06/09/04 看護基礎教育の充実に関する検討会第6回議事録 照会先:医政局看護課 岩澤(2599)柴田(2599) 電話:03−5253−1111                  直通:03−3595−2206 第6回 看護基礎教育の充実に関する検討会                 日時 平成18年9月4日(月)14:00〜                    場所 厚生労働省専用第15会議室(7階) ○事務局(柴田) ただいまから第6回看護基礎教育の充実に関する検討会を開催いたし ます。委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらず当検討会にご出席いただき ましてありがとうございます。はじめに、この9月に医政担当審議官、看護課長及び看護 職員確保対策官の交代がございましたので、岩澤から紹介させていただきます。  ○看護課長補佐(岩澤) 紹介させていただきます。医政担当審議官の白石(しらいし) 順一(じゅんいち)でございます。 ○医政担当審議官 白石でございます。よろしくお願いいたします。 ○看護課長補佐 看護課長の野村(のむら)陽子(ようこ)でございます。 ○看護課長 野村です。よろしくお願いいたします。 ○看護課長補佐 看護職員確保対策官の小野(おの)太一(たいち)でございます。 ○看護職員確保対策官 小野でございます。よろしくお願いいたします。 ○看護課長補佐 また、オブザーバーとして文部科学省高等教育局医学教育課長に出席い ただいておりますが、9月に交代がございましたので紹介させていただきます。三浦公嗣 (みうらこうじ)でございます。なお、本日は武委員、南委員から欠席との連絡を受けてお ります。ほかの委員は遅れて来られる予定です。それでは座長、議事の進行をお願いいた します。 ○遠藤座長 お手元にいくつか資料があるかと思いますが、事務局より資料の確認をお願 いしたいと思います。 ○事務局 お手元に配付させていただいています資料の確認をお願いいたします。議事次 第、座席表、検討会メンバー、資料です。資料1は、これまでの議論の中間的なとりまと め(案)で9頁あります。また、本日は看護基礎教育に関して、団体から提出されている 要望書を配付させていただいています。乱丁、落丁がございます場合には、事務局までお 知らせください。以上でございます。 ○遠藤座長 早速議事に入らせていただきます。本日は前回に引き続きまして、「これま での議論の中間的なとりまとめ(案)」を検討していくことが本日の議題です。はじめに 本日の議事の進め方について簡単に説明させていただきます。  前回は、本検討会の「これまでの議論の中間的なとりまとめ骨子(案)」を提出してい ただきまして、それについてご検討をいただきました。前回の検討会の最後に申し上げま したように、皆様からのご意見については、事務局に整理をしていただきまして、本日こ こにございますような、「これまでの議論の中間的なとりまとめ(案)」を少し修正した ものを作成していただきました。本日の具体的な進め方は、このとりまとめ案に基づいて ご議論をいただくということですが、前半は中間的なとりまとめ案につきまして、Iの 「はじめに」(1頁)から、IIの「これまでの議論の概要」(1〜5頁)についてご議論を いただきたいと考えています。また、看護師教育、保健師教育、助産師教育、全般につい て、それぞれ時間を区切ってご議論をしていただきたいと考えております。後半ではIIIの 「指定規則等の改正に向けて充実するべき教育内容の具体的な検討について」(5頁)を ご議論いただきたいと思います。こちらもできるだけ看護師、保健師、助産師と、それぞ れ時間を区切ってご議論をいただきたいと思っております。その後にIV「指定規則等の改 正にあわせて検討するべき事項について」のご議論を頂戴したいと思います。このような 形で進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  なお、本検討会の「中間的なとりまとめ」につきまして、予定していますものは、本日 でまとめたいと一応考えています。そういう意味で限られた時間なので効率的な議論をお 願い申し上げます。したがいまして、これまでの議論のようなものを、またここで繰り返 すということではなくて、できるだけこれをベースにしながら、どうそれを修正していく かという方向でご協力を賜りたいと思っています。以上ですが、よろしければ早速内容に 入りたいと思います。  最初に、中間的なとりまとめ案のIの「はじめに」と、IIの「これまでの議論の概要」、 この部分につきまして、事務局から読み上げていただきまして、その後ご議論をしていた だきたいと思っております。事務局から読み上げてください。 ○看護課長補佐 最初に誤植の訂正をお願いいたします。1頁目「はじめに」の2つ目の ○の1行目、「本検討会が平成17年」とありますが、これを「18年」と訂正をお願いいた します。                             (資料1読み上げ) ○遠藤座長 早速議論に移りたいと思います。部分部分で少し区分けした議論をしたほう がよろしいかと思いますので、まず、Iの「はじめに」のところにつきまして、ご意見・ ご質問がございますか。 ○西澤委員 「はじめに」のところの最初の○の下から4行目です。このビジョンについ ての文章がここで参考までに述べられているのですが、その文章の下から2行目、「大学 教育の拡大など、看護基礎教育の期間の延長について検討」ではなくて、そのあとに「延 長や卒後の臨床研修のあり方について、制度化を含めた検討」と書いてありますので、 その文言を入れておいたほうが分かりやすいのではないかと思います。 ○遠藤座長 このビジョンそのものは、確かにその後に、いま西澤委員がご指摘されまし たように、卒後の臨床研修のあり方について触れられているわけですが、ここにはそれが 触れられていないので、入れたほうがいいのではないかということですが、これにつきま して、事務局のほうで何かお考えがありますか。 ○看護職員確保対策官 本来であれば委員の方、お一人お一人にご挨拶すべきところを、 異動後間もなく、このようなかたちで、答弁ではじめてコミュニケートさせていただくこ とをお詫びしたいと思います。申し訳ございません。  いま西澤委員からご指摘いただいた点についてですが、確かにビジョンのほうにはその ように表記されているのですが、私どもとして、一応今回の検討会の議論の中では、卒後 の臨床研修の部分については、ここでは議論せずに別途ということで考えていますので、 抜き書きの部分で、期間の延長までという形に整理させていただきました。 ○遠藤座長 西澤委員、いかがでしょうか。 ○西澤委員 確かにこの委員会ではそうだと思うのですが、ただ、いま看護基礎教育の中 でも臨地実習が問題になっています。臨地実習ということと臨床研修というのは同じよう にも見えるわけです。ですから、この委員会では卒後の臨床研修のことについての議論は しないのかもしれませんが、基礎教育の議論をする中では、当然それを頭に置いてすると いうことでは、その文言を入れておいたほうがいいのではないかと思うのです。 ○遠藤座長 これは特に入れたとしても、何か問題がありますか。 ○看護職員確保対策官 確かに委員のご指摘の部分、よくわかりました。私から最初にご 答弁申し上げたような事情もあるものですから、委員のご指摘を踏まえて、また座長と文 言の調整をさせていただきたいと思います。 ○遠藤座長 では、ご意見を賜ったということで、後で事務局と相談をして対応させてい ただくということでよろしいでしょうか。 ○西澤委員 よろしくお願いいたします。 ○遠藤座長 ほかに「はじめに」についてありますか。 ○草間委員 看護師基礎教育の最初の○の2頁目のところで、「新卒者の中にはリアリテ ィショック」云々とあるのですが。 ○遠藤座長 すみません。いまは「はじめに」のところだけをお願いします。「はじめに」 につきましてございますか。特にないようであれば、もう少し具体的な中身、II以降の議 論に移りたいと思います。IIの「これまでの議論の概要」に移りたいと思いますが、はじ めに、看護師教育についてということで、そこの関連でご発言があれば承りたいと思いま す。 ○草間委員 看護師教育の最初の○の最後の3行の、「新卒者の中にはリアリティショッ クを受ける者や」云々、これは次の○が学生の臨地実習はこうだとか、あるいは急性期の 患者を見なければいけないということで、こちらに書いてあることに関係しますので、こ の最後の3行は次の○の後にあったほうがいいような気がするのですが、いかがでしょう か。だから、最初の○は就職後、自信がもてないまま、不安の中で業務を行っているとあ って、それで、「新卒者の中にはリアリティショックを受ける者や」というのは、次の○ のところにあったほうが、臨地実習では1人の患者しか持たないけれども、実際には外に 出るとこうだというようなことがありますので、次のほうがいいような気がしたのですが、 いかがでしょうか。 ○遠藤座長 まず、ご意見としては文章の修正ではなくて、位置を変えるということです ね。 ○草間委員 はい。 ○遠藤座長 それについて、事務局、何かありますか。 ○看護職員確保対策官 ご指摘の趣旨はわかりましたので、先ほどと同じように、しっか り受け止めさせていただき、座長とご相談させていただいて反映したいと思います。 ○遠藤座長 そのように対応させていただきます。 ○浅田委員 ○の2つ目の「さらに急性期病院では」と書いてあるのですが、いま直され るかどうかはあれですが、この文章を読むと、やはり急性期病院の前、これは卒業時点で、 そういうことが求められるというふうに読めるのですが、たぶん議論ではそうではなかっ たと記憶しているのです。つまり、学生は臨地実習ではそれはやっていないから、複数の ことが卒業時に求められている。同じことは、急性期病院ではこれが求められるというこ とは、もう、これをやれということを言っているのと同じですからね。きちんとそれは卒 業時点に求めているかどうかということに対しては、卒後3カ月の中でという議論があっ たはずで、そのことであれば、卒業時ではなくて、いまの病院が求めていることと、卒業 時で求めることは違うわけで、そこはきちんと書いていただきたいというのが1点です。  もう1つ言わせていただきます。その2頁の2つ目の○ですが、経験1年未満が全体の 13%で、新人看護師の関わる割合が高いというのですが、では、事例の87%は誰がやって いるのかと考えれば、このデータからいうと、必ずしも新人が高いということではないと 思うのです。どうしてこれを、あえて「新人が高い」と書いてしまうのかというのはよく わかりません。これは現状がまずいということを強調するような言い方なのですが、実際 の事態が本当に87%の残りがあるわけで、それはどういう人たちがやっているか、きちん と書いたうえで、新人は何が問題かを書いていただかないと、現状を記述したことにはな らないわけですから、そこはきちんと書いていただきたいと思うのが2つ目です。 ○遠藤座長 よろしいですか。