06/07/18 第1回 市町村保健活動の再構築に関する検討会議事録 第1回 市町村保健活動の再構築に関する検討会 日時:平成18年7月18日(火)13:30〜15:30 場所:経済産業省 別館 8階 825会議室 照会先:健康局総務課保健指導室(内線2398) ○出席構成員(50音順、敬称略)  有原一江、井伊久美子、伊藤雅治、大橋範秀、尾島俊之、鏡諭、佐伯和子、迫和子、  曽根智史、田尾雅夫、田上豊資、藤内修二、長谷部裕子、藤山明美、本田栄子、  山野井尚美 ○厚生労働省関係出席者  中島健康局長、梅田大臣官房参事官、野村保健指導室長、清野栄養専門官、加藤主査 ○次第 1.開会 2.議題 (1) 市町村保健活動の再構築に関する検討会の設置について (2) 市町村保健活動に関する課題について (3) その他 3.閉会 1.開会  加藤主査  ただいまより、第1回市町村保健活動の再構築に関する検討会を開会いたします。  本検討会の開会に当たり、厚生労働省健康局長よりごあいさつ申し上げます。  中島健康局長  皆さん、こんにちは。健康局長の中島でございます。本日は、御多忙のところ、また 天気の余りよろしくないところを本検討会に御出席をいただきまして、また、市町村保 健活動の再構築に関する検討会の構成員をお引き受けいただきまして、まことにありが とうございます。  御承知のように地域保健を取り巻く状況につきましては、近年、複雑化、多様化、ま た高度化してきておりまして、今年度4月の地域支援事業や障害者自立支援法の施行、 また、平成20年度からの医療制度改革などの制度改革が多く進められているところでご ざいます。また、行財政構造改革あるいは市町村合併等が行われまして、市町村の保健 活動も今、大変に大きな変革期にあるわけでございます。こうした背景から、身近な保 健サービスを行う市町村の専門技術職員には、国民が健康を保持・増進し地域で安心し て暮らせるために、以前にも増して高度な知識、技術、そして保健活動の成果が求めら れているところでございます。  このため、地域保健における行政機関としての役割を明確にした上で、市町村の専門 技術職員の業務のあり方や活動体制、人材育成等の課題を解決し、市町村保健活動の機 能を強化することが喫緊の課題でございまして、市町村保健活動の再構築についてぜひ 御検討いただきたいと考えているところでございます。この会議におきまして活発な御 議論、御意見をいただきますようお願いを申し上げまして、私のごあいさつとさせてい ただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  加藤主査  続きまして、資料1別添の構成員名簿に基づき、構成員の御紹介をいたします。  狭山市保健センター保健指導担当課長、有原構成員です。  有原構成員  有原でございます。  加藤主査  兵庫県立大学看護学部教授、井伊構成員です。  井伊構成員  よろしくお願いします。  加藤主査  全国保健センター連合会理事長、伊藤構成員です。  伊藤構成員  伊藤でございます。  加藤主査  三重県健康福祉部健康福祉総務室副室長、大橋構成員です。  大橋構成員  大橋です。よろしくお願いします。  加藤主査  浜松医科大学健康社会医学教授 尾島構成員です。  尾島構成員  よろしくお願いいたします。  加藤主査  所沢市保健福祉部高齢者支援課課長、鏡構成員です。  鏡構成員  鏡です。よろしくお願いします。  加藤主査  北海道大学医学部保健学科教授、佐伯構成員です。  佐伯構成員  佐伯です。よろしくお願いいたします。  加藤主査  神奈川県秦野保健福祉事務所副技幹、迫構成員です。  迫構成員  迫でございます。よろしくお願いします。  加藤主査  国立保健医療科学院公衆衛生政策部部長、曽根構成員です。  曽根構成員  曽根でございます。よろしくお願いします。  加藤主査  京都大学公共政策大学院経済学研究科教授、田尾構成員です。  田尾構成員  田尾です。  加藤主査  高知県中央東福祉保健所所長、田上構成員です。  田上構成員  よろしくお願いします。  加藤主査  南アルプス市保健福祉部健康増進課副主幹、長谷部構成員です。  長谷部構成員  よろしくお願いします。  加藤主査  大分県福祉保健部健康対策課参事、藤内構成員です。  藤内構成員  藤内です。よろしくお願いします。  加藤主査  神戸市保健福祉局健康部地域保健課主幹、藤山構成員です。  藤山構成員  よろしくお願いいたします。  加藤主査  熊本県立大学環境共生学部助教授、本田構成員です。  本田構成員  本田です。よろしくお願いいたします。  加藤主査  岡山県保健福祉部保健福祉課副参事、山野井構成員です。  山野井構成員  山野井と申します。よろしくお願いいたします。  加藤主査  続きまして、事務局を紹介させていただきます。  保健指導室、野村室長です。  野村室長  よろしくお願いいたします。  加藤主査  生活習慣病対策室、清野栄養専門官です。  清野専門官  よろしくお願いいたします。  加藤主査  私、保健指導室の加藤です。  なお、大臣官房梅田参事官でございますが、別の会議のため、おくれて出席する予定 でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、資料の御確認をお願いいたします。  座席表  議事次第  資料1.市町村保健活動の再構築に関する検討会開催要綱  資料2.市町村保健活動体制強化に関する検討会報告書  資料3.健康フロンティア戦略における保健師配置基準の策定に関する研究  資料4.新任時期の人材育成プログラム評価検討会報告書  資料5.市町村保健活動に関するデータ  資料6.検討会の今後の進め方(案)  以上でございます。資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出くだ さい。よろしいでしょうか。  それでは、次に本検討会の座長を選出したいと思います。御推薦がございましたらお 願い申し上げます。  藤内構成員  伊藤構成員でいかがでしょうか。  加藤主査  ほかにいかがでしょうか……。それでは、伊藤構成員にお願いするということでよろ しいでしょうか。                   (拍手)  それでは全員一致のようですので、伊藤構成員に本検討会の座長をお願いいたします。  伊藤座長  それでは、皆様方の御推挙によりまして、市町村保健活動の再構築に関する検討会の 座長を引き受けることになりました。  ただいま、中島健康局長のごあいさつの中にもございましたように、市町村の保健活 動を取り巻く状況は、近年、流動的に大きな変化を遂げております。そういう中で今後 市町村保健活動の体制を、市町村の管理者が整えていく場合に、指針となるようなもの を本検討会のアウトカムをつくりたいと考えております。各構成員の皆様方の御協力を お願い申し上げまして、簡単でございますがごあいさつにかえさせていただきます。  加藤主査  ありがとうございました。それでは、このあとの進行は伊藤座長にお願いいたします。 2.議題 (1) 市町村保健活動の再構築に関する検討会の設置について  伊藤座長  それでは、議事に入らせていただきます。  まず初めに議題の1でございますが、「市町村保健活動の再構築に関する検討会の設置 について」、その趣旨、検討課題等につきまして事務局から説明をお願いします。  野村室長  それでは、資料1に基づきまして御説明をいたしたいと思います。  資料1.開催要綱の中にこの検討会の趣旨について記載をいたしております。趣旨に あります内容は、先ほど健康局長のごあいさつにもありましたように、地域保健法改正 以降、市町村に多くの業務が移管されて、地域保健活動の多くを市町村が担う時代にな ってまいりました。その傾向はますますという状況だと思っております。そういった業 務が非常に多く行われている一方で、児童虐待などの処遇困難事例なども多く対応を求 められるようになってきております。  それに加えて、8割の自治体で合併が行われたということで、市町村保健活動の基盤 である自治体のサイズが変化する。ということは活動そのものに影響を与え、こういっ た大きなサイズでの市町村保健活動をどう構築していくのかということも課題になって きております。  そして、それに伴ってというか、今まであったことでもあるのかと思いますが、市町 村の保健活動はヘルス、俗に言う保健衛生分野だけで以前は行われていたわけですが、 今は介護保険、介護予防、障害者福祉、児童福祉等の福祉分野、それから今後は医療保 険制度改革で国保などの医療保険分野にも配置が広がる可能性もあるということで、保 健師等の配置の広がりが今後ますます進んでいく中で、どのような活動体制にしていく のかといった課題もございます。  そういったことが予測されておりましたので、この趣旨の半分以下のところにありま すが、平成17年度、昨年度、公衆衛生協会の地域保健総合推進事業において括弧でくく ってある検討会を開催いたしまして、18カ所の市町村に詳細な実態調査を行い、そこで の活動の実態を把握し、今後の課題を整理したところでございます。  こういった検討の結果を踏まえ、そしてまた昨年でございますが、配置基準の考え方 を厚生科学研究で行い、また同じ公衆衛生協会の事業で新任時期のプログラム作成の検 討会を行い、こういった昨年度行われました検討会、研究の報告を踏まえて、今後、市 町村の再構築に向けてどのような具体的なアクションを起こしていくのかといったこと を検討をお願いしたいと思っているところでございます。  検討課題として整理しましたのが、以下の2番に書いた6点でございます。  1番が、地域保健における行政主体としての市町村の役割の明確化です。民間活用が 進む中で行政としての役割を明確にしつつ市町村保健活動の体制を検討する必要がある ということで、1番目に挙げております。  2点目に、PDCAサイクルに基づく保健活動。これは、平成15年度に出されました 『地域における保健師の保健活動指針について』などでも明確にしておりますが、その 実態がなかなか伴っていないということもございます。  3点目は、今御説明した分散配置における活動体制のあり方。  4点目が、市町村保健活動をサポートするための周辺の支援、連携。例えば保健所の 支援や市町村の事務職員、NPO、住民組織等々の連携・協働、こういったところとの あり方の議論。  そして、配置基準の考え方。2番から4番、こういったものを踏まえた上での基準の 考え方の整理が必要かと思っております。  そして、活動を円滑にするためは、何と言いましても人材育成、これは重要でござい ます。