06/11/09 第3回標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会議事録       第3回標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会                  議事録         ○日  時  平成18年11月9日(木)15:00〜17:00 ○場  所  大手町サンスカイルームE会議室 ○議事次第 1 開  会 2 議  事    1 メタボリックシンドローム対策総合戦略事業等における指摘事項について    2 その他 3 閉  会 ○出席構成員及び専門構成員(敬称略・五十音順) (構成員)内田健夫、漆ア育子、大江和彦、押野榮司、金川克子、河原和夫、窪寺健、 小山和作、酒巻哲夫、鈴木志保子、池主憲夫、津下一代、中村健二、久道茂、水嶋春朔 宮ア美砂子、宮地元彦、山口鶴子 (専門構成員)門脇孝、小池啓三郎、椎名正樹、松澤佑次、水口忠夫、峯村栄司 ○厚生労働省出席者  外口健康局長、上家大臣官房参事官、矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、勝又健 康局総務課保健指導室長、金井安全衛生部労働衛生課長、梶尾保険局総務課医療費適正 化推進室企画官 ○照会先  健康局総務課健康フロンティア戦略推進室(内線2975)  健康局総務課生活習慣病対策室(内線2971)                                                            ○矢島生活習慣病対策室長 定刻となりましたので、ただいまから第3回標準的な健 診・保健指導の在り方に関する検討会を開催させていただきます。  まず、前回の検討会開催後に事務局に異動がございましたので、紹介させていただき ます。  健康局長の外口でございます。  大臣官房参事官の上家でございます。  保健指導室長の勝又でございます。  また、本日は、労働基準局安全衛生部の金井労働衛生課長。  保険局総務課医療費適正化推進室の梶尾企画官に出席をいただいております。  それでは、事務局を代表いたしまして、外口健康局長よりあいさつを申し上げます。 ○外口健康局長 本日は、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ御出席 いただきまして、ありがとうございます。  生活習慣病対策におきましては、効率的かつ効果的に生活習慣病のリスクの高い方を 選んで早期に行動変容を促し、疾病の発症を予防していくことが極めて重要であると思 います。近年、運動不足あるいは不規則な食生活による内蔵型肥満の蓄積により、脳・ 心臓疾患のリスクが高まるという、いわゆるメタボリックシンドローム、大分この名前 が普及してまいりましたけれども、その概念が明らかとなってきておりますし、また、 科学的なメタボリックシンドロームのエビデンスというものも多く積み上げられてきて いるところであります。今後、生活習慣病対策を推進していく上で、このメタボリック シンドロームの考え方を踏まえて対策を講じていくことは、疾病の予防ということにと って大変重要でありますし、また、これは医療費の抑制にもつながるものであります。  本検討会におきましても、メタボリックシンドロームの考え方を踏まえて、今後の健 診・保健指導の在り方を御検討いただいているところでございます。平成20年4月の 法律の施行までの時間は限られておりますが、更に具体的な検討を重ねていただきまし て、よりよい健診・保健指導の姿を示していただくことが、今回の医療制度改革におい て大変重要ではないかと考えております。  委員の皆様方におかれましては、どうぞ活発な御議論をいただきますよお願い申し上 げまして、開催に当たっての私のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお 願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 続きまして、本日の出欠状況について御報告をさせていた だきます。  有原委員、井伊委員、中山委員、松田晋哉委員、吉池委員、渡辺委員、島本委員、田 中委員、松田一美委員からは、御欠席の連絡をいただいております。  それでは、以降の進行を久道座長にお願いいたします。 ○久道座長 それでは、皆様よろしくお願いいたします。  この検討会は、6月19日の第2回検討会以来ということになっていますが、標準的 な健診・保健指導プログラムの暫定版が策定された後、さまざまな取り組みが行われ、 検討を要する事項が指摘されてきております。本日は、その中で主な指摘事項等につい て事務局より御報告いただき、標準的な健診・保健指導プログラムを確定させていく上 で、必要な審議を行っていきたいと思っております。  それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1といたしまして「メタボリック シンドローム対策総合戦略事業の実施状況について」。  資料2といたしまして「準備事業等における主な指摘事項について」。  資料3といたしまして「安全で効果的な運動指導のための体制整備」。  資料4といたしまして「労働安全衛生法における保健事業の取扱いについて」。  参考資料1といたしまして「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」でござい ます。  参考資料2といたしまして「保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する 検討会開催要綱」。  参考資料3といたしまして「労働安全衛生法における定期健康診断等に関する検討会 開催要綱」。  参考資料と4いたしまして「身体活動・運動の単位」。  参考資料5といたしまして「特定健診・特定保健指導と事業者の健診・保健指導との 関係」。  参考資料6といたしまして「産業医等について」でございます。  もし、不足・落丁等がございましたら、事務局までお申しつけをいただきますようお 願いいたします。 ○久道座長 それでは、早速議事に移ります。  議題1のメタボリックシンドローム準備事業等における指摘事項について、事務局か ら説明をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず、本検討会の今後のスケジュールにつきまして、確認 をさせていただきたいと思います。お手元の参考資料1、標準的な健診・保健指導プロ グラム(暫定版)の9ページをお開きいただきたいと思います。大きな冊子でございま す。  現在、千葉県、富山県、福岡県におきまして、メタボリックシンドローム対策総合戦 略事業といたしまして先般策定いたしました、標準的な健診・保健指導プログラム暫定 版に基づき、準備事業を実施しております。今後は準備事業の検証・評価等を行い、本 年度中にはプログラムを確定していきたいと考えております。  また、本検討会以外にも、さまざまな取り組みが関係部局において行われております。 参考資料2及び参考資料3のとおり、保険局では保険者による健診・保健指導の円滑な 実施方策に関する検討会が、安全衛生部では、労働安全衛生法における定期健康診断等 に関する検討会を開催し、所要の検討を進めているところであります。これらの検討を 踏まえ、平成19年度は全医療保険者において健診・保健指導の実施に向けた準備を行 っていただき、平成20年4月の特定健康診査・特定保健指導の実施に備えていただけ ればと考えております。  それでは、資料1に基づきまして、準備事業の実施状況について説明をさせていただ きます。横長の資料でございますが、お手元の資料1に基づきまして説明をさせていた だきます。  まず、メタボリックシンドローム対策総合戦略事業の実施状況でございまして、上の 段が千葉県でございます。下が富山県と福岡県になっておりまして、千葉県では九十九 里町、白子町、大多喜町、新日本製鐵健康保険組合君津支部の4か所で準備事業が行わ れております。また、下の富山県でございますが、インテック健康保険組合では、被保 険者と被扶養者に対して、それぞれの事業が行われています。  また、福岡県では、筑後市と福岡県農協健康保険組合の2か所で準備事業が実施され ております。  主な概要につきましては、一覧表のとおりでございます。健康診査と保健指導それぞ れ実施機関でどの程度のどういう形で対象者、実施者になっているかというのは、これ を見ていただければ大筋ごらんいただけるかと思います。  具体的な中身につきましては、2ページ以降の資料を使って御説明させていただきま す。  ます、千葉県でございますが、千葉県モデルという形でメタボリックシンドローム対 策総合戦略事業実施計画というものを策定していただきまして、ここにありますような 形で背景、課題を整理し、私どもの今回のプログラムの暫定版に基づきまして、事業の 計画を立てていただいております。メタボリックシンドローム予防のための健診・保健 指導の確立という形で計画を立てていただきまして、計画の骨子といたしましては、千 葉県において事業企画・評価委員会を設置していただいております。ここにおきまして は、メタボリックシンドローム対策に重点を置いた効果的な健診・保健指導体制の整備 に向けた事業の企画・評価をしていただいております。また、効果的・効率的な健診・ 保健指導を検証するためのモデル実施機関の選定という形で、先ほどお示しをしました 九十九里町、白子町、大多喜町、新日本製鐵健康保険組合の君津支部の4ヶ所を、ここ でお決めいただいております。  具体的には、モデル事業の実証試験の実施という形で健診・保健指導対象者の選定、 階層化、それから、保健指導の実施、ポピュレーションアプローチの実施等をこの中で 具体的に実施していただいております。  市町村、健康保険組合が実際にはこの事業を実施するわけですが、県は支援をすると いう形になっています。  それから、3番目でございますが、県といたしましては、保健指導従事者に対する研 修を実施しております。市町村、国保・衛生部門等の保健師、管理栄養士等、それから、 健診・保健指導の事業企画・評価、保健指導の知識・技術につきましての研修を実施し ていただいております。これにつきましては、千葉県におきましては、地域・職域連携 協議会、千葉県の保険者協議会とも連携を図りながら、この計画を進めております。こ の結果を千葉県といたしましては、健康増進計画、健康ちば21に反映すると聞いてお ります。  もう1枚めくっていただきますと、現在進めております事業の全体のスケジュールで ございます。この表にありますような形で受託事業者への説明ですとか、協力依頼、公 募・選定、保険者業務の委託ですとか、事業企画・評価委員会の開催、保健指導従事者 の研修というものが、このようなスケジュールの中で実施されているところでございま す。  もう1枚めくっていただきますと、富山県のメタボリックシンドローム対策総合戦略 事業の概要ということで、これも千葉県と同じでございますが、県の中に企画・評価委 員会を設置していただきまして、具体的なモデル事業の実施というものをお決めいただ き、また、ポピュレーションアプローチというものも同じく併せてやっていただく形で、 実施主体であります医療保険者であるインテック健康保険組合におきまして、具体的な 事業をしていただくと。