06/10/23 ホームレスの実態に関する全国調査検討会第3回議事録 第3回ホームレスの実態に関する全国調査検討会 厚生労働省社会・援護局 第3回ホームレスの実態に関する全国調査検討会 議事録 日時:2006年10月23日(月)14:00〜15:27 場所:厚生労働省共用第7会議室 出席者:  委員   岩田座長、森田委員、安江委員、山口委員、山田委員、古屋委員、駒村委員、   阿部委員  行政担当者   中村社会・援護局長、藤崎課長(地域福祉課)、島村課長補佐(地域福祉課)、   北条室長(職業安定雇用開発課就労支援室)、   金井政策企画官(国土交通省総合政策局政策課)、   長田課長補佐(国土交通省住宅局住宅政策課)   吉田補佐官(法務省人権擁護局人権啓発課) 議事:  1、開会  2、議事    (1)ホームレスの実態に関する全国調査の内容等について    (2)その他  3、閉会 配付資料:  資料1 ホームレスの実態に関する全国調査実施要領(案)  資料2 ホームレスの実態に関する全国調査票(生活実態調査票)(案) ○岩田座長  それでは定刻になりましたので、第3回ホームレスの実態に関する全国調査の検討会 を開会いたします。どうもきょうはありがとうございます。よろしくお願いいたします。  初めに、委員の出席状況について事務局よりお願いいたします。 ○島村課長補佐  本日は大橋委員が業務の都合により御欠席というふうに伺っております。なお、阿部 委員におかれましては、業務の都合で若干おくれているという状況でございます。 ○岩田座長  それでは議事に入ります。過去2回のこの検討会でいろいろとおつくりいただきまし て、そして前回の御議論で修正したものを一度皆様方にお送りして、また御意見をいた だくというような作業をいたしまして、きょうは最終的に修正案が出てきております。  まだ完全に皆様方の意見を全部吸収できているわけではありませんので、その点をき ょうは議論しまして、できれば最終案ということでお決めいただくと大変ありがたいと 思います。  それではまず事務局から、今回で最後になりました調査票について説明をお願いいた します。 ○島村課長補佐  それでは最初に本日の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。  本日配付させていただいた資料は、資料1が全国調査の実施要領、資料2が生活実態 調査票、最後に一枚紙で、参考資料という形で、自治体ホームレス対策状況(案)とい った表をつけております。もし資料に不足等があればお知らせをいただきたいと思いま す。  それでは資料の御説明をさせていただきます。初めに資料1、調査実施要領をごらん いただきたいと思います。実施要領につきましては、前回に御意見をいただいておりま すように、調査対象に偏りが生じないというようなことに留意をしていただきたいとい った旨を、より明示する形で修正を加えさせていただいております。  2ページ目のホームレスの生活実態調査の項目のハのところでございますが、ここで 偏りが生じないように留意して実施をしていただきたいという修正を加えております。 また、調査員に対しても、事前に十分な準備を行って調査に当たっていただきたいとい うお願いをしているというところであります。その他、若干の字句修正を行っていると いうのが資料1の調査実施要領でございます。  続けて資料2、生活実態調査票について御説明をさせていただきます。資料2につき ましては、前回の第2回の検討会で御意見をいただいておりますので、それを踏まえま して事務局案を修正いたしております。その修正したものについて、委員から御意見を いただいておりますので、それを書き加えたものを提出させていただいております。  それでは全体を通して説明をさせていただきたいと思います。まず1ページの問1、 問2については、前回提出したものと変更しておりません。  また、問3、問4の野宿生活の期間の質問でございますが、これについては期間の聞 き方について修正をさせていただいております。区分されたカテゴリーの期間を選択す るのではなく、具体的な期間を実数で切った方がよいという意見がございましたので、 聞き方を修正いたしまして、具体的な期間を聞くという形に修正させていただいており ます。  また、路上期間につきましては、路上期間を聞く問を3問設定していたところでござ いますが、これを2問に整理しまして、初めての路上生活はいつごろなのかという問と、 ホームレス対策施策等の関係から、今回の路上期間についてはどのくらいなのかという ことを確認する必要があるということで、今回の路上期間の2問を聞くことに整理させ ていただきました。  それから問5につきましては、病院施設のほかに自立支援センター、それからシェル ターについても選択肢を追加したということで修正をしております。  問6につきましては、選択肢の運輸日雇いのところに、運搬作業、引っ越しなどの例 示を追加して修正しております。  問7の収入につきましても、実数値という形で修正しております。  問8の仕事以外の収入については、選択肢を加えまして、収入の内容として、年金、 それから家族からの仕送り等、選択肢を加えさせていただきました。  次に問10でございますが、前回の検討会の中で、食事等の状況等について聞くこと が必要ではないかという御意見をいただいておりますが、調査手法上、本人の苦労等に ついて聞くといった質問も必要ではないかということでございましたので、ここで困っ ていることということで質問をすることとしております。  4ページ目は問11からで、ここは路上生活までのいきさつの部分になりますが、前 回の検討会の中でも地域移動についての御議論がいろいろとありましたので、今回の整 理としましては、ホームレスになる直前の状況と、住んでいた地域、それから最も長く やっていた仕事の状況と住んでいた地域、さらにホームレスになってから生活場所を変 えたことがあるかといったことについて確認をするという形で整理しております。  問13につきましては、選択肢を若干修正しております。  問19についても選択肢の修正を行っております。  問21についても同様に選択肢の修正を行いました。  続きまして9ページの健康状態でございます。ここは前回の検討会の御意見を踏まえ まして、歯の病気などの選択肢の修正と、入院歴について確認するという修正を加えて おります。  11ページは福祉制度でございますが、問28では聞き方の整理をさせていただいてお ります。まず相談員に会って相談をしたことがあるかないか、それから、そもそも会っ たことがないといった形で整理させていただきました。  問29のシェルターについても同様に、知っていて利用したことがある、ない、それ から知らないという形で整理をしました。  問30の自立支援センターについても同様に、知っていて利用したことがある、ない、 それから知らないといった形の選択肢にしております。さらに利用の希望についても確 認をすることといたしました。  また、センターの退所理由につきましては、前回の御議論の中で住居の関係について 御議論がありましたので、就労の退所に当たってどのような形で住居を確保したのかと いった観点を加えた選択肢の修正を行っております。  また、期間については、ほかの問と同様に、具体的な期間を聞くことにしたというこ とでございます。  それから路上生活に戻った理由につきましては、選択肢の中に、いわゆる雇用契約の 問題からみずからやめたといった選択肢を追加しております。  13ページの生活保護の関係でございますが、生活保護につきましては、選択肢の中 のドヤというものはアパート等とは違うという御意見がありましたので、選択肢は別に 修正をさせていただいております。  