06/09/13 平成18年9月13日中央社会保険医療協議会慢性期入院評価分科会議事録 06/09/13 診療報酬調査専門組織          平成18年度第2回慢性期入院医療の包括評価分科会議事録 (1)日時  平成18年9月13日(水)16:00〜18:00 (2)場所  厚生労働省専用18〜19会議室 (3)出席者 池上直己分科会長 高木安雄分科会長代理        天本宏委員 泉キヨ子委員 猪口雄二委員 大塚宣夫委員        木下毅委員 近藤正晃ジェームス委員 椎名正樹委員        飯沼 雅朗(中医協委員)オブザーバー        <事務局> 医療課長 企画官 保険医療企画調査室長 薬剤管理官  他 (4)議題  ○前回の指摘事項等について  ○平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査の実施について (5)議事内容 ○池上分科会長  ただいまより、平成18年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調 査分科会を開催させていただきます。  まず、本日の委員の出席状況につきましては、本日は全委員が御出席いただく予定でご ざいますけど、椎名委員がおくれておられます。しかし、時間となりましたので始めさせ ていただきます。  また、厚生労働省において異動がありましたので事務局より御紹介をお願いいたします。 ○神ノ田補佐  9月1日付で異動がございましたので、御紹介を申し上げます。保険局医療課保険医療 企画室長の八神敦雄でございます。 ○八神室長  八神でございます。よろしくお願いいたします。 ○神ノ田補佐  同じく薬剤管理官の磯部総一郎でございます。 ○磯部管理官  磯部でございます。よろしくお願いいたします。 ○神ノ田補佐  同じく医療監査室長の阿部重一でございます。 ○阿部室長  阿部でございます。よろしくお願いいたします。 ○神ノ田補佐  老健局老人保健課課長補佐の鈴木健彦でございます。 ○鈴木補佐  鈴木でございます。よろしくお願いいたします。 ○神ノ田補佐  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、最初の議題であります前回の指摘事項等について、事務局より御説明をお願 いします。 ○神ノ田補佐  それでは、資料の慢−1−1をごらんいただければと思います。こちらの資料は、前回 の分科会の場でいろいろと委員の先生方から御指摘をいただきまして、宿題になっていた 事項もあったかと思いますので、それを事務局として整理したものでございます。  1番目に、調査の目的は何なのか。また、本分科会の役割の範囲を明確にしてほしいと いう御指摘がございました。調査の目的でございますが、大きく二つあるかと思っており ます。一つには、医療区分、ADL区分、認知症加算の妥当性について検証することでご ざいます。もう一つは、診療報酬改定後、いろいろな動きがございますので、職員配置、 患者構成、コスト、医療の質等についてどのような変化があったのかというところを検証 することを目的としております。その他、細かいものはございますが、大きくはこの二つ になるかと思います。  本分科会の役割の範囲でございますが、調査を企画・立案するとともに、その結果を分 析し、必要に応じて区分の見直し等を検討する、そこまでを本分科会の役割として考えて おります。それ以降の診療報酬の設定のあり方等につきましては、これは中医協という場 がございますので、そちらで検討するということで整理させていただければと思っており ます。  2番目に、医療区分ごとのコストにどのような開きがあったか、前回の調査の結果を開 示してほしいというような御指摘がございました。これにつきましては、慢−1−2に整 理いたしております。前回の調査の結果について、一つ目の表が患者数の構成比でござい ます。マスの中に入っているのがパーセントでの数字で、医療区分の1については53.3%、 医療区分の2については37.8%、医療区分の3については8.9%、これを立ち上げるとそ のような数字になっております。  次に二つ目の表は、患者1人1日当たりケア時間でございます。これもそれぞれの区分 ごとに数字を、単位は分で入れさせていただいております。  2ページは、患者1人1日当たり費用でございます。注釈にも書いてございますが、こ ちらでお示しした数字については、医師、看護師、准看護師等々の人件費と薬剤費、特定 保険医療材料費を加えたものをお示しいたしました。このほかに固定費用ということで、 減価償却費等々含まれるわけですが、それはいろいろと前提を置かないと正確な推計が難 しいということでございましたので、この場では直接費用のみ提示させていただきました。 なお、そういう固定費も含めますと、こちらでお示しした数字の倍ぐらいの費用がかかっ ているのではないかということがいわれております。  最後の表は、診療報酬の点数でございます。  慢−1−1に戻りまして、3番目でございますが、医療区分1の位置づけを明確にして いただきたいという御意見がございました。  一つ目の・でございます。医療区分は慢性期入院評価分科会の調査結果に基づいて医療 の必要性に応じて3段階に区分したものである。そして医療区分1は、その3段階のうち 相対的にみて医療の必要性が低い区分として位置づけられたものと認識しております。  二つ目の・でございますが、これは中医協の場での判断ということもありますので、こ の場では委員の先生方にはいろいろと異論もあるかと思いますが、事務局といたしまして は医療区分1については相対的に医療の必要性が低い区分である、また約5割を占めてい ることが明らかになっていますし、またもう一つ別の調査では、療養病床において医療的 な状態は安定しており、医師の指示はほとんど必要としない患者が約5割を占めているこ とが明らかになっておりますので、この両者は同等であるとみなし得るのではないかと考 えておりまして、医療区分1に分類された患者は医療的な状態は安定しており、医師の指 示はほとんど必要としない患者とみなし得るのではないか、そのような考え方でおります。  4番目に、区分の妥当性はどのように検証するつもりかということでございます。こち らについては、一つには9区分プラス2と5区分プラス1とあるわけですが、二つの区分 の仕方について検証してみてはどうかと考えております。区分の趣旨でございますが、同 一のグループに分類された患者については、同じグループということですので、臨床面、 コスト面の同一性が確保されている必要があるかと思いますが、それが実際に確保できて いるかどうか、それを確認することをこの区分の妥当性の検証の中で実施していただきた いと考えております。  5番目以降は、調査に案に対する御指摘でございました。委員の先生方からいただいた 御指摘についてはすべて反映させるということで事務局としては考えております。  5番ですが、退院可能であるにもかかわらず退院できない患者がどの程度いるか。また、 どのような理由で退院できないのかについても調査すべきではないかという御指摘がござ いました。これについては、調査項目に追加させていただきたいと考えております。また、 退院可能であるような患者さんがたくさん入院しているような療養病床については、一つ の方針としては介護施設等に転換してもらう、再編成をしていくというような方針が示さ れておりますので、今後の方向性についてもあわせて調査する必要があるかと考えており ます。  6番目に、急性期医療からの患者の受入れに変化があったかどうかについても調査すべ きではないか、という御指摘については、前回も直近2週間の新規入院患者の調査を実施 しておりますので、今回も同様の調査を実施し、その変化をみることによって検証が可能 ではないかと考えております。  7番目に、ケア時間の変化については慎重に分析していただきたい、そのような御指摘 がございました。これについては分析の際に十分配慮するということで、単にケア時間が 短くなったからといって粗診粗療につながったという短絡的な結論を得るということでは なくて、しっかりと医療の質等も踏まえた上で検討していくことにしたいと考えておりま す。  8番目に、療養病床の現状を調査するだけでなく、今後の療養病床が持つべき機能につ いても、現場の実践者からの意見を聴取する等により調査していただきたい。これについ ては、調査項目に追加したいと考えております。  