです。 JECFAの名称というのは私たちは非常になじみがありますので、その辺も踏まえ て、ある程度今後の課題だと思うんですけれども、香料に入れていった方がよろしいの かなと考えております。 ○長尾部会長 食品添加物としては、JECFAとなるべく同じ名前を使うというのが、 実際的には一番使いやすいところがあるように思うんですが、その辺で名称については、 少なくとも、今回のIsobutanalはIsobutyraldehydeということでね。事務局から何か ありますか。 ○松田基準審査課長 基本的には今、先生に御意見をいただいたとおりで進めたいと思 っていますが、先ほど山添先生からお話がありましたとおり、ほかとの整合性も確認し て、最終的に変えるようであれば、また部会長や皆さんにも御連絡申し上げます。基本 的には今、御意見いただいたところを尊重させていただいて考えたいと思います。 ○長尾部会長 では、そういうことで、名称のことは事務局で御検討いただいて、御連 絡いただくということで、ほかの点はいかがでしょうか。 ○山添委員 9ページのところで、今回は沸点を採用しなかったということなんですが、 官能検査というのは、判断としては、どちらかというと感覚的なものですね。GC法で 判断をするといった場合は、GC法で純度検定をすれば、例えばいろんな酸化的な変化 とかというものまでもきちんと判断をできるということで沸点を採用しなかったという ことなんでしょうか。 ○長尾部会長 佐藤さん、何か御意見ありますか。 ○佐藤委員 おっしゃるとおりです。 沸点の測定というのが、香料の場合それほど厳密にできません。 ガスクロマトグラフィーなんですけれども、結局、検出するのはガスクロマトグラフ ィーに出てくるものだけなので、その純度はどうかということなんですが、一応、規格 をつくる際に、ガスクロにかからないで含まれている場合には、別の純度試験を設けま す。基本的に、ガスクロで酸化体等いろいろ変化したものも追える場合は、ガスクロで 純度を決めているということになっております。 ○棚元委員 今、山添先生がおっしゃられたように、確かにこの文章の中で「官能検査」 という言葉が入るのは、この場所としては余り的確ではない気はいたします。 ○長尾部会長 では、この「官能検査」というのは、品質管理はGC法により十分担保 されているとした方がよろしいという御意見ですね。 では、そういうふうにさせていただきます。 ほかにはありますでしょうか。使用基準は香料にのみということですし、成分規格の 方はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 もう御意見は出尽くしたようですので、名称の点を御検討いただきまして、その後、 手続の御説明をお願いします。 ○事務局 名称につきましては、Isobutyraldehydeとすることの御意見をいただきまし たので、修正をいたします。 その後、部会報告書をまとめまして、先生方に御確認をいただいた上で、分科会へ報 告する手続をとっていきたいと思っております。 分科会での審議の後ですが、パブリック・コメント等を実施したいと思います。 ○長尾部会長 Isobutyraldehydeにするというのは、ここではまだ決めないで、事務局 でご検討いただくと言うことですね。 ○松田基準審査課長 基本的に御意見いただいたようにIsobutyraldehydeという方向 で行きたいと思っていますけれども、先ほど申し上げたように、他のものと比べてみて、 どうしても今の段階では難しいのであれば、そこはまた御報告させていただいて、最終 的に決めさせていただきたいと思っております。 ○長尾部会長 名称の問題だけですので、事務局でよく検討いただいた上で決めていた だければと思います。 ○事務局 改めて御報告いたします。 ○長尾部会長 それでは、次に2−メチルブタノールについて、事務局から御説明をお 願いします。 ○事務局 21ページの資料2−1になります。議題2といたしまして、2−メチルブタ ノールの添加物としての指定の可否につきまして御審議いただきます。 21ページは諮問書でございます。 23ページで品目名といたしまして、2−メチルブタノール。 構造式、分子式及び分子量は2番にお示ししています。こちらも、イソブタナールと イソブチルアルデヒドと同じように、香料でございます。 背景等は同じでございますので、省略をいたします。 諸外国での使用状況でございます。 2−メチルブタノールは、フルーツ様、ワイン様の香気を有しておりまして、また果 実等の食品に天然に含まれている成分でございます。欧米で焼き菓子や清涼飲料等、さ まざまな食品に香りを再現するために添加をされている成分でございます。 食品安全委員会での評価につきまして、37ページをお願いいたします。 先ほどと同じように、国際汎用の香料でございまして、食品安全委員会へ食品健康影 響評価の意見を求めていたところですが、2−メチルブタノールにつきましては、もう 既に報告書がとりまとめられて、通知されているものでございます。 安全性につきましては、37ページの4番になります。 Ames試験が陰性ということと、染色体異常試験も陰性、小核試験についても陰性 ということで、試験の結果が報告されています。 38ページですが、遺伝毒性については、ないものと考えられるとする結論になってお ります。 2番ですが、反復投与毒性に関して、90日間の反復投与毒性試験の結果、全例で流涎 が認められておりますけれども、毒性としましては、パラグラフの下から2行目で、30 0 mg/kg 体重/ 日投与群での眼底の光反射亢進を毒性影響と評価をいたしまして、本試 験における無毒性量(NOAEL)を100 mg/kg 体重/ 日としております。 発がん性に関しましては、発がん性を示唆するような知見は見当たらないとされてい ます。 内分泌かく乱性につきましても、報告が見当たらないとしています。 摂取量の推定ですが、欧州における一日一人当たりの推定摂取量は、331 μg とされ ています。 6番の安全マージンの算出につきまして、90日間反復投与毒性試験のNOAEL100m g/kg体重/ 日と、想定される推定摂取量331 μg/ヒト/ 日と日本人平均体重50kgで割 ることで算出された体重当たりの推定摂取量とを比較しまして、安全マージン15,100 が得られております。 構造クラスに基づく評価は、本物質につきましても、構造クラスIに分類されており ます。 39ページで、JECFAにおける評価が行われておりまして、同じくクラスIに分類 されております。 以上のことから「10.評価結果」でございます。 「2−メチルブタノールを食品の着香の目的でしようする場合、安全性に懸念がない と考えられると評価した」というのが食品安全委員会としての結論でございます。 24ページの7番で、新規指定についてをまとめております。 2−メチルブタノールを食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定するこ とは差し支えないとする案にしております。 