06/08/03 先進医療専門家会議平成18年8月3日議事録 06/08/03 第12回先進医療専門家会議 議事録 (1)日時  平成18年8月3日(木)14:00〜 (2)場所  霞ヶ関東京會舘 エメラルドルーム (3)出席者 猿田享男座長 赤川安正構成員 飯島正文構成員        岩砂和雄構成員 加藤達夫構成員 笹子三津留構成員        竹中洋構成員 田中良明構成員 谷川原祐介構成員        辻省次構成員 福井次矢構成員       <事務局> 企画官 薬剤管理官 医薬食品局医療機器審査管理室長  他 (4)議題 ○先進医療の科学的評価(6月受付分)について       ○先進医療の届出状況(7月受付分)について       ○高度先進医療と先進医療の統合について (5)議事内容 ○猿田座長  ただいまより第12回先進医療専門家会議を開催いたします。  まず、構成員の出欠状況ですが、越智構成員、金子構成員、北村構成員、田中憲一構 成員、坪田構成員、永井構成員、樋口構成員、吉田構成員及び渡邊構成員が御欠席です。  また厚生労働省において異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたします。 ○福田企画官  7月10日付で医療課長が異動になりまして、新しく原徳壽医療課長が着任しておりま す。本日は急な所用ができまして欠席させていただきますが、紹介だけさせていただき ます。 ○猿田座長  それでは、早速ですが審議に入らせていただきます。6月に届出がありました新規技 術に関する審議に移りたいと思います。今回提出されております先進医療の内容及び事 前評価をお願いしていた先生方の御意見が事務局に届けられておりますので、その状況 について事務局より説明をお願いします。 ○福田企画官  お手元の資料、先−1をごらんいただきたいと思います。先進医療の届出状況ですが、 6月受付分です。1ページにお示ししておりますように、整理番号38番と39番の2件が 6月に受け付けられています。  38番は「Double fiber methodによる上部消化管病変の管腔内手術」という先進医療 名で、適応症は食道、胃腫瘍です。先進医療費用、特定療養費はここにお示ししている とおりです。  39番は「画像支援ナビゲーションシステムによる内視鏡下鼻内副鼻腔手術」という先 進医療名で、適応症は慢性副鼻腔炎、副鼻腔のう胞、鼻副鼻腔腫瘍です。先進医療費用、 特定療養費はここにお示ししているとおりです。  2ページは先進医療として届出のあった新規技術(6月受付分)に対する事前評価結 果等についてです。38番については書類に不備があるために返戻させていただいており ます。39番については竹中先生に事前評価をお願いしまして、適応症については少し変 更があるようですが、総評としては「適」となっております。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ただいま説明がありましたように、38番は書類不備の問題があって、39番だけとなっ てしまいました。これは竹中先生に事前評価をしていただきましたので、評価結果につ いて説明をお願いいたします。 ○竹中構成員  先−1の3ページですが、「画像支援ナビゲーションによる内視鏡下鼻内副鼻腔手 術」です。  もともとの適応症としては、慢性副鼻腔炎、副鼻腔のう胞、鼻副鼻腔腫瘍となってお りました。  先進性としては、ナビゲーションシステムを使うことによって、より安全、確実に手 術を遂行するということと、従来は視野の妨げになっていた危険部位、眼窩あるいは頭 蓋底へのアプローチを可能にするということです。  また、ナビゲーションの技術も内視鏡の技術も既に確立されているものですが、それ を組み合わせるというところがポイントになります。  4ページに適格性の判断を書かせていただいております。  適応症は変更を加えさせていただきました。鼻副鼻腔腫瘍ということですと、副鼻腔 にはインバーピドパピローマ、マキシェルキャンサーなど悪性腫瘍が混在することがあ ります。一塊として摘出が現在の学会の方針でもありますし、ピース・バイ・ピースに とる内視鏡下鼻副鼻腔手術には適さないということで、修正案としては慢性副鼻腔炎、 副鼻腔のう胞、鼻副鼻腔良性腫瘍に限るとさせていただきました。  