06/10/18 診療報酬調査専門組織       平成18年度第2回DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成18年10月18日(水)14:00〜16:00 (2)場所  三田共用会議所 大会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、          池上直己委員、伊藤澄信委員、柿田章委員、熊本一朗委員、          齋藤壽一委員、酒巻哲夫委員、嶋森好子委員、武澤純委員、          田所昌夫委員、信友浩一委員、松田晋哉委員、山本義一委員、          山口俊晴委員、吉田英機委員、邉見公雄(オブザーバー) 事務局:医療課長、福田企画官、保険医療企画調査室長  他 (4)議題  ○ 再入院率について       ○ その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから平成18年度第2回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催させ ていただきます。まず委員の交代がございましたので、御紹介をお願いいたします。 ○神ノ田補佐  それでは御紹介させていただきます。三上裕司前委員にかわりまして、成城木下病院理 事長の木下勝之委員でございます。少しおくれられているようなので、また後ほどごあい さつをいただければと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。次に事務局の交代がございましたので、御紹介をお願いいたし ます。 ○神ノ田補佐  紹介させていただきます。7月10付で着任いたしました保険局医療課長の原徳壽でご ざいます。  9月1日付で着任いたしました保険医療企画室長の八神敦雄でございます。  同じく、薬剤管理官の磯部総一郎でございます。  同じく、医療指導監査室長の阿部重一でございます。  最後でなりましたが、8月24日付で着任いたしました医療課課長補佐の神ノ田昌博で ございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。委員の出欠状況でございますが、まだ木下委員がおくれておら れますが、全員出席という連絡をいただいております。なお、本日はオブザーバーといた しまして、中医協委員でございます邉見委員に御出席をいただいております。  次に、本日御出席いただいております7病院の各代表の御紹介をお願いいたします。 ○神ノ田補佐  それでは御紹介させていただきます。   まず国立がんセンター中央病院、薬物療法部長の高上洋一さんでございます。  日鋼記念病院院長の勝木良雄さんでございます。  南風病院診療部顧問の鹿島友義さんでございます。  埼玉医科大学病院院長補佐の三村俊英さんでございます。  埼玉協同病院院長の高石光雄さんでございます。  市立旭川病院医事課長補佐の小野寺敏彦さんでございます。  最後になりましたが、赤穂中央病院院長の長尾俊彦さんでございます。 ○西岡分科会長  どうぞよろしくお願いいたします。それでは事務局の方から資料の確認をお願いいたし ます。  ○神ノ田補佐  それでは資料の確認をさせていただきます。本日は資料を4点御用意させていただきま した。一つ目が診調組D−1、平成18年度におけるDPCに関する調査について(案) という資料でございます。D−2−1、こちらが32ページございます。再入院にかかる 調査についてという資料でございます。続きましてD−2−2、こちらはグラフがついて おりますが、左上にDPC対象病院と書かれております。そして最後がD−2−3、左上 に国立がんセンター中央病院と書かれているグラフのついた資料でございます。以上でご ざいます。 ○西岡分科会長  皆さんそろっていますでしょうか。それでは議題に入ります前に、前回分科会の結果を 中医協において了承していただきましたことにつきまして御報告させていただきます。  本年の4月27日の本分科会におきまして、平成17年度におけるDPCに関する調査の 結果、及び平成18年度におけるDPCに関する調査の実施について取りまとめを行いま した。その後、5月24日の中医協の基本問題小委員会におきまして、調査結果及び本日 の配布資料でございますD−1がございますが、平成18年度におけるDPCに関する調 査について報告をいたしました。その結果、了承されております。  このD−1をごらんいただきたいと思いますが、この2の項目のところにございます平 成18年度調査につきまして、○が四つございます。その中で最初の○に関しましては、 制度として安定的に運営するという視点に基づく調査を実施してはどうかということが一 つでございます。  それからこの1と2と申しますのは、7月から10月までの退院患者に関する調査、及 び診断群分類の妥当性に関する調査というのがございます。これを調査の基本といたしま して、特に7月から10月までの退院患者に関する調査のところをさらに2カ月延長して はどうかということを提案してございます。  それから三つ目の○ですが、再入院の調査を継続するということと、それから外来の診 療実態についても試行的に把握するという調査をしてはどうかということです。  それから四つ目の○がございますが、ここにきょう行うことになったものでございます が、この医療機関からのDPC導入後の状況についてヒアリングを行う機会をもってはど うかということを提言いたしまして、これが了承された次第でございます。以上、御報告 でございます。  それでは議事次第にありますとおり、再入院率についての議題に移りたいと思います。 まず事務局から説明をお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは御説明いたします。本日、再入院についてヒアリングをすることに至った経緯 につきましては、ただいま西岡分科会長の方から御報告いただいたとおりでございます。 資料のD−1にございますように、1のところ、平成17年度調査、各種調査を実施し、 それを踏まえて18年度調査についてはいくつかの御提言をいただいた、その四つ目の○ のところで、これらの調査を俯瞰する観点から、DPC導入後の状況について医療機関か らヒアリングを行う機会を設けることとしてはどうかということで、特に議論のありまし た再入院について本日ヒアリングをし、意見交換の場を設定したということでございます。  続きましてD−2−1でございますが、これは再入院にかかる調査の結果を抜粋した資 料でございます。これは前回の分科会で一通り説明しているということでございますので、 ポイントだけ申し上げますと、ただいま西岡分科会長からありましたとおり、入院から6 週間以内に再入院があった場合について調査を実施しておりまして、3番の調査方法の (2)にございますように、調査対象病院としてはDPC対象病院、DPC試行的適用病 院、DPC調査協力病院、全部で372病院を対象に実施しております。  本日、お越しいただいた病院につきましては、比較的再入院率の高い病院ということで、 それぞれの病院から選定をいたしております。DPC対象病院の方からは、再入院率が高 かった国立がんセンター中央病院、また3日以内の再入院率が高かった埼玉医科大学病院 にお越しいただいております。  また、DPC試行的適用病院からは、再入院率が高かった病院として、日鋼記念病院、 3日以内の再入院率が高かった埼玉協同病院、4日〜7日以内の再入院率が高かった赤穂 中央病院にお越しいただいております。  最後はDPC調査協力病院の方からは、再入院率が高かった南風病院、また3日以内の 再入院率が高かった市立旭川病院ということで、この調査の結果に基づいて本日のヒアリ ングの対象病院を選定したということでございます。  D−2−2でございますが、こちらはD−2−1の調査結果の方からグラフの部分は抜 粋して作成したものでございます。こちらの資料につきましては、DPC対象病院、DP C試行的適用病院、DPC調査協力病院、3種類に分けてそれぞれ整理しておりまして、 1ページから2ページにかけてがDPC対象病院、3ページ以降、4ページまでがDPC 試行的適用病院、5ページ以降がDPC調査協力病院の結果をまとめてございます。  最後の資料でございますが、D−2−3でございます。こちらは本日お越しいただきま した各病院の結果を整理したものでございます。ヒアリングの際にあわせて参照していた だければと思います。説明の方は以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは本日お越しいただいております各病院の代表の方か ら順番に、各病院の再入院率についての御説明を大体7分程度でしていただきまして、引 き続きその病院に対する質疑を8分程度で行いたいと思っております。また時間は全体と いたしまして1時間45分を予定しておりますが、効率的に議事を進めていきたいと考え ておりますので、御協力方どうぞよろしくお願いいたします。  それでは最初に国立がんセンター中央病院からお願いいたします。 ○国立がんセンター中央病院(高上)  少し慣れない面があって、説明が行き届かない点もあるかもしれませんが、お許しいた だければ幸いです。  まず最初に当院の概要についてですが、600ベッドすべてががんの患者さんであるとい うところが大きな特徴になっております。それと多くの患者さんが、我々のところでは特 に抗がん剤を中心とした治療を受けたいということで、レジメン管理と申しまして、投与 する抗がん剤の種類、量、あるいはその間隔などをすべてきっちりと薬事委員会で管理し ております。ですから1担当医の趣旨で、それを勝手に変えることはできず、その影響も あり、ちょうど2週目から4週目にかけて抗がん剤治療のための再入院が多い。このよう な厳しい病床管理を行うことによって、平均在院日数も現在は15日を切ることになって、 より多くの患者さんに他院ではなかなかできないような抗がん剤を投与する機会を御提供 したいと考えております。  資料を一つ一つ追って説明させていただきます。資料の2番目、前回入院と今回入院と いう表ですが、お示しさせていただきましたように、ほとんどの入院、つまり3分の2が 抗がん剤治療を2週から4週毎に繰り返すための入院、並びに後ほど申し上げますが、消 化器系の手術におきましては術前診断に非常に手がかかるために、追って手術のために再 入院ということで、ほとんどが計画的な再入院ということになっております。   3番目の表ですが、今申し上げましたとおり、およそ3分の1が、一度術前診断を終わ って、手術日を決めて再入院する方で、そして残りの3分の2が先ほど申し上げました抗 がん剤治療を繰り返しために再入院します。次のページに移らさせていただきます。次の ページの左側の下ですが、無駄な抗がん剤治療を頻回に行っているのではないのかという 御懸念もあるかと思うのですが、ごらんになっていただけますように、入院していただい て抗がん剤治療を受ける対象患者というのは肺がんと消化器がんの方にほとんど限られて まいります。これにはいろんな理由がありますが、例えばなるべく女性器がん、あるいは 乳がんというようなものは、外来で治療を行っている。消化器がんというのも、もちろん 主力は外来なのですが、特に最近はより強力な抗がん剤治療が導入され、安全性の観点か ら、最初の2回ぐらいのコースは入院してきちっと管理することが多くなっております。 それと、これらの患者さんの絶対数そのものが多いということもあって、ほとんどこの2 疾患が再入院して抗がん剤治療を受ける対象となっています。  右側の上ですが、手術に関しましても、大きな特徴というのが、消化器がんの手術の再 入院というのがほとんどになってきております。これも先ほど申し上げましたように、他 の疾患の手術では術前診断というのを外来等でほとんど済ませてしまう。