使用基準案につきましては、同様で着香の目的以外に使用しないということ。 成分規格案につきましては、26ページ以降にまとめさせていただいておりますので、 御覧ください。 設定根拠につきましては、別紙2でございますので、28ページでございます。 先ほどと同様に、JECFAとの規格の比較表は30. ページに一覧表でお示しをして おります。30ページの表をごらんいただきたいんですけれども、今回も採用しなかった ものとして、溶解性、アルコールへの溶解性、沸点ということでまとめさせていただい ております。理由につきましては、29ページにお示しをしています。 29ページの沸点のところでございますが、先ほど御指摘がありました官能検査の記載 がありますので、こちらは同様に削除させていただきたいと思いますけれども、御議論 をいただければと思います。 議題2につきましては、以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、2−メチルブタノールの新規指定の可否について、御審議、 御意見をお願いいたします。 この品目名というのが、私はよくわからないところがあるんですが、成分規格案の26 ページには「2-Methylbutan-1-ol」というのが入っていますね。ですけれども、その品 名はここの部会報告書案の方の23ページの品目名には入っていなくて「2-Methyl-1-bu tanol」というのが入っているんです。なぜそういう違う品名がそこに出てくるのかがよ くわからないんです。 ○佐藤委員 命名法に主にIUPAC とCAS がありまして、IUPAC ではOHが1位に付いた 場合は1-olとするという命名法です。 OHの付く位置によって、CAS では、1-butanol あるいは2-butanol となります。一般 的な名称としては、IUPAC のbutan-1-olより、1-butanol の方が汎用されています。そ のために、品目名として3つ挙げられているようなところがあります。 2-Methylbutyl alcohol は余り見なかったんですけれども、私も2-Methylbutanol と いう名称ですと、2-Methyl-2-butanolもこれに入るのではないかという心配もありまし て、別名として2-Methyl-1-butanolというのを入れておく方がいいのではないかなとい う気はしております。 IUPAC の化学名は、いわゆる、その物質を特定するための名前の付け方という感じな ので、流通品にこういう名前が付くというのは余りないんです。説明になっていなくて 済みません。 ○長尾部会長 棚元先生、どうぞ。 ○棚元委員 この名称は、いつも非常に問題になるところなんですが、今、佐藤さんの 方から説明がありましたけれども、アメリカではCAS の採用、ヨーロッパの方ではIUP AC という形での名称が流通しているようです。 一つは、2-Methyl-1-butanolの1を入れるかどうかということですが、これは、例え ば、今、JECFAでどんどん香料を取り入れようとしていますね。これからもし香料 でこういった2-butanol が出てくる可能性があるのでしたら、やはり1もはっきりと識 別するために入れておく必要があると思いますし、もしそういったものがないのであれ ば、あえて1を入れる必要はないと思います。 ○佐藤委員 済みません、2-Methylbutanol に関しまして、2-Methyl-2-butanolは公共 的には使われているんですけれども、2-Methyl-2-butanolは香料としては今後、出てこ ない予定ですね。 ○事務局 今、国が主体として国際汎用の香料として進めますというリストの中には入 っていないというのが正確な言い方になるかと思います。事業者とかほかの世界的にと いう意味では、今、私どもが申し上げることはできないということでございます。 ○長尾部会長 品目名の方は、よく使われる形のものだけが書かれるということですの で、これでよろしいですか。 ほかには何かございますか。 ○事務局 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、そういたしますと、2-Methyl -1-butanolについては、英名の別名のような形で追加をしておいた方がいいということ でしょうか。それとも、品目名を2-Methyl-1-butanolにした方がよろしいかの御議論を していただいた方がいいのでしょうか。 ○山添委員 今回は、物質としての正確性を期すために1を入れたということですね。 ○事務局 英名として1つ足しておく形でよろしいですか。 ○佐藤委員 今後、3-Methyl-2-butanolとか出てくると思いますが、それとの横並びと いうことを考えて、あらかじめ1を入れておいた方がいいのかということを、事務局的 はどうお考えでしょうか。それはまた別の話としてこれはこれでいいとするのか、すべ て番号を付けるものはみんな付けておくという方針にするのか、そこかなと思うんです。 ○事務局 先ほどの件と同様、周りのものも確認をして、名称についてもう一度御相談 させていただきたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、これは再度、御検討いただくということですね。 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 溶解性とか沸点とか、この場合にも採用していないということです。それから、JE CFAでは確認試験はIRとNMRかMSの3種類のうちのどれかを採用している。日 本ではIRを使うことにしているという点が違うわけですね。よろしいでしょうか。 どうぞ。 ○棚元委員 1つ追加ですが、先ほどと同様の沸点のところで、官能検査が入ってきて いますので、先ほどのものと横並びにするのであれば、ここの部分も削除ということで すね。○長尾部会長 そうですね。そこを削っていただきます。 ○事務局 わかりました。 ○長尾部会長 では、品目名の件とここを削っていただいたものを修正していただきま して、委員の先生方に了解をとった上で、次に手続を進めていただきます。 ○事務局 わかりました。先ほどの1番目の議題と同じように、名称等について整理を して、報告書をまとめさせていただいて、先生方に御確認をいただくという手順をとら せていただきます。 ○長尾部会長 そして、その後の手続も御説明お願いします。 ○事務局 その後につきましては、部会報告書がとりまとめられた後、食品衛生分科会 で御審議いただき、パブリック・コメントやWTO通報等の所定の事務的な手続に進ん でいきたいと思っております。 ○長尾部会長 では、そういうことで、次のネオテームについて御説明をお願いします。 ○事務局 議題の3番目でございます。資料3−1、43ページからになります。 同時に、別刷りで配付をしております、資料3−4も続けて御説明をさせていただき ます。 