06/07/12 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１８年７月１２日議事録


０６／０７／１２　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第８５回診療報酬基本問題小委員会議事録　	

(1)日時　　平成１８年７月１２日（水）９：５９～１１：０１
(2)場所　　厚生労働省専用第１５会議室
(3)出席者　土田武史委員長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　丸山委員　大内教正委員　松浦稔明委員　
           竹嶋康弘委員　鈴木満委員　石井暎禧委員　黒﨑紀正委員　山本信夫委員
           古橋専門委員　白石専門委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　宮島審議官　原医療課長　今別府保険課長　石原調査課長　他
(4)議題　　○　評価療養及び選定療養の具体的な類型の指定等について
　　　　　 ○　入院時生活療養費の額の算定に関する基準等について
(5)議事内容
○土田小委員長　ただいまより、第８５回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委
員会を開催いたします。
　最初に、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、全員が御出席です。
　なお、保険局長は公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。また、宮
島審議官は公務のため少し遅れる旨の連絡を受けております。
　次に、7月１０日付で厚生労働省において異動がありましたので、事務局より紹介をお
願いいたします。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　それでは、紹介させていただきます。
　７月１０日付で医療課長に異動がありました。新課長ですが、原徳壽医療課長でござい
ます。
○事務局（原医療課長）　ただいま紹介いただきました原徳壽と申します。１０日付で医
療課長を拝命いたしました。１０年ぶりの医療課の勤務になりますけれども、その間、医
療保険をめぐる状況は非常に大きく変わっていると思いますので、早急にしっかりと勉強
して、また、前任の麦谷課長同様、御指導をお願いしたいと思います。よろしくお願いい
たします。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　本日は、６月２１日の総会におきまして、「健康保険法等の一部を改正する法律の施行
を受けて、直ちに中医協において検討すべき事項」として、当小委員会において整理する
こととされました２つの事項について、今日から議論を開始いたしたいと思います。
　最初は、「評価療養及び選定療養の具体的な類型の指定等」について議題としたいと思
います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　おはようございます。保険医療企画調査室長で
ございます。
　中医協診－１－１及び１－２を用いまして御説明させていただきたいと思います。診－
１－１をまずごらんいただきたいと思います。「これまでの経緯」ということでございま
すけれども、いわゆる「混合診療」問題につきまして、平成１６年１２月に厚生労働大臣
と規制改革担当大臣との間の「基本的合意」に基づきまして、現行制度の枠組みの中で、
国内未承認薬の使用、先進技術への対応等につきまして、中医協の議論を経つつ、実質的
には対応を行ってきたということでございまして、さらに、その「基本的合意」に基づき
まして、健康保険法等の一部を改正する法律の中で、現行の特定療養費制度を再構成いた
しまして、厚生労働大臣が定めます高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、
保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観
点から評価を行うことが必要な療養という「評価療養」と、それからそういう評価を行う
対象ではないということで、被保険者の選定に係る特別な病室の提供その他の厚生労働大
臣が定める療養である「選定療養」という形に再構成されたものでございます。
　ここで、資料の診－１－２の方をごらんいただきたいと思います。昨年の今ぐらいには
このいわゆる「混合診療」問題につきましてたびたび議論が重ねられたところでございま
して、その前段の実質的な対応というのがなされてきたところでございますけれども、こ
の資料の１－２の１ページから始まりますものが、平成１６年１２月１５日の厚生労働大
臣と内閣府特命担当大臣との「基本的合意」という内容そのものでございまして、１ペー
ジの１には、「国内未承認薬の使用について」ということで、昨年１月の時点で既に未承
認薬使用問題検討会議というものを構成した形になってございますし、それから、２ペー
ジをおあけいただきまして、「先進技術への対応」ということで、昭和５９年から高度先
進医療への対応というものがなされていたわけでございますけれども、必ずしも高度でな
い先進技術を含めて、医療技術の保険導入のための手続を制度化するということで、こち
らにつきましても、先進医療専門家会議を開催して、そちらで技術的な評価を行った上で、
保険との併用については中医協で検討を行う、こういう枠組みになっているところでござ
いますし、そういうものがもう既にこの中医協でも検討がなされてきているということで
ございます。
　２ページの一番下のところには、「制限回数を超える医療行為等」ということで、こち
らにつきましても既に対応がなされたところでございまして、昨年の１０月より腫瘍マー
カーなどについて対応がなされているものでございます。
　３ページをおあけいただきますと、４のところに一つ下線が引いてございますけれども、
「保険診療と保険外診療との併用の在り方について」ということで、「将来的な保険導入
のための評価を行うものであるかどうか」の観点から現行制度を抜本的に見直し、「特定
療養費制度」を廃止して、「保険導入検討医療（仮称）」（保険導入のための評価を行う
もの）と「患者選択同意医療（仮称）」（保険導入を前提としないもの）とに新たな枠組
みとして再構成するということが盛り込まれていて、その下の５のところに「改革の手