ただ消化器系の がん、いわゆる肝臓、胆のうも含めて、胃がんとか大腸がんに関しましては、かなり綿密 な術前検査がいるということで、この方々が手術本番の時に再入院になるという実態を反 映しているのではないのかなと我々は考えております。  以上、総括させていただきますと、再入院の日数を御確認いただけますと、先ほどから 申し上げておりますように、ほとんどの患者さんが2週から4週のインターバルで抗がん 剤治療を受ける実態を反映して再入院し、1週間以内の再入院というのはほとんどないよ うな状況かと思います。がん専門病院としての特徴のために、このような偏りが発生する と考えていますが、また委員の先生方からいろんな点を御教授いただければ幸いです。以 上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問があればどうぞ。 ○齋藤委員  がんセンターもよくわかったんですが、DPCを導入なさる前と比べて、その入院の状 態が変わったかどうかということと、それから現在もDPCをやりながらインターバル管 理をやってらっしゃるわけですが、DPCの制度であるということがインターバル管理の ありように影響を及ぼしているでしょうか。  ○国立がんセンター(高上)  我々は国立のがんセンターである、ナショナルセンターであるということから、やはり 経営云々というよりも、本当にその治療に科学的な妥当性があるのか、あるいは患者さん の安全管理がきっちりできるのかという観点から、入院期間、インターバルの設定等をす べて行っております。ですから確かにDPCの導入より経営的には不都合な点はあるとは 思いますが、院長以下の指示で科学的な妥当性、それから患者さんへの安全性の確保を最 優先しておりますので、余り大きな変化はないように感じております。 ○齋藤委員  DPCの制度がなくても、望ましいインターバル管理をやるという、こういう形になる んだというモデルと受け止めてよろしいですか。 ○国立がんセンター(高上)  そう言わさせていただければ幸いと思います。実際にインターバルというか、レジメン 管理も5人ぐらいの委員で客観的に行って、そのためのエビデンスがそえられないものは 認めないという制度になっております。 ○熊本委員  十分にこの国立がんセンターの使命とともに、このグラフを理解させていただきました が、最初の1の年度別の再入院率のこのグラフですが、15年からもうDPCは入っていた と思うのですが、再入院率はちょっと上昇しておりますね。それはやはり疾患の患者構成 が変わったとか、そういったもの等での影響なのか、他のデータを見ますとそんなに年度 というのが大きな変動はないように思うんですが、この再入院率はふえていって、まだふ えるものなのかなとちょっと思いましたので。 ○国立がんセンター(高上)  ちょっとその点は私も気がつきませんでした。ですから変動の範囲内なのかなとは思い ますが、我々が気がつかない点もあるかもしれません。これから注意して見させていただ きます。ありがとうございます。  ○酒巻委員  いただきました資料の中で、Dに予期せぬ再入院における理由の内訳というのがありま すが、これで予期せぬ悪化・再発のためというのが、年度ごとに少なくなっているという のは何か特別な理由がおありなんでしょうか。 ○国立がんセンター(高上)  これも院内の担当者と事前に話をしたのですが、予期せぬ疾患の悪化というのは、ご質 問を我々がどうとらえて答えるかにかかっていると思います。抗がん剤を継続して使わな いといけない患者さんについて、昔は予期せぬ疾患の悪化というふうに書かないと認めて いただけないんじゃないのかなという思いは臨床の現場にあったのかなと感じています。 いずれにしても、原因はつかめませんでした。申しわけありません。 ○酒巻委員  これはCのデータとミラーイメージになっているような考えでよろしいんでしょうか。 Cの側では予期された再入院の方がふえているという意味で。 ○国立がんセンター(高上)  ご教示いただき、初めてそのように理解いたしました。おっしゃられるとおりだと思い ます。ありがとうございます。 ○西岡分科会長  化学療法のやり方が非常に上手になられたというところもあるのではないんでしょうか ね。 ○国立がんセンター(高上)  チームとして、特に薬剤部が管理に非常に強力に乗り出して整理が強力に進んだと感じ てはおります。ありがとうございます。 ○嶋森委員  基本的な質問で済みませんが、在院日数は何日でしょうか。 ○国立がんセンター(高上)  3年間ですか。最近は15日なんですが、去年は14日から15日ぐらいの間になってお ります。この2〜3年で急に短くなったというのは確かにあります。 ○山口委員  がん研も似たような性格の病院なんですが、大腸がんとか胃がんに関しては、もう術前 の検査というのは全部外来で今やっていて、おそらく2日も来ていただければ全部終わる と思うんですね。何か特別に入院してやらなくちゃあいけない理由はあるのかどうか、一 つお伺いしたいと思います。 ○国立がんセンター(高上)  ここも私も事前に院内担当者に確認したのですが、一応見解としては、慎重にいろいろ 検査をしないといけないんだという、その一点だったんですが、それ以上は手術のことは 申しわけございませんが、ちょっと把握しきれていない面は確かにございます。また考え させていただきます。 ○山口委員  それから5番の予期せぬ再入院ですが、これは再発もありますが、再発は原則として入 院させないということなんでしょうか。 ○国立がんセンター(高上)  いや、とんでもございません。そういう御批判は実はがんセンターはよく受けまして、 再発したらよその病院に紹介すると、確かにその傾向はございます。白状いたしますが。 ただ、やはり抗がん剤治療を行った後、大丈夫だろうと思って退院させて後に急に悪くな るという方も結構おられるのは事実です。 ○山口委員  同じ悩みが我々もあるんですが、本来はやっぱり再発の方とか、極めて状態の悪くなっ た方が助けてくれと来ているので、これを見ていると何となくそういう方がはじき出され ているよう見えて、しかも術前そんなに大した検査もない大腸がんとか胃がんの患者さん を、その検査のために入院させるというのは、本来病床の利用の仕方がちょっと首を傾げ てしまうのですが、それは厳しいですか。 ○国立がんセンター(高上)  それは厳しいと思います。我々は絶対に容体が悪くなった患者さんを受け入れないこと は決してございません。ただ、ある程度落ち着かれた段階で緩和医療等のために他施設に 御紹介することはありますが、いずれにしても段階的なプロセスは必ず経ております。で すから御指摘のようなことはないと思います。 ○柿田委員  図の8ですが、この率の計算の出し方は事務局に伺った方がいいのかどうかわかりませ んが、これは検査入院後手術のためと、計画的手術処置のために再入院した率ですね。例 えば消化器でいうと平成15年が約39.某%というのはどういう再入院ですか。 ○事務局  この部分につきましては、この再入院率の調査を担当されております松田先生の方から 少し補足的に御説明をしていただければと思いますが、よろしいでしょうか。 ○松田委員  今先生がおっしゃられたとおりで、その再入院という中で、この二つだけを取り出して、 それを100%としております。 ○柿田委員  そうしますと平成15年の消化器がんの再入院率が全体の39.3%を占めたわけですね。 再入院患者の中で消化器系の患者さんのどの部分が多いと再入院になっているのでしょう か。検査して手術のために再入院させるから多くなっていると考えればよいのでしょうか。 ○国立がんセンター(高上)  私が聞いた説明ではそのようになっております。ただ、消化器系といっても、うちの場 合は胃から肝、胆、膵、大腸というのは手術のかなりのパーセントを占めますので、です からそこが大きくふれて表されているのかなと思います。 ○池上委員  再入院率にした場合の、このDPCの包括評価の報酬と収支との関係は何か、特に抗が ん剤を投与された場合には、これは収支としてはどのように位置づけた方がよろしいでし ょうか。 ○国立がんセンター(高上)  特に我々はそこを思い至らないというか、申しわけございません。わかりません。 ○池上委員  つまりこの再入院率が問題になるのは、結局継続して入院した場合の入院期間別、おそ らく患者様のために一たん退院した方がいいという面もありますが、一方においては入院 が長期化すると、1日あたりの単価が下がるという面もありますので、たしか抗がん剤を 使った場合のこの入院期間の段差のとり方もまた変えたのではないかと思いますので、こ の方面ももし今後調査していただければと思います。 ○信友委員  図6に注目したんですが、呼吸器疾患の占める割合が年々ふえていますね。これは呼吸 器がんがふえたものでしょうか、それとも新しいレジメンで相当な中毒症状が出て、再入 院が高まったのか、中毒を伺わせるような、一番右の方に外傷、熱傷、中毒、異物その他 の疾患が年々ふえていってますね。ほんのわずかな割合ですが、そういうことがなぜがん で出るのかも関心がありますし、呼吸器の方のふえを説明できますか。 ○国立がんセンター(高上)  御指摘のとおりでございます。特に呼吸器がんというのは最近、抗がん剤の強さを増し たり、あるいは種類をふやすことによって治療成績の改善が得られるという面があります ので、一つはそこを反映して、特に初期投与に関しては気をつけてやろうというのが彼ら の流れだと思います。それともう一つは、イレッサ等の新薬の導入が反映されている可能 性は否定できないと思います。 ○信友委員  ということは念のための再入院のようなものなんですかね。 ○国立がんセンター(高上)  そういうものもあるのかもしれないですが、基本的には先生がおっしゃられましたよう に、化学療法が強くなっていて、実際にその毒性等もふえているというのは確かにありま す。 ○西岡分科会長  まだいろいろあると思いますが、時間になりましたので、国立がんセンター中央病院か らの部分はこれで終了させていただきます。今連絡が入りましたが、木下委員が緊急の手 術が入ったということで、きょうは御欠席になりますので、どうぞよろしくお願いします。 では続きまして日鋼記念病院お願いいたします。 ○日鋼記念病院(勝木)  日鋼記念病院は地方の病院というか、室蘭にある地域の中核病院として活動しておりま す。病床数は平成17年度は520床で、急性期一般病院としてやっております。このグラ フをごらんいただけるように、化学療法による再入院が非常に多くなっています。年々ふ えていますが、それは全く意図したものではなくて、結果的にふえているという結果です。  地域の中核病院ということで、一つは化学療法による再入院ですが、それ以外の他の疾 患に関しては、予期されぬ再入院の中で、予期されぬ他疾患発症のためというのが多くな っています。というのは高齢者が多いということもありますが、すべての疾患で何かが起 こった時にはその状態が悪くなったら当院に運び込まれという状況があるために、違う病 気でかかっていた人がまた違う病気で再入院してくるというのが一つの理由になっていま す。   化学療法に関しましては、外来化学療法が少しおくれてはいるかもしれませんが、ウイ ークリーの化学療法を6クールやると、術後にやると6回再入院になります。再発で行う と5回の再入院になるわけですね。そういう数が積み重なっているというのが結果でして、 特に何も意識したものは存在していません。  3番目、計画的再入院における理由の内訳、退院症例に対する再入院症例比率というの は、検査入院後手術のためと、計画的手術のため、あわせて2%ぐらいですか。それはゼ ロではありませんが、妥当な数と考えています。  多くなっているのは化学療法、そして化学療法の一つの原因としては、周辺地域の呼吸 器の専門医が次々に引き上げられるという状況もありまして、呼吸器関係の化学療法が少 しふえていることもあります。  