資料No.3 |
パートタイム労働対策に関する最近の主な提言等
目次 |
<国会>
1. | 国会の附帯決議 |
<政府>
<労使団体>
11. | 日本労働組合総連合会「2007年度 連合の重点政策」 |
12. | (社)日本経済団体連合会 「産業界・企業における少子化対策の基本的取り組みについて」 |
13. | 日本・東京商工会議所「少子化問題に関する提言」 |
<自治体>
14. | 全国知事会「次世代育成支援対策に関する提言」 |
1 国会の附帯決議
衆議院厚生労働委員会
「 | 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(抄)
(平成18年6月14日) |
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
10 | パートタイム労働者が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。 |
参議院厚生労働委員会
「 | 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(抄)
(平成18年4月28日) |
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
7 | パートタイム労働者等が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に取り組む事業主への支援や新たな枠組み作りの検討を含め、総合的な対策強化を図ること。 |
2 | 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(抄)(閣議決定) |
(平成18年7月7日)
第4章 安全・安心の確保と柔軟で多様な社会の実現
2. 再チャレンジ支援
(1)人生の複線化による柔軟で多様な社会の仕組みの構築
(働き方の複線化)
(中略)
・ | 有期労働契約を巡るルールの明確化、パート労働者への社会保険の適用拡大や均衡処遇の推進等の問題に対処するための法的整備等や均衡ある能力開発等の取組を進め、正規・非正規労働者間の均衡処遇を目指す。 |
3 | 財政・経済一体改革会議 「経済成長戦略大綱」(抄) |
(平成18年7月6日)
【 本文 】
第5.生産性向上型の5つの制度インフラ |
産業横断的に、生産性の抜本的な向上を実現するため、思い切った制度改革等が必要である。 「ヒト」「モノ」「カネ」「ワザ」「チエ」の5分野に関して、IT革新も含め、世界で最も優れた制度インフラを構築する。 |
1.ヒト:「人財立国」の実現
(1)一人ひとりが能力を最大限発揮できる社会の構築
(4) | 全員参加型社会の実現 年長フリーターの正社員化を含めた若年者の就職支援、非正規労働者の再挑戦支援と就業形態間の行き来の円滑化や均衡処遇の促進、仕事と生活のバランスのとれた働き方の推進等により、若者、女性、高齢者を含めた多くの人の意欲と能力を活かした就業参加を促す。 これにより、2010年までにフリーターをピーク時の8割の水準まで減少させる。 |
【 工程表 】
<短期 2006年度内>
○ | 均衡処遇推進のための事業主への支援を充実させる。 |
<中期 〜2008年度>
○ | 正社員との均衡のとれた訓練や正規雇用のための訓練支援など非正規労働者の再挑戦を支援する。 |
○ | 正社員転換制度、短時間正社員制度など就業形態間の行き来を確保する。 |
○ | パート労働者の均衡処遇のための法的整備も含めた取組を強化する。 |
<長期 〜2015年度>
○ | 非正規労働者、若年者、子育て世代、高齢者などの能力活用による全員参加型社会を実現する。 |
4 | 経済財政諮問会議(議長:内閣総理大臣) 「グローバル戦略」(抄) |
(平成18年5月18日)
IV.戦略的に取り組むべき施策と目標 |
1.人材の国際競争力の強化
(1)人材の質の向上
(中略)
● | すべての人に多様な機会が与えられ、仮に失敗しても何度でも再チャレンジができる社会を実現するために、内閣官房長官の下に設置された「再チャレンジ推進会議」において、各府省における具体的な取組についてとりまとめを行う。 |