最後でございますが、書類作成の負担が著しくふえているので調査項目に加えていただ きたい。これについても追加したいと考えております。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。では、ただいま御説明いただいた内容について御質問等がご ざいましたらよろしくお願いいたします。 ○大塚委員  データのご提示ならびに、またデータをご説明ありがとうございました。  では 確認ならびに質問をさせていただきます。  第一は先ほどの説明にあった、調査の結果から出てきた5区分プラス1の各区分間コス トの差についてです。ここで示されているコストは人件費や薬剤等の材料といった直接費 用のみであり、固定費用は含まれていないとの説明でした。とすると固定費部分も加えた 各区分間のコストの比較をすると、5区分間の差、例えば医療区分3、ADL3の層と医療区 分1の層とのコストの差は比率で見た場合もっと小さくなるのではないかと思うのですが いかがですか。 第2は当分科会で検討された医療区分1が、中医協の場では入院医療の必要のない患者と いう位置付けになり、著しく低い診療報酬となりました。別に行われた調査でのデータも 考え合わせての結果であるとのことですが、当分科会での医療区分についての検討時には そのような認識、位置付けではなかったと思います。特に医療区分1のなかには、医師あ るいは医療体制の監視、観察のもとだから安定している患者も少なくない。医療区分1イ コール医師や医療体制のない状態で十分対応可能という判断には現場を抱えるものとして 大いに違和感をもつものですがいかがでしょうか。 ○池上分科会長  では、事務局でお願いいたします。 ○神ノ田補佐  1点目の御質問でございますが、今回もどういう形でお示ししたらいいかなということ で事務局でいろいろ検討いたしました。先ほど御説明したとおり、固定費用の部分につい てはこちらに反映されておりません。どういう形でこれを割り振ればいいかということは、 仮に全く同じ数字を各区分に上乗せするというやり方をすれば、大塚先生のおっしゃると おり、比率でみた場合、差が小さくなる、そういうことかなと思いますが、そういうやり 方でいいのかどうかというところは、そういう前提を置いた場合はそうなるということで すので、今回はあえて直接費用のみ出させていただいたということでございます。  もう一つの御指摘でございますが、これは中医協の場では(1)と(2)が同等のものというこ とでとらえて、そして医療区分1については介護施設あるいは在宅の方で対応すべき、そ ういう判断のもとで、医療区分1についてはかなり適正化されたような形での報酬設定に なっているかと思います。これについては、まさに報酬設定後、どういうことが起きてい るかというところを今年度の調査の中でしっかりと検証して、先生がおっしゃるような形 で、なかなか介護施設とか在宅では難しいとかそういうことが明らかになれば、それに応 じた対応とかそれはあり得ることでありますので、それは実態をしっかりと調査してみな いとわからない部分ではないかと思っております。 ○池上分科会長  よろしいですか。 ○天本委員  妥当性の検証という中において、3番の医師の指示をほとんど必要としないということ ですけど、区分1の中に胃瘻だとか喀痰吸引の方々とか、いろいろな意味で医師のきちっ と結果責任を負うという形での治療の一環として指示が出ているわけですね。それをそう いう間接的な、大塚委員は医療体制とおっしゃいましたが、その体制に対する評価がどの ように今回のコストの中に盛り込まれているのか、その辺を今後検証していただきたい。 これは、医師の指示を必要としないで喀痰吸引とか胃瘻とか、そんなことがあり得るはず がないわけですので、直接的な医療行為のみのタイムサーベイだけでそれが入っていない から、そういう調査は妥当性という面では非常に大きな疑問があるのではないかというこ とを指摘したいと思います。  当然、直接的行動というか、医師の結果責任を負うための体制のコストは、今回の評価 の中には入っていないのですよね。 ○神ノ田補佐  慢−1−2の患者1人1日当たり費用のところの注釈に書いておりますが、医師の人件 費に係る費用についても反映させていただいております。ただ、体制としてそこにいるん です、と、患者さんとは直接的に接していない時間まで反映されているかというと、そこ の部分は御指摘のとおりかと思います。 ○天本委員  胃瘻とか看護業務でしかできないようなことを行ったり、あるいは嚥下困難な人に「と ろみ」だとかいろいろなことをやる際に、24時間、365日、医師がいるということで安全 が保証されてリスク管理と、何かあったときにすぐ対応できるということが、この療養病 床の一つの意義だろうと思うのです。そういうものがきちっと評価されないと、特に高齢 者の重看護の人たちには非常に危険であろう。それが老人保健施設とか介護施設との違い だろうということを指摘したいと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○椎名委員  事務局に教えていただきたいのですけれども、先ほど大塚委員から、回答事項の2番目、 医療区分ごとのコスト。事務局の説明で基本的にこれは直接費用のみというお話がござい ましたが、このデータは、この分科会あるいは値づけを決めた中医協基本問題小委員会の どちらか、あるいは両方に出された資料であるかどうか、まず教えていただきたい。 ○神ノ田補佐  過去、公表されたことはありません。ただ、報酬設定の際にはこういったデータをもと にいろいろ検討はしてきたということでございます。 ○椎名委員  要するに、これはこの分科会としても初めて、あと、基本問題小委員会にも出されてい ない、そういう理解でよろしいのでしょうか。 ○神ノ田補佐  このような形でお示しするのは初めてということになります。 ○椎名委員  ありがとうございました。そうしますと実際の値づけは、診調組・慢−1−2の2ペー ジの下の方に、実際の点数の設定はこういう大変落差の大きい、なおかつ、段階的ではな い点数設定になっているのですが、これを上のコストの表と比較して大変問題のあるとい うか、意味するところが大変大きいデータではないかと私は思います。つまり、例えば医 療区分3をADLごとにずっと見ますと、点数設定は非常にずん胴で、1740点というずん 胴な値づけになっているわけですね。  これをひるがえって上の、これは直接費用なのですけれども、これを見るとADL区分 で約2倍近い差がある。あと、例えば医療区分1のADL区分3、要はADLの方で手が かかる、そういう患者さんだと思うのですけども、それと医療区分1でADL区分3の患 者さんと、あと、医療区分3のADL区分1、これがほぼ同じ直接費用なのですね。ひる がえって下の点数設定を見ますと、これはおのおの885と1740と2倍近い差が出てしまっ ている。この辺、どういう合理的な説明があるのかお尋ねしたいのです。これは、分科会 長というよりも事務局の方の御説明を求めたいと思います。 ○神ノ田補佐  先ほども申し上げましたが、中医協の場で報酬設定については検討するということにな っておりまして、中医協の場での議論でこういう結果なったということですが、簡単に申 し上げますと、手順としては従来の報酬設定をベースに考えて、今回、前回の調査の結果、 直接費用においてこれだけの差があることが明らかになりましたので、そういう直接的な 費用あるいはケア時間ということでもよろしいかと思いますが、ケア時間によって重みづ けをして、各区分ごとの費用を算出しております。それが原案になっております。  原案をつくって以降の作業というのは、これはまさに政策的な判断等もございました。 医療区分1については、今後、介護施設あるいは在宅等に移行するという判断のもとで、 ここは必ずしも調査の結果と同じような形での報酬設定にはなっておりません。むしろ政 策的な判断で適性化を図っておりますので、2ページの上の表と下の表を見比べると不自 然な部分も出てくるかと思いますが、これはまさに政策判断としてそのような報酬設定を したということでございます。これは中医協の場での判断ということでございます。  あと、細かいことを言い出すときりがないのですが、例えば医療区分3について細かく 分けずに一本化しているのはなぜかとかここら辺については、1枚目に戻りまして患者数 構成比で見た場合に、医療区分3ということで医療の必要性が高い患者さんはADLでみ ても重たい人が多いということで、ADL区分が1とか2に該当するようなものが無視で きるかどうか、そこも判断ですけれども、ADL区分3に分類されるパーセントと比べて 小さい。