06/07/12 中央社会保険医療協議会薬価専門部会平成18年7月12日議事録 平成18年7月12日 中医協薬価専門部会            第31回議事録 (1)日     時  平成18年7月12日(水)11:06〜11:42 (2)場     所  厚生労働省専用18〜20会議室 (3)出  席  者  遠藤久夫部会長 土田武史委員 小林麻理委員 室谷千英委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員            竹嶋康弘委員 鈴木満委員 黒ア紀正委員 山本信夫委員            向田孝義専門委員 仲谷博明専門委員 渡辺自修専門委員            〈事務局〉 水田保険局長 榮畑総務課長 原医療課長 赤川薬剤管理官 他 (4)議     題  ○薬価改定の頻度に係る今後の検討の進め方について (5)議 事 内 容 ○遠藤部会長  それでは、委員の皆様御着席のようですので、ただいまより、第31回中央社会保険医 療協議会薬価専門部会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。  また、保険局長は公務のため遅れる旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、昨年12月16日の中医協総会に薬価専門部会から報告し、御了承いただきま した「平成18年度薬価制度改革の骨子」において「現在2年に1回行っている薬価改定 については、頻度を含めたその在り方について、引き続き検討を行うこととする」とされ たことを踏まえまして、「薬価改定の頻度に係る今後の検討の進め方」について事務局よ り資料が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  医療課薬剤管理官でございます。  資料は中医協薬−1でございます。まず、「1 経緯等」でございますけれども、昭和 62年5月の中医協の建議がございまして、「おおむね2年に1回程度の全面改正」とい うことで、これを受けまして現在実施されているわけでございますけれども、今部会長よ り御説明がありましたように、「平成18年度薬価制度改革の骨子」におきまして、「現 在2年に1回行っている薬価改定については、頻度を含めたその在り方について、引き続 き検討を行うこととする。」とされたことを踏まえまして、今日は、「2 今後の検討の 進め方(案)」ということで御提示いたしまして、こういうことで進めさせていただきた いということの了承を今日は得たいということでございます。  薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方について論点を整理するため、次回以降、 薬価専門部会において、医薬品産業界からの意見聴取を行うこととしてはどうかというこ とでございます。その下に、「当面の予定(案)」ということで、本日、今後の検討の進 め方について御了解いただければ、7月の下旬、8月の上旬の2回に分けまして、医薬品 産業界からの意見聴取を行いたいというふうに考えてございます。  また、2ページ以降は、ちょっと参考資料ということでつけさせていただいております けれども、2ページ、「最近の薬価改定の経緯」ということで、今回の18年4月の薬価 改定までの経緯がございます。それから3ページに参りまして、「薬剤比率と薬剤費の推 移」につきまして、平成5〜15年度までの推移をお示ししてございます。それから4ペ ージには「薬価差の推移」ということで、平成7〜8年当時から比べますと、今回の改定 にございました乖離率8%程度ということで、縮小されてきているということでございま す。  資料の説明は、以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等がございましたらば、どうぞ。 ○山本委員  1つ確認をしたいのでありますが、薬−1にございますように、この場での議論であり ますが、まず、62年の合意と17年12月の中医協での議論を踏まえて、その論点を整 理するという、理解でよろしいのでしょうか。既に新聞紙上等で改定を行うというような 主張がある中での議論でありますので、ここでは、62年のときの合意につきましてはお おむね2年でよかろう、その後17年12月には、その頻度も含めて、この現行制度を含 めた議論をするということで進んでおります。しかし、あたかも頻回改定、年1回改定を 行うというような前提があるやに新聞報道がされておりますが、ここでの論点整理はそう いうことが前提なのでしょうか、そうでないのでしょうか、確認をしたいのですが。