資料3−1は、ネオテームの食品添加物としての指定の可否についての諮問書でござ います。45ページになります。 ネオテームにつきましては、事業者より添加物としての新規指定についての要請がな されましたことから、本件につきましては、食品安全委員会へ平成17年1月に食品健康 影響評価の依頼を行っておりました。食品安全委員会では、17年7月から本年5月にか けて専門調査会で審議が行われております。その評価結果がまとめられまして、本年10 月19日付で厚生労働省に通知されたところでございます。それが、資料3−3として付 けさせていただいております。 45ページでございます。資料3−2ですが「ネオテームの食品添加物の指定に関する 添加物部会報告書(案)」ということで示しております。 品目名はネオテーム。 構造式、分子式、分子量は2番に示しております。 用途としましては、甘味料。 概要でございますが、ネオテームは、既に甘味料として指定されておりますアスパル テームをN−アルキル化することにより得られたジペプチドメチルエステル誘導体の甘 味料でございます。その甘味度は、使用する食品の種類や配合組成等によって異なると されておりますが、砂糖の7,000 〜13,000倍とする報告があります。アスパルテームの 約30〜60倍というデータもございます。 46ページで、申請資料中では、このネオテームについては、諸外国、米国やオースト ラリア等19か国以上で、食品添加物として甘味及びフレーバー増強の目的で使用されて いるとされています。EUにおいては、現在、検討を行っていると報告を受けています。 5番ですが、食品添加物としての有効性ということで、まず甘味度につきまして、ネ オテームの甘味度を砂糖等価甘味度で評価をしたデータを御紹介しています。 官能検査により甘みの強さを評価して、同等の甘みを与える砂糖水溶液濃度で表した グラフが図1になっておりますけれども、その結果が表1にまとめてございます。 その結果としましては、先ほども御紹介いたしましたが、砂糖の約7,000 〜13,000 倍ということで評価が出ております。 47ページですけれども、2番として安定性について記載がございます。 申請資料中で、ネオテームとアスパルテームの安定性について比較したところ、以下 に示すとおりネオテームはアスパルテームと比較して安定であったとの記載があります。 まず熱安定性ですが、1%のミルクにつきまして、ネオテームとアスパルテームをお のおの添加して、142 ℃8秒の処理を行いました。その前後のそれぞれの甘味料の含有 量を測定したところ、ネオテームが処理後の残存率が91%、アスパルテームは69%であ ったとしています。 同様に、熱安定性のデータとして、ヨーグルトの製造工程中で、85℃40秒の殺菌処理 をした後に、甘味料の残存率を測定したところ、ネオテームの残存率は98.7%、アスパ ルテームは89.5%であったとしています。 また、イエローケーキにおける焼成工程中の耐熱性について調べたところ、ネオテー ムの残存率は85.1%、アスパルテームは59.3%であったとしています。 「2)発酵耐性」ということで、ヨーグルトの発酵工程における安定性を比較したと ころ、ネオテームの残存率は87.9%で、アスパルテームは56%であったとしています。 保存についてですが、ヨーグルトを8週間冷蔵保存したときのデータで、ともに安定 性については良好であったとしています。 イエローケーキを25℃、湿度60%で5日間保存したときの残存率は、ネオテームは9 4.6%、アスパルテームは83.9%であったとしています。 3番のその他としまして、味質特性とフレーバー増強効果について示しております。 味質特性ですけれども、ネオテームの味質特性を砂糖、アスパルテーム等、他の甘味 料と比較をしたデータですけれども、図2のグラフで示しております。 結論としまして、ネオテームはアセスルファムカリウムやサッカリンカルシウムと比 べて、苦味、苦味の後味が少ない。アスパルテーム、アセスルファムカリウムやサッカ リンカルシウムよりも、甘みの発現が遅いとする味質特性が示されています。 フレーバー増強効果につきましては、ネオテームの甘みの閾値以下の量(0.1 〜4.1p pm)としていますが、この濃度でフレーバーの強さを比較した試験でトロピカルフルー ツパンチ飲料のフレーバーが増強したと評価がされています。 続きまして、安全性につきましてですが、資料の67ページです。 先ほど、食品安全委員会での検討の経過について御報告をいたしましたけれども、そ の評価書が64ページ以降にまとめられております。 67ページには、その経緯、背景等について記載がされておりますが、68ページでござ います。安全性につきまして、数多くの試験が行われておりますことから、代表的なも のについて結論だけ御報告をいたしたいと思います。 体内動態の非臨床データでございます。ラットの経口投与の試験で、経口投与と静脈 内投与を行っていますけれども、血漿中濃度は静脈内投与では0.1 時間、経口投与では 0.25〜0.75時間に最大となっております。 ページの真ん中ほどですが、また、ネオテームは投与後速やかにNC-00751に変換をさ れて、静脈内投与では0.1 時間、経口投与では0.5 時間に血漿中濃度が最大となってお ります。このNC-00751がネオテームの主な代謝物ということになっております。 続いて69ページ「イ.分布」でございます。 器官内、組織内濃度につきましては、ラットのデータです。単回強制経口投与をした 実験で、ラットの消化管等の臓器を除いた各組織中の放射能濃度は、経口投与1時間後 に最大となって、肝臓、腎臓、膀胱では、血漿中の放射能濃度よりも高濃度であったと しています。そのほかの組織では、結晶中の濃度を下回っています。 消化管を除いて、組織内の放射能濃度は速やかに減少したとあります。 続いて「(イ)胎盤及び胎児への移行性」について行われた試験では、胎盤において、 他の末梢組織や血管内における濃度と同程度の低濃度の放射能が検出されましたけれど も、胎児への放射能の移行は認められていません。 「(ウ)血漿中タンパクとの結合」ですが、イヌ及びヒト血漿中におけるタンパク結 合率が示されており、高いタンパク結合率が報告されています。 続いて、70ページです。「ウ.代謝」につきまして、文章がまとめられております。 本物質の代謝経路は、主として脱エステル化により、メタノールとNC-00751に代謝さ れ、またNC-00751は、その一部がペプチドまたはアミド結合の加水分解によりNC-0075 4へと代謝されるとともに、一部は酸化された後、グルクロン酸、またはカルニチンに より抱合を受けると推定されるとしています。 図1については、87ページにお示しをしています。 71ページで「エ.排泄」につきまして、ラットのデータを御紹介します。 ラットに経口投与をしたデータ、静脈内投与をした試験結果ですが、投与後72時間ま での尿中排泄率は、経口の場合8.5 %、静脈内投与の場合34.6%程度であったとしてい ます。 