06/11/22 第8回生協制度見直し検討会議事録 第8回生協制度見直し検討会議事録 日  時:平成18年11月22日(水)17:30〜18:30 場  所:厚生労働省7階 専用第15会議室 出席委員:清成座長、大塚委員、小川委員、品川委員、土屋委員、山下委員、吉野委員 議  題:(1)報告書(案)の中間とりまとめ      (2)その他  ○清成座長  まだ3人の委員の方がお見えになっておりませんが、そろそろお見えになることだと 思いますので、時間の都合もございますので、ただいまから第8回生協制度見直し検討 会を開催させていただきます。  前回、共済事業に関して委員から御質問がございましたので、本日は全労済経営企画 部長の崎田弘様に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは議事に入りますが、この検討会は夏に始まりまして本日で8回目ということ になったわけでございます。この間、関係者の皆様からヒアリングを行うとともに、各 事業の見直しについて議論を行い、前回の検討会では事務局が作成した報告書のたたき 台について委員の皆様から御意見を頂戴したわけでございます。一方、検討会としての 報告書は年内のとりまとめを目指して議論してきたわけでございます。そこで本日は中 間とりまとめを行いたいと思っております。なお、この中間とりまとめを行った上で、 パブリックコメントとして幅広く国民の皆様から御意見を伺って、検討会としての最終 の報告書をまとめるという段取りになっております。  では、事務局から報告書(案)についての説明をお願いいたします。 ○花咲課長補佐  それでは資料1〜3について御説明させていただきます。本日は最初に資料3、前回 御指摘のあった事項から御説明させていただきます。引き続き、前回の御議論等も踏ま えて一部修正しました資料1について御説明させていただきます。  まず資料3、前回御指摘のあった事項をごらんください。1〜3ページまでが連合会 会員1会員の出資口数の限度に関する資料でございます。前回、小川委員から見直しの 必要性等について御質問いただきましたので、再度資料としてまとめさせていただいて おります。  2ページをごらんください。連合会会員の出資限度規制については過去にも1度見直 しが行われております。法制定当初は会員の総出資口数の4分の1以内が限度とされて おりました。理由としましては、生協における民主的運営の確保、大口出資会員の脱退 による払込済出資額の払戻しにより組合の経営が困難になることが挙げられました。  続きまして現行制度の説明でございます。購買事業、利用事業、生活文化事業、共済 事業のいずれかを行う連合会については、総出資口数の2分の1が出資限度とされてお ります。このような改正が行われた理由は、連合会については参加する組合の規模の相 違により出資可能額も大きく異なることから、事業規模に比して連合会の経営基盤が脆 弱になる恐れが生じるという理由でございました。  これらを踏まえて、今回お示ししております見直し案について考えますに、現在、生 活圏の拡大等に伴い、連合会の果たす役割が増大しております。また、法制定当初から の趣旨であった生協の民主的運営については、そもそも会員による組合の管理運営に参 加する権利と出資口数は無関係とされており、原則として出資口数の多寡にかかわらず 議決権が与えられているとされていることから、管理運営への参加は担保し得ると言う ことができます。さらに、大口出資会員の脱退時の弊害については、出資口数の最高限 度が定款の絶対的記載事項の一つであることから、組合自治によって担保できる部分が 大きいと考えられます。  このため、実質的な事業を行っていて、連合会の経営基盤をさらに安定的なものにす る必要がある場合には出資口数の限度に関する規制を撤廃してはどうかと考えていると ころでございます。  3ページは、他の協同組合における出資口数の限度規制に関してお示ししたものでご ざいますので、適宜御参照いただければと思います。  続きまして4ページ以下でございます。4ページ以下は共済代理店に関する規定を設 けることの必要性についての考え方をまとめた資料でございます。  5ページでございます。これまでに提出させていただいた資料を再構成したものでご ざいまして、共済代理店制度を図示しております。なお、他の協同組合における制度の 状況でございますけれども、農協法では共済代理店の規定が法律上設けられており、自 動車共済や自賠責共済に関する業務を実施できることとされております。その結果、実 態として自動車整備工場のみが代理店となっております。  