こういった体制のあり方についても検討いただければと考えているところです。  検討会の開催の趣旨は以上でございます。  伊藤座長  市町村保健活動の再構築に関する検討会の設置の趣旨、検討課題について野村室長か ら御説明がありましたが、ただいまの説明につきまして御質問なり御意見があれば承り たいと思います。いかがでしょうか……。よろしゅうございますか。 (2) 市町村保健活動に関する課題について  それでは早速ですが、次の議題に入らせていただきます。議題の2は「市町村保健活 動に関する課題について」です。このことについては、昨年度、地域保健総合推進事業 において市町村保健活動体制強化に関する検討会が開催されておりますが、その座長で ありました藤内構成員より、昨年度の検討会において整理されました市町村保健活動の 課題について御説明をお願いしたいと思います。藤内構成員、よろしくお願いします。  藤内構成員  お手元の資料2「市町村保健活動体制強化に関する検討会報告書」をごらんいただき たいと思います。  目次をお開きいただきたいのですが、目次では、この検討会開催の経緯が紹介してご ざいます。まず、市町村保健活動体制にかかわる関係団体あるいは研究者からのヒアリ ングを行いまして論点を整理した上でインタビュー項目を決定しまして、先ほどの野村 室長のあいさつにもありましたように18の市町村に対する現地調査を行っております。 この報告は、主にその現地調査の結果をもとにまとめたものですが、目次の「現地調査 の結果」は(1)から(8)まで八つの項目について整理をいたしました。これから、こ の八つの項目ごとに現在の市町村保健活動の課題についてのまとめを報告いたします。  6ページが最初の「保健活動の体制」ということですが、報告書は、こういう保健活 動の体制から資質の向上に至るまで八つの課題についてすべて現状について述べたあと、 9ページになりますが、その課題について述べるという形で、まず現状について述べ、 その次に課題について整理するという書き方になっております。  では、9ページの「活動体制の課題」から説明をいたします。活動体制の課題につい ては、五つの課題が抽出されております。  まず、「マンパワーの不足」です。行財政改革に伴いまして定員削減が進められており まして、専門職だけでなくて事務職も減員されている。そのために、専門職員が専門的 な業務だけでなく事務職員の業務にも携わるという状況の中で、忙しさに拍車をかけて いる。さらには、産休代替も確保できていないという自治体も見受けられました。  2番目の課題が、「保健活動を統括するリーダーシップ」です。先ほど来、保健師が介 護保険であったり児童福祉、あるいは障害福祉といったいろいろな領域に分散配置され ているということは触れられましたが、こういう状況におきまして、本来、それらの活 動を統括することが必要ですが、そういう専門職員間のリーダーシップを取る人材がい ないために意思疎通がなかなかできず、専門職員の能力を十分に活用できない状況や、 地域全体の保健活動の課題をトータルにとらえることができない状況が指摘されました。  三つ目の課題が「専門職員と事務職との協働」です。本庁にいる事務職員、保健セン ターにいる技術職員の意思疎通、あるいはそもそもこうした保健活動の担当課長であっ たり担当の部長の事務職が保健活動についてなかなか十分な理解が得られていない。「保 健のことは何にもわかりません」とおっしゃる保健センター長が3年も4年もセンター 長をしているというような自治体もございました。  10ページ、4番目の課題は「専門職員の効果的な配置」です。専門職員もさまざまな 部署に配置されているわけですが、その配置されている職員の世代構成に偏りが生じて おります。具体的には、いわゆる対人保健サービスを所管する保健センターに卒業して 8年目、9年目までの若い職員がおり、逆に保健分野以外の福祉であったり介護保険の 領域にはベテランか配置されているといった状況。さらには、庶務係長といった事務職 ポストに配置された保健師もいるなど、なかなか専門職員固有の能力を発揮しづらい状 況にあることがわかりました。  また、市町村合併を行った自治体にあっては、まだまだ保健師の配置について過渡的 な状況にあり、多くの問題を抱えていることが指摘されました。  5番目の課題は「専門職員の職位」です。特に人事管理、採用であったり専門職員の 配置、人材育成にかかわる職員、つまり課長級に登用されているケースが非常に少なく、 自分たちの専門職員の配置について十分な意見を言えないまま、こうした保健活動体制 の課題が生じているということも指摘されました。  二つ課題が「保健活動の企画」ですが、これについては12ページの「保健活動の企画 に関する課題」で、これは三つほど挙げてあります。  1番目が「専門職員の情報収集と分析能力の向上」ということです。実際に住民や関 係者との対話を通して地域の実態を明らかにし、活動を具体化する手がかりを得ること が必要になるわけですが、住民との接点となる委託作業が実際は委託されたり、あるい は家庭訪問など地域に直接出向いていく活動が減少するために、情報収集が不十分にな ってきていることが挙げられました。  また、健康指標に関する情報収集が十分でなく、例えば医療費の診療明細書、レセプ トであったり死亡個票であったり、こうした健康に関する情報が個人情報保護法の厳格 な適用によってなかなか入手できない、自分の自治体の市民の状況について把握できな いという状況もありました。  専門職員のこういう情報収集が不足するだけでなく、分析能力、実際に健診データと か、活用できるはずのデータが必ずしも分析されていないということも指摘されました。  2番目が、「地域の実態に基づいた保健活動プログラの創造」です。保健活動の企画で は、住民の生活状況や地域の特徴に合わせた独自の活動プログラムの創造が必要となる わけですが、実際は国から下りてきた事業をこなすのに追われて、地域のニーズに基づ いた事業を組み立てることがなかなかできていないことが指摘されています。  3番目の課題が、「関係者との合意形成や施策形成の能力向上」です。保健活動を行政 の施策として位置づけていくためには、住民のニーズと行政の施策とのすり合わせが必 要です。上司や関係部署の職員と健康課題を共有し活動に向けての合意を得ていくこと が必要ですが、その辺が十分にできない。施策の流れをとらえて活動の必要性、意義を 明確にし、施策化していく上での課題をつかんで関係者と交渉していく、そうしたプレ ゼンテーション能力、会議の企画、運営能力を高めていくことが必要であると指摘され ました。  次は、「保健活動の評価」です。これについては16ページ、「保健活動評価の課題」で 三つの課題が指摘されております。  まず、Plan−Do−Seeサイクルによる保健活動がなかなか実現できていない。こうし たPlan−Do−Seeができるためには、企画の段階から事業の目的が明確になっているこ とが必要ですが、必ずしもそれが議論されていない。あるいは、評価をしようと試みて はいるのですが、何のために評価するのか、つまり、成果を確認するだけでなく効果的 な保健活動へ見直しをしていくといったところがなかなかできずに、結果的には評価の 不十分なまま新しい事業に追われるといった状況が見受けられました。  2番目の課題は、「保健活動評価のための情報収集や分析率の向上」です。これは、先 ほど来説明したのとほぼ同様なことが指摘されていますが、いくら市町村でこうしたデ ータを収集あるいは分析したとしましても、罹患率など、アウトカム評価の評価手法と なる統計情報がなかなか入手できない。例えば国の数値あるいは県の数値といった自分 の地域と比較する基準となるような疫学指標が必ずしも入手できる状況にないといった ことも指摘されました。  3番目が「評価結果の資料化と関係者の共通認識」です。せっかく評価しましても、 上司やほかの職員から保健活動の意義や成果を認められていないという状況が起こって います。それはなぜかといいますと、医療費削減といったことが大きな目標となり、医 療費削減につながっていないと評価されない。医療費が高かったりあるいは健診受診率 が低いというだけで保健活動が不十分であると批判されている自治体もございました。 こうした評価結果を目に見える形であらわしていないといったようなことが、結果的に 専門職自身も自分たちの行った活動の評価を実感できず、意欲をそがれている実情がう かがえました。  四つ目の現地調査における視点は、「地域に根ざした保健活動」ということです。地域 保健活動は保健に定められた保健事業を実施するだけでなく、地域の実情に合わせて必 要な保健サービスや社会資源等をつくり出していく。人的、物的資源を掘り起こし、協 働の活動を通して地域の力量形成を目指す活動です。最近はポピュレーションアプロー チということが言われますが、これはコミュニティアプローチといいますか、その地域 に根ざした保健活動の大切さということからその点について実態を把握いたしました。  19ページ、「地域に根ざした保健活動に関する課題」として指摘されたのが2点ござ います。  まず1点は、「住民と協働した活動を行う能力の向上」です。住民はサービスの受け手 であるだけでなく、健康に暮らせる地域をつくっていく主体です。保健事業を通して住 民組織へかかわり、住民の活動を支援し、あるいは保健計画策定に地域の代表を招くと いうような試みも行われてはいましたが、なかなか十分ではない状況がうかがえました。  2番目の課題が「住民ニーズを生かせる柔軟な業務体制」です。保健事業の増加や効 率的な事業の遂行を目的とした組織改革に伴い、住民の生活を見ることなく業務を遂行 するようになってきている。例えば健診がアウトソーシングされることによって、保健 師のところには健診結果は届くけれども住民の顔やあるいは住民の暮らしがなかなか見 えてこない。あるいは、配置される課や係が分散されるために、担当業務が狭い範囲の 業務になってしまいます。その結果、あらかじめ計画された事業の実施に追われる一方 で、家庭訪問など、必要性をとらえて計画し、地域へ出向く活動が減ってきております。 あるいは、細分化されることによって業務範囲が限定され、そこから外れたニーズが見 落とされたり、あるいは断片的に住民を見ることになり、個人と地域全体を関連づけて とらえる、つまり地域を見るということがだんだん弱くなってきているのではないかと いうことが指摘されました。  5番目が「市町村庁内における連携、協働」です。その課題については、22ページ、 市町村庁内における連携の課題が二つほど挙げられております。  