06/07/06 薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 平成18年7月6日議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録 1.日時及び場所   平成18年7月6日(木) 16:00〜   厚生労働省共用第7会議室 2.出席委員(17名)五十音順   ○池 田 康 夫、 岩 崎   学、 上 田 志 朗、  大 澤 真木子、    菊 地 博 達、 岸 田   浩、  木 下 勝 之、 倉 田 雅 子、    児 玉   孝、 相 楽 裕 子、  柴 川 雅 彦、 首 藤 紘 一、    土 屋 文 人、 長谷川 隆 一、  堀 内 龍 也、◎松 本 和 則、     山 口 照 英、    (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(6名)五十音順     甲 斐 智恵子、 北 村 啓次郎、 田 代 眞 人、 埜 中 征 哉、     宮 村 達 男、 渡 邉   亨  3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、    中 垣 俊 郎(安全対策課長)、   山 田 雅 信(安全使用推進室長)、   岸 田 修 一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構技監・安全管理監)、   別 井 弘 始(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全部長)  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○事務局 定刻になりましたので、平成18年度第1回医薬品等安全対策部会を開催させ ていただきます。本日の部会は、従前の取扱いと同様、公開で行うこととさせていただ いておりますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御 協力のほどよろしくお願いいたします。  本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありが とうございます。前回の部会以後、委員の交替がありましたので、御紹介させていただ きたいと思います。井上委員、倉田毅委員及び田島委員の3名の委員が退任されており ます。今回の部会から新たに、3名の方に委員をお願いしているところでございます。 日本医師会常任理事の木下委員、日本薬剤師会副会長の児玉委員です。それから、本日、 御欠席ですが、国立感染症研究所所長の宮村先生に委員をお願いしております。よろし くお願いいたします。  本日の会議ですが、ただ今御紹介を申し上げました宮村委員のほかに、甲斐委員、北 村委員、田代委員、埜中委員、渡辺委員から事前に欠席の御連絡を頂いております。池 田委員が少し遅れているようでございますが、現在、16名の委員に御出席していただい ているところでございまして、本部会の定員は23名ですので、本日の部会は定足数に達 しているということでございます。  それでは、議事に入らせていただきますので、カメラ撮りはここまでとさせていただ きます。松本先生、よろしくお願いいたします。 ○松本部会長 この度委員になられました木下委員、児玉委員、よろしくお願いいたし ます。まず、事務局から本日の配布資料の確認をしてください。 ○事務局 お手元に配布させていただいております資料の確認をさせていただきたいと 思います。「議事次第」、「配布資料一覧」、資料1-1「平成17年度の安全対策につい て(まとめ)」、資料1-2「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、資料1-3「ゲフィ チニブ検討会における検討結果に基づく対応について」、資料2-1「薬事法第77条の4 の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等報告について」、資料 2-2「国内副作用報告の状況(医療用医薬品)」、資料2-3「国内副作用報告の状況(一般 用医薬品)」、資料2-4「国内感染症報告の状況」、資料2-5「外国における新たな措置 の報告状況」、資料2-6「研究報告の状況」、資料3-1「感染症定期報告の報告状況」、 資料3-2「報告文献別一覧表」、資料4-1「医薬品等の回収報告の状況について」、資料 4-2「平成17年度医薬品等自主回収一覧」、資料5-1「一般用医薬品の市販後調査結果 等について」、資料5-2「ミノキシジル含有製剤の再審査報告書」でございます。以上 でございます。 ○松本部会長 資料はよろしいでしょうか。早速、議題に入りたいと思います。まず、 議題1は「医薬品等の市販後安全対策について」です。事務局から説明をお願いします。 ○事務局 平成17年度の安全対策について、資料1-1を御覧ください。医薬品の製造販 売業者等は、医薬品の副作用・感染症、研究報告を知ったときは、薬事法第77条の4の 2第1項の規定に基づいて報告することが義務付けられております。  また、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても、医薬品の副作用について、 薬事法第77条の4の2第2項の規定に基づき医薬関係者は必要があると認めたときは、 国へ直接報告することが義務付けられております。それにおきまして、平成17年度の副 作用報告について御報告いたします。  まず、医薬品でございますが、副作用報告につきましては24,523件ございました。研 究報告につきましては971件ございました。外国措置報告につきましては563件ござい ました。感染症定期報告につきましては1,077件ございました。また、医薬関係者から の副作用報告につきましては3,992件ございました。  続きまして、安全対策上の措置の推移ということで、5年間の推移を示しております。 医薬品の一番右のコラムで、昨年度の実績といたしましては、「医薬品・医療機器等安 全性情報」への情報掲載が31件、使用上の注意の改訂が250件、動物実験等の実施指示 が1件で、合計282件でございました。  平成17年度の安全対策として具体的に行ったものといたしまして、(1)「医薬品・医 療機器等安全性情報」への情報掲載につきましては、重要な副作用等に関する症例紹介 を除きますと、平成17年4月に「ゲフィチニブ検討会の検討結果について」、「市販直 後調査への協力依頼について」を掲載しております。また、平成17年9月に「平成16 年度インフルエンザワクチンの副反応の報告等について」、平成17年10月に「Cypher ステントと塩酸チクロピジン製剤の市販後安全対策の結果について」、「医薬品による 重篤な皮膚障害について」を掲載しております。平成18年1月に「小児気管支喘息にお けるテオフィリン等の適正使用について」、平成18年2月に「患者向医薬品ガイドにつ いて」を掲載しております。  (2)動物実験等の実施指示につきましては、平成17年8月24日にディートを含有す る医薬品及び医薬部外品の製造販売業者に対しまして、ディートの神経系への影響に関 する試験の実施指示を行っているところでございます。以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。平成17年度の安全対策について説明を頂きま したが、御質問、御意見等はございませんでしょうか。よろしいようでしたら、次に進 ませていただきます。事務局から説明をお願いします。 ○事務局 続きまして、資料1-2「医薬品等の使用上の注意の改訂について」御説明を いたします。  3月24日発出分といたしましては、No.05-163、164、170のアスピリン製剤について 改訂を行いました。アスピリン製剤につきましては、川崎病を有するもの、血栓予防を 有するものにつきましては、従前より出産予定前12週の妊婦は「禁忌」という項に記載 しておりましたが、入念的な措置といたしまして、解熱鎮痛剤の効能を持ちますアスピ リンにつきましても、「出産予定日12週以内の妊婦」を追記したところでございます。 併せまして、副作用等が発生したということで、「重大な副作用」に血小板減少、白血 球減少について記載を整備いたしまして、「出血」、「肺出血、消化管出血、鼻出血、 眼底出血等」、「肝機能障害、黄疸」、「消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍」を追記いたし ました。  No.05-165の臭化チキジウムにつきまして、今年4月のOTCの承認の結果に合わせま して、「重大な副作用」の項に「ショック、アナフィラキシー様症状」と「肝機能障害、 黄疸」を追記したものでございます。No.05-166のトリアムシノロンアセトニドにつきま しては、副作用等が発生したということで、アナフィラキシー様反応と「失明、視力障 害」について追記をいたしております。  続きまして、ヘパリン系のものでございますが、No.05-167、168、169のヘパリン製剤 につきまして、低分子ヘパリンを含めまして、従前、血小板減少ということで注意喚起 をしていたところでございますが、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)という概念が 医療現場でも定着したということで、「禁忌」にすると同時に、「重大な副作用」等に HITに関する注意を記載したところでございます。