06/07/25 第23回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会平成18年7月25日議事録 第23回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 開催日:平成18年7月25日(火) 場 所:厚生労働省専用第22会議室(18階) ○出席委員  飯島康典委員、井部俊子委員、内田健夫委員、小澤壯六委員、加賀谷淳子委員、  加藤尚武委員、坂本雅子委員、笹月健彦委員、澁谷いづみ委員、高橋清久委員、  高橋滋委員、多田羅浩三委員、地主憲夫委員、富永・民委員、中村丁次委員、  久道茂委員、前川初子委員、松田晋哉委員、村田昌子委員、渡邊昌委員 ○参考人  太田壽城氏(長寿医療センター病院長)  田畑泉氏(独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進プログラムリーダー) ○厚生労働省出席  (健康局)中島健康局長、岡島審議官、梅田参事官、中島参事官、       矢島生活習慣病対策室長、塚本地域保健室長、野村保健指導室長、 武田がん対策推進室長 ○次第  I 開会  II 議題 1.医療制度改革関連法の成立を踏まえた今後のスケジュールについて 2.がん対策基本法について 3.標準的な健診保健指導プログラム(暫定版)について 4.「健康づくりのための運動基準2006」及び「健康づくりのための運動指針 2006(エクササイズガイド2006)」について 5.健康運動指導士制度の見直し及び健康増進施設認定基準等の改正について 6.健康づくりに係るスローガンについて 7.その他  III 閉会  矢島室長 定刻となりましたので、ただいまから第23回厚生科学審議会地域保健健 康増進栄養部会を開催させていただきます。それではまず、新たに御就任いただきま した委員の御紹介をいたします。全国食生活改善推進員団体連絡協議会会長の前川初 子委員です。続いて本日の出欠状況について御報告させていただきます。委員定数は 25名でございます。現在17名の委員の御出席を得ており、出席委員は過半数に達して おりますので会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。  次に配付資料の確認をいたします。議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1 −1としまして、医療制度改革関連法の成立を踏まえた今後のスケジュールについて。 資料1−2、都道府県健康増進計画改定ガイドライン(暫定版)。資料2、がん対策 基本法について。資料3−1、前回の部会(6月15日開催)以降「標準的な健診・保 健指導のあり方に関する討論会」において追加された項目について概要。資料3−2、 標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)。資料3−3、保健指導における学習 教材集(暫定版)。資料4−1、健康づくりのための運動基準2006。資料4−2、健 康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)。資料5−1、平成19年 度より新しい「健康運動指導士」が誕生します。資料5−2、健康づくりのための運 動指導者の養成及び普及定着方策について。資料5−3、健康増進施設認定基準等の 改正について。資料6、健康づくりに係るスローガンについて、でございます。もし 不足落丁等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願い申し上 げます。  それでは、以後の部会運営につきましては部会長にお願いいたします。よろしくお 願いします。  久道部会長 それでは議事を進めたいと思います。本日は議題が大変盛りだくさん で予定の12時を少しオーバーするかもしれませんので、よろしくお願いしたいと思い ます。  まず議題の1ですが、医療制度改革関連法の成立を踏まえた今後のスケジュールに ついてですが、中島参事官より資料1−1及び資料1−2について御説明をお願いい たします。  中島参事官 おはようございます。医療制度改革関連法が先国会で成立いたしまし たので、その報告と、施行に向けた今度のスケジュールについて報告を申し上げます。 資料1−1と資料1−2でございますが、主に資料1−1を使って説明を申し上げま す。  1ページめくっていただきまして目次でございます。健保法等の一部を改正する法 律等ということで、医療制度改革関連法案の概要を説明した後、医療構造改革におけ ますこのたびの生活習慣病対策の推進についてお話しし、そして今後のスケジュール について、都道府県健康増進計画について、それから健診・保健指導について、マン パワーについてという形で順に説明させていただきます。  1ページでございます。このたびの医療制度改革関連法案の概要でございます。大 きく柱が3つございまして、1ページのところの大きな1、医療費適正化の総合的な 推進ということ。それから2ページでございますが、新たな高齢者医療制度を創設す るということ。そして保険者の再編統合ということで、国保、政管健保、健保組合等 々それぞれ広域化をしていく。または、政管健保は公法人化していくということでご ざいます。  1ページに戻っていただきまして医療費適正化の総合的な推進ということでござい ますが、(1)でございます。国及び都道府県において計画期間を5年とする医療費 適正化計画をつくるということになってございます。そして具体的な医療費適正化方 策として(2)(3)(4)とございまして、中長期的な医療費適正化という点から は(2)と(4)ということでございます。  まず(2)保険者に対する糖尿病等の予防に着目した健診・保健指導の実施を義務 づけるということ。それから(4)平均在日数の短縮ということが1つの柱でござい ますが、まずその第一歩として介護療養型医療施設を廃止するということでございま す。この生活習慣病の予防というのと平均在日数の短縮ということを、中長期的な医 療費適正化対策の柱と位置づけた。  そして短期的に効果が見込まれるものとして、また費用負担の公平ということを考 え、(3)でございますけれども、保険給付の内容、範囲の見直し等を行うというこ とでございます。こうした法律の概要でございます。  3ページでございますが、今回の法改正によりまして、左の上でございますけれど も、高齢者に対する医療給付及び市町村による健診等の保健事業について規定してお りました老人保健法というものが、その目的や趣旨を踏襲しつつそれを発展させると いう形で、右の高齢者の医療の確保に関する法律という形で改正されたということで ございます。  高齢者の医療の確保に関する法律においては、高齢者医療制度における医療給付、 また医療保険者による健診・保健指導の義務化といったものを書き込んでいるわけで ございます。真ん中の下の部分でございますが、現在老人保健法等に基づいて行われ ておりますがん検診や健康相談等の各種保健事業につきましては、健康増進法等に根 拠を置いて引き続き漏れなく実施をしていくということでございまして、これまでの 保健事業の内容、水準といったものに後退はないということでございます。根拠法が、 高齢者医療の確保に関する法律と健康増進法等に移るということでございます。  4ページでございます。国会審議においては、医師確保等も大きな問題となったわ けですけれども、生活習慣病関係においては参議院の方で附帯決議をいただいている ところでございます。上の箱の3行目でございますが、健診・保健指導の実施体制の 確保に一層努める必要があるということ。それから2行下がりまして、生活習慣病予 防に向けた国民運動を積極的に展開するということが言われているわけでございま す。また、下の箱でございますけれども、保健指導の担い手である保健師または管理 栄養士等の適正な配置に努めることということも、明記されているところでございま す。  5ページでございます。こうした制度改革等を踏まえまして、このたびの改革にお ける生活習慣病対策の全体像を書いたのが5ページでございます。一番上の箱の2つ 目の丸でございますけれども、内臓脂肪型肥満に着目したメタボリックシンドローム の概念を導入し、国民の運動、栄養、喫煙面での健全な生活習慣の形成に向け、国民 や関係者の生活習慣病予防の重要性に対する理解の促進を図る。そのためには、健康 づくりの国民運動化を推進するということ。それとともに、必要度に応じた効果的な 保健指導の徹底を図る網羅的、体系的な健診・保健指導サービスを積極的に展開する ということでございます。  具体的には、まず健診・保健指導の重点化、効率化ということでございまして、メ タボリックシンドローム等の該当者、予備群に対する保健指導の徹底を行うため、効 果的、効率的な健診の実施により、それらの方々の確実な抽出を図るとともに、健診 結果を踏まえ保健指導の必要度に応じた対象者の階層化を図り、動機づけ支援といっ たことを含めた保健指導プログラムの標準化を図るということでございます。そして、 こうした健診・保健指導については、右の箱でございますけれども、医療保険者に義 務づけるということで、健診未受診者の確実な把握、保健指導を必要とする者への保 健指導の徹底、さらには医療費適正化効果までを含めたデータの蓄積、さらにはアウ トカム評価といった観点から医療保険者に義務づけるということでございます。  そして下の箱でございますが、都道府県にはしっかり総合調整機能を発揮していた だく。そして、都道府県健康増進計画の内容充実を図っていただくということでござ いまして、都道府県が総合調整機能を発揮していただいて、明確な目標値を設け、ハ イリスクアプローチについては医療保険者、事業者、そしてがん検診、ポピュレーシ ョンアプローチについては市町村といった形での役割分担を明確化し、これらの関係 者の連携を一層促進していく。そして健康増進計画においては、地域の実情を踏まえ、 糖尿病等の有病者、予備群の減少率や、健診・保健指導の実施率等の目標値を設定し ていただくということでございます。  こうすることで糖尿病等の生活習慣病の有病者、予備群を減少させ、国民の健康増 進、生活の質の向上を図るとともに、結果として中長期的な医療費の適正化も図られ ていくという構図でございます。  こうした全体像でございますが、それらの今後の進め方ということで6ページでご ざいます。生活習慣病予防の部分につきましては、20年4月施行ということで法律に 明記されておりますので、それに向けて準備を進めていく必要があるということでご ざいます。まず全体のスケジュールということで一番上の欄、左から右に、健康増進 計画ということでプランの話、そして健診・保健指導ということでプログラムの話、 そしてそれを担っていただく人材、保健師、管理栄養士等についてマンパワーの話と いうことで、それぞれ準備を進めていかなければならないということでございます。  健康増進計画については後ほど説明いたしますが、基本的には2段階で見直しをし ていただくことで結構かなと思ってございます。縦に、18、19、20年度ということで ございます。18年度についてはホップ、19年度ステップ、20年度ジャンプということ で考えておりまして、18年度においては先行的な準備をしていく、19年度は本格的な 準備をしていく、そして20年度に施行していくという形で考えてございます。  それではまず、プランについて御説明いたします。7ページでございます。都道府 県健康増進計画改定ガイドラインについてということで、お手元にお配りしておりま す資料1−2というのが、この改定ガイドラインの全体でございます。これにつきま しては、6月21日付で都道府県に通知をさせていただくとともに、7月10日に厚労省 で開催いたしました都道府県の説明会でも改めて説明をしたところでございます。  まず、都道府県健康増進計画の見直しの基本的な方向性ということでございます。 先ほど2段階の見直しと申し上げましたが、基本的にここのページに書かれておりま す見直しについてはいわゆる抜本的な見直しということでございまして、これについ ては各都道府県がおつくりになっている健康増進計画の策定年度に差がございますの で、基本的にはそれぞれの都道府県が健康増進計画を見直す予定にされているときに、 ここに盛り込まれた方向でしっかり見直していただきたいというふうに考えておりま す。ただ、後ほど説明しますが、医療費適正化計画というのを19年度につくり20年4 月からスタートさせますので、そこの部分とオーバーラップする部分については、少 なくとも19年度中には健康増進計画も見直していただかなければならないだろうとい うふうに考えているわけです。  ここではいわゆる抜本的見直しの内容ということで、3点ほど書かせていただいて おります。1つが、地域の実情を踏まえた具体的な目標値の設定ということで、本部 会において選定をいただきました「健康日本21」の代表目標項目を始めとして明確な 目標値といったものを健康増進計画に盛り込んでいただくということでございます。  具体的には8ページから9ページにかけて、健康増進計画において位置づけていた だきたい目標項目といったものを、8ページの上の方がメタボリックシンドロームの 発症機序に対応した目標値、そして下の方が、メタボリックシンドローム以外の目標 値といった形で整理をさせていただいているところでございます。  それから7ページにお戻りいただきまして2つ目、関係者の役割分担、連携促進の ための都道府県の総合調整機能の強化ということでございます。都道府県の総合調整 のもと、関係者が協議して健診・保健指導といったハイリスクアプローチやポピュレ ーションアプローチにおける普及啓発等を具体的施策に則し、医療保険者、市町村が それぞれ何を担うのかということを明確にし、かつ連携を促進していく。