一つが、「庁内各部署、関係者の役割や専門性の相互理解」です。保健活動の評価結果 を目に見える形であらわすことができていないがために、上司やほかの職員から見たと きに保健活動は一体何をやっているのかが見えない、といったことが指摘されていまし た。  (2)「保健活動の課題の明確化」。実際にこうしたほかの課あるいはほかの職種と課題を 共有していくためには、地域の保健活動の課題を明確にすることが必要です。健康増進 計画や地域保健福祉計画の策定などを通してこうした課題を明確にしている自治体もご ざいましたが、なかなかこうした計画策定そのものができていなかったり、あるいは業 者委託という形でこうした課題の共有ができていない自治体もございました。  6番目が「保健所との連携」です。25ページ、保健所との連携については、2点の課 題が指摘されております。  まず1点が、保健所の市町村支援体制の整備です。市町村の職員は保健所に対して保 健統計等の情報提供や研修、保健計画の策定や評価における助言や指導、困難事例や新 規事業に対する支援などを必要としていました。こうしたニーズがあるにもかかわらず、 保健所から必要な支援を得られていない。それがために、もはや保健所をあてにしてい ないといった声も聞かれました。保健所が組織の再編などによって市町村に対する相談 窓口が不明確になり、市町村は支援を求めようと思っても保健所のどこに、あるいはだ れに相談していいかわからないという声も聞かれました。  また、保健所と市町村の役割や機能が分化されたがために、両方の業務上の接点が少 なくなり、お互いに議論すべき共通の課題がないといったことも指摘されております。  2番目の課題が、「保健所の専門的技術力の強化」です。保健所は市町村のニーズにこ たえ、専門的な立場から保健活動を支援していくことが求められますが、そのためには コンサルテーション、あるいはそのスーパーバイザーとして能力が期待されます。また、 今回の調査でこういう保健計画の策定や評価についての保健所の情報提供の機能を期待 する声が挙げられましたが、保健所の情報収集・整理及び活用についてさらに強化が必 要だと考えられました。  7番目の柱は「関係機関・団体との連携」です。27ページに、関係機関・団体との連 携に関する課題を載せてあります。三つほど指摘されました。  まず一つが、「地域の社会資源に関する情報収集と関係づくり体制の強化」ということ です。地域の関係機関・団体を把握していない、あるいは存在は知っていても組織の構 成員や具体的な活動を知らないといったこともありました。  28ページ、二つ目の課題として、こうした課題を共有する会議の企画や運営がうまく できていないということが挙げられました。せっかくそうした関係機関・団体が近くに いても、保健活動の目的や目標を明確にし、何が課題なのかといったことを共有できず、 そのために連携した具体的な活動につながっていないということが挙げられました。こ ういう協議会といった会議を効果的に運営していく力も求められると思われます。  三つ目の課題が、「保健活動体制のための研究機関等との連携」です。今回の調査では、 大学等、研究機関とも連携していた事例もありました。このような外部との連携は、保 健活動を活性化し専門職員の技能の向上を促進すると考えられますが、残念ながらこう した連携はまだまだ一部の自治体にとどまっておりました。  最後の柱が「資質の向上」です。これに関しては、31ページに資質の向上の課題が3 点ほどまとめてございます。  まず1点が「専門職員の人材育成計画の明確化」です。実際に自治体に人材育成計画 があり、それに基づいて人材育成が行われている例は残念ながら少なく、財政、マンパ ワー不足から研修を受ける機会も減少しておりました。特に合併を行った自治体では、 研修機会は10分の1になったという声も聞かれております。虐待を初めとする新たな健 康課題への対応、複雑、困難化する個別事例の対応など、研修で学ぶべき点は多々ある わけですが、なかなかそのための機会が得られていないということがうかがえました。  32ページ、2番目の課題として「OffJTを受ける機会の確保」ということです。 これは、旅費等の確保が困難になったがために、中央であったりあるいはブロックの研 修に参加することができなくなってきた。より身近なところで質の高い研修の実施が求 められます。そうした意味で保健所の役割がますます大きくなろうかと思います。まだ まだ市町村の事務職員の中には、こうした専門職員の研修に対して理解が十分でないと いったことも見受けられました。人材こそ予算である、あるいは財源であるといった発 想から、資質の向上にもっともっと力を入れることが必要だろうと考えられます。  (3)「資質向上のためのOJT体制の整備」です。OJT、つまり実際の職場の仕事の 中でトレーニングをするためには、指導する立場の人の力量が大きく左右することにな ります。実は、指導的立場にある専門職員が少ない自治体も今回の現地調査では見受け られました。3年の保健師がまだ訪問経験がないといった自治体もございました。こう したOJTを可能にするためには計画的な専門職員の採用、つまり経験の浅い職員、中 堅職員、ベテラン職員がバランスよく配置されることが求められるだろうと思います。 このことは、OJTだけでなく、効果的、効率的な保健活動を可能にする大切な条件だ と考えられます。  以上、八つの柱に沿って市町村保健活動体制の課題について御報告をさせていただき ましたが、最後に、こうした課題を解決すべく今後の推進方策としてまとめたのが47 ページの図でございます。  たくさんの課題があるわけですが、あれもこれもということでなく、推進方策の最終 的な狙いとして市町村に求められる保健活動としてこの二つ、Plan−Do−Seeサイクル に基づく保健活動全体のマネジメントと地域に根ざした保健活動を実現する、そのこと を実現すべく、五つの強化すべき機能を整理いたしました。繰り返しになりますので一 つ一つ申し上げるのは避けたいと思いますが、これらの五つの機能を強化すべく、専門 職員の資質の向上あるいは市町村の組織体制の整備が求められますし、そのための国や 都道府県による支援体制の整備が必要かと考えます。  時間を少し超過いたしましたが、1年間にわたり議論し、あるいは18の市町村の現地 調査の結果を御報告いたしました。  伊藤座長  どうもありがとうございました。ただいま、藤内構成員より市町村保健活動の昨年の 検討会の報告書の中身を御報告いただきました。八つの事項について、それぞれどうい う課題があるかということを整理していただいたのですが、きょうは本検討会の第1回 でございますので、市町村保健活動の課題について構成員の皆様方の御意見をいただき ながら、30〜40分、フリーディスカッションをまずさせていただきたいと思います。  それぞれどういう市町村保健活動の課題があるかというその課題を明確にすることが、 この検討会の今後の検討のテーマと関連してまいりますので、特に市町村の現場の皆様 方から、今の藤内構成員からの報告も踏まえまして、どういう課題があるかということ についてぜひ御意見をお伺いしたいと思います。できれば短くても全員の方にお伺いし たいと思っておるのですが、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でござい ますが、まず田上構成員、いかがでしょうか。  田上構成員  高知県の田上でございます。  私は、この4月から久々に本庁から現場に出たばかりでございまして、まだ十分に見 えていない部分もあるのですが、今、藤内先生の話を聞く中で思いましたのは、古くて 新しい課題であり、随分前から同じことを言われていることがたくさんあるなというこ とが一つと、もう一つは昨今の合併とか財政難とか制度改正絡みの新たな課題が出てき ている部分と、二つあるなと思いながら聞いておりました。  特に後段の部分で感じましたのは、私の管内に二つの合併市ができたのですが、今の 段階から既に市町村の中でのすごい縦割りが進んできていること。私は保健所の立場で すので、今後ますます保険者の役割と市町村の役割が二つに分化する。市町村の中でま すます縦割り化し分化することが進んでいくだろう。もうそのきざしがすごく出てきて おりまして、保健所の立場としては、市町村の中で進む縦割りに対して間のつなぎ役と しての役割を果たさなければいけないのかなということを強く思います。  もう一つは、ヘルスの方からインシュアランスの方にお金も人も事業も何もかも大き くシフトしていく中で、ヘルスの方のコアコンピタンスは一体何なのか、といったとこ ろのアイデンティティをしっかり持った上で、それをきちっと主張していかないと。冗 談で私は言っているのですが、保健師というのを健康の健の保健師だけでなくて、もう 一方、危ないという字を使う保険師、健康の方の保健師と危ないの方の保険師の二つに なってしまうのではないかなと、それをすごく危惧しております。そういう意味でも、 一つ目のテーマにあります市町村の行政主体として何をしなければいけないのかといっ たところを今一度きちっと整理をし、それとインシュアランスでやるものとの関係性を きちっと提示していかないと大変なことになるなということを思います。  既に介護保険の世界でその問題が進行しております。包括支援センターができて、も う65歳から先は、あれは介護保険の仕事でヘルスではない、というとんでもない大きな 誤解が現実に進んでおります。包括支援センターに何もかにも包括する流れが今、進ん でおりまして、私は、いやそれは違う。インシュアランスを取り込んだ形の一般保健福 祉施策がもっと大きな守備範囲にあって、その中にインシュアランスとしての業務があ る。ですから、包括を包括した総合的な市町村としての取り組みが必要なのに、その部 分がほとんど姿が見えなくなってしまっておりまして、インシュアランスの部分だけが ひとり歩きをしている状況がもう既に始まっております。このことは、早急にそうでは ないのだというメッセージを強く出していかないと、ヘルスのアイデンティティが完全 に崩壊してしまうのではないかという強い危機感を持っております。以上でございます。  伊藤座長  ありがとうございました。その点は、医療制度改革で医療保険の保険者の健診と保健 指導のことが制度改正になりましたので、御指摘の点は大きなテーマの一つだと考えて おります。長谷部構成員、大変大きな市町村合併があった市の南アルプス市はそうでは ないかなと思うのですが、いかがでしょうか。  長谷部構成員  山梨は非常に市町村合併が全国的にも進んでいる県で、64市町村あったのが今は半分 以下になろうと。