糞中の排泄率は、経口で84.5%程度、静脈内投与で58.1%と報告されています。 投与量の90%以上が48時間以内に速やかに排泄されて、性による差は認められてお りません。 71ページの一番下ですが、その他としまして、主要代謝物についての試験報告が72 ページに示されております。 主たる代謝物のNC-00751のラットにおける単回投与試験、血漿中のタンパクとの結合、 人工胃液及び人工腸液における安定性のデータが示されています。 72ページの(2)臨床データです。 成人健康男性のデータで、血漿中の放射能や未変化体、NC-00571の濃度推移を検討し たところ、ネオテームは速やかに吸収をされ、半減期0.6 時間で消失したとあります。 代謝物でありますNC-00751については、半減期は1.5 時間であったとしています。 73ページの下の「イ.代謝」に進んでいきます。 ヒトにおけるネオテームの代謝は、脱エステル化が主経路で実験動物と同様の代謝物 が認められたとしています。 代謝のところの4行目ですが、健常成人男性のデータで、尿中の主要代謝物はやはり NC-00751であり、72時間後において投与量の23.81 %に達しております。未変化体は、 投与量の3.32%が検出されたのみでございます。 そのほかの代謝物として、NC-00754、NC-00784も少量検出されていますが、糞中で未 変化体が検出されておらず、主要な代謝物NC-00751であって、96時間後のデータで52. 5%を占めております。 74ページ「ウ.排泄」につきましては、単回経口投与の成人男性のデータで、経口投 与後168 時間までに投与放射能の34.3%が尿中に、63.7%が糞中に排泄されております。 74ページの中段で「(2)毒性」のデータです。 まず、反復毒性試験ですけれども、マウス13週混餌投与試験の結果、4,000mg/kg体 重/ 日以上の投与群における肝比重量の増加に基づいて、本試験のNOAELは1,003m g/kg体重/ 日とされています。 続いて「イ.ラット13週間混餌投与及び4週間回復性試験」の結果が75ページに示 されておりまして、NOAELは293mg/kg体重/ 日と結論づけられています。 イヌにおける13週間混餌投与試験及び4週間回復性試験の結果が、ウの最後の方に書 かれていますが、NOAELは59.7mg/kg 体重/ 日とされています。 暴露雌ラットの児を用いた52週の混餌投与試験では、NOAELが1,006mg/kg体重/ 日と考えられております。 オのイヌ52週間混餌投与試験の結果で評価をしたところ、NOAELは197mg/kg体 重/ 日と考えられています。 次の(2)の繁殖試験ですが、これがADIの設定根拠となった試験になっております。 ラットを使いました二世代繁殖試験ですが、親動物(F0、F1)では、低体重、体重増加 量の減少が認められたものの、投与による影響は認められなかったとされています。 77ページの2行目で、児動物(F1、F2)についてですが、F1の300mg/kg体重/ 日投 与群の雄及び1,000mg/kg体重/ 日投与群の生後1日の低体重が認められていて、更にF 1の300mg/kg体重/ 日以上の投与群とF2の1,000mg/kg体重/ 日の生後21日の低体重 が見られています。一般状態等については、投与による影響は認められなかったとして います。 以上から、この試験における繁殖能力には影響は認められませんでしたけれども、F1 の300mg/kg体重/ 日の生後1日の低体重に基づきまして、本試験におけるNOAELは 96.5mg/kg 体重/ 日と考えられ、これがネオテームのADIとされています。 続いて、催奇形性試験についてですが、ラット、ウサギの催奇形性試験ともに、催奇 形性は認められておりません。 78ページ「(4)発がん性試験」についてです。 マウス104 週間、ラット104 週間が行われておりますが、いずれも発がん性は認めら れないと評価されています。 「(5)抗原性試験」ですが、モルモットを用いた試験で皮膚反応が認められなかったと しています。 そのほか、各種動物試験、ヒトへの投与試験について、アレルギーを示唆する所見は 認められていないとしています。 「(6)遺伝毒性試験」でございますが、Ames試験の陰性、遺伝子突然変異試験、染 色体異常試験、小核試験等は陰性でございますので、結論としては、ネオテームには遺 伝毒性はないという結論になっております。 「(7)一般薬理試験」でございますが、一般症状及び行動に及ぼす影響と各種試験につ いて紹介されていますが、すべて異常は認められておりません。 80ページの中ほどに(9)があります。主代謝物NC-00751を始めとした数種の分解物に ついて安全性試験が行われております。 単回投与毒性試験と28日間の反復投与毒性試験、遺伝毒性意見が行われておりますけ れども、ネオテーム分解物に遺伝毒性はないという結論になっております。 81ページの後半ですが、ヒトにおける知見ということで、単回投与試験、2週間投与 試験、13週間投与試験が行われております。いずれも異常は認められておりません。 82ページ「(11)アスパルテームに関する評価」ということで、イタリアの報告になりま す。ラットを用いたアスパルテームの投与によって、白血病の発生頻度が増加したとの 報告がありましたことから、これらのデータについて入手をして、食品安全委員会で検 討をしていただきました。 その結果としまして、82ページの中段ぐらいに、400ppm以上の投与群の雌において、 リンパ腫と白血病の総発生頻度が有意に増加した。しかし、その総発生頻度の増加には、 用量相関性は認められず、偶発的に雌対象群において発生頻度が低くなったことに基づ く見かけ上の有意差と考えられ、更に発生起源の異なる腫瘍を個別して発生頻度を見た 場合、有意差は認められなかったとしています。 一番下の行ですけれども、検討の結果、本試験結果からはアスパルテームによる腫瘍 の誘発はないという評価をしております。 83ページですが、同様のデータをEFSA(欧州食品安全機関)も検討を行っており ますが、本試験結果は、発がん性の可能性を示唆するものではないという結論になって おります。 「6.国際機関等における評価」は、各国のADIだけ御紹介させていただきます。 (1)オーストラリア、ニュージーランドにおける評価の結果としては、ADIを2. 0mg/kg体重/ 日と設定をしています。 (2)米国(FDA)における評価では、ADIは0.3mg/kg体重/ 日と評価されてい ます。 (3)フランスですが、暫定的なADIとして0.6mg/kg体重/ 日を評価結果としてい ます。84ページの1行目になります。 (4)JECFAにおける評価では、0〜2mg/kg 体重/ 日というADIを設定いた しております。 続いて「7.一日摂取量の推計等」でございます。 ネオテームは、甘味料として使用されることから、食品中の砂糖をすべてネオテーム に置き換えた場合を想定して摂取量を求めております。