そのために は、都道府県が中心となって、関係者にお集まりいただく協議の場として、地域・職 域連携推進協議会といったものの場を活用していただきたい。これにつきましては、 17年度、18年度に国庫補助制度も設けまして、基本的には18年度中にはすべての都道 府県で設置していただきたいと考えているところでございます。また、健診・保健指 導等にかかわる保険者間の調整、連携については、保険者協議会を御活用いただきた いということでございまして、この保険者協議会については既に全県で設置されてい るところでございます。  3でございますが、各主体の取り組みの進捗状況や目標の達成度の評価の徹底とい うことで、都道府県が中心となって定期的に進捗状況を評価し、その後の取り組み等 に反映させていくということでございます。こうした方向で都道府県健康増進計画の 内容を見直していただきたいということでございます。  10ページでございます。ただ、20年4月から国及び都道府県において医療費適正化 計画をスタートさせるということでございまして、19年度中には都道府県において医 療費適正化計画をつくっていただかなければなりません。その柱の1つが生活習慣病 の予防ですので、少なくともそことオーバーラップする部分については、健康増進計 画もあわせて見直していただきたいということでございます。そのためには、19年度 の見直し作業の準備、さらなる準備として18年度にはここに掲げたような事柄を準備 しておいていただきたいということでございます。  1つが、各都道府県における地域の実態把握ということでございます。6月に、あ わせて都道府県に発出いたしました「都道府県健康・栄養調査マニュアル」を活用し ていただいて、メタボリックシンドロームに着目した糖尿病等の有病者、予備群の数。 さらにはその県における健診受診率、保健指導実施率というデータは押さえておいて いただきたい。それとともに、19年度に向けた見直しの体制として、医療保険者、市 町村等の関係者との連携体制づくりをしっかりしておいていただきたい。そして、20 年度の本格実施に向けて、保健師、管理栄養士等のマンパワーの育成、確保といった ものも進めておいていただきたい。こうした準備作業を18年度に進めておいていただ きたいということでございます。以上が健康増進計画に関するスケジュールでござい ます。  11ページでございます。次に、医療保険者に担っていただく健診・保健指導のプロ グラムについてでございます。これにつきましては後ほど矢島室長の方より説明を申 し上げますが、6月19日に、久道先生に座長に御就任いただいております検討会で、 暫定版という形でとりまとめていただいたものでございます。これをもとに医療保険 者に健診・保健指導を実施していただくということになるかと思われますが、13ペー ジでございます。  この暫定版の性格でございまして、実はここに、18年度にメタボリックシンドロー ム対策総合戦略事業というものを用意させていただいております。医療保険者の健診 ・保健指導については、19年度すべての医療保険者において本格的に準備をしていた だかなければならないわけですが、18年度においては幾つかの都道府県において、先 行的に準備作業をしていただければと思っております。具体的には、この標準的プロ グラム暫定版を試行していただいて、実際に評価をしていただいて、問題点、課題が あればピックアップをしていただくという事業を考えてございます。そして、この総 合戦略事業で浮かび上がった問題点を踏まえて、この標準的プログラムの暫定版を確 定版という形に直した上で、19年度にすべての医療保険者にそのプログラムを実施で きる体制を整備していただくということでございます。  そういうことで幾つかの都道府県において、幾つかの医療保険者にこの暫定版プロ グラムの試行、評価をやっていただくということを中核とする事業ということで、国 庫補助事業として18年度設けさせていただいていて、都道府県の方に手を挙げていた だいているところでございます。  14ページでございます。マンパワーでございます。まず、保健指導担当者が有すべ き資質ということで、健診・保健指導を40歳から74歳につきましては医療保険者に義 務づけるということでございますが、その中心を担っていただく保健師、管理栄養士 等の資質向上といったものも大きな課題となっているわけでございます。  まず一番上の緑の枠でございますけれども、医療保険者は特定健診等の実施計画を 策定していただくことになりますが、その際には、市町村国保を始めとする医療保険 者に属する保健師、管理栄養士等が中心となってその企画、立案をしていただかなけ ればならないだろう。そういう意味では、これからこうした医療保険者に属しておら れる保健師、管理栄養士、これは当然市町村国保も含まれるわけですが、健診・保健 指導事業を企画、立案、評価する能力といったものを高めていただく必要があるだろ う。  それから下の緑の箱でございますけれども、医療保険者がみずから行う、または民 間事業者等にアウトソーシングする、そうしたところにおいて実際に保健指導に携わ るマンパワーについては、確実に行動変容につながる保健指導を行っていただかなけ ればならない。そのためには、行動変容につながる保健指導能力をしっかり身につけ ていただくということが重要だろうということでございます。  そのため、次の15ページでございますけれども、国レベル、都道府県レベルそれそ れにおきまして、国、都道府県、医療保険者の団体、そして医療関係者団体等を中心 とする関係団体が、それぞれ連携を取り合ってしっかり研修事業を行っていくという ことが重要かと思ってございます。国においてはリーダー育成といったものに軸足を 置き、都道府県レベルにおいては、実践者の育成ということに軸足を置いて研修を展 開していければと思ってございます。特に都道府県レベルで展開していただく研修の 基本的考え方については、健診・保健指導の標準的プログラム(暫定版)の最後の方 に、研修ガイドラインとして付けさせていただいているところでございます。  それとともに16ページでございますけれども、市町村等において、保健師、管理栄 養士の人事の見直しといったものも行っていただきたいということでございます。1、 国保部門と衛生部門の連携ということでございます。これまで国保においては、健診 ・保健指導といったものの実施義務が課せられていなかったものですから、市町村に おける保健師、管理栄養士等は衛生部門に主に配置をされていたわけですが、今後は やはり国保部門、衛生部門両方にしっかり保健師を配置していただく必要があるだろ うということでございます。そしてトータルとして、ハイリスク、ポピュレーション アプローチをしっかり保健師、管理栄養士がグリップしていただくということでござ います。  そうした点から国保部門にも保健師を配置していただくということ。しかし、人事 についてはしっかり一元的な管理をしていただくということ。そして、市町村のみな らず、都道府県においても同じような体制をとっていただきたいということを、既に 都道府県等にお願いしているということでございます。  最後に参考でございますけれども、生活習慣病予防のみならず今回の医療制度改革 といったものは、医療のあり方全般にかかわる大きな見直しでございます。国におき ましても今回の見直しといったものが、関係複数部局にまたがるというものである、 それから施行に向けて機動的に意思決定を組織としてしていく必要があるということ から、ここに設けたような医療構造改革推進本部といったものを充実させ、省を挙げ て対応していくということにしているところでございます。私の方からは以上でござ います。  久道部会長 どうもありがとうございました。ただいまの説明に対して御質問、あ るいは御意見ございませんでしょうか。はい、どうぞ。  加賀谷委員 この健診制度というのは、今回「健康日本21」の結果をあわせて出さ れたスローガンも含めて大変重要な連動しているものだと思いますのでお尋ねしたい のですが、保健指導を行うに当たって運動指導の専門家を位置づけて、保健師、栄養 士、運動指導の専門家等と、そこに「等」が入った記憶があるのですが、今回もこれ を拝見しますと、それは前に出てきていないということで、「運動指導の専門家」と 入れる必要があると言っているのではなくて、それはどこでどのようにしていくのか。 行動変容が非常に重要であるというふうなお話で、それにはやはり日常的な身体活動 をという、そこは重要だと思うのですが、その辺はどのようにお考えでなさったのか お伺いしたいと思います。  中島参事官 そのことについては後ほど矢島室長の方から説明を申し上げますが、 保健指導の中で運動指導を担う者については、やはり運動指導の専門家といった者が 望ましいのではないかということをこの標準的なプログラムの中に書き込ませていた だいておりますので、それに従って各医療保険者はアウトソーシングをされる。さら には、自らおやりになる場合は、そういう体制をとられるというふうに理解しており ます。  坂本委員 今回のこの改正は老人保健法が20数年前に市町村で始まったとき以来の 大きな改正だと思うのですけれども、その老人保健法が入りましたときも、市町村は 大変な努力をしてその制度をつくったと思うんですね。今回、医療保険者がこの健診 ・保健指導を行っていくというときに、老健法のときと比較してみますと、1つはや はり県の役割が非常に大きくなっているということだと思いますが、これは再三この 委員会でも申し上げたところです。  県の役割として、特に18年度に関しましては10ページに、都道府県の準備作業とい うのが具体的に書いてございますが、実態調査をしたり、それからいろんな保険者協 議会とかを通じて市町村と意見を交換するとか、マンパワーの育成のための連携をし ていくとか、そういことをメーンに書いてあるわけですが、今回のこの改正について は、再三申し上げますように県がどれくらい本当に市町村を――市町村というのは国 保事業者と理解した方がいいでしょうか、国保事業者、両医療保険者のところをきち っとサポートできるかどうかにかかっていると思うんです。それと、人材育成に関し てもきちっとできるかということにかかっていると思うのですが、私の老健法の経験 によりますと、こういう部分がどちらかというと県の医師会に投げ渡したような形で、 制度管理などもされていたと思うんです。  ですから、県の方々がきちっと市町村、それからそのほかの医療保険者がやれるよ うにというサポートをどのような形で具体的にするのかというのが非常に重要だと思 いますので、そのほかの健診のあり方委員会などでもいろいろ意見が出ているようで ございますのでその辺のところ、県の役割をしっかり県が果たしていただけるという ことがポイントになるのではないかと経過から含めて思いますので、よろしくお願い したいと思います。  中島参事官 まさに今度の制度改革は、地域の実情に即した医療の全体像を描くと いうのはまさに都道府県がやらなければならない、都道府県にしかできない仕事だと いう共通認識でございます。しかし一方で委員御指摘のように、体制整備ができてい るのかということもございますので、7月10日の都道府県の説明会では、私どもの方 からやはり県庁を挙げてやっていただきたい、そのためには知事か副知事をトップと する部局横断的な体制を整備して今度の医療制度改革の準備をしていただければあり がたいというふうに申し上げているというのが第1点。  それから第2点は、具体的に今度の医療制度改革の趣旨を理解していただいて、こ の医療費適正化計画等を始めとするもろもろの作業をしていただく人材の育成という のも大変重要でございます。したがいまして、私どもの保健医療科学院の方で7月の 1カ月間、各都道府県から実務担当者を招いて、今度の医療制度改革の内容及び今後 都道府県に具体的に何をどのようにやっていただけばいいのかということの研修を、 泊まりがけ1カ月コースという形でやらせていただいておりますし、今後も継続して いこうと思っておりますので、そういう形で都道府県の体制整備のバックアップをし ていきたいと思っております。  久道部会長 ほかにございませんか。はい、どうぞ。  井部委員 16ページですけれども、市町村等における国保部門と衛生部門の連携と いうことで、3番目の保健師人事の一元化ということが説明されておりますけれども、 これまで保健師人事はどのような人事をしていたのでしょうか。ここで一元化が出て くるということは、ばらばらであったということになるのか。ちょっと実態を教えて いただきたいと思います。  野村室長 保健指導室長の野村でございます。保健師に関しましては、今現在は市 町村保健師ということで、採用も、それから人事も一元的になっております。そして、 市町村のいろいろな部署に人事異動ということで配置されているという現状でござい ます。ここにあえてこういうことを書きましたのは、昭和53年以前に国保保健師とい う採用がございまして、国保特別会計で保健師が大勢採用されていた。それが昭和53 年に市町村に一元化された。そういう経過がございますので、今回も国保部門に保健 師の配置をといったときに、53年以前のような国保独自の保健師の採用ということを 考えられるようなことも危惧されるということもあるので、あえてここで保健師の採 用、人事等はこういった一元的にやることが必要だろうということを書かせていただ いたということでございます。  高橋(清)委員 10ページの各都道府県における地域の実態の把握という内容です けれども、これは8ページある緑で示された項目と理解してよろしいのでしょうか。 それに関連して、日ごろの生活習慣の中の基準指標ですね。これはどのようにされる のか。都道府県別に個別に目標設定するのか、それとも今まであったような全国一律 のものにするのか、その辺を教えてください。  