この場合には外部委託になりますが、民間事業者、財団法人の 北陸予防医学協会がこの健診・保健指導の外部委託を受けております。  それから、下にもありますが、地域・職域連携推進協議会、保険者協議会とも絶えず 連携を行いながら、富山県としてこの事業を進めておるということでございます。  具体的なスケジュールは次のページをご覧いただければと思います。これも千葉県の 場合と同様でございますが、このようなスケジュールで具体的な事業を実施していると ころでございます。  もう1枚めくっていただきますと、福岡県でございます。福岡県におきましても大体 同じような形で、具体的には筑後市と福岡県農協健康保険組合の状況という形で事業を 実施していただいております。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  それでは、引き続き、準備事業等における指摘事項について説明をいただき、併せて 皆さんから御意見をいただくということにいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、資料2に基づきまして説明させていただきます。 準備事業等における主な指摘事項でございます。  ただいまの3か所、千葉県、富山県、福岡県で行っております準備事業を実施してお る段階におきまして、いろいろな指摘事項が出ております。それにつきまして、いろい ろな指摘事項が出ております。それにつきましてまとめたものが資料2でございます。  まず、1番目でございますが、準備事業における指摘事項ということで、まず保健指 導レベルの階層化についてということでございます。これは後ろに別紙の資料がござい ますので、それを一緒に見ていただければと思います。まず、このデータにつきまして は、千葉県の九十九里町のデータがこのところで細かく分析されております。対象者は 40〜64歳でございます。このデータを基にいたしまして、具体的な保健指導レベルの階 層化についてまとめたものでございますが、健診受診者が1,355名のうち動機付け支援 または積極的的とされたものの数がステップ3、これはプログラムの中の階層化のステ ップでございますが、具体的には標準的な健診・保健指導プログラムの28ページ、29 ページをご覧いただければと思います。このステップ1、2、3で進めて階層化をする のでありますが、このステップ3までで989名、約73%、ステップ4までで751名、 約55.6%に上ります。ステップ4におきまして、情報提供から動機付け支援となる者が 1名、動機付け支援から積極的支援となる者が5名と、少数である一方で、動機付け支 援から情報提供となるものが239名、積極的支援から動機付け支援となるものが47名 と多数に上っています。  メタボリックシンドロームの有病者・予備群であっても、階層化のステップ4におい て質問票に該当する項目がなければ、保健指導レベルが積極的支援から動機付け支援、 または、動機付け支援から情報提供に保健指導のレベルが変更となります。効果的・効 率的に保健指導を行うためには、メタボリックシンドロームの有病者・予備群、生活習 慣の改善により脳・心臓疾患の予防効果が大きく期待できるものを明確にし、優先的に 保健指導を実施すべきではないかという指摘事項がございます。  また、健診データを評価し、必要に応じて階層化の方法を見直す必要があるのではな いかという指摘を事業をしているところからいただいております。  それから、運動指導をする際の運動可否の判断でございますが、特定保健指導の中の 運動指導を実施する際、運動負荷により脳・心臓疾患を発症するおそれがあるものをス クリーニングする方法、運動指導を行ってよいのかどうかの判断方法はないのかという 指摘をいただいております。  以上でございます。 ○久道座長 それでは、今説明がありましたように、4つほどございます。資料2です が、それぞれの指摘事項について1つずつ検討を行っていきたいと思います。  まず、(1)保健指導レベルの階層化について、今説明がありましたけれども、皆さん から御意見をいただきたいと思います。ステップ4までの人数がパーセントでいきます と約55.6%に上るという御指摘、ちょっと多いのではないかということだろうと思うん ですが、それから、これは次にやりますが、運動指導する際の指導レベルの階層化につ いてということについて、皆さんから御意見をいただきたいと思います。どなたかござ いませんか。 ○水嶋委員 国立保健医療科学院の水嶋でございます。  興味深いデータだと思うのですが、対象者のうち既に薬物治療を受けている方という のは何割ぐらいいらっしゃるのでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 動機付け支援レベルでは、薬剤治療歴ありの方が132名、 積極的支援レベルでは173名の方が薬物治療ありというデータになっております。 ○久道座長 現在治療しているという方ですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。質問票のところで現在、例えば、糖尿病、高脂血症、 血圧の服薬をしていますでしょうかということで、1つでも服薬していれば治療ありと いうことでございます。 ○水嶋委員 ありがとうございます。そうしますと、ステップ1が腹囲とBMIなんで すが、ステップ2が採血の値がどうかで、実際に基準値を上回って引っ掛かる人と、現 在薬剤治療を受けているから当てはまる人の割合が、年齢階層によってかなり違うのか なと思うんですね。それを反映してステップ4の生活習慣改善の必要性を判断するため の質問票との多少ギャップがあるのかなという気がちょっとしたものですから、今質問 させていただきました。 ○矢島生活習慣病対策室長 今の御指摘のところまでは分析ができていないのですけれ ども、そういうことも踏まえて、この辺のところの階層化の考え方を少し整理する必要 があるのではないかと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。 ○中村委員 埼玉県の保健医療部長の中村でございます。  関連で、九十九里町以外のことでも御質問させていただいてよろしいでしょうか。資 料1の3枚目から例えば横表で大多喜町、白子町、あと君津支部と書いてありますけれ ども、積極的支援、動機付け支援、情報提供と階層化した数が書いてあり、更に、福岡 の筑後市とか農協の方も矢印が書いてあるんですが、そこのパーセントというのはデー タとして今日はわかりますか。それとも後に出てくるものですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 今の段階では具体的にいただけたのは、千葉県の九十九里 町までであります。今のところ、中の階層化の仕方は実際にやってみるといろいろとあ るみたいでございまして、1枚目を見ていただきますと、とりあえずの数でありますけ れども、保健指導の対象者ということで数を上げているところは、動機付け支援または 積極的支援の対象者として人数でとりあえず抽出されたものですが、今御指摘がありま したような形で、このような九十九里町のような形のレベルで分析までできているとい うところまではまだいけていません。 ○松澤委員 ブランクがあったのでなかなかわかりにくかったんですが、この中で(3) の場合というのが基本的には非常に多いわけですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。(3)というのは、1でも腹囲とかBMIに該当しな いという方です。 ○松澤委員 だから、これをどういうふうに扱うかというのが一番というか、要するに メタボリックシンドロームの基本概念というのは、過栄養と運動不足で起こっている生 活習慣の乱れから起こる内臓脂肪の蓄積だという概念があって、そこを積極的支援とか すれば非常にアウトカムが出るだろうというので、疾患概念として設立されたものです よね。それらに相当しなくて、やせていて幾つかの病気があるというのは当然あるわけ ですよね。コモンディジーズですから。その辺りをどういう保健指導の対象にするか。 要するに、知識を持ってもらって、薬をしっかり使わないといけないような、この辺り は本当にしっかりとした、治療医学にかかわるところであって、やせた人にもっとやせ ろと言ってもなかなかアウトカム、一つ一つの病態が改善する効率は非常に悪いような ところもあるのがものすごく多いとなると、この辺りをどう扱うかというのは、例とし てここが非常に多く出ているので、多過ぎるということならば、本来のアウトカムが出 るところが今回の最も大きな目的ではないか。この辺りは、勿論本人にしっかりとした リスクを持っているということを知らせて、ちゃんとそれぞれのレベルを正常化するの に、みんなそういう知識を持ってもらうという意味では非常に重要なんですけれども、 この人らが運動したり何かして、全部改善、データがそういうことによって改善する確 率は、むしろ(1)(2)よりも非常に弱いというような認識を持っておいた方がいいかなと 思いますけれども。 ○矢島生活習慣病対策室長 今の松澤先生の意見で補足させていただきますけれども、 今の資料でございますが、確かに(3)の数が多いわけですが、一番多いところが動機付 け支援のところでございまして、435人で、動機付けですので1回丁寧に保健指導をし てきっかけをつくってあげるというレベルではないかと。積極的にも3か月とか6か月 介入するのは数的には少ないのかなとは思っております。 ○松澤委員 それは非常にいいことだと思うんですけれども、多過ぎるというようなコ メントに対して、非常にシンプルに、その人たちに対してエネルギーが要るわけではな いから、多過ぎてもいいというか、最初の動機付けをしてみんなに知識を指導するとい う意味では、これぐらいあってもいいとは思うと、そういうこれに対しての今回の指摘 事項に対してのコメントだと考えていただいたらいいと思うんですけれども。ここは要 らんというわけではないと思います。 ○久道座長 どうもありがとうございました。 ○津下委員 今、松澤先生がおっしゃった(3)の方で、積極的支援をすることの意義が どれだけあるのか。1つの考え方としては、(3)は積極的支援ではなくて、プログラム の30ページにもありますけれども、階層化をしてステップ4で積極的支援から動機付 け支援になるところは「※」がついておりまして、「※」の該当者については動機付け支 援、要は1回の面接で状況を確認の上、医療機関受診を検討するという項目になってお りますので、1回面接して医療機関受信を勧めるとか、または経過観察を個別に相談す る方というような位置付けにした方がいいのかなと思いました。  それから、階層化のところで、「○」の3つ目ですが、積極的支援から動機付け支援に レベルが変更になった、特に、積極的支援から動機付け支援に47名がメタボリックシ ンドローム該当者でありながら減ったということなんですが、これは運動習慣もきちん とあり、比較的生活習慣の乱れが少ない対象者に関しては優先順位としては下がるのか なと。