以下10成分について指示を発出し ております。  4月28日発出分でございます。No.06-001のアジスロマイシン水和物につきまして、 副作用等が集積したということで、「重大な副作用」の項に肝炎を追記し、「白血球減 少、顆粒球減少、血小板減少」を追記したというものでございます。以下3成分につい て指示をしております。  6月2日発出分でございます。No.06-005、007、009のプロメタジン製剤におきまして、 「禁忌」の項に「2歳未満の乳幼児」を追記いたしまして、「小児等への投与」につい て「2歳未満の乳幼児には投与しないこと。」というものを追記したものでございます。  No.06-006のヒドロキシジン製剤につきまして、「禁忌」の項に過敏症の既往歴のある 患者等の記載整備を行いまして、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」等を追記 いたしております。  No.06-008のアトルバスタチンカルシウム水和物につきまして、症例が集積したという ことで、劇症肝炎、肝炎を追記しております。06-010の牛車腎気丸につきまして、副作 用が報告されたということで、「重大な副作用」の項に「間質性肺炎」を追記しており ます。ほか5成分について指示をしております。  最後に、6月30日発出分でございますが、医薬部外品の鼻づまり改善薬につきまして、 小児が誤って口に入れないよう注意する旨の改訂を指示しているところでございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。3月24日〜6月30日指示分の医薬品等の使 用上の注意の改訂について説明を頂きましたが、御意見等はございませんでしょうか。 このような指示でよろしいようでしたら、次に進ませていただきます。事務局から次の 議題について、説明をお願いします。 ○事務局 資料1-3について御説明させていただきたいと思います。昨年3月24日に開 催されましたゲフィチニブ検討会で取りまとめられた検討結果に基づきまして、企業に 対して「ゲフィチニブ検討会における検討結果に基づく対応について」という通知を出 しているところでございます。対応について、企業が定期的に報告をすることとしてお りますので、今回、企業から報告が出されたものでございます。  「1.情報提供活動において医薬関係者に日本肺癌学会の「ゲフィチニブ使用に関する ガイドライン」を配布し、関係者に周知すること。」につきましては、資料の1ページ に書いてありますとおり、昨年7月に改訂されたガイドラインについても配布をしてい るということで、それ以降についても、新規の納入施設に引き続き配布を行っていると いう状況です。  「2.使用患者数(新規・継続の別)などの患者情報の把握に一層努めること。」という ことにつきましてでございますが、今年3月末時点で集計した1月〜3月の間の新規処 方患者数につきましては合計約2,100人、3月末時点での継続投与患者数は約6,400人 ということで報告を受けております。全納入施設は1,736施設ですが、新規処方患者数 が調査で把握できたのは1,730施設、継続投与患者数が把握できたのは1,729施設とい うことになっておりまして、新規処方患者数が確認できなかった施設での売上高の比率 につきましては全体の0.8%ということになっております。  「3.関係学会と協力するなどして、ゲフィチニブの有効性と関係する変異の解明、E GFR遺伝子変異検査方法の確立等に向けて努力し、得られた成果については積極的に 公表し、医薬関係者及び患者に対して情報提供すること。」ということでございます。 前回、企業からも報告を受けておりましたが、IPASS試験という、日本とアジアでの共 同試験につきまして4月あるいは5月に開始予定ということでございましたが、 c.IPASSに書いてあるとおり、「日本においては2006年4月に1例目の被験者が登録 された」ということで、試験が開始されたということの報告を受けているところでござ います。  「4.ゲフィチニブの日本人における生存期間に対する有効性を評価するためには、現 在実施中のドセタキセルを対照とした非盲検無作為化群間比較試験の結果が必要であ り、早急な試験の完了に向けて努力すること。」ということにつきましては、患者の登 録が終わっていて、追跡観察をしているという報告を受けているところでございます。  最後の「5.急性肺障害・間質性肺炎発生原因の解明や回避方法の策定に向けて努力し、 得られた成果については積極的に公表し、医薬関係者及び患者に対して情報提供するこ と。」ということでございます。これも前回報告されていましたが、ケースコントロー ルスタディにつきましての進捗状況ですが、「6月に外部の専門家からなる疫学諮問委 員会が開催され、解析のプロセス及び予備的な解析の検討が行われた。本試験の解析結 果は、2006年秋までには得られる予定である。」という報告を受けているところでござ います。以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。ゲフィチニブ検討会における検討結果に基づ く対応について事務局から説明を頂きましたが、御質問、御意見等はございますか。ど うぞ、堀内委員。 ○堀内委員 幾つかお尋ねしたいと思います。まず第一に、二番目の使用患者数ですが、 1月〜3月までで2,100人ということで、これは従来から余り変動しないで、直線的に 上っているような使い方であると思いますが、そう捉えてよろしいでしょうか。 ○松本部会長 事務局、いかがですか。 ○事務局 3月の部会で報告させていただいた資料ですと、昨年1月〜3月、4月〜6 月、7月〜9月、10月〜12月の3か月ごとに同じように調査した結果を企業から報告を 頂いています。4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月につきまして、新規患者は約2,000 人、継続患者数は6,000人〜6,500人ということで、3か月ごとで報告を受けておりま すので、ほぼ同様の数字ではないかと考えております。 ○堀内委員 遺伝子変異と関係なく使っていると考えてよろしいのですね。 ○松本部会長 いかがですか。 ○事務局 遺伝子変異の検査が行われたかどうかは今回の調査結果には含まれていませ んので、この数字の中で遺伝子変異の検査がどれぐらい行われたかは分かりかねるよう な状況でございます。 ○堀内委員 次回からは、遺伝子変異の検査をどのぐらいやっているかということも含 めて報告していただければと思います。それからもう一つ、1,730施設ということでか なり多いのではないかと思います。専門家のいるところで使うということになっている と思いますが、その辺はいかがでしょうか。 ○松本部会長 事務局、いかがですか。 ○事務局 このうちの何割ががんの専門病院か、あるいは非専門病院かということにつ いて即座には答えかねますので、企業に確認をしてみたいと思います。 ○堀内委員 分かりました。次に、2ページのb.国内第III相試験ですが、「結果が得ら れ次第報告する予定である。」ということなのですが、いつぐらいの予定なのでしょう か。メーカーがしているこの報告はかなりあいまいであると思いますので、もう少し具 体的に報告をしていただきたいと思うわけです。今、お答えいただかなくてもいいので すが。  それから、先ほどのIPASSですが、目標数はどのぐらいで、日本ではどのぐらいやる 予定なのか。4月に1症例目が登録されたということですが、スピードとしてはかなり 遅いのではないかと思います。いつまでに、どのぐらいの症例数についてやるのかとい うことも含めて、メーカー側に報告をさせていただきたいと思います。以上です。 ○事務局 事務局から話せる範囲で説明させていただきたいと思います。まず、IPASS 試験につきましてですが、今回、資料には付けておりませんが、前回の安全対策部会で、 企業からの報告の資料には、IPASS試験を予定しているということで概要を付けており ました。そこには、全体で20か月の組入れ期間を予定しているということで、合計1,212 例、1群606例を組み入れる予定というような試験計画が書かれておりまして、日本で は約200例の登録を見込んでいるという報告を受けております。 ○堀内委員 4月からまだ1例ということは、大変遅いと考えてよろしいですか。 ○事務局 4月に1例目の登録がされたということで、ようやく4月から試験が始まっ たという報告と認識しております。 ○松本部会長 堀内委員、よろしいですか。課長、どうぞ。 ○安全対策課長 御質問にあった第III相試験の進行状況については3ページの頭に書か れておりまして、2006年1月に490例目の症例をもって終了し、当初予定より2か月早 く登録が完了し、今後、生存状況の追跡を行っていき、296例の死亡を確認した後、追 跡の終了カット日を決めていくというようなことで報告されていると考えます。 ○松本部会長 死亡を確認しないといけないものですから、その点で少し報告が遅れて いるのではないかと思うのですが、よろしいですか。あと、堀内委員から言われたこと で分からない点は次回報告してください。ほかに御質問はございませんでしょうか。課 長、どうぞ。 ○安全対策課長 本日、資料を入れるのを失念してしまいまして恐縮でございます。