06/06/23 第7回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会議事録   (照会先)医政局経済課 担当・内線 西平(2524)   代表 5253−1111 直通 3595−2421        第7回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」議事録             開催日:平成18年6月23日(金)             場 所:九段会館3階「真珠」の間 1.開会 ○西平経済課長補佐  定刻より若干早いですが、時間に来ていただける先生方は皆様お越しいただきました ので、ただいまから、第7回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」を開催いたし ます。  まず、委員の交代について、事務局の方から御報告いたします。  漆畑委員、大来委員、奥村委員、川ア委員、高見委員、仲谷委員、三上委員が委員を 辞任されるとともに、新しい方々に委員に加わっていただいております。多くの委員の 方々がかわっておられますので、この際、すべての委員の方々を改めて御紹介させてい ただきたいと思います。五十音順で御紹介させていただきます。  社団法人日本医師会常任理事の飯沼雅朗様でございます。  社団法人日本医薬品卸業連合会流通近代化検討委員会委員の伊藤高人様でございま す。本日はご欠席で、代理で岩崎様に御出席いただいております。  社団法人日本歯科医師会常務理事の稲垣明弘様でございます。  医薬工業協議会ジェネリック研究委員会副委員長の井上昭様でございます。  明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科教授の上原征彦様にも委員をお願いして おりますが、本日は御欠席でございます。  日本ジェネリック医薬品販社協会会長の江口博明様でございます。本日は御欠席でご ざいまして、代理として副会長の中川様に御出席いただいております。  社団法人日本医療法人協会副会長の大塚量様でございます。  日本製薬工業協会流通適正化委員会副委員長の鬼丸務様でございます。  社団法人日本私立医科大学協会常勤参与の柿田章様でございます。  日本保険薬局協会専務理事の柏木實様ございます。  兵庫医科大学病院薬剤部長の門林宗男様でございます。  日本製薬工業協会流通適正化委員会副委員長の加茂谷佳明様でございます。  座長をお願いしております慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の嶋口充輝様でご ざいます。  日本製薬工業協会流通適正化委員会常任運営委員の寺尾勇一様でございます。  社団法人日本精神科病院協会常務理事の長瀬輝諠様にも委員をお願いしております が、本日は若干遅れて来られるという御連絡をいただいております。  日本製薬工業協会流通適正化委員会委員長の禰宜寛治様でございます。  社団法人日本医薬品卸業連合会会長の松谷高顕様でございます。  青山学院大学経営学部教授の三村優美子様でございます。  日本歯科用品商協同組合連合会専務理事の宮内啓友様でございます。  社団法人全国自治体病院協議会副会長の宮川信様でございます。  日本製薬工業協会流通適正化委員会常任運営委員の目黒敏一様でございます。  社団法人日本薬剤師会常務理事の森昌平様でございます。  社団法人日本医薬品卸業連合会流通近代化検討委員会専門委員の渡辺秀一様でござい ます。  続きまして、事務局をメインテーブルの者のみ紹介させていただきます。  医政局長の松谷でございます。  医政局経済課長の二川でございます。  同じく経済課首席流通指導官の千葉でございます。  流通指導官の大前でございます。  同じく流通指導官の渡邉でございます。  同じく流通指導官の遠藤でございます。  経済課課長補佐の磯部でございます。  申しおくれましたが、私は事務局を担当しております経済課課長補佐の西平と申しま す。よろしくお願いいたします。  それでは、以降の議事進行につきましては、嶋口座長にお願いしたいと思います。よ ろしくお願いいたします。  なお、御発言いただく場合には、お手数ですが、マイクのスイッチのオンとオフをそ の都度切りかえていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 2.議事 ○嶋口座長  座長を引き受けさせていただきました嶋口でございます。よろしくお願いいたします。 今日は、大変お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。  今、官庁は全部ノーネクタイだそうでございまして、我々も全く自由ですから、次回 以降、もし夏の間にあるようでしたら、どうぞノーネクタイで御出席願えればと思って おります。  それでは、早速、本日の議題に入りたいと思います。本日の議題については、お手元 の議事次第に書いてございますが、基本的には、当会として今後どういう研究課題を進 めたらいいだろうかということ、つまり医薬品流通の現状と課題についてのフリーディ スカッションをしていくことが中心でございます。  前回で一つの区切りとして中間まとめをやりましたので、今回は新しいテーマについ ての流通改善懇談会になります。今回は7人の方がこの委員会を去りまして、代わりに 9人の新メンバーに加わっていただきました。そんなことから、また新しい気持ちで取 り組んでいきたいと思っておりますので、よろしく御協力をお願いいたします。  それから、委員の方々は各分野を代表するそうそうたるメンバーでございますが、一 々肩書で呼んでいると大変ですから、大変申しわけございませんが、全部「さん」づけ でやらせていただきたいと思います。  それでは、前回の3月3日に開催した当懇談会以後に幾つか流通にかかわる動きがあ ったようでございますので、早速、これまでの当懇談会の審議内容や、あるいは最近の 医薬品流通に関する動きを少し御報告いただきまして、その後でフリーディスカッショ ンで、委員の皆様から質問や御意見をいただきたいと思っております。  最初に、事務局サイドから簡単な御説明をいただきます。説明を聞きながら、御質問 がございましたら、ぜひメモをとっておいていただければありがたいと思います。  それでは、事務局サイドから、これまでの審議内容、最近の流通にかかわる動きを御 説明願います。 ○西平経済課長補佐  それでは、まず、事務局の方から、お手元の資料1〜資料4によりまして、これまで の当懇談会で取りまとめいただいたもの、あるいは最近の流通に関しての行政サイドで の動きについて、御報告、御紹介させていただければと思います。  まず、資料1をごらんいただきたいと思います。当懇談会におきまして、平成16年 12月に取りまとめいただきました「中間とりまとめ」でございます。内容について簡単 にポイントだけ御説明させていただければと思っております。  1ページの下の○でございますが、医療用医薬品の取引ということで、メーカーと卸 売業者との取引のところでございます。  2つ目の・ですが、この「中間とりまとめ」におきましては、アローアンスのうち、 支払い基準の不明確なものについては、可能な限り基準を明確にすることが望まれると いう方向性を出していただいております。  続きまして、2ページですが、上の方から、卸売業者と医療機関・調剤薬局との取引 でございますが、3つ目のパラグラフを見ていただきますと、こちらの卸と医療機関・ 調剤薬局との取引におきましても、経済合理的な価格交渉が行われることが望まれると いうこととした上で、次のパラグラフでございますが、総価取引に関しまして、こうし た取引は否定されるべきものではないけれども、医薬品の価値と価格を考慮した上での 採否を決定することが望ましいという方向性を出していただいております。  また、総価取引におきましても、薬価調査あるいは現行の薬価制度というものを前提 といたしますと、個々の取引において品目ごとの価格を明示することが望まれるとさせ ていただいております。  