一方、中小企業等協同組合法においても共済代理店の規定が新設されており、こちら では自動車共済等に加え、それ以外の火災共済等に関する業務も実施できるとする方向 で、現在、関係法令の整備が進められているようでございます。いずれにおいても共済 代理店に対しても共済契約締結時に禁止される行為の規定が適用されるとされておりま す。  続きまして6ページでございます。共済代理店に関する規定を整備することの必要性 について考え方をまとめさせていただきました。共済代理店を設置することのニーズに ついては後ほど生協の方から御説明いただくこととしまして、ここでは私どもが行政庁 として考えております必要性について御説明しております。  まず、共済代理店に関する現行の生協法上の整理でございます。現行の生協法上、共 済代理店に関する明確な規定は存在せず、契約締結の代理または媒介を行う者の制限に 関する規定は設けられておりません。このため、民法上の委任契約等に基づいて共済契 約の締結の代理または媒介を第三者にゆだねることは法令上妨げられておりません。  これを踏まえますと、共済代理店に関する明確な規定を設けないとした場合、そこに ありますような共済推進時の行為規制等が適用されないこととなってしまいます。  そこで、対応案にございますように、契約締結の代理または媒介を行う者に対して、 共済推進時の行為規制等が適用され、また、共済事業の健全な運営を確保するために組 合が講ずべき措置がなされるようにするため、共済代理店に関する明確な規定を設ける ことが必要と考えております。  続きまして、資料1を御説明させていただきます。生協制度の見直しについて(案) でございます。前回の検討会での御議論及び、検討会後本日までに委員の皆様方からい ただいた御意見等を踏まえて修正しております。前回からの修正部分に絞って御説明さ せていただきます。  まず1ページ、I 、生協の現状と課題。1、生協制度の概要等。「(生協制度の概要 )」の4つ目の「○」でございます。生協が社会福祉法人や公益法人等に次ぐ公益性を 有するとしている理由を明記すべきであるとの御意見を踏まえ、3行目、「『不特定多 数の利益』を意味する公益性の観点からは、社会福祉法人や公益法人、NPO法人のよ うに広く一般に対して事業を行ってはいないものの、食の安全を追求する先駆的存在と なることや地域の核となって福祉事業に取り組んできた生協は」という記述を加えてお ります。  続きまして、「(生協のこれまでの歩み)」として数段落を加えております。こちら は、生協がこれまで果たしてきた役割を事業ごとにお示しすべく加えたものでございま す。1つ目の「○」は、戦後、生活物資の供給を中心として発展してきた生協が、その 後環境問題等の時代背景を受け、組合員のニーズを踏まえ、低価格で優良な品質のもの を提供するため、独自商品を開発するなどして購買事業の発展を図ってきたこと、その 具体例として、無漂白の小麦粉の開発に挑戦するなど、商品そのものの変化を促す先駆 的な存在として社会的役割を果たしてきたことを加えております。  次に2つ目の「○」としまして、共同購入事業においては、サービス提供エリアを各 都道府県のほぼ全域とし、現在では過疎地や中心市街地の空洞化等により近隣に食料品 スーパーがない都市部の住民、また、高齢や育児を理由に買い物に外出することが困難 な者の生活に貢献しているとしております。  2ページをごらんください。1つ目の「○」は利用事業に関する記述でございます。 生協の利用事業の3分の2は医療・福祉事業で占められており、福祉の面では、福祉事 業と、組合員が相互の助け合い活動として行う福祉活動の両方により、組合員の福祉を 支えております。福祉事業においては、介護保険制度の制度化に伴い、事業者として位 置づけられる側面も持つようになっております。また、組合員による福祉活動としては、 子育て支援活動などの狭義の福祉にとどまらず、多重債務者支援等、広がりを持った取 り組みも行われるようになっている旨を加筆しております。  2つ目の「○」は共済事業に関する記述でございまして、法制定当初は慶弔見舞金程 度のものだったが、その後、組合員のニーズに応え、火災共済等や生命共済などが実施 されるようになり、近年では年金共済事業なども実施されるなど、共済事業の種類の多 様化が進んでいる旨を加えております。  3ページをごらんください。(2)購買事業の3つ目の「○」に、店舗事業について の記述のみにならないように、共同購入事業高の推移に関する記述を加えております。 また、4つ目の「○」で、組合員規模が小さい場合でも健全な事業運営を行っている組 合は多いとの記述を加えております。  