今、 コピーを取っておりますので、会議中に配布させていただけるかと思いますが、本年4 月26日付けで、ゲフィチニブ服用後の急性肺障害、間質性肺炎等に係る副作用報告の報 告件数と、そのうちの死亡件数のデータを公表いたしましたので、コピーが出来次第配 らせていただきたいと思います。 ○松本部会長 分かりました。それはコピーが回った時点で討論させていただきます。 この件に関しましてはほかに御質問はございませんでしょうか。本件につきましては定 期的に報告されることになっておりますので、企業から報告があれば、事務局は、次回 の部会に報告するようにしてください。  それでは、議題2に進ませていただきます。議題2は、「医薬品等の副作用等報告の 状況について」です。事務局から説明をお願いします。 ○事務局 資料2-1、薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への 副作用・感染症等報告について説明させていただきます。本件につきましては、昨年の 部会に引き続きまして、今回は平成18年1月1日〜平成18年3月31日までの3か月の 集積状況について報告いたします。  1.製造販売業者等からの医薬品等の副作用・感染症等報告でございます。(1)国内症 例の報告状況といたしまして、データベース上は医療用と一般用は区別されていないの ですが、便宜上分けて報告させていただきます。医療用医薬品の副作用報告件数につき ましては6,203件、同じく感染症報告につきましては37件。一般用医薬品の副作用報告 件数は55件。合わせて、副作用報告件数としましては6,258件、感染症報告件数につい ては37件ございました。これらの報告件数のうち、医療用医薬品の副作用報告につきま しては資料2-2、一般用医薬品の副作用報告につきましては資料2-3、医療用医薬品の感 染症報告につきましては資料2-4といたしまして、個別の症例名につきましては資料と して配布させていただいております。  (2)外国症例の報告状況でございます。薬事法施行規則におきまして、国内承認の医 薬品と成分が同一の海外で販売されているものについて、副作用等の報告を求める規定 がされているもので、それに基づく報告でございます。副作用報告が18,052件、感染症 報告が189件ございました。  (3)外国での新たな措置の報告状況についてでございます。これは、国内承認の医薬 品と成分が同一の海外の製品について、海外において回収やその他添付文書の改訂等、 安全性上の重要な措置が採られた場合に、その報告をすることが規定されているもので、 今回は97件の報告がございました。詳細につきましては資料2-5を配布させていただい ております。  (4)研究報告の報告状況でございます。国内の医薬品、あるいは海外で売られている 成分が同一のものの副作用等により、がんやその他重大な疾病が発生するおそれがある ことについて報告された研究報告等に関する報告件数でございます。今回は204件ござ いました。詳細なものにつきましては資料2-6として配布させていただいております。  2.医薬関係者からの医薬品の副作用・感染症報告でございます。本期間中に医薬関係 者からの報告が1,007件ございました。本報告につきましてはすべて製造販売業者へフ ィードバックしており、各企業は安全性情報として活用し、必要に応じ詳細な調査を行 った上で、製造販売業者からの報告として提出を求めております。  副作用・感染症報告の集計結果についての留意点ですが、副作用・感染症報告につき ましては、医薬品との因果関係が不明なものを含め製造販売業者等及び医薬関係者から 報告されたもので、個別に医薬品との関連性を評価したものではございません。  副作用・感染症報告の件数につきましては、平成18年1月1日〜平成18年3月31 日までに報告されたもので、同一の症例につきまして複数の被疑薬が存在し、その症例 が複数の企業から報告された場合は、重複してカウントしているものでございます。ま た、報告者が本報告期間中に報告した後に、追加情報により因果関係が否定され、本報 告期間中に取り下げられた場合は、件数から省かせていただいております。  外国症例の報告及び医薬関係者からの報告件数は、医療用と一般用の合計です。資料 2-2、資料2-3の報告件数は、副作用名別の件数を示したもので、1症例において複数の 副作用を発現した場合は、報告件数を合計した数ですので、報告症例数と同じになると いうものではございません。資料2-2、資料2-3の副作用名は、用語の統一のため、I CH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)に記載されている用語を用いて表示させていた だいております。資料2-4の感染症報告につきましては、報告症例ごとに、被疑薬及び 感染症名を記載させていただいております。  続きまして、資料2-1を補てんするものといたしまして、資料2-2〜資料2-6につい て簡単に御説明させていただきます。まず、資料2-2は、副作用ごとに医薬品医療機器 総合機構のホームページに掲載しているところでございます。副作用につきましては、 個別の医薬品と関連性を評価しているものでない数字であることを再度強調させていた だきたいと思っております。  また、資料2-2、資料2-3におきましては、医薬品ごとの副作用件数を示したもので すので、先ほども述べましたように、1症例で複数の副作用がある場合には、重複して カウントしているものでございます。  資料2-3、一般用医薬品の副作用報告の状況ですが、医療用医薬品と同様に、成分ご との副作用別に報告件数を示しております。一般用医薬品は配合薬が多いため、成分名 だけではなく、左側のコラムに薬効分類を目安として表記させていただいております。 ○事務局 資料2-4でございますが、国内感染症報告の状況について御説明させていた だきます。お手元の資料ですが、既に血液対策部会運営委員会に報告されたものと同じ ものでございます。先ほどの医薬品と同様、平成18年1月1日〜平成18年3月31日ま での3か月間の分について集計をしております。  今回御報告するものにつきましては、総数として、疑い症例を含め、輸血用の血液製 剤、分画製剤を合わせて37件となっております。資料のコラムの7列目に感染症名の項 目がございますが、多いものでB型肝炎が16例、C型肝炎が10例、その他の細菌感染 疑い症例などが9例ございます。いずれの報告にいたしましても、日赤、企業等によっ て保管検体の検査、患者調査などが実施されております。  B型肝炎、E型肝炎につきましては、それぞれ個別NAT陽性例が1例報告されてお ります。また、保管検体のNAT検査で陰性のものがそのほかに26例ございまして、こ れら26例につきましては、製剤による感染があったのか、他の感染ルートによるものな のかどうかは現時点では不明ということになります。  細菌感染の疑い症例について、無菌試験で適合という結果が得られたものにつきまし ても、製剤による感染なのかどうか原因が特定できないというものになります。また、 一般に調査の結果、3ページの16番のように投与前からキャリアであることが判明した 場合、もともとの感染が確認された場合などにつきましては、医療機関から因果関係は ないと考える旨のコメントを頂くケースもございます。  以上、これらの症例につきまして、情報収集や対応は企業あるいは医療機関を通じて 既に実施されておりますが、今後、輸血医療の安全性確保のため、総合対策などにより、 特に輸血製剤につきましては血液対策課などと連携を取りながら対応を進めていきたい と考えております。 ○事務局 資料2-5、外国における新たな措置の報告状況についてでございます。資料 は報告順に医薬品ごとの成分名と報告内容を示しております。報告の大半は、日本にお ける影響がなく対応不要なもの、日本においては副作用報告がないもの、又は日本にお いては既に添付文書等の記載があるもの等でございます。今回の報告のうち、実際に措 置が採られたものについて一部紹介させていただきます。  一番目の塩酸ミルナシプランにつきましては、今年1月に「使用上の注意」の改訂を 指示しているところでございます。三番目にございます塩酸クレンブテロールにつきま しては、資料1-2の4月28日付けになりますが、No.06-002におきまして「使用上の注 意」の改訂を指示しているところでございます。いずれにしても、こうした措置報告に つきましては医薬品医療機器総合機構、薬事・食品衛生審議会の委員の意見を聴きつつ 対応を行っているところでございます。  資料2-6、研究報告の状況についてでございます。本資料につきましても報告順に医 薬品、成分名、報告内容を示しております。こちらにつきましても、日本におきまして は添付文書自体に記載があるもの、情報不足等で因果関係が評価できないものが多数含 まれております。  今回の報告におきまして、実際に改訂を行った事例といたしまして、11番のアスピリ ンにつきましては、先ほど資料1-2で説明しましたように、3月24日付けで出産予定前 12週の妊婦を禁忌にする等の指示を行っております。3ページの41番のキシナホ酸サ ルメテロールにつきましては、3月24日付けのNo.05-176におきまして、抗炎症剤との 併用に関する注意とSMART試験結果について追記するように指示をしているところでご ざいます。6ページの103番のヘパリンナトリウムにつきましては、3月24日付けでH ITに関連する注意喚起を指示しているところでございます。