4番目の予期された疾病の悪化、再発のためは、多くは化学療法の結果の白血球減少、 それから透析患者のシャント不全が主な症例となっています。  5番目の予期せぬ再入院における理由の内訳ですが、予期せぬ再入院の理由の内訳の大 半は、他疾患発症のためということで、先ほど説明しました地域の中核病院として、いろ いろな疾患を抱えている高齢者の状態悪化の時には当院に搬送されるということの結果を 表しているものと思っています。  6番目の計画的再入院における理由のうちの、化学療法、放射線療法のために該当した 症例のMDC別・再入院割合は、そのとおりでありまして、16年から17年に呼吸器系疾 患が少しふえたのは先ほど説明した理由によると思います。あとは消化器系の疾患の中で、 大腸がんの症例が予想よりは少し多いかと思っています。  8番目の計画的再入院における理由のうち、検査入院の割合に関しては、消化器が多く なっていますが、要するに3番のところにあるパーセンテージそのものの全体数が低いの で、大した問題にならないかとは思っています。前回入院からの期間別・再入院割合の中 で、4日から7日以内が比較的多いのは、ウイークリーの化学療法が比較的多く行われて いる結果と考えております。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは委員の先生方どうぞ御質問をお願いいたします。 ○信友委員  先ほどと同じ6の図に注目したんですが、先ほど周辺の病院等で呼吸器内科医が引き上 げられた、だから日鋼記念病院にふえた、しかしこの6では呼吸器疾患の占める割合、再 入院の割合がふえていってませんね。 ○日鋼記念病院(勝木)  29から33ということですが。 ○信友委員  平成15年度が54。 ○日鋼記念病院(勝木)  15年度はよくわかりません。16年から17年に関しては4%ぐらいふえている。全体の 割合ですね。全体のパーセントがふえていて、なおかつ割合がふえているので、少しふえ ているんだと思っています。 ○信友委員  ということは先ほどのがんセンターと違って、症例の増があってこういう傾向があるだ けで、レジメンがきつくなったというわけじゃないんですね。  それともう一つ、4の方なんですが,予期された合併症発症のための入院が0.65、0.73、 1.35と年々ふえているわけですが、これを悪く解釈すれば中途半端に退院させたからだろ うと、こう言われてしまうんですが、上の方ではね。 ○日鋼記念病院(勝木)  予期された合併症の多くが化学療法による白血球の減少で30例あります。外来でフォ ローして、悪化した時には再入院させるということでやっていることなので、妥当かと思 っているのですが。別に1泊2日の化学療法を繰り返し行う場合ですが、ただ直後に白血 球が下がるわけではなくて、もっと後に下がるわけですね。それは妥当な日に検査をして、 もしそれが過剰に下がっていれば再入院させてということなので、そういうフォローを行 っています。引き続きずっと心配だからということで、ずっと入院させてはいないという ことです。 ○信友委員  だから早めに退院させ過ぎているのではなかろうかというのを受けた時にどういうふう にしていますか。 ○日鋼記念病院(勝木)  そうだとすると、化学療法をやる時にずっと引き続き入院させなければならないことに なってしまう。 ○信友委員  いえいえ、そういう意味じゃなくて、先ほどのがんセンターのように退院基準だとか、 何とか明確なものを病院としてお持ちなのかどうなのか。 ○日鋼記念病院(勝木)  退院基準というよりも,化学療法そのものを1泊2日でもう退院させてしまって、あと は白血球に関しては外来でフォローしていくという体制をとっています。だから早過ぎる 退院とは違うと思います。これが30例ということで、白血球減少が大方の数です。 ○武澤委員  3番の図の御説明をお願いしたいのですが、計画的再入院の中で、化学療法、放射線療 法のパーセンテージがふえてますよね。これには二つぐらい原因が考えられると思うんで すが、一つはがんの患者数がふえたのか、あるいは治療方針が変わって、ケモラジをする 患者の割合がふえてきたのか、両方あると思うんですが、他の対照病院と比べると先生の ところの病院はケモラジのパーセントがすごく多くて、しかもふえているので、その原因 をもう少し細かく教えていただきたいんですが。 ○日鋼記念病院(勝木)  胃がんとか大腸がんに関する治療方針が少しずつ変わっているということですね。胃が ん、大腸がんの経口による化学療法が以前は多かったんですが、最近に関しては大腸がん ならIFLとかFOLFOXとかいう注射療法が主になってきている。胃がんにおいてもそう いう傾向があるので、1泊2日の入院の化学療法が非常にふえてきた。  もう一つ申し上げますと、実はハーセプチンの乳がんの化学療法とか、IFLの1泊2日 の化学療法とかFOLFOX療法というのは入院(再入院)で施行すると病院経営にとって は全部赤字です。経営としては本当は余りしてほしくない方法です。ただ、担当医とその 患者との関係でそれを繰り返し行っているということが現状なので、その分おそらくよそ の病院よりうちの方が多くなっていると思います。それは病院としては辛いことではある けれども、最終的な判断は医師に任せているので、やむを得ないという、今まではそうい うことで経営のことを余り言わないで、いい医療をやるように言ってきたのに、突然とい うわけにもいかないので、目をつむっているという状況なわけです。 ○武澤委員  地域の基幹病院ですから、がんの患者が選択的に集まってきているというよりは、むし ろ治療方針が変わったということが大きいということですね。 ○日鋼記念病院(勝木)  はい。 ○武澤委員  わかりました。 ○酒巻委員  Dのところで、他疾患発症のためというものが、かなりふえておりますが、これについ ては何か特徴的な疾患等があるんでしょうか。 ○日鋼記念病院(勝木)  予期せぬ再入院ですね。予期せぬ再入院は、診断群別に見るとまとまりがありません。 全部1例とか2例ばかりです。全部で65症例ありますが、4例あるのが糖尿病と、それ から3例あるのが腸閉塞ですか、それ以外は多くは全部1例ずつです。肺結核とか胃がん、 直腸がん、肝がん、乳がん、子宮体がん、白内障、狭心症、心筋梗塞、肺血栓症、脳梗塞、 心臓静脈血栓症、内痔核、そういうことでいろんな疾患で再入院しているということです。  先ほど申し上げたように、地域の高齢者の比較的多い地域において、状態が悪くなった 時にすべてを見るということがあるものですから、他の疾患でほぼ再入院しているという、 それが予期せぬ再入院事由のばらつきです。 ○酒巻委員  要するに他の疾患のために入院する理由は、高齢者をたくさん扱っているからというこ とで理解してよろしいんでしょうか。 ○日鋼記念病院(勝木)  救急も含めて、すべての疾患を見ているということなんですね。 ○酒巻委員  はい、わかりました。 ○池上委員  今おっしゃった高齢者が多くなっている、またはすべてごらんになっているということ であれば、この患者の中に占める介護認定を受けている患者の割合などは、何か数値とし てございますでしょうか。 ○日鋼記念病院(勝木)  今は持っておりません。帰って調べればできると思いますが。 ○池上委員  もし虚弱高齢者が増加しているかどうか、または高齢化というのが直接他の疾患による 入院ということに関連しているとしたら、それは一つの指標になるのではないかと思いま すが。 ○日鋼記念病院(勝木)  最近は調べてませんが、以前から室蘭というのは日本で最先端をいく高齢化率の高い地 域です、当然率を調べればすぐにわかると思いますが。 ○西岡分科会長  他に御質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは先生どうもあり がとうございました。続きまして南風病院お願いいたします。 ○南風病院(鹿島)  鹿児島共済会南風病院ですが、南風病院の特徴は、約300床ちょっとの病院なんですが、 消化器科、肝臓内科、外科を中心に、消化器系の悪性疾患の患者さんが多く、全入院患者 さんの半数近くが新生物ということになっています。特に消化器だと鹿児島医療圏での消 化器疾患の専有率は20%ですが、これは悪性腫瘍とかあるいは進行がんとかに限ると、例 えば50%ぐらいになるんじゃないかなと思うように、やっぱり非常にがんセンターと似た 感じだと思っています。  その中でも特に消化器系が中心ですが、なおかつ循環器科、腎臓内科、内科の糖尿病、 呼吸器科、麻酔科がかなり充実していますので、合併症をもつ患者さんというのが鹿児島 であれば私たちの病院に紹介される、単純な患者さんは別な病院に入れて、この患者さん 慢性腎不全があるから、じゃあ南風病院だなとか、心臓疾患があるから南風病院だなとい う格好で、外科の手術についても内科の化学療法についても、非常に重症者が、高齢者が 紹介されてくることが多いというのが特徴だろうと思っています。  最初の1ですが、年度別再入院率、これは我々のところは調査協力病院です。18年から DPCによる診療報酬請求を行っていますが、16年と17年については、16年度は1カ月 内の再入院だけを扱っておられるんですね。我々のところは10月分だけしか提出できな かったんです。だから16年は全く算定の基準が違うというふうにお考えになってくださ い。17年についても、同じように調査しましたら11%ぐらいでほとんど変わりません。 結局、1カ月の中の再入院だけなものですから、その前に、これは厚生省から調査してく ださいと返ってきた症例だけについて返事をしているんです。返ってきた症例というのが、 10月の中での再入院が返ってきているんです。だから9月の末に退院して、10月初めに 入院したものについては対象外になっています。だからこれは比べるわけにはいかない。  実は報告のある詳細をずっと他の病院も見てみますと、3〜4倍にふえている病院と、 全くふえてない病院と二つに分かれているんです。10月分だけを出した病院と4カ月分を 出した病院が入り交じっている感じがしました。これはちょっと16年と17年をこの統計 で比べるわけにはいかないということです。あとは17年だけで説明させていただきたい のですが、ほとんど診療内容は変わっておりません。実際、再入院の状況も16年と17年 では変わっておりません。ただ、調査の仕方がちょっと間違っているために、こういうふ うなことになったんだろうと思っています。  これはあちこちの病院でこんなことが起こっていると思っています。特に調査協力病院 で、16年を1カ月分しか出さなかった病院というのはたくさんあるんです。10月分だけ しか出してない病院というのは。そういうところは3倍ぐらいに再入院率がふえています。 おそらく私たちの病院と同じような状態だろうと思っています。  16年でありますと、実はほとんどが計画的再入院の中のやっぱり化学療法です。1週間 ないし2週間ごとの入院、そして結局副作用が起こりますとちょっと退院がおくれますの で、3日後には次のクールが来てしまうというような格好の、非常に早期の再入院が多い と思います。  だからさっきの病院と一緒で、1週間ごとだと5回の再入院というケースが非常にたく さんあるということになっています。大体4割、39%が4〜7日、31%が8〜14日です ので、1週間おきと2週間おきのがん化学療法が大部分というふうに考えております。  4は予期された疾病の悪化、これも合併症だとか再発だとか、術後イレウスだとか、そ ういうふうなのは入ってきているだろうと思います。そういうものが大部分だということ です。予期せぬ再入院というのは、さっきの病院と同じでして、他の病気が起こった、妊 娠合併の糖尿病、心臓病が悪化したとか、てんかんの発作が起こったとか、上気道感染が 起こったとか、肺炎が起こったとかいうのがございます。  