資料5-7

高圧ガス保安法に基づく保安検査に係る認定の基準について

高圧ガス保安法第39条の5,第39条の6、
コンビナ−ト等保安規則第43条、別表第7から作成)

 認定基準
 高圧ガス保安法の高圧ガス製造設備について自ら保安検査を行うことのできる認定を受けるため事業場が満たすべき基準は次のとおり。
(1)保安検査のための組織が次の基準に適合するものであること。
 本社の体制について
(ア)保安に係る基本姿勢
 法人の代表者によって、保安の確保に関する理念、基本方針等の諸施策が明確に定められ、かつ、文書化されていること。また、これらの諸施策が各事業所等の全ての就業者に理解され、実施され、かつ、維持されていること。
 法人の代表者が、本社及び事業所をこの基準に適合させる責任を有することが明確に定められ、かつ、文書化されていること。
(イ)保安管理
 役員を長とする保安対策本部等が設置されており、保安管理の基本方針の決定、各事業所ごとの保安管理実績の検討等の実施について明確に定められ、文書化され、かつ、適切に実施されていること。
 保安管理部門が設置されており、生産計画、設備管理計画等に当該部門の意見が十分に反映されることが、明確に定められ、文書化され、かつ、意見が十分反映されていること。ただし、施設の運転を停止することなく保安検査を行う場合にあっては、保安管理を担当する役員が選任されていることを要する。
 保安管理部門の長は、申請その他認定に関する業務を統括し、認定業務の責任者となることが明確に定められ、かつ、文書化されていること。
 本社(*)が、1年に1回以上事業所及び検査管理(認定保安検査の実施状況の不備及び検査結果がこの規則の基準に適合していない場合の改善勧告をいう。以下この表において同じ。)を行う組織に対し、この表に定める基準に適合しているかどうかについて監査を実施することが明確に定められ、文書化され、かつ、適切に実施されていること。
 本社又は事業所における法令違反等に関する報告の受付等の業務を行う組織が、独立して設置されており、かつ、適切に運営されていること。
 事業所の体制について
 保安管理に関する計画の策定、実施、評価及びその改善等を継続的に行つていること。
 認定保安検査の体制について
(ア)運転を停止することなく保安検査を行うための措置
 (施設の運転を停止して行う保安検査のみに限定して認定の申請をしようとする者には適用しない。)
 運転を停止することなく保安検査を行うために適切な設備改善が行われていること。
 上記aの設備改善に関し、その改善箇所、改善内容、改善理由等が明確になつていること。
 運転を停止することなく保安検査を行う施設の的確な管理のための手引書(工程ごとの操業条件等)が明確に定められ、かつ、整備されていること。
(イ)認定保安検査組織
 検査組織が明確に定められ、かつ、文書化されていること。
 検査組織の長は、相当程度の知識及び経験を有する者であること。
 検査組織に所属している者(検査組織の長を除く。)の50%以上が製造保安責任者免状又は必要な非破壊検査技術に関する資格を有していること。
(ウ)認定保安検査業務
 検査組織が行う業務範囲及び責任の所在が、明確に定められ、かつ、文書化されていること。この場合、認定保安検査の実施に協力会社を活用する場合にあっても、検査結果の評価・判定は当該事業所において行うものであること。
 認定保安検査は、各々の検査箇所に適した経験等を有する者が、保安検査規程に基づき、適切に実施されることが明確に定められ、かつ、適切に実施されること。
 認定保安検査の適切な実施のために必要とする適正な精度を有する検査設備等を保有又は調達することが明確に定められ、文書化され、かつ、適切に保有又は調達が行われていること。
 認定保安検査記録に関する規程が定められ、それにより記録が作成され、かつ、保存されていること。また、保存された記録は、その後の認定保安検査等において活用できる体制になつていること。
(エ)認定保安検査の検査管理
 検査組織以外の組織(委員会等を含む。)により、検査管理を行うことができる体制になつていることが明確に定められ、かつ、文書化されていること。
 検査管理を行う組織の長(ただし、検査組織の長が兼務することは認められない。)は、法人の代表者により任命され、相当程度の知識及び経験を有する者であること。
 検査管理を行う組織に所属する者(検査管理を行う組織の長を除く。)は、経験5年以上(本社又は事業所等における、保安管理、設備管理又は運転管理を担当する部門の経験年数を通算する。)で2人以上であることが明確に定められ、かつ、文書化されていること。
 一の事業所に対し検査管理を行う組織に、本社(*)又は他の事業所の適当な数の職員(本社の職員であつて、当該検査管理を行う組織に対し監査を行うものを除く。)が所属していること。
*注 「本社」には、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて認定保安検査実施者の財務及び事業の方針に係る決定を支配し、又はそれらに対して重要な影響を与えることができる法人であって、当該認定保安検査実施者に対して適切な監査及び検査管理を行うことができるものを含めることができる。
 検査管理に関する規程・基準類(チェックリスト等)が明確に定められ、それに基づき、検査管理が適切に実施されていること。
 検査管理の記録に関する規程が定められ、それにより記録が作成され、かつ、保存されていること。また、保存された記録は、その後の認定保安検査等において活用できる体制になっていること。
(2)保安検査規程を作成し、その保安検査の方法が、開放、分解その他の各部の損傷、変形及び異常の発生状況を確認するために十分な方法並びに作動検査その他の機能及び作動の状況を確認するために十分な方法(高圧ガス保安協会保安検査基準)に適合するものであること。
(3)上記(1)の条件に適合する知識経験を有する者が保安検査を実施し、その数が上記(1)で定める数以上であること。

 欠格条項
(1)次の一に該当する者は、保安検査に係る認定を受けることができない。
 高圧ガスの製造を開始した日から2年を経過しない者
 製造高圧ガスによる災害が発生した日から2年を経過しないもの
 高圧ガス保安法又はこれに基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
 保安検査に係る認定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
 法人であつて、その業務を行う役員のうちに上記(4)又は(5)の一に該当する者があるもの
(2)事業所からその製造のための施設の全部又は一部の引渡しを受け、都道府県知事の許可を受けた者については、その事業所が当該施設に係る高圧ガスの製造の開始の届出をした日から2年を経過したときは、上記(1)のアは適用しない。

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