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  まさに中医協で今後検討を進めていただくということでございまして、今回ここに書い てございますように、論点整理をするためということでございます。今回特に意見聴取を 行うというのは、昨年もいろいろ御意見をいただきましたけれども、今回18年4月の改 定を実際にやってみて、それでまたやはりこの状況踏まえまして改めて意見は聞く必要が あるというふうに事務局としても思っておりますので、今回は、まず、とにかく意見聴取 を始めるということについてお認めいただきたいということと、それは論点を整理するた めということでございます。 ○山本委員  わかりました。では、そういうことで了解をした上でお願いがございますが、先ほど、 これの前に開かれました基本小委の方でも議論がありました例の選定療養等の話でありま すが、その中で、医薬品の部分は区分けを新たにするということで了解を得られた中に、 医薬品関連のものは評価医療ということで区分けをされています。したがって、それは他 の医療技術と同じように、保険診療の中でどう評価していくかということで論点整理をさ れているはずでありますので、そういう観点からしますと、この医薬品が単なる「もの」 ではなしに、保険医療の中での十分な医療技術の一つとして当然位置づけられるべきだと いうふうに、薬を扱う者としては考えます。  そういった中で、今までの経過からすれば、2年に1度の診療報酬改定という、技術そ のものを評価を見直すという作業が進んでいるわけであります。にもかかわらず、まさに 中医協の場で医薬品もやはり技術の一つだというふうに認めたものが、単に高い・安いと、 言ってみれば目のかたきにするような形で、他の技術と区分けをして評価をされて、それ だけが取り上げられて議論されるということにつきましては、では、ほかの技術はどうな のだという懸念も出てまいりますので、あまり好ましいやり方ではないと思っております。 まずは医療の中での医薬品の在り方、薬はどういう位置づけなのかということはまず正確 に議論をすべきではないか。しかも、既に基本小委の中で、今後そうしたものが評価医療 になったわけでありますから、その評価する対象である医薬品について、ぜひこの場でも 十分に議論を進めた上で、論点整理をお願いしたいと思います。  もう少し、身近な話になれば、現在の薬価改定につきましては、何しろ下がるだけの方 向でありますので、薬をつくるメーカーとしては、R&Dというのでしょうか、そうした ものも含めて、きちんとしたよい医薬品を上市をしていく、これは結果としては国民にと ってもよいことでありますが、ただ価格が下がる一方では、そうした活力も出てこないと いう気がいたしますし、実際に薬を扱っている私どもからすれば、何しろ今持っているも のがどんどん価値が下がるわけでありまして、現在後発品の使用も含めて、私どもとして は、医療に提供する医薬品を十分に確保する、あるいは備蓄をしていくという立場からし ますと、頻繁に価値が下がる、それを一体どう備蓄すればいいのかという問題については 全く考慮されていないのではないか。単純に数字だけの問題で薬価差が指摘されています が、確かに薬価差を頻繁に手元に残すことについては私は決して賛成ではありませんし、 改善すべき点は多々あると思いますが、単にそれだけの問題で価値をどんどん下げてしま うということにつきましては、十分な体制を確保する観点からすると備蓄応需体制を作る ことが容易ではありません。これは結果としては、医療そのものに、先ほど申しましたよ うに、技術として評価された医薬品を、適切に提供できない。しかも、よい薬で長い間使 っていけるにもかかわらず、値段が下がることにより市場から消えていくということにつ いても、大変大きな問題があろうと思います。ぜひこの議論を論点整理をする上で、あま り拙速に新聞紙上等で言われているような、まずは頻回改定ありきという議論で論点整理 をされることにつきましては、以後慎んでいただきたい。そういう発言につきましても、 十分な議論を経た上でまとめていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長  今回御審議いただいていることは、関係団体から意見を聞くというような、そういう作 業ステップに入っていくことがよろしいかどうかということを御審議いただくわけであり まして、当然そこで聴取した内容について、また改めて薬価部会で御議論させていただき ますが、その中で、今山本委員の言われたようなことは議論されることであると思います。 