中島参事官 8ページ、9ページに書いてある項目については、抜本的見直しをさ れる際にはすべての都道府県においてこれらの目標値を定めていただきたい。ただ、 医療費適正化とかぶさる部分についてがこの緑の網掛けをしているところでございま して、ここの部分については、少なくとも19年度の最小限見直しの中で目標値を設定 しておいていただきたいという形で整理をさせていただいているということでござい ます。  高橋(清)委員 そうしますと例えば歩数の問題とか、朝食の欠食率とか、そうい うのも都道府県ごとに目標値と実態が違ってくる可能性がありますね。  中島参事官 基本的には、今度の都道府県健康増進計画の見直しは都道府県ごとに これらの歩数等についても目標値を設定していただきます。ただ、ある意味では、都 道府県に目標値だけを設定してくださいといってもなかなか難しいものですから、基 本的には目標値設定の前として、現状がどうなっているのかの把握の手法とともに、 目標値を設定する際にはどういう考え方があり得るのかという、いわゆる参酌標準と いうのがございます。そこについては、既にどのように実態を把握すればいいのかと いうことは「都道府県健康栄養調査マニュアル」ということで出しておりますが、目 標値を都道府県がどのように設定すればいいかの考え方をお示しするものについては 本年度末あたりに国の方から目標値設定の参酌標準という形でお示しできればと思っ ております。  高橋(清)委員 最終的に各都道府県でばらばらの目標値が出ても、それは問題な いと。 中島参事官 それぞれ地域の事情があると思いますので、都道府県ごとの目 標値になると思います。  久道部会長 それでは次の議題に入ります。2番目はがん対策基本法について、武 田室長より御説明お願いします。  武田室長 それでは御説明させていただきます。関連資料は資料2、がん対策基本 法についてというものでございます。2枚おめくりいただきまして目次がございます が、がん対策基本法が3ページから、それから成立に当たりまして付されました附帯 決議に関してが8ページから、それから法の概要についてを1ページで記させていた だいております。この1ページからのがん対策基本法の概要を中心にかいつまんで御 説明させていただきたいと思っております。  まず、がん対策基本法につきましては、先般の通常国会におきまして、当該法案が 議員提案により提出、審議され、本年18年の6月16日に成立いたしました。6月23日に 法律第98号として交付されまして、最後に記載されてございますが、施行記述は平成 19年、来年の4月1日となってございます。  本法の目的でございますが、一番最初のところに記載されております。我が国のが ん対策がこれまでの取り組みにより進展し成果を収めてきたものの、なおがんが国民 の疾病による死亡の最大の原因となっている。がんが国民の生命及び健康にとって重 大な問題となっている現状を踏まえまして、がん対策の一層の充実を図るため、がん 対策を総合的かつ計画的に推進することが目的とされております。  続きまして基本理念でございますが、大きく3つに分けられてございます。1つは、 がん研究の推進。そして推進のみならず、その研究成果の普及、活用等というものが 1つでございます。それから2番目といたしまして、がん医療の均てん化というもの でございます。3番目といたしましては、がん患者の意向に十分配慮した医療提供体 制の整備。この3点が大きく掲げられておりまして、国、地方公共団体、医療保険者、 国民、医師等の関係者に関する責務が定められているところでございます。  その次でございますけれども、第3のところで書いてございますが、基本的な施策 としまして、これも3つの大きな柱が立てられてございます。まず1番目といたしま しては、そこに書いてございますように、がんの予防及び早期発見の推進。それから 2番目といたしましては、がん医療の均てん化の促進でございます。3番目といたし まして、がん研究の推進等ということで、この3本が大きな基本的な施策として掲げ られているところでございます。  それからちょっと戻りますが、第2のところで書かれてございますが、政府といた しましては、がん対策推進基本計画を策定いたしまして、これを基本として各都道府 県においては、がん患者に対するがん医療の提供状況等を踏まえまして、都道府県が ん対策推進計画を策定することとされております。  また、がん対策推進基本計画の策定に関する審議会として、1枚おめくりいただく と書いてございます。第4というところでございますが、策定に係る審議会等として 厚生労働省にがん対策推進協議会を置くこととしておりまして、委員に関しては、が ん患者及びその家族、または遺族を代表する者、また、がん医療に従事する者並びに 学識経験のある者のうちから厚生労働大臣が任命することとされております。  当該法に関する今後のスケジュールについてでございますが、本法の施行が、先ほ ど申し上げましたように来年の4月1日ということでございます。がん対策推進協議 会の設置、及び政府が策定いたしますがん対策推進基本計画につきましては、その後、 来年度のできるだけ早い時期に策定するということが基本的な考えではないか、と理 解しております。  それから、本日御欠席でございますが、河野委員の方からもがん対策に対して御意 見をいただいておりまして、特にその中でも地域間格差なくどこに住んでいても平等 に質の高いがん医療や緩和医療が受けられるような対策、まさに均てん化ということ でございますが、そのような対策が推進されることを期待していますという御意見を ちょうだいしております。これは1ページ目のところに基本的施策のところで書いて ございます。第3の基本的施策のところでございますが、この第2、まさにここに記 載されておりますがん医療の均てん化の促進、すなわちここに書いてございますよう に、がん専門医等の育成、それからがんの診療連携拠点病院、それらを中心とした連 携協力体制の整備。それから、がん患者の療養生活の質の維持向上等。このようなも の等から成りますがん医療の均てん化の促進、まさにそのようなものと理解しており ます。こういうがん医療の均てん化の促進も含めまして、がん対策推進基本計画等に 盛り込んでいくべきものと認識しているところでございますので、最後にその点を付 加させていただきまして、簡単ではございますががん対策基本法の御説明とさせてい ただきたいと思います。  久道部会長 何か御質問ございませんでしょうか。はい、どうぞ。  澁谷委員 がん対策基本法が検討される中で、がん登録の問題があったかと思いま す。対策を推進する上では地域のがん登録というのは非常に重要ではないかと考えて いるわけですけれども、これについてはどんな見通しになるのでしょうか。  武田室長 がん登録でございます。今御指摘いただきましたように、がんの対策、 それから均てん化を進める上で非常に大事なツールと考えてございますが、この法の 中におきましては、情報関連のところ、ページで6ページのところでございますが、 第17条のところでございます。がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等のとこ ろでございますが、その第17条第2項におきまして、国及び地方公共団体はがん患者 のがんの罹患、転帰その他の状況を把握し、分析するための取り組みを支援するため に必要な施策を講ずるものとするということでございます。まさにこれは、地域がん 登録を含めてがん登録について推進していくということを指しているものと認識して おりまして、今現在行われておりますがん登録、地域がん登録につきましても、必要 な精度管理等を含めた技術的支援も含め、研究班等でも行っておりますが、引き続き 推進していくものと理解しております。そのほか、がん診療連携拠点病院におきまし ても、必須要件といたしまして標準登録様式に基づく院内がん登録を実施し、なおか つ地域がん登録へ積極的に協力することとされておりますので、この2つのツールを もって今後もがん登録につきましては推進させていただければと考えております。  久道部会長 ほかにございませんか。はい、どうぞ。  笹月委員 私どもナショナルセンターでは、高度専門医療人の育成ということを今 議論している最中です。一方ここではがんの専門医の育成ということが掲げられてお りますが、これはいわゆる専門医あるいは認定医とどういうかかわりがあるのか。そ れから、具体的ながん専門医というのを何かこの法で、あるいは実施施策で規定して きているのか。その辺を御説明いただけませんか。  武田室長 専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成というこ とでございまして、これも同じく6ページの法の第14条で記載されているものでござ います。これに関しまして、まず本年度も事業としてございますけれども、例えば国 立がんセンターにおける専門的な、指導的な医師及びその他の医療従事者に対する研 修というものもございます。このような研修、もしくは拠点病院における研修等とい うものを推進していくということが1つでございます。  また、認定医その他専門医等に関しましては、学会等でも現在いろいろ取り組みを していらっしゃるということも承知しておりまして、逐次そこら辺の情報等もいただ いているところでございます。これにつきましても、どのような形が、がん患者さん を含めた関係者にとって一番いい非常にわかりやすい形になるのかということを含め まして、また今後議論が進んでいくべきと考えております。  井部委員 ただいまの質問に関連するのですけれども、6ページの第14条で、医師 その他の医療従事者ということで、看護職を初め医療従事者は「その他」でいつもく くられてしまって残念だと私は個人的に思っているのですけれども、特にこのがん患 者の療養生活の質の維持向上といった点などでは、がんの専門医のみならずその他の 医療従事者の活躍が非常に期待されると思うのですが、そうした包括的な養成の計画 というのがなされているのでしょうか。  武田室長 先ほどもちょっと申し上げましたが、例えば国立がんセンターでも専門 的、指導的な医療従事者の研修を行うこととされております。それから今委員から御 指摘がございました療養生活の質の維持向上に関しまして、いわゆる緩和ケア等を含 めたQOLの向上ということでございますけれども、これに関しましても最近はチー ムでの医療、特に身体的な疼痛管理のみならず精神的な側面へのサポート、それから 看護上のケアというようなものを包括的に行うべきであるということもございますの で、そのようなことも念頭に置きまして、拠点病院においても指定要件でございます し、あわせて拠点病院そのほか国立がんセンター等の研修におきましても、そのよう なものを盛り込んだ研修を行っていくということになっております。  久道部会長 よろしいですか。それでは次の議題に移ります。第3番目、標準的な 健診・保健指導プログラム(暫定版)について、同じく矢島室長より説明をお願いい たします。  矢島室長 それではお手元の資料3−1に基づきまして、前回の部会6月15日でご ざいましたが、それ以降に行われました標準的な健診・保健指導のあり方に関する検 討会において追加された項目について御説明させていただきます。  1ページをお開きいただきたいと思います。全体の目次がございます。前回は米印 がつきました第2編健診の第6章健診のアウトソーシングですとか、第3編保健指導 のところの第6章のアウトソーシング、それから第4編の第1章、第2章、第3章、 それから枠外にあります別冊の保健指導における学習教材。これについては前回まだ でき上がっていなかったわけですが、この部分につきまして御説明させていただきま す。  1ページをおめくりいただきたいと思います。まず、健診のアウトソーシングのと ころでございますが、基本的な考え方でございます。健診・保健指導の事業の企画及 び評価につきましては、医療保険者みずからが行うという基本的な考え方でございま す。個人情報、特にこれにつきましてはいろんな意味でその重要性を十分認識し適切 に取り扱うということが重要でございます。  それから医療保険者みずからが実施する場合も、本基準と同じ基準を満たす必要が あるかについて、これまで医療保険者により行われてきた保健事業の実施体制との現 状を踏まえて今後検討が必要だということでございます。例えば下にありますが、人 員に関する基準につきましては、健診については医師、臨床検査技師、看護師、後で 出てきます保健指導のところは保健師、管理栄養士ということで、現在医療保険者で 行われおります保健事業の実施体制の状況を踏まえて今後検討が必要なものもあると いうことでございます。  それから施設、設備に関しましては、応急処置ができる設備のほかに、健診が実施 される施設の敷地内が全面禁煙とされていること。それから精度管理につきましては、 標準物質による内部精度管理、それから外部精度管理を定期的に受けているというこ と。それから検診結果につきましては、電子的標準様式により提出するということ。 運営に関しましては、例えば受診率向上のために土日祝日などにも実施する。そのよ うな取り組みがここに示されております。  4ページでございますが、保健指導のところでございます。まず基本的な考え方は 先ほどの健診と同じでございますが、人員に関する基準につきましては丁寧に書かれ てございます。事業所の管理者は、医師、保健師、管理栄養士であること。さらに国、 地方公共団体、医療保険者、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会等が実施する 一定の研修の修了者であることということでございます。  これは先ほど加賀谷委員から御質問がありましたことと関連しますので、本編の冊 子の128ページを一緒にごらんいただきたいと思います。