その結果としましては、ネオテ ームの推定摂取量は3.84mg/ ヒト/ 日。体重50kgの場合、0.0769mg/kg 体重/ 日と算 定をしました。 一方、平成14年度のマーケットバスケット方式による8種類の甘味料の摂取量調査を 基に、アスパルテームをネオテームに置き換えた場合、摂取量につきましては、甘味度 を考慮した結果、ネオテームの推定摂取量は0.146mg/ヒト/ 日となっております。 85ページになります。ネオテームがフレーバー増強剤として使用されることが想定さ れますけれども、これらは使用料が少ないということで、食品安全委員会の報告の中で は、推定摂取量として考える必要はないだろう、包括されると結論づけられています。 続いて「8.フェニルアラニン摂取量に関する考察」です。食品安全委員会の報告書 の中です。 実際には違うんですけれども、ネオテームがフェニルアラニンにすべて変換されると 想定した場合の摂取量を求めております。その結果が、フェニルアラニンの推定摂取量 を基に算出した場合、成人で1.68mg/ ヒト/ 日となっており、フェニルケトン尿症の患 者の摂取目安量の0.7 %以下に相当するという試算が出ております。 49ページの6番でございます。 これらのことから、食品安全委員会における評価結果が報告書の中でとりまとめられ ております。 その結論は「ネオテームのNOAELは、ラットを用いた二世代繁殖試験におけるF1 児動物の低体重を根拠にNOAEL96.5mg/kg 体重/ 日と考えられることから、本物質 のADIは、安全係数を100 として1.0mg/kg体重/ 日と評価した」とまとめられてお ります。 その詳細でございますけれども、報告書の中では、ネオテームの各種動物試 験やヒトへの投与試験データを評価した結果、催奇形性、遺伝毒性及び発がん性はなく、 本物質の摂取による主な影響は、高用量投与群で見られた体重増加抑制と血清アルカリ フォスファターゼ(ALP)の上昇ということで述べられておりますけれども、これら は他の酵素活性が変動しておらず、かつ病理組織学的な検査では異常がないということ で、毒性として評価がされないんですけれども、ヒトへの影響は必ずしも否定できるも のではないという安全サイドに立った考え方で毒性影響と評価したと報告書にはまとめ られております。 51ページです。食品安全委員会の評価結果については以上でございまして、新規指定 につきまして、案を作成しております。ネオテームを添加物として指定することは差し 支えない。ただし、第11条第1項の規定に基づいて成分規格案を定めることが適当であ るとしています。 また、食品安全委員会における評価結果及び摂取量の推計から、ADIよりも摂取量 が低いということから、使用基準は設定しないこととすることを案として挙げておりま す。 成分規格案としましては、54ページ以降にまとめておりますので、御覧いただけ ればと思います。 まず、成分規格は54ページ以降に示しております。 設定根拠は59ページです。 参照スペクトルが58ページです。 JECFA等との比較表につきましては、61ページになります。 61ページの表を御覧いただけるとおわかりになると思いますが、規格案につきまして は、JECFAと外国の規格と整合性をとって規格案をまとめさせていただいておりま すが、溶解性について設定をしていないというのが一つ。 諸外国では設定がないんですが、ヒ素につきましては、国内で他の甘味料に規定を設 けておりますことから、同様の規定を案として付けさせていただいております。 規格案につきましては、昨日になるんですけれども、事前に米谷先生から御意見をい ただいておりまして、御紹介のみさせていただきます。 「ネオテームの規格では、アスパルテームと同様に、他の光学異性体の扱い、メタノ ールの規格、IRの結晶多形について検討をする必要があるでしょう」という御意見を いただいておりますけれども、これにつきましては、資料の準備が間に合っておりませ んので、御紹介のみさせていただきたいと思います。 成分規格案は以上でございますが、引き続き、資料3−4の御説明をさせていただき たいと思います。別刷りでお配りをしております、資料3−4を御覧いただきたいと思 います。 タイトルですが「ネオテームのL−フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起につ いて」という、A4の縦で数枚とじられている資料でございます。 アスパルテームにつきましては、フェニルケトン尿症患者に対する注意喚起としまし て、L−フェニルアラニン化合物である旨、またはこれを含む旨の表示について義務づ けをしているところであります。ネオテームがアスパルテームから合成されるというこ とでありまして、類似化合物ということから、その表示の必要性については、やはり指 定に際して検討する必要があると考えまして、資料をまとめてございます。 申請者が、別添1のとおり整理をしておりますので、後ほど御説明をします。 まず、資料の1枚目は、概要とネオテーム、主たる代謝物のNC-00751、L−フェニル アラニン、アスパルテームの構造式をお示ししています。 「2.海外での『L−フェニルアラニン』に関する表示」ということで、ネオテーム とアスパルテームについて調査をした結果がまとめられておりまして、アスパルテーム については、諸外国、我が国でもですけれども、L−フェニルアラニンに関する表示を しています。 一方、ネオテームですが、米国では必要がないという判断。オーストラリアでも記載 をしておりません。EUについては、現在、指定に向けての検討中でございます。 2ページですけれども、先ほど御紹介しました食品健康影響評価の評価書の中での記 載を再度、ここに掲載をしております。ネオテームからのL−フェニルアラニンの推定 摂取量について書かせていただいています。 「4.ネオテームのL−フェニルアラニンへの分解」ということで、生体内での代謝 分解について、食品中での分解、ネオテームの保存中の分解ということで、3つのケー スについて書かせていただいています。 ここで、申請者の方の資料を御覧いただきたいんですけれども、5ページです。 「別添1」とありますけれども「フェニルアラニン摂取量に関する考察」ということ です。 最初の方を読み上げます。 「ネオテームは化学構造上フェニルアラニンを有するが、通常の保存条件下ではフェ ニルアラニンを遊離しないことから、ネオテーム摂取によってフェニルアラニンの摂取 量が増加するリスクは無視できると考えられる」。 以降、ネオテームがフェニルアラニンにすべて変換されたとする試算をしております。 続いて、7ページの別添2になります。「食品中でのネオテームの分解物について」 ということで、申請者の資料から転記をしております。 グラフにつきましては、pH3の炭酸飲料の中のネオテームの安定性についてのデータ でございます。 模擬飲料における、現実的な保存条件下において生じた分解物ということで、NC-007 51が一番多く現れております。