また、次のパラグラフでございますが、医療用医薬品の流通に関しましてよく見られ ますのが、購入量の多い医療機関・調剤薬局を中心に、長期にわたって未妥結・仮納入 を継続する事例が見られるということでございまして、このような取引というのは、現 行の薬価制度の信頼性を損なう取引であり、個々の契約当事者間の交渉により、こうし た取引を是正することが望まれるという方向性を出させていただいております。  次のパラグラフにおきましては、文書契約の契約率の一層の向上、あるいはその契約 に基づいた取引が望まれるということとさせていただいております。  次の3ページでございます。情報提供のあり方ということで、上の○でございますが、 メーカー及び卸売業者は、ここのパラグラフの最後になりますが、医療機関又は調剤薬 局が必要とする情報を効率よく提供することが求められるとした上で、共同購入や一括 購入に関しましては、次のパラグラフでございますが、最終納入先に適切に情報提供を 受けられるようにしてほしいという方向性を出していただいております。  次の項目でございますが、返品の取り扱いということで、返品に関するルールが定め られていないケースが多いのだけれども、ケースの実態把握に努めて、できる限り返品 を生じさせない取引の推進など改善に向けた取り組みが求められるということを、この 「中間とりまとめ」の時点では書いていただいてございます。  最後に、その他でございますが、1つ目のパラグラフにおきましては、医薬品・医療 業界全体のIT化への基盤整備に向けて、引き続き、私ども厚生労働省と流通当事者に よる取り組みを推進することが必要であるということと、あとは、薬剤管理費用や調整 幅の位置づけ等の課題について、引き続き検討を続けることとするとさせていただいて おります。  以上が、平成16年12月に当懇談会において取りまとめいただきました「中間とりま とめ」のポイントでございます。  続きまして、資料2をごらんいただきますと、こちらは医政局長名での通知という形 とさせていただいております。  2ページ目でございますが、前回の第6回の当懇談会におきまして取りまとめいただ きました返品の取り扱いについての取りまとめでございます。先ほどちょっと説明させ ていただきましたが、返品について実態把握に努めて何らかの措置を講ずるべきである という中間取りまとめを踏まえて御検討いただき、取りまとめていただいたものでござ います。  内容といたしましては、2ページの2.返品の類型のところにまず書かせていただい ておりますが、一概に返品と申しましてもさまざまなものがあるので、類型分けをする べきであるということでございまして、2つ目の○の(1)〜(4)に類型分けをして いただいております。  それぞれの各類型に応じた対応策ということで、3.以下で分けておりますが、(1) 医薬品の品質に起因するもの、(2)拡販施策に起因するもの、(3)医療機関等にお ける医薬品管理に起因するもの、(4)メーカーの包装変更に起因するもの、4つの類 型それぞれに応じて返品の取り扱いを整理いただいております。  まず、(1)医薬品の品質に起因するものといたしましては、このようなものが医薬 品の安全性に関係するものですので、速やかに流通現場から取り除くために返品を認め ることが必要であると整理いただいてございます。  (2)拡販施策に起因するものでございますが、こちらは個々の契約当事者間の取引 実態にかかわるものということでございますので、一律の整理は困難であることから、 両当事者の協議にゆだねるということとさせていただいております。  (3)医薬品管理に起因するものでございますが、こちらはそもそも適正な在庫管理 を行うことが求められるものであり、通常は返品対象に該当するものではないと考えら れますが、一律に該当しないという整理をすることも困難でありますので、継続的な契 約関係の中で契約当事者間での整理とさせていただいてございます。  3ページ、(4)メーカーの包装変更に起因するものということで、外観上の変更を 伴う包装変更につきまして、モデル契約において当事者間の協議の位置づけを明確にす ることが必要ではないかと整理をいただいております。包装変更の中にもさまざまなも のがございますので、包装変更に関しましてモデル契約で協議を位置づけるとともに、 その協議の方向性ということで、(4)の(1)〜(5)でそれぞれの類型に応じた返品を認め る認めないのガイドラインのようなものを示させていただいております。  (1)法令・当局からの指示に起因したような包装変更につきましては、包装の補正がな されない場合は、そもそも物としての「瑕疵」に該当すると考えられるものですので、 こちらはそもそも「瑕疵」ということで返品を認めることが適当ではないかということ でございます。  (2)流通管理上の要請に起因しての包装変更の場合は、こちらは流通当事者間で解決す べきものということでございますので、モデル契約において協議の申し出権を認めた上 で、その協議の中で解決していただきたいということでございます。  (3)環境への配慮等に起因するものにつきましても、同じように、流通当事者間の協議 の中で解決していただきたいということでございます。  (4)医療安全の要請に起因するものでございますが、こちらは医療安全に資するために 包装変更を行うものでございますので、なるべく変更後のものに置きかわることが望ま しいわけではございますが、一律に返品を認めるというのもなかなか困難な面もござい ますので、最終的には当事者間での協議ということをお願いしたいということでござい ます。  (5)営業戦略上のデザイン変更に起因するものでございますが、こちらは個々の変更内 容あるいは変更に至るまでの流通への対応を踏まえた上で、当事者間での協議というこ とにしていただきたい。  以上が、返品について取りまとめいただいたものでございまして、4ページがモデル 契約の改正案でございます。  6ページ以降につきましては、その改正後のモデル契約をそのままつけさせていただ いております。  以上が、資料2の説明でございます。  続きまして、資料3でございます。「中間とりまとめ」でも触れられておりました未 妥結及び仮納入の是正に関しての通知でございまして、本年3月27日付で、私ども医政 局の経済課長名と保険局の医療課長の連名通知ということで出させていただいているも のでございます。  内容につきましては、1ページの1つ目のパラグラフでございますが、中医協の方で 了解されました18年度の薬価制度改革の骨子におきまして、この未妥結及び仮納入に関 しまして、薬価調査の信頼性を確保する観点からも不適切な取引であることからその是 正を図るという旨、了解いただいております。  これを受けまして、経済課においては、2つ目のパラグラフでございますが、薬価調 査の一環といたしまして、価格の妥結状況の調査を定期的に行って、未妥結及び仮納入 の状況を把握するという措置をとらせていただくこととしております。  そして、その調査結果を踏まえまして、薬価調査の信頼を損ねると考えられる場合に は、当該取引の両当事者に対して改善指導を行う仕組みとさせていただいております。 この通知自体は、2ページに書いてあります各関係団体の皆様にお願いして、団体参加 の皆様方にその旨周知徹底と御指導をお願いするということでございます。  また、あわせまして、4ページと5ページでございますが、こちらは社団法人日本医 薬品卸業連合会の会長あて、あるいは5ページはジェネリック医薬品販社協会会長あて の通知でございますけれど、その妥結状況の調査を毎年7月と、薬価調査実施時期に合 わせて定期的に実施させていただくということで、御協力をお願いする。そういう通知 をあわせて発出させていただいております。  以上が、資料3の説明でございます。  こちらからの資料説明は以上でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。今回は7名の新しい委員の方々がいらっしゃいますので、 パッと全部頭に入ったかどうかわかりませんが、後ほどさらに理解を深めるための質問 などがございましたら、お受けしたいと思います。  それでは、引き続きまして、卸連の方から、医薬品流通の現状につきまして御説明を いただきたいと思います。岩崎さん、お願いいたします。 ○伊藤委員(代理・岩崎)  日本医薬品卸連合会の方から、資料4の説明をさせていただきます。  4枚ございますけれど、全部、「中間とりまとめ」に関する資料を出しておりますの で、復習も兼ねて説明させていただきます。  