今御説明させていただきま したのは、128ページの具体的な基準、人員のところでございますが、ここのところ を若干細かく御説明させていただきます。  今御説明させていただきましたのは128ページの2の具体的な基準、人員に関する 基準のところでございまして、Aのところを読ませていただきました。次のBのとこ ろでございますけれども、動機づけ支援や積極的支援においては初回の面接、対象者 の行動目標、支援計画の作成、保健指導の評価に関する業務を行う者は医師、保健師、 管理栄養士であることということでございます。さらに国、地方公共団体、医療保険 者、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会等が実施する一定の研修の修了者であ ることが望ましいということです。  それからここにありますように、先ほど運動に関することが多賀谷委員から出てき ましが、このEのところに関係します。積極的支援のプログラムのうち、運動に関す る保健指導は運動に関する専門的知識を有する者、例えば健康体力づくり事業財団が 認定する健康運動指導士等により提供されることというような形で、ここに明記させ ていただいております。そのほか栄養に関しましては、Dのところでは、管理栄養士 その他食生活に関する専門的知識を有する者等により提供されることという形で、明 記させていただいております。  それからもとの資料の4ページのところに戻っていただければと思いますが、施設 の基準、これも先ほどの健診と同じでございます。情報の取り扱いに関しても同じで ございます。運営等に関する基準も基本的には同じですが、健診と違うのは、夜間の 保健指導についても取り組んでいただくことを明記しております。  5ページでございます。第4編第1章の人材育成体制の整備でございますが、基本 的な考え方で、国、都道府県、市町村、医療保険者、医療関係団体の役割というもの を明記しておりまして、国の役割といたしましては、ここにございますように、まず ガイドラインというふうなものを作成し、国立保健医療科学院において都道府県の指 導者等に対する研修を実施いたします。都道府県の役割といたしましては、その地域 の医療関係団体、教育機関等の協力を得てその研修をしていただくということです。 地域における企画、立案、実施、評価の業務を行う者を対象に研修を実施していただ く。  市町村の役割といたしましては、医療保険部門と衛生部門のジョブローテーション や健診・保健指導の経験を有する者を都道府県等が実施する研修の講師とする等の協 力を行う。それから、健康づくり推進ボランティア育成のための研修を実施するとい うもの。それから医療保険者の役割として、医療保険者みずからが研修を行うことに 加え、都道府県、医療関係団体等が実施する研修を受けさせることをここに明記して おります。  それから医療関係団体といたしましては、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士 会等の医療関係団体及び当該団体の都道府県支部が保健指導を実施する者の資質の向 上を図るため積極的に研修を行っていただくということをここに明記しております。  6ページのところでございますが、研修体制を整理したものがこの6ページでござ います。それから次の7ページでございますが、最新の知見を反映した健診・保健指 導内容の見直しのための体制整備でございます。データの継続的蓄積と科学的な根拠 に基づく評価ということでございまして、まず基本的な考え方でございますが、効果 的、効率的な生活習慣病予防が図られるためにデータを継続的に蓄積することが必要 だということでございます。  個人情報の保護に十分留意しつつ国において分析、評価を行うということでござい まして、国の役割といたしましては、医療保険者の協力を得て健診・保健指導データ を収集し、関係学会等の協力を得て、効果的、効率的な健診項目、保健指導の内容の 見直しをしていく。それから、健診・保健指導データの評価を踏まえ、保健指導に用 いる学習教材等の作成を行う。これは国立保健医療科学院との協力を得て行っていき たいと思っています。  国立保健医療科学院においては、健診・保健指導内容の科学的根拠を継続的に収集 し評価するための健診・保健指導データ等の収集が可能となる機能、役割が求められ ております。都道府県の役割といたしましては、医療保険者や地域の大学研究機関等 の協力を得て、このデータを統計的に処理分析し評価を行って、都道府県における施 策、研修とかそういうものに反映させる。保険者協議会、地域職域連携協議会の役割 としましては、全国や都道府県単位のデータ分析で把握できないような地域の状況を 踏まえた健診・保健指導の効果の評価ですとか、そういうものを行うということでご ざいます。  その他といたしまして、今後、健診・保健指導のデータの蓄積が進むにつれて、医 療保険者みずからが実施する場合も含め、健診・保健指導の質の管理、評価を行うた めの第三者評価の仕組みが必要となるということが考えられます。  8ページでございます。健診・保健指導の実施、評価のためのデータ分析とデータ 管理ということでございまして、健診・保健指導の実施の評価ということで、保険者 機能の発揮と、国、都道府県における活用ということでございます。基本的な考え方 は、糖尿病等の生活習慣病有病者、予備群を25%減少させるためには、不健康な生活 習慣の蓄積から、生活習慣病の予備群それから生活習慣病への進展、さらに重症化、 合併症へと悪化する者を減少させること。あるいは、生活習慣病から予備群さらには 健全な状態に改善する者を増加させることが必要だということでございまして、次の 9ページをごらんいただきたいと思いますが、内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病 対策ということで、これを各医療保険者、都道府県、国レベルで、今御説明しました 不健康な生活習慣、予備群、生活習慣病重症化、合併症、それから生活機能の低下、 要するに要介護状態でございますが、これらの者の客観的な評価指標を用いまして、 悪化の状況、改善の状況等を把握していただくような仕組みが必要だと考えておりま す。  そういう意味で8ページのところでございますが、医療保険者における健診・保健 指導の実施評価ということでございまして、40歳から74歳の被保険者、被扶養者に対 して健診の受診を促し、検診結果のデータを有効に活用して必要な保健指導を受ける 者を確実に選定し、生活習慣改善の取り組みを実施するということが必要になってき ます。  それから、医療保険者から国等への実施結果報告でございますが、医療保険者は、 健診・保健指導の様式に沿った実績データ、要するに集計データでございますが、そ れをまず報告していただく。そして対象者全員の健診・保健指導の項目のうち、本プ ログラムに定める項目に関するデータ、これは個人識別情報を外した情報でございま す。ここのところが大事でございます。個人識別情報を外した情報でございます。そ れを社会保険診療報酬支払い基金を通じて国に提出していただき、国、厚生労働省、 保健医療科学院は支払基金を通じて医療保険者からの健診・保健指導に関するデータ を受け、都道府県ごとに分類した上で、全国及び都道府県単位での分析、評価を行う とともに、健診・保健指導の内容の見直し等を行う際の参考にするということで、こ れは10ページをお開きいただきたいと思います。  今御説明させていただいた流れを示したものでございまして、この流れに基づきま して、都道府県は国が公表したデータ等を活用し、医療計画、都道府県介護保険事業 支援計画、都道府県健康増進計画、都道府県医療費適正化計画の策定、評価、見直し に役立てていくという流れを考えております。  それから最後は別冊の学習教材のところでございますが、11ページでございます。 保健指導における学習教材集の構成でございますが、ここには大きく3つの流れがご ざいまして、対象者が自分の生活や身体の状況について現状を知るための教材の部分、 それから代謝等身体のメカニズムに関する知識を伝えるための教材の部分、行動変容 のために具体的に何をどうすればよいかを選択できるための教材という形で、ここに お示ししているような形の教材を用意させていただいています。本教材は国立保健医 療科学院ホームページ上にデータベースとして掲載いたしまして、保健指導実施者が 必要に応じて教材をダウンロードできるとともに、さらに自由に改変して使用できる ような仕組みを講ずることとしております。以上でございます。  久道部会長 どうもありがとうございます。どなたか御質問、御意見ございません でしょうか。はい、どうぞ。  内田委員 7ページの一番下にあります第三者評価機構につきまして、この文言を 入れていただいて非常にいいと思います。これはやはり保険者に今回、健診データ、 保健指導の結果のデータ、それからレセプトのデータとすべて集中することになって おりまして、再三申し上げておりますが保険者機能が飛躍的に強化されるということ につながります。その中でしっかりと健診・保健指導が実施されているということ。 それから、そのデータを悪用して医療現場に不当な介入等を起こさないという点から も、この第三者の評価機構を立ち上げるということは非常に必要なことだと思います ので、ぜひこの実現に向けて動くということをお願いしたいと思います。また、医師 会の方としても協力したいと思います。  それから2点目は、10ページのデータの活用についてですけれども、厚労省、都道 府県でデータを活用して次の保健医療計画に役立てていくということでございますが これはぜひその他の関連団体に関しましてもデータを公表するなりデータを利用でき るということで文言を加えておいていただければと思います。  それから3点目は運動に関する保健指導、暫定版の方の128ページですけれども、 ここのところで、運動に関する保健指導は専門的知識を有する者、括弧という形で健 康体力づくり事業財団ということが書いてございますが、今回、日本医師会でも健康 スポーツ医制度というのがございまして、この健診・保健指導に関するプログラムに 沿った形でのカリキュラムの検討をしておりますので、ぜひこの辺のところは日本医 師会が認定している健康スポーツ医制度というものも少し書き加えていただければあ りがたいと思っておりますし、今後現場で実際に個別に指導するかどうかは別にしま しても、そういう保健指導にかかわる組織にこの健康スポーツ医がかかわっていくと いうことが必要になってくるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。  久道部会長 今の2点目、3点目はいかがですか。  矢島室長 準備事業を今年度やることになっていますので、いろんな現場等の意見 を聞かせていただきながら、今回の暫定版の中でいろいろとやらせていただく中で、 今の御指摘いただいた点も含めて、実現可能かどうかも含めて検討させていただきた いと思います。  坂本委員 この保健指導のあり方に関しましては、新しい制度ですので、いろいろ な方がこの検討過程を見ながら準備を進めておられると思います。健診は大体関係者 の頭の中にはイメージができていると思いますが、保健指導に関しましては、準備や 人材の育成も含めましてこれからだと思います。特に3段階の保健指導の中で、最終 的な課題を持っておられる方への保健指導というのは大変エネルギーのかかることな のですけれども、これに関してアウトソーシングされるときに大体どれくらいの費用 なのかということは、準備される方にとって非常に大きな問題だと思います。少し腹 案みたいなものがあるのか、これからの検討なのか、教えていただきたいと思います が。  矢島室長 それは今後関係部局とも調整しなければいけないのですが、これからの 課題ということになっております。  久道部会長 モデル地域でこの暫定版をいろいろ検討しますね。都道府県レベルで 数はどれくらい考えていますか。  矢島室長 幾つかの都道府県ということで、数カ所という程度を考えております。  久道部会長 18年度から。  矢島室長 はい。実はもう既に幾つかの都道府県からはいろいろと問い合わせ等を いただいておりまして、いろんな意味でその準備をさせていただいております。  久道部会長 そうですか。ほかにございませんか。はい、どうぞ。  加賀谷委員 先ほどの運動につきまして御説明いただきありがとうございました。 コンセプトをはっきり出されているのを大変ありがたく思うのですが、多分これから 厚労省とか皆さんが説明されるときには、概要という形で説明されていくことが多い と思いますので、できれば概要の中に運動のところを前に出していただくような形で 御説明いただければ、コンセプトがはっきりするのではないかと思います。要望です。  久道部会長 ほかにございませんか。はい、どうぞ。  村田委員 これだけの保健指導をやるとなると相当な人材の確保ということが非常 に必要になってくると思いますし、保健指導の問題もあるわけですけれども、今後各 都道府県で指導者が、国の役割として都道府県の指導者等に対する研修を行うという ことですが、そのほかにモデル事業以外にもいろいろな形で、どういうふうな形をす るかということで各市町村なり都道府県でいろいろな方策をめぐっていくときに、や はり国一本だけの研修ではなくて都道府県なりでやる場合の専門家ですね。指導して くださる方がやはりいろいろな意味で必要になってくるのかなと思っております。そ ういう意味で、都道府県なり市町村がいろいろな形でやるときに、ぜひ国の支援もお 願いしたいと思っております。都道府県の人材だけでは、研修を受けただけではなか なか難しい部分もあるかと思いますので、そういうところで専門家の方たち、こうい う方たちがいますよということで情報を提示していただいて、各都道府県が活発に研 修ができるようなことでお願いできればということです。