有効性ですが、従来の技術を用いるよりも大幅に有効です。内視鏡というのは硬性鏡 ですので、30度カットとか70度カットという直視鏡以外の部分を使って全体を見るわけ ですが、そのアプローチの中で危険部位をどのように同定していくかといのは技術的に 困難なことがありますので、ナビゲーションを行うことによってそういった危険性が避 けられると考えます。  安全性も、この技術の組み合わせについては問題はございません。ただ、だれがやっ てもいいのかということになりますと、習熟度を積んだ医師が必要である。現在行われ ている内視鏡下鼻内手術の限界をわかった人がナビゲーションシステムを使って、それ を変えていくというところだろうと考えています。  社会的妥当性については、倫理的問題等はないと考えます。  現時点での普及性ですが、学会等の報告を見ますと、このような手術を10施設ぐらい で行っております。程度の差はありますが、かなり普及しているだろうと思われます。  効率性については、大幅に効率的である。手術時間が大幅に短くなるという利点があ ります。  将来的には保険収載を行っていただきたいと考えております。  総合判断としては、以上のことを勘案しまして「適」であるといたしました。  5ページに当該技術の医療機関の要件(案)をお示ししました。  まずI.実施責任医師の要件です。  診療科としては耳鼻咽喉科が必要です。  資格としては、日本耳鼻咽喉科学会専門医です。  当該診療科の経験年数については、内視鏡手術の習熟度の問題がありますので、10年 以上といたしました。  当該技術の経験年数は、少なくとも3年以上経験した人が望ましいと考えます。  当該技術の経験症例数は、術者としては20例以上、助手としては5例以上、ここはか なり厳しく考えております。  II.医療機関の要件です。  実施診療科の医師数については、先ほど述べました経験10年以上の専門医1名を含む 常勤医2名でいいのではないかと思います。  看護配置については、特別な問題はないと思いますので「不要」としました。  その他医療従事者の配置については、少し悩んだのは、臨床工学技士等をセッティン グの時に使うのかどうかということがありましたが、ほとんどのところで医師がセッテ ィングを行っているということもありましたし、この案件でも臨床工学技士について触 れるところはありませんでしたので、特に注文はつけておりません。  病床数は必要です。  診療科ですが、耳鼻咽喉科、当面は眼科、脳神経外科を入れたいと考えております。 危険な部位の同定をする時に、耳鼻科的な観点と脳神経外科、眼科的な観点を必要とす る手術だと思いますので、そのように加えさせていただきました。  万が一、この技術によって重大な副損傷を起こした場合、今度は逆に重大な副損傷に つながる可能性が高いと考えますので、当直体制、緊急手術の実施体制は必ず必要です。  そういったことが満足されれば、他の医療機関との連携体制は不要と考えます。  それに合わせて院内検査は24時間実施していただきたいと思いますし、医療機器の保 守管理体制も必要だと思います。  新規におやりになる場合は倫理委員会の審査体制は必ず必要です。  医療安全管理委員会も必要だと考えます。  医療機関としての当該技術の実施症例数は、先ほど申しましたように20症例です。  III.その他の要件として、頻回の成績報告ですが、30例ぐらい報告していただくのが 妥当ではないか。私どもの施設では年間400例ぐらいの鼻副鼻腔手術をいたしますが、 ナビゲーションシステムの適用になるものが5%強ありますから、1年間で30症例ぐら いにはなるのではないかと思います。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ただいま先進技術としての適格性と医療機関の要件について説明していただきました が、何か御質問等はございますでしょうか。  画像支援ナビゲーションというのは高度先進医療では整形外科領域で通りましたし、 頭の問題でもあったかと思いますが、今回、先進技術として副鼻腔の問題が出てきたと いうことです。ほかの画像支援ナビゲーションでも手術時間が短くなるという点が一つ のメリットですね。 ○竹中構成員  ビデオの記録と画像の記録を一体化して保存することができますので、医療安全対策 の面からも重要なものだろうと思います。 ○田中(良)構成員  この前にも整形外科の方で靱帯を手術するのにナビゲーションでやると便利だという ことを聞いたんですが、これはコンピュータのシステムですので、何かのトラブルでシ ステムが急に止まったとか、クオリティに関して問題はないのでしょうか。このシステ ムは単体としてできあがってるからそれでいいと判断しておられるんでしょうか。将来、 新しいシステムがバージョンアップしてきた時に、古いシステムと自動的に置きかえて いってもいいのかどうかとか、その辺のところを教えていただきたいと思います。 ○竹中構成員  頭蓋内に近い上頸骨あたりでナビゲーションの精度が一番狂いやすいところで3ミリ ぐらいというのが従来の常識的な線だったと思いますが、バージョンアップしてきてい るものでは、それが1.5ミリとか半分ぐらいの誤差ではないか。このナビゲーションが 入ったからといって、これを頼りにすべて行っていいということではありませんので、 他に確実性を求めるという技術評価はきちっと習得されるべきだと思います。  バージョンアップした場合にどうするかということについては、その時点で、これよ りも精度が高いものが出てくるのであれば、このままお認めいただいてもいいのではな いかと思います。 ○田中(良)構成員  システム自体が途中で止まるとか、そういう不安定性というのはないんでしょうか。 ○竹中構成員  ナビゲーション研究会というのが学会の中にありまして、7、8年前まではそういう 事例の報告がありましたが、現在はほとんど聞いておりません。  先ほど猿田先生がおっしゃいましたように、高度先進医療で頭頸部腫瘍の申請があっ たように思います。これとは疾患も目的にするところも違いますが、事務局で確認をお 願いしたいと思います。 ○福田企画官  高度先進医療の方は包括的な名称になっておりまして、「画像支援ナビゲーション手 術」という形になっております。基本的には脳の部分と脊髄を中心にしておりますので、 含まれるというふうに考えれば、そっちに足していくという考え方もあるのかもしれま せんが、評価療養という枠組みの中に入れていって、毎年レビューをしながら、保険に 入れていくという考え方もあるかと思います。今回は耳鼻科領域に特化した形ですので、 そういう形で整理をさせていただいた上で、次の評価の際に、より評価しやすい形に結 びつけるということもあろうかと思います。  もう一つは、後ほど説明させていただきますが、高度先進と先進医療を一本化すると う形で動いております。両方のシステムとか考え方をそろえつつあるんですが、少し違 うところがありますので、それぞれの技術の範囲をどうとらえるかというのを改めて議 論していく必要があるかもしれないと思っております。そういった際に、必要があれば 再評価をしていただいて、一体としてとらえた方がふさわしいという場合にはそうして いただく。そういう形で進めていただくのがよろしいのではないかと考えています。 ○猿田座長  ほかに御意見がないようでしたら、この案件はお認めいただいたということにさせて いただきます。ありがとうございました。  それでは、7月の受付状況について事務局から説明していただけますでしょうか。 ○福田企画官  お手元の資料、先−2をごらんいただきたいと思います。7月受付分といたしまして は、整理番号40番、41番、42番の3件となっております。現在、細かい内容について事 務局でチェックをしているところでございます。 ○猿田座長  7月の受付けについて御質問等はございますか。 ○辻構成員  41番はかなり高額に計算されているように見えるんですが、このように金額が上がる 理由を教えていただければと思います。 ○福田企画官  前回の時に、平成18年度の高度先進において適用になった遺伝子解析という課題があ ったわけです。今回、そこのところがどのように整理されるかというのがポイントでし て、その点を含めて事務局で確認をしているところでございます。 ○笹子構成員  40番は入院53日、41番は入院28日となってますけれど、肺がんの早期診断とか遺伝子 解析は患者さんが入院しなくてもできるので、勘違いしてのじゃないでしょうか。 ○福田企画官  診断とか検査でしたら短いわけでしょうけど、治療まで含めて書いているのかと思い ます。これが典型例として適切かどうかという点については御議論があろうかと思いま すので、そういった点も含めて届け出られたところに確認をする必要はあると思います。 ○猿田座長  施設によって違うんですね。その点もよく考えて議論してもらったあと、ここに提出 したいと思います。ほかにございませんでしょうか。  それでは、7月26日に行われた中医協におきまして、現行の高度先進医療と先進医療 の統合について検討されています。その検討状況につきまして事務局より報告をお願い します。 ○ 福田企画官  先−3−1から3−3までの資料を用いて説明させていただきたいと思います。この 件につきましては中医協で2回ほど議論しております。考え方としてはまとまっており まして、次回に行われます中医協の総会で、この考え方をベースにして諮問答申がなさ れ、そこで最終的に了承がなされる見込みです。それを踏まえて、高度先進と先進につ いて事務局で内容を整理した上で、現状はこんな形になっていて、それがこういう形に なります、課題がある場合は課題をお示しして、ここで御議論いただく必要性が出てく ると思っております。  現時点では最終形が決まっておりませんので、途中経過の説明ということで、中医協 で最終的な結論があった場合には、先進医療と高度先進を一体としてこれから運用して いくという観点から、いくつか事務局で整理をしたものについて御意見を伺ったり、進 め方について御相談をするといった機会が訪れる可能性がある、そういった文脈の中で 説明させていただければと思っております。  まず先−3−1をごらんいただきたいと思います。「評価療養及び選定療養の具体的 な類型と指定等について」というものでございます。  1.これまでの経緯の最初の○ですが、いわゆる「混合診療」問題については、平成 16年12月の厚生労働大臣と規制改革担当大臣との間の「基本的合意」に基づき、現行制 度の枠組みの中で、国内未承認薬の使用、先進技術への対応、制限回数を超える医療行 為、高度先進医療の見直し等について、中医協の議論を経つつ、必要な対応を行ってき ています。  具体的には、この先進医療専門家会議において先進医療について御議論いただいてお ります。  高度先進医療については、従来、個別に医療機関と技術を承認していたものを、手続 上の進め方を先進医療とそろえましました。ただ、高度先進医療は承認行為として法律 上残っておりましたので、そこのところは法改正の後に再度整理をするという形で運用 してきています。  「混合診療」問題の基本的合意につきましては、先−3−3に参考資料がありますの で、後ほどごらんいただければと思います。  先−3−1の2ページですが、2.現行の高度先進医療及び選定療養について書いて います。  現行の特定療養費制度の下においては、高度先進医療と選定療養について、保険診療 と保険外診療との併用が認められています。  高度先進医療については、現在、133の特定承認保険医療機関において、101技術が高 度先進医療として認められています。  選定療養については、以下の16類型が指定されています。差額ベッド、予約診療、医 療機器の治験に係る診療、先進医療などがあります。  現行の法律の枠組み上は高度先進医療以外は選定療養という枠組みの中で、患者が選 ぶものという位置づけの中でしか入れるところがないということがありまして、いろん な性格をもった16類型のものが位置づけられている。差額ベッドのようなものから、将 来は保険に入ることを前提としている治験のものとか先進医療といったものまでがごち ゃごちゃに入っているという状況です。技術の進歩の部分と、患者さんのオプションを 広げるという観点から、現行法の枠内ではこのような形でしか対応できないということ で進めてきたということです。  1ページに戻りまして、2番目の○ですが、今回、健康保険法等の一部を改正する法 律において、現行の特定療養費制度を次のように再編成しました。  ・厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給 付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効果的な提供を図る観点か ら評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定める「評価療養」という大きな 枠組みをつくりました。  ・被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他のものについて「選定療養」という 形で整理をしました。  従来ありました高度先進と選定療養という形で2ページに掲げているものについて、 将来保険に入ることを目指すものを「評価療養」、そうでないものを「選定療養」とい う形に大きく分けるということを今回の法改正でしたということです。これらの経費に ついては「保険外併用療養費」として保険給付を行うこととしています。  この法律の施行が10月1日からでして、評価療養及び選定療養の具体的な類型の指定 等については、中医協への諮問をして答申をいただく必要があるということで、その議 論を中医協で行っていただいてるところです。  今回の法改正で高度先進医療の法律上の位置づけがなくなりますので、評価療養と選 定療養を整理するにあたって、高度先進医療という位置づけも再整理しなくてはいけな い。それが先進医療と高度先進医療の一本化につながってくるということです。  3ページですが、3.評価療養及び選定療養の具体的な類型の指定等について書いて います。  現行の高度先進医療及び選定医療を新たに評価療養及び選定療養に再編成するとすれ ば、以下のように考えられます。  評価療養としては、A.医療技術に係るもの、B.医薬品・医療機器に係るものに分 けで、A.技術に係るものは、先進医療(現行の高度先進医療を含む)、このような形 で整理をしたらいかがということで、事務局として中医協に資料を提出し、こういう形 で議論が進んでいます。  4ページの〔参考〕のところをごらんいただきたいと思います。今回、法律の中身を 一部改正するにあたって、参議院厚生労働委員会において附帯決議が出ています。  「新たな保険外併用療養費制度においては、医療における安全性・有効性が十分確保 されるよう対処するとともに、保険給付外の範囲が無制限に拡大されないよう適切な配 慮をすること」。こういうことが附帯決議で示されています。  次に、先−3−2をごらんいただきたいと思います。議論を踏まえて、最終的なまと めという形で、「評価療養及び選定療養の具体的な類型の指定等について(案)」とい うことで、前回の中医協基本問題小委員会にお示ししたものです。  1ページの表は、評価療養と選定療養についてこのような形で整理したらどうかとい うことを示したもので、先ほど御説明したことを表に位置づけたということです。  基本的考え方としては、現行の高度先進医療と選定療養を再編成し、保険給付の対象 とすべきものであるか否かについて適正な医療の効率的に提供を図る観点から評価を行 うこことが必要な療養を「評価療養」として、特別の病室の提供など被保険者の選定に 係るものを「選定療養として、それぞれ指定しています。  A、B、C、D、Eというのは内容を頭で整理する上で便宜的にタイトルをつけたも ので、評価療養、選定療養の中にどういったものが入っているかということがポイント になります。  2ページの2.その他の2つ目の○ですが、現行の高度先進医療と先進医療とを統合 し、新たに先進医療として一本化することに伴い、中央社会保険医療協議会議事規則を 改正して高度先進医療専門家会議を廃止し、先進医療専門家会議において医療技術の科 学的評価を行うこととする。  7月26日の中医協基本問題小委員会ではこういう形で了解が得られました。近々に開 催される予定の中医協の総会で厚生労働大臣より諮問させていただき、この内容で答申 がいただければ、その方向で事務的に詰めていくという形になります。  高度先進医療が先進医療に一本化されますので、これまで高度先進でどのような手続 でどういうことが行われていたのかということも含めて、次のこの会議なり、なるべく 早いタイミングで、どういう枠組みの中でどんなことが行われているのかということを 説明させていただいた上で、今後の進め方についての事務局としての考えを説明させて いただければと考えております。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。  中医協では10月1日を目安に統合できればということです。高度先進の技術も101あ って、それをそのままここへ持ち込むことも問題です。中医協の意見がまとまってくれ ば、それをどう扱っていくかということも議論しなければなりません。