1枚目は、医薬品卸業の経営状況の年次推移を示してございます。平成3年度に売上 総利益で12.7%ございましたが、年度を経て、平成16年度には8%まで総利益として は落ち込んでおります。 販売管理費について、平成3年度では11.2%を、順次、経営努力の中で圧縮をかけて まいりましたが、平成16年度に7.5%まで削減をしてございます。それでも営業利益率 はなかなか改善をせず、平成16年度には営業利益率は0.5%まで落ちているという経営 状況の苦しい部分を示してございます。 また、販売管理費は、医薬分業等、いわゆる配送体制で、配送件数とか、多頻度少量 納品という非常にコストのかかる部分がございまして、卸の経費削減努力に増して苦し い部分があり、限界が来ているという状況でございます。  このような状況から、IT投資等の原資が出ないということで、流通の効率化、高度 の推進という部分で努力したいと思っておりますが、苦しんでいる状況でございます。  2枚目は、卸のグロスマージンの年次の推移を示しています。卸のグロスマージン、 いわゆる売上総利益につきましては、年次縮小傾向でございます。平成16年度は、8% まで落ちてきております。これは医療機関様の方の納入価格とメーカー様からの仕切り 価格の差であります売差が平成4年度の5.4%から順次下がって、平成10年度には0、 そこからマイナスに転じまして、平成16年度はマイナスの1.47%まで落ちているとい う状況の中で、非常に苦しい状況にあるという部分でございます。  その主な要因としましては、平成4年度にはR幅が15%ございました。これが急激に 縮小され、平成10年度には調整幅2%で進んでいるということで、売差の確保は困難に なっているという現状があるということでございます。この売差の確保が困難になった ことで、割り戻し、アローアンスがふえており、アローアンスは平成4年には6.9%だ ったものが、平成16年には9.43%ということで、この不均衡が浮き彫りになっている ということでございます。 メーカー様には、市場実勢価格を踏まえた仕切り価格の設定をお願いしております。 年度における仕切り価格の変更もお願いしているところですが、この場を借りまして、 再度の検討をお願いしたいということでございます。  3枚目でございますが、未妥結・仮納入の実態をお示ししている資料でございます。 これは全卸の調査ではなく、主力卸の4社の集計でございますが、平成14年度と16年 度の比較をしてございます。9月実績のデータですが、平成10年度と16年度を比較い たしますと、200床以上の病院の方は、未妥結が6カ月超えで42%、金額ベースでも38 %でございましたが、16年度にはその同じ6カ月超えのところが52%と、半数を超えて おりまして、売上に占める割合も6割近くが未妥結であり、よくない状況になっている ということでございます。  調剤薬局の方は、同じように6カ月超えのところを見ていただきますと、10年度は51 %、売上に占める影響が44%、16年度の方は38%で、金額の方も38%ということで、 少し改善をしていただいているという状況が見えるということでございます。  卸は、薬価調査の信頼性を高めたいということで、早期妥結に努力をしております。 株式上場している企業では四半期決算がございますので、それを含めて早期妥結に引き 続き努力してまいる所存でございます。  昨年の中医協の合意に基づきまして、先ほど御説明にありましたとおり、本年度は未 妥結・仮納入の是正ということで、厚労省様の方でも頑張っていただけるということで すので、卸も頑張りますが、御指導方よろしくお願いしたいということでございます。  4ページですが、総価取引の実態でございます。こちらは主要の5卸の集計でござい ます。15年度と16年度の比較を同じ9月のデータで比較してございます。  200床以上の病院におきましては、調査実施卸の規模が合併等で拡大しましたので、 若干の影響はございますが、売上高に占める総価の割合というのは過半数を占めてござ います。(2)総価契約の売り上げが、59.8が51.8ということで、少し数字が変わっ てございますが、相変わらず5割を超えているような総価の契約になっているというこ とでございます。  20店舗以上の調剤薬局チェーンにつきましては、取引のほとんどが総価の契約になっ てございます。ただし、全調剤薬局の16年度の方は、単価契約が77%、金額ベースで も55%が単価契約ということでございますので、いわゆる大手の調剤薬局チェーン様の 方ではほとんど総価の取引をしておられるということで、総価の取引というのは大手調 剤薬局チェーン様の特徴ではないかと思っている次第でございます。  IT技術が日々に進歩しておりますので、医療機関様、調剤薬局様の方でも単価取引 は可能ではないかと思っております。、ぜひ銘柄別の薬価基準制度の指針に沿うような 形で取引を行っていただくようにお願いしたいということでございます。  資料の説明は以上でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  これまで6回にわたってこの流通改善懇談会の中で行われてきた議論のまとめ的な問 題、そして現状の問題についてのお話がございました。最初に事務局サイドで、当懇談 会の議論を踏まえて出たものの経緯を御説明いただきました。これが資料1〜資料3で ございます。それから、資料4については、これは以前にもこの懇談会で御発表いただ いたのですが、現在の流通の現状がどうなっているかを卸連のサイドから改めてお示し いただいたわけでございます。  それでは、早速、これから御質問あるいは御意見をお伺いしたいと思いますので、挙 手をお願いしたいと思います。 ○大塚委員  医療法人の大塚でございます。今日の資料を見てみますと、売差がマイナス1.47とい う数字が出ております。 ○嶋口座長  資料4の2ページでございますね。 ○大塚委員  はい。これはどういうことを意味するかというと、薬価が下がるのを防ぐために、正 味仕切り価格を薬価に極力近づけて設定されていると。そのために売差が下がっている と。これでは卸は経営困難になるので、アローアンスと割り戻しが行われております。 卸に尋ねてみますと、薬価調査は医政局経済課の方で調査されておりますが、アローア ンスと割り戻しについては一切調査はないということでございます。そして、卸の方の 資料で今日出ておりますが、アローアンスが非常にふえている。正直にお出しになった のだろうとは思いますけれど、こういう流れ、いわゆる流通はどうも私は納得がいかな い。  薬価算定方式が制度疲労を来していると思わざるを得ません。諸外国の資料がここに 出ておりますが、日本のやり方は少し特異的なもので、私はこの中を見てみると、ドイ ツスタイルですか、これは非常にやりやすいんじゃないだろうかという感じがいたしま す。  それから、日本の急性期医療については、DPC、いわゆる急性期については、薬価 は診療報酬の中に包含されている、含まれているということで、私どもの病院も既にD PCに参画しておりますが、薬価が直接診療報酬の中に占める位置、価値観というもの がかなり変わってきたのではないかと思っております。昔、薬品に対するおまけとか、 非常に売差が高いとき、売差が高いから不必要な薬剤を使うのではないかという概念が ございましたが、そういうことは今はもうなくなってきたと思います。そういう面を含 めて、ここで薬価算定の方法を検討すべきではないかと思います。 ○嶋口座長  ありがとうございました。大塚さんは既に、後の方でこれから御説明いただく予定の 各国の流通事情まで資料をお読みになって、日本のこのやり方というのは諸外国に比べ るとちょっと違う感じを受けるというところから、特に薬価問題についての御意見でご ざいました。今の御意見に関連したところで、卸連の方から何かございますか。 ○松谷委員  今、先生がおっしゃいましたように、DPC包括病院や包括病院では、薬価差で薬剤 が決められているわけではなくて、全体のコストパフォーマンスで決まっているわけで すから、従来の薬価に対する意味あいとは随分変わってきています。したがいまして、 今までの薬価議論の中に、償還の考え方を入れていく必要があると思うのです。