対象者を絞り込むという観点から言えば、積極的支援に回っていただく人が多す ぎるよりも、より運動習慣の少ない方に働き掛けた方がよい。これは、今までの介入研 究のエビデンスでも、既に身体活動が高い人は対象者から外すというような対象者の選 定をしている研究も数多くございますので、そういう意味では、もともとたくさん431 人積極的支援だったところから対象者を問診によって優先順位付けをしたということの 一つの意義があるのではないかと思います。ですから、減ったことが悪いということで はなくて、より介入すべき対象者がしっかりと見極められたというふうにお使いいただ くといいのではないかと思いますが。 ○河原委員 資料1の1枚目でちょっと確認なんですが、性別によって支援の違いとか、 全体の性別が出ていないんですが、大体性別はどれくらいなのか、あるいは性別によっ て違いがあったのかということと、あと、市町村の場合、住民が対象者になっています が、ほか企業関係は保険者対被保険者という関係ですが、市町村の場合は、例えば、国 保の保険者と被保険者である国保の加入者が対応しているのか、あるいは広く住民なの か、その辺り対象のとり方を教えていただきたい。  それから、もう一点、40〜64歳の年齢を前後にはみ出しているケースがありますが、 74歳までとかあるいは35歳までと。この辺りを広くとられた意味があれば、教えてい ただきたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 これは年齢のところの幅が広くとられているというのは、 千葉県の九十九里町は逆に言うと、40〜64歳と狭くなっている。それから、白子町の場 合には今回の法律の対象者である40〜74歳ということなんですが、これは実際に事業 を実施していただいています町の従来からのいろいろな事業があるわけですね。実際に、 従来から老人保健事業を主体にしてやってきたそういう流れとの関係性で、その継続性 の中で今回の事業は40〜74歳なのですけれども、そことの関連の中で、このような年 齢の対象が出てきているということです。  それから、男女別のデータもとりあえず手元にはありますが、ここのところは数的に は少し少なくなってしまうものですから、もし必要であれば、また別途お届けすること は可能ですが、むしろ私どもの方は、階層化のところは男女別というよりも、主に対象 は男性が多くなることになると思いますので、男女別の意味というのは、いろいろな分 析のときにはあるかと思いますが、階層化でどう落ちていくのかということからすると、 とりあえずはこのレベルで、階層化の考え方の問題点ですとか課題を御議論いただくの は、この辺のところが重要なのではないかと思っております。 ○門脇委員 東京大学の門脇でございます。  河原先生からの御指摘はやはり大事だと思います。私たちがアメリカ糖尿病学会雑誌 に発表したデータでも、腹囲90という基準ではリスクファクターの重積者を8割以上 見逃すというデータでありますし、同様のデータは京都大学あるいは札幌医科大学ある いは久山町のデータでも出ていると考えます。したがって、女性の場合は80cmぐらい から内臓脂肪蓄積とみなすべきで、逆に言いますと、内臓脂肪を減らすことによってリ スクを減らせる対象だという考え方もありますので、90cmに達していない者は即内臓 脂肪を減らす対象ではないとするのは科学的ではないと私は考えています。  したがって、もう少し男女別の検討も数を増やしてやって、もしかしたら多少男女で 取扱いを変える必要があるかもしれないということは頭に入れておく必要があろうかと 思っています。 ○松澤委員 その問題は、とらえ方が少し違うので、これはウエストとかそれだけでリ スクを判定する、それを予測するわけではなくて、リスクを全部検査しているわけです よね。だから、リスクの予測としてのウエストというような概念ではなくて、リスクの ある人でいかにやせるというか、そういう生活指導をした人にアウトカムが出やすいか という部分を選んでいるわけですよね。だから、これはあくまでも男女の最初アウトカ ムが血管病だとしたら、非常に女性を広くとったら心筋梗塞残す少ない中の、過剰にそ れを予防するということになってアウトカムが出ないところになる。だから、そういう 論議の問題は、また実際に大きなレベルの疫学調査をやらないと、基本的な考え方の問 題なので、これはウエストによって何かリスクの数を予測するものではなくて、リスク はちゃんと測って、この分析は極めて日本のしっかりした健診データの中で2つ以上あ る人、3つ以上ある人が一番大きな代償になるということなので、ウエストはあくまで その中でできるだけ内蔵脂肪を減らすことに、ちゃんとやるのにアウトカムが出やすい 人をやりましょうということですので、それはまた別の大きな疫学スタディをやって、 勿論こういうことの結果を分析した上でやった方がいいかなと思っております。 ○久道座長 専門家の間で議論があるのはいいんですが、この場は今まで出された意見、 学会等での意見を根拠にしていろいろつくってきたということではあると。それが前提 だということなんですが、今、門脇先生が指摘したように、いろいろ調べる必要はある のだろうと思います。そこで、しかるべき疫学あるいは関係する臨床学会との議論を踏 まえて、また見直しをするということはあってもいいと思うんですが、門脇委員、何か ありますか。 ○門脇委員 90cmという基準では、リスクファクターの重積者をかなり見逃すと。ま た、男性の85cmに相当するリスクは、女性では80cmだというデータが学会あるいは 国際的にも出ているところでありますので、それを無視すべきではない。したがって、 金科玉条90cmで切って、それ以下は内臓脂肪蓄積という指導をする必要はないという のは、特に女性の場合には慎重であるべきだと私は思います。 ○久道座長 松澤先生、やりとりしませんので。 ○松澤委員 ちょっと違いますから。 ○久道座長 では、山口委員、どうぞ。 ○山口委員 板橋区保健所の山口でございます。  九十九里町で保健指導の実施者数が283名ということですが、お一人当たりにかかわ った保健指導の時間数を教えていただければと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 具体的な個別までは、まだデータがとれていないのですが、 その保健指導は今実施中でございまして、スケジュールをごらんいただければと思うの ですが。 ○山口委員 でも、9月にやっていらっしゃるようなので、最初どのくらい時間が掛か ったのか、大体30分ぐらいだと……。 ○矢島生活習慣病対策室長 一番最初の部分でですね。 ○山口委員 お一人当たり大体30分ぐらいというお話を伺ったように思うんですけれ ども。 ○矢島生活習慣病対策室長 もし、宮崎先生、その話をお耳に挟んでおられるようでし たら。実は、先ほど千葉県の検討会を御紹介したのですが、宮崎先生が座長でございま すので。 ○久道座長 指名しようと思っていたので。 ○矢島生活習慣病対策室長 どうも申し訳ございません。 ○宮崎委員 動機付け支援、これは積極的階層レベルに該当した人も含めての動機付け 支援ですけれども、1対1の個別面接を行いまして、20〜30分ということで設定して やっていますが、それに当たりましては、相当事前に保健師さん方はロールプレイなど でトレーニングなどやりまして、その中で対応できるようにということでそれぐらい掛 かっております。 ○久道座長 ほかにございませんか。 ○内田委員 準備事業における指摘事項の(1)のところで、最初の「○」でステップ3 までで79.3%、ステップ4までで55.6%と非常に高いですね。そこで、ステップ4のよ うな形で有病者・予備群等生活習慣の改善により疾病予防効果が大きく期待できる者を 更に抽出するというような話になってくるということですね。これが3枚目の九十九里 町の数字が出ているところのステップ1で(1)の腹囲の横にたどってステップ3の積極 的支援レベルの215人、125人というところにつながってくるという説明でございます。 それで更に、健診データを評価して必要に応じて階層化の方法を見直すということに関 しては、どのようなお考えなのかというをちょっと聞かせていただきたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 まだ現場の声が十分ではなくて、まさに進行形の段階では ありますが、ステップの階層化の本体の参考資料1のプログラムをごらんいただければ と思います。28ページ、29ページのところで階層化の方法が書いてありますが、例え ば、ステップ2のところで特に血糖、脂質、血圧のデータと、LDLコレステロール、 喫煙歴、血清尿酸等のデータを入れて、このシステムをつくっている関係で、この辺の ところを従来のメタボリックシンドロームの考え方よりも少し広めにリスクの数を多く とっているという実情がございます。そういう意味では、従来のメタボリックシンドロ ームの階層化の考え方よりも、少し広めに項目がなっているということで、少し数が増 えているという問題点もあるのかなと思っております。  また、このところは実際に事業をされる医療保険者の方々の御意見もあるものですか ら、余り何でもかんでも保健指導の方に行ってしまうのもいかがなものかということも ありますので、この辺も是非、医療保険者の方の立場からは優先順位というのでしょう か、まず、どういうところをやるのが一番効果が期待できるのかということも含めて、 その辺のところをもう少し精査をしていただかないと、対象者が余りにも増えると。対 象者が増えるということは、考え方によってはいいことなんですが、効果が期待できる のが薄れてしまうというところもあるものですから、やはりその辺の兼ね合いで、その 仕組みがうまくできればありがたいという声も聞いております。 ○内田委員 実際に千葉でこれだけ対象者が上がった中で、本当に保健指導までつなが ってある程度のアウトカムというのが、あるいは3か月後の健診というところまでいっ た部分というのはどれぐらいあるんですか。これはかなり基盤整備ができていないとこ ろで保健指導までつながっていないのではないかと思うんですが。 ○久道座長 宮崎委員ですか、それとも事務局ですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 保健指導は、実際には資料1の1ページをご覧いただきた いと思うのですが、九十九里町では町の職員である保健師等が主体になりまして保健指 導を実際に実施しております。ここにありますように、対象者は751名が対象となりま したが、実際に実施しているのは283名ということでございます。これは、あくまでも 2枚めくっていただきました流れの進行形の中での話でございますので、これはあくま でも途中段階であるということの前置きが必要かと思いますが、対象者は751名ですが、 実際に保健指導を実施しているものは283名という形になっていると聞いております。 ○宮崎委員 私も今一番懸念しているのはそこの部分でありまして、結局、動機付け支 援レベルになった人は全体で言えば41.4%なんですが、その中で今回の健診の中心的な メタボリックの方は実際は435名を省くわけですから、数としては非常に少ない。つま り、原則1回の動機付けにとどまる人は数が少ない。