また、御意見としましては、確かにそのとおりですので、承りました。  ということでありますので、今薬価を上げる・下げるという議論をしますと、またここ で延々となりますので、とりあえずは今回この事務局から提案がありました、次回以降、 今後の検討の方針でよろしいかどうかということの御審議をいただきたいと思います。 ○対馬委員  2つほど質問があるのですけれども、1つは、昨年来いろいろな議論があった中で、確 かにこの頻回改定の議論もあったのですけれども、新薬の問題でありますとか、後発品の 問題、さらには特例引き下げ等々いろいろな課題があって、その中の一つだったと思うの です。ここでは、頻回改定ということでドンと出てきているのですけれども、なぜここだ けがというのが1つです。  それから、あともう1点、仮に頻回改定を議論するにしても、確かに業界の意見という のはよく聞く必要があるだろうというふうに思うのですけれども、それ以外にも、昨年来 議論されている中で、特に流通の実態がどうかとか、幾つか頻回改定を議論するときの切 り口といいますか、項目というのがあるのだろうというふうに思うのです。そのあたりが 何も書かれていないのですけれども、ちょっとイメージが湧かない。業界からお話は聞い て、その後どういうふうな議論をしていくかというところがちょっと見えないので、その あたりを伺いたいという、この2点です。 ○遠藤部会長  では、事務局、お答えください。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  まず1点目の、なぜ頻回改定の頻度をここで挙げているかということでございますけれ ども、まず、この頻回改定の議論といいますのは、これは現在2年に1度のものをもうち ょっと頻回にするということでございますので、仮にやるといたしますと、来年4月にで もやるということでございますので、そういう意味では、他の事項よりもちょっと先に御 審議いただかなければならないということで、この頻度については議論を今からでもする とすればしていただかなければならない事項であるということで、それと、ただ、今回頻 度につきまして御議論いただくとなると、当然のことながら、いろいろ改定のルールの在 り方そのものでございますので、改定方式そのものをどうするのかとか、あるいは新規収 載医薬品についてのルールまでどうするのかということまで及ぶ可能性もございますので、 ここの「進め方(案)」のところでは、「薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方 について」ということで、ちょっと幅広に一応論点整理をするということで書かせていた だいているということでございます。  また、2点目の流通の実態についてということでございますけれども、専門委員の中に 卸連から来ていただいている方もおりますので、まさに現在の流通の実態の現状も含めて、 専門委員の方にむしろ情報提供いただければというふうに私ども考えてございます。 ○遠藤部会長  対馬委員、ただいまのでよろしゅうございますか。 ○対馬委員  はい。 ○竹嶋委員  私も対馬委員の発言に賛成なのですが、新薬の問題もありますが、ジェネリックの問題 もある、それから治験の問題もある。今そういうのが実は進行しているわけですね。そう いう中で、先ほどのように、なぜいきなりポンとこの頻回改定を行おうというような、厚 生労働省のそういう方向性が出されてきたかというところの説明が全くなされていないと 思います。  私はこの前の席でも申し上げたと思うのですが、療養病床の問題ですね、これにつきま しても、昨年10月ごろから一気に決まってきたのです。何回も申しますよ。そういう中 で、この問題は非常に大きな問題になりつつある。このことによる影響が、7月から実際 に実施されますが、どう変わっていくか、これは薬剤だけではありません、医療の中身全 体がですよ、医療費も含めまして。それからもう1つは、4月から3.16%という、こ れまでにない最高の診療報酬マイナス改定になった。この影響もあわせて検証していく。 当然薬剤もその一部分の影響を及ぼしているわけです。そういうものを何も検証しないで 次のステップに移るということに対して、私は医療関係者として大変怒りを覚えます。  私は次回の総会のときに一つ委員長に申し入れようと思っておりますが、この前のとき もちょっと申しました療養病床の問題にしても、早急にこれを見直しをやってほしい。6 月13日の参議院の厚生労働委員会、この中で、まさに今のようなこと、混乱しているこ とを踏まえまして附帯決議がつけられましたね。