順」ということで、２つ丸がございますけれども、上の丸がいわゆる実質的な対応という
ことで、平成１７年夏までを目途に実現するということでございますし、それからその下
のところにあります、さらに、現行制度について、名称も含め、法制度上の整備を行うこ
ととし、平成１８年の通常国会に提出を予定している医療保険制度全般にわたる改革法案
の中で対応するということになり、今回法案が成立いたしましたものですから、その整理
をするということで、先回中医協の総会において基本問題小委員会で整理を行うこととさ
れたということでございます。
　念のため、その次の５ページのところをごらんいただきますと、いわゆる実質的な対応
ということで申し上げますと、国内未承認薬の使用について、先進技術への対応について、
制限回数を超える医療行為について、そして高度先進医療の見直しについてと、このよう
に今順次進めてきているということでございまして、その次のページにございますのが、
先回も資料としてお出ししたものと同一でございますけれども、「いわゆる「混合診療」
問題への対応の考え方」ということで、現行にあります高度先進医療ですとか、必ずしも
高度でない先進技術、国内未承認薬等につきまして、評価療養ということに位置づけ、そ
れから制限回数を超える医療行為ですとか、選定療養の多くのものにつきまして、保険導
入を前提としないものとして選定療養というふうに位置づけると、こういうふうにしてき
たものでございます。
　お戻りいただきまして、診－１－１でございますけれども、そうしたことで、１ページ
の下のところですけれども、６月２１日の中医協総会において、診療報酬基本問題小委員
会において整理を行うこととされたということで、今回このペーパーをお出しして議題に
供しているところでございますが、２ページをおあけいただきまして、「現行の高度先進
医療及び選定療養について」ということでございまして、保険診療と保険外診療との併用
が認められているものでありますが、現行、法律は通りましたが、その実施は１０月から
になります。その今の時点では、高度先進医療と選定療養、この２つでもって特定療養費
制度になっているわけでございまして、高度先進医療については１０１技術、それから選
定療養については１６の類型となってございまして、これは見ていただいてわかりますよ
うに、昭和５９年に特別の療養環境の提供等から始めて、順次追加されていった順に書い
てあるわけでございまして、その中には、７番にある医薬品の治験ですとか、それから１
０番には医療機器の治験というように、保険導入の評価が検討されるようなものとそうで
ないものとがいろいろまじっているという状況にあるというものをこの際整理をしてはど
うかと、こういうことになろうと思います。
　中医協におきます御審議に供するために、当方で評価療養と選定療養、どれが保険導入
を検討するもので、どれがその対象にはならないものかというものにつきまして、３のと
ころに、一応整理を試みて提出させていただいておりますので、ごらんいただきたいと思
います。
　現行の高度先進医療及び選定療養を新たに評価療養及び選定療養に再編成するとして、
次のような考え方はいかがでございましょうかということでございまして、評価療養と選
定療養にまず大別されて、これが法律的な効果のあるものということ、法律上の位置づけ
のあるものでございまして、その中にＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅと書いてございまして、例えば
Ｃに当たるか、Ｄに当たるか、Ｅに当たるか、これは必ずしも法律効果としては何の違い
もないものではございますけれども、せっかくわかりやすく整理をしようということでご
ざいますので、このように整理させていただいているものでございます。
　評価療養の中で、Ａといたしまして医療技術に係る部分、それからＢとして医薬品・医
療機器に係る部分というふうに仕分けしてございます。現行で言えば１５番目に入った先
進医療のところ、それに「（現行の高度先進医療を含む。）」と書いてございますけれど
も、今回特定承認保険医療機関というのは廃止されておりますことと、それから現行で、
先進医療については先進医療専門家会議で、保険給付との併用希望のあった医療技術につ
いての科学的な観点からの検討、有効性、妥当性、先進性といったことについての検討を
行い、中医協においては保険給付との併用について検討を行う。また、いずれ評価療養と
して保険に導入する際には中医協の方で検討を行う、そういう役割分担もできておるとこ
ろでございますので、先進医療とし、その中に高度先進医療も含んだ形の整理をさせてい
ただいてございます。
　それから、医薬品・医療機器に係るものといたしまして、医薬品の治験、医療機器の治
験、治験が終わった後の薬価基準収載前の承認医薬品あるいは承認医療機器の使用、それ
から薬価基準に収載されています医薬品の適応外使用、こうしたものをＢのくくりとして、
いわば「もの」に係るものということで整理させていただいてございます。
　それから、選定療養の側ということで、Ｃ、Ｄ、Ｅというふうに分けさせていただいて
ございまして、Ｃの快適性・利便性に係るものとして、特別の療養環境の提供、予約診察、
時間外診察、前歯部の材料差額、金属床総義歯、それからＤとしまして、そのほか医療機
関の選択に係るものとして、２００床以上の病院の未紹介患者の初診、それから２００床
以上の病院の再診、それからＥの医療行為等の選択に係るものといたしまして、制限回数
を超える医療行為、１８０日を超える入院、小児う蝕治療後の継続管理といったものとい
う区分に整理させていただいているところでございます。
　４ページをお繰りいただきますと、なお、今回の法案が成立するに当たりまして、参議
院の厚生労働委員会におきます附帯決議の中で、「新たな保険外併用療養費制度－－今の
評価療養と選定療養を包括するものでございますけれども－－においては、医療における
安全性・有効性が十分確保されるよう対処するとともに、保険給付外の範囲が無制限に拡
大されないよう適切な配慮をすること。」という、政府に対します申し送りがなされてい
るということでございまして、こうした考え方を基本に所要の規則等につきまして文言の
整理をする必要があるということでございまして、今回その第１回目の議論として提出さ
せていただいているところでございます。
　以上でございます。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして質問等がございましたら、どうぞ。