今からもまだ8月に合併するところもあったり、村が分かれてしまっ たりとか、非常に変わった合併というか、地域がだんだん非常に難しくなってきている 合併もありという中で、南アルプス市は平成15年の4月に合併をいたしました。山梨の 中では2番目の合併でしたが、6市町村が合併いたしまして7万2000の市になりました。 ことしで4年目を迎えますが、今、藤内先生からも説明があったこの検討会報告書は、 本当に私たちの現場で、ああそうそうと思いながらすべての文字を追いながら、今、私 の中で感じているのは、非常に自分たちがもやもやしているところを整理していただけ たなと思っています。  自分たちの活動の中で、合併した平成15年、16年度については、本庁機能と支所機 能という分散された機能の中でやっていましたが、昨年度から合併して一本化というか、 保健部門の保健師は1カ所に集まってやるようになってことしで2年目を迎えていると いう形です。その中でやはり保健師が、栄養士も含め、みんな元気がないのですね。何 だろうと思うと、この中にもあったのですが、地域が見えなくなってしまったのではな いかということが若い保健師の中からも出ています。  合併して1、2、3年で事業を整理することに一生懸命になってきた私たちだったの ですが、非常に元気がなくなってしまって、このままではよくないのではないかという ことで、今年に入り、少し地区活動を構築していこうということで、家庭訪問を見直そ うとか地域の住民の方と話し合う場を持とうとか、そういう形で少しずつなのですが動 き始めようと思っています。  もう1点は、地域の方たちと話し合う前に、私たち保健師、栄養士が地区をどう見て いるか、地区の中でどんなことが起こっているか、医療費の統計も含め、死亡も出生も 含め、そういうことも頭になく仕事をやってきた自分たちがいたので、もう一度医療費 を見直し、医療費の勉強会をあさってやるのですが、そういった職場の中でもう一度地 区を見直そう、そして地区に出ようということで、ことしは少しずつ地区の方へいきた いと思っているところです。  伊藤座長  今、お二人の方に皮切りに御発言いただきましたが、そのほかの方、いかがでござい ますでしょうか。  鏡構成員  所沢市役所の鏡です。今の報告をいただきまして、なるほどよくまとまった資料だな と拝見させていただきました。  思ったのはまず2点ありまして、地域包括支援センターの話が出ましたが、地域包括 支援センターが立ち上がる2年ぐらい前から在宅介護支援センターの扱いについてどう するのかというような検討の委員会がありました。そのときに、在宅介護支援センター というのは地域にとって必要なものであるから、さらに拡大していくのだというプロジ ェクトの目標だったのですが、御承知のとおり地域包括支援センターへと変わったとい うことがあります。  こういう報告を見ている中で、基盤となる老人保健事業の扱いは一体この後、どのよ うになるのかについて、触れられていないのがまず気になる点です。特に現場の保健師 は、今回、介護保険の地域支援事業の枠組みの中で、65歳以上の老人保健4事業分が介 護予防に組み込まれた。市町村によっては、それによって保健師を地域包括支援センタ ーの介護予防のケアマネジメントをするケアマネジャーとして充てたという実態もある わけです。この後、本当に地域保健が大事で、老人保健制度で行われてきた業務がどう 継続していくのか、またあるいは医療制度改革の中で地域保健というのがさらに充実さ れるかという方向性が、現場には伝わっておらず非常に不明確であるというのが1点、 大きな問題としてあるのではないかと思います。  あとの点は、特に考えなければいけないのは、全国一律で老人保健制度をどうするの かということではなくて、地域によっては特に医療と近接性の高い地域とそうではない 地域では、大きく地域保健の扱い方が違うのではないか、求められる活動も違うのでは ないかと思いますし、あわせて自治体の中で基本的には地域のヘルスの政策の考え方も 違うのではないかと思うのです。そこは、御指摘いただいたような点を積み上げながら、 本当に必要であればそこにも拡大するでしょうし、必要なければなくなることになるの ではないかと思います。そこは、極めて冷静な目で見てこの後の方向性を見つけ出して いかければならないのではないかと思います。  そういう意味では、保健制度の強化だけを言うのではなくて、例えば他の制度との関 係で、他の制度の中に組み込まれるのであればどういう形で組み込まれるべきなのか、 医療制度の中で生きていくのであればどういう位置づけになるのか、介護保険制度の中 でどういう関係を持つのかといったところも含めて考えていかなければいけない。ただ 単に老人保健事業は重要である。したがって保健師の役割は大きいのだと言っても、な かなかそこは理解が得られないところではないかと思いました。  伊藤座長  ありがとうございました。そのほか、有原構成員、どうぞ。  有原構成員  狭山市から参りました有原でございます。昭和59年に保健センターが設立され老人保 健事業を実施し始めた時から、やせる教室、高血圧教室、糖尿病教室と矢継ぎ早に事業 展開を図ってきました。それは、事後指導あっての健診だという考え方があったからで す。この時期にこれだけ実施できたのは、当時の保健所のバックアップとコンサルテー ションというのでしょうか適切な指導があったから、実行できたと思います。  当時は、がん検診にしても受診率を上げることが評価でしたので、受診率を上げるこ とに頑張ってきたという状況です。補助金をカットするという状況になった時に、これ から保健事業をどうすべきか、考えた時期もあります。結局、事業に追われてそのまま になってしまったのが現実です。  また、介護保険の準備において思ったことは、65歳以上高齢者について介護保険法で の対象者であるとしているものの訪問してはいけないというのは一つも書いていない、 ただ、補助金はないだけの話に関わらず、保健師が、65歳以上高齢者の訪問はしないと いうことはおかしいということでした。それは、ケアマネジャーと一緒に地域の問題点 を考え、保健師がすべてを担うことはできないだろうから、役割分担をきちんとしてい きましょう。それがマネジメントであり、そのマネジメントの中でどこに私たちは位置 するのだということを明確にしていけば、お互いに質の担保は図られるでしょうし、そ うしないと保険者機能を果たせないのではないかという考え方があったのです。  ただ、協議等の場で思ったことは、1250人の職員の中で、専門職は総勢で25名です。 2%に過ぎず、50人学級ですと49人はほかの人で、1人だけが、専門職という状況で、 なかなか繋がらないのが実態でした。部長は、有原君と話をしていると異文化コミュニ ケーションに近い状況があってなかなか理解できない(笑い)、とも言われましたし、そ れは、センターの中での協議はツーカーでいくのだけれど、外ではなかなかそれができ ないという状況で、だれが作ったのでもない、自分たちが作ったのですね。そこを自分 たちは猛省しなくてはいけないとつくづく思いました。  そして、鏡委員からお話がありましたが、在宅介護支援センターや地域包括支援セン ターの構築に関する計画段階のところに専門職を入れていただきました。その中で、事 務職がいかに数字を出せるか、説得できる文章作成能力の高さに、感心をしたところで す。これでは負けるな、と。勝ち負けの問題ではないのですが、効果的なプレゼンテー ションができるような専門職であるべきと痛感した次第なのです。  他にいろいろな計画策定に、センターの中堅職員を出しています。そして異口同音に 戻ってくることは、資料の多さと事務サイドの資料をつくる能力の高さです。それは自 分たちも求められており、努力しなくてはいけないのだ、ということになります。  今回の医療制度構造改革については、確かに保険者が主管となります。保険者主管と いうのは大改革なのだということを我々自身が納得しなくてはいけないなと思ったので す。このことにより、対象者が非常に明確にされるのです。今までは国勢調査等で何% と大枠で対象者だったのですが、今度は被保険者なのですね。人数が見えてきます。年 代別に実態をみましたら、60歳以上の受診者数が圧倒的に多くて、現実に保健指導を必 要とする、40、50歳代の受診が非常に少ない状況でした。これをどう解決するか。アウ トソーシングで解決できるか、恐らくできないだろうなと思うのです。  今後は、こうした点も我々自身がきちんと押さえて、何ができるかということを考え ていかないと、保健センターも指定管理者制度でいいのではないかという意見も多々出 てきます。しかし、その話を聞くにつけ、片隅でうなずいている自分がいることに非常 に怖さを感じているところなのですが、そういう危うさもあるのだということを専門職 としては自覚しなくてはいけないなと。行政に保健師としているのはなぜなのだという ことを今問われているし、考えなくてはいけないと、痛切に感じているところです。以 上です。  伊藤座長  どうもありがとうございました。できるだけ簡潔に……。  有原構成員  失礼いたしました。  伊藤座長  いやいや。現在、市町村が直面している課題は何かということに論点を絞って御発言 いただければと思います。そのほか、いかがでしょうか。  迫構成員  神奈川県秦野保健福祉事務所の迫でございます。私は、管理栄養士の立場から少し発 言をさせていただこうと思います。  私は、いわゆる保健所の管理栄養士という立場で、地域の中で市町村と一緒にやって いるつもりなのですが、一緒に見させていただき、話し合いをしている、そういう立場 でございます。私が実際に市町村を見ていて、本当に圧倒的に管理栄養士・栄養士の数 がいない。この数がいない中で非常に頑張っているなと。数がいないことは、逆の言い 方をすればすべての情報がその人のところに集まってくる可能性は高いというメリット はないわけではない。分散されないというメリットがないわけではない。しかし、実際 に事業を遂行していく中での人材の数が足りないということは致命的な問題になってく るであろうと感じております。  特にいるところといないところとの栄養・食生活対策関係の業務量について神奈川県 でもずうっとまとめているのですが、業務量そのものが10分の1ぐらいになってしまう。 それから、企画の部分にほとんどかかわれなくなって、常勤できちっと配置をされてい ることによっていろいろな計画その他の企画の部分にかかわっていくことが可能になっ てくる。そういう意味合いからすれば、一番大きな問題としては私どもは人員配置の問 題であると思っております。  先ほど藤内先生の御説明の中にありましたいろいろな課題は、本当に切実に感じてい る部分でございます。