いま2点ご指摘があったわけですが、おまとめになられた 事務局として、何かこれについてお考えがありますか。 ○看護課長補佐 2点目のヒヤリハット事例における新人看護師が関わる割合ですが、こ れは第1回のときにお出しした資料なのですが、当事者の経験年数別で見てまいりますと、 最も高いのは1年未満になっていますので「高い」とそのまま表現しました。第1回の資 料2の34頁、表の6です。 ○遠藤座長 浅田委員、いまそういうお話がありました。 ○浅田委員 0年ということは新人ということですね。1年目だってそうですし、徐々に 減っていきますが、どう確認をするかは別として、0年、新人だけが高いというわけでは なくて、1年目だって結構高いわけです。あえてそういう記述の仕方をしているというこ とは、ある意味でいうと現状の看護教育を否定しているというところが出てくるわけです ね。つまり、批判的に書こう書こうという感じを受けるのです。いい点はいい点としてや はり続けるべきものがあるわけで、そこをきちんと書いていただきたいと思うのです。 ○遠藤座長 内容の問題というよりも、書きぶりの問題というふうに理解させていただき ましたので、それについてもまた事務局と相談をして修文させていただこうかと思います。 ○浅田委員 もう1点、その真上の「急性期病院」云々というのは、「卒業時点で求めら れている」ということではなかったような記憶がありますがということです。つまり、卒 業時点ではなくて、現在の病院として、こういうことが求められているというのは、例え ば複数の同時進行を行わなければいけないとか云々ということがあると思うのです。それ はほかにもあると思うのです。この「求められる」と書いてしまうということは、卒業時 にはできないといけないというふうに読めるのではないですかということです。そういう ことは議論としては上がっていなかったと私は思います。つまり、ここで、もう方向づけ をしていいのですかということです。 ○遠藤座長 これについてはある程度、議事録をベースにしていると思うのですが。 ○看護職員確保対策官 私どものほうで、今回これをとりまとめさせていただいたのは、 いままでの委員の方々のご発言をもとに整理させていただいています。浅田委員のご指摘 の部分については、いままで一応そういったご議論はあったところですが、確かに私ども でもう1回、議事録を精査いたしまして、表現の工夫をしてみて、また、座長ともご相談 させていただきたいと思います。 ○遠藤座長 そういう修正の仕方でよろしいですか。 ○浅田委員 はい。 ○遠藤座長 ほかに看護師教育につきまして、何かございますか。 ○太田委員 いまの内容に関係するかもしれないのですが、議論の中では、やはり「臨床 と教育のギャップ」というところでは、教育における到達度の明確化というあたりがなさ れていないことが、ギャップの1つの原因として議論が出てきていたと思います。その到 達度が十分に明確化されていない部分というのは、現状としては必要ではないかと思うの です。 ○遠藤座長 到達度が明確化されていないということを、この箇所のどこかに入れるべき ではないかというようなことですが、これについてはいかがでしょうか。 ○看護職員確保対策官 そういった議論があったということですので、委員のご指摘を踏 まえて、またご相談させていただきます。 ○遠藤座長 では、その種の内容をこの場所に盛り込ませていただくという形で修正させ ていただきます。 ○菊池委員 1頁目の看護師教育についての下のほうの○ですが、ギャップがあるという 説明の後に、「患者の安全が重要視される中で、いろいろ経験する回数も限られてきてい る」ということが2頁目に述べられています。この経験する回数も限られてきているとい うことの背景や理由として、1つはここに書いてあるように、患者の安全が重要視される ということや、人権意識が高まって、患者の同意を得ることの困難性があると思うのです が、もう1つ、2頁目の○の3つ目でカリキュラム改正のことを説明した中で、教育の時 間が減少して、特に臨地実習の時間が減って、実質的に科目は増えて時間数が減少したと いう記述があります。ですから、こういう制度的に変化してきたことが影響して、経験す る回数も限られてきているという、そこに関係があると思いますので、そこがわかるよう な書き方をしていただければと思います。 ○遠藤座長 それは確かにそうだと思いますので、そのご主旨に沿った形の修文をする形 にしたいと思います。ほかにございますか。それでは看護師教育はよろしいでしょうか。 ○菊池委員 次の「課題への対応」というところともつながるのですが、5頁目の看護師 教育についての課題への対応という中に、こういうことを今後重視し、強化する必要があ るという内容が書いてあります。これはその後のワーキングの議論にも関係してくると思 うのですが、そもそも、こういう内容を強化する必要があるということの理由ついて、保 健師や助産師については、その課題について、なぜそういうことを強化する必要があるか ということが前のほうの「現状」のところに書いてあるのですが、看護師についてはギャ ップとしてしか出てきていません。  いまの制度上の時間数が減少してきたということと合わせて、今後、保健医療福祉制度 が変わっていこうとする改革への対応という中で、看護師の役割として期待されているも のとして、これから大きく対応しなければいけないものの中の1つに、急性期医療の在院 日数がますます短くなって機能分化が進んでいきますので、その急性期医療の中で、的確 な知識や技術や高度な判断ができる、専門的な判断や技術が提供できる看護師を養成する 必要があるということ。それから、これから在宅医療や訪問看護が重視され、難病患者の 在宅医療やターミナルを在宅で過ごす方も増える中で、医師と連携して訪問看護を進めて いく、看取りの看護を充実していく。あるいは、がん末期の患者の疼痛管理など、看護師 に対する役割期待が高まってきている。それに対して対応していく必要があるというよう なことを、この前半の「現状と課題」のところでも入れておいていただくと、あとの「課 題への対応」として、なぜフィジカルアセスメントが必要になるのかということと対応し てくると思います。そこで書き加えていただけたらと思います。 ○遠藤座長 関連事項で浅田委員どうぞ。 ○浅田委員 いま言われたようなことは、看護基礎教育のことではなくて、むしろ社会的 な現状についての認識なので、それは現状の中に書くのではなくて、もし書くのであれば、 「看護とか医療を取り巻く環境の変化」という項を別に立てていただいて、その中で書い ていただくことが必要だと思うのです。  もう1点、先ほど時間が減ったということがギャップの原因だということは、私はそれ は1つあると思いますが、それは確実ではないわけです。でなかったらいまの制度を全部 否定しているということですから。つまり、実践能力を育てようということで、そういう ことを言うと、こういうカリキュラムを作られたのに、それが全く機能しないのだという ことを明言しているのと同じなのですよ。実はその時間の中でどう工夫したかということ は、きちんとチェックしていなくて、ただ、現実はギャップがあるというか、うまく機能 していない部分がある、それは時間が少ないのだということに原因を帰属させるのは、私 は疑問があります。現状としては減ったということは事実だと思うのです。しかし、その こととギャップということを結びつけて記述をするということは、ここでは私は必ずしも 合意が得られたとは思っていませんし、それがきちんと立証されるとは思いませんので、 そういう書き方はこの時点では、私は不適切だと思います。  現状というか、医療を取り巻く環境というのは、多分保健師も含めて、様々な変化があ るということは、別の項を立てていただいて、こういう中で看護基礎教育なり、保健師の 教育を見直すのだという形の中で、具体的に看護基礎教育はどうなんだというふうに書い ていただく。そういうふうにしないと、それを全部入れてしまうと、それは看護基礎教育 の現状ではなくて、いまの捉え方だと思うのです。それは別項を立てて書いていただきた いと思います。 ○遠藤座長 それは直接菊池委員のご意見に対する反論であったわけですので、もし、菊 池委員、今のご発言に何か意見があれば承りたいと思います。 ○菊池委員 臨地実習の時間が少なくなって、経験できる部分が少なくなってきている。 あるいは1つの実習が見学程度になってきてしまっているというような状況については、 現場の先生方からもそういう意見が出ていたと思いますし、私どもも直接現場の先生方か らそういう話を聞いています。統計的には確かに出てはおりませんが、そういうふうに考 えるということについて、ここの中で記述していただきたいと思います。 ○遠藤座長 今の問題に何か関連のご意見のある方いらっしゃいますか。 ○小山委員 看護学生が臨地実習で実施できる看護技術の実態について、7月21日にデ ータをお示ししたと思いますが、これは実習時間数が長くなろうとなかろうと、今日の医 療機関で「患者の安全性を守る」ということで、病院あるいは学校側が決めているような のです。そしてこれは、先ほど出ましたように、基礎教育卒業時の到達度が不明確なため に、学校や病院との間で、患者の安全性を重視するがゆえに、むしろ学生には「診療の補 助」に関しては大変厳しい現実があります。そのことがここの文言に表現されずに、ただ、 時間数のことだけが表現されると誤解を招くかと思いますので、そのことがきちんと含ま れるようにお願いしたいと思います。 ○遠藤座長 浅田委員と菊池委員の言われたことということではなくて、また新たに付加 するという話ですね。ですから、そこをどこまで増やしていくと、この看護基礎教育の問 題点というところの議論になるのかどうかと、そういうところを浅田委員はご指摘をされ ているわけです。新しいニーズとかいろいろなことを入れていくとどうなのか。しかし、 教育を考えていく上では、そのニーズへの対応ということも必要だから、そこに1つ入れ てほしいというようなご意見がたぶんあるのだということで、どういうふうにこの辺を文 章として書くかというところだと思うわけです。 ○坂本(す)委員 私は浅田委員が言われた、「ギャップ」という言葉だけで表わしてい ることを、もう少し具体的に臨床側と教育側の2つの違いというものを、もっと明確にす る文章を入れていただかないと、何かギャップが本当にあるの、1割が辞めて本当にそれ が大変なことなのですかという話になってくると、一体何が原点でそれが話し合われてき たのかがわからなくなると思うのです。学校側が「到達目標が不明確である」と言って、 そして臨床側が「到達目標はここまでにしてほしい」と言っているというところに対して、 もう少しきちんと算数的に明確にしておかないと、後から解決をすることが、ちょっとま た違ってくるのではないかなというふうに思いますので、もう少しそのギャップというこ とに対して、何がギャップなのかというところを、「明確にする」という言葉でもいいで すから、入れていただきたいなと思います。 ○遠藤座長 今までの議論をお聞きになりまして、浅田委員何かコメントがございますか。 ○浅田委員 私が言いたいことは、今わかっていることは「わかっている」ときちんと書 いてほしい。