○石井委員　質問ですけれども、この評価療養、選定療養等については、この参考１にあ
ります「いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意」という、この合意にのっとっての
こういう分け方であると理解していいのでしょうか。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　そのとおりでございます。
○石井委員　そうだとすると、評価療養に関しての枠というのは、これでもよろしいと思
います。選定療養のＣについてもそうだと思いますが、Ｄ、Ｅに関して言いますと、やや
疑問があります。既にこの「基本的合意」の中では、「必要かつ適切な医療は基本的に保
険診療により確保する」と書かれておりますし、「医学的な根拠が明確なものについては、
保険導入を検討する」となっております。さらに、無制限に保険外というのが広がらない
ようにと言われていますが、このＤ、Ｅに関しては、このことが担保されていないという
ふうに思われます。すなわち、「医療機関の選択に係るもの」ということで、今回の医療
費改定においても、これが２００床以上の病院等について実際上の初診料がほとんど払わ
れないような提案もありました。すなわち２００床以上の病院の紹介のない外来診療とい
うものは、必要かつ適切ではない医療ということになりますので、それはやはり問題があ
るだろうと私は主張してきましたし、今でも大変疑問であると思っています。２００床以
上の病院の再診も同様です。それから、「医療行為等の選択に係るもの」ということに関
して、今回リハビリの制限等々もいろいろ出てきますが、こういう形で回数制限を超える
医療行為というのが形式的に分類されますと、今後どういう扱いをするのか、今回のリハ
ビリについても、これに該当するのか、という問題が発生します。制限を超えても医師の
判断でもって必要な場合にはリハビリはやってもよろしいと今回は通達等ではなっており
ますが、はっきりと枠を鮮明にした形でこの選定療養のＤ、Ｅについては規定しておかな
いと、保険外給付の範囲が無制限に拡大されるということになると思いますので、この辺
をきっちりと区分けをしていただきたいと思います。
○土田小委員長　ただいまの、ここで質問ですよね、質問について事務局の方、お答え願
います。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　今の、例えば２００床以上の病院の未紹介患者
の初診等につきまして、これは医療機関の機能分化あるいは選択といったような観点も含
めまして、先回の診療報酬改定の中でも議論が重ねられて、例えばそういう大変混雑して
いるような大病院に、専門的な病院に、紹介状もないような患者さんが行かれるというの
は一つの選択なので、そこの部分についての初診料に加えて保険外の選定療養としての保
険のカバーされない初診料の部分を取っていただいても構わないというふうになっている
けれども、現行ではその３分の１ぐらいの病院しか取っておらず、その部分をどう考える
かということについて事務局の方からも提案をして、それで例えば初診料について、保険
の中の初診料でございますけれども、切り下げた上で、例えば大病院の方において特定療
養費といいますか、保険外の部分としてお取りいただくような形をもう少し進めるのはい
かがであろうかというような形で議論が進められて、結果としてやはりやり過ぎはいけな
いということで、現行の２００床以上の病院の未紹介患者の初診というものは残すことは
前提とした上で、初診料・再診料の額について差をつけないというのがこの間の中医協で
の結果としての合意だったというふうに理解しているところでございます。ほかにつきま
しても同様でございまして、リハビリの部分につきましても、通達等でということでござ
いますけれども、２月１５日に合意していただきました中で、継続的にリハビリを行うこ
とが医学的に有用である場合につきましては除外されて、算定日数の上限にはかかりませ
んということでのコンセンサスが得られたものだというふうに理解しております。
○竹嶋委員　一部関連、一部はまた別の意見でございますが、今のお話中で、私は最初に
質問したかったのは、いわゆるこういう決めました後の検証、それで、この１８０日を超
える入院というのがございますね、これは入院医療の必要性が低い患者の１８０日を超え
る入院ということでございますけれども、例えばこれが現実にどのように動いて、それで
実際にこういうケースはどの程度あるのかなと、それで、特にまたいろいろな現場でトラ
ブルはないのかと、それを１つお聞きしたかった。今のに関連すると思います。
　それからもう１つ、これはちょっと無謀な質問かもしれませんが、あるいは意見かもし
れませんが、言葉ですね、「選定療養」それから「評価療養」、私自身はこういうふうに
分けるということには異議がありません。しかし、国民の皆さんが新しくこういう言葉が
できてきたときに、十分それを理解できなければいけないですね。今からやっていくと思
うのですが。その前に一つ、私がこれまでこの数年思うのは、「いわゆる混合診療」とい
う言葉があるのですね。これは医療関係の私たちでも大変定義しにくい問題がある。だか
らこそ、前に「いわゆる」といつも使われると思うのです。私たちも「いわゆる」と使い
ますし、厚生労働省も皆さんお使いになられる。だから、ここの「混合診療」という言葉
も、どうもこれはこのままの形で使うのはいかがかなと。２ページを見ますと、「現行の
高度先進医療及び選定療養について」というところの中に、「保険診療と保険外診療との
併用」とかという表現があるのです。このことを言っているのだろうと思うのですけれど
も、そうすると、むしろ国民の皆さんにわかりやすい言葉をここでまた考えていく必要は
ないかなと。今ここですぐということではありませんが。かつていわゆる「社会的入院」
という言葉が、今日はメディアの方もたくさんお見えでございましょうが、これはやはり
メディアの方、それから申し訳ないが当時の厚生労働省の皆さんがおつくりになった言葉
だと思うのですけれども、これも何かずっと一時かなりはびこって、この言葉自体が勝手
に動いていきましたね。そういうこともありますので、やはり定義とか言葉とかというと
ころは、十分慎重にまずやっていく必要があるのではなかろうかなと、そういう考えを、