保健所の役割も大きなものもあるかと思います。期待されるもの が大きいわりに、保健所も今、嵐のような中にぶち込まれている。都道府県の人員の削 減問題という大きな嵐がありますので、あらゆる基本的な職種が減という状況になって いる。そういう中で、一人一人の資質で地域の中を統括しているような状況が見られる。 これが、やはり保健所が市町村の支援ができるような状態にしていく。そういう全体的 なレベルをそろえると言ったら変なのですが、やるべき業務として書かれてはいるのだ けれども明確に動ききれていないというところが、市町村だけではなくて都道府県の抱 える問題点にもなろうかと思っております。  伊藤座長  ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。  井伊構成員  私は、先ほど御報告のありました体制強化に関する検討会の検討委員としてインタビ ューにも何回か行かせていただきまして、その立場で、藤内先生の御報告とかぶるとこ ろもありますが少し加えさせていただきたいと思います。  まず、18カ所の市町村をインタビューさせていただきました結果から一番検討委員全 員が実感として感じたのは、市町村の格差が大変大きいということです。大変優秀な人 材がいて、そしてそれなりの自己点検、自己評価もしているところと、かなり活動はよ く頑張っているけれども、その自己評価、自己点検が十分ではないところと、それから、 余り十分ではないのだけれども余りそこに問題意識を感じていないという意味合いでの 格差が非常に大きかったというのがあります。  もう一つは、地域保健法以降の市町村の専門職の横の連携状況が非常に悪くて、やは り自分のところの活動のレベルをどう見ていくかというときに、他と比較するとか、ほ かの情報を得ながら、それを鏡にしつつ比較対照しながら自分のところの活動を見てい くのだと思うのですが、そのチャンスが非常に少ないというのが特徴的だったかなと思 っています。  それと、私は今、保健師の教育に携わっているものですので、そういう観点からいき ますと、保健師自身の力量形成、人材育成ということは大変に言われているのですが、 案外、保健師、栄養士という専門職としての基本的なベースが厚くなるような力量形成 に関する人材育成は余りなされていないというのが実感です。例えば生活習慣病予防の ことにいたしましても虐待の問題にいたしましても、これは問題の顕在化からどうして いくかということが必要なわけで、十分熟練した保健師でしたら介入をしていく、ある いは調査をしつつニーズを拾い、そしてそれを活動につなげていく動きができるだろう と期待されるところですが、残念ながらそうしたことにどの保健師も意識的に、あるい は栄養士も意識的にかかわれるような活動の幅がありませんでしたり、あるいはチャン スが少なくて余り熟練している形跡のない市町村保健活動もあるなという印象がありま す。  それと、これは今の課題ではありませんが、そしてそれは専門職の課題ではありませ んが、今後、熟練したベテランの方々が退職していった後、数少ない新任の人たちがど のくらい育っていくのかというようなことも、検討会ではかなり議論になったと思いま す。現在の看護系大学で教育をされて卒業して保健師になる人がこれからふえていく中 では、看護系の4年間で保健所、市町村に数日、多くても7〜8日ぐらいしか実習をし ていかない、そういう現実があるわけですので、これからそういう人材が本当に十分確 保できるのかということが課題になるのではないかなと思いました。以上です。  伊藤座長  ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。  山野井構成員  岡山県の山野井と申します。今、岡山県における現状をお話しさせていただいて、保 健所支援のあり方ということにも触れさせていただけたらと思います。  78市町村が29になり、年度末には27になります。市町村合併時には想定しなかった 弊害も生じてきているようです。保健事業の詳細なすり合わせについては、合併後すれ ば良いと後回しになり、住民とともに健康づくりを行っていたり、計画づくりに基づい てまちづくりを行っていた活動が平準化され、消えてしまいそうな現状があるのも事実 です。  また、住民から、新市町村の旧町に相談に行ったときに、顔のわかる職員がいないか ら相談できなかった、合併は本当に良いことだったのだろうか、住民サービスは低下さ せないというのは本当だったのかという逆のクレームも耳にしております。  そのような声が聞こえてきますのも、私のおります保健福祉課は、全国でも珍しく29 の市町村の保健師を統括する役割がまだ残っています。それに合わせまして、保健所の 保健師を統括をする場所でもあり、保健所の機能を考える部署でもあります。保健所の 機能や機構改革については本日は触れませんが、すべての市町村からの情報がいろいろ な形で挙がってくるという立場にあります。  地域包括支援センターに関して申しますと、岡山県は直営実施について、法改正の前 から強力にお願いをしてまいりました。その結果、29の市町村のうち28市町村は直営 で実施になります。市町村の保健師が約500名弱おりますが、この4月に約20年以上の 勤務の保健師が64人、地域包括支援センターに行っております。それに合わせて地域包 括支援センターと保健部門と兼務をかけ、福祉と兼務をかけられ、それにこの4月から は国保と兼務をかけられた保健師も数名おります。そんな中で、1人の能力、1人の体 を切り盛りしながらどう分けていくか、大変難しい状況があるのも事実です。  それから市町村の関係職員の数の問題ですが、大勢になったことで数の確保が非常に 難しい中、大変ありがたいことに、県内保健師の採用が20数名ございました。新人の現 任教育については各自治体の責任で担うことが前提なのですが、県保健所の市町村支援 の観点から、新人のいる市町村へ出向いた支援を、具体的に行動目標の設定等どこまで 掲げられていくかの介入を行っているところです。  もう一つ、県保健所が市町村支援としてこの4月に体制を組み直してやっているのは、 市町村も縦割り行政になり、機能分化、細分化されつつある保健・福祉の業務について、 市町村内で話し合う場もなく、保健には地域包括支援センターの情報も一切入らないと いう現状もありまして、市町村それぞれの保健と福祉と関係者を集めて、現在、市町村 に話し合いをする場を設けました。これは実は各市町村に好評で、隣に座っている隣の 係の人と話をしたことがないというのが本当に市町村では現実に起こっているのですね。 それは何とかしなくてはいけないし、何を具体的にどうすればいいかわからないのです が、そこには保健所が支援できる何かがあると思っています。  もう一つ、合併して思いますのが、地域保健関係者が多数となりましたときに、今ま で働いてきた人の働き方が認められれば管理職、保健師でも保健課長になっています。 が、同じような働き方をしているのに、その長に認められないから管理職になれないな ど、市町村格差が大きく、そこで、リーダーになるために必要な能力が養われるよう中 堅からのシステムづくりも必要であると思っているところです。以上です。  伊藤座長  ありがとうございました。今、7〜8人の方からいろいろ現状を御報告いただきまし たが、この辺で、今までお聞きいただいて、佐伯さん、どんなふうに感じられましたか。  佐伯構成員  私は主に今まで人材育成を中心にして現場とかかわってきました。人材育成から見て も、今出たように中堅の指導者が育っていないということ、それから管理者が管理者と して育っていないということがありますので、組織をうまく動かせないという現状が起 きていると思います。本当にただただ忙しくて混乱している、というのが多くの市町村 の現状のように思います。  伊藤座長  ありがとうございました。曽根さん、いかがでしょうか、全体をお聞きになって、市 町村保健活動の現状の課題というようなことで少し総括的に御発言いただければと思う のですが。  曽根構成員  市町村保健活動に影響を与えている要因としては市町村合併というのはかなり大きい し、それから福祉等への分散が進んでいることが大きい。藤内先生の報告書も含めてそ のような意見が多かったと思います。  それから、井伊先生がおっしゃられた、市町村格差が大変大きいということは重要で す。、やっているところは一生懸命やってシステムがうまく回っているけれど、そうでな いところも多い。そして、合併は格差を広げる方向に働いている可能性があります。そ こを何とか底上げするような働きかけ、何らかのシステム、あるいは提言をしていかな ければいけないのかなと思いました。  それから、これから一般的には人員がふえない状況の中で既存の人材をどう育成して いくか、それから業務が多様化している中でどのような人材育成をしていくか。そのコ ンテンツもそうですし、その体制づくりの枠組みをきちんと示すことが必要です。都道 府県としてあるいは国としてのサポート体制を構築していかないと、活動がどんどん先 細りになっていくおそれがあります。最初の方で話がありましたが、専門職としてのア イデンティティがどんどん失われていく中で、それをどう盛り返していくのか、それを 新しい活動にどのようにつなげていくのかというところが、今後具体的な作業として現 れてくるのかなと思います。以上です。  伊藤座長  現状における課題について少し御意見をお伺いしましたが、これだけでも課題の整理 というのは少し時間がいると思いますが、特にこの件につきましてどうしてもこの機会 に御発言ということはありますか。  本田構成員  熊本県立大学の本田でございます。私は市町村栄養士配置促進の必要性というところ で少し発言させていただきたいと思います。  確かに藤内先生が今回出していただいた課題は納得するところでございますが、今回 の課題として、市町村合併が進む中で、人材確保面では、特に市町村の栄養士の配置が 伸びていないことです。市町村合併で市町村の管轄範囲は広くなる中で、住民ニーズに 応じた地域保健活動ができているかといったときに、対応の困難さも出てきているよう に思えます。  市町村自体も住民ニーズが捉えにくくなってきているところは、専門職種の人材不足 にも係わってくるのではないかと思います。  それとあわせて、地域保健法制定後、福祉関連の法的改正や、介護の問題、特に高齢 者の低栄養等、日々変化してきています。その中で人材配置に関しては、保健指導等の 面の人材はアウトソーシング化の傾向が見られます。市町村合併後の住民ニースに応じ た保健活動の展開のキーは保健師・管理栄養士にかかっていると思います。