● | 人口減少下で、経済社会の活力維持を図るため、労働生産性及び就業率の向上を図る。 |
・ | 現場を支える人材の労働生産性の向上のための能力開発機会の拡充 |
・ | 就業形態間での行き来の可能性や均衡処遇の促進 |
・ | 若年者の就職支援と人間力の強化 |
・ | 仕事と生活のバランスのとれた働き方の推進 |
5 | 再チャレンジ推進会議(議長:内閣官房長官) 「再チャレンジ可能な仕組みの構築(中間取りまとめ)」(抄) |
(平成18年5月30日)
II 具体的施策
1.再チャレンジを可能とする柔軟で多様な社会の仕組みの構築(人生の複線化)
┌ | └ |
人生を働き方、学び方、暮らし方の面で複線化するよう社会全体の仕組みを改革する | ┐ | ┘ |
(2) | 正規・非正規労働者間の均衡処遇
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6 | 少子化社会対策会議(会長:内閣総理大臣、委員:全閣僚) 「新しい少子化対策について」(抄) |
(平成18年6月20日)
【 本文 】
2 新たな少子化対策の推進
上記の視点を踏まえ、平成17年度から実施している「子ども・子育て応援プラン」の着実な推進にあわせ、(1)妊娠・出産から高校・大学生になるまで子どもの成長に応じつつ総合的に子育て支援策を講じるとともに、(2)働き方の改革が必要であり、次のような施策を推進する。
以下の施策については、歳出・歳入一体改革の中で必要な財源の確保とあわせて、平成19年度予算編成過程において検討するものとする。
税制面においても少子化対策を推進する観点からの必要な措置を検討するものとする。
(中略)
(2 | )働き方の改革 若者の就労支援やパートタイム労働者の均衡処遇の推進、女性の再就職支援等「再チャレンジが可能な仕組みの構築」を推進するとともに、企業の子育て支援の推進や長時間労働の是正等、従来の働き方を改革する。
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【 | 個別の施策集】 パートタイム労働者の均衡処遇の推進 正規労働者とパートタイム労働者との間の均衡処遇を確保するために法的な整備を含め施策の強化を図るとともに、社会保険のパートタイム労働者への適用拡大を検討する。 |
7 | 少子化社会対策推進専門委員会(主宰:内閣府特命担当大臣少子化対策担当) 「これからの少子化対策について」(抄) |
(平成18年5月15日)
第2章 「子ども・子育て応援プラン」に掲げられた課題の検討
第3節 働き方に関わる施策
5 非正規労働者に対する処遇の改善
我が国の労働者の4人に1人は、パートタイム労働者等の非正規労働者であり、特に女性は40%が非正規労働者となっている。また、90年代後半以降のいわゆる「就職氷河期」の影響を受けてフリーターとなっている20代、30代の人たちも存在する。未婚者が結婚へと踏み切ることや、子育て家庭の経済的安定にとって、雇用の安定や収入面の充実が第一であることは言うまでもない。
そこで、パートタイム労働者と正規労働者との処遇の均衡を図るための取組を強化するとともに、正社員への転換制度や能力開発機会の提供、短時間正社員の導入に取り組む事業主への支援策、あるいは非正規労働者本人に対する就労支援等が必要である。また、社会保障における均等待遇の観点からも、懸案となっているパートタイム労働者に対する厚生年金の適用問題について解決が図られることが望ましい。
8 | 社会保障の在り方に関する懇談会(主宰:内閣官房長官) 「今後の社会保障の在り方について」(抄) |
(平成18年5月26日)
IV 今後の社会保障制度の在り方
2 改革後の将来見通しを踏まえた今後の在り方
(受給者と拠出者のバランスの確保)
(中略)
