第7回ILO懇談会議事要旨
1.日時: | 平成18年9月12日(火) 15:30〜17:30 |
2.場所: | 厚生労働省第17会議室 |
3 | .出席者:(敬称略)
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4 | .議題
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5 | .議事要旨 |
(1)議題1 第95回ILO総会について等
松井総括審議官からの挨拶と出席者の紹介に引き続き、政府側より資料1−1及び1−2を用いて第95回ILO総会及び第14回ILOアジア地域会合の概要報告がなされた。
【主なやりとり】
(労働者側)
(第95回ILO総会に関して)
(1)労働安全衛生枠組み条約が成立したことを評価する。日本としても労働安全衛生に関する(途上国)支援を積極的に行い、その効果的実施に努めるべき。また、日本自身の右条約の早期批准が重要。
(2)「雇用関係」について、使用者側の賛成が得られず残念だったが、この勧告が国内の労働行政にも活かされるよう、政府に求めたい。
(3)技術協力においては、ディーセントワークカントリープログラム(国別計画)もキーワードとなったが、これは途上国向けのみならず、我が国についてもどう取り組んでいくのか政労使の対話に基づき検討する必要があり、対処を政府に要請したい。
(4)ビルマ(ミャンマー)案件について、日本政府はビルマ政府と対話が出来る数少ない先進工業国でもあり、その調整の下、早急に強制労働問題が解決されることを望む。
(使用者側)
(第95回ILO総会に関して)
(1)労働安全衛生枠組み条約が成立したことを評価する。
(2)「雇用関係」に関して、確かに過去、工業化を進めるような時代にあっては労働者保護が中心的課題であったが、現在の新しい経済市民社会では主体性のある市民の活動範囲が拡大している。今回の勧告案はそのような時代の流れに則していないものだったので、使用者側の多くが反対せざるを得なかった。いずれにせよ、今回の議論は国際労働基準を作るプロセスに関しILOにとって大きな問題提起となった。即ち、今後は政労使三者のコンセンサスを作る一層の努力が求められる。
(3)条約や勧告の効果的適用のためにも、ILOの技術協力は重要であるが、これを通じてディーセントワークの実現を目指すのであれば、重要な「手段」として、もう少し、中身を詰める必要があると考える。
(4)ミャンマー案件は重要なテーマであった。また、政治的な判断も働いたものと承知。
(5)今回、ゲストスピーカーとしてコスタリカ大統領がスピーチを行った。同国は結社の自由に関して問題視されることが多い国だが、「軍隊を放棄」して教育への投資に注力したことは注目に値する。
(第14回ILOアジア地域会合に関して)
(1)パラレルセッションのみならず韓国労働部長官主催の特別セッションにおいても、アジア地域で重要な「技能開発」をテーマとした議論がなされたことを紹介したい。我が方からも、実りある労働の実現について責任感を有する経営者を育てていきたい旨の発言を行った。
(2)また、結論文書にもあったように、今後の「アジアのディーセントワークの十年」は重要なもの。政労使三者構成の「メカニズム」という表現があるが、むしろ三者の「コミュニティ」が形成されてきている。
(政府側)
ディーセントワークカントリープログラムについては、何らかの検討の必要性は感じている。
(2)議題2 2006年年次報告について(協議)
政府側より、2006年の日本政府年次報告案について資料2−1から2−6を用いて説明がなされた後、意見交換が行われた。
(労働者側)
年次報告の政府案に対する意見は資料3−1として提出しているところ。
81号条約に関し、雇用労働者の44%が女性、女性労働者の52%が非典型労働者という状況の下、監督にあたって、男性の労働基準監督官ではわかり得ない面もあり、女性監督官の拡充を求めるものである。もちろん、試験で採用する以上は、合格基準を下げろというものではなく、女性の応募者を増やすよう努力されたい。
156号条約に関しては、育児休業の対象労働者の範囲が十分でないこと等を指摘したい。また、次世代育成支援対策基本法の行動計画に関し、300人未満の企業にも策定を指導すべきとの考え。
(政府側)
女性の労働基準監督官拡充に関しては、職員採用募集パンフレットに先輩女性職員のメッセージ等を取り上げ、女性応募者の一層の拡充を図っていることをコメントしたい。
なお、頂戴したご意見は政府案に添付してILO事務局に提出することとする。
−了−
照会先: | 厚生労働省大臣官房国際課
国際労働機関第2係 03-5253-1111(7310) |