そういうことで、これはもう一本化してもよろしいのではないか、そういう議論 があったと承知しております。 ○椎名委員  冒頭の質問に戻りますけども、結局、政策的な判断をするのは中医協、そのとおりだと 思うのです。この分科会の役割は、きちんとした調査を設計して、きちんとしたデータを 出して、それで政策判断に資するようなエビデンスのあるデータを出すのがこの分科会、 そのほかの分科会もそうなのでしょうけれども、それの目的だと思うのです。そのために、 平成15年3月に診療報酬体系の見直しが盛り込まれて閣議決定された基本方針をベース にこの分科会ができた、そういうふうに私は理解しているのです。  最初のお尋ねに戻りますけども、点数設定に当たって、これは16年度にこの分科会がや ったコストを含めた調査、この結果が出されていないままにあのような点数設定がなされ た。政策判断とかいろいろ議論があったのかもしれないのですけども、それにしても今、 事務局の御説明をお伺いしていても、はっきりいって合理的な説明にはなっていないと私 は思うのです。ですからこれは新たに出てきた調査結果なので、これはこの分科会で議論 して、例えば分科会長の報告とかその辺にこういったデータをきちんと上に持ち上げて、 そこで基本問題小委員会で再度、どうするのかと政策的な判断をベースにして議論しても らう必要があるのではないかと私は思います。 ○池上分科会長  ただ、具体的な手順として、私はいずれにしても中医協の基本問題小委員会で御報告す ることになっております。その中で対応する問題なのか、それともこれはこれとして取り 出して取り上げるべきかということが課題になるかと思うのです。ただ、個人的な判断は 別として、この分科会の目的にあるのは、慢−1−1にある調査の目的は何か、あるいは 本分科会の役割の範囲を明確にするというのは、その診療報酬の設定のあり方について中 医協で検討するというふうに考えておりますので、それとの関係をどのようにみていくか ということだと思うのですが。 ○椎名委員  一言よろしいでしょうか。次に今年度の調査の設計とかそういった資料がありますけれ ども、今年度調査をやる前提として、まず今回の値づけですね、点数設定に関してこの分 科会でいろいろ議論した結果、やはり妥当性等に何らかの問題があるのだったら、そうい うのをきちんと中医協の基本問題小委員会にあげるのがこの分科会の役割ではないかと思 うのです。私以外の委員の先生方の御意見をぜひお伺いしていただいて、分科会の総意と してどういう形で基本問題小委員会に分科会長さんの報告をするか、その辺をお決めいた だければいいと思うのですが。 ○池上分科会長  では、ほかの委員の先生方。 ○天本委員  1回目のときに椎名委員は御欠席だったと思うのですけど、同じようなことで、やはり 総括をきちっとしようと、1回目の調査を。そして、中医協でデータが出たのかどうなの かという確認と、我々もそれがフィードバックされていないということで、今回、提出を お願いしたという経緯がございますので、椎名委員のおっしゃるような形で、もしもこの データに基づかない形で政策的だけ決められたのであれば、今後、調査する意味がないと いうことにもなりますので、しっかりここは議論していただきたいと思います。 ○高木分科会長代理  ほかの先生からも出ていますけれども、きょう初めてこのデータを見て、この点数と非 常に乖離があるというのはだれでも思うことで、今の話になっているのだと思うのです。 しかも、この研究会やこの分科会の作業は、ADLと医療区分で患者にふさわしい状態像 とコストを結びつけましょうということで出発したわけですね。これを見ても、例えばま とめ方が、医療区分3は一本になってしまっていて、医療区分3の中でもADL3とAD L1は結構差があるわけですね。むしろ医療区分2のADL3と2というのは10%ぐらい の違いしかないけれども、医療区分3の、確かに数は1.2と1.3しかいないから、たまた ま僕らの結果はそれぐらいしかいないけれども、しかし、区分してみるとこんなに差があ るわけですよね。すごい差ですよ、これは。多分それが現場からの怒りだと思うのですね。  そういう意味では私は、今、椎名委員から出ましたけども、値づけは確かに基本問題小 委員会の権限ですので、ただ、コストと患者の状態像というこの分科会のスタートの議論 はもう一回確認しておかないと、次の調査でもまたこういう強引なことをやられたら、や はり相談があってしかるべきではないかなと。  こういう医療区分3のまとめ方は、確かにちょっとしかいないけれども、これの重要な ところは、数は少ないけれども確かにこういう患者像がいて群がいて、その人にはふさわ しいケアを提供しましょう、と。多分医療区分1の話も、先ほど天本先生からも出ていま すけども、中には医療の必要性が、頻度は少ないけれどもそれなりの目配りが必要な人が いるのではないかということでの問題提起だと思いますので、ぜひこの分科会の出発点の コストと分類に関してはもっと真摯に使ってほしいなというのが私の意見です。 ○池上分科会長  ありがとうございました。 ○木下委員  この分科会の役目が、費用に関しては一切口を出すなということらしいのですけど、で も、患者1人1日当たりの費用というのが今まで一切公表されていないということは、こ の委員会でやった仕事が何も参考にされていないということになると思うので、かなり問 題があるかなと思います。  あと、中医協でこれに関してどういう議論がなされたかということを、一度フィードバ ックしていただきたいという気がします。  3番のところの医療区分の1の位置づけ、ここに医療区分の1は医療の必要がない人、 病院に入院する必要がないというような書き方をしてありますけど、これを今後も踏襲し て、医療区分1をそういう位置づけにするのかどうかということはしっかり議論しておい てもらわないと、それによって区分の仕方も変わってくる可能性がありますので、そこの 合意ははっきりしていただきたいと思います。 ○池上分科会長  まず木下委員が最初に言われたことは、中医協ではこれはどういう議論があったかとい うことですが。 ○神ノ田補佐  当然、事務局として原案はお示しをし、ただ、どれぐらいの議論があったかということ になると、膨大な改定作業の中での議論ということになりますので、この療養病床の診療 報酬の設定についてそんなに深く踏み込んだ、あるいは時間をかけた議論というのはなか ったのかもしれませんが、ただ、検討の過程で関係の団体なり、あるいは個別に御説明等 もさせていただく中で、両者、了解のもとで決定されたと認識しておりますので、これは こういうことで関係者の合意は得られたのだろうと考えております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。木下先生、その点と、あと後半におっしゃったことで具体的 にどんなことをすればよろしいでしょうか。 ○木下委員  前半の費用設定についてはこの場で何も言いませんけど、医療区分1というのを入院の 必要がない人、というふうにこの分科会で定義づけるのなら、それはそれでいいと思うの ですけど、そうした場合にどういう分類にしていくかという取り組み方が違ってくると思 いますので、そういう解釈をするのかどうかということは、ある程度合意がいるのではな いかと思っています。 ○天本委員  医療区分1が50%というかなり大きな群となるわけですけど、それをきちっとした調査 結果に基づいて中医協で議論されたという事実が、今のお話ではなかったということであ れば、もう一度きちっとデータに基づいた根拠のあるもので再度中医協の場で議論してい ただきたい。  政策的と言われましたが、政策的であれば、受け皿というものについて政策として制度 設計がされてあるべきはずでございます。それが介護保険では地域ケア体制整備というこ とで、今から体制整備を明らかにするということであれば、政策的な連動ということが全 く論理的でないということで、これは中医協を批判する場ではないとは思いますけど、こ この結果がそういう中医協で重大なエビデンスということで活用されるべきはずのものだ ろうと思いますので、もう一度中医協でのエビデンスに基づく議論も必要かなと思われま す。 ○池上分科会長  わかりました。ほかの委員はよろしいでしょうか。 ○大塚委員  私も椎名委員のおっしゃったことに全面的に賛成でありますけども、もう一つ今回の、 非常にくどいようですが、患者1人1日当たり費用という形でデータが示されるならば、 ここはタイトルを、直接費用というかその変動費部分であって、固定費部分は含まれてい ないということをもっと明示した方がいいと思うのです。費用というからには、その固定 費も含んだもので費用として区分ごとに明示をするべきではないか。ぜひ次なる資料の中 にはそれを、割り振りが難しいというお話はありますけれども、それは十分に勘案した上 で、そういう形でお示しをいただくべきではないかと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございます。それでは、中医協の基本問題小委員会に報告する際には、その ような修正を行った上でしたいと思います。 ○近藤委員  これは事務局への確認事項です。今の質問と関連することなのですが、固定費と直接費 の割り振りに関して、これは上の表と下の表を見ていますと、例えば下の表の医療区分1、 ADL区分1、2の764円と、一番右上の例えば1740円と、これは2.3倍くらいの点数差 なのですが、上の表で見ると2.4倍とかということで、その倍数がほとんど変わらない。  先ほど大塚委員からも御質問があったのですけれども、固定費を出すと倍率がもうちょ っと緩和するのではないか。その固定費というのが基本的な設備のインフラ、あるいはバ ックアップというものもそういう考え方に含まれるかもしれないのですが、中医協で議論 があった際に、患者1人1日当たり直接費だと思いますけれども、この直接費を全体のコ ストから点数に結びつけるときに、政策判断以前の時点で固定費についての考え方は何か 補足とか、先ほど大体2倍くらいになるとおっしゃったように一瞬聞こえたのですが、大 体2倍ということはそれは固定費ではなくなってしまうので、そういう意味では固定費と いうのはどんな形で議論があったとしたら補足していただけますでしょうか。 ○神ノ田補佐  議論というよりも、事務局としての原案作成の中での作業ということでございますが、 正確な数字は手元にないのですが、大体固定費用が50何%かあったかと思います。そこの 部分は切り取った上で、変動費用部分についてケア時間で重みづけをして各カラムに落と し込む、そういう作業をしております。それで原案をつくった。  先ほど、医療区分1のところがかなり低いという話ですが、これはまさに政策判断の結 果、医療区分1のところは一律適正化しておりますので、その結果としてかなり医療区分 1と医療区分3の差が拡大したということでございます。 ○池上分科会長  ほかによろしいでしょうか。  まず、今回初めて明らかにされた各区分の費用等について、患者1人1日当たりの費用、 これは変動費用といいますか、患者の特性によって異なる費用部分についてのこれを、い ずれにしても中医協基本小委に報告する。そして、医療区分1の考え方を含めて今年度の 調査でそれを確認して、また前回の調査では不十分であった点を含めて調査して、かつそ れを分析して、それをまた中医協の基本小委に報告するという手順でいかがでしょうか。 ○椎名委員  分科会長に確認なのですけど、今のお話ですと、事務局からの回答で直接費用と実際の 点数の設定を基本問題小委員会に分科会長から報告して、あと、医療区分1の位置づけに 関しても中医協基本問題小委員会の見解をまずただす。それを聞いてから、18年度はどう いう調査をするか、そういう段取りですか。 ○池上分科会長  いや、私は一括して調査の内容の前提としてこういう事実が17年度の結果においてあっ たので、その問題の指摘と、その問題点をさらに検証するための18年度調査ということを あわせてと考えていましたが。 ○神ノ田補佐  もしよろしければ、次の議題で18年度の調査の実施について御議論いただくことになっ ておりますので、それが終わった後、どういう形で御報告するかということについてまた 御議論いただいたらどうかと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。では、とにかく御説明だけをお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは、資料の慢−2をごらんいただきたいと思います。こちらは前回の分科会でも お出しした資料でございまして、前回の分科会の場での御指摘を受けて修正をかけており ます。修正部分については下線等を引いておりますので、その変更のあった部分のみ説明 をさせていただきます。  まず「調査の目的」でございますが、前回は(1)から(5)ということでお示ししておりまし たが、前回の分科会の場で医療、療養病棟の役割についても現場の意見を聞くべきだとい う御指摘がございましたので、これについても調査の項目として加えたいということでご ざいます。  2ページの下で「患者特性調査」でございますが、こちらも前回の分科会の場で新たに 入院してくる患者さんにどういう変化があったか、それを検証する必要があるという御指 摘がありましたので、前回の16年度調査の結果と比較を行うということを明示的に書きま して、それによって新規入院患者の重症度等の変化についても検証していくということが 明らかになるような形で修正をしております。  3ページの1行目に「入院理由」と書いてあります。これは、退院可能であるにもかか わらず退院できない患者がどれぐらいいるかとか、またその理由をしっかりと把握する必 要があるという御指摘がございましたので、この入院理由というところをしっかり聞けば、 退院できない理由についても明らかになってくるかと思っております。  (5)の「タイムスタディ調査」ですが、これはかなり医療機関に負担をかける調査に なりますので、介護保険が適用されている施設については今回は対象外にしてはどうかと いうことで、分科会長と相談の上、このような修正をさせていただきました。  (7)「その他」といたしまして、種々御指摘いただいた今後の病床転換の予定とか、医 療療養病棟の役割に係る意見、患者評価に係る書類作成に要する時間等について調査をす るということでございます。  説明は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは、これについて御意見をいただければと思います。 ○木下委員  一つ前に戻るのですが、患者1人1日当たりの費用を基本問題小委に報告するというこ とですけど、それを報告してどうしてくれというのか、ただ報告するだけで、後はどうい う扱いを期待するというか。  それと、医療区分1の解釈は基本問題小委で確定するのかどうかというところをお聞き したいと思います。 ○池上分科会長  ここではちょっと難しいと思うのですけど、事務局としては何か見解はありますでしょ うか。 ○神ノ田補佐  冒頭も御説明したとおり、値づけの部分とグルーピングというのですか、どう分類する か、ここは純粋に技術的に検討していく部分かと思います。分類された結果、異質なもの が含まれていないかとか、あるいは別のグループとの重なりが非常に大きくなっていない かとか、そういう技術的な部分についてぜひこの分科会においては御検討いただきたい。 中医協においては、それを踏まえての報酬設定の議論をするということかと思います。  御指摘いただいた医療区分1の性質ですが、これは介護施設あるいは在宅でいいのかど うか、そこは調査の結果をみて、もし医療区分1に分類される中に非常に重症な人が含ま れてしまうとかそういう問題点があれば、適宜それが是正されるような形で区分の見直し はしていただければいいのかなと思います。それは、ただし、純粋に技術的にグルーピン グのあり方としていいかどうかということで御議論いただければと思っております。報酬 と絡めると非常におかしなことになるかと思いますので。 ○椎名委員  前段の木下委員の御質問に対して、私が答えるのもおかしいのですけれども、これはあ くまでもこういうコストデータと実際の値づけを基本問題小委員会に提示する。我々もこ の分科会として、きょう初めて見たばかりですね。基本問題小委員会もこれは見ていない のですよね。さあ、こういうエビデンスが後から出てきた。後出しじゃんけんかしらない ですけども。それで基本問題小委員会は値づけとの対比をみて、それこそ政策判断をする のではないですか。それだったらやはりおかしいから、では少し見直そうとか、あるいは 少々荒っぽい値づけだったけれども、今回、これで走ってしまおうかとか、政策的な判断 をするのが中医協で、我々のテリトリーではない。