参議院で、国会を通りました。これはど ういうことかといいますと、早急に検証しろと、そして、必要であれば見直していけと。 これは国会の附帯決議で決まった事項でありますから、私ども中医協といえどもきちっと それに沿っていかなければいけない。それは新しい展開が起こってきた中でございますの で、そういう意味でも慎重に我々は国民のためにやるべきだと思います。  以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  大変重要な内容のお話だったと思いますが、これは御意見ということで、特に…… ○竹嶋委員  要望です。  ですから、委員長も言われましたが、今回のこれは意見聴取とされましたね、非常に簡 単な御発言だと思う。意見聴取と、今ここでそういうことを進めていくということは、こ れはもう年内にあるいは何か出していこうということだと思うのですが、まだその段階で はないということで、意見聴取の段階でも、当然医療関係の我々は、その場にもし出して いただけるなら発言をしなければいけない。その資料は何もないじゃないですか。そこで 意見聴取だけをして皆さんからお聞きするだけですか。これは国民のための私は中医協の 在り方ではないと、これの持っていき方に私は強く反対します。 ○小島委員  この薬価部会でも、あるいは中医協の総会の場でも、この間、薬価改定の在り方につい ては議論をしてきた。その結果として、今日の資料に出ていますように、昨年末のときに、 中医協として引き続き薬価の在り方については検討するということになった。では、それ はいつから検討するか、やはり早急に検討するというのが当然であると思う。2年に一度 にするか、1年に一度にするかという薬価改定の頻度、あるいは薬価算定のルールをどう するか。現行のルールは市場実勢価格をより適切に反映する形になっています。それは当 然頻度との関係も出てきますので、算定ルール自体の在り方も含めて、検討するというこ とがこれまでの中医協の議論の了解事項であります。それを部会で引き続き検討するとい うのは、今までの流れだと思いますので、初めてここで急にという話ではないと思います。 そういう流れの中で山本委員が指摘されたようなところも含めて、論点を整理していくべ きです。そのためにまずは関係団体からの事情の聴取ということでありますので、私とし てはそれでとりあえずは進めるべきではないかと思います。 ○竹嶋委員  反論しますが、見直しをしないということではないのです。私が言ったのは、大きな変 革があった場合に、やはりその結果というか、成り行き、状態を検証をしなければいけな い。そうした上で、あるいはある程度できたところで次に移っていくということをしてほ しいということなのです。ですから、いきなり7月下旬からこういう案が出ておりますけ れども、7月下旬ではもうすぐですよ、こういうふうな持っていき方はいかがかと、私は これに反対をしたいと。見直しをしないということではないですよ、誤解してもらっては 困る。 ○丸山委員  私、新米委員でございますので、ちょっとぼけたことを質問するのかもしれませんが、 今竹嶋委員が検証すべきだと言うのは、それはそのとおりだと思います。そこで素朴な疑 問なのですが、このいただいた資料を見ていると、例えば2枚目の「最近の薬価改定の経 緯」を見ると、薬価ベースがすごい勢いでダウンしている。これは関係業界の人も含めて、 大変な御努力をなさってこれを克服してこられたのだろうと思うのです。しかし3枚目の 「薬剤比率と薬剤費の推移」を見ますと、「近年の薬剤費は6兆円強でほぼ横ばい」と書 いてありますが、平成10年に6兆円だったが平成15年には6兆9,000億円となっ ています。これを「横ばい」と言うセンスがちょっと僕はどうかと思います。これは1 5%も増えているわけですよね。だから、さっき山本委員が活力がなくなるとおっしゃい ましたが、そうではなくて、やはり医薬品業界は相当いろいろな活力を燃やして克服なさ って15%も増えてきている。これだけ、この前のページの削減率をまともにやっていっ たら数字がなくなってしまうわけですよ。だから、この薬剤の問題は、この頻度問題もさ ることながら、もうちょっと中身が非常に複合的な要因があって、いろいろな御努力もな さり、新規開発も進めていろいろなさっているのだろうと思うのです。これをドーンと見 せられると、私の素朴な疑問は解けないので、これはぜひ事務局で、こういう削減をした けれども15%もやはり増えていくのだという分析をぜひ示していただいて、それも含め て医薬品業界の人と意見交換を行うというのは、それは検証の一種類だと思いますので、 異論はないのですが、そういう分析をしないと薬価の問題というのは見えてこないのでは ないかと素朴な疑問を感じますので、ぜひ教えていただきたいと思います。 ○山本委員  丸山委員に反論するわけではございませんけれども、確かに15%増えている、それな りの努力はされていると思うのですが、今委員がおっしゃった資料につきまして、私もぜ ひ提出をお願いしたいと思いますけれども、現場の感覚ですと、新しい薬は価格が高うご ざいますので、そうしたものが現場に上市されるために、結果としては医療はよくなりな がら、薬剤費はこの推移をしていると理解をしております。しかも、委員おっしゃるよう に、毎年毎年1割近い削減をされながらということで進んでいることを考えますと、ただ いまの話は、確かに十分な検証の材料になると思いますので、ぜひお願いしたいのであり ますけれども、単に6兆円が6.9兆円になったというだけで15%増えているではない かと、それほど影響はないぞという御意見につきましては、現場の感覚からしますと少し 違うのではないかというふうに私は思いますので、ぜひそのあたり、誤解のないようにお 願いをいたしたいと思います。 ○丸山委員  今おっしゃることもわかるのですが、実態がよくわからない。だから分析してほしいと 言うことです。この「薬価収載品目数」とありますよね、これは平成4年が1万3,57 3件がどんどん減って、今また1万3,000台に戻っているわけです。一遍減って、ま た増えているわけですが、これが今山本委員がおっしゃるように、従来のものと新しいも のとがどんどん変化している。この分析をするだけでも理解度が大分違ってくる。そうい うものがなしにどんどん来て、これはこれだけ下げていますと言っても、ちょっと納得で きない面があるのです。だから、それはもうお薬をおつくりになり、お売りになっている 立場というのはいろいろ御主張なさりたいことがあると思いますが、それをいろいろな内 容、ファクトで示していただければ大変ありがたいと思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  実は、薬価基準制度についてどうするかという議論は、前回薬価改定をする過程におい てさまざまな視点から議論がされたわけであります。またその過程で、ここに挙げられま した関係団体からヒアリングをいたしまして、そこでは基本的には薬価の引き上げ・引き 下げの話であったわけですけれども、それに関連して、薬の価値の問題とか、非常に幅広 い議論がなされたわけでありまして、それをベースにしながら中医協でも議論が行われた と。しかし、さまざまな検討課題がもちろん残っておるわけですから、今後もそれは間違 いなく薬価部会では続けるつもりでいるわけであります。それは当然の話であります。  ただ、前回、この頻回改定と言っていいのかどうかわかりませんけれども、それが案と して出てきて、それにつきましては、唐突な議論であるから、少し時間をかけて考えよう ということが昨年度末に決まりまして、それを受けて今回このようなヒアリングを行いま しょう、こういう話であります。したがいまして、ヒアリングを行って、それをベースに さまざまな視点から御議論を賜ってどうするかということを決めればいいということであ ると思います。先ほど事務局から説明ありましたように、もし今年度実施するということ になりますと、今ぐらいに聞いておかないとタイムスケジュール上の問題があるという、 単純な技術上の問題で今このような話が出てきたのだと思います。ただ、本日これをやる 前に、もう一回ぐらい前に薬価部会を開いて議論をしていてもよかったのかなということ は思いますけれども、いずれにせよそういうような流れでありますので、この問題に限っ た内容で業界からの意見を聞くというような形がよろしいでしょうかということなのであ りますが、どうぞ。 ○土田委員  1点確認しておきたいのですが、薬−1の資料の1ページ目で、「平成18年度薬価制 度改革の骨子」というところでは、「薬価改定については、頻度を含めたその在り方につ いて、引き続き検討を行う」というふうになっていまして、先ほど小島委員が発言されま したように、その頻度以外にも薬価改定ルールも含めて検討を行うというようなことがこ の文言の話だと思うのですが、ただ、今回出されましたこの扉では、薬価改定の頻度に係 ると、頻度だけの問題に絞っているように思われますが、そうした場合、今回これから行 おうとする意見聴取では、頻度だけに絞った話の意見聴取なのか、あるいはその最初の方 に頻度を含めたその在り方そのものを、全体といいますか、そのルールを含めての意見聴 取なのか、ちょっとそれを確認しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○遠藤部会長  重要なところだと思いますので、事務局、お答えください。