お願いでございます。  高橋(清)委員 ただいま御説明のあった9ページの内臓脂肪型肥満に着目した生 活習慣病対策。その最初に、不健康な生活習慣ということで5つ項目が上がっていま すけれども、今ざっと保健指導の暫定版とか学習教材集等を見ると、ストレス過剰と 飲酒に関しては余り触れられていないように思うのですけれども、この5つは同等に 私は重要だと思いますが、その点はいかがでしょうか。  矢島室長 大変大事なことだと思っていますが、基本的に客観的指標、これは前か らお話しさせていただいているのですが、例えば睡眠ですとかそういうものについて もここで使えるような客観的指標というものが出てくれば、将来的にこの中に入れる ことは大事なことだと思っていますが、現段階で使える客観的指標というものがここ にあるようなものですから、とりあえず現段階ではこれでやらせていただくというこ とで進めさせていただきますが、先生の御指摘、前からいただいていることは十分承 知した上で、今回はこの形でまずやらせていただければということで考えております。  久道部会長 ほかにないですか。参考人はいらしていますか。それでは次の議題、 4番目に参ります。健康づくりのための運動基準2006、及び健康づくりのための運動 指針2006、エクササイズガイド2006についてですが、この議題4に関しての議論を行 うに当たりまして、長寿医療センター病院長太田壽城様と、国立健康栄養研究所の健 康増進プログラムリーダー田畑泉様に参考人としてお越しいただいております。お席 の方にどうぞお移りください。それでは中島参事官より、資料4−1、4−2につい て御説明をお願いいたします。  中島参事官 資料の4−1と4−2でございます。これまで健康づくりということ で、本日最後に御議論をいただく予定でありますが、1に運動、2に食事、しっかり 禁煙、薬は本当に最後の最後だということでございます。1に運動、2に食事、しっ かり禁煙ということで、食事の部分については既に食事摂取基準といったものも見直 しを行い、「食事バランスガイド」というのものも作った。たばこについては、前回 のこの部会でも報告いたしましたが、本年4月から禁煙治療に対する保険適用が行わ れ、この5月には「禁煙支援マニュアル」というのも作らせていただきました。次回 のこの部会でも報告できればと思っております。  一方、1に運動といったものの、運動についてどのようなプログラム・ツールがあ るのかということで、実は運動基準というのは平成元年に作ったままになっていた。 それから、運動指針というものも平成元年に作ったままになっていたということでご ざいます。  座長の後ろにポスター等を掲げさせていただいておりますが、ちょうど地球温暖化 で、本日も冷房が十分効いておらず御迷惑をおかけしておりますが、冷房の温度、そ れからエレベーターもかなり台数制限ということから、地球温暖化とともに健康づく りということで、厚生労働省では階段利用キャンペーンというのをやっておりまして、 体を動かそうということでやらせていただいていますが、国として広く国民に提示申 し上げるプログラムというものがかなり古くなっていたということもございます。し たがいまして、このたび富永先生に検討会の座長に御就任いただいて、運動指針の抜 本的な見直しをやったということでございます。  平成元年以来のエビデンスの蓄積を踏まえて、運動基準の見直しを行うとともに、 それに沿って国民にとってわかりやすく使いやすいガイド、指針といったものを運動 指針としてまとめさせていただいたということでございます。  資料4−1の2ページでございます。運動基準につきましては、ここに概要という 形でお示しをしております。親委員会は富永先生が座長でございますが、運動基準に ついては本日御出席いただいております田畑先生にワーキンググループの座長に御就 任いただき御検討いただいて、エビデンスを踏まえた生活習慣病予防のための運動量 の基準といったものを決定していただいたということでございます。  2の2行目でございますが、基本的には内外の文献を精査する、いわゆるシステマ ティック・レビューの手法で、最新のエビデンスに基づいて、3のところでございま すけれども、健康づくりのための身体活動、運動量の基準値として、これは後ほど詳 しく御説明しますが、身体活動については23メッツ・時/週、それから運動量につい ては4メッツ・時/週という形でのエビデンスの提示をいただいたということでござ います。  そして、こうしたエビデンスに基づきまして、資料の4−2でございます。広く国 民のための指針ということで、エクササイズガイド2006という副題をつけさせていた だいておりますが、こうしたものを作成させていただいた。これにつきましては、本 日御出席いただいております太田先生を小委員会の座長ということで御検討いただい たということでございまして、先般富永先生の親委員会を開催させていただいて、こ の運動基準、運動指針といったものについて御意見をいただき、最終的な修正を施さ せていただいて本日報告するということでございます。  4−2の1ページ、目次でございます。大きくこのエクササイズガイド2006は、理 論編と実践編というものに分かれてございます。理論編においては基本的な考え方の 整理、実践編においては国民1人1人が自分の問題としてとらえて、自分の現状を把 握し目標を立てて実践していくという形の流れでつくらせていただいております。  理論編におきましては、まず身体活動とか運動というものの概念を説明し、健康づ くりのために具体的にどの程度の身体活動量が必要なのかということを明らかにし、 3のところで、健康づくりのために一定の体力といったものが要るということととも に、運動する際には体力に応じた運動でなければならないという観点から、体力とい うことについて説明をさせていただいているわけでございます。  こうした基本的な考え方を整理した上で、具体的に実践編では、まず国民1人1人 がみずからの現在の身体活動量の評価する。そして、体力といったものを持久力、筋 力に着目して評価をいただく。そして、その方に応じた具体的な身体活動量の目標を 設定していただく。そして実践に移していただく。ただ、目標を達成するためにその 方の日常生活における運動実践や習慣みたいなものの段階に応じて適宜アドバイスを するとともに、運動を行うに当たっては安全に行うという意味でもろもろの注意事項、 留意事項がございますので、それを整理させていただいているという構成でございま す。  まず3ページでございます。策定の趣旨ということで2つ目の丸でございますけれ ども、運動基準に基づき安全で有効な運動を広く国民に普及することを目的としてい るということ。それから3つ目の丸でございますけれども、健康な成人の方を対象と したガイドであるということを明記しているところでございます。  そして4ページから理論編というところでございます。5ページ、まず身体活動、 運動といったものについての説明ということで、図1、身体活動といったものを、生 活活動といったものと運動といったものに分けた。そしてその下でございますけれど も、身体活動の強さというものについてはメッツという概念を用い、身体活動の量、 すなわち強さ掛ける時間というものについてはエクササイズという語で呼ぶというこ とにさせていただいたところでございます。  まずメッツというものは、(1)でございますが、運動の強さの単位でございまして、 安静時の何倍に相当する強度なのかということを表した概念でございます。座って安 静にしている状況が1メッツ、普通に歩いていると3メッツとなるわけです。そして、 そうした強さの運動をどれだけの時間したかということの答えがいわゆる量の単位と いうことになってくるわけで、メッツ掛ける時間ということでございます。したがい まして、より強い身体活動、強度が強いほど短い時間で量を獲得できる。これをエク ササイズという形で呼ぶということでございます。  実はこのエクササイズという言葉については、セットという言葉がいいのではない か、アクティビティという言葉でもいいのではないか、といろいろな御意見が出たわ けですが、自分の身体活動量なり、自分の目標とする身体活動量を考えていくときに、 エクササイズという言葉を使うことで、体を動かさなければならないという意味が国 民1人1人に伝わるのではないかということで、エクササイズという概念がいいので はないかということで御了承いただいたということでございます。  6ページでございます。ただ、特に内臓脂肪症候群等の対応においては、食事と運 動といったものが必要でございますので、その意味では食事による摂取量との互換性 といったものをきちっととるために、簡易換算式として、このエクササイズという概 念といわゆるキロカロリーといったものの換算式も設けさせていただいたということ でございます。  そして7ページでございますが、健康づくりのための身体活動量として、目標とし て週23エクササイズの活発な身体活動、そしてそのうち4エクササイズ分は活発な運 動でやっていただきたいということでございます。その運動というのは、上から5行 目6行目ですが、3メッツ以上の身体活動というものを積み重ねて23ということでご ざいます。1エクササイズに相当する活発な身体活動というものについては、下の図 2に挙げさせていただいたところでございます。  9ページでございます。既にメタボリックシンドロームの該当者、または予備群だ とされている方については、ここに書かせていただいたような参考として、イのとこ ろでございますが、運動と食事改善の併用。そして内臓脂肪蓄積の1つの指標でござ います腹囲については、1センチ減少させるには約7,000キロカロリーが必要だとい うことですので、こうしたものをもとにということが大切だと。  そして、運動という点に着目すると、ウの2行目ですが、内臓脂肪を確実に減少さ せるためには週に10エクササイズ程度かそれ以上の運動量。生活習慣病予防には4エ クササイズでございますけれども、既にメタボに該当している、または予備群の方に ついては10エクササイズ以上を目標にということを書いていただいてございます。  そして11ページから、こうした基本的知識を踏まえて実践編ということでございま して、12ページで一連の流れを書いてございます。まずは、御自分の身体活動量をチ ェックシートを用いて評価する。そして、自分の持久力と筋力が、自分の性、年代に 対応する目標と比べてどうかということを簡易に測定していただく。その上で、23エ クササイズ、4エクササイズと比べて、自分はどれだけ不足しているのかということ で目標値を設定する。そして、自分の体力の状況に応じて、どうした運動で23エクサ サイズ、4エクササイズというものを達成していこうとするのかということを決めて いただく。そして実践に移っていただくわけですが、普段の自分の運動実践の状況に 応じて、自分のステージに応じた取り組みが必要ですし、準備運動等の留意事項をき ちっと守って運動をしていただきたい。こういう形の流れで実践編をつくっていると ころでございます。  13ページでございますけれども、まずは国民1人1人の身体活動量を自分で評価し ていただくということで、チェックシートというものを設けさせていただいておりま す。14ページ、体力の評価につきましては、持久力、筋力ということですが、持久力 については(1)の2行目、全身持久力ということに着目し、(1)3分間「ややきつい」 と自分の感じる速さで歩いた距離といったものに基づいて、表の1に示された基準と 照らして自分の体力の相対的位置を御確認いただく。それから15ページ、筋力。とり わけ介護予防等で重要になってきますが、下肢筋力といったものに着目して、(1)いす の座り立ちの時間というもので、表2に照らして自らの相対的位置を確認していただ く。  そして16ページでございますけれども、23、4、それから体力の状況を踏まえて自 らの目標を設定していただく。そして16ページの四角の中にありますが、23エクササ イズ、4エクササイズというものを一般的な身体活動なり運動といったもので表すと すると、1日1万歩、1週間で7万歩、運動については汗をかくのが週60分ぐらいと いう形で、スローガン的に書かせていただきました。  そして(ア)身体活動量の目標設定については、3行目、現在の身体活動量が目標 に達していない人は、まず目標を達成しましょう。下から2行目、目標を達成されて いる方は、それを維持し、さらには運動を行って体力の向上を目指しましょう。運動 量の目標設定については上から4行目、運動習慣がない方は一気に4エクササイズか らいくのではなくて、まず週に2エクササイズから始めていきましょう。既に運動を 4エクササイズ以上実施しておられる方は、10エクササイズ以上を目標にしましょう、 ということでございます。そしてその運動については、下から4行目、体力の評価結 果により得られた体力の状況に応じてやっていくことが有効だということでございま す。  17ページ、体力に応じた運動としては、持久力向上のためには1つの典型例として 速歩といったものがあるのではないか。18ページ、筋力向上については、自宅ででき る筋力トレーニングとしてはスクワット、ヒップエクステンション、腕立て伏せ等が あるのではないか。こういう形で書かせていただいております。  20ページ、具体的事例といたしまして、電車通勤をしているサラリーマンの場合、 それから21ページ、家庭にいることが多い主婦の場合ということで、そうした方々の 場合、例えばこういう形で自らの身体活動を評価し、目標を立てるという具体例を書 いてございます。  22ページでございます。内臓脂肪減少のための目標設定という点では、ここにある ようなシートを用いてやっていく。先ほど矢島室長の方から説明いたしました標準的 プログラム暫定版の学習教材集の中にも収録しているところでございますけれども、 みずからの腹囲といったものをどう落としていくのか。