NC-00723と書かれているのがネオテームでございます。 その隣のNC-00751が主たる分解物ということで、グラフが2つ示されております。上の グラフは20℃での保存のデータ。下のグラフは30℃での保存データになっています。 小さくて字が見づらいんですけれども、左側の縦の行が時間で、0〜26週までの保存 結果です。 2行目のところが「NC-00723」と書かれているのが、ネオテームの濃度の変化を示し ています。20℃の0週のところですが、ネオテームの濃度が196ppmで、一番下の26週 のところで125ppmというデータが得られています。 続いて、8ページの別添3をお願いいたします。これは、ネオテームそのものの保存 中の分解についてのデータをお示ししています。長期保存試験、加速試験、苛酷試験と いうことで、3試験の試験結果を9、10ページに表で出させていただいています。 長期保存試験の結果、260 週まで行っているんですけれども、9ページの表をごらん いただいてもおわかりのように、ネオテームの含量については変化がありません。 分解物であるNC-00751についてもほとんど出ていないという結論が得られています。 2ページに戻っていただいて、最後になります。 「5.総括」です。 ネオテームがすべてL−フェニルアラニンに変換されると想定した場合、ネオテーム からのL−フェニルアラニンの摂取量はフェニルケトン尿症患者の摂取目安量の0.7 %以下に相当するとされています。これらは、表示が義務づけられていない米国などの 海外の摂取量の推定と同程度ということになっています。 ヒトでの体内動態に関して、ネオテームの大部分は代謝物NC-00751として尿中、糞中 に排泄されること。食品中のネオテームの安定性に関しては、分解物としてL−フェニ ルアラニンが検出はされておりますけれども、主分解物がNC-00751であるということか ら、ネオテームがすべてL−フェニルアラニンに変換されて摂取される可能性は非常に 小さいと考えられております。 以上、ネオテームの新規指定に関する資料の3−1〜3−3までの御説明、フェニル アラニン化合物である旨の注意喚起についての資料3−4まで、通しで説明をさせてい ただきました。 以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、ネオテームの新規指定の可否について、御審議をお願いいた します。 ○小沢委員 使用基準にも関連してお話ししたいんですけれども、結構消費者のところ では、合成の甘味料に対しては関心は高いと思います。 一方で、お砂糖は太るとか、ショ糖は嫌とかそういうのがあるので、いろんな食品に 最近、随分浸透してきている状況です。 ですから、例えば最近の食品を見ていると、スクラロースなども随分いろんなものに 使われていたりして、知らず知らず使われているなと思います。 ただ、甘さの特性というのは、アスパルテームにしても、アセスルファムカリウムに しても、スクラロースにしても、かなり使い勝手というか、特性の違いというのはある。 最近はお砂糖を煮物などにも入れるのは嫌だとか、アスパルテームとショ糖を組み合わ せたものもありますけれども、最近はスクラロースとショ糖を組み合わせて煮物に使っ たり、おうちで、そういう袋に入って、消費者にとっては、それがなかなかショ糖とス クラロースのくっ付いたものだとは判断しにくい形で、ダイエット向きのような、「あ なたのためのお砂糖よ」のような表現で出てきているものがあるんです。 その使用基準の有無なんですが、アスパルテームには使用基準がなくて、アセスルフ ァムカリウムには使用基準があって、スクラロースには使用基準があってという形なん です。 スクラロースの議論のときのことを思い起こしますと、審議会にはなっていな くて、調査会の常任委員会の場だったと思うんですが、申請者からは使用基準の申請は なかったと思います。 ただし、そのときの議事録を見ますと、安定性が非常に高くて、過熱処理を行う食品。 アスパルテームが加熱に弱いので、逆に言えば、スクラロースは加熱処理を行う食品な どに幅広く利用される可能性があるので、使用基準を設定する方が妥当であるという、 その当時の添加物部会の御判断があったという説明が事務局からなされているんです。 そのときに考えますと、論理としては、世の中のショ糖を全部新しい甘味料に置き換え て、甘さの倍数を考慮した上で、一日恐らくこれぐらい摂取するであろうというので、 体重の/kg に直して、ADIとの比率を多分見ているんだと思うんです。 ただ、そういうことがいろんな判断の経過としてきちんとわからなくて、なぜあの甘 味料には基準があるのにこっちがないのかというのが、なかなかわかりにくい結果にな っているなというのがあって、そういうところがもう少し説明しやすくね。全部同じ論 理でショ糖に置きかえてというふうに国民栄養調査で体重でとやっているので、そこの 説明がいささかわかりにくいんではないのかなと思っています。 ただ、今回のネオテームについては、そういう意味では、ADIとの関係で言えば非 常に摂取量が大きいというか、小さいというかよくわかりませんけれども、安全マージ ンということでは、非常に小さいので気にする必要はないのかなと思っていますが、非 常に使い勝手のよさそうな、つまりアスパルテームの今までの欠陥をクリアーできるよ うな甘味料なので、恐らく広がっていくだろうなと私は考えるんです。 それで、使用基準のところに、基準を設定しないときに、米国ではGMPということ で担保がある。私、この間、ほかのものについてもしつこく申し上げていて、ほかの国 でGMPという担保を書いているときに、日本がいかにも何もしないでそのまま使用基 準を出すというのはおかしいではないかということで、ほかの事例でずっとこの間、3 回ぐらい申し上げてきて、その都度ただし書きということで、文言は忘れましたけれど も、一定のパターンで、そのことを業界に通知するという担保を付けてきたと思うんで す。 ですから、使用基準なしとするにしても、やはり他国でそういうGMPという条件が 付いている以上は、日本でも同様の考えをする必要があると思っています。 以上でございます。 ○長尾部会長 事務局から今、小沢先生が言われたことについて回答お願いします。 ○松田基準審査課長 仮に今、先生がおっしゃったとおり使用基準を設けないというこ とであれば、御指摘いただいたGMPに代わるものとして、適正な業界に対する指導を 同様にやらせていただきたいと思っています。 ○長尾部会長 その点、よろしくお願いいたします。 ほかにはいかがでしょうか。 ○堀江委員 米谷先生のコメントにもあったと思うんですけれども、アスパルテームと 同様、ネオテームは光学活性、要するに光学異性体ですけれども、通常の合成段階では、 光学活性成分というのは問題にならないような、要するピュアなこの成分だけが合成さ れると考えてよろしいんでしょうか。 ただ、アスパルテームも光学異性体の成分は市販品に比べて物すごく高価な値段なん です。