計画的再入院の非常に短期のものは、例えばガンマナイフが私のところはありませんの で、ガンマナイフの治療にちょっと転院してもらってまた入ったとか、あるいは透析の患 者さんのシャントを他の病院でつくってもらって、向うで1泊して、またこっちへ入って きてとか、そういうケースが非常に短期間の再入院になっております。3日とか2日とか、 そういうのが多いと思います。  それとあとは予期されたものの中では,術後の腸閉塞が起こった、EMR後の出血が起 こったとか、そういうのがありますし、あるいは病理検査の結果を待っていたら病理検査 で粘膜切除が必要になったとか、そういうケースが非常に早期の再入院というのに数えら れると思います。  結局、化学療法なんですが、グラフ6にございますように、大部分が消化器で、またあ とは呼吸器、肺がんがちょっとある。他はごく少ないです。計画的再入院の中は化学療法 が大部分なんですが、9%、検査と手術を分けたものがございます。それが8の方にあり まして、これは循環器が検査と治療を分けてやっているケースがございます。手術につい ては、手術ケースの中で検査と入院を分けたのをちょっと調べてみましたが、本当に数%、 患者さんが検査して手術しますよといった時に、ちょっと身辺の整理で帰らせてください という患者さん、ごく一部のもので検査と手術が分けられていますが、大部分(57.7%) が循環器になっております。これは循環器が検査とインターベーションを別々に分けてや っている方針を私たち病院がとっていたみたいです。  次の10というのは、これも17年だけに限らせていただくと、1週間が4割、2週間前 後が3割ということで、ほとんど化学療法のクールによるものというふうに考えていいん じゃないかと思っております。以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは御質問をお願いいたします。 ○邉見オブザーバー  ちょっとお伺いしたいんですが、病理の件ですが、私どもの病院も7月からはDPCに 入ったんですが、病理医不足で、個人的な理由もあって、今パートになっているんですが、 病理が出ないために待っていただいていて、特殊染色とか難しいことで、甲状腺なんかは がんかどうかわからない、退院してまたというのが割とあるんですね。ずっと待っていた だけないということで、そういうことはやっぱり多いですか。 ○南風病院(鹿島)  私たちのところに病理は専任がいるんです。しかし私のところは粘膜切除が非常に多い ものですから、バイオプシーのケースが多くて、手術自体については、なかなか凍結方法 が病理の先生がうまく凍結ではわからんと言われるものですから、ちょっと困っているん ですが、手術についてはやはりどうしても取り出してからまたということになるんですが、 粘膜切除がやっぱり結果が出るのがすぐではございませんので、数日かかりますので、や っぱり一回退院していただいて、もちろん悪性と最初からわかっているケースは最初から とりますが、わからないケース、あっ、しまった、後からということがどうしても出てま いります。 ○邉見オブザーバー  ありがとうございます。ここのマターとは違うと思うんですが、私は医学部教育の改善 と充実に関する委員会というのに出まして、やっぱり病理医の充足が、日本の、特に地方 の医療では非常に難しい。DPCをやる場合、やっぱり病理が出ないと一たん帰ってしま って、また再入院ということが多いので、やっぱり病理医というのは一種のリスクマネジ メントのキーパーソンの1人であると思いますので、やはり日本の医学教育はちょっと病 理がおくれている、診療報酬の面でも、と思いますので、ちょっと蛇足ですけれども。 ○西岡分科会長  他に御質問はございませんか。 ○武澤委員  8番の図で、先生の病院は循環器内科の患者さんが多いように見えますが、病院全体の 中で循環器内科の患者さんは単回の入院と複数回入院と含めて何%かということをお聞き したいのが一つ。  二つめは5番の予期せぬ再入院とか、それから4番の予期された再入院、そういう中で 循環器内科の患者さんが占める割合と、それからいわゆる、がんの患者さんが占める割合 を教えてください。 ○南風病院(鹿島)  申しわけございません。はっきりした統計は持ってきておりませんが、予期せぬ再入院 も余り循環器の方はございません。カテーテル治療をした後、安全性を確認してから退院 ということになっていると思いますので、余りないと思っております。 ○武澤委員  ということは予期された、あるいは予期されない合併症に関しては、ほとんどがんの患 者さんということですか。 ○南風病院(鹿島)  そうです。 ○武澤委員  循環器の57.7%が再入院というのは、これは手術をする前の検査というふうに考えるの か、あるいはインターベーションを何回もされたということなんでしょうか。 ○南風病院(鹿島)  結局、検査とインターベーションを別の入院の機会にしたということが多いみたいです。 これはいろんな考え方の人がおりまして、私は前の病院ではやっぱり検査をして、当日ポ ンとそのまま治療するのが主流だったんですが、中にはやっぱり間をおいてという、安全 を期すとか、例えば検査は上肢からやって治療は下肢からやるとか、それぞれドクターが なかなか統一がとれませんで、非常に困っていましたが、この南風病院では一たん検査し て、検査してからの方が患者さんのQOLがいいものですから、手から検査をやって、治 療の時は足からやるというような格好で、そうすると日にちを変えた方がいいということ であれば、一たん退院させましょうということになっているみたいですが、DPCの場合 には支払いのアレで分けた方が有利とか出てきますので、本当は一緒にやった方がいいの かなというふうな感じはしております。医療費の節約という面では。  しかし、これはどっちがいいのかというのは、私も前は九州循環器センターだったもの ですから、やっぱり一緒にやった方がいいんじゃないかということで、ドクターのいろん な意見を聞きましたが、いろんな他の病院とも比べて、いろんなところがあるみたいです。 ○齋藤委員  診断群分類を精緻化するという作業は、投下された医療資源と、それから在院日数とで いっかいをなすかどうかというのが一番大きな分類の視点で、アウトラインをできるだけ 減らすという点から作業をしたわけなんですが、再入院の有無とか、そういう点で非常な アウトライヤーになるようなものが現在の診断分類の中にあるでしょうか。つまり再入院 の有無という点で、割合とそろった疾病が診断群を形成しているかどうか、そういうこと なんですが。 ○南風病院(鹿島)  私たちの病院に限って言いますと、ほとんど悪性腫瘍の化学療法、しかもほとんど消化 器、一部肺がんが入ってくるということで、ほとんどそこで尽きるというふうに、あとは 偶然の病気が発生したものというふうに考えております。 ○齋藤委員  分類としては特に違和感はない、実施上違和感がないことというのが分類の重要な基準 であったわけなんですが、どうもありがとうございました。 ○信友委員  図5に注目したんですが、日鋼記念病院との比較でいけば、日鋼記念病院の方が2倍ぐ らい高いですね。他疾患の発症のため、そして先ほどは高齢化の話が出ましたが、日鋼記 念病院は高齢者の入院が多いから他疾患発症のための再入院が多いのか、あるいは鹿児島 の方は高齢化率が低いのか。 ○南風病院(鹿島)  回りの病院との関係もあると思うんですね。うちの病院の内科の入院の緊急入院率は50 数%なんですね。だから内科の入院も予定入院の方が少ないんですね。要するに救急で入 ってくる、施設にしろ、どこにしろ、要するに状態が悪くなったらうちの病院に運ばれて くるというのが基本的な理由なんで、高齢者でいろんな病気が出ても、治っているわけじ ゃないわけですね。  いろんな病気を併存して持っているうちの一個目の病院で一回かかって、退院した患者 が今度は二個目の病院にかかったというのが、さっき言った予期せぬ再入院の予期せぬ合 併症、他疾患発症のばらつきという話ですよね。だからまとまったこの疾患が多いんです ということではなくて、一覧するとほとんどが1例で、さっき言ったように4例、3例と いうのが1疾患あるぐらいで、いろんな疾患でまたかかってくるので、6週間もあればそ ういう人たちはまた来るんだろうという話ですね。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。日本全体に高齢化が進んでいるとは思っているのですが、では 南風病院の先生、どうもありがとうございました。次に埼玉医科大学お願いいたします。 ○埼玉医科大学病院(三村)  まず埼玉医科大学病院の現状を簡単に御説明いたします。埼玉医科大学病院は1,385床 のベッドを持っておりまして、地域の特定機能病院として高度医療を提供する反面、地域 医療の基幹病院として医療提供を行っているという二面性をもった医療機関でございます。 そして埼玉県の西部、北部地域を主な診療圏といたしまして、およそ埼玉県の約2分の1 近くの面積をカバーしているという特殊性がございます。さらに同一医療圏には同様規模、 もしくは機能を有するような病院は全くございません。ですから何かことがありますと、 埼玉医科大学病院にほとんどの患者さんが送られてくるというのが現状でございます。   その結果、平成17年のDPC期間の入院患者数を拾ってまいりましたが、これは6,566 人、DPC対象病院で三番目に多く、緊急入院件数が2,270件で、これもDPC対象病院 の中で五番目、さらに救急車での搬送による入院患者数も742件で、これもDPC対象病 院の中で五番目に多いという、かなり特殊な環境にあるというふうに御理解いただければ と思います。そしてその結果、何か患者さんがあって、ある程度良くなって、一度退院さ れても、同じような状況でまた悪くなってくると、当院にどうしても入ってこざるを得な いというようなこともございます。  そこで皆様のお手元にございます資料をごらんいただきたいと思うのですが、年度別再 入院率というところから御説明をさせていただきます。これは平成14年のDPC以前か ら当院は非常に再入院率が高かったということがございまして、DPCになってから変わ っているということは全くございません。これはDPCを考えてどうこうしたということ ではなくて、当院の地域的な特徴が表れているのではないかというふうに考えています。  それから図2をごらんいただくと、これは平成14年から16年と、平成17年で大分内 訳が異なっているように見えます。実際、多分この分類の区分をする上で少し今までと違 うといいますか、平成17年から電子カルテが導入されまして、カルテの内容が把握しや すくなったとか、いろいろな理由がありまして、この16年以前と17年でその分類が大分 変わってきたのだというふうに理解しています。  現状は平成17年のものに近いのだろうというふうに理解しております。ですから16年 以前のものと比較しますと、ちょっといろいろとその中の計画的ですとか、予期されたと いう部分の中でしかパーセントが見えてまいりませんので、大分違っているように見えま すが、内容自体は余り変わってないというふうに私どもは考えております。  表3のところで、計画的再入院における理由の内訳は、結果的には化学療法というとこ ろが非常にふえております。これは以前は多分予期された再入院のところの患者QOLの ための退院というところに入っていた部分だろうというふうに考えます。これは化学療法 をする上で患者さんも長くなってきて、一度は帰りたいとか、そういうような気分転換を したいとか、そういうことで一度退院されているという部分が計画的というふうな、本来 計画的に化学療法をするわけですから、そういう範疇に入れていた、今までは違ったのを 入れるようになってきたということだというふうに思います。  