月に1センチ落としていくの か。急いでやる場合には2センチぐらいということになってくる。そうすると、1日 当たりに減らすべきエネルギーがどれくらいかということが出てきます。それを食事 で減らすのか、運動で減らすのかということをこの欄を埋めていくことによって、ど の程度カロリーコントロールをすればいいのか、どの程度体を動かす、さらには運動 すればいいのかということが出てくるということで、22ページ23ページの一連のフロ ーチャートみたいなものを用いているということでございます。  24ページでございますけれども、しかし目標を達成するためにはやはり自分のライ フステージ、日ごろからどの程度体を動かしているのかということを踏まえた実践が 必要だということで、25ページの下でございますけれども、みずからどの程度運動実 践をしているのかということを、この流れに従って、はい・いいえで答えていただい て、自分が身体活動という点においてはどの程度の段階にあるのかということで、そ れぞれの段階ごとに、こういう点に注意してやっていけば目標達成が楽にできるので はないかという形で書かせていただいているところでございます。  それから31ページでございますけれども、運動を行うには、急に無理な運動をする とかえって害があるということでございまして、注意事項といったものを書かせてい ただき、32ページに、その中でも中心となる準備運動、整理運動について書かせてい ただいているということでございます。  33ページ以降は参考資料でございまして、34ページ。具体的にどうした身体活動、 生活活動、運動といったものがどの程度のエクササイズになるのかという換算表が34 ページ以降でございます。そして37ページからの参考資料の2というところでは、6 つほど分類をいたしまして、メタボリックシンドロームを予防したい30代の男性、メ タボリックシンドロームになってしまった50代の男性、そしてアクティブにライフス タイルを実践したいと思っている30代の女性、40代女性でもう一度若いころの自分を 取り戻したい女性、そして病後の健康不安といったものを少しずつ運動することで解 消したい50代、もっと活動的な身体活動をやりみずからの生活範囲を広げたいと思っ ておられる60代女性。典型的なイメージを想定し、このエクササイズガイドに従って プランを立ててもらうと、こういう形になるのではないかという事例を挙げさせてい ただいているところでございます。  こうした運動指針につきましては、この運動指針の小委員会、さらには富永先生の 親委員会の方で、関係学会等でも普及していただくとともに、フィットネス業界等で もこの運動指針に従ったプログラム開発等をやっていきたいというようなお言葉もい ただいているところでございまして、厚生労働省といたしましてもこの運動指針の普 及啓発に一層力を入れていきたいと思っているところでございます。以上でございま す。  久道部会長 どうもありがとうございます。それでは、この検討会の座長を務めら れた富永委員、それからワーキンググループの座長を務められた田畑参考人、それか ら小委員会の座長を務められた太田参考人より補足の説明をいただきたいと思いま す。まず富永委員、お願いします。  富永委員 去る7月19日に第3回の運動所要量・運動指針の策定検討会が開かれま して、ただいま中島参事官から御説明のありました2つの報告書が完成しました。田 畑先生には運動基準の策定に大変御努力されましたし、太田先生は運動指針小委員会 の委員長として大変な御苦労をいただきました。両先生の御努力によりまして、お世 辞抜きで大変立派な運動基準の報告書と、運動指針ができたと思っております。  先日の検討会は最後の仕上げをやっただけのことでありまして、その中で小1時間 かけて大変議論した点が1点ございますのでそこを御紹介しますと、先ほど中島参事 官から御説明のありましたメッツ・時の表現でエクササイズ(Ex)という言葉を使 っています。運動指針小委員会の最終回では、1個、2個、3個という表現が使われ ておりまして、一部の新聞にも1個、2個という形で紹介されておりましたけれども、 やはり運動を1個、2個というのは少し違和感を感じまして、このエクササイズとい うのは中島参事官が御説明になりましたように運動というのを表に出しておりますの で、これはいい単位だと思います。  検討会ではいろいろな単位が紹介されまして、もちろん最後の小委員会で出されて いた何個というほかに、今回のエクササイズ。それから、エクササイズというのは英 語でそのまま複数形にはできないものですから、それを承知の上で和製英語のような 形でエクササイズという単位を使う。そのかわりに、エクサとか、エクササイズのE という単位がいいのではないかとか、あるいは何セットというのがいいとか。あるい は、特に運動系の先生方からはアクティビティーという言葉がいい。アクティビティ ーが英語ですから、活動にしてもいいし、アクティビティーの一部をとってアクトに してもいい。そのほか英語の略語ですけれども、PA、これはフィジカル・アクティ ビティーの略。それからAU、これはアクティビティー・ユニットの略。それからP AU、フィジカル・アクティビティー・ユニットの略。こういった提案がさまざま出 されまして、意見交換あるいは意見調整をやりまして、最終的にはほとんど全員の先 生方に、今回報告にありますエクササイズに同意、賛同をいただいたということでご ざいまして、私は大変満足しております。以上です。  久道部会長 それでは、田畑参考人お願いします。  田畑参考人 それでは、今基準、指針で示されております身体活動として23メッツ ・時/週、運動として4メッツ・時/週がどうしてできたかという具体的なことをち ょっと御説明させていただきます。  今システマティック・レビューというお話が出ましたけれども、これは世界で発表 されるデータベースに登録されている研究論文について、身体活動量、運動量、体力 と、糖尿病、高血圧、脳血管疾患、循環器病等の生活病というようなキーワードを入 れてヒットした8,114本の文献から、この資料にあります84本の文献を抽出して得ら れたものです。  まず、このようにして抽出されました各文献から、身体活動量、運動量の最も少な い群に比べまして、生活習慣病の発症リスクが有意に減少する群の身体活動量の境界 値、もしくは身体活動量がもっとも多い群に比べて生活習慣病の発症リスクが有意に 増加する群の身体活動量と運動量の境界値を求めました。つまり、身体活動量、運動 量による生活習慣病発症に対して確実に効果のある最も低い値というものを抽出した ことになります。  さらに、前の運動指標量にも取り上げられまして生活習慣病の罹患率と関係のある 最大酸素摂取量、これは持久力の指標ですけれども、それに対して最も最大酸素摂取 量が高い、低い群に比べまして、統計的に有意に低下する最大酸素摂取量ということ についての境界値を求めました。これらの値というのは身体活動量、運動量、体力で あります最大酸素摂取量が最も低い群の生活習慣病の罹患リスクを1としますと、0. 8から0.7、つまり生活習慣病の発症が2割から3割低下する身体活動量、運動量の値 です。それらについて、運動、身体活動量及び持久力についてこのような値が複数あ りましたので、それを平均して出したものが、身体活動量、運動量、及び体力の基準 値というふうになっております。  さらに先ほどお話がありましたけれども、介護予防等で注目されている筋力、体力 のもう1つですけれども、筋力についても、筋力と生活習慣病予防とは、総死亡のリ スクとの関係を示すような幾つかの文献がありました。しかし対象となる筋力の測定 法が多岐にわたること、または筋力と生活習慣病予防の機序が不明なことに、最大酸 素摂取量のように定量的な記述はせず、ほぼ筋力の平均値を基準値とするということ に決めました。以上です。  久道部会長 どうもありがとうございます。それでは、太田参考人お願いいたしま す。  太田参考人 手短な申し上げ方をしますと、非常にエビデンスに基いてシンプルで 実効性の高い運動指針、エクササイズガイドができたということであります。エクサ サイズガイドという副題をつけたことと、先ほど参事官が言われましたExあるいは エクササイズというネーミングそのものがキャンペーンになっているのではないかと いうことで、例えば生活習慣病そのものがキャンペーンになっているという意味合い を含めて、非常に普及しやすいものになったと思っています。  さらに、普及のためのいろいろな情報とか、行動変容とか、あるいは組織的な動き をもう委員会の中でいろいろ仕組んでありますので、そういう意味でも今までのもの にない非常に実効性の高いものになったと思っています。  それから追加的なこととして1つ2つ申し上げますが、1つは、食事と運動がかな りつながった形でディスプレーされましたので、これからいろんな形でメタボリック シンドローム等も含めた、減量を含めた中で使いやすいものになったのではないかと 思っています。  それから、実はこの運動指針というのは平成5年に初回のものができたと思います が、2回目は身体活動指針という名前でたしか平成9年ではなかったかと思いますが、 その当時は国民健康栄養調査で日本人の歩数は徐々に上がってきたのですが、その後 横ばい状態が続いていますので、今回のエクササイズガイドを契機にまた右肩上がり というか、健康にいい方向に行くのではないかと期待しております。以上です。  久道部会長 どうもありがとうございました。今、参事官を含めて4人の方々から 説明をいただきましたけれども、何か御質問なり御意見がありましたらどうぞ。よろ しいですか。はい、どうぞ。  内田委員 エクササイズガイド2006の方の31ページ、安全に運動を行うための注意 事項の(2)のところには「膝痛、腰痛など、現在整形外科的な障害で通院されている方 は、主治医や運動指導の専門家に相談して」という注意書きがありますけれども、そ の他循環器疾患とかそういう場合でも、かかりつけの医者、あるいは通院中の場合に はそういう注意事項を一言入れておいた方がいいのではないかと思いますが、いかが でしょうか。  久道部会長 これは富永先生ですか、それとも……。  富永委員 私が答えるべきかどうか知りませんけれども、それは全面的に賛成です。  久道部会長 これは、これから幾らか直るのですか。  中島参事官 本日御意見をいただいて、ですから(2)のところに……また、策定の趣 旨の3ページでございますけれども、3つ目の丸の下から2行目ですが「持病のある 方は、かかりつけの医師に相談して、安全に運動を実施するようにしましょう」とい うところで総論的には書かせていただいているところでございます。  内田委員 安全にというところがございますので、後ろの方にもちょっと1行入れ ておいていただければと思います。  久道部会長 お願いいたします。ほかにございませんか。非常によくできていて、 やってみたくなりますよね。メッツというのは外国でも使っているのですか。  太田参考人 本当にポピュラーな言葉でございまして、日本でもかなり運動と栄養 のことをわかっている方はほとんど御存じですが、メッツ・時という形でエネルギー 消費とつながった形、それをまたエクササイズという形でキャンペーンをする。そう いう意味では、これが広まっていくととても強い力になるのではないかと思っていま す。  久道部会長 メッツって何の略語なんですか。  田畑参考人 メタボリック・エクイバレントです。  久道部会長 そうすると、今までよく使っていたキロカロリーはほとんど使わない ようになるのですか。そうでもないですか。  太田参考人 ページで見ていただきますと6ページにございますけれども、メッツ の運動をどれだけやったときに、体重がどれだけだとどれだけのエネルギーという表 現になります。体重によって同じメッツの運動をしてもエネルギー消費が違う。大ま かに言いますと、3メッツの運動を1分間やると3キロカロリー使うという感じです けれども、それがもう少し詳しく書いてございますので、こういう換算を簡単にやっ ていただければ、すぐに運動の強度と時間と、それがエネルギー消費につながるとい うことでございます。  久道部会長 万歩計はキロカロリーの表示が出ますよね。これからはメッツが出る ようになるのですかね。  太田参考人 歩数計のことをいろいろ調べたことがありますけれども、センサーも 加速度センサーとか振り子センサーとかいろいろありますし、実際にはこれからそう いうことを、歩数という単なる回数ではなくてエネルギー消費に変えていくためにど ういうプログラムをしていくかという、機器の開発もだんだんそういう方向になって いくのではないでしょうか。精度も高まると思っております。  渡邊委員 今回非常にスマートな運動ガイドラインができたと思うのですが、やは り運動するためには環境が非常に大事だと思うんですね。食育基本法でもディスカッ ションされたのですが、生活習慣病予防のために食事と運動だということなんですね。 それで運動環境が大事だということになりまして、国土省の方では今度道路の枠を地 域地域に適したものに変えて構わないという案を出すそうでして、ぜひこれは地域地 域で歩きやすい道をまず準備していただくということにしませんと、かんかん照りの 中1万歩歩いて脱水で倒れたなんていうことになりかねないので、ぜひ御配慮をいた だきたいと思います。  高橋(清)委員 ちょっとピント外れなことになると思いますが、今歩く環境とい うことでお話が出たので常々私が疑問に思っていることをお話ししますけれども、や はり今は歩かなくても済む環境がどんどんできてしまっているんですね、エレベータ ーとかエスカレーターとか。それから地方では、車で駅まで行って列車に乗る、ある いはショッピングも車で行って済ませるということで、ほとんど歩く機会がないので、 やはり歩かなければならないような環境をつくる工夫も必要なのではないかと思って いるのですけれども。