また、10ページの173番、 塩酸パロキセチン水和物につきましても、6月2日付けのNo.06-011におきまして、成人 における自殺行動のリスクが高くなる旨の注意喚起を指示しているところでございま す。  このように、研究報告につきましても随時専門委員に聞きつつ対応を行っているとい う状況でございます。以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。医薬品等の副作用等報告の状況について説明 を頂きましたが、御質問、御意見等はございませんでしょうか。堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 二つお尋ねしたいと思います。一つは、またゲフィチニブの話で恐縮です が、資料2-2の66ページで間質性肺疾患、肺障害が43例出ております。これは、前と 比べると少し減ってきたと考えてよろしかったですか。正式に覚えていないのですが、 前は80ぐらいかなと思ったので。 ○事務局 先ほど課長から御案内いたしました、今年4月に発表いたしました、国内の 「ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等につ いて」を配布させていただきたいと思います。 ○堀内委員 それでは、それは後でということで。もう一つは、69ページにオキサリプ ラチンがありますが、有害事象の報告がかなりされております。これは同じような白金 製剤でも大分違うように思いますが、その中で特にアナフィラキシーショック関連のも のが24症例と多いような気がいたします。この辺の評価はどう考えていらっしゃるので しょうか。  報告といっても、会社の姿勢で全部報告しているところとそうでないところ、それか ら使用症例数であるなど、いろいろありますから、一概にこの数だけで比較ができない のは十分分かっておりますが、全体から見るとアナフィラキシーショックが多いような 気がいたしますが、いかがでしょうか。 ○松本部会長 事務局、オキサリプラチンについていかがですか。 ○事務局 オキサリプラチンにつきましては全例の市販後調査が課せられておりまし て、かなりの頻度で副作用を拾えているのではないかと思っております。 ○松本部会長 堀内委員、よろしいですか。それでは、ゲフィチニブ服用後の急性肺障 害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等についての説明をしていただけますか。 ○事務局 ただ今配布させていただきました資料につきまして御説明させていただきた いと思います。初めのページに書いてありますとおり、今年4月26日付けでこのような 形で公表させていただいておりまして、現在、厚生労働省のホームページでも御覧いた だけるようになっております。  ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告につきましては、 平成14年12月、平成15年5月、平成17年1月に検討会などの機会を使いまして公表 してきたところでございますが、今回、平成18年3月末までの報告件数を取りまとめま したので、このような形で公表しているところでございます。  委員の先生方も御存じのとおり、薬事法に基づく副作用報告につきましては、医薬品 の副作用によるものと疑われる症例を報告するものでございますが、医薬品との因果関 係が認められないもの、あるいは情報不足等により評価できないものも幅広く報告され ているという状況でございます。  グラフで見ていただくのが一番分かりやすいと思いますので、3ページを御覧くださ い。平成14年7月にイレッサは承認になっておりますが、それ以降の急性肺障害・間質 性肺炎等に係る副作用報告件数をグラフにすると、このような状況でございます。先ほ ど堀内委員から御指摘がありました、今回報告させていただいた平成18年1月〜3月ま でですが、このグラフの右の三つのような状況でございます。経時的に言うとこのよう な関係になっております。以上でございます。 ○松本部会長 堀内先生、先ほどの御質問はこれでよろしいですか。 ○堀内委員 減ってきているということですよね。 ○松本部会長 そうですね。 ○堀内委員 それで結構だと思います。 ○松本部会長 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害に関しまして、御質問等はございます でしょうか。よろしいですか。それでは、医薬品等の副作用等報告の状況について、全 般に関して御質問等はございますか。よろしいようでしたら、報告を了承することとい たします。  次に進ませていただきます。議題3は、「医薬品の感染症定期報告の状況について」 です。事務局から説明をお願いします。 ○事務局 資料3-1及び資料3-2に基づきまして、薬事法第68条の8に基づく「医薬品 の感染症定期報告の状況について」御説明させていただきます。まず、資料3-1でござ いますが、「感染症定期報告の報告状況」でございます。平成18年1月1日〜平成18 年3月31日までに生物由来製品の製造販売業者等から報告された感染症定期報告のう ち、文献の調査につきまして報告登録順に表にしたものでございます。合計で271の報 告が寄せられておりまして、この報告を同一文献ごと、また感染症ごとにまとめ、重複 などを整理したものが資料3-2の「報告文献別一覧表」でございます。  資料3-2「報告文献別一覧表」に基づきまして御説明させていただきます。今回の報 告では、およそ30の感染症に関しまして160件程度の文献等が提出されております。文 献が提出された主な感染症でございますが、クロイツフェルト・ヤコブ病関連が最も多 く、そのほか、トリインフルエンザ、ウイルス性肝炎、ウエストナイルウイルス関連が 報告されております。これらの論文につきましては事前評価委員の先生方に御確認を頂 き、本日御欠席でございますが、国立感染研究所所長の宮村委員と御相談しながら、感 染研の先生方に、措置を講ずる必要性を含め、御意見を頂いております。  今回の文献等について主なものを御紹介させていただきます。まず、資料3-2の1ペ ージ〜4ページに掛けてはウイルス性肝炎、HIV関連の海外での感染報告等が続いて おります。また、5ページの中ほどにございますが、ウエストナイルウイルス関連の米 国における状況が報告されております。6ページでございますが、62番からクロイツフ ェルト・ヤコブ病関連の報告がございまして、66番では新規の洗浄処理に関する報告、 67番ではSDSによるプリオンの不活性化に関する報告が寄せられております。8ペー ジの後半からでございますが、インフルエンザやトリインフルエンザの海外での感染に 関する報告が続いております。11ページ以降、マラリア等、海外の感染に関する報告が 続いております。  これらの概要につきまして事前に宮村委員、甲斐委員、山口委員に御覧いただいたと ころ、今回は目立って措置が必要な報告は見当たらないが、今後も引き続き注目し、報 告者は情報収集に努めるように、ということでございます。事務局からは以上でござい ます。 ○松本部会長 ありがとうございました。先ほど御紹介にありましたように、宮村委員、 甲斐委員が御覧になっているそうです。本日は御欠席なのですが、コメント等が寄せら れているのであれば、御紹介してください。 ○事務局 本日御欠席の宮村委員と甲斐委員からコメントを頂いておりますので、御紹 介させていただきます。宮村委員からでございますが、「今回の報告について、感染症 に関する文献は網羅的に集められている。また、海外での感染症の発生や流行を報告し たものであって、それらについて今回目立って措置が必要な報告は見当たらないが、今 後も引き続き情報収集に努めるように。」という趣旨のコメントを頂いております。  また、甲斐委員からでございますが、「今回措置が必要な報告は見当たらないと考え る。また、プリオンに関する基礎的な研究報告や人畜共通感染症の発生状況については、 従来どおり引き続き情報収集に努めてほしい。」というコメントを頂いております。以 上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。山口委員、いかがですか。 ○山口委員 宮村先生、甲斐先生の御意見のとおりで、今回の感染症定期報告について 目立って措置が必要な報告はないと思います。今問題になっている感染症についてよく 調べていただいております。  ただ、二、三点追加をさせていただきますと、29番の報告でございますが、ドイツで 初めてB/Gサブタイプ間組換え型ヒトHIVウイルスが同定されているということが 報告されております。この中では、複数の核酸増幅検査で検出不能、あるいは検出感度 が十分でないということが報告されております。このような新たなウイルスバリアント の出現には注目しておく必要があるのではないかと考えられます。  それから、42番の報告ですが、オーストラリアでは、臍帯血由来の造血幹細胞治療で は、母親のウイルス検査を臍帯血採取時と180日後に行うということであります。これ はウインドウ期を勘案した措置であると思いますが、我が国の細胞治療の指針にも同様 の趣旨のことが書かれておりまして、ウイルスの安全性の確保の観点から、このような 施策が重要になってくるのであろうと思います。  先ほど事務局から説明がありましたが、66番と67番の論文では異常プリオンの不活 化のことが述べられております。