第1回製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関する研究会
議事要旨


1 日時 平成18年10月4日(水)12:00〜14:30

2 場所 厚生労働省 職業安定局第1会議室(13階)

 出席者(敬称略)
(学識経験者)
 鎌田 耕一  東洋大学法学部教授
 小杉 礼子  労働政策研究・研修機構統括研究員
 佐藤 博樹  東京大学社会科学研究所教授
 諏訪 康雄  法政大学大学院政策科学研究科教授
 八幡 成美  法政大学キャリアデザイン学部教授

(オブザーバー)
  [請負事業主団体]
   田村   実 社団法人日本生産技能労務協会副会長
   平尾 隆志 有限責任中間法人日本製造アウトソーシング協会理事
  [製造業団体]
   志賀   清 社団法人日本自動車部品工業会業務部部長
   高橋 省悟 電機・電子・情報通信産業経営者連盟専務理事

4 議題
 (1)研究会の構成について
 (2)請負の現状と対応について
 (3)検討の進め方について
 (4)その他

 要旨
職業安定局長が挨拶し、開催要綱及び各委員の紹介があった。
参集者の互選により諏訪委員が座長に選出された。
請負事業主団体及び製造業団体にオブザーバーとして研究会への出席を依頼することとした。
議事及び議事録は非公開とし議事要旨を公開することとした。
議題(2)、(3)について意見交換等を行った。

[主な議論等の概要]
 ○ 社会・労働保険の加入状況について、事業所に雇われている請負労働者全体の中での加入率がどうなっているか、また、それぞれの事業所における加入率別の分布が全体としてどうなっているのかの分析が必要。
 ○ 社会保険の加入について、請負事業者の規模により加入率が異なると言われている。
 ○ 請負における法令のあり方、ルールのあり方は本研究会の範疇を超えるが、どういうところに気をつけてルールを守るべきかということは本研究会の範疇。
 ○ 工程別で丸ごと請負が行われる場合はあまり問題はない。労働者と正社員とが混在して働く職場に絞って議論してはどうか。 請負事業主には監督者層の人材育成の問題や雇用管理の問題がある。発注側には作業指示をする社員のスキルみたいなものを高める必要がある。
 ○ 労働者の現状を見ると、最初の1年目は賃金が自分でも納得できる水準だが、長くなればなるほど差が高じていくという仕組みになっている。業界としては、発注者側も業界のほうも、労働者の能力が十分でないということが課題となっていることが読み取れる。
 ○ 請負スタッフというのは、特に短期的な失業はあるが、長期的な失業はあまり見受けられない。キャリア形成助成金などの仕組みは、ほとんど使われていない。
 また、技術よりも標準化された業務が大多数を占めており、必ずしも資格や一定の技能を持っていないと就労できない職場ではない。在職が長くなれば、製造設備のメンテナンスや労務関係・衛生管理者の資格などを会社として取得する制度は行っている。
 ○ 大手、中堅の請負企業では、認定訓練校を持つところが出てきている。
 ○ 鉄鋼等だと、自前の認定訓練施設に構内下請の企業に来てもらってトレーニングをしている。電機、重電でもやっている。その辺の整備が、急成長してきたところは、下請も含めて結構問題がある感じがする。
 ○ 伝統的な技術を蓄積して、請負契約をきちんとやっていくという、従来認識してきた請負と、今日の現状分析で指摘されている請負とでは、大きな変化、違いがある。訓練期間については、例えば、半導体職種では、最低でも2、3ヶ月間の訓練をしないと、装置の運用ができないなど、急に若い人が来て手伝えるというものではない。職種、業務の特性やプロセスにより、問題点も異なっており、全体として何が問題なのか焦点を外さないように議論していきたい。
 ○ 偽装請負においては取引契約上のコンプライアンスが重要であり、労働者の雇用条件、福利厚生の完備・充実が早急な課題であり、さらにはスタッフのキャリア形成の課題がある。
 ○ 企業では、どこに外部人材を活用するかを適切にする必要がある。人材ビジネスの会社は派遣と請負の両方をやっており、ユーザー企業も両方を活用しているので、請負の適正化は、派遣の適正化でもある。
 ○ 製造事業主から、外部人材活用の現状という観点で、派遣も含めて話をお聞きしてはどうか。
 ○ 請負労働者が短期間で退職することありきではなく、キャリアパスの考え方、定着の考え方、そして再就職支援という観点から、請負事業主から話をお聞きしてはどうか。



照会先 厚生労働省職業安定局需給調整事業課請負事業対策係
 TEL 03−5253−1111(内線5320)
 FAX 03−3502−0516



「製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関する研究会」
開催要綱

1.趣旨

 製造業の請負事業については、いわゆる偽装請負の問題をはじめとする労働者派遣法等の労働関係法令違反、労働条件や処遇等の改善の必要性、これらの職場で働く労働者のキャリア展開の道筋が明らかでない等様々な問題点も指摘されているところであり、再チャレンジ可能な社会の実現に向けて、これらへの対応は喫緊の課題である。
 そこで、有識者等が参画する製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関する研究会(以下「研究会」)を設け、製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善について検討を行うこととする。

2.検討事項

 製造業の請負の実態について分析し、請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関して、請負事業主及び発注者が講ずべき措置についてのガイドラインの在り方について検討する。

3.研究会の運営

(1)研究会は、職業安定局長が、学識経験者の参集を求め、開催する。
(2)研究会の座長は、参集者の互選により選出する。
(3)研究会の事務は、関係局の協力を得て、職業安定局需給調整事業課が行う。

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