多くは積極的支援レベルの方とい うことで、431から52を、いわゆるメタボリックの概念で説明できない方を引いた369 名の方が3〜6か月のプログラムに入っていただく方ということになるんですが、現実 問題この369名の方をどんなふうに3〜6か月のプログラムに参入していただくのかと いうのは、現場としては本当に大きな課題でして、ここの積極的支援レベルの人たちを もう少し優先順位をつけるような何か仕組みが必要ではないかと強く感じております。 ○内田委員 その中で更に優先順位をつけるんですね。 ○宮崎委員 それが今ステップ4というのが現実にありますので、どんなふうにこれを 活用していくかということもありますし、ちょうど今日の資料2の(1)は基準適合者と 予備群者という、たまたまデータのふるい分けにもなっています。ですから、何かしら 九十九里町のデータで言えば369名をもう少し具体的な優先順位付けをしないと、現実 問題、結果的に来てくれる人だけ対応していくみたいな従来型の保健指導になってしま うと。その辺何か仕組みが必要ではないかと強く思います。 ○久道座長 私からの質問で、資料1の3枚目の九十九里町のスケジュール表なんです が、メタボ祭というのがありますね。もうやったのか、やらないのかわからないんです が、これは具体的にどんなものですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 まだ具体的には報告を受けておりません。 ○久道座長 宮崎委員はわかりますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 多分、健康づくりのイベントだとは思うのですが、横表の 中にメタボ祭というのがあるのですね。 ○久道座長 わからないですか、わかりました。  ほかにございませんか。それでは、この項目につきましては、事務局で再度論点を整 理していただいて、調べなくてはならないような質問事項があったと思うので、その辺 りを調査していただいて、次回以降に引き続き検討したいと思います。それでよろしい でしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。もし、今日の資料をごらんいただいて適宜、後日こ の辺はどうなのかという御質問は、私ども事務局にいただければと思っておりますので、 よろしくお願いいたします。 ○久道座長 それでは、引き続きまして、資料2の(2)運動指導を実施する場合の運動 可否判定についてですけれども……。 ○矢島生活習慣病対策室長 済みません、大事なことを言い忘れました。御意見をいた だくわけですが、必要に応じてワーキンググループを開催させていただきたいと思いま すので、そのワーキンググループにおいて検討させていただきまして、次回までに論点 の整理等を行わせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○久道座長 どうぞお願いします。  それでは、運動指導を実施する場合の運動可否判定についてでありますが、本日は津 下委員から、あいち健康の森健康科学総合センターにおいて、実際にどのように運動可 否判定を行っているかの説明をお願いしたいと思います。 ○津下委員 よろしくお願いします。資料3をご覧ください。私どもの施設では、健康 な人から心筋梗塞または脳卒中を起こした後の方まで、多彩な方が運動を楽しんでおら れるんですけれども、右の2をご覧ください。運動に期待する効果、予防効果、治療効 果は非常に大きいんですけれども、やはり内在する危険としまして、関節障害とかまた は心筋梗塞の発症だとかさまざまな危険もあるということが指摘されております。  3をご覧ください。これはちょっと古いデータになりますけれども、スポーツ中の突 然死の基礎疾患、原因についての調査結果ですけれども、今回の対象となっております 40歳以上のところで見ますと、虚血性心疾患や脳血管障害等の原因が高くなっておりま して、動脈硬化性疾患のベースをもとに運動が引き金となって、このような状況が発症 しているということであります。  実際に保健指導を行う、運動指導を行う場合に、このような危険な状態を回避する必 要があるかと思います。  4をご覧ください。これを回避するためには、その人に合った運動のプログラム、運 動指導が必要になってきますけれども、その前提条件として、その人がどんな身体状況 にあるのかということ、それから、どのような運動習慣やどのような日常の生活活動を してみえるのか、そして、運動の目的が、例えば競技スポーツなのか、または疾病の予 防なのか、運動療法、リハビリテーションなのか、さまざまな目的によってその人に合 った運動というのが違ってきまして、それに併せた運動の強さだとか頻度だとか量など の目安を示していき、そして、その人が楽しく続けられるような運動指導をしていく。 そして、効果を検証するというような流れが必要になってまいります。  次のページをご覧ください。私どものところでは、さまざまな対象者が運動に来られ ておりますので、運動前に情報を必ず収集しております。問診を行っております。特に 病歴、心臓病や治療中の病気、内服薬、そして、主治医の指示で運動制限されているの か、または勧められているのかというようなこと、それから、運動によって悪化する症 状、心臓の胸部症状または整形外科的な足、膝、腰などの痛み等の症状、それらが運動 で悪化するのかどうかというようなことの確認。それから、家族歴、特に重視している のは健診受診の有無ということで、健診を受けているときにはそのデータが何か問題が ないかどうかということを聞いております。  6をご覧下さい。それらの結果を基に対象者をリスクによって0の、特に問題のない ところから5のかなり進行した病気を持つ者までリスクレベルを分けて個人カルテを作 成して、指導や監視等の体制をとっております。  このように注意をしながら実施することで、毎日200人以上の方が入り交じって運動 しておりますけれども、その人のレベルに合った体制をとるということで、リスクを回 避できているのではないかと思っております。  主治医がいる場合には、かかりつけ医の先生に病名だとか使用中の薬剤、これは特に 脳卒中や心筋梗塞を起こした後の方については、このようなことを確認させていただい ているところです。  今回の保健指導の対象者となる方々のレベルということを考えてみますと、先に次の ページをご覧ください。9ページの運動強度・身体状況とメディカルチェックと題した 図ですが、医師との相談が必要かどうかという観点で整理をしてみました。これは私ど ものやっている現在このような状況だということで、例としてお聞きいただければと思 います。特に健常な方、問題のない方は、例えば、競技に出る場合には健診をちゃんと 受けておいてくださいだとか、症状の確認ということが必要なんですが、普通に運動す る場合には医学的な配慮は殆ど要らないと思います。参考資料4をごらんいただけます でしょうか。または前のページ、これはエクササイズガイドに載っていたところから運 動の強度、メッツという単位で表しておりますが、例えば、3メッツの運動というのは 歩行程度の運動になります。速足ですと4メッツ、5、6になりますと、例えば、エア ロビクスだとか軽いジョギングをすれば6メッツ程度、水泳だとかランニングになると 8メッツという形で運動強度を表現します。9ページの図にもどりますが、縦が運動の 強さ、それから、横が体の身体状況、右に行くほど疾病が重いという状況になっており ますけれども、予備群の方の場合は3〜4メッツ程度の運動であれば、特にそれほどリ スクはないと判断し、健診の受診をしているかどうかの確認だけで終わっております。 5〜6メッツの運動をする場合には、健診や問診項目の確認、場合によっては運動負荷 テスト等の配慮というのが必要になってくるかと思いますが、3〜4メッツ程度の運動 であれば、特に必要はないかと思っております。低強度からはじめて、徐々に強度を上 げていくことで事故を防止できます。  メタボリックシンドロームでも薬剤の必要性がない程度の方や、例えば、血圧の薬を 1剤飲んでいて非常にコントロールがよいというような方も、3〜4メッツ程度の運動 であればそれほどリスクが高くないので、健診データの確認または問診の確認で十分か と思います。それ以上の運動をやりたいという場合には、実施状況を確認しながら、必 要があればメディカルチェック等を進めていくという形になっております。  薬剤を多剤使用しているような者、またはコントロールがかなり悪い場合には、勿論、 医療管理下に置く必要がありますので、そちらの条件が整ってから運動を進めるという ような形になっております。ですから、健常な方からかなり心筋梗塞、脳卒中を起こさ れたようなかなり重い方までを右軸にとっておりますので、今回の保健指導の対象者、 予備群や受診勧奨までいかないメタボリックシンドロームであれば、この健診の検査項 目及び問診をしっかりとるという形で十分に情報を把握できるのではないかと思います。  ちなみに、10ページに載っているのは、運動負荷テストの絵でありまして、運動中の 血圧、心拍数の変化や心電図の変化を見ながら、運動処方しているというような対応も 可能であるということです。  実際に、ジムの利用者の中でレベルを見ていきますと、男性ではリスクのレベルの3 以上になってくるのが50〜60歳辺りで増加してくるのがわかります。女性でも3以上 は50〜60歳から増えてくるという状況になっております。  最後のページですけれども、このように最近高齢者やハイリスク者が運動施設を利用 されることが増加しているんですが、主治医から運動していらっしゃいと言われますけ れども、どの程度の運動というのが具体的ではない場合も少なくありません。また、健 康増進施設でも利用者の身体状況について十分把握していないという状況もあるのです が、安全に運動を進めていくためには、この健診のデータまたは問診、そして、必要が あれば医療機関受診等をしながら、その人の身体状況に合わせた対応をしていくことが 安全に運動していくことにつながるということと思います。  また、それと同時に、毎日の体調確認や水分補給等の指導者側の注意も徹底して行う 必要があると考えております。  以上、御報告させていただきました。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  どなたか今の説明に対して、御質問あるいは御意見ございませんか。 ○松澤委員 この保健指導の問題というのは、今、津下先生が言われましたように、こ れから医療との連携が非常に重要なところ、それをどういうふうにうまく組み合わせる かということが大事だと思います。だから、我々8学会がこの疾患概念をつくったのは、 基本的な医療の中でハイリスク群をどうやって拾い出すかということでやってきたわけ です。これがもっと極端なところにいくと、厚労省からつくった死の四重奏という概念 で、周りは死の四重奏があれば積極的にコロナリーとか動脈硬化を頚動脈で診ていかな いと、その人らは超ハイリスク群であるという考え。メタボリックシンドロームはそこ までいかないけれども、いっている人も含まれる。だから、やはりその中には既にサイ レントな動脈硬化がある人がかなり含まれると、何パーセントかというのはわかりませ んけれども、そういう観点でやっていかないといけないのではないか。