問32には、その他対策についての利用も確認するということにしております。  14ページの自立についての問では、問33で、今のままでいいということについて、 理由を具体的に書き込んでいただくということで選択肢の中に書いていただくというこ とに修正しております。  問34と35でございますが、これも前回の御議論の中で、いわゆる就労か、あるい は住居かという御議論もございましたので、ここで住居に関する問を設定して確認する といった形で整理をさせていただきました。  それから36から42までは仕事の関係ですが、ここでは前回の御意見を踏まえまし て、具体的な職業の区分ですとか、名称といったあたりの選択肢の修正を加えておりま す。  それから43から45につきましては、住宅の情報につきましても字句の修正を行っ ております。  18ページの生活歴につきましては、問48で親族の有無といったことを追加しており ます。  それから49の年金につきましては、年金の種類、それから期間について確認するこ とを追加しております。  問50−1では借金について具体的な金額を確認することにいたしました。  問51では学歴確認の問を追加しております。  最後の自由記入欄でございますが、これは行政に対する要望・意見ということで、確 認することといたしております。  以上が生活実態調査票についてでございます。  最後に参考でございますが、ホームレス対策について自治体向けの調査ということで つけさせていただいております。これは概数調査でホームレスの存在が確認された自治 体について、数の動向でありますとか、独自のホームレス対策の実施状況等につきまし て、実態調査とは別に、自治体に対して調査を行いたいというふうに考えております。 これにつきましては、内容をさらに精査した上で、自治体のホームレス対策の状況を確 認するといった視点から調査を行いたいというふうに考えているものでございます。  資料につきましては以上でございます。 ○岩田座長  ありがとうございました。きょうの検討は資料2が中心になると思いますが、資料1 と参考資料について、まず何か御質問なり御意見はございますか。 ○森田委員  最後の参考資料ですが、これは、対象市町村は今どのくらいになっていますか。 ○島村課長補佐  概数調査でホームレスと確認された調査と考えておりますので、前回の調査でホーム レスの存在が確認されたのは581市区町村となっております。今回、その数がどのよ うに動くかはちょっとわかりませんが、大体同程度なのかというふうに思っています。 ○森田委員  先ほどの御説明ですと、前回に確認された市町村に対してとおっしゃったのですが。 ○島村課長補佐  失礼しました。今回の実態調査で概数調査を行って、そこで数が確認されたというこ とです。済みません。 ○森田委員  わかりました。 ○岩田座長  よろしいでしょうか。 ○森田委員  はい。結構でございます。 ○岩田座長  それでは資料2の方に移りますが、よろしいでしょうか。  では大きな数字のIの方から御意見をいただきたいと思いますけれども、Iについて は、設問の修正の御意見が青で書かれているところがまだちょっとありますが、まず問 1、問2は修正なしですからよろしいですね。  問3は、そのまま期間を書くということでこのような形にしましたけれども、よろし いでしょうか。  週というのは書きやすいでしょうか。例えば何日と入れるのと、何週間と入れるのと、 どちらがいいでしょうか。 ○山田委員  何日の方が答えやすいかもしれません。 ○岩田座長  そうですね。多分、週という感覚はないですね。 ○森田委員  ないですね。 ○岩田座長  ここは日とした方が、多分日本人の感覚に合うと思います。そうすると、問3と問4 はこの形ですけれども、1カ月未満は何日としてもらって、仮に週でお答えになったら 日にち換算にしていただくということで。  それから問4の問いかけ方ですけれども、「または路上生活の方が多くなってから」 は、このまま入ったのでしょうか。青に入ったものは入ったものということですか。 ○島村課長補佐  入ったものです。 ○岩田座長  それではこれでいいですね。安江さん、これでよろしいですか。 ○安江委員  私は、「または路上生活の方が多くなってから」というものを、初めて路上生活をす るのと、路上生活者と自分を規定するような感覚を持つようになった、路上生活の方が 畳の上の期間よりも多くなったというのは、問3の方の初めての路上期間の方にやって、 問3が路上期間で、問4が今回というほうがわかりやすいかと思いまして、私もよくわ からないですが、ややこしいかと思いまして、そういう案はどうかなと思ったのですが。 ○岩田座長  そうですね。初めてというのが、オイルショックのころとかの昔だった人も出てくる 可能性がありますね。 ○安江委員  はい。そのころにしたことがあるという人が寄せ場にはいるとは思います。 ○岩田座長  あるいは問4の括弧もとっちゃって、調査員に野宿生活は何かというふうに聞かれた 場合に、多くなってきてからですというふうにしておくかですね。確かにこれはなかな か難しいですね。 ○藤崎課長  座長、済みません。設問は各委員にお願いしたもので、各委員のものは反映されてい ません。 ○岩田座長  はい。どちらがいいでしょうか。前はこれが入っていますね。これは大阪調査以来、 ずっと入れていますね。 ○森田委員  はい。 ○岩田座長  そしたら設問の中からはとっちゃって、どこか問3か問4の近いところに、注のよう な形で、調査員に喚起するような意味で、行ったり来たりがある人の場合は、路上生活 をするというのは路上生活が多くなった時点から数えてもらうというようなことを入れ てもらって、どうせこれは面接員が見て調査するわけで、回答者が見るわけではありま せんよね。ですから調査員がわかればいいですよね。そういった処理でいかがでしょう か。  それでは問5ですけれども、問5の中に、選択肢の4、保護施設に入っていたことが あるというところがありますが、保護をとってしまった方がいいのではないかという御 意見ですが、施設に一時的に入ったことがあるということにしますか。  大体、宿泊所などを施設だと思っていますか。 ○森田委員  みんな思っていますでしょう。 ○安江委員  思っていますね。 ○岩田座長  そうですか。それでは保護をとった方がいいですね。施設にということで、病院と施 設を分ける。それでは問5の選択肢の4の「保護施設に」を「施設に」としましょう。  問6は修正なしですね。  問8ですけれども、これは収入の内容の1、2、3、4の3、友人からの支援を、友 人知人にした方がいいのではないかということですね。友人というのは余りぴんとこな いですね。 ○安江委員  そうですね。私も、もっといい言葉、知人とかそういうふうにしか言わないと思いま したので。 ○岩田座長  それでは友人知人としておけばいいですね。ここは表現だけですね。  続いて問10ですけれども、一つ選んでくださいという選択肢に今回はしたのですが、 前のときは当てはまるものを全部書くと。阿部委員の御意見がちょっと下にありますが、 食事についての旧問をとってしまっているので、食事の設問を復活するかどうかという 問題と、一つではなく重複させておいて、特に困っているものは二重丸というやり方を して、幾つというものと、特にというものと、両方を後で伝えるようにしておいて、そ れで生活の困窮度とか、困窮度の種類の両方を別々にクロスの柱にすることができると いうような感じではどうですか。 ○阿部委員  私がちょっと思ったのは、一つだけ選ぶというふうにしてしまうと、その中の食べ物 ですとか、寝る場所ですとか、寒さですとか、どれが何%というシェアを聞いてもそれ ほど意味はなくて、それよりも、それぞれがどのくらいの頻度で起きているのかという 方がより重要かと思います。