今日出された資料を読みながら思いました。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　質問に係るものが１点あったと思いますので。
先日、４月１９日に中医協の総会に御提出させていただいたのですけれども、選定療養に
係ります報告というのをまとめてございまして、１８０日を超える入院ということで算定
がなされている医療機関として、平成１６年７月１日現在では８，７９２の医療機関から
の御報告をいただいているということでございます。
　なお、少し補足を申し上げますと、今回は医療必要度に応じて療養病床の評価を再編い
たしましたものですから、今回療養病棟入院基本料につきましては１８０日の入院の特定
療養費というのは廃止していると、こういうことでございます。すなわち、そこで減額さ
れて、その部分をまたいわゆる「混合診療」的に追加費用が取れるという仕組みではなく
なっている、こういうことでございます。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　今竹嶋委員からお話がありました言葉の問題は僕も非常に気にかかっているのですが、
ただ、そのこと自体はここで議論すべき中医協マターではありませんので、御意見として
拝聴したいと思います。
　それから、もう１つ申し上げておきたいのは、今回ここで御議論いただくのは、あくま
でも区分けの問題でございますので、したがって、質問としてそれがふさわしいかどうか
ということはもちろん結構でございますが、例えば今２００床以上のどうのこうのという
石井委員からありました問題は、それは確かに非常に大きな問題で、それ自体は議論すべ
き課題だと思いますが、ただ今回ここで御審議をお願いしたいのは区分けでございますの
で、その中身がふさわしいかどうかということは、また改めて御議論したいということで
すから、質問はいくらなさっても結構ですが、そういう枠組みの中で今回議論をお願いし
ているということは一応申し上げておきたいと思います。
○黒﨑委員　今お話がございましたようなこの整理の仕方については、基本的に前よりず
っとわかりやすくなっておるということでよろしいかと私は思います。ただ、これはここ
ですぐ議論というわけではございませんが、歯科の関係でも３項目ほど入っているのです
が、これは大分長年たっておりまして、患者さんのニーズというのは非常に多様化してい
る、あるいは患者さんの視点に立つと、選択の余地をもっと広げた方がいいのではないか
というふうに思います。ですから、いずれはこの項目については見直しとか、あるいは新
たな提案をさせていただきたいというふうに思っています。
　以上です。
○土田小委員長　非常に重要な御指摘だと思います。そういうことで、この中身は改めて
これがふさわしいかどうか、あるいはさらに加えるべきものがあるかどうかということは、
非常に重要な課題として議論していきたいというふうに思っておりますが、ほかに御意見。
○対馬委員　質問が１点と、あと意見・要望が１点です。
　質問は、これまで特定療養費制度ということを言ってきたのですけれども、それにかわ
る言葉としては、「保険外併用療養」というのがそれにかわる言葉なのでしょうか、そう
ではなくて、ここに書いてある「評価療養」、「選定療養」というのがそれにかわる言葉
なのでしょうか、そこは一つよくわからないなと思います。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　説明をはしょりまして失礼いたしました。確認
いただくようにいたしますと、中医協診－１－２の８ページのところをごらんいただきた
いと存じます。法文といたしましては、新旧対照表という呼び方をしていまして、下のも
のが現行でございまして、新しいものが上になってございます。今対馬委員から御質問が
ありましたけれども、「特定療養費」というものが「保険外併用療養費」という形にかわ
ってございます。その中に、「評価療養」と「選定療養」があるということになります。
「評価療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費用について、保険外併用療
養費を支給する。」と、こういう形になります。
○対馬委員　そういうことだろうというふうに思うのですけれども、今回の本文の資料の
中にはそういう「保険外併用療養」という言葉が一つも出ていないものですから、ちょっ
と気にはなったのですけれども、わかりました。
　それから、意見・要望ですけれども、評価療養の中の先進医療と現行の高度先進医療と
の関係です。このあたりについては随分議論いたしましたので、それはわかるのですが、
これはいずれ例えば委員会といいますか、会議の場等の統合みたいなこともあるのだろう
というふうに思いますし、あと、議事規則の中にも、たしか「高度先進医療専門家会議に
意見を聴くことができる。」といったこともありますよね。ですから、これは要望ですけ
れども、いずれ今回の選定療養なり評価療養に係るものについての整理をお願いしたいな
というのが、１点、要望です。
　それから意見は、今回カテゴリーの区分けの変更なのでということを申し上げようかと
思いましたけれども、土田委員長の方からそういうお話がございましたので、全くそのと
おりだろうというふうに思います。
○遠藤委員　先ほどのお話で、この区分であって、中身についてはまた検討の余地がある
というお話だったわけですけれども、例えば新しい評価の対象が出てきた場合に、これを
評価療養にするのか、選定療養にするのか、あるいは現在分類されているものを中身を少
し変えるのか、例えば選定医療から評価療養に変えるといった、この辺の議論は中医協で
行われると考えてよろしいのでしょうか、質問であります。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　中医協で行っていただいたらと思います。
○小島委員　今の関連ですけれども、中医協で議論されるところは、この資料の１－１で
分類をしています３ページのところで、評価療養以下のところ、この中でＢ以下のところ
になるけれども、法律条項はそうだと。この３ページのＡのところの医療技術に係るもの、
先進医療ということについては、これは法文上は中医協の諮問事項ではないということで、
今までので言うと先進医療と同じ扱いになるということで、そこが今遠藤委員から指摘さ
れたように、高度先進医療についての専門家会議での議論を受けて、中医協でそれを認め
るかどうかという扱いになる。それは今回の法改正に伴って先進医療の扱いと同じような