先ほど ドイツの方式が良いのではないかとの先生のご意見でしたけれど、日本でもドイツに見 習って、日本型参照価格というものを平成7〜8年ごろ議論して、結局は採用にならな かったわけですが、その中に混合診療の問題が含まれるということで、なかなか一気に 解決しなかったという歴史がありますので、少し時間をかけて、今の薬価制度とは別に、 薬剤の償還のあり方などの検討はする必要があると思いますが。それがここの場所でな される問題なのか、中医協なのか、または別の場所なのかということは検討の必要があ ると思いますが、時代の変化とともにそういうものについては考えていかなければいけ ないことだろうとは、私も理解をいたしております。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  算定方式云々というところまで行ってしまうと、ここの流通改善懇談会のマターより もうちょっと広いところから議論しなければならなくなるかもしれませんが、大塚さん がおっしゃったように、常識的に考えて現状はいかがなものかと、そういう問題意識は 当然だと思いますので、こういう議論が一つあったということをぜひ確認しておきたい と思います。  それから、今の問題に関連して、これは平成16年9月現在の数字ですね。その後の何 か新しい数字はありますでしょうか。傾向の程度で結構ですけれど。 ○松谷委員  ここにお示しした数字は、全卸を対象に、平成16年度、すなわち平成17年3月度の 決算を集計した数字でございます。また、平成18年3月期の数字は、8月か9月でない と全部が集まらないので、上場会社だけの数字という意味でいえば発表できますが、そ の上場会社というのは卸業だけではなくて、製造業やいろいろな業種を含んでいる会社 が非常に多いものですから、流通に限定しての数字というのは今すぐには出せません。 9月ごろには、直近はこういうことですという御報告はできると思います。 ○嶋口座長  そんなに大きく傾向が変わっているわけではないという印象でよろしいでしょうか。 ○松谷委員  傾向としては資料のような傾向でございますが、若干下げどまっているとは言えるか もしれません。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  他に御意見や御質問はございますでしょうか。 ○門林委員  医薬品の流通で考えますと、メーカーから卸の間の上流と言われている部分と、卸か ら医療機関で使う下流と言われる部分とがありますが、下流の方は、薬価基準制度でこ れがあって、その中で薬価差というものが否定的な見解が多くて、医療機関が廃棄損と かということで非常に苦しんでいる部分があるわけです。しかし、上流の部分について は、仕切り額、アローアンス、そういう見えない部分がたくさんあります。  現在、トレーサビリティということで考えますと、まだ不十分な点があろうかと思い ますが、将来の消費税のことを考えていきますと、今は薬価基準の中に消費税を含んだ 形になっていますが、今後、消費税が上がっていくときにどう考えるかによって、非常 に違った環境になるのではないかと思います。そういう意味では、その面も含めて考え ていく必要があるのかなと思います。  また、医療機関から見ますと、廃棄損などが出ますから、管理費とか、コスト・オン ・マージン方式というものをどこかで考えていかないと、自由主義経済ですと物が動け ばそこに何らかのコストとマージンが発生しないと成り立っていかないのではないかと 思いますので、そういったことも議論の対象にしていただく必要もあるかなと思ってお ります。 ○嶋口座長  ありがとうございました。今後の課題に対する一つの貴重な御意見として伺わせてい ただきました。 それでは、また後で時間があるようでしたら、もう一回戻っても結構だと思いますが、 これまでこの流改懇で1回から6回の間にやってきたことの一つの方向づけと現状のお 話をいただきましたので、今日の中心的な問題になりますが、本懇談会の今後の議論の 進め方について一緒に議論してみたいと思っております。  それでは、これも事務局の方からまず御説明をいただきまして、その説明に従ってフ リーディスカッションをしていきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。 ○西平経済課長補佐  それでは、資料5に基づきまして、当懇談会の検討の進め方について御説明させてい ただければと思います。  資料5は1枚紙でございますが、1つ目のパラグラフにおきましては、こちらの懇談 会においては16年6月の設置以来御検討いただきまして、同年12月に中間的な取りま とめを行っていただいてございます。本日お配りいたしました資料1がその「中間とり まとめ」でございます。  「中間とりまとめ」におきましては、先ほど御紹介させていただきましたが、未妥結 ・仮納入に関して、「現行の薬価制度の信頼性を損なう取引である」と指摘させていた だいておりますが、先ほど説明させていただきました資料3でございますけれど、あの ような通知で指導させていただきましたが、中医協におきましても「問題である」とい うことでございますので、是正のための指導を図る通知を発出させていただいておりま す。  また、「中間とりまとめ」において具体的な検討の必要性が指摘されておりました返 品の取り扱いにつきましても御検討いただきまして、本年3月に取りまとめいただきま して、こちらも先ほど紹介させていただきました資料2の通知におきまして示させてい ただいてございます。  その「中間とりまとめ」におきましては、最後のパラグラフでございますが、「当懇 談会は、今般の「中間とりまとめ」で検討を終了するのではなく、引き続き、残された 検討事項や新たに生じた課題について検討を続けることとする」とされてございます。  従いまして、例えばこれまでの当懇談会に出されました御意見、医療用医薬品につい ては、銘柄間の競争が行われていないのではないか、あるいは、総価取引というものは 個々の医薬品の価値を反映していないのではないか、あるいは、先ほどもちょっと御意 見をいただきましたが、流通の川上が不透明なのではないかといった指摘があることを 踏まえまして、医療用医薬品流通全般の改善に関して検討を進めることとしてはどうか と考えてございます。  資料の説明は以上でございます。 ○嶋口座長  ということで、当懇談会の中でこれからどういう問題をテーマとして取り上げていこ うかということですが、これまでは、未妥結・仮納入の問題、あるいは返品の問題につ いて当懇談会として一つの考え方を示したわけですけれど、これからどういうあたりを 探っていこうか、あるいは一つの改善点として議論していこうか、これについての御意 見をいただきたいと思います。 ○禰宜委員  ただいまの事務局の御提案、進め方におきまして、製薬協といたしまして少しコメン トをさせていただきたいと思います。  流通システムに求められております本質的な機能といいますのは、必要なものを必要 なときに必要なだけ供給されるということであると思います。特に医薬品の流通では、 安定供給が最重要な課題であると認識しております。現在の日本の状況を見ますと、問 題があると指摘されておりました一部の後発品に対しましては、ことしの3月に当局か ら具体的な改善措置が通知されたところでございます。また、自然災害時などの緊急事 態における供給体制の整備も、卸業者各位の御努力で相当進んでいると認識しておりま す。このように、日本の医薬品の流通システムは円滑に現在機能していると我々は評価 しております。  また、懇談会で取り上げられましたいろいろな取引上の問題は、先ほど来、事務局か らご報告があった通り「中間とりまとめ」において改善方策が示されているところでご ざいます。また、継続課題でありました未妥結・仮納入と返品の問題も同様に、ことし 3月に解決に向けた具体的な措置がなされているところでございます。この件につきま しては、事務局の御努力に感謝申し上げたいと思っております。  しかしながら、これらの改善に向けた取り組みは、緒についたところでもあり、こう いった不適切な取引の改善状況を懇談会として今後十分に見守っていく必要があるので はないかと考えております。製薬協といたしましても、今後の懇談会の進め方につきま しては、継続することにつきましてはやぶさかではございませんが、今述べましたよう に、これからの改善策の成果を一定期間確認して、その上で改めて議論した方がよいの ではないかと考えております。 ○二川経済課長  これまで、流通改善懇談会を2年間していただきまして、それに基づきまして、私ど も行政の方も通知なりモデル契約なりの変更を示させていただいたと。それは実際に現 場でやっていただきませんと、結局、紙だけ出したということになりますので、その辺 につきましては適宜フォローしていかなければいけないだろうと思っております。  実際、未妥結という部分につきましては、先ほどの資料でも御説明申し上げましたよ うに、当面はまずこの4月に改定がございましたので、7月の段階でまだ妥結していな いところもひょっとするとあるのかもしれませんが、そういった状況を調査をさせてい ただきたい。また、今後もいろいろな形での薬価調査があろうかと思います。薬価本調 査に限りませんで、経時変動調査という形の随時調査をしていく機会もございますので、 そういった機会もとらえまして、妥結状況を把握していきたいと思いますし、また、そ れを個別の流通当事者の方に指導もさせていただきたいと思っております。また、その 結果につきましては、当懇談会に御報告もさせていただきたいと思います。 ○嶋口座長  製薬協の方で、二川課長のお話に対するレスポンスはございますでしょうか。 ○禰宜委員    改善策の成果に対し、只今ご説明いただいたようなフォローは必要であり、その成果 を踏まえた更なる改善策とその為の議論は必要であると考えます。   ○嶋口座長  卸連の方ではまた違う見解があるかもしれませんが、製薬協としては、今御指摘があ りましたように、日本の流通は結構うまくいっているじゃないかと。ここまで相当改善 されたこともあり、改めて今すぐに新しい課題をやらなくても、これまでの結果をじっ くり見た上でもう一回考えようと、そういう御意見と理解してよろしゅうございますね。 ○禰宜委員  そのとおりである。 ○松谷委員  日本の医療用医薬品の流通は、安全、安心、信頼という意味でいうと、世界の中でも 冠たるものだと、諸外国を回っていろいろな流通を聞いている中でいえば、大変信頼し ていただいていいのではないかと思いますが、ただ、日本の薬価基準制度の下で行われ ている商取引という意味では、流通として常識から外れているとか言われているものが 解決していないのも事実だと思っております。  先ほども経済課長からお話がありました未妥結・仮納入の問題については、通達も出 していただいて、この7月にその調査が行われ、また、我々も過去のように半年や1年 たってから価格交渉しようという態度はもう絶対とらないということで、鋭意、価格交 渉をしている最中でございますが、総価取引については、この中間報告では、ある意味 ではやむを得ないというような書き方もされていますが、こういうサプライチェーンの 皆さんが加わっている中で、総価取引は、薬価基準制度、銘柄別薬価というものから考 えてどうあるべきかということについて、大いに議論をしていただきたいと思っており ます。  それから、今、既収載品の薬価改定のあり方の中では、調整幅2%ということで、平 成12年からずっと2%が続いているわけですが、ある意味で、2%というものについて 診療側から見ると、これには薬剤管理料も含まれているのではないかといったお話もあ りますし、また、2%の中でそれが賄えないから 診療報酬で手当てすべきだと。  R幅が15%や10%あったころはそういうものも含まれていたのですが、2%にな った時点で、我々卸の立場からすると、流通安定のためのもので、逆ざやが起きないだ けの最低の数字なのだと。そういう言い方をしておるのですが、これがまだなかなかサ プライチェーン全体ではそれを認め合っていないというか、きちんと定義されていない ところに、流通上問題が発生していると私は理解しておりますので、それについても議 論していただけたらと思っています。  それから、過去からのいろいろな流通という意味では、今言ったような問題があるわ けですが、将来的な流通という意味でいえば、もっとIT化を進めたり、効率化を上げ たり、安全性のためにITを利用するとか、こういった種のことはサプライチェーン全 体がそれを理解して一つの方向に向かわないといい形にはならないと思いますので、そ の意味でも、川上から流れ全体の中の議論ができるこの場所で、IT化等についても話 をしていただければと思っております。 ○嶋口座長  総価取引についてもう一回いろいろ考えていただきたい。それから、調整幅について ももう少し詰める必要があるのではないか。さらに、トータルな流通のシステムにおけ るIT化や効率化などももっと考える必要があるのではないか、という御意見をいただ きました。 ○大塚委員  医療法人の大塚でございます。以前、松村課長が、「価格形成などを含めて、公的医 療保険制度のもと、市場メカニズムが効率的かつ適切に機能するような、自由かつ公正 な競争を確保することが求められている」と。実に立派な言葉です。ところが、現状と 比較した場合、全くほど遠い流通になっております。  先ほど総価取引の話が出ましたが、現在、薬価に極力近い価格で医療機関は購入して おります。したがって、全くと言っていいほど市場メカニズムは機能いたしておりませ ん。医療機関が、昔、R幅が15とか16あった場合、ああいう状態を望んでいるわけで はありません。リーズナブルな管理コストを決めていただいて、卸もまともな、医療機 関もまともな、こういう流通をきちっとつくっていただきたい。日本の薬剤に対する流 通は世界に冠たるものだというお話でございますが、医療機関にとっては決して冠たる ものではございません。 ○嶋口座長  ありがとうございました。当懇談会の基調は、医薬品特性を踏まえた全体ルールの下 に当事者間でかなり自由に取引していただこうということになっていますが、全体とい う感じになると、当懇談会のマターとは別のところにひずみが出るなど、全体調整が必 要になるという印象もあります。でも、そういう問題を含めて今はまだまだ改善の余地 がたくさんあるという御意見でございますね。  取引慣行とか実際の流通における活動の中では、どのあたりが一番課題になりそうで しょうか。 ○大塚委員  いわゆる薬価形成について、メーカーの方は、それなりの研究費、それぞれのコスト がかかっているわけですから、そういうものを記載した上で、そして薬価を決めていく。 現行の新しい薬価算定の場合に、類似のものを基準にして算定するということになって いるので、メーカーも現在の新薬に対する算定には非常に不満があるのではないでしょ うか。要するに、先ほども言いましたように、今後、薬剤費が診療報酬の中にインクル ードされていく状態になっていくでしょうから、やはり考えていくべきだろうと思いま すね。 ○嶋口座長  ありがとうございました。他にいかがでしょうか。 ○柏木委員  保険薬局協会の柏木でございます。未妥結・仮納入という問題につきましては、改善 しなくてはいけないという認識は十分持って、先ほど来の通達に基づいて、私ども協会 内でもいろいろな議論をして前向きに進めてまいっておる次第ですが、ただいまの卸さ んからの御報告は、15年度と16年度が今出るのかなというのが率直な感想でございま して、今は6月下旬でございますが、喫緊の御報告がいただければ、私どもはそういっ た意味では、協会内でいろいろやってきた成果が今日は少しは出ているかなという期待 を持って出てきたところでございます。  それが一つございますが、未妥結・仮納入、総価取引、価格のあり方ですとか、薬価 基準のあり方ですとか、いろいろ飛躍して、本来の不透明な取引を是正するための議論 に入っていくには、私どもは調剤保険薬局でございますので、中心的な役割である卸さ んと我々を含めたそういった側とが、もっと突っ込んで議論をさせていただければいい なと思っております。  それから、先ほどの卸さんの報告の中でも、メーカーさんに対して仕切り価の再考を 促す御発言もございました。それについてはメーカーさんと卸とか、そういったことで 当事者間同士でもう少し突っ込んだ議論ができる場と、全体的な議論と、少し分けてや っていただけたらわかりやすいなという感じがしております。 ○嶋口座長  以前には、作業部会のような形で二者間で議論するということもございましたね。そ ういうことをまたやったらどうだろうかと、そういった御示唆でよろしゅうございます でしょうか。  