市町村管理 栄養士・栄養士をいかに体系づけ、配置していくかが、これから大きな課題ではないか と考えています。  伊藤座長  ありがとうございました。アウトソーシングの問題等もまた、この検討会で取り上げ ていきたいと思っております。  それでは、市町村保健活動の課題についてのフリーディスカッションはこの辺で終了 させていただいて、少し前に進めたいと思います。本検討会の課題の一つに専門技術職 員、主として保健師、管理栄養士等だと思いますが、この配置基準の考え方の問題がご ざいます。このことに関連いたしまして、健康フロンティア戦略における保健師配置基 準の策定に関する研究が昨年度の厚生科学研究で行われております。その概要について、 分担研究者でございました田尾構成員と尾島構成員より御説明をお願いしたいと思いま す。初めに、田尾構成員からお願いいたします。  田尾構成員  私は研究会に参加して、皆さん方の御意見を今お聞きしていまして、私は立場的には やや部外者かなという印象を受けております。私は専門が組織論で、特に非企業といい ますか、政府組織とか医療福祉、あるいはNPO、NGOといったような利益をあげな い組織の経営学を主にやっております。当然、ここで皆さん方がお聞きしたようなこと も私の視野範囲に入っておるはずなのですが、お聞きした話が新鮮でありまして、これ からいろいろ勉強させていただこうという気持ちでおります。  私はやや皆様方とスタンスが違うかなということは、私は経営学的なスタンスを持っ ているものですから、いつでも組織の効率とか能率を議論したがる立場であります。た だ、その観点からいきますと非常に問題点が多いのがこういう医療、福祉という組織で ありまして、これ自身が本来は効率とか生産とはそりのよくない分野でありまして、皆 さん方の議論の中にありますように、私はこういう組織を、あるいは経営体をそれほど 生産性とか効率を重点に置くような経営は反対といいますか、不可能というか困難であ ろうという論点を持っておりますが、やはり組織を経営というか保健事業を経営すると いう視点からいえば、ある程度損しても大事であろうかなということで議論させていた だいております。  具体的な話は尾島構成員から後でやっていただくとして、私は雑駁な議論であります が、とりあえずは簡単な紹介をさせていただこうと思っております。私は資料3の7ペ ージから12ページまで担当させていただいております。今後、保健師を組織あるいは経 営体に配置する場合にどういった論点が必要であるかということであります。  一つの論点として言えば、これから、今、皆様方が言われたように、行政の役割は多 分それほど少なくならないであろう。12ページの図を見ていただいて、私もこの図を見 てびっくりしたのでありますが、もしも保健師の業務を二つに分けて、現場中心の直接 サービスと間接あるいは企画調整にかかわる仕事を見ますと、サービス事業のようなサ ービス分野は微減傾向であります。それに対して企画調整ということは微増傾向である。 多分今後ともこの差は縮小していくであろうということは、傾向としてうかがえるとい うことです。  これをとりあえず議論のベースにしておきまして、私の関連分野の議論をさせていた だきますと、これから市町村も含めた公的セクターに関して言いますと、それが現場に 関するサービスも重要ですが、徐々に市町村という自治体に関して言いますと、政策官 庁化に向かうであろう。政策官庁化に向かうと、保健師の方々もそれに向けたような人 材育成といいますか、分野についてのそれ相応の技能の開発が大事になっていくであろ うということを申したいわけであります。そういうことで言えば、これから地域の保健 活動において、相変わらずサービス事業は大事ではありますが、それだけではなくて、 今後一層ブレーンとしての、つまり政策立案にかかわるような保健師の活動が大事にな っていくのではないかと。それが議論されます第1の論点ではないか。  そういう方向に向かった場合、自治体あるいは保健師、保健所はどのようにかかわっ ていくかということを議論させていただければと考えております。  非常に雑駁な議論でありますが、大体以上です。  伊藤座長  ありがとうございました。  続きまして、尾島構成員からお願いいたします。  尾島構成員  それでは、今の資料3の続きの13ページ以降の分担研究報告について、簡単に御説明 いたします。  まず資料3の15ページからの、国立保健医療科学院の筒井先生の分担分について御説 明いたします。  17ページ、「研究目的」ですが、市町村保健師自身が重要と考えている業務及び保健 師が評価してほしい内容等を明らかにする。市町村保健師の業務内容と関連する要因を 明らかにする。市町村保健師の連携活動得点別に業務内容別時間を明らかにする。そう いうことでまとめられております。  「方法」ですが、二つのデータを使って分析をしています。  まず一つが、「市町村保健師の連携活動等に関する全国調査」のデータでございます。 これは、全国の市区町村に所属する保健師全員、平成15年当時、2万1631人全員を対 象にした調査です。同意か得られましたのが1万6352名で、その方々について調査をし ております。調査内容は、保健師にとって重要な業務、どのような業務を評価されたい か、などについて自由記載をしていただくことと、あと、連携活動能力評価尺度という ものを使いまして調査を行っております。もう一つが、厚生労働省の保健指導室により ます保健師活動調査のデータを使っております。  113ページが「保健医療福祉職における連携活動評価尺度」ということで、15問の質 問に答えまして、連携活動の評価をするという尺度を筒井先生が作成されて調査を行っ ていらっしゃいます。115ページから117ページまでが保健指導室での保健師活動調査 についてでして、116ページ、117ページにその調査における業務の分類が書いてござい ます。このような分類ごとに、1カ月間にどのぐらいの業務に保健師が従事していらっ しゃるかということを調査しております。こちらの保健師活動調査は全数ではなくて、 抽出された市町村について調査を行っているものです。  結果の概要ですが、29ページは保健師の全数調査で、自由記載として保健師がどのよ うな業務を重要と考えているか、自分たちの中核的な業務としては何があるのかという ことを聞いている結果をまとめてございます。単純に一番多いのが「健康づくり事業」 です。それ以外に「事例への関与」というのが幾つか事例の種類によって分散されてお りますが、2番目の「危機介入事例への関与」、「処遇困難事例への関与」、また「虐待事 例への関与」、「ハイリスク事例への関与」などもございます。事例への関与を合計しま すと「健康づくり事業」よりも多いのですが、このあたりが保健師からみて重要だと思 っている事業ということになります。  31ページは、保健師にとって重要な能力は何であるかということを保健師に自由記載 で書いていただいた結果です。一番重要なものは他機関・他職種との連携である、とい う回答が一番多かったということです。そのようなこともありまして、この連携活動評 価指標を用いまして、より詳しく数量的に分析しているということになっております。  次の論点ですが、70ページに保健師活動調査の結果からどのぐらいの保健師業務を提 供しているかということを出ております。それを管内人口で単純に割りまして、住民1 人当たりに1カ月間にどのぐらいの保健師の業務時間が提供されているか、という分析 が行われています。一番長い市町村は住民1人当たり15.44分、一番短い市町村は0.33 分ということで、市町村によって大きな格差があるということをまとめております。  99ページに、連携活動評価得点の分布を示しております。多少デコボコはございます が、おおむね正規分布をするような得点分布をしております。  このような指標を用いまして見ているのですが、106ページは、先ほどの保健師の全 員に連携活動評価得点を聞いたものと、保健師活動調査で各市町村でどのような業務に どのくらいの時間を割いているかというものをリンクして分析したものです。その市町 村の保健師の連携得点の平均値によりまして市町村を連携得点が低い市町村、標準的な 市町村、高い市町村と3群に分けまして、それぞれの市町村別に業務時間がどのように なっているかということを示しております。  106ページの上に数表で、下にグラフで示しております。下のグラフで白い線が連携 得点が高い市町村の分布になっておりますが、高い市町村においては特に地区管理、ま た健康教育、地域会議などの業務に、より時間を割いている傾向がみられておりまして、 連携がよくできているような保健師のいる市町村ではこういう業務に力を入れて時間を 割いていることがわかります。  ここまでが筒井先生の分担研究ですが、次に、119ページから私の分担しました報告 書について簡単に御説明したいと思います。  私の分担は「帰納法による配置基準の検討」ということで、各市町村で保健師をどの ぐらい配置するのが良いのかということの参考になりますことをねらいとしています。 現状の全国の市町村でどのぐらいの配置状況であるかということを明らかにしまして、 よその市町村の数を参考にしながらうちの市町村の配置数を決めようという場合の参考 にしていただこうという研究です。  研究方法ですが、市町村合併が一段落します平成18年3月31日現在、これは、研究 している段階では未来の時点だったのですが、その時点で合併した状態を想定して、い ろいろなデータを結合して分析を行いました。保健師数は平成17年度保健師等活動領域 調査のデータを使いまして、そのほか、人口、面積、その他いろいろな既存データを使 って分析いたしました。これらの数字は大体の数字が対数正規分布をするものですから、 常用対数変換をしまして幾何平均を求めるような考え方で計算をしております。  次に120ページですが、一つは、今の保健師数について回帰分析をして標準的な数を 出そうと。もう一つは、保健師活動の業務別の割合についての回帰分析も行いました。  125ページの結果についてです。人口当たりの保健師数を目的変数にしまして、いろ いろな地区の変数を説明変数にしまして回帰分析をし、どのような変数で主に規定され ているかということをみております。一般市町村においては、ある意味、当然なのです が、人口で一番規定されていることがわかりまして、まずは人口ごとに決めるのが良い だろうということになりました。次に、人口で回帰分析しました残差について、それを 目的変数にして回帰分析をしますと、次に効いておりますのが市町村の面積ということ がわかりました。以上が、保健所を持たない一般市町村の場合です。  