そこで、それぞれのご意見はわかるのですが、それは、それぞれ立場があっ て、意見は全部併記するのかということになりますから、それぞれ議論の中に出てきたの だけれども、その中できちんとデータとして出るものは書いていただきたいし、それから 医療の現状に対して、もちろん私と専門にやっている方で認識が違うわけですが、社会の 状況として、例えばあとで出る保健師もそうですが、生活習慣病というものがものすごく クローズアップされてきて、そのことで保健師の教育の中身を変えようという話は当然出 てくると思うのです。それも、「全体の社会的な状況」ということを、きちんと記述して いただいて、その中で教育という押さえが当然あるわけですから、そういう項を立ててい ただければ、私はもっと理解されると思うのです。  つまり、この報告書は誰に向かって書くのかということなのです。要するに一般に、パ ブリックに出すわけでしょう。その人たちが読んだときに、明らかにこういう変化がある 中で、看護教育をどう考えているのだということを、中間的なとりまとめで出すわけです からね。では、いまの状況の認識としてどうなのかということは、専門家の方、あるいは そうではない視点もあると思いますが、それをきちんと書いていただいた上で、では基礎 教育はこういうことが問題だから、ここを変えましょうとか、こういうふうにしましょう というふうに理屈上というか、進め方はなっているのではないですか。であれば、そうい うふうにしたほうが、より理解が得られるというか、わかりやすいというのが私の意見で す。 ○遠藤座長 ありがとうございます。大体これに関連いたしまして、様々な方からご意見 を賜りましたので、これはご主旨は理解させていただきましたので、事務局と相談して全 体の構成も含めて修文をさせていただきたいと思いますが、そのような形でよろしいでし ょうか。                   (了承) ○遠藤座長 ありがとうございます。次は2)の「保健師教育について」、ご意見・ご質 問がございますか。 ○村嶋委員 2頁の後ろから3頁の最初の○に関して5点ほどコメントをつけたいと思 います。最初の2行のところは文章上のことですが、「実習施設側は1人でできるという 到達レベルを」と、ちょっと言葉をつなげるために「到達レベルを設定しているが」とい うのを入れていただくと文章がつながりやすいかと思います。  2番目ですが、3行目に「実習で体験させたい項目のうち」ということになっています が、この健康教育、家庭訪問は、初任時の保健師の6割以上が市町村では実施しないとい けないことになっていまして、「実習で体験させたい項目で、かつ、初任時にすぐに求め られる」ということを入れていただきたいと思います。  3点目です。その下から2行目ですが、「習得できるように実習を充実させる必要があ る」で、経験すべき実習内容と到達目標を明示することについても検討するという意見が 出ていたと思います。保健師のコンピテンシーという話が南委員からも出ていたと思いま すので、そこに「経験すべき実習内容と到達目標を明示することについても検討する」と いうのを入れていただきたいと思います。  4点目は下から3行目です。「能力・技術については習得できるように実習を充実させ る必要がある」ということですが、いままでのことから、特に大学では見学実習が多いと いうことが問題になっていましたので、「見学実習にとどまらず、複数回体験をして習得 できるように実習を充実させる必要がある」というようにお願いしたいと思います。  5点目として下から2行目の「学校、産業など広い分野での実習を行うことが」と書い てありますが、広い分野でやるのはいいのですが、やはり保健師実習なので、「常勤とし て保健師が日常的に活動している広い分野での実習を行う」というふうに訂正をしていた だければと思います。以上、最初の文章に関して5点です。 ○遠藤座長 ご意見ありがとうございます。これにつきましては、文章上の問題のご指摘 と、それから実態をより反映させた形の表記ということだと思います。どれほど具体的、 細かいことを書くのかという他とのバランスもありますので、それについてもご主旨はよ くわかりましたので、少し事務局と相談して対応をさせていただきたいと思います。ほか に保健師教育についてございますか。 ○榮木委員 保健師教育のいちばん最後の○ですが、「看護系大学の増加に伴い、平成17 年には11,109人と増加している」。この理由が書かれていないと、看護系大学の増加で 何でこれだけ増えているかということの説明にならないと思うのですが、いかがでしょう か。 ○遠藤座長 これは実態がわからない方が読んだときにはわからないので、そこは説明を 入れろということですね。それはその通りだと思いますので、わかりやすい文章を入れた いと思います。ほかにございますか。 ○浅田委員 いまの3つ目の○の「また」以降ですが、「保健師として就業する者の数は 年々減少してきている。保健師を志向する者だけが保健師教育に進むことができるような 養成のあり方についても検討していくことが求められている」というふうに書いてしまう のですが、では、いまの大学の統合カリキュラムは全くオプションに変えようということ を言っているということになりますよ、こういう書き方をすると。今は両方取れるという ことで、統合カリキュラムのメリットを訴えてきたのに、一方的にこういう書き方をして いいのか。つまり現状とかいうときに、「求められる」という書き方をすることが実は問 題なのです。これは現状ではないのです。先ほどもありましたけれども、例えば「複数回 実習を」とか入れてしまうと、そうしなさいということを、ここでまとめとして出てしま うので、あとでワーキングに依頼したときには、それが前提になって枠になりますよ、と。 そうすると、ワーキングは検討するのではなくて、そのことを追認するだけになるではな いですか。では、何のためにワーキングをやるかわからない、ここで結論があるわけです から。そういう書き方は私はよくないと思います。  だから先ほどのものも、そういう習得できる実習が必要だとか、そういう習得が求めら れるぐらいはわかりますが、それを具体的にどういうふうにやるかということについては、 ワーキングに多分任せたほうがいいのではないかと思うのです。だから、ここで書くべき ことは、現状をきちんと書くこと、そして、現状あるものに対して「これはもう駄目です よ」という書き方はあまりよくない。私は看護大学にいませんから構いませんが、看護大 学の人に、これで本当にいいのかと言われたら、私は困ると思うのです。 ○遠藤座長 わかりました。関連事項ということでよろしいですか。 ○草間委員 この中間的とりまとめをどうまとめるかに関連しますが、先ほど座長が言わ れたように、今までに出てきた議論を中心にまとめますということだったと思います。こ この中で実際に保健師の免許を取る学生で、就職できる学生は1割であるという形で、こ の辺は問題になってきたところです。この書き方も、「養成のあり方についても」という 形で「も」という形で書かれているので、こういう意見があったので、私は書いていただ いて問題はないと思います。 ○遠藤座長 ほかに関連でありますか。 ○小山委員 大学に勤務している者としまして、ここに書いてある文章が、大学の人たち にとって、あまりネガティブに受け取られないような、中立的な書き方をしていただきた いと思います。なぜならば、大学の卒業生で保健師としてのニーズがないかというと、そ うではありません。もう既に保健師として就職が決まっている人たちも何人もいるのです。 もし、社会が大学の卒業生を否定するのでしたら就職先はないと思うのですが、求人はあ ります。現在、働いている人たちにとっても、肯定的な書き方をするということです。  もう1つ、大学が確かに増えまして、保健師養成数は多くなりました。その人たちは新 卒で保健師としては就職しなくても、まずは病院等に勤めて、そのあと保健師へ進む人も 少なくなく、現場で活躍をしています。ここの文言の表現で、「保健師だけを志向する人 だけが保健師教育に進むことができる」という表現は、アドバンスト・ナースプラクティ ショナーの保健師ではないかというように受けとられます。  ここで基礎教育としての保健師について、私は過去何回か悩んでいます。国家試験を最 初に受ける段階では、どのレベルの保健師として育てるのかというところも、明確にしな いといけないと思います。相当アドバンスト・ナースプラクティショナーとしての、いわ ゆる大学院レベルでの教育が求められるものを、保健師として、ここで数をくくっていい だろうか。健康教育という意味で、これから保健師が病院内で活躍する場もたくさん出て くると思いますので、ニーズが多くなったときに、保健師が足りないということにならな いようにしなければいけないと思っています。 ○遠藤座長 これにつきましては、基本的には、ここでの報告をベースにした議事録をベ ースに、事務局がまとめている形になりますので、こういうような主張が強くあったとい うことで、ここに書かれているわけです。ただいま、それにつきまして浅田委員、小山委 員から、やや違った視点からのご意見も出ていたので、これは文章上の、おそらく文言上 のことで修正できる話ではないかと理解していますので、要するに、検討していくことが 求められるということまで言い切っていいのかどうかということだと思いますので、その 辺については、また事務局と相談しながら修文させていただきたいと思います。 ○村嶋委員 浅田委員、榮木委員がおっしゃいましたようなところを含めますと、大学で は学生全員の卒業要件として保健師の国家試験受験科目が入っているというような実態が ありますので、是非、そこを入れていただきたい。大学で選択制になっていれば、このよ うにニーズは少ないのに、また、レディネスがないのに大量に現場に行くということが生 じないわけです。少なくとも保健師に関しては選択制のことを、せめて入れていただきた いと思います。そういう意味では、最初の段落と2番目の段落との間に、「実習に出す際 にレディネスを十分考慮し、レディネスのある学生だけに実習をさせる方策を考える」と いうような一文を、是非、入れていただきたいと思います。 ○遠藤座長 それにつきましてもご要望として承っておきますので、これもまた相談して 対応させていただきたいと思います。 ○草間委員 保健師の最後の○で、実習施設の確保が難しいのは、これも議論として出て いたことだと思いますが、単に看護系大学が増えたからだけではなく、市町村合併等で実 際に保健所が合併したために、特に行政保健師としての実習施設の確保が難しいというこ ともあったと思います。これはこれからの問題でもありますので、是非入れていただきた いと思います。 ○菊池委員 3頁のいちばん最後の○の「また、保健師として就業する者の数は年々減少 してきている」というところの数を、最新のデータを入れていただければと思います。約 800人ぐらいだったと思います。その800人と養成11,000人とのギャップがあって、こう いうことを議論をしていたと思いますので、そのデータをきちんと入れていただければ、 その議論の根拠がわかるかと思います。 ○遠藤座長 保健師はこのぐらいでよろしいですか。続いて助産師教育について、ご意 見・ご質問を承ります。 ○堀内委員 全体はいいかと思うのですが、1点だけ。いちばん最初の○の下から2行目 「また、妊娠期から分娩、産褥1カ月までの継続ケアを実施する必要があるが」というと ころですが、この継続ケアというのが誤解のないように、「(産褥)1カ月までの継続ケ アを同一事例で実施する必要がある」と書いていただけると、より明確になるかと思いま すので、検討していただければと思います。 ○遠藤座長 助産師教育につきましてほかにありますか。よろしければ、4)の「全般に ついて」ご意見・ご質問がございましたら承りたいと思います。  ○村嶋委員 いちばん最後ですが、統合カリキュラムといいますか、看護師教育と保健師 教育、助産師教育を併せて教育すること等についても検討することが求められているとい うことなのですが、そのときに、「学生の学習進路、教育のレディネス、読み替え条件を 明確にして教育することについて検討することが求められる」という一文を入れていただ きたいと思います。もし、これを実施するのであるならば、保健師と看護師の科目の重複 が極力少なくなるような形で、カリキュラムを構成していくことが必要になると思います。 ○遠藤座長 実務的なご指摘だと思います。全体のバランスから考えまして、どこまで細 かいことを入れるかということもありますので、その辺も総合的に判断させていただいて、 できるだけご主旨に対応できるようにしたいと思います。ほかにございますか。 ○浅田委員 4頁の上から4つ目で、「さらに、身体侵襲を伴う」という文章なのですが、 「卒後の研修等ですべきことは区別して考え、新人看護職員の研修についても検討する必 要がある」という文章がありますね。先ほど西澤委員が「はじめに」のところでそこは入 れたほうがいいのではないかと言われたのですが、つまり、ここでこういうことを出して きているのに、最初に書かないのはおかしいわけですよ。こういう書き方をしてしまうの だったら報告書は矛盾しているのではないですか。結局、看護基礎教育をどういう枠で捉 えるかということを、多分言われたのだと思うのです。つまり、卒後まで含めた中で基礎 教育を考えた位置づけでどう捉えるか。だから、こういうことが「全般について」で出て くると思うのです。それは途中までの引用で区切ってしまうと、そこに限定して考えると いうと、ここの文章は必要なくなるわけです。ですから、報告書自体の中に矛盾を抱える ではないですか。そこをきちんと整合性をとるように文章をしていただきたいということ です。どちらで判断されるかは事務局の判断ですけれども。 ○遠藤座長 事務局の判断といいましょうか、基本的には看護基礎教育を検討しましょう という話ですので、卒後の研修についてはメインのテーマではないわけです。そういうこ とから言うならば、最初のあそこを省いたというのは目的に合致しているのですが、ここ では若干矛盾が出ている。これを切ればいいという形になります。  ただ、卒後のことも全く無視できるかどうかは微妙なところですので、それは出てくる と思います。しかし、ここのところは確かに、最初あれを削っておいて出てくるというの はおかしなところなので、もし委員の皆様方にご同意がいただけるのであるならば、卒後 の研修云々は内容から消してしまうという形でよろしいですか。 ○小山委員 反対します。基礎教育だけで看護教育を論じる時代は終わったと私は思って います。前回、私は「移行教育」という案を申し上げましたが、この点は非常に重要なと ころです。基礎教育と継続教育がぶつ切りになることによる問題が今まではありましたの で、臨床の方々と連携して上手くつないでいくことは非常に大事なことです。私は先ほど の西澤委員の意見のあと、座長がとりまとめられたときに、後ろのここに書いてあるのを 知っていましたので、最終的には「はじめに」の最後にそれが入るであろうと思っていま した。是非、入れていただきたいと思います。 ○遠藤座長 卒後研修にどのぐらいウェイトを置いて、この検討会として考えるかという ことですが、ワーキンググループに対する委任事項も含めて、どうするかというのはかな り大きなテーマです。そもそもこの検討会を立ち上げたときのミッションがあるわけで、 それと卒後研修との関連について、事務局のほうで基本的な考え方があればご発言いただ きたいと思います。 ○看護職員確保対策官 卒後研修の件については、私どものほうでは、「保健師助産師看 護師法等のあり方に関する検討会」という、また別の場でのご議論をきちんといただくと いうことでどうかと考えており、その方向で来年度の予算なども検討しているところです。 ですから、この場で検討する必要があるということについては、方向性としてはそのとお りですが、今回お集まりいただいている検討会で議論するかというと、まさに最初のミッ ションに鑑みれば、そこはこの検討会のミッションの外にありますので、修文を考えたい と思います。その際には、やるべきではある、ただし、やる場はどこなのかが不明確だっ たと思いますので、そこがうまく整理できるように考えてみたいと思います。 ○遠藤座長 そういうことですが、実際に何かありますか。 ○西澤委員 私が言ったのは、ここで検討しろという意味ではなくて、こちらは基礎教育 を検討するのですが、臨床研修と場合によってはどちらでやろうかという議論になりかね ない。そういうときには臨床研修の議論もあるのだということを常に頭に置いてやってい ただきたいということです。今でも、例えば基礎教育や新人看護職員の教育などの議論を していますが、そこだけをやっているから、いま言ったような矛盾が起きているので、厚 労省の委員会の中では、どの委員会でどういうことをやっているかとか、どういう流れで やっているかを常に頭に置いて、その中のこの役割だということを認識しなければおかし くなるということで、是非、言葉の中には入れておいていただきたい。 ○遠藤座長 わかりました。事務局、何かありますか。 ○看護職員確保対策官 今の一連のものやりとりを通して、非常に思いが近くなってきた というか、相互理解が深まったのだと思います。是非、今のご意見を踏まえて、いい文言 を座長とご相談させていただきたいと思います。 ○遠藤座長 そのような形で対応させていただきます。いろいろとありがとうございまし た。それでは「全般について」はこのぐらいでよろしいでしょうか。それでは、5頁の 「看護基礎教育における課題への対応」ですが、時間もあまりありませんので、看護師、 保健師、助産師のどれでも結構ですので、何かご質問、ご意見があれば承りたいと思いま す。 ○村嶋委員 保健師のほうからですが、5頁のいちばん下の、「多様な場で臨地実習を行 う」といったときに、「保健師が常勤として日常的に活動する多様な場で」とお願いした いと思います。保健師教育に関しては、先ほど来、学生数が多いことが問題になっており、 「実習に出す際の条件及び実習で履修する最低限の事項を明示する」というのを○で新た に立てるか、そのあとかに明示していただきたいと思います。 ○遠藤座長 それについてもご意見を承りましたので、どういう形にするかを、少し全体 のバランスを見ながら対応させていただきたいと思います。 ○浅田委員 「課題への対応」というのは、私は非常に納得がいかないのです。つまり、 今の課題というのは何ですかということが明確ではない。つまり、現状はいっぱいあるの ですが、現状は課題ではありません。現状があって、その原因があるわけで、ギャップが あった場合、何が原因かをきちんと議論していなくて、現状だけを言っているわけです。 それに対してどうするかを「課題への対応」という書き方は、私はちょっと納得ができま せん。  例えば、看護師教育について、卒業時に習得すべき看護技術項目とその到達目標と書い てあります。実践能力を高めるとか、実践能力の明確化をしなさいと言っているわけです が、同時に、そこに1から、例えば時間数を増やせとか、与薬とか注射とか全部項目が挙 がってきます。こういうことがトーンになっていますが、挙げてしまうということは、こ こが問題だということを明記しているのではありませんか。つまり、そこまでちゃんと議 論していないと思います。現状はわかります。それに対して、なぜそれが起こっているの かという十分な議論はなってないのです。  先ほどの時間が足りないということも同じだと思います。西澤委員も前に、「今の時間 内で本当にきちんと指導してやったのか、本当に時間が足りないのかがわかっているので すか」という質問をされたと思います。そういうことをきちんと議論していないのに、時 間が足りないから時間を増やしましょうという形の課題への対応の書き方は、私は納得が できません。これはもう答えがあるのです。ワーキングへ持っていったら、時間を増やし ます、何時間増やすかという話になってしまいます。そうではないはずです。そういう議 論をしてこなかったはずです。教育内容をきちんと議論した上で時間数を出しましょうと いう意見もあったはずです。こういう書き方をされると、今までの議論は全く意味がない と取ってしまうわけです。こういう書き方は困るというのが1点です。  そこをきちんと踏まえた上で、きちんとやっていただきたいと思います。それ以外に例 えば、「フィジカルアセスメントの能力を強化する」と書いてありますが、現行の看護学 校や専門学校でフィジカルアセスメントはやっていないかといったら、やっています。 それはどういうことをやっていて、何が足りないのかを議論していないのに、「強化する」 と書かれてしまうと、明らかにそれが足りないと全員が合意したというか、意見が出たわ けではなく、ごく一部で「フィジカルアセスメントは必要です」という意見は出ましたが、 しかし、現実にどういうことをやっているかということは何も示されませんでした。その ような形で課題を勝手に決められては困る。現状はわかります。現状と、なぜということ からその課題をちゃんと出してください。その上で課題への対応を書いてください。私は 今までの議論の中できっちりと課題が出てきているとは認識していません。ですから、2. というのは、メールでは意見を差し上げましたが、ここで書けるかというと、私は非常に 疑問だと思います。ちょっときつい言い方ですが、もう作文なのです。こういう形で議論 を進められると困ります。きちんと現状を踏まえて、それについて何が課題かを明確にそ こへ出していただきたい。  それは保健師教育も同じだと思います。私は「何を半年間に余分にやっていますか」と 質問をしました。資料は出てきました。中身について議論はなくて、その資料を入れて終 わりではないですか。では、保健師教育には何が必要かという議論は課題としてはしてい ません。つまり、現実に行われていることに対して、そのようなことでは困るのではない ですか。いま私はこれが書けるまで議論が進んでいるとは思わないので、ここを書くのは ちょっと疑問を感じます。ちょっときつい言い方になってすみません。 ○遠藤座長 課題をきちんと議論していない。ただ事実のみを、あるいは何某(なにがし) かの報告をベースにしながら、ここでは議論したに過ぎないのだと。