扱いにするのだということだと思いますので、そこははっきりとさせておく必要があるだ
ろうというふうに思います。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　今小島委員がはっきりすべきと言われたとおり
でございまして、高度先進医療については、今度は先進医療の中に包括するといいますか、
統合するという形になります。
　では、先進医療専門家会議と中医協との役割分担というか、仕切りの部分がどういうふ
うになるのかと。ここにつきましては、昨年の４月に相当議論がございまして、中医協と
してどういう関与をきちっとするのかというところだったわけでございます。その結果と
しての整理でございますけれども、先進医療専門家会議というのはいわば科学的な評価を
行うところで、医療技術ごとに実施可能な医療機関の基準を定めるためのものであって、
医療技術について、有効性、安全性が確保されているか、あるいは先進性、効率性あるい
は社会的妥当性ということを確認するための専門家の会議でして、その科学的評価の結果
について中医協で報告を受けて、先進技術の保険給付との併用について検討するというこ
とに整理がなされたところでございますし、また、保険給付との併用を認めた技術につい
て、さらに保険導入に係る技術的問題について、先進医療専門家会議で検討をしたことを
踏まえて、中医協で当該技術の保険導入をするかしないかということの検討を行うという
ふうに整理させていただいているということでございますので、いわば科学的評価を中心
とした先進医療の専門家会議、それから中医協の方で保険併用の適否、それからあるいは
保険導入をするかどうかということについてきちっと検討していただいて御確認いただく、
こういう仕切りになるのだというふうに考えてございます。
○松浦委員　選定療養のＤですが、私もいろいろ意見を申し上げた経緯がございますので、
今の会長のちょっとおさばきを見ておりますと、この２００床以上の病院ということにつ
いては、改めてまた議論をする機会があると、こういうことと解釈してよろしゅうござい
ますか。
○土田小委員長　はい。
○松浦委員　ありがとうございました。
○土田小委員長　もう少し説明させていただきますが、先ほど僕は区分けが今回の審議を
お願いするというふうに申し上げて、そのことはそうなのですが、ただ、中身を見ますと、
今堀江室長から話がありましたように、従来の高度先進医療と今回の先進医療の扱いがや
はり異なっているということですし、それから、前は治験のところが選定療養に入ってい
たのが、今回は評価療養の方に入ってきているというように、もちろん区分けでございま
すけれども、内容そのものにかかわるような変更も入っておりますので、そこのところは
十分に御議論いただきたいということをつけ加えさせていただきます。
　ほかに御意見等ございましたら、どうぞ。
　よろしいですか。結論を出すのは次回以降にしたいと思いますので、とりあえず今回御
意見だけ承っておきたいということですが、ほかにございましたら、どうぞ。
○松浦委員　これはちょっと基本的なことになるのかもしれませんが、この途中で、評価
療養から今度は評価して保険に収載する医療が出てきますね。そうすると、それは改定率
の枠の外に出てもいいものなのか、あくまでもその増分については、マイナス部分も同時
に出さなければいけないものか、その辺はどうなのでしょうか。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　もう昭和５９年以来、高度先進医療については、
その辺については長い伝統というのがございまして、高度先進医療に入れるということは、
例えば入院医療費とかについては保険が出るわけでございますけれども、しかしながら、
技術自体を新たに保険に入れるかどうかという部分は、２年に１度を原則とします診療報
酬改定のときに行っておりまして、この間の改定まで含めまして、たしか６６技術が既に
高度先進医療を卒業して保険に入っておりますけれども、それはいずれも診療報酬改定の
ときに行っております。なお、前回高度先進医療、先進医療ではなくて、もう直接に学会
からの要望があって検討したものも５０技術ほど入れておりますので、そうしたもの等を
含めて、それはいわゆる改定の際の短冊の中にも入れていて、入っておりまして、高度先
進医療は８技術、それからそのほかの新規技術は５０技術程度今回の改定の中で入れます
よというふうになっていますので、そこは織り込まれていると、こういうことでございま
す。
○土田小委員長　よろしいでしょうか。
　それでは、次の議論の方に進ませていただきたいと思います。「入院時生活療養費の額
の算定に関する基準等」について議題としたいと思います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○事務局（福田企画官）　医療課企画官でございます。
　お手元の資料、中医協診－２をごらんいただきたいと思います。「療養病床に入院する
高齢者の食費・居住費の負担について」という表題でございますけれども、今般の健康保
険法等の改正に伴いまして、従前、入院時食事療養費というのがございましたけれども、
これに加わる形で、新たに入院時生活療養費という枠組みというものが創設をされたとこ
ろでございます。中医協の方でこれから御議論いただきたいのは、この入院時生活療養費
というものが新たに創設をされることに伴いまして、入院時生活療養費の基準額、こちら
の方を御議論いただく必要があるということでございまして、それにつきましての基礎的
な説明をこれからさせていただくという形でございます。
　なお、この新しくできました入院時生活療養費、このいわゆる法的な位置づけといいま
しょうか、それから費用負担の考え方ということにつきましては、現在既にございます入
院時食事療養費、この考え方と基本的に一緒でございますので、説明をなるべくわかりや
すくする関係上、この入院時食事療養費のつくりというものも適宜御説明をあわせてさせ
ていただきながら、入院時生活療養費につきまして御説明をさせていただきたいというふ
うに思っております。
　資料１ページのまず「１　見直し案の概要」というところでございますが、今回、この
入院時生活療養費、この対象になる者ということでございますが、こちらは療養病床に入
院する７０歳以上の高齢者ということでございます。法律によりまして、施行時期は平成
１８年１０月以降ということになるわけでございます。
　その次に、「標準負担額」、「保険給付」ということが書いてございます。この辺の関