そうすると、複数回答可にして、その中で一番重要なもの に二重丸をつけるという方法でやっていただければ、両方わかると思います。 ○岩田座長  そうすると、余り重複させてもしょうがないと。 ○阿部委員  重複というのは。 ○岩田座長  みんなつけてもらってもしょうがないと。 ○阿部委員  困窮がある場合には全部に丸をつけてもらって、その中で特に一番というものがあれ ば二重丸などをつけてもらった方がいいのではないかと思います。 ○岩田座長  それではそうしましょうか。そうすると、可能性として幾つかの分析ができる可能性 が広がりますね。全体で質問が50以上になってしまっていますので、食事については とってしまっていますが、よろしいですか。 ○阿部委員  はい。 ○森田委員  ちょっと工夫しないと、調査員でも忘れてしまうかと思います。全部選んでいただい て、特に大事なものをまたそこで選んでくださいと。 ○岩田座長  そこをよく注意する。 ○森田委員  よく注意しておかないと、調査員ミスが起こってしまいますので。 ○岩田座長  そうですね。調査の後にチェックは入らないと思います。 ○森田委員  入りません。大学でやる場合には必ずチェックしますけれども。 ○岩田座長  それではこの後に、一つ選んでくださいというところを、当てはまるものをすべて選 び、特に困っているものに二重丸をしてくださいということを書いて、アンダーライン でもして、調査説明会のときに。 ○森田委員  はい。 ○岩田座長  それから選択肢の追加の御意見が出ています。一つは、山口委員の方から、3につい ては寒さだけではなく、雨なども入れた方がいいという御意見です。雨や寒さをしのげ ずつらいということですが、これはそうしましょうか。「雨や」としておけば、雪や風 も入るということになりますね。  それから安江委員の選択肢ですけれども。 ○安江委員  精神的に怖いとか不安とか、こういうこともどうかなと思って。結構よく聞く気持ち ですので。 ○岩田座長  割合即物的といいますか、何がこうだということ以外に、もうちょっと精神的な問題 ということですね。 ○安江委員  はい。どうかと思いました。 ○岩田座長  では5と6を一緒にしてもいいですね。 ○安江委員  はい。何か精神的な面で落ち込むとか、そういうことで一つにまとめて。 ○岩田座長  そうですね。どういうふうに書いたらいいでしょうか。その他を6にして、5として、 余り細かく多くなっても、後で関係することが問52に入っていますので、厳密には5 と6は違うだろうとは思いますけれども、通行人や管理者だけではなく、ホームレス同 士のいざこざなどもあって、怖がっているということはありますよね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  何かその不安感を聞けばいいですね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  それでは文言としていい案がありましたらちょうだいできればと思います。これは路 上生活で困っているということなので、将来不安とかそういうことではなくて、ともか く危険を感じたり、怖いとかそういうことですね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  路上で暮らすということ自体が怖いとかそういったことですね。 ○安江委員  はい。そういうことが出ればいいなと思いました。そういう気持ちはあるかと思いま したので。 ○岩田座長  通行人や管理者にとがめられるのが怖いというふうに限定しないで、周囲の人の目と いうふうにでもしておきますか。 ○安江委員  周囲の人というのはいいですね。 ○岩田座長  それではこの文言についてはまた後で御意見があればお伺いします。ここはもう一つ だけ追加して6問にすると。 ○森田委員  岩田先生のおっしゃった、ホームレス同士のトラブル、いさかいに対する警戒感とい うのはやはり必要だろうと思います。 ○岩田座長  分けた方がいいですか。 ○森田委員  分けた方がいいですね。 ○岩田座長  そうするともう1問ふえますね。 ○森田委員  まあ選択肢ですから。 ○岩田座長  そうですね。 ○山口委員  管理者の方が巡回等をしていた場合に、夜間などに声かけをするといったことが行わ れた場合には寝ることができないとか、そういう実態があるのかなと。そこまで管理者 が徹底して声かけをしているのかというところはここに入っているのですか。 ○安江委員  そうですね。 ○岩田座長  そこにいてはいけないと言われるのではないかと。 ○安江委員  はい。そこにいられなくなる不安です。とがめられること自体もそうですが、夜の間 に屋根のあるところにいたいと思ってもいられなくなる不安というつもりだったのです が。 ○岩田座長  それは2と関連させてもいいかもしれませんね。 ○安江委員  そうですね。 ○岩田座長  寝る場所が探せないとか、寝る場所を探すことが大変で、とがめられることが怖いと いうふうにしてもいいですね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  もう一つは、ホームレス同士のいざこざがあって嫌だとか、そういうのを入れると。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  それでは、Iでまた何かありましたら後で御発言いただくとして、IIの方に進みます がよろしいでしょうか。 ○中村局長  今のお話で、6番の孤独というのはどうなったのですか。 ○安江委員  6番は、孤独というか、精神的な……。 ○中村局長  それは残すわけですか。 ○安江委員  2番が「苦労している」で、そこに……。 ○岩田座長  「とがめられる」を入れればいいですね。 ○安江委員  そうですね。それで、危険とかそういうものは2番の方に入れるとして、孤独は入れ た方がいいと私は思いますが。 ○岩田座長  どうしましょうか。選択肢ですから一つくらいふえてもいいかと思いますが、入れま しょうか。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  それでは「一言も口をきかない日もあり」と入れるとどうかですね。入れなくてもい いかもしれませんね。 ○安江委員  長く、くどく書いていますので、孤独で通じると思います。 ○岩田座長  「孤独だ」としておきますか。 ○中村局長  「孤独であり不安だ」でよろしいですか。 ○安江委員  はい。 ○中村局長  はい。 ○岩田座長  そうするとここは随分豊かになりますので、阿部委員にはこの辺で少し工夫していた だければと思います。  それではIIの方に移ります。こちらは先ほど御説明があったように、幾つかの変更を 既にしてありますが、路上生活の直前と再就職のときの状況があって、7ページの問 19の主な理由の中に追加の御意見があります。これは既に黒く書いてある理由にも修 正がかかってはいますけれども、さらに追加があります。4番目の、労働環境が劣悪な ため仕事をやめた、または人間関係がうまくいかなくて仕事をやめたというものも入れ てはどうかということです。 ○安江委員  はい。仕事をやめたというのは、1、倒産や失業、2、仕事が減った、3、仕事がで きなくなった、そして4番で仕事をやめたというのがきていて、それでいいと思ったの ですが、その仕事をやめる理由というのは、労働環境が劣悪とか、雇用主の都合といっ たことももちろんたくさんありますけれども、話を聞いていると、人間関係がうまくい かなくてというのも、人事やそういうことで労働環境に入れてしまえばいいかと思うの ですが、御本人たちの言い方だと、自分がいろいろとぶつかってやめたということをよ く言いますので、理由として、労働環境が劣悪なためと入れるのであれば、理由が二つ になって、結論は仕事をやめたということで同じですが、違う理由としてもう一つ、人 間関係がうまくいかなくてということを入れたらどうかと思いました。 ○岩田座長  そうすると、それは、「または」として入れるよりは、05にして一つずつ送った方が いいですね。 ○森田委員  その方がいいですね。やはりここでは純粋に雇用条件だとか仕事の内容などの労働環 境に絞っていただいて、あとは人間関係とした方がいいと思います。 ○岩田座長  では05として、人間関係がうまくいかなくて仕事をやめたということを入れて、一 つずつ送って、選択肢を15にするということでよろしいでしょうか。 ○山田委員  契約期間満了で宿舎を出たというものがありますが、これもそういう意味では、今は 派遣などほとんどが有期雇用で、またお金がなくなったら路上に戻るというパターンも 結構見受けられますので、そういう意味ではこれもやはり必要ではないでしょうか。 ○岩田座長  もう一つあるわけですね。失礼しました。下の方が居場所になるわけですけれども、 その中に、契約期間満了で宿舎を出たということをつけ加えるということですね。 ○山田委員  アパートの人もいますが、派遣労働などは特に期間ですし、期間雇用が多いですので。 ○安江委員  アパートというのは借り上げアパートのことですか。 ○山田委員  いえ、一般的ということです。 ○安江委員  自分で借りているアパートですか。 ○山田委員  そうです。それも含めて。 ○岩田座長  その場合は、家賃が払えなくなったという方に入れようということですが。 ○山田委員  そうでした。そうすると、やはり宿舎を出たという方がいいですね。 ○岩田座長  そうすると、家賃が払えなくなったという次に、契約期間満了で宿舎を出たにしまし ょうか。家賃を払えなくなったアパート等というふうにした方がいいかもしれませんね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  そして、家賃が払えないというのはいろんな状態で払えないわけですけれども、こっ ちの場合は自分で家賃を払っているわけではなく、会社が払っていて、その宿舎を出た という意味ですね。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  そうすると、ここは16になりますね。失礼しました。  次のページの問20ですが、これは山口委員からの御指摘がありまして、この辺もな かなか難しいのですが、路上の直前ではなく、路上生活になってからどういう地域移動 があったかということを聞こうということで、地域移動を全部聞ければいいわけですが、 これは複数あり得る可能性がありますが、全部を追いかけていくと大変なので、このよ うな聞き方でいかがでしょうかということです。「場所以外」としたわけですね。「以前 に」というふうにしてもいいと。「今の場所に来る前に」の方が、表現としてはいいで しょうか。来る前に、どこか別の場所で路上生活をしていたことがありますかというこ とで、ある、なし、ということを聞いた後で、それが同じ市区町村なのか別の市区町村 なのか、別の都道府県なのかということを聞こうということです。そうすれば、東京、 大阪への流入がどうなっているかということがわかると。 ○山田委員  これは住民票がどこにあるかといったことはなかったでしょうか。 ○安江委員  なかったです。 ○山田委員  大阪での巡回相談の記録を見てみますと、住民票の有無についても、どうもきちんと 把握しているみたいで、例えば住民票は東京や名古屋にあるとか、福岡にあるとか、そ れを把握していたら、移動経路について、職歴などのいろんなものを含めて出てきやす かったのですが。 ○岩田座長  聞くなら徹底的に聞かないと意味がないんです。住民票もいろいろですから、わかる 人とわからない人があり過ぎると思います。 ○山田委員  どこに住んでいたかを聞いていけば同じことだろうとは思います。 ○岩田座長  今の路上生活場所に来る前に、別の場所で路上生活をしていたことがありますかとい うことにしますか。そうすると、ある、ない、ですね。そして、あると答えた方はと。 それで、どうして来たかということがわかるということで、これで大分いろんな疑念が 晴れるのではないかと思います。  それではIIについてはよろしいでしょうか。  次にIIIの健康状態ですが、ここは問24に、うつ病ということを入れてはどうかとい う御意見があるわけですが、それはいかがでしょうか。これをいれると1個ふえて、 10番がうつ病となって、その他を一つずつ送るということになります。 ○古屋委員  私どもも大分内部で議論したのですが、なかなかこういうことに相手の方々が答えて いただけるものなのかどうかというところがやはりどうなのかということがありまして、 内部で検討しましたけれども、余りはっきりした答えは得られないのではないかという ことだったのですが、どうでしょうか。 ○安江委員  それは私も思いましたけれども、路上の無料医療相談会などで、病状の説明は御本人 も見ますので、それにうつ症状とよく書かれていて、うつと診断されたということは認 める人も結構おりますし、確かに自分はうつなんかじゃないと言いつつ、大変不眠など を訴えているような人もいますけれども、答えてもらう、選択肢に入っているというこ とで、路上の世界が結構浮かび上がるかなと思って。正確には答えてもらえないかもし れないですけれども。 ○岩田座長  この問24は、そもそもどこかで診断されたことのある人が当然答えるものだと考え てつくっています。そして問26が自覚症状です。ですから、もしもここでうつという ふうに丸がつく場合は、どこかでうつと言われている人がいるということですよね。 ○安江委員  はい。うつでも精神科に通院している人もおりますし。 ○岩田座長  いますね。それで、これは何かこういうものをつくって選択肢を見せるんですよね。 だからそんなに大きな問題にはならないと思います。 ○駒村委員  診断されたことがあると、ここにはっきりと書かなくてもいいのですか。 ○森田委員  明記しておかなくてはだめですね。持病というと、腰痛などにも丸をつけてしまいま すから、どこかで診断を受けたと。 ○岩田座長  これは、どこかでお医者さんに言われたことがあると。 ○安江委員  24の問はそういう意味ですね。はい。 ○岩田座長  持病としなければいいかもしれませんね。次のような病気があると診断されたことが ありますかとか、その方がいいかもしれません。 ○安江委員  そうですね。それならはっきりします。 ○岩田座長  本当は、26がもっと本格的にやれれば、うつの診断が自動的にできるのですが、ア メリカなどではそういうやり方をしていますね。ですが、非常に簡易的ですから、26 でわかるというものでもないですけれども、通常こういうことをやるということで。  問27までいかがでしょうか。  それではIVの福祉制度のところですが、巡回している相談員は巡回相談員というふう に限定した方がいいですよね。こないだの話では腕章をつけているといったことがあり ましたが、そういうことを書いておく必要はないですか。それは質問者がわかっていれ ばいいでしょうか。相談員というと、支援団体やボランティアが行くこともありますが。 ○安江委員  いろんな立場の人が巡回していますね。 ○岩田座長  だから、巡回相談員に会ったことがありますかの方がいいかもしれませんね。括弧し て腕章と。巡回相談員は腕章をしていますから。  12ページの問30−4のところで選択肢の追加の御意見があります。