次に、保健所の設置市については、一番効いておりましたのが中学校数、また小学校 数、次いで人口という形でした。小学校数、中学校数は人口と非常に関連が強いですし、 基本的には人口でみる方が自然だろうということで、まずは人口でみることにしました。 人口で回帰しました残差を目的変数にしますと、次に小学校数が効いているということ になりました。  この小学校数、中学校数という変数を使っている理由なのですが、これは、きょうも 御参加いただいています藤内構成員から、保健活動というのはコミュニティに対する活 動というのが一つの柱だろうということで、コミュニティの数の指標として何かないだ ろうかという御提案がございましたものです。回帰分析で入れてみましたところ、かな り効いていることがわかりました。  126ページにその結果で、この現状をもとにした配置基準を出しております。それぞ れの人口規模ごとに、幾何平均に相当しますが、平均的な市町村においては保健師数が それぞれこのような人数になります、と示しております。平均プラス標準偏差に相当し ます市町村、これは理論的には上位16パーセンタイルに相当するのですが、そういう市 町村ではこのぐらいの人数になる。プラス2倍の標準偏差に相当する市町村、これは理 論的には2.3パーセンタイルに相当しまして、おおむね各県で1、2位を争うぐらいに 保健活動を一生懸命やろうという場合にはこのぐらいの保健師数がいるのではないか。 逆に、平均マイナス標準偏差の場合の数というふうに示しております。  この結果は、まずは人口規模別に示しておりまして、次に面積による加算というのを 示しております。保健所設置市についても、同様に人口規模別と小学校数による加算と いうのを示しております。  127ページですが、保健師の配置基準といいますと、今まで一番広く頼りにされてお りましたのが、平成5年度厚生科学研究の古市班による「保健師の配置のガイドライン」 という数字がございまして、それと今回の数字とを比較対照してまとめてございます。 古市班の報告書では、本文中に人口区分別に示してある表と、最後に参考資料として人 口及び65歳以上人口割合から回帰して示しているものと二つ数字が載っておりまして、 その二つを並べて書いております。今回の数字と古市班の基準と比べますと、思いのほ か、かなり一致しておりまして、ただし、人口1万から3万と7万の市町村において古 市班の基準よりも現状の保健師数が多いという結果になっております。  128ページは、いろいろな保健師活動の時間割合を目的変数として、人口当たり保健 師数、また人口規模を説明変数として回帰分析をしております。保健師数が多い・少な いによってどのような業務に、より時間を割いているかということをみております。表 5において、保健師数が多いほど少ない業務として一番傾きが大きいのが健康教育でし た。傾きがマイナス7.7で、保健師数が多くなるほど健康教育に割く割合が少なくなる。 次に保健指導などとなっております。逆に、保健師数が多いほど割く時間が多い業務と しては、地区管理が出ております。  表6に、今の回帰式を使いまして、いろいろな人口やいろいろな保健師数においてど のような業務にどのぐらいの業務時間割合を割いている計算になるかというのを示して ございます。  最後に129ページに、人口10万人で、あと、今回平均的な基準になりました10万人 の場合、保健師18人ということになりますが、そのような市町村を想定しまして保健師 活動時間の内訳例を示したものです。保健師1人当たりの年間業務時間が1800時間とし ますと、保健師全員の総業務時間がどのぐらいになるかというのを計算しまして、先ほ どの表6で求めました業務時間割合を使いまして、各業務時間を求めています。そして、 各業務の内訳を考えますと、大体このぐらいずつ行うことになります、という一例を示 しております。  以上でございます。  伊藤座長  どうもありがとうございました。きょうは、時間の関係でこの研究報告書についての 質疑は省略をさせていただきたいと思います。いずれこの検討会で専門技術職員の配置 基準の考え方について御議論いただきますので、保健師だけでなくて管理栄養士等につ いてもあわせて御議論いただきたいと思いますが、そのときの御議論に備えて、今の説 明に加えてそのときまでにお目通しをいただいておけば幸いでございます。  では続きまして、専門技術職員の人材育成体制のあり方についても本検討会の課題の 一つでございますが、このことに関連いたしまして、昨年度、新任時期の人材育成プロ グラム評価検討会が開催されておりますので、佐伯構成員からこの検討会の結果につい て御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。  佐伯構成員  資料4をごらんください。地域保健従事者の資質向上については、平成14年度に「地 域保健従事者の資質の向上に関する検討会報告書」が出され、以後、15年には「新任時 期における地域保健従事者の現任教育に関する検討会報告書」、16年度には日本公衆衛 生協会の委託事業として7カ所の自治体で人材育成プログラムが作成され、「新任時期の 人材育成モデルプログラム作成事業検討会報告書」としてまとめられました。平成17 年度は、この平成16年度検討会で作成された人材育成プログラムの利用状況の把握を行 い、その上で新任時期の人材育成モデルプログラムの指針について検討いたしました。  では、報告書の内容について御説明いたします。  最初をあけていただくと目次があります。  4ページをごらんください。最初に、基本的な考え方について述べています。新任時 期の人材育成プログラム指針は、人材育成上、最も重要な時期である地域保健に従事し て1年目を対象とした人材育成の進め方について、各自治体が対象者個人の能力に合わ せながら能力開発を着実に行うための教育プログラムを実践できることを目的としまし た。  第2に、地域保健活動の実践で求められる能力を統合整理し、新任時期に必要な能力 開発を着実に行える具体的な人材育成ガイドラインとして教育目標を設定しました。  教育目標については、6ページをごらんください。教育目標は、対人支援の基本とな る事例の個別支援と担当する保健事業が実施できることとし、実践活動を通した能力の 育成が重要であると考えました。  1年目に重視したい10の目標の構造を、7ページの図2に示しています。  さらに8ページでは、到達目標と行動目標を表1に示しています。到達目標は10点挙 げています。おのおのに行動目標を掲げています。  9ページをご覧ください。3点目に、1年間の人材育成プログラムについて述べてい ます。実践者の育成は、自身の体験を重視して確実に実践力を積み上げていくことがで きる方法が効果的であり、OJTを基本にした教育プログラムが有効です。1年間の総 合的な業務を通しての人材育成プログラムを例示しています。それが10ページの表2で す。  また、配属についても地域保健従事者としてのアイデンティティを形成することがで きるように、対人保健サービスや地域活動を経験でき、かつ同職種の指導者がいる部署 への配属を考慮すること、人事異動については、人材育成を考慮して行われることが望 ましい、ということを提案しています。人事異動については11ページに記載しています。  12ページは指導体制についてです。プログラムの実効性を高めるための指導体制につ いて、基本的には新任者が配置された部署にプリセプターと管理者を設置することが望 ましく、自治体が組織として支援体制を整備することが重要です。  13ページで、プリセプターの要件及び指導者の要件について述べています。プリセプ ターは自分のモデルとなることから、経験5年以上の人が望ましい、としています。ま た管理者は、新任者の場合、同職種が望ましいと考えています。  15ページは、新任者に求められる能力を段階的かつ計画的に育成するための評価につ いて述べています。評価は、新任者と指導者の日常的な随時の面接、総合的な評価を行 う定時の面接を取り入れて、行動目標の到達と今後の計画を新任者と指導者が一緒に考 えるようにすることが望ましい、としています。16ページ、17ページにそのことが書か れています。  その方法として、評価用紙を活用することが効果的です。19ページと20ページに新 任者の評価用紙の例が掲げてあります。  さらに、個々の新任者に対する評価を踏まえて人材育成プログラムの総合的な評価を 行い、次年度の人材育成プログラムに反映させることが必要です。  18ページ、終わりに。報告書の活用については、地域保健に従事して1年目の地域保 健従事者の資質、可能な教育方法、指導体制などが各自治体で異なっているため、状況 に応じて柔軟に対応することが必要です。今後は指導者の育成についての検討も必要で あり、本検討会で残された課題となりました。  以上です。  伊藤座長  どうもありがとうございました。この報告書につきましても、きょうこの場で質疑は 行いませんが、今検討会の中でこのテーマを取り上げますのでお目通しをいただきたい と思います。  続きまして、本検討会で市町村保健活動について検討するに当たりまして、事務局で 関連する基礎的なデータを整理していただいておりますので、簡潔に御説明いただきた いと思います。  加藤主査  それでは、資料5をごらんください。初めに、保健師に関するデータについて説明い たします。  1ページは、就業場所別にみた就業保健師の年次推移でございます。まず、地域保健 ですが、平成16年では保健所7,635人、市町村22,313人、合わせて29,948人となって おります。  推移をみますと、保健所では昭和40年から増加し、平成6年には8,955人となってお りますが、平成10年には約1,000人減少し、それからは横ばいとなっております。  市町村では、注4にございますように、昭和53年に国保保健師が市町村保健師に移管 されております。昭和53年に7,226人、以降、平成15年まで増加し、平成16年には若 干減少しているところでございます。  2ページは都道府県別保健師数です。平均は637.2人で、保健所では162.4人、市町 村では474.7人となっております。保健師が多い都道府県は、北海道の1,829人、東京 都の1,713人、大阪府の1,386人の順になっております。  3ページは、人口規模別・市町村保健師設置数別市町村数です。市町村数については 平成17年3月31日のデータとなりますが、2,462市町村のうち人口規模をみますと、 人口規模が5,000から1万の市町村数が540、1万から2万の市町村数が536と多く、 人口規模5,000から1万の市町村で保健師数が一番多いのが3人、1万から2万の市町 村で保健師数が一番多いのが5から7人の設置という状況でございます。