06/08/07 第26回 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会 議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第27回) 平成18年8月7日(月) 厚生労働省 省議室 ○橋本部会長  それでは定刻になりましたので、ただいまから第27回になりましたが独立行政法人評 価委員会医療・福祉部会を開催させていただきます。  きょうはことのほか暑く感じられるところでございますが、皆様、ようこそ御出席く ださいましてありがとうございました。今回は松原委員が御欠席でございますが、あと の委員は皆さん参加していただいております。  初めに、事務局からきょうの議事の進め方について御説明をいただきたいと思います。 ○政策評価官  本日は、お暑い中を御参集をいただきましてありがとうございます。よろしくお願い 申し上げます。  本日の議事につきましては、お手元の議事次第に二つ掲げております。  一つは財務内容に関する報告ということで、財務内容、財務諸表に対する意見につい ては、これまで起草委員であります石井委員に、お忙しい中を部会とは別にお時間をい ただきまして3法人のヒアリングを行っていただきました。本日はその各法人から、そ の際にも御報告した内容の概要ということで簡単に御説明いたしました上で、石井委員 から財務内容ヒアリングを踏まえた御講評をいただく。  二つ目は、個別項目に関する評価結果の検討ということでございます。資料を御確認 いただきますと、資料1、2、3とそれぞれ3法人の財務に関する資料のうちに、シー トの集約版ということでA4判の分厚いものがございます。それとは別に、それぞれ委 員が直接お書きいただきましたA3判の大きいのを個別に御用意いたしておりますが、 その集約したのがA4判でございまして、これらをもとにフリートーキングをしていた だきます。  あと、参考資料1として総務省のクレジットで「独立行政法人の役職員の給与等の水 準(平成17年度)」という資料がございます。これまで、各法人がそれぞれ個別に年度 評価をいただく際にはそれぞれの法人ごとに御報告いたしましたいわゆるラスパイレス の関係の資料でございますが、総務省より政府全体の法人の結果が取りまとまったとい うことで情報提供がございましたので、参照していただくべく用意をいたしました。  その下には参考資料2−1から2−2と続きますが、当部会における評価の進め方と いう、これまで何度もごらんいただいているものを念のために用意をいたしております。  それとは別に、机の上に特に資料番号は振ってございませんが右肩に「患者向け医薬 品ガイド 2006年3月作成」という資料、及び表紙に「独立行政法人国立重度知的障害 者総合施設のぞみの園の個別評価に係る追加資料」というのが、当日、それぞれの法人 から持ち込まれております。後ほど、これについても法人より簡単な御紹介をいただく ことを予定しておりますので、御確認いただければと思っております。  私からは以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。きょうの議題は大きく二つでございます。それでは、議事 に入ってまいりますが、まず最初に財務内容に関する報告について、事務局から進め方 についての御説明をお願いしたいと思います。 ○政策評価官  財務内容については、3種類の法人から資料が提出されておりますので、最初に各法 人から10分程度御報告をさせていただいて、先ほど申しましたように石井委員から御講 評をいただいて、まとめて御質疑をいただけたらどうかと事務局としては思っておりま す。よろしくお願い申し上げます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それでは、順番は今、評価官からお話があったとおりでご ざいます。各法人から御説明をいただいて、そして石井委員から御講評をいただいて、 それを三つ繰り返したあと、全体を通じて質問を出し合うということになります。どう ぞよろしくお願いいたします。  まず最初に医薬品医療機器総合機構。きょうも私は、大変長いので総合機構と言わせ ていただこうと思っておりますが、総合機構さんから財務内容についての御説明をお願 いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○医薬品医療機器総合機構総務部次長  それでは、平成17事業年度決算の概要という10枚もののペーパーと、その下に11 ページから24ページまでに財務諸表、参考として患者向けの医薬品ガイドを別途添付を してございます。決算の概要ペーパー10枚ものについて、手短に御説明をさせていただ きます。  当機構の今回の第2期の決算については、第1期が8勘定でございましたが、昨年の 4月1日に研究3勘定を独立行政法人医薬基盤研究所へ移管いたしましたので、これに 伴いまして副作用救済勘定を初めとした5勘定の決算を行っております。  中期計画における経費の削減等でございますが、計画においては管理費の15%、ある いは事業費にありましては5%の節減を平成20年までに達成をするということですの で、これを踏まえた年度計画を作成してございまして、これに基づいた決算を今回組ん でございます。  経費の削減でございますが、一般管理費の削減を図るということで、一般競争入札の 増加あるいは外部委託経費の見直し等によりまして効率化経費が50.7億円に対して、欠 員の人件費等の要因を除きました1.7億円の削減を達成をしております。一方、事業費 についても、システム開発経費の算定に当たりましてシステム専門家に外注をし精査を 行うといった方法をとりまして執行管理を着実に行い、削減対象額31.5億円に対してG MP調査の実費徴収旅費の不用といった要因を除きまして2.9億円の削減を実施してお ります。  収入の面でございますが、副作用、感染、安全の各拠出金についてはほぼ予定どおり の収納となっております。審査手数料については、旧審査センターから引き続きました 未処理申請処理、いわゆる滞貨処理に時間を要したこと、制度改正に伴います医療機器 関係の承認申請件数が少なかったことや、GMPの海外製造施設の実地調査が見込みよ り少なかった等の要因がございまして、手数料収入が32億円にとどまり、予算額67億 円から35億円の減少となっております。ただ、18年度半ばには滞貨処理もほぼ終了す る見込みで、それと同様に機構の審査体制も整備をいたしますので、手数料収入も今後 は平年度ベースの収入が確保される見込みでございます。  副作用勘定においては、17年度に厚生労働本省における判定部会の2部会制の導入等 によりまして支給決定件数の増加となり、期末における責任準備金が期首の118億円に 対して期末は139億円となりましたので21億円の繰入増となっております。この決定件 数の増加に伴いまして副作用の救済給付金が年度計画の予算の支出枠を超えましたので、 厚生労働大臣に対してことしの3月22日に7800万円の増額を内容とする17年度年度計 画予算の変更手続を行っております。  副作用救済勘定における損益状況は、今申し上げました責任準備金の繰入増に伴った 決算となりましたので、9億円ほどの損失となっております。  次に、審査等勘定における損益状況でございます。計画に対し、経費の節減努力を行 ってまいりましたが、先ほど申しました滞貨処理に相当時間を要したことによって手数 料収入が大幅に見込みを下回りまして、6.8億円の欠損となっております。  17年度決算については、監事及び会計監査人から独法会計基準等に準拠した適切な会 計処理がされている旨の報告を受けております。  以上が主要な17年度決算の概要でございますが、続きまして決算報告書、損益計算書、 貸借対照表の主な概要について御説明をいたします。  第1が決算報告書の全勘定総表でございますが、5勘定トータルで収入予算額が152 億円に対して決算額は117億円と35億円の減額。支出については、133億円の予算額に 対して決算額は111億円で22億円の減額となっております。いずれも審査等勘定におけ る収支差が減額の要因でございます。その内容については個別に御説明をしたいと思い ます。  まず、副作用救済勘定でございます。収入はトータルが33億6000万円で、5600万円 が予算に比べて増額になっております。支出については合計21億1600万円の決算額と なっておりまして、収入との差は12億4500万円となっております。  3ページの感染救済勘定でございますが、収入は予定どおりの5億7900万円、支出は 決算額が6900万円、その結果として収支差が5億1000万円となっております。  続きまして審査等勘定でございます。審査と安全とに経理区分をしてございます関係 上、まず審査区分から御説明をいたします。  収入でございますが、手数料収入が35億円の減少となっております。これについては、 GMPの調査関係で18億円の減少、旧センターからの滞貨処理及び医療機器の承認申請 が下回ったことにより17億円の減少、合わせて35億円の減収となっております。  支出の面を見ていただきますと、審査等事業費が13億円不用となっておりますが、こ れはGMPの海外調査旅費が7億8000万円、顧問等謝金が2億6000万円、システム関 係で1億5000万円といったものが主な要因となっております。したがいまして、決算収 支上、15億8000万円のマイナスとなっておりまして、損益上の損失の要因となってお ります。  4ページ、審査等勘定の中の安全区分でございます。収入合計が14億3900万円、支 出合計が10億6900万円で、その収支差が3億7000万円でございます。これは損益上の 利益要因となっております。  5番の受託給付勘定、これはHIVの関係でございますが、特別手当等給付金、それ から調査研究事業費等の支出について、友愛財団から受託業務収入として業務を行って おります。したがいまして収支差が1300万円ほど出ておりますが、これは友愛財団に精 算の上、返還することになっております。    5ページの勘定別損益及び利益処分のところでございますが、1番目に全勘定をまと めてございます。個別勘定をみますと、2番目の副作用救済勘定でございますが、損益 計算書上では経常費用が42億円、経常収益が33億円で、その差9億円が損失になって おりますが、先ほど申しましたように経常費用の三つ目にあります責任準備金の繰入が 21億円あるということで、先ほどの収入・支出予算の収支差12億円がありましたが、 それを加味いたしましても9億円の損失となっております。ただ、当期損金が9億円生 じておりますが、責任準備金の要積立金が増額したことと、貸借対照表上にございます 積立金35億円、それを取り崩しをして処理をしていますので、現段階で問題になること はないと思っております。  6ページの貸借対照表でございますが、資産合計が168億円でございます。固定資産 の中の投資その他の資産で140億円ございます。責任準備金見合いを長期運用している ところでございますが、財政融資資金の預託及び国債等の債券運用を行っております。 責任準備金の繰入増の影響に伴います当期損失の9億円は、先ほど申しましたように積 立金の35億円から取り崩しをして整理をしているところでございます。  次は感染救済勘定でございます。経常費用が6500万円に、対する経常収益が5億7300 万円ということで、当期利益金が5億800万円となっております。  貸借対照表でございますが、固定資産の投資その他の資産が9億円ございますが、利 益剰余金等の財源でこの9億円を長期債券で運用を行っております。  7ページに、審査等勘定の損益計算書と貸借対照表がございます。先ほど申しました ように区分計上いたしている関係上、その下の審査区分のところから御説明をいたしま す。損益計算書でございますが、経常費用が46億円に対して経常収益が35億円という ことで、その差10億円が当期の純損失となっております。  8ページの貸借対照表を見ていただきますと、流動資産の中に仕掛審査等費用という のが9億円ございます。これは、17年度において審査の業務には取りかかったのですが 年度末までに審査が終了していない仕掛のものでございます。流動負債のところに前受 金というのが44億円計上してございますが、これは承認申請に基づきます手数料の審査 がまだ終わっていないものの計上部分でございまして、先ほどの仕掛審査等費用の財源 となっております。  資本の部を見ますと、政府出資金と資本剰余金がございます。