会社の寮、住み 込み等による就労退所、アパートを確保した人の就労退所という、一度福祉の援助を受 けて就労自立した人がなぜ路上生活に戻ったかという選択肢の中に、生活の面で失敗が あったというものと、ギャンブルやお酒で失敗したという二つを入れてはどうかという 御意見です。  これは、前の設問が仕事上のトラブルに限定されているので、生活面でうまくいかな いということがあったのではないかという御意見ですが、入れておいた方がいいかもし れませんね。 ○安江委員  少数ですけれども、自立支援センターからアパートへ入って路上生活に戻っている方 の聞き取りをしたことがあって、そのときに、携帯でメールをやり過ぎたとか、サイト に行き過ぎて経費がかさんでしまったとか、それから大家さんとうまくいかなかったと か、大家さんにいろいろと注意されて、それが嫌だったから、アパートを出て仕事もや めてしまったとか、もちろん仕事がほとんどでしたけれども、生活面での失敗というも のもあったので、選択肢に入れておいてはどうかなと思ったのですが。 ○駒村委員  生活面と、ギャンブルやお酒を分ける必要はありますか。一緒でもいいのではないで しょうか。 ○安江委員  そうですね。 ○岩田座長  一緒にした方がいいですか。 ○安江委員  はい。余りに細か過ぎますね。 ○岩田座長  ギャンブルやお酒は、言う人と言わない人がいますしね。言う人は積極的に言うけれ ども。  それでは1個だけにして、生活面で失敗があったというふうにしましょう。 ○安江委員  はい。 ○岩田座長  あと、山田委員の方から、問31の、これまで生活保護制度を利用したことがありま すかという問を、役所に相談に行ったことがありますかという問にしてはどうかという ことですが、これは問をふやすということですね。 ○山田委員  そうですね。細かくふえるとぐあいが悪いからもういいかとも思ったのですが、全体 的に巡回相談員の方の記録を見ますと、病院やいろんなものを含めて、何らかの形で一 たん生活保護に乗っかった方が結構多いので、そこについてはちょっと細かく聞いてお く方がいいのかなと思いました。  ですから、福祉事務所などの役所に相談に行ったことがありますかということで、あ る、ない、あとは、相談に行ったが何もしてもらえなかったというか、相手にされなか ったというか、そういうケースが地方などでは特に多いのではないかと思いまして、そ のあたりの実態も含めて把握するにはいいかなと思いました。  ただ、行ったが利用したことはないではなく、行くにはみんなそれなりの覚悟を決め て行っているわけですから、そこでしゃくし定規の対応をされてがっかりしたとか、あ きらめて野宿に至るパターンが多いのではないかと思います。 ○岩田座長  そうしたら、冬場の路上での調査なので、問をふやすというのも相当大変だろうと思 いますから、生活保護制度の利用ではなくて、むしろ行政に相談に行ったかということ にして、選択肢のところに生活保護の利用を入れておくという形で、今の山田委員の御 意見を入れるというのはいかがでしょうか。  いつかということは余り細かく聞けないかもしれませんけれども、例えば問31を、 これまで役所に相談したことがありますかというふうに山田委員からありまして、ある、 相談に入ったけれども特にサービスを利用したことはない、ない、として、今後相談に 行く意思はありますかで、ある、ない、ですね。そして、あると答えた方は、役所から どういう制度やサービスを利用しましたかというようにして、この選択肢を入れるとい うような感じになりますかね。そうすると生活保護だけではないので。  ただ、その前の問30などとごっちゃになるでしょうか。 ○山田委員  もう一つは、野宿している方は、生活保護制度といっても、どういった制度があるか ということをほとんどの人が詳しく知らないと思います。だから、漠然と生活保護制度 といっても確かにしんどいだろうと思います。  また、野宿する前に相談に行って、しゃくし定規で対応されて野宿に至った人、また、 野宿に至ってから相談に行った人とか、本当は細かく聞きたいのですが、そうもいかな いでしょうし、もうちょっとそのあたりがどういう現状なのか把握できればというふう に思いました。 ○岩田座長  生活保護だとはっきりするわけですけれども、そうすると、前のものをはじいておか なくてはならなくなりますよね。そこがちょっと厄介かと思います。 ○山田委員  巡回相談事業に関連して、巡回相談員との絡みで大体展開してきていたので、むしろ 生活保護制度の……。 ○中村局長  今の御提案ですけれども、31の生活保護の話であれば、ある、相談にいったが利用 したことはない、あるいは3として、相談に行ったが利用を断られたとしておけばいい んじゃないですか。 ○山田委員  それであれば、断られた理由くらいはちゃんと……。 ○中村局長  だから、3、断られた、4、ないということでいいんじゃないですか。相談に行って、 いろいろと説明を聞いて、やっぱり利用しないという人と、それから、説明に行って、 あなたは働かなくちゃだめだと断られたと、そっちでしょう。  しゃくし定規かどうかはわからないけれども、せいぜいそういうふうにしていただけ ますか。  そして、断られた方にもし必要があれば、31−1のように、また行くか行かないか としておけばいいわけでしょう。 ○山田委員  はい。 ○中村局長  おっしゃっているのは、生活保護を受けたいけれども断られた人の実態がわからない ということなので、断られたかどうかが明記されればよろしいわけですよね。 ○山田委員  そうですね。あとはその内容ですね。理由といいますか。 ○中村局長  理由は千差万別になっちゃうから。いいですよ、理由は。でも基本的には行政が答え るのは、あなたは保護基準に該当しないということだと思いますね。 ○山田委員  もう一つは、野宿する前に切迫して行った状況と、野宿してから行った状況の二つく らいに分けて確認ができればいいかというふうに思ったのですが、それはちょっと難し いでしょうか。 ○岩田座長  そうすると、やはりふやさないとだめですね。 ○中村局長  それはもっと前の方ですよね。だってこれはホームレスの人に聞いているわけだから、 ホテル代、ドヤ代が払えなくなったと、そのレベルで聞かないとだめですよね。そのレ ベルで生活保護に行ったかどうかということをお聞きになるということをおっしゃって いるわけですよね。 ○山田委員  そうですね。だから、野宿に至る直前に行ったかどうか、あるいは野宿してからも積 極的に行っているかということも。どこかで出てくるかもしれませんけれども。 ○安江委員  野宿する前に行ったかどうかを聞きたいのはどうしてですか。何かを浮かび上がらせ ようということですか。 ○山田委員  生活保護制度を利用したことがありますかということだから、実際に知らない人も多 いし、あるいは行ってもだめだろうということで行かない人もいると思います。  ただ、確かに局長がおっしゃったことくらいで、それなりには読み取れるかと思いま す。 ○岩田座長  それと、これまでというのはもともと非常に漠然としています。保護歴を聞いている ような聞いていないような感じです。  ですから、問31−2の選択肢も、5番のように「かって」というのが入っていて、 「かって」というのは相当長い「かって」です。  だから、非常に漠然とした設問です。だから、例えばこれまでというのを、生活が苦 しくなってからと書いたとしても、生活保護制度ですから漠然とするのですが、しかも 一遍自立支援センターなどに入って出たという話も聞いた後で聞きますから、野宿を始 めてからといっても長い人もいるわけです。行ったり来たりということも含めてですね。  