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  あまり御議論が広がり過ぎるということも懸念されないわけではございませんけれども、 ただ、頻度をどうしても議論いたしますと、薬価基準制度そのものの議論が避けられなく なるというふうに、私どももちょっとそういうところもあると思うものですから、頻度を 中心に御意見いただきたいとは思っておりますけれども、おのずと薬価算定基準の在り方 にかなり広いところまで議論は及ぶ可能性もあるということで、あまり間口を最初から狭 めてしまうのもいけないかなと思いまして、この「進め方(案)」では、「薬価算定基準 の在り方」という、ちょっと漠とした書き方をさせていただいております。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  土田委員、よろしいでしょうか。 ○土田委員  はい。 ○松浦委員  またちょっと筋論といいますか、これ、年1回に、この中医協の了解は了解としていい のですけれども、これをいざ議論に入るとすれば、いわゆる改定率は内閣が決めるという、 それからこっちは診療報酬の単価を決めると、こういうようなことですから、その辺のこ とは中医協だけでやっていいのですか、その辺を含めて、今事務局は答えられるのでした ら、答えていただいたらいいと思いますし、いや、改定率は内閣が決めたのですから、で すから、それは相談しなければいかぬ問題なら、これは中医協だけの議論では済まないこ とになりますよね、その辺はどうなのでしょうか。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  診療報酬改定の一つとしての薬価改定ということは免れないと思いますので、それは薬 価基準を改正するということであれば、それに先立って、年末近くになりましたら、恐ら く薬価調査に基づいた乖離の状況について御報告申し上げて、それでもって最終的に恐ら く年末、予算原案をセットするに際しまして、政府でそういう改定率の議論がなされると いうふうに思っております。 ○松浦委員  私の質問の趣旨とはちょっと答えが違いますね。改定率は内閣が決めたわけですね。決 めたことを、これはさわると当然改定率は変わってきますから、だから、それで中医協が それをやっていいのかと、こういうことなのです。もう少し広がって、中医協だけで決め られない問題ではないですかということなのですが、それはイエスかノーか、ちょっとお 聞きします。 ○遠藤部会長  いかがでしょうか、事務局。総務課長。 ○事務局(榮畑総務課長)  お答えにぴったりとはまっているかどうか、よくわからないのですけれども、今回、私 どもが中医協で御議論をお願いしたいと申しておりましたのは、薬価算定基準とルール、 改定頻度が中心なのですけれども、ルールをどうするかという問題についての御議論をお 願いしたいということですから、改定率という、数字そのものではないというふうに御理 解いただければと思っております。 ○遠藤部会長  よろしいでしょうか。 ○松浦委員  わかりました。 ○鈴木委員  一言申し上げておかなければいけないと思いますが、今経済状況はよくなりつつあると いう話をよく聞きますけれども、我々医療現場は冬を迎えており、冬ということになりま すので、そこでどうしても薬関係ですと、共同購入でありますとか、いろいろな面でやは り効率化を図らねばならない状況に来ておりまして、その段階ではまだ現場は納入価とい うものは決まっていないと思いますので、調査をして結果を出してもそれは相当事実と違 う数字だけが出るということにすぎなくなると思います。まずそれだけちょっと申し上げ ておきます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  先ほど竹嶋委員からありましたように、今回の改定の影響の検証ということが重要だと いうことは私も全く同感でありまして、それにつきましては、この後に開かれます検証部 会で幾つかの検証案を審議していただくという形になるわけであります。もちろんそれは 薬の面についても同じことでありまして、十分な検証・検討を進めていく必要があると思 うわけであります。