ですから、多分このネオテームも光学活性の違うものというのは非常に合成しに くくて、出にくいものだとは考えているんですけれども、光学活性成分がどのようにな っているのかなと思いまして。 ○事務局 ちょっと確認をさせていただいて、回答させていただくということでよろし いでしょうか。済みません。 ○長尾部会長 このネオテームを、例えば今、ベンディングマシーンで非常に高温に長 期間置いてある飲料がありますね。そういうときには、恐らくこれは分解するので使わ れないんだろうと想像しているんですが、ここでテストされているのは、例えば142 ℃ でも何秒間と短時間ですね。高温で長時間というものについては情報がないんですけれ ども、その辺のところは、事務局はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。 分解するから多分使われないだろうから、それに関するどういう分解物ができるとか、 そういう情報がなくてもいいとするのか、私はそれは使わないだろうという想定の下に 情報がないような気がするんですが。 ○松田基準審査課長 結局、甘さが分解しますと、商品価値がなくなってしまいますん で、そういう使い方というのは適切な、先ほど言ったGMPという考え方からすれば、 こういう用途には使われないんだと思います。 ただ、私どもも今、先生に御指摘をいただいたとおり、例えば先ほどネオテームのフ ェニルアラニンの資料3−4の7ページの表を見ていただくとわかりますが、確かに26 週ぐらいで20℃でも、このデータですと60%ぐらいしか残らないんです。30℃になって しまいますと、もう40%弱ぐらいしか残らないというようなデータもありますので、そ こはもうちょっと確認させていただいて、部会の報告書の中も、その点はきちんと入れ た形で、まとめさせていただきたいと思っています。 ○長尾部会長 その点をクリアーにしていただきたいと思います。 ○小沢委員 私、今、そのお話でこんがらがっているんですけれども、熱安定性を見た ときに、これは全部アスパルテームの残存率と比較して高いですね。ですから、これは 熱安定性がいいんですよといっているのかですね。 見比べると、47ページの安定性の熱安定性でネオテームとアスパルテームの安定性で 全部この最後のところが、アスパルテームの残存率はこうだったけれども、ネオテーム は高いですね。 ですから、私はこれはアスパルテームよりも熱に安定性が高いから使い勝手のいい甘 味料ですよと言っているように読めるんです。だから、不安定ですよというふうにデメ リットを言っているんではなくて、メリットを言っている。恐らくそんなことで申請が なされていると理解します。だから甘味料に使えないのか、業界で使わないだろうかと いうよりも、その辺のことがよくわからないんですけれども、メリットとして書いてい るんだろうと読むんですけれども、この辺の安定性の読み方は違うんでしょうか。 ○長尾部会長 ですから、この条件ではネオテームの方が安定なんでしょうけれども、 もっと過激な条件が実際にはあるから、そういうものではどのように分解するかという 情報もなくていいのかなと思ったんです。 ○事務局 そうですね。部会報告書の方で示させていただいているのは、やはり限られ た高温の時間のデータがほとんどでございますが、別刷りでお配りをした資料3−4の 7ページの20℃と30℃の2つの条件で、26週間保存したところ、課長からも申し上げ ましたが、特に30℃のところの26週後74ppm になっている。最初は200ppmだったもの が、30℃で食品中で保管をすると、26週後には74ppm まで濃度が下がっている。26週 というのは約半年ということになりますので、このまま商品が流通できるかどうかは非 常に難しいデータと考えております。 部会報告書にこれらの記載がないこともありますので、それら温度や食品中の安定性 ということにつきましては、もう少しデータの方を精査させていただきたいと考えてお ります。 ○長尾部会長 小沢先生が言われたアスパルテームとの比較の問題で、結局アスパルテ ームのときにはもっと分解しやすいものだから、今、申し上げましたそういう高温のも のとかというのはどういう扱いになっているんでしょうね。そのときはどうしたのかで すね。○松田基準審査課長 それは、二十何年前なんではっきり分かりませんが、ただ、 先ほど申しましたとおり、そういう加熱を長期間やるようなものは、商品として成り立 たないんで、そういうものには現実的に使われないということで整理されているんだと 思います。 ○長尾部会長 そうですね。 では、現在のセンスでどういうことまで明らかにしておくかということを一応、御検 討いただくということでね。 ほかにはいかがでしょうか。 どうぞ。 ○佐藤委員 ネオテームのL−フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起ですが、量 が少ないので、安全性上はフェニルケトン尿症の方が通常摂取しても、量的に問題ない ということなのかと思いますが、でもフェニルアラニン化合物であることには変わりな いので、そういう旨を表示する必要は本当にないんでしょうか。 アスパルテームからつくったものであって、L−フェニルアラニン化合物であるとい うのは、大体皆さんわかると思うんですが、そのときになぜアスパルテームにはその表 示があって、ネオテームにはその表示がないのか、逆に不信感につながるのではないか と思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○松田基準審査課長 これも今、手元に資料がないのではっきりしませんが、アスパル テームの場合は、たしか放射性同位体を利用した動物試験で、吸収されアミノ酸として 使われたというデータがあったと記憶しています。ということは、基本的にはやはりア ミノ酸2つに分解されて、結局フェニルアラニンになるという想定でもって、表示が必 要と考え、義務づけられているのだろうと思います。 今回のものについては、フェニルアラニン、アスパルテームとも比べてみて、甘さが ずっと強いというのと、分解されても代謝でもほとんどフェニルアラニンにはならない だろうというのと、食品中で長期間保存した場合でも、先ほどから何回も見ていただい ている7ページの表でも、長期間置いても1ppm とか、ほんのわずかな量だけが分解し てフェニルアラニンになるという状況のようなので、そこら辺を踏まえて、諸外国など では、どうも表示義務づけでないという状況のようなんですが、これらを踏まえて御検 討いただけるとありがたいなと思っております。 ○長尾部会長 この点につきまして、ほかの御意見をお持ちの先生、いらっしゃいます か。 どうぞ。 ○吉池委員 何のために注意喚起をするかという目的に立てば、フェニルアラニン尿症 の子どもの摂取について考慮した場合でも必要はないということになるのと思います。