ちょっときょうの話題とはずれるかもしれませんが、そういっ た面の検討もこれから重要なのではないでしょうか。現に今この5年間で歩数が1,00 0歩減っているわけですよね。ですからその辺も検討課題かと思いますけれども。  久道部会長 ほかにございませんか。それでは前に進みます。議題5の健康運動指 導士制度の見直し及び健康増進施設の認定基準等の改正についてであります。第15回 及び第20回の部会において報告をいただいておりました健康運動指導士制度の見直し については、6月16日に最終報告を発表されたところです。その概要について、小澤 委員より報告をお願いいたします。  小澤委員 貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。ただいま座長か らお話がございましたように、この6月に、健康運動指導士の新しいあり方について 取りまとめをいただきましたので御報告させていただきます。資料といたしましてカ ラーのものと報告書本文と両方ございますけれども、カラーの簡単な資料5−1でご ざいますが、これに沿って御説明させていただきたいと思います。  ページをめくっていただきまして1ページでございますけれども、本日もいろいろ お話がございましたように、今後運動指導の専門家が必要になってくる背景を書いて ございます。これはもう先生方に御説明する必要もないかと思います。健康日本21と か健康フロンティア、それから本日もいろいろ御説明ございました医療制度構造改革 の内容に伴うものでございます。  ページをめくっていただきまして、2ページ3ページに主要な内容が書いてござい ますが、この財団で設置いたしました検討委員会、昨年の7月に設置いたしまして、 有識者、体育系の大学の方、あるいはフィットネス産業界等の関係者による御討議を いただいたということでございます。メンバー表は報告書の中に入ってございます。 検討の結果、健康運動指導士を中心にした御議論なわけでございますけれども、今ま で以上に安全で効果的な運動指導を行える専門家を目指していく必要があるというこ とでございます。  先生方は大体御承知かと思いますけれども、現状を簡単に御説明させていただきま すと、4ページの参考というところに簡単に現状がございますけれども、私どもは、 健康運動指導士それから健康運動実践指導者、この2つの養成を行っておりますが、 健康運動指導士につきましては昭和63年から、実践指導者につきましては平成元年か ら行ってきております。  身分的な資格といたしまして、当初から厚生労働大臣の認定事業ということで行わ れてきたわけでございますけれども、この認定制度は行政改革の一環で平成17年度を もって廃止されまして、したがいまして18年度以降は民間の資格制度ということにな っております。現在の数でございますが、健康運動指導士は、その下の方に書いてご ざいますけれども、全国で1万857名おられます。それから健康運動実践指導者、右 側でございますけれども、2万名強というような数字でございます。  この健康運動指導士は、仕事といたしましては、下の方の丸に書いてございますけ れども、安全で効果的な運動を実施するためのプログラムの作成、指導を行うという ことでございます。今までの資格取得の方法といたしましては、養成講習会というの を私どもが実施しておりまして、144時間講習会を終了していただいて、その上で試 験をして資格の判定をするということでございます。  実践指導者の方は右側に書いてございますけれども、作成されました運動プログラ ムに基づいて実践指導等を行うということで、これも資格の取得方法としては、養成 講習会というものがございます。講習会を受講した上で試験を受けていただくという のが1つの道でございますが、こちらの方は養成校制度というのがございまして、大 学それから短大を含めまして118校が現在養成校ということになっておりますので、 これらの卒業生の方々に試験をして資格を取得していただくという仕組みでやってき ているものでございます。  そこでまた戻っていただきまして2ページと3ページでございますが、今回の見直 しのポイントでございます。これからの運動指導の重要性にかんがみ、質的な充実を 図るというのが大きなポイントでございます。それからまた、多くの指導者が必要と されるということから、養成力の拡充を図っていくというのが2つ目のポイントでご ざいます。  具体的なポイントが1から5まで書いてございます。簡単に御説明いたしますが、 1番目はカリキュラムの充実をするということです。これは質的な向上を図るという ことで、養成講習会を現在の96単位から120単位、約3割ふやすということでござい ます。その具体的な内容といたしましては、医学的基礎知識の強化、あるいは行動変 容技法といったようなことを中心に、講習内容の強化を図っていきたいということで ございます。  それから2番目に、これも大きな点でございますけれども、健康運動指導士につい ても養成校制度を創設したいということでございます。対象となりますのは、4年制 の体育系大学ということでございまして、この上に掲げました講習内容をすべてカバ ーしているようなカリキュラムを組んでいただいている大学におきましては、大学で の教育を受けていただいた後試験だけで資格の取得をしていただくということでござ います。ポイント1のところにもございますけれども、大学で、現場での実習もあわ せてしていただくということにしております。  それから3と4というのは、より資格を取りやすくするというような措置でござい まして、3は既にある程度の知識、経験を持っておられる保健師さん、管理栄養士さ ん等については、講習会の一部免除をする。今までは、こういう方も全講習をとって いただいて21日間、実際は1週間単位で月に1回ぐらいでやりますので延べ3カ月ぐ らいかかっていたのですけれども、資格を取りやすくするということで、既に一定の 知識を持っておられる方についていは講習免除をするということでございます。また ポイントの4は、実務経験者についても資格取得の道を開く。これは経過的な措置で ございます。  それからまた、常に新しい知識を持っていただかなければいけないということで、 登録更新時の講習というものをさらに充実していきたいということで、登録更新時に は基礎講座と専門講座の2つに分けまして、基礎講座は当然とっていただくわけです が、共通の健康づくりをめぐる課題に対応すべく統一した内容で実施していくという ことでございます。それから専門講座につきましては、それぞれの経歴に応じて、活 動領域に応じた講座、医療、フィットネスとか、介護・福祉とか、そのような形で専 門講座をとっていただくというようなことでございます。  このような新しい仕組みで平成19年度、来年度から新しくさらに健康運動指導士の 養成をしてまいりたいということでございます。私どもは今後ともさらに質の高い運 動指導者が生まれますように努力してまいる所存でございます。以上でございます。 ありがとうございました。  久道部会長 それでは、ただいまの健康運動指導士制度の見直しを受けて、健康増 進施設の認定基準等の一部改正案について、中島参事官より説明をお願いいたします。  中島参事官 資料の5−3でございます。1ページめくっていただきまして、下の 参考の一番上の丸でございます。実はこの健康運動指導士、それから実践指導者とい うものは、この厚生科学審議会の前身でありました公衆衛生審議会での御報告を踏ま えて創設した資格ということになっております。そして、併せて厚生労働大臣が優良 と認定する健康増進施設といった制度がございますが、これについても公衆衛生審議 会の方で御報告いただいてその認定基準といったものを定めさせていただいた経緯が あるということでございます。  具体的には2ページ目でございますけれども、健康増進施設の認定制度ということ で、厚生省告示に基づきまして、運動型、温泉利用型、温泉利用プログラム型といっ た形での施設類型があって、ここに書いてあるような基準を満たしたものについて認 定している。さらには、より高いレベルをクリアできている施設については、医療費 控除の対象にもなり得るという形の仕組みをしているわけでございます。そしてそこ では、認定要件の(3)に書いてございますが、健康運動指導士の配置といったものを認 定要件として課しているという状況があるわけでございます。  1ページに戻っていただけますでしょうか。そういう形で制度を運用してきたわけ ですが、1ページの一番上でございますが、先ほど小澤理事長の方からお話がありま したが、行政改革の中で、この健康運動指導士という資格についての厚生労働大臣に よるいわゆるお墨つきといったものを廃止することになったということが1つあるわ けでございます。そうしたものもにらみながら、廃止になる半年前から既に健体財団 の方ではこの健康運動指導士制度の充実に向けて検討会を設置していただいて、1年 じっくり検討していただいて今御報告されたような制度改革といったものをやろうと いう形になったわけでございます。  そこで問題になりますのが、ここで言う厚生労働大臣が認定する健康増進施設に健 康運動指導士といったものを配置することを義務づけているわけですが、いわゆるこ れについては厚生労働大臣のお墨つきがなくなったということもありますから、どう したものかということで検討しなければいけないということなわけです。  それで真ん中の欄でありますが、ただ、健康増進施設に配置すべき運動指導者とい った者が全くどういう方でもいいのかということについては、必ずしもそうではない だろうと思われるわけでございまして、やはり健康運動指導士という資格が厚生労働 大臣のお墨つきでなくなった後も、一定水準のマンパワーをしっかり雇っていただい ている運動施設でなければならないだろうということで、このたびこの厚生労働省の 告示といったものを見直すことにしてはどうかということでございまして、また2ペ ージでございますけれども、認定要件の(3)のところ。  これまでは健康運動指導士の配置というところを、健康運動指導士またはこれと同 等以上の能力を有すると認められる者を配置するということに改めたいと思っており ます。したがいまして、必ずしも健康運動指導士でなくてもいいということになるわ けですが、ただ、それと同等以上の能力を有すると認められる者ということでござい ます。ここについては個別に判断していく必要があるわけですが、下のところに書い てございますが、いわゆる健康運動指導士の養成カリキュラムと同等以上の内容を修 得されたと認定できるかどうかという観点から、個々に判断していくことになるのか なと思っておりまして、今後こうした形でこの認定制度の運用をしていきたいという ことでございます。以上でございます。  久道部会長 今お二方から説明がありました。何か御質問ございませんか。よろし いでしょうか。それでは、ないようですので前に進みます。最後の議題になりますけ れども、スローガンの件です。健康づくりに係るスローガンについてでありますが、 「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」という、この「クスリ」のと ころでいろいろと問題が起こったということで、誤解みたいなものかもしれませんけ れども、「最後にクスリ」というところを誤解のない表現に変えるべきか。つまり「 クスリ」を除くか、あるいは原案のままでもいいかどうかということで、前回も終了 間際に皆さんにお願いしたと思いますが、考えていただきたいということであります。  事務局からは、資料6ですね。変えるとしたら幾つかの例が書かれてありますけれ ども、スローガン変更の是非について最後に御議論をいただきたいと思います。いか がでしょうか。まず、事務局は説明をしますか。はい、どうぞ。  矢島室長 資料6について簡単に御説明させていただきますが、今座長からもコメ ントをいただきましたけれども、まず変えるべきかどうかという御議論があるかと思 います。今までどおりのスローガンでいいというお考えもあるかと思います。そうい う意味で従来どおりというふうにするのか。もし変えるとするならばということで、 クスリというキーワードを取った場合考えられるとするならば、ここに2つあります が「1に運動、2に食事、しっかり禁煙」の後に「爽快生活」とか「爽やかライフ」。 今回、運動とかそういうところで、気持ちいいというのでしょうか、快適さとか、そ ういうものをかなり打ち出していますので、爽やかさみたいなものをキーワードにし てはどうかという考え方です。要するに、運動することによって爽やかだというふう な、汗を流すことを含めてそういうことが強くうたわれていると思います。  それから、クスリのワードを残すとするなら、やはり誤解のないような形というこ とが考えられますので、3番目といたしまして「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、 頼るなクスリ」という形にする。もしくは4番といたしまして「クスリの前にできる こと」これが主語になるわけですので、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙」とい うわけで、健康習慣というのでしょうか、まさにそういう習慣をつくるということを 訴える。クスリの前にできることは、やはり健康習慣をちゃんとつくることだという 流れで、このようなものを事務局としてつくらせていただきました。どうぞ御議論い ただければありがたいと思っております。  久道部会長 というわけですので、自由に御意見いただきたいと思います。この1、 2、3、4以外のスローガンでも結構ですが、何か御意見ありませんか。はい、どう ぞ。  