そして図4ですが、平成17年から予期された疾患の悪化、再発のためという部分が急 にふえておりますが、これも以前は予期せぬ再入院というところに含まれておりました疾 患の悪化、再発をこちらに回ってきた。これは先ほどお話ししましたように緊急入院も非 常に多いですし、本当に治らないような疾患も当院で多く抱えております。悪性疾患です とか、慢性の呼吸不全、慢性の心疾患、そういう人たちは一時的には軽快しますけれども、 また再発といいますか、状態が悪化することは決して稀ではございません。そういうもの を今までは予期しなかったというふうに理解していたんですが、一応予期されたという方 へこれは入っているということで、ここの分類も大分変わってまいりました。  それから患者QOL向上のための一時帰宅というのも、前回入院において患者の都合に より退院したというところに、現状より理解するという意味でこちらの方に変更になって おります。それから予期せぬ再入院の理由も、先ほどお話ししたように、予期する再入院 の方に移行しましたので、大分比率が変わっております。  それから計画的再入院における理由というのも、これも以前は予期した再入院という部 分に入っていた症例の一部がこちらの方へ回ってきておりまして、比率が大分変わっては おりますが、内容的には余り変わってないというふうに理解しています。図8も同様でご ざいます。  そして今回、御指摘いただきました3日以内の再入院率が非常に高いということに関し ましても、再入院が多いということは、先ほどお話ししたような理由がございます。それ からもう一つ、期間が短いということは、これも1週間で見ると大体40%弱で、それでも まだまだ高いんですが、これは緊急入院が多いということで、一度退院されても患者さん が御自分のベッドがなくなって、またすぐに入れなくなるのが心配だというような御希望 もあります。それから地域的に交通の便が非常に悪いものですから、どうしても車で家族 のいる時でないと退院できないという理由がございまして、どうしても週末、金曜日にか えって、また月曜日に連れてきてもらうとか、そういうようなことでどうしても退院が多 くなっているのが現状のようでございます。以上簡単ではございますが、御説明させてい ただきました。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。御質問をお願いいたします。 ○酒巻委員  全体的なところで、平成17年度から少し比率が変わっていますよという御説明で、そ の理由が電子カルテが導入されたために、いわゆる発生源入力ができるようになったから というような御説明だったんですが、BCDE、これは実はたとえ関連しているとしても、 17年度以降極端に違う部分があるものですから、もう少し事情を説明していただけるとあ りがたいんですが。 ○埼玉医科大学病院(三村)  多分これはこういう取り方をされてないのでわかりにくいと思うんですが、要は計画的 か予想されたか、予想されないかという、再入院の理由と、それから例えば図4であれば、 その理由というのが、多分二つの軸にあるものをそれぞれかけているものですから、それ ぞれの中で見ますと非常に比率が異なって見えますが、例えば計画的、再入院の理由を全 部とってしまいますと、多分その疾患ですとか、それから再入院の理由ですとか、そうい う単純のくくりでいくと余り比率としては変わってないのではないかなというふうに理解 しておりまして、これは二つのベクトルの軸の座標軸の掛け合わせの結果、かなりそれぞ れの図の中で比率が異なってみえるということが一番の原因ではないのかなというふうに 理解しております。 ○酒巻委員  Eで見ますと、それでもやはり少し理解はできないところがありまして、例えば呼吸器 系の疾患は、平成15年から50%、16.9%、12.4%というふうに計画的再入院における化 学療法、放射線療法の入院割合というのが減ってきております。これは診療科の中に特別 な事情があったりするのかということと、もっと極端な例は、例えば平成14年の耳鼻科 系の疾患が、この時50%あったんですが、何か後ろの方ではほとんど消えてしまっている というような部分がありまして、どのような調査の仕方をされておいでだったかというこ とも含めて、少し御説明をいただきたいと思います。 ○埼玉医科大学病院(三村)  疾患に関して、及び診療体系に関しては、ほとんどこの数年間かわってございませんの で、そういうことが原因ではないかというふうに理解しております。  問題は、例えば14年と15年で全く異なる、そして16年にいっても全く違うというの は御指摘のとおりでございまして、実際に図2をもう一度振り返ってごらんいただければ わかるんですが、例えば平成15年の計画的再入院が0.9%に対して、16年が2%、17年 が5.4%と、大分この比率も違うということ、それから実際にそのつけ方に関しては、こ れは私が聞いたところによりますと、14年15年は一括してこのDPCの病名などをつけ たということもあって、カルテ上の記載を見ながらある程度行っていったというようなハ ンディがあったというふうに聞いております。  16年に関しても、結果的には電子カルテをしっかり見るようなことができなかったので、 ちょっと内容的に正確性が多少はなかったのではないかというふうに、これは反省しなけ ればいけない点だと思っておりますが、そのようなことがあったというふうに理解してお ります。 ○熊本委員  グラフ10のことですが、3日以内が多いということで、先ほどもヒアリングで3日以 内が多いことの理由をお聞かせいただいたのですが、ただ年度ごとで見ますと、15年16 年17年と3日以内は逆に減ってきておるんですね。何かそのことの理由というのは把握 されているんでしょうか。 ○埼玉医科大学病院(三村)  多分、多少影響したかという部分としては、特定機能病院の在院日数というところがご ざいまして、当初はこれを達成するためにかなり短期間退院されて、また入院というよう なことが多少あったのかもしれないんですが、最近はそういうようなことは全くございま せんで、それがこの結果に表れているのかなというふうには理解しております。 ○西岡分科会長  先ほどの説明でやはりこの3日以内の再入院というのが問題になっているんですが、先 生の方から御説明いただいた内容では、金曜日に帰ってまた月曜日に入るというふうなこ とをおっしゃってたんですが、これは外泊に相当しないんですか。外泊という考え方には ならないんでしょうか。 ○埼玉医科大学病院(三村)  当然そういうディスカッションがあると思うんですが、一つは患者さん御自身がやはり 退院を希望されている、それは多分今DPCになるとまた再入院の場合の比率が変わって まいりますが、以前は入院を継続するよりは一度退院した方が患者さんにとっての負担が 少なかったということもあって、患者さんの方が以前は希望されていた部分もあるようで す。  最近に関して、それが減ってきているというのは、私どももそのDPCもあるので、患 者さんにそういうことも、患者さんの中でも多分それが余り問題にならなくなったという 部分なのかもしれないと思っております。それ以外に余りこれといった理由を見つけるこ とができなかったものですから、そのような形だというふうに理解しています。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。松田委員どうぞ。 ○松田委員  他施設に比較して、4のグラフなんですが、予期された再入院における理由の内訳で、 前回入院で、患者の都合により退院したためというのは、非常に他の施設に比べて多いと いうのが特徴だと思うんですが、これは何か地域特性なんかはございますでしょうか。 ○埼玉医科大学病院(三村)  多分、これは先ほどお話しさせていただいたように、患者さんが一時的には退院したい というようなものを、都合により退院というふうに理解しています。例えば長期的な化学 療法、それ以外にもステロイドを長く使うとか、そういうような面で一度は短期間退院し たいということがおありなんだというふうに思います。それは以前はQOL向上というこ とで全くまとめられていたものが、むしろ患者さんの都合という形になったんだと思うん ですが、他院と比べて取り立てて多いという理由が、それで説明できるかどうかわかりま せんが、当院の現状としてはそのような形だというふうに理解しています。 ○武澤委員  予期した、予期しないという定義はいろんな意味で難しいと思うのですが、平成14年 〜16年と17年ではその構成が大きく変わっています。その原因が電子カルテとおっしゃ いましたが、それ以前の定義を変えてしまったのか、あるいは電子カルテ化することによ って他に何が変わったのか、その辺を教えていただけませんか。 ○埼玉医科大学病院(三村)  少なくとも病院として何かそういうことに関する指導ですとか、教育のようなことは全 くしておりません。その間に関しての変化は、内部としては全くもっていないんですが、 電子カルテになることによって、例えば医者が実際に次回入院の可能性があるとかという ような文言があれば、今度は予期するという形に、予期したという方へ含まれるのかもし れませんし、その辺の内容が電子カルテになってかなり明らかになったという部分が一番 多いのではないかというふうに理解しています。 ○武澤委員  ということは予期したか予期しないかという、最終的な判断は医者ではなくて、診療録 管理士とか、事務サイドの方がやってらしたというふうに考えていいんですか。 ○埼玉医科大学病院(三村)  その辺は多分症例によっても多少違いがあると思います。もちろん医者がやっているこ とが多いと思うんですが、個々の例でどうなっているのか、そこまで私も把握しておりま せん。 ○西岡分科会長  まだまだいろいろお伺いしたいことがあるかと思いますが、三村先生、本当にどうもあ りがとうございました。では続きまして埼玉協同病院お願いいたします。 ○埼玉協同病院(高石)  埼玉協同病院です。当院は埼玉県の南、川口市にあります病院で、急性期病床351床の 病院であります。今回の分科会での発言ということで求められました再入院について私ど もで分析した内容を報告させていただきたいと思います。  まず再入院率全体についてですが、DPCの試行的適用病院の平均のデータがきょうの 資料のD−2−2の3ページにございますが、当院は平成15年16年17年とも試行的適 用病院の再入院率を下回っておりますけれども、ただ年度ごとの動きで見ますと急激にふ えているということが言えると思います。4.6%から9.2%にふえている、これは@のとこ ろであります。  増加傾向の内容を比較しますと、2のところになりますが、前回入院と同一病名による 計画的再入院が15年の1.5%から17年の4.2%へ増加していまして、ここが一番際立つ ところではないかと思います。その中でも最も増加しているのが計画的手術、処置のため の再入院ということで、これは3のところをごらんいただくとおわかりになると思います。  2005年度のデータで申し上げますと、42日以内の再入院の件数は全体で220件でござ いました。このうち計画的再入院が113件で、51%を占めております。予期した再入院が 44件で20%を占めております。予期せぬ再入院が63件で、29%でありました。113件を 占めました計画的再入院のうち、最多を占めましたのが計画的手術、処置で、81件でござ います。この81件のうちの72件が眼科の白内障の手術でありまして、再入院全体220件 で見ますと33%、約3分の1でございました。  MDCの統計別を7のところでごらんいただきますとおわかりになりますように、眼科 疾患が際立って多いということが示されております。したがいまして3年間で再入院率の 伸び率が高くなった理由は、眼科の再入院の増加が主な原因であったというふうに考えて おります。  