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○山添委員 食品安全委員会のときも、確かにそれを考慮したとき、向こうの委員会の ときにありました。 ただ、今度の場合には、側鎖の関係で、そこの部分の代謝が進まないということで、 恐らくフェニルアラニンが出る量は代謝的に考えても非常に少ないこと。 ただし、今回のデータもよく見ていただくとわかるんですが、実験動物とヒトでは吸 収率を比較した場合、実際のところはヒトの方が高いんです。ですけれども、これは恐 らく何かの能動的な移送で入るけれども、量が増えるとヒトでも吸収率が下がっている んです。ですから、実際的に甘味料をたくさんとっても、実際体内に入る量はそれほど 入らないだろう。 そういう2点から考えて、恐らく実際の数字的な換算ではたくさん出るけれども、実 際に入って、しかも代謝も少ないので、たくさん入らないし、入ったとしても代謝が低 いので、実際的には安全性が担保できるだろうという議論がありました。 ○長尾部会長 どうでしょうか。佐藤先生、そういうことで特にヒトの記載はしないと いうことでよろしいのではないかと思いますが。 ○事務局 確認をさせていただきたいんですが、食品中の安定性のデータの精査とか、 堀江先生からも御質問を受けた点などもありますし、米谷先生からの規格の提案もござ いますので、また資料、報告書の方の書きぶりも一部、変更が必要かと思われますので、 もう一度いろいろ作業をした結果、報告書を修正して、また御検討いただくということ を考えておりますけれども、よろしいでしょうか。 ○長尾部会長 もう一度審議するということですね。 ということですが、よろしいでしょうか。ほかに何か問題となることがありますでし ょうか。よろしいですか。 この際、ちょっとお伺いしたいんですが、この安全委員会へ依頼するのも厚生省から 依頼するわけですね。こういう報告書に構造式の書き方がみんな統一されていなかった りしますので、何とも気になるんですが、これは仕方がないんですか。 ○松田基準審査課長 申し入れが可能か検討していきたいと思います。 ○山添委員 合ってはいます。 ○長尾部会長 合ってはいるそうですが、私はこの構造式を見ると、何か違うんではな いかと思ってしまいますので、統一していただいた方がありがたいです。 では、このことにつきましては、再度ということで、審議事項は以上でよろしいでし ょうか。 ○事務局 以上でございます。 ○長尾部会長 では、報告事項をお願いいたします。 ○事務局 それでは、報告事項を1番からさせていただきます。 「報告資料1」と書いてあります「食品添加物公定書改正に伴う、『食品、添加物等 の規格基準』の改正についての食品安全委員会における食品健康影響評価について」と いう資料を御覧いただけますでしょうか。 まず、食品安全委員会に対する食品健康影響評価の依頼についてということで、食品 添加物公定書の改正に伴いまして、食品添加物等の規格基準の改正に係る食品健康影響 評価について、食品安全委員会の方に諮問をいたしております。 この第8版の食品添加物公定書の作成につきましては、昨年11月に一度、部会を開催 いたしまして、審議をいただいておるところでありますけれども、その後、各種の見直 し作業を行っておりまして、本年10月に再度、諮問をいたしたものでございます。その 諮問が、2ページの別紙1になります。 10月31日付で食品健康影響評価について諮問をしたものでございます。 もう一つ、5ページ目で「別紙2」となっていますけれども、同じ日付で変更点につ いて、食品健康影響評価を行うことが必要でないと判断されたものについて、紹介をし ているものです。 まとめますと、公定書を作成するに当たって、規格基準を変更するわけですけれども、 食品健康影響評価について意見を求めるものと、そうではなく、評価を行わなくてもよ いということの照会をするという2種類について、食品安全委員会の方に意見を求めた ものが、別紙1と2になっております。 1ページに戻っていただいて、2番です。 その諮問を行った件につきまして、11月2日に食品安全委員会で諮問の説明を行いま して、検討していただいております。 その後、11月16日の食品安全委員会において、更に審議が行われまして、食品健康 影響評価書(案)が別紙3として9ページ目に示されています。 もう一方、食品健康影響評価が必要でないという照会をいたしました件につきまして は、18ページに別紙4でお示ししています。これについては、もう結論が出ておりまし て、健康影響評価を行う必要がないということで、通知が来ております。 食品健康影響評価の評価書(案)につきましては、現在パブリック・コメントを実施 しておるところでございますので、御報告をいたしたいと思います。 また1ページに戻っていただきます。3番でございます。 昨年の部会での検討後の変更事項について、フェロシアン化カリウム等につきまして、 純度試験の削除を行うこととしていましたが、第8版の公定書ではこの改正を見送ると いうことで変更を行っております。 その他、内容に関わらない文言の修正等を行っておりますので、御報告いたします。 最後になりますが、今後の手続につきましては、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科 会における審議、WTO通報、パブリック・コメント等の募集を踏まえた上で、告示改 正に進んでまいりたいと考えております。 以上、報告資料1についての御説明をいたしました。 ○長尾部会長 この件につきまして、御意見、御質問ありますでしょうか。 特にないようですので、次をお願いします。 ○事務局 報告資料2になります。A4横の表で、毎回部会のごとに御説明をしている 資料でございます。「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果について」 の一覧をまとめたものでございます。12月現在の最新のものになっております。 一番最近のところでは、3ページ目の真ん中辺でイソブタナールの結果の通知が昨日 付でなされております。 2ページ目の下3行アルギン酸塩類につきましては、現在、省令告示の改正の作業を しておりますので、指定まであとわずかというところでございます。 報告資料2については、以上でございます。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。御質問ありますか。 特にないようですので、それでは以上でしょうか。 では、次回についてお願いします。 ○事務局 次回でございますけれども、添加物部会は2月の開催を予定いたしておりま す。日程につきましては、改めて先生方に御案内をして、御都合をお聞きした上で決め たいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、本日の審議を以上で終了いたします。どうもありがとうござ いました。 照会先:医薬食品部食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)