大きく飛びまして、7ページをごらんください。(4)行政庁の関与でございます。 行政庁がどの程度関与するのかがわかりにくいという御意見がございましたので、より 明確な書きぶりに変更させていただきました。3行目以下、「基本的には、生協内部の ガバナンス機能を強化することが必要ではあるが、法令違反等に対する行政庁の措置命 令に組合が従わない場合には、行政庁が監督権限を行使できるとすることが必要である。 しかしながら、現行生協法では、員外利用規制など一定の事由に反した場合のみ、権限 行使が可能とされており、措置命令の実効性を担保できない状態にあることから、この 解消が求められている」としております。  続きまして10ページをごらんください。1つ目の「○」、員外利用が認められる場合 の例のうち、許可を要件としないものの1つ目に、責任共済、いわゆる自賠責共済が挙 げられております。この部分について括弧書きを加えまして、現行制度において、省令 で許可なく員外利用が認められている事由について引き続き員外利用を認める予定であ ることを明確にしております。  11ページをごらんください。IV、利用事業。2、措置の具体的内容。(1)医療・福 祉事業に係る剰余金の割戻し等の制限でございます。前回、生協や農協などの他の協同 組合がいずれも非営利法人とされていることとの関係で御意見をいただきましたので、 修正をさせていただきました。生協の利用事業として行われている医療・福祉事業は、 主に保険料や税といった公的材源により賄われており、これらの公的材源が有効に活用 され、良質で効率的な医療・福祉サービスが安定的・継続的に提供されることが望まし いと考えられます。  12ページの1つ目の「○」でございますが、生協は農協等と異なり、組合員の途中脱 退に際し、払込済出資額のみを請求できることに法令上なっております。すなわち、生 協においては剰余金が利用分量等に応じて割り戻されるもの以外は生協内部において蓄 積され、組合員の脱退に際しても払戻しされず、次の事業展開に活用される仕組みにな っております。  2つ目の「○」は、生協の行う医療・福祉事業については、このような生協の仕組み をさらに推し進め、保険給付等により生じた剰余金が医療・福祉サービスの再生産のた めに用いられるよう、以下のとおり見直しを行うとしております。  具体的な改正内容の書きぶりについても修正を加えておりまして、1つ目、対象とな る事業を医療・福祉ごとに損益を区分して経理(分離勘定)する。2つ目、対象となる 事業から生じた剰余金の割戻しを禁止し、対象となる事業以外の事業への資金移動を行 わないこととするとしております。さらに、3つ目として、「その際、事業別損益及び 剰余金の繰越し等については総会にかからしめることとする」という記述を加えており ます。  続きまして14ページをごらんください。共済事業に関する見直しのうち、(4)健全 性(内部の体力充実)に関する部分でございます。(1)共済事業との兼業規制の3つ目の 「○」を、前回の山下委員の御発言を踏まえて加えております。すなわち、共済事業と 他の事業を兼業する生協については、出資金のような各事業に共通の資産があることな どから、ソルベンシーマージン比率の算出など、共済事業に固有の規制を適用するに当 たっては、共済事業の健全性を担保できるような規制とするとともに、具体的な運用に 当たっても、その他の規制とあわせて共済事業の健全性を的確に担保できるようにして いく必要があるとしております。  以上が主な修正箇所でございます。御議論のほど、よろしくお願いいたします。 ○清成座長  どうもありがとうございました。それでは、初めに資料3ですが、前回御指摘のあっ た事項について御意見がございましたら、発言をお願いしたいと思います。 ○小川委員  まとめ、ありがとうございました。出資限度規制の見直しについての時代的な経過も 書いていただきまして、他の方法もなかったんだなということも改めてわかりましたが、 本文の8ページのところの4行は変わっていないというふうに認識した上で、これは事 務方の方でも共済事業あるいは福祉事業の経営の安定性というのを担保しなければなら ないということで書かれていたり、いろんなことがあると思うんですが、改めて生協陣 営に戻された課題というふうに受けとめています。  私がここでこのことに非常にこだわったのは、一人一票制ということが考え方として ここから崩れないだろうかというのを懸念し、事業連合化していくことでそのような状 況がないわけではない。