その資本剰余金に損益 外減価償却を計上してございますが、これは独法設立時に国から出資していただいた資 産分でございまして、通常、機構で新規に購入する減価償却資産と区分をいたしまして、 国から直接受けた資産にかかる償却相当部分について資本剰余金で直接減額整理をして おります。  次に安全区分のところで、まず損益計算書でございます。拠出金収入が予定より増額 し11億5800万円、その他収入と合わせまして経常収益が14億円に対して経常費用が 10億円、その差3億8000万円が利益となっております。  9ページの貸借対照表で見ますと、当期の未処分利益3億8100万円と積立金4億9000 万円、合計8億7100万円が17年度末の利益剰余金となっております。  6番目、受託・貸付勘定の損益計算書でございます。経常費用の18億円に対する経常 収益が18億円。これについては必要なものを国及び企業から受託業務収入としていただ いておりますので、基本的に収支はトントンになるようになっております。ただし、100 万円の純損失を計上しておりますが、賞与引当金の繰入部分の差がございましたので、 それに伴いまして損失が生じておりますが、貸借対照表の利益剰余金の積立金を取崩し をいたしまして、それで処理をしております。  貸借対照表の中で流動負債の未払金を計上してございますが、これは健康管理手当等 の3月支給分を計上しているものでございます。  続きまして、7番目の受託給付勘定でございます。特別手当等給付金が2億1900万円、 調査研究事業費が3億4000万円等の費用を友愛財団から受託業務収入としていただい ております。基本的にスモンと同じように収支トントンになるわけでございますが、こ の勘定においては利益剰余金が300万円発生しております。これは、システム開発に伴 いますソフトウエアの資産化ということで、費用としては減価償却計上分になります。 その部分の差が利益として生じているものでございますが、ソフトウエアは5年償却を いたしますので、4年間ほど償却が進みますとほぼゼロになります。  以上、手短でございますが、医薬品医療総合機構の決算の概要でございます。 ○橋本部会長  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの総合機構さんの財務内容の御 説明につきまして、石井委員から御講評、コメントをお願いしたいと思います。 ○石井委員  事前に財務内容に関するところのヒアリングをさせていただいていまして、きょう説 明をいただいた内容とほぼ同様のより詳細な御説明をいただきました。  基本的にはまだこの機構は設立2期目ということでありまして、落ち着いていないと いう状況がございます。特にきょうお話がございましたように滞貨処理というのがある ために、旧審査センターからの未処理申請というのを受け継いできていますので、その 状況においては独法に移行したあとでの評価をそのまましてあげることができないとい う要素があって、この部分はどうしても加味をしていかざるを得ないのだろうと思いま す。  会計処理としては、本来正しい形の適正な会計処理の基準に従って整理をされており ますし、監事並びに会計監査人の適正意見というのも出ておりますから、これに関して 処理上の議論をする必要はないのだろうと思っております。  一般管理費あるいは事業費にかかわるところの削減という観点については、目標をお おむね達成をしてきております。これに関してもまだ始まって1年半というのでしょう か、2期目という状況を考えていくと、評価としてはもう少し長い目でみていく、中期 でみていくという性格を持つということで、余り突っ込んだ議論をしない状況で決算が 終わっているのですが、それはそれで私としてはかまわないのではないかと思っており ます。  これからまだ変化をいろいろな形でしていく独立行政法人でありますから、もう1期 きちんとみたところで、少し専門的な見解を申し上げればと考えております。おおむね 以上のようなところでございます。  もう一つ、今、るる御説明いただきましたが、5勘定中で非常に大きなものが副作用 と審査という部分でありまして、当然でありますが副作用の方は責任準備金というよう なものがあって、つまり救済にかかわるところの責任を負っておりますから、非常にス トックが重たいというかたくさん保有する形のアカウントになっている。それに対して 審査等勘定の方は、どちらかというとフローというのでしょうか動きの大きい方になっ ていますから、年間におけるフローサイドの取引規模が非常に大きい。この二つがこの 機構における最も中心的な事業となっていまして、たまたま今期、その二つについて少 しイレギュラーなというのでしょうか、処理があったものですから、赤字というような 議論が出ているということでございます。  以上のような状況でございました。 ○橋本部会長  どうもありがとうございました。御質問などあろうかと思いますが、先ほど御説明が ありましたように一番最後にまとめて御質問を承ることにしたいと思います。  では続きまして、福祉医療機構さんの財務内容についての御説明をちょうだいしたい と思います。お願いいたします。 ○福祉医療機構経理部長  福祉医療機構でございます。当機構においても勘定が多くなっておりまして、6勘定 をもっております。資料は1−2−(1)と1−2−(2)を用意いたしております。時間の関 係もございますので、1−2−(2)の財務諸表の概要の資料をもちまして主なポイントに 絞った上で説明させていただきたいと思います。  財務諸表の概要の1ページから4ページまでについては、6勘定を合計した全勘定を 掲げてございます。詳細についてはそれぞれ勘定ごとに説明いたしますが、概略を申し 上げますと、6勘定のうち唯一労災担保貸付勘定が赤字という決算を締めているところ でございます。  それでは、各勘定ごとについて説明いたします。  まず5ページの一般勘定でございます。  貸借対照表を示しておりますが、総資産においては3兆3063億円となっております。 そのほとんどが貸付金となっております。また貸倒引当金については、金融検査マニュ アルに基づいて積算し、80億円を計上しているところでございます。  次に負債でございますが、負債合計が3兆3020億円となっております。その内訳は、 貸付金の財源としての長期借入金と財投機関債と申します機構債券が大部分を占めてお ります。資産から負債を除きました43億円が資本合計となっております。  なお、15年度からの繰越欠損金4億4000万円ほどございます。これについては、18 年度予算において当該損失金補填のための交付金というのが予算措置されております。 その結果、18年度決算にはなるのですが、この6月14日付で既に入金済みでございま すので、18年度決算においては当該の繰越欠損金の解消が図れる予定になっております。  次に、6ページの損益計算書でございます。  右下に臨時利益として4億2600万円ほど計上しております。これについては、貸倒引 当金の引当率の改善といいますかそれが大分改善された結果、むしろ新たな引当金の積 立よりは戻入れが生じたという形で臨時利益を計上しております。この結果、当該損益 計算書上はゼロとなるようなスキームなっております。これは、一般勘定においては国 から処置されます利子補給金が損益差に対して補填されるために、当該利益が発生しな い仕組みとなっているものでございます。  キャッシュフロー計算書以下は、記載のとおり会計基準に沿いまして整理していると ころでございます。  続きまして、9ページの長寿・子育て・障害者基金勘定でございます。  貸借対照表においては資産合計2830億円となっておりまして、その大部分が国から出 資された基金の資産となっております。それ以外に現預金として33億円ほど計上してお りますが、これは利益剰余金に見合うものでございます。  一方、負債については10億円程度でございまして、その内訳としては、退職給付引当 金6億円、それ以外に障害者スポーツ支援事業特別準備金として平成17年度冬季パラリ ンピック参加のための経費などの助成金1億2000万円支出後の残金でございますが、3 億9000万円を計上しております。  次に、10ページの損益計算書でございます。  経常費用は34億8000万円、経常収益は39億7000万円となっておりまして、運用収 入の増、事業経費の節減などによりまして4億8900万円の経常利益が発生しております。  さらに臨時利益として障害者スポーツ支援事業特別準備金の戻入益、いわゆる準備金 の取崩しとして一たんこちらの損益に収入として受入れを行っておりますこの1億 2000万円を計上しております。さらに、16年度にスペシャルオリンピックス開催のため に助成金を支出しておりますが、その余剰金として1億5000万円、これが機構に返還さ れております。これも臨時利益として計上しております。  その結果、差し引き当期純利益が7億5800万円となっているものでございます。この 純利益については、通則法の第44条第1項に規定します積立金として整理するものでご ざいます。  13ページの共済勘定でございます。貸借対照表においては、資産合計11億2000万円 となっております。そのほとんどは負債勘定に記載しております給付費支給資金見合い の現預金でございます。流動負債が51億円ほどございますが、これは16年度と同様、 17年度においても退職給付費の不足を賄うために、年度内に入金されない都道府県から の補助金見合い分、これを機構が短期借り入れしたことによるもので、50億円分同額を 当期損失金として計上しているところでございます。  次に、14ページの損益計算書でございます。経常費用合計は844億円、経常収益合計 は848億円となっております。それと、17年度において16年度からの都道府県補助金 の未収金分と当該17年度の都道府県補助金の未収金額との差額3億400万円ほどござい ますが、これが当期純利益として計上しているところでございます。  キャッシュフロー計算書以下は記載のとおりでございまして、都道府県からの補助金 が未入金になっております50億円については翌期への繰越欠損金として処理しており ます。これも、もう既に5月31日にこの金額については返還処理の手続を行っていると ころでございます。  17ページの保険勘定でございます。保険勘定の貸借対照表における資産合計541億円 となっておりますが、そのほとんどが扶養保険事業財源を運用しております金銭の信託 となっております。一方、負債については、法令に基づく引当金などとして心身障害者 扶養保険責任準備金というのを設けてございます。これを929億円計上しているところ で、資本が差し引き388億円のマイナスとなっております。これは、責任準備金に対す る積立不足額として計上されているものでございます。  次に、18ページの損益計算書でございます。経常費用合計は193億円となっておりま す。経常収益合計は260億円でございまして、経常損益差し引きでは67億円の利益が出 ているところでございますが臨時損失として扶養保険責任準備金63億円を繰入処理を しております。その結果として、4億4500万円について当期純利益として計上している ところでございます。  これらの責任準備金積立不足に伴う保険勘定の赤字については、17年度に引き続きま して担当部局と調整の上、中期目標において定められている事業の見直しの中でも議論 していくこととしているところでございます。  キャッシュフロー計算書以下は記載のとおりで、4億4500万円の当期純利益の発生に よりまして、繰越欠損金が392億から388億円に減じているところでございます。  次に21ページ、年金担保貸付勘定でございます。  貸借対照表でございますが、総資産として2214億円を計上しております。そのほとん どは貸付金でございます。  負債の部でございますが、負債合計2207億円となっておりまして、その内訳は貸付金 の財源としての長期借入金と機構債券がほとんどを占めております。  資産と負債の差額4億9300万円ほどございます。これが資本勘定における当期未処分 利益となっておるところでございます。  次に損益計算書でございます。経常費用が27億円、経常収益が32億円となっており まして、その差額が当期純利益として4億9300万円を計上しております。当該勘定では 借入金に業務委託費や貸倒引当金等の経費相当分を上乗せする制度を行っておりますの で、この分の金利差が確保されたことにより利益が生じているものでございます。  最後になりましたが、25ページの労災年金担保貸付勘定でございます。これも年金担 保と同じような貸付制度でございますが、貸借対照表については、総資産は59億円で、 そのほとんどが貸付金でございます。  次に負債でございますが、繰越欠損金を100万円計上してございます。