第3回 企業年金研究会 資料2
平成18年11月27日


確定拠出年金法制度改正に関する要望

<一部抜粋>



平成18年11月27日
日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社



目次

1. 確定拠出年金制度の普及に向けて
(1) 拠出限度額の引き上げについて
(2) 個人型年金加入者資格要件の緩和(第三号被保険者への適用拡充)について
(3) 公務員の確定拠出年金制度への加入について
(4) 脱退一時金の支給要件緩和について
(5) 退職手当制度からの資産の移換について
(6) 特別法人税の撤廃について

2. 関係機関事務処理効率の向上に向けて
(1) 原簿記載事項の一部項目の引継廃止及び保存期限短縮について
(2) 原簿記載事項の一部項目の保存年限設定について
(3) 基礎年金番号の取扱について

3. 自動移換問題の解決に向けて
(1) 法第83条の個人別管理資産の移換先について
(2) 現存する自動移換者に係る諸規定の整備について

4. その他(諸規定の整備について)
(1) 企業型年金資格喪失者の氏名・住所等の申出について



1. 確定拠出年金制度の普及に向けて
 確定拠出年金制度は、法律施行から5年が経過し、企業を取巻く雇用環境・雇用形態の急速な変化や退職給付制度見直しの動きも伴い、大企業から中堅中小企業に至るまで着実に浸透しております。
 今後とも企業年金制度の枠組における選択肢の一つとして健全に発展し、制度の普及・浸透を着実なものとするためには、制度そのものの魅力をより一層高めていくことが必要不可欠であることから、下記事項につきご検討をお願いしたい。

(1) 拠出限度額の引き上げについて
将来の年金受取額を充実させ、確定拠出年金制度を年金制度の選択肢としてさらに有効な制度とすべく、その拠出限度額の引き上げを行って頂きたい。

(2) 個人型年金加入者資格要件の緩和(第三号被保険者への適用拡充)について
現状、個人型年金に加入できる者の範囲が第一号被保険者および第二号被保険者(企業年金等対象者を除く)に限定されているが、第三号被保険者についても個人型年金への加入が可能となるようにご検討頂きたい。

(3) 公務員の確定拠出年金制度への加入について
現行法制において加入が認められていない公務員についても確定拠出年金への加入資格を認めて頂きたい。

(4) 脱退一時金の支給要件緩和について
脱退一時金に関しては、平成17年10月施行の政省令で支給要件が緩和されたが、更なる支給要件の緩和を行って頂きたい。

(5) 退職手当制度からの資産の移換について
退職手当制度からの移換については、移行年度の翌年度から起算して3〜7年度以内に各年度に均等に分割して行われることとなっているが、退職手当制度からの資産の移換についても一括移換を選択的に認めて頂きたい。

(6) 特別法人税の撤廃について
特別法人税の早急な撤廃をご検討頂きたい。


2. 関係機関の事務処理効率の向上に向けて
 確定拠出年金制度は、運用関連運営管理機関・記録関連運営管理機関・資産管理機関・商品提供機関等の複数の関係機関によりその制度が運営されているところであり、また、個人毎の資産・記録を取り扱うことから、他の制度との比較において複雑な事務処理を要するものと思っております。
 そのコストが結果として事業主または加入者等が負担する事務費に反映されるとすれば、将来的には制度普及の妨げになる懸念があるため、関係機関が実施する事務については加入者利益を侵害しない範囲内で制度全体から見て負担が少ない方向に誘導するべく、下記事項につきご検討をお願いしたい。

(1) 原簿記載事項の一部項目の引継廃止及び保存期限短縮について
施行規則第15条第1項第5号の「運用指図の内容および年月日(「運用指図の履歴」)」について、移換時における当該項目の移換先RKへの引継を不要とする取扱として頂くとともに、当該項目の保存期間を短縮して頂きたい。

(2) 原簿記載事項の一部項目の保存年限設定について
原簿記載事項のうち「拠出履歴」「給付履歴」「事務費負担履歴」「移換履歴」「制度移行に伴う移換履歴」について、原簿への保存年限を設定して頂きたい。

(3) 基礎年金番号の取扱について
企業型年金加入者等原簿および個人型年金加入者等帳簿において「基礎年金番号」を原簿事項として頂きたい。


3. 自動移換問題の解決に向けて
 現行法制上、法第83条の移換に該当する者が6ヶ月間移換手続を行わない場合には、その個人別管理資産は国民年金基金連合会へ移換のうえ管理されることとなっているが、連合会にて管理されている期間は資産の運用ができず将来十分な年金額を確保できなくなる他、加入期間に算入されないため支給開始年齢が本来の60歳から最長5年遅れる可能性があります。
 自動移換者の増加は制度上の大きな問題と考えられ、今後の自動移換の発生を防止するとともに、現存する自動移換者について早急に規定を整備するべく、下記事項につきご検討をお願いしたい。

(1) 法第83条の個人別管理資産の移換先について
今後の自動移換者の増加を抑制するために、法第83条に規定する「その他の者の個人別管理資産の移換」について、6ヶ月経過後の移換先の個人型プランを予め企業型年金規約に定めることを可能として頂きたい。

(2) 現存する自動移換者に係る諸規定の整備について
今後表面化することが予想される自動移換者に係る諸課題に対応するべく、以下の法制面の整備を行って頂きたい。
 (1) 個人別管理資産が消滅した自動移換者の記録の取扱(法附則第3条第5項の準用)
 (2) 自動移換者が70歳に到達した場合の取扱の明確化(法第34条の準用)
 (3) 自動移換者が氏名又は住所を変更した場合の通知義務の規定(施行規則第14条第1項の準用)


4. その他(諸規定の整備について)
 制度の運営を行う中で、法令の諸規定が実際の運営面と適合しないことが懸念される事象が発生しております。これらにつき早期にご改善頂きたい。

(1) 企業型年金資格喪失者の氏名・住所等の申出について
企業型年金資格喪失者について、直前に加入していたプランの企業型RKに対する氏名・住所変更の通知義務を規定して頂きたい。


以上

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