その点について、事務局サイドで御意見はございますでしょうか。 ○二川経済課長  そういった取引も各段階がございますので、そういう段階の議論が必要であるという ことであれば、そういう段階もあろうかと思いますが、どのように区切って、どういう やり方で議論していくのがいいかというのは、また御相談させていただきながら考えた いと思います。 ○嶋口座長  今日の議論は、当会の今後のやり方として改めてまた事務局の方で整理した上テーマ を決めていきたいと思いますが、さらに、そのためにこういう問題が考えられるが、こ んなテーマを取り上げたらいかがだろうかという御意見はございますでしょうか。 ○井上委員  お聞きしておりまして、大塚先生が言われますように、購入者側から見たらうまくい っていないんじゃないか、製薬協さんはうまくいっているんじゃないかと、メーカー側 と購入側でとらえ方が全く違う。  先ほど卸さんから御説明がありましたけれど、この辺が私もよくわからないのですが、 売差マイナス1.47だと。これは1.47%ダンピングをして販売しているということにな るかと思います。それを割り戻しとアローアンスでメーカーが補てんしている。という ことであれば、先ほど大塚先生が言われるように、何かうまくいっていない事に成りま す。  私たち製薬会社側としては、限りなく薬価で買っていただいているというのは、薬価 制度を御理解いただいてうまく流れている、メーカーはそういうふうに思います。しか し、仕入れ価格よりも安く売ったものをメーカーが補てんしている。だから、お互い立 場によって考え方が違うと思います。それなら、先ほどドイツがいいなと言われました ように、もう少しはっきりと、一番初めのような、平成4年の12.31グロスマージンが あって、売差5.41とか、これは卸売業としては通常の営業活動だと思います。しかし、 売差マイナスということになってくると、このような事は他の産業に有るのか無いのか 解りませんが、仕入れ価格を1.47%ダンピングしてとりあえず販売する、メーカーが補 てんする。これを続けていけば、買われる側としては非常に疑問が深まってくると思う のです。 ですから、その辺のところをはっきりと改善した方が解決するのではないかなと思い ます。このまま行きますと、いつまでたってもうまくいかないのかなと思います。我々 後発医薬品には余りそういうことがありませんので、後発品の場合仕入れた価格に自社 で一定のマージンをかけて販売しています。それが一般の卸売販売業だと思います。現 在のように、メーカーが補てんしているから不信感が出るのでは無いでしょうか。それ なら、卸のマージンをはっきりと決めて、医療機関側にも御理解いただいて、卸のマー ジンは何%だということであれば、今のような問題は今後起こってこないのかもしれな いと思います。 ○嶋口座長  ありがとうございました。他の流通の業界でも、一部こういう逆ざやになっていて、 別の補てんをということもあるような気もしますが、それでも、今御意見をいただきま したように、このままの形ではいろいろな不信を買う可能性があるということでござい ますね。  三村先生、このあたりについて、何か御意見ございますか。 ○三村委員  今の問題につきましては、競争原理が働いた結果であるという見方も基本的にありま す。後払いのアローアンスと割り戻しを利益補てん的な意味で捉える考え方もあれば、 別な考え方として、それは本来必要な卸の流通コストが後から支払われているという見 方もあります。そういう観点からすると、そのあたりが非常に不透明になっていること が問題であります。、ただ、これはこういう場で議論するのが適当かどうかというのは ちょっとわからないのですけれど、メーカーと卸との間の役割分担と、そこにおけるリ スク分担と、コストをお互いにどのようにシェアリングするかということについて、本 当はもう少しきちんとした整理をメーカーと卸の間でおやりになるべきではないかと考 えます。そこが曖昧になっていることで、大塚先生がおっしゃったように、価格が不透 明というような見方も出てきやすいのだろうと感じております。 ○嶋口座長  有難うございます。 ○柿田委員  先ほど大塚委員がおっしゃいましたが、私どもの医療機関側が包括医療を導入してき ておりますね。現状では、包括医療を導入した病院で使う薬剤の流通量はそれほど大き なものとは思いませんが、今後包括医療の病院がふえていくと、病院側では、個々の薬 価差というよりもトータルの薬剤費が安ければそれでいいわけですから、流通の態様は 今後かなり変わっていく可能性があると思います。特定機能病院等にDPCが導入され てもうかれこれ4年目に入りますけれど、包括医療導入後の変化に関するデータはござ いますか。 ○松谷委員  DPCについては、本院だけがDPCで、分院は出来高だとか、いろいろな形で購入 されている医療機関さんがその両方を含めてお買いになっているものですから、DPC 病院でも薬価から何%引きというのがまだ多いわけであります。それが今度、手挙げ方 式でかなり増えてきましたので、経営形態として完全にDPCだけで購入をされるとな ると、少し変わってくるのではないかと思いますし、同時に、我々からすると、包括病 院で薬価で請求をしていらっしゃらない病院のものを薬価調査のときに一緒に調査する のは、逆に言うとおかしいんじゃないかとか、いろいろな疑問も持ったり、そういう整 理はまだついておりません。厚労省の方たちとも時々、最終的にはどうなるのでしょう と、そこは薬価調査から外れるべきじゃないですかとおっしゃる意見の方もあったり、 いろいろなので、従来と全く同じような買い方が続いているということですが、ただ、 製品の選び方といいますか、薬剤の決め方ということについて言うと、随分変わってき たと言えると思います。  それは薬価差が幾らというよりも、コストとしてどのように薬剤を選ぶかという選び 方ですが、購入の仕方そのものはどうしても薬価から何%という感じが、DPC病院で も多いというのが、今の実情だと理解しております。  渡辺さんがそこら辺は一番詳しいので。 ○渡辺委員  松谷さんのおっしゃったとおりだと思います。現状、DPCというのも、まだ医療機 関が特定機能病院に絞られています。そうすると、病院の中でも、実際には同じ商品が 包括化になっている場合と薬価請求する場合とが混在している。そういうものがあるの だろうと思います。  もう一つ、松谷さんがおっしゃった中で、薬価調査とルール化との関係で私どもの業 界は悩んでいます。薬価がどこまで行ったら薬価調査がなくなるのだろうと。それが先 ほど、リーズナブルゾーンというか、Rゾーンというか、制度が後づけになってしまう という不安感をメーカーさんはひょっとしたら持っているかもわからない。そうすると、 先ほど大塚さんがおっしゃったように、仕切り価を高くということもあり得なくはない かもわからない。そんなことだと私は思っております。 ○森委員  DPCの導入で流通が変わるということですが、病院がDPCを導入することにより、 入院患者に使用される薬剤が変わってきているようです。そして、退院後も薬局にその まま入院中の薬剤が処方されるようになってきています。 ○大塚委員  先ほどの話は、入院の場合、DPC、診療報酬に入るんです。しかし、ことしから厚 労省は外来についても調査をしようと。ですから、そのうち外来も診療報酬の中に薬剤 が入ってくるんじゃないでしょうか。 ○嶋口座長   ありがとうございました。これまでたくさんの意見をいただきましたが、さらに、こ んな問題を取り上げたらいかがかとか、こういう問題について悩んでいるというあたり は、いつでもオープンに事務局の方に出していただきたいと思います。  次に、今の問題にも少しかかわりますし、先ほどの大塚さんのお話にもちょっとあり ましたが、日本の流通全体が本当にうまくいっているのか、あるいはやはりちょっと問 題があるのかを考える参考として海外の医薬品流通の状況はどうなっているかというこ とを、お話していただきたいと思います。それにつきましては、皆様のお手元に各国の 医薬品流通についての資料がございますので、これをベースにして事務局から御発表い ただいて、その後でディスカッションしてみたいと思います。  これについては、二川課長が直接各国を回られたり、いろいろ資料を集めていただい て、御説明いただける予定でございます。