少なくともメタ ボリックシンドロームと診断した、この場合は千何人中215名になるんですか、そうい う者に対しては運動をやらせるときには、多少、津下先生がおっしゃった医療との連携 で、少なくとも心電図ぐらいはとったデータがあって初めて積極的に運動させるという ような、その辺りの連携を盛り込まれないと。全部物すごいハイリスク群も保健指導で 全部改善するというイメージではないようにというか、そこの連携がうまくいって初め て、この保健指導が結果として生きてくるのではないかと思いますので、その辺りはど ういうふうにこの中に入れ込むかというのは、我々も非常に関心の高いところなのです けれども、どうぞよろしくお願いいたします。 ○久道座長 津下委員、何かありますか。 ○津下委員 医療との連携は非常に大切だとは思うんですけれども、でも、3メッツの 歩行だとか、低い強度であれば、まず少しずつはじめてもらってもよいのではないでし ょうか。要は運動強度をどこにとるかということで、どこまでのメディカルチェックが 必要かというふうに整理することも一方では必要だろうと。ですから、歩行するのに全 部運動負荷試験をするというのは、それだけでハードルが高くなって、なかなか運動に 入れないということになるので、ファーストステップのまず運動しましょうという3メ ッツ程度の運動はできるだけ敷居を低くして、たくさんの人にやっていただいて、だん だん強くしていきたいというところでは検査もしながら、また症状も確認しながら、段 階的に指導を進めていくというようなことが必要ではないかと思います。ですから、是 非このプログラム、運動の指導のところには、そのようなリスク管理だとか、段階的な 方法だとか、運動指導の前にこれだけは確実に聞いておかなければいけないことだとか、 そういうことを盛り込んでいただきたいなと思っております。 ○内田委員 この資料の7でかかりつけ医に確認していることというのがありますね。 それから、一番最後の13のところで、主治医からの運動療法についての指示があいま いであり、何をやったらよいのか、また、いけないのかを知らないままというのがござ いますね。なかなかかかりつけ医の役割というのは難しいところがあると思うんですけ れども、私ども医師会としましては、健康スポーツ医というのがございますけれども、 実際のところ運動をどの程度までという判断を的確に行える先生というのはなかなか、 問い掛けたときに的確な返事がいただける先生というのはそんなにいらっしゃらないん じゃないかという気がするんです。今後、我々の課題としましては、その辺のところも スキルアップというのは当然必要になってくると思いますし、それから、もう一つは運 動実施施設の運動指導を実際にやる施設が、恐らく現状ではアウトソーシングになると。 幾つかのスポーツジムとかそういうところが積極的に参加しようと考えていらっしゃる と伺っているんですが、やはりそういう施設がしっかりかかりつけ医なり、あるいはそ ういう専門的な知識を持った医療機関と連携していただくということが必要になってく るのではないかと思っているんですが、いかがでしょうか。 ○久道座長 当然ですよね。 ○津下委員 私も少し書き過ぎたなと反省しているところなんですけれども、具体的な アドバイスがあると一歩を進めやすいかなと思いますので、是非その辺よろしくお願い したいと思います。  また、健康運動指導士さん、実際に運動指導に当たられる方にも、その辺りのことを 勉強していただいて、安心して相談できる人の養成をお願いしたいなと思っております。 ○久道座長 ちょっと私から質問なんですけれども、津下委員の説明の9ページ、運動 強度・身体状況とメディカルチェックのイメージと、これは津下私案と書いてあります よね。これは愛知のセンターでずっとルーチンにやっているやり方ですか。 ○津下委員 はい、そうです。基本的な考え方はこれに基づいています。6の表にあり ますリスクの分類は現在、私たちの施設ではルーチンに使っています。レベル2の方が 見えましたとか、レベル3の方についてというような、これを普通の言葉として使って いるんですけれども、そういうことで保健師、運動指導士、みんなが共通の認識を持て るようなことをやっております。 ○久道座長 これまでセンターで救急の処置を必要とする方は出たことはありますか。 ○津下委員 平成9年からスタートしておりますが、救急車で搬送した例がないわけで はないです、数人はありますが、いずれも未然に対応できておりまして問題はありませ ん。今のところ心・血管事故で大きなトラブルというのはございません。こういう安全 管理体制と毎回体調をチェックしておりまして、血圧が高いということがわかると指導 員が今日は無理しないようにという話をしておりますし、顔色を見て頑張り過ぎていれ ば必ず声を掛けるだとか、水を飲んでくださいとかやっていますので、そういうことと 併せて安全管理が大事だと思います。 ○久道座長 どうもありがとうございました。 ○宮地委員 国立健康・栄養研究所の宮地と申します。  津下先生の示された案は、本当によく練られていてすばらしいものだと思うんですけ れども、実際に保健指導を受けて身体活動あるいは運動を対象者の方がやる際には、指 導員がそこにいないで家でやるとか、そういうケースがかなり多いということなんです ね。ですから、指導者に頼らなくてもその人たちが安全にやれるようなことを、やはり 保健指導のプログラムの中に書いていかなくてはいけないと一つは思います。当然、合 併症を持っている方だとか薬剤を複数使用していらしっゃる方はお医者様と連携したり、 指導員の指導のもとにやることが必要なんですけれども、メタボである、メタボの予備 群であるという方は、おうちで自分でやっていただくことがかなり重要になっています。 そのためには、一つ先生からもありましたけれども、3メッツのような歩行から必ず入 る、歩行を指導の基本にするということが一つあります。なぜかというと、それはリス クの管理ということに加えて、4メッツとか5メッツとか6メッツのようなジョギング だとかほかのスポーツをやってしまうと、メタボの人たちは体重が重いですから、1か 月やれば5%以上の人が膝が痛い、腰が痛いということになります。そうなると、運動 が続きません。ですから、できるだけ3メッツ程度のところから始めましょうというこ とは、しっかり書き込む必要があろうかと思います。  もう一つは、意外と忘れがちなんですけれども、準備運動、整理運動といいまして、 ウォーミングアップ、クールダウンと言うんですが、やはりそういったことを必ず体重 を減らすための主運動の前後にやりましょうということを書いていく必要があろうかと 思います。  それから、先ほど水嶋委員の方からメタボリックシンドロームだとか予備群、あるい はスクリーニングされた人の中で、何人薬物治療ありの人がいますかという質問があっ て、132人、173人という驚くべき数の方が入っていると聞いたんですけれども、やは り薬物治療を受けていらっしゃる方は本来はメタボと診断されるはずなのに、そうじゃ ないというふうに検査の結果だけではスクリーニングされてくる。そうすると、既に合 併症を持っているか、持っていないか、そういう既往歴があるか、そして、治療を受け ているか受けていないかぐらいのことは知っておかないと、保健指導をやって運動指導 をしましょうというときに、非常に怖いです。ですから、是非、問診等で病歴があるか、 あるいは薬物を複数あるいは1つでもとっていないかということを事前に保健指導をや る前に把握できておけるような仕組みづくりというのがあることで、よりリスクを回避 した安全な指導ができるのではないかと思います。そういう人の場合は、やはり多少医 師にきちんとした相談をする必要があるだろうと思います。  以上です。 ○久道座長 どうもありがとうございます。 ○小山委員 日赤の熊本の小山でございます。  前回の会議から大分時間が経っているというので、話が進んでいるのだなと思いなが ら聞いておりました。つまり、今まではどちらかというと食べ物の話が結構あって、栄 養の話だったのが、突然運動の話になっていて戸惑っているんですが、津下先生の愛知 のような日本における最高の運動施設が全国にあるわけではございません。しかし、今 度の厚労省がやろうとしているのは広く全国に徹底的に展開しようとするものです。し かも、これを大成功に収めなければいけないんです。そのためには、運動施設に自分か ら進んでやってくる熱心な人だけを運動するのではなくて、本当は健診すら受けようと しない人たちも一生懸命やっていかなければいけないと私は思っているんですが、そう いう意味では今、御指摘のように日常にできるようなことを、しかも、その指導はかか りつけの先生だって、あるいは保健師だってできるような話を進めていかなければいか んのではないかと思っていますので、そういうマニュアルをつくっていただかなければ いけないかなというのが、私は非常に重く感じました。勿論、運動のことについて関心 のない先生が随分多いものですから、その辺も大いに医師会などを通して進めてもらい たいと思いますが、保健師さんにしろ、栄養士さんにしろ、恐らくアウトソーシングす ることになる保健指導の施設にも、運動をやるということをもっともっと強調しておか なければいけないのではないかと考えております。  それから、今、御指摘のように運動施設というのは結構あるかもしれませんが、農村 だとか地方に行くとそんなにあるわけではございません。更にポツンと都会の中の県庁 所在地辺りに運動施設があっても、そこでは全く医学と関係のない運動施設、ジムがあ るというのでは、保健指導とかけ離れたものになりかねないのです。しかし折角ですか らそういうところまでも本当にどんどん指導を進めていっていただきたいなという気が しております。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  ほかにございますか。 ○池主委員 今の病気の対応する危険性みたいな話からいくと、いわゆる口腔の問題と いうのはかなりそれをチェックできる要素があるのではないとか。要するに、難度の歯 周病を持っている方とか歯周病の治療をずっとやっている方は、かなりのパーセンテー ジで糖尿病の可能性があるわけです。あとは、その方がかなり早期の段階で、自分で果 たしてそういう生活習慣病に対応できるかどうかという関連は、ブラッシングを一生懸 命やっているかどうかということとかなり関連性があるというデータがありますので、 そういうような取り組みはかなり早期に歯科の方でチェックできる。ですから、残念な がら基本的なチェック項目の中に口腔の問題というのが抜けていますけれども、京大の 方にありますので、これが普及していく段階では、その辺のチェックも是非強調してい ただきたいと考えます。 ○久道座長 ほかにございませんか。 ○酒巻委員 群馬大学の酒巻です。  津下先生が示されたこの資料は非常にすばらしいと思うんですが、もう一つ運動の効 能として、どのようなエビデンスがあるのかというのも、ついでに教えていただければ ありがたいと思うんですが。 ○津下委員 メタボリックシンドロームの方に対しての運動の効能、例えば、DPPだ とか日本でも介入研究の中で運動の週当たり120〜150分程度運動習慣がある方では、 またはそういう介入をした場合には、糖尿病の発症が50%ぐらい抑制できる。