ですから聞くのが大変難しいところなので、これまでとしておいて、今のところは一 つふやして、1、ある、2、相談には行ったが利用しなかった、3、相談に行ったが断 られた、4、ない、としておいて、2、3を問32に進めて、あるの人については31− 2に行って、ここで「かって」や「アパートで」などが入りますよね。  だから、これはほかの項目とクロスをかけて、多分、私の体験上、かってというのは、 もしも若い人がキャッチされると出てくるかもしれない。 ○安江委員  子供時代にですね。 ○岩田座長  若いホームレスの人ですね。だけど、あとは、ここはそう出てこないかなと思ってい ます。この選択肢の1から5のところで類推していくしかないかなと。  さもなければ、あとはインタビューのような形で細かく聞かないと、こういうアンケ ート調査ではなかなか細かいことは出ないということではあります。いかがでしょうか。 ○安江委員  福祉制度もこのアンケートの中では大きな柱の一つで、その利用状況を聞くことが目 的といいますか、私などは、生活保護というのは、受けたらそれで路上生活から脱却で きる制度というふうに、自立支援事業とは違って、そういうふうに考えていますので、 生活保護を利用してもまた野宿生活をしている人がいるのかいないのかを知りたいから この設問があるのかと思ったのですが、それだけではないかと思いますけれども、ほか の制度と違って、生活保護というのは再路上しないのが前提と考えられているけれども、 やっぱり野宿になった、生活保護を利用したけれどもまた野宿に戻ることもあるんだと いうことを確かめるための設問かと思ったのですが、そうでもないのでしょうか。 ○岩田座長  生活保護自体は、生活保護を一度受けたら絶対受けないという制度ではなく、何度で も利用可能ですよね。むしろ、どういう形態で生活保護を受けたかという方が大きいか なと私は思います。  例えば特に1ですね。経験を持っているこのタイプが一番多い可能性があります。た だ、これは自覚していない可能性もあります。だから、むしろ生活保護の形態です。通 常は4のような形態になるわけですけれども、ホームレスに関しては1、2、3という 形態がむしろ主流なわけですね。そういう形態の方の効果という方が大きいかと思いま すが、いかがですか。 ○安江委員  わかりました。 ○岩田座長  ただ、余り出てこない可能性もあるので、東京、大阪の方は、この辺はどうでしょう か。 ○山田委員  かなりいろんな制度に乗っかってやっていて、シェルターにしろ、自立支援センター というのはそうですが、特に保護施設とか病院等々は何度となく利用して、また路上に 戻ることを繰り返すというパターンがかなり多く見受けられるので、だからどうするん だということもありますが、もう一つは、実際になぜ保護が廃止になったのかも含めて わかったらいいかと思って、対処の方法が何か見えてくるのかなと思ったりはしていま す。 ○岩田座長  単純にいえば、保護制度を利用したかしなかったか、さっきのように、行ったけど断 られたのか自分でやめたのかということがわかればいいのですが、さらに形態がわかる と、ホームレスの場合の保護のかけ方が非常に特殊ですから、むしろその特殊の方の… …。 ○山田委員  だから全体としては、自立支援、就労自立にいろいろと自立支援センターはやってい るのですが、もう一方で、やっぱり3分の1というか、もうちょっと多いかもしれない けれども、これは就労自立よりも福祉の領域で、いわば既存の福祉施設を利用してぐる ぐる回っているだけの人も結構多いので、そのあたりの層がきちんと浮かび上がると、 また別個の支援策というものも講じやすいのではないかというふうに思いました。その あたりで、数的に何か見えたらいいかなというふうに思いました。 ○岩田座長  それと、この辺は地域差などがかなりあると思います。  それでは31は、1、ある、2、相談には行ったが利用しなかった、3、相談に行っ たが断られた、4、ない、というふうに修正しまして、あとは問32に新しい2と3が 行くという形での修正ということでよろしいでしょうか。 ○山田委員  はい。 ○岩田座長  それではVの自立というところですが、問34の選択肢に、施設というものを追加し てはどうかという御意見があります。問34の選択肢の中にもちょっと修正があります けれども、これは文言も含めていかがでしょうか。ここに5を入れて、1個ふやすとい うことです。 ○安江委員  老人ホームとかそういう施設をイメージしたのですが。 ○岩田座長  高齢の方もいらっしゃいますからね。 ○安江委員  はい。 ○山田委員  これはグループホーム的なものも入るのですか。 ○安江委員  そこまでは考えなかったのですが、高齢のためにアパートでは暮らせないので、施設 に入りたいという人はいると思いました。 ○岩田座長  そうですね。  この田舎に戻りたいというのは私が言ったのかもしれませんけれども、田舎という言 葉は今でも大体通じますか。 ○安江委員  通じます。 ○岩田座長  年齢的に通じますよね。 ○安江委員  はい。 ○駒村委員  例えば、家族と住みたい、家族の家に住みたいというようなものはどこに入るのでし ょうか。 ○安江委員  実家じゃないでしょうか。 ○岩田座長  それが3のイメージです。 ○駒村委員  実家に入るということですか。 ○岩田座長  そうじゃないものもありますね。半分は離婚組ですから。 ○森田委員  田舎と実家とは違いますね。 ○岩田座長  ちょっとおかしいですね。家族のもとに戻りたいにしますか。そうすれば両方入りま すね。それでは3は家族のもとにということに。家出している人もいるし、追い出され た人もいますから。 ○森田委員  はい。 ○岩田座長  では、3は家族のもとに戻りたいにすれば、親元なのか、あるいは奥さんのところに 帰るという両方が入りますので、そうしましょう。 ○駒村委員  私は余り地方都市を調べたことがないのですが、地方都市は案外そちらの出身の方が 多いという印象を受けています。そういう意味では、自分が生まれ育ったところという 意味の田舎と、実家、家族はちょっと分けた方がいいと思います。 ○岩田座長  それでは3の文言はそのように修正して、施設を追加するという修正です。  ここは既にいろいろと御意見をいただいておりますので、あとは大きな修正はありま せん。Vはそれでよろしいでしょうか。  それではVIの生活歴に移ります。これも既に御意見をいただいたように修正しており ますので、かなりいろんな点が出ていると思います。年金、家族の問題、家族の連絡、 借金、学歴などが入っていますので、大丈夫だと思います。 ○山田委員  49は公的年金ですか。ただ年金でしょうか。 ○岩田座長  公的年金ですね。 ○山田委員  公的というふうに特定するわけですね。 ○岩田座長  はい。何か信じられない種類が出てくると困るけれども、相談員の人に一応ひな形な どを持ってもらった方がいいかもしれません。大抵は、相談員の人もわかっていなくて、 聞いたとおりを書いてくるので、後でどうしていいかわからなくなりますね。 ○森田委員  問46の出身地はどこですかですが、例えば子供のときに福岡県にいて、物心ついて からは東京に来ているけれども、出身地は福岡県だというイメージを持っている人もお られるでしょう。 ○岩田座長  出身地については、中卒のときというような話がありましたよね。 ○森田委員  はい。大阪調査はそれでやりました。 ○岩田座長  前のときは、ただ出身地と聞いたんですよね。社会学の方は、今はもう中学卒業時点 でどこにいたかということが通常ですけれども。 ○山田委員  さっきの話ではないですが、そういう意味で住民票や本籍を追う方が早いかと思いま す。