残念ながら、これは医薬品の適用はなかなか困難では ないかと思いますが、このような異常プリオンの不活化の研究は安全性確保上重要であ ると思いますので、より適切な方法が開発されることを期待したいと思います。私の方 からは以上です。 ○松本部会長 ありがとうございました。3人の専門の委員から特別な措置は必要ない という御意見を頂いております。このほかに御意見等はございませんでしょうか。よろ しいようでしたら、報告を了承することといたします。  それでは、議題4は、「医薬品等の回収報告の状況について」です。事務局から説明 をお願いします。 ○事務局 監視指導・麻薬対策課でございます。資料4-1を御覧ください。医薬品等の 回収報告の状況について御説明させていただきます。平成8年の薬事法改正によりまし て、医薬品、医薬部外品、化粧品若しくは医療用具の製造業者、輸入販売業者などは、 自社の製品の回収に着手したときには、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならな いということが、薬事法第77条の4の3で定められております。  また、平成12年に監視指導要領を定めまして、回収に当たっての基本的な考え方や対 象範囲、手続の詳細等について通知で示しております。製造業者等から回収着手の報告 がされた場合には、すべての事例をインターネット上で公開しております。こちらは医 薬品医療機器総合機構のホームページにおいて毎日更新しております。  ※で注釈を書かせていただきましたが、平成17年4月に施行されました薬事法の改正 によりまして、製造業、輸入販売業という業態から、現在は製造販売業という業態に変 更されております。そのため、本日報告させていただきます内訳に関しましては、昨年 度までは製造と輸入に分けて集計しておりましたが、平成17年度からは製造販売業とい うことで一つのくくりでの報告とさせていただきます。また、細かいことですが、昔は 医療用具と呼ばれていたものが、現在は医療機器と名称が変更されております。本日は、 薬事法第77条の4の4の規定に基づきまして、回収の状況を薬事・食品衛生審議会へ報 告させていただくものでございます。  それでは、下の表を御覧ください。1.回収件数年次推移でございます。平成17年度 は医薬品が416件、医療機器が322件、医薬部外品が9件、化粧品が62件、合計で809 件となっております。平成16年度と比べまして目立った変化が見られたものは、医薬品 は平成16年度は199件でしたのが、416件と倍以上に増えております。この件につきま しては後ほど触れさせていただきます。  次のページを御覧ください。2.平成17年度医薬品等の回収件数及びクラス分類でご ざいます。クラスについて改めて説明させていただきます。クラスはI、II、IIIと3分 類にしております。クラスIは一番深刻な状況でございまして、その製品の使用等が、 重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況を言います。クラスIIは基本的なクラス でございまして、その製品の使用等が、一時的若しくは医学的に治癒可能な健康被害の 原因となる可能性があるか、又は重篤な健康被害のおそれはまずないと考える状況を言 ったものでございます。クラスIIIは一番軽微なリスクでございまして、単に表示を間違 えたなどでございまして、これによる健康被害の原因とはまずならないというものでご ざいます。  クラス分類別の表でございますが、クラスIの回収は、医薬品で260件と多くなって おります。医療機器に関しましては11件、医薬部外品と化粧品に関しては0件で、合計 で271件。クラスIIの回収は、医薬品が112件、医療機器が267件、医薬部外品が1件、 化粧品が24件、合計で404件。クラスIIIの回収は、医薬品と医療機器が44件ずつ、医 薬部外品が8件、化粧品が38件、合計で134件。トータルで809件の報告を受けており ます。  ※で注釈をさせていただきましたが、一番多くなりました医薬品のクラスI回収は 260件となっておりますが、ロットを構成しない医薬品であって同種他製品に不良が及 ばず、かつ、当該医薬品が使用されないことが確実な場合(血液製剤の献血後情報等に基 づく投与前の事前回収)のものは259件でございました。すべてが日本赤十字社より寄せ られております。  これをかみ砕きまして説明させていただきますと、献血を受けた後の事故の情報に基 づきまして、使用される前に報告がありまして回収を行ったものが含まれております。 これに関しましては血液の安全対策を強化した結果増えておりまして、これが平成16 年度に比べて平成17年度の回収が多くなった理由でございます。  資料4-2は、平成17年度の医薬品等の自主回収状況をクラス分類別に一覧にしたもの で、インターネット上に公開されている情報をすべて表の形に整理したものでございま す。時間の関係上、今日はクラスIの回収についてのみ説明させていただきます。  1ページは、グンゼ株式会社による、8月31日付けの医薬品の回収でございます。先 ほど説明いたしましたように、クラスIの回収は260件あったのですが、ロットを構成 するものとしては、グンゼ株式会社によるサイクリックGBセンサーという、グルコー ス濃度を測定する体外診断用医薬品1件でございました。  回収の理由といたしましては、この製品は室温管理(1〜30℃)することとなっており ますが、社内の試験で33℃、63日間の保管をされていたものを検査した結果、検出感度 が悪くなってくるという情報があったということで、安全性を考えまして自主回収を行 っております。グルコース測定というのは糖尿病の患者さんにとっては重要な手法でご ざいまして、誤った数値によるインスリン投与等につながるということで、クラスIの 回収となっております。  2ページからは、日本赤十字社による、ロットを構成しない血液製剤の回収でござい ます。一番多いのが、欧州滞在歴の献血制限の措置によりまして、過去2年間に献血歴 が確認されまして、献血者から欧州滞在歴の報告があったものに関しまして、208件回 収しております。その他、ここに記載したような、問診時の申告の間違えなどによる回 収がありまして、報告がなされております。  4ページからはクラスIIの回収について、32ページからはクラスIIIの回収について一 覧に示させていただいております。こちらに関しましては、時間の関係上、省略させて いただきます。説明は以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。医薬品等の回収報告の状況について説明を頂 きましたが、この点に関しまして御質問、御意見等はございますでしょうか。堀内委員、 どうぞ。 ○堀内委員 医薬品の回収で、つい最近病院の方にありましたのはエポジンとノイトロ ジンです。培養細胞に対して造らせる遺伝子組換え型のものですが、オーストラリアの FCSに一部アメリカのものが混入したということで、それを回収すると言ってきたの です。これはかなり無意味なことではないかなと私は思うのです。  大体、ウシ胎仔血清にプリオンが入っているとは余り考えられない。それから、培養 して増殖させるときには、胎仔血清を使って増殖させたとしても、その後、無血清培地 に変えて産生させ、更にいろいろな段階を追って精製しているわけなので、もしコンタ ミネーションしたとしても、プリオンは除外されると思うのです。無意味な資源の無駄 遣いという気もするのですが、いかがでしょうか。 ○松本部会長 事務局、何か答えられますか。 ○事務局 エポジンとノイトロジンの件でございますが、培地の原材料にアメリカ産の 胎仔血清が一部混入していたということで回収しております。我々もプリオンに関して は極めてリスクは低いと判断しております。  今回の件に関しまして、結果的にこのような事態になりましたのは、中外製薬におけ る品質管理上に問題があったということでございます。生物由来原料基準でアメリカの ウシは使うなということになっているのですが、そのルールを守れていなかったという ことをもちまして、品質管理上の問題があるということで回収となっております。もち ろん、先生の御指摘のとおり貴重な資源でございますので、医療現場等の必要性なども 確認した上での自主回収の着手となっております。 ○松本部会長 堀内委員、今の答えでいかがですか。 ○堀内委員 米国のウシ胎仔血清を使うことを規制するのはいかがかなと思うわけです が。 ○松本部会長 それに関してはどうですか。課長、どうぞ。 ○安全対策課長 御指摘の点につきましては、アメリカのBSE発生あるいはその前の 段階において、医薬品、医薬部外品、化粧品についてどのようなBSE対策をとるのか ということを御議論いただいたことがあります。恐らくはプリオン調査会の中で御議論 を頂いていたのであろうと思います。そのような御議論を踏まえて、生物学的製剤基準 の中にその使用についての項目が設けられ、さらには、予防的な措置としてアメリカの ウシは使わないようにした方がいいのではないかという御議論も頂いているところでご ざいます。  それに基づいて行政をやってきたというのがこれまでの経緯であろうと思いますが、 堀内委員から御指摘を頂いたことも含めて、今しばらく頭を回らせて、必要があれば、 改めてプリオンの関係で先生方の御意見をお聞きする機会を別途設けたいと考えており ます。 ○松本部会長 山口委員、どうぞ。 ○山口委員 調査会に出ていた者として少しコメントさせていただきます。