16年度調査をやったのは我々ですよね。 こういう大切なデータがきょう初めて出てきた。我々は初めて見た。基本問題小委員会の メンバーもまだ見ていない。結果的に、これを見ないで値づけをしてしまったわけですね。  だからそこをきちんと提示してあげて、分科会でこれだけ議論になったということを分 科会長から指摘していただいて、あと考えるのは基本問題小委員会ではないでしょうか。 ○天本委員  この調査の目的の中に、「サービス提供の実態を調査し、基礎資料を提供してきた」とい う文章があるわけですけど、これは承認できないわけですよね。今議論になっているよう な重要なデータが、結果が基礎資料として中医協で開示されていなかったということで、 しかも12.5万人の医療区分1というものまで、極端な医療区分1がもしデータに基づかな いのであれば、政策的につくられたということは大問題だろうと思いますので、ここの文 章自体も、この結果、評価が導入されたという大前提が間違っているということもいえる わけですので、この文章も承認はできないですね。  要するに、実態を調査し、基礎資料を提出してきたというけれど、きょう初めて見る資 料が、しかも区分の段階づけに据えるコストという重要な部分の固定費、そういうものが 全然含まれていない。医療区分1のADL区分1というのはもう固定費も割っているわけ ですので、そこの基礎資料をきちっと提供して、それを判断するのは中医協であろうと思 われますけど、恣意的に資料の提供を狭めたりなどしないでいただきたいと思います。 ○椎名委員  18年度調査に入る前に、これは分科会長さんにお尋ねしますけども、16年度にやった調 査、きちんとした報告書は出ましたっけ。言いかえますと、きょう初めてコストに関する データを我々は見たのですね。それ以外にも大切なデータがまだあるのかないのか、その 辺も含めたちゃんとしたレポートとして、そういうものを網羅した報告書は出たのかどう か。多分、部分部分の資料はこの分科会で議論して、基本問題小委員会に分科会長から報 告されていたと思うのですけれども、その辺を教えていただきたいのです。 ○池上分科会長  レポート、報告書という形態のものは出ていません。昨年の11月の分科会において提出 された資料がそのまま基本問題小委員会にあがったわけです。  あとは、例えば新たに入院されてくるのはどんな患者かということは、16年度、調べま したけれども、それは特に分析はされていません。今回、18年度、もし調査するとします と、その新規に入院されてくる患者との比較を行う際に初めて分析することになります。 したがって、膨大なデータのうち1冊の報告書という形でまとまったものはなく、分科会 において提示した資料に限られています。 ○椎名委員  お話はわかりました。つまり、前回の調査を設計するにあたって、大変この場で議論し たり、あるいは分科会長さんの御尽力があっていろいろな項目を設定して患者分類を作成 した。そういう中で、きょうのようなことがあるのかないのか。大切なことでちゃんと集 計したり、あるいは結果が報告されていない部分があるかどうか、ぜひそういう視点で分 科会長さんに改めてみていただいて、大切なことがあったら調査結果、分析結果をこの場 に出さないと、せっかく国民の税金でやった調査ですから、それはオープンにする必要が あると思うのです。その辺、一委員として分科会長さんと、あと、事務局にお願いしたい と思います。 ○池上分科会長  わかりました。 ○天本委員  追加なのですけど、私は前回、委員でなかったから質問させていただくのですけど、医 療経済機構からの療養病床による医療介護に関する調査報告書という中に、療養病床の機 能としては終末期ケア、亡くなる人が25%前後いるとか、胃瘻の人が18.5%ぐらいいると か、そういうのがあったわけですけれど、前回の調査にはそういうものはデータとして入 っていたのでしょうか。 ○池上分科会長  入っています。 ○天本委員  そういうデータは、きちっと中医協の基本問題小委員会などに報告していただいたので しょうか。 ○福田企画官  詳細は確認しないといけないと思っておりますが、今、天本先生がおっしゃられたデー タについては、療養病床、特殊疾患、一般の分類とかそういうものも並べながら、その特 性などについてもこの分科会で御議論いただいて、それを集約したものを分科会長から中 医協に御報告をいただいております。その際にどのくらい大部の資料をバックデータとし てつけていたかというのは、確認をしないとわかりませんけども、少なくともそういった 特性に基づいたものという形で一度、まず患者特性という観点から御議論をしていただい ていると記憶しております。ここは、木下先生とか以前からおられた先生からコメントも いただければと思うのですが。  あわせましてコストの話も、こういう形で一覧表にというところは、まさに先生方がお っしゃるように、今回初めて出させていただいておりますが、御承知のように職種別人件 費で重み付けたケア時間での主立った行為とか処置とか症状についてのグラフといったも のは分科会にもそれぞれ出させていただいていると思いますし、最後、分類をつくるに当 たって最終的な処置とか症状の動きを御議論いただいたのは、たしか11月2日だったと思 いますが、その際には、人件費で標準偏差でここまでのところ、それは数字で言うと全体 平均を1とした場合には1.6倍くらいになるものを、区分3はそういったところを置きま しょうとか、人件費部分にさらに薬剤とか医療材料を足し合わせた部分については、これ は費用比という形で同じように統計的な処理をして、これは標準偏差とかで説明力を整理 をしたときに、細かいところは忘れましたけど、結果として数字はやはり1.7倍ぐらいの ところになります、と。  そういうところまではこの分科会にも資料としてもお出しをして、その中でどういった ものがどちらに入ったらいいか迷うような処置とか症状とかがあって、それをまたこちら で現場の感覚とかも含めて御議論いただいて、どういったものがどの分類に入るのかとい うところを御議論いただいたと記憶をいたしております。  こういった形で分科会には分析された資料が出されておりますが、分析は分科会でのリ クエストを踏まえて行って参りました。そのときそのときの議論で、その時点で利用可能 なデータをこの分科会の議論を踏まえて次のときに整理をしてお出しをして、それを踏ま えてここで御議論いただいたというのが今までの議論の仕方ではなかったかと思っており ます。そういう意味で、特に事務局で恣意的にこのデータを出していないとか、それをつ くっていないとか、そういう形ではなくて、ここで御議論いただくに当たってこういう観 点から整理をすべしと言われたものを整理をさせていただいて、ここのところでさらに御 議論いただいたというのが基本的な流れではなかったかと思います。  ただ、おっしゃられるように、そうはいっても基本的な情報として出すべきものが欠け ていたのではないかという御批判については、これはある意味では甘んじて受けなくては いけないかなと思っておりますが、先生方も御承知のようにそれぞれいろいろデータを取 りながら、途中経過でデータをクリーニング中のものをベースとしてデータクリーニング が終わった段階のものについて、部分集計ではありますけれどもという前提でいろいろ出 させていただいたということもあったと思いますので、そういった意味で私どもも全体の 表とかそういったものについて、患者さんが最後は400病院以上の御協力を得てやったそ の分類が、全体としてどういうパーセンテージになったのかとかそういった点については、 御報告をさせていただかなければいけないと思っておりまして、そこは前回のときに私か らも、費用の話が出た際に、では実際に分類に当てはめたときにどういうふうにパーセン テージが、例えば区分3のときには、従来だと7%から13%ぐらいまでデータの経緯によ って行ったり来たりしておりましたけれども、そういったところが最終的にデータクリー ニングが終わったものでどんな数字になっているのかということも含めて、今回、全体の 議論に供するために出させていただいたということかなと思っております。  事務局として関係したものとして、今までの議論を事務局なりに考えたことを整理しま すとそのような感じなのでございますけれども、ここはそれぞれかかわっておられた先生 方の感じ方とかそういったこともあろうかと思いますので、事務局としてはそのような心 づもりでこの議論に参加させていただき、データなども出させていただいたということを 補足させていただければと思います。 ○猪口委員  当初から委員で参加させていただいた人間として感じていますのは、当初、すごくおく れおくれで、かなり最後に詰め込んで調査をやったという感じがしていて、結局決めたの は、マトリックス方式の医療区分というのをこの分科会がつくるというのが最後の最後の 結論だったように思うのです。たしか中医協にも2回出して、特に最後にもめたのは一時 的な感染症をどう扱うのかということだったように思いますし、そこはかなり短期間にい ろいろ形が変わっていった。  それが11月の段階で、ここには私も含めて現場の人間がおりますので、現場としてはそ こまでに出たことと、その後、介護療養廃止が決まったことと療養病床再編が決まってい く中で点数が設定されていったこととは全く異次元の話だと僕には思えるのです。そうで ないと、前にやった分科会の作業は何だったのだろうと。このように乖離している。乖離 していますよね。だって、分科会は分科会として資料を出しただけで、点数設定には全く 我々はかかわっていないわけですから、乖離してしまっていることは今回ははっきりとこ こに並べられてしまったということなのですね。  そうすると、この分科会として今度やるべきことは、あれはあれで一応決定したのだと したら、次に当然、診療報酬というのは医療行為とか病院の姿勢に大きく反映することは 間違いないわけで、そうするとその後、どういうふうになっていったかということを、デ ータをつくるのは必要だと思うのです。そうしないと、前のデータはこうだったけど、今 回調べ直して同じスケールでみたらこう変わっているのだ。その上で、今回も医療療養の 療養病床の役割ということも書かれていますから、医療療養がどうあるべきだということ をきちっとこの場で議論しないと、あの点数がだめだったからとかいうのは我々の仕事で はないのではないかという気がするのです。むしろ、こうあるべきだという新たなデータ を、しかし点数が設定されたからここはこういうふうに動いてしまったのだなというのも、 多分やれば出てくるのではないかという気がするので、きちっとしたデータづくりに進ん だ方が、より医療療養にとって有意義な議論がこれから展開できるのではないかと私は思 います。 ○椎名委員  猪口委員に全く賛成です。ですから、これは18年度のきちんとした調査を設計してやら ないといけないし、きちんとした設計した調査をやってエビデンスをきちんと出して、中 医協できちんとした判断をしてもらう、それをぜひやっていかなくてはいけないと思いま す。 ○池上分科会長  私は16年度以来の調査を振り返りまして、分科会長として一番検討したことは、どのよ うな患者特性をそれぞれの医療区分1、2、3に入れるかということで、それについては コストデータをもとに十分検討したと思っています。その際に医療区分1、2、3におけ る患者の構成比についても勘案して、ただ、構成比も、猪口委員がおっしゃったように、 どの患者特性を医療区分2に入れるか3に入れるか、特に肺炎の扱いをどうするかという ことで、これは基本問題小委員会の意見でまた二転三転した経緯もありますので、その構 成比も実は流動的であったわけです。  その問題と1日当たりの変動費の問題は、全体としての変動費のコストは点数に結びつ く問題であるという認識のもとに、この分科会では直接議論しなかったわけですね。前回 のこの分科会の議論の中で、やはり妥当性をみるのだったらそれもあわせてデータ提出が 求められたので、今回、事務局のもとに初めてこういうデータが提示されたわけです。  きょうの残りの議論に充てたいことは、まず18年度調査をするかしないかということの 前に、この資料だけを基本問題小委員会に提出して、それだけの報告をするかどうかとい うことです。それは椎名委員がそう提案されたのですけど……。 ○椎名委員  いや、私は提案していません。報告を一連でやるのか、分科会長のお考えを確認させて もらったわけです。ですから私は、委員の全体の合意が得られれば、たとえば前段を問題 提起的な部分として、あと、それを前提条件として以下、18年度調査をこういうふうにや りたいとする、でもかまわないと思うのです。 ○池上分科会長  わかりました。済みません、私の誤解でありましたので。それでは、中医協の基本小委 に対して2段構えでやるか、それとも、こういう問題点が16年度調査の結果に対してある ので、これは分科会でも指摘があったから報告する。それについて基本問題小委員会とし て、次回の、あるいは点数改定をするとしたら、それについて十分留意していただきたい という点と、それとともに、このような新たな療養病床に対する政策決定がなされた状況 下で、改めてこの患者特性の区分の取り方が新たな政策決定がなされた状況下で、また、 それに対応した医療機関の動きを踏まえて、同じ枠組みの中、あるいは部分的な修正をす るべきかどうかをするために、改めて18年度調査をこの内容ですることを報告させていた だけるかどうかということについて、残りの時間、御意見をいただければと思います。  先ほど事務局から18年度調査について御説明いただき、特に前回との変更箇所について 御説明いただいたのですけど、それについての議論がないまま進行していますので、18年 度調査、特に修正箇所について、あるいはさらに追加するべき点があれば教えていただけ ればと思いますが。 ○木下委員  先ほどの基本問題小委への報告ですけど、事実だけの報告で、この分科会は診療報酬に それを考慮しろとか何とかいうようなことは言えないのではないかという気はするのです けど。 ○池上分科会長  そのとおりだと思います。 ○木下委員  それと、医療区分1にこだわるのですけど、この解釈の決定は事務局がやるのか、基本 問題小委がやるのか、この分科会がそういう解釈をするのか、それとも決めないのか、そ の辺はどうなのでしょうか。 ○池上分科会長  医療区分1をどう扱うかを含めて18年度調査を行うというふうに私は解釈しているの ですけれども、そういうことでよろしいですか。 ○木下委員  では、それは課題だということで。前回調査のときに、もう時間がないからこの調査票 でやらせてくれというので見切り発車したというか、調査結果をみた後でまた検証しまし ょうという話だったのですけど、結果が出たら、もうこういう結果が出たからということ でなってしまったので、調査項目、大きな項目は出ているのですが、具体的な何を追加す るとかそういうことが出ていないので、それを見ないと判断はできないと思いますので、 その作業はこれから十分に詰めていかないと、決して見切り発車はしないということで、 今の目的に沿った十分な調査ができる項目にしてもらいたいということです。  それから、前回も2と3の区分の妥当性についてはある程度検証されたと思うのですけ ど、1については全く検証がされていないというか、その中に入っている種類の妥当性と いうのは全く検討されていないので、その辺も含めてどうするかということは調査前にあ る程度決めておかないと、結果が出てから、またこういう結果だからというだけでいって しまうと問題があるので、事前に分析についてもある程度方向性は示していただきたいと 思います。 ○池上分科会長  それは調査票のデザインとも絡む問題なので、大枠で具体的に調査項目についての分科 会は、もし調査を御承認いただければ改めて開催したいと思いますけど、この大枠につい てはいかがでしょうか。大枠がこれよりもっとほかのものが必要であれば、今の時点で提 示いただかないと、この内容についてはまた改めて分科会を開いて決めないといけないと 思うのですけど、大枠についてはいかがでしょうか。 ○天本委員  一番最後の調査の進め方で、先ほども議論に出たのですけど、報告書というものは今回 はぜひつくっていただきたい。そうすることにおいて、中医協で議論される場合もいろい ろな意味での検証がしやすいのではないかと思われますので。ここにそれが書いていない ものですから、もし委員の皆さんが、あるいは事務局が同意していただければ、そういう 方向で。 ○池上分科会長  わかりました。それは具体的に4ページの3の「調査の進め方」の「とりまとめを行う」 というところを、踏み込んで「報告書として提出する」という表現でよろしいでしょうか。 その天本委員のご提案についていかがでしょう。  (「結構です」の声あり)  では事務局、その部分については修正して、「とりまとめ」ということだけではなく、「と りまとめて報告書として提出する」というように修正させていただきたいと思います。  ほかにはいかがでしょうか。 ○大塚委員  そうすると、今回はこの調査を行って、その実態に基づいてもう一度ADL3区分、医療 区分1、2、3という分類をし直すという ことでしょうか。それとも区分の仕方そのもの、あるいはどんな形でデータを処理するか についても再度検討がもたれるという ことでしょうか。 ○池上分科会長  済みません、もう一度おっしゃってください。最初のものというのは、そこは私も事務 局のお話を伺っていて、9プラス2区分についての話をいっているのか、5区分プラス1 のことをいっているのか、それが両方という書き方になっていますので、私の解釈として は、この分科会で出したのは9プラス2区分に基づいた分類案でありましたので、それに ついての分類基準の手直しは行うけれども、大枠の9プラス2というのはそのまま踏襲す る。もしそれを踏襲して、5プラス1区分との乖離があった場合には、その場合には当初 のコストと点数との乖離の問題を含めて事実として中医協基本小委に答申する予定である と考えておりますけど、事務局、そういうことでよろしいですか。 ○神ノ田補佐  今、世の中は5区分プラス1で動いていますので、それで今後やっていいのかどうか、 そこは答えを出していただきたいと思うのです。9区分についても検証と書いてあります が、これは事務局の理解としては、9区分プラス2について検証することが今使われてい る5区分プラス1の検証にもつながる、そういうことかなということで、両方検証してみ たらどうかということでございます。 ○池上分科会長  検証の結果、当然、実態エビデンスとしてそぐわないようであれば修正するということ を前提に考えております。 ○天本委員  一番最初に議論された中で3番目で、医療区分1の位置づけを明確にしていただきたい というのが前回、議論になったと思うのです。それは2、3を明確にして「その他」とい う形で医療区分1が決まった経緯があり、やはり医療区分1のもう少し細かい状態に応じ た区分分けがされるような、医療区分の妥当性という項目の中できっちり調査をしていた だきたいという希望を述べさせていただきます。 ○池上分科会長  わかりました。 ○近藤委員  これは確認なのですが、調査の目的の1と2というのが慢−1−1であったのですが、 今回の18年度の調査をするときに、1の区分の妥当性というのは、先ほどの9プラス2な のか5プラス1になりますけども、その妥当性も、もう一回切り方も検討するということ で、それは確認事項なのですけれども、そういう認識でよろしいわけですね。 ○池上分科会長  9プラス2かあるいは5プラス1かは別として、その大枠まで変えるかどうかというこ とは、そういう結果がどうしてもそうしないと説明がつかないというのだったらそうです けど、大枠は変わらないけれども切り方が変わるということは、結果をみて考えられるの ではないかと思います。 ○近藤委員  そうしますと、これは追加質問なのですけど、18年度の調査の内容がふさわしいかどう かといったときに、目的の1の妥当性の検証というものがあるのですが、この妥当性を何 をもって妥当と考えるかということなのですけれども、今の価格設定に準じて妥当かどう かというのはここの委員会の課題ではないかと思うのですけれども、目的の2というのを 見ると、多分それによる動きというものは2から出てまいりますし、あと、コストの観点 からのこれまでやってきたような標準偏差による分布として統計的にきりがいいのかとか という妥当性という観点もあると思うのですが、この妥当性というのは主にコストの分布 を切る上で、価格とか動きはある程度無視して、コストの区分としてある程度医療実態を 表現しているものの妥当性を検証する、そう18年度調査も理解してよろしいのですか。 ○池上分科会長  私は個人的にはそう考えていますけども、事務局、いかがですか。 ○神ノ田補佐  繰り返しの説明になってしまうのですが、慢−1−1の4に書いてあるとおりでござい まして、区分するということは、区分されたグループに属する患者についてはある程度同 一性が確保できなければいけないのではないかと考えておりますので、医療区分1の中に 仮にやたら重症な人が含まれてしまっている、そういう実態が明らかになれば、そういう ことのないような形で区分を見直すということはちゃんと対応しなければいけないと思っ ています。そういう意味での妥当性ということで御理解いただければと思います。 ○木下委員  そうすると基本的には、9足す2の区分について検証するという理解でよろしいのです ね。 ○池上分科会長  9プラス2を検証することが5プラス1の検証にもつながると事務局が言われて、実態 としてはそうですけど、この分科会の作業としては私は9プラス2の検証、それがそのま ま5プラス1の検証につながるという。 ○木下委員  そうすると、9プラス2で検証して、その結果で何か不都合なことがあれば、9プラス 2も見直す可能性もあるという理解でよろしいのですか。 ○池上分科会長  私は、切り方の見直しはあるでしょうけれど、9プラス2の分類を例えば20分類にする とか、それは考えないということを考えているのです。 ○木下委員  そうすると、基本的には9プラス、2がつくかどうかわからないにしても、9が基本に なるという考えでいていいわけですね。 ○池上分科会長  それは、ゼロから考え出すと、例えば20分類とか何かというとまた難しくなると思いま すから。 ○木下委員  それと5プラス1の分類の検証となると、当然、費用対中身ということになると思うの ですけど、それはこの分科会の作業として認められる範囲なのかどうかということは。 ○池上分科会長  それは、例えばきょう提示があった患者1人1日当たりの費用という、これは変動費の 費用ですけど、こういったものは少なくとも次回は基本問題から改めてやっても同じ結果 が出ますと、分類の切り方を変えてもこのように出たということは、次回は提示したいと 考えておりますけども。 ○木下委員  そうすると、この分科会の分類の仕方は費用によって分類する、そういう大前提で動い ているのですか。 ○池上分科会長  ケースミックス分類というのは、この区分の妥当性というところにあります臨床面とコ ストの面の両方の同一性が確保ということですから。 ○木下委員  そうすると、臨床面ということも入るのですか、コストだけではなくて。 ○池上分科会長  ですから、その調和の中でということですね。 ○木下委員  今度の調査で療養病床の役割という項目が新たに加わるのですけど、それがどの程度こ の区分に反映する可能性があるか、というあたりもお伺いしたいのですが。 ○池上分科会長  では、その前にどうぞ。 ○高木分科会長代理  今、9分類と政策的な5分類が議論になっていますけど、9分類のきょうのデータを見 ると結構ちゃんとした調査なのだなと。例えば医療区分3のADL1がケア時間で105分 ですよね。そして、医療区分1でADL区分3が115分。医療区分1でもADL3は10 分ぐらい長い。しかしコストを見れば、1日当たりの変動費だけをみれば、ちゃんと医療 区分の方はADLが1でも高く出ていますよね。これは、必要な薬剤とかちゃんと載って いるという、単に時間だけではなくて医療の側面もちゃんと載せていますよ、という結果 なのですね。  ですから、確かに同じ1分を、これは負荷がかかった1分とサッサッとできた1分は違 うのだというのは現場の方々の議論でよく聞くのですけども、しかしそれは社会的な診療 報酬を考えるときには同じ1分は1分として、コストを軸に臨床の働き方を分類していく しかないということで、ケースミックスの今、座長が言った話だと思います。  もう一つ次の話は、ここまで資料をつくったら、次はでは5分類に従って今あるデータ で上のデータをつくれますよね。加重平均するか何かすればですね。露骨になってしまい ますけどね、やろうと思えばできるのですよ。  だから、まずここで私が思うことは、従来の9分類プラス2で淡々と仕事をしていって、 5分類で、きょうこういうデータで検証しながら、あり得べき慢性期の包括評価を考えて いくのだと思います。ただ、分科会長が言うように、医療区分を横を4とか5と6とかや れば、確かに医療区分、先生方がこれも1に入るじゃないかというのを拾うことはできる のですね。なだらかにいっていますから。どこでカットするかというのは、確かに横三つ でさまざまな医療をカットされると、これも入るのではないかというのはわかるけれども、 そこは強引にやったということで。