これは組織としたらどこでもあり得ることだと思っていますが、 改めて生協の運営の民主性を生協陣営の中で、自主管理基準のようなものをどのように するかの議論をいずれどこかでしなければならないのではないかということを確認した いと思います。といいますのは、日本の生協は片一方で大規模化していくだろうと。し かし、福祉でいうと中小の規模というのもまた運営には最適な場面もある。どちらにし ろ経営の安定性というのは免れないわけですから、それに対する日本生活協同組合連合 会のリーダーシップに改めて期待し、自主管理の民主的な運営基準を図りたいなという ふうに受けとめて、今日の文章は受けとめさせていただきます。ありがとうございまし た。 ○清成座長  どうもありがとうございました。裁量よりも自主的なルールをつくる、それによる運 営ということなんだろうと思います。  崎田参考人、今日ペーパーをお出しいただいてるんですが、何か御発言ございますで しょうか。 ○崎田参考人  崎田でございます。共済代理の関係で前回少し御議論があって、具体的にどういうこ とが考えられるのか示していただきたいという御要請がございましたので、あくまでも 全労済という立場で、さらに、まだこれが確定しているわけではございませんので、現 段階で想定をするとこういうことなのかなということで、今日ペーパーを出させていた だきましたので、少しく補足をさせていただきたいと思います。  まだ基本的な考え方の部分ですから詳細は決まっておりません。代理店を置く主な目 的というのは、組合員さんの利便性を担保、向上させていきたいというのが基本的考え 方でございます。組合員サービスにそれがつながっていけば一番いいのではないかなと 思っているところでございます。したがって、現在考え得るとすれば、例えば労働金庫 などの協同組織金融機関、ここでは理念が一緒の部分がございますから、そういうよう なところですとか、私どもが持っております自動車修理工場の指定整備工場などかなと いうふうに想定しているところでございます。  具体的にはどういうことでこういう想定をしているのかという理由を(1)から触れ させていただきました。一つには、保障というものを考える場合に、生涯設計保障とい うのが非常に大事になってまいります。ライフサイクルを考えていただきますと、独身 時代、結婚したとき、子供が生まれたとき、家を建てたとき、子供さんが大きくなられ て独立されたときなど、保障の問題というのはライフイベントに応じてどういうふうに 組み立てていくかというのが変わってくると思っております。  その際に、組合員さんがそういう場合に相談なり、いろいろなものをお話しする機会 がなるべく多い方が、特に今の生活環境は多様化しておりますから、そこに機敏に対応 できる場をふやしたいということで、組合員さんの利便性を高めたいと考えております。 例えば、私どものお話を聞きたいということで来られた場合に、窓口の方に行っていた だくとか、職員が行くまでちょっと待っていただくとか、今はそういうような形態でご ざいますから御不便をかけておりますので、そういう意味で利便性を図れればと思って おります。  具体的にはそこに書きましたけれども、ライフイベントに合わせて、金融機関さんと の関係では預金ですとか、融資の問題というのは当然出てまいります。その際、労金な どの協同金融機関で相談しながら、一方で保障が考えられるというようになりますと、 組合員さんからは便利だろうということが求められておりますので、そういう意味で、 組合員さんの利便性を高めたいと考えております。協同組織金融機関ということになり ますと、あとありますのは信用金庫さんとか、そういうところなのかなというふうに思 っております。  労働金庫さんとの関係を一例として記載しておりまして、労働者の経済的地位の向上 に資することを目的とする非営利の協同組織でございますから、生協と目的、理念が一 致するということから、ある意味では協同組織間協同というようなことにもつながるの かなと考えているところでございます。これが1点目でございます。  2点目は指定整備工場の問題でございます。現在、全労済にも自動車の整備工場が全 国にございます。現在、自動車共済に加入いただいている方、または自賠責共済の契約 をいただいている方のサービスということで、愛車の整備ですとか、バックアップをさ せていただいているところでございますけれども、例えば車検、ディーラーに持ち込む 場合もございますが、こういう整備工場に持ってこられる場合も結構ございます。その 際はまず自賠責、これは国の強制保険でございますけれども、自賠責の手続を同時にす るわけですけれども、現状では指定整備工場では自賠責手続ができませんので、私ども の職員が行くまでちょっと待っていただくというようなことをしなければいけないと か、御不便をかけているというようなこともございます。