これは、26ペ ージに損益計算書で示してございますが、当勘定については平成16年の4月に旧労働福 祉事業団から承継した勘定でございますが、その移管するときの債権の状況が予想以上 に悪化しているという点がございまして、貸倒引当金が予算を上回るような決算処理を 行っております。その結果、当期純損失が400万円ほど発生したものでございます。過 去における積立金300万円を取り崩すことによって対処しましたが、なお足りない100 万円については、次期繰越欠損金として貸借対照表上に計上しているものでございます。  ただ、この勘定については18年度から、制度改正に伴いましてオンコスト分をコンマ 1%引き上げるという処置を取っております。その結果、18年度においては欠損は今後 生じないと見込まれる形の執行が行われるものと理解しておるところでございます。  以上が17年度の機構の決算概要でございます。  さらに補足させていただきますと、この4月1日から旧年金資金運用基金の解散に伴 いまして、同基金が行っておりました年金住宅融資などの債権の管理回収業務とさらに 年金教育資金の貸付斡旋業務の2勘定を新たに当機構で取り組んでおります。そういう ところで、この18年度事業においては、従来の6勘定以外に新たにこれら2勘定が加わ り、8勘定で今後執行されることになっております。  簡単でございますが、17年度の当機構における決算の説明でございます。 ○橋本部会長  どうもありがとうございました。ただいまの福祉医療機構の財務内容の御説明につき まして、石井委員から御講評をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 ○石井委員  我々が担当している独立行政法人の中で、収入規模というのでしょうか財政規模とい うのですか、ともに大きなものでありまして、個々の勘定ごとで御説明をいただいたも のの全体像をちょっと復習をさせていただくと、バランスシート、貸借対照表の総額が 3兆8000億円ぐらいありまして、そのうち自己資本として構成されているものが約2500 億ございますが、この2500億円のほとんどすべてが長寿・子育て・障害者基金勘定の資 本でありまして、それ以外の部分に関しての資本は余り多く存在をしておりません。  これはなぜかというと、今の部分だけは基金でありますが、ほかのものは共済勘定と しての実質的には業務の受託をしているようなもので、保険もそうでありますし、ある いは年金担保等に関しても移管をされてきて整理をしてきている。メインの一般勘定も 3兆円を超える貸出を持っておりますが、損益ゼロが常でありますから、つまり常にそ ういう意味においてはその部分のリスクはないという形になっていますので、実は勘定 別で性格をみていくとかなり異なるのですが、多くがリスクを余り背負わないという格 好になっているのかなということでございます。  事業規模はストック、フローで見ていただくと非常に大きいのですが、経常収益でい きますと年間約2000億円ぐらいの収入がございますが、運営費交付金はたかだか48億 しかありません。先ほどの医薬品総合機構の方は、実は113億の経常収益に対して5億 円ほどしか運営費交付金はありませんので、医薬品機構は自己収入型ということで、つ まり拠出金収入等が非常にたくさんございますから、それに対して福祉医療機構は実は 運営費交付金は総収入に対して極めて少ないのだけれども、利子補給金というものが別 途財政的に措置をされていたりしているということで、独法ごとの状況を認識していこ うとするときにかなりそれぞれ特殊性があるということであります。  経費の削減等に関しては、基本的には福祉医療機構が最も効率化が進んでいるのだろ うと思われますが、事業の内容からみていったときになかなか評価をするときに判断に 迷うというのが正直なところであります。  このあと、のぞみの園で御議論いただくわけですが、加えて申し上げるとすれば、福 祉医療機構の運営費交付金は48億円で医薬品機構が5億円ですが、のぞみの園は26億 円あって、のぞみの園は全体の収入が42億円で、そのうち運営費交付金が26億円であ る。貸借対照表の総資産の総額が147億だけど、そのうち142億円が自己資本だという ことで、三つ独法を並べてみると、よくここまで異なる性格なのだなということになり ます。  もう一つ、福祉医療機構で申し上げるとすれば、18年4月1日に移管されたところの 住宅関連でしょうか、引き継ぐ債権の額をおおむねでいいのですが教えていただきたい のですが、かなりの金額だったかと。 ○福祉医療機構経理部長  3兆7000億円です。 ○石井委員  3兆7000億円ということで、来年の評価におけるバランスシート残高は7兆6000億 円ぐらい。ただ、新規の貸出はなし、回収のみということでありますが、かようなわけ で全く違う性格なのかなと。実は評価をするときに財務の視点からみていきますとなか なか悩ましいというのが正直なところでございます。  ただ、それぞれの財務諸表は当然、福祉医療機構に関しても適正だと私自身もヒアリ ングをした結果、思いますし、監事も会計監査人も適正意見を出しているということで あります。以上です。 ○橋本部会長  ありがとうございました。本当に三つの法人それぞれが非常に個性的で違う。今の石 井委員の御説明のように、なるほどそうだなと私も聞いておりましたが、それでは最後 になりましたが、のぞみの園の財務内容についての御説明をお願いいたしたいと思いま す。よろしくお願いいたします。 ○のぞみの園法人事務局長  のぞみの園でございます。お手元の資料1−3に沿って御説明いたしますが、初めに、 当法人の財務上の特徴を若干御説明いたします。  当法人は、勘定は単一勘定でございます。中期目標に掲げられました事業内容等に基 づき、施設運営業務など七つの業務経費と、法人共通経費にセグメント経理をしており ます。運営費交付金の会計処理については、運営費交付金相当額を債務として負債に計 上し、業務のための支出額を限度として収益化するいわゆる費用進行基準を採用してお ります。資産は固定資産が多く、そのうち、非償却資産の土地が約50%以上という状態 でございます。資本金は政府からの現物出資でありまして、総額151億8900万となって おります。  それでは、資料の1ページ、貸借対照表でございます。  まず資産の部でございます。流動資産は1億6200万円。これの大部分は未収入金、支 援費収入であるとか診療収入のおおむね3月分ということなります。固定資産について は、145億6100万円。有形固定資産、無形固定資産の当期末残高の合計でございます。 この合計で147億2600万となっております。  次に負債の部でございますが、流動負債は3億300万。これは、運営費交付金の債務 8100万円、あるいは短期借入金4900万円、未払い金9500万円等であります。  固定負債、2億1700万。これは、資産見返り負債の1億2400万円と長期リース債務 の9300万でございます。  資本の部については、資本金151億8900万、先ほど申し上げた現物出資の部分でござ います。資本剰余金はマイナス8億6300万。これは、施設費で取得した特定資産の9600 万円と損益外減価償却累計マイナス9億5900万の相殺額を記載しております。繰越欠損 金マイナス1億2000万。これは、当期末損失に計上し整理をしておりますが、実は流動 負債の交付金債務との相殺をすれば実質約4000万ということになりまして、今後、給与 等の削減等々でこの欠損は何とかクリアできるかなという感じでございます。  これの合計で、負債資本の部で147億2600万となっております。  2ページ、損益計算書でございます。この損益計算書の見方でございますが、運営費 交付金収入等がどのように業務費用として支弁され、対応しているかということについ て整理したものでありますので、「対応分」という言葉が入っております。  経常費用でございますが、業務経費、一般管理費、財務費用に区分され、合計額は42 億6900万となっております。業務経費は総額で38億8400万ですが、人件費31億8100 万のうち運営費交付金収益対応分として22億6200万を充てております。事業費収入対 応分としては、人件費及び物件費で16億1700万となっております。  次に一般管理費は3億8200万円でございますが、大部分が運営費交付金収益対応分で、 人件費で2億8200万円、人件費以外の一般管理費ということで7000万円、合計3億5200 万円を充てております。  事業収入等対応分については、人件費以外の一般管理費で2300万円となっております。  財務費用、これは200万円でございますが、医療機器等のリースの支払い利息等で事 業収入等対応分となっております。  経常収益は42億7200万円。内訳は、収益化した運営費交付金が26億1400万円、診 療収入、あるいは支援費収入等の事業収入で16億3900万円となっております。なお、 資産見返り戻入1000万円は固定資産の当期減価償却費相当額であります。  経常利益の300万円は、施設費収益相当額を計上、整理したものであります。  下段にキャッシュフロー計算書が出ておりますが、ごらんのように業務活動費につい ては4300万、投資活動についてはマイナス400万、財務活動についてはマイナス4500 万。これを整理しますと、資金期末残高100万円、いわゆる現金として手元にあるとい うことであります。  3ページ、行政サービスのコスト計算書でございます。  ごらんのとおり、業務費用については26億1900万円。これは損益計算書上の費用42 億7200万円から事業収入等16億5200万円を控除したものであります。運営費交付金債 務振替額ということであります。  損益外減価償却等相当額3億7800万円、これは特定の償却資産の17年度の減価償却 費でございます。  3番目の引当外退職給付増加見積額マイナス1億6300万、これは16年度末並びに17 年度末に当法人の役職員が全員退職した場合の退職手当の見込額を算出いたしまして、 16年度との増減を計上したものであります。17年度は俸給月額の見直し等による減等に より減少したものであります。  機会費用ということでございますが、2億5600万。これは、国から受けた資金を市場 で運用すれば得られたであろう運用益相当額でございます。  以上のことを計算しまして、行政サービス実施コストは30億9000万という数字にな っております。  最後に、セグメント情報について御説明をいたします。  事業費用でございますが、上段一番右側の数字で42億6900万円。このうち人件費は 34億6400万円でございますが、退職手当の2億4600万円を含んでおり、費用の総額に 対する割合としては81.1%という状態でございます。退職手当を除いた場合には75.4% となります。その他の費用については8億400万円。これは一般管理費、物件費でござ いますが、以上が事業費用ということでございます。  次に事業収益でございますが、総額が42億7200万円。主な収入は、運営費交付金収 入と支援費収入、診療費収入となっております。運営費交付金収益の26億1400万につ いては、運営費交付金相当額を運営費交付金債務として負債に計上し、それぞれの業務 の進行に応じて事業費用に対して収益化を図っているというものであります。  入所利用者にかかる施設訓練等支援費収入が14億9400万。それから、デイサービス 及びショートステイ等の利用者にかかる居宅生活支援費収入が2400万、診療収入が8700 万となっております。  受託収入の300万については、16年度と同様、17年度においても群馬県より委託を受 けた総合相談支援モデル事業であるとかガイドヘルパー養成研修事業業務として実施い たした費用でございます。  その他、実習生等受入れ負担金収入、資産見返り戻入等々ございます。  最後に、施設費収益3万円。これは17年度に予算措置された施設整備費において固定 資産を取得したところでありますが、固定資産の取得原価を構成しない支出、いわゆる 附帯事務費等の相当額を計上し、按分し、配付してあるという整理でございます。  次に、事業費損益300万円。これは、施設費収益相当額を計上し整理しております。  最後に総資産ということでございますが、総額147億2600万円となっております。内 訳としては流動資産が1億6200万円。主なものは、支援費収入、診療収入、未収金、預 金ということになります。  また、土地建物の固定資産として143億円、工具器具備品、車両等の固定資産として 2億5000万円、締めて145億6100万円、これが土地建物の固定資産の総額でございま す。そのうち土地については86億5600万円となりまして、これは法人共通経費に計上 して整理をしております。