したがって課題がは っきりしていないのだから、その解決策を書こうというのもおかしな話だし、解決策につ いても十分な議論はされていないというのが浅田委員のご意見です。浅田委員としては、 「課題への対応」はないほうがいいということですね。 ○浅田委員 そうです。つまり、現状についてはこういうことがというのがあるわけです。 これに対して、ということを書いていただいて、少なくとも教育内容についてということ ですから、それを踏まえて、あるべき教育内容をワーキングに委任するということはわか ります。その上で時間も考えてほしいということです。あとの委任事項と関係してくるの ですが、そのような委任の仕方をしていただけませんかということです。 ○遠藤座長 つまり、課題を明確にするということも、ある意味ではワーキンググループ の作業の中に入るのだという意味合いですか。 ○浅田委員 もちろん、今の予定を前提に申し上げただけで、ワーキングを遅らせるので あれば構いません。ここで議論していただければ結構です。 ○遠藤座長 今のに関連して草間委員どうぞ。 ○草間委員 今まで5回にわたってこの検討会をやってきたわけですが、私はその5回の 中で現状がどうかということと、それに対してオールオーバーに100%出せたかどうかは 別として、5回の議論を中心に、先ほど座長が言われたように、中間報告は今までの議事 録を中心にまとめましたというのは、大変結構だと思います。もしそういうスタンスでや るとしたら、中間とりまとめは今までの議論を事務局がこういう形でまとめていただいた と。私はこれはこれでいいと思います。  あとワーキンググループがどこまで細かくやるかというところが、また次の問題ですし、 これは中間とりまとめですのでオールオーバーにすべて書くわけではなく、もしそれをし なかったら今までの議論は何だったのですかということになりますので、私はこのとおり でいいと思います。 ○遠藤座長 ほかに今の議論に関連してありますか。 ○榮木委員 ここに追加していただきたい中で、助産師教育には実習指導体制の充実を図 るという形で出ていますが、看護師教育に関しても、実習指導体制の充実をもう少し検討 する必要があるのではないかという意見が、相当出されていたはずです。教官側の指導力 も含めて、受け入れる臨床側も、どのような受入れの体制を整えるかで、それが非常に重 要な臨地実習の成果になるだろうということで意見が出されていたはずで、それを是非入 れていただいて、ワーキングで検討していただきたいと思います。 ○遠藤座長 適切なアドバイスをいただいたと思います。 ○太田委員 私も内容に関しては、確かに議論の中でこういう部分は現場で教育をしてい ても不足している部分だとは思います。ただ、実際に与薬や注射、特に身体侵襲等に関わ る部分の実技・実習等になってくると、体制等の問題との兼ね合いもありますので、ここ の部分でこれだけを明確に実施することと本当に出していいのか。時間数や体制、不足内 容をきちんと吟味して出していかなければ、ここまで明確に、ここで「実施すること」と 出すのが妥当かどうかには疑問を感じます。  後半の部分で、「一方、臨地実習で経験できないものについては学内演習を」と書いて ありますが、逆に言うと、臨地で学生が実施するものに関してこそ、もっと安全性を確保 するために教育時間を確保していかなければいけないものなので、誤解を招く表現だと思 います。 ○遠藤座長 ただいまお話を承っておりますと、「課題への対応」の扱いですが、いちば ん極端なのは、ないほうがすっきりするというご意見もありましたし、少し書き方が1つ の方向性にかなり強く書きすぎているのではないかという意見、あるいは、あくまでもこ れは議事録をベースに書いており、こういう意見があったのだということで書かれている のだということで、意見が多少収斂(しゅうれん)していないところがあります。これにつ いては皆様方のおっしゃることはよくわかりますので、全体のバランスを見ながら、ある いはワーキンググループへ委任する内容とも関連させながら、どのようなトーンに落とし 込むのがいいか、少し事務局と相談して対応させていただきたいと思いますが、そのよう な処理の仕方でよろしいでしょうか。  あくまでも中間ということの意味づけですので、それも踏まえて、少し修正させていた だければと思います。あくまでもこのような議論をいただくための本日の会議ですので、 そういう意味では逆に事務局があまり1つの方向は書けませんので、既にいろいろと発言 のあった内容をできるだけ忠実に書いています。発言された方はかなり「こうするべきだ」 という書き方をしていますから、それがそのままトーンとして載っていますので、その辺 はお含みおきいただきたいと思います。わかりましたので、何らかの形で手を加えたいと 思っております。 ○羽生田委員 5頁の看護師教育についてですが、最初の○で「到達目標を明確にすると ともに」と書いてありますが、現在のカリキュラムでは、明確かどうかわかりませんが、 私が見るには、到達目標というのがかなりしっかり書かれていると思います。ただ、到達 したかどうかという評価が問題であって、きちんと評価されずに卒業まできてしまってい ると思います。ですから、到達目標までの達成度というか、そこをきちんと評価をするこ とが大切なのだなと思っていますが、その辺の文言は、もし入ればそれも入れていただき たいと思っています。 ○遠藤座長 今の羽生田委員のご意見について何かございますか。その通りであると思い ます。わかりました。ほかにございますか。  それでは時間もかなり迫っておりますので、III以降に移りたいと思います。それでは事 務局から朗読をお願いします。 ○看護課長補佐 6頁です。(6頁IIIから9頁IV終わりまで資料読み上げ) ○遠藤座長 それでは、IVも続けて朗読をお願いいたします。 ○看護課長補佐 9頁です。(9頁読み上げ) ○遠藤座長 それでは、まず前半のワーキンググループについて、少しご議論いただきた いと思います。ワーキンググループの構成及びワーキングへの委任事項についての原案が 出ていますが、これについてご意見・ご質問ございますでしょうか。 ○石垣委員 看護師教育についての2番目の○ですが、強化するべき教育内容について、 いくつか挙げられております。これだけを見ますと、現行のカリキュラムに加えて、これ らを盛り込まなければいけないという印象をとても強く持ちます。これからの教育内容を 組み立てるときに、コアになる教育内容をどのように作るかということが先にあると思い ます。ですから、時間数を1割程度の範囲で増加するといっても、なにをもってそうする のかを明確にする必要があります。 ○遠藤座長 ここの書きぶりで事務局に伺いますが、ここにある看護倫理云々ということ、 つまり、追加的にやるようなことについて新たに検討することが主たる目的なのか、それ だけしかやらないのか。あるいは、それも含めて全体としての看護の基礎教育について考 えると取っていいのかどうかということ。石垣委員は追加的なことだけが議論されるので はないかという懸念を持たれたのではないかと思いますが。 ○看護課長 私から回答したいと思います。当然のことながら、現行の(指導要領)別表 3などが看護教育のカリキュラムですが、そのことを踏まえた上で、こういった看護倫理、 コミュニケーション技術等について、より強化をするという考え方でこれを書いています ので、全体を踏まえてワーキンググループで議論していただければと思います。 ○遠藤座長 石垣委員、そういうことですが、よろしいでしょうか。 ○草間委員 看護師教育、保健師教育、助産師教育について、現行のユニットと時間数が ここに提示されているわけですが、私はこれについては2つの理由から、これを明示する ことは反対です。1つは、例えば1割程度を加えた範囲で検討するというのですが、10% というのは議事録を確認していただきたいのですが、ここでは1回も議論されていないの ではないかと思います。それと先ほどから議論になっているように、ギャップという言葉 がいいかどうかは別にして、まず臨床と教育とのギャップがあります。だから、看護教育 をどうすべきかということで、まず内容を検討しましょうという形でスタートして、時間 ありきはおかしいというのが最初からの議論だったと思います。そういう中で単位数を示 し、1割程度というのはどこから出てきたか。特に1割についてはどこから出てきたか。 ここでは1回も10%という議論を聞いた覚えがないのですが、もしここで提案した人がい たら説明していただき、事務局のお考えを伺いたいと思います。 ○遠藤座長 菊池委員は類似の意見ですか。 ○菊池委員 同じような意見です。これまでの議論の中で、基礎教育については第1回か ら教育年限の延長も必要ではないか、大枠で考えたほうがいいのではないかという意見も 結構出ていたかと思いますが、まずは教育の内容を検討しようというご意見もあって、中 身も検討してきたという経緯があるかと思います。先ほどの話ですと、議事録を整理して、 これまで出た内容を中間まとめとしてここに落とし込んだということですので、そういう 教育年限の延長も必要ではないかという意見があったにもかかわらず、最初から現行の教 育の枠内でこのように検討する、ということについては、非常に疑問に思います。 ○遠藤座長 浅田委員、関連いたしますか。 ○浅田委員 なぜ1割かということを。 ○遠藤座長 おそらくは議論をしやすくするため、検討しやすくするためではないかとい うことなのかもしれませんが、これについては確認をしてみたいと思います。それでは事 務局でわかる範囲でお願いいたします。 ○看護職員確保対策官 まず1割の件ですが、資料の2頁に今までの時間数の経過を整理 して、昭和42年に3,375時間から平成元年には3,000時間に改正して、さらに時間数から 単位数に変更して弾力化を図るという記述があります。ここで1割と申し上げているのは、 今は2,895時間で、昭和42年ないし平成元年の水準にほぼ戻すということで考えた場合に は、大体1割ぐらいだろうという、いわば目安の数字です。まさに座長が言われたように、 議論の一定の方向性があったほうが、我々としても今回ご議論いただく内容という意味で は、議論しやすいのではないかということで考えているわけです。  教育期間の延長の話については、先ほどの前半部分の議論の、資料の4頁、4)全般に ついての1つ目の○の後半の部分に、いただいたご意見の中で「教育内容と教育期間につ いても検討することが求められている」ということも記述しております。これに限らない のですが、IIで整理していることは、1頁のIIの1つ目の○の3行目の「これまで必ずし も議論がつくされていないものもあることから、看護基礎教育の充実の観点から本検討会 においてさらに検討を深める必要がある」というところで、その件について今までいただ いたご意見については、ここで反映させているという認識です。 ○遠藤座長 ただいま事務局から、このようなお話があったわけですが、いかがでしょう か。 ○草間委員 10%というのは1967年の時間数に合わせたということですが、先ほどから、 保健、医療、福祉をとり巻く環境が昭和42年といかに変わっているかということ。