プリオンの 危険度に関して言えば、リスクの評価が非常に難しいという点から来ているのであろう と思うのです。アメリカでBSEが発症したことを受けて議論したわけですが、ウシ胎 仔血清の中にプリオンのリスクはどれだけあるかというリスク評価をするときに、プリ オンの専門家の判断というのは、リスクのあるものから10-4しか低くなれないと。  ですから、それが入っているという前提に立ってしまうと、すべてのリスク評価をし たときに、ある一定のリスクをどうしても持ってきてしまう。したがって、予防的措置 としてアメリカ産を使うことが推奨できない。ほかに手段がなければ、経過措置もあり ますし、それ以外の血清、例えばオーストラリア産、ニュージーランド産を使えばいい という判断もあって、予防的措置としてアメリカ産のウシを使わない方向で行こうとい うことになったと理解しております。 ○松本部会長 この点は大変微妙な問題なのですが、御意見はございませんでしょうか。 どうぞ。 ○土屋委員 私もこれについて危険性があるとは余り思っていないのですが、その後の 企業の対応といいますか、これはマスコミからも89万本が回収になるという報道があっ たのです。そうすると、例えば医療機関などに「私は大丈夫でしょうか」というような 問い合わせがあったりするわけです。  そのときに企業側が出してきた最初の「患者様へ」というものに、回収しますが、注 意をしてくださいと。既に投与されてしまっているので、患者に注意をしろというのは おかしいのではないかと言ったら、次は自分のところで作ったQ&Aの中に、「Q.安全 性はどうですか」「A.今日現在起きておりません」というのが書いてあるのです。  これは少しも安全性を言っていなくて、もっときちんと分かりやすい説明をすると。 今は報道がされたりインターネットで公開されているわけですから、そのようなことに 対して大丈夫だよと100%は言えないにせよ、少なくとも構造上こうなっているからほ とんどないと。せめて言うならば、現に今までそういう報告はありませんという言い方 ならいいのですが、自分で作ったQ&Aで今日現在ありませんという答えを書いている のは少しお粗末なのかなという気がいたします。  恐らく89万本の中のほとんどは回収できずに既に投与されてしまっていると思いま すので、既に使用されてしまった患者さんに対する説明についても少し考えなければい けないのではないかという気がいたします。やはり医療機関はこれからは安心というこ ともきちんと説明していかなければいけないのです。  そこら辺を考えると、私が質問しようと思ったのは、回収率というものが、実際に回 収してどれぐらいになったのかというのが出てきてもいいのかなという気がいたしま す。公表だけはされて、どれだけの対象ロットで本数が幾らだと言っても、回収がどれ ぐらいできたのかというのは、どこかで何らかの形で公表されるといいのかなという気 がいたします。 ○松本部会長 それはいかがですか。事務局から答えられますか。 ○事務局 委員の御意見を尊重いたしまして、検討したいと思います。 ○松本部会長 危険性に関しましては土屋委員のおっしゃるとおりだと思いますので、 もう少し詳しい、安心できるような資料を提供するというのは必要ではないかと思いま す。ほかに御意見はございませんでしょうか。木下委員、どうぞ。 ○木下委員 回収率でありますが、そういうふうな視点であるとすれば、表示の仕方を お考えいただきたいと思いました。医薬品は、クラスIのものが260ある。そのうちの 259は血液製剤でありまして、事前に回収している。血液は製薬会社から出ているもの とは違います。医薬品の中に、血液製剤は別個に取り扱っていただきたい。  クラスIIもそうですが、いわゆる治療に用いる薬と検査薬が同じに扱われている。正 確さに欠けます。内容を分けて整理しないと、回収率の意味は、異なります。是非御検 討を願いたいと思います。 ○松本部会長 事務局、いかがですか。 ○事務局 そのような形の報告に改めたいと思います。 ○松本部会長 お願いします。ほかにございませんでしょうか。大変難しい問題が提起 されましたが、ほかに御意見がないようでしたら、この報告を了承することといたしま す。  それでは、議題5は、「一般用医薬品の市販後調査結果等について」です。事務局か ら説明をお願いします。 ○事務局 資料5-1、資料5-2に基づきまして、一般用医薬品の市販後調査結果につい て御報告させていただきます。まず、資料5-1でございます。1の(1)でございますが、 「指定医薬品」とは、薬事法第29条に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品でございま して、薬局又は一般販売業において薬剤師による取り扱いを必要とするものでございま す。  (2)でございますが、医療用医薬品の成分のうち、薬剤師等の指導の下、一般使用者 自らの判断によっても十分に安全かつ適正な使用が確保され得ると考えられるものにつ いては、いわゆるスイッチOTCとして承認をしてございますが、承認時には、一般用 医薬品としての使用経験は少ないことから、指定医薬品として薬剤師による取り扱いを 必要としているということでございます。  (3)でございますが、スイッチOTCにつきましては、その承認に際して少なくとも 3年間の市販後調査(PMS)の実施を求めているということで、その指定医薬品の解除 につきましては、医薬品等安全対策部会における審議を踏まえ、品目ごとに解除をして いるということでございます。今回対象となります外用剤につきましては、(2)でござい ますが、原則として、承認後3年のPMS期間終了時に安全性の観点からの一定の評価 を行った上で、解除を行っていたところでございます。  2でございますが、今回解除を検討する一般用医薬品でございます。みずむし・たむ し用薬3品目ということで、ブテナフィンとして1g又は1mL中に8.97mg以下を含有 する外用剤。二つ目が、アモロルフィンとして1g又は1mL中に5mg以下を含有する外 用剤。三つ目が、ネチコナゾールとして1g又は1mL中に8.92mg以下を含有する外用 剤ということでございます。  詳細につきましては、本資料の3ページ以降にございます。まず、塩酸ブテナフィン でございます。ブテナロッククリーム等の市販後調査ということで、平成14年10月31 日から3年間実施されております。(1)特別調査でございますが、1,144例について収 集をして、うち副作用につきましては17例(22件)ということで、かゆみ、皮膚刺激と いった、投与部位における副作用が挙げられております。ほとんどが「使用上の注意」 から予測できる既知の事象であり、いずれも非重篤な事象ということでございます。  (2)一般調査でございますが、こちらは企業からの自発報告ということでございまし て、80例(115件)報告されております。いずれも投与部位における症状ということで、 既知で、非重篤な事象であるということです。以上から、これらにつきまして、ほとん ど既知で、非重篤な副作用であり、また発現頻度も低いことから、安全性上は問題ない ものと考えております。これらの商品の外箱又は添付文書につきまして、5ページから 添付させていただいております。  2品目でございますが、13ページでございます。塩酸アモロルフィンでございます。 トークール及びダマリンエースの市販後調査ということで、平成14年10月18日から3 年間実施されております。(1)特別調査では1,171例について収集をされ、ただれ等、 4例(4件)の副作用が報告されておりますが、いずれも予測できる既知で非重篤な事象 であったということでございます。  (2)一般調査、自発報告におきましては19例(28件)報告されております。これにつ きましても、使用上の注意等から予測できる既知の事象であって、いずれも非重篤な事 例であり、発生頻度も低いということから、安全性上の問題はないと考えております。 こちらについても、製品の外箱、添付文書を15ページ以降に載せさせていただいており ます。  最後の3品目でございますが、21ページでございます。塩酸ネチコナゾールでござい ます。アトラントエース液等の市販後調査ということで、平成14年11月15日から3年 間実施されております。(1)特別調査ですが、液剤、クリーム剤併せて1,452例につい て収集をして、報告があった副作用としては3例(3件)。いずれも既知で非重篤な事例 であったということでございます。  (2)一般調査ですが、自発報告におきましては20例(28件)。投与部位における事象 ということで、こちらも予測できる既知の事象で、いずれも非重篤な副作用ということ でございます。これらにつきましても、特に問題となる副作用は発現していない、また 発生頻度が低いということから、安全性上の問題はないものと考えております。こちら の製品につきましても、外箱、添付文書等を23ページ以降に掲載させていただいており ます。  以上3品目につきましては、特段問題となるような副作用の発現がないことなどから、 安全性上問題はないと考えられ、指定医薬品解除は適当と考えております。  1ページに戻ります。3その他でございます。(1)として、H2ブロッカー、つまり、 シメチジン、ファモチジン、ラニチジンを含有する一般用の胃腸薬ということでござい ますが、従来より販売時の薬剤師による服薬指導が重要とされてきたところでございま す。こちらにつきましては、今後も販売に際しては薬剤師による副作用情報の提供の徹 底など、現在の安全対策を継続実施することが適当と考えております。