その他は100万円、小額にかかわる費用ということで計上い たしております。  以上、財務内容の御説明でございます。 ○橋本部会長  どうもありがとうございました。ただいまののぞみの園さんの財務内容について、同 じように石井委員さんから御講評をいただきたいと思います。お願いいたします。 ○石井委員  同様にして監事及び会見監査人から適正意見が出ておりますので、財務の内容は現実 の経営状況を適正に表示をしているものだと思っております。  ただ、医療福祉部会が本日で27回目ということでございまして、最初のころにのぞみ の園をどうやって評価をするのかという議論を随分したかと思うのですが、先ほどちょ っと申し上げましたようになかなか難しいのですが、運営費交付金という国から運営費 として交付をされている額の効率化という観点からみると、経営全体に占める運営費交 付金の割合が一番大きいのがのぞみの園であります。そういう状況で、かつ、資産の総 額の半分は土地ということでありますが、ほとんどすべてが政府出資金による自己資本 ということになっていまして、そういう観点だけでみていくと実はのぞみの園が最も効 率化しなさいと。つまり、最も効率的に運営することに関して重要度が高いというよう な結果になりまして、ここが個人的に、財務の専門家であるのですが、どうも自分の中 でも評価がしきれないのですね。  片や福祉医療機構さんの方は利子補給みたいなものがあって、これは当然、自己責任 ではやりようがありませんから、財政投融資資金を借りてきて低利で資金を貸している わけですから、その部分に関して改善しろといわれても改善しようがないわけでありま すし、共済勘定や保険勘定も機構としての責任の外でありますから、ただそういうふう にして考えていくと、現実の世界、生身の世界で最も難しいものを抱えているのぞみの 園が最も経営の効率化を求められるというような話なのかなということで、そこで少し 割引をしていかなればいけないのかもしれないというようなことを私自身は考えており ます。  医薬品機構さんは、常勤、非常勤を合わせて総人員は400人ぐらいでよろしいのでし ょうかね。 ○医薬品医療機器総合機構総務部長  トータルで約500名。派遣職員も含めてです。 ○石井委員  のぞみの園が常勤、非常勤合わせて350人ぐらい、福祉医療機構さんが一番少ないの ですよね、250という。つまりどうも行政サービスの効率性議論というのは人の頭数で いくとかなりかかわりが強くなるなというようなことも考えておるのですが、のぞみの 園に関しましてはなかなか深い部分が多いなというふうに感じております。  それから、御説明いただきませんでしたが、きょう配付をいただいたのぞみの園の個 別評価に係る追加資料はなかなかきれいにまとまっておりまして、大変わかりやすく資 料をつくっていただいて、直前にお願いをしておつくりいただいたと思うのですが、あ りがとうございました。  以上です。 ○橋本部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいままでに三つの法人から御説明をいただきました。あわせまして何 か御質問がございましたらお出しいただきたいと思います。どこの法人からでも結構で ございます……。いかがでございましょうか。石井委員から御説明がございましたよう に、横並びで比較してみることはちょっと難しいというのはよくわかることでございま す。そういう視点でもよろしいと思いますが、個々の法人の財務内容についての御質問 もおありかと思いますので、どうぞお出しいただきたいと思います。やはりこの辺は専 門の知識を相当持っていないとなかなか質問をすることも判断することも大変難しいと 思いますが、素朴な質問でも結構かと思いますが、いかがでございましょうか。  それでは、特にないようでございます。またひょっとしたら後で出てくるということ があるかもしれませんが、きょうの場ではここでおしまいにさせていただきたいと思い ますが、よろしゅうございましょうか。  この後の作業でございますが、石井委員にお願いしたいのですが、これまでのこの部 会での審議、あるいは石井委員は3法人に対する財務内容に関するヒアリングもやって いらっしゃいますし、きょうの御説明も承りました。そういうことをもとにいたしまし て、3法人の財務諸表に関する意見書の案文につきまして起草をしていただきたいと思 います。次回は、できましたらその案文につきまして審議することにしたいと考えてお ります。  また、事務局にお願いしたいと思いますが、石井委員が起草の作業をなさることにつ きましては、必要な御協力をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたしま す。  それでは、第1番目のきょうの議案に関しましてはこれで一応きりをつけたいと思い ますが、よろしゅうございましょうか。  それでは、2番目の今まで私どもがやってまいりました個別項目に関します評価結果 について議論していくわけですが、後、ちょっと長くなりますから休憩を取ることにし たいと思います。ただいまが4時8分ぐらいだと思います。では、4時15分まで休憩を したいと思います。 (休憩) ○橋本部会長  それでは時間になりましたので、きょうの二つ目の議案の検討に入りたいと思います。 二つ目は、私どもの続けてまいりました三つの法人の個別項目に関する評価結果につい て自由に議論し合おうということでございます。では、これからのフリートーキングの 進め方について、事務局から御説明をいただきたいと思います。どうぞお願いいたしま す。 ○政策評価官  冒頭にも確認いただきました資料でございますが、資料2−1.総合機構、資料2− 2.福祉医療機構.資料2−3.のぞみの園、それぞれ個別の法人の実績評価をいただ いた回に委員の皆様方が御記入いただいた資料をまとめたものがA4判、それぞれ委員 の皆様方にお書きいただいたのをそのまま置かせていただいているのがA3判というこ とで、この二つがまずシートでございます。それと、その評点のところだけをまとめた ようなものを置かせていただいております。  これからについては、例年のことでございますが、あらかじめこれまでの個別の会に おけるやりとり、あるいは評価シートを御記入いただいて改めて見てみると、というこ とを含めまして法人に御確認をいただくようなことがあれば、その時間をまずまとめて 取っていただきまして、そして法人の方に御退席いただいた後、委員の方々におけるフ リートーキングという形で予定をしております。  個別委員の皆様方に御記入いただきました各シートを集約いたしました未定稿版につ いては、同じような趣旨のコメントで若干言葉が違うところは集約している部分もあり ますが、基本的にはそれぞれ委員のお書きいただいたのをそのまま転記をする。そうい う意味では若干コメントのところだけ並べてみると、当然、委員の方々のコメントでご ざいますので少しニュアンスの違うところもあろうかと思いますが、そういう形でまと めでございます。きょう、このあとのフリートーキングを通じて、もし御自身がお書き いただいたA3判のシートの修正が必要だということがございますれば、恐縮ですが赤 で直していただいて、できれば付せんもございますのでわかるようにそこに印をつけて いただきますと、会議終了後、回収いたしまして事務局で再整理をさせていただく。  それを踏まえて次回に向けていただきました修正後のコメント、修正後の評定をベー スに、起草委員の方々の方で総合的評価の部分の文言を起草していただく作業に進めさ せていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  また、改めて申し上げるまでもないのですが、次回、この一連のプロセスを経て固ま れば、総合的評価の文章編と、シートにございます評定及びコメント面というのが一体 として17年度の各法人の実績評価という形で固めさせていただくものであります。公表 もそのようにさせていただくということでございます。よろしくお願い申し上げます。 ○橋本部会長  ありがとうございます。きょう、追加資料としては総合機構さんとのぞみの園さんか ら出ておりますので、まず総合機構さんから追加資料について御説明をいただきたいと 思います。 ○医薬品医療機器総合機構総務部長  本日お配りしました患者向け医薬品ガイドでございますが、7月25日の部会において この話が出ましたので、ご参考までに本日、配付をさせていただきました。  ワーファリンを例に取ってございます。一番最後のページを見ていただきますと、記 載要領がございます。それぞれの字の大きさ、それぞれのところの間隔等も細かく決め てございます。こういった要領で各製薬企業につくっていただいていますので、それぞ れの項目が皆同じ形でできあがっております。これが機構のホームページに載っている ものでございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。  それでは、のぞみの園さんからは、先ほど石井委員は、いいものをおまとめくださっ てということでございましたが、これにつきまして御説明をいただきたいと思います。 お願いいたします。 ○のぞみの園法人事務局長  のぞみの園でございます。7月21日の質疑の中で委員の先生方から御依頼のございま した資料、あるいは当法人の理事長が提出をいたしますと申し上げた資料等々をまとめ て御提示いたしております。  最初の3ページまでは、定量的な提示の方法が何かできないだろうかという御意見に 対しての当座のお答えでございます。こういった形での御提示の仕方でいかがかという ことでお示ししております。  それからのぞみの園のアンケートについても、委員の先生方から満足度を何か定量的 に表示ができないかということで、資料に記載しましたセミナーとか講演会とか、そう いったものについて満足度をお示ししたということであります。  研究テーマに関する資料ということで、各種研究会等で発表した成果について何か提 示できないだろうかという御意見でございましたので、研究テーマに関する資料を、こ れはコピーで見づらくて大変申しわけないのですが、かなり枚数をつけさせていただき ました。  それと、競争入札にかかわる話で、食事提供業務の関係のプロポーザル入札のときの 手続についてというお話がございましたので、それに関係する実施要綱でありますとか 仕様書といったものをおつけしました。  最後に、小中学生のいわゆる当施設に対する受入れという点で数字的にあらわせない だろうかということでございましたが、なかなか小中学生を細かく分類してデータを残 すという作業は難しゅうございまして、結果的に参考資料といたしまして、地域の小中 学生との交流とか施設の開放といったことについてお示しをして、最後に参考としてボ ランティア活動の受入れということで、学生の部分について大学であるとか高等学校で あるとか中学生までの細かい分け方、そういったことで最後のページにお示しをいたし ました。  以上でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。  それでは、今の資料の御説明も含めまして三つの法人について何か御質問がございま したら、私どものフリーディスカッションをする前に、三つの法人がおられますうちに お聞きしておきたいと思いますので、何かございましたらどうぞお出しください。いか がでしょうか……。  それでは、ちょっとのぞみの園にお尋ねしたいのですが、きょうの追加資料の中で出 ておりますが、研究成果を例えば日本心理学会で御発表になったとかあるいは社会福祉 学会で御発表になったという要旨が載っておりますが、こういうものはのぞみの園の事 業に対してどのように活用されているのか、あるいは学会で発表したということはある 意味では社会的な貢献をしていることではございますが、より具体的にこういうふうな 社会的な貢献をしているということはございますでしょうか。 ○のぞみの園理事  非常に難しい御質問なのですが、こういう発表の機会を通して考え方をまとめていく とか、あるいは個別の支援の際には役立つものがあれば取り入れていくということにし ております。ただ、この論文を一つ一つどう具体的な支援に活用したか、私も現場と離 れていますので具体的には言えないのですが、そういうことで活用しております。 ○橋本部会長  事情はよくわかります。実際に担当している人でなければわからないことがたくさん あるのだろうと思いますが、たしか研究員の方は3人いらっしゃるのではなかったでし ょうか。 ○のぞみの園理事  はい、おります。今までは2人でやっておりましたが、去年の4月から外部の研究者 をお招きして研究体制を整えたということで、やっております。 。 ○橋本部会長  地域移行の問題ですね。 ○のぞみの園理事  はい。 ○橋本部会長  後でまた読ませていただきたいと思いますが、きっといい御研究をなさっていらっし ゃるのだろうと思いますが、こういうものが具体的に生かされていくことが非常に重要 なことだと思うものですから、そんな質問をさせていただきました。 ○山村委員  のぞみの園の追加資料、大変新しい情報も提供していただきましてありがとうござい ます。その中の3ページの運営費交付金について少しお尋ねしたいのです。平成14年度、 約30億あった運営費交付金が15年度で半額に近くなり、また16年度からは26〜27億 で推移しているのですが、このことと、収入というのは支援費関連の収入が主なもので ありまして、その支援費関連の収入というのは利用者が何人いらっしゃるのかというこ とで決まるわけで、年々地域移行並びに亡くなられる方もありということで人数が若干 ずつ減ってきて、当初よりは30人近く減っているのではないか。ということは、支援費 関係の収入は減ってくる。しかし一方、今度は職員の方は正規職員は減っているけれど も常勤勤務の非常勤職員は人数が相当ふえておりますので、そのあたりの関係がどうな っているのか。だから、支援費関連の収入は減ってくる、職員は減ってきているけれど も非常勤で代替して相当人数は確保している。そうしたときの運営費交付金というもの はどういう関係で動いていくのか、そのようなことをお尋ねしたいと思います。 ○橋本部会長  では、今の山村委員の御質問につきまして。 ○のぞみの園理事  先ほど、三つの法人の特殊性を石井先生からお話しされましたが、私どもの法人は、 一つは対人業務であるということ。それから、いわゆる消費経済体である。企業的なも のではない。そういう特色があろうかと思います。  そういう中で山村先生の御質問にお答えしていきますと、第1点目は、14年度が29 億3700万で15年度はちょっと減っている。あとはまた漸減しているというお話ですが、 15年度は、この表のつくり方が悪かったかもしれないのですが、独立行政法人の分だけ を挙げております。実際には28億4100万だったと思います。後で確認しますが。後は 人件費を削減したり節約してだんだん減らしているわけでございます。  利用者の減との関係はどうなっているかということでありますが、入所者については 施設訓練費収入ということがありますが、それは減ります。ただし、最近は在宅の方に デイサービスとかショートステイとかそういうのに取り組んでおりますので、そういう のと若干の相殺関係があるかと思います。  それから常勤職員と非常勤職員という関係でありますが、いずれにしても後補充は非 常勤でやることにしておりますが、常勤と非常勤では単価差がありますので交付金にと っては節減要素ということになろうかと思います。  大体そういうことでございますが、よろしゅうございましょうか。 ○橋本部会長  山村委員さん、いかがでございましょうか。 ○山村委員  利用者が減れば確実に支援費収入は減りますよね。 ○のぞみの園理事  ええ。 ○山村委員  それから、なお18年度のことは今回の評価にはかかわらないにしても、18年度に入 りましてから恐らく減額になっているのではないかと思いますし、なおかつ10月から新 たな制度、事業体系に移行すると理事長が冒頭おっしゃいましたので、それを考えまし てもさらに収入が減ってくるのではないか。これは18年度の問題ですが。だから、実際 に利用されている方々を支援をされて入ってくる収入がどんどん減っていくということ と、当然、職員の給料を払わないと、主な支出は人件費ですから、それを払わないとい けない。となれば、運営費の交付金はふくらんでくるのか、さもなくば横ばいなのか、 そのようなことをお聞きしたいのですが。 ○橋本部会長  利用者の増減が運営費の交付金にどういう影響を与えてくるのかということですか。 ○山村委員  まあそうですね。 ○橋本部会長  理事長さんのお話では、バランスを取るため、常勤職員を欠員ができたときには非常 勤で対応しているということでしたが。 ○のぞみの園理事  はい、原則は、そのようにしています。まず、運営費交付金のもともとの考え方はい わゆる収支差補助でございます。したがいまして、収入の減り具合よりも支出が減れば 交付金が減るという構造になります。私どもは今、給与の見直しということで、毎年 3.5%ずつ下げておりますので、これがかなり効いていると思います。  もう一つの御質問、18年度の10月以降、障害者自立支援法が施行されてどういう見 通しかという御質問かと思います。これはまだ障害程度区分がわかりませんで、今、市 町村に早くしていただくように頼んでおりまして、全体がまだ分っていないという状況 にあります。その程度区分がどうなるかによって障害福祉サービスの収入が変わってく るという状況です。そんなに減らないのではないかと皮算用しております。 ○山村委員  わかりました。収支差の補助というものが運営費交付金ということだと。だから、お のずから収入が減れば交付金は高くなるだろうし、支出が減れば少なくなるのかな、わ かりました。願わくば、運営費交付金をできるだけ少なくしていく方向で努力されてい ると思いますから、そういう方向で頑張っていただきたいと思います。 ○橋本部会長  のぞみの園の方、よろしゅうございましょうか。この辺はなかなか微妙なところで、 なるべく収支のバランスを取ろうと思うと人件費と食費のところがやりやすいところで すよね。 ○のぞみの園理事  人件費ですね。 ○橋本部会長  そうすると常勤を非常勤にかえていくことになりますと、サービスの質という意味で ここは微妙に難しいところでございますけれども。 ○のぞみの園理事  昨年の当委員会ですか、先生からもおっしゃられました。そういうことにならないよ うに私どもも努力していくつもりです。 ○橋本部会長  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか……。よろしゅうございますか。  特になければ、三つの法人の方々には御協力いただきましてありがとうございました。 きょうはここまでにさせていただきまして、後は私どもの自由なディスカッションをし たいと思います。きょうは本当に3法人の関係の皆様、ありがとうございました。  それでは、委員相互に意見を交換したいと思います。先ほど評価官から御説明がござ いましたように私どもの意見はここに集約されておりますが、それぞれ意見が食い違っ ております。私どもが非常に重要だと思っているところとものの見方の違いなどが影響 しているのかと思いますが、自由に意見を出し合いながら調整する必要があれば調整し よう、そして自分の評価を改める必要があるとお感じになったら直す、そういう機会に するということかと思います。どうぞ御自由に御質問いただきたいと思います。  各法人ごとにやっていくということもございますが、全体を通じて何かございました ら先にどうぞ。石井委員さんからは先ほど御説明いただきまして、なかなか難しい。本 当に性格の違う、そして財政規模も全く違う三つの法人でございますから、横に比較す ることは非常に難しいかと思いますが、特にのぞみの園のような質を考えていかなけれ ばいけない法人につきましては、評価はまたちょっと違う視点がいるのだろうと思いま すが、全体的には何かございますか。 ○白石委員  もう去年もおととしもずうっと出ていることなのですが、それぞれの法人、10幾つ評 価項目がありまして、その平均点を最後に取るようなことになるというのがあります。 それはこの評価の仕組み上、しょうがないことだと思うのですが、それぞれの法人はそ れぞれの一番重要な課題として取り組んでいかなければならない項目があるので、でき ればそこを重点的に取り組んだ法人はいい点数をつけたいという個人的な感想がありま す。  去年は、そういう総合評価のところで自分の担当の法人については評価するようにし たのですが、ことしに関しては、各法人の御説明の一番最初に、理事長先生から全体の お話がありまして、その理事長の、去年はこんなことを一生懸命やりましたというよう な御説明が実は重要ではないかという気がしました。去年はこういう課題があって、こ れに対してどのように取り組んだのかというお話を伺うと、過去1年間のその法人の取 り組みが何となく全体像として自分の中に取り込まれて、それを聞きながら各項目の評 価に取り組むというのが一つの方法かなと自分なりに思いました。以上です。 ○橋本部会長  ただいまの白石委員の御意見につきまして、ほかの委員の方々、いかがでしょうか。 ○宗林委員  白石委員がおっしゃった前半のところに近いのですが、それぞれの法人の重要項目と いうのでしょうか、のぞみの園でしたら、例えば自立支援のための取り組みについて、 質的なものもふまえてこれまで評価をしてきたのですが、数値がなかなか追いついてい かなという両面どういうふうに考えていったらいいのか、最終的な文章にどう反映させ るかはありますが、評価としてどう考えていったらいいのかということを皆さんの御意 見をうかがいたいと思います。  また総合機構に関しては、救済業務と審査業務のところで滞貨処理に追われているた めの損失があったり時間がかかったりということがありますが、そのあたりをどのよう にみていくのかな。移行した後軌道に乗ってからきちんとみていくということで、今回 は移行に伴う滞貨処理をと評価すればよろしいのかということなのかどうか、皆さんの 意見が伺えたらと思います。  もう一つの法人はコメントいたしません。 ○橋本部会長  ほかにはいかがですか。要するに法人の特殊性、ここが重要だというところをウエイ トづけしながら評価していく必要があるのだろうか。それから、今年度について法人が これをやろうと努力したことを評価していく必要があるのではないかというようなこと でございますが、具体的にこれはなかなか難しいことですよね。ともかく、いろいろ御 意見がございましたらお出しいただきたいと思います。 ○遠藤部会長代理  ただいまの御意見と関連しますが、これも従前より私は申し上げておりますが、同じ ようなウエイトで点をつけることに対しては何かしっくりいかないところがあるなと。 それは、それぞれの組織に課せられているミッションとの関係の問題もありますし、そ れから達成度が比較的やさしいものとそうでないものがあるわけですので、その辺は評 価する方が斟酌して評価していくことも必要かなと思っているわけです。ただ、それを 短い期間の中でやれるかどうかという問題が常にあって、常に問題提起になって翌年度 に持ち越されているという実態があるわけですね。  幾つもあるのでしょうけれども、例えば今回のケースで見ますと、医療福祉機構がS が二つついているわけですが、これも実は同じような内容のものなのですね。貸出の返 済を細切れで返せるかどうかという話、ただ、たしか貸出の内容が違うのですね。です から、ある意味では同じようにできるわけですね。だけどもSになっている。突然、S が二つ入ったということになるわけですよ。そうすると、これをそのまま評価していい のかどうか。  この手のことがあって、もう一つは、のぞみの園はいつもかわいそうだなと、非常に 経営資源が少なくて非常に難しいことを舵取りしていかなければいけない中で、しかし なかなかリソースが制約があるがために十分なことができない。あるいは自己評価はも ともと低くなっている可能性もあるということもあって、ちょっとお気の毒かなという 感じがしているので、今までのとおりの評価の仕方でいいのかどうかということについ ては、さきに発言がありました委員の先生方とほぼ同じような意見を持っているという ことであります。以上です。 ○菅家委員  私は、中期目標にもし数値が書かれていた場合には、こちらでそれを達成できたか、 かなり上回って達成できたか、非常に簡単にそういうことはできると思うのですが、実 はただ単にこのような管理を行うとか、例えば有効活用するとか、そういうような言葉 で表現されている中期計画、それに対してあがってきたのが、こういうのをきちっとや ったというふうに書かれていて、そういうことであれば、何かそれは目標どおりだから Bではないかと取れるのですが、Aという自己評価が入ってきている。そういう場合に どういうふうにつけたらいいのか、Bなのか、おっしゃるようにAなのかというのは非 常に困りました。 ○橋本部会長  今の菅家委員のお話もございますが、前段の話ですね、要するに項目は幾つもありま すが、項目の中でのウエイトづけというのが必要なのではないかということを、皆様、 異口同音におっしゃっていらっしゃるわけです。ただ、ではそれをどうやって評価する かというのは非常に難しいということ、この辺は皆さん、合致した御意見だろうと思い ますが、この辺につきましてどうでしょうか、浅野委員さん、いかがでございますか。 ○浅野委員  ウエイトづけというのも一つの方法論だと思うのですが、その場合に、継続性という のですか経年評価をするときに、あらかじめこの中期計画の中でここがウエイトづけす るというのを決めてそれを変えなければいいのですが、今年度は重点目標はここだった、 となったときにそういった問題は起きてくるのかなと。その辺をどちらを優先するかと いうことも議論の一つではないかなと感じますが。 ○橋本部会長  評価官は今の議論を聞いておられて、何か一言コメントがございますか。一つの方法 は、皆さん、同じように思っていますが、なかなか具体的にウエイトづけすることは難 しい。そうすると、文章で書いていく中で強調していく方法もあるし、そんなふうに今 までもやってきたかと思いますが、何か御意見がございましたら。責任をお持ちになら なくてもいいですから個人としてどうぞおっしゃってください。 ○政策評価官  そう言っていただくと非常に気が楽です。事務局が申し上げるべきかどうかというの はありますが、評価をしていただくに当たって、菅家委員もおっしゃってくださったよ うに、定性的な目標のときにどう評価するかというのは目標を立てる段階から一つの大 きな課題であって、それはなかなか他との評価はできないので経年評価みたいなところ でみていくしかなかろうかな、というのがあろうかと思います。  されど、この部会は三つがそれぞれ違うことから、三つ並べると、こっち側にS二つ あって、こっち側にSがないのは、というのをどのように形式的なSが、A、B、C、 Dという形に落とし込んでいく中でやるかというのは、今、部会長がおっしゃったよう に文章でそこをウエイトづけをするのも一案かと思います。あるいは理事長のプレゼン −白石委員が、理事長が冒頭御説明申し上げた重点事項については非常に有意義である という趣旨の御発言をいただいて、事務局として来年以降もそのように仕掛けていかな ければと思いつつも、逆に理事長はどこを選んだかというのも一つのポイントでありま して、理事長が頑張ったというところは本当に頑張るべきところであったかどうかとい うのも、実は評価していただく側の方々のチェックポイントだろうとも思うと、複合的 な要因を最終的には文章中で反映していただくしか今のツールの中ではないのかなと思 います。  それから、今、私が確認で申し上げようと思っていたのは、それぞれのシートのSが 幾つとかAが幾つというのは気になりますが、これが実質的に意味があるというのは、 退職金の業績勘案率の部分ぐらいかと。Sが多いか少ないかというのは、当然法人は気 にしますし見場としてはわかりやすいのですが、経年変化でみる以上に意味があるかど うかというと、若干そこは微妙かなと。  ということになると、今、浅野委員がおっしゃったようにウエイトづけをした場合に、 今度はそのウエイトづけ自体が問題になりまして、重要度A、B、Cと各評点のS、A、 B、C、Dを掛け算してものごとを考えるという、やり方としてあり得るのだと思いま すが、それを個々の法人で考えた場合にフィージブルかどうかということを御議論をい ただく。事務的に率直に申し上げれば、これまでとの継続性みたいなことを考えますと、 少なくとも毎年ウエイトづけを変えるにしても、仮にウエイトづけを掛けて個々の評価 を求めるというふうにルールを変えるのは、現中期目標期間の次からしていただいた方 がいいのかなと事務的には考えます。  しゃべりすぎて申し訳ありませんが、遠藤委員からお話がありましたように評価の単 位のつくり方で見た目が変わる。先ほどおっしゃったように、Sが二つあるけれど、こ れは例えば1項目で行をつくってしまえばS一つになるという物理的な減り方もあり、 まさにくくり方だと思います。これは冒頭から申し上げているかと思いますが、評価は あくまでも中期目標、中期計画の全体を御評価いただく。ウエイトづけはあるにしても、 とにかく一部分だけの評価ではなく全部を評価していただくというのは基本的ルールと してありながら、それをどうくくるかというのは、ちょうど今回、若干の箱のやりくり をしたように、来年度以降、こことここは一緒にした方がいいのではないかという御議 論があれば、そのように箱をくくり直していく。一部を評価から外すわけにいきません ので、統合大くくり化という形かと思いますが、それはこの部会として御議論をいただ いて、委員の先生方がリーズナブルだということで合意いただけるものならば、評価の 事務方としてはそのような形としては取扱うことはできると思います。  余分なことをもう一つ言いますと、ほかの部会でこの評価のコマを1回やってみたけ れども、1項目1コマみたいになっているところがありまして、一方で、ブワーッとい っぱいの項目が一つの評価になっているものもある。多数項目をAと書いたところもあ れば、一つこの項目だけでAと書くのもあって、これはちょっと評価の固まりとしてし にくい。一項目だけでその年、AかSかというのは評価の安定性という意味からも必ず しも適切ではないのではないかという御意見があって、ほかの項目とくっつけて大くく りにしたという部会の例もございます。そこはある意味で評価をいただく委員の先生方 のほうで御議論いただいて、あるいはこの場ででも結構ですし、個別に事務局におっし ゃっていただいたものを我々が持ち回るような形での調整はあり得ると思いますので、 来年に向けて箱を変えるという御議論は選択肢としてはあるのではないかと私としては 思います。  済みません、しゃべりすぎました。 ○橋本部会長  いいえ。今の評価官のお話を伺いますと、いろいろな問題はあるけれども、評価項目 を改めていくことは、今年度、今、私どもの作業としてではなくて、次の来年に生かし ていったらどうだろうかということであったと思います。それからそれぞれの法人の特 徴ということについては、文章の中で、ことし努力した。もともと法人の特徴はござい ますが、さらにことしどうだったかということについては、文章の中で書き込んでいく ことも適当かなという御意見かと思いますが、いかがでございましょうか。今、評価官 は比較的個人の立場でおっしゃってくださったと理解して、拘束力があるものでもなん でもございませんから、どうぞご自由に。菅家委員のお話はちょっと置いておいていた だいて、その前段のところでコンセンサスを出しておきたいと思いますが、いかがです か。 ○白石委員  評価官、どうもありがとうございました。そうしますと、のぞみの園の場合はもうそ ろそろ次の中期計画、中期目標を立てる時期が視野に入ってきているのですが、この項 目自体の全体の枠組みの見直しというのはそこでやる。ただし、来年度の評価に関して は、のぞみの園の7番が「調査研究の実施」とありまして、8番が「インターネット等 による調査研究結果の普及活用」とありますが、例えばこの7番と8番は一緒にしても いいのではないかという御提案は、来年度に関してはできる可能性はあると理解してよ ろしいでしょうか。以上、確認です。 ○橋本部会長  これは、評価官の立場でそれがいい・悪いとおっしゃるより、もう少し……。 ○政策評価官  いい・悪いということでなく「可能性」とおっしゃったので、可能性から言えば当然 あるのではないかと思います。そして役人的に言うと、ほかの部会に例もある。ただ、 今おっしゃった7番、8番がいいかどうかというのはあくまでも例ですので、どうなの かというのは検討いただくべきであろうかと思います。  当初、この中期目標、中期計画をもとにある程度この箱をつくらせていただいたこと、 例えばのぞみの園で言うと17になっておりますし、福祉医療機構でいうと19になって おりますし、総合機構は出入りが激しいのですが、今でいうと18項目にしたのが二つ増 えますから結局20項目ですか、多少ばらついております。ただ、一番初めに我々評価官 室として頭の整理をしたときには、法人業務の大きい・小さい、ましてやそれが統廃合 してどんどん大きいところは大きくなっているところはあるのですが、ここの法人は3 項目でチェックしていてこちらの法人は20項目みたいな、業務量にある程度の差はある にしても極端な差はいかがなものだろうかという思いが当初あったことは否めません。  ですから、統合する、大くくり化するというのと、そうはいってもポイント、ポイン トは法人の大小、業務の多少にかかわらず、チェックの切り口として確保するというの が両方あるのではないか。では、それをどう個別にやるかというのは、もちろん御議論、 御提案をいただいて、我々はつなぐことはできますので、委員の間でお決めいただく。 タイミングとしては先に決めていただきませんと、それに基づいて実績報告書を出して きて委員の方々も頭をつくっていただきますし、場合によっては評価の視点という形で のチェックポイントもそれに伴ってやりくりがあろうかと思います。作業的には来年と 申しましたが、今年度の評価作業を終わっていただいたあと−すぐにとは申しませんが −ある程度頭を整理していただいて余裕を持って来年の評価作業の前に枠組みを御議論 いただくということが、事務的あるいは実務的にはありがたい。これは、評価官として のお願いでありますが、思っております。 ○山村委員  たまさか今、のぞみの園のところを見ているのですが、17番の評価項目「施設設備に 関する計画」というのがありますね。これを振り返ってみると、17年度は評価している のだけれど15年、16年には横バーになっていますから、これは15年、16年度には評価 はなかったということですかね。我々も委員も参画をして新たな項目をつくるべきだと いうことで議論をした結果だったのですかね、そのあたりは記憶に定かでないものです から。 ○事務局  施設管理室でございます。ただいまの御質問についてですが、15年度、16年度につい ては施設整備の予算がついておりません。17年度は新規ということになります。 ○政策評価官  若干言葉を足しますと、評価の箱、枠組みというのは中期目標、中期計画に沿ってま ずつくらせていただく。これはほかの部会の該当法人にもあるのですが、基本的には中 期目標、中期計画期間中にはその項目についてウオッチしていただくことになります。    特に施設整備のところは−今回ののぞみでは話が途中年度ですが−一般論で言うと、該 当するイベントがなかったから何て言ったらいいかわからない、ということも法人によ ってはあるのですが、それはそれなりに、その年に何があったかないかということでは なく、中期目標期間を通じてその項目についてどうみるか。例えば施設整備でいうと、 この年に施設整備について何も動きがなかったこと自体をどうみるか、みたいな視点で 御評価いただく。なるべく一たん決めたチェックポイントについては御評価いただくと いうのが基本だと思います。  ただ、のぞみの園のこの件について申し上げれば、今お話のありましたように、そも そも従来の中期目標、中期計画についてきちっとした位置づけがなされておりませんで したものを位置づけることとし、17年度3月に最終的には認可をした。その前に、この 部会でも御議論をいただいて変更したことに伴って、中期目標、中期計画に位置づけら れましたから、位置づけられてやるというふうに法人がいっていることについては、当 然、評価をしていただくべくチェックポイントに加えさせていただいた。  そういう意味でいうと、ここは枠組みが変わった。なぜ変わったかというと中期計画 が変わったから。こういうふうに御理解いただければと思います。 ○橋本部会長  今までの議論を私なりに整理させていただくとすると、お互いに同じような関心を持 ったわけですね。三つの法人の特徴がございまして、それぞれの個性がきちんと評価し ないと公平ではないということを感じますし、それから、法人によりまして中期目標、 中期計画に沿ってどのようにできていったかということをきちんと評価したいという思 いもございますが、評価項目を整理し直すということについては、今年度の整理をしな がら気づいたことを来年度に改める必要があれば、そこでまとめておく。それから、今 年度について皆様がおっしゃったようなことで各法人、特記すべきことがあれば、今年 度できるという範囲では、それは文章で表現していくことが妥当ではないだろうかと。 皆様、それでは十分ではないね、とお思いかもしれませんが、そんなところかなという 御意見かと思いますが、よろしゅうございましょうか、どうでしょうか。 ○石井委員  評価をすることが非常に難しいなというのを毎年、夏になると感じるわけなのですが、 例えば先ほど宗林委員は、福祉医療機構に関してはコメントを、とおっしゃったのです が、私は逆に医薬品の方がコメントが出ないのです。わからないのですよ、事務屋なも のですから。福祉医療機構は事務屋的なのですね。