係を入院時食事療養費を用いましてちょっと説明をさせていただきたいと思いますが、
「保険給付」と書いてあるところの下に「※」が書いてあると思いますが、そこのところ
をちょっとごらんいただきたいと思います。現行の入院時食事療養費の仕組みをおよそ説
明しているわけでございますが、現行の入院時食事療養費と申しますのは、この入院時の
食事療養の基準額、これは日額ベースで計算をいたしますと１，９２０円ということで、
この基準額は、今回平成１８年度の診療報酬改定でもこの中医協で御審議をいただいて御
決定をいただいたというものでございます。なお、これは日額１，９２０円でございます
ので、月額ベースで換算いたしますと、大体５万８，０００円になるということでござい
ます。ここから、標準負担額、こちらは一般の所得者の場合で日額７８０円ということで
ございますが、この額を控除したもの、これを入院時食事療養費として保険から支給をさ
れるという形になってございます。この日額の７８０円というのは、中医協で御議論いた
だいて決められるという、そういう事項のものではございませんで、別に厚生労働大臣が
定めるという形になってございます。この７８０円というのは日額ベースですので、月額
に換算いたしますと２万４，０００円という形になるということでございます。今回の入
院時生活療養費も、基本的な費用の構成と、それから負担の仕方と、そして支給される額
の仕組みというのは、今申し上げました入院時食事療養費と基本的に一緒ということでご
ざいます。
　そういったことを念頭に置いていただきながら、まず、「標準負担額」の方をごらんい
ただきたいと思いますけれども、今回の生活療養費につきましては、食費のうち、その食
材料費とそれから調理コスト相当分、ここを御負担いただくということで４．２万円、そ
して、その生活ということで、居住費のうちの光熱水費相当、この部分を御負担いただく
ということで、この部分の額が１万円ということで、合わせまして５万２，０００円とい
うものを御負担いただく方向で現在議論が進んでいるということでございます。なおこの
額は、いわゆる生活部分でのコストの負担という観点から、基本的に介護保険と同額の考
え方になっているということでございます。この５万２，０００円の負担といいますのは、
現行の食事療養費というものを考えた場合には、現行の食事療養費は、この食材料費相当
分のみでございますので、先ほど御説明申し上げましたように２万４，０００円になる。
それから負担が若干増える形になるということでございます。こちらの方は「標準負担
額」でございまして、こちらの額そのものの設定につきましては、これは中医協で御議論
いただく事項ではございません。
　次の「保険給付」のところをごらんいただきたいと思いますが、こちらの入院時生活療
養の基準額、こちらの部分をこれから中医協の方で御議論いただくという形のものでござ
います。この生活療養につきましても、入院時生活療養の基準額から、先ほど御説明申し
ました標準負担額、これを控除した額というものが入院時生活療養費として支給をされる
ということでございます。
　数字のイメージがないとおわかりにくいかと思いますので、後ほど数字については別途
御説明をさせていただきますけれども、事務局案として御提示申し上げているこの入院時
生活療養の基準額といいますのは、月額ベースで６万２，０００円というようなところを
後ほど御説明をさせていただきたいと考えております。そういった６万２，０００円から、
先ほど御説明いたしました標準負担額５万２，０００円、こちらを引いた額というものが
入院時生活療養費として支給をされるという、こういった枠組みというものが今回の法改
正で新たにつくられたということでございます。
　２でございますけれども、「低所得者対策」ということでございまして、こちらにつき
ましては、介護保険と同じような形で負担の軽減を図る仕組みを導入するということでご
ざいます。
　３でございますが、「負担の対象外となる患者」ということでございます。基本的にこ
の入院時生活療養費につきましては、先ほど対象者のうちで申し上げましたように、療養
病床に入院する７０歳以上の高齢者、これが対象になるわけでございますけれども、負担
の軽減という形で、そういった意味での負担の対象外となる患者さんというものを別途規
定をすることとされてございます。具体的には、入院医療の必要性の高い状態、これは例
えば人工呼吸器とか中心静脈栄養等を要する状態等々でございますけれども、が継続する
患者さん及び回復期リハを具体的に受けている、そういった患者さんについては、現行ど
おり、負担の部分につきましては食材料費の相当分のみの負担にする。医療的な必要性が
高いという観点から、そういった形での整理になっているということでございます。
　なお、必要性の高い状態というのは、具体的なイメージといたしましては、今回の療養
病床の医療区分の関係でいきますと、医療区分の２、そして３に相当する患者さんの状態
でございますけれども、その患者さんの状態が継続する患者さんというところがその負担
の対象外となるという、そういう位置づけでございます。
　４をごらんいただきたいと思いますけれども、「新たな高齢者医療制度の創設に伴う措
置」ということございまして、１８年１０月からは、先ほど申し上げましたように、７０
歳以上の高齢者でございますけれども、２０年４月からは、新たな高齢者医療制度の創設
とあわせまして、６５歳以上７０歳未満の者につきましても同様の負担の見直しを行うと
いうふうにされているところでございます。
　次に２ページをごらんいただきたいと思いますが、今、食事療養費との関係で御説明を
させていただきましたけれども、２ページ、３ページは、その食事療養費というものを参
考にさせていただきながら、生活療養についてわかりやすく表で説明をしているというも
のでございます。対象者につきましては、先ほど御説明をしたとおりでございます。内容
でございますけれども、これは食事の提供である療養と、光熱水費、これに関連いたしま
すサービスとしての「温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養」、
これを合わせて、療養の給付と併せて行う生活療養という形に整理をするということでご
ざいまして、介護保険との均衡等の観点から、食費及び居住費の負担を求める法律上の仕
組みが創設をされたということでございます。こちらはあくまでも費用負担の枠組みの整
理、再整理という形でございますので、従来の入院時の治療とか食事等の基本的な水準、