本籍は結婚などで後から設定できますから別ですが、例えば私であれば大阪市に置 いていますが、実は名古屋に置いていてこっちへ来たというような過程がもし見えたら、 それが出身地になるのか、例えば岐阜県生まれで、主に若いときから名古屋で働いてい て、そこでいよいよ食えなくなって大阪に来た、東京に来たという場合の出身地は、岐 阜になるのか名古屋になるのかちょっとわからないでしょう。 ○岩田座長  だから、出生地という意味と本籍地という意味と両方がありますね。 ○山田委員  職歴のところで、主に働いていたところはどこですかとする方がいいのか、直前に住 んでいた地域はどこですかとか、どこかにありましたね。 ○岩田座長  だから地域は随分聞いているんですよね。もしかすると、あえて聞かなくてもいいの かもしれません。やめましょうか。それとも、一応前のもあるから念のために……。 ○山田委員  ただ、傾向がよく出るんです。例えば出身地がどこかというと、カの場合はやっぱり 近畿圏内です。かといって、東京、愛知もそれぞれ一定の割合でおりますし、そこら辺 の人が移動してきて、その人の親元はどこかというと、また地方とかいろいろなものが あるわけですから、野宿するまでに生活していた地域がかなり占めているわけですから。 ○岩田座長  いや、それはもう聞いています。 ○森田委員  私が聞きましたのは、学校と職業との接点、この移動を聞くために、中卒というのを 一つかけました。 ○岩田座長  聞くとすれば、中学を卒業した時点でいた場所が一番いいですね。 ○森田委員  そうなります。そうすると、労働力移動として、ある意味で一つのデータになってき ます。 ○岩田座長  そうするか、やめちゃうかですね。前に聞いていますから。 ○山田委員  移動はやはり把握した方がいいかなと思うのですが。  よく、大阪なんかでは、特にいろんな議員先生方から、何でよそ者の面倒を見なくて はいけないのかという話があります。東京だって一緒だと思います。地方から来ている 人間を何で東京で面倒見ないといけないんだと。 ○岩田座長  いや、東京都民の半分は地方から来ていますので。 ○山田委員  それはそうですけれども、実態は、学校を卒業して、東京で就職して、そこで住民票 も設けて頑張っていて……。 ○岩田座長  いや、だから直前に来たのか、路上に至るプロセスの中で、路上生活目当てで来たの か、もっと前からいたのかということですね。それは最長職で大体検討はつきますけれ ども、念のためにもう一つ入れておいて、中学を出たときに東京だということになると、 もう都民と考えていいと思います。 ○藤崎課長  前回の調査の出身地を見ますと、大体その市の所在する都道府県が一番多いですね。 例えば大阪市だと、500のうち大阪と答えたのが111と断トツで、2番の兵庫県が32 ですから、大体出身地というと、その市のある都道府県が多くなっています。 ○山田委員  今やっている調査で調べているものを見ますと、大阪というと大阪府が7割方を占め ます。しかし大阪市内というと30%になってしまいます。だから同じ大阪という場合 でも、大阪市と大阪府を一緒くたに大阪と言いますから。 ○岩田座長  そのくらいの移動はホームレスでなくてもします。それに、当然中心地にはそれだけ の就業場所の集積があるわけですから、ホームレス調査でなくてもそうなる可能性はあ ります。  ただ、そういう比較をしようということであれば、46と書いてありますから、消す までもないとすれば、出身地として、括弧でもして、中学を卒業する場所ということに でもしておきますか。そうすると、かなり地域のことがわかる設計になっていきます。  4時点くらいがわかりますね。出身地、最長職、直前、今いる場所、その前にいた場 所がわかりますから、4時点がわかります。 ○山田委員  それをまたいろいろとリンクさせていけば、全部浮かび上がってきますね。 ○岩田座長  ではそうしましょうか。また、多分出身地というと、大体その辺で答えてくれている 感じですよね。 ○森田委員  大体そんな感じです。 ○岩田座長  今回も一応出身地としておいて、括弧して、中学卒業時点に生活していた都道府県と いうふうにしましょう。  次にVIIのその他ですが、その他のところは、問52で人権に関する事項の項目と、そ れからもうちょっと広い行政への要望というものがあります。  ほかにも全体的に落としてしまったものがあるかもしれませんので、全体的に何か御 意見があればお願いします。 ○森田委員  先ほど座長が何か見せるとおっしゃったのですが、これは我々もよく使いまして、調 査時間をかなり節約できるのですが、その見せるカード形式の問は限定しておかないと、 あちらこちらで調査手法がばらついてしまいます。  だから、もしそうだとしたら、この問と、この問と、この問はカードをつくって相手 に提示すると。そのときにもう一点問題になるのは、相手の読み取り力、それから、そ れだけにかかわらず、調査をする側の解釈の幅がいろいろとある、タームがありました から、それを、ある意味では調査員の説明会は概要のところで書いていますので、その あたりの説明の解釈の幅といいますか、これを例示する形で、ある意味では説明会用の 手引きをつくっておかれるということは必要だろうと思います。用語を限定しておかな いといけないと思います。  例えば、先ほど補った生活ですが、生活というのはどういった面の生活なのか、安江 さんがおっしゃったものもいろいろとありますので、それを例示しておかないと、そこ へ入ってこないんですね。我々はみんなホームレスの実態を知っていますので、これは ここだなという見当がつきますが、調査員はなかなかそれが思いつかないということが あるかと思います。 ○藤崎課長  前回も、マニュアルと、想定問答といいますか、こういう場合はどうだという、聞き 取りがあったら答えるというものを都道府県の会議でお示しして、各県に持ってもらっ ています。 ○森田委員  そうですね。それをぜひ実施していただきたいと思います。 ○岩田座長  選択肢カード化をしてくれというのは、さっきの病気のところとかですね。ただ、仕 事はこのカードでは多分無理なので、仕事については具体的に聞いて、後で調査員の方 が、むしろ当該市の担当の方に分類してもらうしかないですね。  どうしてもわからなかったらそのままにしてくれと言った方がましですね。会社員と いうのはなるべくだめというふうにしていただければ。  そのほかに何かお気づきの点はありますか。 ○山田委員  問31の、生活保護制度を利用したことがありますかはそのままいくんですよね。こ の生活保護制度というのは、質問する側というのはどういったものかわかっているけれ ども、野宿している人というのは、例えば居宅保護くらいのイメージしか持っていない 人が多いです。実際は、救急車で運ばれて治療費を払えない人なども全部医療保護にか かるわけでしょう。だから、それは括弧して項目を入れておいて、こういった制度を利 用した方がありますかという形でやる方がわかりやすいかと思います。 ○岩田座長  生活保護だと、わからないで利用しているかもしれないということですか。 ○山田委員  本人たちは利用しているけれども、生活保護というのは居宅保護くらいにしか思って いない人が結構多いのではないかと思っています。 ○岩田座長  当該本人がということですか。 ○山田委員  そうです。野宿している人です。 ○岩田座長  いや、だから利用していない人はそう思っているかもしれませんけど、利用した人は 少なくとも知っていますよね。 ○山田委員  いや、それでも知らない人がいるのではないかと思います。 ○岩田座長  病院のケースはわからないかと私も思います。 ○山田委員  はい。要するに、質問する側が生活保護の説明をして、こんなものを利用したことは ありますかと聞けばわかるだろうと思います。  