加藤委員 私がお医者さんにかかると、薬をしっかり飲んでくださいねと言われる ので、既に薬を不可欠としている人にとっては、「最後にクスリ」と言われると、あ あおれもうすぐ死ぬんだなという気持ちになるので、大体どのくらいの人が今、既に 薬を不可欠にしているのでしょうか。大部分の人は薬を飲んでいないんだという見込 みであれば「最後にクスリ」でもいいと思うのですけれども。  久道部会長 今、有病者は何人ぐらいいますか。多田羅委員は出るかね。有病率。  多田羅委員 ちょっと今、資料はありません。  渡邊委員 肥満克服プログラムをうちの研究所でスタートさせたのですが、BMI 30以上の人に集まってもらいますと、大体半分から3分の2の人が何らかの薬をもら っています。私は「頼るなクスリ」というのはちょっと、医療と健康づくりとけんか するような雰囲気になってしまいますから、やはり生活習慣と医療の車輪の両輪で健 康をつくっていくという意味を考えますと、やはり原案の「しっかり禁煙、最後にク スリ」というのはなかなか簡にして要なスローガンではないかと思います。「クスリ の前にできること」というのも、じゃあ何のために何をするのかという主語、目的が ちょっと漠然としていると思います。  加藤委員 健康指導の中で、やっぱり薬を必要とする人はしっかり薬を飲みなさい と。例えば精神病の治療などでも、ともかく薬で治るものは薬で治してくださいと。 とにかくしっかり薬に頼りなさいという指導をする場面もあると思うのですけれども ね。だから、いつも薬は最後だと言われると、ちょっと薬にとってかわいそうだとい う気もするのですが。  内田委員 私はこの「クスリ」を入れることには反対します。この「クスリ」は、 医療機関からきちっと検査、診断を受けて処方された薬とはとれないですね。OTC、 一般薬の薬とか、健康補助食品とか、補助薬品とか、そういう感じの薬にとられてし まう可能性があるんですね。ですから、この「クスリ」は入れる必要は余りないので はないか。きちっとした医療というのをうたうのであれば「食事、運動、禁煙しっか り、かかりつけ医で健康管理」とか、そういう標語にしてもらった方が私はいいと思 います。  笹月委員 不健康な生活習慣というところに、ストレスというのが出てきています ね。ですから、やはりストレスをどう避けるかというところがここに出て来ると良い のではないか。それで私が今思いついたのは、2番をちょっと変更して「1に運動、 2に食事、しっかり禁煙、心にゆとり」。  井部委員 私もこの運動と食事の配列ですけれども、1番に食事が来るべきではな いかと思うので「1に食事、2に運動、しっかり禁煙」その後ですけれども、「クス リは最後」というふうにしたらいいかなと思ったのですけれども、今これを見ますと、 2番の「爽やかライフ」というのが爽やかに聞こえて響きがいいので、「1に食事、 2に運動、しっかり禁煙、爽やかライフ」を提案したいと思います。  久道部会長 食事と運動の順序は、井部委員が就任する前にかなり議論いたしまし て、実は結果的には運動が先になったんです。ですよね。これは議論しましたね。で すから、これをぶり返すとまた大変なので、これは勘弁いただきたいと。  井部委員 出おくれたわけですね。  久道部会長 手おくれなんです。それで、問題はやはり「クスリ」という言葉が、 製薬業界との関連でイメージが悪いというふうな話も1つあったと思いますし、今内 田委員から出たように、医療機関できちっと診断されて受ける薬とはまた別な意味で の薬を使うというふうにとられがちで、やはり反対だということもあります。殊さら にこの「クスリ」をぜひ入れるべきだという方はおりますか。  多田羅委員 その薬ですけれども、内田先生の御意見もありますが、何か薬という と悪者扱いしているところもあると思うんですね。しかし、例えば血圧とかに関して は非常にいい薬ができてきているので、私も実は運動しながら薬を飲んでいるんです。 だから、そこのところは一般的な薬というと、「最後に」とか「クスリの前にできる こと」と、どうも悪者扱いをし過ぎているところもあるので、やはり国民も有効な薬 は有効に使うということも、特に高血圧管理、糖尿管理などでも非常に大事なことだ と思うんですね。だからこの「最後にクスリ」というとどうも悪者扱いみたいだし、 それで私も案とすると難しいのですけれども、やはり薬に対する国民の評価というも のも余り一方的に悪者扱いしてしまうのもどうかということは、こういう審議会でも 確認しておいていただきたいと思うのです。悪者だから外してしまえという形になっ てしまうと……。  内田委員 決して悪者扱いしているのではなくて、薬というのがしっかりした医療 ということにつながったイメージであればいいのですけれども、ここに単に「クスリ」 というふうに出せば、いろいろなイメージでとられるし、あえて「クスリ」と入れる 必要はなくて、きちんとした医療というものにつなげるという形での表現の方がいい のではないかということを申し上げているのです。  渡邊委員 内田委員の御意見はもっともだと思うのですけれども、現実には糖尿病 の指導指針でも、まず医療にかかっても、運動、食事をしっかりやりなさいという指 導であるわけですね。そうしますと、最後が医療だと、医療にかかる前に運動、食事 をやるのかというイメージになってしまいますので、これは時系列的に考えればやは り運動と食事がとても大事なんだ、禁煙も大事なんだ、それでなおかつコントロール できない人は薬が必要である、というように考えていただくと非常にわかりやすいの ではないかと思います。  地主委員 私も医療との関係で一番考えるのですけれども、内田委員がおっしゃっ たように、医療というのは最後に来るというのが前提になっているように思えるんで すよ。だから、それまでに何をやるかということが今の動きの中では非常に重要な意 味を持つと思いますので、僕はやはりここに出ている言葉からいけば、2番がいいよ うな感じがするんですよね。医療はあえて言う必要はない。医療に行く前に何をしま しょうかということが重要な問題点になっているような気がしますので、医療を入れ るとすると結構面倒ですよね。だから、僕は2番がいいような感じがしますけれども ね。  富永委員 私はむしろ医療を入れる方に賛成でございまして、なぜかといいますと、 これは健康づくり、生活習慣病予防のスローガン。運動、食事、禁煙に心がけている と100%予防ができるわけではありません。せいぜい頑張っても半分予防できたらい い方ではないかと思います。ですから、生活習慣の改善だけでは完全にこの病気をコ ントロールできませんので、「クスリ」よりもむしろ「1に運動、2に食事、しっか り禁煙、最後に医療」としまして、医療の中に健診とか治療を含めて、最後に医療と し、医療も必要だということを明示した方がいいのではないかと思っております。  久道部会長 そうするとまた加藤委員みたいな印象を受けますよね。「最後に医療」 なんて、もう終わりかなんてね。  中島参事官 事務局としては原案どおりという案もあるのかなと。なぜこの問題提 起をさせていただいたかというと、メタボリックシンドロームの関係学会等から出て きたのは、いわゆる明らかに病気になれば当然薬なわけです。薬で治さなければいけ ない部分があるわけですけれども、いわゆるメタボリックシンドロームの該当者とか 予備群については、やはり薬では根治にはならないんだと。やはりきちっとした生活 習慣を身につけるということがまずあって、というところの御提言があったのだろう と。それで、本当に最後の最後に薬なんだよという形で我々は提示したつもりが、国 会等でも問題になったわけですが、このメタボリックシンドロームに対しては薬なん だという形で商品などが出ているじゃないかという御指摘があるわけです。  まず国民に対して情報提供すべきなのは、よい生活習慣を身につけるべきことであ るのに、その情報提供をしないままにメタボリックシンドロームにはこの薬だという 形。それはなぜかというと、「最後にクスリ」と言っていることでパッケージなのだ と。運動、食事、禁煙と薬がパッケージになって初めてメタボリックシンドロームと いうものに対処できるんだというような誤解があるかもしれないということで、市場 でもメタボリックシンドロームのための薬というのが売られているところもあるので この「最後にクスリ」というのは、安易に薬に頼っちゃいかんよということをこの委 員会として御確認いただいて、引き続きこのスローガンを用いるということもあり得 るし、いやいや、やっぱり言われてみればパッケージと解する余地もあるので、思い 切って何か変えた方がいいんじゃないかとなるとすると、4つぐらいの案があるのか なということでございます。  加藤委員 このスローガンは、メタボリックシンドローム専用のスローガンなので すか。それとも、健康一般についての国民に対するアピールなのですか。  中島参事官 私どもとしては、健康一般を認識していますが、とりわけやはり今度 の医療制度改革はメタボリックシンドロームに着目したいので、メタボリックシンド ロームをターゲットにこのスローガンを考えていただければと思っています。  内田委員 よろしいですか。再度申し上げますけれども、生活習慣病対策というの は、1つはやはり生活習慣管理なんですね。もう一方の柱が医療的管理だと思うんで すね。この「クスリ」というのだけでは、医療的管理ということにはならない。それ からもう一つは、市販薬や何かに誤解されるおそれもあるということから、この「最 後にクスリ」というのを入れるべきではないという私の主張です。  笹月委員 今ちょっと参事官が学会が云々と言われたのは、彼らは治療ということ を考えた上での話だと思うんですね。治療はクスリだけではいきません。運動、食事、 禁煙、それから薬だと。ですけど、ここに書かれていますように、これは健康づくり にかかるスローガンだとすれば、治療という形ではなくて今ある健康を守るというこ とだと思いますので、やはり私は「クスリ」はない方がいいのではないかと思います。  澁谷委員 私は「クスリ」はあってもいいと思うのですが、「最後にクスリ」では なくて、例えば「クスリは最後」というふうに言葉の順番を変えるとか、あるいは薬 というふうにただ聞いていると、それは片仮名なのか平仮名なのか漢字なのか、見た 印象が薬というのは少し違うと思うんですよ。ですから医療機関でもらう薬のイメー ジ、薬局で買うイメージ、それから先ほど出ていたサプリメントのようなイメージが あると思うので、そこら辺を少し工夫すれば私は「クスリ」を入れてもいいと思いま す。  高橋(清)委員 私は富永先生の意見をセコンドしますけれども、最初に健康づく りというのがあるわけですから、まずやはり日常生活の注意として運動、食事があっ て、禁煙があって、そして病気が発症する、あるいはそういう兆候があれば医療にか かるということで、ここに医療という言葉が入ってくると、ああこれは医療前に心が けるべきことなんだなということが非常にクリアになると思うんですね。ですから、 私は「最後に医療」というのが一番いいだろうと思います。  久道部会長 何かいろいろ意見が出ていますので、議論を進める上で参考にしたい ので、ちょっと手を挙げていただけないでしょうか。これで決を採るわけではありま せん。どういう考えを皆さん大体持っているのか、「最後に医療」とか新しい言葉は なしにして、まず「クスリ」というのを最初の案のように入れるか、入れないか。入 れた方がいいという方と、入れない方がいいという方の意向を見たいと思うんです。 そうしないとみんなばらばらでまとめようがありませんので、それをちょっとお知ら せいただきたいと思います。薬というのを、文言はどうであれ、片仮名であれ、漢字 であれ、入れた方がいいという委員の方は手を挙げていただけませんか。9人ですね。 入れない方がいいという方はどのくらいでしょうか。ちょうど9人ですね。私の意見 を言うと影響があるので言いません。これはどうしますか。これは急ぐのですか。  中島参事官 実は9月に健康増進普及月間なんです。そのポスターづくりがあって、 そのキャッチコピーをどうするかというので、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、 最後にクスリ」なのか、きょうお決めいただいたスローガンで全国にそのポスターを 張るのかというところでございますが、基本的には当分は「最後にクスリ」のままで、 また改めて来年以降新たなスローガンでという選択をしていただいても結構でござい ます。  久道部会長 最初の原案は、一応この委員会で決めた案なんですね。しかしながら、 外部の方からのいろいろな意見が出てきて、改めて検討し直してはどうかというのが 今回の皆さんの議論になったと思うのですが。きょう欠席した人の意見を聞く必要は ないね。この雰囲気がわからないからね。聞かないで、とりあえず現行のままで行き ますか。そして、なおかついろいろな御意見が出るようならまた改めて考えるという ことにして、ことしのいろんな月間、それはいつですか。  中島参事官 9月です。  久道部会長 何の月間ですか。  中島参事官 健康増進普及月間というものです。  久道部会長 ではこの委員会としては、今回は原案どおり決定させていただくとい うことにしたいと思います。よろしいでしょうか。それではどうもありがとうござい ます。予定の時間が大分過ぎました。その他ですが、事務局、何かがございますか。  矢野室長 今後の日程につきましては、第24回部会を8月または9月中に開催した いと考えております。詳細につきましては、後日日程を調整させていただきたいと思 いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。  久道部会長 それでは、きょうはこれで終わります。どうもありがとうございまし た。 (終了) ○問い合わせ先  健康局総務課生活習慣病対策室  調査総務係 竹之内・横山  電話 03−5253−1111     内線2346・2342