そういったものに変更があるというものではないということでございます。
　３ページをごらんいただきたいと思いますけれども、先ほど冒頭で御説明をいたしまし
た具体的な療養費の支給について、少し数字を入れて具体的に御説明をするための資料と
いうことでございます。右側の方の食事療養費につきましては、先ほど御説明をしたとお
りでございますけれども、左側、生活療養につきまして、説明申し上げましたとおり、入
院時生活療養の基準額から標準負担額を控除した額ということでございまして、「※１」
のところにございますけれども、この入院時の生活療養に必要な費用の額、この基準額に
つきましては、中医協への諮問を経て厚生労働大臣が定めるということで、こちらでこれ
から御審議をいただくという形になるわけでございます。
　「※２」のところで、標準負担額につきましては、平均的な家計における食費及び光熱
水費の状況、介護保険との均衡等を勘案いたしまして厚生労働大臣が定める額ということ
でございまして、先ほど月額にいたしまして５．２万円という形でございましたけれども、
それを日額ベースで内容をお示しをしているのがこちらでございます。
　次に、４ページをごらんいただきたいと思いますけれども、先ほど御説明申し上げまし
た基準額の部分の額の案ということについての説明資料ということでございます。一番上
の四角をごらんいただきたいと思いますけれども、療養病床に入院する高齢者について、
現行の療養病棟入院基本料等に含まれております光熱水費によって賄われているサービス
を切り出しまして、現行ございます入院時食事療養費の部分と統合いたしまして、入院時
生活療養費というものを創設をするということでございまして、これに伴って、そこに関
係するコストというものを足し合わせて、それを入院時生活療養費の基準額というふうに
したらいかがかという、そういった案でございます。
　一番右側は現行の部分でございまして、こちらは入院時食事療養費とそれから療養の給
付の部分につきまして御説明をさせていただいているものでございます。上の部分の四角
が入院時食事療養に係る部分でございまして、月額相当にいたしまして、食事の部分は５
万８，０００円という形になってございまして、これが入院時食事療養の基準額という形
になる。これに療養の給付でありますところの部分がくっついて全体の医療費を構成をす
る形になるということでございますが、右側、見直し案をごらんいただきたいと思います
けれども、先ほど上の四角の中で御説明しましたとおり、現行の療養病棟入院基本料等に
含まれております光熱水費によって賄われているサービス、この部分を切り出して、現行
の入院時食事療養の部分、これに統合するということで、現行、食事の部分は５万８，０
００円の月額負担額相当でございますけれども、この部分に該当する光熱水費の部分を足
し合わせて、真ん中の表のところの右側のところに黒枠で囲ってございますけれども、
「入院時生活療養の基準額（案）」ということで、６万２，０００円を基準額としたらい
かがかと、こういう形で、説明として整理をさせていただいているというところでござい
ます。
　参考までに、右側のところに、介護保険におきます取り扱いということで、介護保険の
場合は、この部分は保険外の形に整理をされてございますが、標準的ないわゆるモデル負
担額といたしましては、５万２，０００円という形になっているということをお示しをし
ているという部分でございます。患者さんの負担につきましては、例えば見直し案でいき
ますと、入院時生活療養費の基準額から標準負担額を引いた額、さらに療養の給付でされ
る部分の１割負担の部分、これを足し合わせた額というものが患者さんの負担になってく
るという形になるわけでございます。
　基本的に、この入院時生活療養の基準額について御議論いただくわけでございますが、
それに伴いまして、あわせて必要な部分につきましても、中医協の方に諮問をしてまた答
申いただくような形になりまして、その部分の一つが規定の整備ということでございまし
て、５ページをごらんいただきたいと思いますけれども、この入院時生活療養の基準額、
新たに創設されたものでございますので、療養担当規則などにおきまして所要の文言の整
理を行う必要があるということでございまして、その左側の部分が現行の部分で、入院時
食事療養費、こちらの方について第五条の三という形で整理をしてございますけれども、
それに新たに入院時生活療養関係が加わりますので、第五条の三の二という形で、生活療
養について、療養担当規則においても必要な文言の内容の整理をするということでござい
ます。こちらの方は、法律の条文を踏まえまして、基本的な考え方は、食事療養の表現、
考え方というものを踏まえて同様に整理をしているということでございます。
　もう一度４ページ目にお戻りいただきまして、こういった文言のルールの方の整理、そ
して、入院時生活療養費の基準額の設定、それに伴います関係する診療報酬の部分の必要
な調整といったことにつきまして、中医協での議論を踏まえまして、最終的に諮問の上で
御答申をいただくという形になるということでございます。
　なお、最後６ページ目でございますけれども、今回の健康保険法の部分のところで参考
までに、入院時食事療養費とそれから入院時生活療養費につきまして、法律の規定につき
まして抜粋したものを参考までに添付をさせていただいておるというところでございます。
　事務局からの説明は、以上でございます。
○土田小委員長　ありがとうございました。
　なかなか複雑ですが、どうぞ質問あるいは御意見ございましたら、お願いいたします。
○対馬委員　ちょっと確認なのですけれども、なかなかややこしいものですから、わかり
やすさということからいうと、患者負担がどうかという見方ですね、それが１つと、あと、
医療機関に支払われ診療報酬、患者負担の分とそれから保険給付の分と両方あるのでしょ
うけれども、それがどうなのかということ、両方なのでしょうけれども、まず、患者負担
の方からいうと、介護保険、この４ページ目に書いていますけれども、介護保険は保険外
ですから、実際の各施設によって違うのかもしれませんけれども、一応ここでは５万２，
０００円ほど負担していただくのだというふうに書いていますけれども、それとの見合い
で、今回も患者負担というのは、これは５万２，０００円ということで、介護とバランス
上合っているのかということでよろしいのかどうかが１つ。
　それから、医療機関の報酬ということでいうと、現行が一番左側に５万８，０００円と