一々書かなくても、質問する側にそのあたりをきちんと押さえておいてもらえれば問 題はないかと思いますけれども。 ○阿部委員  生活保護ではなく、福祉にかかったことはありますかという言い方ではだめですか。 ○安江委員  確かに福祉って言うんですよね。 ○山田委員  みんな、よく福祉と言いますね。 ○岩田座長  ただ、アメリカほど福祉といったときに、絶対に生活保護ということは日本ではない と思います。 ○阿部委員  そうですね。 ○山田委員  福祉というともう一つ幅広い概念になってしまうから。 ○岩田座長  利用した人は生活保護の名前は知っていると思います。制度の細かいことは知らない と思いますが。 ○山田委員  名前は知っていると思います。 ○藤崎課長  前回の、座長の言われた1のところを見てみますと、回答は47.8%、ケースの55% 近くが、病院に入院して生活を受けたという回答をしています。287名です。そういう 自覚があるというのは不思議なくらいですが、数は出ています。 ○山田委員  何回も利用している人はわかるだろうけれども。 ○岩田座長  もちろん調査員のマニュアルとして書いておいていただくということはあった方がい いかもしれません。 ○山田委員  調査員がきちんと把握しておけば問題はないかなと思っていますが、ただこれだけが 行ってしまうと、わからない人も結構多いのではないかと思います。 ○岩田座長  それはシェルターなどと言われてもわからないということはあると思いますけれども、 これだけをやっても1時間くらいかかるのではないかと思います。 ○安江委員  かかりますね。 ○岩田座長  相当かかりますよ。 ○山田委員  1時間以上かかりますね。 ○岩田座長  しかも寒い時期に路上ですから。 ○山田委員  ホッカイロをお渡しして。 ○岩田座長  なるべく要領よく、しかしわかりやすくということを説明会のときに工夫していただ くということで。一度やったことがあるので、大分わかっていただけるとは思います。  そのほかにお気づきの点や、ここはどうしてもということはありますか。 ○古屋委員  調査の全体の話でもよろしいでしょうか。 ○岩田座長  はい。 ○古屋委員  実態調査ですけれども、大阪市の場合はおおむね500ということで、今回、1月末 をめどにという形になっているかと思いますけれども、お正月明けということもござい ますし、かなり精力的にやっていかなくてはいけないということで、そういう態勢でや っていこうとは思っておりますが、やはり質問項目も非常に多うございますし、的確な 質問を相手に伝えて回答を得るということもあります。  今回は事前調査を行ういうことですから、そのあたりの精度を上げていくことかと思 っておりますけれども、やはりホームレスの多い都市につきましては、今回のスケジュ ールでは少し厳しいような感じもございますので、そのあたりは多少弾力を持って御理 解いただければと。最終的にはやっていこうと思っておりますが、少し危惧しておりま すので、よろしくお願いしたいと思います。 ○藤崎課長  数が多いところは、できるだけそういう態勢をとっていただくということで、また御 相談に乗らせていただきます。全国集計もできるだけ早目にやりたいので、御協力くだ さい。 ○古屋委員  そういう意図だということは十分わかってはおりますけれども。  また、前回の調査のときには、補完調査ということで、自立支援センター入所者に対 する追加の調査があったかと思います。 ○藤崎課長  15年の1月でしょうか。 ○古屋委員  はい。補完調査をされていたと思いますが、今回は、そのあたりはどんなふうにお考 えになっておられるかと思いまして、お伺いできればと思います。 ○藤崎課長  全国の担当者にお集まりいただく機会がありますから、そのときにまたお示ししたい と思います。 ○古屋委員  はい。よろしくお願いいたします。 ○岩田座長  それでは、おかげさまで実態調査票の方はきょうの御議論で最終的に固まりましたの で、このような形で調査の実施をしたいと思います。  事務局の方から今後のことなどにつきまして御連絡がありましたらお願いいたします。 ○藤崎課長  おかげさまで調査項目を整理させていただきましたので、都道府県への説明会を近々 開きまして、御説明をさせていただきまして、1月実施ということで、また全国集計が できましたら、その分析等についてはまた先生方にお集まりいただいて、この検討会を 再開したいと思いますが、調査項目については一応これで終わらせていただきます。 ○中村局長  今お話がございましたように、各都道府県、市町村の方々に調査をお願いしなければ なりませんので、項目のセットとしてはタイムリミットだというふうに思っておりまし たが、おかげさまできょうまとめていただきました。本当にありがとうございました。  3回の御議論を通じて、我々も実態がよくわからない点があったものを、こういうふ うに聞いた方が実態に即しているとか、あるいは実態からするとこういう項目がいいの ではないかという御提案をいただきましたので、前回の調査でも本当に御苦労をいただ きましたけれども、今回の調査も期待できるのではないかと思っております。  調査につきましては、今、課長から申し上げましたように、できるだけ自治体と協力 し、せっかくつくっていただきましたので、我々の手引きやそういったものも、御議論 を踏まえて、調査をしていただく方にもイメージがわくように努力してまいりたいと思 います。  集計をいたしましたら分析をしていただかなければなりませんので、その際はまた再 開させていただきたいと思いますが、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。あり がとうございました。 ○山田委員  あと一つあるのですが、1回目のときにもおっしゃっていたように、各自治体でいろ んな支援事業をやっているでしょう。それに対する自治体間の報告といいますか、自己 評価といいますか、そのあたりはどうなさるんですか。  国の方から出せという形でやっているところは、毎年出されていますか。 ○藤崎課長  国の事業として実施しているものについては実績として報告を受けますが、そのほか については、先ほどの参考資料でお配りした、自治体でどういう施策をやっていて、そ れがどういう影響があるかということを見てみたいということで、今回は自治体にお願 いしようということで考えています。 ○山田委員  それはまた別途、実施している自治体に全部と。 ○藤崎課長  先ほどの参考資料を各都道府県、市町村にお願いすることを考えています。狭めて1 枚におさめていますが、いろいろと報告をいただけるようにしたいと思います。 ○山田委員  わかりました。 ○岩田座長  ホームレスの数は全般的に減っているというような報告がありますけれども、どうい う減り方なのか、特に新規が減っていて、たまってしまっている人が行かないのか、そ れともこっちは少し動いたけれども、また新規に来ているのかというあたりがとても大 事だと思いますので、調査も、だれをつかまえるかによって、そこがぶれないようにく れぐれもよろしくお願いしたいと思います。  それでは3回にわたりまして御意見をいただき、ありがとうございました。少し早い ですけれども、議事は終わりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとう ございました。 了         照会先          [ホームレスの実態に関する全国調査検討会事務局]           厚生労働省社会・援護局地域福祉課           TEL 03−5253−1111(内線2855、2858)           FAX 03−3592−1459 4