一方で、各企業においては、近年、競争力強化の観点から、正社員からパート・派遣など非正規雇用に切り替える動きが見られている。今後は、正社員と非正規雇用の間の処遇上の均衡を図っていくとともに、原則すべての雇用労働者について、雇用保険と社会保険で共通の適用ルールとすることにより、社会保険制度を雇用形態の選択に対して中立的な仕組みとする必要がある。つまり、非典型労働者にも雇用者としての社会保険の担い手の役割を付与するとともに、雇用者としての年金保障の充実を図る方向で、2004年(平成16年)の年金改正法附則の趣旨も踏まえ、検討を急ぐべきである。このことは、「共助」のシステムである社会保障の本来の機能の在り方という観点からも、非典型労働者のウエイトが高い産業・企業と低い産業・企業の間において生じている社会保険料負担の不均衡、更には未納・未加入問題や適用範囲の是正の観点からも、重要である。
9 | 男女共同参画会議少子化と男女共同参画に関する専門調査会(内閣府) 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を可能とする働き方の見直し」について(抄) |
(平成18年5月29日)
4 求められる施策
子育て世代に対する両立支援の取組を契機として、すべての人を対象とした「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス) を可能とする働き方の見直し」に関する施策として、具体的には、以下のような取組が考えられる。
(2)組織の雇用環境整備にかかる施策 企業等組織における両立支援のための雇用環境整備に関しては、次世代育成支援対策推進法などにより自主的な取組が進められているところであるが、それらの個々の取組が積極的に進められるように、好事例などの情報提供支援が必要である。とりわけ組織のトップや管理職の意識改革が重要であり、こうした層への情報提供・研修等を通じた啓発が求められる。また、多様な働き方の増加に対応し、かつ就業者の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現するためには、仕事や労働時間の効率的な管理のあり方や評価システム等を検討し、情報提供等の支援を行うとともに、正規社員と非正規社員との間の均衡処遇に取り組む事業主に対して国が支援を行う必要がある。
(3)関連する法・制度の整備にかかる施策等 以下の点については、第2次男女共同参画基本計画でも課題として取り上げられており、本提案にも関係の深い問題であることから、上記の取組と合わせて、検討が期待される。
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10 | 内閣府 「男女共同参画白書」(抄) |
(平成18年6月9日)
特集 女性が再チャレンジしやすい社会へ−男女共同参画と少子化対策は車の両輪−
第3節 誰でも再就職・起業等ができる社会を目指して
(3 | )企業における再就職女性が活躍しやすい取組の促進 再雇用制度の普及促進や育児等でいったん退職した者に対し正社員も含めて門戸を広げる取組の推進,求人年齢制限の緩和など,再チャレンジ女性を積極的に採用する取組を,さらに進める必要がある。また,短時間勤務,テレワークなど多様で質の高い働き方,パート・アルバイトから正社員への転換等柔軟な人事管理,パートタイム労働者と正社員との均衡処遇などの取組が進むよう支援を行う必要がある。 |
11 | 日本労働組合総連合会 「2007年度 連合の重点政策」(抄) |
(平成18年6月1日)
II各論
1.「安心・公正」社会の実現
(1 | )セーフティネットと信頼できる社会保障制度の確立 |
(3) | フリーター・ニート対策をはじめとした「再挑戦できる社会」の実現 |
b) | 非典型労働者が増加し、就労形態の多様化、二極化が進んでいる中で、良質な雇用が確保されるよう、均等待遇の法制化や派遣労働者・請負労働者の保護策の強化をはかる。また、高齢者雇用安定法、障害者雇用促進法の法趣旨を踏まえ、65歳までの定年延長や継続雇用、障害者雇用の促進のための施策を強化、拡充する。 |
(2 | )ワークライフバランスの実現に向けたワークルールの確立 |
(4) | パート労働者等の均等待遇の実現 |
a) | パート労働者等の均等待遇を規定するとともに、短時間労働や有期契約というだけで合理的理由のない差別的取扱いの禁止などを盛り込んだ「パート・有期契約労働法」を制定する。 |
12 | (社)日本経済団体連合会 「産業界・企業における少子化対策の基本的取り組みについて」(抄) |
(平成18年5月10日)