ということは共通の理解が得られていると思いますけれども、今回こ のような頻度を含めた改定をどうするかということを検討するために、業界、各団体から とりあえず話を聞くというような形で話を進めてよろしゅうございますでしょうかという ことでありますけれども、いかがでございましょうか。 ○渡辺専門委員  こういう中医協の正式な場で各団体が現状を踏まえてお話をし、要望するという機会が ございませんので、このスケジュールに沿って審議の発端をつくっていただけば非常にあ りがたいというふうに思います。  それから、先ほど丸山委員の方から15%というお話があったのですけれども、これは もう少し前を、多分見ておられておっしゃったのだろうと思いますけれども、その前から 見ますと、2〜3年前に戻っていないわけで、10年間ぐらいでとってみると、全くゼロ 成長でございます。それから、私ども医薬品の販売・流通を担当させていただいているわ けですけれども、やはり高齢化が進展しておりますので、診療側も支払側の方も皆さん御 存じのように、いわゆる生活習慣病的な薬が量的には伸びておりますので、そのことは申 し伝えておきたいと思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは、御同意をいただけたということでよろしゅうございますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  それでは…… ○土田委員  すみません。今のこれで同意をするということは、全くそれはそれでいいのです。そう ではなくて、この資料についてちょっとお聞きしたいのですが。 ○遠藤部会長  はい、どうぞ。 ○土田委員  先ほど丸山委員からちょっとお話がありましたように、これは僕も非常に不思議なので すが、この薬剤比率のところで、「横ばいに推移」しているというふうに書いていますが、 これは明らかに上がっていますよね、19.6%から21.9%ですから。ですから、そ の「2割に低下した後、ほぼ横ばいに推移。」というところの表現と、それから次の4ペ ージで、「薬価差は縮小されてきている。」と言うのだけれども、6.3から8.0に上 がっていますよね。これはどう見ても「縮小されてきている。」という表現と合わないの で、したがって、この辺は表現を改めてもらうか、あるいはどういうふうにそれを解釈し ているかというところで、今回は別に結構ですが、どこかの時点で説明をお願いしたいと いうふうに申し上げておきます。 ○遠藤部会長  それで確かに直近の動向は、それまでのトレンドと少し違ってきているというところが ありますので、例えば米印でもつけて、注をつけるとか、この種の資料をまた使うという ことであるならば、ただいま複数の委員からそういうようなことがありましたので、少し その辺を、修正の仕方はお任せいたしますけれども、何らかの修正をしていただければと 思いますけれども、可能でしょうか。 ○土田委員  可能じゃなくて。 ○遠藤部会長  可能じゃない、そうしてください。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  この要約部分を削除することはやぶさかではございませんけれども……。 ○土田委員  いや、削除なんて、その認識の問題なので。 ○事務局(赤川薬剤管理官)  ただ、10年とかそういうタームでごらんいただければ、その「横ばい」であるとか、 薬価差についても、10年以上前と比べればということで申し上げているだけでございま して、ただ、近年の1〜2年の動向について、これをこうであるというふうに簡単には分 析できませんので、そこだけは、それを理由づけを明確にしろと言われますと、非常に複 合的要因がございますので、正直言ってそれは難しいかなと思っております。 ○遠藤部会長  よろしいですか。 ○土田委員  はい。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは、御同意を賜ったということで、次回以降2回に分けまして医薬品産業界から の意見の聴取を受けたいと思います。  それでは、本日の薬価専門部会、これにて閉会といたします。  次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いい たします。  なお、引き続きまして、診療報酬改定結果検証部会を開催いたしますので、準備が整う までしばらくお待ちください。ありがとうございました。                 【照会先】                 厚生労働省保険局医療課企画法令第2係                 代表 03−5253−1111(内線3276)