いう欄があって、その下に、そこがちょっとややこしいのですが、光熱水費も関連してい
るようですけれども、光熱水費をちょっと組みかえて、結果的に５万８，０００円と光熱
水費の４，０００円相当でしょうか、合わせまして６万２，０００円になるようですけれ
ども、それが今回の入院時の生活療養費でもって患者からいただける分と、あとそれから
保険からでしょうか、いただける分のと１万円と、合わせて６万２，０００円ということ
だから、現在の医療機関がいただける収入と変わりはないと、こういう理解でよろしいの
かどうか、確認しておきたいと思います。
○事務局（今別府保険課長）　患者負担の関係ですので、保険課長からお答えをいたしま
す。
　今対馬委員がおっしゃったように、介護保険はこれは基準額ですので、実際の施設が取
る額というのは必ずしもこの額と同一ではありませんけれども、基準としては５万２，０
００円。医療保険の方の今回の患者負担は、この介護保険の基準額の５万２，０００円と
バランスをとって同額の５万２，０００円ということでございます。
○事務局（福田企画官）　医療機関の受け取る全体の医療費としての総額ということにつ
いてでございますけれども、先ほど対馬委員の方からお話しございましたように、基本的
に療養の給付の部分とそれから患者さんの負担の部分、そして新たに設定をされます入院
時生活療養費、ここで支払われる部分と、この総額といいますのは、現在の額と変わらな
いと、全く同額になるということでございます。
○対馬委員　今の御回答でわかりました。そういうことであると、それ以上の選択肢とい
うものは、ちょっとないだろうというふうに思いますので、これはそういうことで
よろしいのかなと、こういうふうに思います。
　それで、あと１点要望になるかというふうに思うのですけれども、この対象は確かに中
医協で議論するお話ではないと思うのですが、この負担の対象外となる患者のところです
けれども、こういう形で生活療養費が対象になりますと、もうこれは介護の見合いでもっ
て上がっていくということになりますので、この負担の対象になるのか、それとも対象外
となるのかといったところは非常に大きな影響を受けるだろうと、こういうふうに思うの
です。そうしたときに、これは前にも申し上げているのですけれども、ここで議論させて
いただき、患者の状態等によって医療区分１とか２とか３を決めさせていただいたわけで
すけれども、医療区分１が恐らく主として対象になっていくのだろうと思うのです。そう
しますと、どうしてもこういった患者負担の方が頭にありますと、なかなか区分１として
ふたんが増えるということもあって、結果的に２とか３にシフトしていくといったことも
懸念される。前からそういう議論はあるわけですけれども、改めてそういった懸念もある
わけでございますので、こういったことにならないようなチェックといいますか、そうい
ったことを従来以上に考えていかなくてはいけないなということを改めて思いますし、ま
た、そういう御努力もよろしくお願いしたいというふうに思います。
○土田小委員長　ありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。
○鈴木委員　関連でございますけれども、まず、こういう制度として新しくスタートする
ときには１００％でいくということはないのだとは思いますが、非常に医療区分１、２、
３の仕分けに問題があるということだけ、現在非常に現場も混乱をしておりますので、そ
この点だけお話をさせていただきます。
○土田小委員長　ありがとうございました。
　ほかにございますでしょうか。
　よろしいでしょうか。先ほど対馬委員の方から発言がありましたように、医療機関の受
け取り分、あるいは患者負担の状況というところだけ、結論を聞くと、それほど複雑では
ないのですが、この仕組み自体が非常に複雑ですので、また次回検討いたしますが、それ
までよくよく御理解を……。
○小島委員　これは確認というか、質問なのですけれども、今回の見直しは、法律が通っ
てしまったということでやむを得ないということになりますが、その金額との関係もある
のですけれども、いわばこの資料の４ページにあります介護保険との対比で、介護保険の
方は、これは介護適用の三施設共通でありまして、これはその介護保険の方は三施設とも
この標準的な負担というのは、これは多床室といいますか、４人部屋、５人部屋といった
ようなところですが、介護保険の方は個室とかあるいはユニット型と言われるようなとこ
ろについては、この光熱費に相当する部分がいわば部屋代という形でさらに負担になると
いうことになっております。この医療の方については、これも多床室の場合の標準的な基
準額ということで、患者負担については５万２，０００円ということになっていますけれ
ども、それ以外に、差額ベッドというのが選定療養という形で先ほど議論されましたけれ
ども、という形で、負担がこの上にあるということも、ここも患者からすれば負担がある。
これ以外に差額ベッドといいますか、そういうものが負担があるということになると思い
ますけれども、一応医療保険の方は、負担については基本の５万２，０００円というので、
では、実際に保険から給付されるのは生活療養費の基準額６万２，０００円から基本負担
額５万２，０００円を引いた１万円が保険給付になるという扱いですね。というところで、
入院患者からすれば、それにさらに個室とかあるいは部屋代というのが乗っかるというよ
うな整理の仕方ということだと思いますので、実際の施行に当たっては、きちっとやはり
そういう整理はしておく必要があるだろうと思います。
○土田小委員長　ありがとうございました。
　ほかに質問等ないようでしたら、この問題はまた次回検討するということで、本日の小
委員会はこの辺で終了したいと思います。
　次回の予定が決まっておりましたら、お願いします。
○事務局（原医療課長）　次回は７月２６日を予定しております。当日、診療報酬基本問
題小委員会もあわせて開催する予定でございます。よろしくお願いいたします。
○土田小委員長　どうもありがとうございました。
　それでは、本日の基本小委はこれで終わりにします。
　この後、ほかに薬価部会等々がございますので、しばらくお待ちください。
　　　　　　　　　　　　　　　 


　　　　　　【照会先】
　　　　　　厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
　　　　　　代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）