また、(2)のミ ノキシジル含有製剤につきましては、資料5-2として再審査報告書をお配りしてござい ます。こちらで若干御説明をさせていただきます。  資料5-2でございますが、6月28日に開催された一般用医薬品部会におきまして再審 査結果が報告され、6月30日付けで結果が通知されたところでございます。その報告内 容として、医薬品医療機器総合機構から提出された再審査報告書を資料としてお配りし てございます。  1ページでございますが、市販後調査全般ということで、特別調査として、安全性解 析対象症例が約1万例収集されております。また、長期投与時の安全性の評価というこ とで、有効性も含めて、市販後臨床試験が各330症例収集されております。5ページで ございますが、各症例につきまして評価が行われまして、総合評価としてカテゴリー1 ということで、薬事法14条第2項の各号、承認拒否事由のいずれにも該当しないという 評価がなされております。  また、総合評価の最初の段落にございますが、「評価の結果、循環器系副作用につい ては、現時点で適切な対応がなされていると判断したが、本剤の使用にとって循環器系 の副作用は最も注意すべき事項であり、引き続き、薬剤師による副作用情報の提供の徹 底など現在の安全対策を継続実施することが適当であると考える。」ということで、評 価結果がまとめられてございます。資料の説明は以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。一般用医薬品の市販後調査結果等について説 明を頂きましたが、御質問、御意見等はございませんでしょうか。どうぞ、土屋委員。 ○土屋委員 1件確認したいのですが、みずむしの薬は、目に差してしまうという誤用 が医療用医薬品ではあります。それを防ぐための対策として、10cc以上にしましょうと か、垂らして出るような容器にはしないでプッシュ式などにしましょうという話なので すが、今回出ている器材はすべて、少なくともプッシュ式にはなっているということと 理解してよろしいのでしょうか。 ○松本部会長 事務局、いかがですか。 ○事務局 審査管理課の方から御説明を申し上げます。資料の10ページを御覧いただけ れば分かると思います。「液容器の使い方」というのが載っております。使用時には患 部に押し当てて使うということで、御指摘のとおり、プッシュ式でございます。これは 一例でございますが、ほかも同じような製品でございます。 ○土屋委員 すべてがそうなっているのですか。 ○事務局 はい、そのようでございます。 ○松本部会長 よろしいですか。ほかにございませんでしょうか。どうぞ。 ○児玉委員 一般論なのですが、市販後調査結果によって、今日、指定医薬品の解除と いうことで議論を頂いているわけですが、資料5-1の後ろの方に参考資料として加わっ ておりますように、薬事法の改正が今回ありました。それとの関係なのですが、指定医 薬品というのはもう無くなりますので、そういった意味では、解除については今後慎重 にやっていただければなというのが一点。  もう一点は、指定医薬品というものが無くなって、第一類、第二類、第三類というふ うにリスク分類されました。そうなると、例えば第一類を第二類にする、第二類を第三 類にするということは、まだ御検討中なのであると思いますが、この部会で今後審議さ れることになるのかお尋ねしたい。  三点目は、今日の資料の中にも入っておりましたように、一般用医薬品も結構副作用 の報告が出ておりました。解除というのはいいのですが、いったん解除されたものを問 題があれば戻すということもあっていいと思うのです。したがって、第一類、第二類、 第三類となった機会にそのようなこともお考えいただいた方がいいのかなと思うので す。以上、三点です。 ○松本部会長 課長、どうぞ。 ○安全対策課長 三点御質問を頂きましたので、順次お答えさせていただきたいと思い ます。まず第一点目でございますが、資料の29ページを御覧いただきたいと思います。 6月14日付けで出した通知でございまして、薬事法の一部を改正する法律が国会で成立 し、公布されたところでございます。この中でやっておりますのは、一般用医薬品の販 売制度の見直しと、違法ドラッグ、脱法ドラッグと言われるものの対策、この二つが大 きな柱でございます。  その中の一般用医薬品の販売制度の見直しについてでございますが、32ページの「8、 一般用医薬品の販売等に従事する者に関する事項」ということで、第一類、第二類、第 三類に分けるということがまず一点。それで、「第一類医薬品は薬剤師により、第二類 医薬品及び第三類医薬品は薬剤師又は登録販売者により、それぞれ販売又は授与させな ければならない」というのが新しく作った規定でございます。  一、二、三という形で、リスクの程度に応じて一般用医薬品を分類しよう。その分類 の結果に応じて、専門家として薬剤師が関与するのか、それとも、従来ですと薬種商に 当たるかと思いますが、登録販売者という、個人的な資質が確認できた方を新しく法的 に定めまして、この方が関与するのかということを定めたところでございます。  そういう意味で申し上げますと、現在の指定医薬品は第一類に当たるというふうに大 ざっぱに思っていただければいいのであろうと思うわけでございます。指定医薬品の解 除、あるいは第一類医薬品から第二類医薬品、第三類医薬品という形で見直しを図って いくことの考え方についての御質問が第一点であろうと思います。  この考え方は、基本的には現在と同様であろうと考えております。現在と同様という 意味は、例えば市販後調査あるいはプラスアルファで、いろいろな文献報告等を基に審 議会の意見を聴いて判断をしていくということでございます。今回は3品目について御 提案を申し上げているのですが、これらについては、市販後調査において特に大きな問 題はないであろうと考えているわけです。  一方、H2ブロッカーあるいはミノキシジルを含有するものにつきましては、薬剤師 による情報提供が必要であろうということから、指定薬の解除を御提案していないと。 そのようなデータに基づいて事務局としても考え、先生方の御意見を賜って決めていく という考え方は、現在も、あるいは今後、新しい法制下においても同じであろうと考え ております。  二点目の、どこの部会でやるのかという点については、正直申し上げて、まだ省内で もよく話し合っておりませんし、審議会の意見も聴かなければいけないであろうと思っ ております。と申しますのも、安全対策部会でやるのがいいのか、それとも一般用医薬 品部会でやるのがいいのかは、いろいろな考え方があるであろうと思います。ただ、現 在も安全対策部会の意見を聴いているように、安全対策部会抜きには決まらないであろ うとも思っております。  要するに、二つでやることにするのか、どちらに主従を置くのか、両方同じ位置付け にするのか、両方に聞くのであったらもっと上の分科会に聴けなど、いろいろなことが 考えられるであろうと思いますが、安全対策部会の関与抜きに、一類を二類にする、三 類にする、あるいは二類のものを一類に上げなければならないというようなことがある とは考えておりません。  三点目の見直しの問題でございますが、二類が一類になる、あるいは指定薬でないも のを指定薬にしなければいけないという状況は、仮定の上で当然存在するのであろうと 考えます。逆に申し上げますと、そういうデータあるいは報告を見逃さないように我々 はいつも気を付けていかなければいけないし、そういうデータがある際には不断の見直 しを行うことで先生方の意見を聴取するのであろうと考えております。以上でございま す。 ○松本部会長 児玉委員、よろしいですか。ほかに御意見、御質問等はございませんで しょうか。ないようでしたら、一般用医薬品の市販後調査結果及びその結果に基づく指 定医薬品の取り扱いについては了承することといたします。事務局は今後の予定をどの ようにお考えですか。 ○事務局 ありがとうございました。部会の了承を頂きましたので、指定医薬品の取り 扱いにつきまして、明日からパブリックコメントの手続きを開始し、その後、薬事法施 行規則の改正を行う予定でございます。以上です。 ○松本部会長 それでは、事務局は、パブリックコメントの手続きを進めてください。 議題6は、「その他」です。事務局から何かありますか。 ○事務局 特にございません。 ○松本部会長 本日用意いたしました議題はこれですべてです。全体を通じて御発言は ございませんでしょうか。どうぞ。 ○倉田委員 資料5-1の29ページの「薬事法の一部を改正する法律について」の御説明 はないのでしょうか。 ○松本部会長 いかがですか。 ○安全対策課長 申し訳ありません。私から説明させていただきます。29ページを御覧 いただきたいと思います。2段目のパラグラフでございますが、今回薬事法を改正する に至った背景が書かれておりまして、健康意識の高まり、分業の進展等の環境の変化、 あるいは店舗における薬剤師等の不在など制度と実態のかい離、6年制の導入などによ る薬剤師の役割の変化というようなことから、医薬品の販売制度を見直すこととした。  また、違法ドラッグ、脱法ドラッグについては、先生方はもう御存じであろうと思い ますが、乱用による健康被害、あるいは、それが麻薬、覚せい剤等の使用のきっかけと なる危険があるという指摘から、違法ドラッグ対策を今回講じたということでございま す。  具体的にどこを変えたかということについて、30ページを御覧いただきたいと思いま す。