III 具体的な取り組みの方向性
1 企業の主体的な取り組み
( | 1)働き方の再考―多様な働き方の整備 (中略) これらの課題への対応としては、日本経団連がこれまでも主張してきたとおり、多様な人材がその能力を活かすことができるように、企業それぞれの実情に応じて、労働時間、就労場所、休暇などについて、多様な働き方の選択肢を整備し、提供することが重要である。従業員の側からしても、個々人の多様な価値観や就労ニーズに応じて、柔軟な働き方が選択できることは望ましいものと考える。また、多様な働き方の選択肢の提供に際しては、選択肢それぞれに応じた仕事の内容と処遇を整理するとともに、その標準的な処遇は働き方の選択肢によって異なることや、選択肢によって平均的なキャリア形成やその速度も異なることを明確に示すなどの透明性を高めることにより、従業員が納得して働き方を選択できるようにすることが重要である。さらに、働き方を選択できるだけでなく、就労ニーズの変化や状況に応じてできる限り柔軟に変更できるような仕組みの整備にも、あわせて取り組むことも必要であろう。 多様な働き方の一つの例として、今後、育児・介護での一定期間のみの短時間勤務だけでなく、恒常的に短時間で勤務するということも想定される。この場合、短時間勤務について、フルタイム勤務との時間比例ではなく、職務、職責、役割、期待等に応じた処遇としていくことも考えられる。働き方の選択肢によっては、成果・業績を中心に考えていくことも重要となろう。 このような多様な働き方の選択肢の整備について、経営トップは、企業の発展・継続のために必要不可欠な労働条件の一つとしてとらえるとともに、自らが先頭にたって、それを推進していくことが求められる。それにより、従業員が自分自身の生き方やキャリアを考えて、自らの責任のもと、働き方を選択することが可能になると考える。 なお、これらの取り組みは、M字型カーブの解消を図り、女性の能力発揮を推進させる取り組みとして有効であると考えられるものの、決して女性のみを対象とするものではない。性別にかかわらず、個々の従業員が持つ能力を活かすための取り組みである。企業は女性の働き方に目を向けるだけではなく、男性の働き方、特に子育て世代の父親の働き方についても再考すべきである。男性自身も働き方の選択肢が広がる中で、改めて自分自身の望む働き方やキャリアを考える必要があろう。 一方で、労働時間等にとらわれない柔軟な働き方の実現には、労働制の規制改革も欠かせない。具体的には、裁量労働制の柔軟な適用やホワイトカラーエグゼンプション(ホワイトカラー労働者の労働時間等規制の適用除外)の導入など、働き方の自由度を高めるための制度の確立が必要になるものと考える。さらに、多様な働き方を提供することを通して、より多くの労働者に雇用機会を与えることを目的とした「多様就業型ワークシェアリング」、I CTを活用した在宅勤務等テレワークの推進なども有用である。 |
13 | 日本・東京商工会議所 「少子化問題に関する提言〜『出産・子育てに優しい社会』の実現に向けて〜」(抄) |
(平成18年5月11日)
具体的な施策 |
2 | .人口減少の経済社会に与える影響を最小限に止める対策(経済社会システム改革) |
(1 | ) 多様な労働力の活用 これまで十分活用されてこなかった労働力の稼働率を高める必要がある。そのためにも、高齢者の社会参画などを含めた男女雇用参画社会の実現に向けた取組みの推進や労働環境の整備などの対策が必要である。
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14 | 全国知事会「次世代育成対策に関する提言」(抄) |
(平成18年5月16日)
2.企業における働き方の見直しの促進
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イ | .21世紀職業財団の助成金の財源枠の拡大、要件緩和や手続きの見直しなど中小企業等への助成制度を充実すること。 |
ウ | .地位・身分の保障や職場復帰の円滑化など育児休業が取りやすい仕組みづくり、短時間勤務の普及、働き方に見合った均衡処遇の推進、再就職の支援など、出産・子育てにあわせた多様な働き方ができるよう雇用環境の改善を図ること。 |