これは、下の グラフでも示されておりますように、保健師を5から7人設置している市町村数が最も 多く、上の表に戻っていただきますと、保健師数5から7人の市町村は人口5,000人か ら1万人の市町村から人口10万から20万までの幅がある状況で設置されております。  このあとは市町村合併が進んでおりまして、平成18年3月1日では市町村数は1,898 となっております。そのため、市町村保健師設置数についても影響を受けていることが 考えられます。  4ページは、年齢階級別保健師数です。まず、保健所では40歳代、50歳代の保健師 の割合が徐々に高くなってきておりまして、平成16年では50歳代、60歳代を合わせて 24.2%、40歳代を合わせると54.2%と半数を超える数値となっております。  5ページは、市町村においても、保健所の5割には及びませんが、40歳代、50歳代の 保健師の割合が徐々に高くなり、平成16年では40歳代、50歳代、60歳代を合わせると 41.2%という状況にございます。  6ページは、平成16年度地域保健・老人保健事業実施報告から抜粋したものでござい ます。これは、地域保健ということで職種は保健師とは限りません。なお、この報告に ついては未定稿となっておりますので、取り扱いはご注意いただきたいと思います。  保健事業の実施の延べ人員でございますが、老人保健、母子保健、健康増進の順に多 く、割合をみていただきますとこれらの事業は主として市町村、政令市が事業を推進し ていることがわかります。また、精神保健福祉は都道府県、政令市、市町村の実施割合 は同等にあるのが現状でございます。一方、難病、エイズ、結核、感染症については主 として都道府県、政令市が事業を推進しているところでございます。  7ページは都道府県の状況です。都道府県では、健康相談、電話相談、健康教育、訪 問指導を中心に実施しております。また、精神保健福祉に関する実施数が最も多く、次 いで母子保健、難病の順となっております。  8ページは政令市の状況です。老人保健に関する実施数が最も多く、健康診査につい ては約63%を医療機関へ委託しております。実は老健のデータには委託分が含まれてい ませんが、老健はデータ上、委託分が分離できなくなっておりますので、このような表 示としております。  9ページは市町村の状況です。市町村については老人保健に関する実施数が最も多く、 健康診査については約51%、約半数を医療機関等へ委託しておる状況でございます。ほ か、健康診査は母子保健で行っておりまして、健康相談や健康教育を中心とした実施を しているところでございます。  10ページは、平成17年度保健師活動調査結果です。これは平成17年6月の1カ月間 のデータとなっております。  図1−1は、活動項目別従事時間の割合を示したものです。  さらに図1−2は、それらの時間を直接・間接サービス等で分類したものです。注に 記載してありますように、直接サービスは保健福祉事業、間接サービスは地区管理、コ ーディネート及び教育研修の研修企画が含まれております。都道府県では直接サービス が32.5%、間接サービスが36.4%と、間接サービスが直接サービスよりやや多い状況に ございます。保健所を設置し、特別区では直接サービスが55.8%、間接サービスが26.4%、 市町村では直接サービスが55.3%、間接サービスが21.9%となっており、直接サービス が間接サービスに比べて多い状況にございます。  11ページは都道府県保健師の活動状況です。ここでは市町村支援を再掲しております が、都道府県保健所の市町村支援については、機能訓練、コーディネートの地域の会議 について割合の多い事業という形になっております。  12ページは保健所設置市・特別区保健師の活動状況です。直接サービスの保健福祉事 業の中では家庭訪問、保健指導と割合が高く、間接サービスの中では地区管理、会議以 外のコーディネートで高い数値を示しております。  最後に13ページは、市町村保健師の活動状況でございます。ここでは、直接サービス の保健福祉事業の中では健康診査、健康教育が多く、間接サービスでは地区管理が多い 状況となっております。また、その他ですが、業務連絡・事務が12.7%と多い数値を示 しております。  保健師に関するデータは以上となります。  続きまして、管理栄養士・栄養士に関するデータについて御説明いたします。  資料14ページですが、まず、1)地域保健における管理栄養士・栄養士数の推移でご ざいます。平成9年に小計が3031人が平成17年では4311人と、8年間に1300人弱の 増加がございます。本庁に配属されている管理栄養士・栄養士、保健所、市町村に配属 されている管理栄養士・栄養士等も年々増加している状況にございます。  2)就業場所別管理栄養士・栄養士数でございますが、地域保健においては、管理栄 養士3293人、栄養士1018人、合計4311人となっております。また、学校給食施設、病 院、介護老人保健施設等、地域保健以外の民間の部分ですが、約10万となっております。 特に民間の中でも多いのが病院の3万2015名、ほか、学校給食施設、老人福祉施設等に なっております。  15ページは、3)都道府県管理栄養士・栄養士の配置状況でございます。本庁は147 名の管理栄養士・栄養士が配置されております。保健所配置の729名と合わせて876名 の管理栄養士・栄養士が現在配置されております。中でも、健康づくり関係においては 各都道府県すべての自治体に配置されている状況でございます。また、生活習慣病対策 関係、食育関係、地区組織人材育成の業務については、ほとんどの自治体で配置されて いる状況になっております。  16ページは、政令市管理栄養士・栄養士の配置状況でございます。本庁配置が228名、 保健所、保健センター配置が548名、合計776名の配置になっております。横浜市の52 名、名古屋市の51名が配置の多い自治体となっております。  17ページは、特別区管理栄養士・栄養士の配置状況です。本庁、保健所合わせて229 名の配置になっております。配置が多いのが、板橋区18名、練馬区の16名となってお ります。  18ページは、人口規模別市町村管理栄養士・栄養士の配置状況でございます。これは、 各都道府県ごとに配置の状況を示したものでございます。現在、100%配置になっており ますのが宮城県、石川県、鳥取県、愛媛県で、配置率の低いところが鹿児島県の38.0%、 滋賀県の39.4%となっております。  19ページは、市町村管理栄養士・栄養士率の推移ということで数を示しております。  以上でございます。  伊藤座長  どうもありがとうございました。それでは、予定の時間がきておりますが、10分少々 延長させていただきたいと思います。 (3) その他  最後に、今後の本検討会の進め方について事務局から説明をお願いいたします。  野村室長  それでは、資料6を使って御説明をいたします。  たくさんの課題がある中でどのように進めていくかというところでございますが、第 1回は本日でございます。  第2回は、8月の下旬から9月の上旬くらいに開催をしたいと思っております。ここ では、先ほどの検討会の開催要綱で検討課題の(1)に書きました地域保健における行政 主体としての市町村の役割の明確化、これがベースになる議論かと思いまして第2回に 入れております。そして、検討課題の3番目にありましたが、分散配置における活動体 制のあり方、そして専門技術職員の人材育成体制のあり方、盛りだくさんでございます がこの3点を第2回目に議論しては思っております。特に分散配置のことや人材育成に ついては少し具体的な調査をした方がよろしいかなとも思っておりますので、早めに御 検討いただいて、その中でこういった調査が必要だということが出てきましたら、秋以 降に調査にかかりたいと考えているところです。  第3回目は、秋、10月くらいを予定しておりまして、ここでは、市町村保健活動を強 化するための連携・協働のあり方ということで、以下にある3点の項目について御議論 いただければと考えております。  第4回目は1カ月後ですが、検討課題でいいますと2番目のPDCAサイクルに基づ く保健活動の推進体制、それから人材育成体制のあり方についても、第2回では調査を ちょっと意識した議論をしていただいて、第4回ではあり方について少し本格的な御議 論がお願いできないかなと思っております。  第5回は来年になりますが、配置基準の考え方について活動体制の議論の後にやって はどうかと考えております。  それ以降は、検討会のまとめという作業に入るかと思っております。  進め方は以上でございます。  伊藤座長  ただいま、野村室長から本検討会の今後の進め方について御説明いただきました。時 間も余りございませんが、この検討会の進め方について御意見があれば承りたいと思い ますが、いかがでしょうか……。一応このような進め方にさせていただいて、もし何か 御意見がございましたら野村室長の方にお伝えいただければと思います。   3.閉会 それでは、次に第2回の検討会において先ほど野村室長から御説明がありましたが、一 番基本的なテーマであります地域保健における行政主体としての役割の明確化というの が一番根底になる議論ではないかと思います。したがいまして、次回の検討会において 効果的なディスカッションができるように何人かの構成員の皆様に議論のたたき台にな るような資料の作成なりプレゼンテーションをお願いしたいと思っておりますので、野 村室長と相談をして御依頼することにしておりますので、その際はよろしく御協力のほ どをお願い申し上げたいと思います。  それでは終了の時間となりましたので、事務局から今後のスケジュールについて御説 明をお願いいたしたいと思います。  加藤主査  それでは、今後のスケジュールについて御説明いたします。  第2回の検討会は、8月下旬から9月上旬を予定しております。後日、日程調整後、 開催の御案内をいたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  なお今後、第4回の検討会までの日程を調整したいと思いますので、どうぞよろしく お願いいたします。  事務局からは以上でございます。  伊藤座長  それでは、本日の検討会はこれで終了とさせていただきたいと思います。大変資料の 説明が長くて、御意見を言い足りなかった構成員の方もいらっしゃると思いますが、ぜ ひその分は2回目以降の検討会に十分御発言をいただきたいと思います。きょうは、ど うもありがとうございました。 (終了)