医薬品機構は理科系の技術屋さんの 世界で、のぞみの園はどちらかというと福祉現場という感じで、福祉現場は人として見 ればなんとなくみえるような気がするのですが、私は話を聞いていて医薬品が一番何を 言っているかよくわからないのです。実態もよくみえないというのが正直なところであ ります。  その中でもどうしても評価をしなければいけないといったときに、三つの法人を横に 並べて議論をすることは全く不可能なのだろうと思わざるを得ない。例えばのぞみの園 は、これもよくわからないのですが、多分民業補完というのでしょうか、民ではなかな かできないことを官がやるよという話の中で生まれてきていて、ただし、そこでどうも ずうっと官でやり続けていたので非効率が起きたのかな、というような話のような気が するのです。  ところが、福祉医療機構はお金の世界の話なので、もともとが経済の世界と直結をし ていて、金融ともかかわりをもっている。実は、そういう意味においては、もしかする と補完性がないという議論も出てくるのかもしれないのですが、利子補給をされていま すから、業務の効率性を事務方的に評価をするのはしやすいはずで、非効率と効率の判 断がとてもつきやすいという感じもする。それははっきりわかりきったことなので、例 えばISOを入れたりさまざまな評価システムを入れたり、人事考課を入れてみたりと いうのは、一般的な企業経営における経営手法を導入してあげれば効果は出る。ただ、 効果が出たということに関しては事実なのであればそれは評価をしてあげるべきなので、 やはり別々に認識をしていかざるを得ないのかなと私自身は考えています。  当事者が厳しく評価をしたものを第三者がゆるく評価をできるかというと、よほどそ こにははっきりとした根拠がなければいけなくなるので、当事者評価が厳しければ、厳 しいものに引っぱられてもしょうがないのかなと。だた、後は経時的なというのでしょ うか、去年に比べてことしはどうなのかなという形の評価で当事者の努力を、だからこ そ5年というスパンをみていくのかなというふうに感じています。ですから私は、実を 言うと三つ並べるつもりは全然ないということであります。 ○橋本部会長  三つ並べる必要はないけれども、三つの個性の評価というのはあっていいのではない か、そういうことですね。 ○石井委員  そういうことです。 ○宗林委員  先ほどの項目のウエイトづけというところに話が転換していったのですが、私自身は、 のぞみの園と総合機構に関しては重要項目があるのではないかと思っているのです。例 えばのぞみの園ですと、自立支援重要なのではないかと。最初から大変な業務で努力を されていることを、昨年とか一昨年も含めて私たちは、場合によっては法人の方よりも より高い評価につけるぐらいの感じで、評価し、書き足りないところは文章で補完して きたのかなというイメージが私はあります。ここにきて中期計画中の4年半の中で150 人ぐらいを移行させなくてはいけないという定量化目標があって、それに対して人数が かなり追いついていないということが出され、ここをこの委員会としてどうみていくの かという御意見を伺いたいというのが最初の発言でした。  ですから、例えば最初からここは1項目でしたが、この中の努力のあり方ということ を次期は項目分けをして、それぞれの項目に対して努力の部分と実際に何人できたのか ということと分けられるような形で項目分けをしてもいいのかなということにもつなが るかもしれません。ただ、そこについては私の中でも迷うところがありましたので、伺 いたいという意味です。  それから同じように総合機構の方も、ここは救済業務と審査というのが国民にとって 大きなかかわりのある業務だと思うのです。いずれも「迅速に処理」というところが実 態の数値をみると厳しく、例えば副作用の健康被害の救済業務などは、両方とも努力を されていて、移行したことによって滞貨処理を迅速に実施しているという感じはあるの ですが、一方、数値的には中期目標の数値、年度計画の数値も割った形で今回出てきて いるようです。審査の方も、治験とか一部のものについては迅速なとはいっていますけ れども、行政機関がもっている期間、それから総合的なトータルな期間なども数値が出 てきた場合に、実際は欧米などと比べるとかなり時間がかかっているというような数字 があるので、国民にとって一番かかわりの深い項目としてそこを今年度はどのぐらいの 評価でしていくのかなというところの御意見を、項目として伺いたいと思ったのです。 ○橋本部会長  宗林委員の御意見としては、どういうことが望ましいとお考えですか。お迷いになっ ていらっしゃるようだけれども。 ○宗林委員  のぞみの園については1項目だけですので、去年までは本当に大変な努力をされてい るということについてのみ評価をしてきてしまっているのですが、数値を明らかに聞か せていただいて、実際に全く追いついていないということに関して、もともと無理な計 画なの、だからこの評価委員会としてはもういいとするべきことなのかどうか、御意見 を伺いたいという意味です。  総合機構の方は、滞貨処理、それからそれによる損失というのですか、支出業務を35 億円ぐらいのマイナスが出てます、理由もお聞かせいただいたのでわかります。迅速な 処理というところが結局年度計画にも満たなかったことについても、理由は理由として よくわかったから、滞貨処理で努力をされましたね、という評価をすべきなのか、数値 に対して淡々ともう少し厳しい評価をしていくのか、迷ったということです。 ○橋本部会長  いかがでございましょうか。皆様方の御意見を承っていますと、そう違うことを言っ ていらっしゃるわけではないと思いますが、もう少し煮詰めなければ評価できないでし ょうか。 ○山村委員  3法人それぞれ独立しているので、当然、独立して評価すべきだと思います。私はの ぞみの園に関して、宗林委員の話を聞きながら次のようなことを考えましたし、発言し たいと思っておりましたことを申し上げてみたいと思います。  確かに僕ものぞみの園の中核的な課題が幾つかある中の最も中核の課題は、1項目し かない自立性のための取り組みだと。そこはしたがって1項目ではなくて3項目、場合 によっては5項目にふやしてもいいのではないかと思います。その項目の中身は、実際 にどのように地域移行したのかというようなことだとか、各都道府県にどれだけ働きか けたかとか、あるいは利用者の方の家族に具体的にどう働きかけたかとかなどになるの ではないかと思っております。  もう一つは、節減あるいは運営費交付金の減額をもっともっと努力すべきだと思いま す。遠藤部会長代理からも先ほど、かわいそうみたいな発言もありましたが、僕は全く そうは思っておりませんで、全国にあまたあります民間の社会福祉法人の運営にあって は、収支差額を補填するなどということはまずあり得ませんので、運営費交付金という ものがなしでどの民間の法人も運営をしているという現実に照らしたときに、国立のぞ みの園が30年にわたって運営がやってこられたそもそも運営費交付金というものがな ければとたんに破綻をいたしますので、しかしながら、それをいかに少なくしていくの かということは大いに努力すべきだし、民間は間違いなくそういう中で運営費交付金の 世界でやっていることからすれば、のぞみの園を経年的に努力の足跡を評価するととも に、ほかの二つの独立行政法人と違うところは、同様な業態で福祉事業をやっていると ころがたくさんございますので、そちらとの比較の上においても評価すべきだと、そう いうふうに思っております。  だから、大きくは自立支援のための取り組み1項目というのは、いかにもほかに項目 がふえれば相対的に重みは少なくなっていくし、それから白石委員がおっしゃいました ように7番、8番、9番、場合よっては10番あたりはひっくるめて1項目でもいいので はないか、そんな気もするところです。だから、ほかの項目がどんどんふえれば、最も 注目すべき項目が2、3あるとしても、そちらのウエイトが薄まっていく、そんな関係 にあるのではないかと思います。 ○橋本部会長  ほかに御意見はございますか。今回の評価の仕方についてでございます……。  それでは、こういうことになりましょうか。質をどうみるかということは大変難しい ことでございまして、今回もその質に対しては個性といいましょうか、法人それぞれの 何を目的としているかということに留意しながら評価していく。さらに、来年度以降に 向けてどんなふうに項目を立てていったらその質の評価がよりしやすいかということも、 来年度以降に生かされるように項目についても考えていったらどうだろうかということ かと思われます。  それから、財政的な効率化とかあるいは合理化の努力ということも、これはこれでや はり評価していくべきであろうというお話であったかと思います。この辺も、法人の規 模も全然違いますし、努力の仕方も違いますから、全体を通じて横並べでみない。独立 して評価していこうということについても、皆さん、量的にも質的にも横並べで評価し ないということについては同じような御意見かと思います。そして、今年度の努力につ いて項目の中に出てこないことについてはやはり文章で書いていったらどうだろうか、 というような御意見であったかと思います。  全体的にはそんなことかと思いますが、そのほかに、先ほど石井委員からございまし たが、自己評価と私どもの評価は必ずしも一致しないわけですが、自己評価を大切にす べきではないか。これは先ほど菅家委員がおっしゃったことにも通じると思うのですが、 自己評価なさったものと我々の評価が必ずしも一致しない。計画に合ったことができて いるということはBなのかAなのかというようなことについて、そこまでおっしゃいま せんでしたが、似たようなことでよろしゅうございましょう、そんな御意見がございま した。  今まで出たことを粗く整理してみるとこんなことかなと思いますが、いかがでござい ましょうか。要するに結論的には、ことしもいろいろお互いに迷いますけれども、そう いうことを考慮しながらグループごとでディスカッションしながらまとめていきますか ら、そこで調整していくということにしかならないのかなと思いますが、いかがでござ いましょうか。遠藤先生、いかがでしょうか。 ○遠藤部会長代理  ありがとうございました。それで結構です。 ○橋本部会長  よろしゅうございますか。評価官、何かありますか。 ○政策評価官  私どもとしては、委員の皆様方の意見や、今、部会長がそれを踏まえておまとめいた だいたような形で進めていただければと思います。その上で−いつも実務的に心配性な ものですから発言をしてしまいますが−特に言葉である程度評価の結果を残すというか、 委員の皆様方のこれまでの議論あるいは心証形成というものを対外的に説明をするとい うのも、この評価委員会あるいは独立行政法人評価というものの果たす位置づけしての 重要な役割であろうと、私、事務方としては思っております。具体的に今後、また先を はしょって恐縮ですが、総論的評価という形でそれぞれ起草委員の委員の方々が御担当 として文章を工夫いただくような形もあれば、先ほど来申しておりますようなシートの 中にそれぞれコメントとしていただく形もございますので、ある程度そこに明確に位置 づけをしていただく。  と申しますのは、総論的評価というところで文章を展開しようと思えば、当部会全体 としての意見、といいましょうか方向性をまとめていただくというのは当然であろうか と思います。まとまるものはまとめることができますが、御議論を伺っておりますとま だ委員の間でも−と言いますか委員お一人一人の中でも−もし迷いがあるとすれば、迷 いがあるというふうに総論として書くというのもあるのですが、個別のコメントのとこ ろにも書いて、先ほど来申しておりますように総論とシート、評点とコメントと一体と しての評価でありますので、そういう形でこの部会としての評価をおまとめいただき、 世の中に対して情報を発信していく。法人からすれば説明責任を果たした結果としての 御評価をいただく、というプロセスも考えられます。  何が言いたいかと申し上げれば、文言という形でお話しいただいたときには、どこに どう書くかということも少し工夫いただいて、シートのコメント欄から始まるのだと思 いますが、先に進めていただければ、事務局として実務的にはありがたいと思います。 ○橋本部会長  要するに文言としてといいましょうか文章で書くときには、その根拠がどこかにきち んとある、そういう書き方にしておいてほしいという意味ですね。 ○政策評価官  根拠とまでは申しません。シートになくても総論部分での御議論として、コメント以 外の部会での御発言も含めて総論的な意見だと思いますので、ここになければここに書 けないというようなきちきち細かいことを申し上げるつもりはありません。