よろしくお願いいたします。 ○二川経済課長  それでは、資料6につきまして御説明申し上げます。  流通全体を御検討いただくということであれば、やはり今座長からありましたように、 各国のまねをする必要はないのですが、まず外国はどうなっているかを調べてみるのが 普通であろうと。  また、先ほど来の議論にもございましたように、日本の他の業種はどうなのだという ことがあると思います。そこにつきましては、実はまだ私どもも余り調査はできており ませんで、今日のところは用意できていないのですが、とりあえず、各国のことにつき ましてわかる範囲でまとめた資料がございますので、御説明させていただきたいと思い ます。ただ、これはいろいろなところで聞いたりして勉強しておりまして、間違ってい ないとは思いますが、完全に正確かどうか自信がないものですから、その辺は正直に「未 定稿」と書いておりますので、もし「ここが違うよ」ということがありましたら、また 御指摘をいただきたいと思っております。  1ページをごらんいただきますと、これは日本のものでございまして、物の流通の話 と、薬価制度、償還価格ですが、これがどうしても議論が重なってまいりますものです から、償還制度のことも一応あわせて書いてございます。御承知のとおり、この流通改 善懇談会では、薬価制度などにつきましての決定権というのはないのでございますが、 そういうこともどうしても議論に出てくるであろうということで、そういったこともあ わせて御説明申し上げます。  日本の方は、御承知のとおりでございまして、製薬メーカーと卸の間で仕切り価で売 買がされて、割り戻し、アローアンスといったものがあると。そして、卸と医療機関・ 薬局の間でまた価格交渉があって、ここで決められる。患者さんは、政府の決めた薬価 の原則として3割を自己負担し、残りの7割を保険者が医療機関・薬局に払うよと、こ ういう仕組みでございます。  薬価の方は、御承知のとおり、新薬につきましては、中医協で類似薬とか原価方式と かそういった方式に基づいて決まりますし、既に流通しているものにつきましては薬価 調査によって実勢価を把握する。こういう形で決まってくるわけでございます。また、 その改定につきましては、2年に1回というプロセスで改定がされていくということで ございます。  次のページでございますが、アメリカにつきましては、基本的に公的な保険制度では ございませんで、民間保険制度でございますので、なかなかわかりにくいのでございま すが、まず流通面で申し上げますと、製薬メーカーが卸に一応仕切り価という、ここで はWACということになっておりますが、こういったメーカーが決めた価格で卸に卸す。  しかしながら、製薬メーカーと薬局・医療機関が直接価格交渉する場合がかなりある ということでございまして、もちろん大手の薬局チェーンとか大手の共同購入の病院・ 組織、そういったところに限定されるようですけれど、そういったところとはメーカー が直接価格交渉をするというケースが相当多いと聞いております。もちろん、しない場 合もあるということでございますが、そういう場合には、卸に卸した値段よりも、WA C−αということで、安く妥結してしまうケースがあると。  そういう場合には、卸さんは安く売るわけにはいきませんので、その分をメーカーか らチャージバックをしていただく。いわば、メーカーが結局直接交渉してきて、卸を通 して流通はしていくけれども、価格交渉権自身はメーカーにある。こういうやり方をと っているということでございます。  一方、薬価につきましては、償還する価格につきましては民間の保険会社と製薬メー カーがこの薬を幾らの償還価格にしてもらうかというのは、こちらで別途協議がなされ ていて、その価格で薬局・医療機関へ償還されるということでございます。  この償還の過程におきまして、製薬メーカーが保険会社にリベートを払うこともある ということでございまして、償還価格は高いのだけれど、リベートというものを抜きま すと、製薬メーカーの取り分はちょっと減るというケースもあるということでございま す。また、この価格交渉につきましては、通常、1年単位で価格交渉が行われていると。 ただ、最近は、企業間、民間同士の話でございますので、四半期とか半期に1回の改定 というものも増加していると承知をしております。  次のページですが、イギリスにつきましても、製薬メーカーから卸へ、NHSの価格 というものがございまして、政府でそれなりに把握をしている価格でございますが、そ の価格の一定割合以上の価格で卸に卸されると。薬局に対しても、そこから一定割合で 行くと。このように、薬価に対してどのくらいの割引で流通するのかということが一応 決まっているという仕掛けでございまして、全く自由にということではないということ でございます。  その薬価というのはどうやって決めるのですかというのが左の方に書いてあります が、NHS価格といいますのは、メーカーが自由に決めるということでございまして、 毎月更新されるというものでございます。ただ、自由にといいましても、ある一定の、 メーカー全体に利益の制限がかかっておりまして、イギリス国内に投資額が多いメーカ ーはその制限が割と緩くて、かなり高い薬価をつけることができると。しかしながら、 イギリスへの投資が少ないメーカー、イギリスから見て外資メーカーですが、そういう メーカーは制限が相当きついので、高い薬価は事実上つけられないという形になってい る。メーカー単位ということだと聞いております。  一方、後発品、ジェネリックにつきましては、卸の売値を薬価調査をして、そこで決 めていくと。これにつきましては、四半期ごとに実勢価を把握して、そこで決めるとい うことのようであります。  さらに、そういう形で薬価が決められて、その薬価の一定割合で流通していくという 仕組みでございます。  一方、償還価格がこの薬価どおりに償還されるかというと、そうではございませんで、 ディスカウント率というのが右の方に書いてございまして、薬局は平均的に薬価よりも 安く買うだろうということで、平均ディスカウント率というものを調査をしておりまし て、もしその平均ディスカウント率よりも高く買ってしまうとその分損すると、こうい う仕掛けになっておりまして、一定のディスカウントがあるものという前提で償還がさ れます。すなわち、NHS価格では償還されない。医療機関・薬局の方はこの価格より 少ない価格でしか償還されない。こういう仕掛けだということでございます。  次のページはドイツでございます。これも製薬メーカーから流れ出しますけれど、卸、 薬局と通ります流れと、一方、医療機関へ直接行く流れとがあります。医療機関に行く 方は診療報酬に包括されているということでございます。卸・薬局の方へ行く流れです と、ここは公定利益ということで、マージン率、利益率、これが決められておりまして、 ガチッとこの1点に決められるということでございまして、あえて言えば、交渉の余地 は基本的にないということで、流通につきましてもかなり統制的であり、最終的な償還 価格だけが公定されているのではなくて、途中の流通も政府の統制のもとに置かれてい て、もう決まっているという仕掛けでございます。  その最終の償還価格につきましては、右下にありますように、メーカーの出荷価格を メーカーが政府に幾らで出荷しますということを登録をする。そして、その登録価格を 2週間ごとに報告をする。2週間たってまた変わっていれば、また報告をする。その報 告したデータに、先ほど申し上げましたように、卸の公定利益、薬局の公定利益と決ま っていますから、出荷価格が決まりますと自動的に償還価格まで決まるという仕掛けに なっております。  ですから、日本の場合ですと、卸と医療機関・薬局の間の取引価格を調査して決める わけですが、ドイツの場合には最初のメーカーの出る価格から自動的に決まるというこ とでございます。  次のページですが、フランスの方も大体同じでありまして、製薬メーカー、卸、薬局 と流れていくことに関しまして、公定利益というものが決まっているということであり ます。ただ、薬価につきましては、製薬メーカーと政府の機関でございますが、ここに ありますような価格を決定する委員会というものがありまして、そことの価格交渉によ りまして決めるということでございます。その決めることにつきましては、原則5年間 は変わらないと承知をしております。