あるい は文科省等では、盛んにゆとり教育と言っており、そういうものをどこに反映させるのか と言ったときに、単に昭和42年の数値に数合わせをしましたというのは、私は納得がいか ないのです。もし10%という形でワーキンググループに示すとすれば、ここのところは最 初から十分議論があったところで、時間という枠をはめるということは、内容が決まって しまうわけです。そこのところは、ここで十分議論しないと、ワーキンググループに示す ことについては納得できません。 ○菊池委員 先ほど昭和42年の水準に戻すという説明がありましたが、それから教育の 中身が、学習すべき内容が増えてきているということがあって、1科目当たりの時間が少 なくなり、非常に不十分な学びしかできなくなってきているという状況があります。それ 以外にもこれから求められている役割があるわけですから、単純に水準に戻すということ では解決しないと思います。 昭和42年は3,375時間ですが、その前の昭和26年の制定 のときには、教育の仕方が少し違い、実習中心の教育ではありますが、実習だけでも4,000 時間ぐらいやっていた時代もあります。ですから、これから看護に求められる役割を考え れば、1割程度で何とか収めようというのは無理があると思います。 ○坂本(憲)委員 私は今まで5回この検討会に出させていただき、いろいろお聞きして いました。看護師さんなどにいろいろな問題があることは私なりに理解していますが、ギ ャップが何にあるのか、実際に何が求められているのかということが、私自身は今日の議 論を聞いていても、あまりよくわかりません。  私の理解としては、ワーキンググループというのは、そういう今の問題点を明らかに出 した上で、本当に必要な、求められているものは何かを、明確にしていただけるのではな いかという理解をしていました。でも、1時間上乗せするというような、先に時間の議論 があるということは、最初の議論からいったら、何が足りない、何が問題か、現状に求め られるような技術や実態をきちんと高くしてもらうために看護教育の充実を考えていただ くことが本来の検討会の趣旨なので、皆さんと同じ意見だと思いますが、先に時間数を1 割程度上げて、それで今までずっと培って(つちかって)きたものに、さらにバージョンア ップができるのかどうかというのを疑問に思います。ワーキンググループ自体が、この検 討会の議論に基づいた問題点を明らかにしてもらうというところにあるのではないかと思 います。これを送っていただいたときも、なぜ1割程度とか、時間数がこうなるのか、複 雑ないろいろな状況があるかと思いますが、いま本当に国民が望んでいることは、安心し てかかれる医療を求めているわけですから、初めからきちんとしたことをやらないで、こ のように枠にはめていくというのは、国民が納得できるのかなと思いました。 ○浅田委員 今の説明はおかしいと思っているのは、委任事項というのは、前を受けて委 任するのであって、その問題は前で書いてあるから、ここは1割だという説明は成り立た ないと思います。つまり、報告書全体の構成は、現状があり、課題があり、その中で委任 をするわけですから、その結果として時間はどうするかということを併記してあるわけで す。それなのに、ここでいきなり1割だというのはおかしい。そして前にはちゃんと検討 することが書いてあるからというのは説明になっていません。つまり、報告書としては、 前がきちんとあって、それを委任した上で何がでてきたかで、またここに入ってくるわけ だから、まずここの委任事項というのは、前を受けたものでなければいけない。そうする と、時間枠をつけるということは間違っているということです。  もう1点は、時間ということをすぐ言われますが、私は「各実習時間はなぜその時間に なったか、根拠がありますか」と質問をしたはずです。なぜ45時間なのか、なぜ130時間 なのかを聞いたはずです。答えはありませんでした。ということは時間の枠と言っていま すが、実は何の根拠もない時間なのです。つまり、3,000時間などというのは何の根拠も ないではないですか。つまり、1年間なら1年間の授業実数からいったら、これだけの時 間ですという話だけであって、それぞれが本当に力をつけたという達成度、つまり到達さ せたかどうかを考えたときには、それだけの必要な時間が出てくるわけです。それをきち んと計算しないで、いきなり「時間はこれだけだ」という言い方はおかしいわけです。そ のような形で委任をすること自体が私は間違っていると思います。ですから、そのような 議論の仕方は困るというのはそういうことです。課題が明確ではないでしょうと言ったの はそういうことです。  同時に、例えば、先ほど挙げたことが委任事項として全部ここに挙がってきてしまうで はありませんか。それは決めたのですか、ということになるではないですか。つまり、こ のような仕方をしたということは納得がいかない。  先ほど課題はどうですかというと、いろいろな意見が出ます。つまり、ここの議事録に 基づいてと言っていますが、議事録に出てきたのはすべて網羅(もうら)できない。という ことは、事務局がそこで情報を操作しているのです。つまり、加工しているわけだから、 そういうことでしょう。全部が出ていないということです。ですから、そこのところはき ちんとやっていく。 ○遠藤座長 そうであれば代案として浅田委員はどのように。 ○浅田委員 先ほど言いましたよね。 ○遠藤座長 ワーキンググループに対しては、何を委任するのですか。 ○浅田委員 現状の中で、もっと言うと、カリキュラム精選でいいのです。つまり、全て を含めて案を作ってくださいということを委任したらどうですか。こういうことの現状を 検討会で話し合いましたと。これについて最もいいと思われるカリキュラム、つまり教育 内容について、どういう科目が必要で、ということを出していただけばいいのではないで すか。 ○遠藤座長 つまり、こういう個別の内容は書かずに、ですか。 ○浅田委員 つまり、全部を踏まえてということでしょう。指定規則等の改正なのですか ら、全部のカリキュラムを決めなければいけないわけですから。つまり、現行のものは活 かしていただいて構わないわけですが、何が必要でということをきちんと言えばいいので はありませんか。 ○遠藤座長 ただ、これは先ほど看護課長からの話がありましたように、ここに書いてあ るのは重要だと思って書いてはいるが、全体を見るのだということを言っているわけです から、そういう意味では、全てについて重要なものについて議論がされていくということ で、浅田委員がおっしゃっているようなことと近いのではないでしょうか。この書きぶり としては誤解されるかもしれませんが。 ○浅田委員 これ以外のものはというのはどうなのですか。 ○遠藤座長 先ほど言った、既に行われているものについてです。 ○浅田委員 これ以外のものは、ただ意見として出てきたものの中でも挙がってないもの もあるわけでしょう。等と書いてあるわけだから。 ○遠藤座長 そういうことですね。 ○浅田委員 そうすると、こういう書きぶりでは、これだけに決めるということで本当に いいのですかということを言っているわけです。課題が全部挙がっているのならおっしゃ るとおりだと思います。しかし、一部は書かれていて、一部は抜けているということに対 して、それはどのように扱うのですかと。 ○遠藤座長 全ては網羅できないから、それであるならば書かないほうがましだというご 意見ですね。 ○浅田委員 そうです。そこのところは明確にしなくてはならない。 ○遠藤座長 ご議論されてきた内容についての考え方はいろいろあるかなという感じで すね。 ○浅田委員 大きな課題にして、「例えば」と書いていただければ結構です。 ○遠藤座長 それはおっしゃるとおりだと思いますので、それは例としてという形で書く ということで対応させていただければと思います。 ○浅田委員 そうです。 ○遠藤座長 もう1点の問題は、時間を1割増やすというような形で入れるということだ ったのですが、これは先ほどの話からいっても、いろいろなものが新たに加わってくるの で、そういう意味では1割増えたぐらいで、どのように収まるかというのを見たいという ような、委任された側として見ると、どうしていいかわからないから、そこの1つの制約 条件を示したという印象で捉えてよろしいのですね。それでは事務局どうぞ。 ○看護職員確保対策官 現行の3年という修業期間があります。坂本委員が言われたよう に、私どもは国民が望んでいること、安心で安全な医療を目指していく。そのためにどう いうカリキュラムを目指していくべきかという議論をしていくということは、認識は一緒 だと思っております。  その中で、今回いろいろご指摘いただいているさまざまな課題、例えば、前回のカリキ ュラム改正から10年経っているとか、安全確保の話、早期離職の話、リアリティショック 云々の話などについては、喫緊の課題であり、できる限り早くそれを反映したカリキュラ ムを目指していくべきだというのが一方にあると思っています。そうした場合に、今の1 割という数字はどこからひねり出してきたかというと、先ほどの昭和42年か平成元年に戻 すということもあるわけですが、現行制度の3年という修業期間の中で、まず何ができる のかという議論をしていく上で、ではどのぐらいだったら増やせるのだろうかという目安 で、我々としては考えてみたというのが1割程度という目安の数字です。  また別途教育期間の延長の話があるわけですが、もちろんそこが絶対に一切議論しない ということではないと理解しております。ただ、それは仮に実施するとしても、かなりの 大掛かりな枠組みの部分に踏み込んだ改正ということになりますので、それはかなり時間 がかかることになります。いま、様々いただいている課題、あるいは医療を巡る様々な状 況の変化などを考えますと、現行制度の3年という修業期間の中で、どの程度まで可能か を考えていくということで、まずはご議論をいただいた上で、その中でできることがこう であると、例えば、それでできないことがあったら、またできないことはこうでした、こ のようなことがこの中では無理なので、そこはそういう課題があったということも、ワー キングのほうで整理していただくという整理の形でも、私どもとしては大変有り難いと思 っております。 ○遠藤座長 まさしくこのような議論をするために、たたき台として出してあるわけです ので、そういうことではないかと思います。 ○山内委員 先ほどのところにもあったのですが、卒後どうするかという話も、検討する としてモヤモヤとしていますと、この中で到達目標の明確や精選といっても、何を基準に して明確にするのか、精選するのかということが、委託をされた方も多分困ると思います。  そうなると、逆にワーキンググループが、これを到達目標として明確化しましたと言っ たら、それに準じて、「では、卒後研修をしましょうか」という動きでは本来ないと思い ます。本来はこちらのほうが、その方向性を示して、それに対して具体的な提案を作るの がワーキングの役目だと思いますが、そこを「検討」という言葉で逃がしてあると、ずっ と先ほどから議論しているアウトカム評価をどうするのだという話を、何となくぼやかし たままになってしまうので、これが委託されても動きようがないと思います。