でも全体的にみれば、僕は初めてこれを見ましたけれ ども、いい調査をしたのだと思っています。 ○池上分科会長  その前に木下委員が、療養病床の今後のあり方を調査してどうなるかということですけ ど、それはメインの調査とは切り離した課題で、これは政策判断する上での追加資料とい うことで、こういう包括評価分類を導入した結果、現場ではどういうふうに対応している か、あるいは対応する予定かということのデータを提示するための調査であって、この分 類とは異質のものではないかと考えています。 ○大塚委員  先ほどから、例えば医療区分の妥当性というのが調査目的にありますが、我々現場の者 にとって最大の関心事は、医療区分1と なると、入院医療が必要でないという判断が下されることです。ですから入院医療を必要 とするような人が医療区分の1の中に 入っていないかどうかということを検証することが、医療区分の妥当性を検証することで はないかと理解するのですけども、 それでよろしいでしょうか。 ○池上分科会長  これは、基本的に分科会の報告が出た後、療養病床のあり方が大きく変わったので、医 療区分1については確かに医療が必要でない、あるいは病院として必要でないという位置 づけを前提とした医療区分の設定の仕方をしたわけではないというのは、大塚委員が御指 摘のとおりなので、それを何らかの方法で調査項目に入れることは、どういうことが考え られるか、あるいは胃瘻とか喀痰吸引は老健でできるとかできないという問題にも絡んで くると思うのです。ですから、それは新たな政策展開がその後あったものですから、それ を踏まえて医療区分1の考え方を、では老健で対応できるかということが、今受け皿とし て用意されているわけですから、そういうことも含めて調査しないといけないと思います。 ○天本委員  その際に、スポットでは老人保健施設でも可能なわけですけど、ある程度の群というか 数が多くなると看護師の業務量ということで、看護師さんが1人でできる業務量というの があるわけですね。それが老人保健施設では特に夜間などは1人とか、そういう1人でで きる業務量を調査の中でどのような形で引き出していただけるか、その辺も今は療養病床 だと看護師さんが多いですので夜間もそれで今可能なわけですけど、これが老人保健施設 というスポットでは可能だけど、1人の看護師さんが業務独占のできる量をいかにこの調 査で反映していただくか、その辺も検討していただきたいと思います。 ○池上分科会長  それは、例えば胃瘻の患者が全患者に占める割合をみて、またその全患者に占める割合 の中で胃瘻のある患者がどのぐらいのケア時間になっているかということを分析して、老 健等の既存調査と比較すれば、ある程度のことは見当がつくのではないかと思いますので、 それも老健等の既存調査とあわせて比較いたしたいと思います。 ○木下委員  今、分科会長から療養病床のもつべき機能についてはこの調査とは切り離して別の考え だとお聞きしたのですけど、それではこの分科会で調査する意味がないので、もつべき機 能に基づいて分類のあり方もそれを参考に考えていかないと、せっかく調査しても何の役 にも立たないということだと意味がないと思いますので、その点はよろしくお願いします。 ○高木分科会長代理  でもね、と言っては失礼だけども(笑声)、片方で764点が頭にあって、もしこれがそこ そこの点数であれば、多分医療区分1の問題ももっとマイルドなのですよ。やはりどこの 部分を療養病床でみていくかというのは、これはこの中で議論しても、マーケットはすご く広くて介護施設もあって、いろいろなところがあるわけですね。でも政策的に多分764 点つけてしまったのでしょう。だから、医療をやっている者としてはおこっているわけで すよね。でもその辺は、今分科会長が言ったように、胃瘻とか必要なものの評価が不十分 ではないかと。もう一つは、効率化して在宅とか老健とか特養までもう出してしまってい いという政策判断ではなくて、療養病床でみるのだということであれば、この点数は多分 コストに見合わないのだから上がっていくはずですね。その辺を混乱しているので、私か らみれば、こういう医療の必要度が低い人たちをマーケットがどう引き受けていくかとい う議論だと思うので、多分今回は764点がその議論をすごく政策的に大混乱を起こして、 この分科会がその原因をつくったかのように言われているけれども、それは違うと私は思 うのです。  だから分科会長が言うように、療養病床で医療の必要性を、この辺まではみていてもい いではないかという議論をするためにも、先ほども言いましたけれども、この調査のフォ ーマットでいけるのではないかなというのが私の感想です。 ○木下委員  それを調べてもらうのはいいのですけど、別の次元だというようなお話があったので、 やはりそれは参考にして、今療養病床でやっていることを全部認めろということは決して 言わないので、それをちゃんと適切な医療の必要度によって分類して機能分化を果たして いくことはいい方向だと思うので、そこに過誤というか漏れがないような形でこの分科会 で検討していくべきかなと思いました。 ○池上分科会長  私の誤解があったかもしれませんが、将来のあり方はどうかということについては別の 問題で、今現在、前回もそうですけれども、肺炎に対する治療をするかしないかというこ とに関しては、前回も療養病床でそういう医療機能を持つべきかどうかというのは、実際 にアンケートで伺ったわけですね。それは新しい環境下で改めて伺って、それはもちろん この分類に反映させる形にしたいと思うのです。ただ、これは10年先の療養病床をどうす るかということとこれとは直接結びつかないので、将来のあり方については、これはお考 えとして参考意見として伺うのであって、現在どうあるべきかということについては、前 回同様、改めて新しい環境下でどういう患者特性が療養病床の患者としてふさわしいかと いうことはお聞きして、分類にも改めて適合性をみるということで、ちょっと誤解があり まして済みませんでした。 ○泉委員  調査の内容というのは次回とお聞きしましたが、先ほどからのお話を聞きながら、やは り看護の立場から、医療の必要性の高い方が入院したときに、タイムスタディ−で夜間の 医療処置など,夜間の仕事の内容がかなりふえるかなと思いますので、その辺をみていた だきたいところです.また,清潔ケアについて,入浴は調査内容に入っていましたが、動 けない患者さんの場合,入浴以外の計画されている清潔ケアについても検討していただき たいと思います.また,患者特性調査の内容に褥瘡発生とかあるいは身体拘束などについ ても検討項目としてみていただければと考えていましたので、今後検討していただければ と思います。 ○池上分科会長  わかりました。次回以降、具体的な調査項目の中に特に身体拘束などは加えていきたい と思いますので。 ○泉委員  よろしくお願いします。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは時間が迫ってまいりまして、基本的な方針として、きょう新たに提示いただい た分類の変動費用の表と点数との乖離、これは事実として基本問題小委員会に報告すると ともに、もし天本委員からの報告書を出すという修正を含めた案で調査項目の概要につい て、詳細は改めて分科会を開きますけど、こういう形で18年度の調査を計画することを報 告するということで、詳細は私に一任いただけますでしょうか。  (「異義なし」の声あり)  ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。では、本日の議 論を踏まえて事務局において再度、調査実施(案)を修正していただくことにしたいと思 います。  本日の分科会は以上としたいと思います。次回の予定について、事務局から説明をお願 いいたします。 ○神ノ田補佐  次回の分科会につきましては、また調整の上、追って日時を御連絡申し上げます。きょ うは、どうもありがとうございました。 ○池上分科会長  それでは、平成18年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分 科会を終了させていただきます。本日は、お忙しい中をありがとうございました。 −了−       【照会先】        厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278)