逆に……。 ○橋本部会長  ないけれども……。 ○政策評価官  逆にそれぞれ委員の皆さん方の中で思っていることが総論的部分で練り上げるところ までいかないようなものが仮にあるとしても、それぞれのシートの個別コメントに書い ていただければ、そのような形で、来年あるいは次期中期目標、中期計画への議論につ ながる大きな一歩になるのではないかということで申し上げております。別に個別シー トになければ総合的評価に書けないというようなことを申し上げているつもりはござい ません。 ○橋本部会長  そういたしますと、結局は私どもは三つの法人ごとに起草委員会があって書いていく わけでございますから、そこのところでの意見調整ということがかなり重要になってい くのかなと思いますが、菅家先生、何かございますか。 ○菅家委員  難しいと思っています。 ○橋本部会長  とても難しいところですよね。そして見る方にとっては、Sが幾つだったとかBがと かそういうところに目はいくでしょうからね。ですから可能な限り適正にそして公平な 評価をしなければいけないと思いますが、何度も議論してまいりましたようになかなか そうはいかないところがあるということですから、そこのところは我々がそう感じた理 由はあるはずですから、そこのところを明確にしながら文言で示していくということに なろうかと思いますが、よろしゅうございましょうか。何か宗林委員、御意見がありそ うですね。 ○宗林委員  それそのものについては、全然異存はないのですが、例えば項目自体の変更を来年度 以降、今回の評価を受けて、これまでは具体的にはしてこなかったと思うのです。それ はすることなのか、するべきことではないのか。法人が出してくる数字、項目ももしか したら法人にとって評価してもらいやすい、評価してもらうのに都合のいい年度計画を 出されているのかもしれませんが、それについては、言うのか言わないのかというあた りはどうなのでしょうか。あるいは、もしそういう話をするのであればいつぐらいにと いうのも、先ほど項目の切り分けは可能ですという話はありましたが、いつぐらいにど ういう形で、今まではそういう機会はなかったような気がするのです。 ○橋本部会長  これは手続がいりますよね。そのことも含めましてどうぞ。 ○政策評価官  今御指摘いただいたのは二つ整理できると思います。まず一つは、項目の入れかえの 話。私も議事録をすべて確認しておりませんので、間違えば逆に部会長か皆さん方に御 訂正いただければと思うのですが、当部会でもシートを福祉医療機構のところを見ます と、15年のときは結構細かくなっていたのを、昨年からまとめてここの部分は一つで評 価しようというくくり直しをしていただいているところもございます。逆に先ほど山村 委員からは分散するという御提案もありましたので、大くくりにすること・分解するこ と、両方とも可能であろうと思います。  ただそのときに事務局として申し上げておきたいのは、そうはいっても中期目標、中 期計画の柱立ての業務の考え方はありますので、全然中期目標、中期計画にないのをも ってきて、これを評価するというのは可能ではないだろう。それはあくまでも今までの 中期目標、中期計画の中をどう切り分けながら、一応全部満遍なく見ていただくという 形になるかという議論をしていただくのではないか。  それはタイミング的にいうと、先ほども申しましたが来年のことを言えば7月の評価 作業の前の段階ですので、デッドラインからいえば5月とかには固めておいていただか ないと、法人の方も対応しにくかろうと。もちろん、では5月まで放っておいていいの かということではなくて、例えばこの秋の間に議論をしようかということも可能かと思 いますので、少なくとも「までには」という意味でいうと、5月ぐらいまでには入れ替 え戦といいましょうか組み直しに関する御議論をいただくのかなと思います。  それと、年度計画の数字をはじめとして目標値、法人側のプレゼンの前提となる数字 にどこまでコミットするのかというお話があったのかと思います。そもそも、中期目標 そのものは大臣の責任で立てさせていただき、中期計画はそれを踏まえて法人の方でお 立ていただいていることです。その5年間の数字というのは−途中でもちろん中期目標、 中期計画の変更ということは通則法においても予定されていますので全くないわけでは ありませんが−通常でいえばまず5年間はこの目標でやりきってみるということを前提 に、大臣もみかじめ、法人も走っている。評価委員の先生方もそれを前提に、「そのうち、 ことしはどこまでいったか」という評価をいただいていると理解をしております。大き な中期目標期間中の定量目標についてはある程度今、当評価委員会もコミットした形で 決まっている。  ただ、それをどう刻むか。今お話にありましたように年度計画というのはある意味で 法人の思いでやっているところですので、先ほど、「年度計画に比べてことしはよくやっ た、よくやらなかったことを」という御発言も菅家委員からありましたが、本来、5年 間をみていただくこの評価委員会として便宜、そうはいっても5年間放っておくわけに いかないので、毎年みていただく。その毎年の刻み方は、当然、先行逃げきり型もあれ ば尻上がり型もあって、それぞれ内容によっても違うのだと思いますが、機械的に法人 が5等分してくるのか、先行逃げきりにするのか尻上がりにするのかというところは、 当部会としてはコミットしておりませんので、年度計画の数字というのはもちろん参考 資料になろうと思いますが、それに比べて、それをベンチマークにして当部会の評価を お決めいただくということは−それを排除するものではありませんが−当然の前提にな っているわけではない。  非常にまどろっこしく申しますが、中期目標期間の間をどのようにちゃんと進捗管理 しているかを毎年毎年この部会でみていただいて、その5分の1年目、5分の2年目、 5分の3年目というものを年度の実績報告を聞いていただきながら評価をいただいてい る。そのときの一つの参考指標として、法人側が5年間をどう刻んで自分たちのロード マップをつくっているかという証左として、年度計画という数字もプレゼン資料には載 せさせていただいていますが、それが当部会を拘束しているかというと、あくまでもそ れは参考である。  そういう意味では、宗林委員の先ほどの問題提起に直接お答えするものではありませ んが、計画数字がいいか悪いかということについて、あくまでもこの部会としてコミッ トしていただいているのは、中期目標あるいは中期計画のゴールの目標でありまして、 そこにいくまでにどう進捗しているかというのをみていただく。年度計画の数字はあく までも参考でみていただいて、年度計画を非常に高い成績でクリアしているからといっ て、そもそもこの年度計画の数字そのものが低かったんじゃないの、ということは十分 あり得ると思いますので、それをもってして評価が拘束されるものではない。非常にま どろっこしい言い方で恐縮ですが、このようなことではないかと事務局としては整理を しております。  いずれにしましても今期の評価の作業と次期に向けての議論は並行するのですが、今 期評価を終えていただいた知見あるいは思いから次に向けての御提案については、部会 長とも御相談しながら、どのタイミングで次を仕込んでいくかというのはよくよく事務 方として調整をしてまいりたいと思います。 ○橋本部会長  今の評価官の御説明でよろしゅうございましょうか。おおむね御了解いただけますで しょうか。そして、ほかの部会でもこのような議論は出ているのですか。 ○政策評価官  二つ申し上げます。  一つ、年度評価に当たって、ここの部会のフリートーキングのような形でざっくばら んに委員の先生方がやり取りするという形式は他の部会にはございません。  ただ、きょう御発言がありましたように、あるいはこれまでの部会でも御発言があり ましたように、そもそもの中期目標が高かったか低かったかとか、あるいは定性的な中 期目標というものをどう評価すべきかとか、あるいは複数性格の違うものを御担当いた だいている部会の中で、うーん、この法人はあの法人とは違うね、というような御意見 あるいは意見交換というのは、個別の法人の評価に当たっての回でも出ておりますので、 問題意識として−もちろんそれぞれ当部会の3法人と同じ問題を抱えているわけではあ りませんが−他の部会も含めて評価委員の先生方の間にはある意味で御苦労いただく共 通的な問題かなと。すべて部会に同席させていただいている事務方の印象、あるいは感 想としては思います。 ○橋本部会長  ありがとうございました。何か吹っ切れた、わかった、ということではないのですけ れども、しかし三つの法人に対して総合的な評価を加えて起草していただく作業のため に、今の御説明など、それから我々の議論を詰めていきますと、大体この辺で書いてい ったらいいのではないかというようなことを御了解いただけますでしょうか。いかがで ございましょうか。御了解いただければ、三つの起草委員会で作業をお進めいただきた いと思います。それに基づきまして次回は検討することになるわけでございます。起草 につきましては、その段階で事務局のお手をわずらわせることもあるかと思いますが、 どうぞ御協力をお願い申し上げたいと思います。  きょうは、先ほどもお話がございましたが、もう一遍、これでいいかどうかというこ とを御点検いただきまして、御点検いただきましたらばそれぞれお引き取り願っていい ということになりましょうか。ばらばらで終わってよろしゅうございますか。ではその ように、もう一遍見直しをしていただきまして、できた方からお引き取りいただいてい いということになるようでございますが、事務局から何かございますでしょうか。 ○政策評価官  次回ということでございますが、今、部会長からもお話がございましたように、本日 おまとめいただきました個別シートをもとに各起草委員の先生方に案をつくっていただ き、8月17日木曜日3時から、同じこの会議室でございますが、会議を開かせていただ きたいということで御案内申し上げているところでございます。非常にお暑い中ではご ざいますがよろしくお願いしたいと思います。  きょう議論がありました個別のシートA3判に加筆をしていただくところもありまし ょうし、あるいは起草委員の先生方のところで文章をまとめていただくというところも あります。そういう意味では起草委員の先生方に私ども事務方がお手伝いすべく連絡を 取らせていただいてやりとりをする、あるいはミーティングのような形でやるとかいろ いろなやり方はあろうかと思いますが、特にこういう言葉をとか、ああいう言葉はとい う点を総論的な部分で反映することを御希望になる場合には、委員の先生方から起草委 員の方々に直接お願いされたり、もしこんなことを起草委員さんに伝えてくれというの を事務方に指示いただければ、私どもが間に入ってつながせていただきたい。そういう 意味では、きょうの御指摘を踏まえて最終的な総論的な評価に向けての作業を事務方と しても汗をかかせていただきたいと思います。  もう一つ、事務方の都合を言えば、8月17日はお盆をはさんでおりますので、今申し ましたそれぞれの委員の方々の中での御意見、文章的なことについては、なるべく早め にお気づきの点を事務方にお届けいただくと事務処理が前倒しできるかなと思いますの で、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 ○橋本部会長  それでは、総合的に何か御意見、御質問はございますか。 ○菅家委員  ただいまの評価官のスケジュールについてお尋ねしたいのですが、昨年のようにそち らで原案のようなものをつくっていただいて、例えばそこに3名の委員が集まって、そ して厚労省の方々とディスカッションしながら原案をつくっていくということは可能な のでしょうか。日程的にお盆とかも入っておりますが。 ○政策評価官  それぞれの委員の先生方の御都合もありましょうから、日程調整次第だと思いますの で、やり方としては、ご注文があればそのやり方で調整をし、うまくいくのか、あるい はどういうやり方があるのか、工夫をしてまいりたいと思います。 ○橋本部会長  先生、よろしいですか。三つのグループで案をつくっていただいて、それでできたも のを、次回8月17日に検討するということになるわけです。  それでは、きょうは全体的にはこれでおしまいにいたしまして、あと残っている作業 を終えられましてからお帰りいただきたいと思います。  きょうは暑い中、でもこのぐらいのクールビズだったら28度ではなくてもう少し低か ったのかもしれませんが、耐えられる温度でございました。どうもきょうはありがとう ございました。(了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)