次に退院後早期の再入院率の高い理由についてということになりますが、前回入院から の期間別再入院割合では3日以内が増加傾向にあるということで、これは10番でおわか りいただけるかというふうに思いますが、2005年の場合、退院後3日以内の再入院は69 件でありまして、再入院全体の31%を占めました。そのうち、69件のうち49件が眼科の 白内障手術によるものでありまして、3日以内、再入院の71%を占めておりますと同時に、 再入院全体の22%を占めておりました。というわけで退院後早期の再入院率を高めている 理由は、眼科の白内障手術の件数であったというふうに考えております。  では眼科の場合、どのような状態になっているのかということで、細かくお話しをいた しますと、当院の場合パスがございまして、1泊2日の入院のパスになっております。し たがいまして片眼を手術をいたしまして、一たんお帰りいただいて、再入院していただい て、もう片方の手術をするというふうなパスになっております。  当院で試算をいたしましたら、手術をしております曜日が月曜日と木曜日ということで ありまして、例えば月曜日入院、水曜日に1日間をおいて、木曜日、金曜日という形です が、5日間連続の場合の請求点数に比べまして1泊2日を二回でやった方が平均で2,000 点近く下回るということで、医療費の削減の問題、それから患者負担の削減の問題では、 こちらの方がいいのではないかというふうに考えております。  そしてもう一つ、手術件数が全体としてふえている理由なんですが、これは一つは患者 様方の御希望といいまして、高齢者の方がやはりふえておりますので、日帰りでというこ とではなくて、やはり入院で手術をしたいという不安感の強い方が多いということで、そ ういうことが一つありますが、一番多くを占めるのは医師体制の変化ではないかというふ うに思います。  当院の眼科の大学派遣の眼科医によって成り立っておりましたが、2003年から4年にか けまして、医長が変わりましたのと、それから常勤医師数が2人から3名ということにな りまして、そして3名になっても若年の医師から徐々に経験を踏まえておりますので、だ んだん手術の例数ができるようになってきたのと、周辺の医療機関からの紹介の件数も着 実にふえていたというふうなことで、全体として手術の件数がふえたのではないかという ふうに考えております。以上、御報告させていただきます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。どうぞ御質問をお願いいたします。先生のところでは一回目 の片方をやってから、もう片方をやるまでの期間というのは、ある程度パスの中で決めて らっしゃるんですか。 ○埼玉協同病院(高石)  そういうパスはございません。一回の手術につき1泊2日のパスということです。 ○西岡分科会長  右をやってから左をやるまでの期間というのは、それがこの再入院の率のところに影響 しているのかなというふうに思ったんですが。 ○埼玉協同病院(高石)  間1日でやるというパスにはなってないんですが、結果的にはそういうふうに接近をし ている例が多いということになります。 ○山本委員  両目を同時にやらないで、片目を二回に分けてやる理由というのは何かおありなんでし ょうか。 ○埼玉協同病院(高石)  一連の入院期間でやらないでということでしょうか。その辺はちょっと私も眼科でない ものでわからないんですが、一番の理由といいますのは、できるだけ短い入院期間でやっ て、その負担が軽くなるのであれば、そちらの方がいいのではないかという判断が働いた と思います。 ○松田委員  今の御説明の中で3日以内が再入院の71%が眼科であるというふうに御説明があった わけですが、そうしますと一回目の手術が終わってから二回目の手術の間というのは3日 以内であるわけですね。そうするとその間に片一方の目を、よく片目ずつやるというのは、 両方見えなくなってしまうと患者さんは非常に不安がるから一応分けてやるというのは、 それはよく聞く話なんですが、この期間でやっているとおそらく見えない状態がかなり長 い間続いていると思いますし、それから見えない状態のままで自宅に帰られていると思う んですが、僕も眼科はよくわからないんですが、それが果たして患者さんのQOL、療養 生活という観点から考えて望ましいことなのかどうかということについては、院内として 何かそういうものはございますでしょうか。 ○埼玉協同病院(高石)  申しわけありません。そういう観点での分析やアンケート調査は行っておりませんので、 ちょっとわかりかねます。 ○嶋森委員  全体の入院患者さんの占める眼科の患者さんはどのぐらいの割合になるんですか。 ○埼玉協同病院(高石)  きょうは手元に人数のデータは持ってきておりません。ちょっと数字が出て来ないです。 申しわけありません。手術件数だけは一応わかるんですが、2005年の実績ですと、眼科全 体で年間で1,042件の手術をしておりまして、そのうち白内障関連が950件で、全体の 91.2%を占めております。 ○西岡分科会長  それではどうもありがとうございました。それでは次に移らせていただきます。次は市 立旭川病院お願いいたします。 ○市立旭川病院(小野寺)  市立旭川病院です。よろしくお願いいたします。当院は北海道道北の基幹病院として位 置づけられておりまして、循環器疾患、それから心臓血管外科を柱とした588床の病院で あります。先ほどの邉見先生と同じく、18年の7月からDPC病院の仲間入りをしたとこ ろであります。  今回の再入院調査の分析にあたって、呼ばれたので、他の今までの病院様とはちょっと 御立場が違うのでありますが、基本的に当院は先ほどの埼玉医大の先生のお話にややあい 通ずるのですが、週末とか、それから連休とか、特にお盆とか、この辺の患者様の要する に都合により退院する、帰りたい、俗に言う外泊でもかまわないんですが、そういう方に ついては基本的病床の有効利用というのを考えまして、すべて退院という扱いでやってお りました。  もちろん出来高の病院でありますので、外泊ですと15%の入院基本料をいただけるわけ ですが、その辺もない中で一応やっておりました。ただし、この4月以降、病床の利用も かなり低下しておりますと同時に、DPCの適用というものも決まりまして,現状は通常 の外泊による運用をしております。  それで今回7月から10月までの退院のデータ、約3,000強出しております。そのうち 6週間以内の再入院率ということで543件があったと思います。分析した結果、その患者 様の都合によるような一時退院のような形の数字を除くと、大体当院は他のDPC対象病 院と合わせて9%前後の再入院率かなということで、今回は試算してまいりました。  項目的にそれぞれ1から10番まであろうかと思いますが、先ほどの指摘で3日以内の 再入院率が最も多いというのは、そのとおりでありまして、これもすべて化学療法の患者 さんなどは、例えば月のうちに2〜3回、金曜日から3日ぐらい帰られるとか、そのよう なパターンでやっておりましたので、それで月曜日、火曜日に再入院するということで、 3日以内の再入院率が高いという状況になっております。簡単ですが、こういうような形 で御説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。  ○西岡分科会長  ありがとうございました。どうぞ御質問をお願いいたします。 ○吉田委員  北海道というのは地域特性で、この調査は7、8、9、10ですが、実は中医協として問 題になりまして、要するに季節によって特徴があるので、じゃあ11、12、1、2、3とど うかということがあるんですよ。すると旭川ですから雪が多いので、この7、8、9、10 と、逆に今度は11、12、1、2というのは違うんですか。 ○市立旭川病院(小野寺)  現状は冬になってもどうかということですが、分析しておりませんが、さほど変わらな いと思います。先ほど言ったように、要するに週末とか患者さんの都合で、ある程度3日 4日帰りたいというケースについては、本来外泊にするのがよろしいんでしょうけれども、 一時的な退院の扱いにしてきたというのが現状ですので、さほど変わらないと思っていま す。 ○柿田委員  その3日以内に再入院していることですが、仮に化学療法であれ、金曜日に帰って月曜 日に入るということの外泊と再入院させることの差は、どこに意味があって、どうしてそ ういうふうになさっているのかということをお聞きしたいのですが。 ○市立旭川病院(小野寺)  以前は、一つは平均在院日数というものは、急性期の例えば入院加算とか、一般の出来 高の中ではございまして、例えば平均在院日数が17日をクリアしていること、それから 紹介率が30%があるということが今まで、この4月の診療報酬改定でなくなりましたが、 急性期入院加算とか急性期特定入院加算の条件でありまして、平均在院日数の計算上のや や有利さというのはありました。  退院すると分母上に1が立つということで、その後若干ありましたが、当院としては極 力在院日数のクリアというのも中かにはあったのは事実でありますが、基本的には一時退 院していただいて、ベッドを確保した中で患者様にまた再入院していただくような形でや っておりまして、患者様の負担としてはかなり、もちろん再入院でも前回日をすべて引き ずりますので、料金的には安くなっていたというふうに思っておりますが。 ○西岡分科会長  DPCになりますと、完全にリセットになってしまいますから、患者負担は多くなりま すよね。 ○市立旭川病院(小野寺)  現状はそれで、冒頭説明したとおり4月以降はすべて今の通常外泊でやっておりますの で、化学療法の患者様であっても、ある程度のクールが終わるまではそのまま入院してい ただくような形で運用はしております。 ○松田委員  追加で、たまたま私は旭川に行くことがあったので、いくつかのいろんな医療機関を見 せていただいたんですが、その時にどこの基幹病院の方も言われていたのが、土日にかな り救急がたくさん来てしまうために、ベッドを確保しておかなきゃあいけないというふう に数字上もあるというふうに聞いています。その土日に空けなきゃあいけないという、そ ういう地域の特性もあるように聞いていますので、かなり救急車の数が多いようですので、 それは地域の特性としてあろうかと思います。 ○熊本委員  ということは今年度は3日以内の再入院率はぐっと下がるということになるということ ですか。もう既に下がっているわけでしょうか。 ○市立旭川病院(小野寺)  そうでございます。いま計算すると、多分他のDPC対象病院様と同じぐらい、もしく は低い病院になっているのかなと思っております。 ○原分科会長代理  循環器が主流だと言われたんですが、先ほど鹿児島の方で循環器の計画的再入院が多か ったんですが、その場合、検査とインターベーションを分けるとか分けないとかいう論議 があったんですが、旭川ではそれはいかがですか。 ○市立旭川病院(小野寺)  それはやっぱり当院はございます。検査が終わった後にインターベーションのためにち ょっと間をおいて、再入院してくるようなケースはございます。 ○池上委員  これも前に伺ったことと同じですが、地域病院であれば虚弱高齢者の入院が多いのでは ないかと思いますが、このDで他疾患発症のためというのは、それが予期せぬ再入院とい うことになるのではないかと思うんですが、これは切れ目のないケアということが今話題 になっていますが、このかなりの部分は高齢者と考えてよろしいんでしょうか。 ○市立旭川病院(小野寺)  正式には分析してないんですが、一応やっぱり高齢者、それから当院はあわせまして血 液内科というのをもっておりまして、血液内科の患者様のやっぱり合併症という形もかな りいるというふうに思っております。 ○西岡分科会長  他に御質問はございませんしょうか。ではどうもありがとうございました。それでは最 後に赤穂中央病院お願いいたします。 ○赤穂中央病院(長尾)  赤穂中央病院です。