ただ、少し売れ過ぎたとか、随分売れているなと いう薬につきましては、随時に引き下げ交渉が始まるということでありまして、特に何 年に1度というわけでもないというルールのようだということでございます。  それから、償還につきましては、フランスの場合には薬の種類によりまして償還率が 違っておりまして、日本ですと原則3割ということになりますが、フランスの場合には 原則35%の患者負担で、残りを保険で償還するということのようでありますが、物によ っては、患者さんの負担が65%で、残りを保険が負担するという薬も若干あると。中に は、自己負担がないもの、あるいは100%患者負担のもの、そういったものもあるとい うことで、何段階かあるということのようでございます。  そのようなことで、流通と保険制度とあわせて、ごく概略でございますが、御説明さ せていただきました。以上でございます。 ○嶋口座長  ここに「未定稿」と書いてありますが、これまでざっと調べたところではこんな感じ ではないかという御説明でした。しかし、「私は詳しく知っているよ」という方も委員 の中にはいらっしゃると思いますので、そういうことも含めて、これから御意見や御質 問をいただきたいと思います。 ○松谷委員  ドイツとフランスで公定価格と書いてありますが、これは償還価格を決めるための公 定価格でありまして、卸と薬局との間は、その公定マージンをもとにしてまた値引き交 渉があり、決まった公定価格を卸がとれるという状況ではございません。ドイツでいう と、公定価格は価格帯によって全部違いますが、平均すると、15%あったとしても、卸 がとれているのは7%前後と。その分は薬局に値引きで入っていると。  あまり値引きが多いのを見ると、今度は疾病金庫が薬局から返してもらうというよう なことをやっておりますので、この公定価格という意味は、患者さんに償還する価格を 決めるための公的価格で、薬局が患者さんに自分のところでディスカウントして物を渡 すというのは禁じられているわけですが、卸と薬局との間の取引は値引きを禁止されて いるわけではありませんので、それだけもうかるというわけではございません、という ふうに私は理解しております。 ○嶋口座長  各国ともそれなりに独自の価格決定プロセスを持っているなということはおわかりだ と思いますが、これは、制度的枠組みが違うわけですから、おのおの違うやり方があっ てしかるべきだと思うのですが、例えば、日本などはこういう方式が参考になるんじゃ ないかとか、あるいはこういうところに照らしてみると日本は問題が浮き出るのではな いかとか、どんな意見でも結構でございますが、いかがでしょうか。 ○大塚委員  ドイツ式の中で、参照価格を超える部分は負担ということですが、これはいい薬であ れば高くても売れるということで、非常に市場原理が働くということで、こういう制度 はやはりあった方がいいんじゃないでしょうか。だめな薬はなくなっていくでしょうし。 ○嶋口座長  だめな薬は当然なくなっていくという市場原理の重要性について、ドイツのあり方は 参考になるかもしれないという御意見でございますね。ありがとうございました。   ○加茂谷委員  ただいま大塚先生の方からドイツの参照価格のお話がございましたが、私どもも数年 ほど前に日本型参照価格という議論がありましたときに、各国の参照価格、ドイツのみ ならず、デンマーク、スウェーデン、オランダといったところも参照価格を導入してい るということで確認いたしましたが、総じて言えることは、後発品が出て、参照価格、 リファレンスプライスが引かれますと、どんなにいい先発品であっても、その参照価格 を超えて、患者の負担をとってまで売れる先発品というのはなかなかないということで 認識しております。  先発品がどんなにいいものであったとしても、リファレンスプライスが引かれますと、 どうしてもそのリファレンスに張りついて、患者さんに負担をしてもらってまで売れる ような薬はなかなか見出せないという現実があるということで、ちょっと古い話かもし れませんけれど、当時はそのように理解しておりました。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それでは、1時間半の予定でございますが、先ほど申し上げましたように、まだいろ いろ議論したい点があるかもしれませんけれど、それは改めて事務局にということで、 第三者的な立場から三村さん、何かコメントがありましたらお願いいたします。 ○三村委員  先ほどの二川課長の資料を前提としたときに、一つ考えなければいけないのは、各国 における卸機能のあり方も当然違うだろうということです。ただ、アメリカはどちらか というと中抜きという傾向が強かったのですけれど、やはり卸機能が必要だという傾向 が生まれているという話も聞いています。  ですから、こういう制度を比較検討していくというのは非常に重要ですが、それぞれ の国が抱えている問題についてもかなり正確な理解をした上でないと、判断が難しいと いうこともあります。しかし、一方で、日本の現状の中において修正すべき点が一体何 かということをきちんと議論しながら、着実に問題解決を進めていくということが非常 に重要かなと思っております。 ○嶋口座長  ありがとうございました。それでは、今日の議論を踏まえまして、改めてまた事務局 で全体の討議をして論点を整理して、それを次の課題として設定する、そういう作業を 進めていただきたいと思っております。今日は非常に貴重な御意見をいただきまして、 ありがとうございました。  最後になりますが、今日は松谷医政局長が、今ちょうど国会がないものですから、最 初からずっと来ていただきましたので、貴重な機会でございますから、一言、ごあいさ つをいただきたいと思います。 ○松谷医政局長  予定には入っておりませんでしたけれども。ちょうど国会が終わりまして、最後まで いることができまして、ありがとうございました。また、先生方には、大変貴重なお時 間をいただきまして、大変ありがとうございます。  昨年の暮れに中間報告を受けまして、先ほど御議論いただきましたように、3月には それを受けた通知等も発出したところでございますが、今いろいろ御提案がございまし たように、中間報告で終わるということではなくて、この懇談会は非常に貴重な機会だ と思いますので、引き続き検討していきたいと思っております。  流通改善に向けては、やることは次々とありますし、課題は尽きないわけでございま すので、それぞれのお立場から是非また御意見を賜って、改善を一歩ずつ進めていく。 これをやれば全部おしまいというものではなく、これは生きている社会の話でございま すので、一つ一つやっていくことが大事だと思われます。そのためにはこの場は非常に 貴重な場だと思っておりますので、ぜひ御活用いただければと思っております。今日の 御意見を伺った上で、また議論を整理して、引き続きやっていきたいと思っております ので、よろしくお願い申し上げます。  私どもの方からいきますと、ちょうど医療改革の法案が先般通ったところでございま すが、それを受けてまた医療界のあり方も少しずつ変わってまいります。これから保険 の方でもまたいろいろ議論が進むということもありましょうし、私ども医療提供側の立 場からしましても、医薬品の流通を含めた全体の改革ということもまたテーマとして出 てくると思いますので、そういうことに向けても、皆様の御意見をいただければと思っ ておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。今日はありがとうございまし た。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。この懇談会はもともとは医政局長の私的諮問機関の ような形で、我々のいろいろな問題意識をお伝えして、そして最終的に決めるべきもの を決めていただくという形で、それを経済課が事務局になって行っているという理解で ございます。ぜひまた我々の生々しい問題意識をまとめ上げて、日本の流通のよい形に 向けていければ良いと思っております。そういう意味では、また引き続きよろしく御参 加、御協力をお願いしたいと思います。  それでは、本日は本当にありがとうございました。                                    −了−  - 1 -