厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(18.12.15)提出資料

「健康日本21」の目標達成に向けた日本栄養士会の活動について

社団法人 日本栄養士会   

1.これまでの日本栄養士会の対応

「健康日本21」策定後、日本栄養士会では、適正体重(肥満者と20歳代女性のやせ)に焦点を当て「太るもやせるも食事が基本」をテーマに、ポスター等の啓発普及資料を作成、配布するとともに栄養相談時も重点をおくなど、全国的にキャンペーン活動を展開した。

2.活動の評価

中間報告では、「1.1 適正体重を維持している人の増加」は、20〜60歳台男性の肥満者を除けば、少しではあるが改善している傾向がみられる。しかし、「1.6 自分の体重を認識し、体重コントロールを実践する人」は減少している一方、「1.10自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解している人」は、増加している傾向がうかがえる。これは、一定の周知は図れたが、行動変容までに至っていないといえる。さらに、栄養・食生活分野の目標値は、悪化している傾向があり、2010年の達成に向けて、さらに国民運動としての啓発普及啓発活動が必要である。


1.1 適正体重を維持している人の増加
対象 ベースライン値 中間実績値
児童・生徒の肥満児 10.7% 10.2%
20歳代女性のやせの者 23.3% 21.4%
20〜60歳台男性の肥満者 24.3% 29.0%
40〜60歳台女性の肥満者 25.2% 24.6%

1.6 自分の体重を認識し、体重コントロールを実践することの増加
対象 ベースライン値 中間実績値
男性(15歳以上) 62.6% 60.2%
女性(15歳以上) 80.1% 70.3%

1.10 自ら適正体重を維持することのできる食事量を理解している人の割合
対象 ベースライン値 中間実績値
成人男性 65.5% 69.1%
成人女性 73.0% 75.0%

食生活に関する分野は、個々人の食習慣との関連が深く、行動変容にいたるまでの結果が得られなかったと考えられる。
「適正体重の維持」については、食生活のみでなく運動に関する取組も連携して充実させる必要があったのではないかと考えられる。
「健康日本21」中間評価報告書案の第4章「今後取り組むべき課題」に示されているとおり、総花的でターゲットが明確でなかったこと。目標達成に向けた効果的な手法等が不十分であり、さらには、活動が一部に留まり、国民運動的な広がりがなかったこと等が課題であると考える。

3.活動上の課題と今後の対応方針

(1)栄養指導上の課題と対応
 ア 行動変容に至っていない  ⇒  会員の資質向上対策の推進
  ・科学的知識、課題抽出分析等の学習
  ・行動変容を促す手法の理解

 イ 効果的手法の開発が不十分  ⇒  効果的手法に基づく活動の実施
  ・食事バランスガイドの活用
  ・運動指針(エクササイズガイド)の活用
  ・メタボ対策の推進

(2)普及啓発上の課題と対応
 ア 国民全体への広がりがない  ⇒  国民への普及活動の展開
  ・“野菜を食べよう”キャンペーン(仮称)事業の展開
  ・関係機関団体との連携
−全国レベル、都道府県レベル、市町村レベルの各段階での事業の展開−

(3)会活動の課題と対応
 ア 職能団体としての役割  ⇒  国民の健康と食の両者に関わる専門職であることの自覚
  ・職域ごとに代表目標項目達成に向けて活動推進
  ・栄養ケア・ステーション活動推進

 イ 公益法人としての役割  ⇒  国民への積極的な情報提供
  ・啓発普及用媒体の発行
  ・ホームページの運用

 ウ 会員活動の質の向上  ⇒  会員活動実績の集約
  ・会員が業務の内外で実施した活動の集約、進行管理
  ・有効事例等の把握と普及


4.行動目標

日本栄養士会は、管理栄養士・栄養士で組織された専門職能団体であり、公益法人である。このため、会員の持つ専門技術・技能を生かして、国民の利益である生活習慣病予防、健康寿命の延伸のために、次の行動目標を掲げて、「健康日本21」の目標達成に向けて全力を挙げることとする。

(1)栄養ケア・ステーションでの活動を充実強化する

各都道府県栄養士会では、栄養ケア・ステーションを設置し、各種専門技術・技能の習得と人材登録、紹介を行うとともに、食育の推進とも連携したポピュレーションアプローチ活動を展開する。

(2)日常業務での栄養指導のあり方の変容を図る

行動変容に結びつく指導の徹底を行うとともに、栄養指導のエビデンスの蓄積し、これらを活用し、評価するとともに継続的な活動を推進する。特に、行政・医療レベルでは、ハイリスクアプローチを展開する。

(3)各種機関、団体との連携による活動を強化する

日本栄養士会並びに各都道府県栄養士会では、厚生労働省並びに同省関連団体はもとより農林水産省・農業関連団体、文部科学省・都道府県教育委員会、さらには、食品関連業界(スーパーマーケット、コンビニエンスストア)等と連携した活動を具体化し、その計画・実施・評価に関わることとする。

(4)管理栄養士・栄養士の資質向上対策(会員外も対象とすることを考慮)をさらに推進する

  1. 卒後教育体系に基づく生涯学習研修会等の開催
  2. 行政における管理栄養士の育成事業の展開
  3. 保健指導担当管理栄養士の育成



社団法人 日本栄養士会
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