勿論、食 事も併せての介入になりますけれども。それから、もう一つ、食事でも運動でもどちら でもいいから体重を落とした者では糖尿病発症が抑制できるとか、さまざまなエビデン スが出ておりますので、特に運動強度が高いものではなくて、3メッツ程度の運動を週 120〜130分行うということの有効性は、かなり確立してきているのではないかと思い ます。  今回エクササイズガイドの中にも内臓脂肪を減らすめたの運動という項目立てに、10 エクササイズを目指すということが記載されておりますが、そのエビデンスが蓄積しつ つあるということだと思いますが、今後日本でもこういうものをたくさん検証していか なければいけないと思っております。 ○門脇委員 DPPだけではなくて、我が国の幾つかのエビデンスでも体重を大体2〜 3kg減らすだけで、糖尿病の発症を60%減らすことができることがわかっていますし、 メタボリックシンドロームのほかの脂質や血圧についても、かなり著名に改善するとい うことがわかっていますので、私は2〜3kgぐらいの体重でもという、その辺りをまず 患者さんに、あるいは予備群の方に言うことが大事だと思います。その点で、2週間前 に松澤先生が主導される肥満学会で神戸宣言というのを出しまして、そこで3・3運動 というのが提唱されて、それはウエストを3cm減らして、体重を3kg減らそう。これ は非常にそれぐらいをすると実現可能だという感じがしますし、極めて顕著なアウトカ ムに対する効果もあるということで、それが今後は非常に大事ではないかと思っていま す。  それから、日常生活の中でできるということがやはり継続の上で非常に大事だと思い ます。階段の昇降について言うと、体重70kgぐらいの方が12〜13段階段を上るだけで、 2kgのバーベルを100回上げたのに相当するエネルギー消費だというようなことがデ ータとして出ています。厚労省でも合同庁舎の中ではエレベーターを使わずに階段を上 り下りしようという運動をされているようで、職員の方がみんな上り下りを階段を使っ てやっていらっしゃいます。そういうことが非常に重要なのではないかと思います。 ○久道座長 3・3運動というのは、もうポピュラーになりましたか。 ○松澤委員 いや、まだ。なかなか。宣言をしたということですけれども、少しは新聞 も取り上げてくれましたけれども、とにかくやれるところからということでの話です。  門脇先生も、先ほどの小山先生がおっしゃったように、フィットネスに行ったりでき る人というのは、今は日本で物すごくはやっていますが、最も行かなくてもいい人ばか り行っているわけですね。家庭の主婦とか、要するに一番多い、恐らく国民栄養調査で もどんどんと体重が下がってきて、メタボリックシンドローム頻度が少ない人らが一番 フィットネスに行っていると。だから、やはり一番血管病の危険率の高い働き盛りの男 性などは行く時間が全くない中で、どうやって運動をさせるかというものも、ジムの問 題とプラクティカルなところでは、そういう具体的な指導をやっていただくということ が必要ではないか。私もテレビを見ながら、家に帰って自転車こぎをするというので、 初めて3年ぐらい続いていますので、やらない人をどうやってやらせるかというのが一 番成功するかどうかの決め手で、真面目な人だけとらえて、結構運動のデータなどは女 性群をとらえてやっているデータが多いんですよね。その人らはもう十分時間があるか ら、筑波大学の先生でも全部女性のやせる運動のデータが出てきますが、やはり本当に やらない人らをどうやってやらせるかというのが今回のあれだと思います。 ○津下委員 済みません、よろしいですか。今の松澤先生の言われた、お忙しい男性の 方々に歩数計をつけていただいて、それをメールでデータを送っていただいて、それで 2〜3週間に一度メールで返事を書くということをやりまして、3か月間で平均3kg以 上。翌年の健診では体重が平均で5%減少しておりました。そういうことで、そういう 忙しい方にする遠隔の方法ということも非常に大事だと思います。  ただ、いずれにしても、そういう遠隔で支援するにしても安全管理の視点では、実際 に運動指導を行っているところの状況を参考にしていただいて、十分にその情報を伝え ていくということが必要だろうと思います。  特に男性は、昔運動していた人は運動してくださいと言うと、いきなり走り出したり だとか、かなり強い運動をやってしまって、ケガをしてやめてしまうというケースもあ りますので、徐々にスタートするというのだということをしっかりとプログラムの中に 入れ込んでいただきたいなと思います。 ○中村委員 行政的な関心なんですけれども、今日、津下先生からお示しいただいた情 報は大変貴重なのですが、この位置付けは今後この参考資料1に出されたプログラムの 中に、例えば9のメディカルチェックのイメージのようなものが盛り込まれていくとい うイメージを持っていいのでしょう。それとも、こういう研究報告もあるので御参考ま でにというような受け止め方でいいんでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 実は、津下先生が出されていますメッツの話とかエクササ イズの話は、実はプログラムの暫定版ができた7月の後の8月に発表されたこともあり ますので、今後これを暫定版の中にどう反映するかどうかということは多分、ワーキン ググループだとかそういうところでの議論になる可能性はありますが、今の段階では決 まっているわけではありません。 ○久道座長 それでは、残っている項目がありますので、前へ進みます。何かありまし たら、また振り返って御意見・御質問をいただきたいと思います。  資料2の2番目、その他の指摘事項ということで、項目が2つほどありますが、これ は先ほど事務局で説明しなかったものですから、今説明いただいて、その後に皆さんの 御意見をいただきます。お願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、資料2の先ほど残しました「2.その他の指摘 事項」について御説明させていただきます。  労働安全衛生法との関係のところでございますが、今回の標準的な健診・保健指導プ ログラムで示されました特定健診の項目案と、現在の労働安全衛生法に基づいて行われ ております事業者健診の項目との間で整合していないところがございます。具体的には、 LDLコレステロールですとか、血清尿酸、空腹時血糖、ヘモグロビンA1C、尿潜血、 血清クレアチニン、眼底検査でございます。  また、質問票につきましても標準的な健診・保健指導プログラムで示された質問票の 項目について、詳細に労働安全衛生法規則では定められていないということでございま す。健診項目がずれたままの場合、要するに、労働者、被保険者に二度の受診を求める ことになり、労働者の方に対しまして、不必要な負担を強いることになります。事業者 と健康保険組合の費用分担を複雑にして、事務手続きも煩雑になるという問題がござい ます。  (2)でございますが、労働安全衛生法に基づく保健指導の取扱いといたしまして、高 齢者医療法において特定保健指導の実施を健康保険組合に義務付けておりますが、労働 安全衛生法に基づく努力義務として事業者が行っている保健指導との関係について、標 準的な健診・保健指導プログラム暫定版に明示されていないということがございます。  このため、このまま放置いたしますと労働者が事業者の保健指導と特定保健指導を2 回受けることになるという問題も出てまいります。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございました。  今、御指摘された項目について御意見いただきますが、この辺りは椎名委員、どうで すか。あるいは峯村委員とか。 ○椎名委員 労安法の健診あるいは保健指導につきましては、安全衛生部サイドの検討 会、和田検討会がスタートしたように聞いております。そこで、基本的に今回の特定健 診・保健指導との整合性というか調和を重点的に、早急に結論を出してもらって、さら に労政審かその辺で、我々の希望としては早目に方向性を出してくれて、健診・保健指 導をきちんと整合した形で事業主からもらうと。基本的に被保険者に関しては。そうい う形を是非早急に、方向性とともに確定した形でお示しいただければありがたいと思い ます。 ○久道座長 事務局は何か把握していますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 これにつきましては、検討会の方に私も出させていただき まして、議論の中に参加させていただいているところでございます。 ○金井労働衛生課長 担当課長の労働衛生課長でございますが、先ほど御紹介がござい ましたとおり、検討会はこれまで2回開催いたしまして、いろいろ検討を進めていると ころなのでございますが、参考資料3をご覧いただければ結構でございますが、開催要 領とございまして、なぜ我々として検討会を開催させたかということも含めて御説明さ せていただきますが、我々といたしましては、標準的な健診・保健指導プログラムの暫 定版が示されたことによりまして、新しい概念であると。その考え方を労働衛生法にど うやって反映させるか、必要があるのかというのを検討しなければいけないと。我々の 労働安全衛生法につきましては、労働者の健康管理を図るという目的があるわけでござ いますが、その手段といたしまして、その結果に基づきまして事業者が就業上の措置を とると。例えば、健康状態に応じて就業制限をするとか、そういったことにも使わなけ ればいけないわけでございまして、その項目がそれらに該当するのかといったことを踏 まえまして、検討会で御議論をいただいているということでございます。  更に、保健指導につきましても、あくまでも生活習慣病の保健指導だけではなくて、 作業環境、労働環境を踏まえた上の保健指導をしなければいけないといったことと、こ ちらの特定保健指導との関係をどう見ていくのかということを総合的に検討していただ くということで、年内には検討会の成案を得たいと考えています。  以上でございます。 ○久道座長 年内に出るんですか。 ○金井労働衛生課長 そういうことで委員会にはお願いしています。 ○久道座長 わかりました。  ほかに何かございませんか。 ○水口委員 指摘事項のところが、我々保険者としては最も懸念しているところで、二 度手間というのは是非回避していただきたいというのがお願いです。何回かこの委員会 でもあるいはもう一つの実施方策のところでも、事業者健診と今度の保険者の行う健診 との関連について御質問等も出ていたと思うんですけれども、どうも健診項目を完全に 一致させるのは難しいというようなお話だったように思いますが、健診項目を一致させ ることは難しくても、こういうやり方はできるのではないかと。つまり、両方の項目を 網羅したようなメニューをつくって、いずれの実施の段階でも保険者が委託を受けるか、 あるいは逆のケースもあると思いますが、いずれが実施しても両方の要件を満足できる ような、そういうメニューをつくることはできるのではないかと思いますので、是非そ ういう観点から御検討をお願いしたいと思っております。 ○久道座長 ほかにございますか。 ○小山委員 現場の人間としてちょっと申し上げたいのは、地域における健診をやった ときには普通は、先ほどの千葉や、ほかの所でもありましたように、そこには保健師さ んがおって、後のフォローをよくやってくれている。「よく」まではいかないかもしれま せんけれども、やっているんですが、労安法の問題は健診のやりっ放しがほとんどなん ですね。ですから、是非、保健指導の面を強調しておきたいと思います。健診項目につ いては、今おっしゃったような意味では、みんなですり合わせながら二度手間するよう なことはしないようにしようということは当然できると思います。だけれども、後の保 健指導をちゃんとやってもらわなければいけない。というのは、どちらかというと今ま での事業所健診あるいは労安法の健診というのは事業主の責任でやるものだから、受け る労働者の皆さん方は大変受身なんです。だから、受けなければいけないということで、 しようがないから受けようという感じで受けているので、自らの努力が非常に少ない。 事業所健診を受けていて、病気が見つかる場合もあるかもしれません。その場合は病院 に行けと言えば簡単でしょうけれども、我々の今度の問題はそうじゃないわけですから、 そういう人たちをどうきちんと指導していくかというのは、大企業ならともかく中小企 業、零細企業の問題をどうするかというのが非常に大きな問題だと私は思っております。 小規模事業所では健診すら受けていない所も多いのですから。 ○久道座長 今の小山委員のおっしゃった話は、次にやろうと思った項目になりますの で、早速資料4の説明、労働安全衛生法における保健指導の取扱いについてを説明をお 願いいたします。 ○勝又保健指導室長 それでは、資料4をご覧いただきたいと思います。「労働安全衛生 法における保健指導の取扱いについて」ですが、1番目には、高齢者の医療の確保に関 する法律の特定保健指導の概要ということで取りまとめをしておるところでございます。 メタボリックシンドロームに着目した生活習慣の改善に重点を置いた指導を、この特定 保健指導については行っていくということです。特定健康診査の結果から、保健指導が 必要な対象者については、情報提供レベル、動機付け支援レベル、積極的支援レベルを 抽出いたしまして、保健指導レベルに応じて動機付け支援の場合には原則1回、積極的 支援については複数回にわたって保健指導を実施するということが暫定版に記載されて いるところでございます。  健診結果から本人が身体状況を理解して、生活習慣の必要性を認識して、行動目標を 自らが設定して実行できるように、個人の行動変容を目指した保健指導を行うというの が、特定保健指導の保健指導ということになっているところでございます。  2番目に、労働安全衛生法における保健指導の現在の状況ですが、参考資料6を参照 していただければと思いますが、労働安全衛生法におきましては、常時50人以上の労 働者を使用する事業場では、産業医を選任すること。それから、1,000人以上の労働者 を使用する事業場では、専属の産業医を選任することなどが定められているところでご ざいます。その法律の中では、産業医は健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の 健康の保持・増進に関することと、健康教育、健康相談、その他労働者の健康の保持・ 増進を図るための措置に関することを行うということになっております。  労働安全衛生法上は保健指導につきましては、事業者の努力義務ということになって おります。大企業等の一部におきましては、産業医や保健指導によりまして健康支援が 行われて、個人の行動変容を促す取り組みも一部では行われているというような状況で ございます。  また、当然のことなんですけれども、産業医の資格を取得する上での研修等につきま しては、現在のところ特定保健指導を念頭に入れて作成されたような研修はないといっ た現状がございます。  3つ目に論点ということで書いてございますが、1点目といたしまして、今後、医療 保険者が行う保健指導の実施に当たりましては、事業所において既に効果的・効率的な 保健指導を行っている産業医とかあるいは保健師等が行っております保健指導を、医療 保険者のアウトソーシング先として活用するということは有効ではないかというのが論 点の1つ目でございます。  2つ目は、その場合には産業医が実施する保健指導の内容が特定保健指導の内容を含 む必要があるのではないかということでございます。  3点目は、事業者が労働安全衛生法に基づく健康診断結果以外の健康情報を入手する 場合については、本人の同意が必要であることなどを踏まえまして、アウトソーシング を受ける場合のルールをこれから明確にしていかなければいけないのではないか考えて おりますので、よろしく御協議いただきたいと思います。 ○久道座長 この御説明を受けてもなお、小山委員からは先ほどの意見があるという話 ですよね。  内田委員、産業医の関連で何かありませんか。 ○内田委員 これは私の担当ではなくて、今村委員が出ているんですけれども、別のと ころです。やはり実際に健診を受け、あるいは保健指導を受ける方の利便性というのを 最大限に重視してあげなくてはいけないと思いますので、二度手間になるようなことは 絶対に避けていただきたいというのが第一でございます。  それから、産業医の範疇にとどまるのではなくて、今回の健診保健指導にのっとった 指導内容というのを、先ほどおっしゃったような形でしっかり実施していただくという ことが必要になってくるし、そのような環境を職場の中で整えるということを周知して いただかなくてはいけないと思っております。 ○久道座長 何かほかにございませんか。  二度手間になる項目の整理は可能ですよね。どうなんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこのところをこれからまさにどういう工夫、いろいろな ことも含めていろいろと調整・調和をしていく必要があるのではないかと思います。 ○久道座長 それが一番大きな課題みたいで、それだけはやってくれという希望ですよ ね。受ける人もそうだし、事業主もそうですよね。  ほかに何か。 ○松澤委員 労災の予防給付の問題は、もっと盛り上げるのでしょうか。あれはつくっ た割にはというか、現時点でどれくらいあれを基に予防医学がなされているかという評 価というものは、どの程度されているのでしょうか。 ○久道座長 どういうことですか。私はよくわからないんですけれども。 ○松澤委員 この労働安全法に基づく健診で、肥満度が25以上で高脂血症、高血圧、 糖尿病と4つそろった層で、死の四重奏という形で労災の予防給付、労災保険から完全 に全部出して、いわゆる精密検査、第二次健診というのを全部やっていただくと。申請 すればそれができて、血管のチェック、頚動脈、それから、心エコー、いろいろな詳し い血液データ、保健指導、健康指導を1か月に1回カバーする、それが労災。これは恐 らく2001年4月に法律化された世界で最初のメタボリックシンドロームの予防医学で、 これは世界に誇るべきだと思いながら、それをどれくらい使ったかといろいろなところ に聞いてみても、面倒くさいから、さっきのやりっ放しということと少し近いですけれ ども、いっぱいそういう対象があるのに、必ずしも受けられていない人がたくさんおる と。 ○久道座長 数値はわかっているんですか。 ○松澤委員 数値は出てくるからどこかではわかると思うんですが、それが意外と使わ れていないというのが、東京都のデータとか東京都ですら余りそれを使っていない。だ から、そこらとの整合性というか、それはまさしく究極のメタボリックシンドロームの 予防医学です。ですから、また少し調べていただいて、検討していただいたらと思いま す。 ○久道座長 労働衛生課長さん、何かありますか。 ○金井労働衛生課長 御指摘のお話は、恐らく労災関連法に基づきます特定健康診査の 話だと思うのでございますが、御指摘のように、現在の暫定指針に基づいた特定健診と 似たような項目であるというのは認識しております。これにつきましては、労災補償部 というところが担当しておりまして、当然我が方も安全衛生部としては労災補償部の方 に特定健診の情報とかお伝えしているところでございまして、労災補償の方で対応につ いてはお考えになっていらっしゃると理解しております。御指摘の点につきましては、 労災補償部とも相談しまして次回のこの検討会に出せるものがありましたら出したいと。 これは労災補償部との相談結果によりますが。  以上、お答えいたします。 ○久道座長 ほかにございませんでしょうか。全体を振り返ってまた、御意見をいただ いても結構ですが、よろしいでしょうか。 ○池主委員 先ほどの私の発言に関連するんですけれども、1つ大事なことを忘れてい まして、一番ポピュレーションアプローチとの中で、本当に必要な方がやれないという 問題が先ほど指摘されていましたけれども、どんなに不真面目な人でもやらなければな らん問題として、やはりかむことと肥満の関係というものを重要視していただきたいと 思います。これは肥満の対応としてもかなり確立された方法だと聞いておりますので、 その辺を重視していただければ、相当な不真面目と言っては悪いけれども、健康に余り 関心がない方もそういう意味では取り組みやすい課題ではないかと考えております。 ○久道座長 余計かめばということですか。 ○池主委員 そういうことです。 ○久道座長 何かいい表はないですかね。 ○池主委員 やはりかむことと、昔フレッチャリズムというのがあったんですけれども、 そういったような問題とどこかで関連して、我々もそれを考えていきたいと思っており ます。 ○久道座長 ほかにございませんか。 ○漆崎委員 先ほど運動のところで、これはかなりスポーツジム等でのことが書かれて おりますけれども、実際には市町村の保健指導で地域を受け持っている活動があって、 かなり地域でのポピュレーションアプローチが重要な役割を果たしてくるのではないか と思っているんですけれども、それにつきましても、この表の11ページを見ていただ きたいと思うんですが、アスレチックジム利用者の年齢別リスク分類というのがありま して、アスレチックだけではなくて地域ですと、もっと体力とかかなり弱い方が出て、 運動を課することが大変重要ではないかと思うんです。そういう意味で、年をとった方 が始めるに当たって、最初から無理をしてしまって筋肉を傷めてしまうというようなこ とも、結構地域では聞いているので、その辺の細かい地域で生かせるような何かを考え ていただければというのを先ほどからちょっと思っていたんですが、いかがでしょうか。 ○津下委員 高齢者の場合は、介護予防のプログラムが出ておりますけれども、その中 でも虚弱ではなくて、一般高齢者でどのような段階を踏んで運動を勧めていったらいい かとか、そういうような教材だとかマニュアルづくりというのは今あちこちで進んでい ると思います。どちらかというと、高齢者は「けがをしたら大変」みたいな感じで、余 りやらないようなところもあるんですけれども、積極的にどのように動いてもらったら 安全で無理がなくて、そして、痛みが少なくてやっていけるか、いろいろな取り組みが 出てきているところです。宮地先生の方もされていると思いますけれども、私どもも地 域で使えるものを御紹介していきたいと思っております。