ですから、 時間云々というよりも、やはり、「どこまでどうするのか」というのを、もう少しここと して、はっきりしたほうがいいのではないかと思います。 ○遠藤座長 先ほど浅田委員は、現状を踏まえて看護教育として望ましいカリキュラムと は何かということも含めて、すべてワーキングに委任するほうが適正なのではないかとい うお考えだったわけですし、山内委員はむしろ、こちらが委任するという立場で、我々が もう少し明確なものを示さないと、受託する立場としてはなかなか対応できないというこ となのかなと思います。まさしくそのとおりだと思います。おそらく、そういうことはワ ーキングの中で相当な議論になるだろうと思われます。  したがいまして、基本的には、ここに書いてあることは例示として既にこの会議の中で 出てきたことを羅列しているわけですが、それをベースにしながら、何が問題で、そのた めにはどう対応するのかを考えていただくということですから、実状は浅田委員が言われ たようなことをやる形になると私は理解しております。  もう1点は、1割を増やしたということですが、これも必ず1割まで増やしてという意 味ではないと思います。マックス1割を増やして、どのようにこれがうまく編成できるか ということをシミュレートしてほしいという委任ではないかと思いますので、別に1割を 増やさない形の案もいくつか出してきても構わないわけで、それをまたここで検討しまし ょうという話です。 ○山内委員 確認したいのですが、先ほど私が話した看護技術の、例えば「精選と到達の 明確化」というのがありますが、これを考えてもらうときの前提というのは投げていいと いうことなのでしょうか。例えば、現行のカリキュラムの中でやるのだったら、ここまで しかできませんとか、ここまでがやれますというように出してきて、例えば、卒後研修を 想定するならこうですという、オプションがいっぱい出てくると思います。それを最後は どうまとめていくのかというのがわからないと、考える人もあらゆる可能性を考えたもの を想定しなければいけないというのは、非常に難しい依頼をお願いすることになるのでは ないかと、ちょっと懸念しています。 ○浅田委員 2つの案を出していただけるということですが、3年という修業年限で考え るとすれば、当然そこでできる範囲が決まってくるわけです。その中で1割までは時間は 何とか増やせますという中で達成できるものは当然出てくると思います。  それと、そうではなくて、我々が現状を言ったときに、「こういうことが問題だ」と。 「そうすると4年かかるかもしれないが、こういう力をつけるにはこういうことまででき ますよ」という、つまり枠を外したプランと、あくまでも3年間という枠を付けた場合に は、「ここまでしかできない」ということを出していただければいいのではないかと思い ます。そうでなかったら、ここで決めると言っても、それぞれの意見で、また議論はかな り割れると思います。私は作るときの制約条件として、いま年限は3年間、これは羽生田 委員が言わるように、看護師の供給という点から言うと。4年間にしたほうがいい看護師 が育つ、それはわかります。しかし、その1年間のギャップで起こる問題がものすごく大 きいのでれば、それはできないわけですから、その案のどちらをとるかというのは、ポリ シーを決定されるわけだから、そこでこれはできる、こっちはできる、4年だとこうだと。 そうすると、卒後教育で、このことは3年で考えると、こういうことを卒後、病院では考 えてもらわなければいけないという提案がそこに含まれるのではないかと思います。そう いう制約をつけた上で、2つの案を考えていただくということを、あらかじめワーキング にお願いしたほうがいいのではないかと思います。 ○遠藤座長 時間の制約の話ですね。 ○浅田委員 そうです。 ○遠藤座長 どういうものであっても、それは事務局としては、別に構わないわけですね。 ○看護職員確保対策官 私どもといたしましては、まず浅田委員がおっしゃったような形 で、3年で考えるとすれば、ここまでできます。今までの議論を踏まえた範囲でここまで、 こういったことは考えられる。あくまでも3年という話の目安としての1割という話でし たので、それにとらわれるものではない。その上で、議論の過程で、これしか時間がない のだったら、ここはできないとか、いろいろなことがあると思います。それはそれでまた まとめていただいていけば、今後の議論の礎(いしずえ)になっていくのではないかと思っ ています。 ○遠藤座長 時間制約については、今のようなご説明ですが、浅田委員はそれについては それでよろしいでしょうか。 ○浅田委員 2案を併記していただくような委託をしていただければと思います。つまり、 それを受けて、いちばんの命題は、より安心ができる医療を国民が受けられるということ ですから、どうしても4年で育てなければいけないということであれば、時間がかかりま すが法改正などを考えていただく、あるいは1年間の供給が止まったときにどうするかと いうソリューションを考えるというのは次の手だと思います。ここではそういう制度上の ことを議論するわけではありませんから、どういう教育内容が必要かというのですが、実 現できないことを言ってもしょうがないので、3年という制約の中であればということで 作っていただく分と、しかし本当はここまで欲しいのだと、そうすると3年半か4年か知 りませんが、そういう案をもう1つ出していただいて、それは十分検討するに値するので はないかと思います。 ○遠藤座長 先ほどの山内委員のご意見は、もう1つ別な視点からの話で、もう少し委任 するべき内容を、ここで明確に絞っておかないと困るのではないかという考えを言われた と理解してよろしいわけですか。 ○山内委員 それから、いわゆる「卒後のことについては検討する」とありますが、検討 を視野に入れた案を作れるのか、作れないのかによって2案なのか、もしかしたら第3案 も出るかもしれないということなので、その辺りのある程度の目安は要るのではないかと 思います。 ○遠藤座長 それはワーキンググループも専門家が集まってやるわけですので、ワーキン ググループの中でいろいろな案を考えていただくということでは難しいと思いますか。 ○山内委員 では、ワーキンググループのほうが、例えば「絶対卒後教育が必要である」 という案が出てきた場合に、それをこちらで受けられるのか。こちらでは検討するとあり ますが、そこをここの検討会の範囲とはしていないとしていますので、その辺りの何を範 囲とするかが見えないと、限りなくオプションが出るような気がするのです。 ○遠藤座長 そうすると、もう1回検討会を開かなければいけないということになるわけ ですね。全てについて、どういうことをお願いするかということを決めなければいけない ということになりますから。 ○山内委員 ですから、先ほどご指摘のあった教育に関して、いろいろなことが動いてい ると思いますが、どこは動いて決まっている見通しの立つことなのかというのが、みんな 同時併行なものですから、要するに複数の要素が複数に絡み合うような状態になってしま っているのではないかと思います。 ○遠藤座長 わかりました。今の点について、確かにワーキンググループへの委任事項と いうことが文章で羅列されているだけで、文章上は必ずしも明確ではないというところは あるのです。その辺が疑問点としていろいろ出てきているわけですので、ワーキンググル ープの自由度が、どのぐらいあるとお考えになっておられるのかを簡単に教えていただけ ればと思います。 ○看護課長 中間的なとりまとめ全体が、今までの議論を整理したものだということです ので、とりまとめを受けて、ワーキンググループで議論をお願いするという性格になると 思います。ですから、当然のことながら、現状についてかなりご議論いただいて、ここに 書き込んでおりますし、課題として整理されたものを書き込んでいます。そのことも含め た上で、ワーキンググループでは委任事項として特記していくつか挙がっていますが、そ の背景はその前に縷々(るる)書いてあるので、それをご理解いただいた上で進めていただ くことになるのではないかと思っています。委任事項に限定して、これしか議論をしては 困るというものではないと思います。 ○看護職員確保対策官 どうしてもボーダーの部分があって、こちらでやるべきか、あち らでやるべきかというのは、当然議論に出てくると思います。今の段階からそこの部分に ついて、ある程度輪郭を作って切ってしまうのではなく、やはりワーキングのほうで1回 お話いただいて、その中でどちらでやるべきかという話は出てくると思います。  今までは何となく抽象的な議論になっているような、私自身も理解できていない部分が ありますので、議論をしていただいて、両方重なるところについて、やはりワーキンググ ループでも議論していただくという理解でいいのだろうと思います。その上で、どちらで やるべきかという話を整理していただくのもよろしいのではないかと思います。そこにど ういったことが、どれだけの課題があるというのが見えていないものですから、ワーキン ググループでまず1回お話をしていただいて、そこの切り分けの部分が、もし整理が必要 で、例えばこの検討会でもう1度検討しないとワーキングの議論が進まないのであれば、 この検討会を参集することもあるかもしれませんし、事務局でもっと考え方をはっきりし ろということであれば、事務局で整理を詰めた上で、またお諮り(おはかり)することもあ ると思います。  今の段階では、むしろ重なっている部分については、基礎教育のこちらのワーキングの ほうでの検討も視野に入れていただいた検討ということでよろしいかと思います。 ○村嶋委員 今のコメントを踏まえて、保健師教育においてもいちばん大事なことは、保 健師免許にふさわしい職業人を出す、その基礎をつけるということですので、21単位や675 時間にとらわれずに、必要な単位と時間を入れていただきたいと思います。現行は保健師 学校では平均34単位、917時間をやっているわけですので、そのことも踏まえて、保健師 として最低限必要な能力がつくための案を出すことを認めていただきたいと思います。 ○遠藤座長 当然そういう能力がつくことは必要なわけですので、そのとおりだと思いま す。 ○堀内委員 助産師教育に関しては、現行どおりの22単位、720時間ということで示され ておりますが、検討会の中で資料として提示されていたのでは、最低単位で6カ月の指定 規則でやっているのはわずか2校で、それ以外はすべて1年以上をかけて養成していると いうこと。特に実習に関して手厚くということでしたが、出された資料の中で平均8単位 になっているところは、圧倒的に多くのところは11単位以上で行われておりました。助産 師教育だけでは時間数の上乗せの文言は何も書いてありませんが、それも併せて検討する ようにしていただければと思います。 ○看護職員確保対策官 助産師の場合は1割という数字を書かなかったのは、現行の中で という範囲で、1割で計算してしまうと、ほかの職種の方に比べて増えて超えてしまうも のですから、目安の数字は書かなかったわけです。