自動車の場合は他の生命共済 などと違って特徴がありまして、被害者救済ということがございます。自賠責は生命の 保障で3000万円まででございますが、それにプラスして必要になりますのは物の問題。 ぶつけると物が壊れますから、その保障の問題ですとか、人の命はお金にかえられない という部分では3000万円で賄えない部分もございますから、どうしても任意のものと自 動車共済とセットしてということが発生します。その際も、現状では任意の自動車共済 でも指定整備工場では手続がとれませんので、非常に御不便をかけているというような ことでございますので、これが指定整備工場で代理ができるようになりますと、手続が 整備と一緒にやれるという部分で非常に便利になってきます。そのことが被害者救済の 一翼を担えるということであれば意義は大きいのかなというふうに考えているところで ございます。  3点目は、縷々申し上げましたけれども、今後総合的なサービスとして組合員さんの 代理という問題が活用できればと考えておりますけれども、本来役職員でやるべきでは ございますけれども、役職員だけでは限られておりますので、なかなか対応できない部 分がございます。そういうものをこういうところで、ほぼ理念が一致するようなところ でできれば非常に便利なことになるのではないかなと考えております。そういう効率性 の問題を含めつつ、これからこの問題が実現できるということになりますと、細かい部 分を含めて検討に入りたいなと考えております。  ポイントのみでございますが、もし想定するとすればこういうことだということで御 紹介にかえさせていただきたいと思います。以上でございます。 ○清成座長  どうもありがとうございました。資料3の共済代理店について御意見がございました ら、どうぞ。 ○山下委員  今日は遅れて参りまして失礼しました。今の御説明で、労働金庫等の協同組織金融機 関が代理店になると、共済を販売するということですが、これは金融機関による保険販 売ということに該当するわけで、銀行が代理店になって保険を売るというのも今は非常 に進んでいますけれども、これは融資との抱き合わせ取引とかそういうものを防止した り、その他、消費者保護のためにいろんなルールを設けて販売しているわけで、これは 当然のことかと思いますけれども、協同組織間の代理店関係とはいえ、その点では本質 は同じかと思いますので、事柄の性質に応じて合理的なルールを設けていただくという ことが当然の前提かなと思っております。 ○清成座長  ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。 ○大塚委員  先回の本質にかかわることなんですが、今回の全労済側の共済代理店の必要性を強調 してしまうと、逆に、代理店委託契約によって現在の損保が展開しているような代理店 というものはやらないというように聞こえるんですが、法文ないしは政省令の段階でそ ういうことの規制はできるのかどうかというのが一つ大きな疑問に感じるんですね。先 回に私が感じた一番の疑問で、座長もおっしゃってくださったのは、アウトソーシング を営利事業の拡大のようにできるかという一点だったと思うんですが、今回全労済側の 共済代理店の必要性というのは、それに答えてそうではないという結論のように思うん ですけれども、将来において生協法の全体を維持する考え方の中でどうかと。それがも し生協法で維持されるべき考え方であれば、それをどういうふうにどこに入れるかとい うような案はありますかね。 ○中村社会・援護局長  今のお話は、そういうことが担保できるような条文上の規定ができるかというお話で ございます。私どもも研究させていただきたいと思います。条文を書く場合には政府の 中でも相談しなければならない、あるいは審査を受けなければならないところがありま すので、今私がここで「できます」と申し上げて、それが100%保証できるものではな いんですが、我々が事務的に考えているときには、そういうことも可能なのではないか という前提で考えさせていただいておりますが、後で嘘を言ったことになると困ります ので、条文審査の問題などもございますので、作業方針として我々がそういう条件を、 例えば委員の方から御指摘があるとか、あるいはパブリックコメントでそういうことが 挙がってくるということであれば、当然我々はそれを踏まえて条文作業はすると。ただ、 そのときに、どう考えても審査の関係で条文的にはできないということが万が一ある可 能性は否定できないということでございますが、作業方針あるいはスタンスとしてはそ ういうことは十分あり得るということでございます。 ○清成座長  ほかにこの点で何か御発言ございますでしょうか。特にございませんでしたら、時間 の関係もございますので、資料1の報告書(案)について御意見を頂戴したいと思いま す。いかがでしょうか。 ○吉野委員  せっかく全労済の方がいらしているので、共済事業に関して、とりわけ全労済に関し てと申し上げてもよろしいと思うんですが、一般的に共済に関して、十分な説明責任と 情報開示を厳しく求めたいと思います。御承知と思いますけれども、一部マスコミに、 全労済に関しては相当な問題があるということが指摘されております。こういうことが ありますと、これは生協全体の本質的な問題であるという国民の不信感を招きかねない と思うんですね。それに対して、どうしてあのような掛金の割引をしているのかという 点などについての説明、それが一般的なやり方として全労済のあり方にかかわってくる のかそうでないのかを説明する必要があると思います。かなり具体的な細かい話のよう でもありますけれども、ここでもし不信感を持たれるようなことがあれば、この法改正 そのものに対する国民の信頼感にもかかわってくると思いますので、そこは相当厳しく お考えいただきたいと思います。 ○清成座長  崎田さん、何か御発言ございますでしょうか。特にああいう記事の事実認識ですね、 正確であるかどうかとかいろいろあろうかと思いますけれども。 ○崎田参考人  今日は代理店についてという話で呼ばれたんですけれども、準備もしていなかったの でこの場でお答えすべき内容なのかどうかわかりませんが、冒頭言われました十分な説 明責任と情報開示をきちっとやりなさいと、これは当然のことだと認識しております。 もし足りない部分があるのであれば今後さらに努めていきたいと真摯に受けとめておき たいと思っております。これが1点目でございます。  各論の問題は別にしまして、私どもとしても少し御説明が足りなかったのかなという ふうに思う部分もたくさんございます。中身について御説明したつもりでございまして、 こういう規定になってますとか、こういうことをしておりますとか、御説明をしたつも りでございます。事業規約や法令に基づいて規定がございますので、それに基づいてや っていることでございますから、御説明させていただいたつもりでございますが、いか んせん説明が足りなかったのかなということも含めて、その部分はきちっと受けとめな がら対処させていただきたいなと思っております。 ○小川委員  今のに関連してですが、この委員会が始まってるときの記事でしたので私も非常にシ ョックを受けました。協同組合の人たちが集まっているところでそのことを、私自身も 協同組合陣営の一人として意見を言わせていただいたんですが、先ほど崎田さんの方か ら協同組合間協同という話が出てきました。これは金融も労働も含めて、さまざまな協 同組合間協同がこれからまさに問われてくると思っていまして、そういう意味で前回出 した意見書の中に、協同組合のナショナルセンターがつくれないならば、生活協同組合 のナショナルセンターのようなものができないものかというふうに意見書に出させてい ただきました。それによって、それこそ協同組合の自主管理の姿勢をどう示すかという ことも問われてくるのと、行政の監督・関与がどのように分権できるかもこれから重要 だというふうに思っていますので、それがこの文章の中に一行もないんですけれども、 パブリックコメント等の後に検討していただけたらなというふうに思います。これは自 分たちのガバナンスの問題でもあるというふうにとらえていますが。 ○中村社会・援護局長  今の小川委員のお話ですが、前回小川委員から意見書を確かに出していただいて、我 々も本日の資料1にその点について書き込むべきかどうか考えさせていただいたんです が、前回座長からも御発言があったように、むしろそれは生協内部でやっていただくお 話ではないかという御発言もあり、この検討会の意見書は、生協内部での議論ではなく て、生協制度を外側から検討して書いていただいている文書ではないかと認識しまして、 小川委員から御発言があったのは十分承知しておりますけれども、ここにはそういった 整理で原案として提案していないということでございますので、また御議論していただ いて整理がつけば、パブリックコメントの時期もございますので、最終報告書まで時間 がありますので詰めたいとは思います。無視してるとかそういうことではなくて、整理 の上でそのようにさせていただきました。 ○品川委員  それについては私も、この見直し検討会で、協同組合内部で自主的に行うべきことに ついてああせい、こうせいということではないと思っております。