当院は5万人程度の市に存在しておりまして、265床のいわゆるケ アミックス型で、療養型病棟、それから回復、リハビリ、特殊疾患という病棟をもってお りまして、実際のDPCに対応する病床は少ないということと、まあ5万人の人口で、周 辺人口を入れますと10万人規模の医療圏ですが、邉見先生の市民病院という350床程度 の基幹病院がもう一つあり、そういう二つの病院でもっているという地域的な側面があり ます。  これ以上、当院のようなバックの病院がありませんので、入ってしまうと最後まで預か らないといけないというふうな、患者さんを預かっていただく病院がないというような事 情もあります。今回、他院のような基幹的な今までの大きな病院と比べて違いますのが、 データが非常にばらついているということです。毎年違うと思いますが、スタッフ、医師 が大体30数名いるのですが、大学からの派遣等もありまして、医師の交代もいろいろあ りますと、医師の得意、不得意によって疾患の手術等、分類が変わってくるということが あり、非常に年度的に大きく変わってきます。  最近は白内障の手術がふえたということ、それから糖尿病に力を入れているということ 等がございます。今回、再入院率はそんなに高くないと思ったのですが、お呼びいただい た理由が、再入院までの期間のところでお呼びいただいたようで、4日から7日までの再 入院が高いということでありますが、全体件数が今回の調査期間の再入院件数が96件程 度ですので、各疾患に分けますと一つ一つの数が小さくなりまして、それが一つ動きます と、かなり大きな影響をデータ等には出してしまうということがあると思います。  その40%強のところに入っているもので大きなものは、おそらく他院と一緒で、白内障 の二度分ける手術ということが一つ、それが1週間目に入るか10日目に入るかというこ とと、それとやはり地域の特性上、例えば外科疾患で診断を当院でつけてからそのまま内 科から外科に手術が移動する、他施設の内科から紹介でどんどん来るというケースが少な いものですから、急患で入ってこられます患者さんが検査の末に悪性疾患がわかったとか、 胆石がわかったとかということで、次に手術となるという時に、やはり一度区切りを入れ て退院していただくということが現実的には起こっております。そういうのは比較的短い 再入院の方に入ってくると思いますので、その辺でこういう数字になったんだと思います が、Nが少ないものですから、ちょっとその具体的な数字を煩雑になりますが、当院の医 事課の山田からお話をさせていただきます。 ○赤穂中央病院(医事課山田)  2005年度の7月から10月の期間で件数を調べました。96件の延べ件数のうち26件が 白内障の手術目的で入院しておりました。当院では毎週木曜日に白内障の手術をしており まして、1週間から3週間の間に患者様の御都合でもう一度入院して、それで手術をして いるという形になります。  他に産婦人科が96件のうち11件ありまして、周産期の疾病で急性発症した分で9件入 院されています。あとは悪性腫瘍関連の症例が19件ありまして、化学療法の繰り返し入 院がそのうちの大部分を占めております。残りは急性発症や急性増悪であり、特にどの疾 患が多いということもない入院症例になります。以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは御質問をお願いいたします。 ○武澤委員  予期した再入院と予期しない再入院を比べると、総数では大きな変化はしてないようで すが、それぞれ見ると大分構成は変わってますよね。片一方はふえているし、片一方は減 っている。これは誰がその予期したか予期しないかという判断をされたんでしょうか。事 務レベルでされたのか、それとも先生が先ほどおっしゃったように多くの医者の出入りが 激しいので、統一した基準でそれぞれの医者が判断できなかったのかもしれないとのこと ですが、その辺はどうなんでしょうか。 ○赤穂中央病院(長尾)  実際のところは事務レベルでの判断が多いと思います。なかなか人の入れ代わりも激し くて画一的な決定が難しいと思います。 ○池上委員  今回、ケアミックスとしての事例が初めて提示されたわけですが、これは転棟の場合は 再入院とカウントしないわけですね。つまり療養病棟に転棟した場合には、そしてまた療 養病棟からこのDPC対象病棟に入院した場合には、これは再入院になるんですか。 ○西岡分科会長  再入院になるんですか。 ○福田企画官  点数上はリセットがかかりますが、調査の部分の定義については松田先生の方から少し 解説をしていただければと思います。 ○松田委員  ちょっと確認してみます。 ○赤穂中央病院(長尾)  当院のカウントには入れてないと聞いております。 ○福田企画官  転棟の例については、分析対象から除いているという、とりあえず今回の部分について は、そういう整理で行っているということでございます。したがいまして今回の例のよう にケアミックスでの医療機関の病棟間で動いているようなものというのは、そういう事例 については対象から除いた形で集計をしているという形でございます。 ○池上委員  これはこれで結構でございますが、今後そういったケアミックスの病院における転棟が 多い場合も想定されますので、DPCがリセットされるのである以上は、調査に含めてい ただければと存じます。 ○松田委員  様式1の方で転棟転換は把握できるようになっていますので、今の先生の御指摘にした がって少し中身を見てみたいと思います。 ○池上委員  よろしくお願いします。 ○嶋森委員  説明の中にありましたようにばらつきが多いということですが、例えば4と5の図の17 年とその前の年との逆転というか、これは非常に大きいわけですが、これは何か理由はあ るんですか。医師が変わったと言われましたが、医師の交代で特に特徴的なことが何かあ るでしょうか。例えば予測されたバックイシをはしょるためというのは4の図だとほとん どなくなりましたし、5の図だと逆に水色のところがかなり多くなっています。何か理由 ではっきりしたものはありますか。 ○赤穂中央病院(長尾)  院内のそちらに対する体制的には変化は何もないんですが、先ほど申し上げましたよう に、かなりの部分の判断は事務方の方の判断が入っていますので、私の方では今はっきり わからないんですが。 ○嶋森委員  わからないんですか。 ○西岡分科会長  他に御意見はございますでしょうか。それではどうもありがとうございました。もう少 しだけ時間がございますので、全体をとおしての御意見をお願いいたします。 ○信友委員  再入院率に注目したのは、ドキュメントの中で医療サービスが低下と漠然と書いてある わけですが、そのDRGの試行の時からの注目のされ方は、やはり在院日数に注目した経 営的な発想が現場に出ていってしまって、中途半端に退院させてしまうというのではなか ろうかということがDRG試行10病院の時にある病院があったんです。それは再入院率 についてわかったんじゃなくて、医師会の方からクレームがついたんです。中途半端な形 で患者さんを出すな、そして当たり前のように戻られたんですね。  だからそこでは再入院率じゃなくて、なぜこの時点で退院させたかということを調べる 方が、中途半端の医療をしたままで出すということを評価するよりいい。それで今回再入 院率を調べるにあたって、これだけ需要があった場合に、もう一連の入院のものと、本当 に中途半端な退院基準をもたないで、患者さんの了解もしないで、あるいは地域の要求を 聞いて退院させてしまっている。公共的なサービスをそんなふうに使っていいのかどうか という、そういう論議を呼んでくると思うんです。  だから自由調査はもうちょっと再整理して、一連の入院のものと、本当に中途半端な形 で退院基準ももたないで退院させておるということの問題、多分この支払い側の注目はそ っちの方にくると思うんですね。  それと今回の調査は、あくまでも再入院が同じ病院に入院してくるだけですので、他の 病院に行った時にはわからないという前提ですよね。しかし今回の埼玉医科大学病院なん かは、地域独占と言われましたから、あの再入院率が実態を表すとすれば、我々が同じ病 院に入院してきたのを再入院としたら、半分ぐらいしか把握できてないな、そういう感じ は受け取られましたが。 ○伊藤委員  事務局にお聞きしたいことなんですが、ここの1の数字というのは、多分3と4と5の 合計なんだろうなと思うんですが、横軸が全部違うので、見かけ上比較が、この七つの病 院で比較ができないんじゃないかというのがちょっと気になったところなんですが、そう すると前半のがんを中心とするものと、後半の白内障による再入院と、二つに大別できる と思うんですが、やはり問題かなと思うのは、一回目の化学療法と、複数回目、二回目以 降の化学療法で質が本当に違わないのかな。もし違うとすると、そのコーディングを一緒 にしていくということについて問題がないかなというふうに感じたんですが、いかがでし ょうか。 ○福田企画官  前半の表の部分は確かにおっしゃるとおりでありまして、横軸の尺度が違いますので、 ちょっと見にくくて御議論でも少し混乱を招いたところは反省しておりますが、いずれに しても共通の資料で御議論していただこうということで、事務局の方である意味でこうい ったものをつくらせていただいた関係で、時間的な関係もありまして、こんな形になって いますが、御指摘の点も含めまして、今後改善する機会がございましたら、また改善をし て、より議論がしやすい形にしたいというふうに思っています。  ○松田委員  一応一回目も二回目も、いわゆるイーエフファイル等いただいておりますので、その中 身を見ることによって、一回目と二回目でどういうふうな質的な変化が起こっているのか ということは検討できますので、次回までにそういう分析をさせていただきたいと思いま す。今の信友委員が言われたことは非常に大切だと思いますので、今年度の調査でこの部 分を少し追加させていただきたいと思います。 ○酒巻委員  この予期された再入院、要するに再入院の理由についてですが、一応言葉の定義という のは、文章としてはなっていたと思うんですが、これをもう少し再確認をしていただいて、 調査内容のデータがブレがないようにしていかないと、あとあと調査全体の信用度を失っ てしまうような感じがしますので、ぜひともその点は徹底をしていただけるようにしてい ただけるとありがたいと思います。 ○西岡分科会長  今の件に関しましては、この診調組D−2−1の6ページと7ページにその調査票と具 体例を書いたものを入れさせていただいて、これもお配りして、上でやっているところで ございますが、さらにまたこれをリファインするということも必要かもしれないですが、 それは松田委員の方で御検討をお願いしたいと思います。 ○山口委員  私どもの病院はDPCに参加しておりません。理由は、DPCで試算するとどうも経営 的によろしくない、そういうことで原因なんですが、きょう個々の病院のいろんな事情を 伺うと大変勉強になりました。ただ、DPCにした結果、例えば外来で終わっていた検査 を結局入院してやるとか、それから3日間の入院なんてというのは、これは例えば入院の 時、あるいは退院の時に看護師さんのいろんなことをもう一度やり直しますから、医療資 源的にはマイナスだと思うんですね。  そういう手間をかけることによって、何かプラスになるのかどうかというと、余りなら ないんじゃないかと思うので、こういう状況に対応して病院としては経営のことを考えて、 やっぱりベストを尽くすと思うんですが、こういうやり方が本当に患者さんの入院にとっ ていいことになっているのかどうかということは、皆さん何か御意見があれば伺いたいな と思うんですが。つまりこういうスタイルで進んでいくことが、本当に患者さんのクオリ ティを上げているのかどうか、その点コメントがあればどなたでも結構ですからお伺いし たい。 ○南風病院(鹿島)  患者さんのクオリティを上げているかという点になってくると、私はマイナス面がちょ っと大きいんじゃないかなと思っております。ただし、おそらく厚生労働省が狙っておら れる日本の医療の実態をつかむという意味では、完全につかまれている、つかむというこ とになれば、これはやっぱりある程度必要なことではないかなという気がするわけです。 適正な医療費を出してもらうためにも、仕方がないかなというふうな格好で、そしてどう せそのうち急性期病床の義務になってくるんだったら、もう早いうちの方がいいんじゃな いかなということでDPCに入ったわけですが、やはり患者さん自身のQOLに対しては、 まあ私たちは今年からだったものですから、特に医療方針は変えておりません。まあボツ ボツ変えないといかんだろうなというふうな感じをもっているところですが、症例別にず っと検討しまして、数百万欠損するというのはたくさん出てくるんですね。こういうとこ ろを見直してほしいなというところはたくさんございます。全体的にはトントンないし少 しはプラスになるんですが、本当に300万400万欠損になっているケースはたくさんござ います。そういう患者さんを避けられたら病院は儲けるんだけどなということをつくづく 思っていますが、現在のところは診療方針は全く変えておりません。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。次は齋藤委員どうぞ。 ○齋藤委員  3年間僕等やってみて、DPCは非常によくできた制度だなという感じで、患者さんの QOLとか、患者さんのためにならないことをしていると、その月はいいんだけれども、 2年3年たつと必ずひどいしっぺ返しが来るというふうに思っているんですが、今患者さ んのためにQOLに必ずしも良くない面の方が多いかもしれないというような御発言があ ったんですが、どんなところが例えばあるんでしょうか。 ○南風病院(鹿島)  まだ私のところは全く変えていませんので、今後はやっぱり変えていかざるを得ない面 として、例えば後発医薬品はどうしても入れなきゃあならないだろうなと思っています。 そうすると後発医薬品が本当にいいのかと言われると、私は全くデータを持ってないわけ ですね。ひょっとしたら抗生物質の効きが悪いかもしれないとか、そういうことが胸の痛 みは感じながら、まだ入れていませんが、やらざるを得ないはめにだんだんなってきてま すので、その辺のことも含めまして、後発医薬品の件、それとやっぱりどうしても節約節 約という方向にどうしても頭が働いてしまうんですね。  特に大きなマイナス面を被ったのをここで申し上げますが、例えば酵素欠損病なんかの 補充療法をやっていますと、一回の注射が100万とか200万なんです。それがちょうど2 週間に一回だと、その患者さんが肺炎で入院した、2週間目になってきた、やっぱり入院 中に使わざるを得ないわけです。使ったらそれが全くDPCで見られないということがあ りますので、50万以上の薬は出来高払いにするとか、そういうことでもやっていただけれ ばと思うんですが、そういうことがよく出てくるわけです。  じゃあ入院の期間を2週間と2週間の間にもっていったらいいじゃないかと、そんなこ とはちょっとできませんので、結局、肺炎で入院したら肺炎入院中に100万円の酵素補充 をやらなきゃあならない。それが1円も保障されないというようなことも出てきて、我々 の病院としては困っております。 ○齋藤委員  地域によっていろいろだと思うんですが、DPCを導入すると必ず平均在院日数が短く なって、どこの病院も空床を抱えるようになるわけですよね。その空床が埋めつくされる かどうかは、患者中心の質の高い医療を患者のためにやっているかどうかで決まってくる わけなんですよね。  そうしますと患者自身も、それから最近はかかりつけ医がその背後にいますので、あそ この病院はどうも効くかどうかわからないような薬を出して、安くあげているみたいだな んていうと、もう紹介してもらえないから、空床を埋められないわけですよね。結局、そ の月やその上半期の決算には若干よくても、もうあそこの病院は安く安くとやっているの で、やっぱりしっかりした患者中心の医療をやっているDPC病院に紹介しようと、そう いうインセンティブが常に働くと理解しているんです。 ○南風病院(鹿島)  それが正しく働くことを願っているわけです。まあ地域のドクターははちゃんと評価し てくれるのではないかなと気がするんですが、我々のところはまだ今年1年目ですので、 平均在院日数は全く変わっておりません。 ○池上委員  今後のデータの提示方法でございますが、大きく分けて抗がん剤のために再入院するの とそうでないのとで分かれたような気がしますので、再入院の全体のデータもそのように 分けて提示した方が比較しやすいのではないかと思います。  それからもう一点は、やはりこうやってさまざまな要因が絡んでいる場合には、通常は 多変量解析によってもう少し要因を特定しやすい形で比較することは一般的に行われてい ますので、次回はそういったこともお願いできたらと思います。ですから少なくとも抗が ん剤とそれ以外に分けて、できたらもっとより精緻に多変量解析を行う。  その一つのインパクトは、抗がん剤に関して言えば、むしろ再入院した方が収支として は悪化すると思いますので、逆にこの再入院率は低過ぎるという、もし、がんに特化した 病院であれば、収支の方面からすると、むしろ収支を無視できればもっと再入院率は高い 方が望ましいという場合もあり得るので、高いのが問題でなく、今のDPCの報酬の設定 からすると、むしろ低いのが問題であるかもしれないという気がしますので、その方面か らも分けた分析が必要ではないかと思います。 ○西岡分科会長  今の件に関しては、がんセンターの方で、最初の1〜2回は入院して化学療法をやられ て、その全体の方向を見定めた上で外来化学療法にもっていくというふうなことがとられ つつあります。ですからちょっとこの化学療法に関しても、これからの方向が変わってく るかなということで、いずれにいたしましても、きょうの議論を踏まえまして、先生のお っしゃる部分を細かく解析していく必要があろうかと思います。 ○池上委員  ただ、そうしますとがんセンターはそれについての収支は特に分析されてないというこ とでございましたので、今後それは分析する必要があると思います。 ○西岡分科会長  はい、おっしゃるとおりです。柿田委員どうぞ。 ○柿田委員  要は再入院というキーワードでこれだけ調査してみると、先ほどの信友委員がおっしゃ ったように、理由をもう少し分析することによって、再入院がかつて指摘されているよう な要因によるのか、本当に医学的に一番適切であったものなのかが明確になりつつあるよ うに思います。例えば化学療法もそうですし、術前も状況よっては検査入院して、そのま まずっと待っているよりは、すぐに手術ができなければ一旦退院されるというのがあるわ けですが、そういった中身が診断群分類による分析をしたことで大分見えてきているとい うのがよくわかったような気がします。今後このデータをもう少し、再入院の理由などを 中心に詳細に整理整頓を行うことで次のステップが見えてくるように思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。次は山口委員どうぞ。 ○山口委員  ちょっと余計なことですが、今池上先生がおっしゃったように、入院の化学療法は大変 損だと思います。ものすごくマイナスになるので、そういうことも試算すると、がんの専 門病院というのは今のDPCの中ではなかなか生き残りにくい実態です。ですからがんセ ンターが四苦八苦しておられるのはものすごくよくわかるので、ぜひその四苦八苦してい ることを言っていただかないと困るというのが私の発言の趣旨です。 ○国立がんセンター(高上)  ありがとうございます。私も十分にわかっておりまして、ちょっと言い方は悪いのです が、我々が回転を早くしているというのは、より多くの患者さんを受け入れないといけな いという特殊な事情があります。ただ、山口先生が言われたとおりで、私どもがDPCを 導入した当初は、現場の医者が非常に憤りました。この内容で、今日本で御提供できる最 善のがん治療ができるのかと。最近、内容が改善されてきつつあるという話は聞くんです が、それでも現場の意見としては、この範囲内では我々が信じる最善の治療にはならない のではないのかなということがございます。  それと先ほど話題になりました一回目と二回目では、やはり資源の投入の度合いという のは全く変わってまいります。初めてがんになられた患者さんに対して、病気の説明、抗 がん剤を含めた治療の説明、そのフォローアップ、看護師、薬剤師を集めて、ものすごい エネルギーを投入しないといけない。そのあたりというのはほとんど評価されていないの かなというのが我々の現場の意見であるということです。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。信友委員どうぞ。 ○信友委員  また繰り返しになるかもしれませんが、この再入院というのは、多くの人はネガティブ を意味を感じているわけですね。だけどこれは必要な再入院だというのを分けて、そして この再入院の調査の目的は、医療サービスが低下しているかどうかを見るということなん で、この分科会としても、この10のうちのこれは医療低下をきたした指標だという結論 を出さないといけないんじゃないかと思うんですね。  そうするとどれが相当するのかと思っても、理由はわかったけれども、これがそうなの か、予期せぬ疾患の悪化・再発のため、これは医療サービスの低下があってなのか、そこ らへんもそろそろ結論を出さないと、再入院率というのが、我々が中立的に検討評価した けれども、世間が思っている再入院率に対してのインディケーターはこれですというよう な結論に至る時期は今来たのか、まだ先でいいのか。 ○西岡分科会長  きょうかなり具体的なことをお話しいただいておりますので、全体をまとめて、その評 価のところへ持ち込んでいきたいなとは思っております。ただ、現時点では今の再入院の 中身がどういうものであるかということをまず教えていただきたいということで、きょう のヒアリングをさせていただいたわけでございます。 ○嶋森委員  ほとんど同じことです。再入院という言葉の中身が、治療計画そのものがそういう入院 を繰り返すという形と再入院と全然違うものが一緒に検討されているなという、これがや っぱりいい医療をどういう形で提供するかというあたりをきちっと定義づける必要はある なというふうに再認識しております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。大体の方向性を出していただけたと思います。本当を言えばも っと議論をさせていただきたいのですが、時間になりましたので、本日の議論は以上とさ せていただきたいと思います。事務局の方から何か連絡事項はございますでしょうか。 ○事務局  18年度の調査についてでございますが、既に一部着手しておりまして、次回の分科会で はその調査の中間報告を予定しております。現在委員の先生方の御予定を確認させていた だいておりますが、正式な日程が決まり次第事務局から連絡をさせていただきたいと思い ます。 ○西岡分科会長  それでは平成18年度第2回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会を終了させていた だきます。本日のヒアリングに御参加いただきました施設の先生方どうもありがとうござ いました。本日はこれで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございま した。 −了−        【照会先】       厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278)