今まで高度先進 の方は特定機能病院を中心として大きなところから出てきていて、技術的にもいろんな 問題がありましたから、技術の評価をして、各施設ごとに評価を行っていました。  高度先進として普及している技術もありますし、そうでないものもありますし、それ をどうしたらいいかとか、いくつかの問題があります。先生方の御意見を聞いて検討し ていくことになると思いますが、動きとしては、今お話があったようなことです。  ただいまの説明について、何か御質問等はありますでしょうか。 ○笹子構成員  高度先進医療の内容を私は正確に把握しておりませんが、医療技術の中には、施設が よければいいという問題ではなくて、日本中で10人ぐらいの人しかできないものがあり ますよね。そういうものは保険収載を永久に目指さないわけですが、そういったものが 評価療養になってしまうのでしょうか。 ○猿田座長  心臓移植とか膵臓移植というのは限られた施設でしかできないけど、あれは保険適用 になってるんですね。少しでも患者さんの負担にならないように、限られた施設でしっ かりやれば問題はないだろうということで保険適用が通ったんですね。そのあたりのこ ともこれから議論になると思います。 ○福田企画官  保険適用の原則というのは、安全性とか有効性とか広く普及しているとか、そういう ことがあります。臓器移植についてはレベルをきちっと担保するという限定が前提にな りますけど、待ってる患者さんがいらっしゃるという部分も含めて判断をして、保険適 用になっているわけです。  原則はありますが、具体的にどういうものを保険適用するべきなのかということを、 この先進医療専門家会議の中で議論できるわけです。全体の利益のために広げるべき医 療技術もありますし、オーファンみたいに患者さん自体が少ないとか、限られた人が少 ない患者さんにきちっとやればいいという性格のものもあろうかと思いますので、そう いったことも含めて議論をしていただくことになると思います。  大きな原則はありながらも、具体的な運用の部分はいろいろなオプションがありうる と考えていただいていいのではないかと思います。 ○笹子構成員  移植のように、ほかに方法論がなくて、やる人は少なくても、しっかりした技術をも って、患者さんもそう多くはないけど、きちっとやってもらいたいというものがありま すね。しかし王監督の手術なんていうのは、普通の方法があるのに、あえて特別の治療 をしているわけです。あれは保険で通ってるんですけど、日本の保険のおかしいところ があって、あれはぜいたく医療だろうという気がするわけです。普通の病院で9時間も かけて同じことをやれといわれたら大変なことになるという部分があるので、お伺いし たわけです。 ○岩砂構成員  先ほど30例以上やった施設だったらいいですよというのがありましたね。これからは そういうことは技術で担保されるというか、非常に重要なことですので、将来、そうい うこともしっかりと規定していただきたいと思います。新しい技術はどこでもやれるん じゃなくて、認定されたこの先生とあの先生しかできませんよ、これは高度な技術です よということを患者さんにわかるようにしていただくことも大事ですので、その辺の姿 勢をしっかりしていただきたいというお願いでございます。 ○猿田座長  この先進医療が始まる時もそこのところがずいぶん議論があって、なかなか判断が難 しいところだったんですが、だんだん状況がわかってきましたので、先生がおっしゃっ たことを考えてやっていきたいと思います。  次の会の時には高度先進と先進のことに関して具体的なことを議論することになりま すね。 ○福田企画官  事務局としてはそんなイメージを描いておりますが、中医協の結論次第というところ もございます。現在御議論いただいてる方向で進めば、次回には具体的な資料をお出し して、御議論いただく形になろうかと思います。 ○猿田座長  このところ出てくる件数が減っていることと、なかなか通りにくいということで、適 用外の使用の問題もありますけど、できるだけ早く整理して、多くのものを扱わせてい ただいて、通せるようにしていきたいと思います。  ほかに御意見はございませんでしょうか。  それでは、第12回先進医療専門家会議を終了させていただきます。本日はお忙しい中 をありがとうございました。 − 了 − 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)