まず、一、医薬品の販売制度等の見直しでございます。1番は薬局についてでござ いますが、調剤、販売の体制について基準を定めるというのが一点。相談があった場合 には必ずそれに対応をしていただくというのが二点目。三点目はいわゆる掲示事項でご ざいます。  2番は医薬品の販売業でございます。(1)でございますが、従来、一般販売業、薬種 商販売業、配置販売業とあったわけでございますが、店舗を置いて販売をしていくとい う意味から、一般販売業と薬種商販売業を店舗販売業という形で統合いたしております。 配置販売業については位置付けは変わりません。卸売販売業というのは従来一般販売業 の中にあったもので、そういう意味から申し上げますと、医療用医薬品、一般用医薬品 を医療機関あるいは店舗販売業に売る、いわゆる卸売りをするところという位置付けで ございます。その3つに再配分したということでございます。  (2)でございますが、従来、医療用医薬品を定義して、その他の医薬品を一般用医薬 品と呼んできたわけでございますが、一般用医薬品を新たに定義したというのが今回の 一つの目玉でございます。その定義というのは、「効能及び効果において人体に対する 作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づ く需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」ということでございま す。  三番は、新しく設けた店舗販売業の規定でございまして、店舗販売業というのは都道 府県知事が与えます。構造設備、薬剤師あるいは先ほど申し上げました登録販売者を置 く。また、その体制が基準に定められたものと合致しなければならないというようなこ とが規定されております。この店舗販売業は、一般用医薬品以外の医薬品の販売、授与 が禁止されております。  さらに、31ページでございますが、4番は配置販売業でございます。配置販売業の許 可も都道府県知事が行うこととして、薬剤師、登録販売者が配置をする、また、基準が 定められるというようなことは店舗販売業と同じでございます。  5番の卸売販売業は省略させていただきます。6番は一般用医薬品の区分でございま して、リスク、すなわち副作用等による健康被害が生ずる恐れの程度に応じて、審議会 の意見を聴いて、一、二、三の三つに分けるということでございます。  7番はいわゆる登録販売者。登録販売者とは、一般用医薬品の販売等に必要な資質を 有することを確認された者であろうと思いますが、その試験ということで、都道府県の 試験ということになっているわけでございます。  32ページでございますが、9番に情報提供が掲げられております。(1)でございます が、第一類は薬剤師が販売することが規定されていると申し上げましたが、薬剤師は書 面を用いて、情報提供しながら販売しなければならないということが規定されておりま す。(2)でございますが、第二類医薬品については、努力義務と言っておりますが、情 報提供に努めなければならないということが規定されております。  10番は陳列でございますが、第一、第二、第三のそれぞれの区分ごとに陳列をすると いうことが決められております。11番は表示でございますが、第一、第二、第三の区別 を表示するということが決められております。12番は普及啓発でございますが、国、都 道府県等にあって、普及啓発に努めなければならないということが決められているとこ ろでございます。  最後は、二、附則でございます。1番は施行期日でございますが、公布の日から3年 以内とされておりまして、(1)普及啓発等については公布の日から、(2)第一、第二、 第三の区分については来年の4月から、(3)登録販売者の試験については2年以内とい うことが決められてございます。  2番は経過措置でございますが、従来から販売をしてきた薬種商、配置販売業者につ いて、今回の法改正をきっかけに今までの生業を断つわけにもまいりませんので、これ らの方々については、基本的に従来と同様の業態ができるというような形で、経過措置 を置かせていただいているところでございます。以上でございます。 ○松本部会長 ありがとうございました。この点はよろしいですか。どうぞ。 ○倉田委員 普及啓発について、第一類の外箱について、それから苦情処理窓口につい て伺わせてください。普及啓発についてですが、これは非常に大きな制度改革であると 私は思っています。制度が施行されてから啓発をするのでは遅いのではないかと思って いて、前倒しで広報していただきたいと思うのです。  例えば、エイズの公報などがありますが、あのような政府広報のような形でしていた だけるといいのではないかと思います。あと、マスコミを通じてということも考えられ ますが、販売体制が変わるという記事ばかりではなく、薬についての理解が深まるよう な方法も考えていただきたいと思います。それから、厚生労働省のホームページで普及 啓発をお考えであると思いますが、一般的には厚生労働省のホームページを開ける方と いうのは少ないであろうと思うので、そうではない、一般的なテレビ、ラジオ、新聞、 雑誌のようなところに公報として出していただけたらと思います。  二つ目の第一類の外箱についてですが、外箱に取扱い方を書くようになるという話を 聞いているのですが、どういう言葉を書くというのは決まっているのでしょうか。私ど も一般の者にとって分かりやすい言葉で書かれるのでしょうか。  三つ目に、苦情処理窓口はどこになるのでしょうか。都道府県になるのかとは思いま すが、その窓口で受けたものは当然厚生労働省に上がっていくものであると思っている のですが、どういうふうになっているのでしょうか。そして、その後、それがどのよう な形で私どもに情報公開されるのでしょうか。最後に、この制度が施行された後、店が どのように変化していくのか、私どもは実際に店舗を回って見てみたいと思っています。 ○松本部会長 課長、どうぞ。 ○安全対策課長 これは、指定薬の関係で、法改正と一類、二類、三類との関係が論議 されるかもしれないという意味で付けた資料でございます。そういう意味で申し上げま すと、法改正の専門と申しますか、責任ある者が実は来ておりませんので、十分な回答 ではないかとは存じますが、答えに努めさせていただきたいと思います。  まず、一点目の普及啓発でございます。これについては前倒しでやるべきであるとい うお話がございましたが、先ほど申し上げましたように、公布時点、すなわち6月18 日に既に施行されております。普及啓発について、医療関係団体の御協力も得ながら、 「薬と健康の週間」というような形で今までいろいろな活動をやってきたところでござ いますし、あるいはシンポジウムなどに出掛けていってお話をするなどしてきたところ でございます。政府公報であるとか、テレビ、新聞を介した広報など、やり方について もっと工夫をしていくべきであるという御指摘でございますから、その辺りも視野に入 れながらやっていきたいと考えております。  二点目の外箱表示ですが、外箱に一類、二類、三類の区別を書くというのは決まって いるところでございます。これを御審議いただいた厚生科学審議会の中で、例えば星印、 一類は一つ星、二類は二つ星、三類は三つ星にしたらどうだという御議論もございまし たが、これは推薦しているようでおかしいなということでございました。分かりやすく 表示をしようということは決まっているのでございますが、具体的な文言が決まってい るわけではないということでございます。  三点目の苦情処理でございますが、都道府県、私どもの地方厚生局、業界団体にお願 いをしていくのであろうと考えているところでございます。仮に、お願いをし、引き受 けていただくということになりますと、そこから厚生労働省、あるいは医薬品機構を介 して厚生労働省になるのかもしれませんが、情報の収集をする。これは行政情報になる わけでございますから、当然情報公開法の適用になると考えます。そのような消極的な 話だけではなくて、積極的に公開に努めていくのであろうと考えているところでござい ます。以上でございます。 ○松本部会長 薬事法の一部改正をする法律については、参考資料として今日付けてい ただいたので、まだ御不満な点もあるかと思いますが、よろしいでしょうか。ほかに御 意見はございますか。どうぞ。 ○堀内委員 今の法律の中で、現行の配置販売品目はそのままの形でやるということで すが、これはどのぐらいの品目数があるのでしょうか。それから、今度の三つに分類を された中ですと、どういう分類に入るのでしょうか。第二類と第三類に入るものと考え てよろしいでしょうか。 ○安全対策課長 現在の配置販売品目として指定されているものということでよろしゅ うございますでしょうか。記憶が定かではありませんから大ざっぱな数字で申し上げま すと、成分数で大体250前後ではなかったかと思います。一類、二類、三類というのは 来年の4月にならないと正確に決まらないわけでございますから、審議会で作業をして いただいた段階の一類、二類、三類で申し上げますと、二類と三類にまたがっていると いうのが現状の配置販売指定品目であるということです。 ○松本部会長 よろしいですか。ほかにございませんか。それでは、本日の部会を閉会 させていただきます。長い間どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 安全対策課 課長補佐 丈達(内線2748)      - 1 -