内容を豊かなものにしていくための議 論をしていただくという基本認識は変わりませんので、絶対に、助産師は書いてないから、 時間数を増やすということは駄目なのだということではありませんので、その点をご理解 いただければと思います。 ○坂本(す)委員 最初にこの話を話し合ったときのことを思い浮かべながら考えている のですが、臨床に行ったときの、卒業してからの看護師の戸惑いがあるわけです。立ち往 生して何もできないとか、自分の頭が真っ白になったとか、それをどうしたらいいかと友 達に聞いたら、同じような状況だったということが現場にはあるわけです。それに対して 1割増やしていいのかとか、そういうことを最初に戻って、一体何を、どうしていったら いいのかということを、時間を増やせばいいのかも含めて、そこをもう少し焦点化すると いうか、ワーキングがあればいいのかなと思います。  それから、先ほど西澤委員も言われたように、デザインを描いていただかないと、この ことについて、こう解決するということだけではなく、看護師の教育というのは、今、現 場は在院日数が大変短くなって、もっと急性期になってきている状況の中で、看護師の教 育はそんなに変わらないでずっときたわけです。そこが解決されるような方法で持ってい かないと、1つのカリキュラムだけの話は、ここでするのは当然ですが、それをしつつ、 ほかにもっと補完するような改革、改正も含めて、そういうものもつけていただきたいと 思います。そうしなければ最初に話し合ったことが、どんどん違う方向に行っているよう な気がして、カリキュラムだけを1割増やせばいいのかと。この時期にそうではないので はないか。保健師、助産師も含めて、看護教育だけが、まだとり残されている状況があり ます。これは医療制度改革に則って、このままではいけないと私たちは思っておりますの で、そこも含めて網羅するような形で、ここでするのかどうかはわかりませんが、それを 明示していただきたいと思います。 ○遠藤座長 ただいまいろいろとあるお話については、まだワーキングのメンバーも確定 しておりませんし、これから発足するということですので、今いろいろとご意見を賜りま したので、そのような意見の中での委任であると。委任されたほうも困るかもしれません が、そのようなことであるということを十分ご理解いただいた上で、作業を進めていただ くようにしたいと思いますが、事務局としてはそのようなことでよろしゅうございますね。 ○看護職員確保対策官 はい。 ○西澤委員 実はワーキンググループのメンバーの件ですが、ここには、それぞれの教育 の専門家と書いてありますが、今までの議論の中でも臨床現場と教育現場で意見が違うと いうことで、できるだけ現場の看護師に入っていただきたいと思いますので、よろしくお 願いいたします。 ○遠藤座長 これは現場の看護師と同時に、医療機関の経営の方が必要だというのが具体 的に出ておりました。ここにはそれが書かれておりませんから、その辺についてはご検討 いただきたいと思います。 ○菊池委員 今、座長がまとめられた「そのような」という中身がはっきりしませんので、 委任する事項について、原案どおりなのか、それだけではなく、これからの看護を考えた 望ましいカリキュラムを考えた上で意見を付記することまで含めた委任の方法なのか、そ こをもう少しはっきりしていただきたいと思います。 ○遠藤座長 それは先ほど事務局から答弁していただいたように、ここに書いてあるもの は単なる例示に過ぎなくて、基本的には、それぞれの教育で必要なものを再検討するとい う視点でよろしいわけですね。 ○菊池委員 再検討した結果、例えばワーキンググループが、これからはこれだけのもの が必要だが、現行の3年間では難しいと考えた場合には、そういうことも意見として付記 することも前提として考えるということですか。もしそうであれば、委任事項の委任の内 容にそこまで含めて委任をしていただきたいと思います。 ○遠藤座長 そうすると、個別個別に全て書かなければいけなくなる可能性もあるかなと いうことですが、ほかにもいろいろと細かい話が委任事項としてあったわけですので、そ れは事務局と相談して、どういう形にするかは対応させていただければと思います。 ○草間委員 お伺いしたいのですが、昭和42年に戻したということで、時間数が減って きた理由としては、現状の中にも書いてあるように、ゆとり教育が文科省等で盛んに言わ れるようになったという背景もあるわけです。今日は医学教育課長がおられるので、文科 省が、今でさえ看護教育がかなりギュウギュウだというのはこの検討会の中でご意見が出 たわけですが、ゆとり教育をどう考えるか、その辺も入れた改正ができるのかどうかを、 是非伺いたいのです。 ○文科省医学教育課長 ゆとり教育という話が出ましたが、ゆとり教育をなぜ必要とする のかというところがあるのではないかと思います。つまり、形式的にゆとりがあるからい いのではなく、ゆとりの時間を通じて、その人の人格的な研鑽を進めるとか、そのような 多様な目的があるのだろうと思います。  そういう中で、今回書いているとりまとめの案の中に出てくるような、例えば看護倫理 や、利用者というか、患者本位の看護とか医療という問題と、ゆとり教育が相反するもの なのか。あるいはそういう中で、そういう取組みができるものかということは、総合的に 勘案して進めるべきものではないかと思います。 ○菊池委員 もう1点意見ですが、先ほど小野対策官から、教育期間については4頁の現 状のところで、一応意見としては出してあるという説明でした。先ほどのワーキングのと ころで、望ましいあり方の議論も考えるというお話もあったので、もしそうであれば、ワ ーキングの報告を受けて、この検討会で議論することになると思います。教育期間という のは年限のことですが、年限のことについて議論するということを、9頁の「検討するべ き事項について」では実習環境と教員の資質向上しか入っていませんが、そこにきちんと 明記して、それが議論できるということの筋道を付けていただきたいと思います。 ○遠藤座長 9頁のIVまで話が進んだわけですが、当然この時間ですから、入っていただ いて結構です。菊池委員からのご指摘について、事務局で何かお考えがあればお聞きした いと思います。 ○看護職員確保対策官 基本的に先ほど私が申し上げたような表現で、問題意識は同じな のだと思います。ですから、私どもとしては、この記述でいいのかなと思っているわけで すが、委員からそういうご意見をいただきましたので、どういう表現が可能かというか、 できるかということは、遠藤座長とご相談しながら、検討していきたいと思います。 ○遠藤座長 よろしいでしょうか。 ○菊池委員 はい。 ○遠藤座長 IVも含めて、ほかにご質問・ご意見があればお願いいたします。 ○太田委員 先ほどの時間数で、1割程度という根拠のところで、是非、検討していただ きたいのは、最後のところに書かれている教員数の問題です。多くの学校は専門学校で実 際に運営をしているわけですが、今の時間数で、教員が3年間ゆとりのある教育をして、 かつ学生がゆとりのある教育を受けているかというと、決してそういうわけではなく、途 中でドロップアウトしていく学生も多くいるわけです。数字上は1割増やせると言われて いますが、実際にそれを増やすに当たって、現状を踏まえて教員数等の問題はかなり大き な問題だと思います。学生も時間数は増える、教員も時間数が増えて、現行の人数で教育 に当たっていけば、それこそ教員も疲弊してきますので、その辺はきちんと見据えて検討 していただきたいと思います。 ○遠藤座長 わかりました。 ○羽生田委員 いまの教員数は、もちろん教育の充実の中では当然必要で、多ければいい 面が多いだろうと思います。現実の養成学校で、今たたんでいる学校は教員が集まらずに 止めてしまうということが出ています。ただ増やせばいいという決定をして、今の人数か ら1割、2割教員が必要だという結果になったときに、学校が減るという状況が必ず起き ますので、そういうことも起きるのだということを頭にいつも入れておいていただきたい。 養成校を抱えている医師会としては、非常に経営上大変なのです。それなりに国が責任を 持っての補助金なりの手当をしてくれるのであれば、教員はもっといたほうがいいし、実 習病院にも実習担当者がいっぱいいたほうがいいという意見を、私は前にも申し上げまし た。現実に養成校を経営していく立場に立ちますと、実習病院がないのも大変なことです し、教員自体がいないのです。大学ができたら増えるはずだったのですが、全然増えない。 そういうところも是非、頭の隅にでも置いておいていただいて、議論を進めていただきた いと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤座長 予定した時間を10分ほど過ぎておりますが、最後に何かございますか。 ○村嶋委員 教員の不足は看護系大学においても大変なことです。専修学校から多分大学 に移っているという現状もあるのではないかと思いますので、全体を視野に入れて、より 良い教育を目指していくことが大事だと思います。  保健師教育に関しては、8頁の実習体制の充実で、保健師の教員は、いま地域看護学と いう前提で、在宅看護論と保健師教育との両方に携わっている場合が多いわけですが、保 健師教育の教員は保健師教育の専門にして、在宅看護論と分けるということを是非考えて いただきたいと思います。 ○榮木委員 今までの議論の中であまり大きな議題になっていなかったのですが、羽生田 委員が言われたように、実習病院が少なくなってきているという事実は相当大きな課題だ ろうと思います。特に小児・母性などは実習ができなくなっていますから、臨地実習のあ り方を大きな視点で、相当見方を変え、あり方を考えていかないと、今後なかなかいい臨 地実習ができなくなるかなということがありますので、そこを十分踏まえた上で、ワーキ ンググループに検討していただきたいと思います。 ○遠藤座長 重要なご指摘だと思います。それでは、まだご意見はあるかと思いますが、 予定した時間を少しオーバーしておりますので、本日の検討会はこれぐらいにしたいと思 います。非常に建設的なご意見をたくさんいただきましたので、事務局と相談いたしまし て、中間報告として文案を修正していきたいと思います。  もう1つは、ワーキンググループに対する委任ということ、これは文章にする、しない は別にしても、いろいろとお話を承ったことを、少し整理をした形で委任をしていきたい と考えております。事務局で何か付け加えることはありますか。 ○看護職員確保対策官 特にありません。 ○遠藤座長 それでは、そのような形で対応させていただきたいと思いますが、よろしゅ うございますか。                    (了承) ○遠藤座長 ありがとうございます。それでは、本日の検討会はこれにて終了したいと思 います。次回以降について、事務局から何かあればお願いいたします。 ○看護課長補佐 次回以降につきましては、日程を伺った後に決めさせていただき、正式 なご案内をお送りしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○遠藤座長 ありがとうございました。 1