健康度が低い人はちょっとや ればすごく体力が上がる。高い人ほど激しいトレーニングをやらないと上がらないとい うのがあるので、低い人ほど効果が出やすいと私たちは思っていますので、体力の低い 人が楽しんでやってもらえるようなプログラムづくりというのを頑張って研究していき たいと思っています。 ○漆崎委員 そうしますと、地域で社会資源をうまく利用して、国民運動化ではないで すけれども、その辺が発展できると思いますので、よろしくお願いいたします。 ○宮地委員 運動、運動ということで、かなり運動という言葉が使われるんですけれど も、運動という言葉を使うと、何か余暇時間に特別な機会に着替えて何かをやったり、 汗をかくようなことというイメージがあるんですけれども、新しくできましたエクササ イズガイドにも書いてありますように、身体活動だとか生活活動という概念がございま して、お年寄りがその家庭の中でやる日常的な生活に必要な活動等を増やしていくとい うことでも、十分に減量だとか、あるいは生活習慣病の予防等の効果があるということ が最近わかってきておりますので、余りがっちり構えて運動をやるぞということだけで はなくて、生活の中の活動量を増やしていきますよということを、やはりこういった言 葉の使い方の中で、一つ運動に加えて生活活動、運動支援に加えて生活活動支援、そう いったような言葉を受けていただく方も、指導する側も、そういった考え方があるんだ ということを徹底するような書きぶりというのを工夫していく必要があるかなと思って おります。 ○水嶋委員 関連してなんですけれども、ポピュレーションアプローチは複数の個人に 対するアプローチというよりは、環境づくりでございますので、生活活動のレベルアッ プというのは安心で安全なまちづくりが基盤だと思うんですね。先般、埼玉県で大きな バイパスの裏道になるようなところを保育所の子どもたちが多数車でひかれてしまった という悲惨な事故がありましたけれども、健康づくりの基盤はまず都市計画あるいはま ちづくりから入るべきじゃないかというのが、一つポピュレーションアプローチに関連 しては思っております。つまり、安心して、お年寄りが自分のペースでも歩ける道がき ちんとあるかどうかですね。自分の家の前が県道・国道で、ビュンビュンといろいろな 車がある中で歩きなさいと言われても無理なわけなんですね。ですから、これは衛生部 局マターだけではなくて、やはり市町村、更に首長さんとかも御理解いただいて、健康 づくりは基本は健康なまちづくりであるといったところも御理解いただかないと、国民 健康の推進にはなかなか難しいのかなと。一部のスポーツジム屋さんだけ繁盛しても、 お金と暇がある人だけしか行かないわけですので、裾野を広げるためにはそういった視 点も重要かなと思っております。 ○小山委員 ほかのワーキンググループで御議論なさっているのかなと思っております が、今度の事業を成功に結びつけるための一番大きなキーポイントは、お金の話だと思 っているんですが、これは保険者の皆さん方も幾ら金がかかるんだろうかということを 考えていらっしゃるでしょうし、それを実施に当たってアウトソーシングを受けようと いう人たちがたくさんいらっしゃるわけです。そういう人たちが幾らの仕事として事業 は成り立つのかなと思っていらっしゃると思うんです。これはどこかで検討されるので しょうけれども、例えば資料1でやっていらっしゃる千葉とか富山、福岡での試みで保 健師さんたちの人件費を含めた経費はどうなっているのでしょうか。地域の保健師さん たちですから、自分たちは別個に町や村から給料をもらっている保健師さんたちがやっ ているわけですから、金が掛かっていないのかもしれませんが、本当にしたらどれらく い保健指導に金が掛かるのかというものの実証みたいなものは同時に出してもらえるん でしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 実は、富山県が保健指導も健診と同じ北陸予防医学協会に 委託しております。それから、福岡県の場合は保健指導を外の例えば福岡県対がん協会 ですとか、結核予防会に委託しておりますので、そういうところの実績もですが、ただ、 保健指導はいろいろな組み合わせがあるものですから、一概にこれでいろいろなものが できないと思っていますので、その辺のところは関係の部局とも調整をさせていただき たいと思いますが、多分、保健指導の場合はいろいろなバリエーションがあるものです から、なかなかその辺は難しいのかなと思っております。 ○久道座長 でも、調べられる範囲でいろいろデータを集めて。 ○矢島生活習慣病対策室長 そうですね。少なくともこの準備事業の関係はいろいろと またデータをお願いすることは可能かと思います。 ○久道座長 少なくとも人件費は掛かるだろうと思うんですよね。  ほかにございませんか。押野委員、何かございませんか。今日は栄養の話は出ません でしたけれども。 ○押野委員 栄養士会では、これまで先生方からいただいた標準的なプログラムを参考 にして、研修を積み重ねています。前回までの検討会では、小山先生初め、量と質が大 事だというお話をいただきましたので、まず、研修を3つステップという形でやって、 研修では、この検討委員会の先生方のお力を借りながら研修のステップ2、ステップ3 というふうにして、全体をわかる研修、それから、企画・計画の研修、効果的な保健指 導をするための研修というふうに段階を踏んでいこうと思っています。そして、今日の テーマにありました運動についても、今週末運動についての研修を進めていこうと思っ ています。まず第一ステップの研修を東京と大阪会場で先般行いまして、1,000名の管 理栄養士が受けた。そして、来年度はその人たちが核になって都道府県でやっていただ く。そういうような歩みをしているところです。 ○久道座長 どうもありがとうございました。  ほかにございませんか。 ○中村委員 今、費用負担のお話が出たので、ちょっと関連でお聞きしたいんですけれ ども、この保健指導は原則無料でやるという前提でお話が進んでいるんでしょうか。そ れとも、保健指導を受けられる方はそれなりの自己負担をとられる可能性はあるのでし ょうか。 ○梶尾医療費適正化推進室企画官 高齢者医療法におきましては、健診と同様に保健指 導につきましても自己負担を求めることができるという話でございますので、一応、自 己負担がある前提で考えたいと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。  今日は、標準的な健診・保健指導プログラムの暫定版を実際にモデル的に実施してい ただいたところの実施状況を報告していただいて、更に、そこで出てきた主な指摘事項 を皆さんに議論していただきました。大変貴重な御意見も出ましたし、それから、事務 局を通じていろいろ資料を集めていただきたいという要望もございましたので、その辺 りを整理して、次回ににまた議論いただくという形にしたいと思います。暫定版を最終 的には決定版にしなくてはいけませんので、そういう作業自体を次回にすることになろ うかと思いますが、この辺りの予定とかスケジュールについて、事務局から何かありま したらどうぞお願いいたします。  ちょっとお待ちください。 ○椎名委員 先ほどの件以外のことで幾つかお尋ねしてよろしいでしょうか。事務局に 幾つか教えていただきたいのですけれども、まず、冒頭に矢島室長さんの方から参考資 料1の9ページ、タイムスケジュールについて御説明があったわけですけれども、平成 18年度現在、3県で準備事業をやっていると。平成19年度に全保険者においてこの事 業の準備となるわけですけれども、例えば、来年度の予算で何らか準備事業的なものを 具体的な形で概算要求しているのかどうか、その辺をまず一つ教えていただきたいと思 います。  あと、暫定版プログラムの34ページ、35ページで健診データ等の電子化についてで すけれども、フリーソフトを研究班で作成して配布すると。この辺の進み具合といいま すか、おおむねいつごろこのフリーソフトが配布されるのか、その辺を教えていただき たいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず、標準的な電子フォーマットのフリーソフトの件は、 今日は大江先生がいらっしゃっていますので、近々インターネットで情報を公開できる レベルのところまで来ていると承っているんですが、もし……。 ○久道座長 では、大江先生どうぞ。 ○大江委員 ソフトウェア自体は現在の資料に基づいたものは完成しておりまして、今 年モデル事業、準備事業をされている3つの県に対してはお配りできる状況にはなって いて、まだパスワードの発行とかはできていないので、これは事務局と来週ぐらいに相 談しないといけないというところまで来ておりますが、今年、準備事業に参画されてい ない方々への配布をどのような方法で、いつの時期にするかは、事務局と相談させてい ただいた上で行いたいと思っています。それから、ソフトウェア以外のいろいろな技術 資料、例えば、それぞれの保険者さんのところでかかわっておられるソフトウェアハウ スが必要とするような技術資料については、現時点でホームページに載せておりますの で、既にダウンロードしていただけるようになっていまして、サイトについては事務局 から必要なところにはお知らせしていると思っています。 ○矢島生活習慣病対策室長 それから、1点目の御質問ですけれども、平成19年度に すべての保険者において標準的な健診・保健指導プログラムに沿った準備をお願いした いということでございます。このところ予算もまさに今、準備中のものもあるので的確 に申し上げるレベルではないのですけれども、今の段階ですと、例えば、健保組合さん の部分について準備事業を行うということであるならば、多分そこの部分はそれぞれの 健康保険組合さんにお願いする形になるのではないだろうかと考えております。 ○椎名委員 特に概算要求していないと。平成18年度みたいな、これは都道府県に対 する国の補助事業ですよね。こういう形では要求していないという意味にとってよろし いのでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 ちょっと難しいのですが、県に対して今、我々は予算のい ろいろな知財措置も含め、いろいろと詰めさせていただいている段階でございますので、 今の段階で明確にこういうものが準備できていますということは、まだお話しできるレ ベルにはないということでございます。 ○久道座長 詰めているということだそうです。  これで今日の議論は終わりにしたいと思いますけれども、是非ともという方はいらっ しゃいますか。今日言わないと忘れてしまうという。  それでは、事務局にお返しいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 今後の日程でございますけれども、後日日程を調整させて いただきまして、お知らせさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたし ます。 ○久道座長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。  どうもありがとうございました。