連絡先
 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当  林(内線3803)
 永田(内線3807)
 電話  03-5253-1111(代表)
 03-3595-2171(直通)

平成18年11月13日

厚生科学審議会科学技術部会
第17回がん遺伝子治療臨床研究作業委員会・
第10回小児免疫不全疾患遺伝子治療臨床研究作業委員会
合同会議

議事概要


1.  日時    平成18年11月10日(金) 10:00〜12:00
 場所  厚生労働省 専用第20会議室(中央合同庁舎第5号館 17階)
2.  出席委員  笹月委員長
 浅野委員 上田委員 衛藤委員 金田委員 北川委員
 濱田委員 早川委員 吉倉委員
 (参考人)
 国立医薬品食品衛生研究所 山口生物薬品部長
 (事務局)
 厚生労働省 林研究企画官 永田主任研究官 他
3.  議事概要
 概要は以下のとおり。

   今般、国内でレトロウイルスベクター遺伝子治療臨床研究の実施が承認されている各実施施設(注1)から、前回合同会議(平成17年3月8日開催)(注2)以後の経過、染色体へのベクター組込み部位の解析結果、海外におけるレトロウイルスベクター遺伝子治療の実施状況等が報告されたことから、再度審議が行われた。

 まず、レトロウイルスベクター遺伝子治療に対する日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)遺伝子治療専門家会議の見解について参考人から説明を受けた後、筑波大学附属病院及び東北大学病院の遺伝子治療臨床研究の担当医師から、当該実施施設の報告内容についてそれぞれ説明を受けた(注3)。
 引き続き、委員間で、国内で実施が承認されているレトロウイルスベクター遺伝子治療臨床研究を含めた国内外のレトロウイルスベクター遺伝子治療の現状の確認及び国内における今後の取扱いについて審議が行われた。

 主な審議結果は、以下(1)及び(2)のとおり。

 (1)  国内のレトロウイルスベクター遺伝子治療臨床研究において、すでに遺伝子治療が実施された症例の解析は適切になされており、現在までのところ遺伝子治療に起因する安全性上の問題は認められていないと判断された。
 検査・観察内容も含めて、被験者の追跡調査体制は現時点では十分であると考えられるが、今後も長期間にわたって研究実施体制を存続させ、被験者の追跡調査を行うとともに、それぞれの遺伝子治療臨床研究のリスク/ベネフィットに関する評価を最新の知見に基づき定期的に実施するよう各実施施設を指導することとされた。
 また、国内において、新規の安全な遺伝子治療用ベクターの開発研究が積極的に実施されることが重要であることが指摘された。

 (2)  フランスX連鎖重症複合免疫不全症(X-SCID)遺伝子治療と同一のベクター及び実施計画を採用している東北大学病院のX-SCID遺伝子治療臨床研究に関して、今後も保留を継続するとの実施施設からの報告について、妥当であると判断された。
 他の3実施施設の各遺伝子治療臨床研究に関して、今後も実施を継続するとの報告について、いずれも妥当であると判断された。

 以上の審議結果は、次回の科学技術部会に報告することとされた。

 注1:  国内では、癌研究会有明病院、筑波大学附属病院、北海道大学病院及び東北大学病院にて、それぞれ実施が承認されている。
 注2:  フランスで実施されていたX-SCIDに対するレトロウイルスベクター遺伝子治療において、全11例中、遺伝子治療に起因する白血病がこれまでに3例報告されている。この3例目の発生を受けて、平成17年3月に厚生科学審議会科学技術部会がん遺伝子治療臨床研究作業委員会・小児免疫不全疾患遺伝子治療臨床研究作業委員会合同会議が開催され、国内で実施が承認されているレトロウイルスベクター遺伝子治療臨床研究(注1)の現状の確認及び取扱いについての審議が行われた。
 注3:  癌研究会有明病院及び北海道大学病院からの各報告内容については、事務局から説明された。

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