そういう点では、生 協陣営の中で組織のありよう、整備の考え方というようなことは、直ちに一致できると いうことにまだまだ到達していないと私自身は認識しております。それ自体は生協自身 の今後の問題ですし、小川委員からありましたように、それが生協ということだけでな しに協同組合というふうに広げますと、これは農協さん、漁協さん、その他中小企業等、 各種それぞれ全く違いのある協同組合ですから、理念的には一緒にということがあって も、それが現実的に協同組合の連携組織みたいなことになると、さらに大きい問題、ハ ードルの高い問題ということになってきまして、いずれにしてもその問題は法制度の問 題ということではなくて、私ども自身が自主的にどう構築していくかという問題だと思 っています。 ○清成座長  やはり生協の自治ガバナンスというんでしょうか、自治のためのガバナンスですから、 この委員会で外からの発言というのはなかなかしにくいのではないかと。何か拘束する ようなことになっては自治を尊重しないということにもなりますし、考えられるのは、 こういう問題がありますよという論点の指摘はできなくはないでしょうけれども、それ は単なる指摘に終わってしまいますので、という感じがどうもするんですけれども。  そのほかいかがでしょうか。 ○土屋委員  共済事業とその他の事業の兼業のことなんですけれども、途中段階では兼業の禁止と いうことが出てきてちょっと驚いたんですが、第6回のときに発言させていただきまし て、単位組合においては、連合会と異なって組合員に直接サービスを提供するんだとい うことで、事業ばらばらではなくて、いろんな事業を総合的に行うということが望まし いんじゃないかというようなことを発言させていただきました。そういう趣旨を酌んで いただきまして、共済事業については一律に禁止をするということじゃなくて、兼業を 行う場合には規律なり規制をきちんと求めていくんだという整理をいただいて、非常に よかったと思っております。兼業の禁止をするのではなくて、連合会と単位組合の機能 分断ですとか、あるいは自己資本の確保ですとか、セーフティネットの整備、あるいは 行政庁による監督、そういった制度を整備する中でリスクがないようにやっていくとい うことは可能ではないのかなと考えております。 ○清成座長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  特にございませんでしょうか。  それでは、今日はいろいろと御意見を頂戴したわけでございますけれども、委員の皆 様の御発言を総括しますと、この報告書(案)の内容に明確な反対という御意見はなか ったように思われます。つきましては、資料1の報告書(案)の形でパブリックコメン トを行うということにいたしたいと思います。パブリックコメントの手続につきまして は座長の私と事務局に一任していただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。  よろしゅうございますか。  御異議がございませんようですので、今後パブリックコメントを行い、幅広く一般の 御意見を伺いたいと思います。  それでは、今後の検討会の日程等について事務局から御説明をお願いいたします。 ○千田課長補佐  委員の皆様におかれましては8回にわたりまして御議論いただき、また、本日中間と りまとめを行っていただきまして、まことにありがとうございました。座長からも御説 明がございましたとおり、今後、中間とりまとめに対するパブリックコメントを行いた いと思います。募集期間につきましては、手続の開始までに若干時間がかかりますので、 来週の半ばから2週間程度を予定しております。  なお、次回の検討会でございますけれども、パブリックコメントの募集期間が終了し た後の12月下旬を予定しております。日時・開催場所等詳細につきましては、後日改め てお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございまし た。 ○清成座長  ただいまの御説明につきまして何か御意見、御質問等ございますでしょうか。  特にございませんでしたら、ちょっと早いんですけれども、以上で本日の検討会を終 了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。                                     (了) (照会先)  生協制度見直し検討会事務局          厚生労働省社会・援護局地域福祉課(内線 2854、2875)